説明

パーマネント施術方法及び該方法で用いられる毛巻ロッド

【課題】十分なウェーブ形成力を維持しつつ毛髪のダメージを大幅に低減させることができるパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドの提供。
【解決手段】第2金属であるマグネシウム(Mg)の丸棒21で構成されるロッド本体の外周にマグネシウム(Mg)よりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い第1金属1である鉄(Fe)で構成される有底コイルスプリング11、12が装着されることにより両金属1、2が互いに密着している構成の毛巻ロッド、及び該毛巻ロッドを用い、マグネシウムを所定の水分雰囲気内で酸化させることにより該マグネシウムの酸化作用で該水分をアルカリ還元イオン水とし、このアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーマネント施術方法及び該方法で用いられる毛巻ロッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパーマネント施術方法は、第1剤に還元剤としてチオグリコール酸塩(HSCHCOOH)、システイン(HSCHCH(NH)COOH)等を単独若しくは併用し、アルカリ 剤としてアンモニア(NH)、モノエタノールアミン(HOCHCHNH)、トリエタノールアミン((HOCHCHN)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸アンモニウム((NHCO)、重炭酸アンモニウム(NHHCO)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)等を主要成分としたコールドパーマネント ウェーブ第1剤を髪に塗布して髪を軟化させ、髪を構成するケラチンタンパク質の縦軸を形成するポリペプチドとポリペプチドを結ぶシスチン結合、水素結合、塩結合を切断(還元 )して2分子のシステインにし、髪をロッドに巻いてウェーブを形成させている。この還元剤の力を強くしてハードタイプとすればするほど、シスチン結合等をより確実に切断することができるもので、還元剤の力は、配合するチオグリコール酸、システィン、モノエタノールアミン等の量の調整によってハードタイプ、ソフトタイプなどその強弱が調整され、この調整は、髪の太い、細い、髪のダメージ状態、その日の天候状態などに応じて調整することになる。そして、前記チオグリコール酸等の配合割合によってハードタイプとし、還元剤の力を強くすればセラミド等を毛髪内により効果的に取り込んでパーマ処理を行わせることが可能になる。
【0003】
その後、臭素酸カリウム(KBrO)、臭素酸ナトリウム(NaBrO)、過ホウ酸ナトリウム(NaBO・4HO)、過酸化水素(H)等の酸化剤のいずれかを主要成分としたコールドパーマネント ウェーブ第2剤を髪に塗布して第1剤で切断したシスチン結合を再結合させて(|-SH HS-|+H2→|-S-S-|)、形成されているウェーブを酸化、固定させていた。
【0004】
このように従来より2浴式パーマネント施術方法といわれ、第1剤を用いる還元工程と第2剤を用いる酸化工程を行うことによりパーマネントを施術している(例えば、特許文献1又は2参照。)。
【0005】
【特許文献1】特公平8−18959号公報
【特許文献2】特公平6−21052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来例のパーマネント施術方法では、第1剤組成物の還元剤としてチオグリコール酸塩を主剤とすると、毛髪のウェーブ形成力が高いというメリットがある反面、毛髪のダメージが大きく、毛髪の感触も悪くなるという問題があり、また、第1剤組成物の還元剤としてシステイン等を主剤とすると、逆に、毛髪のダメージが小さいというメリットがある反面、ウェーブ形成力が低いという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、十分なウェーブ形成力を維持しつつ毛髪のダメージを大幅に低減させることができるパーマネント施術方法及び該方法で用いられる毛巻ロッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための手段として、請求項1記載のパーマネント施術方法は、マグネシウムを所定の水分雰囲気内で酸化させることにより該マグネシウムの酸化作用で該水分をアルカリ還元イオン水とし、このアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤とすることを特徴とする手段とした。
【0009】
請求項2記載のパーマネント施術方法は、請求項1に記載のパーマネント施術方法において、前記水分雰囲気を構成する水分として酸性水を用いることにより前記マグネシウムを酸化させるようにしたことを特徴とする手段とした。
【0010】
請求項3記載のパーマネント施術方法は、マグネシウムを含む素材で構成された毛巻ロッドに毛髪を巻いた状態で該毛巻ロッドのマグネシウムに酸性水を作用させることによりアルカリ還元イオン水を生成させ、このアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤とすることを特徴とする手段とした。
【0011】
請求項4記載のパーマネント施術方法は、請求項1に記載のパーマネント施術方法において、前記マグネシウムに対し該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属を互いに密着させることにより水分雰囲気内において両金属の接触境界部分で局部電池を形成させてイオン化傾向の大きい又は/及び電位の低い方のマグネシウムを酸化させるようにしたことを特徴とする手段とした。
【0012】
請求項5記載のパーマネント施術方法は、前記マグネシウムに対し該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属を互いに密着させた構造の毛巻ロッドに毛髪を巻いた状態で該毛巻ロッドのマグネシウムに水または酸性水を作用させることによりアルカリ還元イオン水を生成させ、このアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤とすることを特徴とするパーマネント施術方法。
【0013】
請求項6記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドは、マグネシウムを含む素材で構成された棒状または筒状のロッド本体の外周にマグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属で構成されるコイルスプリングが装着されることにより両金属が互いに密着していることを特徴とする手段とした。
【0014】
請求項7に記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドは、請求項6に記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドにおいて、ロッド本体がコイルスプリングの内径より大径の外径に形成されていることを特徴とする手段とした。
【0015】
請求項8記載のパーマネント施術方法は、請求項6または7に記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドにおいて、前記コイルスプリングが、該コイルスプリングを構成する線材相互の開き間隔が該線材の直径と略同程度か若しくはそれ以上に形成されると共に一方の端面が底部材で閉じられた構造の一対の有底コイルスプリングで構成され、該両有底コイルスプリング内に前記ロッド本体の両端部を挿入させた状態で、両有底コイルスプリングの開口端側の線材端部を相互に相手方の線材相互間の開き間隔内に沿ってねじ込んで一体化させることによりマグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属が互いに密着されていることを特徴とする手段とした。
【0016】
請求項9記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドは、請求項8に記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドにおいて、前記底部材がコイルスプリングを構成する線材の端部で構成されていることを特徴とする手段とした。
【0017】
請求項10記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドは、マグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属がそれぞれ多数に分割した状態で混合され、該両金属が完全に溶解することなしに互いに接合一体化されていることを特徴とする手段とした。
【0018】
請求項11記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドは、請求項10に記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドにおいて、表面をケガキや溝切り穴開け等で多数個所切削除去することにより、前記マグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属との接触境界部分が多数露出されていることを特徴とする手段とした。
【0019】
請求項11記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドは、請求項10に記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドにおいて、多数の孔を切削しもしくは打ち抜くことにより、前記多数の孔の内周面に前記マグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属との接触境界部分が多数露出されていることを特徴とする手段とした。
【発明の効果】
【0020】
本発明請求項1記載のパーマネント施術方法では、上述のように、マグネシウムを所定の水分雰囲気内で酸化させることにより該マグネシウムの酸化作用で該水分をアルカリ還元イオン水とし、このアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤とするようにしたことで、十分なウェーブ形成力を維持しつつ毛髪のダメージを大幅に低減させることができるようになるという効果が得られる。
【0021】
請求項2記載のパーマネント施術方法では、上述のように、前記水分雰囲気を構成する水分として酸性水を用いることによりマグネシウムを酸化させるようにしたことで、マグネシウムの酸化作用を促進させることができ、これにより、パーマネント処理時間を短縮することができるようになる。
【0022】
請求項3記載のパーマネント施術方法では、上述のように、マグネシウムを含む素材で構成された毛巻ロッドに毛髪を巻いた状態で該毛巻ロッドのマグネシウムに酸性水を作用させることによりアルカリ還元イオン水を生成させ、このアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤とすることで、予めパーマ第1剤を別に準備することなしに、毛巻ロッドに酸性水を作用させるだけで毛髪部分にパーマ第1剤を作用させることができるため、作業性を高めることができるようになる。
【0023】
請求項4記載のパーマネント施術方法では、上述のように、前記マグネシウムに対し該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属を互いに密着させることにより水分雰囲気内において両金属の接触境界部分で局部電池を形成させてイオン化傾向の大きい又は/及び電位の低い方のマグネシウムを酸化させるようにしたことで、該マグネシウムの酸化作用で該水分をアルカリ還元イオン水とし、これをパーマ第1剤とすることができるようになる。
【0024】
請求項5記載のパーマネント施術方法では、上述のように、前記マグネシウムに対し該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属を互いに密着させた構造の毛巻ロッドに毛髪を巻いた状態で該毛巻ロッドのマグネシウムに水または酸性水を作用させることによりアルカリ還元イオン水を生成させ、このアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤とすることにより、予め別に第1剤を準備することなしに、単に毛髪を巻いた毛巻ロッド部分に水または酸性水を作用させるだけで、パーマ第1剤を生成させることができ、これにより、作業性を高めることができるようになる。
【0025】
請求項6記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドでは、上述のように、マグネシウムを含む素材で構成された棒状または筒状のロッド本体の外周にマグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属で構成されるコイルスプリングが装着されることにより両金属が互いに密着している構成としたことにより、ロッド本体をコイルスプリング内に挿入するだけで、マグネシウムに対し該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属を互いに密着させることができる。
また、酸化によるマグネシウムイオンの溶出によりロッド本体が減少した場合には、減少したロッド本体側のみを新しい物と交換することにより、減少しないイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い方の金属を簡単な付け替え作業によって再利用することができる。
従って、特別な設備を必要とすることなしにマグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属を簡単な作業で容易に密着状態に組み付けることができ、これにより、製造コストを低減できると共に、一方の金属の再利用が可能でランニングコストを低減させることができるようになるという効果が得られる。
また、ロッド本体を筒状に形成することにより、材料費を節約することができるようになる。
【0026】
請求項7に記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドでは、上述のように、ロッド本体がコイルスプリングの内径より大径の外径に形成されることにより、ロッド本体が減少してもコイルスプリングとの密着状態に維持させることができ、これにより、アルカリ還元イオン水の生成期間を長くすることができるようになる。
【0027】
請求項8記載のパーマネント施術方法では、上述のように、前記コイルスプリングが、該コイルスプリングを構成する線材相互の開き間隔が該線材の直径と略同程度か若しくはそれ以上に形成されると共に一方の端面が底部材で閉じられた構造の一対の有底コイルスプリングで構成され、該両有底コイルスプリング内にロッド本体の両端部を挿入させた状態で、両有底コイルスプリングの開口端側の線材端部を相互に相手方の線材相互間の開き間隔内に沿ってねじ込んで一体化させることによりマグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属が互いに密着されている構成としたことにより、マグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属を互いに密着させた状態に容易に組み付けることができるようになる。
また、ロッド本体が減少しても、両金属の分離飛散を防止することができると共に、部分的ではあるが両金属の密着状態を維持させることができるようになる。
【0028】
請求項9記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドでは、上述のように、前記底部材がコイルスプリングを構成する線材の端部で構成されることにより、底部材を別体に製造する必要がなく、これにより、製造コストを低減させることができるようになる。
【0029】
請求項10記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドでは、上述のように、マグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属がそれぞれ多数に分割した状態で混合され、該両金属が完全に溶解することなしに互いに接合一体化されている構成とすることにより、毛巻ロッドの構成を簡略化することができるようになる。
【0030】
請求項11記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドでは、上述のように、表面をケガキや溝切り穴開け等で多数個所切削除去することにより、マグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属との接触境界部分が多数露出されている構成とすることにより、マグネシウムの酸化を促進させ、これにより、アルカリ還元イオン水の生成速度を早めることができるようになる。
【0031】
請求項12記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドでは、上述のように、多数の孔を切削しもしくは打ち抜くことにより、多数の孔の内周面にマグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属との接触境界部分が多数露出されている構成とすることにより、マグネシウムの酸化を促進させ、これにより、アルカリ還元イオン水の生成速度を早めることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
まず、この実施例1のパーマネント施術方法及び該方法で用いられる毛巻ロッドの構成を図面に基づいて説明する。
図1はこの実施例1のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドを示す正面図、図2は同毛巻ロッドの側面図、図3は図1のA−A線における横断平面図、図4は同毛巻ロッドの組み付け前の状態を示す斜視図である。
【0033】
即ち、この実施例1のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドは、第1金属1と第2金属(ロッド本体)2とで構成されている。
【0034】
さらに詳述すると、前記第1金属1は、図1、3に示すように、線材相互の開き間隔が該線材の直径と略同程度に形成されると共に、図2に示すように、一方の端面が線材の端部を内側へ折り曲げて形成された底部材11a、12aで閉じられた構造の一対の有底コイルスプリング11、12で構成されている。
なお、この両有底コイルスプリング11、12は、その開口端面側の線材端部を外向きに折曲させた外向き曲げ部11b、12bが形成されている。
前記第2金属2は、毛巻ロッドのロッド本体を構成するもので、前記第1金属1を構成する有底コイルスプリング11、12の内径と同一外径若しくはそれより大径の外径を有する丸棒21で構成されている。
【0035】
そして、この実施例1のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドは、図4に示す組み付け前の状態から、まず、両有底コイルスプリング11、12内に丸棒21の両端部を挿入させ、次いで、この状態から、両有底コイルスプリング11、12の開口端側の線材端部を相互に相手方の線材相互間の開き間隔内に沿ってねじ込んで一体化させることにより、図1、3に示すように、イオン化傾向又は/及び電位の異なる2種類の異種金属(第1金属1と第2金属2と)が互いに密着された状態となっている。なお、この実施例1の図4では、両有底コイルスプリング11、12を構成する線材相互の開き間隔が該線材の直径よりは広く形成された例を示している。
【0036】
この実施例1では、第1金属1である有底コイルスプリング11、12が鉄(Fe)で構成され、第2金属2であるロッド本体を構成する丸棒21が鉄(Fe)よりはイオン化傾向が大きい又は/及び電位の低い金属であるマグネシウム(Mg)で構成されている。
【0037】
この実施例1のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドは、以上のように構成されるため、この毛巻ロッドを、水分雰囲気内においた状態としておくと、マグネシウム(Mg)単独でも水分雰囲気内で酸化腐触するが、マグネシウム(Mg)単独の場合は酸化皮膜が形成されるため、酸化が停止される。ところが、この実施例1では、2種類の異種金属1、2を互いに密着させて、両金属1、2の接触境界部分で局部電池を形成させることにより、2種類の異種金属1、2のうちイオン化傾向の小さい又は電位の高い方の第1金属1である鉄(Fe)の腐蝕を防止しようとしてイオン化傾向の大きい又は/及び電位の低い方の第2金属2から高い方の金属へ電子を移動させるイオン化傾向の大きい又は/及び電位の低い方の第2金属2であるロッド本体を構成するマグネシウム(Mg)の犠牲腐蝕作用により、酸化皮膜が形成されることなしに該イオン化傾向の大きい又は/及び電位の低い方の第2金属2であるマグネシウム(Mg)の酸化作用が継続され、このマグネシウム(Mg)の酸化作用で該水分をアルカリ還元イオン水に変化させることがきると共に、酸化の際に水素ガスを発生させる。
【0038】
次に、この毛巻ロッドを用いたパーマネント施術方法を説明する。
この実施例1の毛巻ロッドは上述のように構成されるため、パーマネント施術において、この毛巻ロッドを用い、この毛巻ロッドに毛髪を巻いた状態で水や水蒸気を吹き付ける等して水分雰囲気内においた状態とすることにより、ロッド本体である丸棒21を構成するマグネシウム(Mg)の酸化作用で生成されたアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤として利用することができる。そして、酸化の際に発生する水素ガスにより、このアルカリ還元イオン水が泡状になって、毛髪全体に行き渡らせることができる。
なお、その後の施術工程は従来通りであるため、その説明は省略する。ただ、その後の酸化工程で用いられるパーマ第2剤としては、電解還元水を用いることができる。
【0039】
次に、この実施例1のパーマネント施術方法及び該方法で用いられる毛巻ロッドの作用・効果を説明する。
即ち、この実施例1のパーマネント施術方法では、上述のように、マグネシウム(Mg)を所定の水分雰囲気内で酸化させることにより該マグネシウム(Mg)の酸化作用で該水分をアルカリ還元イオン水とし、このアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤とするようにしたことで、十分なウェーブ形成力を維持しつつ毛髪のダメージを大幅に低減させることができるようになるという効果が得られる。
なお、この実施例1において、水分雰囲気を構成する水分として酸性水を用いることによりマグネシウム(Mg)の酸化作用を促進させることができ、これにより、パーマネント処理時間を短縮することができるようになる。
【0040】
また、この実施例1の毛巻ロッドを用いることにより、還元工程で用いられるパーマ第1剤を予め別に準備することなしに、単に毛髪を巻いた毛巻ロッド部分に水または酸性水を作用させるだけで、還元工程で用いられるパーマ第1剤を生成させることができ、これにより、作業性を高めることができるようになる。
【0041】
また、この実施例1の毛巻ロッドでは、上述のように、第2金属であるマグネシウム(Mg)の丸棒21で構成されるロッド本体の外周にマグネシウム(Mg)よりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い第1金属1である鉄(Fe)で構成される有底コイルスプリング11、12が装着されることにより両金属1、2が互いに密着している構成としたことにより、丸棒21を有底コイルスプリング11、12内に挿入するだけで、第2金属2を構成するマグネシウム(Mg)に対し該マグネシウム(Mg)よりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い第1金属1を互いに密着させることができる。
また、酸化によるマグネシウム(Mg)イオンの溶出によりロッド本体を構成する丸棒21が減少した場合には、減少した丸棒21みを新しい物と交換することにより、減少しないイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い方の第1金属を簡単な付け替え作業によって再利用することができる。
従って、特別な設備を必要とすることなしにマグネシウム(Mg)と該マグネシウム(Mg)よりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い第1金属を簡単な作業で容易に密着状態に組み付けることができ、これにより、製造コストを低減できると共に、一方の第1金属1の再利用が可能でランニングコストを低減させることができるようになるという効果が得られる。
また、ロッド本体を筒状に形成すれば、材料費を節約することができるようになる。
【0042】
また、丸棒21を有底コイルスプリング11、12の内径より大径の外径に形成することにより、丸棒21減少しても有底コイルスプリング11、12との密着状態に維持させることができ、これにより、アルカリ還元イオン水の生成期間を長くすることができるようになる。
【0043】
また、前記第1金属が、一方の端面が底部材11a、12aで閉じられた構造の一対の有底コイルスプリング11、12で構成され、該両有底コイルスプリング11、12内に第2金属2であるロッド本体を構成する丸棒21の両端部を挿入させた状態で、両有底コイルスプリング11、12の開口端側の線材端部を相互に相手方の線材相互間の開き間隔内に沿ってねじ込んで一体化させることにより丸棒21を構成するマグネシウム(Mg)と該マグネシウム(Mg)よりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い第1金属1が互いに密着されている構成としたことにより、第2金属2を構成するマグネシウム(Mg)と該マグネシウム(Mg)よりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い第2金属2を互いに密着させた状態に容易に組み付けることができるようになる。
また、丸棒21が減少しても、両金属1、2の分離飛散を防止することができると共に、部分的ではあるが両金属1、2の密着状態を維持させることができるようになる。
【0044】
また、前記底部材11a、12aがコイルスプリングを構成する線材の端部で構成されることにより、底部材を別体に製造する必要がなく、これにより、製造コストを低減させることができるようになる。
【0045】
次に、この発明の他の実施例について説明する。なお、この他の実施例の説明にあたっては、前記実施例1と同様の構成部分についてはその図示を省略し、相違点についてのみ説明する。
(実施例2)
この実施例2のパーマネント施術方法は、マグネシウム(Mg)を所定の水または酸性水の雰囲気内で酸化させることにより該マグネシウム(Mg)の酸化作用で該水分をアルカリ還元イオン水とし、このアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤とするようにしたものである。
従って、この実施例2では、一般的な従来例の毛髪ロッドを用い、上述の方法で生成されたアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤として用いるものである。
従って、この実施例2においても、十分なウェーブ形成力を維持しつつ毛髪のダメージを大幅に低減させることができるようになるという効果が得られる。
【0046】
(実施例3)
この実施例3のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドは、マグネシウム(Mg)を含む素材で構成された毛巻ロッドに毛髪を巻いた状態で該毛巻ロッドのマグネシウム(Mg)に酸性水を作用させることによりアルカリ還元イオン水を生成させ、このアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤とするようにしたものである。
従って、この実施例3の毛巻ロッドにおいても、予めパーマ第1剤を別に準備することなしに、毛巻ロッドに酸性水を作用させるだけで毛髪部分にパーマ第1剤を作用させることができるため、作業性を高めることができるようになると共に、マグネシウムのみで構成されるため、毛巻ロッドの構成を簡略化することができるようになる。
【0047】
(実施例4)
この実施例4のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドは、マグネシウム(Mg)と該マグネシウム(Mg)よりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属がそれぞれ多数に分割した状態で混合され、該両金属が完全に溶解することなしに互いに接合一体化されている構成としたものである。
従って、この実施例4の毛巻ロッドでは、1部剤で構成されるため、毛巻ロッドの構成を簡略化することができるようになる。
【0048】
(実施例5)
この実施例5のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドは、前記実施例4の毛巻ロッドの表面をケガキや溝切り穴開け等で多数個所切削除去することにより、マグネシウム(Mg)と該マグネシウム(Mg)よりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属との接触境界部分が多数露出されている構成としたものである。
従って、この実施例5の毛巻ロッドでは、マグネシウム(Mg)の酸化を促進させ、これにより、アルカリ還元イオン水の生成速度を早めることができるようになる。
【0049】
(実施例6)
この実施例6のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドは、前記実施例4の毛巻ロッドに、多数の孔を切削しもしくは打ち抜くことにより、多数の孔の内周面にマグネシウム(Mg)と該マグネシウム(Mg)よりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属との接触境界部分が多数露出されている構成とすることにより、マグネシウム(Mg)の酸化を促進させ、これにより、アルカリ還元イオン水の生成速度を早めることができるようになる。
【0050】
以上本発明の実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、イオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い第1金属1として鉄(Fe)を用いた例を示したが、実施例に例示した金属以外に、チタン、ステンレス、炭素等、任意の金属を用いることができる。
また、第1金属1及び第2金属2は合金を用いることができる。
【0051】
また、実施例1では、第1金属1を一対の有底コイルスプリング11、12で構成させたが、一本のコイルスプリングで構成させるようにしてもよい。
また、毛巻ロッドとして、マグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属で構成された一対のコイルスプリング内に非金属性芯材の両端部を挿入させた状態で、この両コイルスプリングの開口端側の線材端部を相互に相手方の線材相互間の開き間隔内に沿ってねじ込んで一体化させ、2種類の異種金属が互いに密着されている構成としてもよい。
【0052】
また、毛巻ロッドとして、マグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属で構成された口径の異なる一対のコイルスプリングの一方を、もう一方のコイルスプリング内若しくは外側の螺旋状溝内に沿ってねじ込んで一体化させ、2種類の異種金属が互いに密着されている構成としてもよい。
また、底部材11a、12aの形状は任意であり、また、別体に形成するようにしてもよい。
【0053】
また、両有底コイルスプリング11、12をそのバネ性に抗して互いに強めにねじ込んでおくことにより、第2金属2の両端面が消耗しても互いに引き伸ばされた両有底コイルスプリング11、12の反発力により、第2金属2の両端面に対する底部材11a、12aの密着状態を長期に亘り維持させることができるようになる。
以上のように、第1金属1と第2金属2とを互いに密着させる構造は任意である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明実施例1のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドを示す正面図である。
【図2】本発明実施例1のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドを示す側面図である。
【図3】図1のA−A線における横断平面図である。
【図4】本発明実施例1のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッドの組み付け前の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1 第1金属
11 有底コイルスプリング
11a 底部材
11b 外向き曲げ部
12 有底コイルスプリング
12a 底部材
12b 外向き曲げ部
2 第2金属
21 丸棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネシウムを所定の水分雰囲気内で酸化させることにより該マグネシウムの酸化作用で該水分をアルカリ還元イオン水とし、このアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤とすることを特徴とするパーマネント施術方法。
【請求項2】
前記水分雰囲気を構成する水分として酸性水を用いることにより前記マグネシウムを酸化させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のパーマネント施術方法。
【請求項3】
マグネシウムを含む素材で構成された毛巻ロッドに毛髪を巻いた状態で該毛巻ロッドのマグネシウムに酸性水を作用させることによりアルカリ還元イオン水を生成させ、このアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤とすることを特徴とするパーマネント施術方法。
【請求項4】
前記マグネシウムに対し該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属を互いに密着させることにより水分雰囲気内において両金属の接触境界部分で局部電池を形成させてイオン化傾向の大きい又は/及び電位の低い方のマグネシウムを酸化させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のパーマネント施術方法。
【請求項5】
前記マグネシウムに対し該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属を互いに密着させた構造の毛巻ロッドに毛髪を巻いた状態で該毛巻ロッドのマグネシウムに水または酸性水を作用させることによりアルカリ還元イオン水を生成させ、このアルカリ還元イオン水を還元工程で用いられるパーマ第1剤とすることを特徴とするパーマネント施術方法。
【請求項6】
マグネシウムを含む素材で構成された棒状または筒状のロッド本体の外周にマグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属で構成されるコイルスプリングが装着されることにより両金属が互いに密着していることを特徴とするパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッド。
【請求項7】
前記ロッド本体がコイルスプリングの内径より大径の外径に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッド。
【請求項8】
前記コイルスプリングが、該コイルスプリングを構成する線材相互の開き間隔が該線材の直径と略同程度か若しくはそれ以上に形成されると共に一方の端面が底部材で閉じられた構造の一対の有底コイルスプリングで構成され、
該両有底コイルスプリング内に前記ロッド本体の両端部を挿入させた状態で、両有底コイルスプリングの開口端側の線材端部を相互に相手方の線材相互間の開き間隔内に沿ってねじ込んで一体化させることによりマグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属が互いに密着されていることを特徴とする請求項6または7に記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッド。
【請求項9】
前記底部材がコイルスプリングを構成する線材の端部で構成されていることを特徴とする請求項8に記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッド。
【請求項10】
マグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属がそれぞれ多数に分割した状態で混合され、該両金属が完全に溶解することなしに互いに接合一体化されていることを特徴とする請求項10に記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッド。
【請求項11】
表面をケガキや溝切り穴開け等で多数個所切削除去することにより、前記マグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属との接触境界部分が多数露出されていることを特徴とする請求項10に記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッド。
【請求項12】
多数の孔を切削しもしくは打ち抜くことにより、前記多数の孔の内周面に前記マグネシウムと該マグネシウムよりイオン化傾向の小さい又は/及び電位の高い金属との接触境界部分が多数露出されていることを特徴とする請求項10に記載のパーマネント施術方法で用いられる毛巻ロッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−167318(P2006−167318A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−367049(P2004−367049)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(399036202)
【出願人】(593035696)
【出願人】(303056140)
【出願人】(303056151)
【Fターム(参考)】