説明

パンタグラフ式ジャッキ駆動装置

【課題】ジャッキアップ作業が不要になり、初めてジャッキを使用するユーザや、力の弱い女性、年配のユーザにとっても簡単に車両を昇降させることができ、ジャッキアップ作業が非常に楽になる、パンタグラフ式ジャッキ駆動装置を提供すること。
【解決手段】本発明のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1は、電気により動作して圧縮空気を吐き出すエアーコンプレッサー11と、エアーコンプレッサー11から吐き出された圧縮空気を入力して回転力に変え、パンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28を回転させ、パンタグラフ式ジャッキ2を駆動して、車両3の昇降動作を行うエアー式回転機構部12と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等に使用されるパンタグラフ式ジャッキ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネジ部材の回転により昇降動作を行うパンタグラフ式ジャッキでは、ネジ部材に回転棒などを挿入してネジ部材を回転させることにより、昇降動作を行っていた(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【0003】
また、最近は、車両の軽量化を図るため、パンク時のスペアタイヤの代わりに、あるいはタイヤの空気を入れるため、シガーライター用電源等から電源電流をとる小型の電気式のエアーコンプレッサーを車両に搭載することが行われている(例えば、特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−013360号公報
【特許文献2】特開2008−013359号公報
【特許文献3】特開2001−316084号公報
【特許文献4】特開平11−117871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1〜3に記載された従来のパンタグラフ式ジャッキでは、ネジ部材に回転棒などを挿入してネジ部材を回転させることにより、昇降動作を行う必要があったため、初めてジャッキを使用するユーザや、女性、年配のユーザにとっては、使用が困難である、という課題があった。
【0006】
また、前記特許文献4に記載された従来の電気式のエアーコンプレッサーは、車両の軽量化を図るため、タイヤへの空気注入やパンク時にパンク修理材と共に使用されるもので、最近、車両に搭載され始めているが、パンクの穴が大きい場合には、パンク修理材では対応できず、ジャッキアップによるスペアタイヤへの交換が必要である、とても便利である。また、タイヤを交換する場合には、当然に、ジャッキアップ作業は必要になってくる。
【0007】
そこで、本発明は、ジャッキアップ作業が不要になり、初めてジャッキを使用するユーザや、力の弱い女性、年配のユーザにとっても簡単に車両を昇降させることができ、ジャッキアップ作業が非常に楽になる、パンタグラフ式ジャッキ駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置は、電気により動作して圧縮空気を吐き出すエアーコンプレッサーと、前記エアーコンプレッサーから吐き出された圧縮空気を入力して回転力に変える、パンタグラフ式ジャッキのネジ部材を回転させ、パンタグラフ式ジャッキを駆動するエアー式回転機構部と、を有することを特徴とするパンタグラフ式ジャッキ駆動装置である。
ここで、前記エアー式回転機構部は、前記エアーコンプレッサーから吐き出された圧縮空気を入力して回転軸の回転力に変えるエアーモーターと、前記回転軸をパンタグラフ式ジャッキのネジ部材端部に連結され、パンタグラフ式ジャッキのネジ部材を回転させる継手アダプタと、前記エアーモーターが前記パンタグラフ式ジャッキおよび前記エアーコンプレッサーに対し回転しないように前記パンタグラフ式ジャッキに固定される回転防止ステーと、を有するようにしても勿論よい。
また、前記回転防止ステーは、前記エアーモーター先端部の両側から先方に延びる左右の突出部のそれぞれに回転により進退する一対のアジャスタネジを設け、その一対のアジャスタネジ先端それぞれを前記パンタグラフ式ジャッキを構成するアッパアームとロアアームとを連結する連結軸の両端部に嵌めて前記パンタグラフ式ジャッキに固定することにより、コンプレッサー本体の回転を防止する、ようにしても勿論よい。
また、前記回転防止ステーの左右の突出部の先端部には、それぞれ、前記パンタグラフ式ジャッキを構成するアッパアームとロアアームとを連結する連結軸の左右両側の凹凸形状に応じた凹状嵌合部または凸状嵌合部を有するアジャスタネジが設けられている、ようにしても勿論よい。
また、前記回転防止ステーは、前記エアーモーター先端部の上下両側から先方に延びる上下突出部それぞれを、パンタグラフ式ジャッキのアッパフレームとロアフレームとの連結部上下の開口部に挿入し、アッパフレームの開口部周囲の内側面と、ロアフレームの開口部周囲の内側面とに挟まれ、コンプレッサー本体の回転を防止する、ようにしても勿論よい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置では、エアーコンプレッサーから吐き出された圧縮空気を入力して回転力に変え、パンタグラフ式ジャッキのネジ部材を回転させ、パンタグラフ式ジャッキを駆動するエアー式回転機構部を有するので、ジャッキアップ作業が不要になり、初めてジャッキを使用するユーザや、力の弱い女性、年配のユーザにとっても簡単に車両を昇降させることができ、ジャッキアップ作業が非常に楽になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置の使用状態を示す説明図である。
【図2】(a),(b)は、それぞれ、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置が使用されるパンタグラフ式ジャッキが最も収縮した状態の正面図、最も伸長した状態の正面図である。
【図3】本発明に係る実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置を構成するエアー式回転機構部と、パンタグラフ式ジャッキとの接続状態の一例を示す説明図である。
【図4】(a),(b)は、それぞれ、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1のエアー式回転機構部を構成するエアーモーターの一例の長手方向および短手方向の断面図である。
【図5】(a),(b)は、それぞれ、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置を構成する継手アダプタとハンドル継手との連結状態およびパンタグラフ式ジャッキに固定される回転防止ステーの取り付け状態を示す平面図、取り付け部分Aの拡大図である。
【図6】(a),(b)は、それぞれ、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置の継手アダプタの一例を示す斜視図である。
【図7】(a)〜(d)は、それぞれ、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置のアジャスタネジと、パンタグラフ式ジャッキの操作側連結軸の左右両端部の形状など示す図である。
【図8】(a)〜(c)は、実施の形態2のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置の継手アダプタが連結されるパンタグラフ式ジャッキのネジ部材後端を示す図、その拡大図、ネジ部材後端の連結部を示す図である。
【図9】(a),(b)は、それぞれ、実施の形態3のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置の継手アダプタの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るパンタグラフ式ジャッキ駆動装置の一実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明に係る実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1の使用状態を示す説明図である。
【0013】
図1に示すように、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1は、パンタグラフ式ジャッキ2に連結して使用するもので、エアーコンプレッサー11と、エアーコンプレッサー11から吐き出された圧縮空気を入力して回転力に変えてパンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28を回転させ、パンタグラフ式ジャッキ2の昇降動作を行うエアー式回転機構部12と、を有する。
【0014】
エアーコンプレッサー11は、電気により動作して圧縮空気を吐き出すコンプレッサー本体111と、車両3のバッテリ(図示せず。)等からコンプレッサー本体111の駆動電源電流をとるため、車両3のシガーライタソケット(図示せず)等に挿入されるシガーライター用コンセント112と、コンプレッサー本体111からエアー式回転機構部12へ圧縮空気を送るための圧縮空気ホース113とを有する。
【0015】
パンタグラフ式ジャッキ2およびエアー式回転機構部12については、後述する。
【0016】
図2(a),(b)は、それぞれ、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1が使用されるパンタグラフ式ジャッキ2が最も収縮した状態の正面図、最も伸長した状態の正面図である。
【0017】
図2(a),(b)に示すように、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1が使用されるパンタグラフ式ジャッキ2は、通常のパンタグラフ式ジャッキ2であり、車両等を下方から受ける車両受台20と、車両受台20に上端部21a,22aが回動自在に支持された一対のアッパアーム21,22と、一対のアッパアーム21,22の下端部21b,22bにそれぞれ上端部23b,24bが2つの連結軸26,27を介し回動自在に連結された一対のロアアーム23,24と、一対のロアアーム23,24の下端部23a,24aのそれぞれを回動自在に支持する台座25と、一対のアッパアーム21,22と一対のロアアーム23,24とを回動自在に連結する2つの連結軸26,27間に挿通されるネジ部材28と、を有する。なお、2つの連結軸26,27のうち、ネジ部材28のハンドル継手28aに近い側を、操作側連結軸26と呼び、ネジ部材28のハンドル継手28aに遠い側、すなわちネジ部材28先端に近い側を、作動側連結軸27と呼ぶ。
【0018】
図3は、本発明に係る実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1を構成するエアー式回転機構部12と、パンタグラフ式ジャッキ2との接続状態の一例を示す説明図である。
【0019】
図3に示すように、本実施の形態1では、エアー式回転機構部12は、コンプレッサー本体111(図1参照。)から吐き出された圧縮空気を、圧縮空気ホース113を通して入力して回転軸121aの回転力に変えるエアーモーター121と、回転軸121aをパンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28先端のハンドル継手28aに連結され、パンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28を回転させる継手アダプタ122と、エアーモーター121がパンタグラフ式ジャッキ2およびコンプレッサー本体111に対し回転しないようにパンタグラフ式ジャッキ2に固定される回転防止ステー123と、を有する。
【0020】
図4(a),(b)は、それぞれ、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1のエアー式回転機構部12を構成するエアーモーター121の一例の長手方向および短手方向の断面図である。
【0021】
図4(a),(b)に示すように、実施の形態1のエアー式回転機構部12を構成するエアーモーター121は、回転軸121aと、ハウジング部121bと、回転軸121aがその中心を貫通し、ハウジング部121b内で回転するロータ121cと、ロータ121cの外周面の長手方向に所定間隔で複数形成されたベーン溝121dに出入自在に挿入された複数のベーン121eと、ハウジング部121bの前後両側の開口部に、その開口部を覆うベアリング121f1,1211g付きのエンドカバー121f,121gとを有する。
【0022】
そして、ハウジング部121bには、コンプレッサー本体111(図1参照。)から吐き出された圧縮空気を圧縮空気ホース113を介して流入するエアー供給口121b1と、エアー供給口121b1から供給され、複数のベーン121eを押すと共に体積を増大させることにより、ハウジング部121b内でロータ121cおよび回転軸121aを回転させた後排気される排気口121b2と、ベーンがさらに回転してベーン室内に残留した空気を排気する残圧排気口121b3とを有する。
【0023】
複数のベーン121eは、ロータ121cおよび回転軸121aの回転中、遠心力でハウジング部121bの内側に押し付けられるので、確実にシールされる。
【0024】
これにより、エアーモーター121は、コンプレッサー本体111(図1参照。)から圧縮空気ホース113を介して流入する圧縮空気を、エアー供給口121b1から流入させて、排気口121b2および残圧排気口121b3から排気することにより、ロータ121cおよび回転軸121aを回転させて、回転軸121aに必要な回転および回転トルクを得る。回転軸121aは、継手アダプタ122がパンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28のハンドル継手28aに連結されているので、継手アダプタ122を介してパンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28を回転させる。
【0025】
図5(a),(b)は、それぞれ、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1を構成する継手アダプタ122とハンドル継手28aとの連結状態およびパンタグラフ式ジャッキ2に固定される回転防止ステー123の取り付け状態を示す平面図、取り付け部分Aの拡大図である。また、図6(a),(b)は、それぞれ、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1の継手アダプタ122の一例を示す斜視図である。また、図7(a)〜(d)は、それぞれ、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1のアジャスタネジ123b,123と、パンタグラフ式ジャッキ2の操作側連結軸26の左右両端部26b,26cの形状など示す図である。
【0026】
図5(a)に示すように、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1のエアー式回転機構部12は、前述のように、エアーモーター121と、継手アダプタ122と、回転防止ステー123とを有する。
【0027】
継手アダプタ122は、図6(a)に示すように、パンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28先端のハンドル継手28aを両側から挟み連結して、エアーモーター121の回転軸121aからの回転トルクを伝達できるように、コの字形状、または図6(b)に示すように、ネジ部材28先端のハンドル継手28aを、エアーモーター121の回転軸121aからの回転トルクを伝達できるように挿入するソケット形状に構成されている。
【0028】
また、実施の形態1のエアー式回転機構部12の回転防止ステー123は、図5(b)に示すように、コの字状のステー本体123aと、ステー本体123aのコの字状の開口側先端に設けられたアジャスタネジ123b,123cとから構成される。ここで、アジャスタネジ123b,123cの先端は、それぞれ、図7に示すように、パンタグラフ式ジャッキ2の操作側連結軸26の左右両端部26b,26cの凹凸形状に合わせた凹状嵌合部123b1または凸状嵌合部123c1が設けられている。
【0029】
つまり、パンタグラフ式ジャッキ2の操作側連結軸26の右側端部26bの形状が、例えば、図7(a)に示すように、正面視、丸型凸形状の場合は、その丸型凸形状に合わせた凹状嵌合部123b1が設けられている。その一方、パンタグラフ式ジャッキ2の操作側連結軸26の左側端部26cの形状が、例えば、図7(c)に示すように、正面視、角型凹形状の場合は、その角型凹形状に合わせた凸状嵌合部123c1が設けられている。
【0030】
そのため、ユーザは、図6(a),(b)に示すように、エアー式回転機構部12の回転軸121a先端の継手アダプタ122をパンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28先端のハンドル継手28aに嵌め、エアー式回転機構部12の回転防止ステー123のステー本体123a両側のアジャスタネジ123b,123cを締め付けて、アジャスタネジ123b,123c先端それぞれの凹状嵌合部123b1または凸状嵌合部123c1を、パンタグラフ式ジャッキ2の操作側連結軸26の左右両端部26b,26cの凹凸形状に合わせた凹状嵌合部123b1または凸状嵌合部123c1に嵌めることにより、パンタグラフ式ジャッキ2に対するエアー式回転機構部12の回転を防止することができる。
【0031】
そして、図5(a)に示すように、エアー式回転機構部12のエアーモーター121のエア供給口121bに、エアーコンプレッサー11のコンプレッサー本体111から伸びる圧縮空気ホース113先端のバルブ113aを嵌め、エアーコンプレッサー11のシガーライター用コンセント112を、車両3のシガーライタソケット(図示せず)等に挿入して、コンプレッサー本体111の電源をオンする。
【0032】
すると、コンプレッサー本体111からエアーモーター121に圧縮空気が供給され、エアーモーター121により回転軸121aが回転して、回転軸121a先端の継手アダプタ122がパンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28先端のハンドル継手28aを回転させて、図2(b)に示すようにパンタグラフ式ジャッキ2を上昇させる。
【0033】
従って、本実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1では、電気により動作して圧縮空気を吐き出すエアーコンプレッサー11と、エアーコンプレッサー11から吐き出された圧縮空気を入力して回転力に変え、パンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28を回転させ、パンタグラフ式ジャッキ2の昇降動作を行うエアー式回転機構部12と、を有するので、ジャッキアップ作業が不要になり、初めてジャッキを使用するユーザや、力の弱い女性、年配のユーザにとっても簡単に車両を昇降させることができ、ジャッキアップ作業が非常に楽になる。
【0034】
また、本実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1では、回転防止ステー123がエアーモーター121先端部両側から先方に延びる両側面それぞれから回転により進退するアジャスタネジ123b,123c先端を、パンタグラフ式ジャッキ2を構成するアッパアーム22とロアアーム24とを連結する連結軸26の両端部26b,26cに嵌めてパンタグラフ式ジャッキ2に固定されるので、ユーザがエアーモーター121を支えずに電動により回転軸121dを回転させても、パンタグラフ式ジャッキ2に対しエアーモーター121が回転することを防止することができる。そのため、この点でも、初めてジャッキを使用するユーザや、力の弱い女性、年配のユーザにとっても簡単に車両を昇降させることができ、ジャッキアップ作業が非常に楽になる。
【0035】
実施の形態2.
次に、実施の形態2のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1’について説明する。
【0036】
前記実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1では、エアー式回転機構部12の回転軸121a先端の継手アダプタ122を、パンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28先端のハンドル継手28aに連結して回転させるように説明したが、本実施の形態2のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1では、エアー式回転機構部12の回転軸121a先端の継手アダプタ122’を、パンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28後端に連結するようにしたものである。
【0037】
図8(a)〜(c)は、実施の形態2のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1’の継手アダプタ122’が連結されるパンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28後端を示す図、その拡大図、ネジ部材28後端の連結部28bを示す図である。
【0038】
つまり、実施の形態2のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1’では、図8(a)〜(c)に示すように、パンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28後端に、例えば、2つのナット28b1,28b2を取り付けた、いわゆるダブルナット式の連結部28bを構成している。そして、実施の形態2のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1’では、エアー式回転機構部12の回転軸121a先端の継手アダプタ122’は、図8(d)に示すような、ダブルナット式の連結部28bに嵌まり回転トルクを伝達可能なソケットとする。
【0039】
従って、本実施の形態2のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1’では、前記実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1と同様に、電気により動作して圧縮空気を吐き出すエアーコンプレッサー11等によりパンタグラフ式ジャッキ2の昇降動作を行うので、ジャッキアップ作業が不要になり、初めてジャッキを使用するユーザや、力の弱い力の弱い女性、年配のユーザにとっても簡単に車両を昇降させることができ、ジャッキアップ作業が非常に楽になる。
【0040】
ただし、実施の形態2の場合、パンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28後端を使用するので、実施の形態1の場合とは異なり、昇降動作を行う際、パンタグラフ式ジャッキ2のネジ部材28の回転方向が逆になる。
【0041】
実施の形態3.
次に、実施の形態3のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1”について説明する。
【0042】
前記実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1では、コの字状のステー本体123aと、ステー本体123aのコの字状の開口側先端に設けられたアジャスタネジ123b,123cとから構成された回転防止ステー123のアジャスタネジ123b,123cの先端を、パンタグラフ式ジャッキ2の操作側連結軸26の左右両端部26b,26cに固定して回転止めを行うように説明したが、本実施の形態3では、回転防止ステー123’においてアジャスタネジ123b,123cを使用せずに、それより簡単にコンプレッサー本体111の回転を防止するようにしたものである。
【0043】
図9(a),(b)は、それぞれ、実施の形態3のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1”の回転防止ステー123’の一例を示す斜視図と、取り付け状態を示す図である。
【0044】
図9(a),(b)に示すように、実施の形態3のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1”では、回転防止ステー123’のステー本体123a’の上下突出部123a1’,123a2’がアッパフレーム22とロアフレーム24の開口部221,241に挿入され、アッパフレーム22の開口部221周囲の内側面と、ロアフレーム24の開口部241周囲の内側面とに挟まれ、回転防止ステー123’やコンプレッサー本体111の回転を防止する。このた め、実施の形態1のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1の回転防止ステー123とは異なり、アジャスタネジ123b,123cを使用しなくても、簡単にコンプレッサー本体111の回転を防止することができる。
【0045】
従って、本実施の形態3のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1”では、前記実施の形態1,2のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1.1’と同様に、電気により動作して圧縮空気を吐き出すエアーコンプレッサー11等によりパンタグラフ式ジャッキ2の昇降動作を行うので、ジャッキアップ作業が不要になり、初めてジャッキを使用するユーザや、力の弱い力の弱い女性、年配のユーザにとっても簡単に車両を昇降させることができ、ジャッキアップ作業が非常に楽になる。
【0046】
特に、本実施の形態3のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1”では、前記実施の形態1,2のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置1.1’とは異なり、アジャスタネジ123b,123cを使用しなくても、回転防止ステー123’やコンプレッサー本体111の回転を防止することができるので、さらにジャッキアップ作業が簡単になり、初めてジャッキを使用するユーザや、力の弱い力の弱い女性、年配のユーザにとってもさらに簡単に車両を昇降させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 パンタグラフ式ジャッキ駆動装置
11 エアーコンプレッサー
12 エアー式回転機構部
111 コンプレッサー本体
112 シガーライター用コンセント
113 圧縮空気ホース
121 エアーモーター
121a 回転軸
122 継手アダプタ
123 回転防止ステー
123b,123c アジャスタネジ
123b1 凹状嵌合部
123c1 凸状嵌合部
2 パンタグラフ式ジャッキ
21,22 アッパアーム
23,24 ロアアーム13,14
25 台座
26,27 連結軸(操作側連結軸、作動側連結軸)
28 ネジ部材
28a ハンドル継手
28b ネジ部
3 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気により動作して圧縮空気を吐き出すエアーコンプレッサーと、
前記エアーコンプレッサーから吐き出された圧縮空気を入力して回転力に変える、パンタグラフ式ジャッキのネジ部材を回転させ、パンタグラフ式ジャッキを駆動するエアー式回転機構部と、
を有することを特徴とするパンタグラフ式ジャッキ駆動装置。
【請求項2】
請求項1記載のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置において、
前記エアー式回転機構部は、
前記エアーコンプレッサーから吐き出された圧縮空気を入力して回転軸の回転力に変えるエアーモーターと、
前記回転軸をパンタグラフ式ジャッキのネジ部材端部に連結され、パンタグラフ式ジャッキのネジ部材を回転させる継手アダプタと、
前記エアーモーターが前記パンタグラフ式ジャッキおよび前記エアーコンプレッサーに対し回転しないように前記パンタグラフ式ジャッキに固定される回転防止ステーと、
を有することを特徴とするパンタグラフ式ジャッキ駆動装置。
【請求項3】
請求項2記載のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置において、
前記回転防止ステーは、
前記エアーモーター先端部の両側から先方に延びる左右の突出部のそれぞれに回転により進退する一対のアジャスタネジを設け、その一対のアジャスタネジ先端それぞれを前記パンタグラフ式ジャッキを構成するアッパアームとロアアームとを連結する連結軸の両端部に嵌めて前記パンタグラフ式ジャッキに固定することにより、コンプレッサー本体の回転を防止する、
ことを特徴とするパンタグラフ式ジャッキ駆動装置。
【請求項4】
請求項3記載のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置において、
前記回転防止ステーの左右の突出部の先端部には、それぞれ、
前記パンタグラフ式ジャッキを構成するアッパアームとロアアームとを連結する連結軸の左右両側の凹凸形状に応じた凹状嵌合部または凸状嵌合部を有するアジャスタネジが設けられている、
ことを特徴とするパンタグラフ式ジャッキ駆動装置。
【請求項5】
請求項2記載のパンタグラフ式ジャッキ駆動装置において、
前記回転防止ステーは、
前記エアーモーター先端部の上下両側から先方に延びる上下突出部それぞれを、パンタグラフ式ジャッキのアッパフレームとロアフレームとの連結部上下の開口部に挿入し、アッパフレームの開口部周囲の内側面と、ロアフレームの開口部周囲の内側面とに挟まれ、コンプレッサー本体の回転を防止する、
ことを特徴とするパンタグラフ式ジャッキ駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−171720(P2012−171720A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33288(P2011−33288)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(390003447)川▲崎▼工業株式会社 (13)