説明

パン生地組成物及びイースト発酵された冷凍パン製品をベーキングする方法

主要原料として小麦粉を含有し以下の追加的な原料を含有するパン生地を処方し調合することを含むパン製品を製造する方法であって、小麦粉の重量を%の基準として、パン製品に適した形状の開放鋳型に生地を予め調製すること、80゜F〜100゜Fの範囲の温度で、少なくとも70%の相対湿度で30分未満の間生地を前加工すること、0℃以下の温度で前加工した生地を冷凍すること、60分以下の時間の間に生地を部分的に解凍すること、及び、部分解凍した生地を約170℃から180℃の温度で予め加熱したオーブンに置いて、3時間未満でパン製品が製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イースト発酵されたパン製品及びイースト発酵されたパン製品をベーキングする方法に関し、その方法は、イースト発酵されたパン生地を冷凍し、次に中間の解凍ステップとともに単一の温度でイースト発酵されたパン生地をベーキングするステップを有し、解凍ステップは、冷凍とベーキングとの間に付加的な加工をほとんど必要とせず1時間又はそれ以下しか必要としない。より詳細には、イースト発酵されたパン生地及びイースト発酵されたパン生地のベーキングプロセスは、本明細書に記述したように、フリーザtoオーブンのイースト発酵されたパン製品を予想外に提供し、このパン製品は、付加的な前発酵、一夜の遅延、完全解凍又は付加的な加工を必要とすることなく、フリーザtoオーブンで、パン製品に保持される水分の量を増加させることにより貯蔵期間を増加させることができる。
【背景技術】
【0002】
完全に発酵された冷凍(FFF)生地
消費者が入手可能なFFFと称される製品は完全に前加工されたパン及びロールパンであり、これは、冷凍及び箱詰めに先立って、製造設備が材料をブレンドし、混合し、形作り、並びにパン及びロールパンを完全に加工することを意味している。これらのFFFパンの受容者は、次に冷凍ケースからパンを取り出してトレー上にそれらを載置し、予めセットしたオーブンでそれらをベーキングするであろう。FFFをベーキングするには、2つの段階がサイクルされる。即ち、1)解凍するための15分間の低温(325゜F)。2)ベーキングサイクルを完了するための高温(380゜F)の20分間。
【0003】
フリーザtoオーブン(FTO)の冷凍製品のもう一つのタイプは、積層生地及びペストリーである。これには、デニッシュタイプのペストリー及びクロワッサンが含まれる。この製品もまた、予め形作られ、パン工場の設備で完全に加工される。生地の積層は、純粋な生地層の間の脂肪の層を生成する複雑なプロセスである。積層は、それ自身、ベーキングの最終の段階の間、体積を製品に与える方法である。本質的に、層間の脂肪が溶解し、放出される湿気は蒸気に変わり、そして、層の間に閉じ込められた蒸気は層を押し離す。このプロセスは、クロワッサン又はデニッシュタイプのペストリーに典型的な非常に開いた、細い気泡構造を生成する。
【0004】
冷凍生地
冷凍生地は、予め形作られたパン又はロール生地であり、これは製造プラントで予備成形及び/又はバルクシート化されるパン又はロール生地である。このタイプの生地は、典型的に、使用に先立って最小でも2〜3時間の解凍時間を必要とする。もし、冷凍生地が予め成形されるなら、そして、単位重量に依存しているなら、生地は解凍サイクル(単位重量に従う時間)を経る必要があり、しかもベーキングに先立つ最終の加工サイクルも経る必要があるであろう。解凍及び加工の4〜5時間は、冷凍生地の受容者にとって異常ではないであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パーベイク
パーベイクが80年代の初期に発展し、多数の小売り業者が、その場でスクラッチ法によりベーキングされたパンを製造する必要性なしに消費者に焼きたての製品をもたらすことを可能とした。これらの方法は高価で、パーベイク又は部分的にベーキングされたパンであり、産業上革新的な代替方法である。典型的には、これらのパンは、製造場所で混合され、予め成形され、加工され及び部分的にベーキングされている。ベーキングの程度は、通常の完全にベーキングされたパンと区別する唯一のファクターであり、何れも冷凍され、そして解凍及び予備加熱され得る。店内のパン屋に比較して、小売りから購入するコストは、店レベルで現在製造されているものに対して、装置、労力及び無駄の点で非常なる節約をもたらす。パーベイクのパン製品は、単にフリーザから取り出してベーキングし、無駄な時間と店のパン屋の日程の経費を節約する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで好ましいパン生地組成物及び箱詰めプロセスは、冷凍発酵パン製品(登録商標「FROBAKE」)を、予定の/必要な一夜の遅れ又は余分な解凍時間なしに、すぐに焼くことができる。FROBAKEユニットは、凍結されたまま受け取られたときに、パンのベーキングに先立つ最小の解凍時間を必要とするだけである。典型的には、300グラム未満の重量のパン製品ユニットには30分が理想的であり、300グラム以上の重量のパン製品ユニットには60分が理想的である。本願明細書において記載されている成分及びプロセスは、冷凍生地パン製品が約400ポンドを最小の生地バッチとする大量生産物である工業的なパン製品の製造に特に適しており、最低でも4,000の冷凍されたパン製品ユニット/時間、一般的には10,000の冷凍されたパン製品ユニット/時間までの製造に適している。次に、冷凍生地ユニットは、冷凍したまま多数のスーパーマーケット及び他のベーキングされたパン製品の販売者に配送され、又は小さいスケールで焼くために他社に冷凍したまま販売され得る。
【0007】
また、解凍時間は、生地ピースの長さにより表面積が最小化される四角形カットのような冷凍生地パン製品の場合に短縮される。このように、長さ8インチ×幅3インチ×高さ3インチの500グラムの凍結パン製品ユニットは、大きな製品に分類され、従って60分の解凍時間が適用される。
【0008】
他の例として、長さ21インチ×幅1.5インチ×高さ1インチの長いフレンチスティックは、正味の生地重量によって定義されるように、大きい製品として分類される。しかしながら、より短く深い方が同じ重量のパン製品に対して解凍が早いので、即ち、解凍時間の短縮はより短い所要解凍時間をもたらす厚さ又は最小の大きさに依存するので、解凍時間は解凍率に対する(深さ及び長さに対する)ユニット体積に基づいて30分まで減少させることができるであろう。
【0009】
FROBAKE製品は、受容者がそれらの箱から冷凍パン製品ユニットを取り出し、そのユニットをベーキングトレイ上に置き、そして1時間のサイクル内でパンの下ごしらえをし、必要に応じて切り目を入れ、オーブンの用意をすることを有利に許容する。任意に切り目を入れる技術は、完全に加工された通常の生地に切り目を入れ、又は完全に調製された冷凍生地に切り目を入れるときと異ならない。このパンは、ベーキングに先立って更なる解凍又は発酵を必要としない。通常、パンのベーキングのオペレータは、下ごしらえの前にパンをスプレーで湿らせる。このことは、生地の上面の全体に亘って均等に付着するように、培地、be-itシード又は穀物の下ごしらえをすることを基本的に可能とする。FROBAKE生地は、下ごしらえを必要とすることがなく、その表面に加湿具の如何なる形成をもすることなく下ごしらえをし及び切り目が付される。
【0010】
FROBAKE生地のベーキングサイクルは、単一の温度プリセットオーブンで、好ましくは約350゜Fの水蒸気注入を有するものを要求するのみである。殆どのFFF又は冷凍生地は、解凍されている1つのステージ(第1のサイクル)による2つのサイクルのベーキングのサイクルと、完全にベーキングし及びパンの表面に色をつける(デキストリン化(dextrinate)する)ことを必要とする最終的でより高い温度サイクルを必要とする。
【0011】
FROBAKは、冷凍生地、FFF、及びパーベイクに、開いた紙袋又は溶封プラスチック袋に包装されるとき、通常の貯蔵期間の少なくとも倍の貯蔵期間が提供されるという追加的な強みを有ている。これは、ベーキング後のパン製品に保持されている水分の予想外の量によるものであり、この水分は、冷却及び展示の間にパンの中を移動する。パーベイクプロセスでは、要求される2つのベーキングサイクルにより、水分の脱水が急速に生じる。典型的には、全水分の13%が最初のベーキングサイクルで失われ、更に5%が最終のベーキングサイクルで失われる。FFF及び冷凍生地は、これらの従来技術のプロセスの完全なサイクルの加工及び解凍の要求により、パーベイク製品とほぼ同じ量の水分を失うであろう。FROBAKEは、最終のベーキングサイクルの終わりにおいて失われた重量で測定すると、約10%未満、通常では約6%の生地の水分を失う。
【0012】
論理学的な立場からは、FROBAKEはまた、冷凍時には著しく大きな比容積を有しているFFF及びパーベイクと異なったトラック容積を最大にすることを可能として運送費に於ける実質的な低減を提供する。
【0013】
FROBAKE生地は、優れた体積、開いた内部気泡構造及び味わいを有するパン製品を製造する。製造から最終的な完全なパンベーキングまでの合計プロセス時間は、次のようにほぼ2.2時間である。
【0014】
【表1】

【発明の効果】
【0015】
したがって、本願明細書において、記載されているパン製品及び方法の一の特徴は、イースト発酵されたパン製品及びイースト発酵されたパン製品の製造方法を提供することであり、それは、イースト発酵されたパン生地を凍結し、そして次にその生地を予め加熱したオーブンでベーキングするステップを含み、ベーキングの前に必要とされる解凍時間を低減したものである。
【0016】
本願明細書において記載されているパン製品及び方法の他の特徴は、イースト発酵されたパン製品及びイースト発酵されたパン製品の製造方法を提供することであり、それは、イースト発酵されたパン生地を凍結し、そして次に、室温での30〜60分の解凍の後、その生地を予め加熱したオーブンで単一の温度でベーキングするステップを含み、水分含有量が増加し貯蔵期間の長いパン製品が提供される。
【0017】
本願明細書において記載されているパン製品及び方法の他の特徴は、イースト発酵されたパン製品及びイースト発酵されたパン製品の製造方法を提供することであり、それは、イースト発酵されたパン生地を凍結し、そして次に少なくとも90分、通常は30−60分の解凍時間でその生地をベーキングするステップを含み、冷凍とベーキングとの間に必要とされる追加的な加工を殆どなくしたものである。
【0018】
本願明細書において記載されているパン製品及び方法の他の特徴は、イースト発酵されたパン製品及びイースト発酵されたパン製品の製造方法を提供することであり、それは、イースト発酵されたパン生地を凍結し、そして次にその生地をベーキングするステップを含み、フリーザtoオーブンのパン製品を提供する。ここで、フリーザtoオーブンとは、追加の前発酵、一夜の遅延、完全な加工及び/又は追加の可能を必要としないことである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本願明細書において記載されているイースト発酵されたパン製品及び方法の上記及び他の特徴及び利点は、以下の好ましい実施例の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0020】
定義
範囲は、本願明細書において、「約」又は「ほぼ」と1つの特定の値から、及び/又は、「約」又は「ほぼ」と他の特定の値までとして表現される得る。この種の範囲が表されるときに、他の実施形態は1つの特定の値から及び/又はその他の特定の値までを含んでいる。同様に、値が概略値として表されるときに、「約」という先行詞を用いて表現され、特定の値は他の実施形態を形成すると理解される。
【0021】
本願明細書において採用されているように、「発酵」という用語は、生地に空気を含ませ及びグルテンを熟させるように機能するイーストの作用により引き起こされる生地に於ける全ての変化を含むことを意図している。合計の発酵時間は、バルク、静止又はベンチング及び加工に於ける生地の発酵の間に経過した時間を含んでいる。明確化のために、従来のベーキング術語は、発酵が起こっている間の特異的な生地処置ステップを識別するのに適当な場合に、以下のように定義され採用される。
【0022】
「バルクでの発酵」は、生地の処方が混合された後及びそれが個々の部分に分けられる前に現れる。
【0023】
「部分解凍」は、冷凍生地が、冷凍生地が完全に解凍されるまでに必要な時間の0.1〜0.7倍に等しい時間の期間、従って冷凍生地が完全には解凍されない期間、室温(25℃)での解凍レベルを経る周囲環境に曝されているときに現れる。凍生地が周囲の条件、即ち25℃で完全に解凍されるまでに必要な時間の約15〜50に生地が解凍され、ベーキングプロセスを開始したときに内部のコアの温度0℃以下を常に有しているのが好ましい。
【0024】
「休息」は、「ベンチング」と同義であり、小麦粉のグルテンに、生地が延ばされ加工される分断、モールディング、成形等のステップから回復するのに必要な時間を与えることを許容する期間を意味する。
【0025】
「加工」は、ベーキング又は解凍の前の最終ステップであり、ここでの時間はイーストがより多くのガスを生成して適切な体積及び小泡形成をモールディング又は成形された生地の一部に与えることを可能とする。
【0026】
「膨張剤」は、ベーキングした製品に気体を含ませる二酸化炭素ガスを発生する化合物又は化学的化合物の混合物である。従って、イースト発酵された生地では、イーストは膨張剤である。
【0027】
用語「生地」は、練り又はロールするのに十分に堅い他の原料を含有する小麦粉の混合物である。
【0028】
用語「イースト発酵されたパン製品」は、小麦粉、小麦、レーズン及びフレンチスタイル又はイタリアンスタイプのパン、夕食用ロール又はソフトロール、ハードロール、カイザーロール、ハンバーガロール、フランクフルトロール、及び他の特殊なロール、予め成形され又はバルク又は厚切り形状のデニッシュ又はパイ生地のようなロールイン製品、スイートイース膨張生地品目、例えばシナモンロール、コーヒーケーキ又は他のプレーンな又は添加された甘い生地品目、イースト膨張させたドーナツのようなフライにした製品のためのイースト膨張生地等を含んでいる。
【0029】
好ましい実施態様
本発明は、本願明細書に記載されているパン製品及び方法並びにそこに記載されている実施例の詳細を参照することにより、容易に理解され得る。本発明は、記載されている特定の構成要素、事項、プロセス及び/又は条件並びにむろん改変にも限定されないと理解されるべきである。また、本願明細書において用いられる術語は特定の実施形態を記述するためにのみ使用され、これに限定されることを意図していないと理解されるべきである。
【0030】
ホームベーキング又はスーパーマーケットでの業務用ベーキングのための冷凍生地の商業的なマーケティングは、量的に成長し続けている。今日の現代スーパーマーケット及びベーカリは、消費者によって求められる新鮮さを達成するために、焼きたてのパンの塊を毎日提供することができる。そして、多くのこのような新鮮なパンの塊を提供するために、そして新鮮なパンを提供するのに必要な時間を減少させるために、大部分のスーパーマーケットは、冷凍生地又は部分的に冷凍生地を焼いた生地から毎日焼かれるパンの塊を提供している。しかしながら、冷凍生地を使用するパン製造プロセスは、解決されるべき深刻ないくつかの問題を有する。準備のために必要な及びベーキングの前の冷凍製品の解凍のための時間は、それらに含まれる。「背景技術」で説明されたように、この種のフリーザtoオーブンのパン製品は、フリーザとオーブンとの間の解凍時間が非常に長く、冷たいオーブンに直接入れたとき長いベーキング時間を要し、及び/又は完全な解凍及びベーキングに異なる温度でのベーキングサイクルを必要とする。
【0031】
解凍のための最初の低温ベーサイクルを含む2つのベーキングサイクルに対する代案がとして、他はフリーザから直接取り出した冷凍生地を載置して、45−60分の期間、約170℃〜180℃の温度に直ちにオンにする冷たいオーブンにそれを載置する(米国特許第4,374,151号、第4,406,911号、及び第4,966,778号を参照されたい)。更に、従来のフリーザtoオーブンのプロセスは、生地組成と使用されるベーキングサイクルにより水分含量の少ないパン製品に結果としてなる。本願明細書において記載されているパン製品の典型的な水分含有量は50〜65重量%であり、一方、従来技術のフリーザtoオーブンのパン製品は水分含有量は、FFF:45−55重量%;冷凍生地:45−55重量%;そして、パーベイク:40−50重量%である。
【0032】
全ての場合で、本願明細書において記載されているように、パン製品の水分含有量は、上記従来技術のフリーザtoオーブンのパン製品の水分含有量より少なくとも5%多く、その結果、少なくとも2倍の貯蔵期間となっている。
【0033】
本願明細書において記載されているFROBAKEパン製品は、小麦粉、塩、イースト及び水の本質的なパン成分を含んでいる。粉は、小麦粉、米粉、コーンミール又は通常のパン製品生地において使用される他の種子粉の何れでもよい。好ましい粉は、小麦粉である。しかしながら、この生地組成物は、融解点降下剤、例えばC1〜C3の一価アルコール、例えばエタノール、又はC2−C3の多価アルコール(米国特許第4,374,151)を必要とせず、又は重量基準で少なくとも17%の高小麦タンパク質レベル(米国特許第4,966,773)を必要とせず、そして、室温で30〜60分の解凍後に予め加熱したオーブンに直接入れることができる。
【0034】
本願明細書において記載されている生地組成物の小麦タンパク質レベルは、小麦粉重量に基づいて約10〜16重量%、好ましくは約12%〜14.5%である。
【0035】
本願明細書において記載したパン生地組成物は、小麦粉の重量基準で約2.5%〜4.5%、好ましくは約3.0%〜4.0重量%のイースト含有量でイースト発酵される。
【0036】
本発明の好ましい実施形態は、冷凍の前に加工され、及び通常の商業的な冷凍倉庫の温度範囲で品質を保持するであろう時間の後でのベーキングのために保持されるイースト発酵された生地であり、フリーザから出され、170℃から180℃まで約30−40分、好ましくは約175℃で35分間、予熱されたオーブンに入れられる前に30−60分の室温で解凍されて、良好なローフ体積とオーブンばねとを有する最終の焼かれたパンの塊を得るまで便利に調理され得る。冷凍する前に加工されるこの冷凍生地は、通常の解凍を不要とし、そして、生地がベーキングのためにオーブンに載置される前に、通常では解凍のために2〜12時間、そして加工のために2−4時間を必要とする加工ステップを不要とする。
【0037】
冷凍生地組成物及びパン製品の製造方法は、以下のステップを含んでいる。:処方;混合、好ましくは室温で;予備成形;80゜F〜100゜Fで70−90%の相対湿度で10−20分間の前加工;0℃以下、好ましくは−15℃〜−30℃での冷凍;好ましくは室温で30−60分の部分的な解凍;及び次に、約30−40分で170℃−180℃の予め加熱したオーブンに直接置き、好ましくは100%の水分飽和にするために水蒸気注入を15〜20分行うこと。
【0038】
プロセス及びパン製品は、優れた体積、開いた内部気泡構造及び風味を有している。製造から最終的な完全焼き上がりまでの合計プロセス時間は、2.7時間より少なく、以下のように分けられる。
・ライン加工:30分
・ライン送風冷凍 30゜F:30分
・解凍:30−60分
・ベーキング(直接予熱オーブンに入れた):30−40分
・合計:2.0〜2.7時間。
【0039】
先行技術の所要時間
・従来のパーベイクの時間:3.71 時間(223分)
・冷凍生地:ベーキングに先立って、9.3時間(必須の最小の8時間の遅滞時間を含む)
・FFF冷凍生地:ベーキングに先立って、3時間。
【0040】
プロセスの詳細
(1)混合−スパイラルミキサー、ツインアーム/デュアルスピード。
(2)生地は、78゜Fの温度で合計の9分間混合した。
(3)休息は、機械的剪断及び成形の前において不要であった。
(4)生地を、ユニット重量500グラム±10グラムに分けた。
(5)一旦分けられると、生地は、自動的に予備形成されたベーキング用平皿にセットされる前に、セットモルダを介して予備成形に供される。
(6)満たされた平皿は、オートメーション化したベルトに沿って進行して、オンライン加工ボックスに移動する。製品は、−30℃での深く凍結される前に、相対湿度85%のチャンバで90゜Fで15分間、予備加工に供される。
【0041】
35分の間の350゜Fでのベーキングオーブンにおいて、最終的なテストベーキングが行われる。ベーキングによる充分な体積を測定するために、通常の方法の下で作成された冷凍生地ブランクが、完成したFROBAKE製品と比較して使用された。以下の結果が得られた:
・体積:冷凍生地に比較した、ベーキング前/後/ベーキングの変化の許容性。
・7日間の冷凍保存後−対称的な外観;保持された体積ロス:0%。
・14日間の冷凍保存後−対称的な外観;保持された体積ロス:−0.1%。
【0042】
流体力学
真のオーブンtoフリーザのイースト発酵されたパン製品のプロセスは、生地のイーストの活性を介する自然な発酵と考えられるものを最小にすることに注意が向けられている。イーストのレベルは、与えられた処方内で発酵の活性の時間及び長さを決定する。FROBAKE処方は、小麦粉の重量基準で2.5〜4.5重量%のイーストレベル、好ましくは3.0〜4.0%のイーストレベルが、比例的に及び食通の両方にパンの良好な塊と公に受け取られる所望される体積と物理的特性を生成するのに十分であることを要求している。
【0043】
FROBAKEに適用される発酵方法は、通常のイースト膨張発酵するパン製品についての最終的な加工期間とは対照的に、パンのベーキング期間の全体にわたって物理的に制御される。170℃〜180℃の温度範囲が、適用される特定のベーキング時間の間に活性又は不活性になる乳化剤及び酵素を含む原材料の正しいレベルの処方に依存するオーブン強制発酵を制御するのに重要である。
【0044】
イースト発酵は、発酵するのに、熱、時間及び温度を必要とする。イースト発酵もまた、ベーキングの間のガス生成を加速するように、菌類及び穀類の酵素の形式のアミレイシス(amylayses)に伴う付加的なイーストフードの所望のレベルを得るため、天然に見られる砂糖、即ちショ糖、ブドウ糖の破壊を必要としている。その上、FROBAKEに適用される発酵期間を最小化することにより、天然生地の表面のデキストリネーション(dextrination)がより急速に現れ、残余の砂糖が変換によりすぐに利用できるようになることが分かっている。
【0045】
合計の小麦粉の重さを基準とする好ましいFROBAK処方は、次の通りである。
【0046】
【表2】

【0047】
*…ブドウ糖は、好ましい砂糖であるが、より甘い又はより甘さの少ないパン製品を得るために、他のモノ−又はジグリセリドに置き換えられ得る。
【0048】
【表3】

【0049】
※…小麦粉の重量を基準として、01−0.5%、好ましくは0.1−0.3%の酸化剤であって、好ましくは、L−アスコルビン酸、ADA、ヨウ化カリウム、ヨウ化カルシウム及び/又はこれらの酸化剤の混合物から選択されるものを提供する。
※…小麦粉の重量を基準として、01−0.5%、好ましくは0.1−0.3%の乳化剤又は界面活性剤であって、好ましくは、ステアロイル乳酸カルシウム若しくはナトリウム、例えばSSL、モノー及び/若しくはジグリセリド(例えば、DATEM(モノアシルグリセロール及びジアシルグリセロールとモノ−及びジ−アセチル酒石酸とのエステル化によって得られる)、並びに/又はエトキシ化モノ−及び/又はジグリセリドから選ばれるものを提供する。
※…一又はそれ以上のタンパク分解性でアモリティック(amolytic)な酵素であって、それぞれ6PPMから500PPMの量を提供する。好ましい酵素は以下のとおりである。
【0050】
【表4】

【0051】
生地の製造及び最終のベーキングの間、生地が十分に弛緩するように添加される天然に見られる酸のL−システインは、グルテン構造を減少させ、その構造がオーブン内で加工及びベーキングを一体として行う間の比例した体積を得るのを可能とするのにも寄与する。
【0052】
アミラーゼと称するデンプン攻撃酵素と、L−システインと称する還元剤との両方を有していることは重要であり、その理由は、これらの機能性材料が組み合わされたときに、製造及びベーキングの間、全体に亘るパンの外観及び内部の見栄えを決定するからである。
【0053】
小麦粉は、標準のローラーミルされた極上小麦粉であって、発酵を補助する追加的な強化原材料を含まない。
【0054】
非糖化性の麦芽粉は、不活性化された麦芽粉である。その機能は、純粋に、単により自然な糖を放出するように追加的な澱粉を壊すことのなく麦芽風味に寄与することである。これらの風味は、最終的な焼かれたパンにおいて非常に明らかである。
【0055】
本発明の完全な利点を達成するために、生地組成物は、一又はそれ以上の食用のガムを小麦粉の重量を基準として約1重量%未満、好ましくは0.01〜0.5%、好ましくは0.1〜0.3%で含有し、それと同様に、アスコルビン酸のような酸化剤又はオキシダント、菌類、及び/又は穀類の酵素を含む添加物又は品質改良剤を含むべきである。ダイズ油のようなオイルもまた、小麦粉の重量を基準として少なくとも0.01%から最高約0.5%まで加えられ得る。各々のこれらの添加物は、生地とは別に添加され得、又は1若しくはこれらの添加物の全ては、例えばEDTMのような乳化剤、ダイズ油のようなオイル、アスコルビン酸のような酸化剤及び酵素等の一般的な添加剤又は特定の生地添加剤のような生地改良剤の添加と一緒に添加されることができる。状況に応じて、添加剤は、小麦粉、L−システイン及び他の添加物を含み得る。添加剤は、体積、パンの身の構造、風味及び貯蔵安定性を改良する。
【0056】
適切な食品ガムは、通常冷凍食品において使用される何れの食品ガムであってもよい。例示の食品ガムには、ローカストビーンガム、マルメロゴム、グアーガム、トラガカント、アラビアゴム、ガッチゴム、ゴムカラヤ、寒天、キサンタンガム、カラゲナン、アルギナート及び類似の食品ガム、並びにそれらの混合物が含まれるが、これに限定されるものではない。グアーガム及びキサンタンガムは、好ましい食品ゴムである。
【0057】
以下、好ましい成分の詳細について説明する。
【0058】
小麦粉:傷んでいない100%の堅い赤い春小麦を、小麦粉の98%以上が212ミクロンの布を通過するように製粉し篩い分けして、メープルリーフベーカリー用の極上の小麦粉を調製した。この小麦粉は無漂白である。この小麦粉は、強化小麦粉の基準を満たす必要があるなら、ナイアシン、鉄、モノ硝酸チアミン、リボフラビン及び葉酸で強化され得、包装の直前にエントレートされる(entoleted)。
【0059】
【表5】

【0060】
:黄色のシアン化物を有する微細な粒状の塩は、篩にかけた、粒状で、白い結晶性固体である。それは、黄色のシアン化物が加えられた飽和食塩水から、真空窯蒸発システムにより製造される。塩は乾燥され、結晶形の均一性を確保するために篩にかけられる。それは、実質的に不溶物がなく、素早く溶解する。それは、発酵プロセスに於けるイーストの栄養素として機能し、それを含むパン製品の全体的風味の特徴に寄与する。黄色のシアン化物は、固化に対する塩の耐性を改良するために加えられる。それは、いくぶん吸湿性であり、冷たく、乾燥した場所に貯蔵されなければならない。
【0061】
【表6】

【0062】
イースト:サッカロミセス属の株(Saccharomyces cerevisiae)である圧縮イーストを均一性、活性及び安定性のために培養した。それは膨張剤であり、生きた細胞に依存して発酵の間ガスを生じる。培養されたイーストは、含水比を低減させるための回転真空乾燥器を通過する。イーストは、その後押し出されて、包装のためにブロックに形成される。
【0063】
【表7】

【0064】
L−システイン:L−システイン(タブレット)は生地添加剤であり、それは生地組成物に於ける還元剤として機能する。この原料は酵素として機能する天然に見られるアミノ酸であり、それは混合時間を減少させて、生地の伸展性及び機械加工性を改善する。それは、便宜上及び正確な使用のためにタブレット形状であり、素早くに水に溶ける。各々のタブレットは、100ポンドの小麦粉に添加されたとき、10PPMのL−システインのモノ塩酸塩を与える。
【0065】
【表8】

【0066】
小麦グルテン:活性な小麦グルテンは、小麦粉から抽出されたグルテンの低温乾燥によって得られるクリーム状の黄褐色のパウダーである。この原料は、生地組成物の非有機添加成分として使用される。
【0067】
【表9】

【0068】
ブドウ糖:ブドウ糖は結晶性のコーンシュガを精製したものである。それはコーンスターチの酵素加水分解により調製され、イオン交換脱塩により精製される。それは、発酵プロセスのイーストのための栄養素として機能し、マイルドな甘さを提供し、そして、ベーキングの間、外皮の発色を補助する。それは、非常に吸湿性で低温乾燥した場所において貯蔵されなければならない。
【0069】
【表10】

【0070】
麦芽パウダー:麦芽パウダーは、大麦及びとうもろこしから得られる非糖化性の天然物である。このパウダーは、大麦及びとうもろこしの粗びきの酵素反応により得られる。この原材料は微細な粉体であり、それは熟成した甘い麦芽の香り及び風味を有している。それは、甘い麦芽の香りを提供し、パンの身及び皮の色を高揚させ、貯蔵安定性を延長するために保湿剤として作用するように、通常処方において使用される。
【0071】
【表11】

【0072】
酸化剤;乳化剤;酵素;オイル:全ては、生地改良剤に配合することによって、パン生地処方に加えることができる。そのような添加剤は、PURATOS S(登録商標) Improverである。適切な添加剤の例として、PURATOS S Improverは、イースト膨張させたベーカリ製品の用途に設計された原料の混合物であり、即ち、小麦粉、データ(datum)、ダイズ油、ブドウ糖、アスコルビン酸、L−システイン及び酵素である。それは、体積、パンの身の構造、風味及び貯蔵安定性を改良するのに役立つ生地添加剤である。この添加剤は、それらが小麦粉の重量の1%から2%に等しいレベルで使用され得るように処方される。
【0073】
小麦粉の重量基準で1−2%で使用される添加成分のPURATOS S(登録商標)は、それが以下のバランスのよい微量成分を含有しているという点で多機能の役割を有している:
・乾燥小麦粉(キャリアー)
・ブドウ糖(砂糖)
・デーテム(Datem)エステル(乳化剤)
・酵素(タンパク分解性でデンプン分解性)
・脂肪
・オイル
・アスコルビン酸(酸化剤)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍後、後工程の冷凍発酵を低減した、イースト発酵されたパン製品にベーキングするのに適したパン生地組成物であって、成分に含まれる小麦粉の重量に基づくパーセンテージで、小麦粉と以下の追加的な組成成分とを含有しているパン生地組成物。
塩:1.8〜2.3%
膨張剤:2.5〜4.5%
乳化剤:0.01〜0.5%
甘味料:0.3〜2.0%
L−システイン:0.001〜0.1%
グルテン:0.5〜4.0%
酸化剤:0.01〜0.5%
酵素:0.01〜0.5%
水:58〜65%
ガム:0.01〜0.5%
【請求項2】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、麦芽着香料を約1%〜約3%の量で、オイルを0.1〜0.5%の量で更に含有しているパン生地組成物。
【請求項3】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、前記酸化剤は、アスコルビン酸、アゾジカルボンアミド、臭素酸カリウム及びこれらの組み合わせから成る群から選択され、前記甘味料は、単糖を含んでいるパン生地組成物。
【請求項4】
請求項3に記載のパン生地組成物であって、前記単糖は、ブドウ糖を含んでいるパン生地組成物。
【請求項5】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、前記パン生地組成物は、小麦粉の重量を基準として、以下のものを含むパン生地組成物。
塩:2.0〜2.1%
膨張剤:2.8〜3.2%
ブドウ糖:0.3〜1.0%
L−システイン:0.001〜0.1%
脂肪及び/又はオイル:0〜1.0%
グルテン:0.5〜1.5%
酸化剤:0.01〜0.3%
酵素:0.01〜0.3%
水:58〜62%
ガム:0.01〜0.5%
【請求項6】
請求項5に記載のパン生地組成物であって、生地強化添加剤は、SSL、DATEM及びそれらの組み合わせから成る群から選択されるものであるパン生地組成物。
【請求項7】
請求項5に記載のパン生地組成物であって、前記パン生地組成物は、小麦粉の重量を基準として、以下のものを含むパン生地組成物。
塩:2.0%
イースト:2.8〜3.1%
ブドウ糖:0.5%
グルテン:1.0%
L−システイン:0.03%
アスコルビン酸:0.01〜0.3%
酵素:0.01〜0.3%
水:58〜62%
ガム:0.01〜0.3%
【請求項8】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、小麦粉は、16重量%未満の小麦タンパク質を含有する小麦粉であるパン生地組成物。
【請求項9】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、前記甘味料は、単糖、二糖及びそれらの混合物から成る群から選択されるものであるパン生地組成物。
【請求項10】
請求項6に記載のパン生地組成物であって、甘味料は、ブドウ糖、ショ糖、フルクトース、コーンシロップ、ラクトース、マルトース及びそれらの2以上の混合物から成る群から選択されるものであるパン生地組成物。
【請求項11】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、前記酵素は、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、エンドキシラナーゼ、フレッシュ酵素、プロテアーゼ、及び前記酵素の2つ又はそれ以上の混合物から成る群から選択されるものであるパン生地組成物。
【請求項12】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、前記酵素は、小麦粉の重量を基準として、各々0.01〜0.03%の量の蛋白質分解酵素及び澱粉分解酵素の組み合わせであるパン生地組成物。
【請求項13】
請求項7のパン生地組成物、更に、食用の動物又は植物性油を、小麦粉の重量を基準として、0.01〜0.5重量%の量で含んでいるパン生地組成物。
【請求項14】
主要原料として小麦粉を含有し、小麦粉の重量に基づくパーセンテージで、以下の追加的な原料を含有するパン生地を処方して調合することを包含するパン製品の製造方法であって、
塩:1.8〜2.3%
イースト:3.0;2.5〜4.5%
甘味料:0.3〜2.0%
グルテン:0.5〜4.0%
L−システイン:10〜100PPM
水:50〜65%
酸化剤:0.1〜0.5%
酵素:0.01〜0.5%
ガム:0.01〜0.5%
パン製品に適した形状の開放鋳型に生地を形成すること、
80゜F〜100゜Fの範囲の温度で、少なくとも70%の相対湿度で30分未満の間生地を前加工すること、
0℃以下の温度で前加工した生地を冷凍すること、
60分以下の時間の間に生地を部分的に解凍すること、及び、
部分解凍した生地を約170℃から180℃の温度で予め加熱したオーブンに置いて、3時間未満でパン製品を製造すること、
を包含するパン製品の製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記生地は、70〜90%の相対湿度、80゜F〜100゜Fの温度で、15〜20分間前加工されるパン製品の製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載の製造方法であって、前記部分的に解凍された生地は、水分飽和したオーブン雰囲気で30〜40分の間、170℃〜180゜Fで焼かれるパン製品の製造方法。
【請求項17】
請求項14に記載の製造方法であって、前記甘味料は、単糖、二糖及びこれらの混合物から成る群から選択されるものであるパン製品の製造方法。
【請求項18】
請求項17に記載の製造方法であって、前記甘味料は、ブドウ糖、ショ糖、フルクトース、コーンシロップ、ラクトース、マルトース及びそれらの2以上の混合物から成る群から選択されるものであるパン製品の製造方法。
【請求項19】
請求項14に記載の製造方法であって、前記酵素は、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、エンドキシラナーゼ、フレッシュ酵素、プロテアーゼ及び前記酵素の2つ又はそれ以上の混合物から成る群から選択されるものであるパン製品の製造方法。
【請求項20】
イースト、塩及び水を含んでいる生地からイースト発酵されたパン製品を作る方法であって、
約74゜F〜約80゜Fまでの温度範囲で生地を調合し混合すること、
生地を成形すること、
生地を冷凍する前に80゜F〜100゜F、70−90%の相対湿度で15〜20分の間生地の加工を許容すること、
生地を冷凍すること、
ベーキングする前の後工程の冷凍発酵を低減して、最高で60分の間の生地を部分的に解凍すること、及び
次に、貯蔵安定性を増加させるため、優れた風味のため並びに体積及び開いた内部気泡構造のための少なくとも50%の水をパン製品に残すために、単一の温度で単一の焼きサイクルで部分的に解凍された生地をベーキングすること、
を包含している方法。
【請求項21】
請求項20に記載の製造方法であって、前記生地は、請求項1の成分を含んでいる方法。
【請求項22】
請求項20に記載の製造方法であって、前記生地は、30〜60分間解凍されて、170゜F〜180゜Fまでの温度で焼かれる方法。
【請求項23】
請求項22に記載の製造方法であって、前記ベーキングは、水蒸気注入を含み、そして、前記生地は約175℃〜178℃までの温度でベーキングされる方法。
【請求項24】
請求項20に記載の製造方法であって、冷凍生地は、約75〜80゜Fの温度で解凍される方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍後、後工程の冷凍発酵を低減した、イースト発酵されたパン製品にベーキングするのに適したパン生地組成物であって、成分に含まれる小麦粉の重量に基づくパーセンテージで、小麦粉と以下の追加的な組成成分とを含有しているパン生地組成物。
塩:1.8〜2.3%
膨張剤:2.5〜4.5%
乳化剤:0.01〜0.5%
甘味料:0.3〜2.0%
L−システイン:0.001〜0.01%
グルテン:0.5〜4.0%
酸化剤:0.01〜0.5%
酵素:0.01〜0.5%
水:50〜65%
ガム:0.01〜0.5%
【請求項2】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、麦芽着香料を約1%〜約3%の量で、オイルを0.1〜0.5%の量で更に含有しているパン生地組成物。
【請求項3】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、前記酸化剤は、アスコルビン酸、アゾジカルボンアミド、臭素酸カリウム及びこれらの組み合わせから成る群から選択され、前記甘味料は、単糖を含んでいるパン生地組成物。
【請求項4】
請求項3に記載のパン生地組成物であって、前記単糖は、ブドウ糖を含んでいるパン生地組成物。
【請求項5】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、前記パン生地組成物は、小麦粉の重量を基準として、以下のものを含むパン生地組成物。
塩:2.0〜2.1%
膨張剤:2.8〜3.2%
ブドウ糖:0.3〜1.0%
L−システイン:0.001〜0.1%
脂肪及び/又はオイル:0〜1.0%
グルテン:0.5〜1.5%
酸化剤:0.01〜0.3%
酵素:0.01〜0.3%
水:58〜62%
ガム:0.01〜0.5%
【請求項6】
請求項5に記載のパン生地組成物であって、生地強化添加剤は、SSL、DATEM及びそれらの組み合わせから成る群から選択されるものであるパン生地組成物。
【請求項7】
請求項5に記載のパン生地組成物であって、前記パン生地組成物は、小麦粉の重量を基準として、以下のものを含むパン生地組成物。
塩:2.0%
イースト:2.8〜3.1%
ブドウ糖:0.5%
グルテン:1.0%
L−システイン:0.03%
アスコルビン酸:0.01〜0.3%
酵素:0.01〜0.3%
水:58〜62%
ガム:0.01〜0.3%
【請求項8】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、小麦粉は、16重量%未満の小麦タンパク質を含有する小麦粉であるパン生地組成物。
【請求項9】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、前記甘味料は、単糖、二糖及びそれらの混合物から成る群から選択されるものであるパン生地組成物。
【請求項10】
請求項6に記載のパン生地組成物であって、甘味料は、ブドウ糖、ショ糖、フルクトース、コーンシロップ、ラクトース、マルトース及びそれらの2以上の混合物から成る群から選択されるものであるパン生地組成物。
【請求項11】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、前記酵素は、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、エンドキシラナーゼ、フレッシュ酵素、プロテアーゼ、及び前記酵素の2つ又はそれ以上の混合物から成る群から選択されるものであるパン生地組成物。
【請求項12】
請求項1に記載のパン生地組成物であって、前記酵素は、小麦粉の重量を基準として、各々0.01〜0.03%の量の蛋白質分解酵素及び澱粉分解酵素の組み合わせであるパン生地組成物。
【請求項13】
請求項7のパン生地組成物、更に、食用の動物又は植物性油を、小麦粉の重量を基準として、0.01〜0.5重量%の量で含んでいるパン生地組成物。
【請求項14】
主要原料として小麦粉を含有し、小麦粉の重量に基づくパーセンテージで、以下の追加的な原料を含有するパン生地を処方して調合することを包含するパン製品の製造方法であって、
塩:1.8〜2.3%
イースト:2.5〜4.5%
甘味料:0.3〜2.0%
グルテン:0.5〜4.0%
L−システイン:10〜100PPM
水:50〜65%
酸化剤:0.1〜0.5%
酵素:0.01〜0.5%
ガム:0.01〜0.5%
パン製品に適した形状の開放鋳型に生地を形成すること、
80゜F〜100゜Fの範囲の温度で、少なくとも70%の相対湿度で30分未満の間生地を前加工すること、
0℃以下の温度で前加工した生地を冷凍すること、
60分以下の時間の間に生地を部分的に解凍すること、及び、
部分解凍した生地を約170℃から180℃の温度で予め加熱したオーブンに置いて、3時間未満でパン製品を製造すること、
を包含するパン製品の製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記生地は、70〜90%の相対湿度、80゜F〜100゜Fの温度で、15〜20分間前加工されるパン製品の製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載の製造方法であって、前記部分的に解凍された生地は、水分飽和したオーブン雰囲気で30〜40分の間、170℃〜180゜Fで焼かれるパン製品の製造方法。
【請求項17】
請求項14に記載の製造方法であって、前記甘味料は、単糖、二糖及びこれらの混合物から成る群から選択されるものであるパン製品の製造方法。
【請求項18】
請求項17に記載の製造方法であって、前記甘味料は、ブドウ糖、ショ糖、フルクトース、コーンシロップ、ラクトース、マルトース及びそれらの2以上の混合物から成る群から選択されるものであるパン製品の製造方法。
【請求項19】
請求項14に記載の製造方法であって、前記酵素は、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、エンドキシラナーゼ、フレッシュ酵素、プロテアーゼ及び前記酵素の2つ又はそれ以上の混合物から成る群から選択されるものであるパン製品の製造方法。
【請求項20】
イースト、塩及び水を含んでいる生地からイースト発酵されたパン製品を作る方法であって、
約74゜F〜約80゜Fまでの温度範囲で生地を調合し混合すること、
生地を成形すること、
生地を冷凍する前に80゜F〜100゜F、70−90%の相対湿度で15〜20分の間生地の加工を許容すること、
生地を冷凍すること、
ベーキングする前の後工程の冷凍発酵を低減して、最高で60分の間の生地を部分的に解凍すること、及び
次に、貯蔵安定性を増加させるため、優れた風味のため並びに体積及び開いた内部気泡構造のための少なくとも50%の水をパン製品に残すために、単一の温度で30〜40分間単一の焼きサイクルで部分的に解凍された生地をベーキングすること
を包含している方法。
【請求項21】
請求項20に記載の製造方法であって、前記生地は、請求項1の成分を含んでいる方法。
【請求項22】
請求項20に記載の製造方法であって、前記生地は、30〜60分間部分的に解凍されて、170゜F〜180゜Fまでの温度で焼かれる方法。
【請求項23】
請求項22に記載の製造方法であって、前記ベーキングは、水蒸気注入を含み、そして、前記生地は約175℃〜178℃までの温度でベーキングされる方法。
【請求項24】
請求項20に記載の製造方法であって、冷凍生地は、約75〜80゜Fの温度で解凍される方法。

【公表番号】特表2006−502737(P2006−502737A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−546634(P2004−546634)
【出願日】平成14年10月18日(2002.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2002/033333
【国際公開番号】WO2004/037003
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(505143802)メープル リーフ ベイカリー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】