説明

ヒトの癌における鑑別式サイトカイン発現

本発明は、癌の種類の診断のための方法に関し、その際抗アポトーシス性サイトカインの発現が、腫瘍細胞中で決定される。本発明の鑑別診断は、腫瘍疾病を分類するために、そして、要求される治療を推奨するために、そして、この治療に対する進行及び応答をモニターするために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、癌の種類の診断のための方法に関し、その際腫瘍細胞中の抗アポトーシス性サイトカインの発現が決定される。本発明の鑑別診断は、腫瘍疾病を分類するために、そして、要求される治療を推奨するために、そして、この治療に対する進行及び応答をモニターするために使用される。
【0002】
細胞の生存と細胞の死の間での均衡は、アポトーシス促進性及び抗アポトーシス性の因子により制御され、この調節不全は、癌を含む幾つかの病理学的な状態の発達に寄与する。抗アポトーシス性因子の高度の発現は、ヒトの癌中で一般的に見出され、かつ、癌細胞の増殖及び細胞毒性薬剤の治療作用に対する抵抗性の両方に寄与する。腫瘍細胞による抗アポトーシス性サイトカインのオートクライン生産は、レセプター及び化学療法により誘導されるアポトーシスに対する感受性を強く調節することが既に報告されている。特に、IL−4及びIL−10は癌細胞中で、抗アポトーシスタンパク質の上方調節を含め、オートクライン成長因子として作用することが以前に報告されており、これは、腫瘍細胞を、化学療法剤により誘導される死から保護する(Stassi et al., Cancer Res. 63, 6784-90 (2003), Todaro et al., Cancer Res. 66, 1491-9 (2006))。
【0003】
腫瘍は、異なる治療的特使得及び異なる増殖可能性を有する細胞の不均一な組み合わせからなる。特に、癌細胞は、細胞の表現型的に多様な子孫を生じる可能性があり、これは一定の増殖可能性を授けられているか又は限定された増殖可能性を有するか又は増殖可能性を有しない。
【0004】
この観点において、最近の証拠は、催腫瘍性の成長能力が、実際には、いわゆる癌胚細胞(CSC)とよばれる小さなサブセットに限定されることを示唆する。国際出願PCT/IT2005/000523、は、充実性腫瘍からの胚細胞の単離及び培養のための方法を開示する。癌細胞のこのサブポピュレーションは、自己複製でき、かつ、多様な程度の分化を示す不均一な細胞のポピュレーションを生じる。更に、最近では、癌胚細胞は、薬剤誘発されたアポトーシスに対して顕著に抵抗性であり、従って、抗腫瘍療法を免れ、かつ、ことによるとこれが化学療法の非効率性の根底をなす理由であることが見出されている。
【0005】
CSCが、主としてIL−4及びIL−10を産生し、かつ、薬剤誘発された細胞死に対する感受性の上記した改変に対して責任があることがいまや実証されている。
【0006】
本発明の発明者らにより、充実性腫瘍が、抗アポトーシス性発現レベル及び/又は特性の観点において相違していてよいことも、いまや見出されている。抗アポトーシス性サイトカインの発現は、同じ臓器の個々の腫瘍の間、そして、単一の腫瘍の細胞又は部分内ですら相違する。これらの結果は、腫瘍診断及び/又は療法における新規の有効な戦略を生じる。
【0007】
特に、本発明の課題は、抗アポトーシス性サイトカインを発現する癌の種類及び癌細胞の同定及び診断を可能にする方法を提供することであった。
【0008】
従って、本発明は、抗アポトーシス性サイトカインを標的として、腫瘍の種類、特に充実性腫瘍の種類を診断するための方法を提供する。 特に、本発明は、
(a)腫瘍細胞を含有する充実性腫瘍から試料を提供する工程、
(b)前記腫瘍細胞中の少なくとも1の抗アポトーシス性サイトカインの発現を決定する工程、及び
(c)前記充実性腫瘍を非サイトカイン発現腫瘍又はサイトカイン発現腫瘍に分類する工程
を含む、癌の種類を診断するための方法に関する。
【0009】
従って、本発明は、腫瘍試料中での抗アポトーシスサイトカインの発現特性及び/又はレベルの、決定及び/又は定量化の手段による、癌の種類の鑑別的診断に関する。抗アポトーシス性サイトカインとして、IL−4及び/又はIL−10、特にIL−4が有利である。
【0010】
本発明による鑑別診断は、腫瘍細胞を分類し、かつ、抗アポトーシス性サイトカインの発現を示し、かつ、化学療法剤での治療に対して不応性であるものを同定することを可能にする。従って、抗アポトーシス性サイトカインの発現は、目的とされる治療的戦略の選択を可能にする腫瘍分類のための有効なマーカーである。
【0011】
例えば、本発明の方法は、特定の癌の種類に苦しむ患者が、特定の療法に対して抵抗性であるか又は感受性であるかを予測し、かつ、最適化された治療的戦略を提供するために使用可能であってよい。
【0012】
本発明によれば、癌の種類は、非サイトカイン発現腫瘍又はサイトカイン発現腫瘍として分類されることができることが見出された。
【0013】
IL−4及び/又はIL−10の発現、特にIL−4の発現を決定する場合には、充実性腫瘍は、IL−4のみ、又はIL−10のみ、又はIL−4及びIL−10の両方の発現に関して分類されてよい。従って、本発明の方法は、IL−4発現腫瘍又はIL−4非発現腫瘍として分類される充実性腫瘍、IL−10発現腫瘍又はIL−10非発現腫瘍として分類される充実性腫瘍、及び、IL−4及びIL−10発現腫瘍又は非IL−4及び非IL−10発現腫瘍として分類される充実性腫瘍の区別化を可能にする。
【0014】
本発明の方法は、有利には、充実性腫瘍に対して実施され、特に上皮腫瘍に対して実施される。前記上皮腫瘍は、甲状腺、胸、前立腺、膀胱、結腸、胃、膵臓、腎臓、肝臓及び肺の癌からなる群から選択されてよい。より有利には、上皮腫瘍は、結腸、胃、胸、肺、膀胱又は前立腺の癌である。
【0015】
本発明の診断方法は、充実性腫瘍からの様々な細胞試料に対して実施されてよい。この試験試料は有利には、被験体、例えばヒト患者から単離された、プライマリーな腫瘍及び/又は腫瘍環境からの細胞試料である。例えば、バイオプシー、切除又は他の技術により得られる腫瘍細胞組織が試験されることができる。腫瘍試料は、腫瘍細胞を含む。抗アポトーシス性サイトカインの腫瘍細胞中での発現は、有利には、プライマリーな腫瘍細胞及び/又は癌胚細胞に対して決定される。
【0016】
腫瘍細胞中の抗アポトーシス性サイトカイン発現の決定のための方法は、この分野で良く知られている。腫瘍細胞中での抗アポトーシス性サイトカインの発現、特に過剰発現の決定は、タンパク質レベル及び/又は核酸レベルに対するサイトカインの検出により実施される。
【0017】
サイトカインタンパク質の決定は、腫瘍細胞中で又は腫瘍微小環境中で実施されてよい。所定の試料中でのサイトカインタンパク質の存在及び量の決定のための方法は、この分野の当業者に良く知られていて、かつ、免疫化学的方法、例えば免疫組織化学、ウェスタンブロッティング、免疫沈殿及びELISA方法であってよい。質量分析に基づく更なる方法(MALDIMSを含む)が、サイトカインタンパク質の存在及び量を決定するために使用されることができる。
【0018】
サイトカイン核酸は、この分野の当業者に良く知られたいかなる手段を用いて、本願明細書においては検出及び定量化されることができる。場合による増幅方法と一緒でのハイブリダイゼーション技術は、しばしば、核酸の検出のために使用される。サイトカインmRNAの発現は例えば、ノーザンブロット分析又は逆転写及び引き続くPCRによる増幅により検出されてよい。
【0019】
本発明による方法は、更なる工程、
(d)少なくとも1種の化学療法剤又はアポトーシス促進剤に対する、発現されたサイトカイン及び/又はレセプターのアンタゴニストの存在及び/又は非存在中での、サイトカイン発現腫瘍の細胞の感受性を決定する工程を含んでよい。
【0020】
化学療法剤及び/又はアポトーシス促進剤に対するサイトカイン発現腫瘍細胞の感受性を決定するために、前記化学療法剤又はアポトーシス促進剤に対して暴露された腫瘍細胞の生存率が、サイトカイン中和剤の非存在及び/又は存在下で測定されてよい。所定の剤に対する腫瘍細胞の感受性の決定のための方法は、この分野の当業者により良く知られている(例えば実施例において開示されるとおりである)。
【0021】
この決定に基づき、本発明の方法は、更に、
(e)癌の種類に特異的な処理を選択する工程
を含んでよい。
【0022】
既に述べたとおり、本発明は充実性腫瘍が、抗アポトーシス性サイトカイン、特にIL−4及びIL−10サイトカインのその発現又は発現の程度により区別化されてよいとの観察に基づく。IL−4及びIL−10抗アポトーシス性サイトカインの腫瘍又は腫瘍細胞中での発現が、治療、例えば化学療法剤及び/又はアポトーシス促進剤を用いた治療に対する不応性に対して責任があるので、抗アポトーシス性サイトカインは、治療に対するこの腫瘍の感受性を増加させるために中和されなくてはならない。従って、本発明は、腫瘍により発現されるサイトカインのアンタゴニストとの組み合わせでの、化学療法剤及び/又はアポトーシス促進剤に対する感受性又は抵抗性の検査を含んでもよい。
【0023】
有利な一実施態様において、本方法の工程(d)で実施されるこの感受性アッセイは、サイトカイン発現腫瘍の細胞が特に感受性である化学療法剤又はアポトーシス促進剤の決定を導く。
【0024】
結果として、本発明の工程(e)によれば、成功した腫瘍種類特異的な治療が選択され、これは、サイトカイン中和剤及び化学療法剤又はアポトーシス促進剤の組み合わせの投与を含む。
【0025】
サイトカイン中和剤は、サイトカインの量及び/又は活性を減少させるいかなる化合物であってよい。例えば、サイトカイン中和剤は、腫瘍細胞により自己分泌的に発現されるサイトカインにより引き起こされるシグナルトランスダクション経路を阻害する剤であってよい。従って、全ての剤が、サイトカインの発現及び/又は機能を直接的に及び/又は非直接的に調節することができる、即ち、それぞれのサイトカインタンパク質及び/又はサイトカインレセプターの発現及び/又は機能に作用する剤として考慮されることができる。
【0026】
有利には、サイトカイン中和剤は、IL−4及び/又はIL−10中和剤であり、即ち、IL−4及び/又はIL−10の自己分泌発現により引き起こされるシグナルトランスダクション経路を阻害することができる全ての剤である。
【0027】
サイトカイン中和剤は、特に、発現されたサイトカインタンパク質活性を阻害及び/又は減少する剤、発現されたサイトカインタンパク質を分解する剤、及び、サイトカイン産生を阻害する剤から選択されてよい。サイトカイン活性を遮断する剤は、例えば、サイトカインレセプターを遮断するアンタゴニスト、例えば、サイトカインのもともとのシグナルに比較してアンタゴニスト性の活性を示す、サイトカインのペプチド、小分子、突然変異タンパク質である。このような突然変異タンパク質の例は特に、IL−4突然変異タンパク質、例えば、AerovanceからのAerolast(R)及びBayerからのPitrakinra(R)及びBAY-36-1677である。サイトカインレセプターに対する更なる抗体又はサイトカインタンパク質に対する抗体が使用されてよい。この抗体は有利には、IL−4及び/又はIL−10に対する抗体、例えばAmgen及びImmunexからの抗体又はIL−4レセプター及び/又はIL−10レセプターに対する抗体、例えばGlaxoからの抗体Pascolizumab(R)である。
【0028】
この抗体は、完全抗体、例えばIgG抗体、又は、この抗原結合断片であってよい。有利には、この抗体は、モノクローナルのキメラの又はヒト化した抗体であり、これは、ヒト定常ドメイン、例えばヒト定常IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4ドメインを有する。より有利には、この抗体は、更にヒトのフレームワーク領域を含有するヒト化した抗体である。また有利には、抗体断片、例えば、二価の又は一価の抗体断片、例えばF(ab)2断片である。他方では、この抗体は、組み換え抗体、例えば、単鎖抗体又はこの断片、例えばscFv断片であってよい。
【0029】
溶解性のサイトカインレセプター(有利には、膜貫通性の及び細胞内のドメインを有しない)が、サイトカイン活性を遮断する剤として使用されることもできる。これらの溶解性レセプターは、例えば、Regeneronからの、特にIL−4R/IL−13−R−Fc融合タンパク質、Amgen及びImmunexからの溶解性のレセプター、特にNuvance(R)及びAltrakincept(R)である。溶解性のレセプターの特定の例は、ヒトのIL−4レセプターの細胞外ドメイン(ECD)、例えばヒトのIL−4Rαアミノ酸24〜アミノ酸224、225、226、227、228、229又は230及び場合により更なるドメイン、例えばヒトIl−13レセプター及び/又はヒトFc免疫グロブリンドメインの細胞外ドメインの短縮したECDからである。
【0030】
発現されたサイトカインタンパク質を分解する剤の有利な一例として、デザイナープロテアーゼを、本発明の文脈内で言及することができる。このサイトカインタンパク質の産生は、他方では、例えば、核酸レベルで作用する剤により阻害されることができ、この剤は、例えばアンチセンス核酸、siRNA分子及び/又はリボザイムである。
【0031】
有利なサイトカインアンタゴニストは、国際特許出願WO 2004/069274中に説明されている。サイトカインに対して指向した抗体は、有利には、サイトカイン中和剤として使用される。ヨーロッパ特許出願EP-A-0 730 609中に開示されている抗IL−4抗体は、本発明の方法のサイトカイン中和剤としてとりわけ適している。極めて有利な一実施態様において、ハイブリドーマ細胞系列ACC93100620により産生されるモノクローナル抗体6A1に由来する抗体又はその抗原結合断片が、サイトカイン中和剤として使用される。
【0032】
工程(d)及び/又は(e)中で使用される化学療法剤は、代謝拮抗剤、DNA断片化剤、DNA架橋剤、インターカレーション剤、タンパク質合成阻害剤、トポイソメラーゼI及びII阻害剤、微小管指向した剤、キナーゼ阻害剤、ホルモン及びホルモンアンタゴニストから選択される。特に、化学療法剤は、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンから選択される。有利なアポトーシス促進剤として、TRAIL大日CD95リガンドが選択されることができる。
【0033】
腫瘍細胞に対する抗治療的なサイトカインアンタゴニストと化学療法剤及び/又はアポトーシス促進剤との組み合わせた投与から得られる結果に基づき、治療的戦略が、有効であると証明された剤の特定の組み合わせに基づき発達されることができる。
【0034】
本発明の更なる観点は、従って、サイトカイン中和剤と化学療法剤又はアポトーシス促進剤との組み合わせの使用及び腫瘍治療、例えば最初の腫瘍治療又は第2又は第3の系列の腫瘍治療、例えば不応性の腫瘍、例えば1種以上の抗腫瘍剤に対して不応答性になった腫瘍の治療のための、医薬品の製造である。
【0035】
従って、本発明の更なる観点は、
(i)少なくとも1種のサイトカイン中和剤及び
(ii)少なくとも1種の化学療法剤又はアポトーシス促進剤
の組み合わせの、サイトカイン発現腫瘍として分離される癌の種類の治療のための医薬品の製造のための使用である。
【0036】
腫瘍細胞中での薬剤耐性の主要な理由の1つは、腫瘍細胞、特に腫瘍胚細胞の生存する小さな集団が、プライマリーな腫瘍の明らかに完全な退行又は外科的切除の後に、この腫瘍を再生でき、かつ、いわゆる微小残存病変(MRD)に寄与するとの観察に基づく。
【0037】
この観点において、組み合わせ療法は特に、腫瘍胚細胞の治療的な感受性の増加に適しているので、本発明の更なる観点は、
(iii)少なくとも1種のサイトカイン中和剤及び
(iv)少なくとも1種の化学療法剤又はアポトーシス促進剤
の組み合わせの、微小残存病変の治療のための医薬品の製造のための使用である。
【0038】
本発明の有利な一実施態様によれば、上述の剤(i)及び(ii)の組み合わせた療法の使用は、更に、手術及び/又は放射線療法と組み合わせられることができる。特に、前記医薬品組み合わせは、同時の、別個の又は逐次の手術及び/又は放射線療法との組み合わせ療法のためである。
【0039】
本発明の有利な一実施態様によれば、(i)の剤及び(ii)の剤の投与は同時に開始される。又は、この組み合わせ療法は、段階式Iに開始されることができる。本発明のこの有利な一実施態様によれば、サイトカイン中和剤(i)の投与の開始は、化学療法剤又はアポトーシス促進剤(ii)の投与の≦1週間前である。代わりに、化学療法剤又はアポトーシス促進剤(ii)の投与は、サイトカイン中和剤(i)の投与の≧1週間前に開始されてよい。
【0040】
本発明の更なる一実施態様は、溶解性のIL−4レセプターポリペプチド又は融合ポリペプチドであり、これは、C末端で短縮された細胞外ドメイン、例えばこのようなペプチドをコードする、1、2、3、4、5、6、7、8個又はそれより多いアミノ酸又は核酸分子だけ短縮されたドメインを含有する。この短縮された細胞外ドメインは、例えばヒトのIL−4レセプターアルファ(NCBI アクセッションNP_000409)に由来し、これはC末端がアミノ酸230、229、228、227、226、225又は224で終了する。有利にはこのC末端は、アミノ酸224である。このポリペプチドは、少なくとも1つの更なるドメイン、例えばN末端シグナルペプチド、更なるエフェクタードメイン、例えばIL−13レセプター細胞外ドメイン、Fc免疫グロブリンドメイン、及び/又は精製ドメインを含有してよい。短縮されたIL−4Rポリペプチドの一例は、実施例4中に説明されている。この短縮したIL−4Rポリペプチドは、医薬的な適用のために適し、例えば、腫瘍の治療のために適し、特にIL−4関連した腫瘍の治療のために適し、これは上述したとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1a】図1aは、癌細胞は、IL−4のための高い産生源であり、そしてIL−10のためにはそうでないことを示唆する図である。
【図1b】図1bは、精製された癌細胞のIL−4のmRNA発現のレベルは、関連する正常細胞と比較してかなり増加することを示す図である。
【図2a】図2aは。ウェスタンブロット分析により、上皮の癌腫細胞は、CD95、TRAIL R1及びTRAIL R2を発現することを示す図である。
【図2b】図2bは、免疫組織化学分析により、上皮の癌腫細胞は、CD95、TRAIL R1及びTRAIL R2を発現することを示す図である。
【図3a】図3aは、パラフィン包理した画分に対する免疫組織化学は、IL−4レセプターが、全ての分析した組織中で発現していることを示す図である。
【図3b】図3bは、IL−4は、結腸、胸及び肺の正常細胞の成長速度を顕著に増加させることを示す図である。
【図3c】図3cは、IL−4は、cFLIP、PED/PEA−15、Bcl−xL及びBcl−12の正常な結腸、胸中でのタンパク質レベルを増加させることを示す図である。
【図4a】図4aは、新規に精製した結腸、胸、胃及び肺の癌細胞の、IL−4に対する中和抗体に対する48時間の暴露は、癌細胞を化学療法及びデスレセプター誘発された細胞死に対して敏感化させることを示す図である。
【図4b】図4bは、新規に精製した結腸、胸、胃及び肺の癌細胞の、IL−4に対する中和抗体に対する48時間の暴露は、癌細胞を化学療法及びデスレセプター誘発された細胞死に対して敏感化させることを示す図である。
【図4c】図4cは、新規に精製した結腸、胸、胃及び肺の癌細胞の、IL−4に対する中和抗体に対する48時間の暴露は、癌細胞を化学療法及びデスレセプター誘発された細胞死に対して敏感化させることを示す図である。
【図5】図5は、IL−4中和は、結腸、胸、胃及び肺の腫瘍細胞成長を、15日間まで遮断することを示す図である。
【図6a】図6aは、CSCが、薬剤により誘発されるアポトーシスに対して比較的不活性であることを示す図である。
【図6b】図6bは、c−FLIP、Bcl−xL及びPED、抗アポトーシスタンパク質のタンパク質レベルは前に、癌中でIL−4により発現されることが示され、これは、抗IL−4に暴露されたCSC中で2倍まで減少されることを示す図である。
【図6c】図6cは、c−FLIP、Bcl−xL及びPED、抗アポトーシスタンパク質のタンパク質レベルは前に、癌中でIL−4により発現されることが示され、これは、抗IL−4に暴露されたCSC中で2倍まで減少されることを示す図である。
【図6d】図6dは、IL−4遮断に引き続き、CSC細胞死が、化学療法剤又はTRAILでの処理により顕著に増加されることを示す図である。
【図6e】図6eは、IL−4遮断に引き続き、CSC細胞死が、化学療法剤又はTRAILでの処理により顕著に増加されることを示す図である。
【図7a】図7aは、マウス中での腫瘍サイズの減少、化学療法の処置の効率は、IL−4中和性抗体により顕著に促進されたことを示す図である。
【図7b】図7bは、マウス中での腫瘍サイズの減少、化学療法の処置の効率は、IL−4中和性抗体により顕著に促進されたことを示す図である。
【図8A】図8Aは、銀染色後のIl 4R−IL 13R−Fcのストレプタクチン親和精製のSDS−PAGEを示す図である。
【図8B】図8Bは、IL 4R−IL 13 R−Fcについて280nmでの吸光度により観察される溶出特性を示す図である。
【図9A】図9Aは、IL 4R Fcについて280nmでの吸光度により観察される溶出特性を示す図である。
【図9B】図9Bは、IL 4R−FcについてのSEC画分を更に、SDS−PAGE及び銀染色により、変性条件下での分析を示す図である。
【図10】図10は、IL 4R−Fc及びIL 4R−IL 13 R−Fcの両方が、ヒトのIL4の特異的な結合を示すことを示す図である。
【図11A】図11Aは、PBS(w/o)又は10μgのIL 4R−Fc、IL 4R−IL 13R−Fc又は抗IL4抗体を用いて24時間前処理し、かつ、引き続き更なる24時間5μMドキソルビシンで暴露した、乳癌球体の免疫蛍光分析を示す図である。
【図11B】図11Bは、アポトーシス性の細胞と生細胞を区別し、引き続き細胞生存率のパーセンテージについてプロットされた細胞カウントは、アポトーシスの誘発のためのこの組み合わせ治療の有効性をも実証する図である。
【図11C】図11Cは、両方のコンストラクトは、プライマリー大腸癌細胞をオキサリプラチンにより誘発されたアポトーシスのために敏感化させることができることを示す図である。
【0042】
本発明は更に、以下の実施例により説明される。
【0043】
実施例
材料と方法
ヒトの組織。癌試験体を、ヒトの実験に責任のある機関委員会の倫理的な基準に一致して、外科処理の時に獲得した。その一方で正常な組織を、この外科的に除去された腫瘍の反対側の部分から獲得した。組織学的診断は、癌腫細胞の挙動的な顕微鏡特徴に基づいていて、組織学的なタイプと程度を決定した。
【0044】
ヒトのプライマリー細胞精製。通常の及び癌の組織を、2時間コラゲナーゼ(1.5mg/ml)(Gibco BRL., Grand Island, NY)及びヒアルロニダーゼ(20μg/ml)(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)を用いて以前説明したとおり(1)に消化した。消化したら、細胞をプラスチック上にDMEM培地(EuroClone Ltd., West York, UK)中で37℃で5%CO2の湿度化した雰囲気中に維持した。培養12時間後に、癌細胞を単層で免疫細胞化学のために成長させるか、又は、トリプシン+EDTAを用いて、機能的な、タンパク質発現及び遺伝子転写レベル分析のために剥離した。結腸及び胃の細胞培養のために、プラスチックをコラーゲン(Calbiochem GmbH, Darmstadt, Germany)/cm2で被覆した。癌細胞を、ヒトの組み換えIL−4(20ng/ml)、IL−10(40ng/ml)(Euroclone, Paignton, UK)、ヒトIL−4に対する中和抗体(10μ/ml)(R&D Systems, Europe, Ud)の存在又は非存在下で48時間培養した。抗CD95(mAb CH-11 , IgM; Upstate Biotechnology Inc.)又は対照IgM(Sigma)又はイソロイシンジッパーTRAIL(iz-TRAIL; 200 ng/ml)を使用して、癌細胞中でのCD95又はTRAIL誘導されるアポトーシスに対する感受性を決定した。更に、抗IL−4及び抗IL−10癌細胞に対する暴露後に、オキサリプラチン(100μM)又はドキソルビシン(5μM)又はシスプラチン(300ng/ml)又はタキソール(5μg)(Sigma)又はエトポシド(1 μM; Biomol, Plymouth Meeting, PA)で処理した。
【0045】
生存及び死のアッセイ。アポトーシスの発生を評価するために、DNA染色及びフローサイトメトリー分析を実施した。低二倍体の核のパーセンテージは、Stassi et al., Cancer Res. 2003, 63 (20):6784-90に説明されるとおりに評価した。又は、ヒトの精製した癌細胞を、96ウェルプレート中に、トリプリケートで、15000細胞/ウェルで配置し、かつ、培養した。生細胞の数をCellTiter Aqueous Assay Kit (Promega Corporation, Wl, USA)により検出し、この際製造者の指示に従った。2×150/mlで配置され、かつ、CD95活性化抗体CH11(200ng/ml)で処理されたHuT78細胞を、細胞死の測定のためのポジティブコントロールとして使用した。
【0046】
免疫組織化学分析。免疫組織化学を、5μmの厚さのパラフィン−包理された結腸、胃、前立腺、胸、胚、肝臓、膵臓、腎臓及び膀胱の正常の及び腫瘍の試料画分に対して実施した。脱ワックスされた画分を、10分間電子レンジ炉中で0.1Mのクエン酸緩衝液中で処理した。次いで、画分を10分間トリス緩衝生理食塩液(TBS)(非特異的な染色を遮断するため10%のAB ヒト血清を含有する)でインキュベーションした。過剰の血清を除去した後に、画分を一晩4℃で、IL−4(B-S4 マウス IgGI , Caltag Laboratories, Burlingame, CA)、IL−10(B-N10 マウス IgG2a, Caltag)、IL−4Rα(C-20 ウサギ IgG Santa Cruz Biotechnology Inc, Santa Cruz, CA)、IL−10R(C-20 ウサギIgG Santa Cruz Biotechnology)、TRAIL−R1(HS101 マウスIgGI , Alexis Biochemicals, Lausen, CH)、TRAIL−R2(HS201 マウスIgGI , Alexis)に対する特異的な抗体又はアイソタイプがマッチした対照に適した希釈で曝した。一次抗体に対する暴露後に、細胞をビオチン化した抗ウサギ又は抗マウス免疫グロブリンで処理し、TBS中で洗浄し、次いで、ストレプトアビジンペルオキシダーゼ(Dako LSAB 2 Kit, Dako Corporation Carpinteria CA, USA)でインキュベーションした。染色を3−アミノ−9−エチルカルバゾール(AEC)を比色基質として使用して検出した。細胞の対比染色を水性のヘマトキシリンを用いて実施した。
【0047】
RT−PCR分析。全RNAを、製造者の指示に従って、the Rneasy Mini Kit(Qiagen GmbH, Germany)を用いて培養した細胞から調製した。逆転写及びPCT増幅をそれぞれの調製物に対して1μgの全RNAを用いて、OneStep RT-PCR Kit(Qiagen)を用いて実施した。IL−4をコードする配列に対して特異的な2つのプライマー5'-CCA CGG ACA CAA GTG CGA TAヌクレオチド436−455(エキソン1)及び5'-CCT TGC AGA AGG TTT CCT TCT-3′ ヌクレオチド564−584に対する相補配列(エキソン3)(GenBank アクセッション番号 NM 000589.2)を、IL−4を特異的に増幅するために選択した。GAPD遺伝子を、同じRNA調製物からハウスキーピング対照として増幅した(コード配列:5'-TGA CAT CAA GAA GGT GGT GA-3' 、ヌクレオチド843-863及び5'-TCC ACC ACC CTG TTG CTG TA-3'、ヌクレオチド1033-1053に対して相補的 ; NM-002046 アクセッション番号)。35回のサイクルを実施し、それぞれは以下の条件からなる:94℃、30秒間、58℃、30秒間、72℃、30秒間。
【0048】
タンパク質単離及びウェスタンブロット分析。細胞ペレットを、氷冷したNP−40溶解緩衝液(50mM、トリスHCl、pH7.5、150mM NaCl、1mM EGTA、1% NP−40)中に再懸濁し、これは、Stassi et al. Nature Immunology 2000, 1 , 1-6に説明されるとおりの、プロテアーゼ阻害剤を含有する。アクチン(Ab-1 , マウス IgM, Calbiochem, Darmstadt, Germany)、CD95L(G247-4, マウス IgG1 , PharMingen, San Diego)、CD95(C-20, Santa Cruz Biotechnology)、cFLIP(NF6 マウスIgG1 , Alexis Biochemicals, Switzerland)、PED/PEA−15(ウサギ IgG G. Condorelliの親切により提供)、Bcl−2(124, マウスIgG1 , Upstate Biotechnology Inc.)及びBcl−X(H-5, マウスIgG1 , Santa Cruz Biotechnology)に対して特異的なAbsの免疫ブロッティングをHRPにコンジュゲートした抗マウス又は抗ウサギAbs(Amersham Biosciences UK Limited, England)によって検出し、かつ、化学発光検出系(SuperSignal West Dura Extended duration Sustrate, Pierce, Illinois, USA)を用いて視覚化した。
【0049】
実施例1
癌細胞中でのIL−4の自己分泌産生
腫瘍微小環境が、癌細胞の表現型及び機能に影響を及ぼすかどうかを検査するために、自己分泌的に癌の甲状腺細胞により産生されることが以前に見出されたIL−4及びIL−10の存在を評価した。免疫組織化学分析は、検査された充実性腫瘍の組織型(histotype)の全てが、高レベルのIL−4を発現し、その一方でIL−10はあまり検出可能でないことを実証した。結果は第1表中に示される。
【0050】
第1表 癌細胞中でのサイトカイン発現
【表1】

【0051】
興味深いことに、IL−4に対する反応性は、結腸、胸、肺、胃、肝臓、前立腺、膵臓、腎臓及び膀胱の癌細胞に局在しており、このことは、癌細胞は、IL−4のための高い産生源であり、そしてIL−10のためにはそうでないことを示唆する(第1表及び図1a)。腫瘍細胞中で観察された反応性がもっぱら、浸潤するT細胞による2の種類のサイトカインの放出のためであるとの可能性を排除するために、新規に精製された結腸、胸、胃及び肺の癌細胞をRT−PCRにより分析した。免疫組織化学的試験と一致して、精製された癌細胞のIL−4のmRNA発現のレベルは、関連する正常細胞と比較してかなり増加しており(図1b)、これは、IL−4の自己分泌産生が、甲状腺の癌細胞に限定されるのではなく、IL−4のかなりの量を産生する充実性腫瘍からの他の上皮の悪性の細胞中でも起こることを実証する。
【0052】
上皮癌細胞は、高レベルの抗アポトーシス性タンパク質を発現する。 結腸、胸、胃及び肺の癌細胞は、デスリガンドに対して、そして、化学療法により誘発される細胞死に対して抵抗性である。この不応答性を担う機構を決定するために、抗アポトーシス因子の異常発現が、デスリガンド又は化学療法により生じられる、損なわれた「外因性の」及び「内因性」の、アポトーシスシグナル経路において関連付けられることができるかどうかを検査した。免疫組織化学及びウェスタンブロット分析により、上皮の癌腫細胞は、CD95、TRAIL−R1及びTRAIL−R2を発現することが見出された(図2a及びb)。従って、本発明の発明者らは、cFLIP、PED/PEA−15、Bcl−xL及びBcl−2の、結腸、胸、胃及び肺の正常及び癌の細胞中での存在を評価し、そして、発現レベルを測定した。cFLIP及びPED/PEA−15のレベルが、新規に精製された癌の細胞中で、正常の結腸、胸及び肺の細胞に比較して、約3倍より高く(図2a)、Bcl−xLレベルは、4倍より高い。Bcl−2発現のレベルは、全ての分析した癌細胞中で、正常細胞と比較して2倍のみより高かった。従って、結腸、胸、胃及び肺の癌細胞中の抗アポトーシス遺伝子上方調節は、CD95−、TRAIL−及び化学療法誘発されたアポトーシスに対して、抵抗性を付与する可能性がある。
【0053】
IL−4は、上皮の癌細胞の生存、成長を増加させる。正常の及び癌の両者の細胞中のIL−4レセプターの発現を評価した。パラフィン包理した画分に対する免疫組織化学は、IL−4レセプターが、全ての分析した癌組織中で発現していることを示した。この結果を、以下の第2表及び図3a中に示す。
第2表 癌細胞中でのIL−4発現
【表2】

【0054】
腫瘍細胞の生存に対するIL−4の可能性のある関与を検査するために、結腸、胸、胃及び肺の正常細胞を、20ng/mlのIL−4に暴露し、かつ、細胞成長について分析した。IL−4は、結腸、胸及び肺の正常細胞の成長速度を顕著に増加させた(図3b)。更に、癌細胞の、CD95、TRAIL及び化学療法剤に対する不応性におけるIL−4の関与を決定するために、正常の結腸、胸、胃及び肺の細胞をIL−4で前もってインキュベーションし、ついで、デスリガンド及び化学療法細胞死抵抗性において関連する、これらの抗アポトーシス性タンパク質の発現について分析した。IL−4はcFLIP、PED/PEA−15、Bcl−xL及びBcl−12の正常な結腸、胸(図3c)、胃及び肺の細胞中でのタンパク質レベルを増加させ、このことは、自己分泌的なIL−4産生が、癌細胞を、化学療法及びデスレセプター刺激から保護し、抗アポトーシス因子を上方調節している可能性があることを示唆する。
【0055】
IL−4の中和は、CD95、TRAIL及び化学療法により誘発される癌細胞中での増殖停止(growth arrest)及び細胞死を促進する。IL−4の自己分泌産生がCD95、TRAIL及び化学療法から細胞死を保護することに寄与していることを直接的に実証するために、我々はIL−4中和の効果を、結腸、胸及び肺の癌細胞中で検査した。新規に精製した結腸、胸、胃及び肺の癌細胞の、IL−4に対する中和抗体への48時間の暴露は、癌細胞を化学療法−及びデスレセプター誘発細胞死に対して敏感化させ、これは、IL−4の充実性癌における抗アポトーシス的な役割を確認する。この結果を図4a〜cに示す。
【0056】
更に、IL−4中和は、結腸、胸、胃及び肺の腫瘍細胞成長を、15日間まで遮断し(図5)、そして、cFLIP、PED/PEA−15、Bcl−xL及びBcl−2のタンパク質発現レベルを下方調節する。これらのデータは、IL−4の自己分泌産生が、成長制御において重要な役割を果たす可能性があること、そして、癌細胞の生存に対して、特異的に要求されることを示す。
【0057】
新規に手術された腫瘍患者からの組織試験体を、IL−4及びIL−10発現について、種々の標準的な手法、例えばRT−PCR、ウェスタンブロット及び免疫組織化学によりスクリーニングした。同様に、このそれぞれのレセプターの発現を、同じ方法により分析した。精製した癌細胞を次いで、化学療法剤、例えばエトポシド、ドキソルビシン、オキサリプラチン及びアポトーシス誘発剤、例えばTRAIL及びCD95リガンドに対するその感受性について試験した。この結果を第3表に示す。
第3表、デスレセプター及び化学療法により誘発される細胞死に対する敏感化
【表3】

【0058】
第3表中の結果から示されるとおり、IL−4抗体の存在下でインキュベーションされた場合に、IL−4及び/又はIL−10を発現する正常に抵抗性のあるプライマリーな腫瘍細胞が、この試験された化学療法剤及び/又はアポトーシス促進剤に対して感受性になり、この結果数日のうち細胞の90%より多くが死亡することが意外にも見出された。デスレセプター及び化学療法により誘発される細胞死に対する特に顕著な敏感化が、結腸、胃、胸、肺、前立腺及び膀胱の癌細胞について示された。
【0059】
実施例2
この実施例において報告されるデータは、精製された結腸の癌の胚細胞が、高レベルのIL−4を産生し、かつ、癌細胞の、IL−4に対する中和性の抗体への暴露が、細胞毒性薬剤及びTRAIL−誘発アポトーシスに対して細胞を敏感化させることを明らかにする。更に、以下のデータは、結腸の腫瘍の、化学療法剤及び抗IL−4剤での組み合わせた処置が、腫瘍の増殖を顕著に減少させることを示す。
【0060】
結腸のCSCの化学療法剤に対する感受性を検査するために、シスプラチン(300ng/ml)及びオキサリプラチン(100μM)に対して暴露された結腸のCSCスフェロイドの生存率を測定し、これに均等な用量は、in vivoでの癌治療の間に達成される。更に、結腸のCSCを、アポトーシス誘発性のデスリガンドTRAIL(200ng/ml)で処理した。ヒトの大腸癌の試験体からのプライマリー(付着性の)細胞は、in vitroで同じ感受性を、全ての試験した3種の薬剤に対して示し、これに対して結腸のCSCは顕著に抵抗性であり、このことは、CSCが、薬剤により誘発されるアポトーシスに対して比較的不活性であることを確認する(図6a)。これは、CSCは、抗腫瘍療法を免れる可能性があること、そしてこれが、化学療法の非効率性の根底をなす理由であることを示唆する。
【0061】
結腸CSC中でのIL−4産生が、抗アポトーシスタンパク質の上方調節を、そして従って、療法不応性を担うことを正式に証明するために、CSCを、2日間IL−4中和性抗体で前処理し、次いで、細胞死及び抗アポトーシス性発現について測定した。c−FLIP、Bcl−xL及びPEDのタンパク質レベル、抗アポトーシスタンパク質は前に、癌中でIL−4により制御されることが示され、これは、抗IL−4に暴露されたCSC中で〜2分の1倍まで減少される(図6b−c)。更に重要なことは、IL−4遮断に引き続き、CSC細胞死が、化学療法剤又はTRAILでの処理により顕著に増加される(図6d−e)。
IL−4が、CSCにより産生される大腸癌を化学療法剤から保護することを直接的に実証するために、IL−4中和の効果をin vivo中で検査した。腫瘍を10日間成長させ(サイズ〜0.2cm3)、そして次いで腫瘍内にIL−4に対する中和性の抗体で又は対照のIgGで、一週間に2回3週間処置した。対照IgGと組み合わせた、オキサリプラチンでの、一週間に1回、4週間の腹腔内(i.p.)処理がマウス中での腫瘍サイズを減少させたにもかかわらず、化学療法の処置の効率は、IL−4中和性抗体により顕著に促進された(図7a及び7b)。
【0062】
実施例3
IL−4RIL 13R−Fc融合ポリペプチドの構築
シグナルペプチド及びIL−4レセプター−アルファの細胞外ドメイン(aa1aa231、NCBI アクセッションNP_000409)を、N末端でIL−13レセプターアルファ細胞外ドメイン(aa27-aa343 、NCBI アクセッションNP_001551)に対して融合させた。2点突然変異を、IL−4R−アルファ1配列(Gly2->Val2 及び Cys207->Ser207)中に導入し、かつ、単一の点突然変異をIL 13R−アルファ1配列(Cys46->Ala46)中に導入した。点突然変異の列挙は、NCBIデータベースエントリ、IL−4Rアルファ1に対してNP_000409そして、IL−13R アルファ1に対してNP_001551をも示す。
【0063】
このIL4RIL13Rタンパク質配列は、ヒトのIGHG1のFc部分に融合された(aa254-aa479、 NCBIアクセッション AAH69020)。更に、柔軟なリンカー要素及びFlexstreptag-ll−モチーフ(SSSSSSAWSHPQFEK) をC末端に付加した。この生じるIL4RIL 13R−Fcコンストラクトのアミノ酸配列を以下に示し、これは合成のDNA配列に逆翻訳され、かつ、このコドン利用は、哺乳類の細胞ベースの発現について最適化された。遺伝子合成を、ENTELECHON GmbH(Regensburg, Germany)により実施した。この最終的な発現カセットを、プラスミドのユニークなHind−III及びNot−I部位を用いてpCDNA4-HisMax-骨格中にサブクローニングした。
【表4】

【0064】
IL4R−IL13R−Fc融合ポリペプチドの改変は以下のようであってよい:
−シグナルペプチドの非存在又は非相同性のシグナルペプチドの存在、
−異なる、例えば短縮されたIL−4R ECDの存在、例えば様々な突然変異、特に点突然変異有り又は無しで、
−異なるエフェクタードメインの存在、
−異なるFcドメインの存在、及び/又は
−C末端の精製ドメインの非存在(特に、医薬適用のために)。
【0065】
実施例4
IL−4R−Fc融合ポリペプチドの構築
シグナルペプチド及び短縮した、IL4−レセプターアルファの細胞外ドメイン(aa1-aa224 、NCBI アクセッション NP_000409)をN末端で、ヒトのIGHG1のFc部分(aa250-aa479 、NCBI アクセッション AAH69020)に融合した。2個の点突然変異を、IL4R−アルファ1配列(Gly2>Val2及びCys207->Ser207)中に導入した。1つのグリシンを、この2つのドメイン中に挿入し、かつ、ヒンジ領域中の、ヒトのIGHG1のLys251をアルギニンに突然変異させた。この説明した突然変異の列挙は、NCBIデータベースエントリ、IL4Rアルファ1に対してNP_000409そして、IGHG1に対してNCBI アクセッション AAH69020をも示す。
【0066】
更に、柔軟なリンカー要素及びFlexstreptag-ll−モチーフ(SSSSSSAWSHPQFEK) をC末端に付加した。この生じるIL4R−Fcコンストラクトのアミノ酸配列を以下に示し、これは合成のDNA配列に逆翻訳され、かつ、このコドン利用は、哺乳類の細胞ベースの発現について最適化された。遺伝子合成を、ENTELECHON GmbH(Regensburg, Germany)により実施した。この最終的な発現カセットを、プラスミドのユニークなHind−III及びNot−I部位を用いてpCDNA4-HisMax-骨格中にサブクローニングした。
【表5】

【0067】
短縮化されたIL−4R融合ポリペプチドの改変は以下のようであってよい:
−シグナルペプチドの非存在又は非相同性のシグナルペプチドの存在、
−異なる、例えば短縮されたIL−4R ECDの存在、例えば様々な突然変異、特に点突然変異有り又は無しで、
−異なるFcドメインの存在、
−IL−4R ECD及びFcドメインの間の異なる融合ドメイン、例えば、配列RSC(位置227-229)の1つ異常のアミノ酸の欠失、及び/又は
−C末端の精製ドメインの非存在(特に、医薬適用のために)。
【0068】
実施例5
IL−4結合タンパク質、IL4R−Fc及びIL4R−IL13R−Fcの発現及び精製
10%FBS、100ユニット/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンを補給したDMEM+GlutaMAX (GibCo)中で成長させたHek 293細胞を、IL4R−Fc及びIL4R−IL13R−Fcそれぞれをコードするプラスミドで一過的にトランスフェクションした。組み換えタンパク質を含有する細胞培地上清を、トランスフェクション3日後に回収し300gの遠心分離により清澄にし、この後に、0.22μmの滅菌フィルターを通じて濾過した。アフィニティ精製のために、ストレプタクチンセファロースをカラムに充填し(ゲル床 1ml)、15mlの緩衝液W(100mM Tris−Cl、150ml NaCl、ph8.0)で平衡化し、かつ、このそれぞれの細胞培地の上清を、このカラムに流速4ml/分で適用した。引き続き、このカラムを、緩衝液Wで洗浄し、結合したIL4R−Fc又はIL4R−IL 13R−Fcを段階式に、6×1mlの緩衝液E(100mM TrisHCl、150mM NaCl、2.5mM デスチオビオチン pH8.0)の添加により溶出した。この溶出物画分のタンパク質の量を定量化し、かつ、このピーク画分を、超濾過により濃縮化し、そして更に、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)により精製した。銀染色後のIL4R−IL13R−Fcのストレプタクチン親和精製のSDS−PAGEを図8A中に示す。
【0069】
SECを、Superdex 200カラムに対して、Aktaクロマトグラフィ系(GE-Healthcare)を用いて実施した。このカラムを、リン酸で緩衝化した食塩水で平衡化し、かつ、この濃縮した、ストレプタクチン精製したIL4R Fc又はIL4R−IL 13R−Fcそれぞれを、このSECカラムに流速0.5ml/分で負荷した。280nmでの吸光度により観察されるこの溶出特性は、10.31mlでIL4R−IL 13R−Fcについて(図8B)、そして12.97mlでIL4R−Fcについて(図9A)顕著なタンパク質ピークを示した。IL4R−FcについてのSEC画分を更に、SDS−PAGE及び銀染色により、変性条件下で分析した(図9B)。
【0070】
天然の条件下でのこの見かけ分子量の決定のために、Superdex 200カラムに、既知の分子量の標準タンパク質を負荷した。この標準タンパク質の溶出容積に基づき、校正曲線を計算し、そして、精製したIL4R−Fcの見かけ分子量を137kDaであると決定し、これは、SDS−PAGEにより観察される分子量に良好にフィットする。IL4R−Fcのアミノ酸配列に基づく理論分子量は、モノマー状タンパク質に対して52.8kDaである。生化学的分析に基づき、IL4R−Fcは、タンパク質二量体として発現しているようである。
【0071】
IL4R−IL 13R−Fcについては、SECに基づく見かけの分子量は、約600kDaであると計算された。SDS−PAGE分析に基づき、このタンパク質は、約250kDaを有するシングルバンドとして流れる。IL4R−IL 13R−Fcのアミノ酸配列に基づく理論分子量は、87.7kDaである。原則的に、この分子の構成は、理論分子量約180KDaを有する安定な二量体のタンパク質を生じるべきである。従って、SECにより見受けられるこの高い見かけ分子量は、SEC中での異常な挙動又はタンパク質の更なるオリゴマー化を示す。
【0072】
IL4−プルダウンアッセイ
IL4R−Fc及びIL4R−IL 13R−Fcの特異的ねIL4結合について試験するために、4μgのそれぞれの両方のタンパク質を、ストレプタクチンセファロースに対してそのStrepタグを介して固定した。この固定されたタンパク質を引き続き、60分間400ngの組み換えにより発現したヒトのインターロイキン4(IL4)で、全容積400μlのリン酸緩衝化した食塩水中でインキュベーションした。引き続き、このビーズを洗浄し、そして結合したタンパク質を、全容積40μlの溶出緩衝液中でデスチオビオチンで特異的に溶出した。溶出されたタンパク質を最後に、SDS−PAGE及び銀染色を介して分析した。図10中に示されるとおり、IL4R−Fc及びIL4R−IL 13R−Fcの両方は、ヒトのIL4の特異的な結合を示し、これは、対照の実験中では見ることができないIL4タンパク質(12KDa)の存在により示される。
【0073】
実施例6
癌の胚細胞及びlプライマリーな腫瘍細胞に対するin vitro有効性
IL4R−Fc及びIL4R−IL 13R−Fcのアポトーシスを誘発するための能力を試験するために、両方のタンパク質を、乳癌の胚細胞の成長培地に単独で又はドキソルビシンと組み合わせて添加した。図11Aは、PBS(w/o)又は10μgのIL4R−Fc、IL4R−IL13R−Fc又は抗IL4抗体を用いて24時間前処理し、引き続き更なる24時間5μMドキソルビシンに暴露した、乳癌球体の免疫蛍光分析を示す。オレンジのアクリジン/エチジウムブロミド(赤:死細胞、緑:生細胞)で細胞を染色した。この単一の処理(ドキソルビシン単独)と比較して、ドキソルビシンとIL4R−Fc又はIL4R−IL13R−Fcそれぞれとの組み合わせは、アポトーシス性の乳癌胚細胞の量を明らかに増加させる。アポトーシス性の細胞と生細胞を区別し、引き続き細胞生存率のパーセンテージについてプロットされた細胞カウントもまた、アポトーシスの誘発のためのこの組み合わせ治療の有効性を実証する(図11B)。重要なことは、IL4R−Fc及びIL4R−IL13R−Fcの両方が、ドキソルビシン誘発されたアポトーシスについて乳癌の胚細胞を、IL4特異的な抗体について示したのと同じ範囲内で敏感化させることができるであり、IL4は、この実験においてポジティブコントロールとして使用した。
【0074】
プライマリーな大腸癌細胞に対してIL4R−Fc及びIL4R−IL13R−Fcコストラクトを、オキサリプラチン処理と組み合わせて試験した。プライマリー大腸癌細胞を、PBS(w/o)又は10μgのIL4R−Fc、IL4R−IL13R−Fc又は抗IL4抗体を用いて24時間前処理し、引き続き更なる24時間100μMオキサリプラチンで暴露した。このグラフは、MTS分析により測定される細胞生存率のパーセンテージを示す(CellTiter 96, Aquos, Promega)。図11C中に示されるとおり、両方のコンストラクトは、プライマリー大腸癌細胞をオキサリプラチンにより誘発されたアポトーシスのために敏感化させることができ、これはオキサリプラチン処理単独と比較して減少した細胞生存率により示唆される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)腫瘍細胞を含有する充実性腫瘍から試料を提供する工程、
(b)前記腫瘍細胞中の少なくとも1の抗アポトーシス性サイトカインの発現を決定する工程、及び
(c)前記充実性腫瘍を非サイトカイン発現腫瘍またはサイトカイン発現腫瘍に分類する工程
を含む、癌の種類を診断するための方法。
【請求項2】
抗アポトーシス性サイトカインがIL−4及び/又はIL−10、有利にはIL−4である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記充実性腫瘍が、IL−4発現腫瘍またはIL−4非発現腫瘍に分類される、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記充実性腫瘍が、IL−10発現腫瘍又はIL−10非発現腫瘍に分類される、請求項1又は2記載の方法。
【請求項5】
前記充実性腫瘍が、IL−4及びIL−10発現腫瘍又は非IL−4及び非IL−10発現腫瘍に分類される、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
充実性腫瘍が上皮腫瘍である、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
上皮腫瘍が、甲状腺、胸、前立腺、膀胱、結腸、胃、膵臓、腎臓、肝臓及び肺の癌の群から選択される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
腫瘍が有利には、結腸、胃、胸、肺、膀胱又は前立腺の癌である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
腫瘍細胞が、プライマリーな腫瘍細胞及び/又は癌胚細胞である、請求項1か8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
腫瘍細胞中での抗アポトーシス性サイトカイン発現の検出が、タンパク質レベル及び/又は核酸レベルでの検出を含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
タンパク質レベルでの検出が、抗アポトーシス性サイトカインの検出、有利には免疫化学及び/又は質量分析方法を用いた検出を含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
核酸レベルでの決定が、核酸ハイブリダイゼーション、及び場合により増幅方法、有利にはRT−PCR方法を用いた抗アポトーシス性サイトカインmRNA発現レベルの決定を含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
(d)少なくとも1種の化学療法剤又はアポトーシス促進剤に対する、発現されたサイトカイン及び/又はそのレセプターのアンタゴニストの存在及び/又は非存在中での、サイトカイン発現腫瘍の細胞の感受性を決定する工程、及び
(e)場合により、癌の種類に特異的な処理を選択する工程
を更に含む、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
(d)工程において、サイトカイン発現腫瘍の細胞が感受性である化学療法剤又はアポトーシス促進剤が決定される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
工程13(e)において、処理が、サイトカイン中和剤及び化学療法剤又はアポトーシス促進剤の組み合わせの投与を含む選択される、請求項13又は14記載の方法。
【請求項16】
化学療法剤が、代謝拮抗剤、DNA断片化剤、DNA架橋剤、インターカレーション剤、タンパク質合成阻害剤、トポイソメラーゼI及びII阻害剤、微小管指向した剤、キナーゼ阻害剤、ホルモン及びホルモンアンタゴニストから選択される、請求項14又は15記載の方法。
【請求項17】
化学療法剤が、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンから選択される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
アポトーシス促進剤が、TRAIL及びCD95リガンドから選択される、請求項14又は15記載の方法。
【請求項19】
サイトカイン中和剤が、抗体、有利には抗IL−4抗体及び/又は抗IL−10抗体又はその抗原結合断片である、請求項14から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
抗IL−4抗体が、ハイブリドーマ細胞ECACC 93100620又はその抗原結合断片に由来する抗体である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
サイトカイン中和剤が、溶解性のIL−4レセプターポリペプチド又は融合ポリペプチドである、請求項14から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
(i)少なくとも1種のサイトカイン中和剤及び
(ii)少なくとも1種の化学療法剤又はアポトーシス促進剤
の組み合わせの、微小残存病変の治療のための医薬品の製造のための使用。
【請求項23】
(i)少なくとも1種のサイトカイン中和剤及び
(ii)少なくとも1種の化学療法剤又はアポトーシス促進剤
の組み合わせの、サイトカイン発現腫瘍として分類される癌の種類の治療のための医薬品の製造のための使用。
【請求項24】
(i)少なくとも1種のサイトカイン中和剤及び
(ii)少なくとも1種の化学療法剤又はアポトーシス促進剤
の組み合わせの、手術及び/又は放射線療法との組み合わせにおける、サイトカイン発現腫瘍として分類される癌の種類の治療のための医薬品の製造のための使用。
【請求項25】
医薬品が、手術及び/又は放射線療法との、同時の、別個の又は逐次の組み合わせ療法のためである、請求項24記載の使用。
【請求項26】
(i)少なくとも1種のサイトカイン中和剤及び
(ii)少なくとも1種の化学療法剤又はアポトーシス促進剤
の組み合わせの、サイトカイン発現腫瘍の治療のための医薬品の製造のためであって、(i)及び(ii)の投与が同時に開始される使用。
【請求項27】
(i)少なくとも1種のサイトカイン中和剤及び
(ii)少なくとも1種の化学療法剤又はアポトーシス促進剤
の組み合わせの、サイトカイン発現腫瘍の治療のための医薬品の製造のためであって、(i)及び(ii)の投与が段階的に開始される、使用。
【請求項28】
(i)の投与の開始が、(ii)の≧1週間前であるか、又は、(ii)の投与の開始が、(i)の≧1週間前である、請求項27記載の使用。
【請求項29】
C末端で短縮された細胞外IL−4レセプタードメインを含有する、溶解性のIL−4レセプターポリペプチド。
【請求項30】
融合ポリペプチドである、請求項29記載のポリペプチド。
【請求項31】
請求項29又は30記載のポリペプチドをコードする核酸分子。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【公表番号】特表2010−514409(P2010−514409A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515770(P2009−515770)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005480
【国際公開番号】WO2007/147600
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(505360362)アポゲニクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (8)
【氏名又は名称原語表記】Apogenix GmbH
【住所又は居所原語表記】Im Neuenheimer Feld 584,D−69120 Heidelberg,Germany
【Fターム(参考)】