説明

ヒストンデアセチラーゼ阻害剤としての、三員環基でω位置換したN−ヒドロキシアミド、その調製方法、及び医薬組成物への使用

適当な三員環系でω位が置換された、新規のn−アルキルカルボン酸のN−ヒドロキシアミドであって、中央に7員環を有することを特徴とし、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の阻害剤としての活性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒストンデアセチラーゼの阻害剤化合物である、ω位を置換された、n−アルキルカルボン酸のn−ヒドロキシアミド、この取得方法、及び遺伝子制御の機構が本質的な役割を演じる病態の処置に使用される医薬処方の調製への使用に関する。
【0002】
本発明の特別な態様は、下記の一般式(I)を有する化合物である。
【0003】
【化1】

【0004】
式(I)において、
Xは、CO、CS、SO、CHからなる群から選択され、
Yは、O、S、SO、SO、CH、C=O、C=CH、N−R、CH−OR、CH−NR、C=CH−CO−Rからなる群から選択され、
A及びBは、独立に、5若しくは6員環、フェニルなどの芳香族化合物、又は、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサチアゾール、1,2,3−トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン及びピラジンからなる群から選択された複素環式芳香族化合物から選択され、
、R、R及びRは、独立に、H、ハロゲン、CF、NO、NR10、CN、COOH、(CH−CONR10、C1〜6のアルキル、OH、O−C1〜6アルキル、O−シクロプロピル、O−(CH−O−C1〜6アルキル、O−(CH−NR10、O−CONHR、CH−Z−R、COR、CR1314、SR、SOR15、SO15、CRNOR、CRNNR10、Q−(CHCONHOHから選択され、又はフラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサチアゾール、1,2,3−トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、モルフォリン、チオモルフォリン、ピペリジン、ピロリジンからなる群から選択された5若しくは6員環であり、
及びRは、独立に、H、C1〜6のアルキル、Q−(CHCONHOHから選択される群であり、
は、NH−(CHCONHOH基であり、
は、(CH−R11基であって、R11は、メチル又は水酸基であり、
Zは、O、NR12、Sからなる群から選択され、
Qは、化学結合、又は、−O−、−S−、−NR12−、−NRCO−、−CONR−、−W−、−COW−から選択され、ここで、Wは、ピペリジン又はピロリジンであり、
は、結合又は−CO−であり、
及びR10は、独立に、H、又はC1〜6アルキル基であり、
12は、H又はRであり、
13及びR14は、フッ素原子又は酸素原子であって、2又は3のCHからなるアルキル鎖に共に結合されたものであり、
15は、C1〜6のアルキルであり、
nは、2〜9の整数であり、
mは、0〜2の整数であり、
pは、0〜5の整数であり、
(CHCONHOHヒドロキサメートを有する1つの基及びただ一つが当該分子に常に存在し、
XがCOであり、A及びBがベンゼンである場合、R及びRは、Q−(CHCONHOHを表し得ないものである。
【0005】
エナンチオマー及び/又はジアステレオマーなどの、一般式(I)の化合物における不斉中心又はその他の立体中心成分に由来する、可能な光学異性体も、また、ラセミ体や種々の比率のものなどのこれらの可能な混合物も、本発明の一部である。
【0006】
また、同様に、塩基的又は酸的特徴を有する置換基が当該分子に存在する場合、無機又は有機の酸又は塩基の塩も含まれる。
【背景技術】
【0007】
ヒストンデアセチラーゼは、遺伝子の発現を制御する機構において、本質的な役割を有することが知られている。ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の阻害剤は、ヒストンの過剰なアセチル化を誘導して、遺伝子の発現自体を改変する。従って、この阻害剤は、異常な遺伝子の発現で発生する病態用の治療又は予防剤として有用であって、この病態としては、炎症、糖尿病、糖尿病の合併症、ホモ接合型サラセミア(homozygotic thalassaemia)、線維症、肝硬変、急性前骨髄球性白血病(APL)、移植片拒絶反応、自己免疫疾患、原虫感染症、腫瘍及びこれらの類するものが挙げられる。
【0008】
酵素ヒストンデアセチラーゼは、公知であって、X線、及び種々のクラスの阻害剤のSARの検討により、可能な阻害剤に保持されるべき構造的な特徴が解明されてきており、特に、a)金属(特に亜鉛)を結合し得るドメイン、b)この酵素のチャネルを占拠し得るリンカー、c)酵素の活性部位の縁(rim)上の構造と相互作用する表面認識ドメインが解明されている(非特許文献1)。
【0009】
数年来、上述の構造的な特徴を有する多くの例のHDAC阻害剤が明らかになってきた。
【0010】
例えば、N−ヒドロキシアミド及び線形のリンカーを有する化合物が非特許文献2乃至5に述べられている。他の刊行物では、リンカーが線形ではないヒドロキサム酸が示されており、非特許文献6では、リンカーは、フェニル−エチル又はスチリルであり、非特許文献7では、リンカーは、フェニル又はシクロヘキシルであり、特許文献1に開示の化合物では、リンカーは、チオフェンからなるものである。
【0011】
その他の筆者は、ヒドロキサム酸を、例えば、アミド(非特許文献8及び特許文献2)や求電子性のケトンなどの酵素の活性部位の金属を結合し得る他の置換基で置換する可能性について、示している。特許文献3は、上記のスキームに基づいて、金属の結合置換基フェニレンジアミンアミドであり、リンカーがインドールベンゾチオフェン又はベンゾフランから選択される複素環である化合物を開示する。
【0012】
特許文献4は、三環系の置換基でω置換されたヒドロキサム酸アルキルを開示する。その特許請求の範囲には、ヒドロキサム酸が記載されており、その三環系の置換基は、6−5−6又は6−7−6であって、その2つの6員環は、常にフェニル環である。その実施例で調製され述べられている化合物のうち、6−7−6型の三環系の置換基を有する1つの化合物のみが、実際に記載されており、中央の7員環としては、オキセピノンである;さらに、この化合物は、10nMにおいて、62%の阻害活性を有し、検討した化合物の全てのなかで最も低いことが証明された。
【0013】
しかしながら、主題として既に全て知られているにも関わらず、上記の作用機序を介して治療可能な可能性のある多くの病状の処置用の新規の薬剤を調製し得るHDAC阻害剤を同定する必要が未だに大いにある。
【特許文献1】国際公開第2004/013130号パンフレット
【特許文献2】欧州特許第847992明細書
【特許文献3】国際公開第2004/069133号パンフレット
【特許文献4】国際公開第02/085883号パンフレット
【特許文献5】カナダ国特許73:87951号明細書(1970年)
【特許文献6】特公昭45−015983号公報
【非特許文献1】J.Med.Chem.、2003年、46巻、24号、p.5097−5116
【非特許文献2】Bioorganic & Medicinal Chem.Letters、2002年、12巻、p.2919−2923
【非特許文献3】J.Med.Chem.、2002年、45巻、13号、p.2877−2885
【非特許文献4】J.Med.Chem.、2002年、45巻、4号、p.753−757
【非特許文献5】Bioorganic & Medicinal Chem.Letters、2004年、14巻、p.449−453
【非特許文献6】Bioorganic & Medicinal Chem.Letters、2001年、11巻、p.2847−2890
【非特許文献7】Bioorganic & Medicinal Chem.Letters、2002年、12巻、p.1347−1349
【非特許文献8】J.Med.Chem.、2003年、46巻、p.820−830
【非特許文献9】Hargrave K.D.ら著、J.Med.Chem.、1991年、34巻、p.2231−2241
【非特許文献10】Giannotti D.ら著、J.Med.Chem.、1991年、p.1356−1362
【非特許文献11】Press J.B.著、J.Med.Chem.、1979年、22巻、6号、p.725−731
【非特許文献12】Klunderら著、J.Med.Chem.、1992年、35巻、p.1887−1897
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、薬物として、並びに炎症性疾患、糖尿病、糖尿病合併症、ホモ接合性サラセミア、線維症、肝硬変、急性前骨髄球性白血病、移植片拒絶反応、自己免疫疾患、原虫感染症、腫瘍及びこれらに類するものなどの処置及び予防のための活性本体としてこの薬物を含有する医薬組成物として有用な一般式(I)の新規のHDAC阻害剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の好適な化合物の群は、一般式(I)に示すものであって:
Xは、CO、SOからなる群から選択され、
Yは、O、S、SO、SO、CH、C=O、C=CH、N−R、C=CH−CO−Rからなる群から選択され、
A及びBは、5若しくは6員環、フェニルなどの芳香族、又はチオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサチアゾール、1,2,3−トリアゾール、ピリジンからなる群から選択された複素環から独立に選択され、
、R、R、Rは、H、ハロゲン、CF、NO、NR10、CN、COOH、(CH−CONR10、C1〜6のアルキル、OH、O−C1〜6のアルキル、O−シクロプロピル、O−(CH−O−C1〜6のアルキル、O−(CH−NR10、O−CONHR、CH−Z−R、COR、CR1314、SR、SOR15、SO15、CRNOR、CRNNR10、Q−(CHCONHOHからなる群から独立に選択され、
及びRは、H、C1〜6のアルキル、Q−(CHCONHOHからなる群から独立に選択され、
は、NH−(CHCONHOHであり、
は、(CH−R11であって、R11は、メチル基又は水酸基であり、
Zは、O、NR12、Sからなる群から選択され、
Qは、化学結合、又は−O−、−S−、−NR12−、−NRCO−、−CONR−、−COW−からなる群から選択され、
Wは、ピペリジン又はピロリジンからなる群から選択され、
は、結合又は−CO−であり、
及びR10は、独立に、H、又はC1〜6のアルキルであり、
12は、H、又はRであり、
13及びR14は、2又は3のCHからなるアルキル鎖に共に結合された、フッ素原子又は酸素原子の一方又は両方であり、
15は、C1〜6のアルキルであり、
nは、2〜9の整数であり、
mは、0〜2の整数であり、
pは、0〜5の整数であり、
下記の制約がある。
【0016】
つまり:
(CHCONHOHのヒドロキサム酸の一つの基又はこれのみが上記の分子に常に存在しなければならず;
XがCOであり、A及びBが両方ともベンゼン基である場合、R及びRは、Q−(CHCONHOHではない;
ということである。
【0017】
一般式(I)の化合物の特に好適なものは、下記の通りのものである:
Xは、CO、SOからなる群から選択され、
Yは、O、S、SO、SO、C=O、N−Rからなる群から選択され、
A及びBは、5若しくは6員環、フェニルなどの芳香族、又はチオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサチアゾール、1,2,3−トリアゾール、ピリジンからなる群から選択された複素環から独立に選択され、
、R、R、Rは、H、ハロゲン、CF、NO、NR10、CN、C1〜6のアルキル、OH、O−C1〜6のアルキル、O−(CH−NR10、CH−Z−R、COR、CR1314、SR、SOR15、SO15、Q−(CHCONHOHから独立に選択され、
及びRは、H、C1〜6のアルキル、Q−(CHCONHOHからなる群から独立に選択され、
は、(CH−R11であって、R11は、メチル基又は水酸基であり、
Zは、O、NR12、Sからなる群から選択され、
Qは、化学結合、又は−O−、−S−、−NR12−、−NRCO−、−CONR−、−COW−からなる群から選択され、
Wは、ピペリジン又はピロリジンからなる群から選択され、
は、結合又は−CO−であり、
及びR10は、独立に、H、又はC1〜6のアルキルであり、
12は、H、又はRであり、
13及びR14は、2又は3のCHからなるアルキル鎖に共に結合された、フッ素原子又は酸素原子
15は、C1〜6のアルキルであり、
nは、2〜6の整数であり、
pは、0〜5の整数であり、
下記の制約がある。
【0018】
つまり:
(CHCONHOHのヒドロキサム酸の一つの基又はこれのみが上記の分子に常に存在しなければならず;
XがCOであり、A及びBが両方ともベンゼン基である場合、R及びRは、Q−(CHCONHOHではない;
ということである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明において、好適なC1〜6のアルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、3−ヘキシルから選択され、ハロゲンとしては、F、Cl、Br、Iから選択される群を意味する。
【0020】
本発明のHDAC阻害剤は、本技術分野公知の反応に従って、合成されてもよい(非特許文献9乃至11並びに特許文献5及び6)が、一般式(I)に集約される個々の化合物を調製するのに必要な一連の合成ステップに基づいて、幅広く改変してもよい。
【0021】
例として、下記に概略スキームを示す。
【0022】
本発明の場合、三環系の形成が実行されることが重要であって、例えば、下記のスキーム1及び2に述べる経路のいずれか、又は当業者公知の改変で実行されてもよい。
【0023】
一般的スキーム:
【0024】
【化2】

【0025】
スキーム1に述べるものは、下記のスキーム2であってもよい。
【0026】
【化3】

【0027】
【化4】

【0028】
【化5】

【実施例】
【0029】
本発明について、限定的でない例を下記に示す。
【0030】
(例1)
スキーム2(A)及び(C)に述べる、6−(11−オキソ−5,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミドの合成
ステップ1
アントラニル酸(10g、72.20ミリモル)を、アミルアルコール(100mL)と組み合わせ、この混合物を、攪拌しながら、油浴中で140℃に加熱した。この温度で加熱しながら、o−ブロモニトロベンゼン(12.89g、64.40ミリモル)を添加し、その後、炭酸カリウム(9g、65ミリモル)を、そして、最終的に銅粉末(0.4g、6.29×10−3モル)をそれぞれ添加した。この混合物を、140℃で30分未満の時間加熱した後、固形物を沈殿したが、攪拌できないものであった。この固形物を、この温度で、さらに3時間保持し、その後、室温に冷却した。この固形物を、この固形物が崩壊するように、ジエチルエーテル(100mL)を用いて、焼結ガラスロートに移した。この固形物を、さらなるエーテル(3×100mL)で洗浄し、吸引により乾燥した。赤レンガ色のこの固形物を水(約500mL)に溶解し、得た赤色の溶液を、触媒から濾過した。この濾過物を、1Lのビーカーに移し、濃塩酸(50mL)で酸性化した。得た鮮やかな橙色の沈殿生成物を、濾過し、一昼夜、吸引により乾燥した。15.82gのカップリング生成物を得た(収率96%)。
【0031】
HPLC(A)=4.03分
MS:[lces]MH259.0
【0032】
ステップ2
上記の通り得た中間体(16.46g、63.53ミリモル)を、無水エタノール(500mL)と組み合わせ、この混合物を、78℃に加熱した。亜ジチオン酸ナトリウム(52g、約85%、テクニカルグレード、253.99ミリモル、4モル当量)を、水(230mL)に溶解し、上記の基質の熱エタノール溶液に滴下で添加した。さらに一定量のエタノール(100mL)を添加して、残りの基質を再溶解し、最終的に得た混合物を、78℃で1時間保持した。室温に冷却した後、その混合物を、エタノール(2×150mL)で洗浄して不溶解性の無機材料から濾過した。上記の濾過物を組み合わせたものを、再び濾過して、さらに沈殿した無機材料を除去した。上記の操作を再度繰り返し、さらなるエタノール(300mL)で、組み合わせた不溶解画分を洗浄し、組み合わせた濾過物を三度目の濾過を行い、さらに沈殿した無機材料を濾過した。最終的に組み合わせた濾過物を、減圧下で、採取し、所望の生成物のスラリーを得て、これを、水(140mL)に採取した。この産物のスラリーを、最終的に濾過して、吸引により乾燥した後、からし色の固形物として、11.06gの所望のアミンを得た(収率76%)。
【0033】
HPLC:t=2.85分
MS:[lces]MH229.0
【0034】
ステップ3
2−(2−アミノ−フェニルアミノ)安息香酸(2.50g、10.96ミリモル)を、アセトニトリル(200mL)に懸濁し、HOBt(4.40g、32.90ミリモル)を添加した。10分間攪拌した後、EDC塩酸(EDC.HCl)(3.10g、16.12ミリモル)を添加し、ここで、上記の懸濁液を分解するとともに、反応混合物の色彩を明るい黄色とする結合剤を添加した。この混合物を、3時間攪拌し、減圧下でアセトニトリルを除去した。この残渣に、酢酸エチル(200mL)を添加し、その後、10%のクエン酸水溶液(100mL)を添加した。フラスコ中でこの2相を激しく攪拌し、その後分離した。水性画分を、さらなる酢酸エチル(200mL)で抽出した。組み合わせた酢酸エチルの抽出物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾固した。減圧下で溶媒を除去して、黄色の固形物として、2.12gの5,10−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−11−オン(収率92%)を得た。
【0035】
HPLC:3.09分
MS:[lces]MH211.3
【0036】
ステップ4:
5,10−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−11−オン(500mg、2.37ミリモル)を、過剰量のNaH(ミネラル油中60%)とメチル6−ブロモヘキサノエート(0.496g、2.37ミリモル)とを有するDMF中で、室温において36時間N−アルキル化し(生成物への変換率55%)、その後、さらなる水素化ナトリウム(43mg、その後16mg)を添加し、単離した粗生成物の分析HPLCに従って、約89%の変換率で、上記の前駆体から、所望のN−ヘキシルカルボキシレート誘導体を得た。この生成物を、単離し、メタノール(10mL)/塩化チオニル(0.5mL)で処理して、N−アルキル化のステップで形成されたカルボン酸の副産物をメチル化した。これにより、暗褐色の油状物として、所望のジベンゾジアゼピニルメチルヘキサノエートエステル誘導体790mgを単離した(収率98.5%)。
【0037】
上記の通り得た中間体を、基質のメタノール溶液をヒドロキシルアミン(乾メタノール中に新鮮に調製したメトキシドナトリウムで、ヒドロキシアミン塩酸塩を単離することによりin−situで調製したもの)で処理することにより、メチルエステルからヒドロキシアミドに直接変換するのに使用した。収率:105mg(53%)の所望のヒドロキサム酸
【0038】
最終的な生成物を、MeCN/HO+0.1%TFA(1/1、v/v、5mL)に溶解し、且つSymmetry(登録商標)なるカラム(C18、7mm、300Å、19×300mm)を用いた島津製作所社製HPLCシステムに2×2.50mLの一定量を注入することにより、HO+0.1%TFA/MeCN+0.1%TFA(70/30)から、60分において10/90に変更する方法に従って、φ=20mL/分、λ=220、254nmの条件で溶出して、さらに精製した。上記の産物の観察された溶出時間は、22.39〜25.76分であった。
【0039】
これにより、各画分を回収し凍結乾燥して、84.70mgの6−(11−オキソ−5,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド(HPLCにより95%を越える力価)を得た。
【0040】
HPLC:2.97分
MS:[lces]MH340.2
【0041】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.28(1H,s)−8.94(1H,bs)−7.79(1H,s)−7.59(1H,dd)−7.35−7.29(2H,m)−7.14(1H,m)−7.09−7.04(3H,m)−6.94(1H,t)−3.96(2H,t)−2.19(mc,t)−1.87(2H,t)−1.47(2H,m)−1.42(2H,m)−1.23(2H,m)
【0042】
下記の産物について、市販の適当な試薬を用いて、上記のスキームと同様の様式で調製した。なお、これらの事項は、改変可能である。
【0043】
(例2)
6−(11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド:
HPLC(A):3.38分
MS[lces]MH=357.1
【0044】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.28(1H,s)−9.69(mc,s)−7.64(1H,dd)−7.61−7.58(2H,m)−7.49(1H,m)−7.42(1H,t)−7.38(2H,m)−7.20(1H,td)−4.56(1H,m)−3.62(1H,m)−2.20(mc,t)−1.88(2H,t)−1.54−1.37(4H,m)−1.33−1.22(2H,m).
【0045】
(例3)
6−(8−メトキシ−11−オキソ−5,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A):3.12分
MS[lces]MH=370.1
【0046】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.28(1H,s)−9.68(mc,s)−8.94−8.50(1H,bs)−7.55(2H,m)−7.29(1H,t)−7.05(1H,d)−7.01(1H,d)−6.92(1H,t)−6.90(1H,d)−6.69(1H,dd)−3.99(2H,t)−2.20(mc.bs)−1.88(2H,t)−1.48(2H,m)−1.43(2H,m)−1.25(2H,m)
【0047】
(例4)
6−(8−メトキシ−11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A):3.32分−(B)11.52分
MS[lces]MH=387.0
【0048】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.29(1H,s)−9.70(mc,s)−8.95(mc,s)−8.62(1H,S)−7.56(1H,m)−7.51(1H,d)−7.46(1H,m)−7.37(2H,m)−7.16(1H,d)−6.78(1H,dd)−4.57(1H,m)−3.75(3H,s)−3.65(1H,m)−2.20(mc,t)−1.89(1H,t)−1.57−1.38(1H,m)−1.29(2H,m)
【0049】
(例5)
6−(8−クロロ−11−オキソ−5,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A):3.49分
MS[lces]MH=374.1
【0050】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.28(1H,s)−9.68(mc,s)−8.93−8.59(1H,bs)−7.91(1H,s)−7.60(1H,dd)−7.45(1H,s)−7.33(1H,t)−7.15(2H,m)−7.04(1H,d)−6.97(1H,t)−3.99(2H,t)−2.19(mc,bs)−1.87(2H,t)−1.44(4H,m)−1.23(2H,m)
【0051】
(例6)
6−(8−クロロ−11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A):3.58分
MS[lces]MH=391.1
【0052】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.29(1H,s)−9.69(mc,bs)−8.94(mc,bs)−8.61(1H,bs)−7.76(1H,d)−7.65(1H,d)−7.59(1H,m)−7.49(1H,m)−7.40(2H,m)−7.27(1H,dd)−4.59(1H,m)−3.63(1H,m)−2.20(mc,t)−1.89(1H,t)−1.53−1.38(4H,m)−1.28(2H,m)
【0053】
(例7)
6−(8−メチル−11−オキソ−5,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A):3.25分
MS[lces]MH=354.2
【0054】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.28(1H,s)−9.69(mc,bs)−8.94−8.54(1H,bs)−7.65(1H,s)−7.57(1H,dd)−7.29(1H,td)−7.15(1H,s)−7.01(2H,m)−6.92(1H,t)−6.88(1H,d)−3.96(2H,t)−2.24(3H,s)−1.88(2H,t)−1.47(2H,m)−1.43(2H,m)−1.24(2H,m)
【0055】
必要な場合はいつでも、上記の三環骨格は、ヒドロキサム酸を有する置換基を導入する前に、さらに処理され、いずれの場合も、当業者公知の反応及び方法により、行われる。最も重要な工程を、非限定的に下記する。
【0056】
(例8)
6−(5,5,11−トリオキソ−5,11−ジヒドロ−5λ−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
例1で得た6−(5,5,11−トリオキソ−5,11−ジヒドロ−5λ−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸メチルエステル(500mg、1.41ミリモル)を、メタノール(32mL)に溶解し、この溶液を、水(16mL)に溶解したオキソン(登録商標)(0.97g、2.83ミリモル)で処理した。この混合物を、48時間、最初に攪拌し、24時間後、酸化剤(0.40g)の当量を添加した。しかしながら、分析HPLCで示すようにこの反応を、スルフォキシド(t=3.90分)が出現するスルフォン生成物へのさらなる変換が28%である時点(t=4.15分)でほぼ停止した。この混合物を、その後、50℃に加熱し、7時間後、さらにオキソン(0.40g)を添加し、この反応を、同様の温度で、一昼夜続けた。この反応の加熱を続けた後、次の日に、さらに一定量のオキソン(2×0.40g)を添加し、その後、週末に停止した。スルフォキシドのスルフォンへの変換率が94%となるまで、上記の50℃における反応混合物の加熱を、さらに24時間続けた。この混合物について、水を添加し、減圧下でメタノールを除去した。得た生成物を、酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、組み合わせた抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾固した。減圧下で溶媒を除去して、480mgの淡黄色の油状物を得た。この材料を、メタノール(50mL)及び4NのHClを有するジオキサン(10mL)で処理し、この溶液を、室温で3時間攪拌した。これにより、元の反応混合物(t=3.53分)に存在する酸性の副産物が、所望のメチルエステル生成物へと変換した。この混合物を、減圧下でメタノールで分割し、残渣を、酢酸エチル(50mL)に採取し、この溶液を、水(50mL)で洗浄した。その有機画分を、硫酸ナトリウム上で乾固し、減圧下で溶媒を除去して、黄色の油状物として、0.462g(収率85%)の所望の生成物を得た。なお、この生成物は、載置しておくと、急速にワックス状の固形物となった。
【0057】
HPLC(A):4.16分
MS[lces]MH=388.1
【0058】
ステップ2
上記のスルフォンの中間体(462mg、1.19ミリモル)を、メタノール(35mL)に溶解し、この溶液に、ヒドロキシアミン塩酸塩(858mg、12.35ミリモル)を添加した。この溶液を、氷水浴で0℃に冷却し、その後、新鮮に調製したメトキシドナトリウム(770mgナトリウム、33.50ミリモル、15mLの乾メタノール中)で処理した。10分間攪拌した後、氷水浴を除去し、室温で3時間、反応を続けた。その後、この反応を、水(25mL)を添加して、停止し、減圧下、蒸留により、メタノールを除去した。水性の残渣を、さらなる水で希釈し、1MのHCl水溶液(50mL)を添加して、中和した。その沈殿生成物を、酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、組み合わせた抽出物を、水(25mL)で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾固し、減圧下で溶媒を除去して、355mgの粗ヒドロキサム酸生成物を得た。酢酸エチルを用いた水性洗浄を第3の抽出を行うことにより、得られる生成物の量が386mgに増加した(収率83%)。
【0059】
HPLC(A):3.06分
MS[lces]MH=389.1
【0060】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.30(1H,s)−10.07(mc,s)−8.95−8.57(1H,bs)−7.95(1H,dd)−7.86−7.82(3H,m)−7.79(1H,td)−7.76(1H,t)−7.72(1H,td)−7.49(1H,t)−4.49(1H,m)−3.80(1H,m)−2.22(mc,t)−1.90(2H,t)−1.65(1H,m)−1.51(1H,m)−1.47(2H,m)−1.26(2H,m)
【0061】
下記の生成物について、同様の方法又は他の公知の合成方法により、得た。
【0062】
(例9)
6−(8−メトキシ−5,5,11−トリオキソ−5,11−ジヒドロ−5λ−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A):3.04分−(B)10.37分
MS[lces]MH=419.0
【0063】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.31(1H,s)−9.71(mc,s)−8.96−8.59(1H,bs)−7.84(1H,d)−7.80(2H,m)−7.76(1H,t)−7.70(1H,t)−7.32(1H,d)−7.03(1H,dd)−4.52(1H,m)−3.79(1H,m)−2.21(mc,t)−1.91(1H,t)−1.63(1H,m)−1.51(1H,m)−1.47(2H,m)−1.27(2H,m)
【0064】
(例10)
6−(8−クロロ−5,5,11−トリオキソ−5,11−ジヒドロ−5λ−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A):3.26分
MS[lces]MH=422.9
【0065】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.31(1H,s)−9.70(mc,s)−8.95−8.63(1H,bs)−8.00(1H,d)−7.94(1H,d)−7.86−7.80(3H,m)−7.74(1H,td)−7.57(1H,dd)−4.54(1H,m)−3.81(1H,m)−2.23(mc,m)−1.91(1H,t)−1.62(1H,m)−1.50(1H,m)−1.47(2H,m)−1.26(2H,m)
【0066】
(例11)
6−(8−メトキシ−5,11−ジオキソ−5,11−ジヒドロ−5λ−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A):2.8分
MS[lces]MH=403.0
【0067】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.30(1H,s)−9.70(mc,s)−8.95(mc,s)−8.61(1H,m)−7.69(2H,t)−7.62(1H,d)−7.55(1H,tt)−7.49(1H,d)−7.24(1H,d)−7.05(1H,d),4.57(1H,dt),3.78(3H,s)−3.67(1H,m)−2.23(mc,t)−1.91(2H,t)−1.68−1.42(4H,m)−1.29(2H,m)
【0068】
(例12)
6−(11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
ステップ1及び2
ジベンゾを有する三環系アゾキシ中間体である、2−ニトロベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−11(10H)−オンを、非特許文献12に述べる7−メチル置換アナログに関する文献に述べる下記の方法に従って、2つのステップで調製した。第1のステップは、THF中で、ジイソプロピルエチルアミンの存在下、2−クロロ−5−ニトロベンゾイルクロライドを、48時間、室温で、攪拌しながら2−アミノフェノールを有するTHFでカップリングすることを含む。これにより、92%の収率でカルボキサミド中間体を得た。
【0069】
分析HPLC(A):t=3.58分
MS[lces]MH=293.0
【0070】
次のステップにおいて、その後、カルボキサミド中間体を、水に懸濁し、2Nの水酸化ナトリウム水溶液で処理した。10時間、還流することにより、固形材料を濾過し、吸引により乾燥した後、85%の収率で、閉環生成物を得た。
【0071】
HPLC=3.66分
MS[lces]MH=257.2
【0072】
ステップ3
2−ニトロベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−11(10H)−オン(2.00g、7.81ミリモル)を水及び無水エタノール(25mL+25mL)に懸濁し、この懸濁液を、元素鉄(0.36g、6.42ミリモル)及び塩化鉄(III)(65mg、0.4ミリモル)で処理した。この懸濁液を、2.5時間、還流した。さらに一定量の鉄(0.33g)を、30分において添加し、その後、再び、1時間において、還流混合物に添加した。その混合物を、その後、過剰量のエタノールに注入し、上記の鉄の残渣から濾過した。この濾過物を、吸引下、エタノールに採取し、その残渣を、過剰量の水に採取した。この生成物を、濾過し、吸引により、乾燥した。これにより、明るいレンガ色の固形物として、1.66gのアミン(収率94%)を得た。
【0073】
HPLC(A):2.19分
MS[lces]MH=227.2
【0074】
ステップ4
DMF(15mL)を油浴中で50℃に加温し、これに、t−亜硝酸ブチル(0.98mL、7.47ミリモル)を添加した。内部温度が50℃を越えないように、上記のアミン(1g、3.90ミリモル)を有するDMF(10mL)を、上記のt−亜硝酸ブチルに滴下で添加した。この基質を添加が完了した後、その混合物を、同様の温度で、さらに40分保持した。その混合物を、室温に冷却し、焼成ガラス漏斗を介して濾過した。その濾液を、水/濃HCl(30mL+30mL)の混合物に滴下で添加し、生成物が沈殿した。さらに水(140mL)を添加し、この混合物を、1時間、攪拌した。その生成物を、吸引により濾過し、乾燥した。その水性濾過物を、酢酸エチル(2×50mL)で抽出することにより、さらなる生成物を得た。酢酸エチルの画分を、硫酸ナトリウム上で乾固し、減圧下で溶媒を除去して、固形の残渣を得、これを、石油エーテル(40−60)で処理し、吸引により固形物を濾取し、上記の第1の産物と組み合わせた。この組み合わせた第1の産物を石油エーテルでさらに洗浄し、吸引により乾燥することにより、純黄色の固形物として、0.68g(収率73%)のジベンゾオキサゼピノンを得た。
【0075】
HPLC(A):3.45分
MS[lces]MH=212.2
【0076】
ステップ5
上記の各例に述べた方法を用いて、三環系化合物を、最終的な生成物に変換した。
【0077】
HPLC(A):3.25分
MS[lces]MH=341.1
【0078】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.29(1H,s)−9.69(mc,s)−8.95−8.54(1,bs)−7.70(1H,dd)−7.55(1H,td)−7.54(1H,td)−7.38(1H,dd)−7.33(1H,d)−7.30−7.26(2H,m)−7.22(1H,td)−4.09(2H,bs)−2.21(mc,t)−1.89(2H,t)−1.56(2H,m)−1.46(2H,m)−1.25(2H,m)
【0079】
同様の方法で下記の生成物を得た。
【0080】
(例13)
6−(8−メトキシ−11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=3.22分
MS[lces]MH=371.1
【0081】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.30(1H,s)−9.70(mc,s)−8.97−8.23(1H,bs)−7.80(1H,s)−7.65(1H,d)−7.43(2H,m)−6.89(1H,m)−6.86(1H,d)−6.83(1H,dd)−6.61(1H,d)−6.02(3H,bs)−3.11(2H,bs)−2.21(mc,t)−1.89(2H,t)−1.42(4H,m)−1.27(2H,bs)
【0082】
(例14)
6−(8−クロロ−11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=3.49分
MS[lces]MH=375.1
【0083】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.28(1H,s)−9.69(mc,s)−8.94(mc,s)−8.61(1H,s)−7.71(1H,dd)−7.66(1H,dd)−7.57(1H,ddd)−7.42(1H,d)−7.35(1H,d)−7.32−7.28(2H,m)−4.11(2H,bs)−2.21(mc,t)−1.89(2H,t)−1.53(2H,m)−1.46(2H,m)−1.24(2H,m)
【0084】
(例15)
7−(11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10−イル)−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
HPLC(B)=11.57分
MS[lces]MH=355.1
【0085】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.29(1H,s)−9.69(mc,s)−8.95(mc,s)−8.62(1H,s)−7.70(1H,dd)−7.56−7.52(2H,m)−7.38(1H,dd)−7.33(1H,dd)−7.28(2H,qd)−7.22(1H,td)−4.10(2H,bs)−2.21(mc,t)−1.89(1H,t)−1.55(2H,m)−1.41(2H,m)−1.26(2H,m)−1.20(2H,m)
【0086】
(例16)
スキーム2(A)(C)
6−(5−オキソ−5,11−ジヒドロ−ベンゾ[b]ピリド[2,3−e][1,4]ジアゼピン−6−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
ステップ1
108mg(1当量、1ミリモル)のo−フェニレンジアミンと、157mg(1当量、1ミリモル)の2−クロロ−ニコチン酸とを有するジエチレングリコールモノメチルエーテルで得た懸濁液を、6時間、150℃に加熱する。その懸濁液を周囲温度に戻し、その後、全量を、0℃に冷却した水に注入する。これを、20分間攪拌した後、その後、形成された茶色の沈殿物を、多孔性の隔膜を介して濾過し、フィルター紙上で空気中で乾燥した。115gの固形物を得た(収率54%)。
【0087】
HPLC(B):7.1分
MS[lces]MH=212.2
【0088】
得た三環系を、その後、上記の方法を用いて、最終的な生成物に変換する。
【0089】
HPLC(B):7.73分
MS[lces]MH=341.0
【0090】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.27(1H,s)−9.68(mc,s)−8.59(1H,s)−8.26(1H,dd)−8.01(1H,dd)−7.37(1H,m)−7.26(1H,m)−7.12(2H,m)−7.02(1H,dd)−3.98(2H,t)−2.19(mc,t)−1.87(2H,t)−1.45(2H,m)−1.41(2H,m)−1.22(2H,m)
【0091】
上記と同一の方法で、下記のものを得た。
【0092】
(例17)
6−(6,7−ジクロロ−10−オキソ−4H,10H−2−チア−4,9−ジアザ−ベンゾ[f]アズレン−9−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=3.52分
MS[lces]MH=314.1
【0093】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.29(1H,s)−9.70(mc,s)−8.95(mc,s)−8.63(1H,bs)−8.25(1H,s)−8.04(1H,d)−7.64(1H,s)−7.31(1H,s)−6.65(1H,d)−8.97(2H,t)−2.18(mc,t)−1.87(2H,t)−1.41(4H,m)−1.20(2H,m).
【0094】
(例18)
6−(8−メトキシ−5−オキソ−5,11−ジヒドロ−ベンゾ[b]ピリド[2,3−e][1,4]ジアゼピン−6−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(B)=7.98分(B)
MS[lces]MH=371.1
【0095】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.27(1H,s)−9.68(mc,s)−8.93(mc,s)−8.61(1H,s)−8.36(1H,s)−8.23(1H,dd)−7.98(1H,dd)−7.16(1H,d)−6.99(1H,dd)−6.92(1H,d)−6.74(1H,dd)−4.00(2H,t)−3.72(3H,s)−2.19(mc,t)−1.87(2H,t)−1.49−1.40(4H,m)−1.23(2H,m)
【0096】
(例19)
6−(8,9−ジメチル−5−オキソ−5,11−ジヒドロ−ベンゾ[b]ピリド[2,3−e][1,4]ジアゼピン−6−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(B)=7.01分(B)
MS[lces]MH=369.1
【0097】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.27(1H,s)−9.68(mc,s)−8.93(mc,s)−8.61(1H,s)−8.32(1H,s)−8.22(1H,dd)−7.97(1H,dd)−7.13(1H,s)−6.99−6.97(2H,m)−3.95(1H,t)−2.16(3H,s)−2.13(3H,s)−1.87(2H,t)−1.43(4H,m)−1.22(2H,m)
【0098】
(例20)(B)(C)
6−(8−ジメチルアミノ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
ステップ1
1−クロロ−4−ニトロベンゼン(6.93g、44ミリモル)を、クロロスルフォン酸(20mL)を有するフラスコに添加し、16時間、120℃に加熱した。この反応混合物の一定量を分解し、ジクロロメタンで抽出した後、GC質量分析を行い、74%の生成物と、14%の反応していない当初の物質とを示す。この反応を、その後、注意深く氷中に注入して反応を停止し、ジクロロメタンで抽出し、塩水で洗浄し、相分離器で乾燥し、且つ乾燥するまで蒸留した。
【0099】
9.17gの半固形の生成物を得て、次の合成に用いる。
【0100】
ステップ2
3−ニトロ−6,11−ジヒドロ−ジベンゾ[c,f][1,2]チアゼピン5,5−ジオキシドの合成
オルトフェニレンジアミン(44.4ミリモル、4.8g)をピリジン(20mL)に懸濁し、その後、この懸濁液に、塩化硫黄を緩徐に添加し、最終的にピリジンに再懸濁して、これをフラスコから除去する。この反応は、発熱反応であるので、水浴中で冷却する。上記の添加が完了した後、その懸濁液を、1.5時間、還流する。HPLCでモニタリングしたところ、塩化硫黄の消失及び生成物の形成が観察される。この反応混合物を、乾燥するように蒸留し、残渣を、1NのHClで処理してpH1とし、酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、且つMgSO上で乾固する。溶媒を蒸留することにより、残渣を得て、これを酢酸エチルで処理して固化し、その後濾取して、エーテルで洗浄する。4.35gの3−ニトロ−6,11−ジヒドロ−ジベンゾ[c,f][1,2]チアゼピン5,5−ジオキシドを、黄色の固形物として得る。
【0101】
HPLC(A)=3.4分
MS[lces]MH=291.4
【0102】
ステップ3
上記の通り得た固形物(6ミリモル、1.746g)を、メタノール(50mL)に溶解し、メトキシドナトリウムのメタノール溶液(6ミリモル:385mgのナトリウムを有する100mLのメタノールを含有する36mLの溶液)で処理する。得た溶液を、その後乾燥し、機械ポンプにより乾燥するように蒸留して、固形物として対応するナトリウム塩を得る。この化合物を、DMF(30mL)に溶解し、メチル6−ブロモヘキサノエート(6ミリモル、1.45g)を有するDMF(10mL)を添加し、この混合物を、HPLCによりモニタリングすることにより反応が完了するまで、3時間、100℃に加熱する。この反応混合物を、機械ポンプにより吸引下で蒸留し、その残渣を、塩水で処理し、酢酸エチルで抽出し、蒸留するように乾燥して、定量的終了で生成物を得る。
【0103】
HPLC(A)=4.45分
MS[lces]MH=419.8
【0104】
ステップ4
アルキル化した中間化合物(4.5ミリモル、1.9g)を、熱氷酢酸(80mL)に溶解し、水素で還元した鉄(2.5g、45ミリモル、4つの部分に分割)の第1の一部を添加する。この混合物を還流し、1.5時間、保持する;最初の1時間において、残存する3つの部分を添加する。還流の約1時間後、反応混合物は、ベージュ色の乳状の懸濁液となる。反応の終期において、反応混合物を60℃に冷却し、隔膜を介して濾過し、酢酸で沈殿物を洗浄する。その濾過物を、乾燥するように蒸留し、この残渣を水で洗浄し、DCMで抽出し、5%のNaHCOで洗浄し、乾燥する。溶媒を留去した後、固形物としてそのメチルエステルを得る(1.57g)
【0105】
この固形のエステルを、メタノール(30mL)に懸濁し、1NのNaOH(8ミリモル、8mL)で処理し、還流下で1時間保持し、HPLCにより、エステルの消失と酸性物の形成とを観察する。吸引下で反応混合物からメタノールを留去し、その混合物を、水及び酢酸エチル(50mL)で希釈し、不純物を抽出し、残存する水溶液を、1NのHClで酸性化する。分離する固形物を、酢酸エチルで抽出し、乾燥し蒸留して、1.29gの固形物を収率85.8%で得る。
【0106】
HPLC(A)=3.19分
MS[lces]MH=418.0
【0107】
得た6−(8−アセチルアミノ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸(387mg、0.93ミリモル)を、95°のエタノール(10mL)と、濃HClを有する水(2mL)とで処理し、還流下で1時間保持し、HPLCでモニタリングして、試薬の消失と、30%の酸性物及び70%のエチルエステルの形成とを観察する。この反応混合物を、ロタベーパー(rotavapor)により濃縮し、残渣を塩水で処理する。この混合物を酢酸エチルで抽出し、蒸留で乾燥した後、290mgの固形物を得て、これを、粗生成物の形態で次の反応に用いる。
【0108】
上記の通り得た粗混合物(290mg)を、メタノール(8mL)に溶解し、これに、パラホルムアルデヒド(105mg、3.5ミリモル)、酢酸(0.15mL、2.5ミリモル)及びNaCNBH(126mg、2ミリモル)を添加する。この混合物を、周囲温度下で48時間攪拌し、ジメチル化した誘導体への変換を全体的に達成する。この反応混合物を、1NのHClで酸性化し、1/2時間後、1NのNaOH(8mL)でアルカリ化し、1/2時間還流して、単独で酸性の誘導体を得る。
【0109】
冷却後、生成物を、1NのHClで酸性化し、酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し乾燥した後、蒸留して、6−(8−ジメチルアミノ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸を232mgの固形物として、62%の収率で得る。
【0110】
HPLC(A)=2.94分
MS[lces]MH=404.1
【0111】
この中間体(232mg、0.58ミリモル)をDMF(10mL)に溶解し、−10℃でEtN(1.1ミリモル、0.16mL)を添加する。クロロギ酸エチル(1ミリモル、0.1mL)を滴下で添加し、この混合物を、1時間、−10〜0℃で保持する。この時間の終期において、この懸濁液の全量を、NHOHHCl(2.8ミリモル、200mg)を有するDMF(3mL)の混合物に添加し、これに、EtN(2.9ミリモル、0.4mL)を添加した。得た反応混合物を、攪拌しながら2時間保持する。HPLCにより、ヒドロキサム酸の形成を観察する。その反応混合物は、機械ポンプにより乾燥し、塩水で希釈し、酢酸エチル(二回)で抽出する。この抽出物を、乾燥し、溶媒を蒸留して、粗油状物を得て、Symmetry Prep C18の19×300mmカラムを有する調製型の島津社製のHPLC(3路)により、80%の水と、20%のアセトニトリルとからなる溶出混合物(両者とも0.1%のTFAを含有する)を用い、CHCNの濃度で0.5%/分の率の線形のグラジエントにより、精製する。
【0112】
150mgの白色の凍結乾燥固形物を、48.5%の収率で、得る。
【0113】
HPLC(A)=2.5分
MS[lces]MH=419.1
【0114】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.29(1H,s)−9.70(mc,s)−9.09(1H,s)−7.26−7.24(2H,m)−7.22(1H,m)−7.14(3H,m)−6.91(1H,t)−2.98(2H,bs)−2.93(3H,m)−2.20(mc,t)−1.89(2H,t)−1.40(4H,m)−1.25(2H,m)
【0115】
同様の様式で、下記の生成物を形成した。
【0116】
(例21)
6−(3−メトキシ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=3.11分
MS[lces]MH=462.1
【0117】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.29(1H,s)−9.70(mc,s)−9.49(mc,s)−9.30(1H,s)−8.95(mc,s)−8.62(1H,s)−7.68(1H,dd)−7.46(1H,td)−7.26(1H,d)−7.08(1H,d)−6.92(1H,t)−6.74(1H,d)−6.58(1H.dd)−3.76(3H,s)−2.95(2H,bs)−2.20(mc.t)−1.89(2H,t)−1.44−1.37(4H,m)−1.25(2H,bs)
【0118】
(例22)
6−(10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=3分
MS[lces]MH= 376.1
【0119】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.28(1H,s)−9.69(mc,s)−9.35(1H,s)−8.95(mc,s)−7.69(1H,dd)−7.47(1H,td)−7.30(2H,m)−7.19(2H,m)−6.99(1H,t)−6.91(1H,t)−3.00(2H,bs)−2.20(mc,t)−1.88(2H,t)−1.40(4H,m)−1.25(2H,m)
【0120】
(例23)
6−(10,10−ジオキソ−10H−5−オキサ−10λ−チア−11−アザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=3.28分
MS[lces]MH=377.1
【0121】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.30(1H,s)−9.71(mc,s)−8.95(mc.s)−8.63(1H,S)−7.80(1H,dd)−7.68(1H,td)−7.50−7.44(4H,m)−7.39−7.34(2H,m)−3.54(2H,t)−2.21(mc,t)−1.90(2H,t)−1.44(4H,m)−1.29(2H,m)
【0122】
(例24)
6−(8−アミノ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=2.38分
MS[lces]MH=391.1
【0123】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.30(1H,bs)−9.70(mc,bs)−9.28(1H,s)−8.97−8.26(1H,bs)−7.41(1H,s)−7.28(1H,t)−7.25(1H,d)−7.19−7.16(3H,m)−6.96(1H,t)−3.00(2H,bs)−2.20(mc,t)−1.89(2H,t)−1.40(4H,m)−1.24(2H,m)
【0124】
(例25)
6−(2−フルオロ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=3.09分
MS[lces]MH=394.1
【0125】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.28(1H,s)−10.08(mc,s)−9.69(mc,s)−9.35(1H,s)−8.93−8.50(1H,bs)−7.68(1H,dd)−7.47(1H,td)−7.25(1H,d)−7.21(2H,m)−7.12(1H,d)−6.91(1H,t)−3.05(2H,bs)−2.19(mc,t)−1.88(2H,t)−1.40(4H,m)−1.23(2H,m)
【0126】
(例26)
6−(8−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=2.01分
MS[lces]MH=435.1
【0127】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.29(1H,s)−9.58(1H,s)−8.88(1H,s)−7.21(1H,d)−7.18(1H,bs)−7.09(1H,bs)−6.91(1H,d)−6.51(1H,s)−6.33(1H,d)−3.14−2.74(2H,bs)−2.91(3H,s)−2.21(mc,t)−1.89(2H,t)−1.42(2H,m)−1.38(2H,m)−1.25(2H,bs)
【0128】
(例27)
6−(8−ジメチルアミノ−3−メトキシ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=2.42分
MS[lces]MH=449.1
【0129】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.30(1H,s)−9.71(mc,s)−8.89(1H,s)−8.63(1H,s)−7.16(1H,d)−7.05(1H,dd)−7.01(1H,d)−6.90(1H,d)−6.64(1H,d)−6.47(1H,d)−3.74(3H,s)−3.03(2H,bs)−2.85(6H,s)−2.20(mc,t)−1.89(2H,t)−1.41(2H,m)−1.37(2H,m)−1.25(2H,m)
【0130】
(例28)
6−(7−メチル−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=3.3分
MS[lces]MH=390.1
【0131】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.28(1H,s)−9.69(mc,s)−9.26(1H,s)−8.94(1H,bs)−7.57(1H,d)−7.28(1H,td)−7.18(2H,m)−7.10(1H,s)−6.97(1H,td)−6.74(1H,d)−2.96(2H,bs)−2.30(3H,s)−2.20(mc,bs)−1.88(2H,t)−1.43−1.36(4H,m)−1.24(2H,m)
【0132】
(例29)
6−(2−メトキシ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=3.18分
MS[lces]MH=406.1
【0133】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.28(1H,s)−9.69(mc,s)−9.15(1H,s)−7.65(1H,d)−7.42(1H,t)−7.21(1H,d)−7.12(1H,d)−6.95(1H,dd)−6.85(1H,t)−6.75(1H,d)−3.75(3H,s)−3.05(2H,bs)−2.20(mc,t)−1.89(2H,t)−1.42(4H,m)−1.25(2H,m)
【0134】
(例30)
6−(7−メトキシ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=3.2分
MS[lces]MH=406.1
【0135】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.29(1H,s)−9.70(mc,s)−9.32(1H,s)−8.94−8.47(1H,bs)−7.60(1H,d)−7.29(1H,t)−7.17(2H,m)−6.98(1H,t)−6.82(1H,d)−6.53(1H,dd)−3.81(1H,s)−2.96(2H,bs)−2.20(mc,t)−1.89(2H,t)−1.44−1.37(4H,m)−1.25(2H,m)
【0136】
(例31)
6−(11−メチル−10,10−ジオキソ−10,11−ジヒドロ−5H−10λ−チア−5,11−ジアザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−7−イルオキシ)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=3.43分
MS[lces]MH=406.1
【0137】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.34(1H,s)−9.74(mc,s)−9.26(1H,s)−9.00(mc,s)−8.65(1H,bs)−7.58(1H,d)−7.26(1H,t)−7.24(1H,d)−7.12(1H,d)−6.96(1H,d)−6.52(1H,dd)−4.01(2H,t)−2.83(3H,s)−2.30(mc,t)−1.98(2H,t)−1.74(2H,m)−1.57(2H,m)−1.39(2H,m)
【0138】
(例32)
6−(4−アミノ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=3.28分
MS[lces]MH=391.2
【0139】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.30(1H,s)−9.70(mc,s)−8.97−8.23(1H,bs)−7.80(1H,s)−7.65(1H,d)−7.43(2H,m)−6.89(1H,m)−6.86(1H,d)−6.83(1H,dd)−6.61(1H,d)−6.02(3H,bs)−3.11(2H,bs)−2.21(mc,t)−1.89(2H,t)−1.42(4H,m)−1.27(2H,bs)
【0140】
(例33)
6−(10−オキソ−4H,10H−2−チア−4,9−ジアザジベンゾ[f]アズレン−9−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
ステップ1
予め薄切りに切断した1.1gの金属ナトリウムを、11mLのメタノールに、激しく攪拌しながら、添加する。得た溶液を、還流下で加熱し、3.0gのメチル3−[(2−メトキシ−2−オキソエチル)チオ]プロピオン酸を、緩徐に添加する(約10分)。この溶液を、30分間、再度還流し、周囲温度に戻した。その全量を、攪拌しながら、氷及び水(約100mL)中に注入し、その後、30〜40分間、攪拌し、濃HClでpH2に酸性化する。その水を、ジクロロメタンで、5回、抽出し、その有機抽出物を保存し、乾燥し、ロタベーパーにより、濃縮して、1.7gの油状物を得る。
【0141】
GC−MS分析したところ、約3%の割合で、他の異性体(メチルテトラヒドロ3−オキサ−2−チオフェンカルボキシレート)が存在する。この粗生成物を、Flash Master Personal及びシリカ(20g)を前もって充填したphenomenex社製のSTRATAカラムを用いて、精製する。その粗生成物を、ジクロロメタン:ヘキサン=1:1に溶解し、その後、乾燥し、ジクロロメタン:ヘキサン=1:1で溶出する。
【0142】
1.12gの白色の固形物を得る。収率54%。
【0143】
HPLC(A)=2.61分
【0144】
ステップ2:1,3,4,9−テトラヒドロ−10H−チエノ[3,4−b][1,5]ベンゾジアゼピン−10−オン
1.12gのメチルテトラヒドロ−4−オキサ−3−チオフェンカルボキシレートと、0.76gのo−フェニレンジアミンとを、27mLの無水トルエンに溶解して得た溶液を、還流下、Dean−Starkトラップを用いて、2.5時間加熱し、水を除去する。この溶液を、周囲温度に戻す。橙色の沈殿物を形成し、これを、多孔性の隔膜を介して濾過し、空気中で乾燥する。1.14gの清浄な1,3,4,9−テトラヒドロ−10H−チエノ[3,4−b][1,5]ベンゾジアゼピン−10−オンを得る。収率75%。
【0145】
HPLC(A)=2.43分
MS[lces]MH=219.2
【0146】
ステップ3
698mgのN−クロロサクシニミドを、1.14gの上記の通りに得た生成物を有する11mLの無水ピリジンの混合物に、窒素下、攪拌しながら添加し、氷浴と水浴とで補助しながら、反応の初期温度が10〜15℃とする。上記の添加の終期において、全量を、30分間、60℃とし、その後、周囲温度とする。この反応混合物を、100mLの水及び氷中に注入し、攪拌しながら、20分間載置する。形成する沈殿物を、多孔性の隔膜を介して濾過し、数時間、フィルター紙上で乾燥させる。95%を越える純度で、1.01gの4,9−ジヒドロ−10H−チエノ[3,4−b][1,5]ベンゾジアゼピン−10−オンを得る。収率90%。
【0147】
HPLC(A)=2.77分
MS[lces]MH=217.2
【0148】
この三環系化合物を、上述の通りの様式で、最終産物に変換する。
【0149】
HPLC(A)=2.82分
MS[lces]MH=346.1
【0150】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.27(1H,s)−9.68(mc,s)−8.94(mc,s)−8.61(1H,s)−7.96(2H,d)−7.31(1H,d)−7.08(2H,m)−7.03(1H,m)−6.60(1H,d)−3.94(2H,t)−2.18(mc,t)−1.86(2H,t)−1.46−1.38(4H,m)−1.21(2H,m)
【0151】
下記のものを、上記と同一の様式で得た。
【0152】
(例34)
6−(6,7−ジクロロ−10−オキソ−4H,10H−2−チア−4,9−ジアザベンゾ[f]アズレン−9−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
HPLC(A)=3.52分
MS[lces]MH=314.1
【0153】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.29(1H,s)−9.70(mc,s)−8.95(mc,s)−8.63(1H,bs)−8.25(1H,s)−8.04(1H,d)−7.64(1H,s)−7.31(1H,s)−6.65(1H,d)−8.97(2H,t)−2.18(mc,t)−1.87(2H,t)−1.41(4H,m)−1.20(2H,m)
【0154】
(例35)
N−ヒドロキシ−4−[1−(11−オキソ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−6−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−ブチルアミド
HPLC(B)=7.66分
MS[lces]MH=423.1
【0155】
H−NMR(DMSO−d,600MHz)δ:10.32(1H,s)−10.06(1H,s)−9.73(mc,s)−8.99(mc,s)−8.65(1H,s)−7.67(1H,dd)−7.37(1H,t)−7.06(1H,d)−7.01−6.95(3H,m)−6.90(2H,t)−4.54(1H,d)−3.37(1H,d)−2.93(1H,bs)−2.81(1H,t)−2.25(mc,t)−1.92(2H,t)−1.76(1H,m)−1.48(4H,m)−1.18(3H,bs)−0.84(1H,bs)
【0156】
HPLC法
(A)Zorbax(登録商標)カラム、SB−18、3.5mm、100Å(50×4.6mm)、6.5分間で、HO+0.1%TFA/MeCN+0.1%TFAを95/5から5/95とし、その後、1分間、一定の溶離液で溶出、φ=3mL/分、λ=220、254nm
【0157】
(B)Symmetry300カラム、C−18、5ミクロン(250×4.6mm)、20分間で、HO+0.1%TFA/MeCN+0.1%TFAを85/15から5/95とし、4分間、一定の溶離液で溶出、φ=1mL/分、λ=210nm
【0158】
NMRの略語:
mc=主でない配座異性体
bs=広いシグナル
m=マルチプレット、又は重なり合うマルチプレット
【0159】
(治療指標)
ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、異常な遺伝子発現によって生じる、炎症、糖尿病、糖尿病の合併症、ホモ接合型サラセミア、線維症、肝硬変、急性前骨髄球性白血病(APL)、移植片拒絶反応、自己免疫疾患、原虫感染症、腫瘍及びこれらに類するものなどの病態のための治療的又は予防的薬剤のクラスである。
【0160】
特に、これらは、抗腫瘍活性を有する新規の薬物のクラスとして、浮上してきている。乳房、結腸及び肺の癌腫や、核クロマチンのアセチル化などいくつかの腫瘍的病態間の関係について述べられている。クロマチンのリモデリングを調節し得る薬物は、腫瘍の成長を阻止可能であり、そう遠くない将来において、腫瘍病態を処置する新規の装置を提供し得る。多くの実験的事実により、これらの薬物の主要な適用分野は、混合診療であり得ると信じられている。第1の臨床試験から浮上してきたかなりの耐性により、この分子のクラスは、この分子クラスが細胞毒性を有する薬物などの従来の薬物を用いた、又は放射線処置、又は新規に生じる抗腫瘍薬剤と混合治療に用いられると信じられている。特に、本発明は、一般式(I)のヒストンデアセチラーゼ阻害活性を有する化合物とともに、1つ以上の化学療法化合物との組み合わせも提供し、この化学療法化合物としては、従来の細胞毒性を有する薬剤、脱メチル化剤、サイクリン依存性キナーゼの阻害剤、分化剤、シグナル伝達モジュレーター、HSP−90アンタゴニスト、プロテアソーム阻害剤からなる群から選択される。好適な化合物としては、下記の群から選択される化合物である:
従来の細胞毒性を有する薬剤:フルダラビン、ゲンシタビン、デシタビン、パクリタキセル、カルボプラチン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン及びT−128並びに、ドキソルビシン、サバルビシン、ダウノルビシンなどのアントラサイクリンを含むTopoI/II阻害剤;
脱メチル化剤(DNAの脱メチル化):5−アザ−2’−デオキシシチジン(5−アザ−dC)、5−アザシチジン;
サイクリン依存性キナーゼの阻害剤:フラボピリドール、オロモウシン、ロスコビチン、プルバラノールB、GW9499、GW5181、CGP60474、CGP74514、AG12286、AG12275、スタウロスポリン、UCN−01;
分化剤:レチノイン酸及びその誘導体(全てトランスのレチノイン酸であるATRA)、13−シス−レチノイン酸(CRA)、PMA(フォルボールミリステート酢酸);
シグナル伝達モジュレーター:TRAIL、イマチニブメシレート、LY−294002、ボルテゾミブ;
HSP−90アンタゴニスト:ゲルダナマイシン及びその誘導体(17−AAG);
プロテアソーム阻害剤:ラクタシスチン、MG132、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))
【0161】
(生物活性)
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤としての化合物の活性は、in vitroのアセチル化アッセイを用いて、測定した。その後、ヒトの腫瘍細胞培養の増殖の阻害剤として、各化合物を評価した。得たデータを、下表に示す。
【0162】
HeLa細胞(ヒト子宮頸部癌細胞)の各抽出物に対する脱アセチラーゼ活性
アッセイ(Fluor de Lys(登録商標)(BioMol社製))は、下記の2つのステップに分割する:第一のステップにおいて、アセチル化されたリジン残基を有する基質を、阻害剤の存在下及び不存在下、酵素活性を有する核抽出物(HeLa)と反応する。第2のステップにおいて、蛍光試薬を添加して、脱アセチル化された残基を強調する。蛍光の還元を得て、ここでは、脱アセチル化活性の阻害が見られる場所である。この結果を、阻害剤の不存在下でのコントロールに対する濃度1μMにおける阻害の活性として、最終的に示す。
【0163】
ヒト結腸癌腫細胞HCT−116に対する細胞毒性活性の評価
ヒト結腸癌腫細胞HCT−116を、10%FBS及び2mMのグルタミンを含有するRPMI1640培地中で96穴プレートに播種した。播種後24時間において、異なる濃度の各化合物を添加する。化合物の全ては、培養中での最終濃度が0.5%を越えないように、DMSOで希釈する。化合物添加後72時間において、Alamar Blueの色素を用いて、細胞バイアビリティーを測定する。キャリアのみで処理したコントロールに対する、処理した群の百分率で結果を示す。
【0164】
【表1】

【0165】
同じ試験において、参照として包含されるスベラニロヒドロキサム酸(SAHA)は、0.1μMにおいて、55%の阻害活性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物であって:
Xは、CO、CS、SO、CHからなる群から選択され、
Yは、O、S、SO、SO、CH、C=O、C=CH、N−R、CH−OR、CH−NR、C=CH−CO−Rからなる群から選択され、
A及びBは、独立に、5若しくは6員環、フェニルなどの芳香族、又はフラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサチアゾール、1,2,3−トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン及びピラジンからなる群から選択された複素環から選択され、
、R、R、Rは、独立に、H、ハロゲン、CF、NO、NR10、CN、COOH、(CH−CONR10、C1〜6のアルキル、OH、O−C1〜6のアルキル、O−シクロプロピル、O−(CH−O−C1〜6のアルキル、O−(CH−NR10、O−CONHR、CH−Z−R、COR、CR1314、SR、SOR15、SO15、CRNOR、CRNNR10、Q−(CHCONHOHからなる群から選択され、又はフラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサチアゾール、1,2,3−トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、モルフォリン、チオモルフォリン、ピペリジン、ピロリジンからなる群から選択された5又は6員環からなる群から選択され、
及びRは、独立に、H、C1〜6のアルキル、Q−(CHCONHOHからなる群から選択される置換基であり、
は、NH−(CHCONHOHであり、
は、(CH−R11であって、R11は、メチル基又は水酸基であり、
Zは、O、NR12、Sからなる群から選択され、
Qは、化学結合、又は−O−、−S−、−NR12−、−NRCO−、−CONR−、−W−、−COW−からなる群から選択され、Wは、ピペリジン又はピロリジンから選択される置換基を示し、
は、結合又は−CO−であり、
及びR10は、独立に、H、又はC1〜6のアルキルであり、
12は、H、又はRであり、
13及びR14は、2又は3のCHからなるアルキル鎖に共に結合された、フッ素原子又は酸素原子のいずれか一方又は両方であり、
15は、C1〜6のアルキルであり、
nは、2〜9の整数であり、
mは、0〜2の整数であり、
pは、0〜5の整数であり、
ただし、
(CHCONHOHのヒドロキサム酸の一つの基又はこれのみが分子に常に存在しなければならず;
XがCOであり、A及びBが両方ともベンゼン基である場合、R及びRは、Q−(CHCONHOHではない; ことを特徴とする化合物、光学異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、及びラセミ又は種々の相互の比率のこれらの混合物。
【請求項2】
Xは、CO、SOからなる群から選択され、
Yは、O、S、SO、SO、CH、C=O、C=CH、N−R、C=CH−CO−Rからなる群から選択され、
A及びBは、独立に、5若しくは6員環、フェニルなどの芳香族、又はチオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサチアゾール、1,2,3−トリアゾール、ピリジンからなる群から選択された複素環から選択され、
、R、R、Rは、独立に、H、ハロゲン、CF、NO、NR10、CN、COOH、(CH−CONR10、C1〜6のアルキル、OH、O−C1〜6のアルキル、O−シクロプロピル、O−(CH−O−C1〜6のアルキル、O−(CH−NR10、O−CONHR、CH−Z−R、COR、CR1314、SR、SOR15、SO15、CRNOR、CRNNR10、Q−(CHCONHOHからなる群から選択され、
及びRは、独立に、H、C1〜6のアルキル、Q−(CHCONHOHから選択された置換基であり、
は、NH−(CHCONHOHであり、
は、(CH−R11であり、R11は、メチル基又は水酸基であり、
Zは、O、NR12、Sからなる群から選択され、
Qは、化学結合、又は−O−、−S−、−NR12−、−NRCO−、−CONR−、−COW−であり、Wは、ピペリジン又はピロリジンであり、
は、結合又は−CO−であり、
及びR10は、独立に、H、又はC1〜6のアルキルであり、
12は、H、又はRであり、
13及びR14は、2又は3のCHからなるアルキル鎖に共に結合された、フッ素原子又は酸素原子のいずれか一方又は両方であり、
15は、C1〜6のアルキルであり、
nは、2〜9の整数であり、
mは、0〜2の整数であり、
pは、0〜5の整数であり、
ただし、
(CHCONHOHのヒドロキサム酸の一つの基又はこれのみが上記の分子に常に存在しなければならず;
XがCOであり、A及びBが両方ともベンゼン基である場合、R及びRは、Q−(CHCONHOHではない;
ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xは、CO、SOからなる群から選択され、
Yは、O、S、SO、SO、C=O、N−Rからなる群から選択
A及びBは、独立に、5若しくは6員環、フェニルなどの芳香族、又はチオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサチアゾール、1,2,3−トリアゾール、ピリジンからなる群から選択された複素環からなる群から選択され、
、R、R3、Rは、独立に、H、ハロゲン、CF、NO、NR10、CN、C1〜6のアルキル、OH、O−C1〜6のアルキル、O−(CH−NR10、CH−Z−R、COR、CR1314、SR、SOR15、SO15、Q−(CHCONHOHからなる群から選択され、
及びRは、独立に、H、C1〜6のアルキル、Q−(CHCONHOHからなる群から選択され、
は、(CH−R11であり、R11は、メチル基又は水酸基であり、
Zは、O、NR12、Sからなる群から選択され、
Qは、化学結合、又は−O−、−S−、−NR12−、−NRCO−、−CONR−、−COW−からなる群から選択され、Wは、ピペリジン又はピロリジンからなる群から選択され、
は、結合又は−CO−であり、
及びR10は、独立に、H、又はC1〜6のアルキルであり、
12は、H、又はRであり、
13及びR14は、2又は3のCHからなるアルキル鎖に共に結合された、フッ素原子又は酸素原子のいずれか一方又は両方であり、
15は、C1〜6のアルキルであり、
nは、2〜6の整数であり、
pは、0〜5の整数であり、
ただし:
(CHCONHOHのヒドロキサム酸の一つの基又はこれのみが分子に常に存在しなければならず;
XがCOであり、A及びBが両方ともベンゼン基である場合、R及びRは、Q−(CHCONHOHではない;
ことを特徴とする請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
6−(11−オキソ−5,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−メトキシ−11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−クロロ−11−オキソ−5,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−クロロ−11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−メチル−11−オキソ−5,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(5,5,11−トリオキソ−5,11−ジヒドロ−5λ−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−メトキシ−5,5,11−トリオキソ−5,11−ジヒドロ−5λ−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−クロロ−5,5,11−トリオキソ−5,11−ジヒドロ−5λ−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−メトキシ−5,11−ジオキソ−5,11−ジヒドロ−5λ−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−メトキシ−11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−クロロ−11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
7−(11−オキソ−11H−ジベンゾ[b,f][1,4]オキサゼピン−10−イル)−ヘプタン酸ヒドロキシアミド
6−(5−オキソ−5,11−ジヒドロ−ベンゾ[b]ピリド[2,3−e][1,4]ジアゼピン−6−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(6,7−ジクロロ−10−オキソ−4H,10H−2−チア−4,9−ジアザ−ベンゾ[f]アズレン−9−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−メトキシ−5−オキソ−5,11−ジヒドロ−ベンゾ[b]ピリド[2,3−e][1,4]ジアゼピン−6−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8,9−ジメチル−5−オキソ−5,11−ジヒドロ−ベンゾ[b]ピリド[2,3−e][1,4]ジアゼピン−6−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−ジメチルアミノ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(3−メトキシ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(10,10−ジオキソ−10H−5−オキサ−10λ−チア−11−アザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−アミノ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(2−フルオロ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(8−ジメチルアミノ−3−メトキシ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(7−メチル−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(2−メトキシ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(7−メトキシ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(11−メチル−10,10−ジオキソ−10,11−ジヒドロ−5H−10λ−チア−5,11−ジアザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−7−イルオキシ)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(4−アミノ−10,10−ジオキソ−5,10−ジヒドロ−10λ−チア−5,11−ジアザ−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−11−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(10−オキソ−4H,10H−2−チア−4,9−ジアザジベンゾ[f]アズレン−9−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド
6−(6,7−ジクロロ−10−オキソ−4H,10H−2−チア−4,9−ジアザベンゾ[f]アズレン−9−イル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド、又は
N−ヒドロキシ−4−[1−(11−オキソ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−6−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−ブチルアミド
であることを特徴とする請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
ヒストンデアセチラーゼ阻害剤として有用な医薬組成物の調製への請求項1乃至4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項6】
炎症、糖尿病、糖尿病の合併症、ホモ接合型サラセミア(homozygotic thalassaemia)、線維症、肝硬変、急性前骨髄球性白血病(APL)、移植片拒絶反応、自己免疫疾患、原虫感染症、腫瘍の処置に有用な医薬組成物の調製への、請求項5に記載の化合物の使用。
【請求項7】
腫瘍を処置するのに有用な医薬組成物の調製への、請求項6に記載の化合物の使用。
【請求項8】
化学療法剤から選択される1つ以上の活性本体とを組み合わせた、腫瘍を処置するのに有用な医薬組成物への、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項9】
放射線療法の処置と組み合わせた、腫瘍を処置するのに有用な医薬組成物の調製への、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項10】
従来の細胞毒性を有する薬剤、脱メチル化剤、サイクリン依存性キナーゼの阻害剤、分化剤、シグナル伝達モジュレーター、HSP−90アンタゴニスト、プロテアソーム阻害剤からなる群から選択される1つ以上の化合物と組み合わせた、請求項8に記載の組成物の使用。
【請求項11】
従来の細胞毒性を有する薬剤である、フルダラビン、ゲンシタビン、デシタビン、パクリタキセル、カルボプラチン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン及びT−128並びに、ドキソルビシン、サバルビシン、ダウノルビシンなどのアントラサイクリンを含むTopoI/II阻害剤;
脱メチル化剤(DNAの脱メチル化)である、5−アザ−2’−デオキシシチジン(5−アザ−dC)、5−アザシチジン;
サイクリン依存性キナーゼの阻害剤である、フラボピリドール、オロモウシン、ロスコビチン、プルバラノールB、GW9499、GW5181、CGP60474、CGP74514、AG12286、AG12275、スタウロスポリン、UCN−01;
分化剤である、レチノイン酸及びその誘導体(全てトランスのレチノイン酸であるATRA)、13−シス−レチノイン酸(CRA)、PMA(フォルボールミリステート酢酸);
シグナル伝達モジュレーターである、TRAIL、イマチニブメシレート、LY−294002、ボルテゾミブ;
HSP−90アンタゴニストである、ゲルダナマイシン及びその誘導体(17−AAG);並びに
プロテアソーム阻害剤である、ラクタシスチン、MG132、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標));
からなる群から選択された1つ以上の化合物とを組み合わせたものを調製する、請求項10に記載の化合物の使用。
【請求項12】
炎症、糖尿病、糖尿病の合併症、ホモ接合型サラセミア(homozygotic thalassaemia)、線維症、肝硬変、急性前骨髄球性白血病(APL)、移植片拒絶反応、自己免疫疾患、原虫感染症、腫瘍の処置のための、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を活性本体として含有することを特徴とする医薬組成物。

【公表番号】特表2008−533088(P2008−533088A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501283(P2008−501283)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060661
【国際公開番号】WO2006/097449
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(500047228)メナリニ インターナショナル オペレーションズ ルクセンブルグ ソシエテ アノニマ (6)
【Fターム(参考)】