パワーコンバータの入力端子電圧放電回路を実現する方法および装置
【課題】パワーシステムの入力端子間のキャパシタンスを放電するための回路を開示する。
【解決手段】例示的な回路は、パワーシステムの入力に結合された制御回路を含む。制御回路は、電気エネルギ源がパワーシステムの入力に結合されたかどうかを検出するために結合される。スイッチも含まれており、スイッチは、制御回路およびパワーシステムの入力に結合される。制御回路は、電気エネルギ源がパワーシステムの入力に結合される第1の動作モードにおいてスイッチを駆動するように結合される。制御回路は、電気エネルギ源がパワーシステムの入力から分離される第2の動作モードにおいてスイッチを駆動するように結合される。パワーシステムの入力の入力端子間に結合されたキャパシタンスは、電気エネルギ源がパワーシステムの入力端子から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、スイッチによってしきい電圧に放電される。
【解決手段】例示的な回路は、パワーシステムの入力に結合された制御回路を含む。制御回路は、電気エネルギ源がパワーシステムの入力に結合されたかどうかを検出するために結合される。スイッチも含まれており、スイッチは、制御回路およびパワーシステムの入力に結合される。制御回路は、電気エネルギ源がパワーシステムの入力に結合される第1の動作モードにおいてスイッチを駆動するように結合される。制御回路は、電気エネルギ源がパワーシステムの入力から分離される第2の動作モードにおいてスイッチを駆動するように結合される。パワーシステムの入力の入力端子間に結合されたキャパシタンスは、電気エネルギ源がパワーシステムの入力端子から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、スイッチによってしきい電圧に放電される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景情報
開示の分野
本発明は、一般に、電気エネルギ源がパワーシステムの入力端子から切離されたときにパワーシステムの入力端子間に存在するキャパシタンスを放電する回路に関する。より具体的には、本発明は、交流電圧源がパワーシステムの入力端子から切離されたときにパワーシステムの入力間に結合されたEMIフィルタキャパシタを放電する回路に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
パワーシステムは、多数の目的および用途で用いられ得る。例示的なパワーシステムは、入力および出力パワーが電源などの電気的なものであるパワーコンバータを含む。他の例示的なパワーシステムは、入力パワーが電気的なものであり、出力パワーが主に機械的なものであるモータ制御システムなどのパワーコンバータを含む。パワーコンバータは、一般に、パワーコンバータの入力端子間に電圧を印加する電気エネルギ源に結合される。この電気エネルギ源は、直流供給源である場合もあれば、交流供給源である場合もある。1つの種類のパワーコンバータは、スイッチドモードパワーコンバータである。
【0003】
スイッチドモードパワーコンバータは、動作中に電磁障害(electromagnetic interference)(EMI)を発生させる。したがって、スイッチドモードパワーコンバータは、電気エネルギ源に結合されるEMIの量を許容可能なレベルに低減するように設計されたEMIフィルタを含む。多くのEMIフィルタは、パワーコンバータの入力端子間に結合されたキャパシタを含む。電気エネルギ源が交流供給源である場合には、これらのキャパシタは、パワーコンバータの任意の入力ヒューズより前での交流電気エネルギ源の両端における直接的な接続を可能にするような定格であるXキャパシタなどの安全定格キャパシタであってもよい。これらのXキャパシタの頑丈な性質によって、パワーコンバータの入力ヒューズの位置に拘らず、交流ライン全体にわたってXキャパシタを直接用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気エネルギ源が切離されると、Xキャパシタは高い電圧で帯電した状態にとどまる可能性がある。Xキャパシタが十分に大きな値を有する場合、このキャパシタに蓄積されたエネルギは、電気エネルギ源が切離された後でパワーコンバータの入力端子に触る誰に対しても、安全性に関するリスクを生じさせる可能性がある。したがって、国際安全規格は、一般に、総EMIフィルタキャパシタンスがしきい値(典型的には、0.1uF)を上回る場合、電源の入力端子の両端の電圧をある特定の期間内に安全な値に低減しなければならないことを規定している。一般に、この要件は、Xキャパシタ端子の両端に1つ以上の抵抗器を永久に接続することによって達成される。たとえばEN60950−1などの国際安全規格は、XキャパシタのキャパシタンスおよびXキャパシタの両端に結合された総抵抗の時定数が1秒以下であることを規定している。
【0005】
上述のタイプの既存の抵抗放電回路は、コストが低く、頑丈であるが、電気エネルギ源がパワーシステムの入力端子に接続されたときに、抵抗において継続的に電力を消散させる。
【0006】
本発明の非限定的および非網羅的な実施例について、以下の図を参照して説明する。図中、同様の参照番号は、特に明記しない限り、種々の図全体に亘って同様の部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための放電回路を利用する例示的なパワーコンバータを概して示す概略図である。
【図2】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための放電回路のブロック図の一例を示す図である。
【図3】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための例示的な放電回路に関連した波形を示す図である。
【図4】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための例示的な放電回路に関連するさらなる波形を示す図である。
【図5】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための放電回路の一例を示す概略図である。
【図6】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電する例示的な方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子に結合される第1の動作モードおよび電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から分離される第2の動作モードにおいて、スイッチを駆動するように結合された制御回路を利用するパワーコンバータ回路の例示的な回路概略図である。
【図8】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子に結合される第1の動作モードおよび電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から分離される第2の動作モードにおいて、スイッチを駆動するように結合された制御回路を利用するパワーコンバータ回路の別の例示的な回路概略図である。
【図9】本発明の教示に従って、第1の動作状態中はパワーコンバータの入力から出力にエネルギが伝達されるようにパワーコンバータにおいて用いられ、第2の動作状態中は入力から出力にエネルギを伝達することなくスイッチが電流を伝えるコントローラおよびスイッチを制御する例示的な方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための、パワーコンバータ制御回路と一体化した放電回路を利用する例示的なパワーコンバータを示す概略図である。
【図11】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための例示的な放電回路の概略図である。
【図12】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための放電回路を利用する例示的なモータ制御パワーコンバータシステムを示す概略図である。
【図13】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための別の例示的な放電回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
電気エネルギ源がパワーシステムの入力端子から分離されたときにパワーシステムの入力端子間に存在するキャパシタンスを放電するための放電回路を実現する方法および装置について説明する。以下の説明では、本発明を完全に理解できるようにするために、多くの具体的な詳細について記載している。しかしながら、本発明を実施するために具体的な詳細を利用する必要がないことは当業者にとって明白である。他の例では、本発明を曖昧にすることを避けるために、周知の材料または方法については詳細に記載しなかった。
【0009】
本明細書全体を通して「一実施例」、「実施例」、「一例」または「例」に言及することは、その実施例または例と関連付けて記載される特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味している。したがって、本明細書全体を通して種々の場所に登場する「一実施例では」、「実施例では」、「一例」または「例」という句は、必ずしもすべてが同じ実施例または例を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1つ以上の実施例または例の中で、組合せられて任意の好適な組合せおよび/または下位の組合せにされてもよい。特定の特徴、構造または特性は、記載する機能を提供する集積回路、電子回路、組合せ論理回路、または他の好適な構成要素に含まれていてもよい。さらに、ここに添付された図は当業者に対する説明を目的としており、図面は必ずしも一定の比例に応じて描かれていないことを理解されたい。
【0010】
スイッチドモード電源またはスイッチングモータ制御システムなどの多くのパワーシステムの入力端子間に見られるEMIフィルタキャパシタ(しばしば、Xクラス安全キャパシタ)を放電するために用いられる典型的な技術は、パワーシステムの入力端子間に結合された抵抗器を配置するというものである。これらの抵抗器は、電気エネルギ源または電力源がパワーコンバータの入力端子から切離された後、EMIフィルタキャパシタに蓄積された残った如何なるエネルギについても放電回路経路を提供する位置に結合される。一例では、電気エネルギ源は、85〜264Vac範囲のrms電圧レベルを有する主交流電圧源である。
【0011】
しかしながら、浮上しつつあるエネルギ効率基準の影響で、電気エネルギ源が依然としてパワーシステムの入力端子に接続されている間にこれらの放電抵抗器における電力損失を実質的になくす解決策が求められるようになってきた。本発明の教示に係る例は、電気エネルギ源がパワーシステムの入力端子から切離されたときに、EMIフィルタキャパシタを必要に応じて放電できるようにしつつ、放電抵抗器における消散を事実上なくすこのような解決策を提供する。
【0012】
本発明の教示に係る種々の実施例について、主にスイッチドモードパワーコンバータおよびモータ制御パワーシステムを例として用いて説明する。しかしながら、後述する本発明の教示に係るすべての教示は、一般に、電気エネルギ源がシステムに対する入力から分離されたときに帯電したままであると、回路の入力端子間に結合されたキャパシタンスが電気ショックのリスクを生じさせる、電気エネルギ源に結合された如何なるシステムにも適用可能であることを理解されたい。
【0013】
例示のために、図1は、本発明の教示に係る例示的なパワーコンバータ100の概略図を概して示す。電気エネルギ源160は、入力電圧121を提供し、入力端子120および140に結合される。示されるように、パワーコンバータ100は、より詳細に以下に記載する放電回路104を含む。パワーコンバータ100はまた、例示された例では2つの電力変換段を含む。第1の電力変換段は力率改善(power factor correction)(PFC)段111であり、第2の電力変換段は直流−直流変換段112である。この例では、直流−直流段112は、主出力118とスタンバイ出力119とを含み、スタンバイ出力119は、たとえばパーソナルコンピュータ、テレビなどにおける多くのパワーコンバータに特有のものである。一例では、集積回路パッケージ114は、コントローラ113とスイッチ115、116および117とを含むマルチダイ集積回路パッケージであり、スイッチ115、116および117は、示されるように主出力118およびスタンバイ出力119に結合される。別の例では、コントローラ113ならびにスイッチ115、116および117は、単一のモノリシック集積回路に含まれてもよいことを理解されたい。コントローラ113は、主出力118へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ115および116を駆動し、コントローラ113は、スタンバイ出力119へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ117を駆動する。同様に、この例では、コントローラ109およびスイッチ110が集積回路パッケージ108に含まれている。コントローラ109は、直流−直流変換段112に入力を提供するPFC変換段111の出力へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ110を駆動する。
【0014】
図1の例では、放電回路104はキャパシタ102の両端に結合され、キャパシタ102は一例では1つ以上のXキャパシタを含む。この例では、パワーコンバータ入力ヒューズ105は、キャパシタ102と他のEMIフィルタ構成要素106との間に結合され、他のEMIフィルタ構成要素106は、たとえば、1つ以上の共通モードフィルタチョーク、インダクタ、Yキャパシタ、さらには追加のXキャパシタを含み得るであろう。この例では、放電回路104は、制御回路128とスイッチ130とを含む。一例では、制御回路128およびスイッチ130は、集積回路に含まれる。一例では、スイッチ130は、示されるように2つのn−チャネルMOSFET122および123を含む交流スイッチである。他の実施例では、依然として本発明の教示の恩恵を受けながら、たとえばバイポーラトランジスタ、サイリスタ、交流用三極管(トライアック)、交流用ダイオード(ダイアック)、またはpチャネルMOSFETから構築された他の交流スイッチを利用できるであろうということを理解されたい。
【0015】
この例では、第1のMOSFET122のドレイン端子125は、抵抗器101を介して、パワーコンバータ100の第1の入力端子120に結合される。第2のMOSFET123のドレイン端子126は、抵抗器103を介して、パワーコンバータ100の第2の入力端子140に結合され、MOSFET122および123のソース端子は共に結合される。一例では、コントローラ128は、電気エネルギ源160がたとえば接続141および142によってパワーコンバータ100の入力端子120および140に接続されたことを検知する。一例では、制御回路128は、電気エネルギ源160が依然としてパワーコンバータ100の入力に接続されていることを判断するために、接続141と142との間の電圧が最大期間のうちに反転したことを検知する。一例では、最大期間は、およそ20ミリ秒である。
【0016】
例示された例では、制御回路128は、電気エネルギ源160が入力端子120と140との間に結合されたときに高い平均インピーダンスを有するようにスイッチ130を駆動する。接続141と142との間の電圧が最大期間のうちに反転しなければ、電気エネルギ源160はもはやパワーコンバータ100の入力に接続されていないと想定される。この状況下で、一例では、制御回路128は、最大期間未満の期間のうちにキャパシタンス102がしきい電圧未満に放電されるようにスイッチ130を駆動するように結合される。一例では、しきい電圧は、安全超低電圧(safety extra low voltage)(SELV)レベルである。一例では、電気エネルギ源160が入力端子120および140から切離されたことをコントローラ128が検出すると、コントローラ128は、電流が抵抗器101および103、スイッチ130ならびにキャパシタ102を流れるように、スイッチ130をオン状態に駆動する。一例では、抵抗器101および103の値は、スイッチ130がオン状態であるときにキャパシタ102ならびにスイッチ130および抵抗器101および103の合成抵抗の時定数が1秒未満であるように選択される。
【0017】
図1の例では、各抵抗器が一般に100キロオーム〜800キロオームの範囲の値を有するので、高電圧抵抗器101および103は、放電回路104に対してサージ保護を与える。いくつかの実施例では、これらの抵抗器は、安全性が保証されて、入力ヒューズ105より前での入力端子120と140との接続を可能にする。一例では、抵抗器101および103はまた、放電回路104が故障した場合に放電回路104に何らかの保護を与え得る。たとえば、放電回路104の故障は短絡に繋がる可能性があり、その結果、端子125と126との間のインピーダンスが実質的にゼロになる。しかしながら、抵抗器101および103の定格を連続的な高電圧状態を維持する定格とすることができるので、この放電回路104の故障はパワーシステム100にとっては安全である。この理由で、抵抗器101および103の安全性が保証されている場合、放電回路104自体は、抵抗器101および103の存在によって本質的に保護されるので、安全性を保証する必要はない。
【0018】
図2は、一例では図1における放電回路104であり得る例示的な放電回路204のより詳細なブロック図である。以下の説明を明確にするために、図2は、電気エネルギ源260、入力電圧221、入力端子220および240、抵抗器201および203、ならびにキャパシタンス202などの特定の外部要素を含み、これらは、一例では、図1の電気エネルギ源160、入力電圧121、入力端子120および140、抵抗器101および103、ならびにキャパシタンス102にそれぞれ類似したものであり得る。
【0019】
図示された例に示されるように、放電回路204は、制御回路228とスイッチ230とを含む。この例では、スイッチ230は、2つのn−チャネルMOSFET222および223を含む交流スイッチであり、それらのそれぞれのドレインは、端子225および226に結合され、ソースは、放電回路204の内部接地またはゼロボルト基準ノードとしてノード270において共に結合される。他の例では、MOSFET222および223はまた、本発明の教示に従って異なる駆動回路を有する状態で構成されたデプリーションモードMOSFETであり得ることを理解されたい。なお、この例では、放電回路は、外部回路に結合された2つの端子225および226のみを有する。この例では、放電回路204の動作電力は、高電圧電流源224および229から得られる。一例では、高電圧電流源224および229は、(たとえば米国特許第5,285,369号に示されるものなどの)n−チャネルMOSFET222および223の半導体構造の一部からそれぞれ形成することができ、スイッチ230の一部であるとみなされるであろうということを理解されたい。しかしながら、説明の目的で、高電圧電流源224および229は、これを説明する目的で別個の電流源として示されている。
【0020】
図示された例に示されるように、電流源224および229は内部電源ブロック227に結合され、内部電源ブロック227は、内部でキャパシタ271と減結合(decoupled)される内部電源電圧VDDを発生させる。他の例では、キャパシタ271は外部キャパシタであり得ることを理解されたい。キャパシタ271が放電回路204の外側にある例では、放電回路204は、端子225および226と、放電回路のための接地基準としてのノード270である1つの追加の端子と、VDD電源レール259である端子とを含む少なくとも4つの端子を有するであろうということを理解されたい。一般に、放電回路を動作させるための動作電力は、依然として本発明の教示の恩恵を受けながら、たとえば外部ノード220および240に別個に結合されたたとえば高電圧電流源からなど、他の方法でも得られることができるであろうということを理解されたい。
【0021】
図2に図示された例に示されるように、電流源224および229は、タイマおよび制御ブロック273に結合される。一例では、これらの電流源224および229とタイマおよび制御ブロック273との間の接続は、電気エネルギ源260が入力端子220および240に結合されているかどうかを検出するために用いることができる。この例では、電気エネルギ源260が発生させる交流電圧は、極性が周期的に反転する。入力端子220と240との間の電圧の極性によっては、電流源224および229のうちの1つは電流を供給できない。
【0022】
たとえば、一例では、電気エネルギ源260が極性を反転させた時点で、端子225と226との間の電圧は、電流源224も電流源229も内部減結合キャパシタ271に電流を供給できないほどに低くなる。しかしながら、一例では、電気エネルギ源260が切離されると、端子220と240との間の電圧の極性はもはや極性が周期的に反転せず、キャパシタ202に存在する電圧が電流源224および229の動作にとって十分に大きなものである限り、電流源224または229のうちの1つが連続的に電流を供給できる。一例では、タイマおよび制御回路ブロック273は、電流源224または229のうちの1つが、一例では少なくとも20ミリ秒であり得る長期間に亘って連続的に電流を供給できることを検知できる。そうすると、タイマおよび制御回路273は、本発明の教示に従って、電気エネルギ源が切離されたことを判断し、スイッチ230をオン状態に駆動できるであろう。
【0023】
別の例では、放電回路204は、電気エネルギ源が入力端子220および240に結合されたときに電気エネルギ源電圧の極性が反転することに応答して内部電源レールVDD259が下位電圧(under voltage)またはリセットレベルV1未満のレベルに放電されるように結合されるように構成される。これらの状況下で、VDD259が不足電圧またはリセットレベル未満に低減されると、一例では、この事象が回路ブロック273におけるタイマのリセットを引起す。回路ブロック273におけるタイマが、たとえば少なくとも20ミリ秒などの長期間に亘ってリセットされなければ、一実施例では、これは、たとえば260である交流電気エネルギ源が切離されたことを意味し、一例では制御回路273が次いでスイッチ230をオン状態に駆動し得ることを意味する。
【0024】
他の例では、スイッチ230は電流源回路として構成され得て、これは、たとえば、MOSFET223および222に対するゲート駆動を制御することによってまたは流れる電流を最大値に本質的に制限するようにMOSFET223および222の大きさを決めることによって、MOSFET223および222における電流をある特定の値に制限することなどによってなされることを理解されたい。スイッチ230が電流源として挙動する場合、たとえば抵抗器201および203は不要であり、放電回路204自体がスイッチ230に流入する放電電流の値を調整するであろうということを理解されたい。このような例では、安全定格回路としての放電回路を有する必要があり得る。
【0025】
図3の波形は、図1および図2を参照して、例示的な放電回路の動作を概して示す。特に、図3は、2つの例示的な波形388および389を示す。一例では、波形389は、図1および図2における電気エネルギ源160または260が発生させる例示的な電圧波形である。以下の図3および図4の説明では、図1も図2も参照して言及するが、一例では、放電回路104および204は、等価であり得て、したがって交換可能に用いられ得ることが理解される。図3において、例示的な波形388は、図2におけるCVDD 271の両端の電圧である。領域390では、端子225と226との間の電圧は低過ぎるため、電流源224または229のいずれかが放電回路204の動作電流要件を供給することができない。
【0026】
これを説明するために、電圧波形389の正の値は、端子225の電圧が端子226よりも高いことに対応すると想定される。したがって、波形389の電圧値の大きさが十分に高い場合には、領域385において、電流源224は、たとえば時間391においてレベル382 V3までキャパシタCVDDを充電することを可能にするのに十分な電流を供給できる。一例では、内部電源ブロック227は、次いで、領域385における波形388の実質的に平坦な部分によって示されるように、キャパシタCVDD271の両端の電圧をV3 382に実質的に等しくなるように調整する。一例では、この調整は、電流の流れを線形に制御することで、または、オン/オフもしくはヒステリシス制御モードで、信号線238および239で示されるように電流源224および229を制御することによって達成される。別の例では、電流源224および229のヒステリシス制御モードが用いられる場合には、領域385における波形388は平坦であるようには見えず、鋸歯状の形状になり得ることを認識されたい。一例では、V3 382は実質的に5.8ボルトに等しい。
【0027】
一例では、電圧波形389が負である場合には、電流源229が領域386においてアクティブである。したがって、内部電源ブロック227は、電流源224および229を流れる電流を、放電回路204を動作させるのに必要な電流のみに調整する。一例では、放電回路204を動作させるのに必要な総電流は、30μA未満である。これによって、波形389を発生させる、たとえば電気エネルギ源260などの電気エネルギ源が、放電回路204を用いるパワーコンバータに接続されている期間中は、端子225と226との間のインピーダンスが平均して高いことが確実になる。
【0028】
たとえば領域387などにおいて、電圧波形389の大きさが低くなり過ぎて、電流源224または229のいずれかがCVDD271を充電できない場合、一例では、VDD381は、一例ではタイマおよび制御回路273におけるタイマをリセットするために用いられるしきい値である低い方の不足電圧またはリセットしきい電圧V1 383を下回る。一例では、V1 383はおよそ3ボルトである。
【0029】
図4は、一例では、図1および図2において、電気エネルギ源160および260がそれぞれ、時間494において、入力端子120、140および220、240から切離されたときに生じ得る例示的な波形491および488を示す。以下の説明を明確にするために、図2における放電回路204を参照する。494後の時間においては、ゼロ電流がヒューズ205に流入しており、したがって、電流が放電キャパシタ202に流れる唯一の経路は抵抗器201および203ならびに放電回路204を通るものであると想定される。この例では、時間494より前の動作は、上記の図3に示され上記の図3を参照して説明した動作と非常に類似している。
【0030】
図4に示される例を続けると、時間494において、電気エネルギ源260が切離される。しかしながら、キャパシタ202の両端の電圧は、波形491によって示されるように、時間494の直前の電気エネルギ源260の最終的な値496にとどまる。一例ではおよそ20ミリ秒である長期間495の後、タイマおよび制御ブロック273におけるタイマはリセットされていない。一例では、トランジスタ222および223は、次いで、電流が抵抗器201および203、トランジスタ222および223、ならびにキャパシタ202に流れることを可能にするオン状態に駆動される。したがって、キャパシタ202の両端の電圧は、抵抗器201および203、スイッチ230の総抵抗、ならびにキャパシタ202のキャパシタンスによって決定される割合で降下する。説明の目的で、これは、期間497中に波形491がおよそ線形に低減することで図4に示されている。しかしながら、この低減は、実際には放電経路の総抵抗およびキャパシタンスによって決定されるRC放電特性を辿るであろうということが理解される。
【0031】
図示された例に示されるように、放電回路204の内部電源電圧488はまた、期間497中に、波形488によって示されるように、低い方の電圧しきい値V2 498に減衰する。一例では、V2 498は実質的に4.8ボルトに等しい。この例では、内部電源電圧488は、次いで、期間492中にしきい電圧レベルV3 482に戻るように再充電される。一例では、これは、図2におけるトランジスタ222および223をオフにすることによって達成され、これによって、内部電流源224または229のうちの1つが内部電源減結合キャパシタ271を再充電することができる。一例では、V3 482は実質的に5.8ボルトに等しい。内部電源電圧488が電圧しきい値V3に充電されると、トランジスタ222および223はオンになり、キャパシタ202の放電を継続する。
【0032】
一例では、放電回路供給電圧488を放電および再充電するこのプロセスは、波形491によって示される、外部キャパシタ202に残留する電圧がしきい値499を下回るまで続く。この時点で、内部電流源224および229は、MOSFET222および223が時間493において再びオフになっても、もはや内部キャパシタ271を再充電できない。この状況で、波形488によって示される内部電源電圧が時間493においてV2 498に達すると、電圧488は、放電回路204の内部にある回路の静止(quiescent)電流消費によって決定される割合で低減し続ける。時点493を越えると、外部キャパシタ202は、実質的に放電され、トランジスタ222および223がオフになるのでそれ以上放電されることはない。一例では、しきい電圧レベル499は、5〜10ボルトの範囲である。
【0033】
したがって、図2の回路を参照して、一例では、制御回路228は、代替的には、少なくとも2つの動作モードを有する駆動スイッチ230であると言うことができるであろう。第1の動作モードは、電気エネルギ源260が入力端子220および240に結合されるときである。この第1のモードの間、制御回路228は、高い平均インピーダンスが端子225と226との間に存在するようにスイッチ230を駆動する。一例では、端子225と226との間のインピーダンスは、端子225と226との間の電流の流れが30μA未満であるようなものであり、これは、たとえば少なくとも100マイクロ秒の期間に亘って平均したときに一般に3メガオームよりも大きな平均インピーダンスに対応する。
【0034】
第2の動作モードでは、制御回路228は、電気エネルギ源260が入力端子220および240から分離されたことを検出する。この時点で、スイッチ230は、本発明の教示に従って、電力源または電気エネルギ源260が入力端子220および240から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、入力端子220と240との間に存在するキャパシタンス202がしきい電圧未満に放電されるように駆動される。
【0035】
図5は、本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための放電回路504の一例を示す概略図である。一例では、放電回路504は集積回路である。一例では、図5に示される例示的な放電回路504は、本発明の教示に従って、図3および図4に示す波形と類似の波形を発生させる、図1および図2を参照して上述した放電回路であり得る。
【0036】
図5に図示された例に示されるように、放電回路504は、スイッチ530に結合された2つの外部端子525および526のみを有する。この例では、スイッチ530は、2つのMOSFET522および523を含む交流スイッチである。他の例では、スイッチ530は、依然として本発明の教示の恩恵を受けながら、JFETスイッチなどの他のタイプのスイッチを含み得ることを理解されたい。一例では、レギュレータ回路596は、電圧VDDをキャパシタ571と減結合させた電源レール559を発生させる。制御回路528は、電源レール559から電力を供給され、スイッチ530を駆動するようにゲート駆動出力597を提供する。比較器590、591および592は、電源レール電圧559を監視する。電源レール559がV3を下回る場合、比較器590の出力は、電流をレギュレータブロック596に供給するように電流源524および529を駆動する。電源レール559がV3を上回る場合、比較器590の出力は、電流源524および529をオフに駆動する。電源レール559がV2を下回る場合、比較器591の出力は、スイッチ530をオフにするようにゲート駆動論理ブロック595にハイ信号を提供する。電源レール559がV2を上回る場合、比較器591の出力は、ゲート駆動論理ブロック595にロー信号を提供する。
【0037】
一例では、線検知ブロック593は、端子525と526との間の電圧がしきい電圧レベルを下回るたびにタイマ594をリセットするようにタイマブロック594に結合される。一例では、端子525と526との間の電圧が、しきい値期間の間、しきい電圧レベルを下回らない場合、タイマ出力信号598は、スイッチ530をオン状態に駆動するようにゲート駆動論理ブロック595に結合される。電源レール電圧559が電圧しきい値V1を下回る場合、PU_reset信号599は、制御回路528内のリセットタイマ594およびすべての他の回路に結合される。
【0038】
別の例では、線検知ブロック593を全く省くことができ、その代わりに、PU_reset信号599をタイマ回路594の入力589に結合することができるであろう。その例では、電源レール559が、しきい値期間を越える期間の間、しきい電圧レベルV1を下回らない場合に、スイッチ530がオンになるよう命令するためにタイマ出力信号598がゲート駆動論理ブロック595に結合されるように、電源投入リセット事象自体を用いてタイマ回路594をリセットする。
【0039】
図6は、電気エネルギ源がパワーシステムの入力端子から切離されたときにパワーシステムの入力端子間のキャパシタンスを放電する例示的な方法を示すフローチャート660を概して示す。一例では、図6は、上記の図1および図2における回路104および204の動作を説明することができるであろう。用語V1、V2およびV3の使用は、一例では、図3および図4における電圧レベル383/483、498および382/482と等価であると想定することができる。動作はブロック661において開始し、ブロック662において、Q1およびQ2はオフ状態にある。一例では、Q1は図2におけるMOSFET222と等価であり、Q2は図2におけるMOSFET223と等価である。ブロック663において、タイマがリセットされる。このタイマは、一例では、タイマおよび制御ブロック273を参照して上述したタイマであり得る。ブロック664において、VDDがV1未満である場合、回路はCVDD、たとえば図2ではCVDD271の再充電を試み、ブロック662に戻る。しかしながら、VDDがV1よりも大きい場合、ブロック665において、回路はVDDがV3未満であるかどうか確認する。VDDがV3未満でなければ、この例では、ブロック666は内部タイマ時間がアップしているかどうか確認し、内部タイマ時間がアップしていれば、ブロック667において、たとえば電気エネルギ源260が切離されており、Q1およびQ2が両方ともオンであると判断される。ブロック668において、VDDがV2よりも大きいかどうかが継続的に確認され、VDDがV2よりも大きければ、Q1およびQ2がオン状態である状況が続く。しかしながら、VDDがもはやV2よりも大きくなくなるとすぐに、ブロック669においてQ1およびQ2がオフになる。次いで、動作はブロック665に戻り、ブロック665において、VDDがV3未満であるかどうかが再び判断される。VDDがV3未満であれば、ブロック670は、VDDがV1という低い方の不足電圧またはリセット電圧しきい値未満であるかどうか確認し、この場合、回路は、ブロック672においてCVDDの再充電を試み、ブロック662に戻る。そうでなければ、ブロック671においてCVDDは再充電され、動作はブロック665に戻る。
【0040】
図7は、第1の動作状態中はパワーコンバータの入力から出力730にエネルギを伝達するように結合され、第2の動作状態下ではパワーコンバータの入力から出力にエネルギを伝達することなくスイッチ710が電流を伝えるように結合される制御回路709およびスイッチ710を利用するパワーコンバータ700回路の例示的な回路概略図である。
【0041】
この例では、コンバータ700はブーストコンバータである。一例では、ブーストコンバータ700は、当業者に公知の力率改善機能を実行するために用いることができるであろう。パワーコンバータ700は、電気エネルギ源または電力源760に結合され、パワーコンバータ700のEMIキャパシタ702と入力端子740との間に結合されたヒューズ705を含む。この例では、他のEMIフィルタ構成要素ブロック706がブリッジ整流器回路707に結合される。ブリッジ整流器回路707の出力は、通常動作中、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力に結合されたときにパワーコンバータ700の入力端子720および740から出力730へのエネルギの流れを調整するように制御回路709がスイッチ710を駆動するようにブーストコンバータ回路711に結合する。
【0042】
一例では、制御回路709は、たとえば抵抗器775における電流を検知することによって、電気エネルギ源760がいつパワーコンバータ700の入力から切離されたかを検出するために結合される。図示された例に示されるように、抵抗器775は、整流器回路707の出力とコントローラ709との間に結合される。電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力に結合されている間、整流器回路707の出力の両端に現れる電圧Vdc731は、図7に示される波形732によって示されるように交流入力電圧721の、全波が整流されているが平滑されていないバージョンである。しかしながら、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力から分離されると、Vdc731は、切離しの時点での電気エネルギ源760の電圧の値によって決定される安定した直流値になる。一例では、コントローラ709は、Vdcが波形732によって示されるものなどの全波整流電圧であるか安定した直流電圧レベルであるか、したがって、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力に結合されているか分離されているかを検出する方法として、抵抗器775に流入する電流を検出するために結合される。一例では、これは、放電回路204において用いられるものと類似のタイミング技術を用いることによって達成され得る。このタイプの検出は、依然として本発明の教示の恩恵を受けながら、整流回路707より前のノードにコントローラ709を結合することによっても達成され得ることを理解されたい。
【0043】
パワーコンバータ700の代替的な説明では、制御回路709は、少なくとも2つの動作モードでスイッチ710を駆動するものであると言うことができる。第1の動作モードは、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力に結合されるときである。この第1のモード中、制御回路709は、パワーコンバータ700の入力から出力へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ710を駆動する。第1のモードは、制御回路709のスタンバイまたはシャットダウンモード中にエネルギの流れが実質的にゼロに調整される状況を含む。スタンバイまたはシャットダウン状態では、制御回路709はスイッチ710をオフ状態に駆動する。
【0044】
第2の動作モードでは、制御回路709は、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700に対する入力から分離されたことを検出する。次いで、スイッチ710は、電流がスイッチ710に流入するように駆動される。次いで、パワーコンバータ700の入力端子720と740との間に存在するキャパシタンス702は、本発明の教示に従って、電力源または電気エネルギ源760がパワーコンバータの入力端子720および740から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、しきい電圧未満に放電される。最大期間は、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から分離された直前のパワーコンバータ700の入力と出力との間のエネルギの流れの量の影響を受けない。
【0045】
なお、キャパシタンス702の放電は、一例では、キャパシタンス702の必要な放電レベルが達成されるまで連続的にスイッチ710をオンに駆動することによって達成され得る。別の例では、キャパシタンス702の放電は、本発明の教示に従って、放電期間中にエネルギが依然としてパワーコンバータ700の入力から出力に伝達されるようにキャパシタンス702の必要な放電が達成されるまで、スイッチ710をオンおよびオフに駆動することによって達成され得る。一例では、この放電期間中のパワーコンバータ700の入力から出力へのエネルギの流れは、制御回路709によって調整される場合もあれば、調整されない場合もある。
【0046】
図8は、本発明の教示に従って制御回路813を利用するパワーコンバータ800回路の別の例示的な回路概略図である。図示された例に示されるように、制御回路813は、スイッチ815、816および817に結合される。この例では、スイッチ816および815は、たとえばパーソナルコンピュータのパワーコンバータにおいて利用され得る主電源を形成する2スイッチフォワードコンバータの2つのスイッチである。この例では、スイッチ817は、たとえばパーソナルコンピュータのパワーコンバータにおいてスタンバイ電源の一部を形成し得るフライバックコンバータのスイッチである。主電力変換段もスタンバイ電力変換段も、直流−直流コンバータと呼ぶことができる。なぜなら、電力変換段811の出力電圧は、実質的に一定の直流値であるためである。一例では、スイッチ817は、第1の動作状態中はパワーコンバータ800の入力からパワーコンバータの出力819へエネルギを伝達するように制御回路813によって駆動され、第2の動作状態下ではコンバータ800の入力から出力819にエネルギを伝達することなくスイッチ817が電流を伝えるように結合される。
【0047】
図示された例に示されるように、パワーコンバータ800は、電気エネルギ源または電力源860に結合され、パワーコンバータ800のEMIキャパシタ802と入力端子840との間に結合されたヒューズ805を含む。この例では、他のEMIフィルタ構成要素ブロック806は、ブリッジ整流器回路807に結合される。この例に示されるように、ブリッジ整流器回路807の出力は、ブーストコンバータ回路811に結合される。ブーストコンバータ回路811の出力は、フォワードおよびフライバックコンバータ812に結合される。
【0048】
ある1つの動作モード中、制御回路813は、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力に結合されたときにパワーコンバータ800の入力端子820および840から出力818へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ815および816を駆動する。一例では、制御回路813は、たとえば抵抗器875における電流を検知することによって、電気エネルギ源860がいつパワーコンバータ800の入力から切離されたかを検出するために結合される。図示された例に示されるように、抵抗器875は、整流器回路807の出力とコントローラ813との間に結合される。電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力に結合されている間、整流器回路807の出力の両端に現れる電圧Vdc831は、波形832によって示されるように、交流入力電圧821の、全波が整流されているが平滑されていないバージョンである。しかしながら、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力から分離されると、Vdc831は、切離しの時点での電気エネルギ源860の電圧の値によって決定される安定した直流値になる。一例では、コントローラ813は、Vdc831が全波整流電圧レベルであるか安定した直流電圧レベルであるか、したがって、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力に結合されているか分離されているかを検出する方法として、抵抗器875に流入する電流を検出するために結合される。一例では、これは、放電回路204において用いられるものと類似のタイミング技術を用いることによって達成され得る。このタイプの検出は、依然として本発明の教示の恩恵を受けながら、整流回路807より前のノードにコントローラ813を結合することによっても達成され得ることを理解されたい。
【0049】
パワーコンバータ800の代替的な説明では、制御回路813は、少なくとも2つの動作モードでスイッチ815および816を駆動するものであると言うことができる。第1のモードは、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力に結合されるときである。この第1のモードの間、制御回路813は、パワーコンバータ800の入力から出力818へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ815および816を駆動する。第1のモードは、制御回路813のスタンバイまたはシャットダウンモード中にエネルギの流れが実質的にゼロに調整される状況を含む。スタンバイまたはシャットダウン状態では、制御回路813は、スイッチ815および816をオフ状態に駆動してもよい。
【0050】
第2の動作モードでは、制御回路813は、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800に対する入力から分離されたことを検出する。次いで、スイッチ815および816は、本発明の教示に従って、電力源または電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力端子820および840から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、パワーコンバータの入力端子間に存在するキャパシタンス802がしきい電圧未満に放電されるように駆動される。最大期間は、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力端子から分離される直前のパワーコンバータ800の入力と出力との間のエネルギの流れの量の影響を受けない。
【0051】
なお、キャパシタンス802の放電は、一例では、本発明の教示に従って、放電期間中にエネルギが依然としてパワーコンバータの入力から出力に伝達されるようにキャパシタンス802の必要な放電が達成されるまで、スイッチ815および816をオンおよびオフに駆動することによって達成され得る。一例では、この放電期間中のパワーコンバータの入力から出力へのエネルギの流れは、制御回路813によって調整される場合もあれば、調整されない場合もある。
【0052】
パワーコンバータ800を用いる代替的な例では、制御回路813は、少なくとも2つの動作モードでスイッチ817を駆動するものであるとも言うことができる。第1のモードは、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力に結合されるときである。この第1のモードの間、制御回路813は、パワーコンバータ800の入力から出力819へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ817を駆動する。第1のモードは、制御回路813のスタンバイまたはシャットダウンモード中にエネルギの流れが実質的にゼロに調整される状況を含む。スタンバイまたはシャットダウンモードでは、制御回路813はスイッチ817をオフ状態に駆動する。
【0053】
第2の動作モードでは、制御回路813は、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800に対する入力から分離されたことを検出する。次いで、スイッチ817は、本発明の教示に従って、電力源または電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力端子820および840から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、パワーコンバータ800の入力端子間に存在するキャパシタンス802がしきい電圧未満に放電されるように駆動される。
【0054】
なお、キャパシタンス802の放電は、一例では、キャパシタンス802の放電が達成されるまで連続的にスイッチ817をオンに切換えることによって達成され得る。別の例では、キャパシタンス802の放電は、本発明の教示に従って、放電期間中にエネルギが依然としてパワーコンバータの入力から出力に伝達されるようにキャパシタンス802の必要な放電が達成されるまで、スイッチ817をオンおよびオフに切換えることによって達成され得る。一例では、この放電期間中のパワーコンバータの入力から出力へのエネルギの流れは、制御回路813によって調整される場合もあれば、調整されない場合もある。
【0055】
なお、説明した図7および図8の例では、ヒューズ705および805が、パワーコンバータ700および800の入力端子とキャパシタ702および802との間にそれぞれ位置決めされる。この配置では、たとえそれぞれの入力ヒューズが開回路状態にあるとしても、図7ではキャパシタンス702とスイッチ710との間に、図8ではキャパシタンス802とスイッチ816/815または817との間に放電経路が存在する。入力ヒューズ705または805のこの配置では、本発明の教示の恩恵を受ける図示しない回路のさらなる例が、図7または図8における整流回路707または807の出力端子間にそれぞれ直接的に結合されたスイッチであり得ることを理解されたい。このようなスイッチは、上述のスイッチ710、815、816および817によって実行されるものと類似の放電機能を実行することができ、コントローラ709または813から駆動されることができるであろう。一例では、このスイッチは、放電事象中にスイッチにおける最大ピーク電流を制限するように電流制限抵抗器に結合され得る。
【0056】
本発明の教示の恩恵を受ける回路の他の例は、たとえば、図7における制御回路709の内部にあって、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力から分離されたときにパワーコンバータ700の入力端子間に存在するキャパシタンス702を放電するための電流経路として抵抗器775に結合される回路を用いることを含み得ることを理解されたい。一例では、これは、放電回路204と類似の技術であるが、スイッチ222および223ならびに電流源224および229によって形成される交流スイッチの代わりに単一の直流スイッチおよび単一の電流源を有する技術を用いることによって達成され得る。一例では、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力に結合されている間に抵抗器775に流入する電流は、制御回路709の動作のための開始電流も提供し得る。この例では、始動電流は、制御回路709の始動局面中にのみ供給され、その後、ブーストインダクタまたは他の磁気構成要素の図示しない供給巻線が、供給電流を制御回路709に提供することを引き継ぐであろう。
【0057】
さらに別の例は、たとえば、図8における制御回路813の内部にあって、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力から分離されたときにパワーコンバータ800の入力端子間に存在するキャパシタンス802を放電するための電流経路として抵抗器875に結合される回路を用いることを含み得る。一例では、これは、放電回路204と類似の技術であるが、スイッチ222および223ならびに電流源224および229によって形成される交流スイッチの代わりに単一の直流スイッチおよび単一の電流源を有する技術を用いることによって達成され得る。一例では、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力に結合されている間に抵抗器875に流入する電流は、制御回路813の動作のための開始電流を提供し得る。この例では、始動電流機能は、制御回路813の始動局面中にのみアクティブであり、その後、たとえばブーストインダクタまたは他の磁気構成要素の、パワーコンバータ800内の図示しない供給巻線が、その巻線の電圧がしきい値に達したときに制御回路813に供給電流を提供することを引き継ぐであろう。
【0058】
パワーコンバータ700および800が、依然として本発明の教示の恩恵を受けながら、たとえば故障が生じたときの特定の保護モードを含む、説明の目的で上述したモード以外の他の動作モードを有し得ることも理解されたい。
【0059】
図9は、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための制御回路のための例示的な方法を示すフローチャート960を概して示す。一例では、図9に示される方法は、図7および図8を参照して上述したものと類似している。示されるように、パワーコンバータは、ブロック961において開始する。ブロック962において、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力に結合されたかどうかが判断される。結合されていれば、制御回路は、パワーコンバータの入力から出力へのエネルギの流れを調整するようにスイッチを駆動する。一例では、このエネルギの流れは実質的にゼロに調整できることを理解されたい。次いで、ブロック963の出力は、判断ブロック962の入力に接続される。電気エネルギ源がパワーコンバータの入力に接続されていない場合、ブロック962の出力はブロック964に接続され、ブロック964では、制御回路は、本発明の教示に従って、最大期間内に、パワーコンバータの入力端子間に接続されたキャパシタンスをしきい値レベルに放電するようにスイッチを駆動する。
【0060】
図10は、本発明の教示の恩恵を受ける別の例示的な回路を示す。図10に示される例示的な回路図は、図1に示される例示的な回路図と類似点を共有していることを理解されたい。しかしながら、図10における放電回路1004は、主、スタンバイおよび放電制御回路1013内に一体化されている。図示された例に示されるように、制御回路1013は、スイッチ1015、1016および1017も含む集積回路1014の一部を形成する。機能的には、放電回路1004の動作は、一例では、図1および図2に関して上述した放電回路104および204とそれぞれ非常に類似している。パワーコンバータ1000の例示的な現実的な実現例では、このような放電回路1004の一体化は、コストの節約および印刷回路基板の面積の節約をもたらすことができる。他の例では、放電回路1004はPFCコントローラ1009と一体化できるであろうということを理解されたい。一般に、放電回路1004は、いくつか例を挙げると、LLCコンバータ、フルおよびハーフブリッジコンバータ、SEPICコンバータ、ならびにCUKコンバータなどの任意のコントローラ回路と一体化できるであろう。
【0061】
図11は、本発明の教示に係る放電回路1104のディスクリート部品の実現例の一例を示す。示されるように、キャパシタ1157ならびにダイオード1156および1158は、交流電気エネルギ源1160が入力端子1120および1140に結合されたときにキャパシタ1160の両端に電圧を発生させる充電ポンプまたは容量性ドロッパ(dropper)電源を形成する。したがって、抵抗器1155を通ってトランジスタ1154のベースに流入する電流は、トランジスタ1154をオン状態に保持する一方、電気エネルギ源1160は、入力端子1120および1140に結合されたままである。MOSFET1122および1123のゲートは、ダイオード1152および1153を介してトランジスタ1154のコレクタに結合される。これによって、回路接地1150に対するMOSFET1122および1123のゲート電圧がMOSFETのゲートしきい電圧未満であること、ならびに、トランジスタ1154がオン状態にあるときにMOSFET1122および1123がオフ状態にあることが確実になる。しかしながら、交流電気エネルギ源1160が入力端子1120および1140から分離されると、充電ポンプ回路はもはやエネルギをキャパシタ1160に提供せず、キャパシタ1160は、抵抗器1161および1155ならびにキャパシタ1160のRC時定数によって設定される割合で放電する。
【0062】
キャパシタ1160ならびに抵抗器1155および1161のための構成要素の値を選択することによって選択された、一例ではおよそ20ミリ秒であり得る長期間の後、トランジスタ1154はオフになる。この時点で、キャパシタ1102の両端の電圧の極性によっては、MOSFET1122またはMOSFET1123のいずれかのゲート電圧は、ゲート電圧しきい値に上昇し、最終的に、ツェナー1178またはツェナー1179のいずれかによってクランプされる。
【0063】
入力端子1120の電圧が入力端子1140の電圧よりも高い例では、1122のゲートは、ハイに引張られて、MOSFET1122をオンにする。次いで、電流がキャパシタ1102から抵抗器1101を通って、MOSFET1122のチャネルを通って、(当業者に公知のMOSFET1123の半導体構造の固有の部分である)MOSFET1123のボディダイオードを通って、抵抗器1103を通って、キャパシタ1102に戻り、したがって、本発明の教示に従って放電電流経路を形成する。その値未満では1122のゲート電圧が1122のゲートしきい電圧を下回る低い方のしきい値にキャパシタ1102の両端の電圧が達すると、MOSFET1122はオフになり、1122のために用いられるMOSFETのタイプによっては一般に5〜10ボルトの範囲である残留電圧が、キャパシタ1102に残ることになる。
【0064】
なお、上記の記載は、説明の目的で、入力および出力エネルギが主に電気的なものであるパワーコンバータに焦点を当てた。図12は、入力電力およびエネルギが電気的なものであるが、出力において主に機械的なエネルギおよびパワーに変換されるモータ制御パワーコンバータまたはパワーシステムの一例を示す。例示される例では、放電回路1204が上述の制御回路104および204と特徴および機能の点で多くの類似点を共有していることを理解されたい。図12に図示される例はブーストコンバータ1211の使用を示しているが、他の例では、本発明の教示に従って、電力変換段1211を含むことは必ずしも必要とされないであろうということを理解されたい。他の例では、放電回路1204は、モータコントローラ1214、またはさらには、モータ巻線1219に結合されたパワースイッチ回路1217内に一体化できることを理解されたい。他の例では、パワーシステムは、入力電力およびエネルギが電気的なものであるが、パワーシステムの出力において、たとえばLEDドライバパワーシステムなどにおける光学または光出力エネルギに主に変換されるものであり得ることを理解されたい。
【0065】
図13は、本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための放電回路の別の例の概略図を示す。この例では交流電圧源である電気エネルギ源1360は、入力端子1320および1340に結合される。図示された例に示されるように、交流電圧源1360が入力端子1320および1340に結合されている間、電流は、キャパシタ1303に流入し、整流器ブリッジ1305を流れて、リレー1330の巻線1331に電流を提供する。この例では、リレー1330は、電流が巻線1330に流入するとリレースイッチ1332が開く通常閉タイプである。エネルギ源1360が端子1320および1340から分離されると、キャパシタ1303および整流ブリッジ1305への電流の流入は停止する。次いで、キャパシタ1301の値によって決定される時間において、巻線1331に流入する電流は実質的にゼロに減少する。巻線1331における電流がしきい値レベルを下回ると、スイッチ1332は閉じて、キャパシタ1302を放電する。一例では、まず電気エネルギ源が入力端子に結合され、スイッチが閉じてキャパシタ1302を放電するときに、スイッチ1332におけるピーク電流を制限するために、電流制限抵抗器がスイッチ1332と直列に結合され得る。
【0066】
一般に、図1から図13に関して上述した本発明の教示はすべて、電気エネルギ源がシステムに対する入力から分離されたときに帯電したままであれば、回路の入力端子間に結合されたキャパシタンスが電気ショックのリスクを生じさせる、電気エネルギ源に結合された如何なるシステムにも適用可能であることを理解されたい。
【0067】
要約書に記載されるものを含む図示される本発明の例の上記の説明は、網羅的であるように意図されるものではなく、または、開示される厳密な形態に限定されるように意図されるものではない。この発明の具体的な実施例および例は本明細書において例示の目的で記載されており、本発明のより広範な精神および範囲から逸脱することなく、種々の等価の変更が可能である。実際、特定の電圧、電流、周波数、電力範囲値、時間などは説明の目的で提供されており、他の値も本発明の教示に従って他の実施例および例において利用されてもよいことを理解されたい。
【0068】
これらの変更は、上記の詳細な説明に鑑みて、この発明の例に対してなされることができる。以下の特許請求の範囲の中で用いられる用語は、明細書および特許請求の範囲に開示されている具体的な実施例にこの発明を限定するように解釈すべきではない。むしろ、その範囲は専ら以下の特許請求の範囲によって決まり、特許請求の範囲は、確立されたクレーム解釈の原理に従って解釈される。したがって、本明細書および図面は、限定的ではなく例示的であると見なされる。
【符号の説明】
【0069】
102 キャパシタンス、128 制御回路、130 スイッチ、160 電気エネルギ源
【技術分野】
【0001】
背景情報
開示の分野
本発明は、一般に、電気エネルギ源がパワーシステムの入力端子から切離されたときにパワーシステムの入力端子間に存在するキャパシタンスを放電する回路に関する。より具体的には、本発明は、交流電圧源がパワーシステムの入力端子から切離されたときにパワーシステムの入力間に結合されたEMIフィルタキャパシタを放電する回路に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
パワーシステムは、多数の目的および用途で用いられ得る。例示的なパワーシステムは、入力および出力パワーが電源などの電気的なものであるパワーコンバータを含む。他の例示的なパワーシステムは、入力パワーが電気的なものであり、出力パワーが主に機械的なものであるモータ制御システムなどのパワーコンバータを含む。パワーコンバータは、一般に、パワーコンバータの入力端子間に電圧を印加する電気エネルギ源に結合される。この電気エネルギ源は、直流供給源である場合もあれば、交流供給源である場合もある。1つの種類のパワーコンバータは、スイッチドモードパワーコンバータである。
【0003】
スイッチドモードパワーコンバータは、動作中に電磁障害(electromagnetic interference)(EMI)を発生させる。したがって、スイッチドモードパワーコンバータは、電気エネルギ源に結合されるEMIの量を許容可能なレベルに低減するように設計されたEMIフィルタを含む。多くのEMIフィルタは、パワーコンバータの入力端子間に結合されたキャパシタを含む。電気エネルギ源が交流供給源である場合には、これらのキャパシタは、パワーコンバータの任意の入力ヒューズより前での交流電気エネルギ源の両端における直接的な接続を可能にするような定格であるXキャパシタなどの安全定格キャパシタであってもよい。これらのXキャパシタの頑丈な性質によって、パワーコンバータの入力ヒューズの位置に拘らず、交流ライン全体にわたってXキャパシタを直接用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気エネルギ源が切離されると、Xキャパシタは高い電圧で帯電した状態にとどまる可能性がある。Xキャパシタが十分に大きな値を有する場合、このキャパシタに蓄積されたエネルギは、電気エネルギ源が切離された後でパワーコンバータの入力端子に触る誰に対しても、安全性に関するリスクを生じさせる可能性がある。したがって、国際安全規格は、一般に、総EMIフィルタキャパシタンスがしきい値(典型的には、0.1uF)を上回る場合、電源の入力端子の両端の電圧をある特定の期間内に安全な値に低減しなければならないことを規定している。一般に、この要件は、Xキャパシタ端子の両端に1つ以上の抵抗器を永久に接続することによって達成される。たとえばEN60950−1などの国際安全規格は、XキャパシタのキャパシタンスおよびXキャパシタの両端に結合された総抵抗の時定数が1秒以下であることを規定している。
【0005】
上述のタイプの既存の抵抗放電回路は、コストが低く、頑丈であるが、電気エネルギ源がパワーシステムの入力端子に接続されたときに、抵抗において継続的に電力を消散させる。
【0006】
本発明の非限定的および非網羅的な実施例について、以下の図を参照して説明する。図中、同様の参照番号は、特に明記しない限り、種々の図全体に亘って同様の部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための放電回路を利用する例示的なパワーコンバータを概して示す概略図である。
【図2】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための放電回路のブロック図の一例を示す図である。
【図3】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための例示的な放電回路に関連した波形を示す図である。
【図4】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための例示的な放電回路に関連するさらなる波形を示す図である。
【図5】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための放電回路の一例を示す概略図である。
【図6】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電する例示的な方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子に結合される第1の動作モードおよび電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から分離される第2の動作モードにおいて、スイッチを駆動するように結合された制御回路を利用するパワーコンバータ回路の例示的な回路概略図である。
【図8】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子に結合される第1の動作モードおよび電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から分離される第2の動作モードにおいて、スイッチを駆動するように結合された制御回路を利用するパワーコンバータ回路の別の例示的な回路概略図である。
【図9】本発明の教示に従って、第1の動作状態中はパワーコンバータの入力から出力にエネルギが伝達されるようにパワーコンバータにおいて用いられ、第2の動作状態中は入力から出力にエネルギを伝達することなくスイッチが電流を伝えるコントローラおよびスイッチを制御する例示的な方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための、パワーコンバータ制御回路と一体化した放電回路を利用する例示的なパワーコンバータを示す概略図である。
【図11】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための例示的な放電回路の概略図である。
【図12】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための放電回路を利用する例示的なモータ制御パワーコンバータシステムを示す概略図である。
【図13】本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための別の例示的な放電回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
電気エネルギ源がパワーシステムの入力端子から分離されたときにパワーシステムの入力端子間に存在するキャパシタンスを放電するための放電回路を実現する方法および装置について説明する。以下の説明では、本発明を完全に理解できるようにするために、多くの具体的な詳細について記載している。しかしながら、本発明を実施するために具体的な詳細を利用する必要がないことは当業者にとって明白である。他の例では、本発明を曖昧にすることを避けるために、周知の材料または方法については詳細に記載しなかった。
【0009】
本明細書全体を通して「一実施例」、「実施例」、「一例」または「例」に言及することは、その実施例または例と関連付けて記載される特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味している。したがって、本明細書全体を通して種々の場所に登場する「一実施例では」、「実施例では」、「一例」または「例」という句は、必ずしもすべてが同じ実施例または例を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1つ以上の実施例または例の中で、組合せられて任意の好適な組合せおよび/または下位の組合せにされてもよい。特定の特徴、構造または特性は、記載する機能を提供する集積回路、電子回路、組合せ論理回路、または他の好適な構成要素に含まれていてもよい。さらに、ここに添付された図は当業者に対する説明を目的としており、図面は必ずしも一定の比例に応じて描かれていないことを理解されたい。
【0010】
スイッチドモード電源またはスイッチングモータ制御システムなどの多くのパワーシステムの入力端子間に見られるEMIフィルタキャパシタ(しばしば、Xクラス安全キャパシタ)を放電するために用いられる典型的な技術は、パワーシステムの入力端子間に結合された抵抗器を配置するというものである。これらの抵抗器は、電気エネルギ源または電力源がパワーコンバータの入力端子から切離された後、EMIフィルタキャパシタに蓄積された残った如何なるエネルギについても放電回路経路を提供する位置に結合される。一例では、電気エネルギ源は、85〜264Vac範囲のrms電圧レベルを有する主交流電圧源である。
【0011】
しかしながら、浮上しつつあるエネルギ効率基準の影響で、電気エネルギ源が依然としてパワーシステムの入力端子に接続されている間にこれらの放電抵抗器における電力損失を実質的になくす解決策が求められるようになってきた。本発明の教示に係る例は、電気エネルギ源がパワーシステムの入力端子から切離されたときに、EMIフィルタキャパシタを必要に応じて放電できるようにしつつ、放電抵抗器における消散を事実上なくすこのような解決策を提供する。
【0012】
本発明の教示に係る種々の実施例について、主にスイッチドモードパワーコンバータおよびモータ制御パワーシステムを例として用いて説明する。しかしながら、後述する本発明の教示に係るすべての教示は、一般に、電気エネルギ源がシステムに対する入力から分離されたときに帯電したままであると、回路の入力端子間に結合されたキャパシタンスが電気ショックのリスクを生じさせる、電気エネルギ源に結合された如何なるシステムにも適用可能であることを理解されたい。
【0013】
例示のために、図1は、本発明の教示に係る例示的なパワーコンバータ100の概略図を概して示す。電気エネルギ源160は、入力電圧121を提供し、入力端子120および140に結合される。示されるように、パワーコンバータ100は、より詳細に以下に記載する放電回路104を含む。パワーコンバータ100はまた、例示された例では2つの電力変換段を含む。第1の電力変換段は力率改善(power factor correction)(PFC)段111であり、第2の電力変換段は直流−直流変換段112である。この例では、直流−直流段112は、主出力118とスタンバイ出力119とを含み、スタンバイ出力119は、たとえばパーソナルコンピュータ、テレビなどにおける多くのパワーコンバータに特有のものである。一例では、集積回路パッケージ114は、コントローラ113とスイッチ115、116および117とを含むマルチダイ集積回路パッケージであり、スイッチ115、116および117は、示されるように主出力118およびスタンバイ出力119に結合される。別の例では、コントローラ113ならびにスイッチ115、116および117は、単一のモノリシック集積回路に含まれてもよいことを理解されたい。コントローラ113は、主出力118へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ115および116を駆動し、コントローラ113は、スタンバイ出力119へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ117を駆動する。同様に、この例では、コントローラ109およびスイッチ110が集積回路パッケージ108に含まれている。コントローラ109は、直流−直流変換段112に入力を提供するPFC変換段111の出力へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ110を駆動する。
【0014】
図1の例では、放電回路104はキャパシタ102の両端に結合され、キャパシタ102は一例では1つ以上のXキャパシタを含む。この例では、パワーコンバータ入力ヒューズ105は、キャパシタ102と他のEMIフィルタ構成要素106との間に結合され、他のEMIフィルタ構成要素106は、たとえば、1つ以上の共通モードフィルタチョーク、インダクタ、Yキャパシタ、さらには追加のXキャパシタを含み得るであろう。この例では、放電回路104は、制御回路128とスイッチ130とを含む。一例では、制御回路128およびスイッチ130は、集積回路に含まれる。一例では、スイッチ130は、示されるように2つのn−チャネルMOSFET122および123を含む交流スイッチである。他の実施例では、依然として本発明の教示の恩恵を受けながら、たとえばバイポーラトランジスタ、サイリスタ、交流用三極管(トライアック)、交流用ダイオード(ダイアック)、またはpチャネルMOSFETから構築された他の交流スイッチを利用できるであろうということを理解されたい。
【0015】
この例では、第1のMOSFET122のドレイン端子125は、抵抗器101を介して、パワーコンバータ100の第1の入力端子120に結合される。第2のMOSFET123のドレイン端子126は、抵抗器103を介して、パワーコンバータ100の第2の入力端子140に結合され、MOSFET122および123のソース端子は共に結合される。一例では、コントローラ128は、電気エネルギ源160がたとえば接続141および142によってパワーコンバータ100の入力端子120および140に接続されたことを検知する。一例では、制御回路128は、電気エネルギ源160が依然としてパワーコンバータ100の入力に接続されていることを判断するために、接続141と142との間の電圧が最大期間のうちに反転したことを検知する。一例では、最大期間は、およそ20ミリ秒である。
【0016】
例示された例では、制御回路128は、電気エネルギ源160が入力端子120と140との間に結合されたときに高い平均インピーダンスを有するようにスイッチ130を駆動する。接続141と142との間の電圧が最大期間のうちに反転しなければ、電気エネルギ源160はもはやパワーコンバータ100の入力に接続されていないと想定される。この状況下で、一例では、制御回路128は、最大期間未満の期間のうちにキャパシタンス102がしきい電圧未満に放電されるようにスイッチ130を駆動するように結合される。一例では、しきい電圧は、安全超低電圧(safety extra low voltage)(SELV)レベルである。一例では、電気エネルギ源160が入力端子120および140から切離されたことをコントローラ128が検出すると、コントローラ128は、電流が抵抗器101および103、スイッチ130ならびにキャパシタ102を流れるように、スイッチ130をオン状態に駆動する。一例では、抵抗器101および103の値は、スイッチ130がオン状態であるときにキャパシタ102ならびにスイッチ130および抵抗器101および103の合成抵抗の時定数が1秒未満であるように選択される。
【0017】
図1の例では、各抵抗器が一般に100キロオーム〜800キロオームの範囲の値を有するので、高電圧抵抗器101および103は、放電回路104に対してサージ保護を与える。いくつかの実施例では、これらの抵抗器は、安全性が保証されて、入力ヒューズ105より前での入力端子120と140との接続を可能にする。一例では、抵抗器101および103はまた、放電回路104が故障した場合に放電回路104に何らかの保護を与え得る。たとえば、放電回路104の故障は短絡に繋がる可能性があり、その結果、端子125と126との間のインピーダンスが実質的にゼロになる。しかしながら、抵抗器101および103の定格を連続的な高電圧状態を維持する定格とすることができるので、この放電回路104の故障はパワーシステム100にとっては安全である。この理由で、抵抗器101および103の安全性が保証されている場合、放電回路104自体は、抵抗器101および103の存在によって本質的に保護されるので、安全性を保証する必要はない。
【0018】
図2は、一例では図1における放電回路104であり得る例示的な放電回路204のより詳細なブロック図である。以下の説明を明確にするために、図2は、電気エネルギ源260、入力電圧221、入力端子220および240、抵抗器201および203、ならびにキャパシタンス202などの特定の外部要素を含み、これらは、一例では、図1の電気エネルギ源160、入力電圧121、入力端子120および140、抵抗器101および103、ならびにキャパシタンス102にそれぞれ類似したものであり得る。
【0019】
図示された例に示されるように、放電回路204は、制御回路228とスイッチ230とを含む。この例では、スイッチ230は、2つのn−チャネルMOSFET222および223を含む交流スイッチであり、それらのそれぞれのドレインは、端子225および226に結合され、ソースは、放電回路204の内部接地またはゼロボルト基準ノードとしてノード270において共に結合される。他の例では、MOSFET222および223はまた、本発明の教示に従って異なる駆動回路を有する状態で構成されたデプリーションモードMOSFETであり得ることを理解されたい。なお、この例では、放電回路は、外部回路に結合された2つの端子225および226のみを有する。この例では、放電回路204の動作電力は、高電圧電流源224および229から得られる。一例では、高電圧電流源224および229は、(たとえば米国特許第5,285,369号に示されるものなどの)n−チャネルMOSFET222および223の半導体構造の一部からそれぞれ形成することができ、スイッチ230の一部であるとみなされるであろうということを理解されたい。しかしながら、説明の目的で、高電圧電流源224および229は、これを説明する目的で別個の電流源として示されている。
【0020】
図示された例に示されるように、電流源224および229は内部電源ブロック227に結合され、内部電源ブロック227は、内部でキャパシタ271と減結合(decoupled)される内部電源電圧VDDを発生させる。他の例では、キャパシタ271は外部キャパシタであり得ることを理解されたい。キャパシタ271が放電回路204の外側にある例では、放電回路204は、端子225および226と、放電回路のための接地基準としてのノード270である1つの追加の端子と、VDD電源レール259である端子とを含む少なくとも4つの端子を有するであろうということを理解されたい。一般に、放電回路を動作させるための動作電力は、依然として本発明の教示の恩恵を受けながら、たとえば外部ノード220および240に別個に結合されたたとえば高電圧電流源からなど、他の方法でも得られることができるであろうということを理解されたい。
【0021】
図2に図示された例に示されるように、電流源224および229は、タイマおよび制御ブロック273に結合される。一例では、これらの電流源224および229とタイマおよび制御ブロック273との間の接続は、電気エネルギ源260が入力端子220および240に結合されているかどうかを検出するために用いることができる。この例では、電気エネルギ源260が発生させる交流電圧は、極性が周期的に反転する。入力端子220と240との間の電圧の極性によっては、電流源224および229のうちの1つは電流を供給できない。
【0022】
たとえば、一例では、電気エネルギ源260が極性を反転させた時点で、端子225と226との間の電圧は、電流源224も電流源229も内部減結合キャパシタ271に電流を供給できないほどに低くなる。しかしながら、一例では、電気エネルギ源260が切離されると、端子220と240との間の電圧の極性はもはや極性が周期的に反転せず、キャパシタ202に存在する電圧が電流源224および229の動作にとって十分に大きなものである限り、電流源224または229のうちの1つが連続的に電流を供給できる。一例では、タイマおよび制御回路ブロック273は、電流源224または229のうちの1つが、一例では少なくとも20ミリ秒であり得る長期間に亘って連続的に電流を供給できることを検知できる。そうすると、タイマおよび制御回路273は、本発明の教示に従って、電気エネルギ源が切離されたことを判断し、スイッチ230をオン状態に駆動できるであろう。
【0023】
別の例では、放電回路204は、電気エネルギ源が入力端子220および240に結合されたときに電気エネルギ源電圧の極性が反転することに応答して内部電源レールVDD259が下位電圧(under voltage)またはリセットレベルV1未満のレベルに放電されるように結合されるように構成される。これらの状況下で、VDD259が不足電圧またはリセットレベル未満に低減されると、一例では、この事象が回路ブロック273におけるタイマのリセットを引起す。回路ブロック273におけるタイマが、たとえば少なくとも20ミリ秒などの長期間に亘ってリセットされなければ、一実施例では、これは、たとえば260である交流電気エネルギ源が切離されたことを意味し、一例では制御回路273が次いでスイッチ230をオン状態に駆動し得ることを意味する。
【0024】
他の例では、スイッチ230は電流源回路として構成され得て、これは、たとえば、MOSFET223および222に対するゲート駆動を制御することによってまたは流れる電流を最大値に本質的に制限するようにMOSFET223および222の大きさを決めることによって、MOSFET223および222における電流をある特定の値に制限することなどによってなされることを理解されたい。スイッチ230が電流源として挙動する場合、たとえば抵抗器201および203は不要であり、放電回路204自体がスイッチ230に流入する放電電流の値を調整するであろうということを理解されたい。このような例では、安全定格回路としての放電回路を有する必要があり得る。
【0025】
図3の波形は、図1および図2を参照して、例示的な放電回路の動作を概して示す。特に、図3は、2つの例示的な波形388および389を示す。一例では、波形389は、図1および図2における電気エネルギ源160または260が発生させる例示的な電圧波形である。以下の図3および図4の説明では、図1も図2も参照して言及するが、一例では、放電回路104および204は、等価であり得て、したがって交換可能に用いられ得ることが理解される。図3において、例示的な波形388は、図2におけるCVDD 271の両端の電圧である。領域390では、端子225と226との間の電圧は低過ぎるため、電流源224または229のいずれかが放電回路204の動作電流要件を供給することができない。
【0026】
これを説明するために、電圧波形389の正の値は、端子225の電圧が端子226よりも高いことに対応すると想定される。したがって、波形389の電圧値の大きさが十分に高い場合には、領域385において、電流源224は、たとえば時間391においてレベル382 V3までキャパシタCVDDを充電することを可能にするのに十分な電流を供給できる。一例では、内部電源ブロック227は、次いで、領域385における波形388の実質的に平坦な部分によって示されるように、キャパシタCVDD271の両端の電圧をV3 382に実質的に等しくなるように調整する。一例では、この調整は、電流の流れを線形に制御することで、または、オン/オフもしくはヒステリシス制御モードで、信号線238および239で示されるように電流源224および229を制御することによって達成される。別の例では、電流源224および229のヒステリシス制御モードが用いられる場合には、領域385における波形388は平坦であるようには見えず、鋸歯状の形状になり得ることを認識されたい。一例では、V3 382は実質的に5.8ボルトに等しい。
【0027】
一例では、電圧波形389が負である場合には、電流源229が領域386においてアクティブである。したがって、内部電源ブロック227は、電流源224および229を流れる電流を、放電回路204を動作させるのに必要な電流のみに調整する。一例では、放電回路204を動作させるのに必要な総電流は、30μA未満である。これによって、波形389を発生させる、たとえば電気エネルギ源260などの電気エネルギ源が、放電回路204を用いるパワーコンバータに接続されている期間中は、端子225と226との間のインピーダンスが平均して高いことが確実になる。
【0028】
たとえば領域387などにおいて、電圧波形389の大きさが低くなり過ぎて、電流源224または229のいずれかがCVDD271を充電できない場合、一例では、VDD381は、一例ではタイマおよび制御回路273におけるタイマをリセットするために用いられるしきい値である低い方の不足電圧またはリセットしきい電圧V1 383を下回る。一例では、V1 383はおよそ3ボルトである。
【0029】
図4は、一例では、図1および図2において、電気エネルギ源160および260がそれぞれ、時間494において、入力端子120、140および220、240から切離されたときに生じ得る例示的な波形491および488を示す。以下の説明を明確にするために、図2における放電回路204を参照する。494後の時間においては、ゼロ電流がヒューズ205に流入しており、したがって、電流が放電キャパシタ202に流れる唯一の経路は抵抗器201および203ならびに放電回路204を通るものであると想定される。この例では、時間494より前の動作は、上記の図3に示され上記の図3を参照して説明した動作と非常に類似している。
【0030】
図4に示される例を続けると、時間494において、電気エネルギ源260が切離される。しかしながら、キャパシタ202の両端の電圧は、波形491によって示されるように、時間494の直前の電気エネルギ源260の最終的な値496にとどまる。一例ではおよそ20ミリ秒である長期間495の後、タイマおよび制御ブロック273におけるタイマはリセットされていない。一例では、トランジスタ222および223は、次いで、電流が抵抗器201および203、トランジスタ222および223、ならびにキャパシタ202に流れることを可能にするオン状態に駆動される。したがって、キャパシタ202の両端の電圧は、抵抗器201および203、スイッチ230の総抵抗、ならびにキャパシタ202のキャパシタンスによって決定される割合で降下する。説明の目的で、これは、期間497中に波形491がおよそ線形に低減することで図4に示されている。しかしながら、この低減は、実際には放電経路の総抵抗およびキャパシタンスによって決定されるRC放電特性を辿るであろうということが理解される。
【0031】
図示された例に示されるように、放電回路204の内部電源電圧488はまた、期間497中に、波形488によって示されるように、低い方の電圧しきい値V2 498に減衰する。一例では、V2 498は実質的に4.8ボルトに等しい。この例では、内部電源電圧488は、次いで、期間492中にしきい電圧レベルV3 482に戻るように再充電される。一例では、これは、図2におけるトランジスタ222および223をオフにすることによって達成され、これによって、内部電流源224または229のうちの1つが内部電源減結合キャパシタ271を再充電することができる。一例では、V3 482は実質的に5.8ボルトに等しい。内部電源電圧488が電圧しきい値V3に充電されると、トランジスタ222および223はオンになり、キャパシタ202の放電を継続する。
【0032】
一例では、放電回路供給電圧488を放電および再充電するこのプロセスは、波形491によって示される、外部キャパシタ202に残留する電圧がしきい値499を下回るまで続く。この時点で、内部電流源224および229は、MOSFET222および223が時間493において再びオフになっても、もはや内部キャパシタ271を再充電できない。この状況で、波形488によって示される内部電源電圧が時間493においてV2 498に達すると、電圧488は、放電回路204の内部にある回路の静止(quiescent)電流消費によって決定される割合で低減し続ける。時点493を越えると、外部キャパシタ202は、実質的に放電され、トランジスタ222および223がオフになるのでそれ以上放電されることはない。一例では、しきい電圧レベル499は、5〜10ボルトの範囲である。
【0033】
したがって、図2の回路を参照して、一例では、制御回路228は、代替的には、少なくとも2つの動作モードを有する駆動スイッチ230であると言うことができるであろう。第1の動作モードは、電気エネルギ源260が入力端子220および240に結合されるときである。この第1のモードの間、制御回路228は、高い平均インピーダンスが端子225と226との間に存在するようにスイッチ230を駆動する。一例では、端子225と226との間のインピーダンスは、端子225と226との間の電流の流れが30μA未満であるようなものであり、これは、たとえば少なくとも100マイクロ秒の期間に亘って平均したときに一般に3メガオームよりも大きな平均インピーダンスに対応する。
【0034】
第2の動作モードでは、制御回路228は、電気エネルギ源260が入力端子220および240から分離されたことを検出する。この時点で、スイッチ230は、本発明の教示に従って、電力源または電気エネルギ源260が入力端子220および240から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、入力端子220と240との間に存在するキャパシタンス202がしきい電圧未満に放電されるように駆動される。
【0035】
図5は、本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための放電回路504の一例を示す概略図である。一例では、放電回路504は集積回路である。一例では、図5に示される例示的な放電回路504は、本発明の教示に従って、図3および図4に示す波形と類似の波形を発生させる、図1および図2を参照して上述した放電回路であり得る。
【0036】
図5に図示された例に示されるように、放電回路504は、スイッチ530に結合された2つの外部端子525および526のみを有する。この例では、スイッチ530は、2つのMOSFET522および523を含む交流スイッチである。他の例では、スイッチ530は、依然として本発明の教示の恩恵を受けながら、JFETスイッチなどの他のタイプのスイッチを含み得ることを理解されたい。一例では、レギュレータ回路596は、電圧VDDをキャパシタ571と減結合させた電源レール559を発生させる。制御回路528は、電源レール559から電力を供給され、スイッチ530を駆動するようにゲート駆動出力597を提供する。比較器590、591および592は、電源レール電圧559を監視する。電源レール559がV3を下回る場合、比較器590の出力は、電流をレギュレータブロック596に供給するように電流源524および529を駆動する。電源レール559がV3を上回る場合、比較器590の出力は、電流源524および529をオフに駆動する。電源レール559がV2を下回る場合、比較器591の出力は、スイッチ530をオフにするようにゲート駆動論理ブロック595にハイ信号を提供する。電源レール559がV2を上回る場合、比較器591の出力は、ゲート駆動論理ブロック595にロー信号を提供する。
【0037】
一例では、線検知ブロック593は、端子525と526との間の電圧がしきい電圧レベルを下回るたびにタイマ594をリセットするようにタイマブロック594に結合される。一例では、端子525と526との間の電圧が、しきい値期間の間、しきい電圧レベルを下回らない場合、タイマ出力信号598は、スイッチ530をオン状態に駆動するようにゲート駆動論理ブロック595に結合される。電源レール電圧559が電圧しきい値V1を下回る場合、PU_reset信号599は、制御回路528内のリセットタイマ594およびすべての他の回路に結合される。
【0038】
別の例では、線検知ブロック593を全く省くことができ、その代わりに、PU_reset信号599をタイマ回路594の入力589に結合することができるであろう。その例では、電源レール559が、しきい値期間を越える期間の間、しきい電圧レベルV1を下回らない場合に、スイッチ530がオンになるよう命令するためにタイマ出力信号598がゲート駆動論理ブロック595に結合されるように、電源投入リセット事象自体を用いてタイマ回路594をリセットする。
【0039】
図6は、電気エネルギ源がパワーシステムの入力端子から切離されたときにパワーシステムの入力端子間のキャパシタンスを放電する例示的な方法を示すフローチャート660を概して示す。一例では、図6は、上記の図1および図2における回路104および204の動作を説明することができるであろう。用語V1、V2およびV3の使用は、一例では、図3および図4における電圧レベル383/483、498および382/482と等価であると想定することができる。動作はブロック661において開始し、ブロック662において、Q1およびQ2はオフ状態にある。一例では、Q1は図2におけるMOSFET222と等価であり、Q2は図2におけるMOSFET223と等価である。ブロック663において、タイマがリセットされる。このタイマは、一例では、タイマおよび制御ブロック273を参照して上述したタイマであり得る。ブロック664において、VDDがV1未満である場合、回路はCVDD、たとえば図2ではCVDD271の再充電を試み、ブロック662に戻る。しかしながら、VDDがV1よりも大きい場合、ブロック665において、回路はVDDがV3未満であるかどうか確認する。VDDがV3未満でなければ、この例では、ブロック666は内部タイマ時間がアップしているかどうか確認し、内部タイマ時間がアップしていれば、ブロック667において、たとえば電気エネルギ源260が切離されており、Q1およびQ2が両方ともオンであると判断される。ブロック668において、VDDがV2よりも大きいかどうかが継続的に確認され、VDDがV2よりも大きければ、Q1およびQ2がオン状態である状況が続く。しかしながら、VDDがもはやV2よりも大きくなくなるとすぐに、ブロック669においてQ1およびQ2がオフになる。次いで、動作はブロック665に戻り、ブロック665において、VDDがV3未満であるかどうかが再び判断される。VDDがV3未満であれば、ブロック670は、VDDがV1という低い方の不足電圧またはリセット電圧しきい値未満であるかどうか確認し、この場合、回路は、ブロック672においてCVDDの再充電を試み、ブロック662に戻る。そうでなければ、ブロック671においてCVDDは再充電され、動作はブロック665に戻る。
【0040】
図7は、第1の動作状態中はパワーコンバータの入力から出力730にエネルギを伝達するように結合され、第2の動作状態下ではパワーコンバータの入力から出力にエネルギを伝達することなくスイッチ710が電流を伝えるように結合される制御回路709およびスイッチ710を利用するパワーコンバータ700回路の例示的な回路概略図である。
【0041】
この例では、コンバータ700はブーストコンバータである。一例では、ブーストコンバータ700は、当業者に公知の力率改善機能を実行するために用いることができるであろう。パワーコンバータ700は、電気エネルギ源または電力源760に結合され、パワーコンバータ700のEMIキャパシタ702と入力端子740との間に結合されたヒューズ705を含む。この例では、他のEMIフィルタ構成要素ブロック706がブリッジ整流器回路707に結合される。ブリッジ整流器回路707の出力は、通常動作中、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力に結合されたときにパワーコンバータ700の入力端子720および740から出力730へのエネルギの流れを調整するように制御回路709がスイッチ710を駆動するようにブーストコンバータ回路711に結合する。
【0042】
一例では、制御回路709は、たとえば抵抗器775における電流を検知することによって、電気エネルギ源760がいつパワーコンバータ700の入力から切離されたかを検出するために結合される。図示された例に示されるように、抵抗器775は、整流器回路707の出力とコントローラ709との間に結合される。電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力に結合されている間、整流器回路707の出力の両端に現れる電圧Vdc731は、図7に示される波形732によって示されるように交流入力電圧721の、全波が整流されているが平滑されていないバージョンである。しかしながら、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力から分離されると、Vdc731は、切離しの時点での電気エネルギ源760の電圧の値によって決定される安定した直流値になる。一例では、コントローラ709は、Vdcが波形732によって示されるものなどの全波整流電圧であるか安定した直流電圧レベルであるか、したがって、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力に結合されているか分離されているかを検出する方法として、抵抗器775に流入する電流を検出するために結合される。一例では、これは、放電回路204において用いられるものと類似のタイミング技術を用いることによって達成され得る。このタイプの検出は、依然として本発明の教示の恩恵を受けながら、整流回路707より前のノードにコントローラ709を結合することによっても達成され得ることを理解されたい。
【0043】
パワーコンバータ700の代替的な説明では、制御回路709は、少なくとも2つの動作モードでスイッチ710を駆動するものであると言うことができる。第1の動作モードは、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力に結合されるときである。この第1のモード中、制御回路709は、パワーコンバータ700の入力から出力へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ710を駆動する。第1のモードは、制御回路709のスタンバイまたはシャットダウンモード中にエネルギの流れが実質的にゼロに調整される状況を含む。スタンバイまたはシャットダウン状態では、制御回路709はスイッチ710をオフ状態に駆動する。
【0044】
第2の動作モードでは、制御回路709は、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700に対する入力から分離されたことを検出する。次いで、スイッチ710は、電流がスイッチ710に流入するように駆動される。次いで、パワーコンバータ700の入力端子720と740との間に存在するキャパシタンス702は、本発明の教示に従って、電力源または電気エネルギ源760がパワーコンバータの入力端子720および740から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、しきい電圧未満に放電される。最大期間は、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から分離された直前のパワーコンバータ700の入力と出力との間のエネルギの流れの量の影響を受けない。
【0045】
なお、キャパシタンス702の放電は、一例では、キャパシタンス702の必要な放電レベルが達成されるまで連続的にスイッチ710をオンに駆動することによって達成され得る。別の例では、キャパシタンス702の放電は、本発明の教示に従って、放電期間中にエネルギが依然としてパワーコンバータ700の入力から出力に伝達されるようにキャパシタンス702の必要な放電が達成されるまで、スイッチ710をオンおよびオフに駆動することによって達成され得る。一例では、この放電期間中のパワーコンバータ700の入力から出力へのエネルギの流れは、制御回路709によって調整される場合もあれば、調整されない場合もある。
【0046】
図8は、本発明の教示に従って制御回路813を利用するパワーコンバータ800回路の別の例示的な回路概略図である。図示された例に示されるように、制御回路813は、スイッチ815、816および817に結合される。この例では、スイッチ816および815は、たとえばパーソナルコンピュータのパワーコンバータにおいて利用され得る主電源を形成する2スイッチフォワードコンバータの2つのスイッチである。この例では、スイッチ817は、たとえばパーソナルコンピュータのパワーコンバータにおいてスタンバイ電源の一部を形成し得るフライバックコンバータのスイッチである。主電力変換段もスタンバイ電力変換段も、直流−直流コンバータと呼ぶことができる。なぜなら、電力変換段811の出力電圧は、実質的に一定の直流値であるためである。一例では、スイッチ817は、第1の動作状態中はパワーコンバータ800の入力からパワーコンバータの出力819へエネルギを伝達するように制御回路813によって駆動され、第2の動作状態下ではコンバータ800の入力から出力819にエネルギを伝達することなくスイッチ817が電流を伝えるように結合される。
【0047】
図示された例に示されるように、パワーコンバータ800は、電気エネルギ源または電力源860に結合され、パワーコンバータ800のEMIキャパシタ802と入力端子840との間に結合されたヒューズ805を含む。この例では、他のEMIフィルタ構成要素ブロック806は、ブリッジ整流器回路807に結合される。この例に示されるように、ブリッジ整流器回路807の出力は、ブーストコンバータ回路811に結合される。ブーストコンバータ回路811の出力は、フォワードおよびフライバックコンバータ812に結合される。
【0048】
ある1つの動作モード中、制御回路813は、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力に結合されたときにパワーコンバータ800の入力端子820および840から出力818へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ815および816を駆動する。一例では、制御回路813は、たとえば抵抗器875における電流を検知することによって、電気エネルギ源860がいつパワーコンバータ800の入力から切離されたかを検出するために結合される。図示された例に示されるように、抵抗器875は、整流器回路807の出力とコントローラ813との間に結合される。電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力に結合されている間、整流器回路807の出力の両端に現れる電圧Vdc831は、波形832によって示されるように、交流入力電圧821の、全波が整流されているが平滑されていないバージョンである。しかしながら、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力から分離されると、Vdc831は、切離しの時点での電気エネルギ源860の電圧の値によって決定される安定した直流値になる。一例では、コントローラ813は、Vdc831が全波整流電圧レベルであるか安定した直流電圧レベルであるか、したがって、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力に結合されているか分離されているかを検出する方法として、抵抗器875に流入する電流を検出するために結合される。一例では、これは、放電回路204において用いられるものと類似のタイミング技術を用いることによって達成され得る。このタイプの検出は、依然として本発明の教示の恩恵を受けながら、整流回路807より前のノードにコントローラ813を結合することによっても達成され得ることを理解されたい。
【0049】
パワーコンバータ800の代替的な説明では、制御回路813は、少なくとも2つの動作モードでスイッチ815および816を駆動するものであると言うことができる。第1のモードは、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力に結合されるときである。この第1のモードの間、制御回路813は、パワーコンバータ800の入力から出力818へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ815および816を駆動する。第1のモードは、制御回路813のスタンバイまたはシャットダウンモード中にエネルギの流れが実質的にゼロに調整される状況を含む。スタンバイまたはシャットダウン状態では、制御回路813は、スイッチ815および816をオフ状態に駆動してもよい。
【0050】
第2の動作モードでは、制御回路813は、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800に対する入力から分離されたことを検出する。次いで、スイッチ815および816は、本発明の教示に従って、電力源または電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力端子820および840から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、パワーコンバータの入力端子間に存在するキャパシタンス802がしきい電圧未満に放電されるように駆動される。最大期間は、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力端子から分離される直前のパワーコンバータ800の入力と出力との間のエネルギの流れの量の影響を受けない。
【0051】
なお、キャパシタンス802の放電は、一例では、本発明の教示に従って、放電期間中にエネルギが依然としてパワーコンバータの入力から出力に伝達されるようにキャパシタンス802の必要な放電が達成されるまで、スイッチ815および816をオンおよびオフに駆動することによって達成され得る。一例では、この放電期間中のパワーコンバータの入力から出力へのエネルギの流れは、制御回路813によって調整される場合もあれば、調整されない場合もある。
【0052】
パワーコンバータ800を用いる代替的な例では、制御回路813は、少なくとも2つの動作モードでスイッチ817を駆動するものであるとも言うことができる。第1のモードは、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力に結合されるときである。この第1のモードの間、制御回路813は、パワーコンバータ800の入力から出力819へのエネルギの流れを調整するようにスイッチ817を駆動する。第1のモードは、制御回路813のスタンバイまたはシャットダウンモード中にエネルギの流れが実質的にゼロに調整される状況を含む。スタンバイまたはシャットダウンモードでは、制御回路813はスイッチ817をオフ状態に駆動する。
【0053】
第2の動作モードでは、制御回路813は、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800に対する入力から分離されたことを検出する。次いで、スイッチ817は、本発明の教示に従って、電力源または電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力端子820および840から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、パワーコンバータ800の入力端子間に存在するキャパシタンス802がしきい電圧未満に放電されるように駆動される。
【0054】
なお、キャパシタンス802の放電は、一例では、キャパシタンス802の放電が達成されるまで連続的にスイッチ817をオンに切換えることによって達成され得る。別の例では、キャパシタンス802の放電は、本発明の教示に従って、放電期間中にエネルギが依然としてパワーコンバータの入力から出力に伝達されるようにキャパシタンス802の必要な放電が達成されるまで、スイッチ817をオンおよびオフに切換えることによって達成され得る。一例では、この放電期間中のパワーコンバータの入力から出力へのエネルギの流れは、制御回路813によって調整される場合もあれば、調整されない場合もある。
【0055】
なお、説明した図7および図8の例では、ヒューズ705および805が、パワーコンバータ700および800の入力端子とキャパシタ702および802との間にそれぞれ位置決めされる。この配置では、たとえそれぞれの入力ヒューズが開回路状態にあるとしても、図7ではキャパシタンス702とスイッチ710との間に、図8ではキャパシタンス802とスイッチ816/815または817との間に放電経路が存在する。入力ヒューズ705または805のこの配置では、本発明の教示の恩恵を受ける図示しない回路のさらなる例が、図7または図8における整流回路707または807の出力端子間にそれぞれ直接的に結合されたスイッチであり得ることを理解されたい。このようなスイッチは、上述のスイッチ710、815、816および817によって実行されるものと類似の放電機能を実行することができ、コントローラ709または813から駆動されることができるであろう。一例では、このスイッチは、放電事象中にスイッチにおける最大ピーク電流を制限するように電流制限抵抗器に結合され得る。
【0056】
本発明の教示の恩恵を受ける回路の他の例は、たとえば、図7における制御回路709の内部にあって、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力から分離されたときにパワーコンバータ700の入力端子間に存在するキャパシタンス702を放電するための電流経路として抵抗器775に結合される回路を用いることを含み得ることを理解されたい。一例では、これは、放電回路204と類似の技術であるが、スイッチ222および223ならびに電流源224および229によって形成される交流スイッチの代わりに単一の直流スイッチおよび単一の電流源を有する技術を用いることによって達成され得る。一例では、電気エネルギ源760がパワーコンバータ700の入力に結合されている間に抵抗器775に流入する電流は、制御回路709の動作のための開始電流も提供し得る。この例では、始動電流は、制御回路709の始動局面中にのみ供給され、その後、ブーストインダクタまたは他の磁気構成要素の図示しない供給巻線が、供給電流を制御回路709に提供することを引き継ぐであろう。
【0057】
さらに別の例は、たとえば、図8における制御回路813の内部にあって、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力から分離されたときにパワーコンバータ800の入力端子間に存在するキャパシタンス802を放電するための電流経路として抵抗器875に結合される回路を用いることを含み得る。一例では、これは、放電回路204と類似の技術であるが、スイッチ222および223ならびに電流源224および229によって形成される交流スイッチの代わりに単一の直流スイッチおよび単一の電流源を有する技術を用いることによって達成され得る。一例では、電気エネルギ源860がパワーコンバータ800の入力に結合されている間に抵抗器875に流入する電流は、制御回路813の動作のための開始電流を提供し得る。この例では、始動電流機能は、制御回路813の始動局面中にのみアクティブであり、その後、たとえばブーストインダクタまたは他の磁気構成要素の、パワーコンバータ800内の図示しない供給巻線が、その巻線の電圧がしきい値に達したときに制御回路813に供給電流を提供することを引き継ぐであろう。
【0058】
パワーコンバータ700および800が、依然として本発明の教示の恩恵を受けながら、たとえば故障が生じたときの特定の保護モードを含む、説明の目的で上述したモード以外の他の動作モードを有し得ることも理解されたい。
【0059】
図9は、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための制御回路のための例示的な方法を示すフローチャート960を概して示す。一例では、図9に示される方法は、図7および図8を参照して上述したものと類似している。示されるように、パワーコンバータは、ブロック961において開始する。ブロック962において、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力に結合されたかどうかが判断される。結合されていれば、制御回路は、パワーコンバータの入力から出力へのエネルギの流れを調整するようにスイッチを駆動する。一例では、このエネルギの流れは実質的にゼロに調整できることを理解されたい。次いで、ブロック963の出力は、判断ブロック962の入力に接続される。電気エネルギ源がパワーコンバータの入力に接続されていない場合、ブロック962の出力はブロック964に接続され、ブロック964では、制御回路は、本発明の教示に従って、最大期間内に、パワーコンバータの入力端子間に接続されたキャパシタンスをしきい値レベルに放電するようにスイッチを駆動する。
【0060】
図10は、本発明の教示の恩恵を受ける別の例示的な回路を示す。図10に示される例示的な回路図は、図1に示される例示的な回路図と類似点を共有していることを理解されたい。しかしながら、図10における放電回路1004は、主、スタンバイおよび放電制御回路1013内に一体化されている。図示された例に示されるように、制御回路1013は、スイッチ1015、1016および1017も含む集積回路1014の一部を形成する。機能的には、放電回路1004の動作は、一例では、図1および図2に関して上述した放電回路104および204とそれぞれ非常に類似している。パワーコンバータ1000の例示的な現実的な実現例では、このような放電回路1004の一体化は、コストの節約および印刷回路基板の面積の節約をもたらすことができる。他の例では、放電回路1004はPFCコントローラ1009と一体化できるであろうということを理解されたい。一般に、放電回路1004は、いくつか例を挙げると、LLCコンバータ、フルおよびハーフブリッジコンバータ、SEPICコンバータ、ならびにCUKコンバータなどの任意のコントローラ回路と一体化できるであろう。
【0061】
図11は、本発明の教示に係る放電回路1104のディスクリート部品の実現例の一例を示す。示されるように、キャパシタ1157ならびにダイオード1156および1158は、交流電気エネルギ源1160が入力端子1120および1140に結合されたときにキャパシタ1160の両端に電圧を発生させる充電ポンプまたは容量性ドロッパ(dropper)電源を形成する。したがって、抵抗器1155を通ってトランジスタ1154のベースに流入する電流は、トランジスタ1154をオン状態に保持する一方、電気エネルギ源1160は、入力端子1120および1140に結合されたままである。MOSFET1122および1123のゲートは、ダイオード1152および1153を介してトランジスタ1154のコレクタに結合される。これによって、回路接地1150に対するMOSFET1122および1123のゲート電圧がMOSFETのゲートしきい電圧未満であること、ならびに、トランジスタ1154がオン状態にあるときにMOSFET1122および1123がオフ状態にあることが確実になる。しかしながら、交流電気エネルギ源1160が入力端子1120および1140から分離されると、充電ポンプ回路はもはやエネルギをキャパシタ1160に提供せず、キャパシタ1160は、抵抗器1161および1155ならびにキャパシタ1160のRC時定数によって設定される割合で放電する。
【0062】
キャパシタ1160ならびに抵抗器1155および1161のための構成要素の値を選択することによって選択された、一例ではおよそ20ミリ秒であり得る長期間の後、トランジスタ1154はオフになる。この時点で、キャパシタ1102の両端の電圧の極性によっては、MOSFET1122またはMOSFET1123のいずれかのゲート電圧は、ゲート電圧しきい値に上昇し、最終的に、ツェナー1178またはツェナー1179のいずれかによってクランプされる。
【0063】
入力端子1120の電圧が入力端子1140の電圧よりも高い例では、1122のゲートは、ハイに引張られて、MOSFET1122をオンにする。次いで、電流がキャパシタ1102から抵抗器1101を通って、MOSFET1122のチャネルを通って、(当業者に公知のMOSFET1123の半導体構造の固有の部分である)MOSFET1123のボディダイオードを通って、抵抗器1103を通って、キャパシタ1102に戻り、したがって、本発明の教示に従って放電電流経路を形成する。その値未満では1122のゲート電圧が1122のゲートしきい電圧を下回る低い方のしきい値にキャパシタ1102の両端の電圧が達すると、MOSFET1122はオフになり、1122のために用いられるMOSFETのタイプによっては一般に5〜10ボルトの範囲である残留電圧が、キャパシタ1102に残ることになる。
【0064】
なお、上記の記載は、説明の目的で、入力および出力エネルギが主に電気的なものであるパワーコンバータに焦点を当てた。図12は、入力電力およびエネルギが電気的なものであるが、出力において主に機械的なエネルギおよびパワーに変換されるモータ制御パワーコンバータまたはパワーシステムの一例を示す。例示される例では、放電回路1204が上述の制御回路104および204と特徴および機能の点で多くの類似点を共有していることを理解されたい。図12に図示される例はブーストコンバータ1211の使用を示しているが、他の例では、本発明の教示に従って、電力変換段1211を含むことは必ずしも必要とされないであろうということを理解されたい。他の例では、放電回路1204は、モータコントローラ1214、またはさらには、モータ巻線1219に結合されたパワースイッチ回路1217内に一体化できることを理解されたい。他の例では、パワーシステムは、入力電力およびエネルギが電気的なものであるが、パワーシステムの出力において、たとえばLEDドライバパワーシステムなどにおける光学または光出力エネルギに主に変換されるものであり得ることを理解されたい。
【0065】
図13は、本発明の教示に従って、電気エネルギ源がパワーコンバータの入力端子から切離されたときにパワーコンバータの入力端子間のキャパシタンスを放電するための放電回路の別の例の概略図を示す。この例では交流電圧源である電気エネルギ源1360は、入力端子1320および1340に結合される。図示された例に示されるように、交流電圧源1360が入力端子1320および1340に結合されている間、電流は、キャパシタ1303に流入し、整流器ブリッジ1305を流れて、リレー1330の巻線1331に電流を提供する。この例では、リレー1330は、電流が巻線1330に流入するとリレースイッチ1332が開く通常閉タイプである。エネルギ源1360が端子1320および1340から分離されると、キャパシタ1303および整流ブリッジ1305への電流の流入は停止する。次いで、キャパシタ1301の値によって決定される時間において、巻線1331に流入する電流は実質的にゼロに減少する。巻線1331における電流がしきい値レベルを下回ると、スイッチ1332は閉じて、キャパシタ1302を放電する。一例では、まず電気エネルギ源が入力端子に結合され、スイッチが閉じてキャパシタ1302を放電するときに、スイッチ1332におけるピーク電流を制限するために、電流制限抵抗器がスイッチ1332と直列に結合され得る。
【0066】
一般に、図1から図13に関して上述した本発明の教示はすべて、電気エネルギ源がシステムに対する入力から分離されたときに帯電したままであれば、回路の入力端子間に結合されたキャパシタンスが電気ショックのリスクを生じさせる、電気エネルギ源に結合された如何なるシステムにも適用可能であることを理解されたい。
【0067】
要約書に記載されるものを含む図示される本発明の例の上記の説明は、網羅的であるように意図されるものではなく、または、開示される厳密な形態に限定されるように意図されるものではない。この発明の具体的な実施例および例は本明細書において例示の目的で記載されており、本発明のより広範な精神および範囲から逸脱することなく、種々の等価の変更が可能である。実際、特定の電圧、電流、周波数、電力範囲値、時間などは説明の目的で提供されており、他の値も本発明の教示に従って他の実施例および例において利用されてもよいことを理解されたい。
【0068】
これらの変更は、上記の詳細な説明に鑑みて、この発明の例に対してなされることができる。以下の特許請求の範囲の中で用いられる用語は、明細書および特許請求の範囲に開示されている具体的な実施例にこの発明を限定するように解釈すべきではない。むしろ、その範囲は専ら以下の特許請求の範囲によって決まり、特許請求の範囲は、確立されたクレーム解釈の原理に従って解釈される。したがって、本明細書および図面は、限定的ではなく例示的であると見なされる。
【符号の説明】
【0069】
102 キャパシタンス、128 制御回路、130 スイッチ、160 電気エネルギ源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路であって、
パワーシステムの入力に結合された制御回路を備え、前記制御回路は、電気エネルギ源が前記パワーシステムの入力に結合されたかどうかを検出するために結合され、前記回路はさらに、
前記制御回路に結合され、かつ、前記パワーシステムの前記入力に結合されたスイッチを備え、前記制御回路は、前記電気エネルギ源が前記パワーシステムの前記入力に結合される第1の動作モードにおいて前記スイッチを駆動するように結合され、前記制御回路は、前記電気エネルギ源が前記パワーシステムの前記入力から分離される第2の動作モードにおいて前記スイッチを駆動するように結合され、前記パワーシステムの前記入力の入力端子間に結合されたキャパシタンスは、前記電気エネルギ源が前記パワーシステムの前記入力端子から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、前記スイッチによってしきい電圧に放電される、回路。
【請求項2】
前記パワーシステムの出力は、電気エネルギを提供するように結合される、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記スイッチは、前記回路の始動局面中に、前記回路の動作のための開始電流を提供するように結合される、請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記パワーシステムの出力は、機械的エネルギを提供するように結合される、請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記パワーシステムの出力は、光学的エネルギを提供するように結合される、請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記スイッチは、前記第1の動作モードにおいて前記パワーシステムの前記入力から前記パワーシステムの出力へのエネルギの流れを調整するように駆動される、請求項1に記載の回路。
【請求項7】
前記スイッチは、スタンバイ状態を提供するようにオフ状態に駆動される、請求項6に記載の回路。
【請求項8】
前記スイッチは、力率改善制御回路の機能を実行するように駆動される、請求項6に記載の回路。
【請求項9】
前記最大期間は、前記電気エネルギ源が前記パワーシステムの前記入力から分離される前の前記パワーシステムの入力と前記パワーシステムの出力との間のエネルギの流れの量の影響を受けない、請求項1に記載の回路。
【請求項10】
前記制御回路は、前記第1の動作モードにおいて高い平均インピーダンスを有するように前記スイッチを駆動するように結合される、請求項1に記載の回路。
【請求項11】
前記回路を通る電流の流れは、前記第1の動作モードでは30μA未満である、請求項1に記載の回路。
【請求項12】
外部回路に結合された2つの端子のみをさらに備える、請求項1に記載の回路。
【請求項13】
前記パワーシステムの前記入力の前記入力端子間に結合された前記キャパシタンスは、1つ以上のXキャパシタを備える、請求項1に記載の回路。
【請求項14】
前記制御回路および前記スイッチは、集積回路に含まれる、請求項1に記載の回路。
【請求項15】
前記スイッチは、前記パワーシステムの整流回路の出力の両端に結合される、請求項1に記載の回路。
【請求項16】
前記スイッチは、双方向スイッチである、請求項1に記載の回路。
【請求項17】
前記スイッチは、第2のMOSFETに結合された第1のMOSFETを備える、請求項1に記載の回路。
【請求項18】
前記第1および第2のMOSFETは、n−チャネルMOSFETである、請求項17に記載の回路。
【請求項19】
前記第1のMOSFETのドレインは、前記パワーシステムの前記入力の前記入力端子のうちの一方に結合され、前記第2のMOSFETのドレインは、前記パワーシステムの前記入力の前記入力端子のうちの他方に結合される、請求項18に記載の回路。
【請求項20】
前記第1および第2のMOSFETのソースは、互いに結合される、請求項19に記載の回路。
【請求項21】
前記第1および第2のMOSFETのうちの1つは、前記電気エネルギ源が前記パワーシステムの前記入力端子から分離されたときから前記最大期間未満の期間のうちに、前記キャパシタンスを前記しきい電圧に放電するようにオンにされる、請求項17に記載の回路。
【請求項22】
回路であって、
パワーコンバータの入力に結合された制御回路を備え、前記制御回路は、電気エネルギ源が前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたかどうかを検知するために結合され、前記回路はさらに、
前記制御回路に結合され、かつ、前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子に結合されたスイッチを備え、前記制御回路は、前記電気エネルギ源が前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子間に結合されたときに高い平均インピーダンスを有するように前記スイッチを駆動するように結合され、前記制御回路は、前記電気エネルギ源が前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたキャパシタンスをしきい電圧未満に放電するように前記スイッチを駆動するように結合される、回路。
【請求項23】
前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子間に結合された前記キャパシタンスは、1つ以上のXキャパシタを備える、請求項22に記載の回路。
【請求項24】
前記制御回路および前記スイッチは、集積回路に含まれる、請求項22に記載の回路。
【請求項25】
前記スイッチは、前記パワーコンバータの整流回路の出力の両端に結合される、請求項22に記載の回路。
【請求項26】
前記スイッチは、電流源を備える、請求項22に記載の回路。
【請求項27】
前記電気エネルギ源は、交流電圧源である、請求項22に記載の回路。
【請求項28】
回路であって、
電気エネルギ源がパワーコンバータの入力に結合されたかどうかを検出するために結合された制御回路と、
前記制御回路に結合され、かつ、前記パワーシステムの前記入力に結合されたスイッチとを備え、前記制御回路は、前記電気エネルギ源が前記パワーコンバータの前記入力に結合されたときに前記パワーコンバータの前記入力から前記パワーコンバータの出力にエネルギを伝達するように第1の動作モードにおいて前記スイッチを駆動するように結合され、前記制御回路は、前記電気エネルギ源が前記パワーコンバータの前記入力から分離される第2の動作モードにおいて前記スイッチを駆動するように結合され、前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたキャパシタンスは、前記電気エネルギ源が前記パワーコンバータの前記入力端子から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、しきい電圧に放電される、回路。
【請求項29】
第1の動作モードは、前記スイッチがオフ状態に駆動されるスタンバイ状態を含む、請求項28に記載の回路。
【請求項30】
前記パワーコンバータは、ブーストコンバータ、フライバックコンバータ、フォワードコンバータ、LLCコンバータのうちの1つである、請求項28に記載の回路。
【請求項31】
前記しきい電圧は、安全超低電圧(SELV)レベルである、請求項28に記載の回路。
【請求項32】
回路であって、
パワーコンバータの入力に結合された制御回路を備え、前記制御回路は、交流電圧源が前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたかどうかを検知するために結合され、前記回路はさらに、
前記制御回路に結合され、かつ、前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子に結合されたスイッチを備え、前記制御回路は、前記交流電圧源が前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子間にあるときに高い平均インピーダンスで前記スイッチを駆動するように結合され、前記制御回路は、前記交流電圧源が前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたキャパシタンスをしきい電圧未満に放電するように前記スイッチを駆動するように結合され、前記制御回路および前記スイッチは、集積回路に含まれる、回路。
【請求項33】
前記集積回路は、前記制御回路および前記スイッチを含む単一のモノリシック集積回路である、請求項32に記載の回路。
【請求項34】
前記集積回路は、前記制御回路および前記スイッチを含むマルチダイ集積回路パッケージである、請求項32に記載の回路。
【請求項35】
前記スイッチは、2つのMOSFETを備え、前記2つのMOSFETのうちの一方は、前記交流電圧源が前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子から分離されたときから前記最大期間未満の期間のうちに、前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子間に結合された前記キャパシタンスを前記しきい電圧未満に放電するようにオンにされる、請求項32に記載の回路。
【請求項36】
前記スイッチは、双方向スイッチである、請求項32に記載の回路。
【請求項37】
前記スイッチは、電流源を含む、請求項32に記載の回路。
【請求項38】
前記制御回路は、前記交流電圧源が前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたときに前記交流電圧源の極性が反転することに応答してリセットされるように結合されたタイマ回路を含む、請求項32に記載の回路。
【請求項39】
前記交流電圧源が前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたときに前記交流電圧源の極性が反転することに応答してリセットレベル未満のレベルに放電されるように結合された内部電源レールをさらに備える、請求項32に記載の回路。
【請求項40】
前記集積回路は、2つの外部端子のみを含む、請求項32に記載の回路。
【請求項41】
前記2つの外部端子のうちの少なくとも1つは、抵抗器を介して前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子のうちの1つに結合される、請求項32に記載の回路。
【請求項42】
前記集積回路は、4つの外部端子を含み、前記4つの外部端子のうちの第1の外部端子は、接地基準端子であり、前記4つの外部端子のうちの第2の外部端子は、内部電源レール端子であり、前記スイッチは、第3の外部端子と第4の外部端子との間に結合される、請求項32に記載の回路。
【請求項1】
回路であって、
パワーシステムの入力に結合された制御回路を備え、前記制御回路は、電気エネルギ源が前記パワーシステムの入力に結合されたかどうかを検出するために結合され、前記回路はさらに、
前記制御回路に結合され、かつ、前記パワーシステムの前記入力に結合されたスイッチを備え、前記制御回路は、前記電気エネルギ源が前記パワーシステムの前記入力に結合される第1の動作モードにおいて前記スイッチを駆動するように結合され、前記制御回路は、前記電気エネルギ源が前記パワーシステムの前記入力から分離される第2の動作モードにおいて前記スイッチを駆動するように結合され、前記パワーシステムの前記入力の入力端子間に結合されたキャパシタンスは、前記電気エネルギ源が前記パワーシステムの前記入力端子から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、前記スイッチによってしきい電圧に放電される、回路。
【請求項2】
前記パワーシステムの出力は、電気エネルギを提供するように結合される、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記スイッチは、前記回路の始動局面中に、前記回路の動作のための開始電流を提供するように結合される、請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記パワーシステムの出力は、機械的エネルギを提供するように結合される、請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記パワーシステムの出力は、光学的エネルギを提供するように結合される、請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記スイッチは、前記第1の動作モードにおいて前記パワーシステムの前記入力から前記パワーシステムの出力へのエネルギの流れを調整するように駆動される、請求項1に記載の回路。
【請求項7】
前記スイッチは、スタンバイ状態を提供するようにオフ状態に駆動される、請求項6に記載の回路。
【請求項8】
前記スイッチは、力率改善制御回路の機能を実行するように駆動される、請求項6に記載の回路。
【請求項9】
前記最大期間は、前記電気エネルギ源が前記パワーシステムの前記入力から分離される前の前記パワーシステムの入力と前記パワーシステムの出力との間のエネルギの流れの量の影響を受けない、請求項1に記載の回路。
【請求項10】
前記制御回路は、前記第1の動作モードにおいて高い平均インピーダンスを有するように前記スイッチを駆動するように結合される、請求項1に記載の回路。
【請求項11】
前記回路を通る電流の流れは、前記第1の動作モードでは30μA未満である、請求項1に記載の回路。
【請求項12】
外部回路に結合された2つの端子のみをさらに備える、請求項1に記載の回路。
【請求項13】
前記パワーシステムの前記入力の前記入力端子間に結合された前記キャパシタンスは、1つ以上のXキャパシタを備える、請求項1に記載の回路。
【請求項14】
前記制御回路および前記スイッチは、集積回路に含まれる、請求項1に記載の回路。
【請求項15】
前記スイッチは、前記パワーシステムの整流回路の出力の両端に結合される、請求項1に記載の回路。
【請求項16】
前記スイッチは、双方向スイッチである、請求項1に記載の回路。
【請求項17】
前記スイッチは、第2のMOSFETに結合された第1のMOSFETを備える、請求項1に記載の回路。
【請求項18】
前記第1および第2のMOSFETは、n−チャネルMOSFETである、請求項17に記載の回路。
【請求項19】
前記第1のMOSFETのドレインは、前記パワーシステムの前記入力の前記入力端子のうちの一方に結合され、前記第2のMOSFETのドレインは、前記パワーシステムの前記入力の前記入力端子のうちの他方に結合される、請求項18に記載の回路。
【請求項20】
前記第1および第2のMOSFETのソースは、互いに結合される、請求項19に記載の回路。
【請求項21】
前記第1および第2のMOSFETのうちの1つは、前記電気エネルギ源が前記パワーシステムの前記入力端子から分離されたときから前記最大期間未満の期間のうちに、前記キャパシタンスを前記しきい電圧に放電するようにオンにされる、請求項17に記載の回路。
【請求項22】
回路であって、
パワーコンバータの入力に結合された制御回路を備え、前記制御回路は、電気エネルギ源が前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたかどうかを検知するために結合され、前記回路はさらに、
前記制御回路に結合され、かつ、前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子に結合されたスイッチを備え、前記制御回路は、前記電気エネルギ源が前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子間に結合されたときに高い平均インピーダンスを有するように前記スイッチを駆動するように結合され、前記制御回路は、前記電気エネルギ源が前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたキャパシタンスをしきい電圧未満に放電するように前記スイッチを駆動するように結合される、回路。
【請求項23】
前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子間に結合された前記キャパシタンスは、1つ以上のXキャパシタを備える、請求項22に記載の回路。
【請求項24】
前記制御回路および前記スイッチは、集積回路に含まれる、請求項22に記載の回路。
【請求項25】
前記スイッチは、前記パワーコンバータの整流回路の出力の両端に結合される、請求項22に記載の回路。
【請求項26】
前記スイッチは、電流源を備える、請求項22に記載の回路。
【請求項27】
前記電気エネルギ源は、交流電圧源である、請求項22に記載の回路。
【請求項28】
回路であって、
電気エネルギ源がパワーコンバータの入力に結合されたかどうかを検出するために結合された制御回路と、
前記制御回路に結合され、かつ、前記パワーシステムの前記入力に結合されたスイッチとを備え、前記制御回路は、前記電気エネルギ源が前記パワーコンバータの前記入力に結合されたときに前記パワーコンバータの前記入力から前記パワーコンバータの出力にエネルギを伝達するように第1の動作モードにおいて前記スイッチを駆動するように結合され、前記制御回路は、前記電気エネルギ源が前記パワーコンバータの前記入力から分離される第2の動作モードにおいて前記スイッチを駆動するように結合され、前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたキャパシタンスは、前記電気エネルギ源が前記パワーコンバータの前記入力端子から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、しきい電圧に放電される、回路。
【請求項29】
第1の動作モードは、前記スイッチがオフ状態に駆動されるスタンバイ状態を含む、請求項28に記載の回路。
【請求項30】
前記パワーコンバータは、ブーストコンバータ、フライバックコンバータ、フォワードコンバータ、LLCコンバータのうちの1つである、請求項28に記載の回路。
【請求項31】
前記しきい電圧は、安全超低電圧(SELV)レベルである、請求項28に記載の回路。
【請求項32】
回路であって、
パワーコンバータの入力に結合された制御回路を備え、前記制御回路は、交流電圧源が前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたかどうかを検知するために結合され、前記回路はさらに、
前記制御回路に結合され、かつ、前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子に結合されたスイッチを備え、前記制御回路は、前記交流電圧源が前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子間にあるときに高い平均インピーダンスで前記スイッチを駆動するように結合され、前記制御回路は、前記交流電圧源が前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子から分離されたときから最大期間未満の期間のうちに、前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたキャパシタンスをしきい電圧未満に放電するように前記スイッチを駆動するように結合され、前記制御回路および前記スイッチは、集積回路に含まれる、回路。
【請求項33】
前記集積回路は、前記制御回路および前記スイッチを含む単一のモノリシック集積回路である、請求項32に記載の回路。
【請求項34】
前記集積回路は、前記制御回路および前記スイッチを含むマルチダイ集積回路パッケージである、請求項32に記載の回路。
【請求項35】
前記スイッチは、2つのMOSFETを備え、前記2つのMOSFETのうちの一方は、前記交流電圧源が前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子から分離されたときから前記最大期間未満の期間のうちに、前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子間に結合された前記キャパシタンスを前記しきい電圧未満に放電するようにオンにされる、請求項32に記載の回路。
【請求項36】
前記スイッチは、双方向スイッチである、請求項32に記載の回路。
【請求項37】
前記スイッチは、電流源を含む、請求項32に記載の回路。
【請求項38】
前記制御回路は、前記交流電圧源が前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたときに前記交流電圧源の極性が反転することに応答してリセットされるように結合されたタイマ回路を含む、請求項32に記載の回路。
【請求項39】
前記交流電圧源が前記パワーコンバータの前記入力の入力端子間に結合されたときに前記交流電圧源の極性が反転することに応答してリセットレベル未満のレベルに放電されるように結合された内部電源レールをさらに備える、請求項32に記載の回路。
【請求項40】
前記集積回路は、2つの外部端子のみを含む、請求項32に記載の回路。
【請求項41】
前記2つの外部端子のうちの少なくとも1つは、抵抗器を介して前記パワーコンバータの前記入力の前記入力端子のうちの1つに結合される、請求項32に記載の回路。
【請求項42】
前記集積回路は、4つの外部端子を含み、前記4つの外部端子のうちの第1の外部端子は、接地基準端子であり、前記4つの外部端子のうちの第2の外部端子は、内部電源レール端子であり、前記スイッチは、第3の外部端子と第4の外部端子との間に結合される、請求項32に記載の回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−36124(P2011−36124A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172595(P2010−172595)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(501315784)パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド (125)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(501315784)パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド (125)
【Fターム(参考)】
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