説明

ヒアルロニダーゼおよび免疫グロブリンの安定な共製剤およびそれらの使用方法

本発明は、液体の形で室温で少なくとも6月、冷蔵庫内温度で1〜2年の保存安定性を有する免疫グロブリンとヒアルロニダーゼの安定な共製剤を提供する。そのような共製剤は、IGで治療可能な疾患または病状の皮下投与による治療方法に用いることができる。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮下投与用に製剤化された安定な液体共製剤組成物であって、
pHが4または約4〜5または約5であり:
少なくとも10%w/vの濃度の免疫グロブリン(IG);
少なくとも50U/mLの濃度の、静脈内注射用免疫グロブリンの静脈内注入と同じかまたはそれより大きい注入速度で該組成物を単一注射部位に皮下投与するのを可能にするのに充分な量で存在する濃度の可溶性ヒアルロニダーゼ;および
少なくとも0.05Mの濃度のアルカリ金属塩化物塩を含み、
32℃以下の温度で少なくとも6月安定である、安定な液体共製剤組成物。
【請求項2】
皮下投与のために製剤された安定な液体共製剤組成物であって、
pHが4または約4〜5または約5であり:
少なくとも10%w/vの濃度の免疫グロブリン(IG);
少なくとも50U/mLの、少なくとも100単位/グラム(U/g)IGの比で存在する濃度の可溶性ヒアルロニダーゼ;および
少なくとも0.05Mの濃度のアルカリ金属塩化物塩を含み、
32℃以下の温度で少なくとも6月安定である、安定な液体共製剤組成物。
【請求項3】
さらに少なくとも0.1Mの量のアミノ酸安定化剤を含む請求項1または2記載の安定な液体共製剤。
【請求項4】
該アミノ酸安定化剤が、アラニン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、オルニチン、イソロイシン、バリン、メチオニン、グリシンおよびプロリンから選ばれる請求項3記載の安定な液体共製剤。
【請求項5】
該アミノ酸安定化剤が、グリシンまたはプロリンである請求項3または4記載の安定な液体共製剤。
【請求項6】
該アミノ酸安定化剤が、ちょうどまたは少なくとも0.1M、0.15M、0.2M、0.25M、0.3M、0.35M、0.4M、0.45M、0.5M、0.6M、0.7Mまたは0.75Mである請求項1〜5のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項7】
該アミノ酸安定化剤の量が0.25Mである請求項1〜6のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項8】
該IGが、少なくとも10%w/v、11%w/v、12%w/v、13%w/v、14%w/v、15%w/v、16%w/v、17%w/v、18%w/v、19%w/v、20%w/v、21%w/v、22%w/vまたはそれ以上である請求項1〜7のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項9】
該IGが、10%w/vまたは約10%w/v〜20%w/vまたは約20%w/vである請求項1〜8のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項10】
該IGが、ヒト血漿由来である請求項1〜9のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項11】
該IGが、ヒト血漿から、アルコール分画法を含む精製法により精製される請求項1〜10のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項12】
該IGが、さらにポリエチレングリコール(PEG)沈殿、イオン交換クロマトグラフィ、酵素的開裂、ディアフィルトレーションまたは限外濾過の1またはそれ以上によって精製される請求項1〜11のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項13】
該IGを、ペプシン含有または非含有でpH4.0でのインキュベーション、溶媒・界面活性剤処置およびナノ濾過から選ばれるウイルス減少工程にかける、請求項1〜12のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項14】
該IGが、IgG、IgAおよびIgMを含む請求項1〜13のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項15】
該IGの95%以上がIgGである請求項1〜14のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項16】
該アルカリ金属塩化物塩が、KClおよびNaClから選ばれる請求項1〜15のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項17】
該アルカリ金属塩化物塩がNaClであり、該NaClが0.025M、0.03M、0.04M、0.05M、0.08M、0.09M、0.1M、0.15M、0.2Mまたは0.25Mの濃度である請求項1〜16のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項18】
該NaClが0.15Mの濃度である請求項1〜17のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項19】
該可溶性ヒアルロニダーゼが、PH20またはその切断形である請求項1〜18のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項20】
該PH20が、ヒツジ、ウシまたは切断形ヒトPH20から選ばれる請求項1〜19のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項21】
該PH20が、切断形ヒトPH20であり、該切断形ヒトPH20が、配列番号:4〜9のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、またはそのアレル変異体または他の変異体から選ばれる、請求項1〜20のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項22】
該可溶性ヒアルロニダーゼが、rHuPH20である請求項1〜21のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項23】
該可溶性ヒアルロニダーゼの濃度が、50U/mL、100U/mL、200U/mL、300U/mL、400U/mL、500U/mLまたはそれ以上である請求項1〜22のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項24】
該可溶性ヒアルロニダーゼの濃度が、75U/mLまたは約75U/mL〜350U/mLまたは約350U/mLである請求項1〜23のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項25】
該可溶性ヒアルロニダーゼの比が、100U/g IG、150U/g IG、200U/g IG、250U/g IG、300U/g IG、400U/g IG、500U/g IG、600U/g IG、700U/g IG、800U/g IG、900U/g IG、1000U/g IG、1200U/g IG、1500U/g IG、1800U/g IG、2000U/g IG、3000U/g IG、4000U/g IGまたは5000U/g IGである請求項1〜24のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項26】
該可溶性ヒアルロニダーゼの比が、250U/g、500U/g IG、1000U/g IG、1500U/g IGまたは3000U/g IGである請求項1〜25のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項27】
pH4.4〜4.9の濃縮形の、請求項1〜26のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項28】
複数回投与用の請求項1〜27のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項29】
単回投与用の請求項1〜28のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項30】
該IGが、IGで治療可能な疾患または病状の治療のための単回投与に十分な量である、請求項1〜27および29のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項31】
該IGの量が、IGで治療可能な疾患または病状の治療のために、毎日、毎週、隔週、2〜3週間ごと、3〜4週間ごとまたは毎月一回の単回投与に十分な量である、請求項1〜27および29〜30のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項32】
該共製剤中のIGの量が、IGで治療可能な疾患または病状の治療のために静脈内投与される場合の単回投与量と実質的に同一である、請求項1〜31のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項33】
単回投与用であり、IGの量が、ちょうど、約、または少なくとも1グラム(g)、2g、3g、4g、5g、10g、20g、30g、40g、50g、60g、70g、80g、90g、100gまたは200g、またはちょうどまたは約1〜200、1〜100、10〜100、5〜50、6〜50、5〜100gである請求項1〜32のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項34】
単回投与用であり、ヒアルロニダーゼの量が、ちょうど、約、または少なくとも約500単位、1000単位、2000単位、5000単位、10,000単位、30,000単位、40,000単位、50,000単位、60,000単位、70,000単位、80,000単位、90,000単位、100,000単位またはそれ以上である、請求項1〜33のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項35】
28℃〜32℃で6月間、7月間、8月間、9月間、10月間、11月間、12月間またはそれ以上安定である請求項1〜34のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項36】
0℃〜10℃で6月間、1年間、2年間またはそれ以上安定である、請求項1〜35のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項37】
請求項1〜36のいずれかに記載の安定な液体共製剤および所望により使用説明書を含むキット。
【請求項38】
請求項1〜36のいずれかに記載の安定な液体共製剤を含む容器。
【請求項39】
チューブ、ボトルまたはバイアルである請求項38記載の容器。
【請求項40】
シリンジである請求項38記載の容器。
【請求項41】
さらに注射針を有する請求項38〜40のいずれかに記載の容器。
【請求項42】
該安定な液体共製剤が、単回投与または複数回投与で提供される請求項38〜41のいずれかに記載の容器。
【請求項43】
請求項38〜42のいずれかに記載の容器、および該組成物を注入するための手段を含むキット。
【請求項44】
対象に、請求項1〜36のいずれかに記載の安定な液体共製剤を皮下投与することを含む、IGで治療可能な疾患または病状の治療方法。
【請求項45】
該共製剤において、投与されるIGの量が、IGで治療可能な疾患または病状の治療のために静脈内投与される場合と実質的に同じである請求項44に記載の方法。
【請求項46】
該IGで治療可能な疾患または病状が、原発性免疫応答不全疾患、続発性免疫応答不全疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患および急性感染症から選ばれる請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
該IGで治療可能な疾患または病状が、原発性免疫不全疾患であり、該原発性免疫不全疾患が、分類不能原発性免疫不全疾患(CVID)、選択的IgA欠損症、IgGサブクラス欠損症、特異的抗体欠乏症、補体疾患、先天性無ガンマグロブリン血症、毛細血管拡張性運動失調症、高IgM症、ウイスコット−アルドリッチ(Wiskott−Aldrich)症候群、重症複合免疫不全(SCID)、原発性低ガンマグロブリン血症、抗体の欠損を伴う原発性免疫不全疾患、X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)および乳児の低ガンマグロブリン血症から選ばれる請求項44〜46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
該IGで治療可能な疾患または病状が、血液悪性疾患に伴う後天性免疫不全疾患であり、該血液悪性疾患が、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MM)および非ホジキンリンパ腫(NHL)から選ばれる、請求項44〜47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
該IGで治療可能な疾患または病状が、炎症性疾患または自己免疫疾患であり、該炎症性疾患または自己免疫疾患が、川崎病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー、ギランバレー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、多発性筋炎、皮膚筋炎、封入体性筋炎、ランバート−イートン(Lambert−Eaton)筋無力症候群、多病巣性運動神経疾患、重症筋無力症およびメルシュ−ボルトマン(Moersch−Woltman)症候群から選ばれる、請求項44〜48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
該IGで治療可能な疾患または病状が、急性細菌、ウイルスまたは真菌感染であり、該急性細菌、ウイルスまたは真菌感染が、B型インフルエンザ菌;AおよびB型緑膿菌;黄色ブドウ球菌;B群連鎖球菌;1、3、4、6、7、8、9、12、14、18、19および23型肺炎連鎖球菌;2および5型アデノウイルス;サイトメガロウイルス;エプスタイン−バー(Epstein−Barr)ウイルス VCA;A型肝炎ウイルス;B型肝炎ウイルス;1型単純ヘルペスウイルス;2型単純ヘルペスウイルス;A型インフルエンザ;麻疹;1、2および3型パラインフルエンザ;ポリオ;水痘帯状疱疹ウイルス;アスペルギルス;およびカンジダアルビカンスから選ばれる請求項44〜49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
該IGで治療可能な疾患または病状が、医原性免疫不全;急性播種性脳脊髄炎;ANCA−陽性全身性壊死性血管炎;自己免疫性溶血性貧血;水疱性類天疱瘡;瘢痕性類天疱瘡;エバンス症候群(免疫性血小板減少症を伴う自己免疫性溶血性貧血を含む);胎児母体同種免疫性血小板減少症/新生児同種免疫性血小板減少症(FMAIT/NAIT);血球貪食症候群;高リスク同種造血幹細胞移植;IgM パラプロテイン血症性ニューロパシー;腎臓移植;多発性硬化症;オプソクローヌスミオクローヌス運動失調;落葉状天疱瘡;尋常性天疱瘡;輸血後紫斑症;中毒性表皮壊死症/スティーブンジョンソン症候群(TEN/SJS);毒素性ショック症候群;アルツハイマー病;全身性エリテマトーデス;多発性骨髄腫;敗血症;B細胞腫瘍;無抗体性傍腫瘍性小脳変性症;および骨髄移植から選ばれる請求項44〜50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
IGで治療可能な疾患または病状を治療するための医薬を製造するための請求項1〜36のいずれかに記載の安定な液体共製剤の使用。
【請求項53】
該IGで治療可能な疾患または病状が、原発性免疫不全疾患、続発性免疫不全疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患および急性感染症から選ばれる請求項52に記載の使用。
【請求項54】
IGで治療可能な疾患または病状の治療に使用するための、請求項1〜36のいずれかに記載の安定な液体共製剤。
【請求項55】
該IGで治療可能な疾患または病状が、原発性免疫不全疾患、続発性免疫不全全疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患および急性感染症から選ばれる請求項54の安定な液体共製剤。

【公表番号】特表2013−505237(P2013−505237A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529751(P2012−529751)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/002545
【国際公開番号】WO2011/034604
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(301043225)バクスター・ヘルスケア・ソシエテ・アノニム (9)
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】