ヒアルロナンおよび治療用抗体を含む治療用組成物ならびに治療方法

【課題】異常な細胞増殖と関連のある疾患および障害などの細胞性疾患または障害に対する治療および予防のプロトコールの提供。
【解決手段】治療用抗体およびヒアルロナンを含む組成物の使用。約400キロダルトン〜20,000キロダルトンの分子量の範囲にあるヒアルロナン(HA)あるいはその類似体または誘導体または合成もしくは化学修飾された形態または塩と、治療用抗体、またはその断片、誘導体、部分、キメラ、もしくは完全に脱免疫された(de-immunized)形態とを含み、任意で1つまたは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤、および/または賦形剤を含む配合物およびその使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は概して、異常な細胞増殖と関連のある疾患および障害などの細胞性疾患または障害に対する治療および予防のプロトコールに関する。より詳細には、本発明は、治療用抗体およびヒアルロナンを含む組成物、ならびに細胞性疾患および障害の治療または予防におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術の説明
本明細書で以下に参照する、すべての科学的引用物、特許、特許出願および製造元の技術仕様書は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0003】
癌は、細胞周期の正常な遺伝的または生化学的な制御がなされずに細胞集団が複製する場合に発生する過剰増殖性の細胞性疾患である。米国だけでも2,604,650人の人々が1990年から1994年までの間に癌のために死亡しており、男性(53%)の方が女性(47%)よりも多く罹患している。癌による死亡として最も数が多かったのは、肺癌(〜30%)、結腸および直腸の癌(〜11%)、乳癌(〜8%)および前立腺(〜6.5%)の結果であった。女性の中で、最も発生頻度の高い癌は、乳癌(31%)、肺癌(12%)、結腸および直腸の癌(12%)、子宮癌(6%)および卵巣癌(4%)である。
【0004】
歴史的にみて、癌治療は一般に、外科手術、放射線照射、および化学療法のうちの1つまたは複数を含む治療プロトコールを必要とする。さらに最近では、癌標的を対象とする治療用抗体が開発されている。これらの抗体は非経口的な細胞毒性薬として用いられており、用量依存的な効能および毒性を示す。全身化学療法は、限局性または播種性の悪性疾患に対して利用しうる主な治療法である。化学療法は、根治的であるか待期的であるかにかかわらず、複数サイクルの治療を必要とし、この際、化学療法薬は用量反応的な効果を示し、細胞の死滅は薬物曝露と相関する。
【0005】
腫瘍選択的な治療法の開発のための治療アプローチの大半は、悪性組織と健常組織との間の形態学的および機能的な違いに目を向けてきた。形態学的な違いを操作するように設計された薬物は、癌細胞の急速な増殖が、有効な酸素および栄養素の供給に対する要求と同時に起こり、それが多くの場合は血管新生の過程によって満たされることに依拠している。その結果生じる腫瘍血管系には大きな分子の血管外空間への浸透を許容するという欠陥があり、腫瘍内リンパ排液が乏しいために大きな化合物の悪性部位内部への選好的な蓄積が起こりうる。
【0006】
腫瘍細胞が代謝的に効率的であって運動性であるための機能的要求条件は、結果としてさまざまな腫瘍特異的受容体の過剰発現を引き起こし、それらは、これらのエピトープに対する特異的リガンドを介した抗癌薬の能動的送達のための選択的標的として用いることができる。現行の癌治療法の選択性の乏しさを克服するための一つの手段は腫瘍特異的な受容体または分子を対象とする抗体を用いることであり、さらに、治療用抗体は多くの疾患の治療および予防において有効な薬剤となる可能性もある。
【0007】
ヒト化抗体および脱免疫された抗体(deimmunized antibody)には大きな可能性があるものの、一般的には高用量で送達される必要があり、製造に費用がかかる。有効な抗体ターゲティングのための前提条件は、抗体が組織に浸透しうるべきであることである。加えて、抗体を疾患の部位へと送達する制御された局所的放出方法があることが好ましい。しかし、抗体を送達媒体と合わせる時には配合上の難題が往々にして生じる。抗体の浸透は腫瘍に関連した治療用抗体では特に問題であり、親和性の高い断片は腫瘍の周辺に留まる恐れがあるが、親和性が中程度および低い断片はより良好な浸透性が得られるように思われることも研究によって示されている。このような場合には、抗体の非特異的なターゲティングが問題となる可能性がある。
【0008】
モノクローナル抗体の開発がマウス抗体からキメラ抗体、ヒト化抗体および脱免疫化抗体に移行したのに伴って、抗-抗体応答の低下が観察されているが、臨床の場では反復的または長期的な治療に対する懸念が存在する。抗体療法に関して考えられる別の副作用は、免疫エフェクター細胞の動員によって媒介されるサイトカイン放出である。したがって、抗体または抗体断片の効能を改善する、または副作用を軽減する抗体配合物を開発することに対しては需要がある。
【発明の概要】
【0009】
発明の概要
本明細書の全体を通じて、文脈で別のものを要求しない限り、「含む(comprise)」という用語、または「含む(comprising)」もしくは「含む(comprises)」などの変形物は、言及した要素または整数、または要素もしくは整数の群を含むものの、他の要素または整数または要素もしくは整数の群を除外しないことを意味することが理解されるであろう。
【0010】
本発明は、一部には、増殖性細胞性疾患に対して毒性が最小限であるが有効な治療レジメンを結果としてもたらすような罹患部位に対する抗体の有効な送達を容易にするために、ヒアルロナン(HA)ならびにその誘導体および合成および化学修飾された形態および塩と、治療用抗体、またはその断片、類似体、誘導体、部分、キメラ、もしくは脱免疫された形態とを組み合わせて用いることに基づく。
【0011】
本発明は、したがって、細胞性疾患および障害に対する抗体配合物ならびに治療および予防のプロトコールを提供する。
【0012】
したがって、本発明の1つの局面は、HAあるいはその誘導体または合成もしくは化学修飾された形態または塩と、治療用抗体、またはその断片、類似体、誘導体、部分、キメラ、もしくは脱免疫された形態とを含み、ならびに任意で、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤、および/または賦形剤を含む配合物を提供する。
【0013】
HAは高濃度で投与されるため、HAの定常的な内部移行が起こるが、このことはHAのかさ高いドメイン(volumetric domain)の内部に平衡状態で存在する任意の抗体が同時に内部移行し、その結果、薬物または薬学的組成物の高濃度での細胞内放出が起こることを意味する。加えて、HAと非内部移行性受容体との結合は、細胞表面での抗体の持続的保持を確実に行わせ、結果として抗体エピトープの利用能を高める、HA/治療用抗体糖衣物の開発を容易にする。
【0014】
本発明によれば、HAと抗体との組み合わせは、HAの非存在下での抗体の使用と比較して、抗体の効能の改善を促す。「効能の改善(improved efficacy)」には、癌細胞の増殖を阻害して、または癌細胞に対して細胞毒性作用を及ぼして、結果として腫瘍組織量(tumor burden)の減少をもたらすことに関する有効性の向上が含まれる。本発明の抗体配合物は細胞性疾患の治療または予防において有用であることが提唱される。
【0015】
本発明は、一部には、HAならびにその誘導体、合成もしくは化学修飾された形態および塩が、細胞それ自体を阻害するだけでなく、ヒトおよび動物を含む被験体を治療するために、選択された抗体の標準的な、より低いおよびより高い用量での安全な投与をも可能にするという判断に基づく。また、抗体との組み合わせによるヒアルロナンのインビボ投与は、不応性である細胞に対するこれらの薬剤の治療効果を高め、それによってその後の多剤耐性の出現も防止する。代替的な細胞内部移行の経路、すなわち、リソソーム性プロセシング系を介したものを提供するHAの能力により、HAと治療用抗体との組み合わせは、通常であれば内在性または獲得した耐性機序によって治療に対して耐性を持つと考えられる細胞に感受性を与える。
【0016】
本発明によって想定される抗体には、細胞性疾患と関連しているか関連している可能性がある標的細胞種に対して特異的である、任意の抗体が含まれる。そのような抗体の例には、以下のものが含まれる:ABX-EGF;アレムツズマブ;アポリズマブ(Apolizumab);ベバシズマブ;カンツズマブ(Cantuzumab);セツキシマブ;cG250;cmc-544;ダクリズマブ;エプラツズマブ;エルロチニブ;ゲムツズマブオゾガミシン;hA20;HCBE-11;Hun901;イブリツモマブチウキセタン;IDEC 159;インフリキシマブ;ルミリキシマブ(Lumiliximab);mAb 3F8;mAb b43.13;mAb BC8;mAb CC49-ΔCH2;mAb Ch14.18;mAb CP-675,206;mAb HeFi-1;mAb Hu3S193;mAb HuG1-M195;mAb huHMFG1;mAb J591;mAb MDX-CTLA4;mAb MiK-β-1;MDX-010;MEDI-507;MLN2704;ペルツズマブ(Pertuzumab);RAV12;リツキシマブ;SGN-30;SGN-40;トシツモマブ;トラスツズマブ(herceptin);TRM-1(TRAIL R1 Mab);およびイットリウム-イブリツモマブ。
【0017】
本発明の特定の態様は、HAおよびセツキシマブを含む抗体配合物を対象とする。
【0018】
別の特定の態様は、HAおよびベバシズマブを含む抗体配合物を提供する。
【0019】
さらになお別の特定の態様は、HAおよびherceptinを含む抗体配合物を提供する。
【0020】
さらに別の局面は、HAあるいはその誘導体または合成もしくは化学修飾された形態と、表1のリストから選択される抗体とを含む配合物を提供する。
【0021】
これらの配合物は任意で、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、賦形剤、および/または希釈剤をさらに含む。
【0022】
本発明の特定の態様は、ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、約360ダルトン〜20,000キロダルトンの分子量の範囲にある、配合物を対象とする。
【0023】
本発明の特定の態様は、ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、約360ダルトン〜2000キロダルトンの分子量の範囲にある、配合物を対象とする。
【0024】
本発明の特定の態様は、ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、約20キロダルトン〜1,500キロダルトンの分子量の範囲にある、配合物を対象とする。
【0025】
本発明の特定の態様は、ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態の、分子量の範囲の最頻値(modal molecular weight range)が約860キロダルトンである、配合物を対象とする。
【0026】
本発明の特定の態様は、ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態と抗体とが共有結合していない、配合物を対象とする。
【0027】
本発明の特定の態様は、組成物のpHの範囲がpH 2.5〜10.5の間である、配合物を対象とする。
【0028】
本発明の特定の態様は、組成物のpHの範囲がpH 5.0〜8.5の間である、配合物を対象とする。
【0029】
本発明の特定の態様は、抗体、その断片、誘導体、部分、キメラ、または完全に脱免疫された形態が、細胞増殖性疾患の治療または予防に用いるためのものである、配合物を対象とする。
【0030】
本発明の特定の態様は、抗体、その断片、誘導体、または部分が、以下からなる抗体の群より選択される、配合物を対象とする:ABX-EGF;アレムツズマブ;アポリズマブ;ベバシズマブ;カンツズマブ;セツキシマブ;cG250;cmc-544;ダクリズマブ;エプラツズマブ;エルロチニブ;ゲムツズマブオゾガミシン;hA20;HCBE-11;Hun901;イブリツモマブチウキセタン;IDEC 159;インフリキシマブ;ルミリキシマブ;mAb 3F8;mAb b43.13;mAb BC8;mAb CC49-ΔCH2;mAb Ch14.18;mAb CP-675,206;mAb HeFi-1;mAb Hu3S193;mAb HuG1-M195;mAb huHMFG1;mAb J591;mAb MDX-CTLA4;mAb MiK-β-1;MDX-010;MEDI-507;MLN2704;ペルツズマブ;RAV12;リツキシマブ;SGN-30;SGN-40;トシツモマブ;トラスツズマブ(herceptin);TRM-1(TRAIL R1 Mab);およびイットリウム-イブリツモマブ。
【0031】
本発明の特定の態様は、細胞増殖性疾患が癌、新生物疾患、または組織の炎症もしくは炎症性物質の放出を伴う任意の疾患のいずれか1つである、配合物を対象とする。
【0032】
本発明の特定の態様は、細胞増殖性疾患が腫瘍、新生物、制御不能な過剰増殖、または転移のうちの1つまたは複数である、配合物を対象とする。
【0033】
本発明の特定の態様は、細胞増殖性疾患が乳房、肺、前立腺、腎臓、皮膚、神経組織、卵巣、子宮、肝臓、膵臓、上皮細胞、胃組織、腸、外分泌腺、内分泌腺、リンパ系、造血系、頭部組織、および頸部組織を含む1つまたは複数の臓器または組織に存在する、配合物を対象とする。
【0034】
本発明の特定の態様は、細胞増殖性疾患が哺乳動物に発生する、配合物を対象とする。
【0035】
本発明の特定の態様は、抗体がセツキシマブである、配合物を対象とする。
【0036】
本発明の特定の態様は、抗体がベバシズマブである、配合物を対象とする。
【0037】
本発明の特定の態様は、抗体がherceptinである、配合物を対象とする。
【0038】
本発明の特定の態様は、抗体がヒト化されている配合物を対象とする。
【0039】
本発明の特定の態様は、結腸直腸癌の治療または予防に用いるための配合物を対象とする。
【0040】
本発明の特定の態様は、哺乳動物が霊長類、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、およびブタの動物からなる群より選択される、配合物を対象とする。
【0041】
本発明の特定の態様は、霊長類がヒトである、配合物を対象とする。
【0042】
本発明の特定の態様は、組成物が経口用、局所用、または非経口用の形状にある、配合物を対象とする。
【0043】
本発明の特定の態様は、経口用形状が錠剤、丸剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、粉剤、顆粒剤、乳剤、液剤、水性もしくは油性の懸濁剤、医薬剤(medicine)、シロップ剤、エリキシル剤、または噴霧剤として提示される、配合物を対象とする。
【0044】
本発明の特定の態様は、局所用形状がクリーム剤、ローション剤、乳剤、ゲル剤、フィルム、噴霧剤、ペースト剤、または軟膏の形状で投与される、配合物を対象とする。
【0045】
本発明の特定の態様は、非経口用形状が、液体、軟膏、坐薬、または膣坐薬の形状で、皮下注射、エアロゾル、静脈内、筋肉内、髄腔内、頭蓋内、胸骨内(intrasternal)への注射または注入技法によって投与される、配合物を対象とする。
【0046】
本発明の特定の態様は、細胞増殖性疾患の治療に用いられる第2の薬剤または組成物と一緒になった配合物であって、第2の薬剤が化学療法薬または治療用抗体である、配合物を対象とする。
【0047】
本発明の特定の態様は、第2の薬剤または組成物がイリノテカンまたはドキソルビシンまたはフルオロウラシルまたはロイコボリンまたはオキサリプラチンまたはメトトレキサートまたはゲムシタビンである、配合物を対象とする。
【0048】
本発明の特定の態様は、抗体、その断片、誘導体、または部分の生物学的利用能が高められる、配合物を対象とする。
【0049】
本発明の特定の態様は、HAが薬剤の投与の前または後に投与される、配合物を対象とする。
【0050】
本発明の特定の態様は、HAが薬剤の投与の前に投与される、配合物を対象とする。
【0051】
本発明の特定の態様は、HAが薬剤の投与の後に投与される、配合物を対象とする。
【0052】
本発明の特定の態様は、HAが経口投与される、配合物を対象とする。
【0053】
本発明の特定の態様は、HAが体重1kg当たり約0.01〜約40mgの量で投与される、配合物を対象とする。
【0054】
本発明の特定の態様は、HAが体重1kg当たり約0.1〜約27mgの量で投与される、配合物を対象とする。
【0055】
本発明の特定の態様は、細胞増殖性疾患の治療に用いられる第2の組成物と一緒になった配合物であって、第2の組成物が化学療法薬または治療用抗体を含む、配合物を対象とする。
【0056】
本発明の特定の態様は、細胞増殖性疾患の治療に用いられる第2の組成物と一緒になった配合物であって、第2の組成物が、HAあるいはその誘導体または合成もしくは化学修飾された形態または塩と、化学療法薬または治療用抗体とを含む、配合物を対象とする。
【0057】
本発明の特定の態様は、セツキシマブと、HAあるいはその誘導体または合成もしくは化学修飾された形態または塩とを、第2の成分であるイリノテカンとともに含む配合物を対象とする。
【0058】
関連した局面において、本発明はまた、被験体における細胞性疾患に対する治療または予防の方法であって、その必要がある被験体に対して、治療用抗体、またはその断片、誘導体、部分、キメラ、もしくは脱免疫された形態と、HA、あるいはその類似体、誘導体、または合成もしくは化学修飾された形態、または塩とを、細胞性疾患の症状が改善される時間および条件の下で投与する段階を含む方法も提供する。
【0059】
1つの態様において、本発明は、細胞性疾患を有する被験体の治療または予防の方法であって、前記被験体に対してHAおよびセツキシマブを含む抗体配合物を投与する段階を含む方法を想定している。
【0060】
本発明のさらに別の態様は、被験体における細胞性疾患の治療または予防の方法であって、前記被験体に対してHAおよびベバシズマブを含む抗体配合物を投与する段階を含む方法に関する。
【0061】
本発明のさらになお別の態様は、被験体における細胞性疾患の治療または予防の方法であって、前記被験体に対してHAおよびherceptinを含む抗体配合物を投与する段階を含む方法に関する。
【0062】
本発明の特定の態様は、被験体における細胞性疾患に対する治療または予防の方法であって、その必要がある被験体に対して、治療用抗体、またはその断片、類似体、誘導体、部分、キメラ、もしくは完全に脱免疫された形態と、HA、あるいはその類似体、誘導体、または合成もしくは化学修飾された形態、または塩とを、細胞性疾患の症状が改善される時間および条件の下で投与する段階を含む方法を対象とする。
【0063】
本発明の特定の態様は、ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、360ダルトン〜20,000キロダルトンの分子量の範囲にある、方法を対象とする。
【0064】
本発明の特定の態様は、ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、約360ダルトン〜2000キロダルトンの分子量の範囲にある、方法を対象とする。
【0065】
本発明の特定の態様は、ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、約20キロダルトン〜1,500キロダルトンの分子量の範囲にある、方法を対象とする。
【0066】
本発明の特定の態様は、ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態の、分子量の範囲の最頻値が約860キロダルトンである、方法を対象とする。
【0067】
本発明の特定の態様は、ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態と抗体とが共有結合していない、方法を対象とする。
【0068】
本発明の特定の態様は、組成物のpHの範囲がpH 2.5〜10.5の間である、方法を対象とする。
【0069】
本発明の特定の態様は、抗体、その断片、誘導体、または部分が、以下からなる群より選択される、方法を対象とする:ABX-EGF;アレムツズマブ;アポリズマブ;ベバシズマブ;カンツズマブ;セツキシマブ;cG250;cmc-544;ダクリズマブ;エプラツズマブ;エルロチニブ;ゲムツズマブオゾガミシン;hA20;HCBE-11;Hun901;イブリツモマブチウキセタン;IDEC 159;インフリキシマブ;ルミリキシマブ;mAb 3F8;mAb b43.13;mAb BC8;mAb CC49-ΔCH2;mAb Ch14.18;mAb CP-675,206;mAb HeFi-1;mAb Hu3S193;mAb HuG1-M195;mAb huHMFG1;mAb J591;mAb MDX-CTLA4;mAb MiK-β-1;MDX-010;MEDI-507;MLN2704;ペルツズマブ;RAV12;リツキシマブ;SGN-30;SGN-40;トシツモマブ;トラスツズマブ(herceptin);TRM-1(TRAIL R1 Mab);およびイットリウム-イブリツモマブ。
【0070】
本発明の特定の態様は、細胞増殖性疾患が癌、新生物疾患、または組織の炎症もしくは炎症性物質の放出を伴う任意の疾患のうちのいずれか1つである、方法を対象とする。
【0071】
本発明の特定の態様は、細胞増殖性疾患が腫瘍、新生物、制御不能な過剰増殖、または転移のうちの1つまたは複数をもたらす、方法を対象とする。
【0072】
本発明の特定の態様は、細胞増殖性疾患が、乳房、肺、前立腺、腎臓、皮膚、神経組織、卵巣、子宮、肝臓、膵臓、上皮細胞、胃組織、腸、外分泌腺、内分泌腺、リンパ系、造血系、頭部組織、および頸部組織を含む1つまたは複数の臓器または組織に存在する、方法を対象とする。
【0073】
本発明の特定の態様は、細胞増殖性疾患が哺乳動物に発生する、方法を対象とする。
【0074】
本発明の特定の態様は、抗体がセツキシマブである、方法を対象とする。
【0075】
本発明の特定の態様は、抗体がベバシズマブである、方法を対象とする。
【0076】
本発明の特定の態様は、抗体がherceptinである、方法を対象とする。
【0077】
本発明の特定の態様は、結腸直腸癌の治療または予防のための方法を対象とする。
【0078】
本発明の特定の態様は、哺乳動物が霊長類、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、およびブタの動物からなる群より選択される、方法を対象とする。
【0079】
本発明の特定の態様は、霊長類がヒトである、方法を対象とする。
【0080】
本発明の特定の態様は、治療物が経口的、局所的、または非経口的に投与される、方法を対象とする。
【0081】
本発明の特定の態様は、経口的に投与される形状が、錠剤、丸剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、粉剤、顆粒剤、乳剤、液剤、水性もしくは油性の懸濁剤、医薬剤、シロップ剤、エリキシル剤、または噴霧剤である、方法を対象とする。
【0082】
本発明の特定の態様は、局所的に投与される形状がクリーム剤、ローション剤、乳剤、ゲル剤、フィルム、噴霧剤、ペースト剤、または軟膏である、方法を対象とする。
【0083】
本発明の特定の態様は、非経口的投与が、液体、軟膏、坐薬、または膣坐薬の形状での、皮下注射、エアロゾル、静脈内、筋肉内、髄腔内、頭蓋内、胸骨内への注射または注入技法によるものである、方法を対象とする。
【0084】
本発明の特定の態様は、ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、抗体、その断片、誘導体、または部分の投与と同時に、逐次的に、その前に、組み合わせて、その最中に、またはその後に投与される、方法を対象とする。
【0085】
本発明の特定の態様は、第2の組成物が化学療法薬または治療用抗体を含む、方法を対象とする。
【0086】
本発明の特定の態様は、第2の組成物が、HAあるいはその誘導体または合成もしくは化学修飾された形態または塩と、化学療法薬または治療用抗体とを含む、方法を対象とする。
【0087】
本発明の特定の態様は、第2の薬剤または組成物が、イリノテカンまたはドキソルビシンまたはフルオロウラシルまたはロイコボリンまたはオキサリプラチンまたはメトトレキサートまたはゲムシタビンと共に配合されたHAを含む、方法を対象とする。
【0088】
本発明の特定の態様は、第2の薬剤または組成物が、表1に列記された抗体のいずれかと共に配合されたHAを含む、方法を対象とする。
【0089】
本発明の特定の態様は、第2の薬剤または組成物がイリノテカンまたはドキソルビシンまたはフルオロウラシルまたはロイコボリンまたはオキサリプラチンまたはメトトレキサートまたはゲムシタビンを含む、方法を対象とする。
【0090】
本発明の特定の態様は、第2の薬剤または組成物が、以下からなる群の中の抗体のいずれかを含む、方法を対象とする:ABX-EGF;アレムツズマブ;アポリズマブ;ベバシズマブ;カンツズマブ;セツキシマブ;cG250;cmc-544;ダクリズマブ;エプラツズマブ;エルロチニブ;ゲムツズマブオゾガミシン;hA20;HCBE-11;Hun901;イブリツモマブチウキセタン;IDEC 159;インフリキシマブ;ルミリキシマブ;mAb 3F8;mAb b43.13;mAb BC8;mAb CC49-ΔCH2;mAb Ch14.18;mAb CP675,206;mAb HeFi-1;mAb Hu3S193;mAb HuG1-M195;mAb huHMFG1;mAb J591;mAb MDX-CTLA4;mAb MiK-β-1;MDX-010;MEDI-507;MLN2704;ペルツズマブ;RAV12;リツキシマブ;SGN-30;SGN-40;トシツモマブ;トラスツズマブ(herceptin);TRM-1(TRAIL R1 Mab);およびイットリウム-イブリツモマブ。
【0091】
本発明の特定の態様は、第2の薬剤または組成物が、治療レジメンFOLFOX(フルオロウラシル、ロイコボリン、およびオキサリプラチン)、FOLFIRI(イリノテカン、ロイコボリン、およびフルオロウラシルを含む)およびIFL(イリノテカン、フルオロウラシル、およびロイコボリンを含む)を含む、方法を対象とする。
【0092】
本発明の特定の態様は、抗体、その断片、誘導体、または部分の生物学的利用能が高められる、方法を対象とする。
【0093】
本発明の別の局面は、HAあるいはその誘導体または合成もしくは化学修飾された形態または塩と組み合わせた、治療用抗体、またはその断片、誘導体、部分、キメラ、もしくは完全に脱免疫された形態の、細胞性疾患の治療または予防のための医用薬剤の製造における使用を対象とする。
【0094】
特に、本発明の抗体配合物を、結腸癌の治療または予防のために用いてもよい。
【0095】
加えて、本発明の配合物は、細胞性疾患または障害の治療または予防をさらに容易にする、抗癌薬、抗ウイルス薬、抗菌薬、抗真菌薬、または任意の他の薬剤などの1つまたは複数のさらなる治療薬をさらに含んでもよい。
【0096】
さらなる態様において、本発明の抗体配合物は、併用療法の一部として投与される。
【0097】
本発明のさらに別の特定の態様は、ヒアルロナンと化学療法薬または治療レジメンとを含む第2の配合物と組み合わせて投与される、ヒアルロナンおよびセツキシマブを含む配合物を提供する。
【0098】
本発明のさらになお別の特定の態様は、ヒアルロナンと第2の抗体または化学療法薬または治療レジメンとを含む第2の配合物と組み合わせて投与される、ヒアルロナンおよびベバシズマブを含む配合物に関する。
【0099】
本発明のさらになお別の特定の態様は、ヒアルロナンと第2の抗体または化学療法薬または治療レジメンとを含む第2の配合物と組み合わせて投与される、ヒアルロナンおよびherceptinを含む配合物に関する。
【0100】
さらにまた、配合物が、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、賦形剤、および/または希釈剤をさらに含んでもよい。
【0101】
本発明はさらに、本配合物のための送達システムも想定している。1つの態様において、HAおよび抗体は別個に維持され、投与の直前に混合される。この態様において、HAおよび抗体は、単一の体組織侵入性流入デバイス(tissue-invasive inlet device)によって投与してもよく、または限定はされないもののシリンジおよび針のような、複数の体組織侵入性流入デバイスによって投与してもよい。したがって、HAおよび抗体の同時投与、またはいずれの順序でもよい逐次投与は、本発明の一部である。
【0102】
本発明はさらに、HAあるいはその誘導体または合成もしくは化学修飾された形態または塩と組み合わせた、治療用抗体、またはその断片、誘導体、部分、キメラ、もしくは脱免疫された形態の、細胞性疾患の治療または予防のための医用薬剤の製造における使用も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1A】セツキシマブと共に配合したヒアルロナン(HyERB)またはセツキシマブ(ERB)を単独の薬剤として用いてマウスを治療した場合の、ヒト結腸癌異種移植片を有するマウスの治療期間中の腫瘍容積の変化率を図示したグラフ図である。図1Aは、LIM1215ヒト結腸異種移植片を有するヌードマウスにおける、HyERB(150/0.25)およびERB(0.25)単独療法の抗腫瘍活性を示している。
【図1B】セツキシマブと共に配合したヒアルロナン(HyERB)またはセツキシマブ(ERB)を単独の薬剤として用いてマウスを治療した場合の、ヒト結腸癌異種移植片を有するマウスの治療期間中の腫瘍容積の変化率を図示したグラフ図である。図1Bは、治療期間中(32日)のERB(0.5)およびHyERB(150/0.5)に対する腫瘍応答を示している。グラフ上に「a」と表示された点は、治療群間の差が統計学的に有意であることを表している(p=<0.05、t検定)。
【図2】セツキシマブと共に配合したヒアルロナン(HyERB)(150/0.5)またはERB(0.5)を用いてマウスを治療した場合の、32日の治療期間中の、ヒト結腸癌異種移植片を有するマウスの正味の身体質量の変化率(%)のグラフ図である。グラフ上に「a」と表示された点は、治療群間の差が統計学的に有意であることを表している(p=<0.05、t検定)。
【図3】セツキシマブと共に配合したヒアルロナン(HyERB)(150/0.5)またはERB(0.5)を用いてマウスを治療した場合の、ヒト結腸癌異種移植片を有するマウスの生存率(%)のグラフ図である。実験の終点は治療の開始から第120日後に達成され、この場合、生存率(%)はマウスの死亡日を.120で除算して100を掛けたものとして表現される。この生存データは、治療指数の向上の代用指標とみなすことができる。
【図4A】セツキシマブと共に配合したHA(HyERB)と、イリノテカンと共に配合したHA(HyCAMP)との併用療法を受けたマウスのグラフ図である。図4Aは、治療の開始から最長で第32日(最後の注射の日)までの治療を示している。
【図4B】セツキシマブと共に配合したHA(HyERB)と、イリノテカンと共に配合したHA(HyCAMP)との併用療法を受けたマウスのグラフ図である。図4Bは、実験の終点である治療開始後第300日までの同じ実験を示している。注:群間の差が有意(p=<0.05、t検定)である領域は「a」によって表わされている。
【図5】セツキシマブと共に配合したHA(HyERB)と、イリノテカンと共に配合したHA(HyCAMP)との併用療法における、実験の終点である治療開始後第300日までの、正味の身体質量の変化率(%)のグラフ図である。
【図6】セツキシマブと共に配合したHA(HyERB)と、イリノテカンと共に配合したHA(HyCAMP)との併用療法に関する、実験の終点である治療開始後第300日までの、マウス生存率(%)のグラフ図である。
【図7】イリノテカン/5-フルオロウラシル/ロイコボリン(IFL+生理食塩水)、IFL+ベバシズマブ(BEV)およびIFL+HyBEV(ベバシズマブと共に配合したHA)による治療の開始後から治療の終了(第32日)までのマウスの治療期間中の腫瘍容積の変化率(%)を図示したグラフ図である。「a」は、IFL+BEVとIFL+HyBEVとの間の応答の差が有意(p=<0.05、t検定)であることを表している。
【図8】イリノテカン/5-フルオロウラシル/ロイコボリン(IFL+生理食塩水)、IFL+ベバシズマブ(BEV)およびIFL+HyBEV(ベバシズマブと共に配合したHA)による治療の開始後の、Iに関する、正味の身体質量の変化率(%)のグラフ図である。IFL+BEVおよびIFL+HyBEVと比較した場合、IFL+生理食塩水群との差は、第25日から第134日までは有意である。同じ期間に関して、IFL+HyBEVを受けているマウスの方がIFL+BEVを受けているものよりも体重増加が良好であるという傾向は観察されるものの、これらの差は有意ではない。
【発明を実施するための形態】
【0104】
発明の詳細な説明
本明細書およびそれに続く特許請求の範囲の全体を通じて、文脈が別のものを要求しない限り、「含む(comprise)」という用語、ならびに「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などの変形物は、言及した整数もしくは段階または整数もしくは段階の群を含むものの、他の整数もしくは段階または整数もしくは段階の群を除外しないことを意味するものと解釈される。
【0105】
本明細書の以下で参照されるすべての科学的な引用物、特許、特許出願および製造元の技術仕様書は、それらの全体が、参照により本明細書に組み入れられる。
【0106】
本明細書における先行技術に関するいかなる言及も、その先行技術が任意の国において共通の一般的な知識の一部をなすことを認めたものでも何らかの形で示唆したものでもなく、そのようにみなされるべきではない。
【0107】
別に指示する場合を除き、本発明は特定の配合物成分、製造方法、生物学的材料または試薬、投薬レジメンなどには限定されず、それらは異なってもよいことが理解されるべきである。また、本明細書で用いられる専門用語は特定の態様のみを説明することが目的であり、限定的であることは意図していないことも理解されるべきである。
【0108】
本明細書で用いる場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、その文脈で明らかに別の指示がなされない限り、複数のものに関する言及も含む。したがって、例えば、「1つの配合物」に対する言及は、単一の配合物のほかに、2つまたはそれ以上の配合物も含む;「1つの薬剤」または「1つの試薬」に対する言及は、単一の薬剤または試薬のほかに、2つまたはそれ以上の薬剤または試薬も含む;「その癌細胞」に対する言及は、単一の癌細胞、または癌細胞の群もしくは組織を含み、その他についても同様である。
【0109】
「化合物」、「薬剤」、「試薬」、「薬理活性物質」、「医用薬剤」、「治療薬(therapeutic)」、「活性物(active)」および「薬物」という用語は、HAまたはその化学的に合成された誘導体と共に配合される、または配合されていて、かつ細胞性疾患および障害の治療または予防において有用である、抗体または他の相互作用性分子を指すために、本明細書において互換的に用いられる。これらの用語はまた、本明細書で具体的に言及する活性物質の、薬学的に許容される、および薬理活性のある成分も含む。「薬剤」、「試薬」、「化合物」、「薬理活性物質」、「医用薬剤」、「治療薬」、「活性物」および「薬物」という用語が用いられる場合には、これが、活性のある実体それ自体のほかに、抗体またはHAの、薬学的に許容される、薬理活性のある塩、キメラおよび組換え形態も含むことが理解されるべきである。
【0110】
「薬剤」、「化学物質」、「化合物」、「薬理活性物質」、「医用薬剤」、「治療薬」、「活性物」および「薬物」に対する言及は、2つまたはそれ以上の活性物質の組み合わせを含む。「組み合わせ」はまた、薬剤が別々に提供されて与えられる、または別々に分配される、もしくは分配の前に一緒に混合される、複数の部分、例えば2つの部分からなる組成物も含む。例えば、複数の部分からなる医用薬剤パックが、2つまたはそれ以上の薬剤を別々に保持していてもよい。それ故に、本発明のこの局面は併用療法を含む。併用療法には、抗体とHAとの、または抗体、HAと他のものとの同時投与が含まれる。
【0111】
本明細書で用いる場合、薬剤の「有効量」および「治療有効量」という用語は、所望の治療的または生理的な効果またはアウトカムを得るために十分な薬剤の量のことを意味する。そのような効果またはアウトカムには、細胞性疾患の症状の軽減または改善が含まれる。望ましくない影響、例えば副作用が、所望の治療効果とともに発現することが時にある;それ故に、医師は、どれが適切な「有効量」であるかの判断において、潜在的な利益と潜在的なリスクとのバランスをとる。必要とされる厳密な量は、種、年齢および被験体の全身状態、投与の様式などに応じて、被験体ごとに異なると考えられる。したがって、厳密な「有効量」を特定することはできないと考えられる。しかし、任意の個々の症例における適切な「有効量」は、当業者により、ルーチン的な実験のみを用いて決定されうると思われる。一般に、薬剤は、炎症および/または細胞の増殖を低下させるのに十分な量および条件で与えられる。
【0112】
本発明の組成物および方法は、表1に例示された細胞増殖性疾患の治療に用いられるもののような抗体に対する細胞の感受性を高めるために有用である。特に、本発明の組成物および方法は、癌などの細胞増殖性障害と関連のある細胞の感受性を高めるために有用である。非癌細胞に対する毒性を伴うことなしに効能を高めることにより、本発明は、細胞毒性の結果として、特に、癌などの細胞性疾患を治療するため、ならびに再発および死亡の可能性を低下させるために有用な組成物および方法を提供する。
【0113】
本明細書で用いる「被験体」という用語は、望まれるものに比して低い効能を有する抗体である抗体による治療を必要とする疾患または病状を有する任意のヒトまたは動物のことを指す。一般に、被験体は、細胞増殖性障害、例えば癌、新生物細胞増殖などに罹患している。「癌」に対する言及は、腫瘍または肉腫、さらには白血病などの血液悪性腫瘍を含む。本発明の目的における被験体には、哺乳動物(例えば、ヒトを含む霊長類、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、およびブタの動物)が非限定的に含まれ、好ましくはヒトである。
【0114】
「細胞増殖性障害」とは、細胞が、新生物または癌につながりうる異常増殖(abnormal growth)、典型的には異常性増殖(aberrant growth)を示すことを意味する。
【0115】
細胞増殖性障害には、例えば、新生物疾患、癌(例えば、乳房、肺、前立腺、腎臓、皮膚、神経、卵巣、子宮、肝臓、膵臓、上皮、胃、腸、外分泌腺、内分泌腺、リンパ、造血系、または頭部および頸部の組織の癌)、線維性障害などが含まれる。
【0116】
一般に、新生物疾患は、細胞の異常増殖が新生物または癌と呼ばれる細胞の塊を引き起こす病状である。新生物には構造および挙動の点でさまざまな度合いの異常がある。ある種の新生物は良性であるが、また別のものは悪性または癌性である。新生物疾患の有効な治療は、癌の予防的または根治的な処置の探索に対して価値のある貢献を果たす。
【0117】
本発明の化合物および方法を、神経変性疾患、ホルモン不均衡といった、抗体療法および化学療法と関連のある他の疾患を治療するために用いることも提唱される。したがって、本発明は、細胞増殖と関連のある障害、新生物、癌などの症状を改善するための方法であって、HAおよび抗体を細胞の増殖または障害を阻害または改善するのに十分な量で用いて、障害を有する被験体を障害の部位で治療する段階を含む方法を含む。
【0118】
本明細書で用いる場合、「癌」とは、特化した種々の細胞への細胞の分化を伴わない、制御不能な細胞増殖(例えば、細胞塊の形成)を特徴とする、一群の疾患および障害のことを指す。本発明の方法を用いて治療しうる癌には、以下のものが非限定的に含まれる:ABL1原癌遺伝子、AIDS関連癌、聴神経腫、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、腺嚢胞癌、副腎皮質癌、原因不明骨髄様化生、脱毛症、胞状軟部肉腫、肛門癌、血管肉腫、再生不良性貧血、星状細胞腫、毛細血管拡張性運動失調症、基底細胞癌(皮膚)、膀胱癌、骨悪性腫瘍、腸癌、脳幹神経膠腫、脳およびCNSの腫瘍、乳癌、CNS腫瘍、カルチノイド腫瘍、子宮頸癌、小児脳腫瘍、小児癌、小児白血病、小児軟部組織肉腫、軟骨肉腫、絨毛癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、腺管癌、内分泌腺癌、子宮体癌、上衣細胞腫、食道癌、ユーイング肉腫、肝外胆管癌、眼悪性腫瘍、眼:黒色腫、網膜芽種、卵管癌、ファンコニ貧血、線維肉腫、胆嚢癌、胃癌、胃腸癌、胃腸カルチノイド腫瘍、尿生殖器癌、生殖細胞腫瘍、妊娠性絨毛疾患、神経膠腫、婦人科癌、血液悪性腫瘍、ヘアリー細胞白血病、頭頸部癌、肝細胞癌、遺伝性乳癌、組織球症、ホジキン病、ヒトパピローマウイルス、胞状奇胎、高カルシウム血症、下咽頭癌、眼内黒色腫、島細胞癌、カポジ肉腫、腎臓癌、ランゲルハンス細胞組織球症、咽頭癌、平滑筋肉腫、白血病、リー-フラウメニ症候群、口唇癌、脂肪肉腫、肝臓癌、肺癌、リンパ浮腫、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、男性乳癌、腎悪性ラブドイド腫瘍、髄芽腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移性癌、口部癌、多発性内分泌腺腫、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄腫、骨髄増殖性疾患、鼻部癌、鼻咽頭癌、腎芽腫、神経芽腫、神経線維腫症、ナイミーヘン染色体不安定症候群、非黒色腫性皮膚癌、非小細胞肺癌(nsclc)、眼球悪性腫瘍、食道癌、口腔癌、口腔咽頭癌、骨肉腫、オストミー卵巣癌(ostomy ovarian cancer)、膵臓癌、副鼻腔癌、副甲状腺癌、耳下腺癌、陰茎癌、末梢神経外胚葉性腫瘍、下垂体癌、真性赤血球増加症、前立腺癌、稀な癌および関連疾患、腎細胞癌、網膜芽種、横紋筋肉腫、ロートムント-トムソン症候群、唾液腺癌、肉腫、シュワン腫、セザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌(sclc)、小腸癌、軟部組織肉腫、脊髄腫瘍、扁平上皮癌(皮膚)、胃癌、滑膜肉腫、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、移行上皮癌(膀胱)、移行上皮癌(腎-骨盤-/-尿管)、絨毛癌、尿道癌、泌尿器系癌、ウロプラキン(uroplakin)、子宮肉腫、子宮癌、膣癌、外陰部癌、ワルデンシュトレーム-マクログロブリン血症、またはウィルムス腫瘍。以上に示したように、「癌」という用語は、腫瘍、肉腫、および白血病を範囲として含み、それらのすべての用語を互換的に用いることができる。
【0119】
本発明の化合物は、化合物の有効量を、適した薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体に添加することによって、薬学的組成物中に利用することができる。本発明の化合物および方法の使用は予防的にも有用である。
【0120】
本明細書で用いる「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子またはその免疫学的活性部分、すなわち抗原結合部分のことを指し、これにはその一部、ドメイン抗体、断片、キメラおよび脱免疫された形態が含まれる。免疫グロブリン分子の免疫学的活性部分の例には、scFVおよびdcFV断片、抗体をそれぞれパパインおよびペプシンなどの酵素で処理することによって生成されるF(ab)およびF(ab')2断片が含まれる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫された完全ヒト抗体、非ヒト抗体、例えば、ネズミ抗体、または一本鎖抗体のいずれであってもよい。抗体を毒素または造影剤と結合させてもよい。具体的には、本発明の抗体は、細胞増殖性障害、例えば癌を有する被験体に対する治療効果のある抗癌抗体である。特定の態様において、抗体は表1に列記されたものである。別の態様において、抗体は表1に列記された標的と結合する。さらに別の態様において、抗体は、癌の発生病理にかかわるタンパク質と結合し、かつ被験体に対して有益な効果のある治療用抗体である。ヒト患者の治療的処置のためには、キメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫化抗体が望ましいが、最も好ましいのは完全ヒト抗体である。
【0121】
(表1)細胞増殖性疾患、特に癌に用いるための抗体の例


【0122】
また、抗体(またはその断片)を、細胞毒、治療薬または放射性イオンなどの治療的部分(therapeutic moiety)と結合させることもできる。細胞毒または細胞毒性物質には、細胞にとって有害である任意の薬剤が含まれる。その例には、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、メイタンシノイド、例えば、メイタンシノール(米国特許第5,208,020号を参照)、CC-1065(米国特許第5,475,092号、同第5,585,499号、同第5,846,545号を参照)およびそれらの類似体または相同体が含まれる。治療薬には、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、および5-フルオロウラシルダカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパ(thioepa)クロラムブシル、CC-1065、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス-ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン系薬剤(例えば、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、DM-1、および有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソール、およびメイタンシノイド)が非限定的に含まれる。放射性イオンには、ヨウ素、イットリウム、およびプラセオジウムが非限定的に含まれる。
【0123】
本発明の方法は、1つの態様において、(1)抗体の投与の前の、一緒のもしくはその後のHAの投与;または(2)HAと抗体との組み合わせの投与を伴う。
【0124】
本明細書で用いる場合、「治療有効量」という用語は、所望の治療反応を得るために有効な本発明の化合物の量のことを意味する。例えば、宿主における癌を予防するため、または癌の症状を治療するため、または癌を治療するための有効量。
【0125】
具体的な「治療有効量」は、治療される特定の病状、患者の身体条件、治療される哺乳動物の種類、治療の持続期間、同時併用療法(あれば)の性質、ならびに用いられる具体的な配合物および抗体などの要因によって異なると考えられる。
【0126】
本明細書で用いる場合、「薬学的担体」とは、HAおよび/または化学療法薬を動物またはヒトに送達するための薬学的に許容される溶媒、懸濁化剤、または媒体のことである。担体は液体でも固体でもよく、計画された投与様式を念頭において選択される。
【0127】
本明細書で用いる場合、「細胞」という用語は、動物細胞、特に哺乳動物細胞(例えば、ヒト細胞、マウス細胞、またはラット細胞)を非限定的に含む。
【0128】
本発明はまた、1つまたは複数の抗癌抗体とHAの誘導体、断片、および/または塩とを含む組成物も提供する。HAの数多くの誘導体および断片が文献中に記載されており、それらは本発明の配合物および方法に含まれるものとする。また、HAを化学修飾または合成することもできる。HAを「重合体」、「ヒアルロン酸」、「ヒアルロネート」または「ヒアルロナン」と呼んでもよい。
【0129】
重合性分子であるため、HA分子はある範囲にわたるさまざまな分子量を呈しうる。したがって、HA配合物は種々に異なる分子量の分子を含みうる。ほぼあらゆる平均の分子量最頻値を有するHA配合物が本発明の方法において有効な可能性があり、本発明はHAのいかなる特定のサイズまたはサイズ範囲にも限定されない。100万〜200万ダルトンの範囲にある分子量最頻値を有するHAが特に有用であると考えられるが、本発明はそのようには限定されない。HAの有用な分子量の例には、ダルトン単位でおよそ以下のものが含まれる:







【0130】
例示的なHA誘導体は、米国特許第6,620,927号(チオール修飾されたヒアルロン酸誘導体);米国特許第6,552,184号(ヒアルロン酸およびその誘導体の架橋化合物);米国特許第6,579,978号(ヒアルロン酸およびその誘導体の硫酸化化合物);米国特許第6,831,172号(架橋されたヒアルロン酸およびそのヘミコハク酸化誘導体);米国特許第6,027,741号(硫酸化されたヒアルロン酸およびそのエステル);欧州特許第0 138 572号(HYALECTINおよびHYALASTINEのヒアルロン酸断片);米国特許第4,851,521号(種々の芳香族、脂肪族および/またはアラル脂肪族(araliphatic)アルコールとのヒアルロン酸エステル);米国特許第5,202,431号(ヒアルロン酸の部分的エステル);米国特許第5,676,964号(架橋ヒアルロン酸重合体);および欧州特許第0 265 116号(ヒアルロン酸の架橋エステル)に記載されたものである。
【0131】
ヒアルロン酸の断片および誘導体に加えて、合成誘導体、すなわち、半合成誘導体を本発明の組成物および方法に用いてもよい。HAの例示的な半合成誘導体には、「HYAFF」と命名された、脂肪族、アラル脂肪族、複素環式および脂環式系列のアルコールとのHAのエステルが含まれ、それらは米国特許第4,851,521号、同第4,965,353号、および同第5,202,431号、欧州特許第0 341 745号、および欧州特許第0 216 453号に記載されている。以上に特定した特許のそれぞれの内容は、参照により本明細書に明示的に組み入れられる。
【0132】
本発明のHAおよび抗体の組成物ならびに方法は、従来の無毒性で薬学的に許容される担体、賦形剤、補助剤、および媒体を含む投薬単位配合物にて経口的、局所的、または非経口的に投与することができる。
【0133】
本発明によって想定される組成物および方法には、錠剤、丸剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、粉剤、顆粒剤、乳剤、液剤、水性もしくは油性の懸濁剤、医薬剤、シロップ剤、エリキシル剤、または噴霧剤として提示される経口用形状が含まれる。
【0134】
経口用途のための組成物は、薬学的に洗練された風味の良い製剤を製造するために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存料の群から選択される1つまたは複数の薬剤を含むことができる。錠剤は、錠剤の製造に適した無毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合された有効成分を含む。
【0135】
これらの賦形剤は、例えば、(1)不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、乳糖、リン酸カルシウム、または硫酸ナトリウムなど;(2)粒状化剤および崩壊剤、例えばコーンスターチまたはアルギン酸など;結合剤、例えばデンプン、ゼラチン、またはアラビアゴムなど;ならびに潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクなどであってよい。これらの錠剤はコーティングされなくてもよく、または、胃腸管における崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長期間にわたる持続的作用を与えるために公知の手法によってコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延性材料を用いてもよい。また、コーティングを、制御放出のための浸透性治療用錠剤を形成するために、米国特許第4,256,108号、同第4,160,452号、および同第4,265,874号に記載された手法を用いて行うこともできる。
【0136】
加えて、本発明によって想定される方法および組成物には、クリーム剤、ローション剤、乳剤、ゲル剤、フィルム、噴霧剤、ペースト剤、または軟膏として投与される局所用形状が含まれる。
【0137】
さらに、本発明によって想定される組成物および方法には非経口的投与が含まれ、本明細書で用いる場合、これには皮下注射、エアロゾル、静脈内、筋肉内、髄腔内、頭蓋内、および胸骨内への注射、投与、および注入技法が含まれる。非経口的配合物または組成物は、液体、軟膏、坐薬、または膣坐薬の形状にあってよい。
【0138】
本発明において有用なHAならびに抗体は、インビボ用途のために、注射によって、または時間をかけた段階的灌流によって、独立にまたは一緒に、非経口的に投与することができる。投与は静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、体腔内、または経皮的であってよい。インビトロ試験のためには、薬剤を適切な生物学的に許容される緩衝液中に添加または溶解して、細胞または組織に添加するとよい。
【0139】
非経口的投与のための製剤には、無菌の水性または非水性の溶液、懸濁液、および乳濁液が含まれる。非水性溶媒の例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機酸エステルが含まれる。水性担体には、生理食塩水および緩衝媒質を含む、水、アルコール性/水性溶液、乳濁液、または懸濁液が含まれる。非経口的媒体には、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース液、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンゲル静脈内用媒体が含まれ、静脈内用媒体には、流体および栄養分の補充液、電解質補充液(リンゲルデキストロース液を基にしたものなど)などが含まれる。例えば、抗菌薬、抗酸化物質、キレート剤、増殖因子、および不活性ガスなどの、保存料およびその他の添加剤が存在してもよい。
【0140】
本発明の組成物が、1つまたは複数の化学療法薬または疼痛を軽減するための薬剤をさらに含んでもよい。
【0141】
本発明は、例えば、新生物、癌(例えば、乳房、肺、前立腺、腎臓、皮膚、神経、卵巣、子宮、肝臓、膵臓、上皮、胃、腸、外分泌腺、内分泌腺、リンパ、造血系、または頭部および頸部の組織の癌)、線維性障害などを含む、細胞増殖性障害と関連のある病態を治療するために用いられることを考えている。
【0142】
また、本発明の化合物および方法を、神経変性疾患、ホルモン不均衡などといった、癌治療と関連のある他の疾患を治療するために用いることもできる。したがって、本発明は、細胞増殖と関連のある障害、新生物、癌などを改善するための方法であって、HAおよび抗体を細胞の増殖または障害を阻害または改善するのに十分な量で用いて、障害を有する被験体を障害の部位で治療する段階を含む方法を含む。
【0143】
一般に、「治療すること」、「治療」などの用語は、本明細書において、所望の薬理学的および/または生理的な効果を得るために被験体、組織または細胞に影響を与えることを意味して用いられる。効果は、細胞増殖性障害またはその徴候もしくは症状を完全または部分的に予防するという点で予防的であってもよく、および/または、例えば異常性細胞増殖に起因する障害および/または有害作用に対する部分的または完全な治癒という点で治療的であってもよい。本明細書で用いる「治療すること」は、脊椎動物、哺乳動物、特にヒトにおける細胞増殖性障害のあらゆる治療または予防を範囲として含み、これには以下が含まれる:(a)障害に対する素因がある可能性はあるがまだそれを有するとは診断されていない被験体において障害が発生するのを予防すること;(b)障害を抑制すること、すなわち、その進展を停止させること;または(c)障害を緩和または改善すること、すなわち、障害の消退を引き起こすこと。
【0144】
本発明は、新生物、癌などを含む細胞増殖性障害を改善するために有用な、さまざまな薬学的組成物を含む。本発明の1つの態様による薬学的組成物は、HA、その類似体、誘導体、または合成もしくは化学修飾された形態、または塩、および1つまたは複数の抗体、例えば、表1に特定されたものなどの抗癌抗体、あるいはHAと1つまたは複数の抗体との組み合わせを、担体、賦形剤、および添加物または補助物を用いて被験体に対する投与のために適した形状にすることによって調製される。同じく本発明によって想定されているのは、1つまたは複数の非抗体性化学療法薬、例えばパクリタキセル、鎮痛薬、アヘン剤、ホルモンまたは抗生物質などと一緒になった、HAと1つまたは複数の抗体との組み合わせである。追加的または代替的に、配合物が疼痛緩和薬を含んでもよい。
【0145】
頻繁に用いられる「担体」または「補助物」には、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、乳糖、マンニトールおよび他の糖、タルク、乳タンパク質、ゼラチン、デンプン、ビタミン、セルロースおよびその誘導体、動物油および植物油、ポリエチレングリコール、ならびに溶媒、例えば滅菌水、アルコール、グリセロールおよび多価アルコールなどが含まれる。静脈内用媒体には、流体および栄養分の補充液が含まれる。保存料には、抗菌薬、抗酸化物質、キレート剤および不活性ガスが含まれる。その他の薬学的に許容される担体には、例えば、その内容が参照により本明細書に組み入れられるRemington's Pharmaceutical Sciences, 15th ed. Easton: Mack Publishing Co.:1405-1412,1461-1487, 1975およびThe National Formulary XIV., 14th ed. Washington: American Pharmaceutical Association, 1975に記載されたような、塩、保存料、緩衝液を含む、水溶液、無毒性の賦形剤が含まれる。薬学的組成物のさまざまな成分のpHおよび正確な濃度は、当技術分野における定型的な技能に従って調整される。Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis for Therapeutics(7th ed.)を参照のこと。
【0146】
薬学的組成物は、用量単位として調製および投与されることが好ましい。固体用量単位は錠剤、カプセル剤および坐薬である。被験体の治療のためには、化合物の活性、投与の様式、障害の性質および重症度、被験体の年齢および体重に応じて、種々に異なる一日量を用いることができる。しかし、ある種の状況では、より多いまたは少ない一日量が適切なこともある。一日量の投与は、単一の用量単位もしくはいくつかのより少量の用量単位の形での単回投与、または細分した用量の特定間隔での多回投与のいずれによって行うこともできる。
【0147】
本発明による薬学的組成物は、治療有効量として局所的または全身的に投与することができる。この用途のために有効な量は、疾患の重症度ならびに被験体の体重および全身状態に依存すると考えられる。典型的には、インビトロで用いられる投薬量が、薬学的組成物のインサイチュー投与のために有用な量の有用な手引きを与えると考えられ、特定の障害の治療のための有効投薬量を決定するために動物モデルを用いることができる。さまざまな検討事項が、例えば、Langer, Science 249:1527, 1990に記載されている。経口用途のための配合物は、有効成分が不活性の固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンなどと混合されている硬ゼラチンカプセルの形状にあってもよい。それらはまた、有効成分が水、または落花生油、流動パラフィンもしくはオリーブ油などの油性媒質と混合されている軟ゼラチンカプセルの形状にあってもよい。
【0148】
水性懸濁液は通常、水性懸濁液の製造のために適した賦形剤と混合された活性材料を含む。そのような賦形剤は以下であってよい:(1)懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムなど;(2)分散剤または湿潤剤、それは以下であってよい(a)天然に存在するホスファチド、例えばレシチン;(b)アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン;(c)エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物、例えば、ヘプタデカエチルエノキシセタノール;(d)エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなど、または(e)エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート。
【0149】
薬学的組成物が、無菌性の注射可能な水性または油脂性の懸濁液の形状にあってもよい。この懸濁液は、上述した適した分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて公知の方法に従って配合することができる。また、無菌性の注射可能な製剤が、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中にある無菌性の注射可能な溶液または懸濁液、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液であってもよい。用いうる許容される媒体および溶媒の中には、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌性の固定油が、溶媒または懸濁化媒質として従来より用いられている。この目的には、合成モノグリセリドおよびジグリセリドを含む、任意の無刺激性固定油を用いることができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸も注射剤の調製に用いられる。
【0150】
また、本発明の抗体と一緒になったHAを、小型単ラメラ小胞、大型単ラメラ小胞および多重ラメラ小胞などのリポソーム送達システムの形で投与することもできる。リポソームは、さまざまなリン脂質、例えば、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどから形成することができる。
【0151】
本発明の化合物の投薬量レベルは、限定的ではないものの、体重1kg当たり約0.5mg〜約10mgの程度であり、好ましい投薬量範囲は1日につき体重1kg当たり約5mg〜約20mg(1日につき患者1例当たり約0.3g〜約1.2g)である。単回投薬量を製造するために担体材料と組み合わせることのできる有効成分の量は、治療される宿主および具体的な投与の様式に応じて異なると考えられる。例えば、ヒトへの経口投与を意図した配合物は、約5mg〜1gの活性化合物を、組成物全体のうち約5〜95パーセントとさまざまでありうる適切かつ好都合な量の担体材料とともに含むことができる。投薬単位の形は一般に、組み合わされた有効成分または個々の有効成分の約5mg〜500mgを含むと考えられる。
【0152】
しかし、任意の特定の患者に対する具体的な投薬量レベルは、用いる具体的な化合物の活性、年齢、体重、全般的健康状態、性別、食事、投与の時間、投与の経路、排泄速度、薬物の組み合わせ、および治療が行われる特定の疾患の重症度を含む、さまざまな要因に依存することが理解されるであろう。
【0153】
加えて、本発明の化合物のいくつかは、水または一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成することができる。そのような溶媒和物は本発明の範囲に含まれる。
【0154】
本発明の配合物は、効果のある治療を提供するために、単独療法(表2の中の例を参照)または併用療法として投与することができる。これには、抗体および非抗体治療薬を含む化学療法薬の任意の化学的に適合しうる組み合わせが含まれるものとする。以下の表3は、本発明によって想定される併用療法の種類の例の非限定的な一覧を提供している。
【0155】
(表2)単独療法の配合物

【0156】
(表3)併用療法の例

* HAおよびセツキシマブ(HyERB)、HAおよびベバシズマブ(HyBEV)などを含め、例については上の表2を参照のこと。
【0157】
本発明の抗体配合物は、さまざまな標準的な化学療法治療と組み合わせることができる。そのような標準的治療には、例えば、FOLFOX(フルオロウラシル、ロイコボリン、およびオキサリプラチン)、FOLFIRI(イリノテカン、ロイコボリン、およびフルオロウラシルを含む)およびIFL(イリノテカン、フルオロウラシル、およびロイコボリンを含む)が含まれる。これらの標準的治療は当業者に周知である。
【0158】
ここで、以下の非限定的な実施例のみを参照することにより、本発明をさらに説明する。しかし、以下の実施例は例示的なものに過ぎないことが理解される必要があり、いかなる形でも上記の本発明の一般性を限定するものとみなされるべきではない。特に、本発明を癌に関連して詳細に説明しているが、本明細書中の知見は癌の治療には限定されないことが明らかに理解されるであろう。例えば、HA/抗体組成物を、病原体による感染症といった他の病状の治療のために用いることもできる。
【0159】
以下の実施例は、細胞増殖性障害の治療のために、HAの後に、またはそれと組み合わせて投与された抗体の効能を試験するために実施することができる。これらの実験に用いられる細胞株は、例えば、Manassas, VA, USAに立地するAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手可能である。
【0160】
下記の実施例は、実施しうる実験のセットのうちの1つに過ぎない。
【0161】
当業者は、任意の所与の抗体を数多くのさまざまな異なる種類の癌に対して試験しうること、および、実施例で用いられた癌細胞の具体的な種類は用いうる多数の細胞種の1つに過ぎないことを理解するであろう。
【0162】
以下の非限定的な実施例は本発明を例示したものである。本明細書中に言及されるすべての文書は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【実施例】
【0163】
実施例1
インビトロでの癌細胞に対するHAおよび抗癌抗体の効果
以下の実施例は、癌などの過剰増殖性疾患の治療のためにHAと共に配合された場合、表1に列記された抗体のうちのいずれか1つの効果を、当業者がいかにして比較しうるかを示している。
【0164】
癌細胞株は、100%v/vの空気を伴う湿度が制御されたインキュベーター内において、37℃で、10%v/vウシ胎仔血清(FCS)および抗生物質/抗真菌試薬を加えたライボビッツL-15培地を入れた175cm2培養フラスコ内で単層として増殖させて継代培養する。
【0165】
試験のためには、細胞株を、10%v/v FCSを加えた90%ライボビッツL-15培地中で増殖させる。集密化した時点で培養物をHBSS中で1回洗浄し、0.25%w/vトリプシン/0.05%w/v EDTA中でトリプシン処理する。15mLの生理食塩水+0.2mlの細胞懸濁液を添加することによって、自動細胞計数器(ZM-2 Coulter Counter)で細胞懸濁液を計数する。5,000〜50,000細胞/ml培地の間の数として、細胞を再懸濁させる。
【0166】
1ウェル当たり1mlの細胞懸濁液を添加することにより、細胞を48ウェルプレート(表面積1cm2)中にプレーティングする。
【0167】
細胞を24時間おいて付着させ、その後に培地を除去して単層を洗浄する。試験培地は、ヒアルロナンと共に配合された抗癌抗体を単独療法としてまたは標準的な化学療法薬と組み合わされて含む増殖培地を含む。
【0168】
細胞を、HA/抗体のいくつかの配合物に対して、単独療法としてまたは標準的な化学療法薬と組み合わせて、種々の時間および種々の濃度にて曝露させる。
【0169】
インキュベーション期間および増殖期間の後に、細胞単層をHBSSで洗浄してトリプシン処理する。生理食塩水+細胞懸濁液を添加することにより、自動細胞計数器で細胞懸濁液を計数する。結果は、以下の通りに算出される、薬物なしの対照に対するパーセントとして表される。

または、実験によっては、以下の通りに算出される、薬物対照に対するパーセントとして表される。

【0170】
治療効能の向上は、細胞集団の50%に対して細胞毒性作用を及ぼすHA抗体および/または化学療法薬の組み合わせの濃度(IC50)を比較することによって判定される。
【0171】
実施例2
ヒアルロナンと共に配合された抗癌抗体のインビボでの効能
実施例1におけるインビトロ薬物感受性実験の結果に基づき、癌治療のための抗癌抗体と共に配合されたヒアルロナンのインビボでの治療効能の評価を行うことが考えられる。
【0172】
細胞株を、実施例1に前述した通りに増殖させて継代培養する。マウスへの注射のためには、細胞を集密度80%まで増殖させ、トリプシン処理し、遠心処理によって2回洗浄し、計数した上で、無血清ライボビッツL-15培地中に再懸濁させる。
【0173】
6〜8週齡の無胸腺CBA/WEHIヌードマウスを、滅菌した食餌および水を自由に摂取させて、特別な無病原体条件下で管理する。各マウスに、約5×106個の細胞を50μl中に含む1回の注射を行う。腫瘍測定は、直交する3方向の直径(d1d2d3)を測定することによって毎週行う。腫瘍容積は以下の式を用いて概算される。
(1/6)π(d1d2d3)
【0174】
抗癌抗体およびHAを用いた治療は、腫瘍容積が50〜100mm3に達した時点で開始する。HAと共に配合された抗癌抗体の個々の注射物は、各マウスに対して治療有効量を送達することを目的として、個々のマウスの質量に従って調製する。
【0175】
治療適用の日に、動物個体を秤量して腫瘍容積を測定する。動物個体に尾静脈を介して注射を行う。
【0176】
実験終点は以下の場合に生じる。
1.腫瘍塊が非常に大きく、動物個体が動けなくなる;
2.動物個体が摂食または飲水を行わず、かつ劇的な体重減少を来す;または
3.腫瘍サイズが身体質量(body mass)の10%を上回る。
【0177】
実験終点の時点で、ネンブタールの腹腔内注射によって動物個体に麻酔を施し、血液を採取して、その後に動物個体を頸椎脱臼法によって屠殺する。
【0178】
マウスの屠殺を行った直後に、腫瘍、肝臓、心臓、脾臓、膀胱、左腎および右腎、子宮、肺、胃、腸、脳およびリンパ節を摘出して、ホルマリンおよび塩化セチルピリジニウム中に置く。組織学的処理を行う前に、組織を16〜24時間にわたって固定する。固定した組織を100%までのエタノールに対して段階的に脱水させ、パラフィンブロック中に包埋し、そこから切片を作製して顕微鏡用スライドガラスの上に置く。ヘマトキシリン核染色およびエオシン細胞質染色を用いた組織切片の染色により、治療毒性を示すと考えられる病的特徴があれば強調される。
【0179】
腫瘍領域からの流路にあるリンパ節を各動物個体から採取する。
【0180】
ヘマトキシリンおよびエオシンによって染色したリンパ節を検査し、各々の節を腫瘍細胞の存在に関して顕微鏡検査するようにする。CEAで免疫染色したリンパ節を顕微鏡検査し、陽性染色された節があれば計数し、リンパ節転移に関して陽性とみなす。
【0181】
腫瘍容積はキャリパー測定によって毎日または毎週モニターし、腫瘍容積を前述の通りに算出する。
【0182】
体重変化の実証のためには、以下の通りに、動物の体重を治療開始時の体重に対して標準化する。

【0183】
臓器質量に対する治療の影響
治療が臓器の萎縮または肥大を誘導しないことを確かめるために、死後に臓器を取り出して秤量する。各臓器の質量を正味の総体重に占めるパーセントとして算出し、対照群の臓器質量と比較することが考えられる。
【0184】
動物の総生存期間は、治療の開始後に動物個体が生存している時間(日数または週数)として算出される。
【0185】
実施例3
ヒト結腸癌の治療における、セツキシマブ(Erbitux)の抗腫瘍特性に対するヒアルロナンの効果の評価
単独療法か、またはイリノテカンもしくはそのヒアルロナン配合物(HyCAMP)との組み合わせのいずれかとしての、ヌードマウスにおける両結腸癌の治療における治療量のセツキシマブの効能に対するヒアルロナンの効果を評価すること。以下の効能パラメーターの具体的な検討。
・原発性腫瘍の容積
・癌転移
・以下に関する治療毒性
- 身体質量
- 臓器質量
- 生存
【0186】
試験物および対照物
試験に用いられると考えられる試験物および投薬量は以下の通りである。
・ヒアルロン酸(分子量の最頻値800〜900kD);投薬量150mg/kgまたは26.6mg/kg
・セツキシマブ(Erbitux;またはERB);投薬量0.5mg/kg
・塩酸イリノテカン(CamptosarまたはCPT-11);投薬量50mg/kg
・150mg/kgのHAおよび0.25mg/kgのセツキシマブを含むHyERB(150/0.25)
・150mg/kgのHAおよび0.5mg/kgのセツキシマブを含むHyERB(150/0.5)
・26.6mg/kgのHAおよび50mg/kgのイリノテカンを含むHyCAMP(26.6/50)
【0187】
ヒト結腸癌細胞株
ヒト結腸癌細胞株であるLIM1215結腸癌細胞株を、5%v/vウシ胎仔血清、10μg/mlウシインスリン、1mM塩酸および抗菌性/抗真菌性保存液を加えたRPMI1640培地を入れた75cm2培養フラスコ内で単層として定型的に培養した。原発性腫瘍の作製およびマウスへの注射のためには、細胞を集密度80%まで増殖させ、0.05%トリプシン/0.01%w/v EDTA溶液中でトリプシン処理し、Beckman TJ-6卓上遠心機における400gavでの10分間の遠心処理によって洗浄して、Coulter計数器を用いて計数した後に、RFMI1640培地中に2×108細胞/mlで再懸濁させた。この細胞株を選んだのは、そのCD44受容体、異種移植片モデルにおけるイリノテカン化学療法と比較しての、イリノテカンのみまたはHAと共に配合した場合(HyCAMP)に対するその反応性、および細胞増殖がTGF-a/EGF-Rオートクラインループによって制御されることが理由である。
【0188】
マウス腫瘍モデル
無胸腺CBA/WEHI雌性ヌードマウスを、滅菌した食餌および水を自由に摂取させて、特別な無病原体条件下で管理した。各マウスに対して、約1×107個の細胞を50〜100μl中に含む1回の注射を行った。細胞は、第一乳首のすぐ下の乳房脂肪体の中に26ゲージ針を用いて注射した。
【0189】
(i)生理食塩水、(ii)HA、(iii)セツキシマブ(ERB)、(iv)HAおよびセツキシマブを含む配合物(HyERB)、(v)セツキシマブ/イリノテカン、ならびに(vi)HAおよびセツキシマブ/HAおよびイリノテカン(HyERB/HyCAMP)による治療を、腫瘍容積が50〜100mm2の範囲になってから約4〜8週後に開始した。治療物は、ボーラスIVによって、第1日および第4日に合計5週間にわたって送達した。イリノテカンまたはHyCAMPの投与は7日サイクルの第1日に合計5週間にわたって行った。マウスを120日間にわたって腫瘍の再増殖に関して観察した。以下の表4は、投薬成分および各治療群の治療開始時の平均腫瘍容積を提示している。
【0190】
(表4)治療開始時の腫瘍容積

* 治療群当たり動物8個体。
【0191】
動物の管理および飼育
6〜8週齢の無胸腺CBA/WEHI雌性ヌードマウスを、滅菌した食餌および水を自由に摂取させて、特別な無病原体条件下で管理した。ストレスは化学療法に対する患者の反応における重要な要因となりうることが実験的に証明されており、このため、各ケージには等しい数のマウスを確実に割り当てるようにする。
【0192】
薬物および対照媒体の投与
マウスは6つの治療群(各群当たりn=8)のそれぞれに無作為に配分した。個々のマウスに注射ボックスを配置し、治療投与は26ゲージ針を用いて尾静脈を介して行った。各々の投与用量の精度を確保するために、注射の前および後にシリンジを分析装置;小数点第4位までの天秤を用いて秤量した。
【0193】
各群に関する投与スケジュールは以下の表5に列記されている。
【0194】
(表5)治療投与プロトコール

【0195】
セツキシマブ(Erbitux)の滅菌保存液は、最終容量50mL中に100mg(2mg/mL)を含む単一のバイアルとして購入した。GEO異種移植片モデルにおける前臨床データにより、1回の注射当たり0.25〜1mgを3日毎に合計5回投与する投薬レジメンが、腫瘍増殖の遅延に最適であることが実証されている。同じ異種移植片モデルにおいて1回の注射当たり0.25mgを週2回(第1日および第4日)ずつ5週間にわたって投与する、ならびに1回の注射当たり0.25mg、0.5mgおよび1mgを週2回(第1日および第4日)ずつ3週間にわたって投与する代替的なレジメンは、同等な抗腫瘍活性を示す。このため、これらの投薬量は、マウスが1回の注射当たり0.35mgの用量を投与されるこの試験における治療に関する基準点として選択される。
【0196】
20mg/mlのイリノテカンの滅菌保存溶液を、発熱物質を含まない注射用グレードの0.9%(w/v)NaCl中に4mg/mLに希釈し、HAと共に配合されたイリノテカンの注射物の調製に用いる。
【0197】
個々の注射物を、50mg/kgのイリノテカン(ヒトの治療量208mg/m2に等しい;MIMS1999)を送達することを目的として、個々のマウスの質量に従って調製した。10mg/mL溶液の単一のバッチを調製して、単回使用用の100mL滅菌ガラスバイアルに詰め、標準的な化学試験および微生物試験に供した。イリノテカンと共に配合されたヒアルロナン[HyCAMP(150/50)]は、150mg/kgマウス質量に等しい最終HA濃度および50mg/kgのイリノテカンとなるように、4mg/mlのイリノテカン保存液の一部分をヒアルロナン溶液と混合することによって調製した。セツキシマブと共に配合されたヒアルロナン[HyERB(150/0.5)]は、150mg/kgマウス質量に等しい最終HA濃度および0.5mg/kgのセツキシマブとなるように、2mg/mLのセツキシマブ保存液の一部分をHA溶液と混合することによって調製した。
【0198】
治療物は尾静脈を介して定量的に投与した。注射の前および後に注射シリンジを秤量し、重量を記録した。投与された量は以下の式を用いて算出した。

【0199】
身体質量、腫瘍容積および動物の健全性のモニタリング
治療の開始に続いて、動物の観察を実験終点の日を含めて毎日行い、記録した。動物個体を秤量し、腫瘍容積を測定し、さらに活力レベルおよび下痢などの消化管毒性の証拠に注目することによって動物の健全性をモニターした。体重減少は、1g×腫瘍容積(cm3)として算出される腫瘍重量を差し引くことによって概算される正味の体重を算出することによってモニターした。体重変化の実証のためには、以下の通りに、動物の体重を治療開始時の体重に対して標準化した。

【0200】
実験終点での動物個体の屠殺
実験終点の時点で、ネンブタール(60mg/ml)の0.1mlの腹腔内注射によって動物個体に麻酔を施し、血液を採取して、その後に動物個体を頸椎脱臼法によって屠殺した。
【0201】
腫瘍および身体臓器の採取および処理
マウスの屠殺を行った直後に、腫瘍、肝臓、心臓、脾臓、膀胱、左腎および右腎、子宮、肺、胃、腸、脳およびリンパ節を摘出して秤量し、10%ホルマリン緩衝液中に置いた。組織学的処理を行う前に、組織を16〜24時間にわたって固定した。固定した組織を100%までのエタノールに対して段階的に脱水させ、パラフィンブロック中に包埋し、そこから2〜4μmの切片を作製して顕微鏡用スライドガラスの上に置いた。切片をヘマトキシリン核染色およびエオシン細胞質染色を用いて染色した。臓器切片を、治療毒性を示すと考えられる特徴および腫瘍細胞の存在に関して検査した。
【0202】
データの分析
治療群および対照群のデータの比較は、パラメトリックt検定分析を用いる統計分析によって実現された。正規分布がないことからノンパラメトリック分析の実行を以下を用いて行った。
・マン-ホイットニー順位和検定
・一元配置Anova
【0203】
データ分析は6つの部門に分けた。
・腫瘍容積(原データは観察シート上に記録された測定値であると考えられる。水和値(Hydration Value)のために必要な腫瘍質量データは動物の剖検シートを典拠とした)。
・開始時腫瘍容積(治療を開始した日(すなわち第1日)の腫瘍容積(mm3)と定義される)。
・正味の体重に占めるパーセンテージとしての開始時腫瘍容積(以下の式を用いて算出した。

・実験終点での腫瘍容積は、死亡日の腫瘍容積(mm3)と定義した。死亡しているのが発見された動物個体については、最終観察時に測定した腫瘍容積を用いることとする。
・実験終点での腫瘍容積の変化率 - これは以下の式を用いて算出した。

・%TIC - これは以下の式を用いて算出した。

【0204】
腫瘍進行の分類
試験の完了後に、各治療群のマウスを、それらの腫瘍進行の程度に基づいて4つのカテゴリーのうちの1つに分類した。
【0205】
それぞれに関するカテゴリーおよび基準は以下の通りである(Maucher & von Angerer, J Cancer Res Clin Oncol. 120(8):502-4, 1994)。

【0206】
平均腫瘍容積
平均腫瘍容積は、以下の式を用いて、治療期間の各週に関して算出し、時間の関数として±SEMを付してプロットした。

【0207】
臓器質量
治療によって誘導される臓器の萎縮または肥大の可能性について調べるために、死後に臓器を取り出して秤量した。
【0208】
マウス質量および腫瘍質量を含む原データを記録し、死亡していることが発見された動物個体はデータ分析には含めなかった。
【0209】
各臓器の質量を剖検時の正味の総体重に占めるパーセントとして算出し、生理食塩水のみの対照群の臓器質量と比較した。
【0210】
身体質量
原データは記録した測定値とした。死亡していることが発見された動物個体はデータ分析に含めなかった。
【0211】
実験終点での正味の身体質量の変化率(%)
これは以下の式を用いて算出した。

【0212】
実験終点での正味の身体質量の平均変化率(%)
これは以下の式を用いて算出し、時間の関数として±SEMを付してプロットした。

【0213】
生存
動物の総生存期間は、第1日と指定された治療開始の後に動物個体が生存した日数として算出した。
【0214】
単独療法:単独療法としての、またはヒアルロナンと共に配合されたセツキシマブ
単独療法:セツキシマブおよびHyERBの有効性の比較:腫瘍容積
150mg/kgのHAと共に配合された、またはそれを伴わない0.25および0.5mg/kgのセツキシマブの実験終点。単独療法レジメンは治療の開始後120日行われた。図1AおよびBは、セツキシマブの異なる用量、それぞれ0.25および0.5mg/kgでの腫瘍容積の経時的な変化率を示している。
【0215】
セツキシマブ(0.25)およびセツキシマブ(0.5)のデータを比較した場合、腫瘍応答は用量依存的である。セツキシマブ(0.25)のHAとの配合物[HyERB(150/0.25)]は、腫瘍応答に関して有意差を示さなかったが、腫瘍増殖曲線を検討したところ、HyERB(150/0.25)がより緩徐な腫瘍増殖をもたらしたことが明らかになった。ERB(0.25)によって治療された腫瘍は、第58日時点で腫瘍容積の400%の増加に至ったが、HyERB(150/0.25)によって治療された動物個体は第90日時点で等しい腫瘍サイズに至り、すなわち32日(35%)という腫瘍増殖遅延がもたらされた。HAを伴うセツキシマブ(0.5)[HyERB(150/0.5)]を投与されたマウスはさらに大きな応答を示し、腫瘍はセツキシマブ(0.5)治療群よりも有意に小さかった。HyERB(150/0.5)療法は、ERB(0.5)治療(図1B)を上回る細胞毒性応答(すなわち、腫瘍容積の減少)を引き起こし、この応答は治療用抗体の試験でこれまでに観察されていないものであった。HyERB(150/0.5)治療群とERB(0.5)治療群との腫瘍応答の差は第15日まで統計学的に有意であった。
【0216】
したがって、これらのデータは、HAをセツキシマブと共に配合することが、治療用抗体の効能を向上させうることを実証している。
【0217】
単独療法
前臨床試験では、体重減少が多くの場合に動物の健全性および疾患進行の指標となっている。ERB(0.5)およびHyERB(150/0.5)によって治療された群が図2に示されている。これらのデータは、第15日および第22日時点でHyERB(150/0.5)治療の方がERB(0.5)よりも統計学的に高値であることを示しており、このことは、抗体をHAと共に配合した場合に疾患進行が低下する傾向があることを示している。
【0218】
単独療法:生存性に対するセツキシマブの効果
マウス生存データが図3に示されている。HyERB(150/0.5)群に関しては、腫瘍容積が1000mm3を上回ったため、1匹のマウスを第99日に人道的に屠殺した。ERB(0.5)治療群に関しては、腫瘍容積が1000mm3となったため、1匹のマウスを実験終点の前である第53日に、および1匹を第85日に人道的に屠殺した。残りのマウスは治療レジメンの完了を理由として屠殺した。疾患進行の低下に起因する生存性の向上が、HyERB群について観察された。
【0219】
併用療法:HyERB(150/0.5)/HyCAMP(26.6/50)およびERB(0.5)/CAMP(50)
併用療法:腫瘍容積に対する併用療法の有効性の比較
図4AおよびBは、セツキシマブと共に配合したHAとイリノテカンと共に配合したHA(HyERB/HyCAMP)との、およびイリノテカンと共に配合したセツキシマブ(ERB/CPT-11)との併用療法を受けたマウスに関する腫瘍容積の変化率を示している。図4Aは、治療の開始から最長で第32日(最後の注射の日)までの腫瘍容積の変化率を示している。図4Bは、実験の終点である第300日までのデータを示している。
【0220】
併用療法HyERB/HyCAMPを受けたマウスは、ERB/CAMPデータと比較した場合、有意に早い腫瘍応答を示している(図4A)。実験の終点である第300日までの期間にわたって、HyERB/HyCAMPの組み合わせの効能が非常に優れていることを図4Bに見ることができ、これは腫瘍増殖曲線に明らかに示されている。セツキシマブ/イリノテカン(ERB/CAMP)によって治療された動物個体では第135日までに腫瘍容積の平均増加率が600%となったが、一方、HyERB/HyCAMPによって治療された動物個体は、300日を経た実験終点でさえ、この程度の腫瘍増殖には至らなかった。
【0221】
腫瘍進行の分類
試験の完了後に、各治療群のマウスを、腫瘍容積データから概算されるそれらの腫瘍進行の程度に基づいて、4つのカテゴリーのうちの1つに分類した(表6)。
【0222】
第92日時点で、生理食塩水群およびHA群はどちらも、すべての腫瘍が静止性(static)(12.5%)または進行性(87.5%)と分類された。
【0223】
単独療法群であるHyERB治療とERB治療とを比較したところ、抗体セツキシマブに対するHAの添加が、第92日以降、部分寛解および完全寛解に向けての腫瘍進行の有意な推移をもたらしたことが示された。
【0224】
併用療法群であるHyERB/HyCAMPとERB/CAMPとを比較したところ、HAが存在する場合には静止性腫瘍も進行性腫瘍もみられないことが示された;すべてが完全寛解または部分寛解であった。これに対して、ERB/CAMP治療に関しては、第120日時点で腫瘍の37.5%が進行性であった。
【0225】
これらのデータは、HAが配合物中に存在すると、腫瘍進行が寛解に向かって変化することを示している。以上より、併用療法配合物に対するHAの添加は、治療の効能を有意に向上させたと結論される。
【0226】
併用療法:身体質量および疾患進行のモニタリング
体重減少の低下は、動物の利益の向上と解釈される。図5における正味の身体質量の変化率は、ERB/CAMPとの比較による、HyERB/HyCAMPの組み合わせに関する腫瘍負荷量の減少を示している。これらのデータは、併用療法配合物に対するHAの添加が疾患進行を低下させたことを示している。
【0227】
併用療法:生存性に対する効果
最も顕著なのは、ERB/CAMP群と比較した場合の、HyERB/HyCAMP配合物を投与された場合に生存している動物個体のパーセンテージである(図6)。HyERB/HyCAMP群に関しては、6匹のマウスが第300日まで生存し、1匹ずつのマウスが腫瘍容積が1000mm3を上回ったために第211日および第218日に人道的に屠殺された。ERB/CAMP群に関しては、第300日まで生存したのはマウス1匹のみであった。腫瘍容積が1000mm3を上回ったために、2匹のマウスが第134日に、1匹ずつのマウスが第141日、第169日および第281日に屠殺された。第211日および第294日には、代謝ストレス(すなわち、体重減少)を理由としてマウスを屠殺した。
【0228】
(表6)単独療法および併用療法の治療における腫瘍進行の分類

【0229】
実施例5
ヒト結腸癌の治療における、ベバシズマブ(Avastin)の抗腫瘍特性に対するヒアルロナンの効果の評価
試験の目的
単独療法か、またはイリノテカンおよび/もしくはロイコボリンおよび/もしくは5-FUとの組み合わせのいずれかとしての、ヌードマウスにおける両結腸癌の治療における治療量のベバシズマブの効能に対するヒアルロナンの効果を評価すること。以下の効能パラメーターの具体的な検討。
・原発性腫瘍の容積
・癌転移
・以下に関する治療毒性
- 身体質量
- 臓器質量
- 生存
【0230】
材料および方法
試験物および対照物
試験に用いられると考えられる試験物および投薬量は以下の通りである。
・ヒアルロン酸(分子量の最頻値800〜900kD);投薬量150mg/kg
・ベバシズマブ(Avastin;BEV);投薬量5.0mg/kg
・塩酸イリノテカン(CamptosarまたはCAMP);投薬量50mg/kg
・ロイコボリン;投薬量5mg/kg
・5-フルオロウラシル(5-FU);投薬量100mg/kg
・HyBEV(150/0.5);これらの配合物は150mg/kgのHAおよび0.5mg/kgのベバシズマブを成分として含む
【0231】
(i)生理食塩水、(ii)HA、(iii)HAをベバシズマブとともに含む配合物(HyBEV)(iv)ベバシズマブ(BEV)、(v)HyBEVおよびイリノテカン/ロイコボリン/5-FU(IFL)、または(vi)BEVおよびイリノテカン/ロイコボリン/5-FU(IFL)による治療を、腫瘍容積が50〜100mm2の範囲になってから約4〜8週後に開始した。治療物は、ボーラスIVによって、第1日および第4日に合計5週間にわたって送達した。イリノテカン/ロイコボリン/5-FU(IFL)の投与は、7日サイクルの第1日に合計5週間にわたって行った。マウスを120日間にわたって腫瘍の再増殖に関して観察した。表7は、投薬成分および各治療群の治療開始時の平均腫瘍容積を提示している。
【0232】
(表7)治療開始時の腫瘍容積

* 治療群当たり動物8個体。
# 1サイクルのIFL化学療法の後に、両方の治療選択肢における過剰な体重減少を理由として、5-FUの100mg/kgから50mg/kgへの用量減少を行ったことに注意されたい。残りの4サイクルは50mg/kgの5-FUによる。
【0233】
薬物および対照媒体の投与
マウスは6つの治療群(各群当たりn=8)のそれぞれに無作為に配分した。個々のマウスに注射ボックスを配置し、治療投与は26ゲージ針を用いて尾静脈を介して行った。各々の投与用量の精度を確保するために、注射の前および後にシリンジを分析装置;小数点第4位までの天秤を用いて秤量した。
【0234】
各群に関する投与スケジュールは表8に列記されている。
【0235】
(表8)治療投与プロトコール

* 群当たりn=8
【0236】
ベバシズマブ(Avastin)の滅菌保存液は、最終容量4mL中に100mg(25mg/mL)を含む単一のバイアルとして購入した。
【0237】
個々の注射物は、50mg/kgのイリノテカン(ヒトの治療量208mg/m2に等しい;MIMS1999)を送達することを目的として、個々のマウスの質量に従って調製した。10mg/mL溶液を乾燥保存したヒアルロナン(HA)のバッチから調製して、単回使用用の100mL滅菌ガラスバイアルに詰めた。ベバシズマブと共に配合されたヒアルロナン(HyBEV)は、150mg/kgマウス質量に等しい最終HA濃度および0.5mg/kgのベバシズマブとなるように、25mg/mLのベバシズマブ保存液の一部分をHA溶液と混合することによって調製した。
【0238】
投与されるIFL治療(すなわち、イリノテカンおよびロイコボリンおよび5-FU)のための溶液、配合物および投与は、当技術分野で公知である標準的な様式による。
【0239】
治療物は尾静脈を介して定量的に投与した。
【0240】
この試験のために用いた他のすべての材料、方法および算出に関しては、実施例4を参照されたい。これは以下を含む。
・ヒト結腸癌細胞株
・マウス腫瘍モデル
・動物の管理および飼育
・身体質量、腫瘍容積および動物の健全性のモニタリング
・実験終点での動物個体の屠殺
・腫瘍および身体臓器の採取および処理
・データの分析
・腫瘍進行の分類
・平均腫瘍容積
・臓器質量
・身体質量
・実験終点での正味の身体質量の変化率(%)
・実験終点での正味の身体質量の平均変化率(%)
・生存
【0241】
結果および結論
LIM1215異種移植片モデルにおけるベバシズマブを伴うIFL:腫瘍容積
図7は、併用療法IFL+BEVおよびIFL+HyBEVを受けたマウスに関する腫瘍容積の変化率を示している。IFLレジメンにHyBEVを含めることは、IFL+BEV治療群と比較した場合、有意に早い腫瘍応答(a:p<0.05)をもたらす。これらのデータは、抗体に対するHAの添加が効能を向上させることを示している。
【0242】
腫瘍進行の分類
実験の終点(134日)の時点で、腫瘍を、Maucher & von Angerer, 1994 前記に従って腫瘍容積データから概算されるそれらの腫瘍進行の程度に基づいて、4つのカテゴリーのうちの1つに分類した。このデータは表9に提示されている。
【0243】
(表9)IFL+生理食塩水、IFL+BEV、およびIFL+HyBEVを投与されたLIM1215結腸癌異種移植片における第4日、第15日、第32日、第46日、第71日、第92日、および134日時点での腫瘍分類

* IFL+生理食塩水(n=6);IFL+BEV(n=8);IFL+HyBEV(n=8)
# 治療の最終日
【0244】
このデータは、IFL+生理食塩水は腫瘍を第71日までは静止性に保たせるが、第134日までにはすべての腫瘍が進行性になることを示している。
【0245】
IFL+BEV群とIFL+HyBEV群との第92日時点での比較は、治療物に対するHAの添加が、部分寛解および完全寛解に向けての腫瘍進行の推移をもたらしたことを示している。HAが効能を向上させることを示している。
【0246】
胃腸毒性:身体質量のモニタリング
図8における正味の身体質量の変化率は、IFL+BEV群およびIFL+HyBEV群と比較した場合に、IFL+生理食塩水群との差が、第25日から第134日までは有意であることを示している。同じ期間に関して、IFL+HyBEVを受けているマウスの方がIFL+BEVを受けているものよりも体重増加が良好であるという傾向は観察されるものの、これらの差は有意ではない。これらの傾向は、HyBEVが動物の健全性を向上させることを示している。これらのデータは、HAが、ベバシズマブの公知の毒性である毒性を軽減することによって、胃腸管に対する効果を有することを示唆する。
【0247】
当業者は、本明細書に記載された本発明が、具体的に記載されたもの以外の変更や修正を受けうることを理解すると考えられる。本発明はこのような変更や修正のすべてを包含するものと解釈されるべきである。本発明はまた、本明細書で個別的または集合的に言及または指示された段階、特徴、組成物および化合物のすべて、ならびに前記段階または特徴の任意の2つまたはそれ以上の組み合わせの任意のものおよびすべてをも含む。
【0248】
参考文献



【特許請求の範囲】
【請求項1】
約400キロダルトン〜20,000キロダルトンの分子量の範囲にあるヒアルロナン(HA)あるいはその類似体または誘導体または合成もしくは化学修飾された形態または塩と、治療用抗体、またはその断片、誘導体、部分、キメラ、もしくは完全に脱免疫された(de-immunized)形態とを含み、ならびに任意で1つまたは複数の薬学的に許容される担体、希釈剤、および/または賦形剤を含む、配合物。
【請求項2】
ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、約400キロダルトン〜10,000キロダルトンの分子量の範囲にある、請求項1記載の配合物。
【請求項3】
ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、約400キロダルトン〜2000キロダルトンの分子量の範囲にある、請求項1記載の配合物。
【請求項4】
ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、約400キロダルトン〜1,500キロダルトンの分子量の範囲にある、請求項1記載の配合物。
【請求項5】
ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態の、分子量の範囲の最頻値(modal molecular weight range)が約860キロダルトンである、請求項1記載の配合物。
【請求項6】
ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態と抗体とが共有結合していない、請求項1〜5のいずれか一項記載の配合物。
【請求項7】
組成物のpHの範囲がpH 2.5〜10.5の間である、請求項1記載の配合物。
【請求項8】
組成物のpHの範囲がpH 5.0〜8.5の間である、請求項1記載の配合物。
【請求項9】
抗体、その断片、誘導体、部分、キメラ、または完全に脱免疫された形態が、細胞増殖性疾患の治療または予防に用いるためのものである、請求項1〜6のいずれか一項記載の配合物。
【請求項10】
抗体、その断片、誘導体、または部分が、以下からなる抗体の群より選択される、請求項1〜6のいずれか一項記載の配合物:ABX-EGF;アレムツズマブ;アポリズマブ(Apolizumab);ベバシズマブ;カンツズマブ(Cantuzumab);セツキシマブ;cG250;cmc-544;ダクリズマブ;エプラツズマブ;エルロチニブ;ゲムツズマブオゾガミシン;hA20;HCBE-11;Hun901;イブリツモマブチウキセタン;IDEC 159;インフリキシマブ;ルミリキシマブ(Lumiliximab);mAb 3F8;mAb b43.13;mAb BC8;mAb CC49-ΔCH2;mAb Ch14.18;mAb CP-675,206;mAb HeFi-1;mAb Hu3S193;mAb HuG1-M195;mAb huHMFG1;mAb J591;mAb MDX-CTLA4;mAb MiK-β-1;MDX-010;MEDI-507;MLN2704;ペルツズマブ(Pertuzumab);RAV12;リツキシマブ;SGN-30;SGN-40;トシツモマブ;トラスツズマブ(herceptin);TRM-1(TRAIL R1 Mab);およびイットリウム-イブリツモマブ。
【請求項11】
細胞増殖性疾患が、癌、新生物疾患、または組織の炎症もしくは炎症性物質の放出を伴う任意の疾患のうちのいずれか1つである、請求項9記載の配合物。
【請求項12】
細胞増殖性疾患が、腫瘍、新生物、制御不能な過剰増殖、または転移のうちの1つまたは複数をもたらす、請求項9記載の配合物。
【請求項13】
細胞増殖性疾患が、乳房、肺、前立腺、腎臓、皮膚、神経組織、卵巣、子宮、肝臓、膵臓、上皮細胞、胃組織、腸、外分泌腺、内分泌腺、リンパ系、造血系、頭部組織、および頸部組織を含む1つまたは複数の臓器または組織に存在する、請求項9記載の配合物。
【請求項14】
細胞増殖性疾患が哺乳動物に発生する、請求項9記載の配合物。
【請求項15】
抗体がセツキシマブである、請求項1〜6のいずれか一項記載の配合物。
【請求項16】
抗体がベバシズマブである、請求項1〜6のいずれか一項記載の配合物。
【請求項17】
抗体がヒト化されている、請求項1〜6のいずれか一項記載の配合物。
【請求項18】
結腸直腸癌の治療または予防に用いるための、請求項15、16、または17記載の配合物。
【請求項19】
哺乳動物が霊長類、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、およびブタの動物からなる群より選択される、請求項14記載の配合物。
【請求項20】
霊長類がヒトである、請求項19記載の配合物。
【請求項21】
組成物が経口用、局所用、または非経口用の形状にある、請求項1〜6のいずれか一項記載の配合物。
【請求項22】
経口用形状が錠剤、丸剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、粉剤、顆粒剤、乳剤、液剤、水性もしくは油性の懸濁剤、医薬剤(medicine)、シロップ剤、エリキシル剤、または噴霧剤として提示される、請求項21記載の配合物。
【請求項23】
局所用形状がクリーム剤、ローション剤、乳剤、ゲル剤、フィルム、噴霧剤、ペースト剤、または軟膏の形状で投与される、請求項21記載の配合物。
【請求項24】
非経口用形状が、液体、軟膏、坐薬、または膣坐薬の形状で、皮下注射、エアロゾル、静脈内、筋肉内、髄腔内、頭蓋内、胸骨内(intrasternal)への注射または注入技法によって投与される、請求項21記載の配合物。
【請求項25】
細胞増殖性疾患の治療に用いられる第2の薬剤または組成物と一緒になった配合物であって、第2の薬剤が化学療法薬または治療用抗体である、請求項1〜24のいずれか一項記載の配合物。
【請求項26】
抗体、その断片、誘導体、または部分の生物学的利用能が高められる、請求項1〜25のいずれか一項記載の配合物。
【請求項27】
HAが、第2の薬剤の投与の前または後に投与される、請求項25記載の配合物。
【請求項28】
HAが、第2の薬剤の投与の前に投与される、請求項25記載の配合物。
【請求項29】
HAが、第2の薬剤の投与の後に投与される、請求項25記載の配合物。
【請求項30】
HAが経口投与される、請求項21記載の配合物。
【請求項31】
HAが体重1kg当たり約0.01〜約40mgの量で投与される、請求項1〜30のいずれか一項記載の配合物。
【請求項32】
HAが体重1kg当たり約0.1〜約27mgの量で投与される、請求項1〜30のいずれか一項記載の配合物。
【請求項33】
被験体における細胞性疾患に対する治療または予防の方法であって、その必要がある被験体に対して、治療用抗体、またはその断片、誘導体、部分、キメラ、もしくは完全に脱免疫された形態と、約360ダルトン〜20,000キロダルトンの分子量の範囲にあるヒアルロナン(HA)、あるいはその類似体、誘導体、または合成もしくは化学修飾された形態、または塩とを、細胞性疾患の症状が改善される時間および条件の下で投与する段階を含む方法。
【請求項34】
ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、360ダルトン〜10,000kDaの分子量の範囲にある、請求項33記載の方法。
【請求項35】
ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、約360ダルトン〜2000キロダルトンの分子量の範囲にある、請求項33記載の方法。
【請求項36】
ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、約20キロダルトン〜1,500キロダルトンの分子量の範囲にある、請求項33記載の方法。
【請求項37】
ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態の、分子量の範囲の最頻値が約860キロダルトンである、請求項33記載の方法。
【請求項38】
ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態と抗体とが共有結合していない、請求項33〜37のいずれか一項記載の方法。
【請求項39】
組成物のpHの範囲がpH 2.5〜10.5の間である、請求項33記載の方法。
【請求項40】
抗体、その断片、誘導体、または部分が、以下からなる抗体の群より選択される、請求項33〜39のいずれか一項記載の方法:ABX-EGF;アレムツズマブ;アポリズマブ;ベバシズマブ;カンツズマブ;セツキシマブ;cG250;cmc-544;ダクリズマブ;エプラツズマブ;エルロチニブ;ゲムツズマブオゾガミシン;hA20;HCBE-11;Hun901;イブリツモマブチウキセタン;IDEC 159;インフリキシマブ;ルミリキシマブ;mAb 3F8;mAb b43.13;mAb BC8;mAb CC49-ΔCH2;mAb Ch14.18;mAb CP-675,206;mAb HeFi-1;mAb Hu3S193;mAb HuG1-M195;mAb huHMFG1;mAb J591;mAb MDX-CTLA4;mAb MiK-β-1;MDX-010;MEDI-507;MLN2704;ペルツズマブ;RAV12;リツキシマブ;SGN-30;SGN-40;トシツモマブ;トラスツズマブ(herceptin);TRM-1(TRAIL R1 Mab);およびイットリウム-イブリツモマブ。
【請求項41】
細胞増殖性疾患が、癌、新生物疾患、または組織の炎症もしくは炎症性物質の放出を伴う任意の疾患のうちのいずれか1つである、請求項33〜40のいずれか一項記載の方法。
【請求項42】
細胞増殖性疾患が、腫瘍、新生物、制御不能な過剰増殖、または転移のうちの1つまたは複数をもたらす、請求項33〜41のいずれか一項記載の方法。
【請求項43】
細胞増殖性疾患が、乳房、肺、前立腺、腎臓、皮膚、神経組織、卵巣、子宮、肝臓、膵臓、上皮細胞、胃組織、腸、外分泌腺、内分泌腺、リンパ系、造血系、頭部組織、および頸部組織を含む1つまたは複数の臓器または組織に存在する、請求項33〜42のいずれか一項記載の方法。
【請求項44】
細胞増殖性疾患が哺乳動物に発生する、請求項33〜43のいずれか一項記載の方法。
【請求項45】
抗体がセツキシマブである、請求項33〜37のいずれか一項記載の方法。
【請求項46】
抗体がベバシズマブである、請求項33〜37のいずれか一項記載の方法。
【請求項47】
結腸直腸癌の治療または予防に用いるための、請求項33〜46のいずれか一項記載の方法。
【請求項48】
哺乳動物が霊長類、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、およびブタの動物からなる群より選択される、請求項44記載の方法。
【請求項49】
霊長類がヒトである、請求項48記載の方法。
【請求項50】
投与が経口的、局所的、または非経口的である、請求項32〜49のいずれか一項記載の方法。
【請求項51】
経口投与される形状が錠剤、丸剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、粉剤、顆粒剤、乳剤、液剤、水性もしくは油性の懸濁剤、医薬剤、シロップ剤、エリキシル剤、または噴霧剤である、請求項50記載の方法。
【請求項52】
局所投与される形状がクリーム剤、ローション剤、乳剤、ゲル剤、フィルム、噴霧剤、ペースト剤、または軟膏である、請求項50記載の方法。
【請求項53】
非経口的投与が、液体、軟膏、坐薬、または膣坐薬の形状での、皮下注射、エアロゾル、静脈内、筋肉内、髄腔内、頭蓋内、胸骨内への注射または注入技法によるものである、請求項50記載の方法。
【請求項54】
ヒアルロナンあるいはその類似体または誘導体または合成もしくは修飾された形態が、抗体、その断片、誘導体、または部分の投与と同時に、逐次的に、その前に、組み合わせて、その最中に、またはその後に投与される、請求項33〜53のいずれか一項記載の方法。
【請求項55】
第2の薬剤または組成物が、細胞増殖性疾患の治療に用いられる場合に投与され、第2の薬剤が化学療法薬または治療用抗体である、請求項33〜54のいずれか一項記載の方法。
【請求項56】
第2の薬剤または組成物が、イリノテカンまたはドキソルビシンまたはフルオロウラシルまたはロイコボリンまたはオキサリプラチンまたはメトトレキサートまたはゲムシタビンと共に配合されたHAを含む、請求項55記載の方法。
【請求項57】
第2の薬剤または組成物が、以下からなる群より選択される抗体のいずれかと共に配合されたHAを含む、請求項56記載の方法:ABX-EGF;アレムツズマブ;アポリズマブ;ベバシズマブ;カンツズマブ;セツキシマブ;cG250;cmc-544;ダクリズマブ;エプラツズマブ;エルロチニブ;ゲムツズマブオゾガミシン;hA20;HCBE-11;Hun901;イブリツモマブチウキセタン;IDEC 159;インフリキシマブ;ルミリキシマブ;mAb 3F8;mAb b43.13;mAb BC8;mAb CC49-ΔCH2;mAb Ch14.18;mAb CP-675,206;mAb HeFi-1;mAb Hu3S193;mAb HuG1-M195;mAb huHMFG1;mAb J591;mAb MDX-CTLA4;mAb MiK-β-1;MDX-010;MEDI-507;MLN2704;ペルツズマブ;RAV12;リツキシマブ;SGN-30;SGN-40;トシツモマブ;トラスツズマブ(herceptin);TRM-1(TRAIL R1 Mab);およびイットリウム-イブリツモマブ。
【請求項58】
第2の薬剤または組成物が、イリノテカンまたはドキソルビシンまたはフルオロウラシルまたはロイコボリンまたはオキサリプラチンまたはメトトレキサートまたはゲムシタビンを含む、請求項55記載の方法。
【請求項59】
第2の薬剤または組成物が、以下からなる群より選択される抗体のいずれかを含む、請求項55記載の方法:ABX-EGF;アレムツズマブ;アポリズマブ;ベバシズマブ;カンツズマブ;セツキシマブ;cG250;cmc-544;ダクリズマブ;エプラツズマブ;エルロチニブ;ゲムツズマブオゾガミシン;hA20;HCBE-11;Hun901;イブリツモマブチウキセタン;IDEC 159;インフリキシマブ;ルミリキシマブ;mAb 3F8;mAb b43.13;mAb BC8;mAb CC49-ΔCH2;mAb Ch14.18;mAb CP-675,206;mAb HeFi-1;mAb Hu3S193;mAb HuG1-M195;mAb huHMFG1;mAb J591;mAb MDX-CTLA4;mAb MiK-β-1;MDX-010;MEDI-507;MLN2704;ペルツズマブ;RAV12;リツキシマブ;SGN-30;SGN-40;トシツモマブ;トラスツズマブ(herceptin);TRM-1(TRAIL R1 Mab);およびイットリウム-イブリツモマブ。
【請求項60】
第2の薬剤または組成物が、治療レジメンFOLFOX(フルオロウラシル、ロイコボリン、およびオキサリプラチン)、FOLFIRI(イリノテカン、ロイコボリン、およびフルオロウラシルを含む)およびIFL(イリノテカン、フルオロウラシル、およびロイコボリンを含む)を含む、請求項55〜59のいずれか一項記載の方法。
【請求項61】
抗体、その断片、誘導体、または部分の生物学的利用能が高められる、請求項33〜60のいずれか一項記載の方法。
【請求項62】
実施例に関連して本明細書中で実質的に定義された通りの、請求項1〜32のいずれか一項記載の配合物または請求項33〜61のいずれか一項記載の方法。
【請求項63】
約360ダルトン〜20,000キロダルトンの分子量の範囲にあるヒアルロナン(HA)あるいはその誘導体または合成もしくは化学修飾された形態または塩と組み合わせた、治療用抗体、またはその断片、誘導体、部分、キメラ、もしくは完全に脱免疫された形態の、細胞性疾患の治療または予防のための医用薬剤の製造における使用。
【請求項64】
抗体がherceptinである、請求項1〜6のいずれか一項記載の配合物。
【請求項65】
第2の薬剤または組成物が、イリノテカンまたはドキソルビシンまたはフルオロウラシルまたはロイコボリンまたはオキサリプラチンまたはメトトレキサートまたはゲムシタビンである、請求項25記載の配合物。
【請求項66】
細胞増殖性疾患の治療に用いられる第2の組成物と一緒になった配合物であって、第2の組成物が、HAあるいはその誘導体または合成もしくは化学修飾された形態または塩と、化学療法薬または治療用抗体とを含む、請求項1〜24のいずれか一項記載の配合物。
【請求項67】
第2の組成物がイリノテカンを含む、セツキシマブを含む請求項66記載の配合物。
【請求項68】
HAが抗体より前に投与される、請求項1〜25のいずれか一項記載の配合物。
【請求項69】
HAが抗体より前に投与される、HAと抗体とを含む配合物を含む疾患治療の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−82737(P2013−82737A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−4178(P2013−4178)
【出願日】平成25年1月15日(2013.1.15)
【分割の表示】特願2008−529417(P2008−529417)の分割
【原出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【出願人】(506120666)アルケミア オンコロジー ピーティーワイ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】