説明

パーソナルケア組成物におけるアミノ官能末端ブロックシリコーンポリエーテルコポリマー

アミノ官能末端ブロックシリコーンポリエーテルコポリマーを含有するパーソナルケア組成物を開示する。アミノ官能末端ブロックシリコーンポリエーテルコポリマーは、もつれた髪のほぐしやすさ、コーミング、しなやかさ、滑らかさ、滑りやすさおよびスタイリング上の利点を含むコンディショニングをもたらすヘアケア製剤に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年10月22日出願の米国特許出願第61/107422号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、アミノ官能末端ブロックシリコーンポリエーテルコポリマーを含有するパーソナルケア製品に関する。アミノ官能末端ブロックシリコーンポリエーテルブロックコポリマーのエマルジョンは、もつれた髪のほぐしやすさ、コーミング(combing)、しなやかさ、滑らかさ、滑りやすさおよびスタイリング上の利点を含むコンディショニングをもたらすヘアケア製剤にとくに有用である。
【背景技術】
【0003】
今日のヘアケア市場には、ヘアケア組成物におけるコンディショニングおよびスタイリング上の利点に対する満たされていない欲求がある。本発明者らは、特定のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーを含有するエマルジョンが髪にコンディショニングおよびスタイリング上の利点をもたらすのに有用であることを見出した。とくに、本発明者らは、国際特許出願第PCT/US08/002962号に開示されたシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーのエマルジョンがこうした利点をもたらすことを見出した。すなわち、これらエマルジョンを含有するヘアケア組成物は、滑らかさ、しなやかさおよび滑りやすさを示す。さらに、本組成物で処理した髪には潤った質感、湿式および乾式コーミング上の利点、ならびに柔軟なスタイリング上の利点がもたらされる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、下記の平均式:
A−RSiO(RSiO)SiR−[{RO(C2mO)}{RSiO(RSiO)}RSi]−A
のシリコーンポリエーテルコポリマーを含有するパーソナルケア組成物に関するもので、式中のAは式RCHCH(OH)CHOR−のアミノ官能末端ブロック基であり、ここでRはアミノ官能基であり、xは≧0、mは2〜4、yは≧4、nは≧1であり、Rは独立して1〜30個の炭素を含有する一価の炭化水素基であり、Rは2〜30個の炭素を含有する二価の炭化水素である。
【0005】
代表的なパーソナルケア組成物としては、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘア固定剤、ヘアスタイリング補助剤、染毛剤、縮毛矯正剤、シャワージェル、皮膚保湿剤、スキンコンディショナーおよびボディコンディショナーが挙げられる。シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンは、もつれた髪のほぐしやすさ、梳かしやすさ、しなやかさ、滑らかさおよび滑りやすさを含むコンディショニングならびにスタイリング上の利点を髪にもたらすのにとくに有用である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明のパーソナルケア組成物に有用なアミノ官能末端ブロックシリコーンポリエーテルコポリマーは、国際特許出願第PCT/US08/002962号に開示されるようなあらゆるものから選択することができ、そのアミノ官能末端ブロックシリコーンポリエーテルコポリマーおよびそのエマルジョンの教示をここに参照して援用する。
【0007】
本発明のシリコーンポリエーテルコポリマーは、少なくとも1つのポリエーテル基を一方のブロックとして、またジオルガノポリシロキサンを他方のブロックとして含有する二価の有機基の繰り返し単位を有し、[{RO(C2mO)}{RSiO(RSiO)}RSi]で表されるブロックコポリマーである。下付き文字nはコポリマー中の繰り返し単位の数の平均を表し、nは≧1、あるいはnは1〜50の範囲内である。
【0008】
本発明のシリコーンポリエーテルコポリマー中の二価の有機基は、少なくとも1つのポリエーテル基を含む。本明細書で用いる「ポリエーテル」とは、ポリオキシアルキレン基を指す。ポリオキシアルキレン基は、限定しないが、式(C2mO)yにより表すことができ、式中のmは2〜4であり、yは4より大きいか、あるいはyは5〜60、または5〜30の範囲内とすることができる。ポリオキシアルキレン基は、オキシエチレン単位(CO)、オキシプロピレン単位(CO)、オキシブチレン単位(CO)またはこれらの組み合わせを含むことができる。一般に、ポリオキシアルキレン基は、オキシエチレン単位(CO)またはオキシエチレン単位およびオキシプロピレン単位の組み合わせを含む。
【0009】
本発明のシリコーンポリエーテルコポリマー中の「シリコーン」基はジオルガノポリシロキサンである。ジオルガノポリシロキサンは、主に式(RSiO)を有する線状シロキサンポリマーとすることができ、式中のRは独立して一価の炭化水素基から選択され、xは≧1、あるいはxは2〜100、または2〜50の範囲内とすることができる。シロキサンポリマー中のRにより表される炭化水素基は、脂肪族不飽和を含まない。これら有機基は、独立して脂肪族不飽和を含まない一価の炭化水素基および一価のハロゲン化炭化水素基から選択することができる。これら一価の基は1〜30個の炭素原子、あるいは1〜10個の炭素原子を有することができ、例としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ウンデシル、およびオクタデシルのようなアルキル基;シクロへキシルのようなシクロアルキル;フェニル、トリル、キシリル、ベンジル、および2−フェニルエチルのようなアリール;ならびに3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピルおよびジクロロフェニルのようなハロゲン化炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されない。通常、ジオルガノポリシロキサンは、主に式(MeSiO)を有する線状ポリジメチルシロキサンであり、xは上述したとおりである。
【0010】
各ポリエーテルブロックの少なくとも1つの末端を、Rと表される二価の炭化水素基によりオルガノポリシロキサンブロックに結合する。この結合は、(AB)ブロックシリコーンポリエーテルコポリマーを調製するのに用いる反応により決まる。二価の炭化水素基Rは、独立して2〜30個の炭素を含有する二価の炭化水素基から選択することができる。かかる二価の炭化水素基の代表的で非限定的な例としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、へプチレン、オクチレン等が挙げられる。かかる二価の有機官能炭化水素基の代表的で非限定的な例は、アクリレートおよびメタクリレートを含む。通常、Rはイソブチレン(−CHCH(CH)CH−)である。
【0011】
アミノ官能末端ブロック基Aは式RCHCH(OH)CHOR−を有することができ、式中のRは一価のアミン官能基であり、Rは2〜6個の炭素原子を含有する二価の炭化水素結合基、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンチレン、またはヘキシレンのような二価アルキレンである。通常、Rはプロピレン−CHCHCH−である。一価のアミン官能基Rは、任意のアミン官能有機基とすることができる。アミン官能基の窒素原子を−−CHCH(OH)CHOR−末端ブロック基のメチレン基に結合する。アミン官能基は、あらゆる第2級、第3級、または第4級アミンであってもよいが、通常第3級アミンである。アミン官能基は、アミノ、ヒドロキシ、エポキシ、エーテル、アミドおよびカルボキシル基のような他の有機官能基を含むことができる。よって、Rは式(RN−、H(R)N−、または(RN−を有することができ、式中のRは独立して1〜30個の炭素原子を含有する一価の有機基である。あるいは、Rは独立して1〜30個の炭素原子を含有する一価の炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルおよび類似の同族体のような1〜30個の炭素を含有するアルキル基である。代表的で非限定的な例としては、(CH)HN−、(CHN−、(CHCH)HN−、(CHCHN−、(CHCHN−、(HOCHCHN−および[CHCH(OH)CHN−が挙げられる。アミン官能基は、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、3−ピロリジノール、2,5−ジメチルピロリジン、1−メチルピペラジン、4−ヒドロキシピペリジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2,6−ジメチルピペリジン、1−エチルピペラジン、1−アミン−4−メチルピペラジンおよびイソインドリンのような環状アミンを含むことができる。
【0012】
さらなる実施形態において、アミノ官能末端ブロック基Aは次式
【化1】

を有することができ、式中のRおよびRは上述したものと同じである。
【0013】
本発明のアミン末端シリコーンポリエーテルの代表的で非限定的な平均式は
EtNCHCH(OH)CHO(CH(MeSiO)−MeSi[{(CHO(EO)y’(CH}{(MeSiO)MeSi}](CHOCHCH(OH)CHNEt
EtNCHCH(OH)CHO(CH(MeSiO)−MeSi[{(CHO{(EO)y’(PO)y”}(CH}{(MeSiO)MeSi}](CHOCHCH(OH)CHNEt
EtNCHCH(OH)CHO(CH(MeSiO)−MeSi[{CHCH(Me)CHO{(EO)y’}CHCH(Me)CH}{(MeSiO)MeSi}]−(CHOCHCH(OH)CHNEt
EtNCHCH(OH)CHO(CH(MeSiO)−MeSi[{CHCH(Me)CHO{(EO)y’(PO)y”}CHCH(Me)CH}{(MeSiO)MeSi}]−(CHOCHCH(OH)CHNEt
であり、式中のnおよびxは上述したものと同じであり、y’は≧0、あるいはy’は0〜60であり、y”は≧0、あるいはy”は0〜60であるが、ただしy’+y”≧4であり、Meはメチル、Etはエチル、EOはCHCHO、POはCHCH(Me)OまたはCHCHCHOである。
【0014】
アミノ官能末端ブロックシリコーンポリエーテルブロックコポリマーは、
I) A)各分子末端に不飽和炭化水素基を有するポリオキシアルキレンと、B)SiH末端オルガノポリシロキサンと、C)ヒドロシリル化触媒と、D)任意の溶剤とを1より大きいB/Aのモル比で反応させ、
II)上記ステップIの生成物をE)少なくとも1つの脂肪族不飽和炭化水素基を有するエポキシドとさらに反応させて、エポキシド末端シリコーンポリエーテルブロックコポリマーを形成し、
III)該エポキシド末端シリコーンポリエーテルブロックコポリマーをF)アミン化合物と反応させて、アミン末端シリコーンポリエーテルブロックコポリマーを形成することにより調製することができる。
【0015】
上記プロセスのステップIは、A)各分子末端に不飽和炭化水素基を有するポリオキシアルキレン、B)SiH末端オルガノポリシロキサン、C)ヒドロシリル化触媒、およびD)任意の溶剤の成分を1より大きいB/Aのモル比で反応させることを含む。
【0016】
A)ポリオキシアルキレン
本発明のプロセスに有用なポリオキシアルキレンは、各分子鎖末端(すなわちアルファおよびオメガ位)を不飽和有機基で終端させるあらゆるポリオキシアルキレン基とすることができる。ポリオキシアルキレンは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、1,2−エポキシへキサン、1,2−エポキシオクタン、シクロへキセンオキシドのような環状エポキシドまたはエキソ−2,3−エポキシノルボルナンの重合によって生じ得る。あるいはまた、ポリオキシアルキレンを式(C2mO)により表すことができ、式中のmは2〜4であり、yは4より大きく、あるいはyは5〜60、またはあるいは5〜30の範囲内とすることができる。ポリオキシアルキレン基は、オキシエチレン単位(CO)、オキシプロピレン単位(CO)、オキシブチレン単位(CO)またはこれらの組み合わせを含むことができる。一般に、ポリオキシアルキレン基は、オキシエチレン単位(CO)またはオキシエチレン単位およびオキシプロピレン単位の組み合わせを含む。不飽和有機基は、アルケニルまたはアルキニル基のような不飽和脂肪族炭化水素基とすることができる。アルケニル基の代表的で非限定的な例は、構造HC=CH−、HC=CHCH−、HC=C(CH)CH−、HC=CHCHCH−、HC=CHCHCHCH−およびHC=CHCHCHCHCH−により示される。アルキニル基の代表的で非限定的な例は、構造HC≡C−、HC≡CCH−、HC≡CC(CH)−、HC≡CC(CH−、およびHC≡CC(CHCH−により示される。あるいはまた、不飽和有機基は、アクリレート、メタクリレート等のような有機官能性炭化水素とすることができる。
【0017】
ポリオキシアルキレンは下記の平均式
C=C(R)CHO(EO)y’(PO)y”CHC(R)=CH
を有するものから選択することができ、式中のy’は≧1、あるいはy’は0〜60であり、y”は≧0、あるいはy”は0〜60であるが、ただしy’+y”≧4であり、Rは水素または1〜20個の炭素原子を含有するアルキル基であり、EOは−CHCHO−であり、POは−CHCH(Me)O−または−CHCHCHO−である。
【0018】
各分子末端に不飽和脂肪族炭化水素基を有するポリオキシアルキレンは当業界で既知で、多くのものが市販されている。ポリオキシアルキレンの代表的で非限定的な例としては、
C=CHCHO(EO)y’CHCH=CH
C=C(Me)CHO(EO)y’CHC(Me)=CH
C=CHCHO(EO)y’(PO)y”CHCH=CH
C=C(Me)CHO(EO)y’(PO)y”CHC(Me)=CH
が挙げられ、式中のy’は≧1、あるいはy’は4〜60であり、y”は≧0、あるいはy”は0〜60であり、Meはメチルであり、EOは−CHCHO−であり、POはCHCH(Me)O−または−CHCHCHO−である。
【0019】
各分子末端に不飽和脂肪族炭化水素基を有するポリオキシアルキレンは、NOF(日本油脂、日本)およびClariant Corp.(ノースカロライナ州シャーロットビル)から市販されている。
【0020】
B)SiH末端オルガノポリシロキサン
本発明のプロセスに有用なSiH末端オルガノポリシロキサンは、式M’DM’により表すことができ、この場合「M’」は式RHSiO1/2を有するシロキサン単位を意味し、「D」は式RSiO2/2を有するシロキサン単位を意味し、Rは独立して上述したような一価の炭化水素基である。一般に、SiH末端オルガノポリシロキサンは、平均式MeHSiO(MeSiO)SiHMeを有するジメチル水素シロキシ末端ポリジメチルシロキサンであり、ここでxは≧1、あるいはxは2〜200、または50〜150の範囲内とすることができる。SiH末端オルガノポリシロキサンおよびそれらの調製方法は当業界で周知である。
【0021】
C)ヒドロシリル化触媒
SiH末端オルガノポリシロキサンおよび各分子末端に不飽和有機基を有するポリオキシエチレンをヒドロシリル化触媒の存在下で反応させるが、これは当業界で既知である。ヒドロシリル化は当業界で周知であり、≡Si−H基を含有するポリシロキサンと不飽和を含む物質、例えばビニル基との反応を含む。反応は通常触媒を用いて、≡Si−H含有ポリシロキサンと不飽和を含有する物質との反応を行う。適当な触媒は、VIII族の遷移金属、すなわち貴金属である。かかる貴金属触媒が米国特許第3,923,705号に記載され、本明細書に白金触媒を示すため参照して援用する。1つの好適な白金触媒はカールシュテッド触媒で、米国特許第3,715,334号および第3,814,730号に記載され、本明細書に参照して援用する。カールシュテッド触媒は、通常トルエンのような溶剤中に1質量パーセントの白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体である。別の好適な白金触媒は、塩化白金酸および末端脂肪族不飽和を含有する有機ケイ素化合物の反応生成物である。これは米国特許第3,419,593号に記載され、本明細書に参照して援用する。触媒としては、例えば米国特許第5,175,325号に記載されるような塩化第一白金およびジビニルテトラメチルジシロキサンの中性錯体がもっとも好適である。
【0022】
貴金属触媒を、≡Si−H含有ポリシロキサン100質量部当たり0.00001〜0.5部の量で用いることができる。あるいはまた、触媒は、総組成物当たり100万分の0.1〜15部(ppm)のPt金属をもたらすのに十分な量で用いる必要がある。
【0023】
D)任意の溶剤
ヒドロシリル化反応は、ニートまたはD)溶剤の存在下で行うことができる。溶剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールまたはn−プロパノールのようなアルコール;アセトン、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトンのようなケトン;ベンゼン、トルエンまたはキシレンのような芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサンまたはオクタンのような脂肪族炭化水素;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテルまたはエチレングリコールn−ブチルエーテルのようなグリコールエーテル;ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタンまたはメチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素;クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ホワイトスピリット、ミネラルスピリットまたはナフサとすることができる。
【0024】
溶剤の量は最大70質量パーセントとすることができるが、通常20〜50質量パーセントであり、該質量パーセントはヒドロシリル化反応中成分の総質量に基づく。ヒドロシリル化反応中に用いた溶剤は、その後さまざまな既知の方法により生成するシリコーンポリエーテルから除去することができる。
【0025】
ステップIはヒドロシリル化反応を行い、この場合成分BのSiH単位が成分Aの不飽和脂肪族炭化水素基と反応してSi−C結合を形成する。該反応はヒドロシリル化反応を行うための当業界で既知の条件下で行うことができる。
【0026】
ヒドロシリル化反応に、該反応を増進するのに既知の追加成分を添加することができる。これら成分は、白金触媒との組み合わせで緩衝効果を有する酢酸ナトリウムのような塩を含む。
【0027】
ステップIに用いる成分AおよびBの量は、1より大きいB/Aのモル比を付与するように変えることができ、あるいはB/Aのモル比が1.05〜2、あるいは1.2〜2の範囲とすることができる。いずれの理論に拘束されることも望まないが、本発明者らは、ステップIが末端SiH単位を有するシリコーンポリエーテル[AB]コポリマーを含む反応生成物をもたらすと考える。これらSiH単位をステップIIでさらに反応させる。
【0028】
本発明のプロセスにおけるステップIIは、ステップIの生成物をE)少なくとも1つの脂肪族不飽和炭化水素基を有するエポキシドと反応させて、エポキシド末端シリコーンポリエーテルブロックコポリマーを形成することをさらに含む。ステップIIにおける反応は別のヒドロシリル化反応である。通常、少なくとも1つの脂肪族不飽和炭化水素基を有するエポキシドを単純にステップIの終わりに添加し、第2のヒドロシリル化反応が同じ条件下で進むのを可能にする。あるいはまた、ヒドロシリル化触媒C)の追加量を添加することができる。
【0029】
ステップIIにおける反応に適した少なくとも1つの脂肪族不飽和基を有するエポキシドの代表的で非限定的な例としては、
アリルグリシジルエーテル、CAS:106−92−3
ビニルシクロへキセンオキシド、CAS:106−86−5
5,6−エポキシ−1−へキセン(または1,2−エポキシ−5−へキセンおよび2−(3−ブテニル)オキシラン)、CAS:10353−53−4
9,10−エポキシ−1−デセン(または2−(7−オクテニル)オキシランおよび1,2−エポキシ−9−デセン)、CAS:85721−25−1
7,8−エポキシ−1−オクテン(または1,2−エポキシ−7−オクテンおよび2−(5−へキセニル)オキシラン)、CAS:19600−63−6
2−ビニルオキシラン(または3,4−エポキシ−1−ブテン、ブタジエンモノキサイド)、CAS:930−22−3
2−メチル−2−ビニルオキシラン(またはイソプレンモノキサイド)、CAS:1838−94−4
グリシジルアクリレート(または2−オキシラニルメチルアクリレート)、
グリシジルメタクリレート(または2−オキシラニルメチル2−メタクリレート)、CAS:106−91−2
リモネンオキシド、シス−およびトランス−の混合物、CAS:1195−92−2)
アリルオキシ−3,4−エポキシトリシクロ(5.2.1.0 2,6)デカン、CAS:2279−19−8
が挙げられる。
【0030】
ステップIIにおけるエポキシドの添加量は変えることができるが、一般に残留Si−Hを消費するのに十分な量で添加される、すなわちSiHに対してモル過剰のエポキシドが用られる。部分的な末端ブロックのみが達成される了解の下で遊離エポキシドを制限することを望む場合、少量のエポキシドを用いることができる。
【0031】
ステップIおよびステップIIを連続してまたは同時に行うことができる。しかしながら一般的には、過剰なエポキシ末端キャップ基で最終量のSi−Hを消費する前に、反応を連続して行って(AB)の分子量を得る。
【0032】
本発明のプロセスにおけるステップIIIは、ステップIIで形成したエポキシド末端シリコーンポリエーテルブロックコポリマーをF)アミン化合物と反応させて、アミン末端シリコーンポリエーテルブロックコポリマーを形成することを含む。ステップIIIは、アミン化合物の添加によるエポキシドの開環反応を行う。
【0033】
アミン化合物は任意のアミン化合物とすることができるが、通常第2級アミンである。アミン化合物は、R基を含有するアミン化合物から選択することができ、この場合Rは上で定義するとおりである。よって、Rは式(RN−、H(R)N−または(RN−を有することができ、式中のRは独立して1〜30個の炭素原子を含有する一価の有機基である。あるいはまた、Rは独立して1〜30個の炭素原子を含有する一価の炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルおよび類似の同族体のような1〜30個の炭素を含有するアルキル基である。アミン化合物は、アミノ、ヒドロキシ、エポキシ、エーテル、アミドおよびカルボキシル基のような他の有機官能基を含むことができる。代表的で非限定的な例としては、(CH)NH、(CHNH、(CHCH)NH、(CHCHNH、(CHCHN、(HOCHCHNH、および(CHCH(OH)CHNHが挙げられる。アミン官能基は環状アミンを含むことができる。適切な環状アミンの代表的で非限定的な例としては、
1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、
ピペラジン、
ピロリドン、CAS:123−75−1
ピペリジン、CAS:110−89−4
モルホリン、CAS:110−91−8
3−ピロリジノール、CAS:40499−83−0
2,5−ジメチルピロリジン、CAS:3378−71−0
1−メチルピペラジン、CAS:109−01−3
4−ヒドロキシピペリジン、CAS:5382−16−1
2,6−ジメチルピペリジン、CAS:504−03−0
1−エチルピペラジン、CAS:5308−25−8
1−アミン−4−メチルピペラジン、CAS:6928−85−4
イソインドリン、CAS:496−12−8
が挙げられる。
【0034】
本発明のアミン末端シリコーンポリエーテルブロックコポリマーは、エマルジョン組成物の一成分であってもよい。本明細書で用いる「エマルジョン」とは、水連続エマルジョン(例えば水中油型エマルジョン、または水中シリコーン型エマルジョン)、油もしくはシリコーン連続エマルジョン(油中水型エマルジョンまたはシリコーン中水型エマルジョン)、または多相エマルジョン(水/油/水型、油/水/油型、水/シリコーン/水型、またはシリコーン/水/シリコーン型)を含むことを意味する。本発明のアミン末端シリコーンポリエーテルブロックコポリマーを一般的な混合技術によりあらゆるタイプのエマルジョンに添加することができる。アミンまたは第4級アミン末端シリコーンポリエーテルブロックコポリマーは、エマルジョンの調製中に添加するか、またはその後予備形成エマルジョンに後添加することができる。本発明のアミン末端シリコーンポリエーテルブロックコポリマーおよびエマルジョンの混合を行うのに必要な特別な要件または条件はない。混合技術は、単純な撹拌、均質化、ソナレーティング(sonalating)およびエマルジョン形成を行うのに当業界で既知の他の混合技術とすることができる。混合はバッチ、半連続または連続プロセスで行うことができる。
【0035】
本発明のアミン末端シリコーンポリエーテルブロックコポリマーのエマルジョンへの添加量は変えることができ、限定されないが、その量は通常シリコーンポリエーテルコポリマー/エマルジョン質量比で0.1/99〜99/0.1、あるいは1/99〜99/1の範囲内とすることができる。
【0036】
用いるエマルジョンは、w/o、w/sまたはシリコーン乳化剤を用いる多相エマルジョンであってもよい。一般に、かかる製剤におけるシリコーン中水型乳化剤は非イオン性であり、ポリオキシアルキレン置換シリコーン、シリコーンアルカノールアミド、シリコーンエステルおよびシリコーングリコシドから選択される。シリコーン系界面活性剤を用いてかかるエマルジョンを形成することができ、これらは当業界で周知で、例えば米国特許第4,122,029号、第5,387,417号および第5,811,487号に記載されている。
【0037】
シリコーンポリエーテルコポリマーを含有するエマルジョンは、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤および非イオン性界面活性剤を含むことができる。アニオン界面活性剤はスルホン酸およびその塩誘導体を含む。アニオン界面活性剤のいくつかの例としては、スルホコハク酸アルカリ金属;ココナツ油酸のスルホン化モノグリセリドのような脂肪酸のスルホン化グリセリルエステル;ナトリウムオレイルイソチオネートのようなスルホン化一価アルコールエステルの塩;オレイルメチルタウリドのナトリウム塩のようなアミノスルホン酸のアミド;パルミトニトリルスルホネートのような脂肪酸ニトリルのスルホン化生成物;ナトリウムα−ナフタレンモノスルホネートのようなスルホン化芳香族炭化水素;ナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒドとの縮合生成物;ナトリウムオクタヒドロアントラセンスルホネート;アルキル硫酸アルカリ金属;ラウリルエーテル硫酸ナトリウムのような8個以上の炭素原子を有するアルキル基を有する硫酸エーテル;およびヘキサデシルベンゼンスルホン酸およびC20アルキルベンゼンスルホン酸の中性塩のような8個以上の炭素原子を有する1つ以上のアルキル基を有する硫酸アルキルアリールがある。
【0038】
使用し得る市販のアニオン界面活性剤としては、メリーランド州ボルティモアのAlcolac Inc.によりSIPONATE(登録商標)DS−10の商標で販売されるドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩;ミシガン州ミッドランドのThe Dow Chemical CompanyによりDOWFAX(登録商標)8390の商標で販売されるナトリウムn−ヘキサデシルジフェニルオキシドジスルホネート;ノースカロライナ州シャーロットのClariant CorporationによりHOSTAPUR(登録商標)SAS60の商標で販売される第2級アルカンスルホネートのナトリウム塩;日本の日光ケミカルズ株式会社によりNIKKOL LMT(登録商標)の商標で販売されるナトリウムN−ラウロイルメチルタウレートのようなN−アシルタウレート;およびイリノイ州ノースフィールドのStepan CompanyによりBIO−SOFT(登録商標)S−100の商標で販売される直鎖アルキルベンゼンスルホン酸が挙げられる。ドデシルベンゼンスルホン酸のような後者のタイプの組成物は、上述したように触媒であるが、中和されると、アニオン界面活性剤として機能することもできる。
【0039】
本発明に有用なカチオン界面活性剤は、R3R4R5R6Nにより表される第4級アンモニウム塩のような分子中にプラスに帯電した第4級アンモニウム親水性部分を含有する化合物を含み、式中のR3〜R6は1〜30個の炭素原子を含有するアルキル基、または獣脂、ココナツ油もしくは大豆から誘導されるアルキル基であり、Xはハロゲン、すなわち塩素または臭素である。ジアルキルジメチルアンモニウム塩を用いることができ、それはR7R8N(CHにより表され、式中のR7およびR8は12〜30個の炭素原子を含有するアルキル基または獣脂、ココナツ油もしくは大豆から誘導されるアルキル基であり、Xはハロゲンである。モノアルキルトリメチルアンモニウム塩を用いることができ、それはR9N(CHにより表され、式中のR9は12〜30個の炭素原子を含有するアルキル基または獣脂、ココナツ油もしくは大豆から誘導されるアルキル基であり、Xはハロゲンである。
【0040】
代表的な第4級アンモニウム塩は、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム/塩化ラウリルトリメチルアンモニウム(LTAC)、塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)、臭化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、臭化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化ジエイコシルジメチルアンモニウム、塩化ジドコシルジメチルアンモニウム、塩化ジココナツジメチルアンモニウム、塩化ジタロウジメチルアンモニウムおよび臭化ジタロウジメチルアンモニウムである。これら第4級アンモニウム塩は、ADOGEN(登録商標)、ARQUAD(登録商標)、TOMAH(登録商標)およびVARIQUAT(登録商標)のような商標で市販されている。
【0041】
使用し得る市販の非イオン性界面活性剤としては、TERGITOL(登録商標)TMN−6およびTERGITOL(登録商標)TMN−10の商標で販売される2,6,8−トリメチル−4−ノニルオキシポリエチレンオキシエタノール(6EO)および(10EO);TERGITOL(登録商標)15−S−7、TERGITOL(登録商標)15−S−9、TERGITOL(登録商標)15−S−15の商標で販売されるアルキレンオキシポリエチレンオキシエタノール(C11〜15第2級アルコールエトキシレート7EO、9EO、および15EO);TERGITOL(登録商標)15−S−12、15−S−20、15−S−30、15−S−40の商標で販売される他のC11〜15第2級アルコールエトキシレート;ならびにTRITON(登録商標)X−405の商標で販売されるオクチルフェノキシポリエトキシエタノール(40EO)のような組成物が挙げられる。これらの界面活性剤のすべてはコネチカット州ダンベリーのUnion Carbide Corporationにより販売されている。
【0042】
他の有用な市販の非イオン性界面活性剤としては、イリノイ州ノースフィールドのStepan CompanyによりMAKON(登録商標)10の商標で販売されるノニルフェノキシポリエトキシエタノール(10EO);デラウェア州ウィルミントンのICI SurfactantsによりBRIJ(登録商標)35Lの商標で市販されるポリオキシエチレン23ラウリルエーテル(ラウレス−23);およびデラウェア州ウィルミントンのICI SurfactantsによりRENEX(登録商標)30で販売されるポリオキシエチレンエーテルアルコールがある。
【0043】
所望に応じて、保護コロイド、すなわちコロイド安定剤を用いて、安定性を高めるか、またはエマルジョンに特定のレオロジー特性をもたらすことができる。本明細書で用いる「保護コロイド」および/または「コロイド安定剤」の語は、凝集に対する水性溶媒中の帯電したコロイド粒子の効果的な保護剤である非イオン性分子を意味する。これら組成物は、通常1,000〜300,000の質量平均分子量を有し、一般的には質量平均溶解度パラメータにより測定して第1エマルジョンポリマーの組成物よりも一層親水性である。使用し得るコロイド安定剤としては、50,000〜150,000の質量平均分子量を有するヒドロキシエチルセルロース;N−ビニルピロリドン;10,000〜200,000の質量平均分子量を有するポリビニルアルコール;部分アセチル化ポリビニルアルコール;カルボキシメチルセルロース;アラビアゴムのようなゴム;デンプン;タンパク質;およびこれらの組み合わせが挙げられる。好適なコロイド安定剤は、ヒドロキシエチルセルロースおよびポリビニルアルコールである。
【0044】
エマルジョンは微生物汚染の影響を受けやすいため、防腐剤を添加することができる。使用し得る代表的な防腐剤としては、ホルムアルデヒド;1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、すなわちDMDMヒダントイン;5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン;メチルまたはプロピルパラベン;ソルビン酸;イミダゾリジニルウレア;およびKATHON(登録商標)CG(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)が挙げられる。
【0045】
一般に、シリコーンエマルジョンは、総エマルジョンの質量に対し10〜70質量パーセント、好適には20〜60質量パーセントの濃度でシロキサンポリマーを含有する。10パーセント未満のシロキサンポリマー含量を有するエマルジョンを生成することはできるが、かかるエマルジョンは経済的価値をほとんどまたはまったく持たない。界面活性剤は、通常総エマルジョンの質量に対し0.05〜30質量パーセント、好適には0.1〜20質量パーセントで存在する。水および任意の成分がエマルジョンの100パーセントまでの残りを構成する。
【0046】
シリコーンポリエーテルエマルジョンを含む組成物をパーソナルケア製品に処方することができる。本発明のパーソナルケア組成物は、クリーム、ジェル、パウダー、ペースト、または注ぎやすい液体の形態であってもよい。一般に、かかる組成物は、室温で組成物中に固体物質が存在しなければ、簡素なプロペラミキサー、ブルックフィールド逆回転ミキサー、またはホモジナイジングミキサーを用いて室温で調製することができる。特別な装置または処理条件を通常必要としない。製造する形態のタイプに応じて調製方法は異なるが、こうした方法は当技術分野で周知である。
【0047】
パーソナルケア製品は、それらをつける体の部分に対して機能的であり、化粧品、医薬品、またはこれらの組み合わせであってもよい。こうした製品の従来の例としては、発汗抑制剤および体臭防止剤、スキンケアクリーム、スキンケアローション、保湿剤、にきびまたはしわ取りのような美顔トリートメント、パーソナル洗顔料、バスオイル、香水、オーデコロン、サシェット、日焼け止め、プレシェーブおよびアフターシェーブローション、ひげそり用せっけん、ひげそり用泡、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、染毛剤、縮毛矯正剤、ヘアスプレー、ムース、ジェル、パーマ剤、脱毛剤、キューティクルコート剤、化粧品、カラー化粧品、ファンデーション、コンシーラー、ほお紅、口紅、アイライナー、マスカラ、油除去剤、カラー化粧品除去剤、パウダー、予防および/または治療とし得るにきび抑制剤、口腔衛生剤、抗菌剤、治癒促進剤、栄養剤等を含む薬用クリーム、ペーストまたはスプレーが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、パーソナルケア製品は、液体、リンス液、ローション、クリーム、ペースト、ジェル、泡、ムース、軟膏、スプレー、エアロゾル、石鹸、スティック、軟固体、固体ゲルおよびゲルを限定されないが含むあらゆる従来形態での用途を可能にする担体を用いて処方することができる。適切な担体を構成するものについては、当業者であれば容易に理解できる。
【0048】
本組成物を、種々のパーソナル、家庭向けおよびヘルスケア用途に用いることができる。特に、本発明の組成物は、米国特許第6,051,216号、第5,919,441号、第5,981,680号に教示されるようなパーソナルケア製品;国際公開第2004/060271号および同第2004/060101号に開示されるようなパーソナルケア製品;国際公開第2004/060276号に教示されるような日焼け止め組成物;国際公開第03/105801号に開示されるような膜形成樹脂も含有する化粧品組成物;米国特許出願公開第2003/0235553号、第2003/0072730号、第2003/0170188号公報、欧州特許第1,266,647号、同第1,266,648号、同第1,266,653号、国際公開第03/105789号、同第2004/000247号および同第03/106614号に教示されるような化粧品組成物;国際公開第2004/054523号に教示されるものへの追加剤として;米国特許出願公開第2004/0180032号公報に教示されるような長時間つける化粧品組成物;国際公開第2004/054524号に記載されるような透明または半透明のケアおよび/またはメークアップ組成物に用いることができ、これらすべてをここに参照して援用する。
【0049】
本発明に係る組成物は、人体、例えば皮膚または毛髪への塗布、塗布器、ブラシの使用、手による塗布、注入および/または場合によっては組成物を体に擦り込む若しくはもみ込むような標準的な方法により用いることができる。例えば、カラー化粧品の除去方法はまた、洗浄、ふき取り、ピーリング等を含む周知の標準的な方法である。皮膚への使用について、本発明に係る組成物は、例えば皮膚をコンディショニングする従来の方法に用いることができる。この目的に効果的な量の組成物を皮膚に塗布する。こうした効果的な量は、通常約1mg/cm〜約3mg/cmの範囲内である。皮膚への塗布は、一般に組成物を皮膚に塗り込むことを含む。この皮膚への塗布方法は、皮膚を効果的な量の組成物と接触させ、次に組成物を皮膚中に擦り込むステップを備える。これらのステップを所望の回数だけ繰り返し、所望の利点を達成することができる。
【0050】
本発明に係る組成物の髪への使用は、従来の髪のコンディショニング方法を用いることができる。髪をコンディショニングするのに効果的な量の組成物を髪につける。こうした効果的な量は、通常約0.5g〜約50g、好適には約1g〜約20gの範囲内である。髪への塗布は、一般に髪のほとんどまたはすべてが組成物と接触するように、組成物を髪に梳かし込むことを含む。この髪のコンディショニング方法は、効果的な量のヘアケア組成物を髪に塗布し、次に組成物を髪に梳かし込むステップを備える。これらのステップを所望の回数だけ繰り返し、所望のコンディショニング上の利点を達成することができる。
【0051】
シリコーンポリエーテルエマルジョンに加えてパーソナルケア組成物中に処方し得る添加剤の非限定的な例としては、追加シリコーン、抗酸化剤、洗浄剤、着色剤、追加コンディショニング剤、沈着剤、電解質、皮膚軟化剤および油、ピーリング剤、増泡剤、香料、保湿剤、閉塞剤、シラミ撲滅剤、pH調節剤、顔料、防腐剤、殺生物剤、他の溶剤、安定剤、日焼け防止剤、懸濁化剤、日焼け剤、他の界面活性剤、増粘剤、ビタミン、植物、ワックス、レオロジー変性剤、ふけ防止剤、にきび抑制剤、虫歯予防剤ならびに創傷治癒促進剤が挙げられる。
【0052】
シャンプーまたは洗顔料のようなパーソナルケア組成物は、少なくとも1つのアニオン洗浄用界面活性剤を含むことができる。これは、シャンプー製剤に通常用いる周知のアニオン洗浄用界面活性剤のいずれかとすることができる。これらアニオン洗浄用界面活性剤は、本発明のシャンプー組成物における洗浄剤および発泡剤として作用する。アニオン洗浄用界面活性剤を例示すれば、アルカリ金属スルホリシネート;ココナツ油酸のスルホン化モノグリセリドのような脂肪酸のスルホン化グリセリルエステル;ナトリウムオレイルイソチアネートのようなスルホン化一価アルコールエステルの塩;オレイルメチルタウリドのナトリウム塩のようなアミノスルホン酸のアミド;パルミトニトリルスルホネートのような脂肪酸ニトリルのスルホン化生成物;α−ナフタレンモノスルホン酸ナトリウムのようなスルホン化芳香族炭化水素;ナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒドとの縮合生成物;ナトリウムオクタヒドロアントラセンスルホネート;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムまたはラウリル硫酸トリエタノールアミンのようなアルキル硫酸アルカリ金属;ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、アルキルアリールエーテル硫酸ナトリウムおよびアルキルアリールエーテル硫酸アンモニウムのような8個以上の炭素原子のアルキル基を有する硫酸エーテル;8個以上の炭素原子のアルキル基一つ以上を有するアルキルアリールスルホネート;ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩およびミリスチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のようなアルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩;CH3(CH2)6CH2O(C2H4O)2SO3H、CH3(CH2)7CH2O(C2H4O)3.5SO3H、CH3(CH2)8CH2O(C2H4O)8SO3H、CH3(CH2)19CH2O(C2H4O)4SO3H、およびCH3(CH2)10CH2O(C2H4O)6SO3Hを含むポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル;アルキルナフチルスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩およびアミン塩が挙げられる。好適には、洗浄用界面活性剤をラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムおよびラウリルエーテル硫酸アンモニウムからなる群から選択する。アニオン洗浄用界面活性剤は、本発明のシャンプー組成物中に、組成物の総質量に対し約5〜50質量%、好適には約5〜25質量%の量で存在する。
【0053】
パーソナルケア組成物は、少なくとも1つのカチオン性沈着補助剤、好適にはカチオン性沈着ポリマーを含有することができる。カチオン性沈着補助剤は、通常0.001〜5質量%、好適には約0.01〜1質量%、より好適には約0.02質量%〜約0.5質量%のレベルで存在する。該ポリマーはホモポリマーであっても、2つ以上のタイプのモノマーから形成されていてもよい。ポリマーの分子量は、通常5000〜10,000,000、代表的には少なくとも10,000、好適には100,000〜約2,000,000の範囲内である。ポリマーは、第4級アンモニウムもしくはプロトン化アミノ基またはこれらの組み合わせのようなカチオン性窒素含有基を有する。カチオン電荷密度は、少なくとも0.1meq/g、好適には0.8より高い必要があることが見出された。カチオン電荷密度は、4meq/gを超えてはならず、好適には3meq/g未満、より好適には2meq/g未満である。電荷密度はケルダール法を用いて測定することができ、一般的には約3〜9、好適には4〜8である所望の使用pHで上記制限内でなければならない。カチオン性窒素含有基は、通常カチオン性沈着ポリマーの総モノマー単位の一部分の置換基として存在する。よって、ポリマーがホモポリマーでない場合、スペーサー非カチオン性モノマー単位を含有することができる。かかるポリマーがCTFA Cosmetic Ingredient Directory、第3版に記載されている。適当なカチオン性沈着補助剤は、例えば、カチオン性アミンまたは第4級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、(メタ)アクリルアミド、アルキルおよびジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクトンおよびビニルピロリジンのような水溶性スペーサーモノマーとのコポリマーを含む。アルキルおよびジアルキル置換モノマーは、好適にはC1〜C7アルキル基、より好適にはC1〜3アルキル基を有する。他の適当なスペーサーとしては、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールが挙げられる。カチオン性アミンは、組成物の特定の種類およびpHに応じて第1級、第2級または第3級アミンとすることができる。一般に、第2級および第3級アミン、とくに第3級アミンが好ましい。アミン置換ビニルモノマーおよびアミンをアミン形態で重合し、次いで4級化によりアンモニウムに転化することができる。適切なカチオン性アミノおよび第4級アンモニウムモノマーとしては、例えば、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル第4級アンモニウム塩で置換したビニル化合物、ならびにピリジニウム、イミダゾリウムおよび4級化ピロリジンのような環状カチオン性窒素含有環を有するビニル第4級アンモニウムモノマー、例えばアルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリジン塩が挙げられる。これらモノマーのアルキル部分は、好適にはC,−C.,アルキル、より好適にはC,アルキルおよびC2アルキルのような低アルキル基である。ここで用いるのに適したアミン置換ビニルモノマーとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミドおよびジアルキルアミノアルキルメタクリルアミドが挙げられる。カチオン性沈着補助剤は、アミンおよび/もしくは第4級アンモニウム置換モノマーならびに/または対応するスペーサーモノマーに由来したモノマー単位の組み合わせを含むことができる。適切なカチオン性沈着補助剤としては、例えば、BASF Wyandotte Corp.(米国ニュージャージー州パーシッパニー)からLUVIQUATの商品名(例えば、LUVIQUAT FC 370)で市販されているような1−ビニル−2−ピロリジンおよび1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩(例えば、塩化物塩)のコポリマー(当業界では米国化粧品トイレタリー香水協会「CTFA」によりポリクオタニウム−16と称する);Gar Corporation(米国ニュージャージー州ウェイン)からGAFQUATの商品名(例えば、GAFQUAT 755N)で市販されているもののような1−ビニル−2−ピロリジンおよびジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(当業界ではCTFAによりポリクオタニウム−11と称する);例えば、当業界(CTFA)ではそれぞれポリクオタニウム6およびポリクオタニウム7と称するジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマーならびにアクリルアミドおよびジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマーを含むカチオン性ジアリル第4級アンモニウム含有ポリマー;米国特許第4,009,256号に記載されているような3〜5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモポリマーおよびコポリマーのアミノアルキルエステルの無機酸塩;ならびに本発明者らの同時係属の英国特許出願第94031564号(国際公開第95/22311号)に記載されているようなカチオン性ポリアクリルアミドが挙げられる。使用し得る他のカチオン性沈着補助剤は、カチオン性セルロース誘導体およびカチオン性デンプン誘導体のような多糖ポリマーを含む。本発明の組成物に用いるのに適したカチオン性多糖ポリマー材料としては、式:A−O(R−N)のものが挙げられ、式中のAはデンプンまたはセルロースアンヒドログルコース残留物のようなアンヒドログルコース残留基であり、Rはアルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレンもしくはヒドロキシアルキレン基またはこれらの組み合わせであり、R、RおよびRは独立してアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキルまたはアルコキシアリール基であり、各基は最大約18個の炭素原子を含み、各カチオン部分の炭素原子の総数(すなわち、R、RおよびRの炭素原子の合計)は好適には約20個以下であり、Xは前述のようにアニオン性対イオンである。カチオン性セルロースは、Amerchol Corp.(米国ニュージャージー州エジソン)から、業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と称するトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩として、ポリマーのPolymer iR(商標)およびLR(商標)シリーズで市販されている。別のタイプのカチオン性セルロースとしては、業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と称するラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー第4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、Amerchol Corp.(米国ニュージャージー州エジソン)からポリマーLM−200の商品名で市販されている。使用し得る他のカチオン性沈着補助剤としては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(Celanese Corp.からJaguar商標シリーズで市販されている)のようなカチオン性グアーゴム誘導体が挙げられる。他の物質としては、第4級窒素含有セルロースエーテル(例えば、本明細書に参照して援用する米国特許第3,962,418号に記載されているもの)、ならびにエーテル化セルロースおよびデンプンのコポリマー(例えば、本明細書に参照して援用する米国特許第3,958,581号に記載されているもの)が挙げられる。
【0054】
パーソナルケア組成物は、増泡剤を含有することができる。増泡剤は、泡の崩壊を遅延させる泡安定剤とは対照的に、一定のモル濃度の界面活性剤系から得られる泡の量を増加させる作用剤である。泡形成は、効果的な量の増泡剤を水性媒体に添加することによりもたらされる。増泡剤は、好適には脂肪酸アルカノールアミドおよびアミンオキシドからなる群から選択される。脂肪酸アルカノールアミドを例示すると、イソステアリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、カプリン酸ジエタノールアミド、ココナツ脂肪酸ジエタノールアミド、リノール酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ココナツ脂肪酸モノエタノールアミド、オレイン酸モノイソプロパノールアミドおよびラウリン酸モノイソプロパノールアミドが挙げられる。アミンオキシドを例示すると、N−ココジメチルアミンオキシド、N−ラウリルジメチルアミンオキシド、N−ミリスチルジメチルアミンオキシド、N−ステアリルジメチルアミンオキシド、N−コカミドプロピルジメチルアミンオキシド、N−タロウアミドプロピルジメチルアミンオキシド、ビス(2−ヒドロキシエチル)C12〜15アルコキシプロピルアミンオキシドが挙げられる。好適には、増泡剤をラウリン酸ジエタノールアミド、N−ラウリルジメチルアミンオキシド、ココナツ酸ジエタノールアミド、ミリスチル酸ジエタノールアミドおよびオレイン酸ジエタノールアミドからなる群から選択する。増泡剤は、本発明のシャンプー組成物中に、組成物の総質量に対し好適には約1〜15質量%、より好適には約2〜10質量%の量で存在する。組成物は、泡立ち性能を向上させるためポリアルキレングリコールをさらに含むことができる。シャンプー組成物中のポリアルキレングリコールの濃度は、組成物の約0.01質量%〜約5質量%、好適には約0.05質量%〜約3質量%、より好適には約0.1重要%〜約2質量%の範囲内とすることができる。任意のポリアルキレングリコールは、一般式:H(OCH2CHR)n−OHにより特徴づけられ、式中のRはH、メチルおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される。RがHである場合、これらの物質は、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレンおよびポリエチレングリコールとしても既知のエチレンオキシドのポリマーである。Rがメチルである場合、これらの物質は、ポリプロピレンオキシド、ポリオキシプロピレンおよびポリプロピレングリコールとしても既知のプロピレンオキシドのポリマーである。Rがメチルである場合、生成したポリマーの各種位置異性体が存在することができることも理解されている。上記の構造において、nは約1500〜約25,000、好適には約2500〜約20,000、より好適には約3500〜約15,000の平均値を有する。本発明に有用なポリエチレングリコールポリマーとしては、RがHと等しく、nが約2,000の平均値を有するPEG−2M(PEG−2MはUnion Carbideから市販されるPolyox WSR9 N−10として、およびPEG−2,000としても知られる);RがHと等しく、nが約5,000の平均値を有するPEG−5M(PEG−5MはともにUnion Carbideから市販されるPolyox WSRO N−35およびPolyox WSRS N−80として、ならびにPEG−5,000およびポリエチレングリコール300,000としても知られる);RがHと等しく、nが約7,000の平均値を有するPEG−7M(PEG−7MはUnion Carbideから市販されるPolyox WSRO N−750としても知られる);RがHと等しく、nが約9,000の平均値を有するPEG−9M(PEG−9MはUnion Carbideから市販されるPolyox WSRS N−3333としても知られる);およびRがHと等しく、nが約14,000の平均値を有するPEG−14M(PEG−14MはUnion Carbideから市販されるPolyox WSRO N−3000としても知られる)がある。他の有用なポリマーとしては、ポリプロピレングリコールおよび混合ポリエチレン/ポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0055】
パーソナルケア組成物は、シャンプー組成物中に、好適なシリコーンコンディショニング剤または他の不水溶性物質を懸濁するのに効果的な濃度の懸濁化剤を分散形態で含むことができる。かかる濃度は、シャンプー組成物の約0.1質量%〜約10質量%、好適には約0.3質量%〜約5.0質量%の範囲内である。懸濁化剤としては、アシル誘導体、長鎖アミンオキシド、およびこれらの混合物と分類することができる結晶性懸濁化剤が挙げられ、その濃度はシャンプー組成物の約0.1質量%〜約5.0質量%、好適には約0.5質量%〜約3.0質量%の範囲内である。これら懸濁化剤が米国特許第4,741,855号に記載されており、その説明をここに参照して援用する。これら好適な懸濁化剤としては、約16〜約22個の炭素原子を好適に有する脂肪酸のエチレングリコールエステルが挙げられる。より好適なものは、モノおよびジステアレートの両方を含むエチレングリコールステアレートであるが、とくに約7%未満のモノステアレートを含有するジステアレートである。他の適切な懸濁化剤としては、好適には約16〜約22個、より好適には約16〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドが挙げられ、その好適な例としては、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノイソプロパノールアミドおよびステアリン酸モノエタノールアミドステアレートが挙げられる。他の長鎖アシル誘導体としては、長鎖脂肪酸の長鎖エステル(例えば、ステアリルステアレート、パルミチン酸セチル等);グリセリルエステル(例えば、グリセリルジステアレート)および長鎖アルカノールアミドの長鎖エステル(例えば、ステアルアミドジエタノールアミドジステアレート、ステアルアミドモノエタノールアミドステアレート)が挙げられる。上記の好適な物質に加えて、長鎖アシル誘導体、長鎖カルボン酸のエチレングリコールエステル、長鎖アミンオキシドおよび長鎖カルボン酸のアルカノールアミドを、懸濁化剤として用いることができる。例えば、C8〜C22鎖の長鎖ヒドロカルビルを有する懸濁化剤を用いることができることを意図している。懸濁化剤として用いるのに適した他の長鎖アシル誘導体としては、Stepan Company(米国イリノイ州ノースフィールド)から市販されるN,N−ジヒドロカルビルアミド安息香酸およびその可溶性塩(例えば、Na、K)、特にN,N−ジ(水素化)C16、C18およびこのファミリーの獣脂アミド安息香酸種が挙げられる。懸濁化剤として用いるのに適した長鎖アミンオキシドの例としては、アルキル(C16〜C22)ジメチルアミンオキシド、例えばステアリルジメチルアミンオキシドが挙げられる。他の適当な懸濁化剤としては、シャンプー組成物の約0.3質量%〜約3質量%、好適には約0.4質量%〜約1.2質量%の範囲内の濃度のキサンタンゴムがある。シリコーン含有シャンプー組成物における懸濁化剤としてのキサンタンゴムの使用は、例えば米国特許第4,788,006号に記載され、その説明をここに参照して援用する。長鎖アシル誘導体およびキサンタンゴムの組み合わせを、懸濁化剤としてシャンプー組成物に用いることもできる。かかる組み合わせが米国特許第4,704,272号に記載され、その説明をここに参照して援用する。他の適当な懸濁化剤は、カルボキシビニルポリマーを含む。これらポリマーのうち好適なものは、本明細書に参照して援用した米国特許第2,798,053号に記載されているようなポリアクリルスクロースで架橋したアクリル酸のコポリマーである。これらポリマーの例としては、B. F. Goodrich Companyから入手し得るCarbopol934、940、941および956が挙げられる。他の適当な懸濁化剤は、パルミタミンまたはステアラミンが挙げられる少なくとも約16個の炭素原子の脂肪アルキル部分を有する第1級アミン、およびその例としてジパルミトイルアミンまたはジ(水素化獣脂)アミンが挙げられる少なくとも約12個の炭素原子の2つの脂肪アルキル部分を有する第2級アミンを含む。さらに他の適切な懸濁化剤は、ジ(水素化獣脂)フタル酸アミドおよび架橋マレイン酸無水メチルビニルエーテルコポリマーを含む。セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース)、グアーゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルグアーゴム、デンプンおよびデンプン誘導体、および他の増粘剤、粘度調整剤、ゲル化剤等のような水溶性またはコロイド状水溶性ポリマーなどの組成物にゲル状粘性を与えることができるものを含む他の適切な懸濁化剤をシャンプー組成物に用いることができる。
【0056】
パーソナルケア組成物は、プロピレングリコールおよびブチレングリコールのような低分子量脂肪族ジオール;グリセリンおよびソルビトールのようなポリオール;ならびにポリエチレングリコール200のようなポリオキシエチレンポリマーを限定しないが含む1つ以上の水溶性皮膚軟化剤を含有することができる。用いる水溶性皮膚軟化剤の特定のタイプおよび量は、組成物の所望の美的特性に応じて変わり、当業者により容易に決定される。
【0057】
パーソナルケア組成物は、種々の油を含有することができる。本明細書で用いる「油」の用語は、ほぼ水に不溶性のあらゆる物質を指す。組成物を化粧品またはパーソナルケア製品に用いる場合、製品の成分はまた化粧品的に許容可能であるか、そうでなければ最終用途製品の条件を満たさなければならない。適切な油成分としては、ココナツ油のような天然油;鉱油および水素化ポリイソブテンのような炭化水素;オクチルドデカノールのような脂肪アルコール;C12〜C15アルキルベンゾエートのようなエステル;プロピレンジペラルガネートのようなジエステル;およびトリオクタン酸グリセリルのようなトリエステル、並びにシリコーン、とくにシクロメチコーンおよびジメチコーンならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物は、油、好適には低粘度および高粘度油の混合物も含有する。適当な低粘度油は、25℃で5〜100mPaの粘度を有し、一般にRCO−OR’構造を有するエステルであり、式中のRCOはカルボン酸基を表し、OR’はアルコール残基である。これらの低粘度油の例としては、イソノナン酸イソトリデシル、PEG−4ジヘプタノエート、イソステアリルネオペンタノエート、トリデシルネオペンタノエート、オクタン酸セチル、パルミチン酸セチル、リシノール酸セチル、ステアリン酸セチル、ミリスチン酸セチル、ココ−ジカプリレート/カプレート、イソステアリン酸デシル、オレイン酸イソデシル、イソデシルネオペンタノエート、イソヘキシルネオペンタノエート、パルミチン酸オクチル、リンゴ酸ジオクチル、オクタン酸トリデシル、ミリスチン酸ミリスチル、オクトドデカノール、オクチルドデカノールの混合物、アセチル化ラノリンアルコール、酢酸セチル、イソドデカノール、ポリグリセリル−3−ジイソステアレート、またはこれらの混合物が挙げられる。高粘度表面油は、一般に25℃で200〜1,000,000mPaの粘度、好適には100,000〜250,000mPaの粘度を有する。表面油としては、ヒマシ油、ラノリンおよびラノリン誘導体、クエン酸トリイソセチル、セスキオレイン酸ソルビタン、C10〜18トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/トリグリセリド、ココナツ油、トウモロコシ油、綿実油、グリセリルトリアセチルヒドロキシステアレート、グリセリルトリアセチルリシノレート、トリオクタン酸グリセリル、水素化ヒマシ油、亜麻仁油、ミルク油、オリーブ油、ヤシ油、イリッペ脂、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、獣脂、トリカプリン、トリヒドロキシステアリン、トリイソステアリン、トリラウリン、トリリノレイン、トリミリスチン、トリオレイン、トリパルミチン、トリステアリン、クルミ油、小麦の胚種油、コレステロール、またはこれらの混合物が挙げられる。油相中の低粘度油対高粘度油の推奨比は、それぞれ1:15〜15:1、好適には1:10〜10:1である。本発明の好適な製剤は、1〜20%の低粘度および高粘度表面油の混合物を含む。任意の他の非シリコーン脂肪物質の中でもとりわけ、流動パラフィンもしくは流動石油のような鉱油、ペルヒドロスクアレンもしくはアララ油のような動物油、あるいはまたスイートアーモンド、カルフィラム、ヤシ、ヒマシ、アボカド、ホホバ、オリーブもしくは穀物胚芽油のような植物油を挙げることができる。例えば、ラノリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、またはミリスチン酸のエステル;オレイルアルコール、リノレイルもしくはリノレニルアルコール、イソステアリルアルコール、またはオクチルドデカノールのようなアルコール;またはアルコールもしくはポリアルコールのアセチルグリセリド、オクタノエート、デカノエートもしくはリシノレートを用いることも可能である。あるいはまた、水素化ヒマシ、ヤシもしくはココナツ油、または水素化獣脂のような25℃で固体である水素化油;モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドもしくはスクログリセリド;ラノリン;または25℃で固体である脂肪エステルを用いることが可能である。
【0058】
パーソナルケア組成物は、種々のワックスを含有することができる。ワックスまたはワックス状物質は、一般に大気圧で35〜120℃の範囲の融点を有する。このカテゴリーのワックスとしては、合成ワックス、セレシン、パラフィン、オゾケライト、イリッペ脂、蜜ろう、カーナバ、微結晶ラノリン、ラノリン誘導体、カンデリラ、ココアバター、セラックワックス、クジラろう、ブランワックス、カポックワックス、サトウキビワックス、モンタンワックス、鯨ワックス、ヤマモモワックスまたはこれらの混合物が挙げられる。本発明の好適な製剤は、約10〜30%のワックスの混合物を含む。非シリコーン脂肪物質として用いることができるワックスの中でもとりわけ、蜜ろうのような動物ワックス;カーナバ、カンデリラ、オーリキュリーもしくは日本ワックス、またはコルク繊維もしくはサトウキビワックスのような植物ワックス;ミネラルワックス、例えば、パラフィンもしくはリグナイトワックスまたは微結晶ワックスもしくはオゾケライト;ポリエチレンワックスおよびフィッシャートロプシュ合成により得たワックスを含む合成ワックスを挙げることができる。シリコーンワックスの中では、ポリメチルシリコーンアルキル、アルコキシおよび/またはエステルを挙げることができる。
【0059】
増粘剤を添加して都合の良い粘度をもたらすことができる。例えば、25℃で500〜25,000mm/sの範囲内、あるいは3,000〜7,000mm/sの範囲内の粘度が通常適している。適当な増粘剤を例示すると、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ポリオキシエチレン、グアーゴム、ヒドロキシプロピルグアーゴム、ラウレス−4もしくはポリエチレングリコール400のようなエトキシル化アルコール、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース誘導体、デンプン、ヒドロキシエチルアミロースおよびデンプンアミロースのようなデンプン誘導体、ローカストビーンゴム、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムのような電解質、フルクトースおよびグルコースのようなサッカリド、PEG−120メチルグルコースジオレートのようなサッカリドの誘導体またはこれらの2つ以上の混合物が挙げられる。あるいはまた、増粘剤をセルロース誘導体、サッカリド誘導体および電解質から選択するか、またはセルロース誘導体およびいずれかの電解質、ならびにデンプン誘導体およびいずれかの電解質の組み合わせのような上記増粘剤の2つ以上の組み合わせから選択する。増粘剤は、用いる場合、本発明のシャンプー組成物中に500〜25,000mm/sの最終シャンプー組成物の粘度をもたらすに十分な量で存在する。あるいはまた、増粘剤が組成物の総質量に対し約0.05〜10質量%、あるいは0.05〜5質量%の量で存在する。
【0060】
安定剤を組成物の水相に用いることができる。適切な水相安定剤は、電解質、ポリオール、エチルアルコールのようなアルコール、および親水コロイドを単独でまたは1つ以上組み合わせて含むことができる。典型的な電解質は、アルカリ金属塩およびアルカリ土類塩、とくにナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムの塩化物、ホウ酸塩、クエン酸塩、および硫酸塩のほか、アルミニウムクロロヒドレート、ならびに高分子電解質、とくにヒアルロン酸およびヒアルロン酸ナトリウムである。安定剤が電解質であるか、またはそれを含む場合、その量は総組成物の約0.1〜5質量%、あるいは0.5〜3質量%である。親水コロイドは、キサンタンゴムまたはビーゴムのようなゴム、ならびにカルボキシメチルセルロースのような増粘剤を含む。グリセリン、グリコールおよびソルビトールのようなポリオールを用いることもできる。別のポリオールは、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールおよびブチレングリコールである。大量のポリオールを用いると、電解質を添加する必要がない。しかしながら、水相を安定させるため、電解質、ポリオールおよび親水コロイドの組み合わせ、例えば硫酸マグネシウム、ブチレングリコール、およびキサンタンゴムを用いることが典型的である。
【0061】
本発明に係る組成物は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素のような推進ガス、ブタン、イソブタンまたはプロパンのような揮発性炭化水素、ならびにジクロロジフルオロメタンおよびジクロロテトラフルオロエタンのような塩素化もしくはフッ素化炭化水素またはジメチルエーテルと組み合わせてエアロゾル形態とすることもできる。
【0062】
シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョン以外のシリコーン組成物をパーソナルケア組成物に含めることもできる。例えば、かかるシリコーンとしては、シリコーン流体、ゴム、樹脂、エラストマー;シリコーンポリエーテル、アミノ官能性シリコーンのような有機官能性シリコーンおよびアルキルメチルシロキサンのようなシリコーン界面活性剤および乳化剤が挙げられる。
【0063】
アルキルメチルシロキサンを本組成物に含めることができる。これらシロキサンポリマーは、通常式MeSiO[MeSiO][MeRSiO]SiMeを有し、式中のRは6〜30個の炭素原子を含有する炭化水素基であり、Meはメチルを表し、重合度(DP)、すなわち、yおよびzの合計は3〜50である。アルキルメチルシロキサンの揮発性種および液体種の両方を組成物に用いることができる。
【0064】
シリコーンゴムを本組成物に含めることができる。ポリジオルガノシロキサンゴムは当業界で既知で、市販されている。これらは、25℃で1,000,000センチストーク(mm/s)、あるいは25℃で5,000,000センチストーク(mm/s)を超える粘度を有する通常不溶性のポリジオルガノシロキサンからなる。これらシリコーンゴムは、一般に取扱いを容易にする適当な溶剤中に予め分散させた組成物として販売されている。超高粘度シリコーンを任意の成分として含めることもできる。これら超高粘度シリコーンは、通常25℃で5,000,000センチストーク(mm/s)より大きく、25℃で約20,000,000センチストーク(mm/s)までの動粘性率を有する。このタイプの組成物の懸濁液形態がもっとも好ましく、例えば米国特許第6,013,682号(2000年1月11日)に記載されている。
【0065】
シリコーン樹脂を本組成物に含めることができる。これら樹脂組成物は、通常高度に架橋したポリマーシロキサンである。製造中に用いる単官能性シランおよび/または二官能性シランで三官能性および/または四官能性シランを組み込むことにより架橋が得られる。適当なシリコーン樹脂を得るために必要な架橋度は、シリコーン樹脂の製造中に組み込んだシランモノマー単位の細目によって変わる。一般に、剛体または硬膜まで乾燥するのに十分なレベルの三官能性および四官能性シロキサンモノマー単位を有し、ひいては十分な架橋度を有するあらゆるシリコーンが、シリコーン樹脂として用いるのに適していると見なすことができる。本発明の用途に適した市販のシリコーン樹脂は、通常低粘度揮発性または非揮発性シリコーン流体の未硬化形態で供給される。シリコーン樹脂を本発明の組成物中に硬化樹脂構造としてではなく未硬化形態で組み込まなくてはならない。
【0066】
シリコーンカルビノール流体を本組成物に含めることができる。これら物質は国際公開第03/101412A2号に記載され、置換ヒドロカルビル官能性シロキサン流体または樹脂としてよく記述することができる。
【0067】
水溶性または水分散性シリコーンポリエーテル組成物を本組成物に含めることができる。これらは、ポリアルキレンオキシドシリコーンコポリマー、シリコーンポリ(オキシアルキレン)コポリマー、シリコーングリコールコポリマーまたはシリコーン界面活性剤としても知られている。これらは線状レーキもしくはグラフト型物質、またはBがシロキサンポリマーブロック、Aがポリ(オキシアルキレン)基であるABA型とすることができる。ポリ(オキシアルキレン)基はポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたは混合ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド基で構成することができる。ブチレンオキシドまたはフェニレンオキシドのような他の酸化物を用いることもできる。
【0068】
本発明に係る組成物は、w/o、w/s、またはシリコーン乳化剤を用いる多相エマルジョンに用いることができる。一般に、こうした製剤中のシリコーン中水型乳化剤は非イオン性であり、ポリオキシアルキレン置換シリコーン、シリコーンアルカノールアミド、シリコーンエステルおよびシリコーングリコシドから選択される。適当なシリコーン系界面活性剤は当業界で周知であり、例えば米国特許第4,122,029号、同第5,387,417号および同第5,811,487号に記載されている。
【実施例】
【0069】
これら実施例は、本発明を当業者に例示することを意図するものであり、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。すべての測定および実験は、とくに指示のない限り、23℃で行った。
【0070】
(実施例1)
エポキシ末端(AB)nシリコーンポリエーテルコポリマーの合成:
1Lフラスコに408.18gの35DP Si−H末端ポリジメチルシロキサンと、0.4825gのSYL−OFF4000(0.52質量%白金)と、58.16gの2−プロパノールとを添加した。ヘッドスペースをNでパージし、反応体を70℃まで加熱した。79.82gのNOF Uniox DMUS−5[ジメタリル末端ポリ(エチレンオキシド)]を滴下した。緩やかな発熱(〜2℃)の観測後、ポリエーテルの添加中に温度を90℃まで上昇させた。ポリ(エチレンオキシド)の完全な添加後(〜20分)、反応混合物を1時間加熱した。これに13.04gのアリルグリシジルエーテルを滴下した。反応物を90℃でさらに3時間加熱した。完了後、揮発分を真空除去した。29Si NMRによるポリマーの分析は2.4に等しいnの値を示し、CH(O)CHCHOCHCHCH[SiMe(OSiMe35OSiMeCHCH(CH)CHO(CHCHO)14CHCH(CH)CH2.4SiMeO(SiMeO)35OSiMeCHCHCHOCHCH(O)CHの平均構造に対応する11,300g/モルの計算分子量をもたらす。
【0071】
アミン末端(AB)nシリコーンポリエーテルコポリマーの合成:
250mLフラスコに100.03gの上記エポキシ末端(AB)nシリコーンポリエーテルコポリマーと、2.94gのジイソプロパノールアミンと、24.87gの2−プロパノールとを添加した。ヘッドスペースをNでパージし、混合物を4時間還流加熱した。揮発分を真空除去した。13C NMRによる分析で、アミンとの反応によるエポキシ部分の消失を確認する。官能性部分に基づく組成物に関して、ポリマーは81質量%のシリコーン、13質量%のエチレンオキシドおよび0.49質量%の窒素を含有する。
【0072】
(実施例2)
エマルジョンAの調製:
乳化処理をHauschild Speedmixer(DAC150FVZモデル)上で行った。プラスチック製の20gの大きさのカップに10.18gの実施例1のシリコーンコポリマーを0.53gのBrij 35L界面活性剤および3.12gの水とともに添加した。混合物を最大速度で20秒間せん断した。ゲル状相および粒子をヘラで加工して水相の取り込みを補助した。せん断ステップおよびその後のヘラでの加工をすべての水分が取り込まれるまで繰り返し、均質な混合物を生成した。最終的に3.00gの水を添加し、エマルジョンを再度Speedmixer上で混合した。
【0073】
(実施例3)
エマルジョンBの調製:
20gのカップに4.1gの実施例1に記載したシリコーンコポリマーを添加した。この容器に0.099gの乳酸、4.0gのBrij 35Lおよび2.2gの水を添加した。混合物をSpeedmixer上で最大速度で20秒間せん断した。1〜3gのアリコートの水を合計10.1gが添加されるまで添加した。各添加後、混合物をSpeedmixer上でせん断し、ヘラで加工して水のゲル状相への取り込みを補助した。
【0074】
(実施例4)
エマルジョンCの調製:
プラスチック製の20gの大きさのカップに10.20gの実施例1と類似の方法で合成した(AB)nシリコーンポリエーテルコポリマー(分子量=25,300、NMRによる分析で外挿して91質量%シリコーン、5.8質量%エチレンオキシド、0.22質量%窒素)を添加した。カップに0.60gのBrij 35L界面活性剤および2.30gの水も添加した。混合物を最大速度で20秒間せん断した。ゲル状相および粒子をヘラで加工して水相の取り込みを補助した。せん断ステップおよびその後のヘラでの加工をすべての水分が取り込まれるまで繰り返し、均質な混合物を生成した。1.3、2.1および0.80gの水をSpeedmixerでせん断しながらさらに添加した。
【0075】
(実施例5)
エマルジョンDの調製:
20gのSpeedmixerカップに4.2gの実施例4に記載した(AB)nシリコーンポリエーテルコポリマーを添加した。この容器に0.063gの乳酸、4.2gのBrij 35Lおよび2.3gの水も添加した。混合物をSpeedmixer上で最大速度で20秒間せん断した。1〜3gのアリコートの水を合計9.5gが添加されるまで添加した。各添加後、混合物をSpeedmixer上でせん断し、ヘラで加工して水のゲル状相中への取り込みを補助した。
【0076】
(実施例6)
エマルジョンEの調製:
100gのSpeedmixerカップに20.0gの(AB)nシリコーンポリエーテルコポリマー(分子量=30,100、NMRによる分析で外挿して87質量%シリコーン、11質量%エチレンオキシド、0.19質量%窒素)を添加した。この容器に0.963gの乳酸、20.8gのBrij 35Lおよび9.1gの水も添加した。混合物をSpeedmixer上で最大速度で30秒間せん断した。8〜12gのアリコートの水を合計50.4gが添加されるまで添加した。各添加後、混合物をSpeedmixer上でせん断し、ヘラで加工して水のゲル状相中への取り込みを補助した。
【0077】
(実施例7)
エマルジョンFの調製:
100gのSpeedmixerカップに20.2gの(AB)nシリコーンポリエーテルコポリマー(分子量=38,400、NMRによる分析で外挿して93質量%シリコーン、4.9質量%エチレンオキシド、0.15質量%窒素)を添加した。この容器に0.128gの乳酸、20.2gのBrij 35Lおよび9.5gの水も添加した。混合物をSpeedmixer上で最大速度で30秒間せん断した。7〜12gのアリコートの水を合計49.6gが添加されるまで添加した。各添加後、混合物をSpeedmixer上でせん断し、ヘラで加工して水のゲル状相中への取り込みを補助した。
【0078】
(実施例8)
エマルジョンGの調製:
250mLのステンレス鋼製ビーカーに20.19gの実施例7に記載したシリコーンポリエーテルコポリマーを6.67gのTergitol 15−S−12および3.34gのTergitol 15−S−5とともに添加した。これら成分を500rpmで5分間Caframoミキサー(RZR50型)に固定したCowlesブレードを用いて混合した。0.5mLの酢酸の添加後、混合をさらに5分間行った。混合中、10.10gの脱イオン水を徐々に添加し、せん断を10分間継続した。追加のアリコートの脱イオン水10.24gを添加し、混合を30分間継続した。別の脱イオン水10.19gを添加した後、混合を30分間継続した。確実にポリマーを水相中へ完全に取り込むため、ミキサーを時々停止して壁をこそいだ。最終的に29.57gの脱イオン水を添加し、エマルジョンを3時間混合した。エマルジョンを回収した後、9.90gの脱イオン水を添加して添加剤含量を所望のレベルまで調節した。
【0079】
(実施例9)
鎖延長アミノ官能(AB)nシリコーンポリエーテルコポリマーの合成:
2Lのフラスコに131.7gのNOF DMUS−5[ジメタリル末端ポリ(エチレンオキシド)]と、1.76gの白金溶液(IPA中の0.33質量%白金、希釈Dow Corning2−0719触媒)と、111.2gのエチルアセテートとを添加した。ヘッドスペースをNでパージし、反応体を70℃まで加熱した。フラスコに868.5gの42DP Si−H末端ポリジメチルシロキサンを30分かけて滴下した。緩やかな発熱(〜2℃)で反応混合物の淡黄色への色変化を観測後、シロキサンポリマーの添加中に温度を90℃まで上昇させた。シロキサンポリマーの完全な添加後、反応混合物を2時間加熱し、次に24.31gのアリルグリシジルエーテルを添加した。反応物を100℃で4時間加熱した。完了後、揮発分を真空除去した。29Si NMRによるポリマーの分析は1.5に等しいnの値を示し、CH(O)CHCHOCHCHCH[SiMe(OSiMe42OSiMeCHCH(CH)CHO(CHCHO)14CHCH(CH)CH1.5SiMeO(SiMeO)42OSiMeCHCHCHOCHCH(O)CHの平均構造に対応する9,600g/モルの計算分子量をもたらす。1Lフラスコに444.7gのエポキシ末端(AB)nシリコーンコポリマーと、5.38gのピペラジンと、151.1gの2−プロパノールとを添加した。内容物を12時間還流加熱した。次に、揮発性成分を真空除去した。13Cおよび29Si NMR分光分析は、23,400g/モルの分子量ならびに82質量%のシリコーン、9.3質量%のエチレンオキシドおよび0.41質量%の窒素の組成を有するアミノ官能鎖延長ポリマーが得られたことを示す。
【0080】
(実施例10)
エマルジョンHの調製:
100gのSpeedmixerカップに59.99gの実施例9に記載の鎖延長アミノ官能(AB)nシリコーンポリエーテルコポリマーを添加した。この容器に0.21gの乳酸、3.38gのBrij 35Lおよび15.1gの脱イオン水も添加した。混合物をSpeedmixer上で最大速度で30秒間せん断した。5〜7gのアリコートの水を合計22.04gが添加されるまで添加した。各添加後、混合物をSpeedmixer上でせん断し、ヘラで加工して水のゲル状相中への取り込みを補助した。
【0081】
(実施例11)
エマルジョンIの調製:
100gのSpeedmixerカップに60.00gの実施例9と類似の方法で合成した代替鎖延長アミノ官能(AB)nシリコーンポリエーテルコポリマー(分子量=23,900、NMRによる分析で外挿して92質量%シリコーン、3.5質量%エチレンオキシド、0.26質量%窒素)を添加した。この容器に0.13gの乳酸、3.88gのBrij 35Lおよび15.1gの脱イオン水も添加した。混合物をSpeedmixer上で最大速度で30秒間せん断した。5〜11gのアリコートの水を合計22.1gが添加されるまで添加した。各添加後、混合物をSpeedmixer上でせん断し、ヘラで加工して水のゲル状相中への取り込みを補助した。
【0082】
【表1】

【0083】
(実施例12)
ヘアコンディショナー製剤:
シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンの試料を、2質量パーセントのシリコーンを用いる洗い流すタイプのコンディショニング製剤に添加した。コンディショニング製剤を表2に示す。本発明のコンディショナーを表1のエマルジョンA、B、CおよびDを用いて調製した。市販の非イオン性アミノシロキサンマイクロエマルジョン、カチオン性アミノシロキサンエマルジョン、および比較のシリコーンアミノSPE ABnコポリマーエマルジョン含有するコンディショナーも比較目的で試験した。
【0084】


【表2】

1. デラウェア州ウィルミントンのHerculesから入手し得るNatrosol(登録商標)250HHR
2. ニュージャージー州エジソンのCroda Inc.から入手し得るCrodocol CS−50(登録商標)
3. デラウェア州ウィルミントンのUniqemaから入手し得るArlacel(登録商標)
4. A、2%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(60.5%活性)
5. B、2%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(20.1%活性)
6. C、2%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(59.0%活性)
7. D、2%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(20.8%活性)
8. ミシガン州ミッドランドのDow Corningから入手し得るDow Corning(登録商標)CE−8170 AFマイクロエマルジョン、 2%活性シリコーンレベルに基づく濃度(20%活性)
9. ミシガン州ミッドランドのDow Corningから入手し得るDow Corning(登録商標)949エマルジョン、 2%活性シリコーンレベルに基づく濃度(35%活性)
10. ミシガン州ミッドランドのDow Corningから入手し得るDow Corning(登録商標)CE 8401エマルジョン、 2%活性シリコーンレベルに基づく濃度(21.5%活性)
11. ニュージャージー州フェアローンのLonza, Inc.から入手し得るGlydant(登録商標)

脱イオン水を混合容器に添加し、75℃まで加熱する。中程度に撹拌しながら、ヒドロキシエチルセルロースを完全に溶解するまで分散させる。温度を60℃まで低下させ、セテアリールアルコールならびにPEG−100ステアレートおよびグリセリルステアレートを添加する。次に、温度を40℃まで低下させ、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンをベースのコンディショナーに添加する。コンディショナーを5〜10分間混合した後、DMDMヒダントインを添加する。水損失を補い、製剤をさらに5分間混合する。コンディショナー製剤の最終pHはすべて約6〜7である。
【0085】
手順―毛髪試料の用意
本発明で調製したコンディショナーを試験するために、International Hair Importer and Products, Inc.からの少し脱色したヨーロッパ人の髪を用いた。約8インチの長さのマスターハンドの毛髪を、一連の個別の髪房にさらに分割した。各房は約2.5グラムだった。髪の根もと0.5インチ(1.27cm)を切り、DUCO CEMENT(登録商標)を用いて2インチ×2インチ(5.08cm×5.08cm)のプラスチック製のタブに接着した。接着剤を乾燥させ、髪房を梳かし、プラスチックタブの底下端から下に6インチ(15.24cm)の髪が延在するような長さに整えた。タブの中央、その上端から約4分1インチ(0.635cm)に穴をあけた。各房を40℃の水道水を流して15秒間すすいだ。ピペットを用いて、9パーセントのラウリル硫酸ナトリウムを含有する溶液1.0グラムを塗布し、房全体で30秒間泡立てた。房を流水で30秒間すすいだ。房を手の人差し指と中指との間に通すことにより房から過剰水を除去した。房をペーパータオルで覆ったトレイの上に置き、一晩乾燥させた。各房を歯の細かいACE(登録商標)くしで3回梳かし、インストロン湿式およびインストロン乾式コーミング法を用いて評価した。
【0086】
インストロン法は標準的な広く認められた工業的に許容し得る可能な手順であり、例えば、米国特許第5,389,364号(1995年2月14日)、第5,409,695号(1995年4月25日)、第5,419,627号(1995年5月30日)および第5,504,149号(1996年4月2日)を参照。
【0087】
洗い流すタイプのコンディショナーの試験について、髪房を30秒間40℃の水道水ですすぐ。試験コンディショナーを0.8グラムの量で房に塗布し、房を30秒間撫で付ける。房を40℃の水道水で30秒間すすぐ。房を手の人差し指と中指との間に通して引くことにより過剰水を除去する。房を別々にペーパータオル上に置き、室温で一晩乾燥する。房はインストロン試験を行う前に1回梳かす。
【0088】
試験手順
インストロンコーミングは、湿式コーミングのしやすさおよび乾式コーミングのしやすさによる髪のコンディショニングを決定するための産業上認識されている試験である。この試験は、髪を梳くのに要する力を測定するために備えられたインストロンひずみゲージを用いる。コンディショニング性能は、インストロンひずみゲージで髪を梳かすのに要する力を低減するためのシャンプーまたはヘアコンディショナーのような特定の毛髪処理製剤の能力に基づく。その力は平均コーミング荷重(ACL)として示す。ACL値の数が低いほど、試験対象の製剤により与えられたコンディショニング効果は良好である。一般に、ACL基準は、ラウリル硫酸ナトリウム溶液で洗っただけの未処理の房を用いて初めに規定する。次いで、処理の有効性を処理した房のACLまたは下記の関係式:
(未処理の髪のACL−処理した髪のACL)×100÷未処理の髪のACL
を用いて計算したACLの低下率として表すことができる。
【0089】
インストロン湿式コーミング法によれば、まず髪を蒸留水に浸してぬらした後、房を3回梳かすことにより髪のもつれをほぐす。次に、房を蒸留水に3回浸すことにより再度もつれさせる。房を手の人差し指と中指の間に2回通して過剰水を除去する。房をフックにかけ、インストロンコーミングした。再度もつれされてインストロンコーミングすることを、すべてのデータ点を回収するまで繰り返す。各処理について3つの房の平均コーミング力を測定する。
【0090】
インストロン乾式コーミング法によれば、房を3回梳かすことにより髪のもつれをほぐす。次に、房を時計回りに3回および反時計回りに3回旋回させることにより髪を再度もつれさせる。次いで、房をフックにかけインストロンコーミングする。再度もつれされてインストロンコーミングすることを、すべてのデータ点を回収するまで繰り返す。各処理について3つの房の平均コーミング力を測定する。
【0091】
表2のコンディショナーを用いるインストロン湿式コーミングの結果を表3に示す。結果は、Dを除く本発明のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョン含有コンディショナーのすべてが湿式コーミング力の低下をもたらしたことを示す。シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンAおよびCを含むコンディショナーは、アミノ官能シリコーンエマルジョン含有コンディショナーおよび比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンより優れた性能を示した。従って、本発明のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマー含有エマルジョンを含有するコンディショナーは、髪の湿式コンディショニング特性を大幅に向上させることができる。
【0092】
表2のコンディショナーで実施したインストロン乾式コーミング試験の結果を表4に示す。表4は、本発明のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマー含有エマルジョンが乾燥コーミング力の大幅な低下をもたらしたことを示す。エマルジョンAおよびCを含有するコンディショナーは、アミノ官能シリコーンエマルジョンに相当する性能を示し、比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンより優れた性能を示した。従って、本発明のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマー含有エマルジョンを含有するコンディショナーは、髪の乾式コンディショニング特性を大幅に向上させることができる。
【0093】
【表3】

【0094】
【表4】

【0095】
(実施例13)
ヘアコンディショナー製剤
【表5】

1. デラウェア州ウィルミントンのHerculesから入手し得るNatrosol(登録商標)250HHR
2. ニュージャージー州エジソンのCroda Inc.から入手し得るCrodocol CS−50(登録商標)
3. デラウェア州ウィルミントンのUniqemaから入手し得るArlacel(登録商標)165
4. C、1.0%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(59.0%活性)
5. ミシガン州ミッドランドのDow Corningから入手し得るDow Corning(登録商標)CE 8401エマルジョン、 1.0%活性シリコーンレベルに基づく濃度(21.5%活性)
6. ニュージャージー州フェアローンのLonza, Inc.から入手し得るGlydant(登録商標)

脱イオン水を混合容器に添加し、75℃まで加熱した。中程度に撹拌しながら、ヒドロキシエチルセルロースを完全に溶解するまで分散させる。温度を60℃まで低下させ、セテアリールアルコールならびにPEG−100ステアレートおよびグリセリルステアレートを添加する。次に、温度を40℃まで低下させ、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンをベースのコンディショナーに添加する。コンディショナーを5〜10分間混合した後、DMDMヒダントインを添加する。水損失を補い、製剤をさらに5分間混合する。コンディショナー製剤の最終pHはすべて約6〜7である。
【0096】
表5のコンディショナーを用いるインストロン湿式コーミングの結果を表6に示す。結果は、本発明のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョン含有コンディショナーが低使用レベルで湿式コーミング力の大幅な低下をもたらしたことを示す。1%活性シリコーンを含有するコンディショナーは、表2の2%活性シリコーンを含有する同じコンディショナーと同様の性能を有していた。シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンを含有するコンディショナーは、比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンより大幅に優れた性能を示した。
【0097】
表5のコンディショナーで実施したインストロン乾式コーミング試験の結果を表7に示す。結果は、本発明のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョン含有コンディショナーが低使用レベルで乾燥コーミング力の大幅な低下をもたらしたことを示す。1%活性シリコーンを含有するコンディショナーは、表2の2%活性シリコーンを含有する同じコンディショナーと同様の性能を有していた。シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンを含有するコンディショナーは、比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンより大幅に優れた性能を示した。
【0098】
【表6】

【0099】
【表7】

【0100】
(実施例14)
ヘアコンディショナー製剤

【表8】

1. デラウェア州ウィルミントンのHerculesから入手し得るNatrosol(登録商標)250HHR
2. ニュージャージー州エジソンのCroda Inc.から入手し得るCrodocol CS−50(登録商標)
3. デラウェア州ウィルミントンのUniqemaから入手し得るArlacel(登録商標)165
4. H、1.2%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(59.6%活性)
5. I、1.1%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(59.3%活性)
6. ミシガン州ミッドランドのDow Corningから入手し得るDow Corning(登録商標)CE 8401エマルジョン、 1.0%活性シリコーンレベルに基づく濃度(21.5%活性)
7. ニュージャージー州フェアローンのLonza, Inc.から入手し得るGlydant(登録商標)

脱イオン水を混合容器に添加し、75℃まで加熱した。中程度に撹拌しながら、ヒドロキシエチルセルロースを完全に溶解するまで分散させる。温度を60℃まで低下させ、セテアリールアルコールならびにPEG−100ステアレートおよびグリセリルステアレートを添加する。次に、温度を40℃まで低下させ、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンをベースのコンディショナーに添加する。コンディショナーを5〜10分間混合した後、DMDMヒダントインを添加する。水損失を補い、製剤をさらに5分間混合する。コンディショナー製剤の最終pHはすべて約6〜7である。
【0101】
表8のコンディショナーを用いるインストロン湿式コーミングの結果を表9に示す。結果は、本発明のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョン含有コンディショナーが、湿式コーミング力の大幅な低下をもたらしたことを示す。シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンHおよびIを含有する両方のコンディショナーは、シリコーンを含まない対照コンディショナーおよび比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンより大幅に優れた性能を示した。従って、本発明のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマー含有エマルジョンを含有するコンディショナーは、髪の湿式コンディショニング特性を大幅に向上させることができる。
【0102】
表8のコンディショナーで実施したインストロン乾式コーミングの結果を表10に示す。表10は、本発明のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマー含有エマルジョンが、乾式コーミング力の大幅な低下をもたらしたことを示す。エマルジョンHおよびIを含有するコンディショナーは、シリコーンを含まない対照コンディショナーおよび比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンより大幅に優れた性能を示した。従って、本発明のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマー含有エマルジョンを含有するコンディショナーは、髪の乾式コンディショニング特性を大幅に向上させることができる。
【0103】
【表9】

【0104】
【表10】

【0105】
(実施例15)
コンディショニングシャンプー製剤
シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンの試料を2質量パーセントのシリコーンポリマーを用いるシャンプー製剤に添加した。シャンプー製剤を表11に示す。本発明のシャンプーを表1のエマルジョンA、B、CおよびDを用いて調製した。市販の非イオン性アミノシロキサンマイクロエマルジョンおよび比較シリコーンアミノSPE(AB)nコポリマーエマルジョンを含むシャンプーも比較目的で試験した。
【0106】
【表11】

1. オハイオ州シンシナチのCognis Corp.から入手し得るStandapol ES−3(登録商標)
2. デラウェア州ニューキャッスルのUniqemaから入手し畝Monamid 705(登録商標)
3. デラウェア州ニューキャッスルのUniqemaから入手し得るMonateric CAB−LC(登録商標)
4. ミシガン州ミッドランドのDow/Amercholから入手し得るUCAREポリマーJR−30M
5. ニュージャージー州エジソンのCroda Inc.から入手し得るCrothix(登録商標)
6. A、2%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(60.5%活性)
7. B、2%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(20.1%活性)
8. C、2%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(59.0%活性)
9. D、2%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(20.8%活性)
10. ミシガン州ミッドランドのDow Corningから入手し得るDow Corning(登録商標)CE−8170 AFマイクロエマルジョン、 2%活性シリコーンレベルに基づく濃度(20%活性)
11. ミシガン州ミッドランドのDow Corningから入手し得るDow Corning(登録商標)CE−8401エマルジョン、 2%活性シリコーンレベルに基づく濃度(21.5%活性)
12. ニュージャージー州フェアローンのLonza, Inc.から入手し得るGlydant(登録商標)

脱イオン水を混合容器に添加する。活性シリコーンの装填量を試験の間一定に保つため、用いる各種エマルジョン中の活性シリコーンパーセントに応じて添加する水のレベルを調節する必要がある。中程度に撹拌しながら、ポリクオタニウム−10を完全に溶解するまで分散させる。次に、これを75℃まで加熱し、継続的に混ぜながらPEG−150ペンタエリスリチルテトラステアレートを添加する。温度を40℃まで低下させ、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、コカミドDEA、コカミドプロピルベタインをこの順に添加する。完全に組み込むと、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンをベースのシャンプーに添加する。シャンプーを5〜10分間混合した後、DMDMヒダントインを添加する。水損失を補い、製剤をさらに5分間混合する。シャンプー製剤の最終pHは約5.5〜6.0である。
【0107】
表11のシャンプーを用いるインストロン湿式および乾式コーミングの結果を表12および13に示す。湿式コーミングについて、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンは湿式コーミング力の大幅な低下をもたらした。エマルジョンDは、市販の非イオン性アミノシロキサンマイクロエマルジョンおよび比較シリコーンアミノSPE ABnコポリマーエマルジョンと同様の性能を示した。乾式コーミングについて、結果は、シャンプー製剤中のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンCおよびDがコーミング力の大幅な低下をもたらし、市販のエマルジョンと同様の性能を示したことを示す。従って、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンを含有するシャンプー製剤は、髪の湿式および乾式コンディショニング特性を大幅に向上させることができる。
【0108】


【表12】

【0109】
【表13】

【0110】
(実施例16)
コンディショニングシャンプー製剤


【表14】

1. オハイオ州シンシナチのCognis Corp.から入手し得るStandapol ES−3(登録商標)
2. デラウェア州ニューキャッスルのUniqemaから入手し得るMonamid 705(登録商標)
3. デラウェア州ニューキャッスルのUniqemaから入手し得るMonateric CAB−LC(登録商標)
4. ミシガン州ミッドランドのDow/Amercholから入手し得るUCAREポリマーJR−30M
5. ニュージャージー州エジソンのCroda Inc.から入手し得るCrothix(登録商標)
6. C、1%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(59.0%活性)
7. D、1%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(20.8%活性)
8. ミシガン州ミッドランドのDow Corningから入手し得るDow Corning(登録商標)CE−8170 AFマイクロエマルジョン、 1%活性シリコーンレベルに基づく濃度(20%活性)
9. ミシガン州ミッドランドのDow Corningから入手し得るDow Corning(登録商標)CE 8401エマルジョン、 1%活性シリコーンレベルに基づく濃度(21.5%活性)
10. ニュージャージー州フェアローンのLonza, Inc.から入手し得るGlydant(登録商標)
脱イオン水を混合容器に添加する。活性シリコーンの装填量を試験の間一定に保つため、用いる各種エマルジョン中の活性シリコーンパーセントに応じて添加する水のレベルを調節する必要がある。中程度に撹拌しながら、ポリクオタニウム−10を完全に溶解するまで分散させる。次に、これを75℃まで加熱し、継続的に混ぜながらPEG−150ペンタエリスリチルテトラステアレートを添加する。温度を40℃まで低下させ、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、コカミドDEA、コカミドプロピルベタインをこの順に添加する。完全に組み込むと、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンをベースのシャンプーに添加する。シャンプーを5〜10分間混合した後、DMDMヒダントインを添加する。水損失を補い、製剤をさらに5分間混合する。シャンプー製剤の最終pHは約5.5〜6.0である。
【0111】
表14のシャンプーを用いるインストロン湿式および乾式コーミングの結果を表15および16に示す。この評価のため活性シリコーン含量を2%から1%まで減少させた。湿式コーミングについて、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンは湿式コーミング力の大幅な低下をもたらした。エマルジョンCおよびDは、非イオン性アミノシリコーンマイクロエマルジョンのより良好な性能を示したが、比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンより低い性能を示した。シャンプー製剤中のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンについての乾式コーミング結果は、アミノシリコーンマイクロエマルジョンおよび比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンの両方と比べてコーミング力のより大幅な低下をもたらした。従って、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンを含有するシャンプー製剤は、髪の湿式および乾式コンディショニング特性を低使用レベルで大幅に向上させることができる。
【0112】
【表15】

【0113】
【表16】

【0114】
(実施例17)
コンディショニングシャンプー製剤


【表17】

1. オハイオ州シンシナチのCognis Corp.から入手し得るStandapol ES−3(登録商標)
2. デラウェア州ニューキャッスルのUniqemaから入手し得るMonamid 705(登録商標)
3. デラウェア州ニューキャッスルのUniqemaから入手し得るMonateric CAB−LC(登録商標)
4. ミシガン州ミッドランドのDow/Amercholから入手し得るUCAREポリマーJR−30M
5. ニュージャージー州エジソンのCroda Inc.から入手し得るCrothix(登録商標)
6. D、1%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(20.8%活性)
7. E、1%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(19.7%活性)
8. F、1%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(20.3%活性)
9. G、1%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(20.1%活性)
10. ミシガン州ミッドランドのDow Corningから入手し得るDow Corning(登録商標)CE 8410エマルジョン、 1%活性シリコーンレベルに基づく濃度(21.5%活性)
11. ニュージャージー州フェアローンのLonza, Inc.から入手し得るGlydant(登録商標)
脱イオン水を混合容器に添加する。活性シリコーンの装填量を試験の間一定に保つため、用いる各種エマルジョン中の活性シリコーンパーセントに応じて添加する水のレベルを調節する必要がある。中程度に撹拌しながら、ポリクオタニウム−10を完全に溶解するまで分散させる。次に、これを75℃まで加熱し、継続的に混ぜながらPEG−150ペンタエリスリチルテトラステアレートを添加する。温度を40℃まで低下させ、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、コカミドDEA、コカミドプロピルベタインをこの順に添加する。完全に組み込むと、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンをベースのシャンプーに添加する。シャンプーを5〜10分間混合した後、DMDMヒダントインを添加する。水損失を補い、製剤をさらに5分間混合する。シャンプー製剤の最終pHは約5.5〜6.0である。
【0115】
表17のシャンプーを用いるインストロン湿式および乾式コーミングの結果を表18および19に示す。湿式コーミングについて、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンは湿式コーミング力の大幅な低下をもたらし、比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンと同様の性能を示した。乾式コーミング結果は、シャンプー製剤中のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンがコーミング力の大幅な低下をもたらし、比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンより良好な性能を示したことを示した。従って、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンを含有するシャンプー製剤は、髪の湿式および乾式コンディショニング特性を大幅に向上させることができる。
【0116】
【表18】

【0117】
【表19】

【0118】
(実施例18)
コンディショニングシャンプー製剤
【表20】

1. オハイオ州シンシナチのCognis Corp.から入手し得るStandapol ES−3(登録商標)
2. デラウェア州ニューキャッスルのUniqemaから入手し得るMonamid 705(登録商標)
3. デラウェア州ニューキャッスルのUniqemaから入手し得るMonateric CAB−LC(登録商標)
4. ミシガン州ミッドランドのDow/Amercholから入手し得るUCAREポリマーJR−30M
5. ニュージャージー州エジソンのCroda Inc.から入手し得るCrothix(登録商標)
6. H、1.2%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(59.6%活性)
7. I、1.1%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(59.3%活性)
8. ミシガン州ミッドランドのDow Corningから入手し得るDow Corning(登録商標)CE 8401エマルジョン、 1.0%活性シリコーンレベルに基づく濃度(21.5%活性)
9. ニュージャージー州フェアローンのLonza, Inc.から入手し得るGlydant(登録商標)

脱イオン水を混合容器に添加する。活性シリコーンの装填量を試験の間一定に保つため、用いる各種エマルジョン中の活性シリコーンパーセントに応じて添加する水のレベルを調節する必要がある。中程度に撹拌しながら、ポリクオタニウム−10を完全に溶解するまで分散させる。次に、これを75℃まで加熱し、継続的に混ぜながらPEG−150ペンタエリスリチルテトラステアレートを添加する。温度を40℃まで低下させ、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、コカミドDEA、コカミドプロピルベタインをこの順に添加する。完全に組み込むと、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンをベースのシャンプーに添加する。シャンプーを5〜10分間混合した後、DMDMヒダントインを添加する。水損失を補い、製剤をさらに5分間混合する。シャンプー製剤の最終pHは約5.5〜6.0である。
【0119】
表20のシャンプーを用いるインストロン湿式および乾式コーミングの結果を表21および22に示す。湿式コーミングについて、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンは湿式コーミング力の大幅な低下をもたらし,シリコーンを含まない対照シャンプーより大幅な向上および比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンと同様の性能を示した。乾式コーミング結果は、シャンプー製剤中のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンがコーミング力の大幅な低下をもたらし、シリコーンを含まない対照シャンプーより大幅な向上を示したことを示した。エマルジョンIを含有するシャンプーは比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンより良好な性能をもたらした。従って、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンを含有するシャンプー製剤は、髪の湿式および乾式コンディショニング特性を大幅に向上させることができる。
【0120】
【表21】

【0121】
【表22】

【0122】
毛髪官能
官能試験を、本発明のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョン、比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョン、非イオン性アミノシロキサンマイクロエマルジョンおよびシリコーンを含まない対照コンディショナーを含有するコンディショナー製剤を用いて行った。試験に用いた製剤を表23に示す。試験は、ASTM Standard E 2082-00(Standard Guide for Descriptive Analysis of Shampoo Performance)に規定された条件を用いて行った。特定のパラメータについて1が最低で5が最高である1〜5のランクをつけた。湿式および乾式官能結果を、それぞれ表24および25に示す。湿式官能結果は、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンが、シリコーンを含まない対照コンディショナー、非イオン性アミノシロキサンマイクロエマルジョンおよび比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンより大きな湿式官能上の利点、特にもつれた髪のほぐしやすさ、滑りやすさ、および梳かしやすさをもたらしたことを示す。乾式官能結果は、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンが、シリコーンを含まない対照コンディショナー、非イオン性アミノシロキサンマイクロエマルジョンおよび比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンより大きな乾式官能上の利点、特にもつれた髪のほぐしやすさ、しなやかさ、滑らかさ、および梳かしやすさをもたらしたことを示す。
【0123】


【表23】

1. デラウェア州ウィルミントンのHerculesから入手し得るNatrosol(登録商標)250HHR
2. ニュージャージー州エジソンのCroda Inc.から入手し得るCrodocol CS−50(登録商標)
3. デラウェア州ウィルミントンのUniqemaから入手し得るArlacel(登録商標)165
4. C、1.0%活性シリコーンレベルに基づく濃度、(59.0%活性)
5. ミシガン州ミッドランドのDow Corningから入手し得るDow Corning(登録商標)CE 8401エマルジョン、 1.0%活性シリコーンレベルに基づく濃度(21.5%活性)
6. ミシガン州ミッドランドのDow Corningから入手し得るDow Corning(登録商標)CE−8170 AFマイクロエマルジョン、 1.0%活性シリコーンレベルに基づく濃度(20%活性)
7. ニュージャージー州フェアローンのLonza, Inc.から入手し得るGlydant(登録商標)

脱イオン水を混合容器に添加し、75℃まで加熱した。中程度に撹拌しながら、ヒドロキシエチルセルロースを完全に溶解するまで分散させる。温度を60℃まで低下させ、セテアリールアルコールならびにPEG−100ステアレートおよびグリセリルステアレートを添加する。次に、温度を40℃まで低下させ、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンをベースのコンディショナーに添加する。コンディショナーを5〜10分間混合した後、DMDMヒダントインを添加する。水損失を補い、製剤をさらに5分間混合する。コンディショナー製剤の最終pHはすべて約6〜7である。
【0124】
【表24】

【0125】
【表25】

【0126】
湿式および乾式官能性能を表8のコンディショナーを用いて試験した。湿式および乾式官能結果を、それぞれ表26および27に示す。表26の官能結果は、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンが、もつれた髪のほぐしやすさ、滑りやすさおよび梳かしやすさについて、シリコーンを含まない対照コンディショナーおよび比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンより大きな湿式官能上の利点をもたらしたことを示す。表27の官能結果は、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンが、もつれた髪のほぐしやすさ、しなやかさ、滑らかさ、梳かしやすさおよび静電気の少なさについて、シリコーンを含まない対照コンディショナーおよび比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンより大きな乾式官能上の利点をもたらしたことを示す。
【0127】
【表26】

【0128】
【表27】

【0129】
官能試験を、本発明のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョン、比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョン、非イオン性アミノシロキサンマイクロエマルジョンおよびシリコーンを含まない対照シャンプーを含有するシャンプー製剤を用いて行った。試験に用いた製剤を表14に示す。湿式および乾式官能結果を、それぞれ表28および29に示す。官能結果は、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンが、シリコーンを含まない対照シャンプーおよび非イオン性アミノシロキサンマイクロエマルジョンを含有するシャンプーより大きな湿式官能上の利点、すなわちもつれた髪のほぐしやすさ、滑りやすさおよび梳かしやすさをもたらし、比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンと同様の性能を有していたことを示す。官能結果は、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンが、シリコーンを含まない対照シャンプーおよび非イオン性アミノシロキサンマイクロエマルジョンを含有するシャンプーより大きな乾式官能上の利点、すなわちもつれた髪のほぐしやすさ、しなやかさ、滑らかさ、梳かしやすさおよび静電気の少なさをもたらし、比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンと同様の性能を有していたことを示す。
【0130】
【表28】

【0131】
【表29】

【0132】
湿式および乾式官能試験を表20のシャンプーについても行った。湿式および乾式官能試験結果を、それぞれ表30および31に示す。総合的な官能結果は、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンが、シリコーンを含まない対照シャンプーより大きな湿式および乾式官能上の利点ならびに比較シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンと同様の性能をもたらしたことを示す。
【0133】
【表30】

【0134】
【表31】

【0135】
カールリテンション
試験手順
カールリテンションは、巻き髪の房を一定の温度および湿度条件に特定の時間さらすことによるヘアスタイリングおよびホールド特性を測定するための産業上認識されている試験である。カールリテンションは、高湿度および一定の温度条件の前およびその間の巻き髪の房の長さの差を記録することにより測定する。すでに用意してある重さ2グラム、長さ25cmの天然の未使用の茶色の丸い髪の房を用いる。すべての房を予備処理するため、9パーセントのラウリル硫酸ナトリウムを含有する溶液1.0グラムを塗布し、各房全体で30秒間泡立てる。各房を流水で30秒間すすぐ。房を手の人差し指と中指との間に通すことにより各房から過剰水を除去する。房をペーパータオルで覆ったトレイの上に置き、一晩乾燥させる。各房を歯の細かいくしで3回梳かす。次に、各房を37℃の水道水で15秒間ぬらし、房を手の人差し指と中指の間を通して引くことにより過剰水を除去する。
【0136】
次に、各房を500マイクロリットルの2%活性シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンで処理する。各房を1/4インチのスパイラルパーマロッドに巻き、40℃のオーブン中で一晩乾燥させる。カールをそのままに保ちながら房をロッドから外し、湿度室中につるす。湿度室の条件は、25℃および70%の相対湿度である。次に、房の長さを5時間かけて定期的に測定する。試験後、完全に伸ばすことにより最大房長を測定する。各処理について2つの房の平均を測定する。カールリテンション率は下記の関係式:
(最大房長−特定の時間での房長)/(最大房長−時間=0での房長)×100
を用いて計算する。
【0137】
(実施例19)
洗い流さないタイプのコンディショナー用途
本発明のシリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンをシリコーンコポリマーの2%活性濃度までさらに希釈し、500マイクロリットルの各希釈エマルジョンをカールリテンション試験用の髪房に塗布した。カールリテンション結果を表32に示す。
【0138】
【表32】

【0139】
表32の結果は、シリコーンアミノポリエーテルブロックコポリマーエマルジョンCが、髪に良好な柔らかい質感を与えることに加えて、柔軟なホールドおよびスタイリング上の利点をもたらしたことを示す。房を伸ばした、またはカールを取るように梳かした場合でも、もとの形状のカールにすぐに跳ね返ることが観察された。エマルジョンCで処理した房は、柔軟なスタイリング上の利点のために開発されたシリコーンアミノエラストマーエマルジョンと同様の性能をもたらした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の平均式
A−RSiO(RSiO)SiR−[{RO(C2mO)}{RSiO(RSiO)}RSi]−A
(式中のAは式RCHCH(OH)CHOR−のアミノ官能末端ブロック基であり、Rはアミノ官能基であり、xは≧0、mは2〜4、yは≧4、nは≧1であり、Rは独立して1〜30個の炭素を含有する一価炭化水素基であり、Rは2〜30個の炭素を含有する二価炭化水素である)を有するシリコーンポリエーテルコポリマーを含むパーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記RがH(R)N−、(RN−、および(RN−から選択される式を有し、ここでRが独立して1〜30個の炭素原子を含有する一価有機基である請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記Rが(CH)HN−、(CHN−、(CHCH)HN−、(CHCHN−、(HOCHCHN−、ピペラジンまたは[CHCH(OH)CH)]N−である請求項2に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記シリコーンポリエーテルコポリマーがエマルジョンである請求項1、2または3に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記パーソナルケア組成物がシャンプー、ヘアコンディショナー、ヘア固定剤、ヘアスタイリング補助剤、染毛剤、縮毛矯正剤、シャワージェル、皮膚保湿剤、スキンコンディショナー、ボディコンディショナー、カラー化粧品、口紅、ファンデーション、日焼け止め製品、発汗抑制剤、および体臭防止剤から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
下記の平均式
A−RSiO(RSiO)SiR−[{RO(C2mO)}{RSiO(RSiO)}RSi]−A
(式中のAは式RCHCH(OH)CHOR−のアミノ官能末端ブロック基であり、Rはアミノ官能基であり、xは≧0、mは2〜4、yは≧4、nは≧1であり、Rは独立して1〜30個の炭素を含有する一価炭化水素基であり、Rは2〜30個の炭素を含有する二価炭化水素である)を有するシリコーンポリエーテルコポリマーを含むパーソナルケア組成物を髪に塗布することを備える毛髪処理方法。

【公表番号】特表2012−506433(P2012−506433A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533232(P2011−533232)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/060435
【国際公開番号】WO2010/047993
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(590001418)ダウ コーニング コーポレーション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【Fターム(参考)】