説明

ヒスタミン遊離抑制剤並びにこれを含有する化粧品及び食品

【構成】 ジャンボサ・ブルガリス、ピペル・アドゥンカム、アナカルディウム・オクシデンタレ、スミラックス・ジャペカンガ、ヒメナエア・コウルバリルなどの植物の抽出物を有効成分とするヒスタミン遊離抑制剤並びにこれを含有する化粧品及び食品。
【効果】 上記のヒスタミン遊離抑制剤は抗炎症作用および抗アレルギー作用を有する医薬として有用である。また、この化粧品は、アレルギー症状や炎症による皮膚のかゆみ、痛みなどを改善するとともに皮膚に保湿性を付与することができる。更に、この食品は、日常的に摂取することにより、風邪に伴う炎症やのどのはれ、花粉症、せきなどを予防・改善することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物抽出物を有効成分とするヒスタミン遊離抑制剤に関し、更に詳細には、抗炎症剤または抗アレルギー剤として、あるいは風邪に伴う炎症やのどのはれ、花粉症、せきなどの予防・改善、皮膚のかゆみ、痛みなどを改善するとともに皮膚への保湿性の付与を目的として化粧品または食品に配合されるヒスタミン遊離抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】炎症やアレルギーの発症にはヒスタミンが関与していることが知られているが、ヒスタミンが肥満細胞から遊離される際には、ヒアルロニダーゼが介在しているとされている。このヒアルロニダーゼは、更に結合組織のマトリックスを破壊し、炎症系の細胞の組織への浸潤や血管の透過性を促進する役割を演じているので、当該酵素を阻害することによって炎症やアレルギー反応が抑制されることが期待される。事実、抗アレルギー剤成分として知られるクロモグリク酸ナトリウムやトラニラスト等は、ヒアルロニダーゼの阻害剤であることも知られている。
【0003】医薬品成分に関する抗炎症、抗アレルギーの研究は数多く行なわれているが、抗炎症あるいは抗アレルギー活性を有する食品素材については、甘草抽出物などが伝承にのみ基づいて使用されているのが現状である。 また、抗炎症あるいは抗アレルギー活性を有する化粧品原料についても種々探索されているが、安全かつ有望なものは未だ得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】21世紀に向けて、疾病の治療よりも予防の必要性が叫ばれている。 例えば、炎症やアレルギーは、人体の持つ抵抗力の過剰反応と考えられる側面もあるが、発病時の苦難を思うとき、なんらかの予防措置が必要とされる。 この措置は、食品や化粧品のように日常的に摂取されたり用いられているものにより講じられることが望ましいが、抗炎症、抗アレルギー活性を有する有用な食品素材あるいは化粧品原料は得られておらず、このような素材、原料の提供が課題として残されている。
【0005】また、生体のヒアルロン酸含量を維持し、高める必要性については、皮膚だけの問題にとどまらない。 大動脈や関節腔液などにおいても、ヒアルロン酸による保水構造は重要な働きをしている。 老化が人体のヒアルロン酸含量の低下を伴う以上、高齢化社会に向けて、皮膚や血管などの、ヒアルロン酸により保持される水分含量を維持する必要性は、ますます高まると予想される。しかし現状では、化粧品用保湿剤として外用されるヒアルロン酸にのみ関心が向けられ、人体内のヒアルロン酸含量ひいては水分含量を維持しようとする試みは皆無に等しく、重要な課題として残されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ヒアルロン酸の加水分解酵素であるヒアルロニダーゼと肥満細胞からのヒスタミンの遊離の関係に着目し、ヒアルロニダーゼを阻害することによりヒスタミンの遊離を抑制することのできる天然物を見いだすべく鋭意検索を行なった。そしてその結果、特に南米に産するある種の植物の抽出物は、強力なヒアルロニダーゼ阻害作用およびヒスタミン遊離抑制作用を有し、ヒスタミン遊離抑制剤として利用可能であることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明の第一の目的は、ジャンボサ・ブルガリス(Jambosa vulgaris)、ピペル・アドゥンカム(Piper aduncum) 、アナカルディウム・オクシデンタレ(Anacardium occidentale)、スミラックス・ジャペカンガ(Smilax japecanga)、ヒメナエア・コウルバリル(Hymenaea courbaril)、アンキエテア・サルタリス(Anchietea salutaris)、ピプタデニア・ペレグリナ(Piptadenia peregrina)、ストリフノデンドロン・バルバティマオ(Stryphnodendron barbatimao)、アルクティウム・ラッパ(Arctium lappa)、ペリアンドラ・ドゥルシス(Periandra dulcis)、ユーカリプトゥス・グロブルス(Eucalyptus globulus)、ミルシア・スファエロカルパ(Myrcia sphaerocarpa)、コッコロバ・ウビフェラ(Coccoloba uvifera)、シヌス・アロエイラ(Schinus aroeira)、グァズマ・ウルミフォリア(Guazuma ulmifolia)、アルクトスタフィロス・ウバ・ウルシ(Arctostaphylos uva-ursi)、セストルム・シュード・キナ(Cestrum pseudo-quina)、フェラリア・プルガンス(Ferraria purgans)およびアニバ・カネリラ(Aniba canelilla)、アディアンツム・カピッルス・ヴェネリス(Adiantum capillus-veneris)、エリスロザイルム・カトゥアーバ(Erythroxylum catuaba)、ピセコロビウム・トルトゥム(Pithecolobium tortum)、ハマメリス・ヴィルギニアーナ(Hamamelis virginiana)、カリニアナ・レガリス(Cariniana legalis)、フェヴィッレア・トゥリロバータ(Fevillea trilobata)、クラテッラ・アメリカーナ(Curatella americana)、ヘディキウム・コロナリウム(Hedychium coronarium)およびレミジア・フェッルギネア(Remijia ferruginea)からなる群より選ばれる少なくとも1つの植物の抽出物を有効成分とするヒスタミン遊離抑制剤を提供するものである。
【0008】また、本発明の第二の目的は、当該ヒスタミン遊離抑制剤を含有する化粧品および食品を提供するものである。
【0009】本発明のヒスタミン遊離抑制剤の有効成分は、前記植物の、全草、樹皮、心材、葉、花、種子、茎、根などを常法により抽出することにより得られる。
【0010】抽出に用いられる植物は、南米等で古くから生薬として用いられているものであるが、その主なものとしては、ジャンボサ・ブルガリス(ジャムボ アマレロ)[Jambosa vulgaris(Jambo-amarelo)](植物の学名に続けてカッコ内に植物の名称を記した。以下同じ)、ピペル・アドゥンカム(アペルタ・ルアン)[Piper aduncum(Aperta-ruao)] 、アナカルディウム・オクシデンタレ(カジュエイロ)[Anacardium occidentale(Cajueiro)]、スミラックス・ジャペカンガ(ジャペカンガ)[Smilax japecanga(Japecanga)]、ヒメナエア・コウルバリル(ジャトバ)[Hymenaea courbaril(Jatoba)]、アンキエテア・サルタリス(シポー・スマ)[Anchietea salutaris(Cipo-suma)]、ピプタデニア・ペレグリナ(アンジコ)[Piptadenia peregrina(Angico)]、ストリフノデンドロン・バルバティマオ(バルバティマン)[Stryphnodendron barbatimao(Barbatimao)]、アルクティウム・ラッパ(バルダナ)[Arctium lappa(Bardana)]、ペリアンドラ・ドゥルシス(アルカスズ)[Periandra dulcis(Alcacuz)]、ユーカリプトゥス・グロブルス(エウカリプト、フトモモ科ユーカリの木)[Eucalyptus globulus(Eucalipto)]、ミルシア・スファエロカルパ(ペドゥラ・ウメ・カアー)[Myrcia sphaerocarpa(Pedra-ume-caa)]、コッコロバ・ウビフェラ(ウバ・ド・マト)[Coccoloba uvifera(Uva-do-mato)]、シヌス・アロエイラ(アロエイラ)[Schinus aroeira(Aroeira)]、グァズマ・ウルミフォリア(ムタムバ)[Guazuma ulmifolia(Mutamba)]、アルクトスタフィロス・ウバ・ウルシ(ウバウルシナ、ツツジ科ウワウルシ)[Arctostaphylos uva-ursi(Uva-ursina)]、セストルム・シュード・キナ(クイナ・ド・マト)[Cestrum pseudo-quina(Quina-do-mato)]、フェラリア・プルガンス(ルイバルボ・ド・カンポ)[Ferraria purgans(Ruibarbo-do-campo)]、アニバ・カネリラ(カスカ・プレシオサ)[Aniba canelilla(Casca-preciosa)]、アディアンツム・カピッルス・ヴェネリス(アヴェンカ・カベッロ・デ・ヴェヌス)[Adiantum capillus-veneris(Avenca-cabello-de-Venus)]、エリスロザイルム・カトゥアーバ(カトゥアーバ)[Erythroxylum catuaba(Catuaba)]、ピセコロビウム・トルトゥム(ジュレマ)[Pithecolobium tortum(Jurema)]、ハマメリス・ヴィルギニアーナ(ハマメリス)[Hamamelis virginiana(Hamamelis)]、カリニアナ・レガリス(ジェクイティバ・ローサ)[Carinianalegalis(Jequitiba-rosa)]、フェヴィッレア・トゥリロバータ(シポー・ジャトバ)[Fevillea trilobata(Cipo-jatoba)]、クラテッラ・アメリカーナ(リセイラ)[Curatella americana(Lixeira)]、ヘディキウム・コロナリウム(ナポレオン)[Hedychium coronarium(Napoleao)]およびレミジア・フェッルギネア(クイナ・ダ・セッラ)[Remijia ferruginea(Quina-da-serra)]などが挙げられる。
【0011】これら植物の抽出に用いる溶剤としては、水、メタノールもしくはエタノールなどのアルコール類またはアセトンなどのケトン類よりなる群から選ばれる単独または2種以上の溶剤の任意の混合溶剤のいずれであってもよいが、抽出物が最終的に食品等に配合されることを考慮すると、安全性の点で、水、エタノール、またはこれらの混合溶剤を用いるのが好ましい。
【0012】抽出の際の植物と溶剤との比率は特に限定されるものではないが、植物1に対して溶剤2〜1000重量倍、特に抽出操作、効率の点で5〜100重量倍が好ましい。 また、抽出温度は室温−常圧下での溶剤の沸点の範囲とするのが便利であり、抽出時間は抽出温度等によって異なるが、2時間〜2週間の範囲とするのが好ましい。
【0013】また、このようにして得られた植物抽出物は必要に応じて、カラムクロマトグラフィー等に付して分画物としても良い。具体的には、植物抽出物を少量の水、メタノール、エタノール等の溶媒あるいはこれらの混合溶媒に溶解し、セファデックス LH−20(ファルマシア社製)、ダイヤイオン HP20(三菱化成工業製)、セパビーズ HP1MG(三菱化成工業製)、トヨパール HW40F(東洋曹達工業製)等のカラムに吸着させた後、水で十分に洗浄し、メタノール、エタノール、アセトン等の親水性溶媒あるいはこれらの混合溶媒で溶出させればよい。
【0014】更に、これらの抽出物や分画物は、これらから溶媒を除去することによって乾燥物とすることもでき、保存性や取扱いの容易さからこの状態の物が好ましい。
【0015】以上のようにして得られる植物抽出物、若しくはその分画物またはこれらの乾燥物を用いてヒスタミン遊離抑制剤を調製するには、それらの抽出物等をそのままあるいは公知の医薬用担体若しくは化粧品や食品への添加用の担体と共に製剤化すれば良い。 製剤化に当っては、2種以上の植物の抽出物等を混合しても良い。
【0016】ヒスタミン遊離抑制剤の調製に用いることのできる医薬用担体としては、特に制限はなく、通常用いられているものを使用することができるが、好ましい例としては、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩等の固形担体;蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール等のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の液体担体や各種の動植物油、白色ワセリン、パラフィン、ロウ等の油性担体等が挙げられる。
【0017】また、ヒスタミン遊離抑制剤の剤型としては、錠剤、顆粒剤、粉剤およびシロップ剤等の経口剤並びに座剤および外用剤等の非経口剤、さらには、化粧品、食品への添加用剤を挙げることができる。
【0018】本発明のヒスタミン遊離抑制剤は、ヒスタミン遊離抑制作用により、スギ花粉やハウスダスト等に起因するアレルギー性鼻炎やアレルギー性皮膚炎等のアレルギー性炎症に起因する疾患およびアレルギー性喘息、食物アレルギー等のアレルギー性疾患の治療・予防剤等の医薬として広く利用することが可能であると共に、ヒアルロニダーゼ阻害活性も併有するため、強力なヒアルロン酸分解阻止剤として皮膚や動脈壁、関節腔などに含まれるヒアルロン酸含量の低下を抑制し、皮膚の保湿性および柔軟性を高め、加齢に伴う動脈硬化を予防し、関節炎の改善などにも寄与するものである。
【0019】医薬として利用する場合の植物抽出物の投与量は、使用する植物の種類、生成の程度や、患者の年齢、症状等により大きく変動するが、一般には、経口投与の場合、乾燥重量として5〜500mg/日の範囲である。
【0020】また、本発明の食品および化粧品は、その目的に応じて通常用いられる適宜な成分と前記ヒスタミン遊離抑制剤を配合することにより製造することができる。
【0021】例えば、本発明の食品は、前記ヒスタミン遊離抑制剤の他に、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等、通常の食品原料として使用されているものを適宜配合することにより製造され、飴、チューインガム、牛乳、ヨーグルト、乳清飲料、乳酸菌飲料、ジュース、飲料、アイスクリーム、プディング、水ようかん等を得ることができる。
【0022】また、本発明の化粧品は、前記ヒスタミン遊離抑制剤の他に、植物油等の油脂類、ラノリンやミツロウ等のロウ類、炭化水素類、脂肪酸、高級アルコール類、エステル類、種々の界面活性剤、色素、香料、ビタミン類、植物・動物抽出成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、防腐・殺菌剤等、通常の化粧品原料として使用されているものを適宜配合して製造することができ、他の抗炎症・抗アレルギー性化粧品原料、例えば、甘草抽出成分(特にグリチルレチン酸)、塩酸ジフェンヒドラミン、アズレン、dl−α−トコフェロール及びその誘導体、ビタミンB2及びB6などと共に用いることにより、更にその効果を高めることもできる。
【0023】更にまた、本発明の化粧品を製造する場合において、前記ヒスタミン遊離抑制剤とヒアルロン酸等を併用することにより、保湿効果を一層高めることが出来る。
【0024】すなわち、本発明のヒスタミン遊離抑制剤は、ヒアルロニダ−ゼ阻害活性をも併有するものであるため、皮膚中のヒアルロン酸の分解を阻止することにより間接的に保湿・美肌効果を持つが、ヒアルロン酸を始めとする他の保湿・美肌性化粧品成分、例えば、エラスチン、コラーゲン、レシチン、スクワレン、プラセンターリキッド(胎盤抽出液)、グリセリン類、グリコール類、発酵代謝産物、乳酸菌培養液、ビタミンAおよびC、コンドロイチン硫酸ナトリウム、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム(PCA−Na)、バクモンドウ粘液多糖類等の植物多糖類などと共に用いることにより、より一層保湿効果を高めることができる。
【0025】本発明のヒスタミン遊離抑制剤を配合する化粧料は、化粧水、化粧クリーム、乳液、ファンデーション、口紅、整髪料、ヘアトニック、育毛料等の剤形の他、歯磨き、洗口液、シャンプー、リンス、入浴剤等の剤形とすることもできる。
【0026】本発明の植物は南米等で古くから生薬として用いられているものであり、それらの抽出物やその分画物等は安全性の点での問題はない。 しかし、食品や化粧品に配合する場合は、その効果や添加した際の香り、色調の点から見て、植物抽出物やその分画物の乾燥重量換算として、0.0001〜5%の濃度範囲とすることが望ましい。
【0027】
【作用および発明の効果】本発明で用いる植物抽出物はヒスタミン遊離抑制剤は、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制活性と共に強力なヒアルロニダーゼ阻害活性を有するものである。そして、原料である植物は南米等で古くから生薬として用いられているものであり、それらの抽出物等は安全性の点での問題はない。従って、本発明のヒスタミン遊離抑制剤は抗炎症作用および抗アレルギー作用を有する医薬として有用なものである。
【0028】また、本発明のヒスタミン遊離抑制剤は、ヒアルロニダーゼ阻害作用も有するため、皮膚や動脈壁、関節腔などに含まれるヒアルロン酸含量の低下を抑制し、皮膚の保湿性および柔軟性を高め、加齢に伴う動脈硬化を予防、関節炎の改善等の薬剤として利用できる可能性を有する。
【0029】更に、このヒスタミン遊離抑制剤を含む食品を日常的に摂取することにより、風邪に伴う炎症やのどのはれ、花粉症、せきなどを予防・改善することができる。 同様に、このヒスタミン遊離抑制剤はヒアルロニダーゼ阻害活性をも有するものであるから、これを含む化粧品の使用により、アレルギー症状や炎症による皮膚のかゆみ、痛みなどを改善するとともに皮膚に保湿性を付与することが可能である。
【0030】
【実施例】次に本発明のヒスタミン遊離抑制剤の製造法、ヒアルロニダーゼ阻害もしくはヒスタミンの遊離抑制試験並びに抗炎症剤、抗アレルギー剤、食品および化粧品の製造に関する実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例になんら制約されるものではない。
【0031】実 施 例 1植物抽出物の製造:植物の特定の部位の乾燥物100gを、1000mlの50容量%エタノール中に室温にて7日間浸し、上澄み液を濾過した。 得られた抽出液を減圧下濃縮乾固し、乾燥物を得た。 各植物についての抽出部位及び抽出物の収量は表1に示す通りである。
【0032】


【0033】実 施 例 2植物抽出物の製造:表2に示された植物の乾燥物100gを、1000mlの50容量%エタノール中に室温にて7日間浸し、上澄み液を濾過した。得られた抽出液を減圧下濃縮乾固し、乾燥物を得た。 各植物の抽出物の収量も表2に示す。
【0034】


【0035】実 施 例 3ヒアルロニダーゼ阻害活性の検定(1):実施例1の表1に示す植物の抽出物について、そのヒアルロニダーゼ阻害活性を後記方法により測定した。 その結果を表3に示す。
【0036】( 測 定 法 )牛睾丸由来のヒアルロニダーゼ(Sigma、TypeIV)を用い、コンパウンド48/80による不活性型酵素の活性化段階の阻害作用を中心に測定した。 酵素活性は、ヒアルロン酸の加水分解により生成するNーアセチルヘキソサミンを還元末端とする四糖の還元力の増加をA585で比色定量することにより、測定した(前田有美恵ら:食衛誌、31巻、233〜237頁、1990)。
【0037】すなわち、適量の被験試料を0.1M 酢酸緩衝液(pH4.0)100μlに溶かして試験管にとり、同緩衝液50μlに溶かした酵素 0.10mg(100NF units)を加え、37℃で20分間インキュベートする。 次いで、同緩衝液100μlに溶かしたコンパウンド48/80(50μg)を加え、更に37℃で20分間インキュベートする。 更に、同緩衝液250μlに溶かしたヒアルロン酸ナトリウム塩(200μg、微生物由来)を加えて37℃で40分間インキュベートする。 最後に、0.4NのNaOH 100μlを加えて氷冷後、ホウ酸緩衝液(pH9.1)100μlを加えて3分間煮沸し、氷冷後、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド試液3mlを加えて、37℃で20分間インキュベートした後、A585を測定した。
【0038】対照には試料溶液の代わりに上記酢酸緩衝液を用いた。 また、それぞれのブランクとして、酵素溶液の代わりに上記酢酸緩衝液を用いた。 阻害活性は次の式から求められる阻害率で表した。
【0039】


A: 対照溶液のA585B: 対照溶液のブランクのA585C: 試料溶液のA585D: 試料溶液のブランクのA585
【0040】


【0041】実 施 例 4ヒアルロニダーゼ阻害活性の検定(2):実施例2の表2に示す植物の抽出物について、実施例3と同様にしてヒアルロニダーゼ阻害活性を測定した。その結果を表4に示す。
【0042】


【0043】実 施 例 5ラット腹腔肥満細胞からのヒスタミン遊離に対する抑制活性の検定(1):実施例1の表1に示す植物の抽出物について、下記の方法で、そのヒスタミン遊離に対する抑制活性を測定した。 その結果を表5および表6に示す。
【0044】( 試 験 動 物 )体重272〜349gのウイスター系雄性ラット(日本エスエルシー)を、5日間以上馴化した後、使用した。 温度20〜25℃、湿度40〜70%、照明12時間/日(7時点灯、19時消灯)の環境下で飼育した。 飼育中は、固型飼料MF(オリエンタル酵母工業製)と5μmのフィルターろ過後、紫外線照射した水道水を自由摂取させた。
【0045】( ラット腹腔肥満細胞の単離 )放血致死させたラットの腹腔内にMCM液(140mMのNaCl、2.5mMのKCl、1.0mMのCaCl2、1.2mMのMgCl2、5mMのグルコースおよび0.1%のBSAを含むpH7.1の6.7mMリン酸緩衝液)を1匹あたり11ml注入し、3分間腹部をマッサージしてから腹腔浸出液を回収し、フィコール・グラディエント(Ficoll gradient )法により肥満細胞を単離した。得られた細胞はMCM液で2回洗浄後、2.5×104個/0.5ml/チューブとなるようにMCM液に懸濁させ、細胞懸濁液とした。
【0046】( ヒスタミン遊離抑制試験 )2.5×104個/0.5ml/チューブの細胞浮遊液を37℃で10分間プレインキュベートした後、50%メタノールに適当濃度で溶解または懸濁させた被験試料液10μlを加えて37℃で10分間放置した。 これに、脱顆粒誘発剤としてコンパウンド48/80(25μg/ml)10μlを加えて37℃で10分間反応させた(コンパウンド48/80の最終濃度は0.5μg/ml)。反応後、氷冷したMCM液 0.5mlを加え、遠心分離(420×g、5分、4℃)した上清中に遊離されたヒスタミン量を、ショア(Shore)等のOPT(O-phtal-aldehyde)蛍光法(JPET,127,182-186,1959 )に準じて、遠心方式汎用自動分析装置(COBAS R FARAII、バクスター)にて定量した。 測定された遊離ヒスタミン量から次式によりヒスタミン遊離抑制率を算出した。
【0047】


C:誘発剤を加えない対照の細胞から遊離されるヒスタミン量R:誘発剤を加えたときに細胞から遊離されるヒスタミン量SR:被験試料を共存させて誘発剤を加えたときに細胞から遊離されるヒスタミン量
【0048】


(注)被験試料の反応液中における最終濃度は全て200μg/ml。
【0049】


* IC85;ヒスタミンの遊離を85%抑制する濃度
【0050】実 施 例 6ラット腹腔肥満細胞からのヒスタミン遊離に対する抑制活性の検定(2):実施例2の表2に示す植物の抽出物について、下記の方法で、そのヒスタミン遊離に対する抑制活性を測定した。 その結果を表7に示す。
【0051】( 試 験 動 物 )7日以上順化した9〜12週令のウィスター系雄性ラット(日本クレア)を使用した。 温度23.5±2℃、湿度55±10%、照明時間12時間(7時点灯、19時消灯)の環境下で飼育した。 飼育中は固形飼料CE2(日本クレア)と水道水を自由摂取させた。
【0052】( ラットの腹腔肥満細胞の単離 )放血致死させたラットの腹腔内に2(V/V)%牛胎児血清(以下2%FCS)含有タイロード(Tyrode)液(PBS(+)に0.5(W/V)%しょ糖を添加)約15mlを注入し、軽く腹壁をマッサージしてから腹腔浸出液を採取した。さらに同様の操作を1回くりかえした。 このようにして得られた腹腔浸出液を4℃、100g、10分間遠心分離して沈澱した細胞を集めた。 これを2mlの2%FCS含有タイロード液に懸濁させ、2%FCS含有タイロード液に対してメトリズアミド(metrizamide)を22.5(W/V)%に溶解した溶液に重層し、350g、15分間、室温で遠心分離して肥満細胞を単離した。 このようにして得られた肥満細胞は2%FCS含有タイロード液に浮遊させて、4℃、100g、10分間遠心分離を行ない洗浄した。 洗浄を2回行なった後、2.5×104個/0.5mlとなるよう2%FCS含有タイロード液に懸濁させた。
【0053】( ヒスタミン遊離抑制試験 )2.5×104個/0.5ml/チューブの細胞浮遊液を37℃で10分間プレインキュベートした後、25%エタノールに適当濃度に溶解または懸濁させた被検試料液5μlを加えて37℃で10分間放置した。これに脱顆粒誘発剤としてコンパウンド48/84溶液(25μg/ml)10μlを加えて37℃で20分間反応させた。
【0054】反応後、氷冷した2%FCS含有タイロード液0.5mlを加え、遠心分離(4℃、150g、10分)した上澄中のヒスタミンを高速液体クロマトグラフィーで分離し、ショアー(Shore)等のO−フタルアルデヒド蛍光法(JPET,127, 128〜186, 1959)に準じて測定した。測定された遊離ヒスタミン量から次式によりヒスタミン遊離抑制率を算出し、IC50(ヒスタミンの遊離を50%抑制する濃度)を求めた。
【0055】


C : 誘発剤を加えない対照の細胞から遊離されたヒスタミン量R : 誘発剤を加えた時に細胞から遊離されたヒスタミン量SR: 被検試料を共存させて誘発剤を加えた時に細胞から遊離されたヒスタミン量
【0056】


【0057】実 施 例 7錠 剤 :実施例1と同様の方法で得たスミラックス・ジャペカンガ(ジャペカンガ)抽出物150gを同量の乳糖及びステアリン酸マグネシウム5gと混合した。 得られた混合物を単発式打錠機にて打錠し、直径10mm、重量300mgの錠剤を製造した。この錠剤を一日2錠、一週間服用することにより、花粉症の目のかゆみや鼻汁過多等の症状は大幅に軽減された。
【0058】実 施 例 8顆 粒 剤 :実施例7で得た錠剤を粉砕、整粒し、篩別して20〜50メッシュの顆粒剤を得た。
実 施 例 9ハマメリス・ヴィルギニアーナの大量抽出:実施例のに方法に準じ、ハマメリス・ヴィルギニアーナ1kgを10リットルの50容量%エタノールで抽出し、抽出物205gを得た。
【0059】実 施 例 10錠 剤:実施例9のハマメリス・ヴィルギニアーナ抽出物150gを、同量の乳糖およびステアリン酸マグネシウム5gと混合した。 得られた混合物を単発式打錠機にて打錠し、直径10mm、重量300mgの錠剤を製造した。
【0060】実 施 例 11顆 粒 剤 :実施例10で得た錠剤を粉砕、整粒し、篩別して20〜50メッシュの顆粒剤を得た。
【0061】実 施 例 12キャンデー:実施例1のアンキエテア・サルタリス(シポー・スマ)抽出物を用い、下記の組成のキャンデーを製造した。 味は苦みもなく、良好であった。
【0062】
( 組 成 ) ( 配 合 % )
グ ラ ニ ュ ー 糖 55.0水 飴 43.5ク エ ン 酸 1.0香 料 0.2色 素 0.2アンキエテア・サルタリス抽出物 0.1
【0063】実 施 例 13チョコレート:実施例1のグァズマ・ウルミフォリア(ムタムバ)抽出物を用いて下記の組成のチョコレートを製造した。
【0064】
( 組 成 ) ( 配 合 % )
ビターチョコレート 18.0カカオバター 16.85粉 糖 40.0全 脂 粉 乳 20.0レ シ チ ン 5.0香 料 0.1グァズマ・ウルミフォリア抽出物 0.05
【0065】実 施 例 14ジ ュ ー ス :実施例1のスミラックス・ジャペカンガ(ジャペカンガ)抽出物を用いて下記の組成のジュースを製造した。 該抽出物がジュースの味や色に影響を与えることはなかった。
【0066】
( 組 成 ) ( 配 合 % )
冷凍濃縮温州みかん果汁 5.0果糖ブドウ糖液糖 11.0ク エ ン 酸 0.2L−アスコルビン酸 0.02香 料 0.2色 素 0.1スミラックス・ジャペカンガ抽出物 0.2水 83.28
【0067】実 施 例 15コーヒー飲料 :実施例1のグァズマ・ウルミフォリア(ムタムバ)抽出物を用いて下記の組成のコーヒー飲料を製造した。
【0068】
( 組 成 ) ( 配 合 % )
グ ラ ニ ュ ー 糖 8.0脱 脂 粉 乳 5.0カ ラ メ ル 0.2コーヒー抽出物 2.0香 料 0.1ポリグリセリン脂肪酸エステル 0.05食 塩 0.05グァズマ・ウルミフォリア抽出物 0.1水 84.5
【0069】実 施 例 16キャンデー:実施例2のカリニアナ・レガリス(ジェクイティバ・ローサ)抽出物を用い、下記の組成のキャンデーを製造した。
【0070】
( 組 成 ) ( 配 合 % )
グ ラ ニ ュ ー 糖 55.0水 飴 43.5ク エ ン 酸 1.0香 料 0.2色 素 0.2カリニアナ・レガリス抽出物 0.1
【0071】実 施 例 17チョコレート:実施例2のエリスロザイルム・カトゥアーバ(カトゥアーバ)抽出物を用いて下記の組成のチョコレートを製造した。
【0072】


【0073】実 施 例 18ジ ュ ー ス :実施例2のアディアンツム・カピッルス・ヴェネリス(アヴェンカ・カペッロ・デ・ヴェヌス)抽出物を用いて下記の組成のジュースを製造した。
【0074】


【0075】実 施 例 19コーヒー飲料 :実施例2のカリニアナ・レガリス(ジェクイティバ・ローサ)抽出物を用いて下記の組成のコーヒー飲料を製造した。
【0076】
( 組 成 ) ( 配 合 % )
グ ラ ニ ュ ー 糖 8.0脱 脂 粉 乳 5.0カ ラ メ ル 0.2コーヒー抽出物 2.0香 料 0.1ポリグリセリン脂肪酸エステル 0.05食 塩 0.05カリニアナ・レガリス抽出物 0.1水 84.5
【0077】実 施 例 20エモリエントクリーム :実施例1のスミラックス・ジャペカンガ(ジャペカンガ)抽出物を用いて下記の組成のエモリエントクリームを製造した。
【0078】


【0079】実 施 例 21エモリエントローション:実施例1のアンキエテア・サルタリス(シポー・スマ)抽出物を用いて下記の組成のエモリエントローションを製造した。
【0080】


【0081】実 施 例 22シャンプー :実施例1のグァズマ・ウルミフォリア(ムタムバ)抽出物を用いて下記の組成のシャンプーを製造した。
【0082】
( 組 成 ) ( 配 合 % )
ラウリルポリオキシエチレン(3モル)硫酸エステル トリエタノールアミン塩(40%水溶液) 30.0 ラウリルポリオキシエチレン(3モル)硫酸エステル ナトリウム塩(40%水溶液) 20.0 ラウロイルジエタノールアミド 4.0 グァズマ・ウルミフォリア抽出物 0.1 精 製 水 45.9
【0083】実 施 例 23歯 磨 剤実施例1のスミラックス・ジャペカンガ(ジャペカンガ)抽出物を用いて下記の組成の歯磨剤を製造した。
【0084】
( 組 成 ) ( 配 合 % )
リン酸カルシウム2水和物 42.0 グリセリン 18.0 カラギーナン 0.9 ラウリル硫酸ナトリウム 1.2 サッカリンナトリウム 0.1 パラオキシ安息香酸ブチル 0.005 スミラックス・ジャペカンガ抽出物 0.05 香 料 1.0 精 製 水 36.745
【0085】実 施 例 24エモリエントクリーム:実施例2のピセコロビウム・トルトゥム(ジュレマ)抽出物を用いて下記の組成のエモリエントクリームを製造した。
【0086】


【0087】実 施 例 25エモリエントローション:実施例2のクラテッラ・アメリカーナ(リセイラ)抽出物を用いて下記の組成のエモリエントローションを製造した。
【0088】


【0089】実 施 例 26シャンプー :実施例2のハマメリス・ヴィルギニアーナ(ハマメリス)抽出物を用いて下記の組成のシャンプーを製造した。
【0090】
( 組 成 ) ( 配 合 % )
ラウリルポリオキシエチレン(3モル)硫酸エステル トリエタノールアミン塩(40%水溶液) 30.0 ラウリルポリオキシエチレン(3モル)硫酸エステル ナトリウム塩(40%水溶液) 20.0 ラウロイルジエタノールアミド 4.0 ハマメリス・ヴィルギニアーナ抽出物 0.1 精 製 水 45.9
【0091】実 施 例 27歯 磨 剤実施例2のヘディキウム・コロナリウム(ナポレオン)抽出物を用いて下記の組成の歯磨剤を製造した。
【0092】
( 組 成 ) ( 配 合 % )
リン酸カルシウム2水和物 42.0 グリセリン 18.0 カラギーナン 0.9 ラウリル硫酸ナトリウム 1.2 サッカリンナトリウム 0.1 パラオキシ安息香酸ブチル 0.005 ヘディキウム・コロナリウム抽出物 0.05 香 料 1.0 精 製 水 36.745以 上

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ジャンボサ・ブルガリス(Jambosa vulgaris)、ピペル・アドゥンカム(Piper aduncum) 、アナカルディウム・オクシデンタレ(Anacardium occidentale)、スミラックス・ジャペカンガ(Smilax japecanga)、ヒメナエア・コウルバリル(Hymenaea courbaril)、アンキエテア・サルタリス(Anchietea salutaris)、ピプタデニア・ペレグリナ(Piptadenia peregrina)、ストリフノデンドロン・バルバティマオ(Stryphnodendron barbatimao)、アルクティウム・ラッパ(Arctium lappa)、ペリアンドラ・ドゥルシス(Periandra dulcis)、ユーカリプトゥス・グロブルス(Eucalyptus globulus)、ミルシア・スファエロカルパ(Myrcia sphaerocarpa)、コッコロバ・ウビフェラ(Coccoloba uvifera)、シヌス・アロエイラ(Schinus aroeira)、グァズマ・ウルミフォリア(Guazuma ulmifolia)、アルクトスタフィロス・ウバ・ウルシ(Arctostaphylos uva-ursi)、セストルム・シュード・キナ(Cestrum pseudo-quina)、フェラリア・プルガンス(Ferraria purgans)、アニバ・カネリラ(Aniba canelilla)、アディアンツム・カピッルス・ヴェネリス(Adiantum capillus−veneris)、エリスロザイルム・カトゥアーバ(Erythroxylum catuaba)、ピセコロビウム・トルトゥム(Pithecolobium tortum)、ハマメリス・ヴィルギニアーナ(Hamamelis virginiana)、カリニアナ・レガリス(Cariniana legalis)、フェヴィッレア・トゥリロバータ(Fevillea trilobata)、クラテッラ・アメリカーナ(Curatella americana)、ヘディキウム・コロナリウム(Hedychium coronarium)およびレミジア・フェッルギネア(Remijia ferruginea)からなる群より選ばれる少なくとも1つの植物の抽出物を有効成分とするヒスタミン遊離抑制剤。
【請求項2】 ヒアルロニダーゼ阻害活性を有する、請求項第1項記載のヒスタミン遊離抑制剤。
【請求項3】 抗炎症剤または抗アレルギー剤である請求項第1項または第2項記載のヒスタミン遊離抑制剤。
【請求項4】 請求項第1項または第2項記載のヒスタミン遊離抑制剤を含有する化粧品。
【請求項5】 請求項第1項または第2項記載のヒスタミン遊離抑制剤を含有する食品。