説明

パーフルオロエラストマー用非粘着処理剤のための溶剤及びそれを用いた非粘着処理剤溶液

【課題】 非粘着処理剤を良好に溶解することができ、かつ、パーフルオロエラストマーを膨潤させうる溶剤及びそれを用いた非粘着処理剤を提供する。
【解決手段】 Cn2n+1−O−Cm2m+1(式中、nは3〜7であり、Cn2n+1は直鎖であってもまたは分岐していてもよく、mは1〜2である)で示されるハイドロフルオロモノエーテル、及び、特定の有機溶剤からなるパーフルオロエラストマー用非粘着処理剤のための溶剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパーフルオロエラストマー用非粘着処理剤のための溶剤及びそれを用いた非粘着処理剤溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
パーフルオロエラストマーは、その優れた耐プラズマ性、耐薬品性、耐熱性により半導体製造装置(ドライエッチング装置、CVD装置など)を中心に、シール材料などとして使用されている。しかしその反面、その特性故、非粘着処理などの表面処理が極めて困難なものでもある。
【0003】
従来、エラストマー又はゴムの非粘着化のための処理方法として以下のようなアプローチがあった。例えば、第一に、フッ素樹脂やSiO2など非粘着付与フィラーを添加することが挙げられる。しかし、このようなフィラーの充填により、本来のエラストマー又はゴムの物性が損なわれることがある。第二に、プラズマ照射などにより物理的、化学的に表面を研磨し、非粘着性を付与すると同時に、表面積を大きくすることで接着剤の接着強度も高めることが挙げられる。しかし、かかる研磨により、エラストマー又はゴム表面が損傷し、実使用時に微細クラックを生じさせることが問題となる。また、処理された表面からパーティクルを放出するため、かかる処理を施されたエラストマー又はゴムは半導体用途には不向きである。第三に、ゴム表面を異種材料の樹脂にて被覆することが挙げられる。しかし、フルオロエラストマー、特にパーフルオロエラストマーは他種材との親和性に乏しいため、被覆界面ではがれてしまう。第四に、ゴム表面のみを過剰に架橋させることが挙げられる。しかし、パーフルオロエラストマーの場合には架橋点に限りがあるため、過剰に架橋させることは困難である。
【0004】
上記によらない処理方法も提案されている。例えば、特許文献1(特開2002−371151号公報)及び特許文献2(特開2002−348394号公報)には、エラストマー又はゴムを膨潤させる溶剤に表面処理剤を溶解せしめ、そこへゴムを浸漬することにより、膨潤したゴムに表面処理剤を染み込ませる。この方法は、実際には非パーフルオロエラストマー系ゴムを対象に検討されたもので、パーフルオロエラストマー向けの具体的な配合例はない。実際に例示されている溶剤ではパーフルオロエラストマーを膨潤させることはできない。
【0005】
このように、パーフルオロエラストマーの非粘着化処理は非常に困難である。パーフルオロエラストマーは耐化学薬品性に優れたゴム材料で、ほとんどの無機材、有機材に対して耐性を持つ。しかし、これは言い換えるとほとんどの異種材による表面被覆が困難であることを意味する。上記の技術の中で、膨潤による処理剤の浸透方法は有効であると考えられるが、パーフルオロエラストマーを膨潤させ得る溶剤はパーフルオロ系溶剤のみで、従来の有機溶剤では膨潤させることはできない。また、一方でそのパーフルオロ系溶剤は膨潤こそできるが、逆に非粘着処理剤を溶解することができないので結果的に膨潤、浸透方法は不可能であった。
【0006】
【特許文献1】特開2002−371151号公報
【特許文献2】特開2002−348394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、シリコーン系非粘着処理剤を良好に溶解することができ、かつ、パーフルオロエラストマーを膨潤させうる溶剤及びそれを用いた非粘着処理剤に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様によると、
n2n+1−O−Cm2m+1(式中、nは3〜7であり、Cn2n+1は分岐していてもよく、mは1〜2である)で示されるハイドロフルオロモノエーテル、及び、
メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1−プロパノール、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロプロパン、メチレンクロライド、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、トルエン、キシレン、トリフルオロトルエン及びヘキサフルオロキシレンからなる群より選ばれる1種以上の有機溶剤、
からなる、パーフルオロエラストマー用非粘着処理剤のための溶剤が提供される。
【0009】
本発明の別の態様によると、
n2n+1−O−Cm2m+1(式中、nは3〜7であり、Cn2n+1は直鎖であってもまたは分岐していてもよく、mは1〜2である)で示されるハイドロフルオロモノエーテル、下記式、
【化1】

(式中、rは4〜10であり、pは1〜8であり、qは1〜8であり、xは1〜8であり、p+q+x=6〜10である)で示されるパーフルオロ系溶剤、及び、
メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1−プロパノール、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロプロパン、メチレンクロライド、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、トルエン、キシレン、トリフルオロトルエン及びヘキサフルオロキシレンからなる群より選ばれる1種以上の有機溶剤
からなる、パーフルオロエラストマー用非粘着処理剤のための溶剤が提供される。
【0010】
本発明のさらに別の態様によると、上記の溶剤にシリコーン系非粘着処理剤を混合した、パーフルオロエラストマー用非粘着処理剤溶液が提供される。
【発明の効果】
【0011】
ハイドロフルオロモノエーテルをベースとした上記溶剤は、シリコーン系非粘着処理剤を溶解させることができるとともに、パーフルオロエラストマーと接触したときに、該エラストマーを膨潤させることができる。これにより、非粘着処理剤をパーフルオロエラストマー表面近傍に均一に導入させ、非粘着化表面を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のパーフルオロエラストマー用非粘着処理剤のための溶剤(以下において、「非粘着処理剤用混合溶剤」又は、単に「混合溶剤」とも呼ぶ)は、Cn2n+1−O−Cm2m+1(式中、nは3〜7であり、Cn2n+1は直鎖であってもまたは分岐していてもよく、mは1〜2である)で示されるハイドロフルオロモノエーテルを含む。上記ハイドロフルオロモノエーテルは混合溶剤のパーフルオロエラストマーとの親和性を付与し、かつ、他の成分である有機溶剤との十分な混和性を有する。本発明で用いるハイドロフルオロモノエーテルは、エーテル酸素を挟んで片側にパーフルオロカーボン基を有する。このため、パーフルオロエラストマーと親和性が高められ、そして混合溶剤がエラストマーを膨潤させうるようになり、したがって、非粘着化処理剤のエラストマー中への浸透を可能にする。一方、上記ハイドロフルオロモノエーテルはエーテル酸素を挟んで反対側には非フッ素化アルキル基を有する。この非フッ素化アルキル基は他の成分である有機溶剤との混和性を高める作用を有する。上記式中、nが大きいほど、パーフルオロエラストマーと混合溶剤との親和性が高まり、エラストマーを膨潤させる能力は高いと考えられるが、nが大きすぎると、該ハイドロフルオロモノエーテルの沸点が高くなり、非粘着化処理剤を適用した後の溶剤蒸発が困難になる。したがって、nは3〜7とすべきである。一方、mが大きくなるほど、他の有機溶剤との混和性が高くなるが、mが大きすぎるとパーフルオロエラストマーとの親和性を下げることになるので、mは1又は2であり、すなわち、非フッ素化アルキル基はメチル又はエチルのいずれかである。混合溶剤中のヒドロフルオロモノエーテルの量は、好ましくは混合溶剤の合計重量を基準として40〜80重量%である。この成分が多量でありすぎると、他の成分である有機溶剤との混和性が低くなるとともに、シリコーン系非粘着化処理剤を溶解させることができなくなる。他方、少量でありすぎると、パーフルオロエラストマーを膨潤させる能力が低くなり、結果として、エラストマー中への処理剤の浸透を補助することができず、非粘着化処理を行なえなくなる。
【0013】
本発明の混合溶剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1−プロパノール、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロプロパン、メチレンクロライド、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、トルエン、キシレン、トリフルオロトルエン及びヘキサフルオロキシレンからなる群より選ばれる1種以上の有機溶剤を含む。上記の有機溶剤は、上記のハイドロフルオロモノエーテルとの混和性が良好であるとともに、混合溶剤がシリコーン系非粘着処理剤を溶解することを可能にする。この有機溶剤は混合溶剤の合計重量を基準として20〜60重量%の量で含まれる。有機溶剤の量が少量でありすぎると、シリコーン非粘着処理剤を溶解させることができなくなり、また、多量でありすぎると、混合溶剤がパーフルオロエラストマーを膨潤させることができなくなり、非粘着処理剤を浸透させることができなくなる。
【0014】
本発明の混合溶剤は、上記のハイドロフルオロモノエーテルに加えて、下記式
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、rは4〜10であり、pは1〜8であり、qは1〜8であり、xは1〜8であり、p+q+x=6〜10である)で示されるパーフルオロ系溶剤を含んでもよい。この成分はパーフルオロエラストマーの膨潤性をさらに高めるために含まれてよい。しかし、多量でありすぎると、パーフルオロ系溶剤が他の有機溶剤と混和できなくなるとともに、混合溶剤が非粘着化処理剤を溶解することができなくなる。したがって、このようなパーフルオロ系溶剤は混合溶剤の合計重量を基準として10重量%以下の量で含まれてよい。
【0017】
本発明の混合溶剤に、非粘着処理剤を溶解させることで、パーフルオロエラストマー用非粘着処理剤溶液を得ることができる。非粘着処理剤は好ましくはシリコーン系非粘着処理剤であり、通常、ジメチルシロキサン単位を含む又はジメチルシロキサン単位からなるシリコーン系ポリマーである。
【0018】
本発明の非粘着処理剤で処理されるパーフルオロエラストマーは、特に限定されるものではなく、一般的なパーフルオロエラストマーである。パーフルオロエラストマーポリマーを構成する主要モノマー単位は、好ましくはパーフルオロオレフィン類とパーフルオロビニルエーテル類との組合せである。
【0019】
パーフルオロオレフィン類としては、例えばテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、それらの混合物等が挙げられ、特にテトラフルオロエチレンが好ましい。
【0020】
パーフルオロビニルエーテル類は、典型的には、次式(1)で表わされるパーフルオロ(アルキルビニル)エーテル類またはパーフルオロ(アルコキシビニル)エーテル類である。
CF2=CFO(R’fO)n(R”fO)mf (1)
[式中、R’f およびR”f は、2〜6個の炭素原子を有する同じかまたは異なる直鎖状または分岐状パーフルオロアルキレン基であり、mおよびnは、独立して、0〜10の整数であり、Rf は、1〜6個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基である。]
【0021】
好ましいクラスのパーフルオロ(アルキルビニル)エーテル類には、次式(2)の化合物が含まれる。
CF2=CFO(CF2CFXO)nf (2)
〔式中、XはFまたはCF3であり、nは0〜5であり、Rf は、1〜6個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基である。〕
【0022】
最も好ましいパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルは、上記の式(1)または(2)の何れかにおいて、nが0または1であり、かつRf が1〜3個の炭素原子を含有する化合物である。そのようなパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルとしては、例えば、パーフルオロ(メチルビニル)エーテル、パーフルオロ(エチルビニル)エーテル、およびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルが挙げられる。
【0023】
本発明に有用な他のパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルモノマーには、次式(3)で表される化合物が含まれる。
CF2=CFO[(CF2mCF2CFZO]nf (3)
〔式中、Rfは、1〜6個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基であり、mは0または1であり、nは0〜5であり、ZはFまたはCF3である。〕
このクラスで好ましいのは、Rf がC37 であり、mが0であり、かつnが1である化合物である。
【0024】
本発明に有用な他のパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルモノマーには、次式(4)で表される化合物が含まれる。
CF2=CFO[(CF2CFCF3O)n(CF2CF2CF2O)m(CF2p]Cx2x+1 (4)
〔式中、mおよびnは、それぞれ、0または1〜10の整数であり、pは0〜3であり、xは0〜5である。〕
【0025】
本発明に有用なパーフルオロ(アルコキシビニル)エーテルには、次式(5)で表される化合物が含まれる。
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2O)mn2n+1 (5)
〔式中、nは1〜5、好ましくは1であり、mは1〜3である。〕
【0026】
本発明に有用なパーフルオロ(アルコキシビニル)エーテルの代表的な例としては、CF2=CFOCF2OCF2CF2CF3 、CF2=CFOCF2OCF3 、CF2=CFO(CF23OCF3 、およびCF2=CFOCF2CF2OCF3 等が挙げられる。
【0027】
パーフルオロ(アルキルビニル)エーテルとパーフルオロ(アルコキシビニル)エーテルとの混合物を使用することも可能である。
【0028】
パーフルオロエラストマーポリマーには架橋部位モノマーが導入され、架橋構造を形成し、エラストマー性を発揮する。架橋部位モノマーはパーオキシド硬化反応に関与することができるものである。一般的に、最も好ましい架橋部位モノマーは、1個以上の臭素(Br)基またはヨウ素(I)基を含有するものであるが、ニトリル(CN)基のように架橋反応に関与できる他の官能基も使用し得る。
【0029】
好ましいBrまたはI基含有架橋部位モノマーの例としては、ブロモジフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、ヨードトリフルオロエチレン、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1、CF2=CFOCF2CF2Br、CF2=CFOCF2CF2CF2Br、CF2=CFOCF2CF2CF2OCF2CF2Br が挙げられる。
【0030】
好ましいCN含有架橋部位モノマーとしては、次式の化合物が挙げられる。
CF2=CFO(CF2nCN (6)
CF2=CFO[CF2CFCF3O]pCF2CF(CF3)CN (7)
CF2=CF[OCF2CFCF3xO(CF2mCN (8)
〔式中、n=2〜12、p=0〜4、x=1〜2、およびm=1〜4である。〕
好ましいCN含有架橋部位モノマーの例は、パーフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)である。
【0031】
本発明に使用する架橋部位モノマーとして特に有用なのはブロモトリフルオロエチレンである。
【0032】
パーフルオロエラストマーとして特に好ましいのは、CF2=CF2 約50〜約85モル%、CF2=CF(OCF3)約15〜約50モル%、架橋部位モノマー約0.2〜約5モル%からなる三元共重合体を架橋して得られるパーフルオロエラストマーである。
【0033】
本発明の非粘着処理剤溶液で処理したパーフルオロエラストマーは半導体製造装置(ドライエッチング装置、CVD装置など)のためのシール材料などとして使用できる。処理されたエラストマーは表面が非粘着化されるので、エラストマーシール材料が接触している表面に粘着することを防止でき、粘着によるシール材の破損を防げる。
【実施例】
【0034】
パーフルオロエラストマー:
以下の配合のものを一次加硫(170℃/15min)、二次加硫(200℃/16hs)で加硫成型した2mm厚シートを試験に供した。
パーフルオロエラストマーポリマー(Dyneon社製):100部
トリアリルイソシアヌレート(日本化成社製):2部
パーヘキサ25B1)(日本油脂社製):0.6部
MTカーボン(Cancarb社製):15部
1)パーヘキサ25Bは2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンである。
示した部は重量基準である。
【0035】
浸漬:
上記試験片を下記配合の表面処理溶液に50℃の下、1時間浸漬した。その後、試験片を取り出し、トルエンにて洗浄後、100℃で1時間乾燥した。
【0036】
測定:
得られた試験片を垂直に切断し、その断面における処理表面から10μmの範囲について、エネルギー分散型X線分光法(EDS)元素分析にてSi分布を測定した。
【0037】
【表1】

【0038】
実施例1〜3は、シリコーンオイル溶液が透明を示し、完全溶解していることが分かる。また、表面分析でもシリコーンオイルの浸透が確認される。
一方、比較例1のハイドロフルオロエーテルが過剰になるとシリコーンオイルが溶解できずに析出した。比較例2のトルエン過剰では、オイルの溶解は完全であるものの、パーフルオロエラストマーに対する親和性、膨潤性が全く無く、シリコーンオイルの浸透は起こらなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
n2n+1−O−Cm2m+1(式中、nは3〜7であり、Cn2n+1は直鎖であっても、または分岐していてもよく、mは1〜2である)で示されるハイドロフルオロモノエーテル、及び、
メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1−プロパノール、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロプロパン、メチレンクロライド、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、トルエン、キシレン、トリフルオロトルエン及びヘキサフルオロキシレンからなる群より選ばれる1種以上の有機溶剤、
からなる、パーフルオロエラストマー用非粘着処理剤のための溶剤。
【請求項2】
前記ハイドロフルオロモノエーテルは溶剤の重量を基準として40〜80重量%、及び、前記有機溶剤は溶剤の重量を基準として20〜60重量%の量で含まれる、請求項1記載のパーフルオロエラストマー用非粘着処理剤のための溶剤。
【請求項3】
n2n+1−O−Cm2m+1(式中、nは3〜7であり、Cn2n+1は直鎖であってもまたは分岐していてもよく、mは1〜2である)で示されるハイドロフルオロモノエーテル、下記式、
【化1】

(式中、rは4〜10であり、pは1〜8であり、qは1〜8であり、xは1〜8であり、p+q+x=6〜10である)で示されるパーフルオロ系溶剤、及び、
メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1−プロパノール、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロプロパン、メチレンクロライド、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、トルエン、キシレン、トリフルオロトルエン及びヘキサフルオロキシレンからなる群より選ばれる1種以上の有機溶剤
からなる、パーフルオロエラストマー用非粘着処理剤のための溶剤。
【請求項4】
前記ハイドロフルオロモノエーテルは溶剤の重量を基準として40〜80重量%、前記
パーフルオロ系溶剤は溶剤の重量を基準として10重量%以下、及び、前記有機溶剤は溶剤の重量を基準として20〜60重量%の量で含まれる、請求項3記載のパーフルオロエラストマー用非粘着処理剤のための溶剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の溶剤と、シリコーン系非粘着処理剤とを含む、パーフルオロエラストマー用非粘着処理剤溶液。
【請求項6】
前記シリコーン系非粘着処理剤はジメチルシロキサン繰り返し単位を含む、又は、ジメチルシロキサン繰り返し単位からなるポリマーである、請求項5記載のパーフルオロエラストマー用非粘着処理剤溶液。

【公開番号】特開2006−117878(P2006−117878A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−309858(P2004−309858)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】