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ヒトサイトメガロウイルス中和抗体およびその使用
説明

ヒトサイトメガロウイルス中和抗体およびその使用

本発明は、hCMVの中和において高力価を有する中和抗体およびその抗体断片に関し、上記抗体およびその抗体断片は、1つの、または2つ以上のhCMV遺伝子ULの産物の組み合わせに特異的である。本発明はまた、かかる抗体および抗体断片を産生する不死化B細胞、ならびにかかる抗体および抗体断片に結合するエピトープにも関する。また、本発明は、スクリーニング方法ならびに疾患の診断、予防、および治療における抗体、抗体断片、およびエピトープの使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、2008年7月16日に出願された米国特許仮出願第61/081,334号の優先権の利益を主張するものであり、その開示は、その全体が本明細書に記載されるように参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景
ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)は、免疫抑制成人においておよび胎児に感染次第、重度の病態を生じさせ得る広く分布している病原体であり、アテローム性動脈硬化等の慢性疾患に関与するとされている。hCMVは、線維芽細胞、内皮細胞、上皮細胞、および造血細胞を含む複数の細胞型に感染する[1]。候補ワクチンとして開発されている、hCMVの生体外で増殖される弱毒化株は、内皮細胞指向性がないが、一方で、線維芽細胞に感染する能力を保持する[2]。2つのウイルス糖タンパク質複合体が、hCMVの向細胞性を制御すると考えられる。gH、gL、およびgO等の糖タンパク質の複合体が線維芽細胞の感染に必要であるようであり、一方で、gH、gLおよびUL131−UL128遺伝子によってコードされたタンパク質の複合体が、内皮細胞、上皮細胞、および樹状細胞の感染に関与するとされている[2〜8]。
【0003】
高力価免疫グロブリンは、移植に付随するhCMV疾患の予防のために既に商品化されており、最新の知見により、それらが妊婦において治療効果を有することが示唆されている[9]。この治療手段は、伝達可能な少量の中和抗体によって制限されており、したがって、高中和能を持つヒト抗体(ヒトモノクローナル抗体等)の有効性が非常に所望されるであろう。gH、gB、ならびにUL128およびUL130遺伝子産物に対する抗体の中には生体外で中和活性を示しているものもあり[7、10、11]、また臨床試験(治療効果の不足により中断された)においてgHに対する抗体を評価したが、これまで単離された抗体の中和力価は中程度である。これらの抗体による中和は、0.5〜20μg/mLの範囲の抗体濃度で観察された。さらに、現在の方法は、典型的に、標的細胞として線維芽細胞を使用して抗hCMV抗体の中和力価を測定する。しかしながら、hCMVは、内皮細胞、上皮細胞および白血球細胞等の他の細胞型に感染することによって病態を生じさせることも知られている。UL128およびUL130に対する既知の抗体は、内皮細胞の感染の中和に非常に低い力価を示しており[7]、線維芽細胞以外の標的細胞の感染を高力価で中和する能力を持つ、利用可能なモノクローナル抗体は存在しないようである。
【0004】
したがって、hCMV感染、特に線維芽細胞以外の標的細胞のhCMV感染を高力価で中和する抗体の必要性、およびかかる抗体が結合する標的を解明する必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、hCMV感染を高力価で中和する新規抗体および本発明の抗体が結合する新規エピトープの発見に一部基づいている。したがって、一態様において、本発明は、hCMVの中和において高力価を有する抗体およびその抗原結合断片を含む。
【0006】
本発明の一実施形態において、本発明は、hCMVのUL128タンパク質のエピトープに結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合断片を含み、上記抗体はhCMV感染を中和する。本発明の別の実施形態において、本発明は、hCMVタンパク質gH、gL、UL128およびUL130、hCMVタンパク質UL128、UL130およびUL131A、またはhCMVタンパク質UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープに結合する抗体またはその抗原結合断片を含み、上記抗体はhCMV感染を中和する。
【0007】
本発明のさらに別の実施形態において、本発明は、配列番号188〜193、204、205、210、174〜177、149、178、65〜70、81〜86、97〜102、129〜134、145〜150、113、161〜164、1〜6、17〜22、33〜38、49〜54、または114〜118のうちのいずれか1つに対して少なくとも95%の配列同一性を有する、少なくとも1つの相補性決定領域(「CDR」)配列を含む抗体またはその抗原結合断片を含み、上記抗体はhCMV感染を中和する。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態において、本発明は、配列番号188、174、65、81、97、129、145、113、1、17、33、および49からなる群より選択される重鎖CDR1、配列番号189、204、175、66、82、98、130、146、161、2、2、18、34、50、および114からなる群より選択される重鎖CDR2、ならびに配列番号190、205、210、176、67、83、99、131、147、162、3、19、35、51、および115からなる群より選択される重鎖CDR3を含み、抗体はhCMV感染を中和する。本発明のさらに別の実施形態において、本発明は、配列番号191、177、68、84、100、132、148、163、4、20、36、52、および116からなる群より選択される軽鎖CDR1、配列番号192、149、69、85、101、133、5、21、37、53、および117からなる群より選択される軽鎖CDR2、ならびに配列番号193、178、70、86、102、134,150、164、6、22、38、54、および118からなる群より選択される軽鎖CDR3を含む抗体またはその抗原結合断片を含み、上記抗体はhCMV感染を中和する。
【0009】
本発明のさらなる別の実施形態において、本発明は、抗体またはその抗原結合断片を含み、上記抗体は、配列番号200のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号201のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号200のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号213のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号208のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号201のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号208のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号213のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号212のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号201のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号212のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号213のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号184のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号185のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号77のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号93のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号94のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号109のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号110のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号141のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号142のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号157のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号158のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号170のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号171のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号13のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号14のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号29のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号45のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号46のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号62のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号125のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号126のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、上記抗体はhCMV感染を中和する。
【0010】
本発明のさらなる実施形態において、本発明は、hCMVの臨床分離株による内皮細胞、上皮細胞、網膜細胞、骨髄細胞、樹状細胞、線維芽細胞、または間葉系間質細胞の感染を中和する抗体またはその抗原結合断片であって、hCMVを90%中和するのに必要な抗体の濃度は、1.2μg/mL以下である、抗体またはその抗原結合断片を含む。本発明の実施形態において、本発明は、hCMVの臨床分離株による内皮細胞、上皮細胞、網膜細胞、骨髄細胞、樹状細胞、線維芽細胞、または間葉系間質細胞の感染を中和する抗体またはその抗原結合断片であって、hCMVを90%中和するのに必要な抗体の濃度は、10μg/mL以下であり、上記抗体はMSL−109または8F9ではない、抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0011】
本発明のさらに別の実施形態において、本発明は、配列番号216〜221、232−235、149、236、246〜251、278〜283、296〜301、312、316〜321、332、336〜341、352、360、361または262〜267のうちのいずれか1つに対して少なくとも95%の配列同一性を有する少なくとも1つのCDR配列を含む抗体またはその抗原結合断片であって、上記抗体はhCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態において、本発明は、配列番号216、232、246、278、296、316、336、352、360および262からなる群より選択される重鎖CDR1と、配列番号217、233、247、279、297、312、317、337および263からなる群より選択される重鎖CDR2と、配列番号218、234、248、280、298、318、332、338、および264からなる群より選択される重鎖CDR3と、を含む抗体またはその抗原結合断片であって、上記抗体はhCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0013】
本発明のさらに別の実施形態において、本発明は、配列番号219、235、249、281、299、319、339および265からなる群より選択される軽鎖CDR1と、配列番号220、149、250、282、300、320、340および266からなる群より選択される軽鎖CDR2と、配列番号221、236、251、283、301、321、341、361および267からなる群より選択される軽鎖CDR3と、を含む抗体またはその抗原結合断片であって、上記抗体はhCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0014】
本発明のさらなる別の実施形態において、本発明は、抗体またはその抗原結合断片であって、上記抗体は、配列番号228のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号229のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号242のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号243のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号258のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号259のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号290のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号291のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号294のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号291のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号308のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号309のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号314のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号309のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号328のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号329のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号334のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号329のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号348のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号349のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号357のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号291のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号367のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号368のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号274のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号275のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、上記抗体はhCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0015】
本発明は、ブダペスト条約の規定に基づき、Largo Rossana Benzi 10,16132 Genoa(Italy)所在のAdvanced Biotechnology Center(ABC)に、2008年7月9日付で寄託された不死化B細胞クローン8I21、2C12、8C15、4N10、11B12、3G16、4H9、6B4、10C6、または6L3(各アクセッション番号PD08005、PD08007、PD08006、PD08009、PD08011、PD08012、PD08013、PD08004、PD08014、およびPD08010)、および2008年7月16日付で寄託された不死化B細胞クローン7H3(アクセッション番号PD08017)から産生される、抗体またはその抗原結合断片をさらに含む。上記の寄託された不死化B細胞から発現されるのと同じアミノ酸配列を有する抗原およびその抗原結合断片もまた、本発明の範囲内であると見なされる。
【0016】
別の態様において、本発明は、hCMV感染を中和する本発明の抗体または抗体断片をコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子を含む。さらに別の態様において、本発明は、本発明の抗体を発現する細胞を含む。さらに別の態様において、本発明は、本発明の抗体に結合するエピトープを含む、単離または精製された免疫原性ポリペプチドを含む。
【0017】
本発明は、本発明の抗体もしくはその抗原結合断片、本発明の核酸分子、または本発明の免疫原性ポリペプチドと、薬学的に許容される希釈剤もしくは担体と、を含む、医薬組成物をさらに含む。本発明はまた、第1の抗体またはその抗原結合断片と、第2の抗体またはその抗原結合断片と、を含む医薬組成物であって、上記第1の抗体は本発明の抗体であり、上記第2の抗体はhCMV感染を中和する抗体である、医薬組成物を含む。
【0018】
また、(i)hCMV感染の治療のための医薬の製造における、(ii)ワクチンにおける、または(iii)hCMV感染の診断における、本発明の抗体もしくはその抗原結合断片、本発明の核酸、本発明の免疫原性ポリペプチド、または本発明の医薬組成物の使用も、本発明の範囲内であることが企図される。さらに、抗hCMVワクチンの抗原が正しい高次構造の特定のエピトープを含有していることを確認することにより、上記ワクチンの品質を監視するための、本発明の抗体またはその抗原結合断片の使用も、本発明の範囲内であることが企図される。
【0019】
さらなる態様において、本発明は、(i)治療における、(ii)hCMV感染の治療のための医薬の製造における、(iii)ワクチンとしての、または(iv)hCMV感染を中和することが可能なリガンドのスクリーニングにおける、使用のための、本発明のうちのいずれか1つの抗体またはその抗原結合断片に特異的に結合するエピトープを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】代表的なモノクローナル抗体(15D8、2C12、および8I21)による、単独または異なる組み合わせのhCMVのUL128、UL130、UL131A、gH、およびgL遺伝子でトランスフェクトしたHEK293T細胞の染色を示す図である。
【図2】hCMVのgH(A)またはgB(B)遺伝子でトランスフェクトしたHEK293T細胞を、最初に非標識競合抗体とともにインキュベートし、次いで、ビオチン化した抗gHまたは抗gB抗体で染色した、交差競合実験を示す図である。
【図3】ヒトモノクローナル抗体15D8および非競合的な抗UL128マウスモノクローナル抗体を用いた、野生型VR1814UL128遺伝子またはpan変異UL128遺伝子のいずれかを発現するHEK293T細胞の染色を示す図である。pan変異UL128遺伝子は、hCMVの他の臨床分離株および実験室株について記載される既知の変異体を有する野生型VR1814配列の置換を含有する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、hCMV感染を高力価で中和する新規抗体および本発明の抗体が結合する新規エピトープの発見に一部基づいている。所定量のウイルスを中和するためには低濃度のみが必要であるため、かかる抗体が望ましい。これは、より高レベルの保護を容易にさせるとともに、抗体の投与は少量である。したがって、一態様において、本発明は、hCMVの中和において高力価を有する抗体およびその抗原結合断片を含む。ヒトモノクローナル抗体およびかかる抗体を分泌する不死化B細胞クローンもまた本発明の範囲内に含まれる。
【0022】
本明細書で使用されるとき、「断片」、「抗原結合断片」、および「抗体断片」という用語は、抗体の抗原結合活性を保持する本発明の抗体の任意の断片を意味するために交換可能に使用される。例示的な抗体断片は、これらに限定されないが、単鎖抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、またはscFvを含む。
【0023】
本明細書で使用されるとき、「高力価」という用語は、約2μg/mL未満のIC90でhCMV感染を中和する(すなわち、hCMV臨床分離株の90%中和に必要とされる抗体の濃度は、約2μg/mL以下であり、例えば、1.9、1.8、1.75、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、または1.05μg/mL以下である)本発明の抗体またはその抗原結合断片を指して使用される。一実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、1μg/mL以下(すなわち、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.01μg/mL以下)のIC90を有する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、0.16μg/mL以下(すなわち、0.15、0.125、0.1、0.075、0.05、0.025、0.02、0.015、0.0125、0.01、0.0075、0.005、0.004、0.003、0.002μg/mL以下)のIC90を有する。別の実施形態において、抗体は、0.016μg/mL以下(すなわち、0.015、0.013、0.01、0.008、0.005、0.003、0.002、0.001、0.0005μg/mL以下)の濃度でhCMV感染を中和することができる。これは、hCMVの同じ力価の中和に必要な既知の抗体、例えば、MSL−109、8F9、または3E3の濃度と比較して、非常に低濃度の抗体のみが、生体外hCMVの臨床分離株の90%中和に必要とされることを意味する。力価は、当業者に既知であるような標準的な中和アッセイを使用して測定することができる。
【0024】
一実施形態において、本発明は、hCMVのUL128タンパク質のエピトープに結合して、約2μg/mL未満、例えば、1.9、1.8、1.75、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.15、0.125、0.1、0.075、0.05、0.025、0.02、0.015、0.0125、0.01、0.0075、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0005μg/mL以下のIC90でhCMV感染を中和する抗体、例えば、モノクローナル抗体もしくはヒトモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を提供する。
【0025】
別の実施形態において、本発明は、hCMVタンパク質gH、gL、UL128およびUL130によって形成されるエピトープに結合して、約2μg/mL未満、例えば、1.9、1.8、1.75、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.15、0.125、0.1、0.075、0.05、0.025、0.02、0.015、0.0125、0.01、0.0075、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0005μg/mL以下のIC90でhCMV感染を中和する抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0026】
別の実施形態において、本発明は、hCMVタンパク質UL128、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープに結合して、約2μg/mL未満、例えば、1.9、1.8、1.75、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.15、0.125、0.1、0.075、0.05、0.025、0.02、0.015、0.0125、0.01、0.0075、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0005μg/mL以下のIC90でhCMV感染を中和する抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0027】
別の実施形態において、本発明は、hCMVタンパク質UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープに結合して、約2μg/mL未満、例えば、1.9、1.8、1.75、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.15、0.125、0.1、0.075、0.05、0.025、0.02、0.015、0.0125、0.01、0.0075、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0005μg/mL以下のIC90でhCMV感染を中和する抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0028】
さらに別の実施形態において、本発明は、hCMVのgHタンパク質のエピトープに結合して、約2μg/mL未満、例えば、1.9、1.8、1.75、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.15、0.125、0.1、0.075、0.05、0.025、0.02、0.015、0.0125、0.01、0.0075、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0005μg/mL以下のIC90でhCMV感染を中和する抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0029】
さらに別の実施形態において、本発明は、hCMVのgBタンパク質のエピトープに結合して、約2μg/mL未満、例えば、1.9、1.8、1.75、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.15、0.125、0.1、0.075、0.05、0.025、0.02、0.015、0.0125、0.01、0.0075、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0005μg/mL以下のIC90でhCMV感染を中和する抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0030】
別の実施形態において、本発明は、hCMVタンパク質gMおよびgNによって形成されるエピトープに結合して、約2μg/mL未満、例えば、1.9、1.8、1.75、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.15、0.125、0.1、0.075、0.05、0.025、0.02、0.015、0.0125、0.01、0.0075、0.005、0.004、0.003、0.002 0.001、0.0005μg/mL以下のIC90でhCMV感染を中和する抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0031】
本発明の抗体
本発明は、hCMVの中和において特に高い力価を有する抗体を提供する。本明細書で使用されるとき、「中和する抗体」とは、病原体、例えばhCMVが、宿主において感染を開始および/または持続させる能力を阻止、低減、遅延、または妨害する抗体である。本発明の抗体およびその抗原結合断片は、数種類の細胞のhCMV感染を中和することが可能である。一実施形態において、本発明による抗体は、上皮細胞、網膜細胞、内皮細胞、骨髄細胞、および樹状細胞の感染を中和する。本発明の抗体はまた、線維芽細胞および間葉系間質細胞のhCMV感染も中和することができる。これらの抗体は、適切な処方後に予防薬もしくは治療薬として、または本明細書に記載されるような診断ツールとして使用することができる。
【0032】
本発明の抗体は、モノクローナル抗体、ヒト抗体、または組換え抗体であり得る。一実施形態において、本発明の抗体は、モノクローナル抗体、例えば、ヒトモノクローナル抗体である。本発明はまた、本発明の抗体の断片、特に、抗体の抗原結合活性を保持し、hCMV感染を中和する断片を提供する。特許請求の範囲を含む本明細書は、いくつかの箇所において、抗体断片、変異体および/または抗体の誘導体について明示的に言及し得るが、「抗体」または「本発明の抗体」という用語は、すべての分類の抗体、すなわち、抗体断片、変異体、および抗体の誘導体を含むことを理解されたい。
【0033】
一実施形態において、本発明の抗体およびその抗原結合断片は、1つ以上のhCMVタンパク質に結合する。本発明の抗体は、単一のhCMVタンパク質または2つ以上のhCMVタンパク質の組み合わせによって形成されるエピトープに結合することができる。例示的なhCMVタンパク質は、これらに限定されないが、ウイルス遺伝子UL55(エンベロープ糖タンパク質B「gB」)、UL75(エンベロープ糖タンパク質H「gH」)、UL100(糖タンパク質M「gM」)、UL73(糖タンパク質N「gN」)、UL115(糖タンパク質L「gL」)、UL74(糖タンパク質O「gO」)、UL128(糖タンパク質UL128「UL128」)、UL130(糖タンパク質UL130「UL130」)、またはUL131A(糖タンパク質UL131A、「UL131A」)の産物を含む。一実施形態において、本発明の抗体は、単一のhCMVタンパク質によって形成されるエピトープに結合する。別の実施形態において、抗体は、2つ、3つ、またはそれ以上のhCMVタンパク質の組み合わせによって形成されるエピトープに結合する。
【0034】
例示的な実施形態において、本発明は、hCMVタンパク質UL128のエピトープ、またはhCMVタンパク質UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープ、またはhCMVタンパク質UL128、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープ、またはhCMVタンパク質gH、gL、UL128、およびUL130によって形成されるエピトープ、またはhCMVタンパク質gHのエピトープ、またはhCMVタンパク質gB、またはhCMVタンパク質gMおよびgNによって形成されるエピトープに結合する抗体またはその抗体断片を含む。
【0035】
一実施形態において、本発明は、UL128のエピトープに結合する抗体またはその抗体断片を含む。別の実施形態において、本発明は、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープに結合する抗体またはその抗原断片を含む。本明細書で使用されるとき、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープとは、そのエピトープが、UL130およびUL131Aタンパク質の両方によって形成され得るか、またはこれら2つのタンパク質のうちの1つによって形成され得、抗体の結合に他方のタンパク質の存在が必要であることを意味する。さらに別の実施形態において、本発明は、UL128、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープに結合する抗体またはその抗体断片を含む。本明細書で使用されるとき、UL128、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープとは、そのエピトープが、3つすべてのタンパク質(UL128、UL130およびUL131A)によって形成され得るか、または1つ以上のこれらタンパク質によって形成され得、抗体の結合には他のこれらのタンパク質の存在が必要であることを意味する。さらに別の実施形態において、本発明は、gH、gL、UL128、およびUL130によって形成されるエピトープに結合する抗体またはその抗体断片を含む。本明細書で使用されるとき、gH、gL、UL128、およびUL130によって形成されるエピトープとは、そのエピトープが、4つすべてのタンパク質(gH、gL、UL128、およびUL130)によって形成され得るか、または4つのタンパク質のうちの1つ以上のタンパク質によって形成され得、抗体の結合には他のこれらのタンパク質の存在が必要であることを意味する。別の実施形態において、本発明は、gMおよびgNによって形成されるエピトープに結合する抗体またはその抗体断片を含む。本明細書で使用されるとき、gMおよびgNによって形成されるエピトープとは、そのエピトープが、gMおよびgNの両方によって形成され得るか、またはこれら2つのタンパク質のうちの1つによって形成され得、抗体の結合には他方のタンパク質の存在が必要であることを意味する。
【0036】
それぞれが重鎖に3つのCDRおよび軽鎖に3つのCDRを含む、本発明のいくつかの例示的な抗体の重鎖および軽鎖の配列が決定されている。CDRのアミノ酸の位置は、IMGTナンバリングシステムにしたがって定義される[12、13、14]。CDR、重鎖、軽鎖の配列、およびCDR、重鎖、軽鎖をコードする核酸分子の配列は、配列リストに開示される。表1は、本発明の例示的な抗体の6つのCDR配列の配列番号を提供する。表2および3は、それぞれ、本発明の例示的な抗体の重鎖および軽鎖の配列の配列番号を提供し、表4は、抗体のCDR、重鎖、および軽鎖をコードする核酸分子配列の配列番号を提供する。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
【表4】

【0041】
一実施形態において、本発明の抗体または抗体断片は、本発明の例示的な抗体の1つ以上の重鎖CDRまたは軽鎖CDRを含む。例示的な実施形態において、本発明の抗体または抗体断片は、配列番号188〜193、204〜205、210、1〜6、17〜22、33〜38、49〜54、113〜118、65〜70、81〜86、97〜102、129〜134、145〜150、174〜178、および161〜164からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
【0042】
別の実施形態において、本発明の抗体は、配列番号188〜190、204、205、210、1〜3、17〜19、33〜35、49〜51、113〜115、65〜67、81〜83、97〜99、129〜131、145〜147、174〜176、161または162のうちの1つ以上のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。例えば、本発明の抗体は、CDRH1に配列番号188、CDRH2に配列番号189、CDRH3に配列番号190;CDRH1に配列番号188、CDRH2に配列番号204、CDRH3に配列番号205;CDRH1に配列番号188、CDRH2に配列番号189、CDRH3に配列番号210;CDRH1に配列番号1、CDRH2に配列番号2、CDRH3に配列番号3;CDRH1に配列番号17、CDRH2に配列番号18、CDRH3に配列番号19;CDRH1に配列番号33、CDRH2に配列番号34、CDRH3に配列番号35;CHRH1に配列番号49、CHRH2に配列番号50、CDRH3に配列番号51;CDRH1に配列番号113、CDRH2に配列番号114、CDRH3に配列番号115;CDRH1に配列番号65、CDRH2に配列番号66、CDRH3に配列番号67;CDRH1に配列番号81、CDRH2に配列番号82、CDRH3に配列番号83;CDRH1に配列番号97、CDRH2に配列番号98、CDRH3に配列番号99;CDRH1に配列番号129、CDRH2に配列番号130、CDRH3に配列番号131;CDRH1に配列番号145、CDRH2に配列番号146、CDRH3に配列番号147;CDRH1に配列番号174、CDRH2に配列番号175、CDRH3に配列番号176;およびCDRH1に配列番号113、CDRH2に配列番号161、CDRH3に配列番号162を含む重鎖を含む。
【0043】
さらに別の実施形態において、本発明の抗体は、配列番号191〜193、4〜6、20〜22、36〜38、52〜54、116〜118、68〜70、84〜86、100〜102、132〜134、148〜150、177、178、163、または164のうちの1つ以上のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。例えば、本発明の抗体は、CDRL1に配列番号191、CDRL2に配列番号192、CDRL3に配列番号193;CDRL1に配列番号4、CDRL2に配列番号5およびCDRL3に配列番号6;CDRL1に配列番号20、CDRL2に配列番号21、CDRL3に配列番号22;CDRL1に配列番号36、CDRL2に配列番号37、CDRL3に配列番号38;CDRL1に配列番号52、CDRL2に配列番号53、CDRL3に配列番号54;CDRL1に配列番号116、CDRL2に配列番号117、CDRL3に配列番号118;CDRL1に配列番号68、CDRL2に配列番号69、CDRL3に配列番号70;CDRL1に配列番号84、CDRL2に配列番号85、CDRL3に配列番号86;CDRL1に配列番号100、CDRL2に配列番号101、CDRL3に配列番号102;CDRL1に配列番号132、CDRL2に配列番号133、CDRL3に配列番号134;CDRL1に配列番号148、CDRL2に配列番号149、CDRL3に配列番号150;CDRL1に配列番号177、CDRL2に配列番号149、CDRL3に配列番号178;CDRL1に配列番号163、CDRL2に配列番号149、ならびにCDRL3に配列番号164を含む軽鎖を含む。
【0044】
さらに別の実施形態において、本発明の抗体は、配列番号200、208、212、13、29、45、61、125、77、93、109、141、157、184、または170のアミノ酸配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、抗体は、hCMVのUL128タンパク質のエピトープに結合し、配列番号200、208または212のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号200、208または212に記載の配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0045】
別の実施形態において、抗体は、hCMVタンパク質UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープに結合し、配列番号13、29、45、61または125のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号13、29、45、61または125に記載の配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0046】
さらに別の実施形態において、抗体は、hCMVタンパク質UL128、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープに結合し、配列番号77、93、109、141、157、または170のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号77、93、109、141、157、または170に記載の配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0047】
さらなる実施形態において、抗体は、hCMVタンパク質gH、gL、UL128およびUL130によって形成されるエピトープに結合し、配列番号184のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号184に記載の配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0048】
さらに別の実施形態において、本発明の抗体は、配列番号201、213、14、30、46、62、126、78、94、110、142、158、185、または171のアミノ酸配列と、少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0049】
一実施形態において、抗体は、hCMVのUL128タンパク質のエピトープに結合し、配列番号201または213のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号201または213に記載の配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0050】
一実施形態において、抗体は、hCMVタンパク質UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープに結合し、配列番号14、30、46、62または126のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号14、30、46、62または126に記載の配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0051】
別の実施形態において、抗体は、hCMVタンパク質UL128、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープに結合し、配列番号78、94、110、142、158、または171のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号78、94、110、142、158、または171に記載の配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0052】
さらなる実施形態において、抗体は、hCMVタンパク質gH、gL、UL128およびUL130によって形成されるエピトープに結合し、配列番号185のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号185に記載の配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0053】
別の実施形態において、本発明の抗体または抗体断片は、本発明の例示的な抗体の1つ以上の重鎖CDRまたは軽鎖CDRを含む。例示的な実施形態において、本発明の抗体または抗体断片は、配列番号316〜321、332、336〜341、278〜283、352、296〜301、312、232〜236、149、216〜221、246〜251、360、361および262〜267からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、hCMV感染を中和する。
【0054】
さらに別の実施形態において、本発明の抗体は、配列番号316〜318、332、336〜338、278〜280、352、296〜298、312、232〜234、216〜218、246〜248、360、361および262〜264のうちの1つ以上のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。例えば、本発明の抗体は、CDRH1に配列番号316、CDRH2に配列番号317、CDRH3に配列番号318;CDRH1に配列番号316、CDRH2に配列番号317、およびCDRH3に配列番号332;CDRH1に配列番号336、CDRH2に配列番号337、CDRH3に配列番号338;CDRH1に配列番号278、CDRH2に配列番号279、CDRH3に配列番号280;CDRH1に配列番号352、CDRH2に配列番号279、CDRH3に配列番号280;CDRH1に配列番号296、CDRH2に配列番号297、CDRH3に配列番号298;CDRH1に配列番号296、CDRH2に配列番号312、CDRH3に配列番号298;CDRH1に配列番号232、CDRH2に配列番号233、CDRH3に配列番号234;CDRH1に配列番号216、CDRH2に配列番号217、CDRH3に配列番号218;CDRH1に配列番号246、CDRH2に配列番号247、CDRH3に配列番号248;およびCDRH1に配列番号360、CDRH2に配列番号279、CDRH3に配列番号280;およびCDRH1に配列番号262、CDRH2に配列番号263、CDRH3に配列番号264を含む重鎖を含む。
【0055】
さらに別の実施形態において、本発明の抗体は、配列番号319〜321、339〜341、281〜283、299〜301、149、235、236、219〜221、249〜251、265〜267のうちの1つ以上のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。例えば、本発明の抗体は、CDRL1に配列番号319、CDRL2に配列番号320、CDRL3に配列番号321;CDRL1に配列番号339、CDRL2に配列番号340、CDRL3に配列番号341;CDRL1に配列番号281、CDRL2に配列番号282、CDRL3に配列番号283;CDRL1に配列番号299、CDRL2に配列番号300、CDRL3に配列番号301;CDRL1に配列番号235、CDRL2に配列番号149、CDRL3に配列番号236;CDRL1に配列番号219、CDRL2に配列番号220、CDRL3に配列番号221;CDRL1に配列番号249、CDRL2に配列番号250、CDRL3に配列番号251;およびCDRL1に配列番号281、CDRL2に配列番号282、CDRL3に配列番号361;およびCDRL1に配列番号265、CDRL2に配列番号266、CDRL3に配列番号267を含む軽鎖を含む。
【0056】
さらなる実施形態において、本発明の抗体は、配列番号328、334、348、290、294、357、308、314、242、228、258、367または274のアミノ酸配列と、少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0057】
一実施形態において、抗体は、hCMVのgBタンパク質のエピトープに結合し、配列番号328、334、348、290、294、308、357、314または367のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号328、334、348、290、294、308、357、314または367に記載の配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0058】
別の実施形態において、抗体は、hCMVのgHタンパク質のエピトープに結合し、配列番号242、228、または258のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号242、228、または258に記載の配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0059】
別の実施形態において、抗体は、hCMVタンパク質gMおよびgNによって形成されるエピトープに結合し、配列番号274のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号274に記載の配列を有する重鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0060】
さらに別の実施形態において、本発明の抗体は、配列番号329、349、291、309、243、229、259、368または275のアミノ酸配列と、少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0061】
一実施形態において、抗体は、hCMVのgBタンパク質のエピトープに結合し、配列番号329、349、291、309、または368のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号329、349、291、309または368に記載の配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0062】
別の実施形態において、抗体は、hCMVのgHタンパク質のエピトープに結合し、配列番号243、229、または259のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号243、229、または259、に記載の配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0063】
別の実施形態において、抗体は、hCMVタンパク質gMおよびgNによって形成されるエピトープに結合し、配列番号275のアミノ酸配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。一実施形態において、本発明による抗体は、配列番号275に記載の配列を有する軽鎖を含み、hCMV感染を中和する。
【0064】
一実施形態において、本発明の抗体は、MSL−109、8F9、3E3またはR551Aではない。別の実施形態において、本発明の抗体は、米国特許出願番号第11/969,104号および12/174,568号に開示される1F11、2F4、5A2または6G4ではない。
【0065】
本発明の例示的な抗体は、これらに限定されないが、15D8、4N10、10F7、10P3、4I22、8L13、2C12、8C15、9I6、7B13、8J16、8I21、7I13、7H3、6B4、5F1、10C6、4H9、2B11、11B12、13H11、3G16および6L3を含む。
【0066】
hCMV感染を中和する15D8の変異体は、配列番号208(「15D8変異体1」)および配列番号212(「15D8変異体2」)に記載のアミノ酸配列を有する重鎖変異体と、配列番号213(15D8変異体2)に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖とからなる。変異体重鎖をコードする核酸配列は、配列番号209(15D8変異体1)および配列番号214(15D8変異体2)に記載される。変異体軽鎖をコードする核酸配列は、配列番号215(15D8変異体2)に記載される。よって、hCMV感染を中和する、15D8変異体重鎖(配列番号208、212)および変異体軽鎖(配列番号213)を含む抗体は、本発明の範囲内に含まれる。
【0067】
本明細書で使用されるとき、「15D8」という用語は、例えば、配列番号208および212に対応する重鎖ならびに配列番号213に対応する軽鎖を有する変異体等、hCMV感染を中和する15D8のいずれかおよび/またはすべての変異体を指して使用される。
【0068】
hCMV感染を中和する7H3の変異体は、配列番号334に記載のアミノ酸配列を有する重鎖からなる(「7H3変異体1」)。変異体重鎖をコードする核酸配列は、配列番号335に記載される。よって、hCMV感染を中和する7H3変異体重鎖(配列番号334)を含む抗体は、本発明の範囲内に含まれる。
【0069】
本明細書で使用されるとき、「7H3」という用語は、例えば、配列番号334に対応する重鎖を有する変異体等、hCMV感染を中和する7H3のいずれかおよび/またはすべての変異体を指して使用される。
【0070】
hCMV感染を中和する5F1の変異体は、配列番号294に記載のアミノ酸配列を有する重鎖からなる(「5F1変異体1」)。変異体重鎖をコードする核酸配列は、配列番号295に記載される。よって、hCMV感染を中和する5F1変異体重鎖(配列番号294)を含む抗体は、本発明の範囲内に含まれる。
【0071】
本明細書で使用されるとき、「5F1」という用語は、例えば、配列番号294に対応する重鎖を有する変異体等、hCMV感染を中和する5F1のいずれかおよび/またはすべての変異体を指して使用される。
【0072】
hCMV感染を中和する4H9の変異体は、配列番号314に記載のアミノ酸配列を有する重鎖からなる(「4H9変異体1」)。変異体重鎖をコードする核酸配列は、配列番号315に記載される。よって、hCMV感染を中和する4H9変異体重鎖(配列番号314)を含む抗体は、本発明の範囲内に含まれる。
【0073】
本明細書で使用されるとき、「4H9」という用語は、例えば、配列番号314に対応する重鎖を有する変異体等、hCMV感染を中和する4H9のいずれかおよび/またはすべての変異体を指して使用される。
【0074】
一実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体15D8のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体15D8変異体1のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体15D8変異体2のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。さらに別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体8I21のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。
【0075】
さらに別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体4N10のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体10F7のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体10P3のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体4I22のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体8L13のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。
【0076】
さらに別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体2C12のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体8C15のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体9I6のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体7B13のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体8J16のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体7I13のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。
【0077】
さらに別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体7H3のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体7H3変異体1のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体6B4のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体5F1のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体10C6のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体4H9のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体4H9変異体1のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体2B11のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。
【0078】
さらに別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体11B12のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体13H11のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体3G16のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。さらに別の実施形態において、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、表1に列記される抗体6L3のすべてのCDRを含み、ヒト宿主におけるhCMV感染を中和する。
【0079】
本発明は、本発明の抗体または本発明の抗体と競合する抗体に結合する能力を持つエピトープに結合する、抗体またはその断片をさらに含む。
【0080】
本発明の抗体はまた、本発明の抗体からの1つ以上のCDRと、同じエピトープに対する別の抗体からの1つ以上のCDRとを含む、ハイブリッド抗体分子を含む。一実施形態において、かかるハイブリッド抗体は、本発明の抗体からの3つのCDRと、同じエピトープに対する別の抗体からの3つのCDRとを含む。例示的なハイブリッド抗体は、i)本発明の抗体からの3つの軽鎖CDRおよび同じエピトープに対する別の抗体からの3つの重鎖CDR、またはii)本発明の抗体からの3つの重鎖CDRおよび同じエピトープに対する別の抗体からの3つの軽鎖CDRを含む。
【0081】
別の態様において、本発明はまた、軽鎖および重鎖の一部または全てならびに本発明の抗体のCDRをコードする核酸配列も含む。一実施形態において、本発明による核酸配列は、本発明の抗体の重鎖または軽鎖をコードする核酸配列に対して、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性を有する核酸配列を含む。別の実施形態において、本発明の核酸配列は、本発明の抗体の重鎖CDRまたは軽鎖CDRをコードする核酸の配列を有する。例えば、本発明による核酸配列は、配列番号7〜12、15、16、23〜28、31、32、39〜44、47、48、55〜60、63、64、71〜76、79、80、87〜92、95、96、103〜108、111、112、119〜124、127、128、135〜140、143、144、151〜156、159、160、165〜169、172、173、179〜183、186、187、194〜199、202、203、206、207、209、211、214、215、222〜227、230、231、237〜241、244、245、252〜257、260、261、268〜273、276、277、284〜289、292、293、295、302〜307、310、311、313、315、322〜327、330、331、333、335、342〜347、350、351、353〜356、358、359、362〜364、365、366、369および370の核酸配列と、少なくとも75%同一である配列を含む。一実施形態において、本発明による核酸配列は、上に列記した配列番号の核酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である配列を含む。
【0082】
遺伝暗号の冗長性に起因して、同じアミノ酸配列をコードするこれらの配列の変異体が存在するであろう。これらの変異体は本発明の範囲内に含まれる。
【0083】
また、hCMV感染を中和する変異抗体も本発明の範囲内に含まれる。したがって、本出願に記載する配列の変異体もまた本発明の範囲内に含まれる。かかる変異体は、免疫応答の最中に生体内で、または不死化B細胞クローンを生体外で培養することで、体細胞変異が起こることにより生成される天然の変異体を含む。代替として、変異体は、上述したように遺伝暗号の縮重によって生じ得るか、または転写もしくは翻訳におけるエラーによって産生され得る。
【0084】
親和性および/または力価が向上した抗体配列のさらなる変異体は、当該技術分野において既知の方法を使用して得ることができ、本発明の範囲内に含まれる。例えば、アミノ酸置換は、さらに親和性が向上した抗体を得るために使用され得る。代替として、ヌクレオチド配列のコドン最適化は、抗体を産生するための発現系において翻訳の効率を向上させるために使用され得る。さらに、本発明の核酸配列のうちのいずれかに進化分子工学法を適用することにより、抗体特異性または中和活性のために最適化された配列を含むポリヌクレオチドも本発明の範囲内である。
【0085】
一実施形態において、hCMV感染を中和する変異抗体の配列は、本出願に記載する配列と70%以上(すなわち、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%以上)のアミノ酸配列同一性を共有し得る。いくつかの実施形態において、かかる配列同一性は、参照配列(つまり、本出願に示した配列)の全長に関して算出される。いくつかのさらなる実施形態において、本明細書に参照される同一性の割合(%)は、NCBI(National Center for Biotechnology Information)によって指定される初期パラメータ[Blosum 62マトリックス、ギャップオープンペナルティ=11およびギャップ伸長ペナルティ=1]を使用して、BLASTバージョン2.1.3を用いて決定される。
【0086】
ベクター、例えば、本発明による核酸配列を含む発現ベクターが本発明の範囲内にさらに含まれる。かかるベクターで形質転換された細胞も本発明の範囲内に含まれる。かかる細胞の例は、これらに限定されないが、例えば、酵母細胞、動物細胞、または植物細胞等の真核細胞を含む。一実施形態において、細胞は、例えば、ヒト、CHO、HEK293T、PER.C6、NS0、骨髄腫細胞、またはハイブリドーマ細胞等の哺乳類細胞である。
【0087】
また、本発明は、これらに限定されないが、15D8、4N10、10F7、10P3、4I22、8L13、2C12、8C15、9I6、7B13、8J16、8I21、7I13、7H3、6B4、5F1、10C6、4H9、11B12、13H11、3G16、2B11および6L3からなる群より選択されるモノクローナル抗体を含む、本発明の抗体に結合する能力を持つエピトープに結合するモノクローナル抗体にも関する。
【0088】
モノクローナルおよび組換え抗体は、個々のポリペプチドまたはそれらが向けられる他の抗原の識別および精製に特に有用である。本発明の抗体は、それらが、免疫測定法、放射免疫測定法(RIA)または酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)において試薬として用いられ得るという点で、付加的な有用性を有する。これらの用途において、抗体は、放射性同位元素、蛍光分子、または酵素等の分析的に検出可能な試薬で標識することができる。また、抗体は、抗原の分子的識別および特徴付け(エピトープマッピング)のためにも使用され得る。
【0089】
本発明の抗体は、治療部位への送達のために薬物に連結することができるか、またはhCMVに感染した細胞等の目的の細胞を含む部位の画像化を容易にさせるように、検出可能な標識に連結することができる。薬物および検出可能な標識に抗体を連結するための方法は、検出可能な標識を使用して画像化するための方法のように、当該技術分野において既知である。標識された抗体は、様々な標識を用いる様々なアッセイにおいて用いられ得る。本発明の抗体と目的のエピトープ(hCMVエピトープ)との抗体−抗原複合体の形成の検出は、抗体に検出可能な物質を付着させることによって容易にすることができる。適切な検出手段は、放射性核種、酵素、補酵素、蛍光体、化学発光物質、色素原、酵素基質または補助因子、酵素阻害薬、補欠分子族複合体、フリーラジカル、粒子、色素等の標識の使用を含む。適切な酵素の例は、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼを含み、適切な補欠分子族複合体の例は、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンを含み、適切な蛍光材料の例は、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリンを含み、発光物質の例は、ルミノールであり、生物発光物質の例は、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンを含み、ならびに適切な放射性物質の例は、125I、131I、35S、またはHを含む。かかる標識された試薬は、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、例えば、ELISA、蛍光免疫測定法等の様々な既知のアッセイにおいて使用され得る。例えば、参考文献15〜18を参照されたい。
【0090】
本発明による抗体は、細胞毒、治療薬、または放射性金属イオンもしくは放射性同位元素等の治療部分に抱合され得る。放射性同位元素の例としては、I−131、I−123、I−125、Y−90、Re−188、Re−186、At−211、Cu−67、Bi−212、Bi−213、Pd−109、Tc−99、In−111等が挙げられるが、これらに限定されない。かかる抗体抱合体は、所与の生物学的応答を改変するために使用することができ、薬物部分は、古典的な化学治療薬に制限されると解釈されるものではない。例えば、薬物部分は、所望の生物活性を持つタンパク質またはポリペプチドであり得る。かかるタンパク質は、例えば、アブリン、リシンA、緑膿菌外毒素、またはジフテリア毒素等の毒素を含み得る。
【0091】
かかる治療部分を抗体に抱合する技術は周知である。例えば、Arnon et al.(1985) ”Monoclonal Antibodies for Immunotargeting of Drugs in Cancer Therapy,” in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,ed.Reisfeld et al.(Alan R. Liss, Inc.),pp.243−256;ed.Hellstrom et al.(1987) ”Antibodies for Drug Delivery,” in Controlled Drug Delivery,ed.Robinson et al.(2d ed;Marcel Dekker, Inc.),pp.623−653;Thorpe(1985) ”Antibody Carriers of Cytotoxic Agents in Cancer Therapy:A Review,” in Monoclonal Antibodies ’84:Biological and Clinical Applications,ed.Pinchera et al.pp.475−506(Editrice Kurtis,Milano,Italy,1985); ”Analysis, Results, and Future Prospective of the Therapeutic Use of Radiolabeled Antibody in Cancer Therapy,” in Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy,ed. Baldwin et al.(Academic Press,New York,1985),pp.303−316;およびThorpe et al.(1982)Immunol.Rev.62:119−158を参照のこと。
【0092】
代替として、参考文献19に記載されるように、抗体を第2の抗体に抱合させて、抗体のへテロ抱合体を形成することができる。また、標識と本発明の抗体との間にリンカーを使用することもできる[20]。抗体、またはその抗原結合断片は、当該技術分野において既知の放射性ヨード、インジウム、イットリウム、または他の放射性粒子で直接標識され得る[21]。治療は、同時に投与またはその後投与される抱合抗体と非抱合抗体の治療の組み合わせから成り得る[22、23]。
【0093】
本発明の抗体はまた、固体支持体にも付着され得る。
【0094】
さらに、本発明の抗体またはその機能的抗体断片は、ポリマーへの共有結合性抱合により化学修飾することで、例えば、循環半減期を増大することができる。ポリマーの例、およびそれらをペプチドに付着させる方法は、参考文献24〜27に示される。いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリオキシエチル化ポリオールおよびポリエチレングリコール(PEG)から選択され得る。PEGは、室温で水溶性であり、一般式:R(O−−CH−−CHO--Rを有し、Rは、水素、またはアルキル基もしくはアルカノール基等の保護基であることができる。一実施形態において、保護基は、1〜8個の炭素を有することができる。さらなる実施形態において、保護基はメチルである。記号nは、正の整数である。一実施形態において、nは、1〜1,000の間である。別の実施形態において、nは2〜500の間である。一実施形態において、PEGは、1,000〜40,000の間の平均分子量を有する。さらなる実施形態において、PEGは、2,000〜20,000の間の分子量を有する。さらなる実施形態において、PEGは、3,000〜12,000の間の分子量を有する。一実施形態において、PEGは、少なくとも1つのヒドロキシ基を有する。別の実施形態において、PEGは、末端ヒドロキシ基を有する。さらに別の実施形態において、このヒドロキシル基は、阻害剤の遊離アミノ基と反応するように活性化される末端ヒドロキシ基である。しかしながら、反応基の型および量は、本発明の共有結合的に抱合されたPEG/抗体を達成するために変化し得ることが理解される。
【0095】
また、水溶性ポリオキシエチル化ポリオールも本発明において有用である。それらは、ポリオキシエチル化ソルビトール、ポリオキシエチル化グルコース、ポリオキシエチル化グリセロール(POG)等を含む。一実施形態において、POGが用いられる。いずれの理論にも束縛されるものではないが、ポリオキシエチル化グリセロールのグリセロール骨格は、例えば、動物およびヒトにおいて、モノ−、ジ−、トリグリセリド中に自然に発生する骨格と同じであるため、この分岐は、必ずしも体内において異質の物質であるとは見なされない。いくつかの実施形態において、POGは、PEGと同程度の分子量を有する。POGの構造は、参考文献28に記載され、POG/IL−2抱合体の考察は参考文献24に見られる。
【0096】
循環半減期を増大させるために使用され得る別の薬物送達系は、リポソームである。リポソーム送達系を調製する方法は、参考文献29、30および31に考察される。他の薬物送達系は当該技術分野において既知であり、例えば、参考文献32および33に記載される。
【0097】
本発明の抗体は、精製された形態で提供される。典型的には、抗体は、他のポリペプチドを実質的に含まない組成物中に存在し、例えば、組成物の90重量%未満、通常60%未満、およびさらに通常50%未満が他のポリペプチドで構成される。
【0098】
本発明の抗体は、非ヒト(異種)ホスト、例えばマウスにおいて免疫原性であり得る。抗体は、非ヒトホストにおいて免疫原性であるが、ヒトホストにおいては免疫原性でないイディオトープを有し得る。ヒトが使用するための本発明の抗体は、マウス、ヤギ、ウサギ、ラット、非霊長類哺乳類等のホストから容易に単離することができないもの、およびヒト化によって、または異種マウスから概して得ることができないものを含む。
【0099】
本発明の抗体は、任意のアイソタイプ(例えば、IgA、IgG、IgMつまり、α、γまたはμ重鎖)であることができるが、概してIgGである。IgGアイソタイプ内で、抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4サブクラスであり得る。本発明の抗体は、κまたはλ軽鎖を有し得る。
【0100】
抗体の産生
本発明によるモノクローナル抗体は、当該技術分野において既知である任意の方法によって作製することができる。ハイブリドーマ技術を用いてモノクローナル抗体を作製するための一般的な方法論が周知である[34、35]。好ましくは、参考文献36に記述される代替的なEBV不死化法が使用される。
【0101】
参考文献36に記述される方法を使用して、本発明の抗体を産生するB細胞は、多クローン性B細胞活性化因子の存在下においてEBVで形質転換することができる。EBVでの形質転換は標準的な技術であり、多クローン性B細胞活性化因子を含むように容易に適合することができる。
【0102】
細胞増殖および分化の付加的な刺激薬を、任意で、効率をさらに増強させるために形質転換ステップ時に添加することができる。これらの刺激薬は、IL−2およびIL−15等のサイトカインであり得る。一態様において、不死化効率をさらに向上させるために、不死化ステップの最中にIL−2が添加されるが、その使用は必須ではない。
【0103】
次いで、これらの方法を使用して産生した不死化B細胞を、当該技術分野において既知の方法を使用して培養し、抗体をそこから単離することができる。
【0104】
また本発明の抗体は、英国特許出願第0819376.5号に記載される方法を使用して、マイクロウェル培養プレートにおいて単一形質細胞を培養することによっても作製することができる。さらに、当該技術分野において既知の方法を使用して、単一形質細胞の培養物からRNAを抽出し、単細胞PCRを行うことができる。抗体のVHおよびVL領域をRT−PCRにより増幅し、配列決定を行い、発現ベクター中にクローン化し、次いで、HEK293T細胞または他の宿主細胞中にトランスフェクトする。発現ベクターにおける核酸のクローン化、宿主細胞のトランスフェクション、トランスフェクトした宿主細胞の培養、および産生された抗体の単離は、当業者に既知である任意の方法を使用して行うことができる。
【0105】
モノクローナル抗体は、所望される場合、濾過、遠心分離、およびHPLCまたは親和性クロマトグラフィ等の種々のクロマトグラフ法を使用してさらに精製され得る。製薬等級抗体を産生するための技術を含む、モノクローナル抗体を精製する技術は、当該技術分野において既知である。
【0106】
本発明のモノクローナル抗体の断片は、ペプシンもしくはパパイン等の酵素での消化を含む方法によって、および/または化学的還元によるジスルフィド結合の切断によって、モノクローナル抗体から得ることができる。代替として、モノクローナル抗体の断片は、重鎖または軽鎖の配列の一部のクローニングおよび発現によって得ることができる。抗体「断片」は、Fab、Fab’、F(ab’)およびFv断片を含み得る。また、本発明は、本発明のモノクローナル抗体の重鎖および軽鎖から派生する一本鎖Fv断片(scFv)も包含し、例えば、本発明は、本発明の抗体からのCDRを含むscFvを含む。また、重鎖または軽鎖単量体および二量体ならびに単鎖抗体、例えば、重鎖および軽鎖可変領域がペプチドリンカーによって連結される一本鎖Fvも含む。
【0107】
分子生物学の標準的な技術を、本発明の抗体または抗体の断片をコードするDNA配列を調製するために使用することができる。所望のDNA配列は、オリゴヌクレオチド合成技術を使用して、完全にまたは部分的に合成され得る。部位特異的変異誘発およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を必要に応じて使用することができる。
【0108】
任意の適切なホスト細胞/ベクター系が、本発明の抗体分子またはその断片をコードするDNA配列の発現のために使用され得る。FabおよびF(ab’)断片、特にFv断片および単鎖抗体断片、例えば、一本鎖Fv等の抗体断片の発現のために、細菌、例えば大腸菌、および他の微生物系が部分的に使用され得る。真核生物、例えば哺乳類ホスト細胞発現系は、完全な抗体分子を含む、より大きな抗体分子の産生のために使用され得る。適切な哺乳類ホスト細胞は、CHO、HEK293T、PER.C6、NS0、骨髄腫細胞、またはハイブリドーマ細胞を含む。
【0109】
また、本発明は、本発明による抗体分子を産生するための工程も提供し、本発明の抗体分子をコードするDNAからのタンパク質の発現をもたらすのに適した条件下で、本発明のベクターを含むホスト細胞を培養するステップと、抗体分子を単離するステップとを含む。
【0110】
抗体分子は、重鎖または軽鎖ポリペプチドのみを含み得、その場合においては、重鎖または軽鎖ポリペプチドコード配列のみを、ホスト細胞を形質移入するために使用する必要がある。重鎖および軽鎖の両方を含む産物を産生するために、細胞系は、軽鎖ポリペプチドをコードする第1のベクターおよび重鎖ポリペプチドをコードする第2のベクターの2つのベクターを形質移入され得る。代替として、単一ベクターが使用され得、ベクターは、軽鎖および重鎖ポリペプチドをコードする配列を含む。
【0111】
代替として、本発明による抗体は、i)細胞内で本発明による核酸配列を発現するステップ、およびii)発現された抗体産物を単離するステップによって産生され得る。加えて、方法は、iii)抗体を精製するステップを含み得る。
【0112】
B細胞のスクリーニングおよび単離
形質転換されたB細胞を、所望の抗原特異性の抗体を産生するものに対してスクリーニングすることができ、次いで、個々のB細胞クローンは、陽性細胞から産生することができる。
【0113】
スクリーニングステップは、ELISA、組織または細胞(形質移入された細胞を含む)の染色、中和アッセイまたは所望の抗原特異性を識別するための当該技術分野において既知の多くの他の方法のうちの1つによって行われ得る。アッセイは、単純抗原認識に基づいて選択し得るか、または、例えば、抗原結合抗体だけではなく中和抗体を選択し、標的細胞の特徴、たとえば、それらのシグナリングカスケード、それらの形、それらの増殖速度、他の細胞に影響するそれらの能力、他の細胞もしくは他の試薬または条件の変化による影響に対するそれらの応答、それらの分化状態等を変化させることができる抗体を選択する等のような、所望の機能にさらに基づいて選択され得る。
【0114】
陽性細胞の混合物から個々のクローンを分離するクローニングステップは、限界希釈法,顕微操作、細胞分類による単細胞沈着、または当該技術分野において既知の別の方法を使用して行われ得る。
【0115】
本発明の不死化B細胞クローンは、例えば、モノクローナル抗体源として、研究のための目的のモノクローナル抗体をコードする核酸(DNAまたはmRNA)源等として、種々の方法で使用することができる。
【0116】
本発明は、不死化Bメモリー細胞を含む組成物を提供し、細胞は、hCMVに特異的な高中和能力を持つ抗体を産生し、抗体は、1日当たり細胞ごとに5pg以上産生される。また、本発明は、不死化Bメモリー細胞のクローンを含む組成物を提供し、クローンは、hCMVに特異的な高親和性を持つモノクローナル抗体を産生し、抗体は、1日当たり細胞ごとに5pg以上産生される。好ましくは、クローンは、hCMV感染の中和において、高い力価を持つモノクローナル抗体を産生する。
【0117】
本発明による例示的な不死化B細胞クローンは、これらに限定されないが、15D8、4N10、10F7、10P3、4I22、8L13、2C12、8C15、9I6、7B13、8J16、8I21、7I13、7H3、6B4、5F1、10C6、4H9、11B12、13H11、3G16、2B11および6L3を含む。
【0118】
エピトープ
上記のように、本発明の抗体は、それらが結合するエピトープをマッピングするために使用することができる。発明者らは、内皮細胞、上皮細胞、網膜細胞および樹状細胞のhCMV感染を中和するいくつかの抗体は、hCMVのUL128タンパク質のエピトープ、hCMVタンパク質UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープ、hCMVタンパク質UL128、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープ、hCMVタンパク質gH、gL、UL128およびUL130、gB、gH、によって形成されるエピトープ、またはhCMVタンパク質gMおよびgNによって形成されるエピトープを指向することを発見した。本発明の抗体が結合するエピトープは、直線的(連続的)または立体構造的(非連続的)であり得、単一のhCMVタンパク質によって、または2つ、3つもしくはそれ以上のhCMVタンパク質の組み合わせによって形成され得る。
【0119】
本発明の抗体によって認識されるエピトープは、多くの使用があり得る。精製された形態または合成形態でのエピトープおよびそのミモトープは、免疫学的応答(つまり、ワクチンとして、または他の使用のために抗体を産生するため)を惹起するために、またはエピトープもしくはそのミモトープと免疫反応する抗体に対して患者血清をスクリーニングするために使用することができる。一実施形態において、かかるエピトープもしくはミモトープ、またはかかるエピトープもしくはミモトープを含む抗原は、免疫反応を向上させるためのワクチンとして使用され得る。本発明の抗体および抗体断片はまた、ワクチンの品質を監視する方法においても使用することができる。具体的には、抗体は、ワクチン中の抗原が正しい高次構造の特定の免疫原性エピトープを含有していることを確認するために使用することができる。
【0120】
また、エピトープは、エピトープに結合するリガンドのスクリーニングにおいても有用であり得る。これらに限定されないが、ラクダ、サメおよび他の種由来の抗体、抗体の断片、ペプチド、ファージディスプレイ技術の産物、アプタマー、アドネクチン、または他のウイルスもしくは細胞タンパク質の断片を含むかかるリガンドは、ペプチドをブロックして感染を予防することができる。このようなリガンドは、本発明の範囲内に包含される。
【0121】
組換え発現
また、本発明の不死化Bメモリー細胞は、その後の組換え発現に対する抗体遺伝子のクローニングのために核酸源としても使用し得る。組換え源からの発現は、医薬的な目的において、例えば、安定性、再現性、培養の容易さ等の理由で、B細胞またはハイブリドーマからの発現よりも一般的である。
【0122】
したがって、本発明は、組換え細胞を調製するための方法を提供し、(i)目的の抗体をコードするB細胞クローンから1つ以上の核酸(例えば、重鎖および/または軽鎖遺伝子)を得るステップと、(ii)発現ホスト内における目的の抗体の発現を可能にするように、そのホスト内に核酸を挿入するステップとを含む。
【0123】
同様に、本発明は、組換え細胞を調製するための方法を提供し、(i)目的の抗体をコードするB細胞クローンから核酸を配列決定するステップと、(ii)ステップ(i)からの配列情報を使用して、発現ホスト内における目的の抗体の発現を可能にするように、そのホスト内に挿入するために核酸を調製するステップとを含む。制限酵素部位を導入するため、コドン使用頻度を変更するため、ならびに/または転写および/もしくは翻訳制御配列を最適化するために、ステップ(i)と(ii)の間で核酸を操作することができるが、その必要はない。
【0124】
また、本発明は、組換え細胞を調製する方法を提供し、モノクローナル目的の抗体をコードする1つ以上の核酸でホスト細胞を形質転換するステップを含み、核酸は、本発明の不死化B細胞クローンから派生した核酸である。したがって、最初に、核酸を調製し、次いで、ホスト細胞を形質転換するためにそれを使用する手順は、異なる場所(例えば、異なる国)で異なる人々によって異なる時間に行うことができる。
【0125】
次いで、本発明のこれらの組換え細胞は、発現および培養目的で使用することができる。それらは、大規模の薬剤生産のための抗体の発現に特に有用である。また、それらは、医薬組成物の活性成分としても使用することができる。任意の適切な培養技術を使用することができ、その技術には、静置培養、ローラーボトル培養、腹水、中空糸型バイオリアクターカートリッジ、モジュラーミニファーメンター、攪拌槽、マイクロキャリア培養、セラミック中子灌流等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0126】
B細胞から免疫グロブリン遺伝子を得る、および配列決定するための方法は、当該技術分野において既知である(例えば、参考文献37を参照)。
【0127】
発現ホストは、好ましくは、真核細胞であり、酵母および動物細胞、特に、哺乳類細胞(例えば、CHO細胞、NS0細胞、PER.C6[Crucell、参考文献38]またはHKB−11[Bayer、参考文献39および40]細胞、骨髄腫細胞[41および42]等)等のヒト細胞、ならびに植物細胞を含む。好適な発現ホストは、特に、それ自体ではヒトにおいて免疫原性ではない糖鎖構造を用いて、本発明の抗体をグリコシル化することができる。一実施形態において、発現宿主は無血清培地で成長することができる。さらなる実施形態において、発現宿主は、動物由来産物が存在しない培養物中で成長することができる。
【0128】
発現ホストは、細胞系を得るために培養され得る。
【0129】
本発明は、(i)本発明にしたがって不死化B細胞クローンを調製するステップと、(ii)B細胞クローンから、目的の抗体をコードする核酸を得るステップとを含む、目的の抗体をコードする1つ以上の核酸分子(例えば、重鎖遺伝子および軽鎖遺伝子)を調製するための方法を提供する。本発明はまた、(i)本発明にしたがって不死化B細胞クローンを調製するステップと、(ii)目的の抗体をコードするB細胞クローンからの核酸を配列決定するステップとを含む、目的の抗体をコードする核酸配列を得るための方法も提供する。
【0130】
また、本発明は、目的の抗体をコードする核酸分子を調製する方法も提供し、本発明の形質転換されたB細胞から得られたB細胞クローンから核酸を得るステップを含む。したがって、最初に、B細胞クローンを得、次いで、それから核酸を調製する手順は、異なる場所(例えば、異なる国)で異なる人々によって異なる時間に行うことができる。
【0131】
本発明は、(例えば、医薬用途のために)抗体を調製するための方法を提供し、(i)目的の抗体を発現する選択したB細胞クローンから1つ以上の核酸(例えば、重鎖および軽鎖遺伝子)を得るステップおよび/または配列決定するステップと、(ii)核酸を挿入するか、または核酸を使用して、目的の抗体を発現することができる発現ホストを調製するステップと、(iii)目的の抗体が発現される条件下で、発現ホストを培養または継代培養するステップと、任意に、(iv)目的の抗体を精製するステップとを含む。
【0132】
また、本発明は、抗体を調製する方法も提供し、目的の抗体が発現される条件下で、発現ホスト細胞集団を培養または継代培養するステップと、任意に、目的の抗体を精製するステップとを含み、発現ホスト細胞集団は、(i)上記のように調製されたBメモリーリンパ球の集団により産生される目的の抗体を発現する選択したB細胞をコードする核酸を提供するステップ、(ii)目的の抗体を発現することができる発現ホスト内に核酸を挿入するステップ、および(iii)発現ホスト細胞集団を産生するために、挿入した核酸を含む発現ホストを培養または継代培養するステップによって調製された。したがって、最初に、組換え発現ホストを調製し、次いで、抗体を発現するためにそれを培養する手順は、異なる場所(例えば、異なる国)で異なる人々によって異なる時間に行うことができる。
【0133】
さらに、本発明の例示的な抗体4N10、2C12、8C15、8I21、6B4、10C6、4H9、11B12、3G16、および6L3(各アクセッション番号PD08009、PD08007、PD08006、PD08005、PD08004、PD08014、PD08013、PD08011、PD08012、およびPD08010)を発現する細胞株は、ブダペスト条約の規定に基づき、Largo Rossana Benzi 10, 16132 Genoa(Italy)所在のAdvanced Biotechnology Center(ABC)に、2008年7月9日付で寄託され、7H3を発現する不死化B細胞株(アクセッション番号PD08017)は、2008年7月16日付で寄託された。上記細胞株から発現された抗体またはその抗原結合断片、ならびに上記細胞株から発現された抗体またはその抗原結合断片と同じアミノ酸配列を有する抗体およびその抗原結合断片も、本発明の範囲内であると見なされる。
【0134】
これらの寄託は、当業者の便宜のために行われるのであって、本発明を実施するためにかかる寄託が必要であること、または同等の実施形態が、本開示を考慮した場合に当該技術分野の範囲内ではないことを認めるものではない。これらの寄託物は公的に利用可能であるが、それは、この特許または任意の他の特許に基づいて寄託された材料を、製造、使用、または販売する実施権を付与することにはならない。寄託された材料の核酸配列は、参照することにより本開示に組み込まれ、本明細書に記載される任意の配列と矛盾する場合には優先する。
【0135】
医薬組成物
本発明は、本発明の抗体および/または抗体断片、および/またはかかる抗体をコードする核酸、および/またはかかる抗体を発現する不死化B細胞、および/または本発明の抗体により認識されるエピトープを含有する医薬組成物を提供する。また、医薬組成物は、投与を可能にするように、薬学的に許容可能な担体も含有し得る。担体は、それ自体が、組成物を受け取る個人に有害である抗体の産生を誘導すべきではなく、毒性であるべきではない。適切な担体は、タンパク質、ポリペプチド、リポソーム、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、高分子アミノ酸、アミノ酸コポリマーおよび不活性ウイルス粒子等の大型かつ代謝速度が遅い巨大分子であり得る。
【0136】
薬学的に許容可能な塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩および硫酸塩等の鉱酸塩、または酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩および安息香酸塩等の有機酸の塩を使用することができる。
【0137】
治療用組成物中の薬学的に許容可能な担体は、水、生理食塩水、グリセロール、およびエタノール等の液体をさらに含有し得る。加えて、湿潤剤もしくは乳化剤またはpH緩衝物質等の補助物質がかかる組成物中に存在し得る。かかる担体は、患者による経口摂取のために、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリーおよび懸濁液として医薬組成物を製剤化することが可能である。
【0138】
本発明の範囲内で、好適な投与形態は、例えば、注射または注入による、例えば、ボーラス投与または持続注入よる非経口投与に適した形態を含み得る。製品が注射または注入のためのものである場合、それは、油性または水性媒体中で懸濁液、溶液または乳濁液の形態を取り得、そしてそれは、懸濁剤、防腐剤、安定剤および/または分散剤等の製剤化剤を含有し得る。代替として、抗体分子は、使用前の適切な滅菌液との再構成のために、乾燥状態であり得る。
【0139】
製剤化され次第、本発明の組成物は、対象に直接投与することができる。一実施形態において、組成物は、ヒト対象への投与に適合されることが好ましい。
【0140】
本発明の医薬組成物は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、経皮(transdermal)、経皮(transcutaneous)、局所、皮下、鼻腔内、腸内、舌下、膣内または直腸経路を含むが、これらに限定されないあらゆる経路によって投与され得る。また、本発明の医薬組成物を投与するためにハイポスプレーも使用され得る。典型的には、治療用組成物は、液体溶液または懸濁液のいずれかとして注入物質として調製され得る。また、注入前に、液体媒体中の溶液または懸濁液に適した固形も調製され得る。
【0141】
組成物の直接的な送達は、概して、注射、皮下、腹腔内、静脈内または筋肉内送達によって達成されるか、または組織の間質腔に送達される。また、組成物は、病変内にも投与することができる。投薬治療は、単回投与計画または複数回投与計画であってもよい。既知の抗体ベースの医薬品は、例えば、医薬品を毎日、毎週、毎月等送達すべきかどうか等の投与頻度に関する手引きを提供する。また、頻度および用量は、症状の重症度にも依存し得る。
【0142】
本発明の組成物は種々の形態で調製され得る。例えば、組成物は、液体溶液または懸濁液のいずれかとして注入物質として調製され得る。また、注入前に、液体媒体中の溶液または懸濁液に適した固形も調製することができる(例えば、防腐剤を含有する滅菌水との再構成のために、シナジス(Synagis(商標))およびハーセプチン(Herceptin(商標))等の凍結乾燥された組成物)。組成物は、局所投与のために、例えば、軟膏、クリームまたは粉末として調製され得る。組成物は、経口投与のために、例えば、錠剤もしくはカプセルとして、スプレーとして、またはシロップ(任意に、香味づけたもの)として調製され得る。組成物は、微粉末またはスプレーを使用して、例えば、肺内投与のために吸入剤として調製され得る。組成物は、坐薬または膣坐薬として調製され得る。組成物は、経鼻、経耳または経眼投与のために、例えば、ドロップとして調製され得る。組成物は、組み合わされた組成物が、患者への投与直前に再構成できるように設計された、キット形態であり得る。例えば、凍結乾燥された抗体は、滅菌水または滅菌緩衝液を有するキット形態で提供することができる。
【0143】
組成物中の有効成分は抗体分子、抗体断片、またはその変異体および誘導体であることが理解されよう。したがって、それは、胃腸管における分解に影響されやすい。したがって、組成物が胃腸管を用いた経路によって投与されるのであれば、組成物は、分解から抗体を保護するが、それが胃腸管から吸収され次第、抗体を放出する薬物を含有する必要がある。
【0144】
薬学的に許容される担体についての徹底的な議論は、Gennaro(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th edition、ISBN:0683306472において入手可能である。
【0145】
本発明の医薬組成物は、通常、5.5〜8.5の間のpHを有し、いくつかの実施形態において、6〜8の間であり得、さらなる実施形態においては約7であり得る。緩衝液の使用によりpHを維持することができる。組成物は、無菌であり得るか、および/またはピロゲンを含み得ない。組成物は、ヒトに対して等張性であり得る。一実施形態において、本発明の医薬組成物は、密封容器中に供給される。
【0146】
医薬組成物は、本発明の1つ以上の抗体および/または本発明の1つ以上の不死化B細胞および/または本発明の抗体に結合するエピトープを含むポリペプチドの有効量、つまり、所望の疾患または状態を治療する、寛解させる、もしくは予防するのに十分な、または検出可能な治療効果を呈するのに十分な量を含む。また、治療効果は、身体症状の軽減も含む。任意の特定の対象に対する正確な有効量は、対象のサイズおよび健康、状態の性質および程度、ならびに治療学または投与のために選択された治療学の組み合わせに依存する。所与の状況に対する有効量は、日常的な実験によって決定され、臨床従事者の判断内にある。本発明の目的で、有効用量は、概して、投与される個人における本発明の組成物の約0.01mg/kg〜約50mg/kg、または約0.05mg/kg〜約10mg/kgである。既知の抗体ベースの医薬品は、この点における手引きを提供し、例えば、ハーセプチン(Herceptin(商標))は、21mg/mL溶液の静脈内注入によって投与され、初期負荷用量は体重1kgあたり4mgであり、毎週の維持量は体重1kgあたり2mgであり、リツキサン(Rituxan(商標))は、375mg/mを毎週投与される。
【0147】
一実施形態において、組成物は、1つより多く(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ等)の本発明の抗体を含み、相加的または相乗的な治療効果を提供することができる。さらなる実施形態において、組成物は、1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ等)の本発明の抗体と、hCMV感染を中和する1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ等)の追加の抗体とを含むことができる。
【0148】
例えば、1つの抗体が、hCMVのUL128タンパク質のエピトープ、hCMVタンパク質UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープ、hCMVタンパク質UL128、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープ、hCMVタンパク質gH、gL、UL128およびUL130によって形成されるエピトープ、hCMVのgBタンパク質のエピトープ、hCMVのgHタンパク質のエピトープ、またはhCMVタンパク質gMおよびgNによって形成されるエピトープに結合することができる一方で、別の抗体は、hCMVのUL128タンパク質の異なるエピトープ、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープ、UL128、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープ、gH、gL、UL128およびUL130、gB、gH、gL、gM、gN、gOによって形成されるエピトープ、またはgMおよびgNによって形成されるエピトープに結合することができる。いずれの理論にも束縛されるものではないが、1つの抗体は、線維芽細胞の感染を媒介するメカニズムに標的化され得、一方で、もう1つの抗体は、内皮細胞の感染を媒介するメカニズムに標的化され得る。最適な臨床効果が得られるように、それは、hCMV感染および維持の両方のメカニズムに対応するという利点があり得るだろう。
【0149】
一実施形態において、本発明は、2つ以上の抗体を含む医薬組成物を提供し、第1の抗体は第1のUL128エピトープに特異的であり、第2の抗体は、第2のUL128エピトープ、UL130およびUL131Aの組み合わせ、UL128、UL130およびUL131Aの組み合わせ、gH、gL、UL128およびUL130、gB、gH、gL、gM、gN、gOの組み合わせ;またはgMおよびgNの組み合わせに特異的である。
【0150】
別の実施形態において、本発明は、2つ以上の抗体を含む医薬組成物を提供し、第1の抗体はUL130および131Aの組み合わせの第1のエピトープに特異的であり、第2の抗体は、UL128;UL130および131Aの組み合わせの第2のエピトープ;UL128、UL130およびUL131Aの組み合わせ;gH、gL、UL128およびUL130、gB、gH、gL、gM、gN、gOの組み合わせ;またはgMおよびgNの組み合わせに特異的である。
【0151】
さらに別の実施形態において、本発明は、2つ以上の抗体を含む医薬組成物を提供し、第1の抗体は、UL128、UL130および131Aの組み合わせの第1のエピトープに特異的であり、第2の抗体は、UL128;UL130およびUL131Aの組み合わせ;UL128、UL130および131Aの組み合わせの第2のエピトープ;gH、gL、UL128およびUL130、gB、gH、gL、gM、gN、gOの組み合わせ;またはgMおよびgNの組み合わせに特異的である。
【0152】
さらに別の実施形態において、本発明は、2つ以上の抗体を含む医薬組成物を提供し、第1の抗体は、gH、gL、UL128、UL130およびUL131Aの組み合わせの第1のエピトープに特異的であり、第2の抗体は、UL128;UL130およびUL131Aの組み合わせ;UL128、UL130および131Aの組み合わせ;gH、gL、UL128およびUL130、gB、gH、gL、gM、gN、gOの組み合わせの第2のエピトープ;またはgMおよびgNの組み合わせに特異的である。
【0153】
さらなる実施形態において、本発明は、2つ以上の抗体を含む医薬組成物を提供し、第1の抗体は第1のgBエピトープに特異的であり、第2の抗体は、UL128;UL130およびUL131Aの組み合わせ;UL128、UL130およびUL131Aの組み合わせ;gH、gL、UL128およびUL130、第2のgBエピトープ、gH、gL、gM、gN、gOの組み合わせ;またはgMおよびgNの組み合わせに特異的である。
【0154】
別の実施形態において、本発明は、2つ以上の抗体を含む医薬組成物を提供し、第1の抗体は第1のgHエピトープに特異的であり、第2の抗体は、UL128;UL130およびUL131Aの組み合わせ;UL128、UL130およびUL131Aの組み合わせ;gH、gL、UL128およびUL130、gB、第2のgHエピトープ、gL、gM、gN、gOの組み合わせ;またはgMおよびgNの組み合わせに特異的である。
【0155】
さらに別の実施形態において、本発明は、2つ以上の抗体を含む医薬組成物を提供し、第1の抗体は、gMおよびgNの組み合わせの第1のエピトープに特異的であり、第2の抗体は、UL128;UL130およびUL131Aの組み合わせ;UL128、UL130およびUL131Aの組み合わせ;gH、gL、UL128およびUL130、gB、gH、gL、gM、gN、gOの組み合わせ;またはgMおよびgNの組み合わせの第2のエピトープに特異的である。
【0156】
hCMVのUL128タンパク質のエピトープに結合する医薬組成物における使用のための本発明の例示的な抗体は、これに限定されないが、15D8を含む。hCMVタンパク質UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープに結合する医薬組成物における使用のための本発明の例示的な抗体は、これらに限定されないが、4N10、10F7、10P3、4I22、8L13、1F11、2F4、および5A2を含む(2008年1月3日に出願された米国特許出願番号第11/969,104号を参照のこと)。hCMVタンパク質UL128、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープに結合する医薬組成物における使用のための本発明の例示的な抗体は、これらに限定されないが、2C12、7B13、7I13、8C15、8J16、9I6および6G4を含む(2008年7月16日に出願された米国特許出願番号第12/174,568号を参照のこと)。hCMVタンパク質gH、gL、UL128およびUL130によって形成されるエピトープに結合する医薬組成物における使用のための本発明の例示的な抗体は、これに限定されないが、8I21を含む。hCMVのgBタンパク質のエピトープに結合する医薬組成物における使用のための本発明の例示的な抗体は、これらに限定されないが、7H3、10C6、5F1、6B4、4H9および2B11を含む。hCMVのgHタンパク質のエピトープに結合する医薬組成物における使用のための本発明の例示的な抗体は、これらに限定されないが、11B12、13H11、および3G16を含む。hCMVタンパク質gMおよびgNによって形成されるエピトープに結合する医薬組成物における使用のための本発明の例示的な抗体は、これに限定されないが、6L3を含む。本発明は、2つ以上の抗体を含む医薬組成物をさらに提供し、第1の抗体は、本発明の抗体または抗体断片であり、第2の抗体は、hCMV感染を中和する当該技術分野において既知の抗体または後に発見される抗体である。かかる抗体の例は、これらに限定されないが、MSL−109、8F9または3E3を含む。
【0157】
一実施形態において、本発明は、抗体15D8またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体15D8変異体1またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体15D8変異体2またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体8I21またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0158】
さらに別の実施形態において、本発明は、抗体2C12またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体8C15またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体9I6またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体7B13またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体8J16またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体7I13またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0159】
さらに別の実施形態において、本発明は、抗体4N10またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体10F7またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体10P3またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体4I22またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体8L13またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0160】
さらに別の実施形態において、本発明は、抗体7H3またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、抗体7H3変異体1またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体10C6またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体5F1またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体6B4またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体4H9またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体4H9変異体1またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体2B11またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0161】
さらに別の実施形態において、本発明は、抗体13H11またはその抗原結合断片本と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体11B12またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体3G16またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、抗体6L3またはその抗原結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0162】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、上記抗体またはその抗原結合断片を唯一の有効成分として含むことができる。別の実施形態において、医薬組成物は、2つ以上、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれ以上の上記抗体もしくはその抗原結合断片を含むことができる。本明細書で考察されるように、本発明の医薬組成物はまた、1つ以上の抗体またはその抗原結合断片と、hCMV感染を中和する第2の抗体またはその抗原結合断片とを含むことができる。
【0163】
本発明の抗体は、例えば、放射線療法を用いて、化学療法化合物等の他の治療薬とともに投与する(組み合わせてまたは別個に)ことができる。好ましい治療化合物は、ガンシクロビル、ホスカルネット、およびシドホビル等の抗ウイルス化合物を含む。かかる組み合わせ治療法は、単独で投与する場合の個々の治療薬に対する治療効果の相加的または相乗的向上を提供する。「相乗作用」という用語は、各それぞれの活性薬剤の個々の効果の和よりも大きい2つ以上の活性薬剤の併用効果を説明するために使用する。したがって、2つ以上の薬剤の併用効果が活性または工程の「相乗的阻害」をもたらす場合、それは、活性または工程の阻害が、各それぞれの活性薬剤の阻害効果の和よりも大きいことを意図する。「相乗的治療効果」という用語は、2つ以上の治療の組み合わせで観察された治療効果を指し、治療効果(多数のパラメータのいずれかによって測定されたような)は、それぞれ個々の治療で観察された個々の治療効果の和よりも大きい。
【0164】
抗体は、hCMV感染の治療に対して以前に反応を示さなかった、つまり、抗hCMV治療に対して抵抗性を示したそれらの患者に投与され得る。かかる治療は、抗ウイルス剤を用いた以前の治療を含み得る。これは、例えば、hCMVの抗ウイルス耐性株による感染に起因し得る。
【0165】
本発明の抗体を含む本発明の組成物において、抗体は、組成物中の総タンパク質の少なくとも50重量%(例えば、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%以上)を占める。したがって、抗体は、精製された形態である。
【0166】
本発明は、(i)本発明の抗体を調製するステップと、(ii)精製した抗体を1つ以上の薬学的に許容される担体と混合するステップとを含む、医薬品を調製する方法を提供する。
【0167】
また、本発明は、医薬品を調製する方法も提供し、抗体を1つ以上の薬学的に許容可能な担体とを混合するステップを含み、抗体は、本発明の形質転換されたB細胞から得られたモノクローナル抗体である。したがって、最初に、モノクローナル抗体を得、次いで、医薬品を調製する手順は、異なる場所(例えば、異なる国)で異なる人々によって異なる時間に行うことができる。
【0168】
治療目的のために抗体またはB細胞を送達することの代替案として、核酸が原位置で対象内に発現され、所望の治療効果を提供できるように、目的のモノクローナル抗体(またはその活性断片)をコードする核酸(典型的には、DNA)を対象に送達することが可能である。適切な遺伝子治療法および核酸送達ベクターは、当該技術分野において既知である。
【0169】
本発明の組成物は、免疫原性組成物であり得、またいくつかの実施形態においては、hCMVのUL128タンパク質のエピトープ、hCMVタンパク質UL130および131Aによって形成されるエピトープ、hCMVタンパク質UL128、UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープ、hCMVタンパク質gH、gL、UL128およびUL130によって形成されるエピトープ、hCMVのgBタンパク質のエピトープ、hCMVのgHタンパク質のエピトープ、またはhCMVタンパク質gMおよびgNによって形成されるエピトープを含む抗原を含むワクチン組成物であり得る。代替の組成物は、(i)hCMVタンパク質UL128、UL130およびUL131Aの組み合わせによって形成されるエピトープを含む抗原、および(ii)gB、gH、gL、gM、gN、gO、UL128、UL130もしくはUL131Aに見出されるエピトープを含む抗原、またはそれらの組み合わせを含むことができる。本発明によるワクチンは、予防のため(つまり、感染を防止するため)または治療のため(つまり、感染を治療するため)のいずれかであり得る。
【0170】
組成物は、特に複数回投与形式でパッケージされる場合に、抗菌薬を含み得る。それらは、表面活性剤、例えば、Tween80等のTween(ポリソルベート)を含むことができる。通常、表面活性剤は低レベルで(例えば、<0.01%)存在する。組成物はまた、浸透圧を与えるためにナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム)も含み得る。10±2mg/mL NaClの濃度が典型的である。
【0171】
組成物は、特に、それらが凍結乾燥される場合か、またはそれらが、凍結乾燥された材料から再構成された材料を含む場合に、例えば、約15〜30mg/mL(例えば、25mg/mL)で、糖アルコール(例えば、マンニトール)または二糖(例えば、スクロースまたはトレハロース)を含む。凍結乾燥のための組成物のpHは、凍結乾燥前に約6.1に調整され得る。
【0172】
また、本発明の組成物は、1つ以上の免疫調節剤も含み得る。一実施形態において、免疫調節剤のうちの1つ以上は、アジュバントを含む。
【0173】
本発明のエピトープ組成物は、hCMV感染に効果的に対処するために、細胞媒介免疫応答および体液性免疫応答の両方を誘発することができる。この免疫学的応答は、持続性(例えば、中和)抗体と、hCMVへの曝露後に急速に応答することができる細胞媒介の免疫との両方を誘発し得る。
【0174】
医学的治療および用途
本発明の抗体、抗体断片、またはその誘導体および変異体は、hCMV感染の治療、hCMV感染の予防またはhCMV感染の診断のために使用され得る。
【0175】
診断方法は、抗体または抗体断片を試料と接触させることを含む。かかる試料は、例えば、唾液腺、肺、肝臓,膵臓、腎臓、耳、眼、胎盤、消化管、心臓、卵巣、下垂体、副腎、甲状腺、脳または皮膚から取った組織試料であり得る。また、診断方法は、抗原/抗体複合体の検出も含む。
【0176】
したがって、本発明は、治療における使用のための(i)本発明による抗体、抗体断片、もしくはその変異体および誘導体、(ii)本発明による不死化B細胞クローン、(iii)本発明の抗体に結合する能力を持つエピトープ、または(iv)本発明の抗体に結合するエピトープに結合する能力を持つ、好ましくは抗体であるリガンドを提供する。
【0177】
また、(i)本発明による抗体、抗体断片、もしくはその変異体および誘導体、または、本発明の抗体に結合するエピトープに結合する能力を持つ、好ましくは抗体であるリガンドを患者に投与することを含む、患者を治療する方法も提供される。
【0178】
本発明はまた、hCMV感染の予防または治療のための医薬の製造における、(i)本発明による抗体、抗体断片、もしくはその変異体および誘導体、(ii)本発明による不死化B細胞クローン、(iii)本発明の抗体に結合する能力を持つエピトープ、または(iv)本発明の抗体に結合する能力を持つエピトープに結合する、好ましくは抗体であるリガンドの使用も提供する。
【0179】
本発明は、hCMV感染の予防または治療のための医薬として使用するための組成物を提供する。また、患者の治療および/または患者の診断のための医薬の製造における、抗体および/またはかかる抗体が結合するエピトープを含むタンパク質の使用も提供する。本発明はまた、本発明の組成物を対象に投与するステップを含む、治療を必要とする対象を治療するための方法も提供する。いくつかの実施形態において、対象はヒトであり得る。治療処置の有効性を確認する一方法は、本発明の組成物の投与後に、疾患症状をモニターするステップを包含する。治療は、単回投与計画または複数回投与計画であることができる。
【0180】
一実施形態において、本発明の抗体、その抗原結合断片、エピトープ、または組成物は、かかる予防的または治療的な処置を必要とする対象に投与される。かかる対象は、これに限定されないが、特にhCMV感染の危険性があるか、またはhCMVに感染し易い対象を含む。例示的な対象は、これらに限定されないが、免疫無防備状態の対象またはhCMVに対する血清反応が陰性であるかもしくは最近hCMVに感染した妊娠中の女性を含む。例示的な免疫無防備状態の対象は、これらに限定されないが、HIVに罹患する対象または免疫抑制療法を受けている対象を含む。
【0181】
本発明の抗体およびその抗原結合断片はまた、受動免疫において使用することもできる。さらに、本発明において記述したように、それらはhCMV感染の診断のためのキットにおいても使用され得る。
【0182】
本発明の抗体、例えば、モノクローナル抗体15D8、4N10、10F7、10P3、4I22、8L13、2C12、8C15、9I6、7B13、8J16、8I21、7I13、7H3、6B4、5F1、10C6、4H9、2B11、11B12、13H11、3G16、および6L3に結合する能力を持つエピトープは、防御的抗hCMV抗体の存在を検出することによりワクチン摂取手順の効率を監視するためのキットにおいて使用することができる。
【0183】
また、本発明において記述したように、抗体、抗体断片、またはその変異体および誘導体は、所望の免疫原性でのワクチン製造をモニターするためのキットにおいても使用され得る。
【0184】
また、本発明は、医薬品を調製する方法を提供し、モノクローナル抗体を1つ以上の薬学的に許容可能な担体と混合するステップを含み、モノクローナル抗体は、本発明の発現ホストから得られたモノクローナル抗体である。したがって、最初に、モノクローナル抗体を得て(例えば、それを発現するおよび/またはそれを精製する)、次いで、それを医薬担体と混合する手順は、異なる場所(例えば、異なる国)で異なる人々によって異なる時間に行うことができる。
【0185】
本発明の形質転換されたB細胞から始めて、各ステップでの任意の最適化を用いる培養、継代培養、クローニング、サブクローニング、配列決定、核酸調製等の種々のステップを、形質転換されたB細胞によって発現される抗体を永続化させるために行うことができる。好適な実施形態において、上記の方法は、抗体をコードする核酸に適用される最適化の技術(例えば、親和性成熟または最適化)をさらに含む。本発明は、そのようなステップ時に使用および調製される全ての細胞、核酸、ベクター、配列、抗体等を包含する。
【0186】
これらの全ての方法において、発現ホスト内で使用される核酸は、ある種の核酸配列を挿入、欠失または修正するように、操作され得る。かかる操作からの変更は、制限酵素部位を導入するため、コドン使用頻度を変更するため、転写および/または翻訳制御配列を追加または最適化するため等の変更を含むが、これらに限定されない。また、コードされたアミノ酸を変化させるために、核酸を変更することも可能である。例えば、それは、抗体のアミノ酸配列に1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個等)のアミノ酸の置換、欠失、および/または挿入を導入するために有用であり得る。このような点突然変異は、エフェクター機能、抗原結合親和性、翻訳後修飾、免疫原性等を修飾することができるか、共有結合基(例えば、標識)の付着のためにアミノ酸を導入することができるか、またはタグ(例えば、精製目的で)を導入することができる。突然変異は、特異的部位に導入することができるか、または、ランダムとその後の淘汰(例えば、分子進化)により導入することができる。例えば、本発明の抗体のCDR領域、重鎖可変領域、または軽鎖可変領域のうちのいずれかをコードする1つ以上の核酸に、無作為にまたは定方向に変異を導入して、コードしたアミノ酸に異なる特性をもたらすことができる。かかる変化は反復プロセスの結果であり得、最初の変化は保持されて、他のヌクレオチドの位置で新しい変化が導入される。さらに、独立したステップにおいて達成される変化を組み合わすことができる。コードされたアミノ酸にもたらされる異なる特性は、これに限定されないが、親和性の増大を含む。
【0187】
概要
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」および「なる(consisting)」包含し、例えば、Xを「含む」組成物は、独占的にXからなるか、または、例えばX+Y等の何らかの付加的なものを含み得る。
【0188】
「実質的に」という用語は「完全に」を除外せず、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まない可能性がある。必要であれば、「実質的に」という用語は、本発明の定義から省略されてもよい。
【0189】
数値xに関連する「約」という用語は、例えば、x±10%を意味する。
【0190】
本明細書で用いる場合、「疾患」という用語は、概して、正常機能を損ない、そして、典型的には、特徴的な徴候および症状によって顕在化し、ヒトもしくは動物の寿命および生活の質を減少させる、ヒトもしくは動物の体の、またはその一部の異常な状態を全てが反映するという点で、「障害」および「状態」(医学的状態等の場合)と同義語であることが意図され、それらと同じ意味で使用される。
【0191】
本明細書で用いる場合、患者の「治療」への言及は、予防および予防法を含むことを意図する。「患者」という用語は、ヒトを含む全ての哺乳類を意味する。患者の例としては、ヒト、ウシ、イヌ、ネコ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、およびウサギが挙げられる。概して、患者はヒトである。
【実施例】
【0192】
以下の実施例において、本発明の例示的な実施形態を提供する。以下の実施例は、単なる例示目的として、本発明を使用する当業者の補助となるように提示される。実施例は、決して本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【0193】
実施例1:B細胞のクローニングおよびhCMV中和活性のスクリーニング
血清中に高いhCMV中和抗体力価を持つドナーを確認した。参考文献36に記載されるように、メモリーB細胞を単離し、EBVおよびCpGを用いて不死化した。手短に述べると、CD22ビーズを用いた負の選択によりメモリーB細胞を単離し、次いで、特異的抗体および細胞選別によりIgM、IgDIgAB細胞を除去した。CpG2006の存在下において、分類した細胞(IgG)をEBVで不死化し、同種単核細胞を照射した。それぞれメモリーB細胞50個を含有する同型培養物を、20個の96ウェルU字形底プレートに配置した。2週間後、培養上清を採取し、別々のアッセイにおいて線維芽細胞または上皮細胞のいずれかのhCMV感染を中和するそれらの能力を試験した。参考文献36に記載されるように、陽性のポリクローナル培養物からB細胞クローンを単離した。IgG特異的ELISAを用いて、選択されたクローンの上清中のIgG濃度を決定した。
【0194】
ウイルス中和アッセイのために、滴定量の臨床hCMV分離株を、等容積の培養上清または中和抗体を含有するヒト血清希釈と混合した。室温で1時間インキュベーションした後、96ウェルの平底プレート中の内皮細胞(例えば、HUVEC細胞もしくはHMEC−1細胞)、上皮細胞(例えば、ARPE網膜細胞)、線維芽細胞(例えば、MRC−9もしくは間葉系間質細胞)、または骨髄細胞(例えば、単球由来の樹状細胞)のいずれかのコンフルエントな単層に混合物を添加し、37℃で2日間インキュベートした。上清を捨て、細胞を冷メタノールで固定し、hCMV早期抗原に対するマウスモノクローナル抗体の混合物と、続いてフルオレセイン標識ヤギ抗マウスIgで染色した。プレートは、蛍光顕微鏡を使用して分析した。中和抗体の非存在下において、感染した細胞は100〜1,000/視野であり、一方、飽和濃度の中和抗体の存在下において、感染は完全に阻害された。中和力価は、hCMV感染の50%または90%減少をもたらす抗体の濃度(μg/mL)として示す。
【0195】
表5Aは、線維芽細胞株(MRC−9)およびヒト網膜上皮細胞株(ARPE)の両方におけるhCMV臨床分離株(VR1814)の中和を示す。いくつかの抗体が上皮細胞(ARPE)のhCMV感染を中和したが、それらは線維芽細胞(MRC−9)の感染は中和しなかった。これは、異なるタンパク質が特定の細胞型に対する指向性に関与するという以前のデータと一致する[7]。gH/gL/UL128/UL130/UL131Aタンパク質複合体のうちの1つ以上のタンパク質に特異的であるこれらの抗体のうちのほとんどが、非常に低い濃度で上皮細胞のhCMV感染を中和した(0.01μg/mL〜0.001μg/mLの範囲の濃度でhCMV感染を50%低減)。hCMVタンパク質gB、gH、またはgMおよびgNの組み合わせに特異的な他の抗体は、線維芽細胞および上皮細胞のhCMV感染を同程度の力価で中和した。これらの結果は、hCMV中和抗体のうちのいくつかは線維芽細胞および上皮細胞の両方に等しく効果的であるが、他の抗体は2つの細胞型に対して異なる活性を示すことを表している。
【0196】
表5Aに示す分析に基づいて、抗体をグループ1(線維芽細胞および上皮細胞の両方のhCMV感染を中和する)およびグループ2(上皮細胞のhCMV感染を中和する)にグループ分けした。表5Bは、精製した抗体を用いて行った独立した実験を示す。この結果は、グループ2の抗体は、0.007μg/mL〜0.003μg/mLの範囲のIC90値(すなわち、ウイルス感染を90%低減するために必要な抗体の濃度)で上皮細胞の感染を中和したのに対し、グループ1の抗体は、0.1μg/mL〜30μg/mLの範囲のIC90値で線維芽細胞および上皮細胞の両方の感染を中和したことを示す。グループ2の抗体は、内皮細胞(HUVEC)および骨髄細胞(単球由来の樹状細胞)の感染も中和した(データに示さず)。グループ1の抗体は、表5Cのいくつかの代表的な抗体について示すように、内皮細胞(HUVEC)、骨髄細胞(単球由来の樹状細胞)、および骨髄間葉系間質細胞の感染も中和した。本発明の抗体は、異なるhCMV臨床分離株VR6952(尿由来)、VR3480B1(血液由来、ガンシクロビル耐性)、およびVR4760(血液由来、ガンシクロビルおよびホスカルネット耐性)による内皮細胞(HUVEC)の感染も中和した(データに示さず)。
【0197】
感染中に異なる細胞型が存在する場合、異なる細胞型の感染を中和する抗体を組み合わせて、相加的または相乗的な中和作用をもたらすことができると予想される。一例として、上皮細胞の感染の中和には効果的であるが、線維芽細胞の感染は中和しない15D8等の中和抗体は、線維芽細胞に対してウイルス中和活性を有する3G16と組み合わせ得る。別の例として、上皮細胞の感染の中和には効果的であるが、線維芽細胞の感染は中和しない9I6等の中和抗体は、線維芽細胞に対してウイルス中和活性を有する6B4と組み合わせ得る。
【0198】
【表5A】

1)線維芽細胞(例えば、MRC−9)または上皮細胞(例えば、ARPE網膜細胞)のhCMV感染を50%低減するために必要な抗体の濃度を示す値。濃度は以下の通り:
++++<0.001μg/mL、+++<0.01μg/mL、++<0.1μg/mL、+2μg/mL
−:テストした最高濃度(2μg/mL)では中和しなかった。
2)表6に定義する特異性
【0199】
【表5B】

1)線維芽細胞(例えば、MRC−9)または上皮細胞(例えば、ARPE網膜細胞)のhCMV(VR1814)感染を90%低減するために必要な抗体の濃度をμg/mLで示した値。
2)表6に定義する特異性
3)nn:テストした最高濃度(10μg/mL)では中和しなかった。
【0200】
【表5C】

1)初代細胞のhCMV(VR1814)感染を50%低減するために必要な抗体の濃度をμg/mLで示した値。HUVEC、ヒト臍帯静脈内皮細胞、Mo−DC、単球由来の樹状細胞、BM−MSC、間葉系骨髄間質細胞
【0201】
実施例2:モノクローナル抗体によって認識される標的抗原の識別
hCMV中和抗体の特異性を解析するために、HEK293T細胞を全長hCMVタンパク質UL128、UL130、UL131A、gH、gL、gB、gM、およびgNをコードする1つ以上のベクターでトランスフェクトした。36時間後、細胞を固定し、透過処理して、ヒトモノクローナル抗体と、続いてヤギ抗ヒトIgGで染色した。図1は、1つ以上のhCMVタンパク質を発現するHEK293T細胞に対する代表的な抗体の結合を示す。表6は、hCMV遺伝子でトランスフェクトしたHEK293T細胞に対するすべての異なる抗体の染色パターンを示す。UL128でトランスフェクトした細胞を染色した抗体15D8の例外を除いて、グループ2の他のすべての抗体は、単遺伝子トランスフェクタントを染色しなかったことから、それらが1つより多くの遺伝子産物の同時発現を必要とするエピトープを認識するのであろうことが示唆される。実際に、5つの抗体(4N10、10F7、10P3、4I22および8L13)が、UL130およびUL131Aを同時発現する細胞を染色し、6つの抗体(2C12、7B13、7I13、8C15、8J16および9I6)が、UL128、UL130およびUL131Aを同時発現する細胞を染色し、1つの抗体(8I21)が、UL128およびUL130ならびにgHおよびgLでトランスフェクトした細胞を染色した。これらのすべての抗体はまた、gH/gL/UL128‐130複合体を形成するすべての遺伝子でトランスフェクトしたHEK293T細胞を染色した。グループ1の抗体のうち、3つ(11B12、13H11および3G16)がhCMVタンパク質gHを発現する細胞を染色し、6つ(7H3、10C6、5F1、6B4、4H9および2B11)がhCMVタンパク質gBを発現する細胞を染色し、1つ(6L3)がhCMVタンパク質gMおよびgNを同時発現する細胞を染色した。
【0202】
【表6】

1)nd:実行せず。
【0203】
抗体が結合する抗原部位の同一性をさらに調査するために、交差競合実験を行った。ここでは、全長hCMVタンパク質gH、gL、UL128、UL130およびUL131AをコードするベクターでHEK293T細胞をトランスフェクトした。その後、ビオチン化抗体を添加する前に、細胞を20倍過剰な競合相手であるhCMV中和抗体とともにインキュベートした。異なる競合抗体およびビオチン化抗体を用いて、この手順を数回繰り返した。この実験には、米国特許出願第11/969,104号(11F11、2F4および5A2)ならびに米国特許出願第12/174,568号(6G4)に記載される4つの抗体が含まれた。そのデータを表7A、Bに示す。
【0204】
【表7A】

1)表6に定義する特異性
2)100%未満の競合は、エピトープの部分的重複、立体障害、または低親和性に起因し得る。
【0205】
【表7B】

1)表6に定義する特異性
2)100%未満の競合は、エピトープの部分的重複、立体障害、または低親和性に起因し得る。
【0206】
表7A、Bのデータに基づいて、gH、gL、UL128およびUL130によって形成されるhCMV複合体上に、少なくとも7つの別個の抗原部位を識別することができる(表8)。部位1は、UL128に存在し、抗体15D8によって定義される。部位2〜4は、UL130およびUL131Aの組み合わせによって形成され、それぞれ、抗体10F7、4I22、8L13、1F11および2F4(部位2)によって、4N10および5A2(部位3)によって、また10P3(部位4)によって、定義される。部位5および6は、UL128、UL130およびUL131Aの組み合わせによって形成され、それぞれ、抗原2C12、7B13、8C15、8J16、9I6および6G4(部位5)によって、また7I13(部位6)によって定義される。最後に、部位7は、gH、gL、UL128およびUL130の組み合わせによって形成され、抗体8I21によって定義される。部位7および部位3を定義する抗体は部分的に互いに競合し、これらの部位は、gH/gL/UL128‐131A複合体の構造において近い可能性があることを示唆した。
【0207】
10F7および4N10によって、または8J16および7I13によって例示されるように、同じ標的上の異なるエピトープを標的にする中和抗体を組み合わせて使用することで、ウイルス感染の強力な中和を達成することができると予想される。さらに、異なる標的分子または標的分子の組み合わせを標的とする中和抗体を一緒に使用することで、強力なウイルスの中和を達成することができると予想される。一例として、表8は、15D8および10F7、15D8および2C12、または8J16および8I21を組み合わせて、相加的または相乗的なhCMV中和作用をもたらすことができることを示している。
【0208】
【表8】

【0209】
表7に記載されるのと同様の様式で、全長gHをコードするベクターでHEK293T細胞をトランスフェクトし、抗gH抗体の交差競合結合を調べた。図2Aおよび表9から分かるように、少なくとも2つの異なる結合部位がhCMVのgHタンパク質中に認められた。抗体3G16は一方の部位を定義し、抗体11B12および13H11は2番目の部位を定義する。最後に、全長gBをコードするベクターでHEK293T細胞をトランスフェクトし、抗gB抗体の交差競合結合を調べた。図2Bおよび表10から分かるように、少なくとも3つの異なる抗原部位がhCMVのgBタンパク質中に認められた。抗体6B4は一つの部位を定義し、7H3は第2の部位を定義し、一連の10C6、5F1、4H9および2B11は第3の部位を定義する。抗体6B4(gB部位1を認識する)をELISAによりgB69‐78ペプチドと反応させた(0.044μg/mLのEC50)。同じ標的分子上であるが異なる部位を標的とする抗体を組み合わせて使用することで、強力なウイルスの中和を達成することができると予想される。
【0210】
【表9】

1)表6に定義する通り。
【0211】
【表10】

1)表6に定義する通り。
2)100%未満の競合は、エピトープの部分的重複、立体障害、または低親和性に起因し得る。
【0212】
要約すると、15D8は、2C12、7B13、6G4(すべてUL128、UL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープとは異なり、また8I21(gH、gL、UL128およびUL130の組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープとも異なるUL128のエピトープに結合する。また、15D8のそのエピトープへの結合は、4N10、10F7、10P3および1F11(すべてUL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって阻害されない。
【0213】
4N10は、UL130およびUL131Aの発現を必要とし、5A2(UL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)および8I21(gH、gL、UL128およびUL130の組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープと同じかまたはほぼ重複するが、10F7、4I22、1F11、2F4(すべてUL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)、2C12および6G4(両方ともUL128、UL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるエピトープに結合する。また、4N10のそのエピトープへの結合は、15D8(UL128に特異的)によって阻害されない。
【0214】
10F7は、4I22、8L13、1F11および2F4によって認識されるエピトープと同じかまたはほぼ重複するが、4N10および5A2(両方ともUL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープとは異なり、また2C12および6G4(両方ともUL128、UL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープとも異なる、UL130およびUL131Aの発現を必要とするエピトープに結合する。また、10F7のそのエピトープへの結合は、15D8(UL128に特異的)または13H11(gHに特異的)によって阻害されない。
【0215】
4I22は、UL130およびUL131Aの発現を必要とし、2F4、1F11および10F7によって認識されるエピトープと同じかまたは部分的に重複するが、4N10、10P3および5A2(すべてUL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープとは異なり、また2C12、8C15、8J16、9I6、6G4(すべてUL128、UL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)および8I21(gH、gL、UL128およびUL130の組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープとも異なるエピトープに結合する。また、4I22のそのエピトープへの結合は、15D8(UL128に特異的)または13H11(gHに特異的)によって阻害されない。
【0216】
2C12は、hCMVのUL128、UL130およびUL131A遺伝子産物の発現を必要とし、7B13、8C15、8J16、9I6および6G4によって認識されるエピトープと同じかまたはほぼ重複するが、7I13(すべてUL128、UL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープとは異なり、また15D8(UL128に特異的)、4N10、10F7、10P3、4I22、8L13、1F11、2F4、5A2(すべてUL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)および8I21(gH、gL、UL128およびUL130の組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープとも異なるエピトープに結合する。また、2C12のそのエピトープへの結合は、3G16(gHに特異的)によって阻害されない。
【0217】
8C15は、hCMVのUL128、UL130およびUL131A遺伝子産物の発現を必要とし、2C12、7B13、8J16、9I6および6G4によって認識されるエピトープと同じかまたはほぼ重複するが、7I13(すべてUL128、UL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるエピトープに結合する。
【0218】
8J16は、hCMVのUL128、UL130およびUL131A遺伝子産物の発現を必要とし、2C12、7B13、8C15、9I6および6G4によって認識されるエピトープと同じかまたはほぼ重複するが、7I13(すべてUL128、UL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープおよび4I22(UL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるエピトープに結合する。
【0219】
9I6は、hCMVのUL128、UL130およびUL131A遺伝子産物の発現を必要とし、2C12、7B13、8C15、8J16および6G4によって認識されるエピトープと同じかまたはほぼ重複するが、7I13(すべてUL128、UL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープならびに2F4および5A2(UL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるエピトープに結合する。
【0220】
8I21は、hCMVのgH、gL、UL128およびUL130遺伝子産物の発現を必要とし、4N10および5A2(両方ともUL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープと部分的に重複し得るが、15D8(UL128に特異的)、10F7、10P3、4I22、1F11、2F4(すべてUL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)、2C12、7B13、7I13、8C15、8J16、9I6および6G4(すべてUL128、UL130およびUL131Aの組み合わせに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるエピトープに結合する。また、8I21のそのエピトープへの結合は、3G16(gHに特異的)によって阻害されない。
【0221】
3G16は、11B12および13H11(両方ともgHに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるgHのエピトープに結合する。
【0222】
11B12は、13H11によって認識されるエピトープと同じかまたはほぼ重複し、3G16(両方ともgHに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるgHのエピトープに結合する。
【0223】
13H11は、11B12によって認識されるエピトープと同じかまたはほぼ重複し、3G16(両方ともgHに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるgHのエピトープに結合する。
【0224】
6B4は、7H3、4H9、5F1、10C6および2B11(すべてgBに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるgBのエピトープを認識する。
【0225】
7H3は、6B4、7H3、4H9、5F1、10C6および2B11(すべてgBに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるgBのエピトープに結合する。
【0226】
10C6は、5F1、4H9および2B11によって認識されるエピトープと同じかまたは部分的に重複するが、7H3および6B4(すべてgBに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるgBのエピトープに結合する。
【0227】
5F1は、10C6、4H9および2B11によって認識されるエピトープと同じかまたはほぼ重複するが、6B4および7H3(すべてgHに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるgBのエピトープに結合する。
【0228】
4H9は、5F1、10C6および2B11によって認識されるエピトープと同じかまたはほぼ重複するが、6B4および7H3(すべてgHに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるgBのエピトープに結合する。
【0229】
2B11は、5F1、10C6および4H9によって認識されるエピトープと同じかまたはほぼ重複するが、6B4および7H3(すべてgHに特異的)によって認識されるエピトープとは異なるgBのエピトープに結合する。
【0230】
実施例3:抗体15D8の中和活性の幅
UL128は、UL132−128座のうちで最も保存された遺伝子である。しかしながら、いくつかの臨床分離株に由来する配列をVR1814配列と比較した場合に、1つ以上の変異を有する10個の変異体の存在が明らかになった。そのため、我々は、UL128に特異的な抗体である15D8の結合が、これらの変異のうちのいずれかによって影響を受けるかどうかを検討した。この目的のために、臨床分離株(VR4603−M、VR4836−M、VR5001−M、VR4254−M、VR4969−M、VR4313−M、VR4116−M、VR5235−T、VR5055−T、VR4168−A、VR1814−PCR)からのUL128の変異体の公開されているアミノ酸配列と、実験室株(Towne、TB40/E、AD169、Merlin and Toledo)とを整列させ、記載したすべてのアミノ置換と、PCR増幅を行うと生体外で非常に高い頻度で生成されることが分かった追加の変異(F33V)とを含むタンパク質をコードして、遺伝子を合成した。合成遺伝子のヌクレオチド配列は次の通りであった。

【0231】
HEK293T細胞をVR1814の本来のUL128またはpan変異遺伝子でトランスフェクトし、15D8抗体の段階希釈により染色した。図3に示すように、本来のUL128タンパク質およびpan変異UL128タンパク質は、同程度の効率で15D8によって認識された(およそ0.2μg/mLで染色飽和)。これらの発見は、15D8が、UL128でコードしたタンパク質中に高度に保存されたエピトープを認識することを示唆するものである。
【0232】
本明細書で参照されるすべての特許および刊行物は、参照することにより、それらの全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0233】
本発明を実施する代替の様式が存在すること、また、本発明の範囲および主旨から逸脱することなく種々の変更を行うことが可能であることに留意されたい。したがって、本実施形態は、制限的なものではなく、実例として見なされるべきであり、本発明は、本明細書に提示した詳細に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で修正され得る。
【0234】
参考文献(参照することにより、その内容は本明細書に組み込まれる)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)UL128タンパク質のエピトープに結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合断片であって、hCMV感染を中和する、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片。
【請求項2】
hCMVを90%中和するのに必要な前記抗体の濃度は、1μg/mL以下である、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
hCMVを90%中和するのに必要な前記抗体の濃度は、0.1μg/mL以下である、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
hCMVタンパク質gH、gL、UL128、およびUL130、hCMVタンパク質UL128、UL130、およびUL131A、またはhCMVタンパク質UL130およびUL131Aによって形成されるエピトープに結合する抗体またはその抗原結合断片であって、hCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項5】
配列番号188〜193、204、205、210、174〜177、149、178、65〜70、81〜86、97〜102、129〜134、145〜150、113、161〜164、1〜6、17〜22、33〜38、49〜54、または114〜118のうちのいずれか1つに対して少なくとも95%の配列同一性を有する少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)配列を含む抗体またはその抗原結合断片であって、hCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項6】
配列番号188、174、65、81、97、129、145、113、1、17、33、および49からなる群より選択される重鎖CDR1、配列番号189、204、175、66、82、98、130、146、161、2、2、18、34、50、および114からなる群より選択される重鎖CDR2、ならびに配列番号190、205、210、176、67、83、99、131、147、162、3、19、35、51、および115からなる群より選択される重鎖CDR3を含む抗体またはその抗原結合断片であって、hCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項7】
配列番号191、177、68、84、100、132、148、163、4、20、36、52、および116からなる群より選択される軽鎖CDR1、配列番号192、149、69、85、101、133、5、21、37、53、および117からなる群より選択される軽鎖CDR2、ならびに配列番号193、178、70、86、102、134,150、164、6、22、38、54、および118からなる群より選択される軽鎖CDR3を含む抗体またはその抗原結合断片であって、hCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項8】
CDRH1に配列番号188、CDRH2に配列番号189、CDRH3に配列番号190;またはCDRH1に配列番号188、CDRH2に配列番号204、CDRH3に配列番号205;またはCDRH1に配列番号188、CDRH2に配列番号189、CDRH3に配列番号210;またはCDRH1に配列番号174、CDRH2に配列番号175、CDRH3に配列番号176;またはCDRH1に配列番号65、CDRH2に配列番号66、CDRH3に配列番号67;またはCDRH1に配列番号81、CDRH2に配列番号82、CDRH3に配列番号83;またはCDRH1に配列番号97、CDRH2に配列番号98、CDRH3に配列番号99;またはCDRH1に配列番号129、CDRH2に配列番号130、CDRH3に配列番号131;またはCDRH1に配列番号145、CDRH2に配列番号146、CDRH3に配列番号147;またはCDRH1に配列番号113、CDRH2に配列番号161、CDRH3に配列番号162;またはCDRH1に配列番号1、CDRH2に配列番号2、CDRH3に配列番号3;またはCDRH1に配列番号17、CDRH2に配列番号18、CDRH3に配列番号19;またはCDRH1に配列番号33、CDRH2に配列番号34、CDRH3に配列番号35;またはCHRH1に配列番号49、CHRH2に配列番号50、CDRH3に配列番号51;またはCDRH1に配列番号113、CDRH2に配列番号114、CDRH3に配列番号115を含む重鎖を含む、請求項6または7に記載の抗体。
【請求項9】
CDRL1に配列番号191、CDRL2に配列番号192、CDRL3に配列番号193;またはCDRL1に配列番号177、CDRL2に配列番号149、CDRL3に配列番号178;またはCDRL1に配列番号68、CDRL2に配列番号69、CDRL3に配列番号70;またはCDRL1に配列番号84、CDRL2に配列番号85、CDRL3に配列番号86;またはCDRL1に配列番号100、CDRL2に配列番号101、CDRL3に配列番号102;またはCDRL1に配列番号132、CDRL2に配列番号133、CDRL3に配列番号134;またはCDRL1に配列番号148、CDRL2に配列番号149、CDRL3に配列番号150;またはCDRL1に配列番号163、CDRL2に配列番号149およびCDRL3に配列番号164;またはCDRL1に配列番号4、CDRL2に配列番号5およびCDRL3に配列番号6;またはCDRL1に配列番号20、CDRL2に配列番号21、CDRL3に配列番号22;またはCDRL1に配列番号36、CDRL2に配列番号37、CDRL3に配列番号38;またはCDRL1に配列番号52、CDRL2に配列番号53、CDRL3に配列番号54;またはCDRL1に配列番号116、CDRL2に配列番号117、CDRL3に配列番号118を含む軽鎖を含む、請求項6〜8に記載の抗体。
【請求項10】
配列番号200、208、212、184、77、93、109、141、157、170、13、29、45、61、または125のうちのいずれか1つに対して少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含む、請求項の1〜9のうちのいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項11】
配列番号201、213、185、78、94、110、142、158、171、14、30、46、62、または126のうちのいずれか1つに対して少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む、請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項12】
前記抗体は、配列番号200、配列番号208、配列番号212、配列番号184、配列番号77、配列番号93、配列番号109、配列番号141、配列番号157、配列番号170、配列番号13、配列番号29、配列番号45、配列番号61、または配列番号125のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含み、前記抗体は、配列番号201、配列番号213、配列番号185、配列番号78、配列番号94、配列番号110、配列番号142、配列番号158、配列番号171、配列番号14、配列番号30、配列番号46、配列番号62、または配列番号126のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項13】
抗体またはその抗原結合断片であって、前記抗体は、配列番号200のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号201のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号200のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号213のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号208のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号201のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号208のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号213のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号212のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号201のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号212のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号213のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号184のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号185のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号77のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号93のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号94のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号109のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号110のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号141のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号142のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号157のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号158のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号170のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号171のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号13のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号14のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号29のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号45のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号46のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号62のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号125のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号126のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、hCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項14】
hCMV臨床分離株による内皮細胞、上皮細胞、網膜細胞、骨髄細胞、樹状細胞、線維芽細胞、または間葉系間質細胞の感染を中和する抗体またはその抗原結合断片であって、hCMVを90%中和するのに必要な抗体の濃度は、1.2μg/mL以下である、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項15】
hCMV臨床分離株による内皮細胞、上皮細胞、網膜細胞、骨髄細胞、樹状細胞、線維芽細胞、または間葉系間質細胞の感染を中和する抗体またはその抗原結合断片であって、hCMVを90%中和するのに必要な前記抗体の濃度は、10μg/mL以下であり、前記抗体は、MSL−109または8F9ではない、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項16】
前記抗体は、hCMVタンパク質gHもしくはgBのエピトープ、またはhCMVタンパク質gMおよびgNによって形成されるエピトープに結合する、請求項14または15のうちのいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項17】
配列番号216〜221、232〜235、149、236、246〜251、278〜283、296〜301、312、316〜321、332、336〜341、352、360、361、または262〜267のうちのいずれか1つに対して少なくとも95%の配列同一性を有する少なくとも1つのCDR配列を含む抗体またはその抗原結合断片であって、hCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項18】
配列番号216、232、246、278、296、316、336、352、360、および262からなる群より選択される重鎖CDR1と、配列番号217、233、247、279、297、312、317、337、および263からなる群より選択される重鎖CDR2と、配列番号218、234、248、280、298、318、332、338、および264からなる群より選択される重鎖CDR3と、を含む抗体またはその抗原結合断片であって、hCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項19】
配列番号219、235、249、281、299、319、339、および265からなる群より選択される軽鎖CDR1と、配列番号220、149、250、282、300、320、340、および266からなる群より選択される軽鎖CDR2と、配列番号221、236、251、283、301、321、341、361、および267からなる群より選択される軽鎖CDR3と、を含む抗体またはその抗原結合断片であって、hCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項20】
CDRH1に配列番号216、CDRH2に配列番号217、CDRH3に配列番号218;またはCDRH1に配列番号232、CDRH2に配列番号233、CDRH3に配列番号234;またはCDRH1に配列番号246、CDRH2に配列番号247、CDRH3に配列番号248;またはCDRH1に配列番号278、CDRH2に配列番号279、CDRH3に配列番号280;またはCDRH1に配列番号296、CDRH2に配列番号297、CDRH3に配列番号298;またはCDRH1に配列番号296、CDRH2に配列番号312、CDRH3に配列番号298;またはCDRH1に配列番号316、CDRH2に配列番号317、CDRH3に配列番号318;またはCDRH1に配列番号316、CDRH2に配列番号317、およびCDRH3に配列番号332;またはCDRH1に配列番号336、CDRH2に配列番号337、CDRH3に配列番号338;またはCDRH1に配列番号352、CDRH2に配列番号279、CDRH3に配列番号280;またはCDRH1に配列番号360、CDRH2に配列番号279、CDRH3に配列番号280;CDRH1に配列番号262、CDRH2に配列番号263、CDRH3に配列番号264を含む重鎖を含む、請求項18または19に記載の抗体。
【請求項21】
CDRL1に配列番号219、CDRL2に配列番号220、CDRL3に配列番号221;またはCDRL1に配列番号235、CDRL2に配列番号149、CDRL3に配列番号236;またはCDRL1に配列番号249、CDRL2に配列番号250、CDRL3に配列番号251;またはCDRL1に配列番号281、CDRL2に配列番号282、CDRL3に配列番号283;またはCDRL1に配列番号299、CDRL2に配列番号300、CDRL3に配列番号301;またはCDRL1に配列番号319、CDRL2に配列番号320、CDRL3に配列番号321;またはCDRL1に配列番号339、CDRL2に配列番号340、CDRL3に配列番号341;CDRL1に配列番号281、CDRL2に配列番号282、CDRL3に配列番号361;またはCDRL1に配列番号265、CDRL2に配列番号266、CDRL3に配列番号267を含む軽鎖を含む、請求項18〜20のうちのいずれか1項に記載の抗体。
【請求項22】
配列番号228、242、258、290、294、308、314、328、334、348、357、367、または274に対して少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含む、請求項14〜21のうちのいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項23】
配列番号229、243、259、291、309、329、349、368、または275に対して少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む、請求項14〜21のうちのいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項24】
前記抗体は、配列番号228、配列番号242、配列番号258、配列番号290、配列番号294、配列番号308、配列番号314、配列番号328、配列番号334、配列番号348、配列番号357、配列番号367、または配列番号274のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含み、前記抗体は、配列番号229、配列番号243、配列番号259、配列番号291、配列番号309、配列番号329、配列番号349、配列番号368、または配列番号275のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項14〜21のうちのいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項25】
抗体またはその抗原結合断片であって、前記抗体は、配列番号228のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号229のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号242のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号243のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号258のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号259のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号290のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号291のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号294のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号291のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号308のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号309のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号314のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号309のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号328のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号329のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号334のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号329のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号348のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号349のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号357のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号291のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号367のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号368のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または配列番号274のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号275のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、hCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項26】
ブダペスト条約の規定に基づき、Largo Rossana Benzi 10,16132 Genoa(Italy)所在のAdvanced Biotechnology Center(ABC)に、2008年7月9日付で寄託された不死化B細胞のクローン8I21、2C12、8C15、4N10、11B12、3G16、4H9、6B4、10C6、または6L3(各アクセッション番号PD08005、PD08007、PD08006、PD08009、PD08011、PD08012、PD08013、PD08004、PD08014、およびPD08010)、および2008年7月16日付で寄託された不死化B細胞のクローン7H3(アクセッション番号PD08017)から産生される、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項27】
前記抗体は、ヒト抗体、モノクローナル抗体、単鎖抗体、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、またはscFvである、上記請求項のうちのいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項28】
上記請求項のうちのいずれか1項に記載の抗体と同じエピトープに結合する抗体またはその抗原結合断片であって、hCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項29】
上記請求項のうちのいずれか1項に記載の抗体と交差競合する抗体またはその抗原結合断片であって、hCMV感染を中和する、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項30】
hCMV感染の治療のための、上記請求項のうちのいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項31】
上記請求項のうちのいずれか1項に記載の抗体または抗体断片をコードするポリヌクレオチドを含む、核酸分子。
【請求項32】
前記ポリヌクレオチド配列は、配列番号194〜199、206、207、211、202、209、214、203、215、179〜182,155,183、186、187、71〜76、79、80、87〜92、95、96、103〜108、111、112、135〜140、143、144、151〜156、159、160、165〜169、172、173、7〜12、15、16、23〜28、31、32、39〜44、47、48、55〜60、63、64、119〜124、127、128、222〜227、230、231、237〜241、244、245、252〜257、260、261、284〜289、292、293、295、302〜307、310、311、313、315、322〜327、330、331、333、335、342〜347、350、351、353〜356、358、359、362〜364、365、366、369、370、268〜273、276、または277のうちのいずれか1つと、少なくとも75%同一である、請求項31に記載の核酸分子。
【請求項33】
請求項1〜30のうちのいずれか1項に記載の抗体を発現する、細胞。
【請求項34】
請求項1〜30のうちのいずれか1項に記載の抗体に結合するエピトープを含む、単離または精製された免疫原性ポリペプチド。
【請求項35】
請求項1〜30のうちのいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、請求項31もしくは請求項32に記載の核酸、または請求項34に記載の免疫原性ポリペプチドと、薬学的に許容される希釈剤もしくは担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項36】
第1の抗体またはその抗原結合断片と、第2の抗体またはその抗原結合断片と、を含む医薬組成物であって、前記第1の抗体は、請求項1〜30のうちのいずれか1項に記載の抗体であり、前記第2の抗体はhCMV感染を中和する、医薬組成物。
【請求項37】
(i)hCMV感染の治療のための医薬の製造における、(ii)ワクチンにおける、または(iii)hCMV感染の診断における、請求項1〜30のうちのいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、請求項31もしくは請求項32に記載の核酸、請求項34に記載の免疫原性ポリペプチド、または請求項35もしくは請求項36に記載の医薬組成物の、使用。
【請求項38】
抗hCMVワクチンの抗原が正しい高次構造の特定のエピトープを含有していることを確認することにより、前記ワクチンの品質を監視するための、請求項1〜30のうちのいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片の使用。
【請求項39】
(i)治療における、(ii)hCMV感染の治療のための医薬の製造における、(iii)ワクチンとしての、または(iv)hCMV感染を中和することが可能なリガンドのスクリーニングにおける、使用のための、請求項1〜30のうちのいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片に特異的に結合するエピトープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−527902(P2011−527902A)
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518030(P2011−518030)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【国際出願番号】PCT/IB2009/006641
【国際公開番号】WO2010/007533
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(511012938)インスティテュート フォー リサーチ イン バイオメディシン (1)
【Fターム(参考)】