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パール光沢組成物及びその製造方法
説明

パール光沢組成物及びその製造方法

【課題】白色度と光輝度に優れるパール光沢組成物を提供すること、並びにかかるパール光沢組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】脂肪酸グリコールエステルを含む結晶を含有するパール光沢組成物であって、前記結晶の遠心沈降式粒度分布測定装置で測定される平均粒径が250〜700nmであり、平均アスペクト比(長径/厚み)が12以上である、パール光沢組成物、並びに脂肪酸グリコールエステルを含む溶融混合液を平均冷却速度が0.05〜20℃/minで冷却する工程を有する、かかるパール光沢組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パール光沢組成物に関する。さらに詳しくは、シャンプー、リンス、ボディシャンプー、液体洗浄剤等の付加価値を高めるのに好適に使用しうるパール光沢組成物に関する。さらに本発明は、かかるパール光沢組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャンプー、リンス、ボディシャンプー、化粧料、液体洗浄剤等の付加価値を高めるために、パール光沢を与える基剤が用いられている。そこで、パール光沢を付与するための主要成分を濃厚に含むパール光沢組成物が各種検討されている。
【0003】
脂肪酸グリコールエステルはパール光沢組成物における主要成分として各種検討されているが、製品中で直接冷却晶析させる方法や、前もって濃厚分散液を調製し、製品に配合する方法が用いられている。前もって濃厚分散液を調製する方法では、十分なパール光沢を得ようとして脂肪酸グリコールエステルの配合量を増加すると、室温下での粘度が高くなり、流動性が低下する。そこで、特定のノニオン界面活性剤を併用したパール光沢組成物が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、強いパール光沢を維持しつつ、濁度の大きいパール光沢組成物を提供することを課題として、脂肪酸グリコールエステル、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤及び水を含有してなるパール光沢組成物であって、さらに、脂肪酸を0.3〜3重量%を含有してなるパール光沢組成物(特許文献2参照)が提案されている。
【0005】
更に、強いパール光沢を維持しつつ、濁度の大きいパール光沢組成物を提供することを課題として、脂肪酸グリコールエステル及び水を含有してなるパール光沢組成物であって、さらに、脂肪族アルコール、脂肪酸モノグリセリド及び脂肪族エーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の脂肪族化合物を0.3〜3重量%含有してなるパール光沢組成物が提案されている(特許文献3参照)。
【0006】
しかしこれらの場合、特定の晶析添加剤が必要であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−212031号公報
【特許文献2】特開2008−255110号公報
【特許文献3】特開2009−19194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、白色度と光輝度に優れるパール光沢組成物を提供することにある。さらに本発明の課題は、かかるパール光沢組成物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明者らは、パール光沢組成物中に含まれる、脂肪酸グリコールエステルを含む結晶の粒径とアスペクト比に着目し、これらの因子を特定の範囲に制御することによって、白色度と光輝度に優れるパール光沢組成物を製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕(A)脂肪酸グリコールエステルを含む結晶を含有するパール光沢組成物であって、前記結晶の遠心沈降式粒度分布測定装置で測定される平均粒径が250〜700nmであり、平均アスペクト比(長径/厚み)が12以上である、パール光沢組成物;
〔2〕更に、(B)脂肪酸モノアルキロールアミド、(C)アルキル硫酸エステル塩及び(D)水を含有する前記〔1〕記載のパール光沢組成物;
〔3〕(B)成分と(C)成分とのモル比が、(C)成分/(B)成分=0.50〜0.95である前記〔2〕記載のパール光沢組成物;
〔4〕(A)成分が10〜50質量%である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のパール光沢組成物;
〔5〕(B)成分が5〜10質量%であり、(C)成分が5〜10質量%である、前記〔2〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のパール光沢組成物;
【0011】
〔6〕脂肪酸グリコールエステルがグリコールと2種以上の脂肪酸とのエステルであって、脂肪酸グリコールエステルを構成する全脂肪酸に占める単一の脂肪酸の最大割合が85質量%以下である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のパール光沢組成物;
〔7〕脂肪酸グリコールエステルがステアリン酸とパルミチン酸とを含む脂肪酸とグリコールとのエステルであって、ステアリン酸とパルミチン酸との質量比(ステアリン酸/パルミチン酸)が15/85〜85/15である、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のパール光沢組成物;
〔8〕脂肪酸グリコールエステルがステアリン酸とベヘニン酸とを含む脂肪酸とグリコールとのエステルであって、ステアリン酸とベヘニン酸との質量比(ステアリン酸/ベヘニン酸)が15/85〜85/15である、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のパール光沢組成物;
〔9〕更に(E)ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤を含有する、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のパール光沢組成物;
〔10〕脂肪酸グリコールエステルを含む溶融混合液を平均冷却速度が0.05〜20℃/minで冷却する工程を有する、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のパール光沢組成物の製造方法;並びに
〔11〕前記溶融混合液を回分式撹拌槽で撹拌しつつ冷却する、前記〔10〕記載の製造方法;に関するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のパール光沢組成物は、白色度が高く、光輝度に優れるという効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のパール光沢組成物は、(A)脂肪酸グリコールエステルを含む結晶を含有するパール光沢組成物であって、前記結晶の遠心沈降式粒度分布測定装置で測定される平均粒径が250〜700nmであり、平均アスペクト比(長径/厚み)が12以上であるものである。
【0014】
本発明者らは、遠心沈降式粒度分布測定装置で測定される平均粒径が250〜700nmと比較的小さい結晶を用いることで、白色度が向上することを見出し、また、結晶の平均アスペクト比(長径/厚み)が12以上と比較的大きいことにより、光輝度が高くなることを見出した。これは、小さい結晶を用いることで光の透過性が低下し白色度が高くなると考えられ、またアスペクト比が大きい(即ち、薄い)ことで、結晶が一定方向に配向し易くなり、乱反射が低下するためと考えられる。
【0015】
結晶の平均粒径については、250nm未満では、アスペクト比が低下し、その結果、光輝度が低下する傾向があり、700nmを超えると白色度が低下する傾向がある。よって、光輝度と白色度の点から、上限は700nmであり、650nm以下が好ましく、600nm以下がより好ましく、500nm以下がさらに好ましく、下限は250nmであり、280nm以上が好ましく、300nm以上がさらに好ましい。よって、光輝度と白色度の点から、結晶の平均粒径としては250〜650nmが好ましく、280〜600nmがより好ましく、300〜500nmがさらに好ましい。
【0016】
前記平均粒径を調整し、白色度を向上させるには、例えば、後述する成分(B)と成分(C)とのモル比(成分(C)/成分(B))を調整する方法、冷却速度を調整する方法などにより達成することができる。
【0017】
また、平均アスペクト比(長径/厚み)は、光輝度の観点から12以上であり、13以上が好ましく、14以上がより好ましく、光輝度と白色度の点から、100以下が好ましく、80以下がより好ましく、50以下がさらに好ましく、30以下がより更に好ましく、これらの観点から、12〜100が好ましく、13〜80がより好ましく、14〜50がさらに好ましく、14〜30がよりさらに好ましい。平均アスペクト比の算出方法としては、例えば、測定対象の結晶をカラーレーザー顕微鏡で観察し、長径/厚みを測定する方法が挙げられる。
【0018】
前記アスペクト比を調整し、所望の光輝度とするためには、例えば、脂肪酸グリコールエステル構成する脂肪酸を2種類以上組み合わせて用いる方法、具体的には、後述するように、パルミチン酸とステアリン酸とを特定の質量比で組み合わせて用いる方法や、ステアリン酸とベヘニン酸とを特定の質量比で組み合わせて用いる方法などを用いることができる。
【0019】
本発明のパール光沢組成物は、(A)脂肪酸グリコールエステルに加えて、(B)脂肪酸モノアルキロールアミド、(C)アルキル硫酸エステル塩及び(D)水をさらに含有することが好ましい。以下、各成分について記載する。
【0020】
[パール光沢組成物]
本発明で用いる(A)成分の脂肪酸グリコールエステルとしては、例えば、式(I):
Y−O−(CHR1CH2O)p−COR2 (I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数13〜21の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、Yは水素原子又は−COR2(R2は前記と同じ)を示し、pは1〜3の数で、平均付加モル数を意味する)で表わされるものが挙げられる。
【0021】
上記のように、R2は炭素数13〜21の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基である。よって、脂肪酸グリコールエステルが脂肪酸とグリコールとから構成されることを鑑みると、該脂肪酸としては、炭素数14〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸が該当する。パール光沢組成物の白色度と光輝度の観点から、該脂肪酸としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びベヘニン酸のうちの少なくとも1種類を含むことが好ましく、少なくともステアリン酸を含むことが更に好ましい。なお、他の炭素数15、17、19〜21の飽和又は不飽和の脂肪酸を含有していてもよい。
【0022】
脂肪酸グリコールエステルを構成する脂肪酸においては、パール光沢組成物の白色度の観点から、好ましくはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びベヘニン酸の合計含有量、より好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸及びベヘニン酸の合計含有量が、脂肪酸グリコールエステルを構成する全脂肪酸の好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、よりさらに好ましくは95質量%以上であり、よりさらに好ましくは97質量%以上であり、特に好ましくは100質量%である。
【0023】
なお、本発明において、脂肪酸グリコールエステルを構成する脂肪酸とは、脂肪酸グリコールエステルの原料となり得る脂肪酸のことであり、例えば、炭素数1〜3の低級アルコールの脂肪酸エステルとグリコールとのエステル交換により脂肪酸グリコールエステルを製造する場合であっても、脂肪酸として換算する。
【0024】
例えば、パルミチン酸とステアリン酸の混合物とエチレングリコールとの反応からは、ジパルミチン酸エチレングリコール、モノパルミチン酸モノステアリン酸エチレングリコール、及びジステアリン酸エチレングリコールの混合物が得られる。
【0025】
パール光沢組成物の白色度と光輝度の観点から好ましい脂肪酸グリコールエステルとしては、グリコールと2種以上の脂肪酸とのエステルであって、脂肪酸グリコールエステルを構成する全脂肪酸に占める単一の脂肪酸の最大の割合が、好ましくは85質量%以下のもの、より好ましくは80質量%以下のもの、さらに好ましくは75質量%以下のもの、よりさらに好ましくは70質量%以下のものであり、好ましくは15質量%以上のもの、より好ましくは20質量%以上のもの、さらに好ましくは25質量%以上のもの、より更に好ましくは45質量%以上のものである。2種以上の中では、2〜5種類が好ましく、2〜3種類がより好ましい。
【0026】
これらの観点から、全脂肪酸に占める単一の脂肪酸の最大の割合が15〜85質量%のものが好ましく、20〜80質量%のものがより好ましく、25〜75質量%のものがさらに好ましく、45〜70質量%のものがよりさらに好ましい。
【0027】
パール光沢組成物の白色度と光輝度の観点から、単一の脂肪酸としては、ステアリン酸が好ましい。
【0028】
脂肪酸グリコールエステルのより好ましい態様としては、以下のものが挙げられる。
【0029】
パール光沢組成物のパール外観安定性とコストの観点から好ましい脂肪酸グリコールエステルとしては、脂肪酸グリコールエステルがステアリン酸とパルミチン酸とを含む脂肪酸とグリコールとのエステルであって、ステアリン酸とパルミチン酸との質量比(ステアリン酸/パルミチン酸)が、好ましくは30/70〜95/5のもの、より好ましくは50/50〜90/10のもの、さらに好ましくは60/40〜85/15のもの、よりさらに好ましくは65/35〜80/20のものである。
【0030】
パール光沢組成物の白色度と光輝度とコストの観点から好ましい脂肪酸グリコールエステルとしては、脂肪酸グリコールエステルがステアリン酸とパルミチン酸とを含む脂肪酸とグリコールとのエステルであって、ステアリン酸とパルミチン酸との質量比(ステアリン酸/パルミチン酸)が、好ましくは15/85〜85/15のもの、より好ましくは30/70〜70/30のもの、より好ましくは35/65〜65/35のもの、さらに好しくは40/60〜60/40のもの、よりさらに好ましくは45/55〜55/45のものである。
【0031】
パール光沢組成物の白色度と光輝度とパール外観安定性との観点から好ましい脂肪酸グリコールエステルとしては、脂肪酸グリコールエステルがステアリン酸とベヘニン酸とを含む脂肪酸とグリコールとのエステルであって、ステアリン酸とベヘニン酸との質量比(ステアリン酸/ベヘニン酸)が、好ましくは15/85〜85/15のもの、より好ましくは20/80〜80/20のもの、さらに好ましくは25/75〜75/25のもの、よりさらに好ましくは45/55〜70/30のものである。
【0032】
パール光沢組成物の白色度と光輝度との観点から、脂肪酸グリコールエステルがミリスチン酸、パルミチン酸とステアリン酸とを含む脂肪酸とグリコールとのエステル、もしくはパルミチン酸、ステアリン酸とベヘニン酸とを含む脂肪酸とグリコールとのエステルであることが好ましい。
【0033】
pは、パール光沢組成物の白色度と光輝度の観点から、1〜3であり、1が好ましい。
【0034】
また、脂肪酸グリコールエステルは、式(I)で表されるように、Yが水素原子である場合のモノカルボン酸エステル、Yが−COR2である場合のジカルボン酸エステルのいずれであってもよいが、白色度と光輝度の観点から、Yが−COR2である場合のジカルボン酸エステルが好ましい。ジカルボン酸エステルにおいて、R2は同一であっても、異なっていてもよい。
【0035】
脂肪酸グリコールエステルを構成するグリコールとしては、上記の式(I)に対応したもの、即ち、エチレングリコール、プロピレングリコールが例示される。これらの中で、結晶性の制御の観点からエチレングリコールが好ましい。
【0036】
脂肪酸グリコールエステルのパール光沢組成物中の含有量は、パール光沢付与の観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、18質量%以上がさらに好ましく、流動性の観点から、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25量%以下がさらに好ましい。これらの観点から、脂肪酸グリコールエステルの含有量は、パール光沢組成物中、10〜50質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましく、18〜25質量%がさらに好ましい。
【0037】
本発明で用いる(B)成分の脂肪酸モノアルキロールアミドは、光沢の向上に有効であり、例えば、式(II):
3CO−NH−R4OH (II)
(式中、R3は炭素数7〜20の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、R4はエチレン基又はプロピレン基を示す)
で表わされるものが挙げられる。
【0038】
式(II)において、R3としては、炭素数7〜20、好ましくは炭素数9〜17のアルキル基及びアルケニル基が好ましく、具体的には、ウンデシル基、トリデシル基、ヘプタデシル基等が挙げられる。また、R4としては、エチレン基、n−プロピレン基及びイソプロピレン基が挙げられる。
【0039】
脂肪酸モノアルキロールアミドとしては、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノプロパノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、オレイン酸モノエタノールアミド、オレイン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ科植物油脂肪酸モノエタノールアミド等が挙げられ、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド及びステアリン酸モノエタノールアミドが好ましい。
【0040】
脂肪酸モノアルキロールアミドのパール光沢組成物中の含有量は、結晶微細化の観点から、5質量%以上が好ましく、パール光沢組成物の粘度の上昇を抑制し、流動性を高める観点から、10質量%以下が好ましい。これらの観点から、脂肪酸モノアルキロールアミドの含有量は、パール光沢組成物中、5〜10質量%が好ましく、6〜10質量%がより好ましく、7〜10質量%がさらに好ましい。
【0041】
本発明で用いる(C)成分のアルキル硫酸エステル塩は、各成分を均一に混合するのに有効であり、例えば、式(III):
5−O−(R6O)r−SO3M (III)
(式中、R5は炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、R6はエチレン基又はプロピレン基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムイオン又は炭素数2若しくは3のヒドロキシアルキル置換アンモニウムを示し、rは0〜8の数で、平均付加モル数を意味する)で表わされる、ポリオキシアルキレン基を有していてもよいアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
【0042】
式(III)において、R5としては、炭素数8〜20、好ましくは炭素数10〜14のアルキル基及びアルケニル基が好ましく、具体的には、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等が挙げられる。R6としては、エチレン基、n−プロピレン基及びイソプロピレン基が挙げられ、エチレン基が好ましい。rは0〜4が好ましく、1〜3がより好ましい。
【0043】
アルキル硫酸エステル塩の好適例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エチレンオキサイド(EO)の平均付加モル数:1〜4)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム(EOの平均付加モル数:1〜4)及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン(EOの平均付加モル数:1〜4)が挙げられ、それぞれ単独であっても2種以上が併用されていてもよい。
【0044】
アルキル硫酸エステル塩のパール光沢組成物中の含有量は、各成分を均一に混合する観点から、5質量%以上が好ましく、結晶微細化による白色度向上の観点から、10質量%以下である。これらの観点から、アルキル硫酸エステル塩の含有量は、5〜10質量%が好ましく、6〜9質量%がより好ましく、7〜9質量%がさらに好ましい。
【0045】
本発明のパール光沢組成物中の(B)成分と(C)成分との合計量は、各成分を均一に混合する観点から、10質量%以上が好ましく、白色度向上及び組成物の流動性の観点から、20質量%以下が好ましい。これらの観点から、パール光沢組成物中の(B)成分と(C)成分との合計量は、10〜20質量%が好ましく、12〜20質量%がより好ましく、14〜20質量%がさらに好ましい。
【0046】
パール光沢組成物の白色度と光輝度との観点から、本発明のパール光沢組成物中の(B)成分と(C)成分とのモル比((C)成分/(B)成分)は、好ましくは0.50〜0.95であり、より好ましくは0.55〜0.95であり、更に好ましくは0.60〜0.95であり、より更に好ましくは0.65〜0.93であり、より更に好ましくは0.65〜0.90である。(A)成分の脂肪酸グリコールエステルの脂肪酸がステアリン酸とパルミチン酸とを含む場合は、(B)成分と(C)成分とのモル比((C)成分/(B)成分)は、上記に加えて、更に好ましくは、0.65〜0.85、より更に好ましくは0.65〜0.79である。かかる範囲のモル比とすることにより、パール光沢形成成分である脂肪酸グリコールエステルを含む微細なパール光沢形成粒子が多量に析出し、白色度が高いパール光沢組成物が得られる。詳細は不明なるも、このモル比により、(B)成分が結晶核としての作用が発揮し易いためと考えられる。なお、本発明において、パール光沢組成物の白色度を示す値として、後述の実施例に示されるW値を使用することができる。W値は、光沢性を付与する観点から、14〜26が好ましく、16〜24がより好ましく、18〜22が更に好ましい。
【0047】
本発明のパール光沢組成物は、さらに(E)成分としてポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤を含有することが好ましい。このような(E)成分の使用は、パール光沢組成物の粘度を低下させるのに有効であり、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基を有するものが挙げられる。ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸モノアルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸ジアルカノールアミド等が挙げられ、それぞれ単独であっても2種以上が併用されていてもよい。
【0048】
これらのうち、式(IV):
7−O−(R8O)q−H (IV)
(式中、R7は炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基、R8はエチレン基又はプロピレン基を示し、qは好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜6の数で、平均付加モル数を意味する)で表わされるポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
【0049】
式(IV)において、R7としては、炭素数8〜20、好ましくは炭素数10〜14のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。また、R8としては、エチレン基、n−プロピレン基及びイソプロピレン基が挙げられる。qは3〜6が好ましい。
【0050】
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤のHLBは、パール光沢組成物の乳化を抑制し、粘度を制御する観点から、18未満が好ましく、9〜15がより好ましく、9〜12がさらに好ましい。なお、HLBとは、親水性−親油性のバランス(Hydrophilic-Lipophilic Balance)を示す指標であり、本発明においては、小田・寺村らによる式(V):
HLB=(Σ無機性値/Σ有機性値)×10 (V)
を用いて算出したときの値である。
【0051】
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤のパール光沢組成物中の含有量は、パール光沢組成物の粘度を低下させる観点から、0.5質量%以上が好ましく、良好なパール光沢を得る観点から、10質量%以下が好ましい。これらの観点から、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤の含有量は、パール光沢組成物中、0.5〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましく、1〜6質量%がさらに好ましく、2〜6質量%がより好ましい。
【0052】
本発明のパール光沢組成物は(D)成分として水を含有し、パール光沢組成物における水の含有量は、パール光沢組成物の濃度及び粘度調整の観点から、25〜70質量%が好ましく、40〜70質量%がより好ましく、50〜65質量%がさらに好ましい。
【0053】
パール光沢組成物には、さらに、pH調整剤、防腐剤、塩類、アルコール類、ポリオール類等を適宜配合してもよい。
【0054】
本発明のパール光沢組成物においては、晶析添加剤を用いなくとも白色度の高いパール光沢性に優れる観点、及びシャンプーなどの洗浄剤に配合した時に性能を変化させない観点から、炭素数8〜22の脂肪酸、炭素数8〜22の脂肪族アルコール、炭素数8〜22の脂肪酸モノグリセリド、及び炭素数8〜22の脂肪族エーテルの合計含有量がパール光沢組成物の0.5質量%未満であることが好ましく、0.3質量%未満であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましく、実質用いないことがより好ましい。
【0055】
[パール光沢組成物の製造方法]
本発明のパール光沢組成物の製造方法は、(A)成分を含む原料の溶融混合液から、脂肪酸グリコールエステルを含むパール光沢形成粒子を結晶化させる方法であれば特に限定されない。具体的な方法としては、例えば、(A)成分〜(D)成分を含む原料、あるいは必要に応じてさらに(E)成分を含む原料の混合物を加熱した後、冷却する方法;(D)水及び(B)〜(C)の界面活性剤等を含む混合物、あるいは必要に応じてさらに(E)成分を含む混合物と、溶融状態の(A)とを混合した後、冷却する方法等が挙げられる。
【0056】
原料の溶融混合液の温度は、脂肪酸グリコールエステル混合物の融解終了温度以上の温度が好ましく、混合物の沸点以下の温度が好ましい。また、脂肪酸グリコールエステルの融解終了温度より1〜20℃高い温度がより好ましく、1〜10℃高い温度がさらに好ましい。
【0057】
冷却に関しては、該溶融混合液を平均冷却速度を0.05〜20℃/minとして冷却することが好ましく、かかる冷却工程を有することが、本製造方法の特徴の一つである。ここで、平均冷却速度としては、光輝度と白色度の点から、上限は20℃/minが好ましく、15℃/minがより好ましく、10℃/minがさらに好ましく、5℃/minがさらにより好ましく、1℃/minが最も好ましい。下限は、0.05℃/minが好ましく、0.1℃/minがより好ましく、0.15℃/minがさらに好ましい。かかる観点から、冷却速度は0.05〜20℃/minが好ましく、0.1〜15℃/minがより好ましく、0.15〜10℃/minがさらに好ましく、0.15〜5℃/minがよりさらに好ましく、0.15〜1℃/minがよりさらに好ましい。
【0058】
本発明では、前記原料の溶融混合液を回分式撹拌槽で撹拌しつつ冷却することが好ましい。ここで、回分式撹拌槽とは、溶融混合液を適切に撹拌できる撹拌翼を有する配合槽である。撹拌翼の形状は、一般の混合操作に用いられるものでよく、好ましくは、パドル(ピッチドパドルを含む)、プロペラ、タービン、アンカー、ヘリカルリボンなどが挙げられ、撹拌装置には邪魔板、固定翼、掻き取り翼が付属していてもよい。本発明における溶融混合液の粘度が0.2〜2Pa・s程度と比較的粘度の高い流体が好ましく、このような場合は均一混合性の観点から、撹拌翼の形状としてはパドル(ピッチドパドルを含む)、アンカー、ヘリカルリボンが好ましく、ピッチドパドル、アンカーがより好ましい。特に固定翼や掻き取り翼を付属した撹拌装置が好ましく、例えば、みづほ工業製真空乳化撹拌装置VQ型、プライミクス製T.Kアジホモミクサーなどが挙げられる。
【0059】
乳化液単位体積あたりの撹拌投下動力は、乳化力を高め均一に分散する観点から、4〜5000(W/m3)が好ましく、10〜5000(W/m3)がより好ましく、10〜1000(W/m3)が更に好ましい。
撹拌回転数は、溶融混合液を適切に撹拌するできる0.1〜50(r/s)が好ましく、0.1〜5がより好ましく、0.2〜3が更により好ましい。
【0060】
なお、撹拌条件の指標として、本願では乳化液単位体積あたりの撹拌投下動力を用いる。一般に乳化液単位体積あたりの撹拌投下動力は撹拌装置の動力特性を基に算出する方法(式VII)で求めることができる。なお乳化温度における乳化液密度をρ(kg/m3)、乳化液の仕込量をM(kg)、撹拌回転数をN(r/s)、最大の翼径をd(m)とする。乳化液単位体積は、乳化温度での体積である。
撹拌投下動力(W/m3)=Np×ρ2×N3×d5/M (VII)
【0061】
なお、Npは動力数(無次元)であり、使用した撹拌装置の動力特性を表し、撹拌装置の形状・寸法・撹拌レイノルズ数Reによって決定される値である。様々な撹拌装置に適用可能な動力数の推算式は複数報告されており、その好ましい一例として、亀井・平岡の式がある(式VIII)。
Np=(1.2π4β2)/(8d3/D2/H)×f (VIII)
【0062】
ここでD(m)は槽内径(最大の内径)、H(m)は液深さ(最大深さ)である。βは式(IX)で定義される演算値である。
β=2ln(D/d)/(D/d−d/D) (IX)
【0063】
fは摩擦係数である。fはRed、CL、Ct、Ctr、f∞の関数となっており、式の詳細は次の公知文献に記されている。
尚、CL、Ct、Ctrは、d、D、H、b、nP等の関数として表される。
b:最大翼幅(高さ)(m)、nP:翼の枚数
【0064】
Kamei, N., S. Hiraoka, Y. Kato, Y. Tada, H. Shida, Y. S. Lee, T. Yamaguchi and S. T. Koh; "Power Correlation for Paddle Impellers in Spherical and Sylindrical Agitated Vessels," Kagaku Kogaku Ronbunshu, 21, 41-48 (1995)
【0065】
すなわち使用する撹拌装置の形状・寸法のパラメータであるd、D、Hなどを与えることにより、亀井・平岡の式(式VIII)よりNpはRedのみに依存する装置固有の関数として表すことができる。なお、Redは次の式Xで定義される。
Red=Nd2ρ/μ (X)
【0066】
ここでμ(Pa・s)は液粘度である。液粘度はB型粘度計によって測定可能である。測定時の温度は乳化温度、測定条件は、回転数60RPM、測定時間1分、ローターは、3番を基準として用いるが、粘度が高すぎて測定できない場合は4番、粘度が低すぎて測定できない場合は2番等を順次用いる。
【0067】
配合槽の大きさは、特に限定されないが、例えば0.3Lから20m3の配合槽を使用することができる。工業的スケールで大量生産する場合、100Lから20m3の配合槽を使用することが好ましい。
【0068】
パール光沢形成粒子が結晶化した後は、さらに冷却して、結晶を安定化させることが好ましく、液温が10〜45℃、好ましくは15〜40℃となるまで冷却することが望ましい。
【0069】
原料の溶融及び冷却は、溶解液が分離しないように、撹拌しながら行うことが好ましい。
【0070】
冷却は、温度分布がより均一となる方法が好ましい。具体的な方法としては、例えば、溶融混合液をジャケットが付帯した配合槽で調製し、ジャケットに冷媒水を通水する方法等があげられる。
【0071】
得られたパール光沢組成物は、界面活性剤等の適宜洗浄剤成分と混合して、洗浄剤とすることができる。洗浄剤中、本発明のパール光沢組成物(純分)は、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%であることが好ましい。
【実施例】
【0072】
以下、本発明の態様を実施例によりさらに記載し、開示する。かかる実施例は単なる本発明の例示であり、何ら限定を意味するものではない。
【0073】
各実施例及び各比較例で得られたパール光沢組成物の諸性質は、以下の方法によって測定した。
【0074】
<パール光沢組成物の白色度>
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王製、商品名:エマールE−27C)を純分で19.5質量%含む水溶液で、パール光沢組成物を33.3倍(質量比)に希釈したものを、黒色のフォルダに装着した丸型セル(日本電色製、35Φ×15H、パーツNo.2301)に1gを測り取った。これを5分間静置した後に、色彩色差計(KONICA MINOLTA製、CR-400)のC光源で丸型セルの底面からL(明度)、b(色相・彩度)を暗室などの遮光した条件下で測定し、ASTM(米国材料試験協会)が定義(E-313)する次式によりW値を求めた。
W値=(7L2−40Lb)/700
【0075】
<パール光沢形成粒子のアスペクト比>
パール光沢組成物を水で1000倍(質量比)に希釈し、希釈液をスライドガラス上に滴下し自然乾燥させ、カラーレーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK9710)で観察した。結晶として確認されるパール光沢形成粒子の長径と厚みを測定し、アスペクト比(長径/厚み)を得た。これを結晶100個に対し行い、その相加平均値を結晶のアスペクト比とした。
【0076】
<パール光沢形成粒子の粒径>
パール光沢組成物を水で200倍(質量比)に希釈し、希釈液40μLを分散安定性分析装置(L.U.M社製、LUMiSizer)用のポリカーボネート製の2mm光路長セルに入れた。分散安定性分析装置の測定条件は、表1のステップ1から開始し、ステップ8の条件を終えて終了とした。
【0077】
【表1】

【0078】
解析の条件は次のように設定した。
Distribution TypeをVolume Weighted Particle Size Distributionとした。
ReferenceをLast Profile of the Sample Measurementとした。
Analysis ModeをConstant Positionとした。
PositionはSpanを1mmとし、111mm、112mm、113mm、114mm、115mm、116mm、117mm、118mm、119mm、120mm、121mm、122mm、123mm、124mm、125mm、126mm及び127mmとした。
Continuous Phaseは水とし、Dispersed PhaseのDensityを1100 kg/m3とし、Refractive Indexを1.44 - 0iとした。
これによって得られるHarmonic Meanを結晶の平均粒径とした。
【0079】
<パール光沢組成物の光輝度>
多角度分光測色計(x-rite社製、MA96)の専用ホルダーに付属のスプーンを黒色のエポキシパテで埋めて、液深さが2mmとなるようにした。また、ラウレス硫酸アンモニウム(花王株式会社製、商品名:エマール125A)を純分で11.25質量%、パール光沢組成物を10質量%、塩化ナトリウムを2.5質量%、エタノールを2.25質量%、水を74質量%からなる、パール光沢組成物を分散した液を用意し、この分散液を先のスプーンに入れ、専用ホルダー付属のレベラーを用い液面を平らにし、該多角度分光測色計を用いて、光源D65、視野10°で計測した。
【0080】
MA96を用いて測定した場合は、MA96の測定値から求めたという意味でIV96、SV96、FF96の記号を用いた。即ち、IV96は米国X-Rite社製の多角度分光測色計「MA96」を使用し、入射角45度、受光角15度で測定した三刺激値XYZの内のY値の値である。SV96は、多角度分光測色計「MA96」を使用して測定し、入射角45度、受光角45度で測定した三刺激値XYZの内のY値の値である。光輝度であるFF96はIV96とSV96から下式を用いて計算できるパラメータである。
FF96=2×(IV96-SV96)/(IV96+SV96)
【0081】
光輝度であるFF96は、いわゆるフリップフロップ性であり、ハイライトと正面の明るさ比、つまりコントラストを表しているパラメータであり、値が大きい程、輝きが強くなることを示す。
【0082】
<パール光沢組成物のきめの細やかさと輝きの強さ>
パール光沢組成物を水で20倍(質量比)に希釈し、肉眼にてパール光沢のきめの細やかさと輝きの強さを観察し、以下の基準に従って評価した。なお、気泡の混入しているものは遠心分離に掛け、脱泡を行った。
【0083】
〔きめの評価基準〕
A:きめが非常に細かい。
B:きめが細かい。
C:きめが若干あらい。
D:きめが非常にあらい
【0084】
〔輝きの強さの評価基準〕
A:輝きが非常に強い。
B:輝きが強い。
C:輝きが弱い。
D:輝きがない
【0085】
実施例1〜5及び比較例1
脂肪酸グリコールエステル、脂肪酸モノアルキロールアミド、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、水及びその他成分の総量3kgを、T.Kアジホモミクサーf model(プライミクス株式会社製、5L仕様)にて、80℃で混合し、その後、0.2℃/minの冷却速度、パドル翼の撹拌回転数60r/minで20℃まで冷却し、パール光沢組成物を得た。組成及び結果を表2及び表3に示す。実施例1の撹拌投下動力は、55(W/m3)であった。
(乳化液の80℃における密度ρ:950kg/m3、乳化液の80℃における粘度μ:0.7Pa・s、槽内径D:0.2m、液深さH:0.19m、翼径d:0.15m、翼幅b:0.013m、攪拌翼の枚数np:6、攪拌回転数N:1r/s)
【0086】
実施例6及び比較例2、3
脂肪酸グリコールエステル、脂肪酸モノアルキロールアミド、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、水及びその他成分の総量150gを、ガラス製のジャケット付き丸底セパラブルフラスコ(株式会社VIDREX製、300ml)にて、80℃で混合し、その後、0.5℃/minの冷却速度、スクレーパ付のアンカー翼の撹拌回転数100r/minで20℃まで冷却し、パール光沢組成物を得た。組成及び結果を表2及び表3に示す。
【0087】
【表2】

【0088】
【表3】

【0089】
注)表中の組成は純分の質量%を示す。カッコ内の数字はエチレンオキサイドの付加モル数を示す。
1)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(川研ファインケミカル製、商品名:アミゾールCME):平均分子量267.1(但し、この平均分子量は、原料のヤシ油脂肪酸の平均炭素数を12.8として算出した値である。)
2)ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王製、商品名:エマールE−27C):分子量376.6(但し、表中の組成値はポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムの有効分)
3)ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル[HLB:9.7](花王株式会社製、商品名:エマルゲン504K)
【0090】
上記の表より、(A)成分を含む結晶の平均粒径及び平均アスペクト比が規定の範囲を満たす実施例1〜6のパール光沢組成物は、白色度、光輝度、きめの細やかさ及び輝きの強さの点で優れたものであることが分かった。
【0091】
一方、(A)成分を含む結晶の平均アスペクト比も12未満である比較例2では、結晶の平均粒径が250nm以上であったにも関わらず、光輝度及び輝きの強さの点で本発明品よりも大きく劣っていることが分かった。さらに、該結晶の平均粒径が700nmを超え、かつ平均アスペクト比も12未満である比較例3では、白色度、光輝度、きめの細やかさ及び輝きの強さの点で本発明品よりも劣っていることが分かった。さらに、該結晶の平均粒径が700nmを超えているものの、平均アスペクト比が12以上である比較例1では、光輝度及び輝きの強さの点で比較例3よりも改善される傾向がみられたが、白色度及びきめの細やかさの点で、本発明品よりも劣っていることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明のパール光沢組成物は、シャンプー、リンス、ボディシャンプー、液体洗浄剤等に好適に用いられるものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)脂肪酸グリコールエステルを含む結晶を含有するパール光沢組成物であって、前記結晶の遠心沈降式粒度分布測定装置で測定される平均粒径が250〜700nmであり、平均アスペクト比(長径/厚み)が12以上である、パール光沢組成物。
【請求項2】
更に、(B)脂肪酸モノアルキロールアミド、(C)アルキル硫酸エステル塩及び(D)水を含有する請求項1記載のパール光沢組成物。
【請求項3】
(B)成分と(C)成分とのモル比が、(C)成分/(B)成分=0.50〜0.95である請求項2記載のパール光沢組成物。
【請求項4】
(A)成分が10〜50質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパール光沢組成物。
【請求項5】
(B)成分が5〜10質量%であり、(C)成分が5〜10質量%である、請求項2〜4のいずれか1項に記載のパール光沢組成物。
【請求項6】
脂肪酸グリコールエステルがグリコールと2種以上の脂肪酸とのエステルであって、脂肪酸グリコールエステルを構成する全脂肪酸に占める単一の脂肪酸の最大割合が85質量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパール光沢組成物。
【請求項7】
脂肪酸グリコールエステルがステアリン酸とパルミチン酸とを含む脂肪酸とグリコールとのエステルであって、ステアリン酸とパルミチン酸との質量比(ステアリン酸/パルミチン酸)が15/85〜85/15である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパール光沢組成物。
【請求項8】
脂肪酸グリコールエステルがステアリン酸とベヘニン酸とを含む脂肪酸とグリコールとのエステルであって、ステアリン酸とベヘニン酸との質量比(ステアリン酸/ベヘニン酸)が15/85〜85/15である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパール光沢組成物。
【請求項9】
更に(E)ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパール光沢組成物。
【請求項10】
脂肪酸グリコールエステルを含む溶融混合液を平均冷却速度が0.05〜20℃/minで冷却する工程を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のパール光沢組成物の製造方法。
【請求項11】
前記溶融混合液を回分式撹拌槽で撹拌しつつ冷却する、請求項10記載の製造方法。


【公開番号】特開2013−67579(P2013−67579A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206564(P2011−206564)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】