説明

パーソナル特徴をバイオメトリック測定から判断するのための方法およびシステム

方法および装置が、個人のパーソナル特徴を判断するために提供される。バイオメトリックデータ測定は、個人から集めれらる。パーソナル特徴は、バイオメトリックデータ測定と、多変量のアルゴリズムのアプリケーションから引き出されたパーソナル特徴の値との間のアルゴリズム的関係を、以前の測定に適用することによって決定される。バイオメトリックデータ測定を集めることは、光を用いて個人の皮膚部位を照らすことと、皮膚部位から散乱された光を受け取ることと、受け取られた光からマルチスペクトルイメージを引き出すこととを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、全体の開示が全ての目的のために参考に援用される、Robert K. Roweによって2003年12月11日に出願された出願番号60/529,299号の米国仮特許出願「DEMOGRAPHIC INFORMATION ESTIMATION FROM DERMATOGLYPHIC AND OTHER BIOMETRIC PATTERNS」の米国特許出願であり、出願日の利益を主張する。
【0002】
本出願は、2003年4月4日に出願された出願番号60/460,247号の米国仮特許出願「NONIVASIVE ALCOHOL MONITOR」;Robert K.Roweらによって2003年6月27日に出願された出願番号60/483,281号の米国仮特許出願「HYPERSPECTRAL FINGERPRINT READER」;2003年9月18日に出願された出願番号60/504,594号の米国仮特許出願「HYPERSPECTRAL FINGERPRINTING」;2004年3月10に出願された出願番号60/552,662号の米国仮特許出願「OPTICAL SKIN SENSOR FOR BIOMETRICS」の各々の米国特許出願である、Robert K.Roweらによって2004年4月5日に出願された出願番号10/818,698号の米国特許出願「MULTISPECTRAL BIOMETRIC SENSOR」関連する。本出願は、Robert K.Roweらによって2001年6月5日に出願された出願番号09/874,740号の米国特許出願「APPARATUS AND METHOD OF BIOMETRIC DETERMINATION USING SPECIALIZED OPTICAL SPECTROSCOPY SYSTEM」およびRobert K.Roweらによって2003年8月12日に出願された出願番号10/640,503号の米国特許出願「ELECTRO−OPTICAL SENSOR」(「‘503出願」)にも関連する。‘503出願は、Robert K.Roweらによって2002年8月13日に出願された出願番号60/403,453号の米国仮特許出願「BIOMETRIC ENROLLMENT SYSTEMS AND METHODS」;Robert K.Roweらによって2002年8月13日に出願された出願番号60/403,452号の米国仮特許出願「BIOMETRIC CALIBRATION AND DATA ACQUISITION SYSTEMS AND METHODS」;Robert K.Roweらによって2002年8月13日に出願された出願番号60/403,593号の米国仮特許出願「BIOMETRIC SENSORS ON PORTABLE ELECTRONIC DEVICES」;Robert K.Roweらによって2002年8月13日に出願された出願番号60/403,461号の米国仮特許出願「ULTRA−HIGH−SECURITY IDENTIFICATION SYSTEMS AND METHODS」;Robert K.Roweらによって2002年8月13日に出願された出願番号60/403,449号の米国仮特許出願「MULTIFUCTION BIOMETRIC DEVICES」;およびRobert K.Roweらによって2003年4月4日に出願された出願番号60/460,247号の米国仮特許出願「NONINVASIVE ALCOHOL MONITOR」の米国特許出願である。上記の各々の出願の全体の開示は、全ての目的のために参考に援用される。
【0003】
本出願は、一般に、バイオメトリックスに関する。より詳細に、本出願は、指紋または他の皮膚紋理イメージから人体計測、人口統計、および/または生理学的パラメータを判断することによってのように、バイオメトリック測定から個人のパーソナル特徴を判断するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
バイオメトリック識別システムの従来のアプローチは、個人の独特な識別を提供するためにバイオメトリック測定を使用することである。例えば、指紋のようなバイオメトリックは、法執行の職員(law−enforcement personnel)によって犯罪の現場において集められ得、潜在的な容疑者を識別するために、指紋のデータベースと比較され得る。この情報は、起訴に対して証拠の根拠(basis)を確立するために、様々な容疑者に対するアリバイおよび動機を確かめることも含み得る、調査の一部として識別された容疑者を捜索するために法執行の政府機関(agencies)によって使用され得る。他のバイオメトリック識別システムは、安全な施設等へのアクセスを得ることを試みている人のアイデンティティを確かめるように努める(seek to confirm)。指紋測定に加えて、フェイシャルまたはハンドジオメトリ測定、アイリスおよびレチナールスキャン等を含むそれらの目的のために使用され得る多数の他のバイオメトリック的特徴がある。
【0005】
バイオメトリック識別への全てのそのようなアプローチの有用性は、それに対して比較がされる、データベースの完成度によって妨げられる(constrained)。例えば、法執行のコンテキストにおいて、犯罪を犯した個人が指紋をとられる機会がまだないため、犯罪現場に集められた指紋は、任意のアクセス可能指紋データベースに任意の対応物を有し得ない。現在のシステムは、容疑者が識別されるなら、証拠目的ための指紋特徴を記録し得るが、一般に、既存のデータベースに一致するものがない場合、潜在的な容疑者を識別するのに有用ではない。
【0006】
多数の他のコンテキストにおいて、同様な問題が起こり得る。例えば、一部の国における移民検査(immigration screening)は、今、国境往来(border crossings)において自らを示す一部または全ての人が自らの指紋を測定されることを要求する。測定された指紋が、周知の犯罪者およびテロリストに対する記録と一致した場合、検査は適切な処置をとり得る。再び、そのような処理は、全ての既存の指紋データベースが必ず未完成という事実によって限定される。これは、集められる指紋のかなりの数が任意のデータベース対応物を有さないという事実を活用し、人工(prosthetic)または他のデバイスの使用を介して、人が異なる指紋を示す、スプーフィング攻撃の所定の種類に対する可能性を示す。例えば、手配中テロリストの指紋として周知の指紋を有する30歳白人の男性は、65歳黒人の女性の指紋を不正的に示したため、入国を許可され得る。これは、ただ単に、データベースが、その女性の指紋の記録を有さないためである。検査官庁(screening authority)に、価値あるバイオメトリック情報が提供されるにも係わらず、それを効果的に使用することは不可能である。
【0007】
一部の場合において、バイオメトリック測定システムは、ユーザに対して商業的興味または個人的興味である他の判断を生成することも可能にあり得る。例えば、皮膚状態の情報を提供するバイオメトリックは、化粧品産業に対して有用になり得る。同様に、血液還流または水和のような生理学的パラメータを判断するバイオメトリックセンサは、エクササイズの間、消費者に対して有用になり得る。
【0008】
従って、そのような状況に適応し得る改良されたバイオメトリック解析に対して、その分野における一般的な需要がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、従って、バイオメトリック測定からパーソナル特徴を判断するために方法および装置を提供する。実施形態の第1のセットにおいては、方法が、個人の連続的パーソナル特徴を判断するために提供される。バイオメトリックデータ測定は、個人から集められる。個人の連続的パーソナル特徴は、バイオメトリックデータ測定と、アルゴリズムのアプリケーションから引き出された連続的パーソナル特徴の値との間のアルゴリズム的関係を、複数のバイオメトリックデータ測定および対応する集められたパーソナル特徴の値に適用することによって決定される。
【0010】
一部のそのような実施形態において、バイオメトリックデータ測定および複数のバイオメトリックデータ測定は、皮膚紋理測定(dermatoglyphic measurements)を含む。バイオメトリックデータ測定は、光を用いて個人の皮膚部位を照らし、マルチスペクトルイメージが受け取られた光から引き出され得るように、皮膚部位から散乱された光を受け取ることによって集められ得る。連続的パーソナル特徴の例は、年齢、体重、ボディマス指数、人種、民族性、および仕事分類を含む。一実施形態においては、複数のバイオメトリック測定および対応するパーソナル特徴の値が集められ、アルゴリズムは、アルゴリズム的関係を引き出すために適用される。他の実施形態においては、第2のパーソナル特徴は、バイオメトリックデータ測定と、第2のアルゴリズムのアプリケーションから引き出された第2のパーソナル特徴の値との間の第2のアルゴリズム的関係を、複数のバイオメトリックデータ測定および対応する集められた第2のパーソナル特徴の値に適用することによって決定される。アルゴリズムは、多変量のアルゴリズムを含み得る。
【0011】
実施形態の第2のセットにおいて、方法は、個人のパーソナル特徴を判断するために提供される。個人の皮膚部位は、光によって照らされる。皮膚部位からの散乱された光が受け取られる。マルチスペクトルイメージは、受け取られた光から引き出される。個人のパーソナル特徴は、マルチスペクトルイメージと、アルゴリズムのアプリケーションから引き出されたパーソナル特徴の値との間のアルゴリズム的関係を、複数のマルチスペクトルイメージおよび対応する集められたパーソナル特徴の値に適用することによって決定される。
【0012】
一部のそのような実施形態において、パーソナル特徴は、バイナリパーソナル特徴である一方、他のそのような実施形態において、パーソナル特徴は、連続的パーソナル特徴である。皮膚部位は、複数の準単色ビームとして複数の個別の波長において光を生成し、その生成された光を皮膚部位に向けることによって照らされ得る。代替的に、皮膚部位は、光のブロードバンドビームを生成し、フィルタされたブロードバンドビームが皮膚部位に向けられることを含めて、ブロードバンドビームを複数の個別の波長においてフィルタすることによって照らされ得る。一部の場合において、受け取られた光が、第1の偏光に対して、実質的に交差される第2の偏光を用いて偏光されることを含めて、皮膚部位は、第1の偏光を用いて偏光された光によって照らされ得る。一実施形態において、複数のマルチスペクトルイメージおよび対応するパーソナル特徴の値は集められ、アルゴリズムは、アルゴリズム的関係を引き出すために適用される。他の実施形態において、第2のパーソナル特徴は、マルチスペクトルイメージと、第2のアルゴリズムのアプリケーションから引き出された第2のパーソナル特徴の値との間の第2のアルゴリズム的関係を、複数のマルチスペクトルイメージおよび対応する集められた第2のパーソナル特徴の値に適用することによって決定される。アルゴリズムは、多変量のアルゴリズムを含み得る。
【0013】
実施形態の第3のセットにおいて、方法は、個人のパーソナル特徴を判断するために提供される。バイオメトリックデータ測定は、個人から集められる。パーソナル特徴は、バイオメトリックデータ測定と、多変量のアルゴリズムのアプリケーションから引き出されたパーソナル特徴の値との間のアルゴリズム的関係を、複数のバイオメトリックデータ測定および対応する集められたパーソナル特徴の値に適用することによって決定される。
【0014】
一部の場合において、バイオメトリックデータ測定および複数のバイオメトリックデータ測定は、皮膚紋理測定を含む。一実施形態において、バイオメトリックデータは、光を用いて個人の皮膚部位を照らし、マルチスペクトルイメージが受け取られた光から引き出され得るように、皮膚部位から散乱された光を受け取ることによって集められる。
【0015】
本発明の所定の方法は、照明サブシステム、検出サブシステム、および検出サブシステムにインタフェースによって接続される計算ユニットを有するセンサシステムを用いて行われ得る。照明サブシステムは、個人の皮膚部位に対して光を提供するために配置される。検出サブシステムは、皮膚部位から光を受け取るために配置される。計算ユニットは、上記の発明の所定の方法を実施するための命令を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の特性および利点の更なる理解は、明細書および図面の残存部分を参照することによって理解され得、同一の参照ラベルは、同様の構成要素に関連するためにいくつかの図面の至る所において使用される。一部の場合において、参照ラベルは、ラテン字サフィックスに続く数的部分を含む。参照ラベルの数的部分だけの参照は、数的部分を有するが、異なるラテン字サフィックスを有する全ての参照ラベルに集合的(collectively)に関することを意図する。
(1.概要)
本発明の実施形態は、バイオメトリック(biometric)測定とパーソナル特徴との間の相関性を利用して、無名の個人のバイオメトリック測定が、個人のパーソナル特徴を判断する(estimate)際に使用されることを可能にする。本明細書において使用されるように、「パーソナル特徴」は、特に、個人の人体計測、人口統計、および/または生理学特性に関する。「人体計測」パラメータは、身長、体重、またはボディマス指数もしくは「利き手」(すなわち、右手または左手の指から生じた指紋を区別する)のような個人の側面を含み得る。「人口統計」パラメータは、年齢、性別、民族性、または仕事分類のようなカテゴリを含み得る。「生理学」パラメータは、皮膚の色素形成、皮膚油分、皮膚水分の量および種類ならびに皮膚の中の血の還流度等のようなカテゴリを含み得る。一部の場合において、二つだけの可能な状態のうちの一つを選び得る特性である「バイナリパーソナル特徴特性」は、本明細書に参照される。例えば、バイナリパーソナル特徴特性の例は、性別および利き手を含む。通常、値に限定され、任意の値になり得る特性である、おそらく特定の終点限度内における、「連続的パーソナル特徴特性」も、本明細書に時々参照される。連続的人体計測特性は、年齢および体重を含む。一部のパーソナル特徴特性は、アプリケーションによって、バイナリまたは連続的方法のどちらかにおいて機能し得る。例えば、民族性特性は、人が特定の民族に所属しているのか分類可能または分類不可能であるバイナリパーソナル特徴として定義され得る。しかしながら、より一般的に、民族性のようなパーソナル特徴は、複数の可能なカテゴリがあり、ほとんどの個人が、どのようにしてカテゴリが割当てられるかにも関わらず、いくつかのカテゴリの幾分かを示すことを認識するために、連続的パーソナル特徴として扱われる。
【0017】
本発明の実施形態に従って、バイオメトリックパターンは、研究されているグループの特定の特徴を確立するために使用され得る。例えば、複数の特定の民族グループの間の遺伝距離は、バイオメトリック測定から発見されるパターンを比較することによって、判断され得る。この種類の評価は、表現型(遺伝子型の個別表現)よりむしろ遺伝子型(グループ特徴)のレベルにおいて行われ得る。ダウン症候群のような特定の遺伝病も、所定のバイオメトリックパターンと相関性がある。
【0018】
一部の実施形態において、使用されるバイオメトリックパターンは、指、掌、足指、および足裏を含む皮膚部位から集められ得る皮膚紋理(dermatoglyphic)パターンを含む。そのようなパターンを取得するための適した方法は、内部全反射(「TIR」)現象に基づく視像捕獲(optical image capture)、直接視像(direct optical imaging)、容量性、無線周波数(「RF」)および他の半導体アレイ捕獲装置、超音波、圧力アレイ等を含む。「指紋」という用語は、皮膚紋理特徴を有する任意の皮膚部位の任意の表示を参照するように、本明細書において広く使用される。更に、光学捕獲(optical capture)は、複数の光学状態が、皮膚の同等の部分から測定されるように、行われ得る。光学システムは、複数の照明波長が照明のために使用されるマルチスペクトルおよび/またはハイパースペクトル捕獲装置を含み得る。光学システムは、二つ以上の偏光状態(polarization condition)の下でも測定し得る。異なる波長および/または異なる偏光状態のような複数の光学状態の下で撮られたイメージを集めるシステムは、「マルチスペクトルシステム」の例である。本発明の実施形態に従って使用され得るが、他のテクニックが代替的な実施形態において使用され得るため、そのような説明は、限定的であることを意図しない、マルチスペクトルシステムの実施例の詳細な説明が、以下に提供される。マルチスペクトルデータのコレクションは、乾燥度、弾力の欠如、および/または高齢者、かなりの肉体労働を行う者、もしくは美容師または看護師のように化学製品に露出された皮膚の者、に通常関係する磨耗された特徴(worn features)のような非理想の肌質に対して有利に強い。更に、そのようなマルチスペクトルデータは、代替の指紋感知技術によって提供されるものを除く、パーソナル特徴の判断を行うために有用である追加の情報を、有利に含み得る。
【0019】
本発明の方法の全体的な概要は、図1のフロー図を用いて提供される。方法は、パーソナル特徴とバイオメトリック測定との間の相関性(correlation)を確立することによって、初めに開始する。これは、ブロック104に示されるように、バイオメトリックデータを集めるために、複数の人にバイオメトリック測定を行うことによって、なされ得る。年齢、性別、利き手、体重等のようなパーソナル特徴情報も、ブロック108にて集められる。そのようなコレクションのために選ばれた人のグループは、好ましくは、年齢の広い範囲、非常に重いおよび軽い体重等のような極値を含むパーソナル特徴特性の広い範囲、特に、連続的パーソナル特徴特性を示す。方法の信頼性は、一般的に、より多くのバランスされた初期入力および相関性に対して使用される測定の比較的大きな数によって強化される。一部の実施形態においては、グループの中の人数は、1000より多い。
【0020】
ブロック112において、集められたデータは、バイオメトリックデータを人体計測情報と相関させるために、人のグループについての多変量の解析を必要とする。そのような解析は、特徴の数を減らし、イメージ質を強化し、および/または他の所望される特徴を得るために、様々な前処理技術のアプリケーションを含み得る。例えば、固有解析(eigenanalysis)は、固有解析の選択された数に対応するスコアのセットによって、各々のバイオメトリック測定を説明するために、集められたバイオメトリックデータに適用され得る。特徴抽出方法は、固有解析、線形判別解析、ならびにサインおよびコサイン(周波数解析)、ウェーブレット、ガボールフィルタ、放射状基底関数、および当業者に知られている他のものを含む様々な前もって確立されている基底関数(basis function)への、イメージデータの分解(decomposition)を含み得る。バイオメトリック測定がスペクトル測定を含む特定の場合において、前処理技術は、そのような特徴をバルクスペクトル特徴、コントラストレベル等として抽出し得る。一部の場合において、データコレクションの際に生じる所定の影響に不変的な特徴を使用することは、有利になり得る。例えば、特定の状況の下では、周波数解析は、イメージされている対象物のトランスレーションに対して不変的な特徴を生成できる。一部の場合において、前処理データよりむしろ直接測定されたデータの使用は、前処理アプリケーションを通じて不明瞭になり得るパターンにおける薄い相関性および空間的な関係を認識するために、多変量のアルゴリズムのアプリケーションを有利に許可する。
【0021】
パーソナル特徴との相関性を決定するために特徴および/または生のデータに適用され得る多変量の方法の実施例は、線形または二次判別解析、部分的最小二乗解析、主成分回帰等のようなテクニックを含む。一部の場合において、多変量の方法のアプリケーションは、エキスパートシステム、ニューラルネットワーク等のような訓練された評価システムによって行われ得る。多変量の解析のアプリケーションは、相関性を定義するために、測定されたバイオメトリックデータを集められた人体計測データと関連させる。例えば、測定されたバイオメトリックデータの固有解析から生成されるスコアのセットは、パーソナル特徴に関連し得、それによって、その二つを関連させるアルゴリズム的関係を提供する。これは、バイナリ人体計測特性および連続的人体計測特性の両方のためになされ得る。性別または利き手のようなバイナリ人体計測特性の場合、相関性は、定量回帰テクニックまたは分類テクニックを用いて確立され得る。バイオメトリック測定を、人種のような非定量パーソナル特徴と相互に関係させるために適したテクニックは、K最近接(K−nearest−neighbor)テクニックおよび他のクラスタリングテクニックを含む。
【0022】
ブロック112においてアルゴリズム的関係が確立された後、パーソナル特徴判断は、相関性セットにないバイオメトリック測定のために行われ得る。初期のバイオメトリック測定セットがバランスされた場合、一般に、外挿はまれに必要とされるにも係わらず、年齢および体重のような連続的パーソナル特徴の場合において、そのような判断を行うことは、相関性モデルを内挿または外挿することを含み得る。従って、ブロック116において、バイオメトリックデータは、通常、相関性を最初に確立するときに行われる測定の同等の種類を繰り返すことによって、対象の個人から集められる。ブロック120において、パーソナル特徴は、ブロック112において確立されたアルゴリズム的関係を、集められたバイオメトリックデータおよび/または相関性データセットに適用されたときと同等の方法においてバイオメトリックデータから抽出される特徴に適用することによって、状況に応じて判断される。
【0023】
一部の場合において、複数の相関性は、各々が測定されたデータからの異なるアルゴリズム的関係を、異なるパーソナル特徴に確立する、集められたバイオメトリックデータの単一のセットから引き出され得る。例えば、人の初期セットが、年齢幅、異なる性別、異なる人種、異なる体重等を有する人を含む場合、それらの異なる特性に関連して、異なるアルゴリズム的関係が確立され得る。そのような相関性の存在は、ブロック120において、対象の個人の複数のパーソナル特徴が、ブロック116において行われる測定から判断されることを可能にする。
【0024】
バイオメトリックデータが、ブロック104において、複数の個人のために、またはブロック116において、対象の個人のために、どのようにして集められ得るかについての全体的な概要が、バイオメトリックデータが個人の皮膚部位からマルチスペクトルデータとして集められる実施形態に対して、図2のフロー図を用いて提供される。ブロック204において、複数の波長を有し得る光が提供され、ブロック208において、偏光され得る。ブロック212において、照明の光は、個人の皮膚部位を照らすために向けられる。皮膚部位から散乱された光は、ブロック216において受け取られ、ブロック220において偏光され得る。散乱された光は、おそらく、皮膚部位の組織の厚さによって、通常、反射されたおよび/または透過された光を含み得る。受け取られた光は、ブロック228において、異なる波長が光検出器に向けられ得るように、ブロック204において提供される光が複数の波長を有する場合、ブロック224において、スペクトル的に分離され得る。光検出器において集められた光は、上記のパーソナル特徴の相関性または判断のために使用され得るマルチスペクトルなイメージを引き出すために使用される。
【0025】
一般に、ブロック208において、照明の光が偏光を受けない場合、検出される光のかなりの部分は、皮膚の表面または皮膚への非常に薄い厚さによって反射される光学エネルギーを含む。それと対照的に、ブロック208において、光を偏光させるために偏光子(polarizer)が使用され、ブロック220において、第2の直交性の偏光子が適用された場合、実質的に、皮膚の表面の下の光学相互作用によって、光は検出される。そのような直交性(orthogonal)の偏光システムは、二つの偏光子の軸がおよそ90°分離されるように、指向された二つの直線偏光子(linear polarizers oriented)を含み得る。偏光子は、直交性が、反対の感覚(すなわち、右手および左手)の二つの円偏光子を有することによって得られる円偏光子に、代替的になり得る。偏光子の効果によって、複数の異なるイメージは、同等の照明波長が使用されている場合においても、システムの偏光状態を変更することによって、集められ得る。
【0026】
所定の場合において、所望される情報は、全体のマルチスペクトルデータキューブの一部分にだけ含まれる。例えば、均一に分配され、スペクトル的にアクティブな化合物の判断は、全体的なマルチスペクトルデータキューブから抽出され得る測定されたスペクトル特徴だけを要求し得る。そのような場合において、全体的なシステムデザインは、イメージピクセルの数を単一のピクセルの制限にも減らすことによって、集められたデータの空間的構成要素を減らしまた消去することに単純化され得る。従って、開示されたシステムおよび方法がマルチスペクトルイメージングのコンテキストの中に全般的に説明される一方、本発明が、イメージングの度合いが単一の検出器要素がある点にまでも大幅に減らされる、同様の測定を包含することが認識される。
【0027】
(2.マルチスペクトルバイオメトリックセンサ)
バイオメトリックデータを集めるために使用され得るマルチスペクトルセンサの一構成が、図3の概略図を用いて示される。マルチスペクトルセンサ301は、一つ以上の光源303を有する照明サブシステム321およびイメージ器315を有する検知サブシステム323を含む。図は、照明サブシステム321が複数の照明サブシステム321aおよび321bを含むが、発明は、照明または検知サブシステム321または323の数によって限定されない。例えば、照明サブシステム321の数は、照明の所定のレベルを得、パッケージング要求に合致し、およびマルチスペクトルバイオメトリックセンサ301の他の構造制約に合致するために好都合に選択され得る。他の実施例としては、特に、一つ以上のサブシステムの全体の内部反射のような異なる光学効果を組み入れる、異なる方法において配置される複数の検出サブシステム323があり得る。照明の光は、照明を、投光照明(flood light)、光ライン、光ポイント等の形のような所望された形に形作る照明光学素子(illumination optics)305を介して、光源303から通る。照明光学素子305は、便宜上1つのレンズから成るが、より一般には、一つ以上のレンズ、一つ以上のミラー、および/または他の光学要素の任意の組み合わせを含む。照明光学素子305は、照明の光を特定の一次元または二次元パターンにおいてスキャンするために、スキャナーメカニズム(図示せず)も含み得る。光源303は、ポイント光源、ライン光源、エリア光源、を含み得、またはそのような光源のシリーズを異なる実施形態において含み得る。一実施形態において、照明の光は、光が指319または研究されている人の他の皮膚部位に当たる前に通過する直線偏光子307を配置することによってのように、偏光として提供される。
【0028】
一部の場合において、光源303は、光が狭い波長バンドを通じて提供される一つ以上の準単色光源を含み得る。そのような準単色光源は、発光ダイオード、レーザダイオード、または量子ドットレーザのようなデバイスを含み得る。代替的に、光源303は、白熱バルブまたはグローバーにおいてのように、ブロードバンド光源を含み得る。ブロードバンド光源の場合において、照明の光は、照明の光のスペクトル幅を狭くするために、バンドパスフィルタ309を通過し得る。一実施形態において、バンドパスフィルタ309は、一つ以上の個別の光学バンドパスフィルタを含む。他の実施形態においては、バンドパスフィルタ309は、照明の光の波長を変更するために、回転してまたは直線に(または回転および直線の動きの組み合わせによって)移動する連続的可変フィルタを含む。更なる他の実施形態においては、バンドパスフィルタ309は、液晶調整可能フィルタ、音響光学調整可能フィルタ、調整可能ファブリーペロフィルタまたは当業者に知られる他のフィルタメカニズムのような調整可能フィルタ要素を含む。
【0029】
光源303から光が照明光学素子305、必要に応じて、光学フィルタ309および/または偏光子307を通過した後、プラテン317を通過し、指319または他の皮膚部位を照らす。センサレイアウトおよび構成要素は、照明の正反射を検出光学素子313に最小化するために有利に選択され得る。一実施形態において、そのような正反射は、検出される正反射光の量が最小化されるように、照明サブシステム321および検出サブシステム323を相対的な方向に配置することによって、減らされる。例えば、照明サブシステム321および検出サブシステム323の光軸は、プラテン317に配置されるミラーが照明の光の評価可能な量を検出サブシステム323に向かないような角度に配置され得る。更に、照明および検出サブシステム321および323の光軸は、両方のサブシステムの角度の受け入れがシステムの臨界角度(critical angle)より小さいように、プラテン317に相対的な角度で配置され得る。そのような構成は、プラテン317と皮膚部位319との間のTIRによって、かなりの影響を避ける。
【0030】
正反射光を減らすための代替的なメカニズムは、光学偏光子を使用する。当業者に知られるように、直線および円偏光子の両方は、所定の皮膚の厚さに対して光学測定をより敏感にするために、有利に使用され得る。図3に示される実施形態において、照明の光は、直線偏光子307によって偏光される。検出サブシステム323は、その光軸が照明偏光子307に実質的に直交に配置されている直線偏光子311も含み得る。このようにして、サンプルからの光は、その偏光の状態を有意的に変更するために、複数の散乱イベントを受ける必要がある。そのようなイベントは、光が皮膚の表面を透過し、多数の散乱イベントの後に検出サブシステム323に戻される場合に生じる。そのようにして、プラテン317と皮膚部位319との間の界面における表面反射は、減らされる。
【0031】
検出サブシステム323は、レンズ、ミラー、および/またはプラテン表面317の近くから検出器315への領域のイメージを形成する他の光学要素を含む検出光学素子を組み入れ得る。検出光学素子313は、プラテン領域の一部分を連続して検出器315にリレーするためにスキャニングメカニズム(図示せず)も、含み得る。全ての場合において、検出サブシステム323は、皮膚の表面を透過し、皮膚および/または皮膚から出る前の皮膚の下にある組織(underlying tissue)内にての光学散乱を受けた光に対して敏感になるように構成されている。一部の場合において、光源303は、照明サブシステムにおいて、スペクトルフィルタ309を使用せずにブロードバンド光源になり得る。代わりに、異なるバンドパスフィルタのマイクロアレイを含むカラーフィルタアレイは、イメージアレイ315に直接組み入れられ得る。複数のカラーイメージングチップに存在する特定のコモンカラーフィルタアレイは、当業者に知られるように、赤、緑、および青のパスバンドフィルタの配置を説明するバイエルフィルタである。
【0032】
上述のように、異なる偏光状態の下で撮られるイメージを測定するに対して有利になり得る。このようにする方法の実施例は、二つの照明サブシステム312aおよび312bを参照することによって分かる。この実施形態において、一つの照明サブシステム321aは、直線偏光子307aを、検出偏光子311と相対的な交差偏光状態において組み入れる。二つ目の照明サブシステム321bは、直線偏光子307bを省略する。この構成において、第1のイメージは、光学散乱および皮膚319の表面の下の他の効果を実質的に表す偏光照明サブシステム321aを用いて集められ得る。第2のイメージは、非偏光照明サブシステム321bを用いて集められ得る。偏光子311が検出サブシステム323の配置にあるにも係わらず、この第2のイメージの照明の光は、偏光されず、結果的(resulting)イメージは、指319からの深い場所での光の散乱とともに、非常に浅い場所での光の散乱および表面反射の一部に起因する。二つのイメージの組み合わせは、パーソナル特徴の判断における、追加の有用な情報を提供するために使用され得る。
【0033】
照明サブシステム321および検出サブシステム323は、様々な光学レジームおよび様々な波長において動作するように構成され得る。一実施形態は、400〜1000nmの領域において光を実質的に放射する光源303を使用する。この場合、検出器315は、シリコン検出器要素または当業者に知られるそのような波長において光に敏感な他の検出器材料に基づき得る。他の実施形態においては、光源303は、検出器315がInGaAs,InSb,PbS,MCT,および当業者に知られるそのような波長において光に敏感な他の材料から生成される要素を含み得る、1.0〜2.5μmの近赤外レジームを含む波長において放射線を放射し得る。
【0034】
本発明の一実施形態の側面図が、図4Aに提供される概略図を用いて示される。明確性のために、この図は、検出サブシステムを示さないが、照明サブシステム321をはっきりと示す。この実施形態の照明サブシステム321は、異なる波長特徴を有する二つの個別の光源403および405を含む。例えば、光源403および405は、光フィルタを必要としないLEDのような準単色光源でなり得る。光源405a、405b、および405cが第1の波長と異なる、実質的に同等の第2の波長を有する照明を提供し得る一方、光源403a、403b、および403cは、実質的に同等の第1の波長を有する照明を提供し得る。示されるように、図4Aの照明光学素子は、投光照明を提供するように構成されているが、代替的な実施形態において、円柱光学素子(cylindrical optics)、集束光学素子(focusing optics)、または当業者に知られる他の光学構成要素の組み入れによって、ライン、ポイントまたは他のパターン化された照明を提供するように配置され得る。上述したように、偏光子307は、光源403、405の全ての光源に存在し得、光源403、405の一部の光源の上に存在し得、または完全に省力され得る。
【0035】
図4Aに示されるシステムのための例示的測定シーケンスは、第1の光源403を活性化し、結果的イメージを集めることを含む。イメージが獲得された後、第1の光源403は、ターンオフされ、第2の光源405は、異なる波長において活性化され、結果的イメージが集められる。光源の1より多い波長を有するセンサに対して、この照明測定シーケンスは、センサに使用される全ての異なる波長のために繰り返され得る。実質的に同等のシーケンスが、光の波長特徴が調整可能光学フィルタ、可変光学フィルタ、移動可能個別光学フィルタ等の状態によって決定される、実施形態において使用され得ることが認識される。代替的に、異なる波長403、405の光源は、検出器アレイ315がカラーフィルタアレイを含む場合、同時にターンオンされ得る。複数の波長においてイメージを集めるための他の代替的なメカニズムは、複数の波長が所定の時間において照らされる場合、各々の波長の光を識別するための符号化方法を組み入れ得る。全体的な照明シーケンスからのデータは、個々の波長応答が当業者に知られる符号化使用方法から決定されるように、集められる。照明テクニックは、従って、ラウンドロビン、周波数分割変調、およびハダマード符号化等を含む。
【0036】
光源の照明のシーケンスは、測定から測定へと変更され得る。可変性は、リプレイ攻撃を阻止するために導入され得る。ここでは、有効な信号のセットが、バイオメトリックセンサを無効にするために、記録および後の時間にリプレイされる。サンプルからサンプルへの測定可変性は、登録データセットの対応するデータのサブセットと比較される利用可能な照明波長のサブセットのみを使用するように、一部の実施形態において広がり得る。
【0037】
光源403および405のアレイは、図4Aに示されるように、実際に平面になる必要はない。例えば、他の実施形態において、光ファイバ、ファイババンドル、もしくはファイバ光学フェイスプレートまたはテーパは、どこかの便利な配置における光源からの光を、光が指に再イメージされる照明プレーンに運び得る。光源は、LEDであり得るように、駆動電流をオンおよびオフにすることによって、制御され得る。代替的に、白熱光源が使用された場合、光の素早いスイッチングは、絞り、ミラー、またはそのような他の光学要素を制御するために、液晶変調器のような空間的光変調器の一部の形を使用し、またはマイクロエレクトロメカニカルシステム(「MEMS」)技術を使用することによって達成され得る。
【0038】
光ファイバおよびファイババンドルのような光学要素の使用は、マルチスペクトルバイオメトリックセンサの構造が簡略化されることを可能にし得る。一実施形態は、光ファイバおよびLEDのような照明光源の電子走査の使用を示す図4Bにおいて示される。個々のファイバ416aは、照明アレイ410に配置される各々のLEDをイメージング表面に接続し、他のファイバ416bは、フォトダイオードアレイまたはCCDアレイを含むイメージングデバイス412に、反射された光を中継し戻す。ファイバ416aおよび416bのセットは、従って、中継光に使用される光ファイババンドル414を定義する。
【0039】
図1および図2に関連して説明される方法の実施は、図3〜図4Bに関連して説明されるマルチスペクトルバイオメトリックセンサの一つのようなバイオメトリックセンサと接続または統合されているコンピュータシステムと調和して作用(coordinate with)され得る。図5に示される配置は、より大きなシステムに適され得る多数の要素を含む。ポータブルデバイスと統合されているより小さなシステムは、より少ない要素を使用し得る。図5は、個々のシステム要素がどのようにして分離されまたはより統合された方法において実施され得るかを広く示す。計算デバイス500は、バイオメトリックセンサ517とも結合されているバス526を介して電子的に結合されているハードウェア要素を含み、示される。一部の場合において、バイオメトリックセンサ517は、マルチスペクトルバイオメトリックセンサを含むが、これは要求されておらず、バイオメトリックセンサ517は、他の実施形態において、他の種類の指紋センサまたは他のバイオメトリックセンサになり得る。ハードウェア要素は、プロセッサ502、入力デバイス504、出力デバイス506、記憶デバイス508、コンピュータ読取可能記憶媒体読取器510a、通信システム514、DSPまたは専用プロセッサのような処理加速ユニット516、およびメモリ518を含む。コンピュータ読取可能記憶媒体読取器510aは、リモート、ローカル、固定および/または取り外し可能記憶デバイスに加えて、コンピュータ読取可能情報を一時的におよび/またはより永久的に含む記憶媒体を包括的に表す組み合わせであるコンピュータ読取可能記憶媒体510bに更に接続される。通信システム514は、有線、無線、モデム、および/またはインターフェース接続の他の種類を含み得、データが外部のデバイスと交換されることを許可する。
【0040】
計算デバイス500は、オペレーティングシステム524および発明の方法を実施するように設計されているプログラムのような他のコード522を含むワーキングメモリ520内にて現在配置されているように示される、ソフトウェア要素も含む。実質的なバリエーションが、特定の要求に従って使用され得ることが当業者に明白になるであろう。例えば、カスタマイズされたハードウェアも使用され得、および/または特定の要素は、ハードウェア、ソフトウェア(アプレットのようなポータブルソフトウェアを含む)、またはその両方において実施され得る。更に、ネットワーク入力/出力デバイスのような他のコンピュータデバイスへの接続が使用され得る。
【0041】
マルチスペクトルバイオメトリックセンサを実施するために使用され得る他の構造が、図6の正面図を用いて概略的に示される。この実施形態において、マルチスペクトルバイオメトリックセンサ601は、ブロードバンド照明サブシステム623および検出サブシステム625を含む。図3に関連して説明される実施形態においては、二つの照明サブシステム623を有する特定の実施形態を示す図6を含めて、一部の実施形態において、複数の照明サブシステム623があり得る。照明サブシステム623によって含まれる光源603は、白熱バルブまたはグローバーのようなブロードバンド照明光源であり、当業者に知られる任意の他のブロードバンド照明光源になり得る。光源603からの光は、照明光学素子605および直線偏光子607を通過し、特定の領域上の光の波長を制限するために使用されるバンドパスフィルタ609を、必要に応じて通過し得る。光は、プラテン117を通過し、皮膚部位119へと入る。光の一部は、皮膚119から拡散的に反射され、イメージング光学素子615および619、交差直線偏光子611、ならびに分散光学要素(dispersive optical element)613を含む検出サブシステム625へと入る。分散要素613は、透過的または反射的になり得る一次元または二次元グレーティング、プリズム、または光の経路の偏差(deviation)を光の波長の関数とさせることが当業者に知られる任意の他の光学要素を含み得る。示される実施形態において、第1のイメージング光学素子619は、交差直線偏光子611および分散要素613を介しての透過のために、皮膚619から反射される光を平行にするように作用する。光のスペクトル成分は、分散要素613によって角度的に分離され、検出器617に第2のイメージング光学素子615によって分離的にフォーカスされる。図3に関連して論議されたように、偏光子607および611は、検出器617における直接反射された光の検出を減らすために作用する照明および検出サブシステム623および625によってそれぞれ含まれる。
【0042】
検出器において受け取られる光から生成されるマルチスペクトルイメージは、従って、コンピュータトモグラフィックイメージングスペクトロメートル(「CTIS」)の方法における「コード化された」イメージである。波長および空間的情報の両方は、結果的イメージにおいて同時に示される。個々のスペクトルパターンは、数理インバージョンまたはコード化されるイメージの「再構成」によって得られ得る。
【0043】
図3および図6に関連して上記された実施形態は、「エリア」センサ構成の実施例である。そのようなエリアセンサ構成に加えて、マルチスペクトルイメージングセンサは、一部の実施形態において、「スワイプ(swipe)」センサとして構成され得る。スワイプセンサの一実施例は、図7の概略図を用いて平面図において示される。この図において、センサ701の照明領域703および検出領域705は、実質的に共線的で(collinear)ある。スワイプセンサ701の一部の実施形態においては、単一の照明領域より多くあり得る。例えば、検出領域705のどちら側にも配置された複数の照明領域があり得る。一部の実施形態において、照明領域703は、検出領域705を部分的または全体的にオーバーラップし得る。マルチスペクトルイメージデータは、図7の矢印によって示されるように、指または光学的に活動的な領域に渡る他の体の部分をスワイプすることによって、センサ701を用いて集められる。対応する直線センサは、位置情報を記録し、当業者に知られるイメージスライスの結果的シリーズから完全な二次元イメージをステッチすることを補助するために、符号器を更に含み得るローラシステムまたは静止システムになり得る。ローラシステムが使用された場合、指先または他の皮膚部位は、使用される光の波長に対して透明であるローラ上をロールされ得る。次に、光は、異なる部分から受け取られる光から確立されるマルチスペクトルイメージを含む、皮膚部位の個別的部分から順次に受け取られる。
【0044】
一部の実施形態に含まれる偏光子は、表面特徴を生成または更に目立たせるために使用され得る。例えば、照明の光がサンプリングプラテンを用いて平行方向(「P」)に偏光され、検出サブシステムが偏光子を垂直オリエンテーション(「S」)において組み入れる場合、反射された光は、偏光子ペアの消光比と同量によって、ブロックされる。しかしながら、リッジポイントにおいて指先に交差する光は、必要に応じて散乱され、偏光を効果的にランダム化する。これは、50%のオーダーにおいて、吸収および再放射された光の部分が、S−偏光されたイメージングシステムによって監視されることを許す。
【0045】
上記の特定の実施形態に関連して説明されるシステムは、例示的であり、限定されることを意図しない。本発明の意図される範囲内にもある上記の例示的実施形態に対する多数のバリエーションおよび代替が存在する。多くの場合、光学構成要素のレイアウトまたは順序は、発明の機能的側面を実質的に影響せずに変更され得る。例えば、ブロードバンド照明光源および一つ以上の光フィルタを使用する実施形態において、フィルタは、照明および検出サブシステムの両方における任意のポイントの多様性に配置され得る。更に、図が、測定が生成される指または他の皮膚部位がプラテンと接触していることを示す場合、同等の測定がそのような接触無しに実質的に生成され得ることが明らかなになるだろう。そのような場合において、照明および検出に対する光学システムは、適当な距離において皮膚部位を照明およびイメージするように構成され得る。そのようなシステムの一部の実施例は、参考に援用される2004年3月10日に出願された、出願番号60/552,662号の米国仮特許出願「OPTICAL SKIN SENSOR FOR BIOMETRICS」に提供されている。
【0046】
上記の実施形態は、異なる波長および/または偏光状態において皮膚部位のイメージのセットを生成し、もしくはCTISの特定の場合または符号化された照明サブシステムにおいてのように、そのようなセットが再構成テクニックを使用して生成され得るデータを生成する。図の目的として、直接スペクトルイメージのセットを生成しない実施形態における後のバイオメトリック処理のために、スペクトルイメージのセットを生成する必要がないにも関わらず、以下の論議は、そのようなスペクトルイメージのセットに関連して行われる。マルチスペクトルイメージの例示的セットは、セットがマルチスペクトルデータキューブ801を定義し、図8において示される。
【0047】
データキューブ801を分解する一方法は、測定処理のサンプルを照らすために使用される各々の波長および/または偏光状態に対応するイメージに分解することである。図において、5つの別々のイメージ803,805,807,809,および811が示され、5つの個別の照明波長および/または照明状態に対応する(例えば、位置X,Yの照明ポイント光源;照明偏光の存在/不在)。可視光が使用される実施形態において、イメージは、例えば、450nm,500nm,550nm,600nm,および650nmにおいて光を用いて生成されたイメージに対応し得る。各々のイメージは、皮膚と相互作用する特定の波長の光の光学効果を表し、測定の間、皮膚がプラテンと接触する実施形態の場合、皮膚と相互作用し、皮膚プラテン界面を通過する特定の波長の光の結合された光学効果を表す。波長によって変化する皮膚の光学特性および皮膚の構成要素によって、各々のマルチスペクトルイメージ803,805,807,809,および811は、通常、他から異なる。例えば、およそ600nmより短い波長は、およそ540および576nmの最大吸収度を有する血液によって、強く吸収される。これらの波長におけるイメージは、センサの表面に対して押されるにつれての指の白化およびより深い血管の一部に起因するまだらなパターンを含む血液特徴を強く示す。およそ600nmより長い波長の光源は、血液に対してあまり敏感ではなく、自然的によりスムースおよび均等である。
【0048】
データキューブは、従って、R(X,Y,X,Y,λ)として表され、光源ポイントX,Yにおいて照らされた場合、各々のイメージポイントX,Yに見られる波長λの拡散的に反射された光の量を説明する。異なる照明構成は(フラッド、ライン等)は、適切な光源ポイント配置上のポイント応答を合計することによって、集約され得る。従来の非TIR指紋イメージF(X,Y)は、所定の波長λに対するマルチスペクトルデータキューブとして漠然と説明され得、全ての光源の配置上において合計され得る:
【0049】
【数1】

逆に、スペクトルバイオメトリックデータセットS(λ)は、所定の波長λに対する測定された光度を、照明と検出配置との間の違い
【0050】
【数2】

に関連させる。
【0051】
【数3】

マルチスペクトルデータキューブRは、従って、従来の指紋イメージおよびスペクトルバイオメトリックデータセットの両方に関する。マルチスペクトルデータキューブRは、他の2つデータセットのどちらかのスーパーセットであり、2つの別々のモダリティのどちらかにおいて失われ得る他の情報および相関性を含む。
【0052】
プラテン材料および皮膚の屈折の光学インデックスが、使用される波長の範囲を越えて通常有意的に違わなく、光学インターフェースが測定インターバルの間実質的に変更しないため、皮膚プラテン界面における光学相互作用は、全ての波長において実質的に同等である。プラテンから皮膚へとともに、皮膚からプラテンへ移動される光は、光学インターフェースにおけるフレネル反射によって影響され得る。従って、エアギャップをトラバースする光は、エアギャップを渡らない光に比べ、受け取り媒体においてあまり強くない。この現象は、マルチスペクトルデータキューブに含まれるイメージ情報の一部分だけを形成する。
【0053】
マルチスペクトルイメージデータキューブは、複数の光源からの空間スペクトル情報を含む。単に、実施例の方法によって、プラテンとの接触において指紋にとられる測定の場合、結果的データキューブは、(i)従来の非TIR指紋に含まれる情報と同様な、指紋とプラテンとの間の光学インターフェース;(ii)人から人へと区別されている組織の全体的なスペクトル特徴;(iii)皮膚の表面に近い血管、特に、外部の指紋パターンを生成する摩擦隆線(friction ridge)の直下に位置する毛細血管;および(iv)静脈イメージングと同様な方法において、組織のより深くへと分配される血管および他のスペクトル的アクティブな構造に起因する効果を含む。そのように、本発明の実施形態は、測定される指先または他の皮膚部位内にて複数の光源からバイオメトリックデータを引き出すためにメカニズムを提供し、それによって、マルチファクタバイオメトリック感知アプリケーションを提供する。
【0054】
皮膚および皮膚と下にある組織の複雑な波長依存特性のため、所定のイメージ配置に対応するスペクトル値のセットは、明確および別個のスペクトル特徴を有する。これらのスペクトル特徴は、ピクセル−ピクセルベースにおいてマルチスペクトルイメージデータを分類するために使用され得る。この評価は、限定された(qualified)イメージのセットから典型的な組織スペクトル質を生成することによって、行われ得る。例えば、図8に示されるマルチスペクトルデータは、Nがエアの周辺領域からよりもむしろ生き組織からのデータを含むイメージピクセルの数であり、N×5マトリックスとして再オーダーされ得る。このセットマトリックスに行われる固有解析または他の要因の解析は、これらの組織ピクセルの代表的スペクトル特徴を生成する。後のデータセットにおけるピクセルのスペクトルは、マハラノビス距離(Mahalanobis distance)およびスペクトル残留物のような測定基準を用いて、そのような以前に確立されたスペクトル特徴に比較され得る。イメージピクセルの少数より多くが、生き組織と不一致であるスペクトル質を有する場合、サンプルは、偽物およびリジェクトされるようにみなされ、従って、サンプルの活性の決定に基づいて、センサにアンチスプーフィング方法を組み入れるためのメカニズムを提供する。
【0055】
同様に、サンプルが指先である実施形態において、マルチスペクトルイメージピクセルは、それらのスペクトル質に基づいて、「リッジ」、「谷」、または「他」として分類される。この分類は、直線判別解析、二次判別解析、原則構成要素(principle component)解析、ニューラルネットワーク、および当業者に知られる他の方法のような判別解析方法を用いて行われ得る。リッジおよび谷ピクセルが典型的な指先に隣接なため、一部の場合において、対象のイメージピクセルの周辺のローカルな近隣からのマルチスペクトルデータが、イメージピクセルを分類するために使用される。このようにして、従来の指紋イメージは、更なる処理およびバイオメトリック評価のために、センサから引き出される。「他」のカテゴリは、本物のサンプルにおいて予期されるものと異なるスペクトル質を有するイメージピクセルを示し得る。「他」として分類されるイメージのピクセルの全体数におけるスレッシュホールドは、設定され得る。このスレッシュホールドが超えられた場合、サンプルは、偽物として決定され得、適切な表示が行われ、処置がとられる。
【0056】
パーソナル特徴の判断は、全体的なデータキューブまたはその特定の部分を用いて生成され得る。例えば、適切な空間フィルタは、典型的に、組織の中のより深いスペクトル的にアクティブな構造を表す、より低い空間周波数情報を分離するために適用され得る。指紋データは、上記の開示された空間周波数分離および/またはピクセル分類方法と同様なものを用いて引き出され得る。スペクトル情報は、上記の方法において、イメージのアクティブな部分から分離され得る。データキューブのこれらの3つの部分は、当業者に知られる方法を用いて、処理され得、相関データと比較され得る。バイオメトリックデータにおけるこれらの特徴を相関させる強さに基づいて、決断は、対応する人体計測特性の判断に関連して、行われ得る。
【0057】
(3.実施例)
発明の方法およびシステムが用いられ得る多数の異なる有用なアプリケーションがある。本明細書において、論議される特定の実施例は、例示的目的だけのために提供され、限定されることを意図しない。各々の実施例は、バイオメトリックデータのコレクションならびに異なる性別および利き手とともに、年齢、体重、民族性、および仕事分類(内勤、現場作業、機械作業等)の広い範囲を表示する人からの対応するパーソナル特徴情報から結果として生じる、図1に関連して説明されるように、生成されたバイオメトリックデータおよびパーソナル特徴との間のアルゴリズム的関係を使用する。
【0058】
結果的関係は、潜在指紋が強制捜査の一部として引き出されるように、法執行コンテキストにおいて使用され得る。指紋が任意の法執行データベースに格納されていないため、指紋が容疑者を直接識別し得ないにも係わらず、指紋は、容疑者に対する性別、民族性、利き手、ならびにおよその年齢、体重、および仕事分類を指紋と相互に関係される上記の方法を使用して解析され得る。定義され得るパーソナル特徴の数が大きいほど、法執行の職員が容疑者のストックのサイズを大幅に減らすことを許可する。更に、この情報は、所定の個人を容疑者として彼らの努力をも向ける法執行の職員によって集められる他の調査情報と結合され得る。パーソナル特徴との相関性から引き出された追加の情報は、調査努力をより効果的にし得、そうでない場合、可能ではなかった逮捕および/または有罪判決が行われるように許可し得る。
【0059】
アルゴリズム的関係は、移民コンテキストにおいても使用され得る。例えば、外国の国民が、人の年齢、国籍、性別、および仕事分類等を識別する文書を供給し、国への入国ビザのために適用し得る。一部の努力がこの文書を認証するために行われ得る一方、そのような認証は、本発明の実施形態によって利用可能になる人体計測特性への相関性を使用することによって、強化され得る。例えば、ある人は、肉体労働者として雇用されていた30歳男性として本人を識別する文書を提出し得る。その人のマルチスペクトルバイオメトリック測定は、その人が実際に38歳で、内勤者として一致する特徴を有することを暗示する人体計測特性の判断を引き出すために使用され得る。不一致は、ビザが交付されるはるか前に、個人を調査するために使用され得る。
【0060】
同様な手順が、スプーフィングメカニズムが本人のアイデンティティを隠すために人によって使用されるように、国への入国許可を不正に得るためのよりアクティブな試みを用いて使用され得る。これは、例えば、入国審査官が、知られているテロリストのデータベースと比較して指紋を測定する場合にあり得る。自分自身を紹介している人が、外見と不一致な人体計測特性への相関性を有する場合、スプーフィングメカニズムの存在を示し得、強化された調査を疑いなく認可する。例えば、所定の人種の30歳男性として現れる人が、異なる人種の70歳女性と相関性を有する場合、その人に入国許可を交付する前に、更なる調査が認可される。
【0061】
アルゴリズム的関係は、広告をターゲットするためのマーケティング補助として使用することによってのように、所定の商業用コンテキストにおいても使用され得る。多数の場合において、年齢、性別、および/または人種に識別されている所定の人口グループは、広告の異なる種類に対して異なって応答するように知られている。個人のバイオメトリック測定は、最も効果的として予期される広告が使用されるように、人体計測特徴との相関性に従って、広告がターゲットされることを許可する。
【0062】
さらに、他のアプリケーションも、この開示を読んだ後、当業者に明らかになるであろう。
【0063】
従って、いくつかの実施形態が説明される中、様々な修正、代替の構成、および均等物が、本発明の精神から逸脱することなく使用され得ることが当業者によって認識されるであろう。従って、上記の説明は、下記の請求の範囲において定義される、本発明の範囲を限定するものとしてとられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、本発明の実施形態における、個人のパーソナル特徴を判断するための方法を示すフロー図である。
【図2】図2は、図1の方法と使用され得るバイオメトリック測定を集めるための方法を示すフロー図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に使用される、マルチスペクトルバイオメトリックセンサの正面図を提供する。
【図4A】図4Aは、一実施形態に示される、マルチスペクトルバイオメトリックセンサの側面図を提供する。
【図4B】図4Bは、他の実施形態に示される、マルチスペクトルバイオメトリックセンサの側面図を提供する。
【図5】図5は、一実施形態における、パーソナル特徴判断システムの機能性を管理するために使用され得るコンピュータシステムの概略図を提供する。
【図6】図6は、本発明の一実施形態における、コンピュータトモグラフィックイメージングスペクトロメートル(「CTIS」)の正面図を提供する。
【図7】図7は、本発明の一実施形態における、スワイプセンサの平面図を提供する。
【図8】図8は、本発明の実施形態に従って生成される、マルチスペクトルデータキューブを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の連続的パーソナル特徴を判断するための方法であって、該方法は、
該個人からバイオメトリックデータ測定を集めることと、
バイオメトリックデータ測定と、アルゴリズムのアプリケーションから引き出された該連続的パーソナル特徴の値との間のアルゴリズム的関係を、複数のバイオメトリックデータ測定および対応する集められたパーソナル特徴の値に適用することによって、該個人の該連続的パーソナル特徴を決定することと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記バイオメトリックデータ測定および前記複数のバイオメトリックデータ測定が、皮膚紋理測定を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バイオメトリックデータ測定を集めることが、
光を用いて前記個人の皮膚部位を照らすことと、
該皮膚部位から散乱された光を受け取ることと、
受け取られた光からマルチスペクトルイメージを引き出すことと
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記連続的パーソナル特徴が、年齢、体重、ボディマス指数、人種、民族性、および仕事分類から成るグループから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のバイオメトリック測定および前記対応するパーソナル特徴の値を集めることと、
前記アルゴリズム的関係を引き出すために、前記アルゴリズムを該複数のバイオメトリック測定および対応するパーソナル特徴の値に適用することと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
バイオメトリックデータ測定と、第2のアルゴリズムのアプリケーションから引き出された第2のパーソナル特徴の値との間の第2のアルゴリズム的関係を、前記複数のバイオメトリックデータ測定および対応する集められた第2のパーソナル特徴の値に適用することによって、前記個人の該第2のパーソナル特徴を決定することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アルゴリズムが、多変量のアルゴリズムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
個人のパーソナル特徴を判断するための方法であって、該方法は、
光を用いて該個人の皮膚部位を照らすことと、
該皮膚部位から散乱された光を受け取ることと、
受け取られた光からマルチスペクトルイメージを引き出すことと、
マルチスペクトルイメージと、アルゴリズムのアプリケーションから引き出された該パーソナル特徴の値との間のアルゴリズム的関係を、複数のマルチスペクトルイメージおよび対応する集められたパーソナル特徴の値に適用することによって、該個人の該パーソナル特徴を決定することと
を包含する、方法。
【請求項9】
前記パーソナル特徴が、バイナリパーソナル特徴である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記パーソナル特徴が、連続的パーソナル特徴である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記皮膚部位を照らすことが、
複数の準単色ビームとしての複数の個別の波長において前記光を生成することと、
生成された該光を該皮膚部位に向けることと
を包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記皮膚部位を照らすことが、
光のブロードバンドビームを生成することと、
複数の個別の波長において光を提供するために、該ブロードバンドビームをフィルタすることと、
フィルタされたブロードバンドビームを該皮膚部位に向けることと
を包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
該皮膚部位を照らすことが、第1の偏光を用いて前記光を偏光させることを包含し、
前記光を受け取ることが、該第1の偏光に対して、実質的に交差される第2の偏光を用いて、受け取られた光を偏光させることを包含する、
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のマルチスペクトルイメージおよび前記対応するパーソナル特徴の値を集めることと、
前記アルゴリズム的関係を引き出すために、前記アルゴリズムを、該複数のマルチスペクトルイメージおよび対応するパーソナル特徴の値に適用することと
をさらに包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
マルチスペクトルイメージと、第2のアルゴリズムのアプリケーションから引き出された第2のパーソナル特徴の値との間の第2のアルゴリズム的関係を、前記複数のマルチスペクトルイメージおよび対応する集められた第2のパーソナル特徴の値に適用することによって、前記個人の該第2のパーソナル特徴を決定することをさらに包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記アルゴリズムが、多変量のアルゴリズムである、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
個人のパーソナル特徴を判断するための方法であって、該方法は、
該個人からバイオメトリックデータ測定を集めることと、
バイオメトリックデータ測定と、多変量のアルゴリズムのアプリケーションから引き出された該パーソナル特徴の値との間のアルゴリズム的関係を、複数のバイオメトリックデータ測定および対応する集められたパーソナル特徴の値に適用することによって、該個人の該パーソナル特徴を決定することと
を包含する、方法。
【請求項18】
前記バイオメトリックデータ測定および前記複数のバイオメトリックデータ測定は、皮膚紋理測定を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記バイオメトリックデータ測定を集めることが、
光を用いて前記個人の皮膚部位を照らすことと、
該皮膚部位から散乱された光を受け取ることと、
受け取られた光からマルチスペクトルイメージを引き出すことと
を包含する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
個人の皮膚部位に対して光を提供するために配置される照明サブシステムと、
該皮膚部位から散乱された光を受け取るために配置される検出サブシステムと、
該検出サブシステムとインターフェースによって接続されている計算ユニットと
を備える、センサシステムであって、該計算ユニットが、
受け取られた光からマルチスペクトルイメージを引き出すための命令と、
マルチスペクトルイメージと、アルゴリズムのアプリケーションから引き出されたパーソナル特徴の値との間のアルゴリズム的関係を、複数のマルチスペクトルイメージおよび対応する集められたパーソナル特徴の値に適用することによって、該個人の該パーソナル特徴を決定するための命令を有する、センサシステム。
【請求項21】
前記照明サブシステムが、
複数の個別の波長において前記光を提供する光源と、前記皮膚部位に該光を向けるための照明光学素子とを含む、請求項20に記載のセンサシステム。
【請求項22】
前記照明システムが、前記光を特定のパターンにおいてスキャンするための、スキャナメカニズムをさらに含む、請求項21に記載のセンサシステム。
【請求項23】
前記光源が、複数の準単色光源を含む、請求項21に記載のセンサシステム。
【請求項24】
前記照明サブシステムが、
ブロードバンド光源と、
ブロードバンド光源から放射される光をフィルタするために配置されたフィルタと
を備える、請求項20に記載のセンサシステム。
【請求項25】
前記検出サブシステムが、
光検出器と、
受け取られた光を該光検出器に向けるための検出光学素子と
を備える、請求項20に記載のセンサシステム。
【請求項26】
前記照明サブシステムが、提供された光に直面するように配置された第1の偏光子を含み
前記検出サブシステムが、受け取られた光に直面するように配置された第2の偏光子を含み、
該第1および第2の偏光子が、お互いに対して、実質的に交差される、
請求項20に記載のセンサシステム。
【請求項27】
前記計算ユニットが、
マルチスペクトルイメージと、第2のアルゴリズムのアプリケーションから引き出された第2のパーソナル特徴の値との間の第2のアルゴリズム的関係を、前記複数のマルチスペクトルイメージおよび対応する集められた第2のパーソナル特徴の値に適用することによって、前記個人の該第2のパーソナル特徴を決定するための命令を、さらに有する、請求項20に記載のセンサシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−519435(P2007−519435A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543977(P2006−543977)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/041237
【国際公開番号】WO2005/059805
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(503099684)ルミディム インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Lumidigm, Inc.
【出願人】(506198160)
【Fターム(参考)】