説明

パーキンソン病の治療に有用な新しい製薬組成物

パーキンソン病の治療のためにL−ドーパを摂取している患者における、とりわけ運動症状の変動の治療に適した製薬組成物であって、弱酸性物質と、より大きなキャリア粒子の表面上に粒子状形態で提供される薬理学的に有効な量のL−ドーパを含む製薬組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パーキンソン病の治療に有用な、新しい、迅速に作用する製薬組成物であって、前記組成物は経粘膜的に、また部分的に舌下に投与され得る。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病は、罹患者の動作と協調に深刻に影響を及ぼす疾患である。
【0003】
前記疾患は、かなり一般的であり(常時、人口の約0.15%に影響を及ぼしている)、高齢者においてより普及している傾向があるが、若年成人においても生じる可能性がある。
【0004】
パーキンソン病の発症によって影響を受ける脳の部分は、主に、運動機能を制御する脳の部分である黒質、並びに黒質線条体経路及び青斑核である。前記疾患の存在により、これらの領域における重要な神経伝達物質ドーパミンの量の低下が生じる。
【0005】
低下したドーパミン活性により、多くの症状が生じ、それらの多くは罹患者にとって極めて不快且つ厄介なものである。主な症状は、特に四肢における制御不能な振戦(四肢の安静時に、通常さらに悪い);四肢の硬直性/剛直性の増加(「ぎくしゃくした回転運動(cogwheeling)」);及び動作緩慢(歩行の際に足の引きずって歩くことによってしばしば明らかである、減少した/よりゆっくりとした動作、やわらかい発語、及び嚥下障害)である。しかし、痴呆に加え、関節と筋肉の痛み、よだれを垂らすこと、起立性低血圧、及びめまいを含む多くの他の症状が認められており、当該疾患の後期にしばしば生じる可能性がある。
【0006】
ある抗精神病薬及び制吐薬からの副作用、並びに過去の脳炎等を含む他の原因に対して、同様の症状が二次的に生じることが知られている。そのような二次的症状を、通常、まとめて「パーキンソン症候群」と表す。
【0007】
パーキンソン病に対する治療法は知られていないが、幸運にも、当該症状を緩和するために多くのものを実施することができる。特に、1960年代後半における、レボドパまたは「L−ドーパ」の導入は、当該状態の治療に革命をもたらした。L−ドーパは、振戦及び硬直を直接的に制御するために、脳の影響を受けた領域におけるドーパミン量を増加させることによって作用し、障害のある運動症状に対処するための依然として最良の選択である。
【0008】
しかし、不運なことに、L−ドーパに問題がないわけではない。特に、最初の処置により症状の劇的な緩和が生じるが、長期の使用により、それらの症状を制御する当該薬剤の能力に著しい変動が生じる(いわゆる「運動症状の変動(motor fluctuation)」)。運動症状の変動は、投薬衰退の結末(すなわち、罹患者が、次の投薬の彼の予定時間前に、彼の規則正しい投薬の効果がすり減ることに気づく)、不随意の落ち着かない動き(運動異常)、及び非常に不安なことに、突然且つ予期しない症状、特に硬直の再出現、つけたり消したりされるライト(いわゆる、「オン−オフ変動」の「オン−オフ症候群」)にたとえられる罹患者の感覚によって明らかであるかもしれない。これらの運動症状の変動のすべてにより、L−ドーパ療法を受けている患者において、硬直の非所望の発症が生じる可能性があり、この発明が検討しようとしているのはそのような発症である。
【特許文献1】WO 00/16750
【特許文献2】WO 2004/067004
【非特許文献1】Lachmanら,「The Theory and Practice of Industrial Pharmacy」, Lea & Febiger, 3rd edition, 1986
【非特許文献2】Lachmanら,「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」, Gennaro(ed.), Philadelphia College of Pharamacy & Sciences, 19th edition, 1995
【非特許文献3】Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets. Volume 1, 2nd Edition, Liebermanら(eds.), Marcel Dekker, New York and Basel, 1989, p. 354-356
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
パーキンソン病が進行するにつれて、運動症状の変動はL−ドーパ投薬のタイミングにより関連しなくなり、より予測不可能になる。そのような発症を制御するのは非常に難しく、それらを管理するための試みは、通常、L−ドーパ投与の頻度及び/または量を増加及び/または減少させること、並びにL−ドーパ含有徐放性製剤の使用を含む。しかし、これらの治療は、非常に効果がなく、不便であり、または当該患者を根本的なパーキンソン症状を制御するのに厳密に必要とされるものより多くの量の薬剤にさらすことになる。これらの問題のために、L−ドーパ療法を受けている患者における運動症状の変動の効果的な治療に対する、明らかな、満たされていない臨床上の必要性が依然としてある。
【0010】
国際特許出願WO 00/16750及びWO 2004/067004は、急性疾患の治療のための薬剤デリバリーシステム、例えば舌下投与を開示しており、そこでは、活性成分は微粒子の形態をとり、生物学的付着性及び/または粘膜付着性促進剤の存在下で、より大きいキャリア粒子の表面に付着している。特にL−ドーパを用いたパーキンソン病の治療は、これらの文献において言及も示唆もされていない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第一の特徴点によれば、パーキンソン病の治療のためにL−ドーパを摂取している患者における、とりわけ運動症状の変動の治療に適した製薬組成物であって、弱酸性物質と活性成分としての薬理学的に有効な量のL−ドーパとを含み、前記活性成分はより大きなキャリア粒子の表面上に粒子状形態で提供され、前記組成物は、以下で「本発明の組成物」として示される製薬組成物を提供する。
【0012】
本発明の組成物の前記キャリア粒子は、:
(a)弱酸性物質を含み;及び/または
(b)その表面上に弱酸性物質の(例えば、より小さな)粒子を有し;及び/または
(c)それらの間に提供される弱酸性物質の(例えば、より小さな)粒子を有する;
ことが好ましい。
【0013】
本発明の組成物は、相互作用的混合物である。用語「相互作用的」混合物は、粒子が一単位としてではなく乱雑な混合物として見え、むしろより小さな粒子(例えば、活性成分及び/または弱酸性物質)がより大きなキャリア粒子の表面に付加している(すわなち、付着または結合している)混合物を表す、と当業者は解するであろう。そのような混合物は、キャリアと表面結合粒子との間の相互作用力(例えば、ファンデルワールス力、静電的またはクーロン力、並びに/あるいは水素結合)を特徴とする(例えば、Stanifoth, Power Technol., 45, 73, 1985を参照)。最終的な混合物において、均質な混合物を作製するために、当該相互作用力は、当該キャリア表面に当該付着性粒子を維持するのに十分に強力である必要がある。
【0014】
本発明の組成物は、とりわけ、L−ドーパ療法を受けているパーキンソン病患者、特に当該疾患のより進行した段階の患者における、硬直の非所望の発症によって明らかな運動症状の変動の制御において利用性を見出している。そのような発症は、突然且つ予期しないものである可能性があり、特に患者は発症した際に動けることを所望するため、通常、ほとんどが不便なものであることはよく知られている。本明細書に記載のように、本発明の組成物は、そのような症状の緩和の要求に際し、例えば、迅速のための粘膜表面を介した吸収用の投与後に、予測可能に且つ迅速に放出される、好ましくは少量の活性成分を含んでよい。
【0015】
この点において、用語「薬理学的に有効な量」は、単独でまたは他の活性成分と組み合わせて投与されるのいずれにしても、治療される患者に所望の治療効果(運動症状の変動、特に非所望の硬直/剛直の発症の緩和等)を提供し得る活性成分(すなわち、L−ドーパ)の量を表す。そのような効果は、客観的(すなわち、ある試験またはマーカーによって測定可能な)または主観的(すなわち、主体が効果の指標または感触を与える)であってよい。
【0016】
活性成分は、本発明の組成物中に好ましくは微粒子の形態で提供され、好ましくは約0.5-15μm、例えば、約1-10μm等の重量ベースの平均粒径を有する。用語「重量ベースの平均粒径」は、平均粒子サイズが重量による粒子サイズ分布、すなわち、各サイズクラスに存在する画分(相対量)が、例えばふるい分けによって得られるような重量画分として定義される分布から特徴づけされ、且つ定義されることを含むと、当業者によって解されるであろう。
【0017】
活性成分の微粒子を、標準的な微粉化技術、例えば、研削、乾式粉砕、湿式粉砕、及び沈殿法等によって調製することができる。
【0018】
本発明の組成物中に使用され得る活性成分の量は、個々の患者に最適であるものに関連して、医師または当業者によって決定され得る。これは、投与の経路、治療されるべき状態の重篤度、並びに治療されるべき特定の患者の年齢、体重、性別、腎機能、肝機能、及び感度によって変化する可能性がある。
【0019】
本発明の組成物中に使用され得る活性成分の適切な量は、当該組成物の総重量に基づき、2-20重量%の範囲であってよい。より好ましくは、本発明の組成物は、4-17重量%、とりわけ約5-15%の活性成分を含んでよい。活性成分の量を、単位投薬形態(例えば、錠剤)中の絶対量として表してもよい。そのような場合、存在し得る活性成分の総量は、例えば約3-13mg、特に約4-12mgを含む約2-15mg等の約1-20mgの範囲にある、単位投薬形態あたりの薬剤の用量を提供するのに十分であってよい。
【0020】
前述の投薬量は平均的ケースの例であり、当然、より多いまたはより少ない投与量範囲が正当である個々のケースもあり、そのようなものも本発明の範囲内である。
【0021】
使用される活性成分の粒子及びキャリア粒子の相対サイズ及び量は、前記キャリア粒子が前記活性成分によって少なくとも約90%被覆され、例えば、少なくとも100%、さらには約200%まで(例えば、約130-180%)被覆され得ることを保証するのに十分であることが可能である。当業者であれば、この文脈において、活性成分によるキャリア粒子の「100%被覆」とは、使用される関連粒子の相対的粒子サイズ及び量が、他の成分(例えば、粘膜付着促進剤)も組成物中に存在し得るにもかかわらず、各キャリア粒子の全表面が活性成分の粒子によって被覆されることを保証するのに十分であることを意味すると解するであろう。明らかに、他のそのような成分が使用される場合、活性成分によるキャリア粒子の被覆の実際の程度は、前記に特定した量より少なくなり得る。200%被覆とは、他の成分の存在にもかかわらず、キャリア粒子の表面を2回以上被覆するのに十分な活性成分の粒子があることを意味する。
【0022】
90%を超える理論被覆率を有する組成物が有効であるということは驚きである。現在の知識に基づき、当業者であれば、迅速な分解を保証するために、活性成分/キャリア粒子の相対サイズ/量は、後者の表面の70%以下が前者によって被覆され得ることを保証するのに十分であることを保証することが重要であると解するであろう。
【0023】
本発明の組成物は、好ましくはさらに、当該キャリア粒子の表面上にも提供される1つ以上の生物学的付着及び/または粘膜付着促進剤を含み、従って、活性成分の粘膜等の生物学的表面への部分的または完全な付着を容易にし得る。
【0024】
用語「粘膜付着性」及び「粘膜付着」とは、物質の身体内の粘膜への付着または接着を表し、その膜の表面に粘液が存在する(例えば、膜は実質的に(例えば、>95%)粘液によって被覆されている)。用語「生物学的付着性」及び「生物学的付着」とは、より一般的な意味において、物質の生物学的表面への付着または接着を表す。そのような生物学的表面は、その表面に粘液が存在しない粘膜、及び/または実質的に(例えば、<95%)粘液によって被覆されている表面を含んでよい。当業者であれば、例えば、「粘膜付着」及び「生物学的付着」という表現は、しばしば互換的に用いられ得ると解するであろう。本発明の文脈において、前記の関連用語は、本発明の組成物を生物学的表面に付着させるのを可能にするために、その表面に接触させた場合にその表面に付着し得る物質を表すことを意図する。そのような物質を、以下で、「生物学的/粘膜付着性」または「生物学的/粘膜付着促進剤」として一緒に表し、そのような性質を「生物学的/粘膜付着」または「生物学的/粘膜付着性」として表す。
【0025】
当該技術分野において既知の種々のポリマーを、生物学的/粘膜付着促進剤、例えば、好ましくは5,000を超える平均分子量(重量平均)を有するポリマー性物質として、使用することができる。そのような物質は、水及び/またはより好ましくは粘液と接触させた場合に迅速に膨潤し得、室温及び大気圧で水に実質的に不溶性であることが好ましい。
【0026】
生物学的/粘膜付着性の性質を、例えば、G. Salaら, Proceed. Int. Symp. Contr. Release. Bioact. Mat., 16, 420, 1989に記載されるように、一般的な意味において、in vitroにおいて日常的に測定することができる。適切な生物学的/粘膜付着促進剤の例としては、セルロース誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、修飾されたセルロースガム、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)等;デンプン誘導体、例えば、適度に架橋されたデンプン、修飾されたデンプン、及びデンプングリコール酸ナトリウム等;アクリル系ポリマー、例えば、カルボマー及びその誘導体(ポリカルボフィル、カルボポール(登録商標)等)等;ポリビニルピロリドン;酸化ポリエチレン(PEO);キトサン(ポリ−(D-グルコサミン));天然ポリマー、例えば、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、及びペクチン等;スクレログルカン;キサンタンガム;ガーゴム;ポリ コ−(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸);並びにクロスカルメロース(例えば、クロスカルメロースナトリウム);を含む。そのようなポリマーを架橋することができる。また、2つ以上の生物学的/粘膜付着性ポリマーの組合せを使用することもできる。
【0027】
代表的な生物学的/粘膜付着性ポリマーの適切な商業的供給元は、カルボポール(登録商標)アクリル系ポリマー(BF Goodrich Chemical社, Cleveland, 08, USA);HPMC(Dow Chemical社, Midland, MI, USA);NEC(ナトロゾール(Natrosol), Hercules社, Wilmington, DE, USA);HPC(Klucel(登録商標), Dow Chemical社, Midland, MI, USA);NaCMC(Hercules社, Wilmington, DE, USA);PEO(Aldrich Chemicals社, USA);アルギン酸ナトリウム(Edward Mandell社, Carmel, NY, USA);ペクチン(BF Goodrich Chemical社, Cleveland, OH, USA);架橋されたポリビニルピロリドン(Kollidon CL(登録商標), BASF社, Germany;ポリクラスドンXL(登録商標)、ポリクラスドンXL-10(登録商標)、及びポリクラスドンINF-10(登録商標), ISP社, US);Ac-Di-Sol(登録商標)(高い膨潤能を有する修飾セルロースガム, FMC社, USA);アクチガム(Actigum)(Mero-Rousselot-Satia社, Baupte, France);Satiaxana(Sanofi BioIndustries社, Paris, France);Grantrez(登録商標)(ISP社, Milan, Italy);キトサン(Sigma社, St Louis, MS, USA);並びにデンプングリコール酸ナトリウム(Primojel(登録商標)DMV International BV社, Netherlands;Vivastar(登録商標), J. Rettenmaier & Sohne GmbH & Co., Germany;Explotab(登録商標), Roquette America社, US);を含む。
【0028】
本発明の組成物に使用され得る好ましい生物学的/粘膜付着促進剤は、内部に架橋されたカルボキシメチルセルロースナトリウム、例えば、クロスカルメロースナトリウムNF(例えば、Ac-Di-Sol(登録商標), FMC社, USA)及び特に、架橋されたポリビニルピロリドン(例えば、Kollidon CL(登録商標), BASF社, Germany)を含む。
【0029】
用いられる生物学的/粘膜付着促進剤の種類に依存して、生物学的/粘膜付着の比率及び強度は変化し得る。
【0030】
適切には、本発明の組成物中に存在し得る生物学的/粘膜付着促進剤の量は、当該組成物の総重量に基づき、約0.1-25重量%の範囲であってよい。好ましい範囲は約0.5-15重量%、例えば約1-10重量%(例えば、約2-8重量%)である。
【0031】
存在する場合、生物学的/粘膜付着促進剤は、本発明の組成物中のキャリア粒子の表面に、少なくとも部分的に提供され及び/または付着している。
【0032】
当該キャリア粒子は、少なくとも部分的に、弱酸性物質を含んでよい。当該キャリア粒子が弱酸性を含まない場合、使用され得る他の原料は、例えば、糖、マンニトール、及びラクトース等の炭水化物等;製薬上許容し得る無機塩、例えば、塩化ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム水和物、リン酸二カルシウム脱水物、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、及び硫酸バリウム等;ポリマー、例えば、結晶セルロース、セルロース、及び架橋されたポリビニルピロリドン;あるいはそれらの混合物;を含む。
【0033】
キャリア粒子が弱酸性を含まない場合、後者の粒子は、前者の表面上及び/または間に、少なくとも部分的に提供され得る。そのような場合における弱酸性物質の適切な粒子サイズは、活性成分、生物学的/粘膜付着性物質、及び分解物に対して本明細書に示されているとおりである。
【0034】
当該キャリア粒子が弱酸性を含む場合、そのような粒子は、弱酸性から必須に成ってよく、または前記に挙げたような他のキャリア粒子材料をさらに含んでもよい。いずれかの場合において、弱酸性の粒子は、前述のようなキャリア粒子の表面上及び/または間に、少なくとも部分的に提供され得る。弱酸性の「必須に成る」によって、我々は、水の可能性のある存在を排除し(下記を参照)、当該キャリア粒子が、少なくとも約95重量%、例えば少なくとも約98重量%、より好ましくは約99重量%より多く、とりわけ少なくとも約99.5重量%(当該キャリア粒子の総重量に基づき)のそのような酸を含むことを意図する。これらのパーセンテージは、そのような材料中に存在し得る微量の水及び/または任意の不純物の存在を排除し、前記不純物は、商業的または非商業的の第三者供給元、あるいは本発明の組成物を作製する当業者のいずれかによる、そのような材料の作製後に生じる可能性がある。
【0035】
挙げることができる弱酸性物質は、投与時の吸収の部位で、約5.5-6.5のpHの提供が可能なものを含む。この発明の目的のために、当該用語は、哺乳類における使用に安全な物質を含み、且つ弱酸性、弱酸性誘導体、及びin vivoにおいて弱酸性に変換する他の化学物質(例えば、局所的環境の特性に応じて結果的に活性化されることによって、例えば、in vivoにおいて酸に変換する前駆体)を含む。より好ましくは、当該弱酸性物質は、ヒトの消費に安全である弱酸性、例えば、クエン酸、酒石酸、アマル酸(amalic acid)、フマル酸(fumeric acid)、アジピン酸、コハク酸、またはそれらの組合せ等の食物酸を含む。
【0036】
好ましくは、本発明の組成物における使用のためのキャリア粒子は、約50-750μm、好ましくは約100-600μmのサイズのものである。
【0037】
本発明の組成物は、いったん調製されると、哺乳類(例えば、ヒト)患者への投与用の単位投薬形態(例えば、錠剤)中に、以下に記載されるように、好ましくは直接に押し固められる/圧縮される。
【0038】
分解する物質または「分解物」、特に例えば、舌下投与用の錠剤の形態のものも、本発明の組成物中に含んでよい。そのような薬剤を、本発明の組成物、特に本明細書に記載のキャリア粒子の分解/分散を、測定可能な程度に促進し得る任意の物質として定義することができる。これは、例えば、水及び/または粘液(例えば、唾液)に接触させた場合に膨潤及び/または膨張し得、それによって、湿潤させた場合に錠剤製剤/キャリア粒子を分解させ得る物質によって達成され得る。適切な分解物は、架橋されたポリビニルピロリドン、カルボキシメチルデンプン、及び天然デンプン、並びにそれらの混合物を含む。
【0039】
存在する場合、分解剤は、好ましくは、当該組成物の総重量に基づき、0.5-10重量%の量で使用される。好ましい範囲は1-8%、例えば、約2-7重量%(例えば、約5重量%)である。
【0040】
前記に提供される可能性のある分解物の一覧から、ある物質は、本発明の組成物中で、生物学的/粘膜付着促進剤及び分解剤の両方として、錠剤の形態で作用し得ることが明らかであろう。従って、これらの作用は両方とも、異なる物質によって、または同じ物質によって提供されてよい。
【0041】
前記「同じ」物質を生物学的/粘膜付着性促進剤及び分解物として使用した場合、前記物質は、2つの別々の画分(生物学的/粘膜付着性画分及び分解物画分)中にあると言うことができる。そのような場合において、前記分解物画分中の粒子は、前記生物学的/粘膜付着性画分中のものよりも、より粗い(すなわち、相対的に言うと、より大きな粒子サイズである)ことが好ましい(下記を参照)。
【0042】
任意の場合において、当業者であれば、錠剤の形態をとる本発明の組成物中に、任意の分解物(または分解物画分)は、当該キャリア粒子の表面に大量に提供される(すなわち、付加する、付着する、及び/または結合する)のではなく、むしろ各粒子間に大量に提供される(すなわち、少なくとも約60重量%、例えば、約70重量%、約80重量%、とりわけ約90重量%提供される)と解するであろう。反対に、生物学的/粘膜付着性(または生物学的/粘膜付着性画分)は、通常、当該キャリア粒子に大量に結合し(すなわち、少なくとも約60重量%、例えば、約70重量%、約80重量%、とりわけ約90重量%結合し)、従って、当該キャリア粒子の表面に提供され(すなわち、付加し、付着し、及び/または結合し)、またはそのような粒子の中に、あるいは両方に提供される(下記を参照)。
【0043】
例えば、舌下投与用に錠剤の形態をとる本発明の組成物はさらに、接着剤を含む。接着剤を、結合形成促進剤として作用し得る、粉末塊の凝集性圧粉体への圧縮を容易にし得る物質として定義することができる。適切な接着剤は、セルロースガム及び結晶セルロースを含む。存在する場合、セルロースは、好ましくは、当該錠剤製剤の総重量に基づき、0.5-20重量%の量で使用される。好ましい範囲は1-15重量%、例えば、約2.0-12重量%(例えば、約10重量%)である。
【0044】
本発明の組成物は、活性成分とキャリア粒子の水和反応を促進し得、生物学的/粘膜付着と分解の両方のより迅速な開始をもたらす、製薬上許容し得る界面活性剤または湿潤剤を含んでよい。存在する場合、当該界面活性剤は微細に分散した形態で提供され、当該活性成分と密接に混合されるべきである。適切な界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、レシチン、ポリソルベート、胆汁酸塩、及びそれらの混合物を含む。存在する場合、当該界面活性剤は、当該組成物の総重量に基づき、約0.3-5重量%、好ましくは約0.5-3重量%で含んでよい。
【0045】
特に、例えば、舌下投与用に錠剤の形態をとる、本発明の組成物中に使用され得る適切なさらなる添加物及び/または賦形剤は、:
(a)潤滑剤(例えば、ステアリルフマル酸ナトリウム、または好ましくは、ステアリン酸マグネシウム等)。潤滑剤が使用される場合、それはごく少量で使用されなければならない(当該錠剤製剤の総重量に基づき、例えば、約3重量%まで、好ましくは2重量%まで);
(b)着香剤(例えば、レモン、メントール、または好ましくはペパーミント粉末)、甘味剤(例えば、ネオヘスペリジン)、及び色素;
(c)天然にまたは他の方法で生じる抗酸化剤(例えば、ビタミンC、ビタミンE、β−カロテン、尿酸、ユビキノン、SOD、グルタチオンペルオキシダーゼ、またはペルオキシダーゼカタラーゼ);
(d)他の成分、例えば、キャリア剤、保存剤、及び滑剤;並びに/あるいは
(e)薬理作用に使用可能な活性のある薬剤の量を増加させるために、及び/または身体中(特に、胃)でドーパミンが作られるのを防ぐために、L−ドーパと組み合わせて提供されてよく、それによって吐き気及び嘔吐等の非所望の副作用を低下させる、ドーパミン脱炭素酵素インヒビター(例えば、カルビドパまたはベンセラジド);
を含んでよい。
【0046】
本発明の組成物を、当業者に既知の標準的な技術によって、及び標準的な装置を用いることによって調製することができる。
【0047】
例えば、存在する場合、生物学的/粘膜付着促進剤及び/または弱酸性物質の粒子を、いくつかの方法でキャリア粒子と混合することができる。一実施態様において、微細粒子の形態の生物学的/粘膜付着促進剤及び/または弱酸性物質を、粗いキャリアとともに十分な時間混合し、規則正しいまたは相互作用的混合物を作製する。これにより、当該キャリア粒子の表面に提供されている及び/または付着している生物学的/粘膜付着促進剤及び/または弱酸性物質の離散性粒子が生じる。当業者であれば、相互作用的混合物の形態の乾燥粉末製剤を得るために、より大きいキャリア粒子は、より小さな粒子の凝集物を分解するのに十分な力を発揮できなければならないと解するであろう。この能力は、粒子密度、表面粗度、形状、流動性、及び特に相対的粒子サイズによって主に測定される。
【0048】
存在する場合、前記生物学的/粘膜付着促進剤は、適切には、約0.1-100μm(例えば、約1-50μm)の重量ベースの平均粒径の粒子サイズを有する。
【0049】
適切な量の活性成分が当該キャリア粒子の表面に付着し得るのに十分に長い時間の期間、活性成分を前記キャリア粒子と乾燥混合してよい(生物学的/粘膜付着促進剤の存在で、または存在なしで)。この点において、標準的な混合装置を用いることができる。前記混合期間は、使用される装置に応じて変化する可能性があり、当業者であれば、日常的な実験法によって、活性成分及びキャリア粒子材料の一定の混合に対する、適切な混合時間を決定することに困難はないであろう。
【0050】
他の成分(例えば、分解物及び界面活性剤)を、前記のような標準的な混合によって、活性成分の封入のために包含させることができる。
【0051】
本発明の組成物を、経粘膜的に、例えば、頬側に、直腸に、経鼻的に、または好ましくは舌下に、当業者に既知の適切な投薬手段によって投与することができる。舌下錠剤が舌の下に置かれ、当該活性成分が周辺の粘膜を通して吸収され得る。
【0052】
この点において、本発明の組成物を、標準的な技術をもちいることによって、経粘膜的(例えば、舌下の)投与を意図した様々な種類の製薬製剤中に包含させることができる(例えば、Lachmanら,「The Theory and Practice of Industrial Pharmacy」, Lea & Febiger, 3rd edition, 1986;Lachmanら,「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」, Gennaro(ed.), Philadelphia College of Pharamacy & Sciences, 19th edition, 1995を参照)。
【0053】
舌下投与用の製薬製剤は、本発明の組成物とそのような製剤のために当該技術分野において使用される従来の製薬添加物及び/または賦形剤とを組み合わせることによって得られ、その後、好ましくは単位投与形態(例えば、錠剤)中に直接に押し固められ/圧縮されてよい(例えば、Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets. Volume 1, 2nd Edition, Liebermanら(eds.), Marcel Dekker, New York and Basel, 1989, p. 354-356、及びここに引用された文献を参照)。適切な圧縮装置は、標準的な錠剤成形機器、例えば、Kilian SP300またはKorsch EK0等を含む。
【0054】
適切な最終的な舌下錠剤の重量は30-400mgの範囲、例えば50-200mg、60-180mg、より好ましくは約70-160mgである。適切な最終的錠剤粒径は4-10mmの範囲、例えば5-9mm、より好ましくは約6-8mmである。
【0055】
前述のものと関係なく、本発明の組成物が生物学的/粘膜付着促進剤を含む場合、それは本質的に水を含まないべきである(例えば、当該製剤の総重量に基づき、約20重量%未満)。「未熟な」水和反応が、そのような錠剤製剤の粘膜付着を促進する性質を劇的に減少させ、且つ当該活性成分の早すぎる分解をもたらす可能性があることは、当業者に明らかであろう。
【0056】
用語「約」が、大きさ(例えば、錠剤のサイズ及び重量、粒子サイズ、pH値等)、表面被覆(例えば、活性成分によるキャリア粒子の)、量(例えば、組成物中の個々の構成成分または組成物の成分の相対量、及び活性成分の絶対投与量)の文脈において本明細書中で使用される場合、そのような計量値は近似的であり、そのようなものとして、本明細書中で特定された数字から±10%、例えば±5%、好ましくは±2%(例えば、±1%)で変化し得ると解されるであろう。
【0057】
本発明の組成物を、当業者に既知の適切な投薬手段によって投与することができる。例えば、舌下錠剤が舌の下に置かれ、当該活性成分が周辺の粘膜を通して吸収され得る。
【0058】
本発明の組成物は、パーキンソン病の治療、及び特にパーキンソン病の治療のためにL−ドーパを摂取している患者における、前述の非所望の硬直発症等の運動症状の変動の対症治療に有用である。用語「パーキンソン病」はさらに、この発明の目的のために、いわゆるパーキンソン症候群、及びL−ドーパによって治療されるまたは治療され得る疾患も含む。本発明のさらなる特徴点によれば、パーキンソン病の治療のためにL−ドーパを摂取している患者における運動症状の変動の治療の方法を提供し、前記方法は、そのような変動に苦しんでいる、または影響を受けやすい人への本発明の組成物の投与を含む。
【0059】
「治療」による疑問を回避するために、我々は、治療的処置、及び対症治療、症状の予防または診断を含む。
【0060】
生物学的/粘膜付着促進剤の含有が必須の特性である組成物を、本明細書にさらに開示する。そのような場合、当該キャリア粒子に付加した、及び/または間にあるような弱酸性物質の使用は必須ではない。これらの違いは別として、本明細書に記載の本発明の組成物のすべての他の特性を、そのような組成物に等しく適用できる。
【0061】
本発明の組成物は、製造するのに容易且つ安価であり、且つ、例えば口腔粘膜等の粘膜を介した、活性成分の迅速な放出及び/または迅速な吸収を可能にし、それによって前記の症状の迅速な緩和を可能にする単位投薬形態の製造を可能にする。
【0062】
本発明の組成物はさらに、それらが、飲み込んだ唾液を介した活性成分の吸収の程度を実質的に低下させ、且つ使用される活性成分の「低下した」量の投与を可能にし、それによって、副作用のリスク、並びに治療的対応の患者内及び患者間のばらつきを実質的に低下させるという利点を有する。
【0063】
本発明の組成物はさらに、それらが、確立した製薬処理方法を用いることによって調製され得、且つ食料または製薬における使用、あるいは規制状況等の使用を認められた物質を使用し得るという利点を有する。
【0064】
本発明の組成物はさらに、パーキンソン病の治療における使用またはその他の点のいずれかに対し、それらが、当該技術分野において既知の製薬組成物よりも、より効果的であり、より毒性が低く、より長く作用し、より強力であり、より少ない副作用を生じ、より容易に吸収され、及び/またはより優れた薬物動態学的プロファイルを有し、並びに/あるいは他の有用な薬理学的、物理学的、または化学的特性を有するという利点を有する。
【0065】
本発明を、以下の実施例によって例証する。
【実施例】
【0066】
<実施例1>
L−ドーパ(Fluka社, Switzerland)をまず微粉化し、次いで、下記の種々の成分の絶対量を有する錠剤の製造を可能にする適切な比率で、他の賦形剤(下記参照)とともに正確に量り分ける。
【0067】
次いで、あらかじめ測量した量のL−ドーパとクエン酸をTubulaミキサー中で96時間混合する。次いで、あらかじめ測量した量のケイ化結晶セルロース(ProSolv, JRS Pharma社, Germany)とカルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウムNF, Ac-Di-Sol(登録商標), FMC社,USA)を添加し、30分間混合を続ける。最後に、あらかじめ測量した量のステアリン酸マグネシウム(Peter Greven社, Netherlands)を添加し、もう2分間混合を続ける。
【0068】
次いで、当該粉末混合物を、6mmの平斜面の尖った穿孔を備えるシングルパンチプレス(Korsch EK0)を用いることによって圧縮し、総重量100mgの錠剤を作製する。
【0069】
個々の成分の絶対量は、下記の表に示すとおりである
【0070】
当該錠剤成形の処理の間中、試験サンプルを回収し、処理中のコントロールを使用する(錠剤重量、粉砕強度、脆破性、及び分解時間)。錠剤を包装し、ラベルをつける。
【0071】
【表1】

【0072】
<実施例2>
錠剤組成物を、実施例1に記載の手順に従って調製し、マンニトール(Roquette社, FR)を第一の混合物中に添加する。個々の成分の絶対量を、下記の表に示す。
【0073】
【表2】

【0074】
<実施例3>
L−ドーパ(Fluka社, Switzerland)及びカルビドパ(Sigma-Aldrich社, USA)をまず微粉化し、次いで、実施例1に記載のように正確に量り分けた。
【0075】
次いで、あらかじめ測量した量のL−ドーパ、カルビドパ、及びマンニトール(マンニトール400 DC, Roquette社, France)をミキサー中で96時間混合した。次いで、あらかじめ測量した量のクエン酸(Roche社, Belgium)、ケイ化結晶セルロース(ProSolv, Penwest Pharmaceutical社, USA)、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウムNF, Ac-Di-Sol(登録商標), FMC社, USA)を添加し、30分間混合を続けた。最後に、あらかじめ測量した量のステアリン酸マグネシウム(Peter Greven社, Netherlands)を添加し、もう2分間混合を続けた。
【0076】
次いで、当該粉末混合物を、6mmの平斜面の尖った穿孔を備えるシングルパンチプレス(Korsch EK0)を用いることによって圧縮し、総重量95.1mgの錠剤を作製した。
【0077】
個々の成分の絶対量は、下記の表に示すとおりである。
【0078】
実施例1に記載のように、処理中のコントロールを使用し、且つ錠剤を包装し、ラベルをつけた。
【0079】
【表3】

【0080】
<実施例4>
L−ドーパ及びカルビドパを微粉化し、実施例3に記載のように量り分けた。
【0081】
あらかじめ測量した量のL−ドーパ、カルビドパ、及びマンニトールを、実施例3に記載のように96時間混合した。次いで、あらかじめ測量した量のケイ化結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加し、実施例3に記載のように30分間混合を続けた。最後に、あらかじめ測量した量のステアリン酸マグネシウムを添加し、もう2分間混合を続けた。
【0082】
錠剤を、実施例3に記載のように調製し、個々の成分の絶対量を、下記の表に示す。
【0083】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
弱酸性物質と活性成分としての薬理学的に有効な量のL−ドーパとを含み、前記活性成分はより大きなキャリア粒子の表面上に粒子状形態で提供される製薬組成物。
【請求項2】
(a)前記キャリア粒子が前記弱酸性物質を含み;及び/または
(b)前記弱酸性物質の粒子が前記キャリア粒子の表面上に提供され;及び/または
(c)前記弱酸性物質の粒子が前記キャリア粒子の間に提供される;
の少なくとも1つを適用する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記活性成分が微粒子の形態をとる、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記微粒子が約15μm未満の重量ベースの平均粒径を有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
存在する活性成分の総量が、当該組成物の総重量に基づき、約2-20重量%の範囲にある、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記範囲が約5-15重量%である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
生物学的付着及び/または粘膜付着促進剤をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記生物学的付着及び/または粘膜付着促進剤が、5,000を超える重量平均分子量を有するポリマー性物質である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記生物学的付着及び/または粘膜付着促進剤が、セルロース誘導体、デンプン誘導体、アクリル系ポリマー、ポリビニルピロリドン、酸化ポリエチレン、キトサン、天然ポリマー、スクレログルカン、キサンタンガム、ガーゴム、ポリ コ−(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、及びクロスカルメロース、またはそれらの混合物から選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記生物学的付着及び/または粘膜付着促進剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、修飾されたセルロースガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、適度に架橋されたデンプン、修飾されたデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボマーまたはその誘導体、架橋されたポリビニルピロリドン、酸化ポリエチレン、キトサン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、スクレログルカン、キサンタンガム、ガーゴム、ポリ コ−(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、及びクロスカルメロースナトリウム、あるいはそれらの混合物から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記生物学的付着及び/または粘膜付着促進剤が、クロスカルメロースナトリウムまたは架橋されたポリビニルピロリドンである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
存在する生物学的付着及び/または粘膜付着促進剤の量が、当該組成物の総重量に基づき、約0.1-25重量%の範囲にある、請求項7から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記範囲が約1-15重量%である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記キャリア粒子が弱酸性物質を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
弱酸性物質の粒子もまた、前記キャリア粒子の表面上に少なくとも部分的に提供されている、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記キャリア粒子が弱酸性物質を含まず、且つ弱酸性物質の粒子が前記キャリア粒子の表面上に提供されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
弱酸性物質の粒子が前記キャリア粒子の間に提供されている、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記キャリア粒子が、炭水化物、製薬上許容し得る無機塩、ポリマー、またはそれらの混合物を含むまたは含有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記粒子が、糖、マンニトール、ラクトース、塩化ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム水和物、リン酸二カルシウム脱水物、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、結晶セルロース、セルロース、架橋されたポリビニルピロリドン、またはそれらの混合物を含むまたは含有する、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記粒子が、マンニトール及び/またはラクトースを含むまたは含有する、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記弱酸性物質が食物酸である、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記酸が、クエン酸、酒石酸、アマル酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、またはそれらの組合せである、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記酸がクエン酸である、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記キャリア粒子のサイズが約50-750μmである、請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記粒子サイズが約100-600μmである、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記生物学的付着及び/または粘膜付着促進剤が、約1-100μmの範囲にある粒子サイズを有する、請求項7から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
使用される活性成分の粒子及び前記キャリア粒子の相対サイズ及び量が、前記キャリア粒子が前記活性成分によって少なくとも約90%被覆され得ることを保証するのに十分である、請求項1から26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
ドーパミン脱炭素酵素インヒビターをさらに含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
舌下投与に適した錠剤の形態をとる、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
前記組成物が分解剤をさらに含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記分解剤が、架橋されたポリビニルピロリドン、カルボキシメチルデンプン、天然デンプン、及びそれらの混合物から選択される、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記分解剤の量が、当該組成物の総重量に基づき、約2-7重量%である、請求項30または31に記載の組成物。
【請求項33】
前記キャリア粒子を、前記活性成分及びさらなる弱酸性の粒子(存在する場合)とともに乾燥混合する工程を含む、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物の調製方法。
【請求項34】
前記生物学的付着/粘膜付着促進剤もまた、微細粒子の形態で、前記キャリア粒子とともに混合する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
請求項29から32のいずれか一項に規定の舌下錠剤の調製方法であって、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物を直接に押し固めるまたは圧縮する工程を含む方法。
【請求項36】
パーキンソン病の治療用の薬剤の製造のための、請求項1から32のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項37】
そのような症状に悩む、または影響を受けやすい患者への、請求項1から32のいずれか一項に記載の組成物の投与を含む、パーキンソン病の治療方法。
【請求項38】
前記治療が、パーキンソン病の治療のためにL−ドーパを摂取している患者における運動症状の変動のものである、請求項36に記載の使用または請求項37に記載の方法。

【公表番号】特表2008−534563(P2008−534563A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503581(P2008−503581)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【国際出願番号】PCT/GB2006/001132
【国際公開番号】WO2006/103417
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(505141945)オレクソ・アクチエボラゲット (11)
【Fターム(参考)】