説明

パーツ供給品

【課題】 パーツ供給品を提供する。
【解決手段】 複数のパーツ301をランナー42で接続したパーツ供給品10において、パーツ301とは異なる機能を有し、パーツ301を切り離して組立模型1を組み立てた後の使用済み部分46を用いて別の模型50を組み立てるので、本来無駄になる部分を有効利用することができる。また、組立模型における特定の構成部位を組み立てるためのパーツのみを集めて特定パーツ群30を形成し、特定パーツ群30に当該特定パーツ群を他の特定パーツ群から識別するアイコン表示部46を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーツ供給品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、組立模型の構成部位を組み立てる複数のパーツをランナーで接続したパーツ供給品が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載のパーツ供給品では、組立模型を組み立てるための複数のパーツを枝状ランナーにより、矩形状の枠状ランナーに一体的に接続している。組立模型を組み立てる際には、枝状ランナーを切断することにより、パーツを枠状ランナーから切り離し、パーツ同士を接続して組立模型を組み立てる。
【0003】
従って、全てのパーツを切り離した後の枠状ランナーは、組立模型の組立には使用されない矩形の枠が残るので、この枠を用いて、組立模型の基地を作成する。これにより、本来無駄な部分を有効に利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−46792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述したような従来のパーツ供給品においては、全てのパーツを切り離した後の枠状ランナーのみを用いて別の模型を組み立てているため、そのほかにも利用できる部品があり改善の余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、パーツとは異なる機能を果たした使用済み部分を再利用することができるパーツ供給品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパーツ供給品は、組立模型の構成部位を組み立てる複数のパーツをランナーで接続したパーツ供給品であって、前記パーツとは異なる機能を有し、その機能を果たした後の使用済み部分を用いて別の模型を組み立てる構成を有する。
【0008】
また、本発明のパーツ供給品は、前記組立模型における特定の構成部位を組み立てるための前記パーツのみを集めて特定パーツ群を形成し、前記特定パーツ群に当該特定パーツ群を他の特定パーツ群から識別する識別標識を設け、前記使用済み部分が、前記識別標識である構成を有することが好ましい。
【0009】
また、本発明のパーツ供給品は、前記別の模型がサイコロであり、前記パーツ供給品を収容する容器に、前記サイコロを用いるゲームが印刷されているものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るパーツ供給品によれば、複数のパーツをランナーで接続したパーツ供給品において、パーツとは異なる機能を有し、パーツを切り離して組立模型を組み立てた後の使用済み部分を用いて別の模型を組み立てるので、本来無駄になる部分を有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明にかかる実施形態のパーツ供給品により組み立てられる戦闘人形の全体斜視図である。
【図2】本発明にかかる実施形態のパーツ供給品の平面図である。
【図3】本発明にかかる実施形態のパーツ供給品を分離した状態を示す平面図である。
【図4】(A)はサイコロのサイドブロックの表面を示す平面図であり、(B)は裏面を示す背面図である。
【図5】各構成部位を組み立てるための特定パーツ群を集めた状態を示す説明図である。
【図6】各アイコン表示部の正面図および断面図である。
【図7】サイコロの全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1および図2に示すように、本発明にかかる実施形態のパーツ供給品10は、例えば、組立模型である戦闘人形1の構成部位20、すなわち、頭部21、胸部22、腕部23、下半身部24、槍25、盾26を組み立てるためのパーツ301を供給するものである。ここでは、A型パーツ供給品10A、B型パーツ供給品10B、C型パーツ供給品10Cの、3種のパーツ供給品10を有する場合について説明する。なお、構成部位を総称する場合には、「構成部位20」で表示することとする。また、A型パーツ供給品10A、B型パーツ供給品10B、C型パーツ供給品10Cの全体に共通する場合には、「パーツ供給品10」で表示することとする。
【0013】
図2に示すように、パーツ供給品10は、特定の構成部位20を組み立てるための複数のパーツ301(各部のパーツの総称である。)のみを枝状ランナー42で枠状ランナー43に接続して特定パーツ群30を形成し、複数の特定パーツ群30の枠状ランナー43同士を切り離し可能に結合したものである。例えば、各枠状ランナー43の枠状ランナー43同士を、枝状ランナー44によって結合したり、枠状ランナー43の一部を別(図2においては円形)の枠状ランナー45によって切り離し可能に結合することができる。
【0014】
図3には、各型のパーツ供給品10から、特定パーツ群30を切り離した状態が示されている。各型のパーツ供給品10は、それぞれに、頭部21、胸部22、腕部23、下半身部24、槍25、盾26の内のいくつかの構成部位20を組み立てるための特定パーツ群30を有する。
【0015】
すなわち、A型パーツ供給品10Aは、頭部21を組み立てるための頭部特定パーツ群31A、胸部22を組み立てるための胸部特定パーツ群32A、腕部23を組み立てるための腕部特定パーツ群33A、下半身部24を組み立てるための下半身部特定パーツ群34A、盾26を組み立てるための盾特定パーツ群36Aを有する。なお、A型パーツ供給品10Aには、槍25を組み立てるための槍特定パーツ群35は含まれていない。
【0016】
同様に、B型パーツ供給品10Bは、頭部特定パーツ群31B、胸部特定パーツ群32B、腕部特定パーツ群33B、下半身部特定パーツ群34Bを有し、槍特定パーツ群35Cおよび盾特定パーツ群36Aは含まれていない。
【0017】
また、C型パーツ供給品10Cは、頭部特定パーツ群31C、胸部特定パーツ群32C、腕部特定パーツ群33C、下半身部特定パーツ群34C、槍特定パーツ群35Cを有し、盾特定パーツ群36Aは含まれていない。さらに、サイコロ50用のパーツを有するサイコロ特定パーツ群37Cを有する。
【0018】
図4に示すように、サイコロ特定パーツ群37Cには、パーツ301としてサイコロ50(図7参照)の両サイドブロック51、51が枝状ランナー42によって枠状ランナー43に取り付けられている。サイドブロック51は、例えば、略六角形をしており、図4(B)に示すように、輪郭に沿って所定の幅を有する枠53が設けられている。また、裏面511には、輪郭に沿って6個の嵌合凹部52が設けられている。各嵌合凹部52は、中央に直線状の中央凹部521を有し、中央凹部521の両端には略円形状の端凹部522を有する。
【0019】
図3に示すように、各特定パーツ群30には、その特定パーツ群30に含まれるパーツ301が、どの構成部位20を組み立てるのに用いられるかを示す識別標識であるアイコン表示部46が設けられており、アイコン47が付されている。なお、以下の説明において、アイコン表示部全体を示す場合には「アイコン表示部46」で示し、アイコン全体を示す場合には「アイコン47」で示す。
【0020】
図6に示すように、例えば、頭部特定パーツ群31Aに設けられているアイコン表示部461は、頭部21を示すアイコン471が表示されている。アイコン461としては、例えば、頭部21の図柄や名称等を、抜き絵で表示することができる。同様に、他の特定パーツ群32〜36では、それぞれの図柄や文字等を表示するアイコン472〜476が付されたアイコン表示部462〜466が設けられており、異なる特定パーツ群30には、異なる表示が設けられている。なお、アイコン表示部46は、図6に示すような長い矩形状のものは、各構成部位について1個あれば足り、他のアイコン表示部46にはアイコン47が表示された短い矩形状のアイコン部48のみでよい。
【0021】
従って、各構成部位20を組み立てる際には、図5に示すように、各型のパーツ供給品10から切り離した特定パーツ群30の内の、同じ特定パーツ群30を集めることにより、必要なパーツ41が揃う。すなわち、各特定パーツ群30のアイコン表示部46に表示されているアイコン47が同じものを集めることにより、必要なパーツ41が揃う。
【0022】
例えば、図5(A)に示すように、頭部21を組み立てる際には、A型パーツ供給品10Aから頭部特定パーツ群31Aを、B型パーツ供給品10Bから頭部特定パーツ群31Bを、C型パーツ供給品10Cから頭部特定パーツ群31Cを持ってくる。これにより、頭部21の組立に必要なパーツ301は、全て揃い、且つ、他の構成部位20のためのパーツ301は含まれない。
【0023】
また、図5(B)ないし(F)に示すように、他の構成部位20についても、各特定パーツ群30のアイコン表示部46に表示されているアイコン47が同じものを集めることにより、必要なパーツ301が揃うことは、全く同様である。
なお、図5(E)および(F)に示すように、単一の特定パーツ群30のみ用いられる場合もある。
【0024】
図6に示すように、アイコン表示部46の断面形状は、大きさおよび形状がサイドブロック51に設けられている嵌合凹部52と対応しており、中央に平面部467を有し、平面部467の両側に円形の膨出部468を有する。前述したようにして、同じアイコン47の各特定パーツ群30を集めることにより構成部位20を組み立てるのに必要なパーツ301を集めた後は、アイコン表示部46は使用済み部分となる。このアイコン表示部46を切り離して、一対のサイドブロック51、51の嵌合凹部52に両端を挿嵌することにより、図7に示すようなサイコロ50を組み立てることができる。
【0025】
また、図示はしないが、パーツ供給品10を収容する袋等の容器に用いる台紙や説明書等に双六等のゲーム用の図柄を印刷しておき、サイコロ50を用いて遊技ができるようにしてもよい。
【0026】
以上、説明した実施形態にかかるパーツ供給品10によれば、戦闘人形1における特定の構成部位20を組み立てるためのパーツ301のみを集めた特定パーツ群30を複数有しており、各特定パーツ群30には異同を区別するためのアイコン表示部46が設けられている。従って、パーツ301とは異なる機能を有するアイコン表示部46は、パーツ301を切り離して戦闘人形1を組み立てた後は識別標識として使用済み部分となり、このアイコン表示部46を用いてサイコロ50を組み立てるので、本来無駄になる部分を有効利用することができる。
【0027】
また、パーツ供給品10の使用済み部分であるアイコン表示部46を用いて組み立てられたサイコロ50を用いて、パーツ供給品10の収容に用いられた容器等に印刷されたゲームを行うことができるので、使用済み部分を一層有効利用することができる。
【0028】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明に係るパーツ供給品は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変化が可能である。すなわち、前述した実施形態では、サイコロ50に用いるアイコン表示部46には、構成部位20を示す図柄等を表示した場合を例示したが、この他、これに代わって、あるいはこれに加えて数字を表示することも可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 戦闘人形(組立模型)
10 パーツ供給品
20 構成部位
30 特定パーツ群
301 パーツ
42 ランナー
46 アイコン表示部(使用済み部分、識別標識)
50 サイコロ(別の模型)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立模型の構成部位を組み立てる複数のパーツをランナーで接続したパーツ供給品であって、
前記パーツとは異なる機能を有し、その機能を果たした後の使用済み部分を用いて別の模型を組み立てることを特徴とするパーツ供給品。
【請求項2】
請求項1において、
前記組立模型における特定の構成部位を組み立てるための前記パーツのみを集めて特定パーツ群を形成し、
前記特定パーツ群に当該特定パーツ群を他の特定パーツ群から識別する識別標識を設け、
前記使用済み部分が、前記識別標識であるパーツ供給品。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記別の模型がサイコロであり、
前記パーツ供給品を収容する容器に、前記サイコロを用いるゲームが印刷されているパーツ供給品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−135653(P2012−135653A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−92908(P2012−92908)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2010−207234(P2010−207234)の分割
【原出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】