説明

ヒトにおけるスタチン薬物動態に対する効果と関連するヒトOATP−Cにおける多型のスタチン療法での使用

本発明は、ヒトOATP−Cにおける多型が、人体におけるスタチン薬物動態(PK)、特にロスバスタチン薬物動態に対する影響と関連していることから、スタチン療法におけるそれらの使用に関するものである。本発明はまた、肝臓への取込がOATP−Cを介するものであるスタチン、特にロスバスタチンの有効性および安全性の予測におけるOATP−C多型の使用に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトOATP−Cにおける多型が、ヒトにおけるスタチン薬物動態(PK)、特にロスバスタチン薬物動態に対する効果と関連していることから、スタチン療法でのそれらの使用に関するものである。本発明はまた、肝臓へのその取込がOATP−Cを介するものであるスタチン類、特にロスバスタチンの有効性および安全性の予測におけるOATP−C多型の使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
OATP−C遺伝子(LST1、OATP2、SLCO1B1、SLC21A6またはOATP1B1と呼ばれることもある)は、異なる4グループによりクローン化され、EMBL受入番号AB026257(OATP−C、2452bp)、AF205071(OATP2、2830、本明細書における配列表)、AJ132573(OATP2、2778)、およびAF060500(LST−1)として注釈および公開されている。Konig(2000)J Biol Chem 275、23161−23168は、OATP1、2および8のゲノム構成について報告している。国際特許出願WO00/08157号は、ヒトアニオン輸送体遺伝子および若干の多型について記載している。
【0003】
Na+非依存性有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)C遺伝子は、有機アニオンの多機能輸送に関与するOATP超遺伝子ファミリーの一員である。OATP−Cは、多様な範囲の分子、例えば有機アニオンタウロコール酸、複合ステロイド:DHEAS、エストラジオール17β−D−グルコロニドおよびエストロン−3−サルフェート、エイコサノイド:PGE、トロンボキサンB、ロイコトリエンCおよびE、および甲状腺ホルモンT4およびT3を輸送する。OATP−Cはまた、生体内異物、および脂質低下に関与する薬物、例えばスタチン類の輸送に関与することが示されている。スタチンは、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)を阻害する薬剤の種類である。それらは、アテローム性動脈硬化症の患者にとっては重要な治療法であり、一般的に耐容性良好であるが、全市販スタチンにおいて稀に見られる有害な事象が注目されている。スタチン間における薬物動態の差異は、利益−危険比の差異と関連している(Igel(2002)J Clin Pharmacol 42:835−45)。
【0004】
一般的に、スタチン治療から最大の利益−危険比を得るためには、処方用量を治療目標および応答に応じて個別に配慮すべきであると勧告されている。例えば、推奨されるロスバスタチンの通常出発用量は、高コレステロール血症および混合脂質代謝異常患者の場合1日1回10mgであるが、5mg用量も利用可能である。著しい高コレステロール血症(LDL−C>190mg/dL)および強度の脂質標的を示す患者については、20mgの出発用量が考えられ得る。20mgで目標LDL−Cを達成しなかった患者については、40mg用量を確保するべきである。ロスバスタチンの治療開始後および/またはタイトレーション時、2〜4週間以内に脂質レベルを分析し、それに応じて投薬量を調節するべきである。
【0005】
プラバスタチンは、OATP−C輸送体を介して循環系から肝臓へ能動輸送される(Hsiang、B.Journal of Biological Chemistry、274(52)、37161−37168、1999)。ロスバスタチンは、インビトロでOATP−Cについての基質であることが示された(Brown(2001)Atherosclerosis Supplements 2、90頁、ポスター・アブストラクトP174)。OATP−Cにおける非常に多数の多型は、文献およびSNPデータベースで報告されている。OATP−CにおけるSNPの同定は、欧州特許第1186672号で報告されている。OATP−Cにおける多型は、Tamai et al(2000)、BBRC、273、251−60により報告され、Tirona(2002)Adv Drug Deliery Reviews 54:1343−52に概説されている。Tironaは、V174A変異型を含むOATP−C多型の中には、インビトロでの内在性基質の輸送低下と関連しているものもあることを示した。異なる細胞系を用いることにより、Nozawa et al(2001)J Pharmacol Exp Ther、302、804−13は、V174A(OATPC5)変異型が基質輸送には影響しないことを見出した。Tironaは、OATP−C多型のインビボ関連性については依然として測定されていないと述べている。
【0006】
Niemi et al(2004年7月)Pharmacogenetics 14(7)、429−440は、プロモーターSNPを含むOATPCにおけるSNPについて記載している。著者らは、健康なボランティアのコーホートにおけるプラバスタチンPK(薬物動態)とプロモーターSNPを含むハプロタイプ間の顕著な相関関係を報告している。
【0007】
Nishizato(2003)Clin Pharmacol Ther 73:554−65は、N130DおよびV174多型の両方を含むOATPC15対立遺伝子が、健康な日本人ボランティアにおけるプラバスタチンの薬物動態に対して効果があることを示すインビボデータを発表した。Nishizatoは、日本人集団からは現在までのところ検出されたことのないOATP−C5対立遺伝子の効果について報告したのではなく、この効果を調べるには大規模な臨床試験が必要であると述べていた。プラバスタチンを摂取している患者においてこれまでに薬物動態試験が実施されたことはない。健康なボランティアまたはロスバスタチンを摂取している患者に関する薬理遺伝学試験も実施されたことはない。このため、健康な日本人ボランティアで実施されたNishizato et alの観察は、患者または他集団のPKプロファイル、または種々の輸送体についての親和力が異なり得る他のスタチンのPKプロファイルを予測するものではない。
【0008】
ロスバスタチン臨床開発プログラムでアストラゼネカが集めたデータを用いた集団PKモデリング解析により、健康なボランティアと患者は、ロスバスタチンの分布の点で異なることが確認されている。脂質を低下させるためスタチンを投与されている患者は、OATP−Cにより輸送される他の薬剤を服用している可能性があり、そのため薬剤−薬剤相互作用は、スタチンのPKプロファイルに影響を及ぼし得る(Int J Clin Pharmacol Ther (2002)、40、439−50)。スタチンが処方された患者はまた、スタチンの分布および排出に影響する他の肝臓および腎臓合併症を有し得る。テキストブックのClinical Pharmacokinetics(第16章、1995年度第3版における248−266頁、Rowland & Tozer、Williams & Wilkinsにより出版)には、「病気は、薬剤応答の変動をもたらす主原因である。多くの病気の場合、これは主として薬物動態の差異に起因する…」から始まる完全な一章がある。
【0009】
このため、OATP−Cにおけるどの多型が、血管疾患またはその素因を有する患者においてロスバスタチンおよび他のスタチンのインビボ薬物動態に効果を有するかを確認することが要望されている。我々の発明は、V174A多型および/またはそれと連鎖不平衡にある多型が患者におけるスタチン薬物動態に統計的に有意な効果を有するという発見に基いている。V174A多型は、スタチン類、特にロスバスタチンへの応答に影響を及ぼし得る。
【発明の開示】
【0010】
本発明の一側面によると、
a)OATP−Cにより輸送される治療剤による処置を必要とするものとして確認されたヒトからの生物学的サンプルであって、OATP−Cをコード化する核酸を含むサンプルを提供し、
(b)少なくとも1個の対立遺伝子における、
(i)配列番号1の174位に対応する位置にあるアラニンをコード化するコドン、または
(ii)(i)との連鎖不平衡にある多型の対立遺伝子
の存在について核酸を試験し、そして
(c)(i)または(ii)が少なくとも1個の対立遺伝子から見出される場合、細胞へ治療剤を輸送する能力が低下した可能性があるものとしてヒトを診断する
ことを含む診断方法が提供される。
【0011】
好ましくは、(b)(ii)の多型は、−26A>G、−118A>C、−309T>C、−878A>G、−903C>T、−1054G>T、−1215T>A、または−1558T>C、全て配列番号2、またはT2122G、C2158T、A2525C、またはG2651A、全て配列番号3である。
【0012】
さらに好ましくは、(b)(ii)の多型は、配列番号2の−118A>Cまたは−1558T>Cである。−118および−1558における多型の対立遺伝子は、配列番号1の174位にあるアラニン対立遺伝子と顕著な連鎖不平衡にある(それぞれp=0.009および0.025、ASSOCIATEプログラムにより解析、Ott J(1999)Analysis of human genetic linkage、第3版参照。ジョーンズ・ホプキンス・ユニバーシティー・プレス、バルチモア)。
【0013】
最も好ましくは、(b)(ii)の多型は、配列番号2の−118A>Cである。後記実施例2はこの多型の機能的効果について記載している。
【0014】
変異型の位置、例えば−26A>Gについて言えば、これは26位においてAがGにより置換されていることを示す。これは、その位置にGを検出するかまたはその位置にAが存在しないことを検出することにより試験され得る。どの変異型の位置についても同様の考え方が適用される。
【0015】
好ましくは、治療剤はスタチンであり、ヒトは一用量レベルのスタチンで処置されており、さらに段階(c)は、細胞へのスタチン輸送能力の低下に起因する利益−危険比の減少についてのモニターを含む別のスタチン高用量レベルへのタイトレーションに適切なものとしてヒトを診断することを含む。
【0016】
さらに好ましくは、治療剤はロスバスタチンである。
【0017】
別の実施態様において、治療剤は、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチンまたはシムバスタチンのうちの一つである。
【0018】
好ましくは、ヒトを1日当たり少なくとも5mgのロスバスタチンにより処置する。さらに好ましくは、ヒトを1日当たり少なくとも10mgのロスバスタチンにより処置する。さらに好ましくは、ヒトを1日当たり少なくとも20mgのロスバスタチンにより処置する。さらに好ましくは、ヒトを1日当たり少なくとも40mgのロスバスタチンにより処置する。
【0019】
本発明の別の側面によると、
(a)OATP−Cにより細胞へ輸送される治療剤による処置を必要とするものとして確認されたヒトからの生物学的サンプルであって、OATP−Cポリペプチドを含むサンプルを提供し、
(b)配列番号1の174位に対応するOATP−Cのアミノ酸がバリンであるか否かを測定し、そして
(c)アミノ酸がバリンではない場合、細胞へ治療剤を輸送する能力が低下した可能性があるものとしてヒトを診断する
ことを含む診断方法が提供される。
【0020】
好ましくは、治療剤はスタチンであり、ヒトは一用量レベルのスタチンで処置されており、さらに段階(c)は、細胞へのスタチン輸送能力の低下に起因する利益−危険比の減少についてのモニターを含む別のスタチン高用量レベルへのタイトレーションに適切なものとしてヒトを診断することを含む。
【0021】
好ましくは、本発明方法は、さらに174位にバリンおよび/またはアラニンを伴うOATPCポリペプチドのレベルを測定することにより、OATP−C核酸における−118A>C多型の存在または非存在を決定することを含む。
【0022】
好ましくは、本発明方法は、さらにOATP−C15対立遺伝子の存在または非存在についてOATP−Cポリペプチドのレベルを測定することにより、OATP−C核酸における−118A>C多型の存在または非存在を決定することを含む。
【0023】
理論的な考え方に拘束されるわけではないが、OATPCの種々の対立遺伝子形態の各々についてタンパク質発現レベルが測定され得、Ala174変異型の発現レベルは、結合した−118Cプロモーター変異型の存在下でプロモーター活性が高められるために増加することがわかる。例えば、Val174:Ala174タンパク質イソ型の比率を測定することにより、Ala174機能低下タンパク質は、アミノ酸配列174位でのヘテロ接合体対象においてはVal174正常機能輸送体より多く存在することがわかる。別の例では、Ala174ホモ接合体対象においてOATPC発現の絶対レベルを測定し、そしてその絶対発現レベルを、Val174変異型に関するホモ接合体対象についての集団平均の場合と比較することにより、Ala174対立遺伝子の相対発現が、−118Aプロモーター変異型と結合されたAla174対立遺伝子と比べて、−118C結合プロモーター対立遺伝子の存在下では高められることがわかる。別の例では、Ala174ホモ接合体対象においてOATPC発現の絶対レベルを測定し、その絶対発現レベルを集団平均の場合と比較することにより、OATPC発現が最高レベルであるAla174ホモ接合体対象は、OATPCプロモーターの少数対立遺伝子形態の転写活性増加を通して−118Cプロモーター変異型の1つまたはそれ以上のコピーを有するものと予測され得る。
【0024】
好ましくは、174位のアミノ酸はアラニンであると測定されている。さらに好ましくは、治療剤はロスバスタチンである。
【0025】
別の実施態様において、治療剤は、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチンまたはシムバスタチンのうちの一つである。
【0026】
好ましくは、ヒトを1日当たり少なくとも5mgのロスバスタチンにより処置する。さらに好ましくは、ヒトを1日当たり少なくとも10mgのロスバスタチンにより処置する。さらに好ましくは、ヒトを1日当たり少なくとも20mgのロスバスタチンにより処置する。ヒトを1日当たり少なくとも40mgのロスバスタチンにより処置する。
【0027】
本発明の一側面によると、最小限推奨用量レベルを越えるスタチン用量レベルを必要とする可能性がある患者を同定するかまたは最小限推奨用量レベルを超えるスタチン用量レベルへのタイトレーションをモニターするべき患者を同定するインビトロ診断方法であって、OATP−Cポリペプチドおよび/またはそれと連鎖不平衡である多型の174位におけるアラニンの存在について患者からの生物学的サンプルを試験することを含む方法が提供される。
【0028】
生物学的サンプルは、好都合には個体から得られる血液、気管支肺胞洗浄液、唾液、肝臓または他の体液または組織のサンプルである。試験サンプルは、試験サンプルにおける配列に対応する核酸配列と均等内容であり得る、すなわちサンプルの核酸における領域の全部または一部は、対立遺伝子変異解析の前に、好都合な技術、例えばPCRを用いて最初に増幅され得るものとする。好ましくは、直接ポリペプチド解析により、またはポリペプチドをコード化する遺伝物質の解析を通して174位におけるアラニンの存在について患者を試験する。患者は2コピーのOATPC遺伝子をもつため、彼らはホモ接合またはヘテロ接合遺伝子型であり得る。174位のアラニンと連鎖不平衡にある多型は、直接174位におけるアラニンの存在を測定する代替手段として試験され得る。
【0029】
本発明の1つまたはそれ以上の多型位置における変異型ヌクレオチドの存在または非存在の検出に使用され得る多数の解析手順があることは、当業者であれば容易に理解できるはずである。一般に、対立遺伝子変異の検出は、突然変異識別技術、所望により増幅反応および所望によりシグナル発生系を必要とする。表1は、若干の突然変異検出技術を列挙しており、中にはPCRに基くものもある。これらは、若干のシグナル発生系と組合わせて使用され得、その選択は表2に列挙されている。さらなる増幅技術は、表3に列挙されている。対立遺伝子変異の多くの現行検出方法については、Nollau et al.、Clin.Chem.43、1114−1120(1997)および標準テキストブック、例えばLaboratory Protocols for Mutation Detection、U.Landegren編、オックスフォード・ユニバーシティー・プレス(1996)および PCR、Newton & Grahamによる第2版、BIOS サイエンティフィック・パブリッシャーズ・リミテッド(1997)により概説されている。
【0030】
【表1】

【0031】
表1−突然変異検出技術
一般:DNA配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定
走査:PTT、SSCP、DGGE、TGGE、クリーバーゼ(Cleavase)、ヘテロ2本鎖解析、CMC、酵素ミスマッチ(誤対合)開裂
注:プロモーター多型の検出に有用ではない。
【0032】
ハイブリダイゼーション法
固相ハイブリダイゼーション:ドット・ブロット、MASDA、リバース・ドット・ブロット、オリゴヌクレオチドアレイ(DNAチップ)
液相ハイブリダイゼーション:Taqman(登録商標)−米国特許第5210015号および米国特許第5487972号(Hoffmann-La Roche)、分子ビーコン−Tyagi et al(1996)、Nature Biotechnology、14、303;国際公開第95/13399号(パブリック・ヘルス・インスティテュート、ニューヨーク)
伸長法:ARMS(登録商標)、ALEX(登録商標)−欧州特許第EP332435B1号(ゼネカ・リミテッド)、COPS−Gibbs et al(1989)、Nucleic Acids Research、17、2347。
取込法:ミニ−シーケンシング、APEX
制限酵素法:RFLP、制限部位生成PCR
連結反応法:OLA
その他:インベーダー検定法
【0033】
表2−シグナル発生または検出システム
蛍光法:FRET、蛍光消光、蛍光偏光−英国特許第2228998号(ゼネカ・リミテッド)
その他:化学発光、電気化学発光、ラマン、放射能、比色、ハイブリダイゼーション保護検定法、質量分析法
【0034】
表3−さらに別の増幅方法
SSR、NASBA、LCR、SDA、b−DNA
【0035】
表4−タンパク質変異検出方法
イムノアッセイ
免疫組織学
ペプチドシーケンシング
【0036】
好ましい突然変異検出技術には、ARMS(登録商標)、ALEX(登録商標)、COPS、Taqman、分子ビーコン、RFLP、および制限部位に基くPCRおよびFRET技術がある。イムノアッセイ技術は当業界では公知であり、例えばD M Kemenyによる A Practical Guide to ELISA、ペルガモン・プレス、1991;Principles and Practice of Immunoassay、第2版、C P Price & D J Newman、1997、アメリカ合衆国およびカナダのストックトン・プレスおよび英国のマクミラン・レファレンスにより出版。組織学的技術は、J D Bancroft & A StevensによるTheory and Practice of Histological Techniques、第4版、チャーチル・リビングストン(1996)に記載されている。タンパク質配列決定は、Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology、9巻、第2版、Sequencing of Proteins and Peptides、G Allen、第2改訂版、エルセビア(1989)に記載されている。
【0037】
特に好ましい方法には、ARMS(登録商標)およびRFLPに基く方法がある。ARMS(登録商標)は、特に好ましい方法である。
【0038】
抗体は、任意の適切な方法を用いて製造され得る。例えば、精製ポリペプチドは、特異抗体の製造に使用され得る。「抗体」の語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、および様々なタイプの抗体構築物、例えばF(ab')、Fabおよび1本鎖Fvを包含するものとする。抗体が約10−1と同等またはそれより大きいKでOATP−Cの対立遺伝子変異型と結合する場合、それらは特異的に結合していると定義される。結合の親和力は、慣用的技術、例えばScatchard et al.、Ann.N.Y.Acad.Sci.、51:660(1949)に記載されたものを用いて測定され得る。
【0039】
ポリクローナル抗体は、当業界でよく知られている手順を用いて、様々な供給源、例えばウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ニワトリ、ウサギ、マウスまたはラットから容易に作製され得る。一般に、抗原は、典型的には非経口注射を通じて宿主動物に投与される。抗原の免疫原性は、アジュバント、例えばフロイント完全または不完全アジュバントの使用を通して高められ得る。ブースター免疫化後、血清の小試料を集め、抗原に対する反応性について試験する。上記測定に有用な様々な検定法の例には、Antibodies:A Laboratory Manual、Harlow および Lane(編)、コールドスプリングハーバー・ラボラトリー・プレス(1988)に記載された方法;並びに例えば向流免疫電気泳動(CIEP)、ラジオイムノアッセイ、放射線免疫沈降、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、ドット・ブロット検定法、およびサンドイッチ検定法といった方法がある、米国特許第4376110および4486530号参照。
【0040】
モノクローナル抗体は、公知手順を用いて容易に作製され得る、例えば、米国特許第RE32011号、同第4902614号、同第4543439号および同第4411993号;Monoclonal Antibodies,Hybridomas: A New Dimension in Biological Analyses、プレナム・プレス、Kennett、McKearn、およびBechtol(編)(1980)に記載された手順参照。
【0041】
モノクローナル抗体は、別の技術、例えばAlting-Mees et al.、“Monoclonal Antibody Expression Libraries:A Rapid Alternative to Hybridomas”、Strategies in Molecular Biology 3:1−9(1990)(出典明示により援用する)により記載された技術を用いても製造され得る。同様に、結合パートナーは、特異結合抗体をコード化する遺伝子の可変域を組込む組換えDNA技術を用いて構築され得る。かかる技術は、Larrick et al.、Biotechnology、7:394(1989)に記載されている。
【0042】
単離および精製後、抗体を用いることにより、確立された検定プロトコールを用いて試料における特定ポリペプチド変異型の存在が検出され得る、例えば英国オックスフォード、ペルガモン・プレス、D.M.Kemenyによる“A Practical Guide to ELISA”参照。
【0043】
人体での使用が既に承認されているスタチンには、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチンおよびシムバスタチンがある。さらなる情報については、以下の参考文献を参照:Drug and Therapy Perspectives (1997年5月12日)、9:1−6;Chong(1997)Pharmacotherapy 17:1157−1177;Kellick(1997)Formulary 32:352;Kathawala(1991)Medicinal Research Reviews、11:121−146;Jahng(1995)Drugs of the Future 20:387−404、および Current Opinion in Lipidology、(1997)、8、362−368。好ましいスタチン薬剤は、Watanabe(1997)Bioorganic and Medicinal Chemistry 5:437−444における化合物3a(S−4522);いわゆるロスバスタチンであり、Olsson(2001)American Journal of Cardiology、87、補遺1、33−36頁参照。
【0044】
好ましくは、スタチンはロスバスタチンである。好ましくは、患者には1日当たり少なくとも40mgのロスバスタチンを処方し、さらに好ましくは、患者には1日当たり少なくとも60mgのロスバスタチンを処方し、特に患者には1日当たり少なくとも80mgのロスバスタチンを処方する。
【0045】
好ましくは、患者をOATP−Cポリペプチドの174位におけるバリンの存在について追加試験し、174位におけるバリンおよびアラニンの両方の存在は、この遺伝子座におけるヘテロ接合性を示す。
【0046】
好ましくは、アラニン174 OATP−Cと連鎖不平衡にある多型は、
a)Asp130 OATP−C;または
b)転写開始部位(配列番号2)に対して−26A>Gまたは−118A>Cの位置にある共通NF1転写因子結合部位;または
c)−309T>C、−878A>G、−903C>T、−1054G>T、−1215T>Aまたは−1558T>C(これらのヌクレオチド位置は転写開始部位(配列番号2)に対するものである)、または
d)T2122G、C2158T、A2525C、およびG2651Aから選択されるOATP−C遺伝子の3'UTR領域における多型(このヌクレオチド位置はATGに対するものであり、ATGのAはヌクレオチド+1である(配列受入番号AF205071および配列番号3))
のうちの少なくとも一つから選択される。
【0047】
転写開始部位は、Jung,D.2001 Journal of Biological Chemistry、276(40)、37206−37214で特定されている。
【0048】
一実施態様では、ポリペプチドをコード化する遺伝物質の解析を通じてOATP−Cポリペプチドのある位置におけるアミノ酸の存在について生物学的サンプルを試験する。
【0049】
本発明の別の側面は、スタチン療法に関連した有害事象に関する患者のインビトロモニター方法であって、有害事象を示すパラメーターについて患者からの生物学的サンプルを試験することを含み、患者が本明細書記載の方法により上記モニターについて選択される方法を提供する。
【0050】
好ましくは、患者はOATPC5または15遺伝子型である。患者は2コピーのOATPC遺伝子をもつため、彼らはホモ接合またはヘテロ接合遺伝子型であり得る。
【0051】
本発明の別の側面によると、ヒトでのOATPCにおける多型の検出方法であって、以下の多型位置:
a)転写開始部位に対して−26A>Gまたは−118A>Cの位置にある共通NF1転写因子結合部位;または
b)−309T>C、−878A>G、−903C>T、−1054G>T、−1215T>Aまたは−1558T>C(これらのヌクレオチド位置は転写開始部位に対するものである)、または
c)T2122G、C2158T、A2525C、およびG2651Aから選択されるOATP−C遺伝子の3'UTR領域における多型(このヌクレオチド位置はATGに対するものであり、ATGのAはヌクレオチド+1である(配列受入番号AF205071および配列番号3))
の少なくとも一つにおけるヒトの配列を決定することを含む方法が提供される。
【0052】
本発明の別の側面によると、本発明で特定された位置の一つまたはそれ以上において変異型対立遺伝子多型を含むヒトOATPC遺伝子またはその相補鎖または少なくとも1つの新規多型を含む少なくとも20塩基対のそのフラグメントが提供される。
【0053】
本発明の別の側面によると、好ましくは本発明で特定された位置の一つまたはそれ以上においてOATPC遺伝子多型を検出し得る対立遺伝子特異的プライマーが提供される。
【0054】
対立遺伝子特異的プライマーは、増幅反応、例えばPCR反応において、一般的には一定のプライマーと一緒に使用され、例えばARMS(登録商標)検定法に使用された要領で特定配列位置における一対立遺伝子の選択的増幅を通して対立遺伝子間の区別を可能にする。対立遺伝子特異的プライマーは、好ましくは17〜50ヌクレオチド、さらに好ましくは約17〜35ヌクレオチド、さらに好ましくは約17〜30ヌクレオチドである。
【0055】
対立遺伝子特異的プライマーは、好ましくは検出すべき対立遺伝子と正確に対応するが、3'末端におけるヌクレオチドの約6〜8個が検出すべき対立遺伝子と一致し、残りのヌクレオチドの10以下、例えば8以下、6、4、2または1個が、プライマーの特性にたいして影響を及ぼすこと無く改変され得る場合にはその誘導体も考慮に入れられる。
【0056】
プライマーは、任意の慣用的合成方法を用いて製造され得る。上記方法の例は、標準テキストブック、例えば“Protocols for Oligonucleotides and Analogues : Synthesis and Properties”、Methods in Molecular Biology Series; 20巻、Sudhir Agrawal編、ヒュマナISBN:0−89603−247−7;1993、第1版から見出され得る。必要ならば、プライマー(複数も可)は、検出を容易にするため標識され得る。
【0057】
本発明の別の側面によると、好ましくは本発明で特定された位置の一つまたはそれ以上で、OATPC遺伝子多型を検出し得る対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブが提供される。
【0058】
対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブは、好ましくは17〜50ヌクレオチド、さらに好ましくは約17〜35ヌクレオチド、さらに好ましくは約17〜30ヌクレオチドである。
【0059】
上記プローブの設計は、当技術分野の分子生物学者にとっては明白なものである。上記プローブは、好都合な長さ、例えば50塩基以下、40塩基以下、さらに好都合には30塩基以下の長さ、例えば8〜25または8〜15塩基長を有する。一般に、上記プローブは、遺伝子における対応する野生型または変異型遺伝子座と全体的に相補的な塩基配列を含む。しかしながら、オリゴヌクレオチドプローブの識別力が過度に影響されるのでなければ、必要な場合一つまたはそれ以上の誤対合が導入され得る。本発明プローブは、検出を容易にするために一つまたはそれ以上の標識を伴い得る。
【0060】
本発明の別の側面によると、本発明で特定された位置の一つでOATPC遺伝子多型を検出し得る対立遺伝子特異的プライマーまたは対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブが提供される。
【0061】
本発明の別の側面によると、本発明の対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブおよび/または本発明の対立遺伝子特異的プライマーを含む診断キットが提供される。
【0062】
診断キットは、適切なパッケージおよび本発明方法における使用説明書を含み得る。上記キットは、さらに適切な緩衝液(複数も可)およびポリメラーゼ(複数も可)、例えば熱安定性ポリメラーゼ、例えばtaqポリメラーゼを含み得る。
【0063】
本発明の別の側面によると、スタチンによる処置を必要とする患者の処置方法であって、
i)最小限推奨用量レベルを越えるスタチン用量レベルを必要とする可能性がある患者を同定するかまたは最小限推奨用量レベルを超えるスタチン用量レベルへのタイトレーションをモニターするべき患者を同定するインビトロ診断方法であって、OATP−Cポリペプチドおよび/またはそれと連鎖不平衡である多型の174位におけるアラニンの存在について患者からの生物学的サンプルを試験することを含む方法を使用し、そして
ii)薬剤の有効量を投与する
ことを含む方法が提供される。
【0064】
本発明の別の側面は、血管疾患またはその素因を有する患者を処置するための医薬の製造におけるスタチンの使用に関するものであり、最小限推奨用量レベルを越えるスタチン用量レベルを必要とする可能性がある患者を同定するかまたは最小限推奨用量レベルを超えるスタチン用量レベルへのタイトレーションをモニターするべき患者を同定するインビトロ診断方法であって、OATP−Cポリペプチドおよび/またはそれと連鎖不平衡である多型の174位におけるアラニンの存在について患者からの生物学的サンプルを試験することを含む方法により患者を同定する。
【0065】
本発明の別の側面によると、スタチン療法を必要とする患者の分類方法であって、OATP−Cポリペプチドおよび/またはそれと連鎖不平衡にある多型の174位におけるアラニンの存在について患者からの生物学的サンプルを試験することを含む方法が提供される。
【0066】
本発明の別の側面によると、有害事象モニターを必要とするスタチン療法についての患者の同定方法であって、OATP−Cポリペプチドおよび/またはそれと連鎖不平衡にある多型の174位におけるアラニンの存在について患者からの生物学的サンプルを試験することを含む方法が提供される。
【0067】
「有害事象」とは、医薬品との因果関係が認められる場合と認められない場合のいずれであるにせよ、医薬品への曝露後または曝露中における望ましくない医学的状態の発生または先在する医学的状態の悪化を意味する。望ましくない医学的状態は、症状(例、悪心、胸痛)、徴候(例、頻脈、肝臓肥大)または異常な調査結果(例、検査結果、心電図)であり得る。
【0068】
「連鎖不平衡」とは、偶然として予想されるよりも、遺伝子座における対立遺伝子の特定の組合わせの頻度が高くなる現象をいう。
「患者」とは、医学的処置を受けている人をいう。
【0069】
「用量」とは、一度に投与される量、例えば薬剤の特定量をいう。ロスバスタチンの場合、成人出発用量は、通常1日当たり10mgである。患者によっては、望ましい脂質プロフィールを生じさせるのに高用量を必要とする場合もあり得る。
【0070】
「利益危険比」は、所定の処置または手順の危険および利益間における関係を意味する。
【0071】
許容され得る危険は、病気または損傷を誘発する物質または方法の使用に伴う利益と引き替えに個人が耐容しうる病気または損傷に罹患する可能性に関するものである。危険の許容性は、科学的データ、社会的、経済的および政治的要因、および問題の危険(複数も可)をもたらす化学物質または方法から生じる認知された利益により異なる。
【0072】
本発明の別の側面によると、患者における有害事象についての試験方法であって、
(a)
(i)OATP−Cにより輸送される治療剤による処置を必要とし、そして
(ii)(A)配列番号1の174位に対応するOATP−Cのアミノ酸位置にあるアラニン、または(B)(A)と連鎖不平衡にある多型を有する
患者を同定し、
(b)患者が治療剤による処置を受けた後の患者からの生物学的サンプルを提供し、そして
(c)治療剤による処置に関連した有害事象を示すパラメーターについてサンプルを試験する
ことを含む方法が提供される。
【0073】
本発明の別の側面によると、
(a)OATP−Cにより輸送される治療剤による処置を必要とする患者を同定し、
(b)患者が、
(i)配列番号1の174位に対応するOATP−Cのアミノ酸位置にあるアラニン、または
(ii)(i)と連鎖不平衡にある多型
のいずれか一方または両方を有するか否かを測定し、そして
(c)治療剤の適切な投薬量を処方する
ことを含む処置方法が提供される。
【0074】
好ましくは、上記方法は、さらに
(d)治療剤の輸送低下に関連する有害事象について患者をモニターする
ことを含む。
【0075】
本発明の別の側面によると、OATP−Cにより輸送される薬剤による処置を必要とするものとして同定されたヒト患者の遺伝子型の特性確認方法であって、
(a)患者からの核酸サンプルであって、配列番号1の620位に対応する位置に第一ヌクレオチドを含むサンプルを提供し、
(b)サンプルを試験することにより第一ヌクレオチドの同一性を測定し、
(c)プリントまたは機械読取可能媒体に第一ヌクレオチドの同一性を記録し、そして
(d)患者または患者の介護者に第一ヌクレオチドの同一性を伝える
ことを含む方法が提供される。
【0076】
本発明の別の側面によると、ヒトにおけるOATP−C遺伝子の評価方法であって、
(a)クライアントから、OATP−Cにより輸送され得る治療剤による処置を必要とするヒトのハプロタイプ解析の実施要求を受け、
(b)ヒトの核酸サンプルを受入れ、
(c)サンプルを試験することにより本明細書記載の変異型の存在を測定し、そして
(d)当事者に試験結果を提供する
ことを含む方法が提供される。
【0077】
本発明の別の側面によると、薬剤の薬理遺伝学的特性の評価方法であって、
(a)ヒトからの核酸サンプルを提供し、
(b)本明細書記載のOATP−C変異型の存在を測定し、そして
(c)(i)ヌクレオチドの同一性と(ii)薬剤投与後におけるヒトの応答との相関関係を明らかにすることにより、薬剤の薬理遺伝学的特性を評価する
ことを含む方法が提供される。
【0078】
本発明の別の側面によると、複数の記録を含むデータベースを含むコンピューターアクセス可能媒体が提供され、その場合各記録は(a)対象を同定する情報と(b)対象が本明細書記載の変異型を有するか否かを示す情報を関連付けるものであり、さらに各記録は(a)と(c)対象へのOATP−C輸送可能薬剤の投与から生じる対象における有害事象の存在または非存在を確認する情報を関連付けるものである。
【0079】
本発明の別の側面によると、コンピューター読取可能媒体品であって、そこに指令がコード化されている媒体品が提供され、その指令がプロセッサーに
(a)対象が本明細書記載の変異型を有するか否かを示す情報を受取り、そして
(b)(a)の情報に基づいて、OATP−C輸送可能薬剤の適切な投薬量を示す
ことを含む方法を実施させる。
【0080】
好ましくは、媒体品は、示された投薬量をプリントまたは電子フォーマットで表示させるものである。
【0081】
以下の非限定的実施例により本発明をさらに説明する:
図1は、ロスバスタチンの血漿レベルに対するV174A多型の効果を示す。OATP−Cにおける3つの非同義SNPについての遺伝子型、および用量正規化血漿ロスバスタチン値(ng/ml/mg)間の相関関係は、174Ala変異型が高い血漿濃度と関連していることを説明している。(WT=野生型ホモ接合体、HET=ヘテロ接合体、VAR=ホモ接合変異型)。分析された52対象の中に、Val174AlaまたはPro155Thr変異型についてのホモ接合変異型は無かった。分析された52対象のうち、42は白色人種系として記録された。他の10対象は、ヒスパニック系、黒色系またはアジア系であった。
【0082】
図2は、ロスバスタチンの血漿レベルに対するOATP−C15ハプロタイプの効果を示す。OATP−Cハプロタイプおよび用量正規化血漿ロスバスタチン値(ng/ml/mg)間の相関関係は、OATP−C15ハプロタイプが高い血漿濃度と関連していることを説明している。各ハプロタイプに関するアミノ酸変異型の種類については下表1参照。n=3またはそれ未満の対象ハプロタイプ対(15/14、1b/14、1b/15)についての結果は示されていない。
【0083】
図1および2において、「ボックス」の下方および上方の線は、サンプルの25番および75番目の100分順位である。ボックスの上部と下部間の距離は、4分位数間領域である。ボックスの中間にある線は、サンプルメディアンである。ボックスの上方および下方に伸びる「ホイスカー」は、サンプルの残りの範囲を示す(アウトライアーが存在しない場合)。アウトライアーが無いものと仮定すると、サンプルの最大は上方ホイスカーの先端である。サンプルの最小は、下方ホイスカーの底部である。デフォルトにより、アウトライアーは、ボックスの上方または下方から離れた距離が4分位数間領域の1.5倍を越える値である。個々のデータポイントはアウトライアーである。
【0084】
図3は、異なる用量のロスバスタチンで6週間処置された患者におけるロスバスタチンの血漿レベルに対するVal174Ala変異型の効果を示す。6週間目の血漿ロスバスタチンレベルは、分析用に用量正規化されている。平均血漿ロスバスタチンレベルは、ホモ接合野生型対象(Val/Val)と比べたところ、Val174Ala多型に関するヘテロ接合対象における方が高かった。V174A変異型対立遺伝子および血漿ロスバスタチンPKレベル間の関連性は、高いロスバスタチン用量では非常に明白であった。
【0085】
図4は、SNPaz0005537についてのヘテロ接合である対象では平均血漿ロスバスタチン濃度に増加傾向があることを示す。このSNPは、転写開始の−118bp上流における推定NF1転写因子結合部位内に位置する。示されたデータは、PKデータが収集された2つの独立III相試験に関するものである。遺伝子型11は、野生型ホモ接合遺伝子型(az0005537 A/A)であり、遺伝子型12はヘテロ接合遺伝子型(az0005537 A/C)である。
【0086】
図5は、結合174A変異型およびaz0005537 SNPでの少数C対立遺伝子を有する対象が、V174変異型および主たる共通az0005537対立遺伝子(A)を有する対象と比べて平均血漿ロスバスタチン濃度が高くなる傾向を有することを示す。このため、変異型az0005537対立遺伝子(C)は、血漿ロスバスタチンレベルに対する追加効果を有すると思われる。
【0087】
SNP az0005537の対立遺伝子はOATPC V174Aの対立遺伝子と連鎖不平衡にあるため、プロモーター領域におけるSNPでの変異型対立遺伝子は、機能低下OATPC対立遺伝子の発現を増加させ得ることにより、これらの多型変異型の両方を有する対象において血漿ロスバスタチンレベルの増加をもたらし得る。示されたデータは、PKデータを収集した2つのIII相臨床試験から組合わせたものである。V174A変異型についてのヘテロ接合対象を、プロモーターaz0005537多型についての遺伝子型に基いて2つのグループに等級別分類した。NF1 WT=az0005537 SNPにA/A野生型遺伝子型をもつ対象。NF1 het=AZ0005537 SNPにA/Cヘテロ接合遺伝子型をもつ対象。
【実施例】
【0088】
実施例1
OATP−Cにおける多型は、患者におけるスタチンのインビボ傾向に影響を及ぼす
簡単に述べると、OATP−C遺伝子を、79名のヒト臨床試験対象で配列決定した。これらの患者のうち52名には、脂質代謝異常疾患について少なくとも6週間ロスバスタチンを与え、6週間の処置後に血漿PK測定を行った。これら52名についてのデータを用いることにより、OATP−Cにおける多型変異型の中にはスタチンの血漿レベルに機能的に重要な効果を有するものもあることが示された。
【0089】
方法
OATP−Cのプロモーター、エキソンおよび3'未翻訳領域を、臨床試験で79対象から集められたDNAにおけるDNAターミネーター配列決定により完全に配列決定した。配列決定トレースを用いて、OATP−Cにおける既知(すなわち、文献またはSNPデータベースから入手可能)SNPについての遺伝子型を記録した。若干の新規SNPが、OATP−Cのプロモーターおよび3'UTR領域から見出された。
【0090】
平均用量正規化血漿ロスバスタチン濃度を、OATP−C遺伝子における各多型変異型の遺伝子型について測定した。3SNPについてのOATP−C遺伝子型データ、すなわちアミノ酸130位アスパラギン→アスパラギン酸(Asn130Asp)、155プロリン→トレオニン(Pro155Thr)および174バリン→アラニン(Val174Ala)を用いて、各対象についてのハプロタイプ対を測定した。平均用量正規化血漿ロスバスタチン濃度を、ハプロタイプ対によりグループ分けした対象について測定した。
【0091】
それに続いて、初めの52患者を含む、2臨床試験からの、了承を得た全ロスバスタチン処置対象(n=271)に対し、OATP−C変異型についてTaqMan(登録商標)を用いて遺伝子解析を行った。N130D、P155TおよびV174A変異型を誘発するSNPについてのデータを用いて、以前に記載した要領で、OATPCハプロタイプ対を各対象に割当てた。
【0092】
結果
配列決定データは、以前に報告されたことのない若干のSNP、すなわちOATP−Cのプロモーター領域における8(Jung,D. 2001 Journal of Biological Chemistry、276(40)、37206−37214)および3'UTR領域における4SNPを示した。これらのSNPは、本発明の別の側面を表す。これら12の新規SNPは、79対象におけるOATP−C遺伝子の配列決定により同定された。これら新規SNPのうち、8SNPは、OATP−Cプロモーターに位置していた。これらのSNPのうち2つは、転写開始部位に対して−26A>Gおよび−118A>C位置にある共通NF1転写因子結合部位に位置していた(配列番号2参照)。他の新規上流SNPは、−309T>C、−878A>G、−903C>T、−1054G>T、−1215T>Aおよび−1558T>Cを含むが、これらのヌクレオチド位置は、Jung et al.により報告された転写開始部位に対するものである(配列番号2)。さらなる4新規SNPは、OATP−C遺伝子の3'UTR領域に位置しており、すなわちT2122G、C2158T、A2525CおよびG2651Aであるが、これらのヌクレオチド位置はATGに対するものである(配列番号3参照)。
【0093】
3SNP、Asn130Asp、Pro155ThrおよびVal174AlaについてのOATP−C遺伝子型データを用いて、ハプロタイプを決定した。パッケージSNPHAP(Clayton、David SNPHAPv0.2 2002 http://www-gene.cimr.cam.ac.uk/clayton/software/snphap.txt)をこの解析に使用した。ハプロタイプはまた、PHASEパッケージ(Stephens,M.2001 American Journal of Human Genetics、68、978−989)を用いても予測され、同じ予測ハプロタイプを与えることが見出された。ハプロタイプは、先に報告されたもの(Tirona 2001)と一致することが見出された。NF1結合部位における−118A>CプロモーターSNPは、Val174Alaコーディング変異型と強い連鎖不平衡にあった(デルタ=0.3)。
【0094】
【表2】

【0095】
【表3】

【0096】
【表4】

【0097】
【表5】

【0098】
表4は、2つのIII相試験におけるロスバスタチン血漿PKレベルの分布に基いて「高」および「低」PKグループに分類された対象間におけるV174A変異型に関する遺伝子型の分布を示す。高および低サブグループは、完全試験コホートについて観察された血漿PK値の分布と比較してPK値が10番および90番目の100分順位である対象を表す。Val/Alaヘテロ接合遺伝子型は、血漿PKレベルが「高い」対象ではより一般的であり、V174A変異型の集団対立遺伝子頻度に基いて偶然により予想される場合より高頻度である[カイ二乗 n=52(全対象)のときp=0.037およびn=42(白色人種対象のみ)のときp=0.019]および[正確検定 n=52(全対象)のときp=0.055およびn=42(白色人種対象のみ)のときp=0.043]。
【0099】
79対象からの配列および遺伝子型データを用いて、対立遺伝子およびハプロタイプ頻度を測定した。血漿ロスバスタチン濃度は、これら79対象のうち52についてしか入手できなかったため、ハプロタイプ対グループの中には少数の対象しか存在しないものがあった。
【0100】
V174A変異型は、通常OATPC15対立遺伝子として見出される。V174A変異型はまた、日本人集団ではなく、白色人種系集団でOATPC5対立遺伝子について観察される。しかしながら、集団間におけるこれらの対立遺伝子の頻度における統計的に有意な差異は観察されなかった。
【0101】
表5−配列
A)タンパク質配列
受入番号AF205071であるcDNAの翻訳により決定されたタンパク質配列
1)OATPCタンパク質OATPC1a(N130およびV174)の配列
−配列番号1
【表6】

【0102】
2)OATPCタンパク質OATPC15(D130およびA174)の配列
−配列番号4
【表7】

【0103】
3)OATPCタンパク質OATPC5(N130およびA174)の配列
−配列番号5
【表8】

【0104】
B)3'UTR SNPについてのOATPC cDNA(AF205071)の配列
コーディング領域は、ヌクレオチド135〜2210である。ATG(大文字)から下流にある多型の位置が記載されており、ATGのAは+1である。
【0105】
多型T2122G、C2158T、A2525C、G2651Aには、下線が施されている。
配列番号3
【表9】

【表10】

【0106】
C)AC022335からのOATPCプロモーター領域の配列
−26A>Gまたは−118A>C、および−309T>C、−878A>G、−903C>T、−1054G>T、−1215T>Aまたは−1558T>C、これらのヌクレオチド位置は転写開始部位(Jung et alにより特定された)に対するものであり、以下のプロモーターおよび5'フランキング配列(AC022335から)に従っている。
【0107】
転写開始には、矢印が付されている。SNPは大文字で記されている。
配列番号2
【表11】

【0108】
結論
インビボ遺伝子型−表現型関係の証拠は、OATP−C変異型および、高コレステローブ血症/脂質代謝異常の処置で使用される一般的な種類の薬剤であるスタチンの薬物動態プロフィール間で測定された。Ala174 OATP−C変異型をもつ患者においてロスバスタチンの高い血漿濃度が観察されたということは、Ala174変異型によるロスバスタチンの輸送がVal174 OATP−C変異型の場合より低下していることを示している。すなわちAla174変異型は、肝臓におけるスタチンの取込低下を誘発し、その結果血漿レベルを増加させる。血漿薬物濃度は、スタチン療法の利益−危険比の改変における一因子である。OATP−C変異型N130DおよびP155Tは、ロスバスタチンの薬物動態傾向に影響を及ぼすとは思われない。
【0109】
OATP−C変異型およびスタチンのインビボ血漿レベル間における遺伝子型−表現型相関関係を利用することにより、SNPまたはタンパク質変異型についての診断検定法を通して、各個体に適切なものである、スタチン用量が最適化され得る。血漿レベルの最適化は、コレステロールレベルを所望の閾値まで十分に低下させるために高用量のスタチンを必要とする対象においては重要である。
【0110】
OATP−Cにおける多型がスタチンのインビボ傾向に影響を及ぼすという証拠は、OATP−C変異型が、OATP−Cにより輸送されるスタチンおよび他の臨床的に関連性のある薬剤に対する臨床応答に影響を及ぼし得ることを示している。OATP−Cにおける多型と、異なる用量のロスバスタチンで6週間処置された対象において測定された、処置最終用量−正規化血漿ロスバスタチン濃度の相関関係は、OATP−C変異型がロスバスタチンのインビボ薬物動態傾向に機能的効果を有することを示していた。Val174Ala変異型についてのヘテロ接合対象は、アミノ酸174位での野生型Val174変異型についてのホモ接合対象と比べてロスバスタチン平均血漿濃度の増加を示していた。単コピーのOATP−C15対立遺伝子をもつ対象(Val174AlaおよびAsn130Asp変異型についてのヘテロ接合)は、OATP−C1a、OATP−C1bおよびOATP−C14ハプロタイプをもつ対象よりも高い平均血漿濃度を有することが見出された。Ala174 OATP−C変異型をもつ対象において高い濃度のロスバスタチンが観察されるということは、Ala174変異型による輸送がVal174 OATP−C変異型の場合より低下していることを示している。Ala174変異型は、肝臓へのスタチンの取込低下を誘発し、スタチンに対する臨床応答に強い影響を与える。スタチンの薬物動態プロフィールに影響を及ぼすOATP−C変異型は、循環系に高濃度でスタチンが存在する結果としてスタチン療法の利益−危険比の減少との関連性を有し得る。OATP−C変異型およびスタチンのインビボ血漿レベル間における遺伝子型−表現型相関関係を利用することにより、SNPまたはタンパク質変異型についての診断検定法を通して、各個体に適切なものであるスタチン用量が最適化され得る。血漿レベルの最適化は、コレステロールレベルを所望の閾値まで十分に低下させるために高用量のスタチンを必要とする対象においては重要である。
【0111】
実施例2
NF1 SNP(az0005537)の機能的重要性についての証拠
図4は、SNPaz0005537についてヘテロ接合である対象では平均血漿ロスバスタチン濃度に増加傾向があることを示している。このSNPは、転写開始の上流−118bpにおける推定NF1転写因子結合部位内に位置する。
【0112】
図5は、結合174A変異型およびaz0005537 SNPでの少数C対立遺伝子をもつ対象は、V174変異型および主たる共通az0005537対立遺伝子(A)をもつ対象と比べて平均血漿ロバスタチン濃度が高くなる傾向を有することを示している。このため、変異型az0005537対立遺伝子(C)は、血漿ロスバスタチン濃度に対して追加効果を有すると思われる。
【0113】
SNPaz0005537の対立遺伝子は、OATPC V174Aの対立遺伝子と連鎖不平衡にあるため、プロモーター領域におけるSNPでの変異型対立遺伝子は、機能低下OATPC対立遺伝子の発現を増加させることにより、これらの多型変異型の両方を有する対象において血漿ロスバスタチンレベルを増加させ得る。
【0114】
サンプルの完全コホート(n=267)によりV174単独を考えたとき、V174Aヘテロ接合体と比べてV174A WTは、p=0.055のt検定値を有する。しかしながら、V174V WT対V174A&NF1(az0005537)複合ヘテロ接合体を考える場合、t検定値はp=0.032であり、統計的に有意である。これは、OATPC NF1 SNPがまたロスバスタチンの薬物動態傾向の決定因子であり得ることを示唆している。予備インビトロ機能データは、変異型C az0005537対立遺伝子が発現増加と関連しているという仮説を裏付けている。プロモーター多型は、特異な対立遺伝子発現を駆動し得、機能低下OATPC対立遺伝子の多大な発現を伴う。
【0115】
実施例3
連鎖不平衡
配列番号2の多型−118A>Cまたは−1558T>Cを下記の要領で解析した。
【0116】
−118および−1558での多型の対立遺伝子は、配列番号1の174位のアラニン対立遺伝子と顕著な連鎖不平衡にある(それぞれp=0.009および0.025、ASSOCIATEプログラムにより解析、Ott J(1999)Analysis of human genetic linkage, 第3版、バルチモアのジョーンズ・ホプキンズ・ユニバーシティー・プレス参照)。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】図1は、ロスバスタチンの血漿レベルに対するV174A多型の効果を示す。
【図2】図2は、ロスバスタチンの血漿レベルに対するOATP−C15ハプロタイプの効果を示す。
【図3】図3は、異なる用量のロスバスタチンで6週間処置された患者におけるロスバスタチンの血漿レベルに対するVal174Ala変異型の効果を示す。
【図4】図4は、SNPaz0005537についてのヘテロ接合である対象では平均血漿ロスバスタチン濃度に増加傾向があることを示す。
【図5】図5は、結合174A変異型およびaz0005537 SNPでの少数C対立遺伝子を有する対象が、V174変異型および主たる共通az0005537対立遺伝子(A)を有する対象と比べて平均血漿ロスバスタチン濃度が高くなる傾向を有することを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)OATP−Cにより輸送される治療剤による処置を必要とするものとして確認されたヒトからの生物学的サンプルであって、OATP−Cをコード化する核酸を含むサンプルを提供し、
(b)少なくとも1個の対立遺伝子における、
(i)配列番号1の174位に対応する位置にあるアラニンをコード化するコドン、または
(ii)(i)との連鎖不平衡にある多型の対立遺伝子
の存在について核酸を試験し、そして
(c)(i)または(ii)が少なくとも1個の対立遺伝子から見出される場合、細胞へ治療剤を輸送する能力が低下した可能性があるものとしてヒトを診断する
ことを含む診断方法。
【請求項2】
(b)(ii)の多型が、−26A>G、−118A>C、−309T>C、−878A>G、−903C>T、−1054G>T、−1215T>A、または−1558T>C、全て配列番号2、またはT2122G、C2158T、A2525C、またはG2651A、全て配列番号3である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
(b)(ii)の多型が、配列番号2の−118A>Cおよび−1558T>Cから選択される、請求項1から2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
治療剤がスタチンであり、ヒトが一用量レベルのスタチンで処置されており、さらに段階(c)が、細胞へのスタチン輸送能力の低下に起因する利益−危険比の減少についてのモニターを含む別のスタチン高用量レベルへのタイトレーションに適切なものとしてヒトを診断することを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
治療剤がロスバスタチンである、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
治療剤が、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチンまたはシムバスタチンである、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ヒトを1日当たり少なくとも5mgのロスバスタチンにより処置している、請求項5記載の方法。
【請求項8】
ヒトを1日当たり少なくとも10mgのロスバスタチンにより処置している、請求項5記載の方法。
【請求項9】
ヒトを1日当たり少なくとも20mgのロスバスタチンにより処置している、請求項5記載の方法。
【請求項10】
ヒトを1日当たり少なくとも40mgのロスバスタチンにより処置している、請求項5記載の方法。
【請求項11】
(a)OATP−Cにより細胞へ輸送される治療剤による処置を必要とするものとして確認されたヒトからの生物学的サンプルであって、OATP−Cポリペプチドを含むサンプルを提供し、
(b)配列番号1の174位に対応するOATP−Cのアミノ酸がバリンであるか否かを測定し、そして
(c)アミノ酸がバリンではない場合、細胞へ治療剤を輸送する能力が低下した可能性があるものとしてヒトを診断する
ことを含む診断方法。
【請求項12】
治療剤がスタチンであり、ヒトが一用量レベルのスタチンで処置されており、さらに段階(c)が、細胞へのスタチン輸送能力の低下に起因する利益−危険比の減少についてのモニターを含む別のスタチン高用量レベルへのタイトレーションに適切なものとしてヒトを診断することを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
さらに174位にバリンおよび/またはアラニンを伴うOATPCポリペプチドのレベルを測定することにより、OATP−C核酸における−118A>C多型の存在または非存在を決定することを含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
さらに、OATP−C15対立遺伝子の存在または非存在についてOATP−Cポリペプチドを測定することにより、OATP−C核酸における−118A>C多型の存在または非存在を決定することを含む、請求項12記載の方法。
【請求項15】
174位のアミノ酸がアラニンであると決定されている、請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
治療剤がロスバスタチンである、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
治療剤が、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチンまたはシムバスタチンである、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
ヒトを1日当たり少なくとも5mgのロスバスタチンにより処置している、請求項16記載の方法。
【請求項19】
ヒトを1日当たり少なくとも10mgのロスバスタチンにより処置している、請求項16記載の方法。
【請求項20】
ヒトを1日当たり少なくとも20mgのロスバスタチンにより処置している、請求項16記載の方法。
【請求項21】
ヒトを1日当たり少なくとも40mgのロスバスタチンにより処置している、請求項16記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−500005(P2007−500005A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521655(P2006−521655)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【国際出願番号】PCT/GB2004/003236
【国際公開番号】WO2005/012566
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】