説明

ヒアルロン酸のメチルエステル

本発明はヒアルロン酸のメチルエステルを作製する方法に関し、当該方法は、以下のステップ、(a)メタノール中で酸型のヒアルロン酸を含んでなる懸濁物を提供すること、(b)前記懸濁物にトリメチルシリルジアゾメタンの有機溶液を添加すると共に、混合し、ヒアルロン酸のメチルエステルを作製すること、及び(c)ヒアルロン酸メチルエステルを回収すること、を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒアルロン酸(HA)のメチルエステルを作製するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロン酸(HA)は、天然物で、直鎖状の炭水化物ポリマーであり、非硫化グリコサミノグリカンの類に属する。分子量(MW)は最大で6MDaで、ベータ−1,3−N−アセチルグルコサミン及びベータ−1,4−グルクロン酸が反復する二糖単位からなる。HAは、硝子軟骨、滑膜関節液、及び皮膚組織の真皮及び表皮の双方に存在する。HAは天然組織、例えば脊椎動物の結合組織、ヒト臍帯及び鶏冠から抽出してもよい。ただし、今日では感染因子が伝潜する潜在的な危険性を最小化するため、及び産物の均一性、品質及び利用可能性を向上させるために、微生物法により調製することが好まれる(米国特許第6,951,743号、国際公開第03/0175902号)。
【0003】
身体におけるHAの多様な機能が確認されている。それは、多数の組織、例えば皮膚、腱、筋肉及び軟骨の細胞の機械的支持として、生物体において重要な機能を発揮する。HAは、組織の湿潤化、及び潤滑化等の重要な生物プロセスに関与する。また多様な生理的機能、例えば接着、発達、細胞運動、ガン、新脈管形成、及び創傷治癒等において役割があると推測される。HA独特の物理的及び生物的特性(例えば粘弾性、生態適合性、及び生分解性)により、HAは、化粧品、眼科学、リウマチ学、薬物及び遺伝子送達、創傷治癒及び再生医療における、現在の及び開発中の広範な応用において使用される。これらの応用のいくつかにおけるHAの使用には制限があり、それはHAが室温、すなわち約20℃ですら水に可溶性であり、体内においてはヒアルロニダーゼによって急速に分解され、生体材料への加工が困難であるという事実による。従ってHAの物理的及び機械的特性並びにそのインビボ(in vivo)での耐久時間を増強させるために、HAの化学修飾が導入されてきた。
【0004】
ヒト臍帯からの抽出により得られた高分子量のヒアルロン酸のメチルエステルについて、文献に報告がある(Jeanloz and Forcheilli, 1950, J. Biol. Chem. 186: 495-511 ; and Jager and Winkler, 1979, J. Bacteriology 1065-1067)。このエステルは、エーテル溶液中の遊離ヒアルロン酸を、ジアゾメタンで処理することにより得られ、実質的に全てのカルボキシル基がエステル化された。二糖単位が約5〜15であるHAオリゴマーのメチルエステルも報告されている(Christener, Brown, and Dziewiatkowski, 1977, Biochem. J. 167: 711-716)。ヒドロキシルアルコール基の一部が、メチルアルコールでエーテル化されたヒアルロン酸のメチルエステルも報告されている(Jeanloz, 1952, J. Biol. Chem. 194: 141-150; and Jeanloz, 1952, Helvetica Chimica Acta 35: 262-271)。
【0005】
皮膚水和の研究によると、ヒアルロン酸のメチルエステルの皮膚水和能は、天然ヒアルロン酸のものと比較して向上することが明らかになった(米国特許第4,851,521号)。
ヒアルロン酸とその誘導体の比較のために、いくつかの実験が、della Valle及びRomeoによって行われた(米国特許第4,851,521号)。これらによると、ヒアルロン酸メチルエステルの水和能は天然化合物と比較して良好であることが確認された。
【0006】
ヒアルロン酸のエステルの調製のためのプロセスは、della Valle及びRomeo(欧州特許第216453 B1号)により報告されており、ここでHAは、有機溶媒に可溶化させるため最初に2つのステップで第4級アンモニウム塩に変換され、その後脂肪族、脂環族(aralihatic)、芳香族、環状及びヘテロ環状系のアルコール誘導体と反応させる。これにより、HAカルボキシル基で完全又は部分的にエステル化された化合物になる。
【0007】
欧州特許第1 401 876 B1号によれば、Mariotti及び共同研究者等は、新規なHA誘導体を報告しており、これは、アルコールにより、ヒドロキシル基が部分的に又は全体的にエステル化され、カルボキシル基が全体的又は部分的のいずれかでエステル化されているか、又はその塩形態である。
Ferliniは、国際公開第2005/092929 A1号において、置換度が低いヒアルロン酸のブチルエステルの調製及び使用について開示している。HAの四級アンモニウム塩を、ヒドロキシル基の部分的なエステル化を導くアシル化剤と反応させる。
Toidaは、アルキル−エステル化グリコサミノグリカンを作製するための方法を報告している(米国特許出願番号2006/0172967 A1)。この方法は、ジメチルスルホキシド及びメタノール中でヒアルロン酸とトリアルキルシリルジアゾアルカンを反応させるステップを含む。アルキル−エステル化は、カルボキシル基で行われ、部分的であっても全体的であってもよい。
【0008】
皮膚の水和とその栄養状態は、皮膚組織のヒアルロン酸成分と密接に関係している。実際、HAの外的塗布が、皮膚組織の水和の状態に大きく寄与していることが立証された。また、本発明のHAのエステル化誘導体においては、これらのヒアルロン酸の具体的な特性が、さらにより高度に解明されたので、これらを化粧品の分野に広く拡大して使用してもよい。
ヒアルロン酸のエステルは、本来はカルボン酸のエステル化のための既知の方法で調製してもよく、例えば、触媒基質、例えば無機強酸又は酸型のイオン交換体の存在下、所望のアルコールで、又は無機塩基又は有機塩基の存在下、所望のアルコール残基を誘導できるエーテル化剤で、遊離ヒアルロン酸を処理してもよい。エーテル化剤としては、文献において既知のものを使用でき、例えば種々の無機又は有機スルホン酸のエステル、水素酸、つまりハロゲン化ヒドロカルビル、ヨウ化メチル又はエチル、又は中性硫酸塩又はヒドロカルビル酸、アルファイト(alfite)、炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩又は硫化ヒドロカルビル、安息香酸メチル又はp−トルエンスルホン酸メチル、又はクロロスルホン酸メチル又はエチルがある。反応は、適切な溶媒中、例えばアルコールであって、好ましくはカルボキシル基に導入されるアルキル基に対応するアルコール中で行うことができる。ただし、反応は非極性溶媒中でも行うことができ、例えばケトン、エーテル、例えばジオキサン、又は非プロトン溶媒、例えばジメチルスルホキシドを用いてもよい。塩基としては、例えばアルカリ又はアルカリ土類金属の水和物、又はマグネシウムもしくは銀の酸化物又は塩基性塩又はこれらの金属の塩、例えば炭酸塩、及び有機性塩基の塩、三級窒化塩基、例えばピリジン又はコリジン等を使用できる。塩基性の場において、塩基型のイオン交換体を使用することもできる。
【0009】
ヒアルロン酸のメチルエステルは、別の方法により都合よく調製してもよく、一般的にカルボキシル基での酸性多糖のカルボン酸エステルの調製に適用できる。この方法は、好ましくは非プロトン性有機溶媒中において、エーテル化剤でカルボキシル基を含む酸性多糖の四級アンモニウム塩を処理することに基づく。出発物質の酸性多糖としては、ヒアルロンを別とすれば、例えば動物又は植物由来の他の酸性多糖及び合成により修飾した同一物の誘導体、例えば酸ヘミセルロースであって、特定の植物のアルカリ抽出からキシランの抽出後に得られる、その二糖の構成要素がD−グルクロン酸とD−キシロピラノースからなるもの(「The Carbohydrates」 by W. Pigman, pages 668-669-R. L. Whistler, W. M. Corbettを参照のこと)、ペクチン及び同一物から得られる酸性多糖、つまりガラクツロナン(galacturonan)、植物性ゴム(滲出液)から得られる酸性多糖、例えばアラビアゴム、トラガント、及び最後に海草由来の酸性多糖、例えば寒天及びカラゲナンを使用することができる。出発物質としては、上記記載の多糖の全ての分解により得られる分子断片も当然使用できる。
【0010】
既知のエステル化方法は、多くの場合、上記記載の溶媒の1つに、例えばジメチルスルホキシドに、上記記載のアンモニウム塩のエステル化剤を徐々に添加することにより行う。アルキル化剤としては、上記記載のもの、特にヒドロカルビルハロゲン、例えばアルキルハロゲンを使用できる。出発物質の四級アンモニウム塩としては、低級アンモニウムテトラアルキレートを、好ましくは1〜6の炭素原子であるアルキル基と共に使用することが好ましい。ほとんどの場合、テトラブチルアンモニウムのヒアルロン酸塩が使用される。これらの四級アンモニウム塩を、酸性多糖の金属塩、好ましくは上記記載の1つ、特にナトリウム又はカリウム塩を、塩化スルホン樹脂を有する水溶液中で、四級アンモニウム塩基と反応させることにより調製することができる。
【0011】
最近の報告によれば、カルボキシル基が完全にエステル化されている低分子量ヒアルロン酸のメチルエステルを、トリメチルシリルジアゾメタンを使用して調製した(TMSD, Hirano, Sakai, Ishikawa, Avci, Linhardt and Toshihiko Toida, 2005, Carbohydrate Research 340: 2297)。メチルエステルは、最初にヒアルロン酸のナトリウム塩をその酸型に変換することにより調製した。プロセスにおいて、ヒアルロナンを水に溶解させ、Dowex 50×8カチオン交換カラムにアプライし、酸性画分を捕集し、その後凍結乾燥させた。調製したヒアルロナン(H+)をDMSO−メタノール(20:1)混合物に溶解させた。使用したヒアルロナンは、使用した濃度でDMSO中に溶解させるため、低分子量(平均モル質量20,000 Da)であった。トリメチルシリルジアゾメタンを反応混合物に添加した。反応を50分間、室温で行った。得られた反応混合物に、酢酸を添加し、TMSDを除去した。さらに、無水酢酸ナトリウムで飽和させたエタノールで、0℃で1時間処理した。反応混合物を遠心分離し、沈殿物を水に溶解させ、その後酢酸を添加し、勢いよく混合し1000gで遠心分離した。遠心分離後に得られた水相を水に対して透析し、凍結乾燥した。得られた産物は、ヒアルロナンのメチルエステルとしての特性を示した。Hirano及び共同研究者等により開発された方法は低分子量HAに応用されたが、使用される濃度で、DMSO中にそれを溶解させるためでしかない。さらに、これはメチルエステルに到達するための多数の煩雑なステップ、並びにDMSO等の毒性溶媒の使用を必要とする。ヒアルロン酸のメチルエステルは、ヒアルロニダーゼ及びメチルエステラーゼ等の酵素に対してより安定である。これに加え、新規な化合物の水和特性は、天然ヒアルロン酸よりも比較的良好である(Hirano, Sakai, Ishikawa, Avci, Linhardt and Toshihiko Toida, 2005, Carbohydrate Research 340: 2297)。
【0012】
従って、当業界には単純で手軽なプロセスを使用するヒアルロン酸のメチルエステルを調製する必要性がある。当該方法は、低分子量と高分子量双方のHAに適用可能であるべきである。ただし、文献で既知の方法は、複雑すぎ、及び/又は、最終化合物を獲得するために一連のステップを含むものである。
【0013】
既に議論した通り、ジアゾメタン(CH22)は、メチル化反応のための周知の試薬である(Black, 1983, Aldrichimica Acta 16: 3)が、これは毒性が高く、熱的に不安的で、かつ爆発性がある。ジアゾメタンの使用には以下の主要な欠点がある。(a)ジアゾメタンの調製にはかなりの時間を浪費し、かつ煩雑である。(b)ジアゾメタンの調製のために使用される前駆体は強力な変異原であり、EUにおいては発ガン物質に分類されている。(c)ジアゾメタンそれ自身も、発ガン性であり、かつ爆発性であり、操作が複雑である。ジアゾメタンの使用時は、エステル化度の制御は実質的に不可能であり、試薬の揮発性が非常に高いために、反応したジアゾメタンのグラム分子量(mole)の測定が困難であり再現性が低い。現実的な困難性から、これまで部分エステルはジアゾメタンを使用して調製することはなかった。テトラブチルアンモニウム塩を使用し、さらにハロ化合物での処理する方法は、多数の複雑なプロセスと毒性化学物質の使用を含むことになる。
【0014】
ジアゾメタンの欠点は、CH22の1つの水素を、トリメチルシリル基で置換することにより克服できる。得られた安全で安定なトリメチルシリルジアゾメタン(TMSD)は、当初主に分析目的で使用された(Hashimoto, Aoyama and Shioiri, 1981 , Chem. Pharm. Bull. 29: 1475)。TMSDの大スケール調製のための方法を開発する過程で、この物質が次第に合成的応用に使用されるようになった(Shioiri and Aoyama, 1993, Adv. Use Synthons Org. Chem. 1: 51)。TMSDは、C−Siのpπ−dπ共鳴により、熱的に安定な化合物である。これはジアゾメタンの便利な代替物であり、1の炭素ホモロゲーション(homologation)において、例えばArndt-Eistert反応(Aoyama and Shirori, 1980, Tetrahedron Letters, 21 : 4619)、カルボニル化合物のホモロゲーション(Aoyama and Shirori, 1980, Tetrahedron Letters, 21 : 4619; Hashimoto, Aoyama and Shirori, 1981, Heterocycles 15: 975)及びカルボン酸、フェノール及びアルコールのO−メチル化において、多数のジアゾメタン反応、例えばメチルエステルを作製するカルボン酸との反応を示す。Aoyama及び共同研究者等は、既にジアゾメタンが優勢であった多様な反応において、これを使用することに成功した。TMSD化学は、Shiori及びAoyamaにより概説されている(Shiori and Aoyama, 1993, in: Dondoni, A. (Ed.), Advances in the Use of Synthons in Organic Chemistry 1 : 51-101)。TMSDとの反応により生成されたメチルエステル基の炭素は、ジアゾ基を有する炭素由来である。それにもかかわらず、メタノールの存在はメチルエステルへの変換をもたらすために必要である。これは安全であり、かつ市販の試薬である。
【0015】
Lappert及びLorberthは、1967年に初めてTMSDの調製について報告した(Lappert and Lorberth, 1967, Chem. Commun. 16: 836)が、そこからTMSDの調製のための複数の合成手法が報告されてきた。これらの方法の中では、最も実際的で、かつ高収率で大スケール調製が可能なため、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)と塩化トリメチルシリルメチルマグネシウムのジアゾ−転移反応(Shioiri, Aoyama and Mori, 1993, Org. Synth. Coll. 8: 612)が最適である。DPPAは市販されている。ただし、Shioiri及びYamada (Shioiri and Yamada, 1984, Org. Synth. 62: 187)の報告による合成の修正法で前駆体を調製してもよい。TMSDの大スケール合成は、非常に大規模な精製の後に、Et2Oからn−ヘキサンへの溶媒系の変化させることを特徴とする(Shioiri, Aoyama and Mori, 1993, Org. Synth. CoR. 8: 612)。Presser及びHufnerは、元のEt2O溶液も反応性であり、数ヶ月間分解せずに保存可能であることから、n−ヘキサンへの移行は不要であることを明らかにした(Presser and Hufner, 2004, Monatshefte fur Chemie 135: 1015)。TMSDは、市販品であり、メタノールと適合することから、最も魅力的な試薬である。TMSDでのメチル化は、ジアゾメタンと比較してより簡単に標準化される。すなわちより再現性の高い結果をもたらす。
【0016】
Hirano等による最近の方法によれば、メチルエステルはDMSO中で低分子量ヒアルロン酸の可溶化により調製し、その後TMSDでの処理を行った。得られた化合物は、煩雑な沈降法及び抽出法により単離した。
HAのメチルエステル化及び続く精製のための既知の方法は、さらに時間を浪費し複雑である。
当業界において、HAのメチルエステルの調製及び精製のための単純なプロセスの必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のプロセスは、使用する非エステル化試薬の高い反応性のために、非常に迅速である。単純で迅速なプロセスを使用するため、エステル化は6時間で達成できる。本発明のプロセスにおいて副産物はほとんどなく、生じた場合でも以前に報告されたプロトコルと比較して容易に除去される。
【0018】
第一の態様によれば、本発明はヒアルロン酸のメチルエステルを作製する方法に関し、当該方法は、以下のステップ、
(a)メタノール中で酸型のヒアルロン酸を含んでなる懸濁物を提供すること、
(b)前記懸濁物にトリメチルシリルジアゾメタンの有機溶液を添加すると共に、混合し、ヒアルロン酸のメチルエステルを作製すること、及び
(c)ヒアルロン酸メチルエステルを回収すること、
を含んでなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明によるエステル化ヒアルロン酸の分子構造を示す。
【図2】図2は、HAのナトリウム塩の構造式を示す。
【図3】図3は、トリメチルシリルジアゾメタン又はTMSDの構造を示す。
【図4】図4は、メタノール含有溶液中でのカルボン酸とTMSDの反応スキームを示し、この結果優れた収率で対応するメチルエステルを得る。
【図5】図5は、本発明による、メタノール含有溶液中でTMSDとHAの反応スキームを示す。
【図6】図6は、本発明によるメチルエステル化HAの構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、ヒアルロン酸のメチルエステルを作製するプロセスに関し、以下のステップ、
(a)メタノール中で酸型のヒアルロン酸を含んでなる懸濁物を提供すること、
(b)前記懸濁物にトリメチルシリルジアゾメタンの有機溶液を添加すると共に、混合し、ヒアルロン酸のメチルエステルを作製すること、及び
(c)ヒアルロン酸メチルエステルを回収すること、
を含んでなる。
【0021】
本発明の方法において、HAは異なる応用のための幅広い特性を有する制御可能なメチルエステル化ができる。これらには、(i)局所的化粧品処方、(ii)化粧品的、生物医学的及び医薬的な応用のための、マイクロ及びナノ粒子、マイクロ及びナノカプセル、高分子ミセル等の高度送達系、(iii)様々な形態(包帯、フィルム、繊維等)での創傷治癒及び再生医療の足場材料及び広範におよぶ他の生物医学的応用がある。
メチルエステル化HAはまた、例えば技術的、生物医学的及び医薬的な応用について、その乳化特性を向上させるために、他の生体高分子との組み合わせで適用できる。
【0022】
「ヒアルロン酸」又は「HA」なる語は、本明細書で、細胞表面において、脊椎動物の塩基性細胞外物質において、関節の滑液において、目の延髄内(endobulbar)液において、ヒト臍帯組織において及び鶏冠において自然に発生する、交互にベータ−1,4−とベータ1,3のグリコシド結合により共に連結された、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)及びグルクロン酸(GlcUA)の二糖単位の反復からなる非硫化グルコサミンと定義される。ヒアルロン酸は、ヒアルロナン、ヒアルロネート、又はHAとしても知られている。ヒアルロナン及びヒアルロン酸なる語は、本明細書において同じ意味で用いられる。
【0023】
本明細書において「ヒアルロン酸」なる語は、様々な分子量のN−アセチル−D−グルコサミン及びD−グルクロン酸の多糖及びその分解断片からなる群を包含するものと解する。
本発明は、反応のために随時調製する、テトラブチル誘導体を使用する冗長なプロセスの使用又は毒性のジアゾメタンの使用を避ける、HAのメチルエステルの調製のための単純なプロセスについて報告する。本発明が解決する問題は、非常に単純で手軽なプロセスで、いかにヒアルロン酸のメチルエステルを制御可能に調製するか、である。
【0024】
本発明で使用されるHAは、任意に利用可能なHAであってよく、例えば天然組織からのHA誘導体、例えば脊椎動物の結合組織、ヒト臍帯及び鶏冠由来のものがある。具体的な実施態様によれば、ヒアルロン酸又はその塩は、好ましくはグラム陽性細菌又は細胞宿主により、より好ましくはバチルス属の細菌により産生された組み換え体である。別の実施態様によれば、HAは連鎖球菌から入手する。
【0025】
宿主細胞は、ヒアルロン酸の組み換え体産生に適する、任意のバチルス細胞でもよい。バチルス宿主細胞は、野生型のバチルス細胞又はその変異体でもよい。本発明の実施において有用なバチルス細胞は、限定するものではないが、バチルスアガラデーエン(Bacillus agaraderhen)、バチルスアルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチルスアミロリクエファシエン(Bacillus amyloliquefacien)、バチルスブレビス(Bacillus brevis)、バチルスサークランス(Bacillus circulans)、バチルスクラウジイ(Bacillus clausii)、バチルスコーグランス(Bacillus coagulans)、バチルスファームス(Bacillus firmus)、バチルスロートス(Bacillus lautus)、バチルスレンタス(Bacillus lentus)、バチルスリケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルスメガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルスプミルス(Bacillus pumilus)、バチルスステアロセルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルスサブチリス(Bacillus subtiiis)、及びバチルスサーリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)細胞がある。特に組み換え体発現に適合する変異体バチルスサブチリス細胞は、国際公開第98/22598号に報告されている。非封入バチルス細胞は、本発明において特に有用である。
【0026】
好ましい実施態様によれば、バチルス宿主細胞は、バチルスアミロリクエファシエン、バチルスクラウジイ、バチルスレンタス、バチルスリケニフォルミス、バチルスステアロセルモフィルス又はバチルスサブチリス細胞である。より好ましい実施態様によれば、バチルス細胞は、バチルスアミロリクエファシエン細胞である。別のより好ましい実施態様によれば、バチルス細胞は、バチルスクラウジイ細胞である。別のより好ましい実施態様によれば、バチルス細胞は、バチルスレンタス細胞である。別のより好ましい実施態様によれば、バチルス細胞は、バチルスリケニフォルミス細胞である。別のより好ましい実施態様によれば、バチルス細胞はバチルスサブチリス細胞である、別の最も好ましい実施態様によれば、バチルス宿主細胞は、バチルスサブチリスA164Δ5(米国特許第5,891,701号を参照)又はバチルスサブチリス168Δ4である。
【0027】
ヒアルロン酸の平均分子量は、当業界における標準方法、例えば、Ueno等、1988, Chem. Pharm. Bull. 36: 4971-4975; Wyatt, 1993, Anal. Chim. Acta 272: 1-40、及びWyatt Technologies, 1999, "Light Scattering University DAWN Course Manual" and "DAWN EOS Manual" Wyatt Technology Corporation, Santa Barbara, Californiaに記載の方法を用いて決定できる。
【0028】
好ましい実施態様によれば、本発明のヒアルロン酸又はその塩は、平均分子量が約500〜10,000,000 Daであり、好ましくは約10,000〜1,500,000 Daである。別のより好ましい実施態様によれば、ヒアルロン酸又はその塩は、平均分子量が約10,000〜50,000 Daの間である。別のより好ましい実施態様によれば、ヒアルロン酸又はその塩は、平均分子量が50,000〜500,000 Daの間であり、好ましくは約80,000〜300,000 Daの間である。さらに別のより好ましい実施態様によれば、ヒアルロン酸又はその塩は、平均分子量が約500,000〜1,500,000 Daの間であり、又は好ましくは約750,000〜1,000,000 Daの間である。
【0029】
本発明のプロセスにおいて、使用されるトリメチルシリルジアゾメタンは、任意の利用可能なトリメチルシリルジアゾメタン、TMSDでよく、そのTMSDの構造を図3に示す。TMSDは、Arndt-Eistert合成及びカルボニル化合物のホモロゲーションにおける、高毒性及び爆発性のジアゾメタンに対して、安定かつ安全な物質である。それは、メタノール含有溶液中でカルボン酸と円滑に反応し、対応するメチルエステルを高収率で提供する。それは市販されており、ジアゾメタンより安全に使用される。TMSDは、緑がかった黄色液体であり、炭水化物溶液中で安定である(Dietmar Seyferth et al., 1972, Journal of Organometallic Chemistry 44: 279)。TMSDのカルボン酸との反応は、ジアゾメタンのカルボン酸とのものとは非常に異なる反応メカニズムにより引き起こされる。所望のメチルエステルを収率良く得るためには、反応にはメタノールの存在が必要である(図4)。
【0030】
得られたメチルエステルにおけるプロトンの1つは、ジアゾメタン誘導体由来であり、1つはメタノール由来であり、残りはカルボン酸から供与された酸性プロトンである。
本発明の方法によれば、図5に示した反応により、HAをTMSDと反応させる。
【0031】
本発明の具体的な実施態様によれば、a)の水溶液は、ヒアルロナンのナトリウム塩をその酸型に変換することにより調製する。プロセスにおいて、ヒアルロナンを水中に溶解させ、カチオン交換カラムにアプライし、酸性画分(HA H+)を捕集し、その後凍結乾燥させる。
【0032】
本発明の別の具体的な実施態様によれば、酸型のヒアルロン酸をプロトン性又は非プロトン性溶媒に懸濁させる。選択した溶媒は、好ましくは低沸点混合液体である。低沸点混合液体はジエチルエーテル、メタノール、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等からなる群から選択してもよい。本発明のより具体的な実施態様によれば、反応溶媒は、好ましくは反応の際の構成成分の1つとしてメタノールを有してもよい。
【0033】
発明の好ましい実施態様によれば、TMSDは、ジエチルエーテル又はヘキサンを含むトリメチルシリルジアゾメタンの有機溶液中で提供される。本発明の具体的な実施態様によれば、反応温度は、反応混合物においてHAを懸濁後におよそ0℃〜5℃低下し、TMSDの蒸発を回避するため反応中は0℃〜25℃の間に保つ。本発明のより具体的な実施態様によれば、反応温度を反応中0℃及び5℃に保つ。第一の態様の好ましい実施態様によれば、有機溶液の添加前、メタノール中に酸型のヒアルロン酸を含む懸濁物は、−20℃〜20℃の範囲、好ましくは−10℃〜10℃の範囲、より好ましくは−5℃〜5℃の範囲及び最も好ましくは0℃〜5℃の範囲の温度である。
【0034】
反応を達成するため、エステル化剤を反応混合物に添加する。エステル化剤を完全に添加した後、液体反応混合物を、全反応を確実にするため攪拌する。好ましい実施態様は、第一の態様の方法に関し、ここでトリメチルシリルジアゾメタンの有機溶液は、懸濁物を攪拌した状態で懸濁物に添加する。
【0035】
別の好ましい実施態様は、混合が攪拌により行われる、第一の態様の方法に関する。好ましくは、混合は少なくとも5分、好ましくは少なくとも10分、20分、30分、40分、50分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、又は最も好ましくは少なくとも12時間継続する。
【0036】
別の実施態様によれば、混合は、−20℃〜20℃の範囲、好ましくは−10℃〜10℃の範囲、より好ましくは−5℃〜5℃の範囲、及び最も好ましくは0℃〜5℃の範囲の温度で行う。
【0037】
本発明の好ましい実施態様は、第一の態様の方法に関し、ここでヒアルロン酸とトリメチルシリルジアゾメタンのモル比は、1:0.01〜1:100の範囲、好ましくは1:0.05〜1:50の範囲、最も好ましくは1:0.1〜1:10の範囲である。混合物におけるHA−TMSDのモル比は、最も好ましくは1:0.5〜1:4の間である。好ましい実施態様によれば、メタノール含有溶媒中の100 mgのHA(0.25 mmol)を、125マイクロリットルのTMSD(ジエチルエーテル中の2M溶液、0.25 mmol)により、およそ1:1の比率で処理すると、HAの〜50%がエステル化する。より好ましい実施態様によれば、0.125 mmolのHAを500マイクロリットルのTMSDにより、およそ1:4の比率で処理すると、HAの100%がエステル化する。
【0038】
反応終了後、エステル化HA産物を単離し、好ましくはヒアルロン酸メチルエステルを濾過により回収する。好ましくは、得られたヒアルロン酸メチルエステルを含んでなる個体濾物を、少なくとも1回、1又は複数の有機溶媒の少なくとも1容量で洗浄し、好ましくは少なくとも2回、好ましくはメタノール及び/又はジエチルエーテルで洗浄する。より好ましくは、洗浄したヒアルロン酸メチルエステルを含んでなる固形濾物を乾燥、透析及び凍結乾燥させる。
【0039】
誘導化産物の精製のために、遠心分離し、例えばエタノール、メタノール及びアセトン等の溶媒で洗浄する。産物を、実質的に純粋なメチル化HA産物を提供するために透析してもよい。
【0040】
エステル化HAは、例えば凍結乾燥により、又は噴霧乾燥により、乾燥粉末として製剤化してもよい。
具体的な実施態様によれば、本発明は図6に示した構造を有するメチルエステルHAを開示する。
【0041】
メチルエステル化HA産物は、プロトンNMRにより特性決定可能である。エステル化度又は置換度(DS,%)は、ヒアルロン酸のN−アセチルプロトン(−NHCOCH3、3H、2.0 ppm)に対するメチルエステルプロトン3.84 ppm (3H)の積算値から決定される。
【0042】
明細書中に記載及び請求した本発明は、開示した詳細な実施態様又は実施例は、主に本発明の例示として意図しているので、それによって範囲を制限されない。任意の同等の態様は本発明の範囲内である。実際には、明細書に示され、記載されたものに加えて、当業者は、明細書の記載及び実施例から、本発明の多様な変形例がわかるだろう。これらの変形例も、添付の請求の範囲内に含めることが意図される。
【実施例1】
【0043】
中程度の分子量であるヒアルロン酸(750,000〜1,000,000 Da)を、カチオン交換樹脂(Dowex 50 WX8-200)に通すことによりH+型に変換した。これを凍結乾燥機で凍結乾燥させた。
得られた産物(50 mg, 0.125 mmol)を、室温(20℃)でメタノール(10 mL)中に懸濁させた。その後反応混合物の温度を0℃まで低下させた。上記反応混合物に、新たに調製したジアゾメタンのエーテル溶液を添加した(10 mL)。反応を攪拌しながら低温(0〜5℃)で行った。ヒアルロン酸のジアゾメタンに対するモル比は、1:8であった。4時間後、反応混合物を濾過した。これをメタノール(3×50 mL)及びジエチルエーテル(3×50 mL)で洗浄した。得られた固体を真空下で乾燥させた。これを脱イオン水に溶解させ、凍結乾燥した。産物の収率は>90%(47 mg)であった。得られた産物の置換度は1.0であった。
【実施例2】
【0044】
中程度の分子量であるヒアルロン酸(750,000〜1,000,000 ダルトン)を、カチオン交換樹脂(Dowex 50 WX8-200)に通すことによりH+型に変換した。これを凍結乾燥機で凍結乾燥させた。
得られた産物(100 mg, 0.25 mmol)を、室温(20℃)でメタノール(10 mL)中に懸濁させた。その後反応混合物の温度を0℃まで低下させた。上記反応混合物に、トリメチルシリルジアゾメタンのエーテル溶液を添加した(125マイクロリットル、0.25 mmol)。反応を攪拌しながら低温(0〜5℃)で行った。ヒアルロン酸のTMSDに対するモル比は、1:1であった。6時間後、反応混合物を濾過した。これを有機溶媒、すなわちメタノール及びジエチルエーテル(各3×50 mL)で洗浄した。得られた固体を乾燥させた。これを透析し、凍結乾燥した。産物の収率は>90%(93 mg)であった。得られたDSは〜0.5であった。
【実施例3】
【0045】
中程度の分子量であるヒアルロン酸(750,000〜1,000,000 ダルトン)を、0.6 NエタノールHClでの処理によりH+型に変換した。これを凍結乾燥機で凍結乾燥させた。
得られた産物(100 mg, 0.25 mmol)を、メタノール(10 mL)中に懸濁させた。その後反応混合物の温度を0℃まで低下させた。上記反応混合物に、TMSDのエーテル溶液の一部を添加した(125マイクロリットル、0.25 mmol)。反応を攪拌しながら低温(0〜5℃)で行った。ヒアルロン酸のTMSDに対するモル比は、1:1であった。6時間後、反応混合物を濾過した。これを有機溶媒、すなわちメタノール及びジエチルエーテルで洗浄した。得られた固体を乾燥させた。これを透析し、凍結乾燥した。産物の収率は>90%(94 mg)であった。得られたDSは〜0.5であった。
上記プロセスを用いて、種々のエステル化割合での異なるメチルエステル化ヒアルロン酸誘導体を、TMSDのモル量を変えて処理することにより得た。エステル化%を、2.02(3H、−NHCOCH3)及び3.84(ヒアルロネートのメチルエステルのプロトン)でのシグナルを比較することにより計算した。修飾された産物の収率は>90%である。
【実施例4】
【0046】
エステル化ヒアルロン酸の最終的な官能性と純度を決定するために、1H NMR(Varian-300)を使用した(D2O中で)。分析溶媒として22Oを使用し、この4.79 ppmでの22Oのピークを基準線として用いた。メチルエステル化ヒアルロン酸のプロトン−NMRは、3.84 ppmに鋭いピークを示した。修飾度は、ヒアルロン酸のN−アセチルプロトン(−NHCOCH3、3H、2.0 ppm)に対するメチルエステルの相対積算値から決定した。前記の通り、HA−TMSDモル比を変化させる(1:0.5〜1:4)ことにより異なるエステル化度のメチルエステルを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒアルロン酸のメチルエステルを作製する方法であって、当該方法は、以下のステップ、
(a)メタノール中で酸型のヒアルロン酸を含んでなる懸濁物を提供すること、
(b)前記懸濁物にトリメチルシリルジアゾメタンの有機溶液を添加すると共に、混合し、ヒアルロン酸のメチルエステルを作製すること、及び
(c)ヒアルロン酸メチルエステルを回収すること、
を含んでなる、方法。
【請求項2】
前記ヒアルロン酸の平均分子量が、500〜10,000,000 Daの間であり、好ましくは10,000〜1,500,000 Daの間の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヒアルロン酸の平均分子量が、10,000〜50,000 Daの間である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ヒアルロン酸の平均分子量が、50,000〜500,000 Daの間であり、好ましくは80,000〜300,000 Daの間である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ヒアルロン酸の平均分子量が500,000〜1,500,000 Daの間であり、好ましくは750,000〜1,000,000 Daの間である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記トリメチルシリルジアゾメタンの有機溶液が、ジエチルエーテル又はヘキサンを含んでなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記混合物中における、ヒアルロン酸とトリメチルシリルジアゾメタンのモル比が、1:0.01〜1:100の範囲、好ましくは1:0.05〜1:50の範囲、最も好ましくは1:0.1〜1:10の範囲である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
メタノール中における酸型のヒアルロン酸を含んでなる前記懸濁物の、有機溶液の添加前の温度が−20℃〜20℃の範囲、好ましくは−10℃〜10℃の範囲、より好ましくは−5℃〜5℃の範囲、最も好ましくは0℃〜5℃の範囲である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記トリメチルシリルジアゾメタンの有機溶液を、懸濁物を攪拌した状態で懸濁物に添加する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記混合を攪拌により行う、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記混合を、少なくとも5分、好ましくは少なくとも10分、20分、30分、40分、50分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、又は最も好ましくは少なくとも12時間継続する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記混合を、−20℃〜20℃の範囲、好ましくは−10℃〜10℃の範囲、より好ましくは−5℃〜5℃の範囲、及び最も好ましくは0℃〜5℃の範囲の温度で行う、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒアルロン酸メチルエステルを濾過により回収する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
ヒアルロン酸メチルエステルを含んでなる固形濾物を、少なくとも1回、1又は複数の有機溶媒の少なくとも1容量で洗浄し、好ましくは少なくとも2回、好ましくはメタノール及び/又はジエチルエーテルで洗浄する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ヒアルロン酸メチルエステルを含んでなる洗浄固形濾物を乾燥、透析及び凍結乾燥させる、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−516867(P2010−516867A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547388(P2009−547388)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/051743
【国際公開番号】WO2008/091915
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(509198343)ノボザイムス バイオファーマ デーコー アクティーゼルスカブ (11)
【Fターム(参考)】