説明

ヒアルロニダーゼ活性阻害剤

【課題】
ヒアルロニダーゼ阻害活性を有する成分を見出し、これを用いたヒアルロニダーゼに起因する皮膚疾患に対して有効な皮膚外用剤を提供すること。
【解決手段】
グミ科ヒッポファエ(Hippophae)属植物に属する植物の抽出物を有効成分とする、ヒアルロニダーゼに起因する皮膚疾患、例えば、炎症に対して有効な皮膚外用剤を提供することにより、上記の課題を解決し得ることを見出した。
グミ科ヒッポファエ(Hippophae)属植物に属する植物の抽出物にさらに保湿剤、柔軟剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、血行促進剤、美白剤から選ばれる一種または二種以上を配合することによって有効な製剤が得られた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全性に優れたヒアルロニダーゼ活性阻害剤を提供し、ヒアルロニダーゼ活性による炎症の予防・改善等に効果的な皮膚外用剤を提供すること。
【背景技術】
【0002】
古来より ヒッポファエ属ラムノイデス(Hippophae rhamnoides L.)の果実は和漢薬においては沙棘と呼ばれ、健胃作用、打撲の治療薬、呼吸困難の治療薬や消化不良を治療するとされていた。
【0003】
ヒッポファエ属の植物の皮膚外用剤への研究は多くなされている。例えば、特許文献1においては使用感の改善を沙棘の種子油を用いており、特許文献2では沙棘の抽出物を用いた美白剤が提供され、また、特許文献1では美白化粧料および保湿化粧料が提供されているが、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用のある皮膚外用剤または炎症に関する皮膚外用剤に関してはいまだ提供されていない。
【特許文献1】特開昭63−145210号公報
【特許文献2】特開2001−322941公報
【特許文献3】特開2004−123563公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決すべき課題は、ヒアルロニダーゼ阻害活性を有する成分を見出し、これを用いた細菌性ヒアルロニダーゼに起因する皮膚疾患に対して有効な皮膚外用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の課題の解決に向けて、安全性が高く、かつ、ヒアルロニダーゼ阻害効果に優れた成分を得るべく、種々の物質について、広くヒアルロニダーゼ阻害活性について検討した。その結果、グミ科ヒッポファエ(Hippophae)属に属する植物の抽出物に、優れたヒアルロニダーゼ阻害活性があることを見いだし、この知見に基づき、本発明を提供するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、グミ科ヒッポファエ(Hippophae)属に属する植物の抽出物を有効成分とする、ヒアルロニダーゼに起因する炎症に対して有効な皮膚外用剤を提供する発明である。
【0007】
本発明皮膚外用剤の有効成分グミ科ヒッポファエ(Hippophae)属に属する植物の1つヒッポファエ ラムノイデス(Hippophae rhamnoides L.)は、果実は、古来より和漢薬においては沙棘と呼ばれ、健胃作用、打撲の治療薬、呼吸困難の治療薬や消化不良を治療するとされていた。
【0008】
本発明者が知る限りにおいて、上記の植物抽出物のヒアルロニダーゼ阻害作用に関する報告はこれまでになく、また細菌性ヒアルロニダーゼに起因する皮膚疾患に有効な皮膚外用剤としての応用も知られていない。
【0009】
なお、本発明において、皮膚外用剤は、広く外皮(頭皮を含む)に適用することが可能な剤を意味するものであり、化粧料、医薬品、医薬部外品等の薬事法上の分類には全く拘束されるものではない。
【0010】
また、本発明において、ヒアルロニダーゼ阻害剤とは、上述したように、外皮における主に細菌に起因するヒアルロニダーゼの活性を阻害して、このヒアルロニダーゼにより惹起される炎症を防止・改善し得る皮膚外用剤を意味するものである。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の調製に用いるグミ科ヒッポファエ属の植物としては、例えばラムノイデス(Hippophae rhamnoides L.)、サリシフォリア(Hippophae salisifolia L.)、チベターナ(Hippophae thibetana L.)、ネウロコルパ(Hippophae neurocorpa L.)などが挙げられる。
これらグミ科ヒッポファエ属植物の抽出物を調製する場合、該植物の抽出対象部位には特に限定はなく、例えば葉、樹皮、幹、地上部など適宜の部分を用いることができるが、なかでも葉が最も好ましい。抽出方法としては、それらの抽出対象部位を必要ならば予め水洗、乾燥、細切もしくは粉砕した上、浸漬法、向流抽出法など常法に従って抽出溶媒と接触せしめることによって行うことができる。
【0012】
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、トリオクタン酸グリセリルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。
【0013】
このようにして得られる抽出物の配合量は、他の成分との具体的な組合せや剤形等によって適宜選択されるべきものであり、特に限定されるものではないが、好ましくは、概ね、剤全量中乾燥物として0.0001〜20.0重量%、特に好ましくは同0.001〜10.0重量%である。この配合量が剤全量中乾燥物として0.0001重量%未満であると、十分なヒアルロニダーゼ阻害効果が発揮されず好ましくなく、逆に、同20.0%を超えて配合すると、着色や匂いが著しくなる傾向が強くなり、製剤上好ましくない。また、剤全量中乾燥物として10.0重量%を超えて配合しても、その配合量に見合ったヒアルロニダーゼ阻害効果を得ることが困難になる傾向が認められる。
【0014】
このようにして、グミ科ヒッポファエ属を有効成分として配合することにより、主に、皮膚に存在するヒアルロニダーゼ活性を阻害し、炎症等に有効な皮膚外用剤が提供される。
【0015】
本発明皮膚外用剤の具体的な態様本発明皮膚外用剤を実際に用いるに際しては、必須成分である本植物抽出物以外に、通常、皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、乳化剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、金属封鎖剤、色材、水性成分、水、各種の皮膚栄養剤や薬剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0016】
本発明皮膚外用剤は、例えば軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、浴用剤等、従来から皮膚外用剤として用いられているいずれの形で適用することが可能であり、剤型も特に限定されない。
【0017】
上述したように、本発明皮膚外用剤は、優れたヒアルロニダーゼの阻害作用を有し、この酵素阻害作用を総合的に発揮する皮膚外用剤として用いることができるが、特定の作用に着目した用途の皮膚外用剤とすることも可能である。
【0018】
まず、本抽出物のヒアルロニダーゼの阻害効果に着目して、本発明皮膚外用剤をヒアルロニダーゼ阻害剤として用いることができる。本発明ヒアルロニダーゼ阻害剤は、さらに具体的な用途として、代表的には、炎症改善する抗炎症用皮膚外用剤として用いることができる。
【0019】
本発明ヒアルロニダーゼ阻害剤を、抗炎症剤として用いる場合にも、グミ科ヒッポファエ属に加えて、上記の一般成分を配合することが可能であるが、特に、公知の抗炎症に対して改善効果を有する成分を配合することにより、一層の抗炎症効果を発揮させることができる。
【0020】
具体的には、抗炎症剤としては、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等、β−グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、3−サクシニルオキシグリチルレチン酸二ナトリウム等のグリチルリチン酸、若しくはグリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、メフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、アラントイン、グアイアズレン、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパンテノール及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ε−アミノカプロン酸、ジクロフェナクナトリウム、トラネキサム酸等が挙げられる
【0021】
さらにはグミ科ヒッポファエ(Hippophae)属植物に属する植物の抽出物と保湿剤、柔軟剤、細胞賦活剤、抗酸化剤、血行促進剤、美白剤から選ばれる一種または二種以上を配合することによって有効な皮膚外用剤を得られることも本発明者らの実験で判明した。
保湿剤、柔軟剤、細胞賦活剤、抗酸化剤、血行促進剤、美白剤を以下に例示する。
【0022】
保湿剤は、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸等のムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ケラチン等のタンパク質またはそれらの誘導体、加水分解物並びにそれらの塩、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルチニン、シトルリン、テアニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、あるいはピロリドンカルボン酸等のアミノ酸誘導体またはその塩、ソルビトール、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、トレハロース、イノシトール、グルコース、マンニトール、ペンタエリスリトール、果糖、蔗糖およびそのエステル、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ、黒砂糖抽出物等の多価アルコール又は糖類、ムチン、パンテノール及びその誘導体並びにそれらの塩、尿素、リン脂質、糖脂質、セラミド等が挙げられる。
【0023】
柔軟剤は、サフラワーオイル、オリーブ油、マカデミアナッツ油等の油脂類、スクワラン、スクワレン、ワセリン流動パラフィン等の炭化水素類、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン等のロウ類、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸、エタノール、セタノールステアリルアルコール、コレステロール、フィトステロール等のアルコール類、バチルアルコール、セラキルアルコール等のアルキルグリセリルエーテル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ステアリン酸コレステリル等のエステル類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルシリコーン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコン類、パーフルオロポリエーテルのフッ素油及びその誘導体が挙げられる。
【0024】
さらに、細胞賦活剤は、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸等のアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、サイクリックAMP、サイクリックGMP、フラビンアデニンヌクレオチド、グアニン、アデニン、シトシン、チミン、キサンチン及びそれらの誘導体であるカフェイン、テオフィリン並びにそれらの塩から選ばれる核酸関連物質;ブタ、ウシ等の胎盤抽出物、幼牛血液抽出液、血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、トリ等の卵成分、鶏冠抽出物、魚肉抽出物、イカスミ等軟体動物抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ヘモグロビン又はその分解物、ラクトフェリン又はその分解物等、哺乳類、鳥類、魚類、軟体動物類、甲殻類、貝類、昆虫類等の動物由来の抽出物;酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、醗酵代謝産物等の微生物由来の抽出物、バイオサフラン抽出物;α−及びγ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びそれらの誘導体、エストラジオール、エテニルエストラジオール等のホルモン類、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩等が挙げられる。
【0025】
抗酸化剤としては、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール及びその誘導体、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナール、カロチン、リコピン、アスタキサンチン等のカロチノイド、ビタミンA類;チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート等のピリドキシン類、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等のビタミンB類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等のビタミンD類; dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、 コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロール及びその誘導体、ユビキノン類等のビタミンE類、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール、フェルラ酸とカフェー酸およびそれらの誘導体並びにそれら塩等が挙げられる。
【0026】
血行促進剤としては、ノニル酸ワレニルアミド、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、α−ボルネオール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等が挙げられる。
【0027】
美白剤としては アスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩(一般的にビタミンCと呼ばれているもの)、 N,N'−ジアセチルシスチンジメチル等のシステイン及びその誘導体並びにその塩、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン、胎盤抽出物、アルブチン等のハイドロキノン及びその誘導体、レゾルシン及びその誘導体、フェルラ酸とカフェー酸およびそれらの誘導体並びにそれら塩、グルタチオン等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を組み合わせて用いても良い。このうち、アスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩としては、L−アスコルビン酸及びL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル等の誘導体等であり、これらの塩であるナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等でも良い。更に具体的には、パルミチン酸L−アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、イソパルミチン酸L−アスコルビル、ジイソパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビル、ステアリン酸L−アスコルビル、ジステアリン酸L−アスコルビル、イソステアリン酸L−アスコルビル、ジイソステアリン酸L−アスコルビル、ミリスチン酸L−アスコルビル、ジミリスチン酸L−アスコルビル、イソミリスチン酸L−アスコルビル、ジイソミリスチン酸L−アスコルビル、オレイン酸L−アスコルビル、ジオレイン酸L−アスコルビル、2−エチルヘキサン酸L−アスコルビル、L−アスコルビン酸グルコシド、L−アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルカリウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルカルシウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルアルミニウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルカルシウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルアルミニウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カリウム、L−アスコルビン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸アルミニウム等、抽出物では、蝉退抽出物、プラセンタ抽出物、カンゾウ抽出物、カミツレ抽出物、カロチノイド類を含有する動植物抽出物、アスパラガス抽出物、エンドウ豆抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、オノニス抽出物、海藻抽出物、キイチゴ抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、コーヒー抽出物、コメヌカ抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、糖蜜抽出物、トマト抽出物、ビャクレン抽出物、ブナの芽抽出物、ブドウ抽出物、フローデマニータ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨクイニン抽出物、グァバ抽出物、愛玉子抽出物及び羅漢果抽出物等が挙げられる。
【0028】
以上の保湿剤、柔軟剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、血行促進剤、美白剤を適時配合する。これらを複数配合すると、効果がより高まる。この中でも特に、ヒアルロン酸或いはその塩、酵母抽出物、グリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩体、γ−オリザノール、アスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩を1種以上をグミ科ヒッポファエ属植物の抽出物と組み合わせると良好な結果が得られた。
【0029】
上記以外の皮膚外用剤に用いることができる原料を以下に記載するがこれに限定されることなく、必要に応じて配合すればよい。
【0030】
油剤としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、天然系油であるか、合成油であるか、或いは、固体、半固体、液体であるか等の性状は問わず、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル油、シリコーン油類、フッ素系油類等、いずれの油剤も使用することができる。例えば、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のラノリン誘導体、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油、アセトグリセライド、トリイソオクタン酸グリセライド、トリイソステアリン酸グリセライド、トリイソパルミチン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリミリスチン酸グリセライド等のグリセライド油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーンレジン等のシリコーン油、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤が挙げられる。
【0031】
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤があるが、アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等;カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等;非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等;両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。その他界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩、ベタイン、四級アンモニウム塩、ポリオキシエチレン基などの親水基を有するフッ素系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤、サーファクチン、リポペプチド等のポリペプチド誘導体界面活性剤、サポニン、レシチン等の天然界面活性剤が挙げられる。
【0032】
金属セッケンとしては、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
【0033】
増粘剤としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムチン、デルマタン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸から選ばれるムコ多糖類及びその塩、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等が挙げられる。また、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。
【0034】
粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状、等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば、無機粉体としては、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、モンモリロナイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、ラウロイルリジン等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体で、これらの粉体を複合化したり、油剤やシリコーン、又はフッ素化合物で表面処理を行なった粉体でも良い。
【0035】
アルコール類としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、マルトース、キシリトール、キシロース、トレハロース、イノシトール、グルコース、マンニトール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等がある。
【0036】
紫外線防御剤としては、パラメトキシケイ皮酸―2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジパラメトキシケイ皮酸―モノ―2−エチルヘキサン酸グリセリル、メトキシケイ皮酸オクチル、ジイソプロピルケイ皮酸メチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、2,4―ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'―ジヒドロキシ−4,4'―ジメトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'―テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n―オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸ブチル、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸アミル等の安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸アミル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸イソプロピルベンジル、サリチル酸カリウム等のサリチル酸系紫外線吸収剤、4−t―ブチル−4'―メトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−メトキシジベンゾイルメタン、4−t−ブチル−4'―ヒドロキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、メンチル−O―アミノベンゾエート、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−(2'―ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メンチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0037】
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
【0038】
PH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等が挙げられる。
【0039】
動物由来及び微生物由来の抽出物としては、例えば、ブタ、ウシ等の血液抽出液、血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、トリの卵成分、鶏冠抽出物、魚肉抽出物、イカスミ、キチン、キトサン、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ヘモグロビン又はその分解物、牛乳、カゼイン及びその誘導体又はそれらの分解物、ラクトフェリン又はその分解物、コラーゲン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、エラスチン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ケラチン及びその誘導体又はそれらの分解物等、哺乳類、鳥類、魚類、軟体動物類、甲殻類、貝類、昆虫類等の動物由来抽出物;酵母代謝物、醗酵代謝産物、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物等の微生物由来の抽出物が挙げられる。
【0040】
ビタミン類としては、リノレン酸及びその誘導体等のビタミンF類;フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、メナジオール等のビタミンK類;エリオシトリン、ヘスペリジン等のビタミンP類;その他、ビオチン、カルチニン、フェルラ酸等が挙げられる。
【0041】
アミノ酸類としては、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルチニン、シトルリン、テアニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、あるいはピロリドンカルボン酸等のアミノ酸誘導体またはその誘導体等が挙げられる。核酸関連物質としては、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸から選ばれるアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、サイクリックAMP、サイクリックGMP、フラビンアデニンヌクレオチド、グアニン、アデニン、シトシン、チミン、キサンチン及びそれらの誘導体であるカフェイン、テオフィリン並びにそれらの塩、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。酵素としては、リパーゼ、パパイン、ペプシン等が挙げられる。
【0042】
皮膚収斂剤としては、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛等の金属塩、タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸等が挙げられ、抗脂漏剤としては、イオウ、チアントロール等が挙げられる。
【0043】
活性酸素除去剤としては、スーパーオキシドディスムターゼ、マンニトール、ヒスチジン、トリプトファン、ビリルビン、クエルセチン、クエルシトリン、カテキン、カテキン誘導体、ルチン及びその誘導体、没食子酸及びその誘導体、フェルラ酸とカフェー酸およびそれらの誘導体並びにそれら塩等が挙げられる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の技術的範囲を限定することを意図するものではない。また、配合量は、重量%で表す。
実施例1
ヒッポファエ属植物の乾燥した葉を粉砕し、10重量倍量の50容量%エタノール水溶液で室温下24時間浸漬した後、濾過により残渣を取り除き、実施例1とした。
【0045】
実施例2
ヒッポファエ属植物の乾燥した茎および葉を粉砕し、10重量倍量の精製水で沸騰水浴上で2時間加熱した後、濾過により残渣を取り除き、実施例2とした。
【0046】
実施例3
ヒッポファエ属植物の乾燥した葉を粉砕し、10重量倍量の50容量%エタノール水溶液で室温下1週間浸漬した後、濾過により残渣を取り除き、実施例3とした。
【0047】
実施例4
ヒッポファエ属植物の乾燥した茎および葉を粉砕し、10重量倍量の50容量%エタノール水溶液で室温下1週間浸漬した後、残渣をろ過し、実施例4とした。
【0048】
以下に種々の剤型の本発明皮膚外用剤の処方例を実施処方例として示す。
【0049】
実施処方例1 クリーム
(1)スクワラン 10.00(重量%)(2)ステアリン酸 2.00(3)水素添加パーム核油 0.50(4)水素添加大豆リン脂質 0.10(5)セタノール 3.60(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.00(7)グリセリン 10.00(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10(9)1重量%カルボキシビニルポリマー水溶液 15.00(10)10重量%L−アルギニン水溶液 1.00(11)実施例1 5.00(12)精製水 残部製法:(1)〜(6)の油相成分を加熱溶解し、80℃とする。一方(7)〜(9)及び(12)を加熱溶解し、80℃とする。これに前記油相を攪拌しながら加えたあと、(10)を加えて、ホモジナイザーにより均一に乳化する。30℃まで冷却した後、(11)を添加し混合、均一化する。
【0050】
実施処方例2 ローション
(1)オリーブ油 0.50(2)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.00(3)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 2.00(4)エタノール 10.00(5)実施例2 0.50(6)1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.00 (7)精製水 残部
製法:(1)〜(3)の油相成分を加熱溶解し、60℃とする。(4)〜(7)を徐々に油相成分に加えた。
【0051】
実施処方例3 クリーム
(1)スクワラン 10.00(重量%)(2)ステアリン酸 2.00(3)水素添加パーム核油 0.50(4)水素添加大豆リン脂質 0.10(5)セタノール 3.60(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.00(7)グリセリン 10.00(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10(9)1重量%カルボキシビニルポリマー水溶液 15.00(10)10重量%L−アルギニン水溶液 1.00(11)実施例3 5.00(12)精製水 残部製法:(1)〜(6)の油相成分を加熱溶解し、80℃とする。一方(7)〜(9)及び(12)を加熱溶解し、80℃とする。これに前記油相を攪拌しながら加えたあと、(10)を加えて、ホモジナイザーにより均一に乳化する。30℃まで冷却した後、(11)を添加し混合、均一化する。
【0052】
実施処方例4 クリーム
(1)スクワラン 10.00(重量%)(2)ステアリン酸 2.00(3)水素添加パーム核油 0.50(4)水素添加大豆リン脂質 0.10(5)セタノール 3.60(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.00(7)グリセリン 10.00(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10(9)1重量%カルボキシビニルポリマー水溶液 15.00(10)10重量%L−アルギニン水溶液 1.00(11)実施例4 5.00(12)精製水 残部製法:(1)〜(6)の油相成分を加熱溶解し、80℃とする。一方(7)〜(9)及び(12)を加熱溶解し、80℃とする。これに前記油相を攪拌しながら加えたあと、(10)を加えて、ホモジナイザーにより均一に乳化する。30℃まで冷却した後、(11)を添加し混合、均一化する。
【0053】
上記の実施例、実施処方例の有効性を確認するため、以下の実験を行った。
【0054】
A.ヒアルロニダーゼ阻害活性評価試験
(試験方法)0.4%ヒアルロン酸ナトリウム0.1M(pH6.0)リン酸緩衝溶液を6mlはかりとり、37℃の恒温水槽で5分間放置後、前記製造例(凍結乾燥品)の0.1wt/v%水溶液1.0mlを加え撹拌し0.01%ヒアルロニダーゼ(シグマ社製牛睾丸製、タイプI−S)0.1M(pH6.0)リン酸緩衝溶液を1ml加えて直ちに撹拌し、6mlを37℃の恒温水槽に入れたオストワルド粘度計に入れた。これを1分後、5分後、10分後、20分後、40分後に粘度を測定した。対照として、上記試料液のかわりに精製水を加え同様に測定した。
この試験では試料の終濃度は0.0125%となる。1分後の粘度を100として、結果を指数で表1〜2に示す。
【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
B.使用試験
無作為に抽出した年齢18〜50歳の女性を被験者として20名ずつ4つのグループに分け、それぞれのグループに実施処方例にて作成したクリーム(またはローション)と対照のクリーム(またはローション)を、それぞれ左右の頬部に、本発明例又は対照のクリームを1日2回(朝、晩)、1ヵ月間塗布してもらった後、小じわ及び肌のはり、艶に対する改善効果を、以下の評価基準に基づき最も多い評価を結果とし表3に示した。
なお、対照は実施処方例より実施例を精製水に置き換え他は実施処方例と同一に作成したものである。
【0058】
評価基準
A:明らかに改善された
B:かなり改善された
C:僅かに改善された
D:変わらない
【0059】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
グミ科ヒッポファエ(Hippophae)属植物に属する植物の抽出物を配合することを特徴とするヒアルロニダーゼ活性阻害剤
【請求項2】
グミ科ヒッポファエ(Hippophae)属植物に属する植物の抽出物を配合することを特徴とする抗炎症用皮膚外用剤
【請求項3】
グミ科ヒッポファエ(Hippophae)属植物に属する植物が、ヒッポファエ ラムノイデス(Hippophae rhamnoides L.)である請求項1または2のヒアルロニダーゼ活性阻害剤または抗炎症用皮膚外用剤
【請求項4】
ヒッポファエ属植物に属する植物の抽出物が葉または/および茎から抽出されたものである請求項1〜4のヒアルロニダーゼ活性阻害剤または抗炎症用皮膚外用剤
【請求項5】
グミ科ヒッポファエ(Hippophae)属植物に属する植物の抽出物と、保湿剤、柔軟剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、血行促進剤、美白剤から選ばれる一種または二種以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤

【公開番号】特開2007−161646(P2007−161646A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−360377(P2005−360377)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(000166959)御木本製薬株式会社 (66)
【Fターム(参考)】