説明

パーキングメーターシステム

【課題】運用者による適切な運用が容易に維持できるようにしたパーキングメーターシステムを提供すること。
【解決手段】複数台のパーキングメーター10を、通信網Nを介してサーバ20に接続させ、各パーキングメーター10から送信される情報をサーバ20で収集し、パーキングメーター管理テーブルを作成し、これにより、サーバ20は、このパーキングメーターシステムの運用者から要求があったとき、それに応じて、いつでも各パーキングメーター10の状態を運用者に提供できるようにする。この結果、当該システムの運用者は、このサーバ20から提供される情報に基づいて、各パーキングメーター10の運用を適切に行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーキングメーターシステムに係り、特に、比較的システム規模の大きな場合に好適なパーキングメーターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近代社会は車社会であり、このため都会なら、ほとんどの場合、駐車場問題がささやかれているのが現状であり、従って、或る程度の規模の都会になるとパーキングメーターが珍しくない。
ところで、一般的なパーキングメーターシステムの場合、利用者は、まず、車両を駐車枠内に正しく停車させ、パーキングメーターに車両が停車したことを感知させる。次に、手数料と呼ばれている料金を硬貨(例えば100円硬貨)等でパーキングメーターに入金し、例えば必要に応じて領収書発行ボタンを手数料投入後2分以内に押すように定められている。
【0003】
従って、利用者は、これらの手順を踏むことにより、予め定められた駐車時間以内(例えば60分以内)で駐車することができるが、このとき手数料をパーキングメーターに入金しなかったり、予め定められた駐車時間を越えて駐車したりすると、駐車違反と見做されてしまう。
このときパーキングメーターシステムの適切な運用を維持するためには、駐車違反車両の監視が必要であるが、ここで広範囲に点在するパーキングメーターを係員が巡回して見回るのでは効率が悪い。
【0004】
しかして駐車違反車両の監視が適切に行われない場合、公平感が損なわれてしまうので、社会通念上、好ましくない。
利用者にしてみても、折悪しく硬貨の持ち合わせがなかったり、気付かない内に駐車制限時間を越えて駐車してしまったなど、やむを得ず違反をしてしまう場合があるが、このとき駐車違反車両の監視がアトランダム(at random)であったとすれば、不公平感が生じてしまうことになり、従って、適切な監視が欠かせないのである。
【0005】
ここで、或る提案によれば、駐車料金(手数料に相当)の支払いをキャッシュレス化したパーキングメーターシステムが従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−187277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のパーキングメーターシステムは、駐車違反の監視に配慮がされておらず、このためシステムの適切な運用に問題があった。
すなわち、従来のパーキングメーターシステムの場合、広範囲に点在するパーキングメーターを係員が巡回して見回る必要があり、このためシステムの適切な運用に問題が生じてしまうのである。
【0008】
本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、運用者による適切な運用が容易に維持できるようにしたパーキングメーターシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、複数台のパーキングメーターに対応して少なくとも1台のサーバを備えたパーキングメーターシステムにおいて、前記複数台のパーキングメーターの各々に、パーキングメーター情報を送信する端末通信部と、車両が駐車枠内に停車したことを感知して感知情報を出力する車両感知部と、手数料の入金を確認して入金情報を出力する手数料確認部と、前記車両感知部からの入力と前記手数料確認部からの入力とからパーキングメーター情報を作成して前記端末通信部に出力する制御部とを設け、前記サーバには、パーキングメーター情報を受信しパーキングメーターシステムを運用する運用者との送受信を行う通信部と、パーキングメーター情報を格納するデータベース部と、前記データベース部を初期化するデータベース初期化部と、前記通信部が受信したパーキングメーター情報を前記データベース部に格納してパーキングメーターの使用状態を管理する状態管理部と、前記通信部が受信した運用者からの要求に応じて前記データベース部に格納されたパーキングメーター情報を前記通信部に出力する運用制御部とを設け、前記1台のサーバにより、前記複数台のパーキングメーターの一元管理が得られるようにして達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、広範囲に点在するパーキングメーターの状態が一元管理され、この結果、システムを管理し運営する運用者は、システムの中央管理部であるサーバに要求するだけで、システム内にある全てのパーキングメーターの使用状態が簡単に把握できる。
従って、本発明によれば、係員の巡回が不要になるので、運用者によるパーキングメーターシステムの適切な運用を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるパーキングメーターシステムの実施例1を示すブロック図である。
【図2】本発明によるパーキングメーターシステムの実施例1におけるパーキングメーター管理テーブルの説明図である。
【図3】本発明によるパーキングメーターシステムの実施例1をイメージして示したブロック図である。
【図4】本発明の実施例1における端末通信部の動作を説明するための流れ図である。
【図5】本発明の実施例1における車両感知部の動作を説明するための流れ図である。
【図6】本発明の実施例1における手数料確認部の動作を説明するための流れ図である。
【図7】本発明の実施例1における制御部の動作を説明するための流れ図である。
【図8】本発明の実施例1における状態管理部の全体の動作を説明するための流れ図である。
【図9】本発明の実施例1における状態管理部の空き処理動作を説明するための流れ図である。
【図10】本発明の実施例1における状態管理部の利用中処理動作を説明するための流れ図である。
【図11】本発明の実施例1における状態管理部の異常(未納)処理動作を説明するための流れ図である。
【図12】本発明の実施例1における状態管理部の異常(超過)処理動作を説明するための流れ図である。
【図13】本発明の実施例1における運用制御部の動作を説明するための流れ図である。
【図14】本発明によるパーキングメーターシステムの実施例2を示すブロック図である。
【図15】本発明によるパーキングメーターシステムの実施例2をイメージして示したブロック図である。
【図16】本発明によるパーキングメーターシステムの実施例2におけるパーキングメーター管理テーブルの説明図である。
【図17】本発明の実施例2における状態管理部の全体の動作を説明するための流れ図である。
【図18】本発明の実施例2における状態管理部の利用中処理動作を説明するための流れ図である。
【図19】本発明の実施例2における会員制御部の動作を説明するための流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明によるパーキングメーターシステムについて、図示の実施の形態により詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明によるパーキングメーターシステムの実施例1で、このシステムの場合、大別して、パーキングメーター10とサーバ20で構成されている。
このとき、パーキングメーター10は、上記したように、通常、システム内に複数台、各駐車場所毎に設置されている。
そこで、これら複数台のパーキングメーター10を、1台のサーバ20の管理下に置き、これにより、このシステムにおいては、複数台のパーキングメーター10がサーバ20により一元管理できるようにしてある。
そこで、まず、パーキングメーター10について説明すると、これには端末通信部11と制御部12、車両感知部13、それに手数料確認部14が備えられている。
【0014】
そして、まず、端末通信部11は、一般的な通信網と通信を確立し、制御部12から入力されたパーキングメーター情報をサーバ20に送信する働きをする。
このとき制御部12には、上記したように、当該パーキングメーターを他のパーキングメーターと識別するための固有のID(パーキングメーターID:詳しくは後述)が個別に付与されている。
次に、車両感知部13は、駐車枠内に車両が停車したことを感知する車両感知センサーを有し、車両感知センサーによる感知情報を出力する働きをする。例えば駐車枠内に車両が停車していた場合は感知情報“1”を出力し、駐車枠内に車両が停車していなければ感知情報“0”を出力する。
【0015】
また、手数料確認部14は、手数料がパーキングメーター10に入金されたことを感知する手数料入金センサーを備え、手数料が入金されたら入金情報を出力する働きをする。例えば、手数料がパーキングメーターに入金された場合は入金情報“1”を出力する。
そこで、制御部12は、パーキングメーター10の起動に関わる初期設定を行った後、車両感知部13から入力された感知情報と手数料確認部14から入力された入金情報にそれぞれパーキングメーターIDを付与してパーキングメーター情報とし、それらを端末通信部11に出力する働きをする。
【0016】
次に、サーバ20について説明すると、これには通信部21と状態管理部22、運用制御部23、データベース部24、それにデータベース初期化部25が備えられている。
まず、通信部21は、一般的な通信網と通信を確立し、パーキングメーター10のそれぞれから送信されたパーキングメーター情報を受信し、状態管理部22に出力する働きをする。
ここで、この通信部21は、運用者から要求を受信し、運用制御部23に出力する働きと、運用制御部23から入力された運用者への応答を送信する働きもする。
【0017】
次に、状態管理部22は、通信部21から入力されたパーキングメーター情報をデータベース部24のパーキングメーター管理テーブルに格納し、パーキングメーターの使用状態を管理する働きをし、運用制御部23は、通信部21から入力された運用者からの要求に応じてデータベース部24のパーキングメーター管理テーブルからリストを作成し、運用者に応答するため通信部21に出力する働きをする。
そして、データベース初期化部25は、サーバ20の起動時にデータベース部24を初期化する働きをするものである。
【0018】
ここで、上記したデータベース部24のパーキングメーター管理テーブルについて説明すると、これは、パーキングメーター管理情報をテーブル化したもので、図2に示すように、「パーキングメーターID」と「感知フラグ」、「入金フラグ」、「カウンタ」、それに「使用状態」の各項目からなる。
ここで、まず、「パーキングメーターID」とは、各パーキングメーター10に付与されたIDのことである。そして、他の項目は、このパーキングメーターIDの各々に対応し、各ID毎に設定されている。
そして、まず、「感知フラグ」とは、各パーキングメーターの駐車枠内の車両有無を示すフラグのことで、例えば“0”が車両無しを、“1”が車両有りを示す。
【0019】
次に、「入金フラグ」とは、各パーキングメーターの手数料入金の有無を示すフラグのことで、例えば“0”が未入金を、“1”が入金済を示す。
また、「カウンタ」とは、各パーキングメーターで車両を感知している時間をカウントしたもので、例えば分単位で表した時間となっている。
また、「使用状態」とは、各パーキングメーター20の使用状態を示し、例えば“空き”状態、“利用中”状態、“異常(未納)”状態、“異常(超過)”状態の夫々を表したものである。
なお、このときの“異常(未納)”とは、手数料の未納による異常(駐車違反となる異常)のことであり、“異常(超過)”とは、駐車時間が超過したことによる異常(同じく駐車違反となる異常)のことである。
【0020】
次に、この実施例1の動作について説明する。
まず、図3は、この実施例に係るパーキングメーターシステムの構成をイメージしたもので、この場合、パーキングメーター10は、図示のように、システム内に複数台、設置され、一方、サーバ20は、システム内に少なくとも1台だけ設置されていて、各パーキングメーター10は、全てサーバ20の管理下にあり、従って、従って、このサーバ20は、いわゆる中央管理部を構成していることになる。
そして、このため、各々のパーキングメーター10は、例えば電話回線などの一般的な通信網Nを介してサーバ20に接続されるようになっている。
【0021】
このときパーキングメーター10は、それぞれ所望の場所に設置された後、通信網Nを介して、サーバ20にパーキングメーター情報を送信する。
そして、サーバ20は、各パーキングメーター10から送信される情報を収集し、パーキングメーター管理テーブルを作成する。
この結果、サーバ20は、このパーキングメーターシステムの運用者から要求があったとき、それに応じて、いつでも各パーキングメーター10の状態を運用者に提供できるようにする。
そこで、運用者は、このサーバ20から提供される情報に基づいて、各パーキングメーター10の運用を適切に行なうことができる。
【0022】
次に、このパーキングメーター10の動作について説明する。
いま、ここで、パーキングメーター10が設置され、電源が投入されたとする。
そうすると、図1に示す端末通信部11、制御部12、車両感知部13、手数料確認部14がそれぞれ起動される。
そこで、まず、このときの端末通信部11の動作について、図4により説明する。
端末通信部11は、起動されると、まず、通信網Nとの通信を確立する(処理111)。
【0023】
ここで所定時間、待機(Wait)した後(処理112)、制御部12に、当該端末通信部11が起動したことを出力する(処理113)。
この後、端末通信部11は、処理114から処理116までの一連の処理を繰り返す。すなわち、まず、制御部12からのパーキングメーター情報の入力を確認し(処理114)、入力があるか否か判断し(処理115)、パーキングメーター情報が入力されたとき、それを送信するのである(処理116)。
【0024】
次に、車両感知部13の動作について、図5により説明する。
車両感知部13は、起動後、まず、車両感知センサーを起動させる(処理131)。ここで、この車両感知センサーとは、駐車枠内に車両が停車したことを感知するセンサーのことである。
そして、ここで所定時間、待機(Wait)してから(処理132)、制御部12に車両感知部13が起動したことを出力する(処理133)。
この後、車両感知部13は、処理134から処理137までの一連の処理を繰り返す。すなわち、まず、車両感知センサーの入力をみて(処理134)、車両の駐車枠内への停車を感知したか否か判断し(処理135)、ここで感知された場合は感知情報“1”を出力し(処理136)、感知されない場合は感知情報“0”を出力するのである(処理137)。
【0025】
次に、手数料確認部14の動作について、図6により説明する。
手数料確認部14は、起動されたら手数料入金センサーを起動する(処理141)。ここで手数料入金センサーとは、手数料がパーキングメーターに入金されたことを感知するセンサーである。
そして、所定時間、待機(Wait)してから(処理142)、制御部12に手数料確認部14が起動したことを出力する(処理143)。
この後、手数料確認部14は、処理144から処理146までの一連の処理を繰り返す。すなわち、まず、手数料入金センサーからの入力を確認し(処理144)、入金したか否か判断する(処理145)。入金された場合は入金情報“1”を出力するのである(処理146)。
【0026】
次に、制御部12の動作について、図7により説明する。
制御部12は、起動されると、まず、当該パーキングメーター10に設定されているパーキングメーターIDを認識し、感知情報と入金情報の初期化を行う(処理121)。
なお、図4では処理112が、図5では処理132が、そして図6では処理142が、それぞれ設けてあるのは、この図7の処理121が終了する時間を待つためである。
次いで、端末通信部11と車両感知部13それに手数料確認部14の起動を待ち(処理122)、この後、制御部12は、処理123から処理128までの一連の処理を繰り返す。
【0027】
すなわち、まず、車両感知部13からの感知情報があるか否かを判断する(処理123)。そして、感知情報があれば、感知情報にパーキングメーターIDを付与してパーキングメーター情報とし(処理124)、端末通信部11にパーキングメーター情報を出力する(処理125)。続いて手数料確認部14からの入金情報があるか否かを判断し(処理126)、入金情報があれば、入金情報にパーキングメーターIDを付与してパーキングメーター情報とし(処理127)、当該パーキングメーター情報を端末通信部11に出力するのである(処理128)。
【0028】
次に、これら端末通信部11と制御部12、車両感知部13、それに手数料確認部14を備えたことによるパーキングメーター10の動作について説明する。
いま、ここでパーキングメーターの利用者が駐車枠内に車両を停車したとする。この場合、車両感知部13は、その車両感知センサーにより車両が駐車枠内に停車されたことを感知し、制御部12に感知情報“1”を出力する。
そこで、制御部12は、入力された感知情報にパーキングメーターIDを付与し、パーキングメーター情報として端末通信部11に出力する。
そこで、端末通信部11は、入力されたパーキングメーター情報を、通信網Nを介してサーバ20に送信する。
【0029】
次に、パーキングメーター利用者が駐車枠内に車両を停車後、パーキングメーターに手数料を入金したとする。この場合、手数料確認部14は、手数料入金センサーにより入金を感知し、制御部12に入金情報“1”を出力する。
そこで、制御部12は、入力された入金情報にパーキングメーターIDを付与してパーキングメーター情報とし、それを端末通信部11に出力する。
そして、端末通信部11は、入力されたパーキングメーター情報を、通信網を介してサーバ20に送信する。
【0030】
次に、この後、利用者が、パーキングメーターの利用を終えて駐車枠内から車両を移動したときの動作について説明する。
この場合、車両感知部13が、車両感知センサーにより車両が駐車枠内に停車されていないことを感知し、制御部12に感知情報“0”を出力する。
そこで、制御部12は、入力された感知情報にパーキングメーターIDを付与してパーキングメーター情報とし、それを端末通信部11に出力する。
この結果、端末通信部11は、入力されたパーキングメーター情報を、通信網Nを介してサーバ20に送信するのである。
【0031】
次に、サーバ20の動作について説明する。
ここで、いま、サーバ20の電源が投入されたとすると、まず、データベース初期化部25が働き、データベース部24に設定してあるパーキングメーター管理テーブルを初期化する。
このとき、まず、パーキングメーター管理テーブルの項目「パーキングメーターID」については、サーバ20の管理下にあるパーキングメーターの各々の“ID”に初期設定する。
次に、同じく項目「感知フラグ」と「入金フラグ」、それに「カウンタ」の各項目については、それぞれ“0”にクリアして初期設定とする。
そして、同じく項目「使用状態」については、“空き”に初期設定するのである。
【0032】
次に、通信部21は、通信網Nとの通信を確立し、これによりパーキングメーター10から送信されるパーキングメーター情報が、サーバ20において受信できるようにする。
また、この通信部21は、サーバ20に対する運用者の要求が有ったとき、運用者から受信できるようにし、その要求に対する応答が運用者に送信できるようにする。
【0033】
次に、状態管理部22の動作について説明すると、まず、この状態管理部22の主要な働きは、データベース部24に設定してあるパーキングメーター管理テーブルの各項目を、このサーバ20の管理下にあるパーキングメーター10の各々から受信される情報に基づいて、逐次、書き替えてゆく処理を実行することである。
そこで、状態管理部22は、このサーバ20の管理下にある全てのパーキングメーター10に順次、アクセスし、各パーキングメーター10のパーキングメーター情報を受信しては処理してゆく。
このため、状態管理部22は、図8の処理を実行し、これにより図9〜図12の何れかの処理を実行するようになっている。
【0034】
状態管理部22により図8の処理が開始されると、まず、パーキングメーターIDをテーブルの第1番目にあるパーキングメーターのIDに設定する(処理301)。例えば図2のパーキングメーター管理テーブルの場合、パーキングメーターIDはP0001に設定されることになる。
次に、パーキングメーター管理テーブルから、いま、設定されたパーキングメーターIDの項目「使用状態」を読み出す(処理302)。
次いで、いま読み出した項目「使用状態」が“空き”か否かを判断し(処理303)、結果がY(肯定)のときは、ここで図9の処理に分岐する。
【0035】
一方、処理303での結果がN(否定)のときは、次に、いま読み出した項目「使用状態」が“使用中”か否かを判断する(処理304)。
そして、結果がY(肯定)のときは、ここで図10の処理に分岐し、結果がN(否定)のときは、次に、いま読み出した項目「使用状態」が“異常(未納)”か否かを判断する(処理305)。
そして、結果がY(肯定)のときは、ここで図11の処理に分岐し、結果がN(否定)のときは、ここで図12の処理に分岐するのである。
そこで、次に、図9〜図12の各々における処理について説明する。
【0036】
まず、図9の処理について説明する。
この場合、まず、通信部21が当該パーキングメーターの感知情報を受信したか否か判断する(処理311)。
そして、感知情報を受信していなかったら、ここで、直ちに図9の処理306に進む。
しかして、感知情報を受信していた場合は、データベース部24の当該IDのパーキングメーターの感知フラグを更新し(処理312)、この後、いま更新した感知フラグが“1”か否か判断し(処理313)、感知フラグが“0”の場合、ここで、図8の処理306に進む。
しかして、感知フラグが“1”の場合は、パーキングメーター管理テーブルの当該IDの使用状態を“空き”から“利用中”に書き替えてから(処理314)、図8の処理306に進むのである。
【0037】
次に、図10の処理について説明する。
この場合、まず、通信部21が当該IDのパーキングメーターの入金情報を受信したか否か判断する(処理331)。
そして、まず、結果がY(肯定)、つまり、入金情報を受信していた場合は、データベース部24の当該パーキングメーターの入金フラグを更新し(処理332)、次いで、通信部21が当該パーキングメーターの感知情報を受信したか否か判断する(処理333)。
ここで、感知情報を受信していた場合は、データベース部24の当該パーキングメーターの感知フラグを更新し(処理334)、次いで、更新した感知フラグが“0”か否か判断する(処理335)。
【0038】
このとき、まず、更新した感知フラグが“0”であれば、ここで感知フラグと入金フラグとカウンタをクリアし(処理336)、使用状態を“利用中”から“空き”に書き替えた後(処理337)、直ちに図8の処理306に進む。
一方、処理333で感知情報を受信していなければ、或いは処理335で感知フラグが“0”でなければ、ここで、まず、カウンタをカウントアップさせる(処理338)。
そして、カウンタ値が入金時間(例えば10分)を超えたか否か判断し(処理339)、超えていた場合には、更に入金フラグが“0”か否か判断し(処理340)、入金フラグが“0”であれば使用状態を“利用中”から“異常(未納)に書き替えた後(処理341)、図8の処理306に進む。
【0039】
一方、処理339でカウンタ値が入金時間を超えていなければ、或いは処理340で入金フラグが“0”でなければ、次にカウンタ値が駐車時間(例えば60分)を超えたか否か判断する(処理342)。
そして、カウンタ値が駐車時間(例えば60分)を超えていなかったら、このまま図8の処理306に進む。
しかして、カウンタ値が駐車時間(例えば60分)を超えていれば、使用状態を“利用中”から“異常(超過)”に書き替えた後(処理343)、図8の処理306に進むのである。
【0040】
次に、図11の処理について説明する。
この場合、まず、通信部21が当該パーキングメーターの入金情報を受信したか否か判断する(処理361)。
ここで入金情報を受信していた場合は、データベース部24の当該パーキングメーターの入金フラグを更新し(処理362)、使用状態を“異常(未納)”から“利用中”に書き替える(処理363)。
次に、カウンタをカウントアップし(処理364)、次いで、カウンタ値が駐車時間(例えば60分)を超えたか否か判断する(処理365)。
そして、まず、カウンタ値が駐車時間(例えば60分)を超えていなかった場合、このまま図8の処理306に進む。
しかして、超えていた場合、使用状態を“異常(未納)”から“異常(超過)”に、若しくは“利用中”から“異常(超過)”に書き替えた後(処理366)、図8の処理306に進むのである。
【0041】
次に、図12の処理について説明する。
この場合、まず、通信部21が当該パーキングメーターの感知情報を受信したか否か判断し(処理371)、ここで感知情報を受信していなかったら、このまま図8の処理306に進む。
しかして、感知情報を受信していた場合は、データベース部24の当該パーキングメーターの感知フラグを更新し(処理372)、次いで、更新した感知フラグが“0”か否か判断する(処理373)。
そして、まず、更新した感知フラグが“0”でなかったら、このまま図8の処理306に進む。
しかして、“0”であった場合、ここで感知フラグと入金フラグ、それにカウンタをクリアし(処理374)、使用状態を“異常(駐車時間超過)”から“空き”に書き替えた後(処理375)、図8の処理306に進むのである。
【0042】
そこで、次に、図8の処理306以降の処理について説明する。
この場合、まず、このときのパーキングメーターIDが、パーキングメーター管理テーブルの最後にあるパーキングメーターのIDと同じか否かを判断する。
そして、同じであったときは、図8の処理301の前に分岐し、一方、異なっていた場合は、パーキングメーターIDを次の番号のパーキングメーターIDに設定し、図8の処理301の後で処理302の前に分岐する。
【0043】
この結果、図9〜図12の何れかの処理は、パーキングメーター10の各々毎に順次、周期的に繰り返され、従って、サーバ20のパーキングメーター管理テーブルには、各パーキングメーター10の使用状態が、ほとんどリアルタイムで逐次書き替え設定されていることになる。
そこで、このパーキングメーター管理テーブルをみることにより、各パーキングメーター10の最新の使用状態を簡単に知ることができる。
【0044】
次に、運用制御部23の動作について説明する。
ここで、まず、この運用制御部23の主要な働きは、このパーキングメーターシステムの管理者に、その管理下にあるパーキングメーター10の各々の使用状態を、当該管理者の要求に応じで提供することであり、以下、その動作について、図13により説明する。
この場合、まず、通信部21が運用者からの要求を受信したか否か判断する(処理401)。そして、要求を受信していた場合、その要求内容に応じた処理を実行する(処理402)。
【0045】
まず、運用者の要求が「全リスト」、すなわち全てのパーキングメーターの使用状態を把握したい場合、運用制御部23は、サーバ20の管理下にある全てのパーキングメーターの管理情報をデータベース部24のパーキングメーター管理テーブルから読み出してリストを作成する(処理403)。
そして、通信部21を介して運用者にそのリストを送信するのである(処理406)。
次に、運用者の要求が「空きリスト」、すなわち空き状態にあるパーキングメーターを把握したい場合、運用制御部23は、データベース部24のパーキングメーター管理テーブルから、使用状態が“空き”になっているパーキングメーターの管理情報を読み出してリストを作成し(処理404)、通信部21を介して運用者にそのリストを送信するのである(処理406)。
【0046】
そして、運用者の要求が「異常リスト」、すなわち異常状態にあるパーキングメーターを把握したい場合、運用制御部23は、データベース部24のパーキングメーター管理テーブルから、使用状態が“異常(未納)”及び“異常(超過)”になっているパーキングメーターの管理情報を読み出してリストを作成し(処理405)、通信部21を介して運用者にそのリストを送信するのである(処理406)。
従って、この実施例1によれば、中央管理部に相当するサーバ20に要求するだけで、システム内にある全てのパーキングメーター10の使用状態が把握でき、この結果、運用者によるパーキングメーターシステムの適切な運用が容易に維持できることになる。
【0047】
例えば、いま、運用者が、異常状態にあるパーキングメーターのリストをサーバ20に要求したとすれば、この場合は、駐車違反車両があるパーキングメーターのリストが入手でき、従って、このリストに基づくことにより違反の取り締まりが効率化され、パーキングメーターシステムの適切な運用が維持できる。
また、例えば、運用者が、空き状態にあるパーキングメーターのリストをサーバ20に要求したとすれば、この場合は、利用者による空きパーキングメーターについての問い合わせに即時、的確に対応でき、パーキングメーターのより一層の効率的な利用に大きく寄与することができる。
【実施例2】
【0048】
次に、本発明の他の実施例(実施例2)について説明する。
ここで、図14は、実施例2に係るパーキングメーターシステムであり、そして、この実施例2が、図1〜図14により説明した実施例1と異なっている主な点は、サーバ20aに会員制御部26が付加され、これに応じて通信部21aによる処理が、実施例1の場合の通信部21と異なっている点にある。
そこで、以下、この実施例2では、システムの中央管理部となるサーバを、サーバ20aとし、実施例1のサーバ20とは異なっている点に重点をおいて説明する。
【0049】
まず、この実施例2においても、パーキングメーター10の構成と機能は、実施例1の場合と同じである。
一方、サーバ20aの場合、その通信部21aは、実施例1の通信部21による処理に加え、更に利用者や会員からの要求を受信して会員制御部26に出力する処理と、会員制御部26から入力された会員への応答を送信する処理とを実行するものとして構成されている。
従って、この実施例2に係るパーキングメーターシステムの構成をイメージした場合は、図15に示すようになる。
【0050】
そこで、この場合も、パーキングメーター10は、実施例1の場合と同様、パーキングメーターシステム内に複数存在し、それぞれ所望の場所に設置された後、一般的な通信網Nを介して、サーバ20aにパーキングメーター情報を送信する。
このとき、サーバ20aも、実施例1のサーバ20と同じで、パーキングメーターシステム内に少なくとも1台だけ設置され、中央管理部として機能する。そして、各パーキングメーター10からパーキングメーター情報を収集し、それを管理してデータベース部24のパーキングメーター管理テーブルに格納し、パーキングメーターシステムを運用する運用者の要求に応じてパーキングメーターの情報が運用者に利用できるようにしている。
【0051】
従って、これらの点は、実施例1の場合と同じであるが、ここで、このサーバ20aの場合、図15に示されているように、更に、このパーキングメーターシステムの利用者を、希望に応じて会員に登録する処理を行い、会員に登録された場合、その要求に応じてパーキングメーター情報が利用でき、手数料のキャッシュレス化にも対応できるようにしてあり、この点で、実施例1の場合と異なっている。
なお、このパーキングメーターシステムの場合、会員になっていない一般の利用者でも利用できる点は、実施例1のシステムと同じであるが、この場合、パーキングメーター情報の開示を得ることはできない。
【0052】
このため、このサーバ20aの場合、そのデータベース部24には、図16に示すように、パーキングメーター毎の管理情報を記憶するパーキングメーター管理テーブル(a)と、会員の情報を記憶する会員管理テーブル(b)の2種のテーブルが設定されている。
そして、まず、パーキングメーター管理テーブル(a)には、「パーキングメーターID」と「感知フラグ」、「入金フラグ」、「カウンタ」、それに「使用状態」の各項目が設定されるが、これらに加え、更に「会員フラグ」と「会員ID」を表す項目も設定されている。
【0053】
ここで、まず、「パーキングメーターID」と「感知フラグ」、「入金フラグ」、「カウンタ」、それに「使用状態」の各項目は、実施例1の場合と同じである。
そして、「会員フラグ」は、パーキングメーターの利用者が会員であるか否かを表わす。例えば、利用者が非会員なら“0”とし、利用者が会員の場合は“1”とする。
次に、「会員ID」は、各パーキングメーターを会員が利用している場合、その会員のIDが設定される。
なお、これら「会員フラグ」と「会員ID」は、詳しくは後述するが、会員制御部26により設定される。
【0054】
次に、会員管理テーブル(b)は、「会員ID」と「メールアドレス」、「口座番号」、「利用中のパーキングメーターID」の各項目で構成される。
そして、まず、「会員ID」には、会員毎に付与されているID(例えば、“M0001”)が設定される。
次に、「メールアドレス」には、サーバ20aから会員にパーキングメーター情報を通知する場合の通知先アドレスが設定される。
また、「口座番号」には、パーキングメーターの手数料を引き落す口座の番号(会員の口座番号)が設定される。
そして、「利用中のパーキングメーターID」には、このとき会員が利用中のパーキングメーターのID(例えば、“P0001”」)が設定される。
尚、会員管理テーブルには、上記以外にも、電話番号や住所、パスワード等、会員又は個人を特定できる項目が設定されてもよい。
【0055】
そこで、サーバ20aの状態管理部22は、実施例1の状態管理部22による処理に加え、更にパーキングメーター状態を会員へ通知する処理を行う。
このとき運用制御部23とデータベース初期化部25は、実施例1の場合と同じなので説明は省略し、会員制御部26aについて説明すると、これは、通信部21aから入力された利用者の会員登録を行い、データベース部24の会員管理テーブル(b)に格納し、通信部21aから入力された会員の要求に応じて、データベース部24にあるパーキングメーター管理テーブル(a)の各項目から所望のリストを作成し、会員に応答するため通信部21aに出力するものである。
【0056】
次に、サーバ20aの動作について、更に詳しく説明する。
まず、サーバ20aが備えている状態管理部22について説明すると、この状態管理部22の主要な働きは、データベース部24に設定してあるパーキングメーター管理テーブルの各項目を、このサーバ20の管理下にあるパーキングメーター10の各々から受信される情報に基づいて、逐次、書き替えてゆく処理を実行することである。
そこで、状態管理部22は、このサーバ20の管理下にある全てのパーキングメーター10に順次、アクセスし、各パーキングメーター10のパーキングメーター情報を受信しては処理してゆく。
【0057】
ここで実施例1の場合の状態管理部22は、図8の処理を実行し、これにより図9〜図12の何れかの処理を実行するようになっている。
しかし、このサーバ20aの状態管理部22の場合、実施例1の場合の図8の処理に代えて、図17に記載の処理を実行するようになっている。
ここで、この図17の処理が、図8の処理と異なっている点は、処理304での結果がY(肯定)になった後、分岐先である「使用中」処理が、図18の処理になっている点だけである。
従って、図17の処理を実行した後、図9と図11、それに図12の処理を実行した場合の動作は、実施例1の場合と同じなので、説明は省略し、図18の処理が実行された場合についてだけ説明する。
【0058】
そこで、いま、サーバ20aの状態管理部22が図17の処理を開始し、処理303を実行した結果、図18の処理に分岐したとする。
この場合、まず、通信部21が当該IDのパーキングメーターの入金情報を受信したか否か判断する(処理331)。
そして、まず、結果がY(肯定)、つまり、入金情報を受信していた場合は、データベース部24の当該パーキングメーターの入金フラグを更新し(処理332)、次いで、通信部21が当該パーキングメーターの感知情報を受信したか否か判断する(処理333)。
ここで、感知情報を受信していた場合は、データベース部24の当該パーキングメーターの感知フラグを更新し(処理334)、次いで、更新した感知フラグが“0”か否か判断する(処理335)。
【0059】
このとき、まず、更新した感知フラグが“0”であれば、ここで感知フラグと入金フラグとカウンタをクリアし(処理336)、使用状態を“利用中”から“空き”に書き替えた後(処理337)、直ちに図17の処理306に進む。
一方、処理333で感知情報を受信していなければ、或いは処理335で感知フラグが“0”でなければ、ここで、まず、カウンタをカウントアップさせ(処理338)、次いで、会員フラグが“1”か否か判断する(処理351)。
ここで、会員フラグが“1”で、会員が利用しているときは、次に、カウンタ値が事前通知時間(例えば50分)を超えたか否か判断し(処理352)、超えていた場合、会員に通知し(処理353)、超えていなければ、会員に通知する処理(処理353)はスキップする。
また、この処理351において、会員フラグが“1”のとき、つまり会員が利用しているときは、ここで、予め登録されている当該会員の口座番号から手数料を引き落とす。
【0060】
処理351で会員が利用していなければ、カウンタ値が入金時間(例えば10分)を超えたか否か判断し(処理339)、超えていた場合には、更に入金フラグが“0”か否か判断し(処理340)、入金フラグが“0”であれば使用状態を“利用中”から“異常(未納)に書き替えた後(処理341)、図17の処理306に進む。
つまり、会員であれば、手数料は予め登録された口座番号から引き落とされるので、処理339と処理340はスキップされ、この結果、異常(未納)に書き替えられることはない。
【0061】
一方、処理339でカウンタ値が入金時間を超えていなければ、或いは処理340で入金フラグが“0”でなければ、又は処理351で会員であれば、次に、カウンタ値が駐車時間(例えば60分)を超えたか否か判断する(処理342)。
そして、カウンタ値が駐車時間(例えば60分)を超えていなかったら、このまま図17の処理306に進む。
しかして、カウンタ値が駐車時間(例えば60分)を超えていれば、使用状態を“利用中”から“異常(超過)”に書き替えた後(処理343)、図17の処理306に進むのである。
【0062】
このとき、運用制御部23については、実施例1の場合と同じなので、説明は省略する。
従って、この実施例2によっても、中央管理部に相当するサーバ20に要求するだけで、システム内にある全てのパーキングメーター10の使用状態が把握でき、この結果、運用者によるパーキングメーターシステムの適切な運用が容易に維持できるなど、実施例1と同じ利点が得られることになる。
【0063】
例えば、運用者が、異常状態にあるパーキングメーターのリストをサーバ20に要求したとすれば、この場合は、駐車違反車両があるパーキングメーターのリストが入手でき、従って、このリストに基づくことにより違反の取り締まりが効率化され、パーキングメーターシステムの適切な運用が維持でき、例えば、運用者が、空き状態にあるパーキングメーターのリストをサーバ20に要求したとすれば、この場合は、利用者による空きパーキングメーターについての問い合わせに即時、的確に対応でき、パーキングメーターのより一層の効率的な利用に大きく寄与することができる。
【0064】
次に、サーバ20aにおける会員制御部26の動作について、更に図19により説明する。
この会員制御部26は、上記したように、利用者から要求があった場合に対応したもので、このため、定期的に処理を開始する。
そして、まず、通信部21が利用者からの要求を受信したか否か判断し(処理501)、要求が受信されなければ、ここで処理を終わる。
要求が受信されていれば、次に、利用者が登録済みの会員か否か判断し(処理502)、登録済みで無ければ会員登録する(処理503)。
【0065】
この会員登録は、利用者に会員IDを付与し、サーバ20aが会員に情報を提供するためのメールアドレスと、手数料を引き落とすのに必要な口座番号とをデータベース部24aの会員管理テーブル(図16(b))に格納する処理のことである。
そして、処理502での結果が登録済みであれば、或いは処理503で会員登録した場合は、ここで会員が要求している内容に応じた処理にそれぞれ分岐をする(処理504)。このときに許されている要求とは、「空き検索」と「利用申請」、それに「残り時間照会」の3種である。
【0066】
そこで、いま、会員の要求が、空いているパーキングメーターを検索すること、すなわち「空き検索」であった場合、会員制御部26は、データベース部24のパーキングメーター管理テーブル(図16(a))から、使用状態が空き状態のパーキングメーターを検索してリストを作成し、そのリストを会員が登録したメールアドレスに、通信部21aを介して送信する(処理505)。
【0067】
次に、会員の要求が、パーキングメーターの利用を申請すること、すなわち「利用申請」であった場合、会員は、パーキングメーター10の駐車枠内に車両を停車して利用を開始する際、そのパーキングメーターのID、つまりパーキングメーターIDをサーバ20aに送信する。
そこで、会員制御部26は、データベース部24のパーキングメーター管理テーブルの当該パーキングメーターの会員フラグの欄に“1”を設定し、会員IDの欄に利用する会員のIDを設定し、会員管理テーブルの当該会員の利用中のパーキングメーターIDの欄に申請されたパーキングメーターIDを設定するのである(処理506)。
【0068】
また、会員の要求が、利用中のパーキングメーターの残り時間を照会すること、すなわち「残り時間照会」であった場合、会員制御部26は、データベース部24の会員管理テーブルの当該会員の利用中のパーキングメーターIDの欄に格納されている値を読み取り、パーキングメーター管理テーブルから読み取った値と一致するパーキングメーターIDのカウンタ値を読み取り、駐車時間(例えば60分)から差引いた値(=残り時間)を、登録されている当該会員のメールアドレスに、通信部21aを介して送信するのである(処理507)。
【0069】
従って、この実施例2の場合、利用者は、会員に登録することにより、手数料は自動的に引き落とされ、利用中のパーキングメーターの残り時間も知ることができる。
この結果、この実施例2によれば、硬貨の持ち合わせがなくてもパーキングメーターを利用することができ、気付かない内に駐車制限時間を越えて違反をしてしまう虞もないので、利用者の利便性の向上に大きく寄与することができる。
【0070】
ここで、この実施例2の場合、以上に説明したことから、その実施態様の一例は、次のように記述できる。
複数台のパーキングメーターに対応して少なくとも1台のサーバを備えたパーキングメーターシステムにおいて、前記複数台のパーキングメーターの各々に、パーキングメーター情報を送信する端末通信部と、車両が駐車枠内に停車したことを感知して感知情報を出力する車両感知部と、手数料の入金を確認して入金情報を出力する手数料確認部と、前記車両感知部からの入力と前記手数料確認部からの入力とからパーキングメーター情報を作成して前記端末通信部に出力する制御部とを設け、前記サーバには、パーキングメーター情報を受信しパーキングメーターシステムを運用する運用者及び当該パーキングメーターシステムを利用する利用者の双方と送受信を行う通信部と、パーキングメーター情報と会員情報を格納するデータベース部と、前記データベース部を初期化するデータベース初期化部と、前記通信部が受信したパーキングメーター情報を前記データベース部に格納してパーキングメーターの使用状態を管理する状態管理部と、前記通信部が受信した運用者からの要求に応じて前記データベース部に格納されたパーキングメーター情報を前記通信部に出力する運用制御部と、前記通信部が受信した利用者からの要求に応じて前記データベース部に会員情報を格納し前記データベース部に格納されたパーキングメーター情報を前記通信部に出力する会員制御部とを設け、少なくとも前記1台のサーバにより、前記複数台のパーキングメーターの一元管理が得られるように構成したことを特徴とするパーキングメーターシステム。
【符号の説明】
【0071】
10 パーキングメーター
11 端末通信部
12 制御部
13 車両感知部
14 手数料確認部
20 サーバ(実施例1)
20a サーバ(実施例2)
21 通信部(実施例1)
21a 通信部(実施例2)
22 状態管理部
23 運用管理部
24 データベース部
25 データベース初期化部
N 通信網(電話回線などによる一般の通信網)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台のパーキングメーターに対応して少なくとも1台のサーバを備えたパーキングメーターシステムにおいて、
前記複数台のパーキングメーターの各々に、
パーキングメーター情報を送信する端末通信部と、車両が駐車枠内に停車したことを感知して感知情報を出力する車両感知部と、手数料の入金を確認して入金情報を出力する手数料確認部と、前記車両感知部からの入力と前記手数料確認部からの入力とからパーキングメーター情報を作成して前記端末通信部に出力する制御部とを設け、
前記サーバには、
パーキングメーター情報を受信しパーキングメーターシステムを運用する運用者との送受信を行う通信部と、パーキングメーター情報を格納するデータベース部と、前記データベース部を初期化するデータベース初期化部と、前記通信部が受信したパーキングメーター情報を前記データベース部に格納してパーキングメーターの使用状態を管理する状態管理部と、前記通信部が受信した運用者からの要求に応じて前記データベース部に格納されたパーキングメーター情報を前記通信部に出力する運用制御部とを設け、
少なくとも前記1台のサーバにより、前記複数台のパーキングメーターの一元管理が得られるように構成したことを特徴とするパーキングメーターシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−48644(P2012−48644A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192531(P2010−192531)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】