説明

パワーデバイス用のウエハキャリア及びパワーデバイスの検査方法

【課題】パワーデバイスをウエハ状態のまま検査することができるパワーデバイス用のウエハキャリアを提供する。
【解決手段】本発明のパワーデバイス用のウエハキャリア20は、パワーデバイスの電気的特性検査をウエハレベルで行う際に、検査装置10の載置台11上に吸着固定して用いられ且つ複数のパワーデバイスが形成されたウエハWを保持するもので、キャリア本体21と、キャリア本体21の第1の主面上にウエハの載置面として形成された導電性金属膜23と、載置面に形成された真空吸着用の溝20Aと、載置台11の真空吸着用の溝11Aと連通し且つ真空吸着用の溝20A内で開口する吸引孔20Bと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーデバイス用のウエハキャリア及びパワーデバイスの検査方法に関し、更に詳しくは、パワーデバイスの電気的特性検査をウエハレベルで実現することができるウエハキャリア及びこのウエハキャリアを用いるパワーデバイスの検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の検査装置は、例えば、被検査体(例えば、ウエハ)を収納するローダ室と、ウエハの電気的特性検査を行うプローバ室と、制御装置と、を備えている。ローダ室は、ウエハをカセット単位で収納するウエハ収納部と、カセットとプローバ室の間でウエハを搬送するウエハ搬送機構と、プローバ室へウエハを搬送する途中でウエハのプリアライメントを行うプリアライメント機構と、を備えている。プローバ室は、ウエハが載置される移動可能な載置台と、載置台の上方に配置された複数のプローブを有するプローブカードと、ウエハに形成された複数の電極パッドと複数のプローブとのアライメントを行うアライメント機構と、を備えている。
【0003】
ウエハの検査をする場合には、制御装置の制御下で、ウエハをローダ室のカセットからプローバ室内の載置台上へウエハを搬送し、プリアライメント後のウエハを載置台上に載置し、ウエハのアライメントを行った後、複数の電極パッドと複数のプローブを所定の接触荷重で接触させてウエハに形成された複数のデバイスの電気的特性検査を行う。
【0004】
ところで、近年、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)等からなるパワーデバイスの開発が活発化している。これらのパワーデバイスは、電気自動車やハイブリッド車等への実用化が現実のものとなってきており、その需要が急激に伸びることが予測されているため、パワーデバイスの開発が急務になっている。開発段階のパワーデバイスや開発後のパワーデバイスの電気的特性検査には、上記のような検査装置も用いられている。その場合、パワーデバイスをウエハから一個ずつ切り離した後、切り離されたパワーデバイスについての電気的特性検査が行われる。このような検査に対して、例えば本出願人が特許文献1において提案したチップキャリアを用いることができる。
【0005】
そこで、本出願人が提案したチップキャリアについて説明する。このチップキャリアは、例えば図5に示すように、円形状のキャリア本体1と、キャリア本体1の上面にマトリックス状に区画して形成され且つパワーデバイスを収納する収納区域2と、これらの収納区域2を囲み且つ収納区域2内にパワーデバイスを位置決めする矩形状の位置決め部材3と、を備えている。収納区域2には、キャリア本体1を貫通する複数の吸引孔4が形成されている。
【0006】
ところが、チップキャリアを用いてパワーデバイスの検査をする場合には、予め複数のパワーデバイスが収納されたチップキャリアをローダ室のウエハ収納部から搬送し、プリアライメント後にプローバ室の載置台上に載置する。プローバ室では、アライメント機構を用いてパワーデバイスの電極パッドと複数のプローブとのアライメントを行った後、個々のパワーデバイスの検査を行う、検査後には、載置台上のチップキャリアをローダ室のウエハ収納部の元の場所へ戻す。
【0007】
チップキャリアを用いる場合には、パワーデバイスをウエハから個々のパワーデバイスを切断し、チップキャリアの各収納区域2内に収納しなくてはならない。そこで、最近のパワーデバイスへの需要の高まりと相俟って、ウエハ状態のままでの検査用の要望が強くなってきている。パワーデバイスをウエハ状態のまま検査する場合には、そのウエハをプローバ室内の載置台上に載置し、各パワーデバイスに高電圧を印加して各パワーデバイスの電気的特性検査を行う。
【0008】
【特許文献1】特開2009−128204
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ウエハ状態のままパワーデバイスの電気的特性検査を行う場合には、ウエハ中に不良デバイスが混じっていると、不良デバイスに高電圧を印加して高い異常電流が流れて不良デバイスが破損し、載置台のチャックトップが損傷することがあり、高価なチャックトップを交換しなくてはならないことがある。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、パワーデバイスをウエハ状態のまま検査することができ、しかも不良デバイスに高い異常電流が流れても載置台のチャックトップを損傷させることなくパワーデバイスの電気的特性検査を行うことができるパワーデバイス用のウエハキャリア及びこのウエハキャリアを用いるパワーデバイスの検査方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1に記載のウエハキャリアは、パワーデバイスの電気的特性検査をウエハレベルで行う際に、検査装置の載置台上に吸着固定して用いられ且つ複数のパワーデバイスが形成されたウエハを保持するウエハキャリアであって、キャリア本体と、上記キャリア本体の第1の主面上に上記ウエハの載置面として形成された導電性金属膜と、上記載置面に形成された真空吸着用の溝と、上記載置台の真空吸着用の溝と連通し且つ上記真空吸着用の溝内で開口する吸引孔と、を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載のウエハキャリアは、請求項1に記載の発明において、上記導電性金属膜が上記ウエハの外周より大径に形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項3に記載のウエハキャリアは、請求項1または請求項2に記載の発明において、上記導電性金属膜が複数の金属薄膜を積層して形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項4に記載のウエハキャリアは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記導電性金属膜が樹脂膜に被着されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項5に記載のウエハキャリアは、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、上記キャリア本体がシリコンまたはガラスによって形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の請求項6に記載のウエハキャリアは、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明において、上記樹脂膜が上記キャリア本体に対して剥離可能に接合されていることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の請求7に記載のパワーデバイスの検査方法は、複数のパワーデバイスが形成されたウエハを載置する移動可能な載置台と、上記載置台の上方に配置された複数のプローブを有するプローブカードと、上記複数のプローブと上記ウエハの複数の電極をアライメントするアライメント機構と、を備えた検査装置を用いて上記複数のパワーデバイスの電気的特性検査を行う際に、請求項1〜5のいずれか1項に記載のウエハキャリアを用いてウエハ状態のまま上記複数のパワーデバイスの電気的特性検査を行うパワーデバイスの検査方法であって、上記ウエハキャリアのプリアライメントを行う工程と、上記プリアライメント後の上記ウエハキャリアを上記載置台上に載置する工程と、上記ウエハキャリアを上記載置台上に固定する工程と、上記ウエハをプリアライメントする工程と、上記プリアライメント後の上記ウエハを上記ウエハキャリア上に載置する工程と、上記ウエハキャリア上に上記ウエハを固定する工程と、上記載置台と上記アライメント機構と用いて上記キャリア上の上記ウエハの複数の電極と上記複数のプローブのアライメントを行う工程と、を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、パワーデバイスをウエハ状態のまま検査することができ、しかも不良デバイスに高い異常電流が流れても載置台のチャックトップを損傷させることなくパワーデバイスの電気的特性検査を行うことができるパワーデバイス用のウエハキャリア及びパワーデバイスの検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の検査装置の一実施形態を示す概念図である。
【図2】図1に示す検査装置を用いられる本実施形態のウエハキャリアを示す平面図である。
【図3】図1に示す検査装置の載置台とその上に載置されたウエハキャリア及びウエハの関係を模式的に示す断面図である。
【図4】図1に示す検査装置を用いる本発明の検査方法の一実施形態の手順を示すフローチャートである。
【図5】従来のパワーデバイスの検査方法に用いられるチップキャリアを示す平面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態について図1〜図4を参照しながら説明する。
まず、本実施形態のウエハキャリアを適用する検査装置について説明する。本実施形態に用いられる検査装置10は、例えば、図1に示すように、本実施形態のウエハキャリア20で保持されたウエハWを載置する移動可能な載置台11と、載置台11を水平方向及び上下方向へ移動させる駆動機構12と、載置台11の上方に配置された複数のプローブ13Aを有するプローブカード13と、複数のプローブ13Aとウエハキャリア20上のウエハWの複数の電極とのアライメントを行うアライメント機構14と、これらの各機器を制御する制御装置15と、を備え、制御装置15の制御下でウエハWの電気的特性検査を行うように構成されている。尚、図1において、13Bはプローブカード13と一体化したカードホルダで、プローブカード13はカードホルダ13Bを介してプローバ室の上面を形成するヘッドプレート16に固定されている。
【0021】
図3に示すように、載置台11の上面には複数の吸着溝11Aが同心円状に形成され、これらの吸着溝11Aは互いに径方向に形成された溝(図示せず)によって連通されている。また、吸着溝11Aでは真空装置に接続された排気通路11Bが開口しており、真空装置によって吸着溝11A及び排気通路11Bから排気し、吸着溝11Aにおいてウエハキャリア20を真空吸着するようにしてある。そして、一部の吸着溝11Aは、ウエハキャリア20の真空吸着用の溝に連通している。
【0022】
また、アライメント機構14は、図1に示すように、載置台11の側方に付設されて複数のプローブ13Aを撮像する第1CCDカメラ14Aと、アライメントブリッジ14Bに設けられて載置台11上のウエハWを撮像する第2CCDカメラ14Cと、第1、第2CCDカメラ14A、14Cからの撮像信号に基づいて画像処理する画像処理装置14Dと、を備え、第1、第2CCDカメラ14A、14Cからの撮像信号に基づいて複数のプローブ13AとウエハWの複数の電極とのアライメントを行う。
【0023】
而して、本実施形態のウエハキャリア20は、図1に示すように、複数のパワーデバイスが形成されたウエハを保持した状態で載置台11上に載置し、複数のパワーデバイスの電気的特性検査をウエハ状態のままできるようになされており、例えばローダ室に設けられたバッファテーブルに収納されている。このウエハキャリア20は、例えば図2に示すようにウエハWの外径より大径の円形状に形成され、例えば4インチ、6インチ、8インチの3種類のウエハを保持するように形成されている。このウエハキャリア20の上面には例えば3つの真空吸着用の溝(以下、「吸着溝」と称す。)20Aが同心円状に形成されている。これらの吸着溝20Aでは、図3に示すように載置台11の同心円状の吸着溝11Aと連通すると共にウエハキャリア20を貫通する吸引孔20Bが開口している。8インチウエハの時には全ての吸着溝20Aでウエハを吸着し、4インチウエハの時には最小径の吸着溝20Aでウエハを吸着する。
【0024】
従って、真空装置が駆動して載置台11の排気通路11Bから排気し、ウエハキャリア20を載置台11上へ真空吸着し、ウエハキャリア20を載置台11上に固定する。尚、図2、図3において、20Cは載置台11に設けられた昇降ピンが通る貫通孔で、ウエハキャリア20上においてウエハWの受け渡す時に昇降ピンが貫通孔20Cからウエハキャリア20の上面から突出する。
【0025】
ウエハキャリア20は、例えば図2、図3に示すように、キャリア本体21と、キャリア本体21の上面全面に形成された樹脂膜22と、樹脂膜22の上面全面に形成された導電性金属膜23と、キャリア本体21の下面全面に接合された板部材24と、を備え、導電性金属膜23がウエハWのコレクタ電極Cと電気的に接触してコレクタ電極として機能するように構成されている。
【0026】
ウエハキャリア20の各層は次のように構成されている。キャリア本体21は例えばシリコンやガラスによって形成され、樹脂膜22は例えばポリイミド系樹脂によって形成されている。樹脂層22は、キャリア本体21に接着剤を介して接合されており、導電性金属膜23が損傷した時には樹脂膜22と一緒に取り替え可能になっている。導電性金属膜23は、図3に示すように、樹脂膜22の上面に被着された銅薄膜層23Aと、銅薄膜層23Aの上面全面に被着されたニッケル薄膜層23Bと、ニッケル薄膜層23Bの上面に被着された金薄膜層23Cと、を有する三層構造になっている。これらの薄膜層はいずれも例えばメッキ処理によって形成されている。
【0027】
ウエハキャリア20を適用するウエハWにはIGBT等のパワーデバイスが形成されている。IGBTは、ゲート電極、エミッタ電極及びコレクタ電極を有している。図3では、ウエハWの上面に形成されたエミッタ電極Eとウエハの下面に形成されたコレクタ電極Cのみが図示されている。これらのパワーデバイスの電気的特性検査は、図3に示すように2対、4本のプローブを用いる四端子ケルビン測定法によって行われる。
【0028】
一対プローブ13A、13Aにはソース電源30Aが接続されていると共に、他の一対のプローブ13A、13Aにはモニタ30Bが接続されている。ソース電源30A側では、一方のプローブ13Aがパワーデバイスのエミッタ電極と電気的に接触し、他方のプローブ13Aがウエハキャリア20の導電性金属膜23と電気的に接触するように構成されている。モニタ30B側では、一方のプローブ13Aがパワーデバイスのエミッタ電極Eと電気的に接触し、他方のプローブ13Aがウエハキャリア20の導電性金属膜23と電気的に接触するように構成されている。従って、ソース電源30Aからパワーデバイスに電流を流し、モニタ30Bにおいてパワーデバイス間の電圧を検出することによってパワーデバイスの電気的特性検査を行う。また、ウエハW側に接触するプローブ13Aは、スイッチ機構(図示せず)によってパワーデバイスを一個ずつあるいは複数個ずつ検査する度に切り換えられるようになっている。
【0029】
次に、本実施形態の検査方法について図4を参照しながら説明する。まず、ローダ室においてウエハ搬送機構がバッファテーブルからウエハキャリア20を搬出し、プリアライメント機構(図示せず)へ引き渡し、ここでウエハキャリア20のプリアライメントが行われる(ステップS1)。その後、ウエハ搬送機構がプリアライメント機構からウエハキャリア20をプローバ室内の載置台11上へ載置すると(ステップS2)、ウエハキャリア20は、載置台11上で真空吸着により固定される。この際、ウエハキャリア20は、プリアライメント後であるため、その中心が載置台11の載置面の中心と一致している。
【0030】
その後、ウエハ搬送機構がカセット(図示せず)からウエハWを搬出すると、プリアライメント機構がウエハキャリア20と同様にウエハWのプリアライメントを行う(ステップS3)。ウエハ搬送機構は、プリアライメント後のウエハWを載置台11上に固定されたウエハキャリア20上に載置する(ステップS4)。この際にもウエハWの中心と載置台11及びウエハキャリア20の中心が一致する。この際、ウエハキャリア20は吸着溝20を介してウエハWを真空吸着して固定する。
【0031】
引き続き、載置台11とアライメント機構14が協働してウエハWのアライメントを行った後(ステップS5)、載置台11が水平方向へ移動してウエハWをプローブカード13の真下へ搬送し、この位置から上昇して、ウエハWと複数のプローブ13Aを一括して電気的に接触させる。そして、複数のパワーデバイスについて、一個あるいは同時に複数個の電気的特性検査を行う(ステップS6)。その後、全パワーデバイスの検査が終了したか否かを判断し、未検査のパワーデバイスがあれば、ステップS6に戻って次のパワーデバイスの検査を行う。ステップS6及びステップS7を繰り返し、ステップ7において全てのパワーデバイスの検査を終了したと判断すれば、そのウエハWは、ウエハ搬送機構を介してカセットの元の場所へ戻される(ステップS8)。
【0032】
次いで、カセット内に次に検査すべきウエハWが存在するか否かについて判断し(ステップS9)、次に検査すべきウエハWが存在すると判断すれば、ステップS3に戻り、次のウエハWの検査をステップS3〜ステップS7の手順を踏んでウエハWの全パワーデバイスの検査を行う。そして、最後のウエハWの検査を終了すると、ステップS9において全てのウエハWの検査が終了したと判断し、ウエハWの検査を終了する。
【0033】
ウエハWの検査を繰り返している間に、いずれかのウエハWの不良デバイスの検査で異常電流が流れ、ウエハキャリア20の導電性金属膜23が焦げつくなどして破損することがある。その場合にはそのウエハW中の他のパワーデバイスの検査を終えた後、ウエハキャリア20を交換して予備のウエハキャリア20を用いて検査を続行する。破損したウエハキャリア20は、樹脂膜22をキャリア本体21から剥がし、代わりの樹脂膜23をキャリア本体21に貼り付けてウエハキャリア20を修復する。
【0034】
以上説明したように本実施形態によれば、ウエハWのパワーデバイスの検査をする時には、ウエハWを保持するウエハキャリア20を予め載置台11上に設置し、ウエハキャリア20上にウエハWを載置することにより、ウエハ状態のままウエハWの電気的特性検査を行うことができる。また、万一、ウエハWに不良デバイスが混じっていて、不良デバイスの検査時に異常電流が発生してもウエハキャリア20の導電性金属膜23が犠牲になるだけで、載置台11の損傷を防止することができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、導電性金属膜23が被着された樹脂膜22がキャリア本体21に対して剥離可能になっているため、導電性金属膜23が異常電流等で損傷することがあっても、交換してウエハキャリア20を再生することができる。また、本実施形態のウェハキャリア20は、仕様により薄いウエハやTAIKOウェハの搬送用としても使用することができる。
【0036】
尚、本発明は上記実施形態に何等制限されるものではなく、本発明の構成要素を適宜設計変更することができる。例えば、導電性金属膜23は、銅薄膜23A、ニッケル薄膜23B及び金薄膜23Cの三層構造になっているが、他の金属を用いて三層構造以外の層構造を採用することもできる。
【符号の説明】
【0037】
10 検査装置
11 載置台
13 プローブカード
13A プローブ
14 アライメント機構
15 制御装置
20 ウエハキャリア
20A 吸着溝
20B 吸着用孔
21 キャリア本体
22 樹脂膜
23 導電性金属膜
23A 銅薄膜
23B ニッケル箔膜
23C 金薄膜
W ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーデバイスの電気的特性検査をウエハレベルで行う際に、検査装置の載置台上に吸着固定して用いられ且つ複数のパワーデバイスが形成されたウエハを保持するウエハキャリアであって、キャリア本体と、上記キャリア本体の第1の主面上に上記ウエハの載置面として形成された導電性金属膜と、上記載置面に形成された真空吸着用の溝と、上記載置台の真空吸着用の溝と連通し且つ上記真空吸着用の溝内で開口する吸引孔と、を備えたことを特徴とするウエハキャリア。
【請求項2】
上記導電性金属膜が上記ウエハの外周より大径に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のウエハキャリア。
【請求項3】
上記導電性金属膜が複数の金属薄膜を積層して形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエハキャリア。
【請求項4】
上記導電性金属膜が樹脂膜に被着されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のウエハキャリア。
【請求項5】
上記キャリア本体がシリコンまたはガラスによって形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のウエハキャリア。
【請求項6】
上記樹脂膜が上記キャリア本体に対して剥離可能に接合されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のウエハキャリア。
【請求項7】
複数のパワーデバイスが形成されたウエハを載置する移動可能な載置台と、上記載置台の上方に配置された複数のプローブを有するプローブカードと、上記複数のプローブと上記ウエハの複数の電極をアライメントするアライメント機構と、を備えた検査装置を用いて上記複数のパワーデバイスの電気的特性検査を行う際に、請求項1〜5のいずれか1項に記載のウエハキャリアを用いてウエハ状態のまま上記複数のパワーデバイスの電気的特性検査を行うパワーデバイスの検査方法であって、
上記ウエハキャリアのプリアライメントを行う工程と、
上記プリアライメント後の上記ウエハキャリアを上記載置台上に載置する工程と、
上記ウエハキャリアを上記載置台上に固定する工程と、
上記ウエハをプリアライメントする工程と、
上記プリアライメント後の上記ウエハを上記ウエハキャリア上に載置する工程と、
上記ウエハキャリア上に上記ウエハを固定する工程と、
上記載置台と上記アライメント機構とを用いて上記キャリア上の上記ウエハの複数の電極と上記複数のプローブのアライメントを行う工程と、を備えた
ことを特徴とするパワーデバイスの検査方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−151370(P2012−151370A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10272(P2011−10272)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】