説明

パーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システム

【課題】 パーソナル携帯端末をカラオケ楽曲の選曲予約用リモコン装置として利用する際に、カラオケ店外等から悪戯等による選曲予約操作が行われないようにして、選曲予約操作が混乱することを防止する。
【解決手段】 キーコード発行手段67によりキーコードを発行する。選曲管理情報表示手段68により、選曲管理情報(キーコード及び演奏端末ID)53aを表示し、選曲管理情報取得手段51により、パーソナル携帯端末50のメモリ53に記憶させる。選曲予約情報送信手段52により、選曲管理情報53a及び選曲された楽曲の楽曲IDをカラオケサーバ20へ送信し、選曲予約情報転送手段25によりカラオケ演奏端末30に転送する。カラオケ演奏端末30では、選曲予約手段69により、発行されたキーコードと転送されてきたキーコードとを照合し、両者が一致する場合のみに選曲予約を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ利用に際して選曲を行うためのカラオケ選曲システムに関するものであり、特に、利用者が所有するパーソナル携帯端末を用いて選曲を行うことが可能なカラオケ選曲システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナル携帯端末、特に携帯電話が多機能化され、様々なウェブサイトの閲覧や、コンテンツのダウンロードを行うことができるようになってきた。また、このようなパーソナル携帯端末の普及はめざましく、一人一台を所有していると言っても過言ではない。
【0003】
ところで、現在普及しているカラオケ演奏端末では、選曲予約を行う際に専用のリモコン装置を利用しているが、アプリケーションソフトをインストールすることにより種々のリモコン装置として使用することが可能なパーソナル携帯端末も開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
特許文献1に記載された技術は、予めサーバからネットワーク経由で、照明器具操作用のアプリケーションソフトをダウンロードして、当該アプリケーションソフトを携帯端末にインストールすることにより、照明器具の諸設定を行うようにしたものである。
【0005】
また、特許文献2に記載された技術は、携帯電話機を活用して、従来よりも簡単かつ軽快にリクエスト曲の検索や予約を行えるようにした通信カラオケ演奏端末に関するものであり、携帯電話機は、キーパネル、液晶ディスプレイ、携帯電話網を介して目次サーバと通信する手段、カラオケ演奏端末に向けてIrDA信号を送出する手段を備えている。そして、携帯電話機からの発呼に目次サーバが応答して通話状態になると、携帯電話機から利用者の個人IDと個人別目次の検索条件が目次サーバに通知される。目次サーバは、携帯電話機から通知された個人ID及び検索条件に基づいて該当する個人別目次データを検索し、検索結果である楽曲名と楽曲IDを携帯電話機に伝達する。携帯電話機は受信した楽曲名を一覧表示し、利用者の操作入力により特定された楽曲IDをIrDA信号により送出する。
【0006】
したがって、このような機能を用いることにより、カラオケ利用者は、カラオケ店に備え付けられた専用のリモコン装置を使用することなく、自ら所持しているパーソナル携帯端末を用いて選曲予約操作を行うことができる。特に、多人数でカラオケを楽しんでいる場合には、リモコン装置を使い回す必要がなくなり、利用者が各自所望するタイミングで選曲予約操作を行うことができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−29053号公報
【特許文献2】特開2000−148169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した技術は、携帯電話機のようなパーソナル携帯端末の赤外線通信機能を用いて、リモコン装置の機能を発揮させようとするものであり、赤外線通信方式は複数種類が存在する。したがって、パーソナル携帯端末を用いてカラオケ楽曲の選曲予約を行う際には、当該パーソナル携帯端末がカラオケ演奏端末の赤外線通信方式に対応していなければならない。また、赤外線通信機能により選曲予約を行うには、カラオケ演奏端末の赤外線受信装置が、パーソナル携帯端末の赤外線送信装置から発信される赤外線信号を受信することが必要であり、利用者の着座位置によっては赤外線通信を行うことができない場合もある。
【0009】
ところで、カラオケ演奏端末は、インターネット回線等の通信回線を介してカラオケサーバと通信することができるようになっている。そこで、パーソナル携帯端末からの選曲予約データを、携帯電話網及びインターネット回線を介してカラオケ演奏端末に送信すれば、赤外線通信機能を用いることなくパーソナル携帯端末を選曲予約用のリモコン装置として使用することができる。
【0010】
すなわち、パーソナル携帯端末が使用している携帯電話網を介してのデータ通信機能により、カラオケ楽曲の選曲予約を行うことが考えられる。具体的には、パーソナル携帯端末を用いてモバイルサイトにアクセスし、所定のカラオケ演奏端末に対応する選曲用アプリケーションソフトをダウンロードし、この選曲用アプリケーションソフトを当該パーソナル携帯端末にインストールする。そして、必要なデータ(例えば、IPアドレス、演奏端末ID、パーソナル携帯端末のUDID(Unique Device Identifier))を入力することにより、当該パーソナル携帯端末とカラオケ演奏端末とを関連付けて、パーソナル携帯端末を選曲予約用のリモコン装置として使用することができる。
【0011】
しかしながら、上述したようなパーソナル携帯端末の使い方では、パーソナル携帯端末とカラオケ演奏端末とが関連付けられたままの状態(ログイン状態)で、パーソナル携帯端末がカラオケ店外へ持ち出されると、カラオケ店外においても選曲予約が可能となってしまう。この状態で、悪戯等によりカラオケ店外から選曲予約が行われると、正規にカラオケ演奏端末を利用している利用者の選曲予約が混乱してしまう。
【0012】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、パーソナル携帯端末をカラオケ楽曲の選曲予約用リモコン装置として利用する際に、カラオケ店外等から悪戯等による選曲予約操作が行われないようにして、選曲予約操作が混乱することを防止可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムは、キーコード発行手段と、選曲管理情報表示手段と、選曲管理情報取得手段と、選曲予約情報送信手段と、選曲予約情報転送手段と、選曲予約手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
キーコード発行手段は、カラオケ演奏端末において、パーソナル携帯端末を用いた選曲予約を許可するためのキーコードを所定時間が経過する毎に発行するための手段である。選曲管理情報表示手段は、発行されたキーコードとカラオケ演奏端末を識別するための演奏端末IDからなる選曲管理情報を、表示装置の表示画面に表示させるための手段である。選曲管理情報取得手段は、選曲予約を行うパーソナル携帯端末において、表示装置の表示画面に表示された選曲管理情報を取得してメモリに記憶させるための手段である。選曲予約情報送信手段は、パーソナル携帯端末のメモリに記憶された選曲管理情報と、当該パーソナル携帯端末の選曲機能により選曲された楽曲の楽曲IDとを、当該パーソナル携帯端末の通信網を介して中継サーバへ送信するための手段である。選曲予約情報転送手段は、中継サーバにおいて、少なくとも、受信した任意の選曲管理情報に含まれるキーコードと、受信した楽曲IDとを、当該選曲管理情報に含まれる演奏端末IDを有するカラオケ演奏端末に転送するための手段である。選曲予約手段は、カラオケ演奏端末において、発行したキーコードと、受信したキーコードとを照合して、両者が一致した場合には、当該受信したキーコードと共に受信した楽曲IDに基づく選曲予約を行わせ、両者が一致しない場合には、当該受信したキーコードと共に受信した楽曲IDに基づく選曲予約を行わせないための手段である。
【0015】
また、上述した構成に加えて、選曲予約手段は、現在時刻よりも所定時間以前に発行されたキーコードを照合対象となるキーコードとして、受信したキーコードと照合する機能を持たせることが可能である。
【0016】
このような構成からなるカラオケ選曲システムでは、予めパーソナル携帯端末を用いてモバイルWWWサーバにアクセスし、所定のカラオケ演奏端末に対応する選曲用アプリケーションソフトをダウンロードし、この選曲用アプリケーションソフトを当該パーソナル携帯端末にインストールする。そして、パーソナル携帯端末を用いて選曲予約を行わせるために、キーコード発行手段の機能により、所定時間が経過する毎に、パーソナル携帯端末を用いた選曲予約を許可するためのキーコードを発行し、選曲管理情報表示手段の機能により、発行されたキーコードとカラオケ演奏端末を識別するための演奏端末IDとからなる選曲管理情報を表示する。具体的には、キーコードは所定時間が経過する毎に更新される。そして、このキーコードと演奏端末IDとからなる選曲管理情報を2次元バーコード化して、表示装置の表示画面に表示させる。
【0017】
選曲予約を行おうとする利用者は、パーソナル携帯端末を用いた選曲予約操作において、パーソナル携帯端末のバーコード読取機能を用いて2次元バーコード化された選曲管理情報を読み取らせる。そして、選曲管理情報取得手段の機能により選曲管理情報を取得して、パーソナル携帯端末のメモリに記憶させる。
【0018】
選曲管理情報が記憶されたパーソナル携帯端末で選曲操作が完了すると、選曲予約情報送信手段の機能により、選曲管理情報と、選曲された楽曲の楽曲IDとを、パーソナル携帯端末の通信網(携帯電話網)を介して中継サーバ(例えば、カラオケサーバ)へ送信する。中継サーバでは、選曲予約情報転送手段の機能により、受信した選曲管理情報に含まれるキーコードと、受信した楽曲IDを、当該選曲管理情報に含まれる演奏端末IDを有するカラオケ演奏端末に転送する。カラオケ演奏端末では、選曲予約手段の機能により、キーコード発行手段で発行されたキーコードと、中継サーバを介して受信したキーコードとを照合する。
【0019】
そして、両者が一致した場合には、キーコードと共に受信した楽曲IDに基づく選曲予約を行わせる。一方、両者が一致しない場合には、キーコードと共に受信した楽曲IDに基づく選曲予約を行わせない。
【0020】
また、選曲予約手段において、所定時間内に発行されたキーコードを照合対象となるキーコードとして、選曲予約を行わせるか否かを判断することが可能である。この場合には、所定時間内に発行されたキーコードと、受信したキーコードとを照合して、選曲予約を行わせるか否かを判断する。
【発明の効果】
【0021】
本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムによれば、パーソナル携帯端末をカラオケ楽曲の選曲予約用リモコン装置として利用する際に、選曲予約を許可するためのキーコードを所定時間が経過する毎に発行して、このキーコードと共に受信した楽曲ID以外による選曲予約を許可しないので、有効なキーコードを知ることができない利用者は、パーソナル携帯端末を用いてカラオケ楽曲の選曲予約を行うことができない。したがって、カラオケ店外から悪戯に選曲予約操作を行おうとしても、有効なキーコードを知ることができないので、正規の選曲予約操作が混乱することを防止することが可能となる。
【0022】
また、所定時間が経過する毎に新たなキーコードを発行する構成としているので、同一のキーコードをいつまでも使い続けることができず、キーコードの秘匿性を高めることが可能となる。この場合、所定時間内に発行されたキーコードを照合対象となるキーコードとすることにより、キーコードが更新された直後や、キーコードが更新したことに気付かなかった場合に、以前のキーコードを用いて選曲予約を行ったとしても、所定時間内であれば有効なキーコードとして取り扱われるため、発行キーコードの切り替わりタイミングで選曲予約を行っても、改めて新たなキーコードを入力し直すという手間を省くことができ、利用者の利便性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システムの機能説明図。
【図2】本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システムの構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システムを適用したカラオケサーバの構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システムにおける選曲予約許可判断の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムの実施形態について説明する。図1〜図4は本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システムを示すもので、図1はカラオケ選曲システムの機能説明図、図2はカラオケ選曲システムのブロック図、図3はカラオケサーバのブロック図、図4は選曲予約許可判断の手順を示すフローチャートである。
【0025】
<カラオケ選曲システムの概要>
本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システムは、利用者が所有するパーソナル携帯端末を用いて選曲を行うことが可能なシステムであり、任意のカラオケ演奏端末において選曲予約を許可するためのキーコードを所定時間が経過する毎に発行し、選曲予約情報に有効な当該キーコードが含まれている場合のみに、選曲予約を行わせるようになっている。
【0026】
なお、以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウエアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0027】
このカラオケ選曲システム10は、図1に示すように、キーコード発行手段67と、選曲管理情報表示手段68と、選曲管理情報取得手段51と、選曲予約情報送信手段52と、選曲予約情報転送手段25と、選曲予約手段69とを備えている。本実施形態では、キーコード発行手段67、選曲管理情報表示手段68、選曲予約手段69は、カラオケ演奏端末30(カラオケ本体31)の構成要素となっており、選曲管理情報取得手段51、選曲予約情報送信手段52は、パーソナル携帯端末50の構成要素となっており、選曲予約情報転送手段25は、カラオケサーバ20(中継サーバ)の構成要素となっている。各手段の機能については、後に詳述する。
【0028】
<カラオケ選曲システム>
本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システム10は、図2に示すように、カラオケサーバ20と複数のカラオケ演奏端末30とが通信ネットワーク(本実施形態では、インターネット40)を介して相互に接続されている。通信ネットワークは、公衆電話回線、専用電話回線、光通信回線、LAN等を用いることができるが、ネットワークに対する第三者の侵入やデータの傍聴及び改竄が困難であるとともに、帯域を独占せずに安価な通信網であるという点で、インターネット40により構成されるVPNを利用することが好ましい。
【0029】
<カラオケサーバ>
カラオケサーバ20は、中継サーバとして機能するサーバであり、図3に示すように、サーバ制御手段21、カラオケデータ処理手段22、カラオケデータ記憶手段23、送受信手段24、選曲予約情報転送手段25を備えている。なお、カラオケサーバ20を中継サーバとして機能させるのではなく、中継サーバとしてのみ機能するサーバを別個に構築してもよいし、他の機能を有するサーバに中継サーバとしての機能を持たせてもよい。
【0030】
<サーバ制御手段/送受信手段>
サーバ制御手段21は、カラオケサーバ20を統括的に制御するための手段であり、CPU及びその周辺機器を含んで構成され、CPU等がROM等に格納されたプログラムに従って動作することにより制御機能を発揮するようになっている。送受信手段24は、各カラオケ演奏端末30との間で、カラオケデータ等の各種データの送受信を行うための手段であり、通信ネットワーク(インターネット40)における通信方式の整合性を保つための通信回路やプログラムにより構成される。
【0031】
<カラオケデータ処理手段/カラオケデータ記憶手段>
カラオケデータ処理手段22は、カラオケデータ記憶手段23にアクセスして、カラオケデータの抽出、変更、追加を処理するためのプログラムからなる。カラオケデータ記憶手段23は、各カラオケ演奏端末30に対して配信するカラオケデータを記憶するための装置であり、例えば、HDD等からなる。
【0032】
<選曲予約情報転送手段>
選曲予約情報転送手段25は、選曲予約情報送信手段52から送信されてきた任意の選曲管理情報53aに含まれるキーコードと、この選曲管理情報53aと共に受信した楽曲IDとを、当該選曲管理情報53aに含まれる演奏端末IDを有するカラオケ演奏端末30に転送するためのプログラムからなる。
【0033】
<カラオケ演奏端末>
カラオケ演奏端末30は、図2に示すように、カラオケ本体31、スピーカ32、マイクロホン33、表示装置34、ミキシングアンプ35を備えている。なお、本発明の実施形態に係るカラオケ演奏端末30は、パーソナル携帯端末50を選曲予約用のリモコン装置として利用するが、パーソナル携帯端末50を用いない利用者のために、専用のカラオケリモコン装置36を備えていることが好ましい。また、本実施形態では、カラオケリモコン装置36に付帯する入出力表示装置(図示せず)は、選曲管理情報53aを表示するための表示装置として機能させてもよい。
【0034】
<カラオケ本体>
カラオケ本体31は、図2に示すように、ネットワーク送受信手段61、中央制御手段62、ROM63、RAM64、HDD65、ローカル送受信手段66、キーコード発行手段67、選曲管理情報表示手段68、選曲予約手段69、予約管理手段70、音楽再生制御手段71、映像再生制御手段72を備えている。
【0035】
<中央制御手段>
中央制御手段62は、カラオケ本体31を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM63等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0036】
<ROM/RAM>
ROM63は、カラオケ本体31を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM64は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM64を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM64を構成してもよい。本実施形態では、RAM64に、予約待ち行列64a及びキーコード発行手段67で発行したキーコード(発行キーコード64b)が記憶されるようになっている。
【0037】
<予約待ち行列>
予約待ち行列64aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成したデータテーブルである。なお、予約待ち行列64aは、楽曲IDの他に、楽曲名、選曲者等のデータを含んでいてもよい。
【0038】
<HDD>
HDD65は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース65a及び映像データベース65bが格納されている。なお、HDD65に替えて、あるいはHDD65と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0039】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース65aは、演奏制御データ(MIDI(登録商標)データ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成したデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース65bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータである。
【0040】
<送受信手段>
ローカル送受信手段66は、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置36との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置36との間でデータの送受信が行われる。ネットワーク送受信手段61は、カラオケ本体31とカラオケサーバ20との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。
【0041】
<キーコード発行手段>
キーコード発行手段67は、カラオケ演奏端末30において、パーソナル携帯端末50を用いた選曲予約を許可するための選曲予約を許可するためのキーコードを所定時間が経過する毎に発行するためのプログラムからなる。すなわち、キーコードは、所定時間が経過する毎に新たに発行される。キーコードは、例えば、4桁の数字や、これをバーコード化した2次元バーコードからなる。発行したキーコードは、発行キーコード64bとして、RAM64に記憶される。
【0042】
<選曲管理情報表示手段>
選曲管理情報表示手段68は、発行されたキーコードと、カラオケ演奏端末30を識別するための演奏端末IDとからなる選曲管理情報53aを、表示装置34の表示画面に表示させるためのプログラムからなる。すなわち、選曲管理情報表示手段68は、例えば、4桁の数字からなるキーコードと、カラオケ演奏端末30を識別するための演奏端末IDとからなる選曲管理情報53aを2次元バーコード化して、表示装置34の表示画面に表示させる。なお、選曲管理情報53aを表示させる表示装置34は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための表示装置34であってもよいし、カラオケリモコン装置36に付帯した入出力表示装置(図示せず)であってもよい。また、表示装置34の表示画面に選曲管理情報53aを表示する際に、選曲管理情報53aを所定のアルゴリズムで暗号化し、所定桁数の数字として表示してもよい。
【0043】
<選曲予約手段>
選曲予約手段69は、発行したキーコード(発行キーコード64b)と、受信したキーコード(入力キーコード)とを照合して、両者が一致した場合には、受信したキーコード(入力キーコード)と共に受信した楽曲IDに基づく選曲予約を行わせ、両者が一致しない場合には、受信したキーコード(入力キーコード)と共に受信した楽曲IDに基づく選曲予約を行わせないためのプログラムからなる。この選曲予約手段69で選曲予約を行わせると判断された場合には、予約管理手段70による予約楽曲の管理が行われる。
【0044】
なお、選曲予約手段69において、現在時刻よりも所定時間以前に発行されたキーコードを照合対象となる発行キーコード64bとして、受信したキーコードと照合することが好ましい。
【0045】
<予約管理手段>
予約管理手段70は、選曲予約が許可された楽曲の楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列64aを生成し、この予約待ち行列64aをRAM64に格納して管理するためのプログラムからなる。また、カラオケリモコン装置36により選曲予約が行われた場合には、予約管理手段70は、利用者によりカラオケリモコン装置36の選曲機能を用いて選曲された楽曲の楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列64aを生成する。
【0046】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段71は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース65aから抽出された演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ35に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ35は、マイクロホン33から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段71から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ32より出力させるための装置である。
【0047】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段72は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース65bから抽出した背景映像データと、楽曲データベース65aに含まれる歌詞描出データ(テロップデータ)とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置34に出力するためのプログラムからなる。
【0048】
<マイクロホン>
マイクロホン33は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン33から入力された歌唱音声信号はミキシングアンプ35に入力され、音楽再生制御手段71から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅されてスピーカ32へ出力される。
【0049】
<表示装置>
表示装置34は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0050】
<パーソナル携帯端末>
パーソナル携帯端末50は、データ通信機能を用いて、モバイルWWWサーバ90に格納された選曲用アプリケーションソフト91をダウンロードし、この選曲用アプリケーションソフト91をインストールすることにより、選曲予約機能を持たせることができる。パーソナル携帯端末50に選曲用アプリケーションソフト91をインストールすると、パーソナル携帯端末50は、楽曲検索手段54として機能するプログラムを備えて選曲を行えるようになる。また、パーソナル携帯端末50は、選曲管理情報取得手段51として機能するプログラム、選曲予約情報送信手段52として機能するプログラム、選曲管理情報53a及び選曲した楽曲の楽曲ID53bを記憶するためのメモリ53を備えている。
【0051】
パーソナル携帯端末50と携帯電話網80を介して接続されるモバイルWWWサーバ90には、選曲用アプリケーションソフト91及び楽曲索引データベース92が格納されており、パーソナル携帯端末50が備える楽曲検索手段54の機能により、楽曲索引データベース92を参照して楽曲を検索することができる。なお、楽曲索引データベース92をモバイルWWWサーバ90に格納するのではなく、パーソナル携帯端末50にダウンロードして、ローカルで楽曲検索を行ってもよい。
【0052】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段54は、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース92を参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース92は、カラオケ演奏端末30で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲ID・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0053】
<選曲管理情報取得手段>
選曲管理情報取得手段51は、表示装置34の表示画面に表示された選曲管理情報53aを取得して、メモリ53に記憶させるためのプログラムからなる。上述したように、表示装置34の表示画面には、2次元バーコード化された選曲管理情報53aが表示されるので、選曲管理情報取得手段51は、パーソナル携帯端末50に付帯したバーコード読取装置(図示せず)を用いて選曲管理情報53a取得することができる。なお、選曲管理情報53aが所定桁数の数字からなる場合には、表示装置34の表示画面を目視した利用者が、パーソナル携帯端末50に付帯したテンキー等を用いて、当該数字を入力することにより、選曲管理情報取得手段51を取得してもよい。
【0054】
<選曲予約情報送信手段>
選曲予約情報送信手段52は、メモリ53に記憶された選曲管理情報53aと、当該パーソナル携帯端末50の選曲機能により選曲された楽曲の楽曲IDとを、当該パーソナル携帯端末50の通信網(携帯電話網80)及びインターネット40を介してカラオケサーバ20へ送信するためのプログラムからなる。
【0055】
<選曲予約の許可判断>
次に、図1及び図4を参照して、本実施形態のカラオケ選曲システム10において、選曲予約の許可判断について説明する。
【0056】
本実施形態のカラオケ選曲システム10では、図1に示すように、キーコード発行手段67の機能によりキーコードを発行する。そして、選曲管理情報表示手段68の機能により、キーコードとカラオケ演奏端末30を識別するための携帯端末識別IDとからなる選曲管理情報53aを表示装置34に表示させ、選曲管理情報取得手段51の機能によりパーソナル携帯端末50のメモリ53に記憶させる。パーソナル携帯端末50では、選曲予約情報送信手段52の機能により、メモリ53に記憶された選曲管理情報53aと、選曲された楽曲の楽曲IDとを、携帯電話網80及びインターネット40を介して、中継サーバとして機能するカラオケサーバ20に送信する。カラオケサーバ20では、選曲予約情報転送手段25の機能により、選曲管理情報53aに含まれるキーコードと、選曲管理情報53aと共に受信した楽曲IDとを、受信した選曲管理情報53aに含まれる演奏端末IDを有するカラオケ演奏端末30に転送する。
【0057】
カラオケ演奏端末30では、パーソナル携帯端末50を用いて選曲予約を行わせるために、図4に示すように、キーコード発行手段67の機能により発行されたキーコードと、当該カラオケ演奏端末30を識別するための演奏端末IDとからなる選曲管理情報53aを、選曲管理情報表示手段68の機能により表示装置34の表示画面に表示させる(S1)。また、上述したように、パーソナル携帯端末50から送信され、カラオケサーバ20を経由して転送されてきた入力キーコード及び楽曲IDを受信し(S2)、受信したキーコード(入力キーコード)と、発行したキーコード(発行キーコード64b)とを照合する(S3)。
【0058】
そして、入力キーコードと発行キーコード64bとが一致しているか否かを判断し(S4)、入力キーコードと発行キーコード64bとが一致している場合には、受信した楽曲IDに基づく選曲予約を行わせる(S5)。一方、入力キーコードと発行キーコード64bとが一致しない場合には、受信した楽曲IDに基づく選曲予約を行わせない。
【0059】
<他の実施形態>
本発明のパーソナル携帯端末50を用いたカラオケ選曲システム10及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 カラオケ選曲システム
20 カラオケサーバ
21 サーバ制御手段
22 カラオケデータ処理手段
23 カラオケデータ記憶手段
24 送受信手段
25 選曲予約情報転送手段
30 カラオケ演奏端末
31 カラオケ本体
32 スピーカ
33 マイクロホン
34 表示装置
35 ミキシングアンプ
36 カラオケリモコン装置
40 インターネット
50 パーソナル携帯端末
51 選曲管理情報取得手段
52 選曲予約情報送信手段
53 メモリ
53a 選曲管理情報
53b 楽曲ID
54 楽曲検索手段
61 ネットワーク送受信手段
62 中央制御手段
63 ROM
64 RAM
64a 予約待ち行列
64b 発行キーコード
65 HDD
65a 楽曲データベース
65b 映像データベース
66 ローカル送受信手段
67 キーコード発行手段
68 選曲管理情報表示手段
69 選曲予約手段
70 予約管理手段
71 音楽再生制御手段
72 映像再生制御手段
80 携帯電話網
90 モバイルWWWサーバ
91 選曲用アプリケーションソフト
92 楽曲索引データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ楽曲の選曲予約機能を有するパーソナル携帯端末を用いて、カラオケ演奏端末における選曲予約を行わせるためのカラオケ選曲システムであって、キーコード発行手段と、選曲管理情報表示手段と、選曲管理情報取得手段と、選曲予約情報送信手段と、選曲予約情報転送手段と、選曲予約手段と、を備え、
前記キーコード発行手段は、前記カラオケ演奏端末において、前記パーソナル携帯端末を用いた選曲予約を許可するためのキーコードを所定時間が経過する毎に発行し、
前記選曲管理情報表示手段は、前記発行されたキーコードと前記カラオケ演奏端末を識別するための演奏端末IDからなる選曲管理情報を、表示装置の表示画面に表示させ、
前記選曲管理情報取得手段は、前記パーソナル携帯端末において、前記表示された選曲管理情報を取得してメモリに記憶させ、
前記選曲予約情報送信手段は、前記記憶された選曲管理情報と、当該パーソナル携帯端末の選曲機能により選曲された楽曲の楽曲IDとを、当該パーソナル携帯端末の通信網を介して中継サーバへ送信し、
前記選曲予約情報転送手段は、前記中継サーバにおいて、少なくとも、受信した任意の選曲管理情報に含まれるキーコードと、楽曲IDとを、当該選曲管理情報に含まれる演奏端末IDを有するカラオケ演奏端末に転送し、
前記選曲予約手段は、前記カラオケ演奏端末において、前記発行したキーコードと、前記受信したキーコードとを照合して、両者が一致した場合には、当該受信したキーコードと共に受信した楽曲IDに基づく選曲予約を行わせ、両者が一致しない場合には、当該受信したキーコードと共に受信した楽曲IDに基づく選曲予約を行わせない、
ことを特徴とするパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システム。
【請求項2】
前記選曲予約手段は、現在時刻よりも所定時間以前に発行されたキーコードを照合対象となるキーコードとして、前記受信したキーコードと照合する、
ことを特徴とする請求項1に記載のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−212014(P2012−212014A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77492(P2011−77492)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】