説明

パーキンソン病の治療方法

本開示は、パーキンソン病の治療方法であって、パーキンソン病の治療を必要とする患者に、(i)50mg〜300mgのレボドパ、(ii)25mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および(iii)50mg〜300mgのエンタカポンであって、カルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.33:1.0〜3.2:1.0であるエンタカポン、25mg〜200mgの中程度に強力なCOMT阻害剤であって、カルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.16:1.0〜3.08:1.0であるCOMT阻害剤、または1mg〜100mgの極めて強力なCOMT阻害剤であって、カルビドパに対する該COMT阻害剤の割合は、重量で0.006:1.0〜1.54:1.0であるCOMT阻害剤を、同時にまたは連続的に投与することを含む方法を提供する。当該方法に使用される医薬製剤も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーキンソン病の治療方法ならびに該方法において使用される医薬製剤(pharmaceutical dosage forms)に関する。
【背景技術】
【0002】
レボドパ((−)−L−アルファ−アミノ−ベータ−(3,4−ジヒドロキシベンゼン)プロパン酸)は、パーキンソン病(PD)の治療において一般的に使用されている薬物である。レボドパは、カルビドパ((−)−L−アルファ−ヒドラジノ−アルファ−メチル−ベータ−(3,4−ジヒドロキシベンゼン)プロピオン酸)一水和物)または塩酸ベンセラジド(N−DL−セリル)−N’−(2,3,4−トリヒドロキシ−ベンジル)ヒドラジン塩酸塩などの芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ(AADC)阻害剤との組み合わせとして市販されている。カルビドパとレボドパとの組み合わせが、たとえばSINEMET(登録商標)、DUODOPA(登録商標)およびPARCOPA(登録商標)の商品名で販売されており、そして塩酸ベンセラジドとの組み合わせは、たとえばMADOPAR(登録商標)という商品名で販売されている。
【0003】
エンタカポン((E)−2−シアノ−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−N−ジエチル−2−プロペンアミド)は、レボドパとカルビドパまたはベンセラジドとの組み合わせでパーキンソン病を治療するために使用されるカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤である。エンタカポンは、独立型(stand-alone)製剤として、たとえば商品名COMTESS(登録商標)およびCOMTAN(登録商標)で市販されており、固定された組み合わせ(レボドパ:カルビドパ:エンタカポン:50mg:12.5mg:200mg、75mg:18.75mg:200mg、100mg:25mg:200mg、125mg:31.25mg:200mg、150mg:37.5mg:200mgおよび200mg:50mg:200mg)として、たとえば商品名STALEVO(登録商標)で市販されている。
【0004】
典型的には、市販製剤におけるカルビドパまたは塩酸ベンセラジドに対するレボドパの割合(無水物(anhydrate)として計算した場合)は、重量で4:1(またはカルビドパとで10:1の場合もある)であり、カルビドパまたは塩酸ベンセラジドに対するエンタカポンの割合は、それぞれ少なくとも重量で4:1である。前記で引用した製品もあらゆる刊行物も、その出願人の注意も、カルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で4:1より少ないレボドパ、カルビドパ(または塩酸ベンセラジド)およびエンタカポンのヒトへの反復方法での同時または連続投与について開示していない。
【0005】
トルカポン(3,4−ジヒドロキシ−4’−メチル−5−ニトロ−ベンゾフェノン)は、もう1つのCOMT阻害剤であり、レボドパ/カルビドパまたはレボドパ/ベンセラジド治療の付加物として毎日3回投与される100mgまたは200mgの独立型製剤として使用されており、AADC阻害剤に対するレボドパの割合は、エンタカポンと使用される場合と同じである。トルカポンは、商品名TASMAR(登録商標)で販売されており、その製法は、欧州特許第0 237 929号明細書に開示されている。
【0006】
国際公開第2007/013830は、臨床試験に付されているBIA 9−1067(5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチル−1−オキシピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール)などのいくつかのCOMT阻害剤を開示している。国際公開第2000/37423号は、BIA 3−201(1−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−2−フェニル−エタノン、ネビカポン)を開示している。
【0007】
国際公開第2007/010085号は、(3−クロロ−5,6−ジヒドロキシ−7−ニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−モルホリン−4−イル−メタノン、3−クロロ−5,6−ジヒドロキシ−7−ニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸ジエチルアミド、(3−クロロ−5,6−ジヒドロキシ−7−ニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン、3−クロロ−5,6−ジヒドロキシ−7−ニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸フェニルアミド、3−[(3−クロロ−5,6−ジヒドロキシ−7−ニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)−アミノ]−安息香酸、4−[(3−クロロ−5,6−ジヒドロキシ−7−ニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)−アミノ]−安息香酸、3−クロロ−5,6−ジヒドロキシ−7−ニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(4−メトキシ−フェニル)アミド、(3−クロロ−5,6−ジヒドロキシ−7−ニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)−メタノン、(3−クロロ−5,6−ジヒドロキシ−7−ニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−メタノンなどの、グルクロン酸化を経てゆっくりと放出されることからエンタカポンやトルカポンよりもより強力であると考えられている新しいCOMT阻害剤を開示している。
【0008】
本開示において、国際公開第2007/010085号に記載されたCOMT阻害剤ならびにBIA 9−1067は、「極めて強力なCOMT阻害剤」というグループに属するものと見なされる。極めて強力なCOMT阻害剤について予想される標準的な用量(前述したカルビドパに対するレボドパの従来の割合と一緒に使用されることが推奨される用量)は、0.1mg〜50である。
【0009】
本開示において、標準的な用量が50mgより多く200mgまでであるトルカポンおよび他のそのようなCOMT阻害剤は、「中程度に強力なCOMT阻害剤」のグループに属するものと見なされる。
【発明の概要】
【0010】
2010年3月4日に出願された米国仮特許出願61/310,398号は、参照として本明細書に組み込まれる。
【0011】
本開示は、パーキンソン病(PD)の治療方法であって、パーキンソン病の治療を必要とする患者に、
(i)50mg〜300mgのレボドパ、
(ii)25mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)50mg〜300mgのエンタカポンであって、カルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.33:1.0〜3.2:1.0であるエンタカポン、
25mg〜200mgの中程度に強力なCOMT阻害剤であって、カルビドパに対する中程度に強力なCOMT阻害剤の割合が重量で0.16:1.0〜3.08:1.0であるCOMT阻害剤、または1mg〜100mgの極めて強力なCOMT阻害剤であって、カルビドパに対する極めて強力なCOMT阻害剤の割合は、重量で0.006:1.0〜1.54:1.0であるCOMT阻害剤
を同時にまたは連続的に投与することを含む治療方法を提供する。
【0012】
本開示はまた、
(i)50mg〜300mgのレボドパ、
(ii)25mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)50mg〜300mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.33:1.0〜3.2:1.0であるエンタカポン、
25mg〜200mgの中程度に強力なCOMT阻害剤であって、製剤中のカルビドパに対する中程度に強力なCOMT阻害剤の割合が重量で0.16:1.0〜3.08:1.0であるCOMT阻害剤、または1mg〜100mgの極めて強力なCOMT阻害剤であって、製剤中のカルビドパに対する極めて強力なCOMT阻害剤の割合は、重量で0.006:1.0〜1.54:1.0であるCOMT阻害剤
を含む製剤も提供する。
【0013】
本発明から最も恩恵を受ける患者は、パーキンソン病の症状またはオン・オフ変動などの運動機能合併症が、従来のレボドパ−AADC阻害剤療法により十分に制御されていない患者である。したがって、治療すべき典型的な患者は、エンド・オブ・ドーズ・ウェアリングオフ(end-of-dose wearing off)症状を有するパーキンソン病の成人患者である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】被験治療による平均レボドパ血漿濃度(ng/ml)を示す。A:エンタカポン200mg+レボドパ100mg+カルビドパ25mg、B:エンタカポン200mg+レボドパ100mg+カルビドパ50mg、C:エンタカポン200mg+レボドパ100mg+カルビドパ100mg、E:レボドパ100mg+カルビドパ25mg、F:レボドパ100mg+カルビドパ50mg、G:レボドパ100mg+カルビドパ100mg。
【0015】
【図2】被験治療による平均カルビドパ血漿濃度(ng/ml)を示す。A:エンタカポン200mg+レボドパ100mg+カルビドパ25mg、B:エンタカポン200mg+レボドパ100mg+カルビドパ50mg、C:エンタカポン200mg+レボドパ100mg+カルビドパ100mg、E:レボドパ100mg+カルビドパ25mg、F:レボドパ100mg+カルビドパ50mg、G:レボドパ100mg+カルビドパ100mg。
【0016】
【図3】カルビドパ投与量の増大、およびエンタカポン投与量を増加させるか、または中程度に強力なCOMT阻害剤であるトルカポンを使用するかのいずれかによるCOMT阻害の増大に伴うヒトにおける平均レボドパ濃度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
パーキンソン病における症状を制御するための最も効果的な治療法は、レボドパ治療である。しかしながら、疾患の進行および長期のレボドパ治療により、PD患者はしばしば、「エンド・オブ・ドーズ・ウェアリングオフ」症状、「早朝に起きるジストニア」および「オン/オフ変動」などのウェアリングオフ症状ならびにジスキネジアなどの運動機能合併症を起こす。
【0018】
エンド・オブ・ドーズ・ウェアリングオフの間、PD薬投与の効果は減少(なくなり(wears off))し、薬物濃度は血漿において、続いて脳において減少し、そしてPD症状、たとえば動作緩慢、硬直、および静止振戦などの重症度は、つぎの投与が行われる前に増加する。一部は運動性症状に関連し、一部は自律神経機能障害に関連し、「エンド・オブ・ドーズ・ウェアリングオフ」または「オン/オフ変動」を伴うPD患者は、消化管運動性が悪く、また嚥下障害を起こし得る。
【0019】
運動機能に関連する症状に加えて、ウェアリングオフ症状には、不安および痛みなどの非運動性症状も含まれ得る。変動の発現の原因は、完全には理解されていないが、おそらく部分的には脳における線条体ドーパミン受容体の間欠またはパルス刺激を導くレボドパの周期的に振動する血漿レベルと関係している。エンド・オフ・ドーズ・ウェアリングオフ症状またはオン/オフ変動は、相対的に良好な運動性の期間(「オン」期間)および、しばしば同時に起こる非運動症状と関連した相対的に低下した運動機能(「オフ」期間)とが交互に起こることを含む。ジスキネジアは、PD患者の体における不随意運動であり、しばしばレボドパなどのPD薬の高い極大値またはピーク濃度に関連付けられる。したがって、より安定したレボドパの血漿レベルおよびより連続的なドーパミン作動性の刺激を目的として追及することにより現在のレボドパ治療を改善することが引き続き必要である。
【0020】
本発明者らは、驚くべきことに、COMT阻害剤との組み合わせにおいて、レボドパ−カルビドパ複合剤単独と同様に、AADC阻害はこれまで使用されているカルビドパ用量により飽和されないが、さらにカルビドパ投与量を増加させることにより高めることができ、それによりレボドパの薬物動態および代謝の改善をもたらし、続いてPD症状の制御と運動機能合併症の制御の改善をもたらし得るということを見出した。
【0021】
伝統的なレボドパ療法とは異なり、本発明による治療を用いた場合、すべての製剤含量(dosage strengths)にわたって標準的なレボドパ/カルビドパ比(4:1など)を維持する必要はない。さらに、COMT阻害剤との組み合わせにおいては、カルビドパ投与量を増加させることにより、AADC阻害に対する薬力学的効果を高め、その後、該期間の終わりに向けてのカルビドパ血漿濃度の減少の代わりに、投与期間を通してレボドパAUCを増加させ得る。これは、COMT阻害剤の存在下、カルビドパ用量の増加により、レボドパのCminおよびAUCが有意に増加するためである。つまり、COMT阻害剤が、レボドパやカルビドパなどの芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤と併せて投与される場合に、レボドパの血漿レベルが、レボドパおよび芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤のみの投与後よりも、カルビドパ用量の増加によりより高くより持続的になるということである。
【0022】
毎日の所定の頻度でのレボドパ投与で、カルビドパ用量を増加させることから生じるレボドパのより持続した血漿レベルが、脳内のより一定のドーパミン作動性刺激を生じさせ、引いてはパーキンソン病の兆候および症状、特にエンド・オブ・ドーズ・ウェアリングオフおよびオン/オフ変動などの制御を改善すると考えられる。レボドパの最大濃度が臨床的に有意に増加しないので、パーキンソン病の兆候や症状の制御の改善は、レボドパ用量の低減を要求するようなドーパミン作動性副作用またはジスキネジアなどの運動機能合併症の増加を伴わない。
【0023】
さらに、レボドパに対する効果が、該期間の終わりに向かってのカルビドパの血漿濃度の減少に敏感ではないので、血漿中のカルビドパ濃度の蓄積は見られない。事実、この試験において、その濃度は、投与期間の終わりに向けて減少し、このことによりカルビドパが、血液脳関門を通過し、そして脳内でAADCを阻害し、その後CNS副作用を増加させる確率が減少する。
【0024】
カルビドパの用量の増加と組み合わせて、COMT阻害剤用量も、レボドパの有意なAUCの減少なく、下げることができる。COMT阻害剤の量を減少させるほど、特に嚥下困難な患者に有益であるより小さな錠剤サイズを可能とする。これも、消化管刺激および尿の変色に関連したCOMT阻害剤のリスクを低減する。
【0025】
カルビドパ用量の増加との組み合わせにおいて、COMT阻害剤用量または強さは、レボドパのCmaxは有意に増加しないがAUCは増加させる程度に増加させることもできる。COMT阻害剤の強さの増加は、PD症状のより良い制御を可能にする。これは、エンド・オブ・ドーズ・ウェアリングオフ、早朝のジストニアおよびオン/オフ変動などのウェアリングオフ症状を示すPD患者に有益である。
【0026】
したがって、本開示は、パーキンソン病の治療方法であって、パーキンソン病の治療を必要とする患者に、
(i)50mg〜300mgのレボドパ、
(ii)25mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)50mg〜300mgのエンタカポンであって、カルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.33:1.0〜3.2:1.0であるエンタカポン、
25mg〜200mgの中程度に強力なCOMT阻害剤であって、カルビドパに対する中程度に強力なCOMT阻害剤の割合が重量で0.16:1.0〜3.08:1.0であるCOMT阻害剤、または1mg〜100mgの極めて強力なCOMT阻害剤であって、カルビドパに対する極めて強力なCOMT阻害剤の割合は、重量で0.006:1.0〜1.54:1.0であるCOMT阻害剤
を同時にまたは連続的に投与することを含む治療方法を提供する。
【0027】
1つの実施態様において、治療すべき患者は、エンド・オブ・ドーズ・ウェアリングオフの症状のあるパーキンソン病の成人患者である。
【0028】
本開示は、
(i)50mg〜300mgのレボドパ、
(ii)25mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)50mg〜300mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.33:1.0〜3.2:1.0であるエンタカポン、
25mg〜200mgの中程度に強力なCOMT阻害剤であって、製剤中のカルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.16:1.0〜3.08:1.0であるCOMT阻害剤、または1mg〜100mgの極めて強力なCOMT阻害剤であって、製剤中のカルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.006:1.0〜1.54:1.0であるCOMT阻害剤
を含む製剤も提供する。
【0029】
本開示は
(i)50mg〜300mgのレボドパ、
(ii)25mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)50mg〜300mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.33:1.0〜3.2:1.0であるエンタカポン、
25mg〜200mgの中程度に強力なCOMT阻害剤であって、製剤中のカルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.16:1.0〜3.08:1.0であるCOMT阻害剤、または1mg〜100mgの極めて強力なCOMT阻害剤であって、製剤中のカルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.006:1.0〜1.54:1.0であるCOMT阻害剤
(任意にはカルビドパが治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤により置き換えられる)
の患者への同時または連続投与によるパーキンソン病の治療方法における使用のためのレボドパ、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、およびエンタカポンも提供する。
【0030】
本開示は、
(i)50mg〜300mgのレボドパ、
(ii)25mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)50mg〜300mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.33:1.0〜3.2:1.0であるエンタカポン、
25mg〜200mgの中程度に強力なCOMT阻害剤であって、製剤中のカルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.16:1.0〜3.08:1.0であるCOMT阻害剤、または1mg〜100mgの極めて強力なCOMT阻害剤であって、製剤中のカルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.006:1.0〜1.54:1.0であるCOMT阻害剤
(任意にはカルビドパが治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤により置き換えられる)
の患者への同時または連続投与によるパーキンソン病の治療のための医薬の製造方法におけるレボドパ、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤およびエンタカポンの使用も提供する。
【0031】
本開示は、
(i)50mg〜300mgのレボドパ、
(ii)25mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)50mg〜300mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.33:1.0〜3.2:1.0であるエンタカポン、25mg〜200mgの中程度に強力なCOMT阻害剤であって、製剤中のカルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.16:1.0〜3.08:1.0であるCOMT阻害剤、または1mg〜100mgの極めて強力なCOMT阻害剤であって、製剤中のカルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.006:1.0〜1.54:1.0であるCOMT阻害剤
を含む、パーキンソン病の治療における同時または連続使用のための製剤も提供する。
【0032】
本開示は、レボドパ、カルビドパもしくは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、およびエンタカポン、中程度に強力なCOMT阻害剤もしくは極めて強力なCOMT阻害剤の同時または連続投与のためのキットであって、
(i)50mg〜300mgのレボドパ、
(ii)25mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)50mg〜300mgのエンタカポンであって、投与中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.33:1.0〜3.2:1.0であるエンタカポン、25mg〜200mgの中程度に強力なCOMT阻害剤であって、投与中のカルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.16:1.0〜3.08:1.0であるCOMT阻害剤、または1mg〜100mgの極めて強力なCOMT阻害剤であって、投与中のカルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.006:1.0〜1.54:1.0であるCOMT阻害剤
を含み、キットはさらにパーキンソン病の治療において、レボドパ、カルビドパもしくは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、およびエンタカポン、中程度に強力なCOMT阻害剤もしくは極めて強力なCOMT阻害剤の同時または連続投与のための取扱説明書をさらに含むことができるキットも提供する。
【0033】
1つの実施態様において、レボドパは、50mg〜200mgの量で存在し、カルビドパは65mg〜125mgの量で存在し、そしてエンタカポンは100mg〜200mgの量で存在し、カルビドパに対するエンタカポンの割合は、重量で0.8:1.0〜3.08:1.0である。
【0034】
1つの実施態様において、レボドパは、75mg〜175mgの量で存在し、カルビドパは65mg〜105mgの量で存在し、そしてエンタカポンは100mg〜200mgの量で存在し、カルビドパに対するエンタカポンの割合は、重量で0.95:1.0〜3.08:1.0である。
【0035】
1つの実施態様において、レボドパは、50mg〜300mg、たとえば50mg〜200mg、75mg〜125mgなど、たとえば50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、または200mg、たとえば75mg、100mg、125mg、150mgの量で存在する。
【0036】
1つの実施態様において、カルビドパは、65mg〜150mg、たとえば65mg〜125mg、65mg〜105mgなど、たとえば65mg、80mg、85mg、105mgまたは125mgの量で存在する。
【0037】
1つの実施態様において、エンタカポンは、50mg〜300mg、たとえば50mg〜200mg、100mg〜200mgなど、たとえば100mg、150mgまたは200mgの量で存在する。
【0038】
1つの実施態様において、トルカポンなどの中程度に強力なCOMT阻害剤は、25mg〜200mg、たとえば50mg〜200mg、50mg〜100mgなど、たとえば50mg、100mgまたは200mgの量で存在する。
【0039】
1つの実施態様において、BIA 9−1067などの極めて強力なCOMT阻害剤は、1mg〜100mg、たとえば1mg〜50mg、1mg〜25mgなど、たとえば1mg、2.5mg、5mg、10mg、または25mgの量で存在する。
【0040】
1つの実施態様において、カルビドパは、治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、たとえばベンセラジドにより置き換えられる。
【0041】
1つの実施態様において、治療および/または投与形態は経口である。
【0042】
1つの実施態様において、治療は、経口による固形複合製剤の投与を含む。
【0043】
さらなる実施態様において、経口投与形態は、経口固形複合製剤である。
【0044】
1つの実施態様において、カルビドパに対するエンタカポンの割合は、重量で0.33:1.0〜3.08:1.0、たとえば重量で0.8:1.0〜2.35:1.0の範囲である。
【0045】
1つの実施態様において、カルビドパに対するエンタカポンの割合は、重量で0.66:1.0、0.80:1.0、0.95:1.0、1.18:1.0、1.33:1.0、1.54:1.0、1.6:1.0、1.9:1.0、2.35:1.0、2.5:1.0または3.08:1.0である。
【0046】
1つの実施態様において、カルビドパに対するエンタカポンの割合は、100mg:125mg、100mg:105mg、100mg:85mg、100mg:80mg、100mg:65mg、200mg:125mg、200mg:105mg、200mg:85mg、200mg:80mgまたは200mg:65mgである。
【0047】
1つの実施態様において、カルビドパに対するレボドパの割合は、重量で0.4:1.0〜3.1:1.0、たとえば重量で0.48:1.0〜1.91:1.0の範囲である。
【0048】
1つの実施態様において、カルビドパに対するレボドパの割合は、50mg:45mg、50mg:65mg、50mg:80mg、50mg:85mg、50mg:105mg、50mg:125mg、75mg:45mg、75mg:65mg、75mg:80mg、75mg:85mg、75mg:105mg、75mg:125mg、100mg:45mg、100mg:65mg、100mg:80mg、100mg:85mg、100mg:105mg、100mg:125mg、125mg:45mg、125mg:65mg、125mg:80mg、125mg:85mg、125mg:105mg、125mg:125mg、150mg:45mg、150mg:65mg、150mg:80mg、150mg:85mg、150mg:105mg、150mg:125mg、200mg:65mg、200mg:80mg、200mg:85mg、200mg:105mgまたは200mg:125mgである。
【0049】
1つの実施態様において、レボドパ、カルビドパおよびエンタカポンの割合は、50mg:65mg:200mg、50mg:80mg:200mg、50mg:85mg:200mg、50mg:105mg:200mg、50mg:125mg:200mg、75mg:65mg:200mg、75mg:80mg:200mg、75mg:85mg:200mg、75mg:105mg:200mg、75mg:125mg:200mg、100mg:65mg:200mg、100mg:80mg:200mg、100mg:85mg:200mg、100mg:105mg:200mg、100mg:125mg:200mg、125mg:65mg:200mg、125mg:80mg:200mg、125mg:85mg:200mg、125mg:105mg:200mg、125mg:125mg:200mg、150mg:65mg:200mg、150mg:80mg:200mg、150mg:85mg:200mg、150mg:105mg:200mg、150mg:125mg:200mg、mg、200mg:65mg:200mg、200mg:80mg:200mg、200mg:85mg:200mg、200mg:105mg:200mgまたは200mg:125mg:200mgである。
【0050】
1つの実施態様において、レボドパ、カルビドパおよびエンタカポンの割合は、50mg:65mg:200mg、50mg:80mg:200mg、50mg:85mg:200mg、50mg:105mg:200mg、75mg:65mg:200mg、75mg:80mg:200mg、75mg:85mg:200mg、75mg:105mg:200mg、100mg:65mg:200mg、100mg:80mg:200mg、100mg:85mg:200mg、100mg:105mg:200mg、125mg:65mg:200mg、125mg:80mg:200mg、125mg:85mg:200mg、125mg:105mg:200mg、150mg:65mg:200mg、150mg:80mg:200mg、150mg:85mg:200mg、150mg:105mg:200mg、200mg:65mg:200mg、200mg:80mg:200mg、200mg:85mg:200mgまたは200mg:105mg:200mgである。
【0051】
1つの実施態様において、レボドパ、カルビドパおよびエンタカポンの割合は、75mg:65mg:200mg、75mg:85mg:200mg、75mg:105mg:200mg、100mg:65mg:200mg、100mg:85mg:200mg、100mg:105mg:200mg、125mg:65mg:200mg、125mg:85mg:200mg、125mg:105mg:200mg、150mg:65mg:200mg、150mg:85mg:200mgまたは150mg:105mg:200mgである。
【0052】
本発明の1つの実施態様において、レボドパの1日服用量は、150mg〜1500mg、たとえば300mg〜1250mg、300mg〜900mgなどであり、1日服用総回数は、3〜10、たとえば3〜7、4〜6など、4または5または6などである。
【0053】
本発明の1つの実施態様において、カルビドパの1日服用量は、135mg〜1250mg、たとえば195mg〜1050mg、255mg〜850mgなどであり、1日服用総回数は、3〜10、たとえば3〜7、4〜6など、4または5または6などである。
【0054】
本発明の1つの実施態様において、極めて強力なCOMT阻害剤は、BIA 9−1067、(5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチル−1−オキシピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール)である。1つの実施態様において、BIA 9−1067の1日服用量は、1日1回投与される25mgまたは50mgである。BIA 9−1067は難溶性の薬物である。国際公開第2009/108077号は、BIA 9−1067などの難溶性活性医薬成分の放出のための固形製剤を開示している。
【0055】
1つの実施態様において、カルビドパに対するBIA 9−1067の割合は、重量で0.01:1.0〜0.16:1.0、たとえば重量で0.02:1.0〜0.1:1.0の範囲である。
【0056】
1つの実施態様において、BIA 9−1067とカルビドパとの割合は、2.5mg:65mg、2.5mg:85mg、2.5mg:105mg、5.0mg:65mg、5.0mg:85mg、5.0mg:105mg、10.0mg:65mg、10.0mg:85mgまたは10.0mg:105mgである。
【0057】
1つの実施態様において、レボドパ、カルビドパおよびBIA 9−1067の割合は、75mg:65mg:2.5mg、75mg:85mg:2.5mg、75mg:105:2.5mg、100mg:65mg:2.5mg、100mg:85mg:2.5mg、100mg:105mg:2.5mg、125mg:65mg:2.5mg、125mg:85mg:2.5mg、125mg:105mg:2.5mg、150mg:65mg:2.5mg、150mg:85mg:2.5mg、150mg:105mg:2.5mg、75mg:65mg:5.0mg、75mg:85mg:5.0mg、75mg:105:5.0mg、100mg:65mg:5.0mg、100mg:85mg:5.0mg、100mg:105mg:5.0mg、125mg:65mg:5.0mg、125mg:85mg:5.0mg、125mg:105mg:5.0mg、150mg:65mg:5.0mg、150mg:85mg:5.0mg、150mg:105mg:5.0mg、75mg:65mg:10.0mg、75mg:85mg:10.0mg、75mg:105:10.0mg、100mg:65mg:10.0mg、100mg:85mg:10.0mg、100mg:105mg:10.0mg、125mg:65mg:10.0mg、125mg:85mg:10.0mg、125mg:105mg:10.0mg、150mg:65mg:10.0mg、150mg:85mg:10.0mg、150mg:105mg:10.0mgである。
【0058】
本発明の1つの実施態様において、エンタカポンの1日服用量は、150mg〜2000mg、たとえば300mg〜2000mg、300mg〜1600mgなどの範囲であり、1日服用総回数は、3〜10、たとえば3〜8、4〜6など、4または5または6などである。本発明の1つの実施態様において、トルカポンまたは他の中程度に強力なCOMT阻害剤の1日服用量は、75mg〜1200mg、たとえば150mg〜800mg、300mg〜600mgなどの範囲であり、1日服用総回数は、3〜10、たとえば3〜7、3〜5など、3または4または5などである。本発明の1つの実施態様において、極めて強力なCOMT阻害剤の1日服用量は、1mg〜500mg、たとえば5mg〜100mg、10mg〜100mgなどの範囲であり、1日服用総回数は、1〜10、たとえば1〜7、1〜3など、1または2または3などである。
【0059】
レボドパ、カルビドパ、ベンセラジド、または他のAADC阻害剤またはエンタカポンまたは他のCOMT阻害剤の投与量が、この開示に照らして本明細書において言及される場合はいつでも、薬学的に許容され得る塩、プロドラック(エステルを含む)、または水和物の等価な量も含むことを意味するものと理解される。
【0060】
この開示において言及される量および範囲は、方法(すなわち治療方法または製造方法)であろうと製剤であろうと、本明細書に開示されるすべての態様に適用される。
【0061】
[定義]
用語「パーキンソン病の治療」は、たとえば、動作緩慢、硬直、および静止振戦などの特発性パーキンソン病に関連する1つ以上の症状および/または運動機能合併症の軽減および/または悪化の遅延を意味する。
【0062】
用語「成人患者」は、18歳以上の患者を意味する。
【0063】
用語「エンド・オブ・ドーズ・ウェアリングオフ症状」は、PD薬摂取後の運動応答期間の短縮、ならびに動作緩慢、硬直および静止振戦などの重症度の増加を意味する。その用語は、薬の切れ際の症状の制御不全に特徴付けられるいわゆる予測可能なエンド・オブ・ドーズ運動変動を含む。エンド・オブ・ドーズ・ウェアリングオフ症状は、不安および痛みなどの非運動機能症状の変動も含む。運動機能合併症は、運動性から不動性への急速なそして予測不能な波も含む(「オン・オフ」現象)。
【0064】
用語「同時」または「同時に」は、個別の製剤で、または複合製剤として、すなわち単一製剤で開示された薬物を同時に投与することを意味する。
【0065】
用語「連続的」または「連続的に」は、開示された薬物を順々に、すなわち同時にではなく2つ以上の別々の製剤で投与することを意味する。たとえばエンタカポンを別個の製剤として投与し、レボドパおよびカルビドパを複合製剤で投与することができ、またはカルビドパを投与し、続いてレボドパ、そしてエンタカポンを投与することができる。開示された薬物が連続的に投与される場合、典型的には、最後の薬物の投与は、最初の薬物の投与開始後、1時間以内に、通常30分以内に始まる。
【0066】
用語「経口用固形製剤(oral solid dosage form)」は、シングルユニットまたはマルチユニットの固形経口用製剤を意味する。単一経口用製剤は、2つ以上の薬物を含む錠剤などの複合製剤であり得る。1つの実施態様において、単一経口用製剤は、薬物全てを含む錠剤などの複合製剤である。マルチユニット固形経口用製剤は、同時にまたは連続的に摂取される場合、単位投与量を提供する小さな粒子の形態の複数の経口用固形を含む製剤(たとえば、微小錠剤、顆粒またはペレットで満たされたカプセルまたは小袋)であっても良い。用語「マルチプルユニット(multiple-unit)」または「マルチ粒子(multi-particulate)」経口用製剤は、そのようなマルチユニット固形経口用製剤を意味するために使用することもできる。粒子は、そのまま、容易に摂取するために食品や液体上に直接振り掛けることのできるいわゆるスプリンクル形態で使用することもできる。マルチプルユニット製剤は、シングルユニット製剤に対して利点を提供することが認められている。マルチプルユニット製剤からの薬物放出の薬物動態は、個々のサブユニットからの薬物放出動態の平均値であるため、マルチプルユニット製剤からの薬物放出の薬物動態は、シングルユニット製剤からよりもより均一である。マルチプルユニット製剤のユニットは、消化管において自由に散乱し、液体のように振舞い、短い時間で胃から出て、その結果、バイオアベイラビリティーの改善や、血漿プロファイルへの食べ物の影響を減少させ、そして最終的に血漿プロファイルの変動性を減少させ、かつ消化管における局所的な刺激の可能性を低下させるといった生物薬剤学的特徴を改善することとなる。さらに、マルチユニット固形経口用製剤は、薬物を含む個々の錠剤であってもよい。たとえば、マルチユニット固形経口用製剤は、1つの錠剤中にエンタカポンを含み、別の錠剤にレボドパおよびカルビドパを含むことができる。
【0067】
用語「反復投与」および「反復法で」は、1日の間の薬物の複数回投与を意味し、パーキンソン病の患者の病気の重症度および後のレボドパの必要性によって、通常、1日に少なくとも3〜10回までである。たとえば、レボドパは、通常反復法でAADC阻害剤と同時にまたは連続して投与される。しかしながら、極めて強力なCOMT阻害剤は、1日1回のみまたはさらにそれより少ない頻度で、反復投与のレボドパおよびAADC阻害剤と併用して投与され、そして中程度に強力なCOMT阻害剤は、1日1回〜3回投与され得る。
【0068】
「標準用量」は、COMT阻害剤が極めて強力な阻害剤または中程度に強力な阻害剤であるとみなされるかどうかを決定するために使用することができる。強さが高まると、ヒトの赤血球において可溶性COMTの80%阻害に到達するために必要とされる阻害剤は少なくなる(Shultz, E. and Nissinen, E., Biomedical Chromatography, Vol. 3, No. 2, 1989, 64-67 and Nohta, H. et al, Journal of Chromatography, 308 (1984) 93-100)。たとえば、中程度に強力なCOMT阻害剤は、80%阻害を達成するために単回服用量で200mgより多く必要であり、通常、単回用量で200mgより多く〜800mgまで必要である。極めて強力なCOMT阻害剤は、80%阻害を達成するために単回投与で200mg以下を必要とする。より強力な阻害剤は、より長期間の有効な阻害も提供する。したがって、中程度に強力な阻害剤は、200mgの服用量で投与された場合、ヒト赤血球で可溶性COMTの40%以上の有効な阻害を、2時間〜8時間未満、典型的には3〜6時間維持するであろう。極めて強力な阻害剤は、100mgの服用量で投与された場合、ヒト赤血球で可溶性COMTの40%以上の有効な阻害を、8時間以上維持するであろう。ヒト赤血球における可溶性COMTの有効な阻害の測定のための適切な条件は、Keraenen, T.ら、Eur. J. Clin. Pharmcol (1994) 46:151-157およびDingemanse, J.ら、Clinical Pharmacology & Therapeutics, May 1995, 508-517に記載されている。
【0069】
用語「薬学的に許容され得る塩」は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理学的活性を有する化合物の塩を意味する。薬学的に許容され得る塩の代表例としては、たとえば、塩化物、臭化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩、酢酸塩およびシュウ酸塩などの無機酸または有機酸との酸付加塩があげられるが、それらに限定されるものではない。薬学的に許容され得る形態は、無水物または水和物の形態である。
【0070】
用語「プロドラック」は、プロドラックが患者に投与された場合に、インビボで活性な親薬物を放出する該薬物の誘導体を意味する。レボドパの種々のプロドラックを開示する刊行物がいくつかあり、たとえば、レボドパメチルエステルは、商品名LEVOMET(登録商標)のもとChiesi社により開発が進められており、エチルエステルは、米国特許第5,607,969号明細書に開示されており、そしてより複雑なエステルが欧州特許第0 309 827号明細書、国際公開第2005/121069号および国際公開第2007/067495号に開示されている。また、種々のカルビドパプロドラックが、たとえば英国第940,596号明細書および国際公開第2004/052841号に記載されている。
【0071】
用語「エステル」は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理学的活性を有する化合物のエステルを意味する。そのようなエステルは、製薬の分野において慣習となっている薬学的に許容される酸を用いて既知の方法により製造することができる。これらのエステルの非限定的な実施例は、脂肪族または芳香族アルコールのエステルである。薬学的に許容され得るエステルの代表例としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルおよびベンジルエステルがあげられるが、それらに限定されるものではない。レボドパの種々のエステルを開示する刊行物がいくつかあり、たとえば、いくつかのレボドパエステルは、欧州特許第0309827号明細書に記載されており、エチルエステルは、米国特許第5,607,969号明細書に開示されており、そしてメチルエステルは、商品名LEVOMET(登録商標)のもとChiesi社により開発が進められている。また、種々のカルビドパエステルが、たとえば英国第940,596号明細書に開示されている。薬学的に許容され得る形態は、無水物または水和物の形態である。
【0072】
本明細書において使用される場合、用語「治療的に等価な量」は、本開示により使用される場合、カルビドパの服用量と同様の治療応答を起こすことができるカルビドパ以外の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼの量を意味する。たとえば、塩酸ベンセラジド50mgは、本開示にしたがって使用される場合、カルビドパ50mgと同様の治療応答を起こすことができるとみなされる。
【0073】
用語「実質的に分離された」および「実質的な分離」は、かなりな量のまたは多量の薬物が他の薬物から離れて保持される、たとえばカルビドパがエンタカポンから離れて保持される、ということを意味する。該分離を達成するためのいくつかの方法、たとえばすべてのまたは少なくとも1つの薬物別々に造粒することによる方法などがある。特別な分離層は、該実質的な分離を生じさせるために必要とはされない。たとえ、すべての薬物が別々に造粒されたとしても、つねに少量の該薬物は粉末として存在するということである。1つの実施態様において、他の薬物と共に、シングル投与ユニットに薬物を造粒および組み込む前に、それらは以下に示すような方法で前処理に付され得る。
【0074】
用語「大部分」は、薬物の少なくとも80%が問題の技術を用いて処理されることを意味する。たとえば、大部分のカルビドパを造粒することは、80%〜100%が造粒されるということを意味する。90%が造粒される場合、その後10%はそのまま添加される。用語「顆粒」は、いくつかのまたはすべての他の成分内で薬物を密接にそして均一に分散させるためにまた粒子サイズを大きくするために成分が一緒に混合される医薬製剤を意味する。周知技術は、製薬産業において知られており、湿式、溶融または乾式造粒から選択することができる。
【0075】
用語「造粒する」および「造粒」は、1つ以上の薬物が少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤と接触されそして造粒される。造粒法は乾式造粒、溶融造粒または湿式造粒などの当技術分野において既知のあらゆる造粒法であってよい。ふるい分けや乾燥などの、通常造粒を行うために必要とされるすべての単位操作は、本開示に照らして該造粒工程に含まれるものとする。さらに、本発明により作られる顆粒は、たとえば、患者にそのまま投与されることを意図する場合、被覆することが可能である。適切な造粒法は、たとえばつぎの書籍に記載されている(The Theory and Practice of Industrial Pharmacy 3rd edition, Lachman L, Lieberman HA and Kanig JL, Lea & Febiger, Philadelphia, 1986 and the Handbook of Pharmaceutical Excipients 5th edition, edited by Rowe RC, Sheskey PJ and Owen SC, Pharmaceutical Press, 2006)。そこに記載される薬学的に許容され得る賦形剤の内容は、たとえば、Pharmaceutics, The Science of Dosage Form Design, 2nd edition. Aulton ME, Churchill Livingstone, 2002に記載されている。適切な溶融造粒技術は、たとえば、Handbook of Pharmaceutical Granulation Technology, Ed. by Dilip M. Parikh, Marcel Dekker, Inc. New York, 2nd print, 1997に記載されている。造粒法に使用されるべき薬物は、造粒の前に前処理されてもよい。前処理は、造粒しないで製剤に製剤化する前に薬物に通常適用もされる。たとえば、粉末の形態の薬物は、製剤に製剤化する前に前処理することができる。
【0076】
用語「前処理」および「前処理すること」は、顆粒化の前、または粉末の製剤への製剤化の前などのさらなる処理前に、個別にまたは別の薬物と一緒にのいずれかで各薬物を前処理することを意味する。適切な前処理法は、たとえば、ふるい分け、ダスト除去、ガス処理、コンディショニング、ミル粉砕および任意には混合、脱集合(de-aggregation)、脱凝集(de-agglomeration)、または薬学的に許容され得る賦形剤による処理、たとえばコロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤による処理などである。
【0077】
用語「ミル粉砕」および「混合物の製造」は、医薬製剤の製造の当該技術分野において使用される意図を意味する。適切なミル粉砕技術は、たとえば前述のハンドブックに記載されている。
【0078】
用語「二層錠剤」は、水平に重なり合う2つの層がある、または1つまたは2つの薬物のいずれかを含む内部コアおよび少なくとも1つの薬物を含む外層がある錠剤を意味する。たとえば、カルビドパおよびレボドパまたはカルビドパ単独を含む外層およびエンタカポンおよびレボドパまたはエンタカポン単独を含む内部コアがある。1つ以上の薬物を2つの層に分けること、たとえば、カルビドパを外層と内部コアとに分けることも可能である。この種の錠剤およびその製造方法は、たとえば、国際公開第2008/053297に記載されている。他の適切な技術は、たとえば、書籍:The Theory and Practice of Industrial Pharmacy 3rd edition, Lachman L, Lieberman HA and Kanig JL, Lea & Febiger, Philadelphia, 1986に記載されている。そのような二層錠剤には、1つ以上の不活性な層(たとえば、別に薬物を添加することなく製造される層など)が常にあってもよいということに留意すべきである。同様に、不活性内部コア、たとえば錠剤の内部のノンパレルがある可能性がある。
【0079】
用語「三層錠剤」および「多層」錠剤は、水平に重なり合う3つ以上の層がある、または1つの薬物を含む内部コアまたは層、別の薬物を含む第2の層および第三の薬物を含む第三の層がある錠剤を意味する。たとえば、カルビドパを含む外層、およびレボドパを含む次の層、エンタカポンを含む内部コアまたは層がある。また、1つ以上の薬物をいくつかの層に分ける、たとえばカルビドパを外層と第二の層とに分けることも可能である。他の適切な技術は、たとえば、書籍:Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th edition, Ansell HC, Allen LV and Popovich NG, Lippincott Williams & Wilkins,1999に記載されている。そのような三層または多層錠剤には、1つ以上の不活性な層(たとえば、別に薬物を添加することなく製造される層など)が常にあってもよいということに留意すべきである。同様に、不活性内部コア、たとえば錠剤の内部のノンパレルがある可能性がある。
【0080】
用語「ミニ錠剤」は、5mmと同じかまたはそれ以下の長さと幅の寸法(またはその形状によっては直径)を有する圧縮医薬製剤を意味する。
【0081】
用語「ペレット」は、直径サイズが約100ミクロン〜約3mmの範囲であり、そして任意には球形化または他の同様な既知の技術を受けて粒子の上に(たとえばノンパレルの上に)層化することによりまたは押し出しにより作られる実質的に球形の固形粒子を意味する。一般的なペレットは、ミニ錠剤より見かけ上より球形である。
【0082】
用語「即時放出」は、投与時ただちにレボドパを放出し、結果として1時間以内に服用量の80〜100%、好ましくは90〜100%崩壊を生じる医薬製剤を意味する。崩壊試験:USP装置I:50rpm;溶媒:0.1N 塩酸、750ml。
【0083】
本発明の医薬製剤は、一層または多層錠剤(たとえば、二層または三層錠剤)、ミニ錠剤、カプセル、顆粒、ペレット、またはカプセル中のミニ錠剤、顆粒、ペレットもしくはその組み合わせの形態で存在することができる。
【0084】
本発明の製剤を製造するためのいくつかの異なる方法がある。製剤の製造を議論するに当たり、本発明者らは、簡単にするために、COMT阻害剤をエンタカポンと呼ぶ。しかしながら、エンタカポンについて本明細書に記載された方法は、同様に他のCOMT阻害剤の使用に適しているということは理解されるべきであり、COMT阻害剤の量は、必要に応じて、COMT阻害剤の標準的な用量に基づいて当業者に明らかなように調整される。同様に、簡単にするために、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤は、カルビドパと呼ぶが、記載された方法は、同様に他のAADC阻害剤の使用に適しているということは理解されるべきであり、AADC阻害剤の量は、必要に応じて調整される。
【0085】
本発明の製剤を製造するための1つの方法は、まず、たとえば、エンタカポン、レボドパおよびカルビドパの固定経口用組み合わせであって、カルビドパがエンタカポンおよびレボドパから実質的に分離されている組み合わせを記載する米国特許第6,500,867号明細書に開示されているように、製剤への製剤化の前にカルビドパをエンタカポンおよびレボドパと実質的に分離して製剤化するものである。別の方法は、まず、製剤への製剤化前に、エンタカポンをレボドパおよびカルビドパから実質的に分離して製剤化するものである。1つの特別なそのような方法は、別個のエンタカポン含有顆粒または顆粒混合物を、たとえば国際公開第2006/131591に開示されている技術を用いて使用し、そして該顆粒または顆粒混合物をレボドパおよびAADC阻害剤と、固定された組み合わせ製剤または2つの別の製剤としてのいずれかに組み合わせるものである。本発明の製剤を製造するさらなる方法は、任意にはそのまま追加されるレボドパ含有量のさらなる部分と一緒に、製剤への製剤化の前に、まず、一部のレボドパ含有量をエンタカポンと製剤化し、そしてレボドパ含有量のさらなる部分をカルビドパと製剤化する方法である。なお別の方法は、レボドパ、カルビドパおよびエンタカポンの混合物であって、製剤への製剤化の前に、そのすべての部分が任意に前処理される。
【0086】
したがって、本発明の1つの実施態様は、エンタカポンおよびカルビドパは、互いに実質的に分離されている。該分離を達成するためのいくつかの異なる技術がある。たとえば、レボドパおよびエンタカポンを一緒にまたは別々に造粒し、カルビドパをそのまま(すなわち、造粒してないカルビドパ、たとえば粉末形状で)および/または顆粒で添加することによりなし得、またはレボドパおよびカルビドパを造粒し、エンタカポンをそのまま(すなわち、造粒してないカルビドパ、たとえば粉末形状で)および/または顆粒状で添加することによりなし得る。あらゆる既知の造粒方法、たとえば湿式造粒、溶融造粒および乾式造粒が使用できるが、好ましくは、造粒法は湿式造粒である。適切な造粒法は、当技術分野において知られており、適切な賦形剤は、たとえば国際公開第2006/131591号に挙げられている。
【0087】
本発明の特定の実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)大部分のエンタカポンおよび大部分のレボドパを一緒にまたは別々にのいずれかで造粒する工程、
(b)任意に、全てのカルビドパまたはカルビドパの任意の部分を造粒する工程、
(c)工程(a)において得られた生成物を工程(b)の生成物かまたはカルビドパそのものもしくはそれらの混合物と混合する工程、および
(d)工程(c)において得られた生成物ならびにあればエンタカポンおよび/またはレボドパの残りを、錠剤またはミニ錠剤に製剤化する、またはそれを直接カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。この方法は、薬物の放出特性に柔軟性が必要とされる場合に好ましい。
【0088】
本発明の特定の実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)エンタカポンおよびレボドパを一緒にまたは別々にのいずれかで造粒する工程、
(b)カルビドパを造粒する工程、
(c)工程(a)において得られた生成物を工程(b)の生成物と混合する工程、および
(d)工程(c)において得られた生成物を、錠剤またはミニ錠剤に製剤化する工程を含む。
【0089】
本発明の特定の実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)エンタカポンおよびレボドパを一緒にまたは別々にのいずれかで造粒する工程、
(b)5〜80%のカルビドパを造粒する工程、
(c)工程(a)において得られた生成物を工程(b)の生成物およびカルビドパの残りそのものと混合する工程、および
(d)工程(c)において得られた生成物を、錠剤またはミニ錠剤に製剤化する、またはそれを直接カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。
【0090】
本発明の特定の実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)エンタカポンおよびレボドパを一緒にまたは別々にのいずれかで造粒する工程、
(b)5〜40%のカルビドパを造粒する工程、
(c)工程(a)において得られた生成物を工程(b)の生成物およびカルビドパの残りそのものと混合する工程、および
(d)工程(c)において得られた生成物を、錠剤またはミニ錠剤に製剤化する、またはそれを直接カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。
【0091】
本発明の特定の実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)エンタカポンおよびレボドパを一緒にまたは別々にのいずれかで造粒する工程、
(b)15〜20%のカルビドパを造粒する工程、
(c)工程(a)において得られた生成物を工程(b)の生成物およびカルビドパの残りそのものと混合する工程、および
(d)工程(c)において得られた生成物を、錠剤またはミニ錠剤に製剤化する、またはそれを直接カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。
【0092】
本発明の特定の実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)エンタカポンおよびレボドパを一緒にまたは別々にのいずれかで造粒する工程、
(b)工程(a)において得られた生成物をカルビドパのそのものと混合する工程;および
(c)工程(c)において得られた生成物を、錠剤に製剤化する工程を含む。この方法は、単純な製造方法と生成物の良好な安定性を提供する。
【0093】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)大部分のエンタカポンおよび大部分のレボドパを一緒にまたは独立して、顆粒、ミニ錠剤またはペレットに製剤化する工程、
(b)大部分のカルビドパを顆粒、ミニ錠剤またはペレットに製剤化する工程;および
(c)工程(a)において得られた生成物を、工程(b)の生成物およびあれば薬物の残りと混合し、そしてそれをカプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。
【0094】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)大部分のエンタカポンおよび大部分のレボドパを一緒にまたは独立して、顆粒、ミニ錠剤またはペレットに製剤化する工程、
(b)大部分のカルビドパを顆粒、ミニ錠剤またはペレットに製剤化する工程;および
(c)工程(a)において得られた生成物および工程(b)の生成物およびあれば薬物の残りを、単層、二層、三層または多層錠剤に製剤化する工程を含む。
【0095】
本発明の特定の実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)大部分のレボドパおよび大部分のカルビドパを一緒にまたは別々にのいずれかで造粒する工程、
(b)任意に、全てのエンタカポンまたはエンタカポンの任意の部分を造粒する工程、
(c)工程(a)において得られた生成物を、工程(b)において得られた生成物かまたはエンタカポンそのものもしくはそれらの混合物と混合する工程、および
(d)工程(c)において得られた生成物、あればレボドパおよび/またはカルビドパの残りを、錠剤またはミニ錠剤に製剤化する、またはそれを直接カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。好ましくは、レボドパおよびカルビドパは一緒に造粒される。
【0096】
本発明の特定の実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)レボドパおよびカルビドパを一緒にまたは別々にのいずれかで造粒する工程、
(b)エンタカポンを造粒する工程、
(c)工程(a)において得られた生成物を工程(b)の生成物と混合する工程、および
(d)工程(c)において得られた生成物を、錠剤またはミニ錠剤に製剤化する、またはそれをまたはそのミニ錠剤をカプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。好ましくは、レボドパおよびカルビドパは一緒に造粒される。
【0097】
本発明の特定の実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)レボドパおよびカルビドパを一緒にまたは別々にのいずれかで造粒する工程、
(b)5〜100%のエンタカポンを造粒する工程、
(c)工程(a)において得られた生成物を、工程(b)において得られた生成物およびエンタカポンの残りそのものと混合する工程、および
(d)工程(c)において得られた生成物を、錠剤またはミニ錠剤に製剤化する、またはそれを直接カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。
【0098】
本発明の特定の実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)レボドパおよびカルビドパを一緒にまたは別々にのいずれかで造粒する工程、
(b)10〜75%のエンタカポンを造粒する工程、
(c)工程(a)において得られた生成物を、工程(b)の生成物およびエンタカポンの残りそのものと混合する工程、および
(d)工程(c)において得られた生成物を、錠剤またはミニ錠剤に製剤化する、またはそれを直接カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。
【0099】
本発明の特定の実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)レボドパおよびカルビドパを一緒にまたは別々にのいずれかで造粒する工程、
(b)15〜50%のエンタカポンを造粒する工程、
(c)工程(a)において得られた生成物を、工程(b)の生成物およびエンタカポンの残りそのものと混合する工程、および
(d)工程(c)において得られた生成物を、錠剤またはミニ錠剤に製剤化する、またはそれを直接カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。
【0100】
本発明の特定の実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)レボドパおよびカルビドパを一緒にまたは別々にのいずれかで造粒する工程、
(b)工程(a)において得られた生成物をエンタカポンのそのものと混合する工程;および
(c)工程(b)において得られた生成物を、錠剤またはミニ錠剤に製剤化する工程を含む。
【0101】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)カルビドパおよびレボドパを一緒にまたは独立して、顆粒、ミニ錠剤またはペレットに製剤化する工程、
(b)エンタカポンを顆粒、ミニ錠剤またはペレットに製剤化する工程;および工程(a)および(b)において得られた生成物を、カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。好ましくは、レボドパおよびカルビドパは一緒に製剤化される。
【0102】
エンタカポンとカルビドパとを分離するまた別の好適な方法は、国際公開第2010/108845号に記載されており、そこには、a)レボドパの全量の10〜75重量%と組成物に存在するすべてのエンタカポンとの第1の混合物およびb)レボドパの全量の25〜90重量%と組成物に存在するすべてのカルビドパとの第2の混合物およびc)任意には、あれば残りのレボドパを含む第3の混合物を含む製剤を開示している。カルビドパとエンタカポンとの分離を達成するために、2つの混合物a)およびb)が、それらが両方とも粉末状でないように製造される。同じ原理である、国際公開第2010/108845号に開示されているような製造方法および賦形剤は、本発明による製剤の製造にも使用することができる。
【0103】
したがって、本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
a)レボドパの全量の10〜75重量%と組成物に存在するすべてのエンタカポンとの第1の混合物を製造する工程、
b)レボドパの全量の25〜90重量%と組成物に存在するすべてのカルビドパとの第2の混合物を製造する工程;および
c)任意には、残りのレボドパを含む第3の混合物を製造する工程;および
d)工程(a)および(b)および任意には(c)において得られた生成物を、独立して顆粒、錠剤、ミニ錠剤またはペレットに製剤化し、任意には該顆粒、ミニ錠剤またはペレットを、カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。好ましくは、工程(a)および(b)の生成物を一緒に製剤化する場合、そのとき生成物(a)および(b)は、両方粉末状ではない。
【0104】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
a)レボドパの全量の10〜75重量%と組成物に存在するすべてのエンタカポンとを造粒する工程、
b)レボドパの全量の25〜90重量%と組成物に存在するすべてのカルビドパとを造粒する工程;および
c)任意には、残りのレボドパを含む第3の混合物を製造する工程;および
d)工程(a)および(b)およびあれば(c)において得られた生成物を、錠剤またはミニ錠剤に製剤化し、任意には該顆粒またはミニ錠剤を、カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。
【0105】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
a)レボドパの全量の30〜90重量%と組成物に存在するすべてのエンタカポンとの第1の混合物を製造する工程、
b)レボドパの全量の10〜70重量%と組成物に存在するすべてのカルビドパとの第2の混合物を製造する工程;および
c)任意には、残りのレボドパを含む第3の混合物を製造する工程;および
d)工程(a)および(b)および任意には(c)において得られた生成物を、独立して顆粒、錠剤、ミニ錠剤またはペレットに製剤化し、任意には該顆粒、ミニ錠剤またはペレットを、カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。好ましくは、工程(a)および(b)の生成物を一緒に製剤化する場合、そのとき生成物(a)および(b)は、両方粉末状ではない。
【0106】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
a)レボドパの全量の50〜80重量%と組成物に存在するすべてのエンタカポンとの第1の混合物を製造する工程、
b)レボドパの全量の20〜50重量%と組成物に存在するすべてのカルビドパとの第2の混合物を製造する工程;および
c)任意には、残りのレボドパを含む第3の混合物を製造する工程;および
d)工程(a)および(b)および任意には(c)において得られた生成物を、独立して顆粒、錠剤、ミニ錠剤またはペレットに製剤化し、任意には該顆粒、ミニ錠剤またはペレットを、カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。好ましくは、工程(a)および(b)の生成物を一緒に製剤化する場合、そのとき生成物(a)および(b)は、両方粉末状ではない。
【0107】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
a)レボドパの全量の30〜90重量%と組成物に存在するすべてのエンタカポンとを造粒する工程、
b)レボドパの全量の10〜70重量%と組成物に存在するすべてのカルビドパとを造粒する工程;および
c)任意には、残りのレボドパを含む第3の混合物を製造する工程;および
d)工程(a)および(b)およびあれば(c)において得られた生成物を、錠剤またはミニ錠剤に製剤化し、任意には該顆粒またはミニ錠剤を、カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。
【0108】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
a)レボドパの全量の50〜80重量%と組成物に存在するすべてのエンタカポンとを造粒する工程、
b)レボドパの全量の20〜50重量%と組成物に存在するすべてのカルビドパとを造粒する工程;および
c)任意には、残りのレボドパを含む第3の混合物を製造する工程;および
d)工程(a)および(b)およびあれば(c)において得られた生成物を、錠剤またはミニ錠剤に製剤化し、任意には該顆粒またはミニ錠剤を、カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。
【0109】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)任意に前処理されたレボドパ、任意に前処理されたカルビドパおよび任意に前処理されたエンタカポンの混合物を製造する工程、
(b)工程(a)において得られた生成物を、顆粒、錠剤、ミニ錠剤、ペレットに製剤化し、任意には該顆粒、ミニ錠剤またはペレットを、カプセル、小袋もしくはディスペンサーに充填する工程を含む。
【0110】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、
(a)任意に前処理されたレボドパ、任意に前処理されたカルビドパおよび任意に前処理されたエンタカポンの混合物を製造する工程、
(b)工程(a)において得られた生成物を錠剤に圧縮する工程を含む。この方法は、単純で着実な製造方法を提供し、非微細化薬物(たとえば、中型の粗いエンタカポン)も使用できる。
【0111】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
含む経口用固形製剤であって、レボドパを崩壊試験(USP装置I(バスケット)50rpm、溶媒:0.1N 塩酸、容量750ml)において該製剤から1時間以内に放出させる経口用固形製剤が提供される。
【0112】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
含む経口用固形製剤であって、割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であり、90〜100%のレボドパを崩壊試験(USP装置I(バスケット)50rpm、溶媒:0.1N 塩酸、容量750ml)において該製剤から1時間以内に放出させる経口用固形製剤が提供される。
【0113】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
含む経口用固形製剤であって、20〜100%のカルビドパを崩壊試験(USP装置I(バスケット)50rpm、溶媒:0.1N 塩酸、容量750ml)において該製剤から1時間以内に放出させる経口用固形製剤が提供される。
【0114】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
含む経口用固形製剤であって、40〜100%のカルビドパを崩壊試験(USP装置I(バスケット)50rpm、溶媒:0.1N 塩酸、容量750ml)において該製剤から1時間以内に放出させる経口用固形製剤が提供される。
【0115】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
含む経口用固形製剤であって、20〜100%のエンタカポンを崩壊試験(USP装置I(バスケット)125rpm、溶媒:リン酸緩衝液pH5.5、容量900ml)において該製剤から1時間以内に放出させる経口用固形製剤が提供される。
【0116】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
含む経口用固形製剤であって、40〜100%のエンタカポンを崩壊試験(USP装置I(バスケット)125rpm、溶媒:リン酸緩衝液pH5.5、容量900ml)において該製剤から1時間以内に放出させる経口用固形製剤が提供される。
【0117】
本発明の製剤は、たとえば、1つ以上のフィラー、結合剤、崩壊剤、溶解促進剤、流動促進剤、潤滑剤(該当する場合、たとえば錠剤化する場合)ならびにほかの医薬賦形剤を含むことができる。賦形剤の最大量は、通常、製剤の50〜60重量%である。
【0118】
賦形剤の量は、問題となる技術の選択、および同じ技術、たとえば、造粒がすべての薬物を製剤化するために使用されるかどうかに依存する。たとえば、湿式造粒がすべての薬物の製剤化に使用される場合、結合剤の量は、通常、製剤の総重量の約0.1重量%〜約50重量%である。
【0119】
崩壊剤の量は、通常、製剤の総重量の約1重量%〜約30重量%である。溶解促進剤の典型的な量は、製剤の総重量の約1重量%〜約40重量%である。希釈剤またはフィラーの典型的な量は、製剤の総重量の約1重量%〜約60重量%である。流動促進剤の典型的な量は、製剤の総重量の約0.1重量%〜約20重量%である。潤滑剤の典型的な量は、製剤の総重量の約0.1重量%〜約10重量%である。放出速度を制御する賦形剤の典型的な量は、製剤の総重量の約0.1重量%〜約60重量%である。同時処理(co-processed)賦形剤の典型的な量は、製剤の総重量の約1重量%〜約60重量%である。
【0120】
1つの実施態様において、本発明の製剤は、たとえば加工助剤として使用し得る希釈剤またはフィラーを含む。希釈剤またはフィラーは、たとえば1つ以上の、炭酸カルシウム(Barcroft、Cal−Carb、CalciPure、Destab、MagGran、Millicarb、Pharma−Carb、Precarb、Sturcal、Vivapres Ca)、第二リン酸カルシウム無水物(A−TAB、Di−Cafos A−N、Emcompress Anhydrous、Fujicalin)、第二リン酸カルシウム二水和物(Cafos、Calipharm、Calstar、Di−Cafos、Emcompress)、第三リン酸水素カルシウム(Tri−Cafos、TRI−CAL WG、TRI−TAB)、硫酸カルシウム(Destab、Drierite、Snow White、Cal−Tab、Compactrol、USG Terra Alba)、粉末セルロース(Arbocel、Elcema、Sanacel、Solka−Floc)、ケイ化微結晶性セルロース(ProSolv)、酢酸セルロース、圧縮用糖(Di−Pac)、製菓用砂糖(confectioner's sugar)、デキストラン(Candex、Emdex)、デキストリン(Avedex、Caloreen、Crystal Gum、Primogran W)、デキストロース(Caridex、Dextrofin、Lycadex PF、Roferose、Tab fine D−IOO)、フルクトース(Advantose、Fructamyl、Fructofin、Krystar)、カオリン(Lion、Sim 90)、ラクチトール(Finlac ACX、Finlac DC、Finlac MCX)、ラクトース(Aero Flo 20、Aero Flo 65、Anhydrox、CapsuLac、Fast−Flo、FlowLac、GranuLac、InhaLac、Lactochem、Lactohale、Lactopress、Microfine、Microtose、Pharmatose、Prisma Lac、Respitose、SacheLac、SorboLac、Super−Tab、Tablettose、Wyndale、Zeparox)、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム(MagGran MO)、イソマルト(Galen IQ、Isomaltidex、Palatinit)、マルトデキストリン(C*Dry MD、Glucidex、Glucodry、Lycatab DSH、Maldex、Maltagran、Maltrin、Maltrin QD、Paselli MD 10 PH、Star−Dri)、マルチトール(C*PharmMaltides、Maltisorb、D−maltitol、Maltit、Amalty、Malbit)、マルトース(Advantose 100)、マンニトール(Mannogem、Pearlitol)、微結晶性セルロース(Avicel PH、Celex、Celphere、Ceolus KG、Emcocel、Ethispheres、Fibrocel、Pharmacel、Tabulose、Vivapur)、ポリデキストロース(Litesse)、シメチコン(Dow Corning Q7− 2243 LVA、Cow Corning Q7−2587、Sentry Simethicone)、アルギン酸ナトリウム(Kelcosol、Keltone、Protanal)、塩化ナトリウム(Alberger)、ソルビトール(Liponec 70−NC、Liponic 76−NC、Meritol、Neosorb、Sorbifin、Sorbitol Instant、Sorbogem)、デンプン(Aytex P、Fluftex W、Instant Pure−Cote、Melojel、Meritena Paygel 55、Perfectamyl D6PH、Pure−Bind、Pure− Cote、Pure−Dent、Pure−Gel、Pure−Set、Purity 21、Purity 826、Tablet White)、アルファ化デンプン(Instastarch、Lycatab C、Lycatab PGS、Merigel、National 78−1551、Pharma−Gel、Prejel、Sepistab ST 200、Spress B820、Starch 1500 G、Tablitz、Unipure LD、Unipure WG220)、ショ糖、トレハロースおよびキシリトール(Klinit、Xylifm、Xylitab、Xylisorb、Xylitolo)であり得る。
【0121】
1つの実施態様において、本発明の製剤は結合剤を含む。結合剤は、たとえば以下:アカシアゴム、アルギン酸(Kelacid、Protacid、Satialgine H8)、カルボマー(Acritamer、Carbopol、Pemulen、Ultrez)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Akucell、Aquasorb、Blanose、Finnfix、Nymcel、Tylose)、セラトニア(Meyprofleur)、綿実油、デキストリン(Avedex、Caloreen、Crystal Gum、Primogran W)、デキストロース(Caridex、Dextrofm、Lycedex PF、Roferose、Tabfme D−IOO)、ゼラチン(Cryogel、Instagel、Solugel)、グァーガム(Galactosol、Meprogat、Meyprodor、Meyprofm、Meyproguar)、硬化植物油I型(Akofine、Lubritab、Sterotex、Dynasan P60、Softisan 154、Hydrocote、Lipovol,HS−K、Sterotex HM)、ヒドロキシエチルセルロース(Alcoramnosan、Cellosize、Idroramnosan、Liporamnosan、Natrosol、Tylose PHA)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(Culminal、Tylopur MH、Tylopur MHB、Tylose、MB、Tylose MH、Tylose MHB)、ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel、Methocel、Nisso HPC)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(Benecel MHPC、Methocel、Metolose、Pharmacoat、Spectracel 6、Spectracel 15、Tylopur)、メチルセルロース(Benecel、Culminal MC)、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(Carrisorb、Gelsorb、Magnabite、Neusilin、Pharmsorb、Veegum)、マルトデキストリン(C*Dry,MD、Glucidex、Glucodry、Lycatab DSH、Maldex、Maltagran、Maltrin、Maltrin QD、Paselli MD 10 PH、Star−Dri)、マルトース(Advantose 100)、メチルセルロース(Benecel、Culminal MC、Methocel、Metolose)、微結晶性セルロース(Avicel PH、Celex、Celphere、Ceolus KG、Emcocel、Ethispheres、Fibrocel、Pharmacel、Tabulose、Vivapur)、ポリデキストロース(Litesse)、ポリエチレンオキシド(Polyox)、ポリメタクリレート(Eastacryl 30D、Eudragit、Kollicoat MAE 30D、Kollicoat MAE 30DP)、ポビドン(Kollidon、Plasdone)、アルギン酸ナトリウム(Kelcosol、Keltone、Protanal)、デンプン(Aytex P、Fluftex W、Instant Pure− Cote、Melojel、Meritena Paygel 55、Perfectamyl D6PH、Pure−Bind、Pure−Cote、Pure−Dent、Pure−Gel、Pure−Set、Purity 21、Purity 826、Tablet White)、アルファ化デンプン(Instastarch、Lycatab C、Lycatab PGS、Merigel、National 78−1551、Pharma−Gel、Prejel、Sepistab ST 200、Spress B820、Starch 1500 G、Tablitz、Unipure LD、Unipure WG 220)、ステアリン酸(Crodacid、Emersol Hystrene、Industrene、Kortacid 1895、Pristerene)、ショ糖およびゼインの1つ以上であり得る。
【0122】
本発明の1つの実施態様において、結合剤はホットメルト造粒における使用に適した結合剤(ホットメルト結合剤)である。そのような結合剤は、たとえば以下:ポリエチレングリコール(Breox PEG、Carbowax、Hodag PEG、Lutrol E)、ステアリン酸、パラフィン、ヒマシ油、硬化(Castorwax、Castorwax MP 70、Castorwax MP 80、Opalwax、Sinulsol)、カルナルバロウ、カンデリラロウ、綿実油、硬化(Lubritab、Sterotex)、モノステアリン酸グリセリン(Advawax 140、Atmul 67、Citomulgin M、Estol 603、Hodag GMS、Myvaplex 600P)、アセチル化グリセロールモノステアレート、ソルビタンモノステアレート(Capmul S、Liposorb S、Protachem SMS、Span 60)、パルミチン酸ヘキサデシル、ステアリン酸オクタデシル、トリミリスチン酸グリセリン(Dynasan 114)、トリラウリン酸グリセリン(Dynasan 112)、トリパルミチン酸グリセリン(Dynasan 116)、トリステアリン酸グリセリン(Dynasan 118)およびベヘン酸グリセリン(Compritol 888 Ato)の1つ以上であり得る。
【0123】
1つの実施態様において、本発明の製剤は崩壊剤を含む。崩壊剤は、たとえば、以下:アルギン酸(Kelacid、Protacid、Satialgine H8)、第三リン酸カルシウム(Tri−Cafos、TRI−CAL WG、TRI−TAB)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(ECG 505、Nymcel ZSC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Akucell、Aquasorb、Blanose、Finnfix、Nymcel Tylose CB)、コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil、Cab−O−Sil、Cab−O−Sil M−5P、Wacker HDK)、クロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−SoI、Explocel、Nymcel ZSX、Pharmacel XL、Primellose、Solutab、Vivasol)、クロスポビドン(Kollidon CL、Kollidon CL−M、Polyplasdone XL、Polyplasdone XL−IO)、ドクサートナトリウム、グァーガム(Galactosol、Meprogat、Meyprodor、Meyprofin、Meyproguar)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(Carrisorb、Gelsorb、Magnabite、Neusilin、Pharmsorb、Veegum)、メチルセルロース(Benecel、Culminal MC、Methocel、Metolose)、微結晶性セルロース(Avicel PH、Celex、Celphere、Ceolus KG、Emcocel、Ethispheres、Fibrocel、Pharmacel、Tabulose、Vivapur)、ポビドン(Kollidon、Plasdone)、アルギン酸ナトリウム(Kelcosol、Keltone、Protanal)、デンプングリコール酸ナトリウム(Explotab、Primojel、Vivastar P)、ポラクリリンカリウム(Amberlite IRP88)、ケイ化微結晶性セルロース(ProSolv)、デンプン(Aytex P、Fluftex W、Instant Pure−Cote、Melojel、Meritena、Paygel 55、Perfectamyl D6PH、Pure−Bind、Pure− Cote、Pure−Dent、Pure−Gel、Pure−Set、Purity 21、Purity 826、Tablet White)またはアルファ化デンプン(Instanstarch、Lycatab C、Lycatab PGS、Merigel、National 78−1551、Pharma−Gel、Prejel、Sepistab ST 200、Spress B820、Starch 1500 G、Tablitz、Unipure LD and Unipure WG220)の1つ以上であり得る。
【0124】
1つの実施態様において、本発明の製剤は、溶解促進剤を含む。溶解促進剤は、たとえば、以下:シクロデキストリン(Cavitron、Encapsin、Rhodocap、Kleptose)、モノステアリン酸グリセリン(Abracol SLG、Admul、Myvaplex 600P)、レシチン、ポロキサマー(Lutrol、Monolan、Pluronic)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(ポリソルベート)(Tween)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(Cremophorシリーズ)、ドクサートナトリウム(Cropol)、ラウリル硫酸ナトリウム(Elfan 240、Maprofix 563)、ソルビタンエステル(ソルビタン脂肪酸エステル)(Span)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール(PEG)、ラウリルマクロゴールグリセリド(Gelucire)およびd−α−トコフェニルPEGコハク酸(Vitamin E TPGS NF)の1つ以上であり得る。
【0125】
1つの実施態様において、本発明の製剤は、放出速度を制御する賦形剤を含む。放出制御賦形剤は、たとえば、ヒドロキシプロピルセルロース、ピプロメロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、セルロースエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)、微結晶性セルロース、カルボマー、カルボマー類、カルボマー共重合体、ポビドン(Kollidon、Plasdone)、酢酸ポリビニル−ポビドン(Kollidon SR)、脂肪酸、脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ステアリルアルコール、モノステアリン酸グリセリン(Capmul GMS−50、Cutina GMS、Imwitor 191 and 900、Kessco GMS5 Lipo GMS 410、450 and 600、Myvaplex 600P、Myvatex、Protachem GMS−450、Rita GMS、Stepan GMS、Tegin、Tegin 503 and 515、Tegin 4100、Tegin M、Unimate GMS)、ベヘン酸グリセリン(Compritol 888 ATO)、パルミトステアリン酸グリセリン(Precirol ATO 5)、硬化ヒマシ油(Castorwax、Castorwax MP 70、Castorwax MP 80、Croduret、Cutina HR、Fancol、Simulsol 1293)、硬化植物油I型(Akofine、Lubritab、Sterotex、Dynasan P60、Softisan 154、Hydrocote、Lipovol HS−K、Sterotex HM)、カルナルバロウ、シェラック、ロジン、ゼイン、トラガントガム、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム(Ceratoria)の1つ以上であり得る。好適なポリマーの他の例としては、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒプロメロース、酢酸コハク酸ヒプロメロース、酢酸ポリビニル、酢酸フタル酸ポリビニル、アルギン酸およびアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸プロピレングリコールなどのアルギン酸の塩が挙げられるがそれらに限定されるものではない。また、放出速度制御剤は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートおよび/またはエチルメタクリレートなどのアクリル酸ポリマーおよびコポリマー、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのコポリマーなど(Eudragit NE、Eudragit RL、Eudragit RS、Eudragit FS30D、Eudrgit L、Eudragit S、 Eudragit S100、Eudragit L100−55、RS30D、RL30D、NE30 D、Kollicoat MAE 30D、Kollicoat MAE 30DP、Acryl EZE、Acryl EZE−MP、Eastacryl 30D )、およびそれらのあらゆる混合物または組み合わせ、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースLF、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースHFおよびその他があげられる。
【0126】
1つの実施態様において、本発明の製剤は流動促進剤を含む。流動促進剤は、たとえば、以下:第三リン酸カルシウム(Tri−Cafos、TRI−CAL、TRI−TAB)、ケイ酸カルシウム、セルロース、粉末(Arbocel、Elcema、Sanacel、Solka−Floc)、コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil、Cab−O−Sil、Cab−O−Sil M−5P、Wacker HDK)、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、デンプン(Aytex P、Fluftex W、Instant Pure−Cote、Melojel、Meritena、Paygel 55、Perfectamyl D6PH、Pure− Bind、Pure−Cote、Pure−Dent、Pure−Gel、Pure−Set、Purity 21、Purity 826、Tablet White)およびタルク(Altalc、Luzenac、Luzenac Pharma、Magsil Osmanthus、Magsil Star、Superiore)の1つ以上であり得る。
【0127】
1つの実施態様において、製剤は錠剤またはコア錠剤であり、そして潤滑剤が錠剤化の改善のために使用され得る。潤滑剤は、たとえば、以下:ステアリン酸カルシウム(HyQual)、モノステアリン酸グリセリン(Capmul GMS−50、Cutina GMS、Imwitor 191 and 900、Kessco GMS5 Lipo GMS 410、450 and 600、Myvaplex 600P、Myvatex、Protachem GMS−450、Rita GMS、Stepan GMS、Tegin、Tegin 503 and 515、Tegin 4100、Tegin M、Unimate GMS)、ベヘン酸グリセリン(Compritol 888 ATO)、パルミトステアリン酸グリセリン(Precirol ATO 5)、硬化ヒマシ油(Castorwax、Castorwax MP 70、Castorwax MP 80、Croduret、Cutina HR、Fancol、Simulsol 1293)、硬化植物油I型(Akofine、Lubritab、Sterotex、Dynasan P60、Softisan 154、Hydrocote、Lipovol HS−K、Sterotex HM)、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、中鎖トリグリセリド(Captex 300、Captex 355、Crodamol GTC/C、Labrafac CC、Miglyol 810、Miglyol 812、Myritol、Neobee M5、Nesatol、Waglinol 3/9280)、ポロキサマー(Lutrol、Monolan、Pluronic、Supronicm、Synperonic)、ポリエチレングリコール(Carbowax、Carbowax Sentry、Lipo、Lipoxol、Lutrol E、Pluriol E)、安息香酸ナトリウム(Antimol)、塩化ナトリウム(Alberger)、ラウリル硫酸ナトリウム(Elfan 240、Texapon Kl 2P)、フマル酸ステアリルナトリウム(Pruv)、ステアリン酸(Crodacid E570、Emersol、Hystrene、Industrene、Kortacid 1895、Pristerene)、タルク(Altalc、Luzenac、Luzenac Pharma、Magsil Osmanthus、Magsil Star、Superiore)、ステアリン酸スクロース(Surfhope SE Pharma D−1803 F)およびステアリン酸亜鉛(HyQual)の1つ以上であり得る。
【0128】
1つの実施態様において、本発明の製剤は、同時処理賦形剤として、前記性質の改善のためのそれらの機能により、これらの成分のあらゆる組み合わせを含む。そのうちのいくつかは、セルロースやケイ化微結晶性セルロース(ProSolv)または微結晶性セルロース−二酸化ケイ素−デンプングリコール酸ナトリウムおよびフマル酸ステアリルナトリウム(ProSolv EASYtab)のように市販されている。
【0129】
本発明の1つの実施態様において、本明細書に開示される錠剤、ミニ錠剤、顆粒および/またはペレットは、コーティングされてもよい。本発明の1つの実施態様において、コーティングは、以下のポリマー:セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アクリル酸ポリマーまたは糖誘導体の1つ以上を含む。好ましくは、水性コーティングが使用される。コーティングは、可塑剤、染料、レーキ顔料(colour lakes)、着色顔料、たとえば鉄黄または弁柄などの酸化鉄および二酸化チタンなどを含むことができる。
【0130】
本発明の製剤に使用されるエンタカポンは、好ましくは、実質的に純粋な(E)−異性体であり、その製造方法は、米国特許第5,135,950号明細書に記載されている。(E)−異性体は、種々の多形を取ることができ、たとえば多形Aは米国特許第5,135,950号明細書に開示されており、また多形Dは国際公開第2005/063696号に開示されている。
【0131】
エンタカポンの水への溶解度はかなり遅い。難溶性のため、エンタカポンの崩壊速度が、消化管におけるエンタカポンの吸収に対する律速因子となる。国際公開第2006/131591号は、吸収を促進するために、粒子サイズを小さくしたエンタカポン(すなわちエンタカポン粒子の少なくとも90%が、55ミクロンよりも小さい、たとえば35ミクロンよりも小さい直径を有する)が、エンタカポンを含む顆粒の作製時に好ましく使用されるということが記載されている。エンタカポンのそのような微細粒子の比表面積(SSA)は、通常2.0m2/gよりも大きい。
【0132】
したがって、本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、該製剤の製造方法においては、2m2/g〜20m2/gの比表面積を有するエンタカポンが使用されている。
【0133】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、該製剤の製造方法においては、2.2m2/g〜7m2/gの比表面積を有するエンタカポンが使用されている。
【0134】
しかしながら、粒子サイズを小さくしたエンタカポン粒子は、製造上の問題を引き起こす傾向がある。微細な粒子サイズに関連する可能性のある問題は、内容物の均一性(すなわち異なるユニット間でのエンタカポンの再現性)の低下という結果を生じ得る流動性の低下および凝集などである。粗い粒子サイズの使用は、したがって、有利である。そのような粗い粒子サイズは、たとえば、直接圧縮が安くて有効な製造方法である場合、有利である直接圧縮において使用される。今回、驚くべきことに、本発明の製剤を製造する場合に、そのような小さい粒子サイズのエンタカポンを用いる必要はない(可能ではあるが)ということが本件出願人により見出された。それどころか、国際公開第2006/131591号に開示されているものよりも大きい粒子サイズのエンタカポンを用いる場合、Cmax、すなわちTmaxまでの時間が短縮されることにより、レボドパの薬物動態プロファイルに影響を与えることができる。短縮されたTmaxは、無動症、硬直および足のジストニアなどの煩わしい早朝のパーキンソン病の症状を示す患者に極めて貴重であるといえる。
【0135】
したがって、本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、該製剤の製造方法においては、0.2m2/gから2m2/gよりも小さい比表面積を有するエンタカポンが使用される。0.2m2/g〜2m2/gのSSAを有するエンタカポン粒子は、主に中型粒子からなるとみなされる。
【0136】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、該製剤の製造方法においては、0.2m2/g〜1.0m2/gの比表面積を有するエンタカポンが使用される。
【0137】
なお、本発明の別の実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、該製剤の製造方法においては、0.01m2/gから0.2m2/gより小さい比表面積を有するエンタカポンが使用される。0.01m2/g〜0.2m2/gのSSAを有するエンタカポン粒子は、主に粗いサイズの粒子からなるとみなされる。
【0138】
本発明の製剤において使用するためのレボドパの粒子サイズは、レボドパを含む製剤において通常使用されるものと同じ粒子サイズが使用できる。市販されているレボドパの粒子サイズは、一般的に適したものである。
【0139】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、該製剤の製造方法においては、0.1〜0.2m2/gの比表面積を有するエンタカポンが使用される。
【0140】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、該製剤の製造方法においては、0.1〜1.0m2/gの比表面積を有するレボドパが使用される。
【0141】
本発明の製剤において使用するためのカルビドパの粒子サイズは、カルビドパを含む製剤において通常使用されるものと同じ粒子サイズが使用できる。
【0142】
本発明の1つの実施態様において、
(i)50mg〜200mgのレボドパ、
(ii)65mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)100mg〜200mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.66:1.0〜3.08:1.0であるエンタカポン
を含む経口用固形製剤の製造方法が提供され、該製剤の製造方法においては、0.5〜10m2/gの比表面積を有するカルビドパが使用される。
【0143】
SSA値は、本技術分野において周知のBET(Brunauer−Emmett−Teller)技術により(たとえば、Coulter SA3100,Coulter Corp.またはTriStar 3000、Micromeritics、または他の相当する装置を用いて)3点窒素ガス吸着法を用いて測定される。
【0144】
本開示による製剤ならびにその製造方法において使用されるエンタカポン粒子は、所望の比表面積および/または粒子サイズ分布を有する粒子を得るための技術分野において使用されるあらゆる方法により製造することができる。したがって、それらは、生産規模プロセスから直接(たとえば直接結晶化により)、または該エンタカポン粒子の粒子サイズを、たとえば機械的に(たとえば、ミル加工、たとえばボールミル、流体エネルギー摩擦粉砕機またはジェットミルにより)、超音波手段により、および/または分留により小さくして得ることができる。所望のサイズの粒子を提供し、また本明細書において言及している製造技術に対する一般的な教科書の参考資料として、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed, 1990, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania 18042について述べる。適切な製造技術は、Pharmaceutics the Sicence of Dosage From Design Ed. M.E. Aulton, 2000にも見られる。
【0145】
カルビドパ以外の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤の粒子サイズおよびエンタカポン以外のCOMT阻害剤の粒子サイズは、これらの物質を含む製剤において通常使用されるサイズと同様でよく、市販されている原料は適切な粒子サイズのものである。
【0146】
所定の製剤の製造方法が本開示に照らして本明細書に記載されているときはいつでも、本発明が、当該方法を用いて得られ得る製剤をも含むものであることは理解されるものである。したがって、本発明は、前記方法、とくに段落番号[085]〜[110]または[132]〜[143]のいずれかに開示された方法により得られ得る顆粒、錠剤、ミニ錠剤、ペレット、カプセル、小袋またはディスペンサーを含むシングルユニット製剤およびマルチプル−ユニット製剤などの製剤、特に経口固形製剤にも関する。さらに、量、範囲、賦形剤、粒子サイズ、製剤化の方法、パラメータなどに関する本明細書におけるあらゆる特定の開示は、方法(たとえば、体の治療方法または製造方法)または製剤などの製品であろうとなかろうと本明細書に記載されたあらゆる実施態様に、当業者に明らかなものとして適用される。
【0147】
本開示は、前述した量の、レボドパ、カルビドパもしくは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、およびエンタカポン、中程度に強力なCOMT阻害剤もしくは極めて強力なCOMT阻害剤の同時または連続投与のためのキットも提供する。キットは、レボドパ、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤(カルビドパなど)およびCOMT阻害剤(エンタカポンなど)を任意の組み合わせで含むことができる。そのため、キットは、前記に定義されたようにシングルユニットおよびマルチユニット製剤の任意の組み合わせで経口固形製剤から構成され得る。したがって、1つの実施態様において、キットは、前記に定義したようなシングル経口製剤から構成され得る。たとえば、そのようなキットは、それぞれにレボドパ、カルビドパおよびエンタカポンを含む多数の錠剤を、設定した時間間隔での個々の投与のために含む。
【0148】
別の実施態様において、キットは、薬物を含む個別の錠剤の形態ですべてのマルチユニット製剤から構成され得る。一例として、そのようなキットは、エンタカポンを1つの錠剤に、そしてレボドパおよびカルビドパを含む別の錠剤を連続投与のために含むことができる。さらなる態様において、キットは、たとえば、ミニ錠剤、顆粒またはペレットを充填したカプセル、小袋またはディスペンサーなどの複数の経口固形ユニットの形態でマルチユニット製剤(すなわち、マルチユニットまたはマルチ粒子製剤)を含み得る。別の実施態様において、キットは、1つ以上のシングル経口製剤および1つ以上のマルチ−ユニット製剤を含み得る。したがって、キットのさらなる例は、(1)COMT阻害剤、レボドパおよびカルビドパを含むシングル経口製剤および(2)さらに、レボドパおよびカルビドパ、および任意にはエンタカポンなどの同じCOMT阻害剤または異なるCOMT阻害剤を含む個別投与のための経口固形製剤(シングル経口製剤またはマルチ−ユニット製剤)を含み得る。
【0149】
本開示は、以下の非限定的実施例により説明される。
【実施例】
【0150】
実施例1
本試験の第1の目的は、エンタカポンの同時投与ありおよびなしでの、異なるカルビドパ用量レベルのレボドパの薬物動態(PKs)に対する影響を評価することであった。これは、ヒト被験者における反復投与設定での組合せの影響を評価する初めての試験であった。カルビドパおよびエンタカポンのような物質によるAADCおよびCOMT阻害剤の存在下におけるレボドパの薬物動態は、複雑であり、ヒトまたは動物モデルにおける単回投与PKデータに基づいたモデルを作成することは困難である。しかしながら、健康な被験者におけるレボドパPKは、PD患者において見られるものと同様であるということが先に示されており、したがって、この試験の結果は、どのようなレボドパPKがPD患者において存在し、そしてどのようにレボドパPKがPDの症状の制御を予測するであろうかを示す。
【0151】
合計25人の被験者を本試験に登録した。本試験の被験者は、無作為に各治療期間、200mgのエンタカポンまたは相当するプラシーボのいずれかを投与されるよう割り振られた。エンタカポン、または相当するプラシーボは、100mgのレボドパと25mgのカルビドパとを同時に、3.5時間間隔で1日に4回投与された。加えて、本試験の被験者は、カルビドパの追加的な服用レベル(0mg、25mg、および75mg)の1つを各治療期間に無作為な順番で投与された。
【0152】
各被験者が3つの期間を共有するように、クロスオーバー計画で、同じ被験者について各カルビドパ服用レベルについて1つの、3つの治療期間が設けられた。同じカルビドパ投与量で2つの群があり、1つの群はエンタカポン投与を併用し、1つの群はエンタカポン投与を併用しなかった。この試験計画により、エンタカポンのカルビドパ投与量に対する影響は拡大し、レボドパPKに続いてヒトの反復投与設定において評価された。
【0153】
投与量の組合せは、
A:エンタカポン200mg+レボドパ100mg+カルビドパ25mg
B:エンタカポン200mg+レボドパ100mg+カルビドパ50mg
C:エンタカポン200mg+レボドパ100mg+カルビドパ100mg
E:レボドパ100mg+カルビドパ25mg
F:レボドパ100mg+カルビドパ50mg
G:レボドパ100mg+カルビドパ100mg
である。
【0154】
1日の最初と最後の服用後に、全レボドパおよびカルビドパ血漿濃度(ちょうどつぎの服用の3.5時間前と7.0時間前)を評価した。レボドパに関する結果は、図1に示し、カルビドパに関する結果は図2に示す。
【0155】
結果により、反復投与計画において、そしてエンタカポンの存在下、カルビドパ投与量が増加すると、被験者におけるレボドパの薬物動態は顕著に改善されている。エンタカポンなしでは、カルビドパ投与量の増加はそのような効果を示さなかった。つまり、三剤併用(すなわち同時)または連続投与される薬物の割合を変えることにより、レボドパの薬物動態およびその後のパーキンソン病の兆候および症状の治療は、有意に改善することができるということである。
【0156】
実施例2
本試験の第1の目的は、種々のエンタカポン投与量レベルの同時投与と共に、および中程度に強力なCOMT阻害剤トルカポンと共に、レボドパの薬物動態(PKs)に対する種々のカルビドパ投与量レベルの影響を評価することである。
【0157】
本試験の被験者は、各治療期間、全部で12種類の用量の組み合わせにおいて、カルビドパの用量の増加と調和して、エンタカポンの増加する投与量またはトルカポンの標準投与量のいずれかを投与した。エンタカポンは、レボドパ100mgおよびカルビドパ25mgと同時に、3.5時間の時間間隔で1日に4回投与し、トルカポンは、1日に3回投与した。加えて、本試験の被験者は、増加するカルビドパ用量レベルを投与された。
【0158】
3つの群があり、1人の被験者が4つの期間を共有するように、クロスオーバー計画で、1つは各カルビドパ用量レベルに対するものであり、各群において4つの治療期間があり、1つは各エンタカポン用量レベルまたはトルカポンに対するものであり、そして、1つは同じ被験者に対するものである。本試験計画では、エンタカポンとトルカポンのカルビドパ用量に対する影響が拡大し、レボドパのPKに続いて、ヒトの反復投与設定において評価された。
【0159】
1日の各レボドパ服用の後、レボドパの血漿プロファイルを評価した。増加させたカルビドパ用量での、エンタカポン用量の上昇、およびトルカポンの標準用量の服用後のレボドパの血漿濃度を図3に示す。
【0160】
結果により、反復投与計画において、またCOMT阻害剤服用量を増加させること、またはより強力なCOMT−阻害剤を使用することのいずれかによるCOMT阻害の増加で、カルビドパ服用量の増加がヒトの被験者におけるレボドパの薬物動態を顕著に改善することが証明された。つまり、三剤併用(すなわち同時に)または連続投与される薬物の割合を変えることにより、レボドパの薬物動態およびその後のパーキンソン病の兆候および症状の治療は、有意に改善することができるということである。
【0161】
実施例3
好適なエンタカポン/レボドパ/カルビドパ錠剤製剤の例を表1および2に記載する(製剤1〜4)。錠剤は、カルビドパを顆粒として製剤に別途加えることにより製造した。したがって、エンタカポンおよびレボドパは、トウモロコシデンプン、マンニトール、クロスカルメロースナトリウムおよびポビドンと共に高せん断ミキサーにおいて造粒した。カルビドパは別途、トウモロコシデンプン、マンニトール、クロスカルメロースナトリウムおよびポビドンと共に高せん断ミキサーにおいて湿式造粒した。乾燥エンタカポン/レボドパ顆粒、乾燥カルビドパ顆粒、クロスカルメロースナトリウム、マンニトール(および製剤3〜4ではヒマシ油、硬化)、およびステアリン酸マグネシウムを一緒に混合し、得られた塊を錠剤に圧縮し、着色顔料を含むHPMC−コーティングで被覆した。
【0162】
【表1】

【0163】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーキンソン病の治療方法であって、パーキンソン病の治療を必要とする患者に、
(i)50mg〜300mgのレボドパ、
(ii)25mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)50mg〜300mgのエンタカポンであって、カルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.33:1.0〜3.2:1.0であるエンタカポン、25mg〜200mgの中程度に強力なCOMT阻害剤であって、カルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.16:1.0〜3.08:1.0であるCOMT阻害剤、または1mg〜100mgの極めて強力なCOMT阻害剤であって、カルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.006:1.0〜1.54:1.0であるCOMT阻害剤
を同時にまたは連続的に投与することを含む方法。
【請求項2】
前記治療が、前記治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤を投与することを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤がベンセラジドである請求項2記載の方法。
【請求項4】
投与が経口である請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記治療が経口用固形製剤を経口的に投与することを含む請求項4記載の方法。
【請求項6】
カルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.8:1.0〜3.08:1.0の範囲である請求項1記載の方法。
【請求項7】
カルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で1.9:1.0〜3.08:1.0の範囲である請求項6記載の方法。
【請求項8】
エンタカポンが50mg、100mgまたは200mgの量で存在する請求項1記載の方法。
【請求項9】
エンタカポンが200mgの量で存在する請求項8記載の方法。
【請求項10】
カルビドパが65mg、80mg、85mg、105mgまたは125mgの量で存在する請求項1記載の方法。
【請求項11】
カルビドパが65mgの量で存在する請求項10記載の方法。
【請求項12】
カルビドパが85mgの量で存在する請求項10記載の方法。
【請求項13】
カルビドパが105mgの量で存在する請求項10記載の方法。
【請求項14】
カルビドパに対するエンタカポンの割合が、重量で0.66:1.0、0.80:1.0、0.95:1.0、1.18:1.0、1.33:1.0、1.54:1.0、1.6:1.0、1.9:1.0、2.35:1.0、2.5:1.0または3.08:1.0である請求項1記載の方法。
【請求項15】
エンタカポンとカルビドパとの割合は、100mg:125mg、100mg:105mg、100mg:85mg、100mg:80mg、100mg:65mg、200mg:125mg、200mg:105mg、200mg:85mg、200mg:80mgまたは200mg:65mgである請求項1記載の方法。
【請求項16】
レボドパが50mg、75mg、100mg、125mg、150mgまたは200mgの量で存在する請求項1記載の方法。
【請求項17】
レボドパが75mg、100mg、125mgまたは150mgの量で存在する請求項16記載の方法。
【請求項18】
カルビドパに対するレボドパの割合は、重量で0.33:1.0〜3.08:1.0の範囲である請求項1記載の方法。
【請求項19】
カルビドパに対するレボドパの割合は、重量で0.71:1.0〜2.31:1.0の範囲である請求項1記載の方法。
【請求項20】
レボドパとカルビドパとの割合は、50mg:45mg、50mg:65mg、50mg:80mg、50mg:85mg、50mg:105mg、50mg:125mg、75mg:45mg、75mg:65mg、75mg:80mg、75mg:85mg、75mg:105mg、75mg:125mg、100mg:45mg、100mg:65mg、100mg:80mg、100mg:85mg、100mg:105mg、100mg:125mg、125mg:45mg、125mg:65mg、125mg:80mg、125mg:85mg、125mg:105mg、125mg:125mg、150mg:45mg、150mg:65mg、150mg:80mg、150mg:85mg、150mg:105mg、150mg:125mg、200mg:65mg、200mg:80mg、200mg:85mg、200mg:105mgまたは200mg:125mgである請求項1記載の方法。
【請求項21】
レボドパ、カルビドパおよびエンタカポンの割合は、50mg:65mg:200mg、50mg:80mg:200mg、50mg:85mg:200mg、50mg:105mg:200mg、75mg:65mg:200mg、75mg:80mg:200mg、75mg:85mg:200mg、75mg:105mg:200mg、100mg:65mg:200mg、100mg:80mg:200mg、100mg:85mg:200mg、100mg:105mg:200mg、125mg:65mg:200mg、125mg:80mg:200mg、125mg:85mg:200mg、125mg:105mg:200mg、150mg:65mg:200mg、150mg:80mg:200mg、150mg:85mg:200mg、150mg:105mg:200mg、200mg:65mg:200mg、200mg:80mg:200mg、200mg:85mg:200mgまたは200mg:105mg:200mgである請求項1記載の方法。
【請求項22】
レボドパ、カルビドパおよびエンタカポンの割合は、75mg:65mg:200mg、75mg:85mg:200mg、75mg:105mg:200mg、100mg:65mg:200mg、100mg:85mg:200mg、100mg:105mg:200mg、125mg:65mg:200mg、125mg:85mg:200mg、125mg:105mg:200mg、150mg:65mg:200mg、150mg:85mg:200mgまたは150mg:105mg:200mgである請求項1記載の方法。
【請求項23】
治療すべき患者が、エンド・オブ・ドーズ・ウェアリングオフ症状のあるパーキンソン病の成人患者である請求項1記載の方法。
【請求項24】
1日の総投与回数が、3〜10の範囲である請求項1記載の方法。
【請求項25】
1日の総投与回数が、3〜7の範囲である請求項24記載の方法。
【請求項26】
(i)50mg〜300mgのレボドパ、
(ii)25mg〜150mgのカルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、および
(iii)50mg〜300mgのエンタカポンであって、製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.33:1.0〜:1.0であるエンタカポン、25mg〜200mgの中程度に強力なCOMT阻害剤であって、製剤中の該COMT阻害剤の割合が重量で0.16:1.0〜3.08:1.0であるCOMT阻害剤、または1mg〜100mgの極めて強力なCOMT阻害剤であって、製剤中のカルビドパに対する該COMT阻害剤の割合は、重量で0.006:1.0〜1.54:1.0であるCOMT阻害剤
を含む製剤。
【請求項27】
前記製剤が、治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤を含む請求項26記載の製剤。
【請求項28】
芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤がベンセラジドである請求項26記載の製剤。
【請求項29】
製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が、重量で0.8:1.0〜3.08:1.0の範囲である請求項26記載の製剤。
【請求項30】
製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が、重量で1.6:1.0〜1.9:1.0の範囲である請求項26記載の製剤。
【請求項31】
エンタカポンが200mg、100mgまたは50mgの量で存在する請求項26記載の製剤。
【請求項32】
エンタカポンが、200mgの量で存在する請求項31記載の製剤。
【請求項33】
カルビドパが、65mg、80mg、85mg、105mgまたは125mgの量で存在する請求項26記載の製剤。
【請求項34】
カルビドパが、65mgの量で存在する請求項33記載の製剤。
【請求項35】
カルビドパが、85mgの量で存在する請求項33記載の製剤。
【請求項36】
カルビドパが、105mgの量で存在する請求項33記載の製剤。
【請求項37】
製剤中のカルビドパに対するエンタカポンの割合が、重量で0.33:1.0、0.8:1.0、1.3:1.0、1.6:1.0、1.9:1.0、2.4:1.0、2.5:1.0、2.4:1.0、2.5:1.0または3.1:1.0である請求項26記載の製剤。
【請求項38】
製剤中のエンタカポンおよびカルビドパの割合が、100mg:125mg、100mg:105mg、100mg:85mg、100mg:80mg、100mg:65mg、200mg:125mg、200mg:105mg、200mg:85mg、200mg:80mgまたは200mg:65mgである請求項26記載の製剤。
【請求項39】
レボドパが、50mg、75mg、100mg、125mg、150mgまたは200mgの量で存在する請求項26記載の製剤。
【請求項40】
レボドパが、75mg、100mg、125mgまたは150mgの量で存在する請求項39記載の製剤。
【請求項41】
製剤中のカルビドパに対するレボドパの割合は、重量で0.33:1.0〜3.08:1.0の範囲である請求項26記載の製剤。
【請求項42】
製剤中のカルビドパに対するレボドパの割合が、重量で1.4:1.0〜2.3:1.0の範囲である請求項41記載の製剤。
【請求項43】
製剤中のレボドパとカルビドパとの割合が、50mg:45mg、50mg:65mg、50mg:80mg、50mg:85mg、50mg:105mg、50mg:125mg、75mg:45mg、75mg:65mg、75mg:80mg、75mg:85mg、75mg:105mg、75mg:125mg、100mg:45mg、100mg:65mg、100mg:80mg、100mg:85mg、100mg:105mg、100mg:125mg、125mg:45mg、125mg:65mg、125mg:80mg、125mg:85mg、125mg:105mg、125mg:125mg、150mg:45mg、150mg:65mg、150mg:80mg、150mg:85mg、150mg:105mg、150mg:125mg、200mg:45mg、200mg:65mg、200mg:80mg、200mg:85mg、200mg:105mgまたは200mg:125mgである請求項26記載の製剤。
【請求項44】
製剤中のレボドパ、カルビドパおよびエンタカポンの割合が、50mg:65mg:200mg、50mg:80mg:200mg、50mg:85mg:200mg、50mg:105mg:200mg、75mg:65mg:200mg、75mg:80mg:200mg、75mg:85mg:200mg、75mg:105mg:200mg、100mg:65mg:200mg、100mg:80mg:200mg、100mg:85mg:200mg、100mg:105mg:200mg、125mg:65mg:200mg、125mg:80mg:200mg、125mg:85mg:200mg、125mg:105mg:200mg、150mg:65mg:200mg、150mg:80mg:200mg、150mg:85mg:200mg、150mg:105mg:200mg、200mg:65mg:200mg、200mg:80mg:200mg、200mg:85mg:200mgまたは200mg:105mg:200mgである請求項26記載の製剤。
【請求項45】
製剤中のレボドパ、カルビドパおよびエンタカポンの割合が、75mg:65mg:200mg、75mg:85mg:200mg、75mg:105mg:200mg、100mg:65mg:200mg、100mg:85mg:200mg、100mg:105mg:200mg、125mg:65mg:200mg、125mg:85mg:200mg、125mg:105mg:200mg、150mg:65mg:200mg、150mg:85mg:200mgまたは150mg:105mg:200mgである請求項26記載の製剤。
【請求項46】
製剤が、即放性製剤の形態である請求項1記載の方法。
【請求項47】
製剤が、即放性製剤の形態である請求項26記載の製剤。
【請求項48】
レボドパ、カルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、およびエンタカポン、中程度に強力なCOMT阻害剤または極めて強力なCOMT阻害剤の同時または連続投与のためのキットであって、
(i)50mg〜300mgのレボドパ;
(ii)カルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤であって、カルビドパは25mg〜150mgの量で存在する;および
(iii)50mg〜300mgのエンタカポンであって、該投与におけるカルビドパに対するエンタカポンの割合が重量で0.33:1.0〜3.2:1.0の範囲であるエンタカポン、25mg〜200mgの中程度に強力なCOMT阻害剤であって、該投与におけるカルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.17:1.0〜3.08:1.0であるCOMT阻害剤、または1mg〜100mgの極めて強力なCOMT阻害剤であって、該投与におけるカルビドパに対する該COMT阻害剤の割合が重量で0.006:1.0〜1.54:1.0であるCOMT阻害剤
を含むキット。
【請求項49】
さらに、パーキンソン病の治療におけるレボドパ、カルビドパまたは治療的に等価な量の他の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、およびエンタカポン、中程度に強力なCOMT阻害剤または極めて強力なCOMT阻害剤の同時または連続投与のための取扱説明書を含む請求項48記載のキット。
【請求項50】
1日の総投与回数が、1〜10の範囲である請求項48記載のキット。
【請求項51】
少なくともレボドパおよびカルビドパの投与が反復法で行われる請求項1記載の方法。
【請求項52】
少なくともレボドパおよびカルビドパのその投与が反復法で行われる請求項26記載の製剤。
【請求項53】
少なくともレボドパおよびカルビドパの投与が反復法で行われる請求項48記載のキット。
【請求項54】
COMT阻害剤が、(5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチル−1−オキシピリジン−3−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール)である請求項1記載の方法。
【請求項55】
(5−[3−(2,5−ジクロロ−4,6−ジメチル−1−オキシピリジン−3−イル)−[1,2,4]oxadiazol−5−yl]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール)が1日1回投与される請求項54記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−521263(P2013−521263A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555453(P2012−555453)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際出願番号】PCT/FI2011/000013
【国際公開番号】WO2011/107653
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(300046083)オリオン コーポレーション (31)
【Fターム(参考)】