説明

ヒト人工染色体(HAC)ベクター

本発明は、ヒト人工染色体(HAC)ベクター及びその作製方法に関する。また本発明は、ヒト人工染色体ベクターを用いた外来DNAの導入方法及び外来DNA発現細胞の作製方法に関する。さらに本発明は、タンパク質の製造方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
長腕遠位及び/又は短腕遠位が削除されたヒト21番染色体断片又はヒト14番染色体断片を含むことを特徴とするヒト人工染色体ベクター。
【請求項2】
ヒト21番染色体断片又はヒト14番染色体断片が約2〜16Mbである、請求項1記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項3】
ヒト21番染色体の長腕遠位が21q11領域内で削除されている、請求項1又は2記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項4】
ヒト21番染色体の長腕遠位がAL163204において削除されている、請求項3記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項5】
ヒト21番染色体の短腕遠位が21p領域内で削除されている、請求項1又は2記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項6】
ヒト21番染色体の短腕遠位がAL163201において削除されている、請求項5記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項7】
ヒト14番染色体の長腕遠位が14q領域内において削除されている、請求項1又は2記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項8】
ヒト14番染色体の長腕遠位がAL157858又はAL512310において削除されている、請求項7記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項9】
ヒト14番染色体の短腕遠位が14p領域内において削除されている、請求項1又は2記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項10】
ヒト14番染色体の短腕遠位が、OR4H12、OR4Q4、RNR2、OR4L1、RNU6C、FDPSL3、K12T、C14orf57、OR6S1、M195、OR4K14、MGC27165、LCH、OR10G3、OR4K3、OR4E2、H1RNA、ATP5C2、OR11H6、及びOR4M1からなる群より選択される少なくとも1の位置において削除されている、請求項9記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項11】
ヒト21番染色体又はヒト14番染色体の長腕近位及び/又は短腕近位に部位特異的組換え酵素の認識部位が挿入されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項12】
部位特異的組換え酵素がCre酵素である、請求項11記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項13】
部位特異的組換え酵素の認識部位がloxP配列である、請求項11又は12記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項14】
部位特異的組換え酵素の認識部位がヒト21番染色体の長腕近位のAL163203に挿入されている、請求項11〜13のいずれか1項に記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項15】
部位特異的組換え酵素の認識部位がヒト14番染色体の長腕近位のAL157858又はAL512310の前記削除位置よりも近位に挿入されている、請求項11〜13のいずれか1項に記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項16】
部位特異的組換え酵素の認識部位がヒト14番染色体の短腕近位の14p12領域内の前記削除位置よりも近位に挿入されている、請求項11〜13のいずれか1項に記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項17】
長腕遠位及び/又は短腕遠位の削除が人工テロメア配列との置換によるものである、請求項1〜16のいずれか1項に記載のヒト人工染色体ベクター。
【請求項18】
ヒト人工染色体ベクターの作製方法であって、以下のステップ:
(a)ヒト21番染色体又はヒト14番染色体を保持する細胞を得るステップ;
(b)上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体の長腕遠位及び/又は短腕遠位を削除するステップ;並びに
(c)上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体の長腕近位及び/又は短腕近位に部位特異的組換え酵素の認識部位を挿入するステップ;
を含む、上記作製方法。
【請求項19】
ステップ(a)において、ヒト21番染色体又はヒト14番染色体を保持する細胞が相同組換え効率の高いものである、請求項18記載の作製方法。
【請求項20】
相同組換え効率の高い細胞がニワトリDT40細胞由来のものである、請求項19記載の作製方法。
【請求項21】
ステップ(b)において、ヒト21番染色体又はヒト14番染色体の長腕遠位及び/又は短腕遠位の削除を人工テロメア配列との置換により行うものである、請求項18〜20のいずれか1項に記載の作製方法。
【請求項22】
ステップ(b)において、ヒト21番染色体の長腕遠位をAL163204において削除する、請求項18〜21のいずれか1項に記載の作製方法。
【請求項23】
ステップ(b)において、ヒト21番染色体の短腕遠位をAL163201において削除する、請求項18〜21のいずれか1項に記載の作製方法。
【請求項24】
ステップ(b)において、ヒト14番染色体の長腕遠位をAL157858又はAL512310において削除する、請求項18〜21のいずれか1項に記載の作製方法。
【請求項25】
ステップ(b)において、ヒト14番染色体の短腕遠位を、OR4H12、OR4Q4、RNR2、OR4L1、RNU6C、FDPSL3、K12T、C14orf57、OR6S1、M195、OR4K14、MGC27165、LCH、OR10G3、OR4K3、OR4E2、H1RNA、ATP5C2、OR11H6、及びOR4M1からなる群より選択される少なくとも1の位置において削除する、請求項18〜21のいずれか1項に記載の作製方法。
【請求項26】
ステップ(c)において、部位特異的組換え酵素がCre酵素である、請求項18〜25のいずれか1項に記載の作製方法。
【請求項27】
ステップ(c)において、部位特異的組換え酵素の認識部位がloxP配列である、請求項18〜26のいずれか1項に記載の作製方法。
【請求項28】
部位特異的組換え酵素の認識部位をヒト21番染色体の長腕近位のAL163203に挿入する、請求項18〜27のいずれか1項に記載の作製方法。
【請求項29】
部位特異的組換え酵素の認識部位をヒト14番染色体の長腕近位のAL157858又はAL512310の前記削除位置よりも近位に挿入する、請求項18〜27のいずれか1項に記載の作製方法。
【請求項30】
部位特異的組換え酵素の認識部位をヒト14番染色体の短腕近位の14p12領域内の前記削除位置よりも近位に挿入する、請求項18〜27のいずれか1項に記載の作製方法。
【請求項31】
請求項18〜30のいずれか1項に記載の作製方法により得られる、ヒト人工染色体ベクター。
【請求項32】
請求項31記載のヒト人工染色体ベクターを保持する細胞。
【請求項33】
請求項18〜30のいずれか1項に記載された作製方法において、以下のステップ:
(d)部位特異的組換え酵素の存在下にてヒト21番染色体又はヒト14番染色体に外来DNAを挿入するステップ;
をさらに含むことを特徴とする、外来DNAを含むヒト人工染色体ベクターの作製方法。
【請求項34】
請求項33記載の作製方法により得られる、外来DNAを含むヒト人工染色体ベクター。
【請求項35】
請求項34記載の外来DNAを含むヒト人工染色体ベクターを保持する細胞。
【請求項36】
請求項35記載の細胞を含む医薬組成物。
【請求項37】
外来DNAを受容細胞に導入する方法であって、以下のステップ:
(a)ヒト21番染色体又はヒト14番染色体を保持する供与細胞を得るステップ;
(b)上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体の長腕遠位及び/又は短腕遠位を削除するステップ;
(c)上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体の長腕近位及び/又は短腕近位に部位特異的組換え酵素の認識部位を挿入するステップ;
(d)部位特異的組換え酵素の存在下にて上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体に外来DNAを挿入するステップ;
(e)上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体を保持する供与細胞からミクロセルを調製するステップ;
(f)上記ミクロセルと受容細胞とを融合するステップ;並びに
(g)融合した受容細胞において外来DNAの導入を確認するステップ;
を含む、上記導入方法。
【請求項38】
受容細胞が動物細胞である、請求項37記載の導入方法。
【請求項39】
動物細胞が哺乳動物細胞である、請求項38記載の導入方法。
【請求項40】
受容細胞が多分化能を有する細胞である、請求項37〜39のいずれか1項に記載の導入方法。
【請求項41】
多分化能を有する細胞が胚性幹細胞(ES細胞)又は間葉系幹細胞若しくは組織幹/前駆細胞である、請求項40記載の導入方法。
【請求項42】
外来DNAを発現する細胞の作製方法であって、以下のステップ:
(a)ヒト21番染色体又はヒト14番染色体を保持する供与細胞を得るステップ;
(b)上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体の長腕遠位及び/又は短腕遠位を削除するステップ;
(c)上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体の長腕近位及び/又は短腕近位に部位特異的組換え酵素の認識部位を挿入するステップ;
(d)部位特異的組換え酵素の発現下にて上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体に外来DNAを挿入するステップ;
(e)上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体を保持する供与細胞からミクロセルを調製するステップ;
(f)上記ミクロセルと受容細胞とを融合するステップ;並びに
(g)融合した受容細胞において外来DNAを発現する細胞を選択するステップ;
を含む、上記作製方法。
【請求項43】
受容細胞が動物細胞である、請求項42記載の導入方法。
【請求項44】
動物細胞が哺乳動物細胞である、請求項43記載の導入方法。
【請求項45】
受容細胞が多分化能を有する細胞である、請求項42〜44のいずれか1項に記載の導入方法。
【請求項46】
多分化能を有する細胞が胚性幹細胞(ES細胞)又は間葉系幹細胞若しくは組織幹/前駆細胞である、請求項40記載の導入方法。
【請求項47】
タンパク質の製造方法であって、以下のステップ:
(a)ヒト21番染色体又はヒト14番染色体を保持する供与細胞を得るステップ;
(b)上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体の長腕遠位及び/又は短腕遠位を削除するステップ;
(c)上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体の長腕近位及び/又は短腕近位に部位特異的組換え酵素の認識部位を挿入するステップ;
(d)部位特異的組換え酵素の発現下にて上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体にタンパク質をコードする外来DNAを挿入するステップ;
(e)上記ヒト21番染色体又はヒト14番染色体を保持する供与細胞からミクロセルを調製するステップ;
(f)上記ミクロセルと受容細胞とを融合するステップ;
(g)融合した受容細胞を培地中で培養するステップ;並びに
(h)得られる培養物から上記タンパク質を採取するステップ;
を含む、上記製造方法。
【請求項48】
タンパク質が、エリスロポイエチン(EPO)、トロンボポイエチン(TPO)、血液凝固因子、フォンヴィルブランド因子(vWF)、ジストロフィン、ドーパミン合成酵素、インスリン、インスリン様増殖因子(IGF)、インスリン様増殖因子結合タンパク質(IGFBP)、抗体、テロメラーゼ、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子、免疫グロブリン、成長ホルモン、インターロイキン2、インターロイキン3、インターロイキン4、インターロイキン5、インターロイキン6、インターロイキン7、インターロイキン8、インターロイキン9、インターロイキン10、インターロイキン11、インターロイキン12、インターロイキン15、CD40リガンド、インターフェロン、アデノシンデアミナーゼ、α−1アンチトリプシン、オルニチントランスカルバミラーゼ、プリンヌクレオチドホスホリラーゼ、成長抑制因子(GIF)、腫瘍壊死因子(TNF)、白血病阻害因子(LIF)、オンコスタチンM、Flt3リガンド(Flt3L)、ストローマ由来因子(SDF)、幹細胞増殖因子(SCF)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)、上皮増殖因子(EGF)、血管形成誘導因子(VEGF)、アンジオポイエチン、神経成長因子(NGF)、骨形成因子(BMP)、アクチビン、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、ウイント(Wnt)からなる群より選択されるものである、請求項47記載の製造方法。

【国際公開番号】WO2004/031385
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【発行日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−541291(P2004−541291)
【国際出願番号】PCT/JP2003/012734
【国際出願日】平成15年10月3日(2003.10.3)
【出願人】(000253503)麒麟麦酒株式会社 (247)
【Fターム(参考)】