説明

ヒトサイトメガロウイルス中和抗体およびその使用

本発明は、ヒトサイトメガロウイルスに特異的であり、高親和性で結合する中和抗体、ならびにかかる抗体を産生する不死化B細胞に関する。また、本発明の抗体は、感染の中和に対しても高い力価を有する。また、本発明は、抗体が結合するエピトープ、ならびにスクリーニング方法や疾患の診断および治療法における抗体およびエピトープの使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載した全ての文書は、参照することによりそれら全体が本願明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ヒトサイトメガロウイルスに対する特異性を有する抗体、好ましくは、その特異性を有するモノクローナル抗体およびかかるモノクローナル抗体を産生する不死化B細胞に関する。また、本発明は、抗体が結合するエピトープならびにスクリーニング方法と疾患の診断、予防法および治療法における抗体およびエピトープの使用にも関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)は、免疫抑制成人においておよび胎児に感染次第、重度の病態を生じさせ得る広く分布している病原体であり、アテローム性動脈硬化等の慢性疾患に関与するとされている。hCMVは、線維芽細胞、内皮細胞、上皮細胞および造血細胞を含む複数の細胞型に感染する[1]。候補ワクチンとして開発されている、hCMVの生体外で増殖される弱毒化株は、内皮細胞指向性がないが、一方で、線維芽細胞に感染する能力を保持する[2]。現在では、2つのウイルス糖タンパク質複合体が、hCMVの向細胞性を制御することが分かっている。gH、gLおよびgOの複合体が線維芽細胞の感染に必要であるが、一方で、gH、gLおよびUL131−UL128遺伝子によってコードされたタンパク質の複合体は、内皮細胞、上皮細胞および樹枝状細胞の感染に関与する[2−8]。
【0004】
高力価免疫グロブリンは、移植に付随するhCMV疾患の予防法のために既に商品化されており、最新の知見により、それらが妊婦における治療効果を有することが示唆される[9]。この治療手段は、伝達可能な少量の中和抗体によって制限されており、したがって、高中和能を持つヒト抗体(ヒトモノクローナル抗体等)の有効性が非常に所望されるであろう。しかしながら、hCMV中和抗体の標的はまだ確立されていない。先行研究により、gBおよびgHが潜在的標的として識別された。しかしながら、gH(MSL109)に対するヒト化抗体は、臨床治験にいかなる有意な効果も示さなかった[10,11]。これまでに記載された全ての中和抗体は、それらが高濃度でのみhCMV感染を中和するために、低い中和能を有した。例えば、抗体MSL−109は、10μg/mlの濃度で50%中和活性のみを示し、生体内効果の欠如を説明し得る[11]。抗hCMV抗体の中和能力は、典型的には、標的細胞として線維芽細胞を使用して測定される。しかしながら、hCMVは、内皮細胞、上皮細胞および白血球細胞等の他の細胞型に感染することによって病態を生じさせることが知られている。高力価で非線維芽標的細胞の感染を中和することが可能である利用可能な任意のモノクローナル抗体はないように思われる。また、UL128およびUL130に対する最近記載された中和抗体も内皮細胞の感染の中和において非常に低い作用を示した[7]。
【0005】
したがって、hCMVに対する中和抗体の産生、ならびにかかる抗体が結合する標的の解明に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、hCMV感染を中和し、hCMV感染の中和において特に高い力価を有する抗体および抗体断片の産生に基づく。低濃度のみが所定量のウイルスを中和するために必要であるため、かかる抗体が望ましい。これは、より高レベルの保護を容易にさせるとともに、抗体の投与は少量である。ヒトモノクローナル抗体およびかかる抗体を分泌する不死化B細胞クローンもまた本発明の範囲内に含まれる。
【0007】
発明者は、UL130およびUL131Aの組み合わせに向けられた抗体が、hCMVの中和に特に効果的であることを発見した。この組み合わせは、抗体により認識されるエピトープを形成するUL130およびUL131Aの複合体であり得るか、または抗体は、UL130およびUL131Aの一方に向けられ得、他のタンパク質の存在が特異性にとって不可欠である。
【0008】
また、本発明は、抗体が結合するエピトープの特徴付けおよび免疫学的応答の惹起におけるそのエピトープの使用にも関する。
【0009】
また、本発明は、本発明の抗体およびそれらが結合するエピトープが関与する種々の方法および使用にも関する。
【0010】
本発明の抗体
本発明は、hCMVの中和において特に高い力価を有するモノクローナルまたは組換え抗体を提供する。また、本発明は、これらの組換えまたはモノクローナル抗体の断片、例えば、hCMVタンパク質UL130およびUL131Aに特異的な少なくとも1つの相補性決定領域(complementarity determining region:CDR)を保持する、特に抗体の抗原結合活性を保持する断片も提供する。
【0011】
本明細書において、「hCMVの中和において高い力価」は、本発明の抗体分子が、例えばMSL−109と比べて、当技術分野において既知の抗体よりもはるかに低い濃度で、標準的なアッセイにおいてhCMVを中和することを意味する。
【0012】
好ましくは、本発明の抗体分子は、0.16μg/ml以下(つまり、0.15、0.125、0.1、0.075、0.05、0.025、0.02、0.016、0.015、0.0125、0.01、0.0075、0.005、0.004、またはそれ以下)、好ましくは、0.016μg/ml以下(10−8以下、好ましくは、10−9M以下、好ましくは、10−10M以下、つまり10−11M、10−12M、10−13M、またはそれ以下の抗体濃度)の濃度で中和することができる。これは、hCMVの同じ力価の中和に必要なMSL−109の濃度と比較して、非常に低濃度の抗体のみが、生体外hCMVの臨床分離株の50%中和に必要とされることを意味する。好ましくは、hCMVの臨床分離株による内皮細胞、上皮細胞および樹枝状細胞の感染の50%中和に必要な本発明の抗体の濃度は、MSL109によって必要とされる濃度よりも50倍以上(つまり、75、100、150、200以上)低い。力価は、当技術分野において説明されるような標準的な中和アッセイを使用して測定することができる。
【0013】
本発明の抗体は、hCMVを中和することができる。好ましくは、本発明による抗体は、線維芽細胞または内皮細胞の感染を予防する。より好ましくは、本発明による抗体は、内皮細胞の感染を予防する。好ましくは、本発明による抗体は、線維芽細胞および内皮細胞の両方の感染を予防する。また、本発明の抗体は、好ましくは、樹枝状細胞および網膜細胞等の上皮細胞の感染も予防する。
【0014】
これらの抗体は、適切な処方後に予防薬もしくは治療薬として、または診断ツールとして使用することができる。
【0015】
「中和抗体」は、ホスト内の感染を開始するおよび/または永続化させる病原体の能力を中和することができるものである。本発明は、中和モノクローナルヒト抗体を提供し、該抗体は、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)からの抗原を認識する。
【0016】
好ましくは、本発明による抗体は、UL130およびUL131Aの組み合わせに対する特異性を有する。
【0017】
好ましくは、本発明による抗体は、本明細書において1F11または2F4と称されるモノクローナル抗体である。これらの抗体は、最初に、hCMV感染ドナーから単離され、1F11または2F4と称される不死化B細胞クローンによって産生される。これらの抗体は、内皮細胞、上皮細胞、網膜細胞および樹枝状細胞のhCMV感染を中和することが分かった。加えて、異なるhCMV感染ドナーから単離された該抗体5A2および9A11は、UL130およびUL131Aの組み合わせに対する同様の特異性と、そして内皮細胞、上皮細胞、網膜細胞および樹枝状細胞のhCMV感染を中和する能力を示す。これらの抗体は、それぞれ5A2および9A11と称される不死化B細胞クローンによって産生される。
【0018】
1F11は、配列番号7に示されるアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号8に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖から成る。2F4は、配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号18に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖から成る。抗体重鎖のCDRは、それぞれCDRH1、CDRH2およびCDRH3と称する。同様に、抗体軽鎖のCDRは、それぞれCDRL1、CDRL2およびCDRL3と称する。CDRアミノ酸の位置は、CDR1−IMGT位置27から38、CDR2−IMGT位置56から65およびCDR3−IMGT位置105から117として、IMGT番号付けシステム[12、13、14]に従って定義する。
【0019】
5A2は、配列番号39に示されるアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号40に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖から成る。
【0020】
これらの抗体のCDRのアミノ酸配列を表1に示す。
【表1】

【0021】
また、本発明は、1F11または2F4(配列番号1〜3または11〜13)からの1つ以上の(つまり、1つ、2つまたは3つ全ての)重鎖CDRを含む重鎖を含む抗体も含む。また、5A2(配列番号33〜35)からの1つ以上の(つまり、1つ、2つまたは3つ全ての)重鎖CDRを含む重鎖を含む抗体も含む。
【0022】
好ましくは、本発明による抗体は、(i)DRH1に対して配列番号1、CDRH2に対して配列番号2、およびCDRH3に対して配列番号3、または(ii)CDRH1に対して配列番号11、CDRH2に対して配列番号12、およびCDRH3に対して配列番号13を含む重鎖を含む。本発明によるさらに好適な抗体は、CDRH1に対して配列番号33、CDRH2に対して配列番号34、およびCDRH3に対して配列番号35を含む重鎖を含む。
【0023】
また、本発明は、1F11または2F4(配列番号4〜6または14〜16)からの1つ以上の(つまり、1つ、2つまたは3つ全ての)軽鎖CDRを含む軽鎖を含む抗体も含む。また、5A2(配列番号36〜38)からの1つ以上の(つまり、1つ、2つまたは3つ全ての)軽鎖CDRを含む軽鎖を含む抗体も含む。
【0024】
好ましくは、本発明による抗体は、(i)CDRL1に対して配列番号4、CDRL2に対して配列番号5、およびCDRL3に対して配列番号6、または(ii)CDRL1に対して配列番号14、CDRL2に対して配列番号15、およびCDRL3に対して配列番号16を含む軽鎖を含む。本発明によるさらに好適な抗体は、DRL1に対して配列番号36、CDRL2に対して配列番号37、およびCDRL3に対して配列番号38を含む軽鎖を含む。
【0025】
好ましくは、本発明による抗体は、配列番号7、17または39に示される配列を有する重鎖を含む。好ましくは、本発明による抗体は、配列番号8、18または40に示される配列を有する軽鎖を含む。
【0026】
また、1F11からの1つ以上のCDRおよび2F4からの1つ以上のCDRを含むハイブリッド抗体分子も存在し得る。好ましくは、かかるハイブリッド抗体は、1F11からの3つのCDRおよび2F4からの3つのCDRを含む。したがって、好適なハイブリッド抗体は、i)1F11からの3つの軽鎖CDRおよび2F4からの3つの重鎖CDR、またはii)1F11からの3つの重鎖CDRおよび2F4からの3つの軽鎖CDRを含む。代替として、かかるハイブリッドは、5A2からの1つ以上のCDRを含有し得る。
【0027】
また、本発明は、軽鎖および重鎖の一部または全てならびに本発明のCDRをコードする核酸配列も含む。本発明による好適な核酸配列は、配列番号9(1F11重鎖可変領域をコードする)、配列番号10(1F11軽鎖可変領域をコードする)、配列番号19(2F4重鎖可変領域をコードする)、および配列番号20(2F4軽鎖可変領域をコードする)を含む。種々のCDRをコードする好適な核酸配列は、配列番号21(1F11 CDRH1をコードする)、配列番号22(1F11 CDRH2をコードする)、配列番号23(1F11 CDRH3をコードする)、配列番号24(1F11 CDRL1をコードする)、配列番号25(1F11 CDRL2をコードする)、配列番号26(1F11 CDRL3をコードする)、配列番号27(2F4 CDRH1をコードする)、配列番号28(2F4 CDRH2をコードする)、配列番号29(2F4 CDRH3をコードする)、配列番号30(2F4 CDRL1をコードする)、配列番号31(2F4 CDRL2をコードする)および配列番号32(2F4 CDRL3をコードする)を含む。本発明によるさらに好適な核酸配列は、配列番号41(5A2重鎖可変領域をコードする)、配列番号42(5A2軽鎖可変領域をコードする)、配列番号43(5A2 CDRH1をコードする)、配列番号44(5A2 CDRH2をコードする)、配列番号45(5A2 CDRH3をコードする)、配列番号46(5A2 CDRL1をコードする)、配列番号47(5A2 CDRL2をコードする)、配列番号48(5A2 CDRL3をコードする)を含む。遺伝暗号の冗長性に起因して、同じアミノ酸配列をコードするこれらの配列の変異体が存在するであろう。
【0028】
また、変異抗体も本発明の範囲内に含まれる。したがって、本出願に示した配列の変異体もまた本発明の範囲内に含まれる。かかる変異体は、上記のような遺伝暗号の縮重に起因して生じ得る。代替として、自然変異体は、転写または翻訳の誤りに起因して産生され得る。また、2F4の変異体も本明細書に開示する。この変異体は、2F4重鎖アミノ酸配列(配列番号17)のC端末側終端で付加的な2つのセリン残基を含む。したがって、2F4のこの変異体は、配列番号49に示されるアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号18に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖から成る。変異体重鎖をコードする核酸配列は、配列番号50に示される。したがって、2F4変異体重鎖(配列番号49)を含む抗体は本発明の範囲内に含まれる。
【0029】
向上した親和性を有する抗体配列のさらなる変異体は、当技術分野において既知の方法を使用して得ることができ、本発明の範囲内に含まれる。例えば、アミノ酸置換は、さらに向上した親和性を持つ抗体を得るために使用され得る。代替として、ヌクレオチド配列のコドン最適化は、抗体を産生するための発現系において翻訳の効率を向上させるために使用され得る。
【0030】
好ましくは、かかる変異抗体配列は、本出願に示した配列と70%以上(つまり、80、85、90、95、97、98、99%、またはそれ以上)の配列同一性を共有する。好ましくは、かかる配列同一性は、参照配列(つまり、本出願に示した配列)の全長に関して算出される。好ましくは、本明細書に参照される同一性の割合(%)は、NCBI(National Center for Biotechnology Information; http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)によって指定される初期パラメータ[Blosum 62マトリックス、ギャップオープンペナルティ=11およびギャップ伸長ペナルティ=1]を使用して、BLASTバージョン2.1.3を用いて決定される。
【0031】
ベクター、例えば、本発明による核酸配列を含む発現ベクターが本発明の範囲内にさらに含まれる。かかるベクターで形質転換された細胞も本発明の範囲内に含まれる。
【0032】
また、本発明は、モノクローナル抗体1F11または2F4に結合することが可能なエピトープに結合する該モノクローナル抗体にも関する。また、本発明は、モノクローナル抗体5A2に結合することが可能なエピトープに結合する該モノクローナル抗体にも関する。
【0033】
モノクローナルおよび組換え抗体は、個々のポリペプチドまたはそれらが向けられる他の抗原の識別および精製に特に有用である。本発明の抗体は、それらが、免疫測定法、放射免疫測定法(RIA)または酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)において試薬として用いられ得るという点で、付加的な有用性を有する。これらの用途において、抗体は、放射性同位元素、蛍光分子または酵素等の分析的に検出可能な試薬で標識することができる。また、抗体は、抗原の分子的識別および特徴付け(エピトープマッピング)のためにも使用され得る。
【0034】
本発明の抗体は、治療部位への送達のために薬物に連結することができるか、またはhCMVに感染した細胞等の関心細胞を含む部位の画像化を容易にさせるように、検出可能な標識に連結することができる。薬物および検出可能な標識に抗体を連結するための方法は、検出可能な標識を使用して画像化するための方法のように、当技術分野において既知である。標識された抗体は、様々な標識を用いる様々なアッセイにおいて用いられ得る。本発明の抗体と関心エピトープ(hCMVエピトープ)との抗体−抗原複合体の形成の検出は、抗体に検出可能な物質を付着させることによって容易にすることができる。適切な検出手段は、放射性核種、酵素、補酵素、蛍光体、化学発光物質、色素原、酵素基質または補助因子、酵素阻害薬、補欠分子族複合体、フリーラジカル、粒子、色素等の標識の使用を含む。適切な酵素の例は、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼを含み、適切な補欠分子族複合体の例は、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンを含み、適切な蛍光材料の例は、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリンを含み、発光物質の例は、ルミノールであり、生物発光物質の例は、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンを含み、ならびに適切な放射性物質の例は、125I、131I、35S、またはHを含む。かかる標識された試薬は、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、例えば、ELISA、蛍光免疫測定法等の様々な既知のアッセイにおいて使用され得る。例えば、参考文献15−18を参照されたい。
【0035】
本発明による抗体は、細胞毒、治療薬、または放射性金属イオンもしくは放射性同位元素等の治療部分に抱合され得る。放射性同位元素の例としては、I−131、I−123、I−125、Y−90、Re−188、Re−186、At−211、Cu−67、Bi−212、Bi−213、Pd−109、Tc−99、In−111等が挙げられるが、これらに限定されない。かかる抗体抱合体は、所与の生物学的応答を改変するために使用することができ、薬物部分は、古典的な化学治療薬に制限されると解釈されるものではない。例えば、薬物部分は、所望の生物活性を持つタンパク質またはポリペプチドであり得る。かかるタンパク質は、例えば、アブリン、リシンA、緑膿菌外毒素、またはジフテリア毒素等の毒素を含み得る。
【0036】
かかる治療部分を抗体に抱合する技術は既知である。例えば、Arnon et al.(1985)“Monoclonal Antibodies for Immunotargeting of Drugs in Cancer Therapy,”in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,ed.Reisfeld et al.(Alan R.Liss,Inc.),pp.243−256; ed.Hellstrom et al.(1987)“Antibodies for Drug Delivery,”in Controlled Drug Delivery,ed.Robinson et al.(2d ed;Marcel Dekker,Inc.),pp.623−653;Thorpe(1985)“Antibody Carriers of Cytotoxic Agents in Cancer Therapy:A Review,”in Monoclonal Antibodies'84:Biological and Clinical Applications,ed.Pinchera et al.pp.475−506(Editrice Kurtis,Milano,Italy,1985);“Analysis,Results,and Future Prospective of the Therapeutic Use of Radiolabeled Antibody in Cancer Therapy,”in Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy,ed.Baldwin et al.(Academic Press,New York,1985),pp.303−316;およびThorpe et al.(1982)Immunol.Rev.62:119−158を参照されたい。
【0037】
代替として、抗体は、第2の抗体に抱合して、参考文献19に記載されるように、抗体ヘテロ抱合体を形成することができる。加えて、標識と発明の抗体との間でリンカーが使用され得る[20]。抗体、またはその抗原結合断片は、当技術分野において既知の放射性ヨード、インジウム、イットリウム、または他の放射性粒子で直接標識され得る[21]。治療は、同時に投与またはその後投与される抱合抗体と非抱合抗体の治療の組み合わせから成り得る[22、23]。
【0038】
本発明の抗体は、固体支持体に付着され得る。
【0039】
加えて、抗体は、例えば、それらの循環半減期を増大するために、ポリマーへの共有結合的抱合によって化学的に修飾することができる。好適なポリマー、およびそれらをペプチドに付着させる方法は、参考文献24−27に記載される。好適なポリマーは、ポリオキシエチル化ポリオールおよびポリエチレングリコール(PEG)である。PEGは、室温で水溶性であり、一般式:R(O−−CH−−CHO−−Rを有し、Rは、水素、またはアルキル基もしくはアルカノール基等の保護基であることができる。好ましくは、保護基は、1から8個の炭素を有し、より好ましくは、それはメチルである。記号nは、好ましくは、1から1,000、より好ましくは、2から500の間の正の整数である。PEGは、1,000から40,000、より好ましくは、2,000から20,000、最も好ましくは、3,000から12,000の好適な平均分子量を有する。好ましくは、PEGは、少なくとも1つのヒドロキシ基を有し、より好ましくは、それは末端ヒドロキシ基である。それは、阻害薬上の遊離アミノ基と反応するように好ましくは活性化されるヒドロキシ基である。しかしながら、反応基の型および量は、本発明の共有結合的に抱合されたPEG/抗体を達成するために変化し得ることが理解される。
【0040】
また、水溶性ポリオキシエチル化ポリオールも本発明において有用である。それらは、ポリオキシエチル化ソルビトール、ポリオキシエチル化グルコース、ポリオキシエチル化グリセロール(POG)等を含む。POGは好適である。その理由の1つは、ポリオキシエチル化グリセロールのグリセロール骨格が、例えば、動物およびヒトにおけるモノ、ジ、トリグリセリド中に自然発生する骨格と同じ骨格であるためである。したがって、この分枝は、必ずしも体内の異質物質とは見られないであろう。POGは、PEGと同程度である好適な分子量を有する。POGの構造は、参考文献28に記載され、POG/IL−2抱合体の考察は参考文献24に見られる。
【0041】
循環半減期を増大させるための別の薬物送達系は、リポソームである。リポソーム送達系を調製する方法は、参考文献29、30および31で論じられる。他の薬物送達系は当技術分野において既知であり、例えば、参考文献32および33に記述される。
【0042】
本発明の抗体は、好ましくは、精製された形態で提供される。典型的には、抗体は、他のポリペプチドを実質的に含まない組成物中に存在し、例えば、90重量%未満、通常60%未満、およびさらに通常50%未満の組成物が他のポリペプチドで構成される。
【0043】
本発明の抗体は、非ヒト(異種)ホスト、例えばマウスにおいて免疫原性であり得る。抗体は、非ヒトホストにおいて免疫原性であるが、ヒトホストにおいては免疫原性でないイディオトープを有し得る。ヒトが使用するための本発明の抗体は、マウス、ヤギ、ウサギ、ラット、非霊長類哺乳類等のホストから得ることができないもの、およびヒト化によって、または異種マウスから得ることができないものを含む。
【0044】
本発明の抗体は、任意のアイソタイプ(例えば、IgA、IgG、IgMつまり、α、γまたはμ重鎖)であることができるが、概してIgGである。IgGアイソタイプ内で、抗体は、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4サブクラスであり得る。本発明の抗体は、κまたはλ軽鎖を有し得る。
【0045】
抗体の産生
本発明によるモノクローナル抗体は、当技術分野において既知の方法のうちの1つで生成することができる。ハイブリドーマ技術を使用してモノクローナル抗体を生成するための一般手法は既知である[34、35]。好ましくは、参考文献36に記述される代替的なEBV不死化方法が使用される。
【0046】
参考文献36に記述される方法を使用して、本発明の抗体を産生するB細胞は、多クローン性B細胞活性化因子の存在下においてEBVで形質転換することができる。EBVでの形質転換は標準的な技術であり、多クローン性B細胞活性化因子を含むように容易に適合することができる。
【0047】
細胞増殖および分化の付加的な刺激薬を、効率をさらに増強させるために形質転換ステップ時に添加することができる。これらの刺激薬は、IL−2およびIL−15等のサイトカインであり得る。特に好適な態様において、IL−2は、不死化の効率をさらに向上させるために不死化ステップ時に添加されるが、その使用は必須ではない。
【0048】
次いで、これらの方法を使用して産生した不死化B細胞を、当技術分野において既知の方法を使用して培養し、抗体をそこから単離することができる。
【0049】
モノクローナル抗体は、所望される場合、濾過、遠心分離、およびHPLCまたは親和性クロマトグラフィ等の種々のクロマトグラフ法を使用してさらに精製され得る。製薬等級抗体を産生するための技術を含む、モノクローナル抗体を精製する技術は、当技術分野において既知である。
【0050】
本発明のモノクローナル抗体の断片は、ペプシンもしくはパパイン等の酵素での消化を含む方法によって、および/または化学的還元によるジスルフィド結合の切断によって、モノクローナル抗体から得ることができる。代替として、モノクローナル抗体の断片は、重鎖または軽鎖の配列の一部のクローニングおよび発現によって得ることができる。抗体「断片」は、Fab、Fab’、F(ab’)およびFv断片を含む。また、本発明は、本発明のモノクローナル抗体の重鎖および軽鎖から派生する一本鎖Fv断片(scFv)も包含し、例えば、本発明は、本発明の抗体からのCDRを含むscFvを含む。また、重鎖または軽鎖単量体および二量体ならびに単鎖抗体、例えば、重鎖および軽鎖可変領域がペプチドリンカーによって連結される一本鎖Fvも含む。
【0051】
分子生物学の標準的な技術を、本発明の抗体または抗体の断片をコードするDNA配列を調製するために使用することができる。所望のDNA配列は、オリゴヌクレオチド合成技術を使用して、完全にまたは部分的に合成され得る。部位特異的変異誘発およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を必要に応じて使用することができる。
【0052】
任意の適切なホスト細胞/ベクター系は、本発明の抗体分子またはその断片をコードするDNA配列の発現のために使用され得る。FabおよびF(ab’)断片、特にFv断片および単鎖抗体断片、例えば、一本鎖Fvs等の抗体断片の発現のために、細菌、例えば大腸菌、および他の微生物系が部分的に使用され得る。真核生物、例えば哺乳類ホスト細胞発現系は、完全な抗体分子を含む、より大きな抗体分子の産生のために使用され得る。適切な哺乳類ホスト細胞は、CHO、HEK293T、PER.C6、骨髄腫細胞またはハイブリドーマ細胞を含む。
【0053】
また、本発明は、本発明による抗体分子を産生するための工程も提供し、本発明の抗体分子をコードするDNAからのタンパク質の発現をもたらすのに適した条件下で、本発明のベクターを含むホスト細胞を培養するステップと、抗体分子を単離するステップとを含む。
【0054】
抗体分子は、重鎖または軽鎖ポリペプチドのみを含み得、その場合においては、重鎖または軽鎖ポリペプチドコード配列のみを、ホスト細胞を形質移入するために使用する必要がある。重鎖および軽鎖の両方を含む産物を産生するために、細胞系は、軽鎖ポリペプチドをコードする第1のベクターおよび重鎖ポリペプチドをコードする第2のベクターの2つのベクターを形質移入され得る。代替として、単一ベクターが使用され得、該ベクターは、軽鎖および重鎖ポリペプチドをコードする配列を含む。
【0055】
代替として、本発明による抗体は、i)細胞内で本発明による核酸配列を発現するステップ、およびii)発現された抗体産物を単離するステップによって産生され得る。加えて、方法は、iii)抗体を精製するステップを含み得る。
【0056】
B細胞のスクリーニングおよび単離
形質転換されたB細胞を、所望の抗原特異性の抗体を産生するものに対してスクリーニングし、次いで、個々のB細胞クローンは、陽性細胞から産生することができる。
【0057】
スクリーニングステップは、ELISA、組織または細胞(形質移入された細胞を含む)の染色、中和アッセイまたは所望の抗原特異性を識別するための当技術分野において既知の多くの他の方法のうちの1つによって行われ得る。アッセイは、単純抗原認識に基づいて選択し得るか、または、例えば、抗原結合抗体だけではなく中和抗体を選択し、標的細胞の特徴、たとえば、それらのシグナリングカスケード、それらの形、それらの増殖速度、他の細胞に影響するそれらの能力、他の細胞もしくは他の試薬または条件の変化による影響に対するそれらの応答、それらの分化状態等を変化させることができる抗体を選択する等のような、所望の機能にさらに基づいて選択され得る。
【0058】
陽性細胞の混合物から個々のクローンを分離するクローニングステップは、限界希釈法,顕微操作、細胞分類による単細胞沈着、または当技術分野において既知の別の方法を使用して行われ得る。好ましくは、クローニングは、限界希釈法を使用して行われる。
【0059】
本発明の不死化B細胞クローンは、例えば、モノクローナル抗体源として、研究のための関心モノクローナル抗体をコードする核酸(DNAまたはmRNA)源等として、種々の方法で使用することができる。
【0060】
本発明は、不死化Bメモリーリンパ球を含む組成物を提供し、該リンパ球は、hCMVに特異的な高中和能力を持つ抗体を産生し、該抗体は、1日当たり細胞ごとに5pg以上産生される。また、本発明は、不死化Bメモリーリンパ球のクローンを含む組成物を提供し、該クローンは、hCMVに特異的な高親和性を持つモノクローナル抗体を産生し、該抗体は、1日当たりクローンごとに10ng以上産生される。好ましくは、該クローンは、hCMV感染の中和において、高い力価を持つモノクローナル抗体を産生する。
【0061】
本発明による好適な不死化B細胞クローンは、1F11および2F4である。さらに好適なクローンは、5A2および9A11である。
【0062】
エピトープ
上記のように、本発明の抗体は、それらが結合するエピトープをマッピングするために使用することができる。出願者は、内皮細胞、上皮細胞、網膜細胞および樹枝状細胞のhCMV感染を中和する抗体1F11、2F4、5A2および9A11が、UL130およびUL131Aの組み合わせ上に見られるエピトープに向けられることを発見した。出願者は、この理論に制約されることを望まないが、抗体1F11および2F4が、これらの2つのタンパク質によって形成される高次構造エピトープに結合すると考えられる。また、5A2および9A11も、UL130およびUL131Aによって形成されるかかる高次構造エピトープに結合すると考えられる。
【0063】
1F11、2F4、5A2、および9A11が、線維芽細胞の感染を中和しない事実に起因して、これらの抗体は、ヒトモノクローナル抗体10C6、5F1、6B4および7H3に対する異なるエピトープを認識すると仮定される。さらに、モノクローナル抗体10C6、5F1、7H3および6B4は、gBの機能的エピトープに結合すると考えられる。
【0064】
これらの抗体によって認識されるエピトープは、多くの使用があり得る。精製された形態または合成形態でのエピトープおよびミモトープは、免疫学的応答(つまり、ワクチンとして、または他の使用のために抗体を産生するため)を惹起するために、またはエピトープもしくはミモトープと免役反応する抗体に対して患者血清をスクリーニングするために使用することができる。好ましくは、かかるエピトープもしくはミモトープ、またはかかるエピトープもしくはミモトープを含む抗原は、免疫反応を向上させるためのワクチンとして使用される。また、本発明の抗体は、ワクチンの質をモニターする方法、特に、ワクチン中の抗原が、正しい高次構造において正しいエピトープを含有することを確認する方法において使用することもできる。
【0065】
また、エピトープは、該エピトープに結合するリガンドのスクリーニングにおいても有用であり得る。このようなリガンドは、好ましくは、エピトープをブロックするため、感染を予防する。このようなリガンドは、本発明の範囲内に包含される。
【0066】
組換え発現
また、本発明の不死化メモリーBリンパ球は、その後の組換え発現に対する抗体遺伝子のクローニングのために核酸源としても使用し得る。組換え源からの発現は、例えば、安定性、再現性、培養の容易さ等の理由で、B細胞またはハイブリドーマからの発現よりも、医薬目的上より一般的である。
【0067】
したがって、本発明は、組換え細胞を調製するための方法を提供し、(i)関心抗体をコードするB細胞クローンから1つ以上の核酸(例えば、重鎖および/または軽鎖遺伝子)を得るステップと、(ii)発現ホスト内における関心抗体の発現を可能にするように、そのホスト内に核酸を挿入するステップとを含む。
【0068】
同様に、本発明は、組換え細胞を調製するための方法を提供し、(i)関心抗体をコードするB細胞クローンから核酸を配列決定するステップと、ステップ(i)からの配列情報を使用して、発現ホスト内における関心抗体の発現を可能にするように、そのホスト内に挿入するために核酸を調製するステップとを含む。
【0069】
また、本発明は、組換え細胞を調製する方法を提供し、モノクローナル関心抗体をコードする1つ以上の核酸でホスト細胞を形質転換するステップを含み、該核酸は、本発明の不死化B細胞クローンから派生した核酸である。したがって、最初に、該核酸を調製し、次いで、ホスト細胞を形質転換するためにそれを使用する手順は、異なる場所(例えば、異なる国)で異なる人々によって異なる時間に行うことができる。
【0070】
次いで、本発明のこれらの組換え細胞は、発現および培養目的で使用することができる。それらは、大規模の薬剤生産のための抗体の発現に特に有用である。また、それらは、医薬組成物の活性成分としても使用することができる。任意の適切な培養技術を使用することができ、その技術には、静置培養、ローラーボトル培養、腹水、中空糸型バイオリアクターカートリッジ、モジュラーミニファーメンター、攪拌槽、マイクロキャリア培養、セラミック中子灌流等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
B細胞から免疫グロブリン遺伝子を得る、および配列決定するための方法は、当技術分野において既知である(例えば、参考文献37を参照)。
【0072】
発現ホストは、好ましくは、真核細胞であり、酵母および動物細胞、特に、哺乳類細胞(例えば、CHO細胞、PER.C6[Crucell、参考文献38]またはHKB-11[Bayer、参考文献39&40]細胞、骨髄腫細胞[41&42]等)等のヒト細胞、ならびに植物細胞を含む。好適な発現ホストは、特に、それ自体ではヒトにおいて免疫原性ではない糖鎖構造を用いて、本発明の抗体をグリコシル化することができる。無血清培地中で増殖することができる血清発現ホストが好適である。動物由来の産物が存在しない培養物中で増殖することができる発現ホストが好適である。
【0073】
発現ホストは、細胞系を得るために培養され得る。
【0074】
本発明は、関心抗体をコードする1つ以上の核酸分子(例えば、重鎖および軽鎖遺伝子)を調製するための方法を提供し、(i)本発明による不死化B細胞クローンを調製するステップと、(ii)関心抗体をコードするB細胞クローンを核酸から得るステップとを含む。また、本発明は、関心抗体をコードする核酸配列を得るための方法を提供し、(i)本発明による不死化B細胞クローンを調製するステップと、(ii)関心抗体をコードするB細胞クローンから核酸を配列決定するステップとを含む。
【0075】
また、本発明は、関心抗体をコードする核酸分子を調製する方法も提供し、本発明の形質転換されたB細胞から得られたB細胞クローンから核酸を得るステップを含む。したがって、最初に、B細胞クローンを得、次いで、それから核酸を調製する手順は、異なる場所(例えば、異なる国)で異なる人々によって異なる時間に行うことができる。
【0076】
本発明は、(例えば、医薬用途のために)抗体を調製するための方法を提供し、(i)関心抗体を発現する選択したB細胞クローンから1つ以上の核酸(例えば、重鎖および軽鎖遺伝子を得るステップおよび/または配列決定するステップと、(ii)核酸を挿入するか、または核酸を使用して、関心抗体を発現することができる発現ホストを調製するステップと、(iii)関心抗体が発現される条件下で、発現ホストを培養または継代培養するステップと、任意に、(iv)関心抗体を精製するステップとを含む。
【0077】
また、本発明は、抗体を調製する方法も提供し、関心抗体が発現される条件下で、発現ホスト細胞集団を培養または継代培養するステップと、任意に、関心抗体を精製するステップとを含み、該発現ホスト細胞集団は、(i)上記のように調製されたBメモリーリンパ球の集団により産生される関心抗体を発現する選択したB細胞をコードする核酸を提供するステップ、(ii)関心抗体を発現することができる発現ホスト内に核酸を挿入するステップ、および(iii)該発現ホスト細胞集団を産生するために、該挿入した核酸を含む発現ホストを培養または継代培養するステップによって調製された。したがって、最初に、組換え発現ホストを調製し、次いで、抗体を発現するためにそれを培養する手順は、異なる場所(例えば、異なる国)で異なる人々によって異なる時間に行うことができる。
【0078】
医薬組成物
医薬品の活性成分としての抗体の使用は、現在では広範囲にわたり、ハーセプチン(Herceptin(登録商標))(トラスツズマブ)、リツキサン(Rituxan(登録商標))、キャンパス(Campath(登録商標))、レミケード(Remicade(登録商標))、レオプロ(ReoPro(登録商標))、マイロターグ(Mylotarg(登録商標))、ゼヴァリン(Zevalin(登録商標))、オマリズマブ、シナジス(Synagis(登録商標))(パリビズマブ)、ゼナパックス(Zenapax(登録商標))(ダクリズマブ)等の製品を含む。
【0079】
したがって、本発明は、本発明の抗体、および/またはかかる抗体をコードする核酸、および/またはかかる抗体を発現する不死化B細胞、および/または本発明の抗体により認識されるエピトープを含有する医薬組成物を提供する。また、医薬組成物は、投与を可能にするように、医薬的に許容可能な担体も含有し得る。担体は、それ自体が、組成物を受け取る個人に有害である抗体の産生を誘導すべきではなく、毒性であるべきではない。適切な担体は、タンパク質、ポリペプチド、リポソーム、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマーおよび不活性ウイルス粒子等の大型かつ代謝速度が遅い巨大分子であり得る。
【0080】
医薬的に許容可能な塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩および硫酸塩等の鉱酸塩、または酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩および安息香酸塩等の有機酸の塩を使用することができる。
【0081】
治療用組成物中の医薬的に許容可能な担体は、水、生理食塩水、グリセロールおよびエタノール等の液体をさらに含有し得る。加えて、湿潤剤もしくは乳化剤またはpH緩衝物質等の補助物質がかかる組成物中に存在し得る。かかる担体は、患者による経口摂取のために、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリーおよび懸濁液として医薬組成物を製剤化することが可能である。
【0082】
好適な投与形態は、例えば、注射または注入による、例えば、ボーラス投与または持続注入よる非経口投与に適した形態を含む。製品が注射または注入のためのものである場合、それは、油性または水性媒体中で懸濁液、溶液または乳濁液の形態を取り得、そしてそれは、懸濁剤、防腐剤、安定剤および/または分散剤等の製剤化剤を含有し得る。代替として、抗体分子は、使用前の適切な滅菌液との再構成のために、乾燥状態であり得る。
【0083】
製剤化され次第、本発明の組成物は、被験体に直接投与することができる。組成物は、ヒト被験体への投与に適合されることが好ましい。
【0084】
本発明の医薬組成物は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、経皮(transdermal)、経皮(transcutaneous)、局所、皮下、鼻腔内、腸内、舌下、膣内または直腸経路を含むが、これらに限定されないあらゆる経路によって投与され得る。また、本発明の医薬組成物を投与するためにハイポスプレーも使用され得る。典型的には、治療用組成物は、液体溶液または懸濁液のいずれかとして注入物質として調製され得る。また、注入前に、液体媒体中の溶液または懸濁液に適した固形も調製され得る。
【0085】
組成物の直接的な送達は、概して、注射、皮下、腹腔内、静脈内または筋肉内送達によって達成されるか、または組織の間質腔に送達される。また、組成物は、病変内にも投与することができる。投薬治療は、単回投与計画または複数回投与計画であってもよい。既知の抗体ベースの医薬品は、例えば、医薬品を毎日、毎週、毎月等送達すべきかどうか等の投与頻度に関する手引きを提供する。また、頻度および用量は、症状の重症度にも依存し得る。
【0086】
本発明の組成物は種々の形態で調製され得る。例えば、組成物は、液体溶液または懸濁液のいずれかとして注入物質として調製され得る。また、注入前に、液体媒体中の溶液または懸濁液に適した固形も調製することができる(例えば、防腐剤を含有する滅菌水との再構成のために、シナジス(Synagis(登録商標))およびハーセプチン(Herceptin(登録商標))等の凍結乾燥された組成物)。組成物は、局所投与のために、例えば、軟膏、クリームまたは粉末として調製され得る。組成物は、経口投与のために、例えば、錠剤もしくはカプセルとして、スプレーとして、またはシロップ(任意に、香味づけたもの)として調製され得る。組成物は、微粉末またはスプレーを使用して、例えば、肺内投与のために吸入剤として調製され得る。組成物は、坐薬または腟坐薬として調製され得る。組成物は、経鼻、経耳または経眼投与のために、例えば、ドロップとして調製され得る。組成物は、組み合わされた組成物が、患者への投与直前に再構成できるように設計されたキット形態であり得る。例えば、凍結乾燥された抗体は、滅菌水または滅菌緩衝液を有するキット形態で提供することができる。
【0087】
組成物中の活性成分は、抗体分子であることが理解されるであろう。したがって、それは、胃腸管における分解に影響されやすい。したがって、組成物が胃腸管を用いた経路によって投与されるのであれば、組成物は、分解から抗体を保護するが、それが胃腸管から吸収され次第、抗体を放出する薬物を含有する必要がある。
【0088】
医薬的に許容可能な担体の詳細な考察は、Gennaro(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th edition,ISBN:0683306472で入手可能である。
【0089】
本発明の医薬組成物は、概して、5.5から8.5、好ましくは、6から8、より好ましくは、約7のpHを有する。pHは、緩衝液の使用によって維持され得る。組成物は、無菌であり得るか、および/またはピロゲンを含み得ない。組成物は、ヒトに対して等張性であり得る。本発明の医薬組成物は、好ましくは、密封容器中に供給される。
【0090】
医薬組成物は、本発明の1つ以上の抗体および/もしくは本発明の1つ以上の不死化B細胞ならびに/または本発明の抗体に結合するエピトープを含むポリペプチドの有効量、つまり、所望の疾患または状態を治療する、寛解させる、もしくは予防するのに十分な、または検出可能な治療効果を呈するのに十分な量を含む。また、治療効果は、身体症状の軽減も含む。任意の特定の被験体に対する正確な有効量は、被験体のサイズおよび健康、状態の性質および程度、ならびに治療学または投与のために選択された治療学の組み合わせに依存する。所与の状況に対する有効量は、日常的な実験によって決定され、臨床従事者の判断内にある。本発明の目的で、有効用量は、概して、投与される個人における本発明の組成物の約0.01mg/kgから約50mg/kg、または約0.05mg/kgから約10mg/kgである。既知の抗体ベースの医薬品は、この点における手引きを提供し、例えば、ハーセプチン(Herceptin(登録商標))は、21mg/ml溶液の静脈内注入によって投与され、初期負荷用量は体重1kgあたり4mgであり、毎週の維持量は体重1kgあたり2mgであり、リツキサン(Rituxan(登録商標))は、375mg/mを毎週投与される。
【0091】
組成物は、本発明の1つより多い(例えば、2、3、4、5等)抗体を含むことができ、特に、そのような抗体が異なる抗原(または同じ抗原中の異なるエピトープ)に結合し、相加的または相乗的治療効果をもたらす場合においてそのようにされる。例えば、1つの抗体は、UL130−UL131A組み合わせ(または複合体)に結合し得、一方で、別の抗体はgHに結合し得る。さらなる実施例において、1つの抗体は、UL130−UL131A組み合わせ(または複合体)に結合し得、一方で、別の抗体はgBに結合し得る。したがって、1つの抗体は、線維芽細胞の感染を媒介するメカニズムに標的され得、一方で、もう1つの抗体は、内皮細胞の感染を媒介するメカニズムに標的され得る。最適な臨床効果が得られるように、それは、hCMV感染および維持の両方のメカニズムに対応するという利点があり得るだろう。
【0092】
本発明の抗体は、例えば、化学療法化合物とともに、放射線療法等とともに等、他の治療学とともに(組み合わせて、または別々に)投与され得る。好適な治療化合物は、ガンシクロビル、ホスカルネットおよびシドホビル等の抗ウイルス化合物を含む。かかる組み合わせ治療法は、単独で投与する場合に、個々の治療薬に対する治療効果の相加的または相乗的向上を提供する。「相乗作用」という用語は、各それぞれの活性薬剤の個々の効果の和よりも大きい2つ以上の活性薬剤の併用効果を説明するために使用する。したがって、2つ以上の薬剤の併用効果が活性または工程の「相乗的阻害」をもたらす場合、それは、活性または工程の阻害が、各それぞれの活性薬剤の阻害効果の和よりも大きいことを意図する。「相乗的治療効果」という用語は、2つ以上の治療の組み合わせで観察された治療効果を指し、治療効果(多数のパラメータのいずれかによって測定されたような)は、それぞれ個々の治療で観察された個々の治療効果の和よりも大きい。
【0093】
抗体は、hCMV感染の治療に対して以前に反応を示さなかった、つまり、抗hCMV治療に対して抵抗性を示したそれらの患者に投与され得る。かかる治療は、抗ウイルス剤を用いた以前の治療を含み得る。これは、例えば、hCMVの抗ウイルス耐性株による感染に起因し得る。
【0094】
本発明の抗体を含む本発明の組成物において、抗体は、好ましくは、組成物中の総タンパク質の少なくとも50重量%(例えば、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%以上)を占める。したがって、抗体は、精製された形態である。
【0095】
本発明は、医薬品を調製する方法を提供し、(i)本発明の抗体を調製するステップと、(ii)精製された抗体と1つ以上の医薬的に許容可能な担体とを混合するステップ、とを含む。
【0096】
また、本発明は、医薬品を調製する方法も提供し、抗体を1つ以上の医薬的に許容可能な担体とを混合するステップを含み、抗体は、本発明の形質転換されたB細胞から得られたモノクローナル抗体である。したがって、最初に、モノクローナル抗体を得、次いで、医薬品を調製する手順は、異なる場所(例えば、異なる国)で異なる人々によって異なる時間に行うことができる。
【0097】
治療目的のために抗体またはB細胞を送達することの代替案として、核酸が原位置で被験体内に発現され、所望の治療効果を提供できるように、関心モノクローナル抗体(またはその活性断片)をコードする核酸(典型的には、DNA)を被験体に送達することが可能である。適切な遺伝子治療法および核酸送達ベクターは、当技術分野において既知である。
【0098】
本発明の組成物は、免疫原性組成物であり得、より好ましくは、hCMVタンパク質UL130およびUL131Aの組み合わせ上に見られるエピトープを含む抗原を含むワクチン組成物である。代替的な組成物は、(i)hCMVタンパク質UL130およびUL131Aの組み合わせ上に見られるエピトープを含む抗原、ならびに(ii)hCMV gB上に見られるエピトープを含む抗原を含み得る。本発明によるワクチンは、予防のため(つまり、感染を防止するため)または治療のため(つまり、感染を治療するため)にいずれかであり得るが、典型的には、予防のためである。
【0099】
組成物は、特に複数回投与形式でパッケージされる場合に、抗菌薬を含み得る。
【0100】
組成物は、界面活性剤、例えば、Tween80等のTween(ポリソルベート)を含み得る。界面活性剤は、概して低い濃度、例えば、0.01%未満で存在する。
【0101】
組成物は、浸透圧を与えるためにナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム)を含み得る。10±2mg/ml NaClの濃度が典型的である。
【0102】
組成物は、特に、それらが凍結乾燥される場合か、またはそれらが、凍結乾燥された材料から再構成された材料を含む場合に、例えば、約15〜30mg/ml(例えば、25mg/ml)で、糖アルコール(例えば、マンニトール)または二糖(例えば、スクロースまたはトレハロース)を含む。凍結乾燥のための組成物のpHは、凍結乾燥前に約6.1に調整され得る。
【0103】
また、本発明の組成物は、1つ以上の免疫調節剤も含み得る。好ましくは、1つ以上の免疫調節剤は、アジュバントを含む。
【0104】
本発明の組成物は、hCMV感染に効果的に対応するために、好ましくは、細胞媒介の免疫学的応答ならびに液性免疫学的応答の両方を誘発する。この免疫学的応答は、好ましくは、持続性(例えば、中和)抗体と、hCMVへの曝露後に急速に応答することができる細胞媒介の免疫との両方を誘発する。
【0105】
医学的治療および用途
本発明の抗体またはその断片は、hCMV感染の治療、hCMV感染の予防またはhCMV感染の診断のために使用され得る。
【0106】
診断方法は、抗体または抗体断片を試料と接触させるステップを含む。かかる試料は、例えば、唾液腺、肺、肝臓,膵臓、腎臓、耳、眼、胎盤、消化管、心臓、卵巣、下垂体、副腎、甲状腺、脳または皮膚から取った組織試料であり得る。また、診断方法は、抗原/抗体複合体の検出も含む。
【0107】
したがって、本発明は、治療法で用いるための(i)本発明による抗体、(ii)本発明による不死化B細胞クローン、(iii)1F11もしくは2F4のうちの1つに結合することが可能なエピトープ、または(iv)5A2もしくは9A11のうちの1つに結合することが可能なエピトープを提供する。
【0108】
また、患者を治療する方法も提供し、(i)本発明による抗体、(ii)1F11もしくは2F4のうちの1つに結合することが可能なエピトープ、または(iii)5A2もしくは9A11のうちの1つに結合することが可能なエピトープを、その患者に投与する方法を含む。
【0109】
また、本発明は、hCMV感染の予防もしくは治療のための薬物の製造において、(i)本発明による抗体、(ii)本発明による不死化B細胞クローン、(iii)1F11もしくは2F4のうちの1つに結合することが可能なエピトープ、(iv)1F11もしくは2F4のうちの1つに結合することが可能なエピトープに結合する抗体、(v)5A2もしくは9A11のうちの1つに結合することが可能なエピトープ、または(vi)5A2もしくは9A11のうちの1つに結合することが可能なエピトープに結合する抗体の使用も提供する。
【0110】
本発明は、薬物としての使用のための本発明の組成物を提供する。また、患者の治療および/または患者の診断のための薬物の製造における、本発明の抗体および/またはかかる抗体が結合するエピトープを含むタンパク質の使用も提供する。また、被験体を治療するための、および/または患者に診断を行う方法も提供し、それらを本発明の組成物に投与するステップを含む。被験体は、好ましくは、ヒトである。治療処置の有効性を確認する一方法は、本発明の組成物の投与後に、疾患症状をモニターするステップを包含する。治療は、単回投与計画または複数回投与計画であることができる。本発明はCMV感染のために有用である。
【0111】
好ましくは、本発明による抗体、不死化B細胞クローン、エピトープまたは組成物は、特に、hCMV感染の危険性がある、または感染しやすい被験体のグループに投与される。かかる被験体グループは、HIVに罹患するまたは移植患者等の免疫抑制治療法を受ける被験体等の免疫不全被験体を含む。
【0112】
本発明の抗体は、受動免疫法において使用することができる。
【0113】
また、本発明において記述した抗体およびその断片は、hCMV感染の診断のためのキットにおいても使用され得る。
【0114】
本発明において記述したモノクローナル抗体1F11または2F4に結合することが可能なエピトープは、防御抗hCMV抗体の存在を検出することによって、ワクチン接種手順の有効性をモニターするためのキットにおいて使用され得る。
【0115】
本発明において記述したモノクローナル抗体5A2または9A11に結合することが可能なエピトープは、防御抗hCMV抗体の存在を検出することによって、ワクチン接種手順の有効性をモニターするためのキットにおいて使用され得る。
【0116】
また、本発明において記述した抗体およびその断片は、所望の免疫原性でのワクチン製造をモニターするためのキットにおいても使用され得る。
【0117】
また、本発明は、医薬品を調製する方法を提供し、モノクローナル抗体を1つ以上の医薬的に許容可能な担体と混合するステップを含み、モノクローナル抗体は、本発明の発現ホストから得られたモノクローナル抗体である。したがって、最初に、モノクローナル抗体を得て(例えば、それを発現するおよび/またはそれを精製する)、次いで、それを医薬担体と混合する手順は、異なる場所(例えば、異なる国)で異なる人々によって異なる時間に行うことができる。
【0118】
本発明の形質転換されたB細胞から始めて、各ステップでの任意の最適化を用いる培養、継代培養、クローニング、サブクローニング、配列決定、核酸調製等の種々のステップを、形質転換されたB細胞によって発現される抗体を永続化させるために行うことができる。好適な実施形態において、上記の方法は、抗体をコードする核酸に適用される最適化の技術(例えば、親和性成熟または最適化)をさらに含む。本発明は、そのようなステップ時に使用および調製される全ての細胞、核酸、ベクター、配列、抗体等を包含する。
【0119】
これらの全ての方法において、発現ホスト内で使用される核酸は、ある種の核酸配列を挿入、欠失または修正するように、ステップ(ii)および(iii)の間で操作され得る。かかる操作からの変更は、制限酵素部位を導入するため、コドン利用を修正するため、転写および/または翻訳制御配列を追加または最適化するため等の変更を含むが、これらに限定されない。また、コードされたアミノ酸を変化させるために、核酸を変更することも可能である。例えば、それは、1つ以上の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)アミノ酸置換、1つ以上の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)アミノ酸欠失および/または抗体のアミノ酸配列への1つ以上の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)アミノ酸挿入を導入するために有用であり得る。このような点突然変異は、エフェクター機能、抗原結合親和性、翻訳後修飾、免疫原性等を修飾することができるか、共有結合基(例えば、標識)の付着のためにアミノ酸を導入することができるか、またはタグ(例えば、精製目的で)を導入することができる。突然変異は、特異的部位に導入することができるか、または、ランダムとその後の淘汰(例えば、分子進化)により導入することができる。
【0120】
一般
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」および「成る(consisting)」包含し、例えば、Xを「含む」組成物は、独占的にXから成るか、または、例えばX+Y等の何らかの付加的なものを含み得る。
【0121】
単語「実質的に」は、「完全に」を除外せず、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まないこともある。単語「実質的に」は、必要に応じて本発明の定義から削除され得る。
【0122】
数値xに関連する「約」という用語は、例えば、x±10%を意味する。
【0123】
本明細書で用いる場合、「疾患」という用語は、概して、正常機能を損ない、そして、典型的には、特徴的な徴候および症状によって顕在化し、ヒトもしくは動物の寿命および生活の質を減少させる、ヒトもしくは動物の体の、またはその一部の異常な状態を全てが反映するという点で、「障害」および「状態」(医学的状態等の場合)と同義語であることが意図され、それらと同じ意味で使用される。
【0124】
本明細書で用いる場合、患者の「治療」への言及は、予防および予防法を含むことを意図する。「患者」という用語は、ヒトを含む全ての哺乳類を意味する。患者の例としては、ヒト、雌ウシ、イヌ、ネコ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、およびウサギが挙げられる。好ましくは、患者はヒトである。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】ヒトモノクローナル抗体(1)1F11および(2)2F4がhCMVタンパク質の複合体を沈殿させ、その一方、不適切なIgGは沈殿させないことを実証するSDS−PAGEを示す図である。
【図2】ヒトモノクローナル抗体(A)1F11および2F4ならびに(B)5A2および9A11が、UL130およびUL131A遺伝子産物によって生成された高次構造エピトープを認識することを実証するFACS分析を示す図である。
【図3】1F11および2F4の重鎖および軽鎖のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を示す図である。CDR配列は太字で示す。
【図4】ヒトモノクローナル抗体7H3、10C6、5F1および6B4が、hCMVタンパク質gB上のエピトープを認識することを実証するFACS分析を示す図である。
【図5】5A2の重鎖および軽鎖のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を示す図である。CDR配列は太字で示す。
【発明を実施するための形態】
【0126】
実施例1:B細胞のクローニングおよびhCMV中和活性のスクリーニング
血清中に高いhCMV中和抗体力価を持つ2つのドナーを確認した。メモリーB細胞を、参考文献36に記述されるように、EBVおよびCpGを使用して単離および不死化した。つまり、メモリーB細胞を、CD22ビーズを使用してネガティブ選択により単離し、続いて特異的抗体および細胞分類を使用してIgM、IgDIgAB細胞を除去した。CpG2006の存在下において、分類した細胞(IgG)をEBVで不死化し、同種単核細胞を照射した。それぞれ50メモリーB細胞を含有する同型培養物を、20の96ウェルU字形底プレートに配置した。2週間後、培養上清を採取し、別々のアッセイにおいて線維芽細胞または上皮細胞のいずれかのhCMV感染を中和するそれらの能力を試験した。B細胞クローンを、参考文献36に記述されるように、陽性多クローン性培養物から単離した。選択したクローンの上清中のIgG濃度は、IgG特異的ELISAを使用して決定した。
【0127】
ウイルス中和アッセイのために、滴定量の臨床hCMV分離株を、等容積の培養上清または中和抗体を含有するヒト血清希釈と混合した。室温でのインキュベーションの1時間後、混合物を96ウェル平底プレート中の内皮細胞(例えばHUVEC細胞)または線維芽細胞のいずれかの融合性単層に添加し、37℃で2日間インキュベートした。上清を捨て、細胞を冷メタノールで固定し、hCMV早期抗原に対するマウスモノクローナル抗体の混合物と、続いてフルオレセイン標識ヤギ抗マウスIgで染色した。プレートは、蛍光顕微鏡を使用して分析した。中和抗体の非存在下において、感染した細胞は約1000/視野であり、一方、飽和濃度の中和抗体の存在下において、感染は完全に阻害された。中和力価は、hCMV感染の50%減少をもたらす抗体(μg/ml)の濃度として示す。
【0128】
表2は、異なる3つの型の抗体が同定されたことを示す。線維芽細胞の感染を中和できる抗体、内皮細胞の感染を中和できる抗体およびその両方の感染を中和できる抗体である。これは、異なるタンパク質が特定の細胞型に対する指向性に関与するという以前のデータと一致する[7]。内皮細胞の中和に加えて、1F11および2F4は、網膜細胞等の上皮細胞、および樹枝状細胞の感染を中和することが観察された(データは示していない)。
【表2】

【0129】
一部の抗体は、0.3から0.5μg/mlの範囲のIgG濃度で線維芽細胞および内皮細胞の両方を中和した。他の抗体(1F11、5A2、9A11および2F4)は、線維芽細胞のhCMV感染を中和できなかったが、内皮細胞の感染を中和し、0.001から0.004μg/ml(以前より既知の抗体よりも1000倍を超えて強力)という極めて低い濃度で中和した。
【0130】
初期の特徴付け以後、5F1は、gHではなくむしろgBのエピトープに結合すると判断されたことに留意されたい。これは、gBをブロックすることにより、7H3、10C6および6B4に見られる、線維芽細胞の感染の中和を可能とすることを実証する結果と一致する。
【0131】
実施例2:モノクローナル抗体によって認識される標的抗原の識別
ヒトMRC−9線維芽細胞を、臨床hCMV分離株に感染させた。3日後、細胞を35Sメチオニンおよびシステインで代謝的に標識した。溶解物の事前排除後、ヒトモノクローナル抗体1F11および2F4を添加し、免疫複合体を、タンパク質Aビーズの添加によって沈殿させて、SDS−PAGE上で分解した(図1)。不適切な特異性を持つヒトモノクローナルIgG抗体を、陰性対照として使用した。結果は、ヒトモノクローナル抗体1F11および2F4が、CMVタンパク質の複合体を沈殿させることを示す。
【0132】
ヒトモノクローナル抗体の特異性をマッピングするため、単一ペプチドを欠く赤血球凝集素(HA)タグ付UL128Δ1−27、UL130Δ1−25およびUL131AΔ1−18hCMVタンパク質をコードする発現ベクターを構築した。HEK293T細胞に、これらのベクターを単独で、または組み合わせで形質移入した。36時間後、細胞を固定し、透過処理して、抗HA抗体(形質移入の効率を制御するため)およびモノクローナル抗体で、続いてヤギ抗ヒトIgGで染色した。不適切な特異性を持つHuMab IgGを陰性対照として使用した。図2Aは、ヒトモノクローナル抗体1F11および2F4が、UL130およびUL131A遺伝子産物によって生成される高次構造エピトープを認識することを示す。図2Bは、ヒトモノクローナル抗体5A2および9A11が、UL130およびUL131A遺伝子産物によって生成される高次構造エピトープを認識することを示す。
【0133】
結論
上記の結果は、ヒト内皮細胞のhCMV感染を、高い力価および選択性で中和することが可能な2つのヒトモノクローナル抗体を定義する。認識したエピトープを同定するため、抗体を、hCMV感染細胞からのタンパク質を免疫沈降するそれらの能力に関して試験した(図1)。ヒトMab1F11および2F4は、約15、33〜35および約100キロダルトンの見かけの分子量を有する幾つかのタンパク質を沈殿させた。これらのパターンは、gH、gLおよびUL128、UL130ならびに可能性としてUL131Aを含有する複合体の沈殿と一致する。
【0134】
これらの抗体の標的をより良く定義するため、HAタグ付UL128、UL130およびUL131Aをコードするベクターを形質移入したHEK293T細胞を染色するそれらの能力を特徴付けた。図2Aに示すように、1F11および2F4は、UL130およびUL131Aを同時発現する細胞のみを染色したため、それらが、2つの遺伝子産物によって決定された高次構造エピトープを認識することが示唆される。この結論は、ウエスタンプロットにおいて、これらの抗体が、還元かつ変性状態下で行われたウエスタンプロットによる感染または形質移入細胞の溶解物と反応しないという事実に裏付けられる(データは示していない)。
【0135】
5A2および9A11に関しても同様の結果を観察した。図2bは、これらの抗体が、UL130およびUL131Aを同時発現する細胞のみを染色したため、それらが2つの遺伝子産物によって決定された高次構造エピトープを認識することが示唆されることを示す。
【0136】
実施例3:モノクローナル抗体によって認識される標的抗原のさらなる識別
線維芽細胞の感染を中和するヒトモノクローナル抗体の特異性をマッピングするため、全長gBをコードする発現ベクターを構築した。HEK293T細胞に、このベクターを形質移入した。36時間後、細胞を固定し、透過処理して、ヒトモノクローナル抗体(HuMab)と、続いてヤギ抗ヒトIgGで染色した。図4は、(不適切な特異性のIgG抗体ではなく)モノクローナル抗体7H3、10C6、5F1、および6B4が、gBを形質移入した細胞を特異的に染色したため、それらがgBのエピトープを認識することが示唆されることを示す。注目すべきは、モノクローナル抗体10C6、5F1および6B4が、線維芽細胞および内皮細胞の感染を中和し、一方で、モノクローナル抗体7H3が、(内皮細胞のではなく)線維芽細胞の感染を中和することである。この概念により、モノクローナル抗体10C6、5F1、および6B4が、モノクローナル抗体7H3により結合されているエピトープとは異なるgBの機能的エピトープに結合することが示唆される。
【0137】
本発明は、例としてのみ記載され、本発明の範囲および精神の範囲内で変更がなされ得ることを理解されよう。
































【0138】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトサイトメガロウイルスの中和において高い力価を有する中和抗体。
【請求項2】
前記抗体は、10−8M以下の親和性を有する、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
hCMV臨床分離株の50%中和に必要な抗体の濃度は、0.1μg/ml以下である、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
MSL109よりもhCMVに対して少なくとも50倍高い親和性を有する、請求項1に記載の抗体。
【請求項5】
前記抗体は、hCMVタンパク質UL130/UL131Aの組み合わせに特異的である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項6】
配列番号1〜6、11〜16または33〜38のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項7】
配列番号1〜3、11〜13または33〜35のうちの1つ以上を含む重鎖を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項8】
CDRH1に対して配列番号1、CDRH2に対して配列番号2、およびCDRH3に対して配列番号3を含む重鎖を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項9】
CDRH1に対して配列番号11、CDRH2に対して配列番号12、およびCDRH3に対して配列番号13を含む重鎖を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項10】
CDRH1に対して配列番号33、CDRH2に対して配列番号34、およびCDRH3に対して配列番号35を含む重鎖を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項11】
配列番号4〜6、14〜16または36〜38のうちの1つ以上を含む軽鎖を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項12】
CDRL1に対して配列番号4、CDRL2に対して配列番号5、およびCDRL3に対して配列番号6を含む軽鎖を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項13】
CDRL1に対して配列番号14、CDRL2に対して配列番号15、およびCDRL3に対して配列番号16を含む軽鎖を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項14】
CDRL1に対して配列番号36、CDRL2に対して配列番号37、およびCDRL3に対して配列番号38を含む軽鎖を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項15】
前記重鎖は、配列番号7に示される配列を有する、請求項8に記載の抗体。
【請求項16】
前記重鎖は、配列番号17に示される配列を有する、請求項9に記載の抗体。
【請求項17】
前記重鎖は、配列番号39に示される配列を有する、請求項10に記載の抗体。
【請求項18】
前記軽鎖は、配列番号8に示される配列を有する、請求項12に記載の抗体。
【請求項19】
前記軽鎖は、配列番号18に示される配列を有する、請求項13に記載の抗体。
【請求項20】
前記軽鎖は、配列番号40に示される配列を有する、請求項14に記載の抗体。
【請求項21】
前記抗体は、ヒトモノクローナル抗体である、前記いずれかの請求項に記載の抗体。
【請求項22】
前記抗体は、モノクローナル抗体1F11である、請求項15または請求項18に記載の抗体。
【請求項23】
前記抗体は、モノクローナル抗体2F4である、請求項16または請求項19に記載の抗体。
【請求項24】
前記抗体は、モノクローナル抗体5A2である、請求項17または請求項20に記載の抗体。
【請求項25】
請求項7または請求項11に記載の抗体に結合することが可能なエピトープに結合する抗体。
【請求項26】
前記いずれかの請求項に記載の抗体の断片。
【請求項27】
Fab、Fab’、F(ab’)またはFv断片である、請求項26に記載の断片。
【請求項28】
前記いずれかの請求項に記載の抗体または断片をコードする、核酸分子。
【請求項29】
前記核酸分子は、配列番号9、10、19、20、21〜32、または41〜48のいずれか1つを含む、請求項28に記載の核酸分子。
【請求項30】
請求項28または請求項29に記載の核酸分子を含む、ベクター。
【請求項31】
請求項30に記載のベクターを含む、細胞。
【請求項32】
請求項1〜25のいずれか1項に記載の抗体を発現する、不死化B細胞クローン。
【請求項33】
請求項1〜25のいずれか1項に記載の抗体に結合する、エピトープ。
【請求項34】
請求項33に記載のエピトープを含む、免疫原性ポリペプチド。
【請求項35】
請求項1〜25のいずれか1項に記載の抗体を産生する方法であって、(i)請求項10に記載の不死化B細胞クローンを培養するステップと、(ii)抗体を単離するステップと、を含む、方法。
【請求項36】
請求項1〜27のいずれか1項に記載の抗体もしくは断片、請求項28もしくは請求項29に記載の核酸、請求項32に記載の不死化B細胞クローン、または請求項34に記載の免疫原性ポリペプチドを含む、医薬組成物。
【請求項37】
第1のエピトープに特異的な第1の抗体または断片、および第2のエピトープに特異的な第2の抗体または断片を含む、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項38】
医薬的に許容可能な希釈剤または担体をさらに含む、請求項36または請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項39】
治療法もしくは診断に使用するための、請求項1〜27のいずれか1項に記載の抗体もしくは断片、請求項28もしくは請求項29に記載の核酸、請求項32に記載の不死化B細胞クローン、または請求項34に記載の免疫原性ポリペプチド。
【請求項40】
(i)hCMV感染の治療のための薬物の製造における、または(ii)ワクチンにおける、請求項1〜27のいずれか1項に記載の抗体または断片、請求項28もしくは請求項29に記載の核酸、請求項32に記載の不死化B細胞クローン、または請求項34に記載の免疫原性ポリペプチドの使用。
【請求項41】
hCMV感染の治療のための薬物の製造における、第1のエピトープに特異的な請求項1〜27のいずれか1項に記載の第1の抗体または断片、および第2のエピトープに特異的な請求項1〜27のいずれか1項に記載の第2の抗体または断片の使用。
【請求項42】
患者は、hCMVに対する従来の治療に対して抵抗性がある、請求項40または請求項41に記載の使用。
【請求項43】
前記患者は、抗ウイルス剤を、事前投与、事後投与または同時投与される、請求項40または請求項41に記載の使用。
【請求項44】
前記抗ウイルス剤は、ガンシクロビル、ホスカルネットまたはシドホビルから選択される、請求項43に記載の使用。
【請求項45】
前記患者は、免疫不全である、請求項40または請求項41に記載の使用。
【請求項46】
前記患者は、HIVを有するか、または移植患者である、請求項45に記載の使用。
【請求項47】
前記第1の抗体または断片は、UL130/UL131A複合体に特異的である、請求項37に記載の組成物または請求項41に記載の使用。
【請求項48】
前記第2の抗体または断片は、gHに特異的である、請求項47に記載の組成物または使用。
【請求項49】
請求項36〜38または47〜48のいずれか1項に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、被験体を治療するための方法。
【請求項50】
請求項1〜27のいずれか1項に記載の抗体もしくは断片または請求項28もしくは請求項29に記載の核酸を含む、hCMV感染の診断のためのキット。
【請求項51】
組換え細胞を調製する方法であって、(i)請求項32に定義されるB細胞クローンから核酸を配列決定するステップと、(ii)ステップ(i)からの配列情報を使用して、発現ホスト内における関心抗体の発現を可能にするように、そのホスト内に挿入するために核酸を調製するステップと、を含む、方法。
【請求項52】
前記核酸は、制限部位を導入するため、コドン利用を変更するため、ならびに/または転写および/もしくは翻訳制御配列を最適化するために、ステップ(i)と(ii)との間で操作される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記発現ホストは、真核細胞である、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記真核細胞は、酵母細胞、動物細胞または植物細胞である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記動物細胞は、哺乳類細胞である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記動物細胞は、CHOまたはヒト細胞である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記ヒト細胞は、PER.C6細胞、HEK293T細胞またはHKB−11細胞である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
請求項1〜25のいずれか1項に記載の抗体を産生するための方法であって、関心抗体が発現される条件下で、請求項51に記載の方法によって得られる発現ホストを培養または継代培養するステップと、任意に、(iv)前記関心抗体を精製するステップを含む、方法。
【請求項59】
hCMVに対する免疫学的応答を誘導することができるポリペプチドをスクリーニングする方法であって、請求項1〜27のいずれか1項に記載の抗体または断片を使用して、ポリペプチドライブラリーをスクリーニングするステップを含む、方法。
【請求項60】
ワクチン中の抗原が、正しい高次構造において正しいエピトープを含有することを確認することによって、抗hCMVワクチンの質をモニターするための、請求項1〜27のいずれか1項に記載の抗体または断片の使用。
【請求項61】
前記抗体は、内皮細胞、網膜細胞等の上皮細胞、および樹枝状細胞等の骨髄系細胞の感染を予防する、請求項40〜46のいずれか1項に記載の使用。
【請求項62】
hCMV臨床分離株による内皮細胞、上皮細胞および樹枝状細胞の50%中和に必要な抗体の濃度は、0.1μg/ml以下である、請求項1に記載の抗体。
【請求項63】
抗体の濃度は、0.01μg/ml以下である、請求項62に記載の抗体。
【請求項64】
前記上皮細胞は、網膜細胞である、請求項62に記載の抗体。
【請求項65】
前記抗体は、hCMVタンパク質UL130/UL131Aの組み合わせに特異的である、請求項62に記載の抗体。
【請求項66】
(i)治療法における、(ii)hCMV感染を治療するための薬物の製造における、または(iii)ワクチンとしての使用のための、請求項1〜25のいずれか1項に記載の抗体に特異的に結合するエピトープ。
【請求項67】
hCMV感染を中和することができるリガンドをスクリーニングするための、請求項1〜25のいずれか1項に記載の抗体に特異的に結合するエピトープ。
【請求項68】
hCMV臨床分離株による内皮細胞、上皮細胞および樹枝状細胞の50%中和に必要な抗体の濃度は、MSL109によって必要とされる濃度よりも50倍以上低い、請求項1に記載の抗体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−516229(P2010−516229A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544477(P2009−544477)
【出願日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【国際出願番号】PCT/IB2008/001111
【国際公開番号】WO2008/084410
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(509190163)エイチユーエムエイビーエス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (3)
【氏名又は名称原語表記】Humabs LLC
【Fターム(参考)】