ヒト心筋トロポニンIに特異的に結合するDNAアプタマー
【課題】ヒト心筋トロポニンI(human cardiac troponin I)に特異的に結合するDNAアプタマー、これを含む急性心血管疾患診断用組成物および診断キットを提供する
【解決手段】ヒト心筋トロポニンI(human cardiac troponin I)に特異的に結合するDNAアプタマー、これを含む急性心血管疾患診断用組成物および診断キットに関する。本発明のヒト心筋トロポニンI(human cardiac troponin I)に特異的に結合するDNAアプタマーは、既存に使用される抗体より特異性および安定性に優れるために、これを用いてヒト心筋トロポニンIの濃度を敏感で正確に測定できるバイオセンサーを開発すれば、急性心血管疾患診断の早期診断により効果的に応用することができ、診断正確性を増加するのに役立てると期待される。
【解決手段】ヒト心筋トロポニンI(human cardiac troponin I)に特異的に結合するDNAアプタマー、これを含む急性心血管疾患診断用組成物および診断キットに関する。本発明のヒト心筋トロポニンI(human cardiac troponin I)に特異的に結合するDNAアプタマーは、既存に使用される抗体より特異性および安定性に優れるために、これを用いてヒト心筋トロポニンIの濃度を敏感で正確に測定できるバイオセンサーを開発すれば、急性心血管疾患診断の早期診断により効果的に応用することができ、診断正確性を増加するのに役立てると期待される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト心筋トロポニンI(human cardiac troponin I)に特異的に結合するDNAアプタマー、これを含む急性心血管疾患診断用組成物および診断キットに関する。
【背景技術】
【0002】
トロポニン(troponin)は、Troponin I、Troponin T、Troponin Cの3つの小単位から構成されており、アクチンフィラメント上のトロポミオシンとの結合によって筋細胞の収縮と弛緩を調節するタンパク質複合体である。この複合体は細胞質内のCa2+水準が増加すると、Ca2+とTroponin Cとの結合によって構造的な変化を起こし、これによりアクチンとミオシンとの結合部位を作って筋肉の収縮を起こす役目をしている。このような現象は、骨格筋と心筋の両方ともに作用し、特に心筋に作用するTroponin I、Troponin Tは骨格筋に発現するものとはアミノ酸の長さが異なって区分される。
【0003】
また、心筋トロポニンI(cadiac troponin I)の場合、急性心血管疾患でその発現量が急激に増加するものと知られており、このようなタンパク質の検出は急性心血管疾患の初期診断において非常に重要である。
【0004】
一方、アプタマーは、特定の物質に対して高い特異性と親和度を持つ1本鎖DNA(ssDNA)またはRNAである。アプタマーは、特定の物質に対する親和度が非常に高く、安定性があるため、最近多く開発されており、これを用いた治療剤および診断用センサーへの応用が盛んに行われている。
【0005】
アプタマーの合成は比較的単純な方法で可能である。細胞、タンパク質および小さい有機物質までも標的物質になれるため、これを用いた新規検出方法の開発が可能であり、既に開発されている抗体に比べてその特性および安定性が非常に高いため、治療剤の開発、並びに薬物伝達システムおよび診断用バイオセンサーへの応用が可能である。
【0006】
既に開発されている抗体を用いた方法は、生体の免疫システムを利用する方式なので、比較的多くの時間および高い費用がかかるという欠点がある。また、タンパク質であるから、その安定性がアプタマーに比べて低下するという欠点があるので、高感度センサーの開発に制約がある。
【0007】
トロポニンI検出システムにおいても抗体を用いた方法が開発されているが、前述した理由により多くの制約があるので、急性心血管疾患の初期診断のためにはより安定かつ低コストの検出システムが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ヒト心筋トロポニンI(human cardiac troponin I)に特異的に結合するDNAアプタマー、これを含む急性心血管疾患診断用組成物および診断キットを提供することを目的とする。
【0009】
ところが、本発明が解決しようとする技術的課題は前述した課題に限定されず、言及されていない他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、ヒト心筋トロポニンI(human cardiac troponin I)に特異的に結合するDNAアプタマーであって、前記DNAアプタマーは配列番号1〜配列番号6のいずれか一つの塩基配列を有することを特徴とする、DNAアプタマーが提供される。
【0011】
さらに、本発明によれば、前記ヒト心筋トロポニンIに特異的に結合するDNAアプタマーを含む急性心血管疾患診断用組成物が提供される。
【0012】
また、本発明は、前記ヒト心筋トロポニンIに特異的に結合するDNAアプタマーを用いることを特徴とする、急性心血管疾患診断キットを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のヒト心筋トロポニンIに特異的に結合するDNAアプタマーは、既存の急性心血管疾患診断用抗体より特異性および安定性に優れるという利点を持っている。また、本発明のアプタマーを用いてヒト心筋トロポニンIの濃度を敏感かつ正確に測定することが可能なバイオセンサーを開発すると、急性心血管疾患診断の早期診断にさらに効果的に応用することができ、診断の正確性を増加させるのに大きく役立つものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】Troponin Iタンパク質の発現をSDS−PAGEで確認した結果である。
【図2】Troponin複合体の発現をSDS−PAGEで確認した結果をである。
【図3】Troponin Iタンパク質を分離した後、ゲル濾過(superdex75カラム)によって精製した結果である。
【図4】Troponin複合体タンパク質を分離した後、ゲル濾過(superdex75カラム)によって精製した結果である。
【図5】Troponin Iに特異的なアプタマー選別段階によってUV分光光度計を用いてssDNAとTroponin Iとの結合程度を測定した結果を示すグラフである。
【図6】配列番号1および配列番号2で示されるHuman cardiac Troponin Iに特異的に結合するDNAアプタマーの2次構造を示す。
【図7】配列番号3および配列番号4で示されるHuman cardiac Troponin Iに特異的に結合するDNAアプタマーの2次構造を示す。
【図8】配列番号5および配列番号6で示されるHuman cardiac Troponin Iに特異的に結合するDNAアプタマーの2次構造を示す
【図9】トロポニンIタンパク質と配列番号1で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図10】トロポニンIタンパク質と配列番号2で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図11】トロポニンIタンパク質と配列番号3で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図12】トロポニンIタンパク質と配列番号4で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図13】トロポニンIタンパク質と配列番号5で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図14】トロポニンIタンパク質と配列番号6で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図15】トロポニンIタンパク質と抗体との結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図16】トロポニン複合体タンパク質と配列番号1で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図17】トロポニン複合体タンパク質と配列番号2で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図18】トロポニン複合体タンパク質と配列番号3で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図19】トロポニン複合体タンパク質と配列番号4で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図20】トロポニン複合体タンパク質と配列番号5で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図21】トロポニン複合体タンパク質と配列番号6で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明者は、心筋トロポニンIに対する抗体に代えることが可能なアプタマーを開発するために、ヒト心筋トロポニンIをバクテリア発現システムで発現および精製し、これを用いてSELEX(Systematic Evolution of Ligands of Exponential enrichment)技法を用いてアプタマーを選別し、DNAアプタマーの配列および構造を確立することにより、本発明を完成するに至った。
【0016】
具体的に、本発明は、ヒト心筋トロポニンIに特異的に結合するDNAアプタマーであって、前記DNAアプタマーは配列番号1〜配列番号6のいずれか一つの塩基配列を有することを特徴とするDNAアプタマーを提供する。
【0017】
また、本発明は、前記DNAアプタマーを含む急性心血管疾患診断用組成物および診断キットを提供する。
【0018】
本発明の組成物は、前記DNAアプタマー以外に、薬理学的または生理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤をさらに含んでもよい。
【0019】
このような組成物に含まれ得る適切な担体、賦形剤および希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルギン酸塩、ゼラチン、リン酸カルシウム、珪酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、非結質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱物油などを挙げることができる。前記組成物は、薬剤化する場合、通常の充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、防腐剤などをさらに含んでもよい。
【0020】
以下、本発明の理解を助けるために好適な実施例を提示する。ところが、下記の実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、本発明の内容を限定するものではない。
【実施例】
【0021】
実施例1:Troponin I、Troponin T、Troponin C遺伝子のクローニング
ヒト心筋トロポニンI、トロポニンT、トロポニンC(human cardiac troponin I, troponin T, troponin C)に対する遺伝子を増幅するために、トロポニンIの場合、BamHI制限酵素認識配列を含む5'プライマー(GGATCC ATG GCG GAT GGG AGC AG)、およびHindIII制限酵素認識配列を含む3'プライマー(AAGCTT TCA AAA CTT TTT CTT GCG G)を使用した。また、トロポニンTの場合は、EcoRI制限酵素認識配列を含む5'プライマー(GAATTC ATG TCT GAC ATA GAA GAG GTG GTG)とXhoI制限酵素認識配列を含む3'プライマー(CTCGAG CTA TTT CCA GCG CCC GGT)を使用し、トロポニンCの場合は、トロポニンTと同様の制限酵素を用いて5'プライマー(GAATTC ATG GAT GAC ATC TAC AAG GCT GC)と3'プライマー(CTCGAG CTA CTC CAC ACC CTT CAT GAA CTC)を使用した。
【0022】
遺伝子増幅のための鋳型(template)として、HEK293細胞から得たcDNAを使用し、i−pfu重合酵素(polymerase)を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR、polymerase chain reaction)過程によって増幅した。ポリメラーゼ連鎖反応の各段階は次のとおりである:1)鋳型の二本鎖DNAを解離させる段階(95℃で1分)、2)鋳型とプライマーとが結合する段階(58℃で30秒)、および3)新しい鎖を合成する段階(72℃で1分)。これらの1)〜3)段階を1サイクルとし、30サイクル繰り返し行った。
【0023】
増幅されたヒト心筋トロポニンI、トロポニンC(human cardiac troponin I, troponin C)遺伝子は、制限酵素切断反応およびDNAライゲーション(ligation)反応によって、(His)6−tagの含まれたpET28aベクターにクローニングし、トロポニンTの場合は、pET21aベクターにクローニングした。また、トロポニンIとトロポニンCはE.coli BL21(DE3)細胞に形質転換し、トロポニンTはトロポニンIと共同発現のために2つのクローニングされた遺伝子をE.coli BL21−CodonPlus(DE3)−RIG細胞に共に形質転換した。
【0024】
実施例2:Troponin Iタンパク質の発現
ヒト心筋トロポニンI遺伝子が形質転換されたE.coli BL21(DE3)細胞は、LB(Luria Bertani)培地で培養するが、UV600nmで光学密度(OD、optical density)値が0.6に到達するまで37℃で培養した。その後、タンパク質の発現を誘導するために、最終濃度が0.2mMとなるようにIPTG(isopropyl−thio−β−D−galactopyranoside)を添加した後、18℃で16時間培養した。タンパク質の発現はSDS−PAGE (sodium−dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresis)で確認した。細胞は遠心分離機で培地と分離させた後、PBS(10mM リン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH7.4)バッファで1回洗浄した。発現させたTroponin Iタンパク質をSDS−PAGEで確認した結果を図1に示した。
【0025】
図1に示したSDS−PAGEゲルにおいて、1番目のレーン(M)はマーカータンパク質のサイズを示し、2番目のレーン(bf)はIPTGを用いて発現を誘導する前の状態を示す。3番目および4番目のレーン(af)に示すように、IPTGを入れた後、約28KDのサイズでTroponin Iタンパク質が発現したことを確認することができた。
【0026】
実施例3:Troponin複合体の発現
ヒト心筋トロポニンT、トロポニンI(human cardiac troponin T, troponin I)遺伝子が共に形質転換されたE.coli BL21−CodonPlus(DE3)−RIG細胞、およびトロポニンC遺伝子が形質転換されたE.coli BL21(DE3)は、トロポニンIの発現と同様にLB(Luria Bertani)培地で培養するが、UV60nmで光学密度(OD、optical density)値が0.6に達するまで37℃で培養した。その後、タンパク質の発現を誘導するために、IPTG(isopropyl−thio−β−D−galactopyranoside)を最終濃度が0.2mMとなるように添加した後、18℃で16時間培養した。タンパク質の発現はSDS−PAGE(sodium dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresis)で確認した。細胞は遠心分離機で培地と分離させた後、PBS(10mM リン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH7.4)バッファで1回洗浄した。発現させたトロポニンT、トロポニンI、トロポニンCタンパク質をSDS−PAGEで確認した結果を図2に示した。
【0027】
図2に示したSDS PAGEゲルにおいて、1番目のレーン(M)はマーカー(marker)タンパク質のサイズを示し、2番目のレーン(bf)はIPTGを用いて発現を誘導する前の状態を示す。3番目のレーン(af)に示すように、IPTGを入れた後、それぞれのサイズでトロポニンI、トロポニンT、トロポニンCタンパク質が発現したことを確認することができた。
【0028】
実施例4:Troponin Iタンパク質の精製
バクテリア細胞E.coli BL21(DE3)で発現したヒト心筋トロポニンIタンパク質を高純度で精製するために、細胞溶菌バッファ(lysis buffer)(20mM Tris、500mM NaCl、0.5mM β−メルカプトエタノール、3%グリセロール、0.01% tween20、pH8.0)に細胞を溶かした後、ソニケーター(sonicator)を用いて10分間超音波粉砕することにより、細胞を破壊した。水溶液状のタンパク質と細胞を分離するために、15000rpmで30分間遠心分離した。
【0029】
また、高純度のタンパク質を得るために、Ni−NTA(Ni−Nitrilotriacetic acid)と(His)6−tagアミノ酸が結合する特性を利用した。具体的に、FPLC(Fast protein liquid chromatography)にNi−NTAカラムを連結し、水溶液状のcardiac troponin Iをカラムに流すことにより結合させた。Ni−NTAカラムに結合したタンパク質の(His)6−tagはイミダゾール(immidazole)の化合物と競争的に結合するから、標的タンパク質をカラムで分離させるために溶出バッファ(elution buffer)(20mM Tris、500mM NaCl、0.5mM β−メルカプトエタノール、3%グリセロール、0.01% tween20、300mM イミダゾール、pH8.0)を順次流すことにより、cardiac troponin Iを高純度で分離することができた。
【0030】
分離されたタンパク質からさらに純度の高いタンパク質を得るために、タンパク質を大きさによって分離するカラムとしてのsuperdex75カラムをFPLCに連結した後、大きさによってタンパク質をもう1回分離した。バッファ中に含まれたイミダゾールを除去するために、最終バッファ(20mM Tris、300mM NaCl、0.5mM β−メルカプトエタノール、3%グリセロール、0.01% tween 20、pH8.0)を用いて分離精製し、その結果を図3に示した。
【0031】
図3のSDS PAGEゲルにおいて、1番目のレーンはタンパク質の大きさを示し、2番目のレーンは精製過程を全て済ませた後のタンパク質の状態を示す。精製過程を済ませた後、高純度のTroponin Iをサイズ25KDaで確認した。
【0032】
実施例5:Troponin complex(Troponin T、C、I)の精製
トロポニンT、トロポニンI、トロポニンCの複合体タンパク質を高純度で精製するために、トロポニンT、トロポニンIが発現された細胞を溶菌バッファ(lysis buffer)(20mM Tris、500mM NaCl、0.5mM β−メルカプトエタノール、5%グリセロール、pH8.0)に細胞を溶かした後、超音波粉砕機(sonicator)を用いて細胞を破壊し、遠心分離を介して水溶液状のタンパク質を分離した。
また、トロポニンIの精製過程と同様に、Ni−NTA(Ni−Nitrilotriacetic acid)と(His)6−tagアミノ酸とが結合する特性を利用した。具体的に、FPLC(Fast protein liquid chromatography)にNi−NTAカラムを連結し、水溶液状のトロポニンT、トロポニンIをカラムに流すことにより結合させた。標的タンパク質をカラムで分離させるために、溶出バッファ(elution buffer)(20mM Tris、500mM NaCl、0.5mM β−メルカプトエタノール、5%グリセロール、300mM イミダゾール、pH8.0)を、順次濃度を上げながらカラムに流すことにより、トロポニンI、トロポニンTを分離することができた。
【0033】
トロポニンI、トロポニンTの(His)6−tagをTEV(Tobacco Etch Virus) proteaseで処理して除去した。具体的に、(His)6−tagの後ろにあるTEV proteaseを認識し、切断する反応のために、TEV proteaseとタンパク質を20℃で6時間反応させた。
【0034】
TEV proteaseによって(His)6−tagが除去されたトロポニンI、トロポニンTは、G−25カラムを用いて溶出バッファにあるイミダゾールを除去した後、さらにNi−NTAカラムに流すことにより、タンパク質から離れた(His)6−tagと分離して純粋なトロポニンI、トロポニンTのみを得ることができた。
【0035】
また、トロポニンCの場合は、上述したようにNi−NTAカラムを介して(His)6−tagが含まれた状態で精製し、G−25カラムを介してイミダゾールを除去した。
【0036】
トロポニン複合体状態のタンパク質を得るために、前記精製された(His)6−tagが含まれたトロポニンCをNi−NTAに結合させた後、カラムにトロポニンI、トロポニンTタンパク質をカラムに流してカラム上で複合体を形成するように誘導した。結合しない余剰のトロポニンI、トロポニンTタンパク質はそのままカラムを通過した。トロポニン複合体が形成された状態のタンパク質はカラムで溶出バッファを用いて得ることができた。
【0037】
トロポニン複合体からさらに純度の高いタンパク質を得るために、タンパク質をサイズによって分離するSuperdex 200HLカラムをFPLCに連結した後、サイズによってタンパク質をもう1回分離した。バッファ中に含まれたイミダゾール(imidazole)を除去するために、最終バッファ(final buffer)(20mM Tris、300mM NaCl、0.5mM β−メルカプトエタノール、5%グリセロール、pH8.0)を用いて分離精製し、その結果を図4に示した。
【0038】
図4のSDS−PAGEゲルにおいて、1番目のレーンはタンパク質のサイズを示し、2番目のレーンは精製過程を全て済ませた後のタンパク質の状態を示す。
【0039】
実施例6:SELEXを用いたTroponin Iタンパク質に対するアプタマーの探索
【0040】
<6−1>ssDNA(single strand DNA)ライブラリーの製造
両末端にPCR増幅およびクローニングのためのプライマーの結合配列を有し、中央に40個のランダムDNA塩基配列を含む90個の配列を有する合成されたライブラリー(5'−CACCTAATACGACTCACTATAGCGGATCCGA−N40−CTGGCTCGAACAAGCTTGC−3')を設計した。
【0041】
また、PCR増幅およびssDNA生成のために、5'プライマー(5'−CACCTAATACGACTCACTATAGCGGA−3')、3'プライマー(5'−GCAAGCTTGTTCGAGCCAG−3')、およびビオチンが結合した3'プライマー(5'−Biotin−GCAAGCTTGTTCGAGCCAG−3')を使用した。本発明で使用された全てのオリゴヌクレオチドはバイオニック社(韓国)で合成およびPAGE精製した。
【0042】
<6−2>human cardiac Troponin IのNi−NTA磁性ビーズ(magnetic bead)への固定化
精製されたヒト心筋トロポニンIは、表面にコバルトでコートされており、タンパク質のHis−tagと結合する磁性ビーズとしてのDynalbead(invitrogen、ノルウェー)を用いてビーズに固定した。
【0043】
具体的に、タンパク質結合バッファ(20mM Tris、300mM NaCl、3%グリセロール、0.01% tween20、5mM MgCl、pH8.0)150μLに溶けているタンパク質150pmoleと20μLのビーズを外部磁石を用いて結合バッファで洗浄した後、1時間室温で反応してビーズに固定化させた。
【0044】
<6−3>human cardiac troponin Iに特異的なアプタマーの選別
ヒト心筋トロポニンIに特異的なアプタマーを選別するために、磁性を用いた特異的分離方法を行った。
【0045】
まず、ssDNAの最も安定な構造形成のために、100μLの結合バッファに溶けているssDNAライブラリー(1nmole)を90℃で3分間培養した後、4℃で1時間全培養した。その後、先立って磁性ビーズ(magnetic bead)に固定化されたTroponin Iタンパク質と混合して共に弱く振盪しながら1時間反応させた。次いで、ビーズに結合したTroponin Iタンパク質と結合しないssDNAを除去するために、結合バッファでビーズを2回洗浄した。
【0046】
その後、磁性ビーズによってタンパク質と結合したssDNAを分離するために、溶出バッファ(20mM Tris、300mM NaCl、3%グリセロール、0.01% tween20、5mM MgCl2、300mM イミダゾール、pH8.0)を用いてタンパク質およびタンパク質に結合したssDNAを溶出させた。溶出したssDNAはエタノールを用いて沈澱させた後、100μLの蒸留水に溶解した後、5'プライマー、ビオチンが結合した3'プライマー、およびi−pfu重合酵素(イントロンバイオテクノロジー、韓国)を用いてPCRによって増幅させた。その後、選別過程のためのssDNAを生成するために、ビオチンが結合したPCR産物をビオチンと結合するストレプトアビジンがコートされた磁性ビーズと共にカップリングバッファ(5mM Tris−HCl、5mM EDTA、1M NaCl、0.01%)条件で1時間培養した。培養の後、ssDNAのみを分離するために、100μLの100mM NaOHと5分間培養し、外部磁石を用いて選別されたssDNAを得ることができた。
【0047】
一番目に選別されたssDNAを用いて反復的に選別した。この際、厳しい選別のためにssDNAの量およびTroponin Iの濃度を漸次減少させながら行った。反復選別で溶出したssDNAに対してUV分光光度計(UVスペクトロメーター、Biochrom Libra S22 spectrometer)で濃度を測定し、残っているssDNAのTroponin Iとの結合程度を確認しながら、選別過程を行った。その結果(%)を図5に示した。
【0048】
具体的に、図5はアプタマーの選別過程で磁性ビーズに固定化されたタンパク質と結合するアプタマーの結合程度を示す。すなわち、入れたアプタマーの濃度による結合したアプタマーの濃度を計算し、これをパーセント(%)化した。図5から分かるように、各選別過程で順次結合するアプタマーDNAが増加することを確認した。
【0049】
<6−4>アプタマーの配列および構造分析
12番目の反復選別されたssDNAは、変形していない5'プライマーと3'プライマーを用いてPCR過程によって増幅させ、pENTR/TOPOベクター(TOPO TA Cloning kit、Invitrogen、米国)にクローニングした後、E.coli TOP10細胞(Invitrogen、米国)に形質転換させた。ssDNAの挿入されたクローンをminiprepキット(GeneAll、韓国)を用いて精製した後、塩基配列を分析(COSMO Genetech、韓国)した。その結果、下記表1に示すように、配列番号1〜配列番号6で示されるssNA配列を分析することができた。
【0050】
また、選別されたssDNAの構造的類似性を分析するために、Mfoldプログラム(http://mfold.bioinfo.rpi.edu/cgi-bin/dna-form1.cgi)を用いて2次構造を分析することができ、図6〜図8に示すように、連続的なT、C配列の反復によるstem−loop構造を共通的に含んでいることが分かった。
【0051】
【表1】
【0052】
実施例7:SPR(Surface Plasmon Resonance)を用いたタンパク質とアプタマーとの結合力の測定
SPR(Surface Plasmon Resonance)は、金などの金属で現れる光−電子効果として、特定波長の光が金属に照射されると、大部分の光エネルギーが自由電子に転移される共鳴現象が起こる。その結果として、表面波が生ずるときに現れる現象をSPRといい、金属と接合された試料の表面における物質組成の変化によって共鳴波長の移動を観察することにより、その結合力を測定することができる。Troponin I、Troponin複合体と結合するアプタマーとの結合力を測定するために、Ni−NTA(Ni−Nitrilotriacetic acid)がコートされている表面チップ(Biacore AB、スウェーデン)を用いてSPRを測定することにより、その結合力を確認した。
【0053】
Ni−NTAチップにTroponin Iタンパク質(200nM)を流し、結合したタンパク質にそれぞれのアプタマーDNAを結合させた。ここで、アプタマーDNAは25nM、50nM、100nM、200nM濃度で実験した。アプタマーの効率性を立証するために、市販の抗体(abcam、英国)とcardiac Troponin Iとの結合力を前記と同様の方法で測定した結果、Kd値が20.1nMであって、本発明のアプタマーKd値がさらに低いことを確認した。
【0054】
前記SPR結果およびKd値を下記の図9〜図15および下記表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】
前記と同様の方法でトロポニン複合体とアプタマーが結合するか否かとその結合力を測定した。ここで、アプタマーDNAは25nM、50nM、100nM、200nM濃度で実験した。その結果、トロポニン複合体の場合も、トロポニンIアプタマーと効果的に結合することを確認したと共に、Kd値がトロポニンIのみ結合するのと同様又はそれよりやや高く示されることを確認した。
【0057】
前記SPR結果およびKd値を下記の図16〜図21および下記表3に示した。
【0058】
【表3】
【0059】
前述した本発明の説明は例示のためのもので、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想または必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変更し得ることを理解することができるであろう。よって、上述した実施例はすべての面で例示的なもので、限定的なものではないと理解すべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト心筋トロポニンI(human cardiac troponin I)に特異的に結合するDNAアプタマー、これを含む急性心血管疾患診断用組成物および診断キットに関する。
【背景技術】
【0002】
トロポニン(troponin)は、Troponin I、Troponin T、Troponin Cの3つの小単位から構成されており、アクチンフィラメント上のトロポミオシンとの結合によって筋細胞の収縮と弛緩を調節するタンパク質複合体である。この複合体は細胞質内のCa2+水準が増加すると、Ca2+とTroponin Cとの結合によって構造的な変化を起こし、これによりアクチンとミオシンとの結合部位を作って筋肉の収縮を起こす役目をしている。このような現象は、骨格筋と心筋の両方ともに作用し、特に心筋に作用するTroponin I、Troponin Tは骨格筋に発現するものとはアミノ酸の長さが異なって区分される。
【0003】
また、心筋トロポニンI(cadiac troponin I)の場合、急性心血管疾患でその発現量が急激に増加するものと知られており、このようなタンパク質の検出は急性心血管疾患の初期診断において非常に重要である。
【0004】
一方、アプタマーは、特定の物質に対して高い特異性と親和度を持つ1本鎖DNA(ssDNA)またはRNAである。アプタマーは、特定の物質に対する親和度が非常に高く、安定性があるため、最近多く開発されており、これを用いた治療剤および診断用センサーへの応用が盛んに行われている。
【0005】
アプタマーの合成は比較的単純な方法で可能である。細胞、タンパク質および小さい有機物質までも標的物質になれるため、これを用いた新規検出方法の開発が可能であり、既に開発されている抗体に比べてその特性および安定性が非常に高いため、治療剤の開発、並びに薬物伝達システムおよび診断用バイオセンサーへの応用が可能である。
【0006】
既に開発されている抗体を用いた方法は、生体の免疫システムを利用する方式なので、比較的多くの時間および高い費用がかかるという欠点がある。また、タンパク質であるから、その安定性がアプタマーに比べて低下するという欠点があるので、高感度センサーの開発に制約がある。
【0007】
トロポニンI検出システムにおいても抗体を用いた方法が開発されているが、前述した理由により多くの制約があるので、急性心血管疾患の初期診断のためにはより安定かつ低コストの検出システムが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ヒト心筋トロポニンI(human cardiac troponin I)に特異的に結合するDNAアプタマー、これを含む急性心血管疾患診断用組成物および診断キットを提供することを目的とする。
【0009】
ところが、本発明が解決しようとする技術的課題は前述した課題に限定されず、言及されていない他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、ヒト心筋トロポニンI(human cardiac troponin I)に特異的に結合するDNAアプタマーであって、前記DNAアプタマーは配列番号1〜配列番号6のいずれか一つの塩基配列を有することを特徴とする、DNAアプタマーが提供される。
【0011】
さらに、本発明によれば、前記ヒト心筋トロポニンIに特異的に結合するDNAアプタマーを含む急性心血管疾患診断用組成物が提供される。
【0012】
また、本発明は、前記ヒト心筋トロポニンIに特異的に結合するDNAアプタマーを用いることを特徴とする、急性心血管疾患診断キットを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のヒト心筋トロポニンIに特異的に結合するDNAアプタマーは、既存の急性心血管疾患診断用抗体より特異性および安定性に優れるという利点を持っている。また、本発明のアプタマーを用いてヒト心筋トロポニンIの濃度を敏感かつ正確に測定することが可能なバイオセンサーを開発すると、急性心血管疾患診断の早期診断にさらに効果的に応用することができ、診断の正確性を増加させるのに大きく役立つものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】Troponin Iタンパク質の発現をSDS−PAGEで確認した結果である。
【図2】Troponin複合体の発現をSDS−PAGEで確認した結果をである。
【図3】Troponin Iタンパク質を分離した後、ゲル濾過(superdex75カラム)によって精製した結果である。
【図4】Troponin複合体タンパク質を分離した後、ゲル濾過(superdex75カラム)によって精製した結果である。
【図5】Troponin Iに特異的なアプタマー選別段階によってUV分光光度計を用いてssDNAとTroponin Iとの結合程度を測定した結果を示すグラフである。
【図6】配列番号1および配列番号2で示されるHuman cardiac Troponin Iに特異的に結合するDNAアプタマーの2次構造を示す。
【図7】配列番号3および配列番号4で示されるHuman cardiac Troponin Iに特異的に結合するDNAアプタマーの2次構造を示す。
【図8】配列番号5および配列番号6で示されるHuman cardiac Troponin Iに特異的に結合するDNAアプタマーの2次構造を示す
【図9】トロポニンIタンパク質と配列番号1で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図10】トロポニンIタンパク質と配列番号2で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図11】トロポニンIタンパク質と配列番号3で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図12】トロポニンIタンパク質と配列番号4で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図13】トロポニンIタンパク質と配列番号5で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図14】トロポニンIタンパク質と配列番号6で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図15】トロポニンIタンパク質と抗体との結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図16】トロポニン複合体タンパク質と配列番号1で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図17】トロポニン複合体タンパク質と配列番号2で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図18】トロポニン複合体タンパク質と配列番号3で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図19】トロポニン複合体タンパク質と配列番号4で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図20】トロポニン複合体タンパク質と配列番号5で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【図21】トロポニン複合体タンパク質と配列番号6で示されるアプタマーとの結合力を測定するためのSPR(Surface Plasmon Resonance)結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明者は、心筋トロポニンIに対する抗体に代えることが可能なアプタマーを開発するために、ヒト心筋トロポニンIをバクテリア発現システムで発現および精製し、これを用いてSELEX(Systematic Evolution of Ligands of Exponential enrichment)技法を用いてアプタマーを選別し、DNAアプタマーの配列および構造を確立することにより、本発明を完成するに至った。
【0016】
具体的に、本発明は、ヒト心筋トロポニンIに特異的に結合するDNAアプタマーであって、前記DNAアプタマーは配列番号1〜配列番号6のいずれか一つの塩基配列を有することを特徴とするDNAアプタマーを提供する。
【0017】
また、本発明は、前記DNAアプタマーを含む急性心血管疾患診断用組成物および診断キットを提供する。
【0018】
本発明の組成物は、前記DNAアプタマー以外に、薬理学的または生理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤をさらに含んでもよい。
【0019】
このような組成物に含まれ得る適切な担体、賦形剤および希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルギン酸塩、ゼラチン、リン酸カルシウム、珪酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、非結質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱物油などを挙げることができる。前記組成物は、薬剤化する場合、通常の充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、防腐剤などをさらに含んでもよい。
【0020】
以下、本発明の理解を助けるために好適な実施例を提示する。ところが、下記の実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、本発明の内容を限定するものではない。
【実施例】
【0021】
実施例1:Troponin I、Troponin T、Troponin C遺伝子のクローニング
ヒト心筋トロポニンI、トロポニンT、トロポニンC(human cardiac troponin I, troponin T, troponin C)に対する遺伝子を増幅するために、トロポニンIの場合、BamHI制限酵素認識配列を含む5'プライマー(GGATCC ATG GCG GAT GGG AGC AG)、およびHindIII制限酵素認識配列を含む3'プライマー(AAGCTT TCA AAA CTT TTT CTT GCG G)を使用した。また、トロポニンTの場合は、EcoRI制限酵素認識配列を含む5'プライマー(GAATTC ATG TCT GAC ATA GAA GAG GTG GTG)とXhoI制限酵素認識配列を含む3'プライマー(CTCGAG CTA TTT CCA GCG CCC GGT)を使用し、トロポニンCの場合は、トロポニンTと同様の制限酵素を用いて5'プライマー(GAATTC ATG GAT GAC ATC TAC AAG GCT GC)と3'プライマー(CTCGAG CTA CTC CAC ACC CTT CAT GAA CTC)を使用した。
【0022】
遺伝子増幅のための鋳型(template)として、HEK293細胞から得たcDNAを使用し、i−pfu重合酵素(polymerase)を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR、polymerase chain reaction)過程によって増幅した。ポリメラーゼ連鎖反応の各段階は次のとおりである:1)鋳型の二本鎖DNAを解離させる段階(95℃で1分)、2)鋳型とプライマーとが結合する段階(58℃で30秒)、および3)新しい鎖を合成する段階(72℃で1分)。これらの1)〜3)段階を1サイクルとし、30サイクル繰り返し行った。
【0023】
増幅されたヒト心筋トロポニンI、トロポニンC(human cardiac troponin I, troponin C)遺伝子は、制限酵素切断反応およびDNAライゲーション(ligation)反応によって、(His)6−tagの含まれたpET28aベクターにクローニングし、トロポニンTの場合は、pET21aベクターにクローニングした。また、トロポニンIとトロポニンCはE.coli BL21(DE3)細胞に形質転換し、トロポニンTはトロポニンIと共同発現のために2つのクローニングされた遺伝子をE.coli BL21−CodonPlus(DE3)−RIG細胞に共に形質転換した。
【0024】
実施例2:Troponin Iタンパク質の発現
ヒト心筋トロポニンI遺伝子が形質転換されたE.coli BL21(DE3)細胞は、LB(Luria Bertani)培地で培養するが、UV600nmで光学密度(OD、optical density)値が0.6に到達するまで37℃で培養した。その後、タンパク質の発現を誘導するために、最終濃度が0.2mMとなるようにIPTG(isopropyl−thio−β−D−galactopyranoside)を添加した後、18℃で16時間培養した。タンパク質の発現はSDS−PAGE (sodium−dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresis)で確認した。細胞は遠心分離機で培地と分離させた後、PBS(10mM リン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH7.4)バッファで1回洗浄した。発現させたTroponin Iタンパク質をSDS−PAGEで確認した結果を図1に示した。
【0025】
図1に示したSDS−PAGEゲルにおいて、1番目のレーン(M)はマーカータンパク質のサイズを示し、2番目のレーン(bf)はIPTGを用いて発現を誘導する前の状態を示す。3番目および4番目のレーン(af)に示すように、IPTGを入れた後、約28KDのサイズでTroponin Iタンパク質が発現したことを確認することができた。
【0026】
実施例3:Troponin複合体の発現
ヒト心筋トロポニンT、トロポニンI(human cardiac troponin T, troponin I)遺伝子が共に形質転換されたE.coli BL21−CodonPlus(DE3)−RIG細胞、およびトロポニンC遺伝子が形質転換されたE.coli BL21(DE3)は、トロポニンIの発現と同様にLB(Luria Bertani)培地で培養するが、UV60nmで光学密度(OD、optical density)値が0.6に達するまで37℃で培養した。その後、タンパク質の発現を誘導するために、IPTG(isopropyl−thio−β−D−galactopyranoside)を最終濃度が0.2mMとなるように添加した後、18℃で16時間培養した。タンパク質の発現はSDS−PAGE(sodium dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresis)で確認した。細胞は遠心分離機で培地と分離させた後、PBS(10mM リン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH7.4)バッファで1回洗浄した。発現させたトロポニンT、トロポニンI、トロポニンCタンパク質をSDS−PAGEで確認した結果を図2に示した。
【0027】
図2に示したSDS PAGEゲルにおいて、1番目のレーン(M)はマーカー(marker)タンパク質のサイズを示し、2番目のレーン(bf)はIPTGを用いて発現を誘導する前の状態を示す。3番目のレーン(af)に示すように、IPTGを入れた後、それぞれのサイズでトロポニンI、トロポニンT、トロポニンCタンパク質が発現したことを確認することができた。
【0028】
実施例4:Troponin Iタンパク質の精製
バクテリア細胞E.coli BL21(DE3)で発現したヒト心筋トロポニンIタンパク質を高純度で精製するために、細胞溶菌バッファ(lysis buffer)(20mM Tris、500mM NaCl、0.5mM β−メルカプトエタノール、3%グリセロール、0.01% tween20、pH8.0)に細胞を溶かした後、ソニケーター(sonicator)を用いて10分間超音波粉砕することにより、細胞を破壊した。水溶液状のタンパク質と細胞を分離するために、15000rpmで30分間遠心分離した。
【0029】
また、高純度のタンパク質を得るために、Ni−NTA(Ni−Nitrilotriacetic acid)と(His)6−tagアミノ酸が結合する特性を利用した。具体的に、FPLC(Fast protein liquid chromatography)にNi−NTAカラムを連結し、水溶液状のcardiac troponin Iをカラムに流すことにより結合させた。Ni−NTAカラムに結合したタンパク質の(His)6−tagはイミダゾール(immidazole)の化合物と競争的に結合するから、標的タンパク質をカラムで分離させるために溶出バッファ(elution buffer)(20mM Tris、500mM NaCl、0.5mM β−メルカプトエタノール、3%グリセロール、0.01% tween20、300mM イミダゾール、pH8.0)を順次流すことにより、cardiac troponin Iを高純度で分離することができた。
【0030】
分離されたタンパク質からさらに純度の高いタンパク質を得るために、タンパク質を大きさによって分離するカラムとしてのsuperdex75カラムをFPLCに連結した後、大きさによってタンパク質をもう1回分離した。バッファ中に含まれたイミダゾールを除去するために、最終バッファ(20mM Tris、300mM NaCl、0.5mM β−メルカプトエタノール、3%グリセロール、0.01% tween 20、pH8.0)を用いて分離精製し、その結果を図3に示した。
【0031】
図3のSDS PAGEゲルにおいて、1番目のレーンはタンパク質の大きさを示し、2番目のレーンは精製過程を全て済ませた後のタンパク質の状態を示す。精製過程を済ませた後、高純度のTroponin Iをサイズ25KDaで確認した。
【0032】
実施例5:Troponin complex(Troponin T、C、I)の精製
トロポニンT、トロポニンI、トロポニンCの複合体タンパク質を高純度で精製するために、トロポニンT、トロポニンIが発現された細胞を溶菌バッファ(lysis buffer)(20mM Tris、500mM NaCl、0.5mM β−メルカプトエタノール、5%グリセロール、pH8.0)に細胞を溶かした後、超音波粉砕機(sonicator)を用いて細胞を破壊し、遠心分離を介して水溶液状のタンパク質を分離した。
また、トロポニンIの精製過程と同様に、Ni−NTA(Ni−Nitrilotriacetic acid)と(His)6−tagアミノ酸とが結合する特性を利用した。具体的に、FPLC(Fast protein liquid chromatography)にNi−NTAカラムを連結し、水溶液状のトロポニンT、トロポニンIをカラムに流すことにより結合させた。標的タンパク質をカラムで分離させるために、溶出バッファ(elution buffer)(20mM Tris、500mM NaCl、0.5mM β−メルカプトエタノール、5%グリセロール、300mM イミダゾール、pH8.0)を、順次濃度を上げながらカラムに流すことにより、トロポニンI、トロポニンTを分離することができた。
【0033】
トロポニンI、トロポニンTの(His)6−tagをTEV(Tobacco Etch Virus) proteaseで処理して除去した。具体的に、(His)6−tagの後ろにあるTEV proteaseを認識し、切断する反応のために、TEV proteaseとタンパク質を20℃で6時間反応させた。
【0034】
TEV proteaseによって(His)6−tagが除去されたトロポニンI、トロポニンTは、G−25カラムを用いて溶出バッファにあるイミダゾールを除去した後、さらにNi−NTAカラムに流すことにより、タンパク質から離れた(His)6−tagと分離して純粋なトロポニンI、トロポニンTのみを得ることができた。
【0035】
また、トロポニンCの場合は、上述したようにNi−NTAカラムを介して(His)6−tagが含まれた状態で精製し、G−25カラムを介してイミダゾールを除去した。
【0036】
トロポニン複合体状態のタンパク質を得るために、前記精製された(His)6−tagが含まれたトロポニンCをNi−NTAに結合させた後、カラムにトロポニンI、トロポニンTタンパク質をカラムに流してカラム上で複合体を形成するように誘導した。結合しない余剰のトロポニンI、トロポニンTタンパク質はそのままカラムを通過した。トロポニン複合体が形成された状態のタンパク質はカラムで溶出バッファを用いて得ることができた。
【0037】
トロポニン複合体からさらに純度の高いタンパク質を得るために、タンパク質をサイズによって分離するSuperdex 200HLカラムをFPLCに連結した後、サイズによってタンパク質をもう1回分離した。バッファ中に含まれたイミダゾール(imidazole)を除去するために、最終バッファ(final buffer)(20mM Tris、300mM NaCl、0.5mM β−メルカプトエタノール、5%グリセロール、pH8.0)を用いて分離精製し、その結果を図4に示した。
【0038】
図4のSDS−PAGEゲルにおいて、1番目のレーンはタンパク質のサイズを示し、2番目のレーンは精製過程を全て済ませた後のタンパク質の状態を示す。
【0039】
実施例6:SELEXを用いたTroponin Iタンパク質に対するアプタマーの探索
【0040】
<6−1>ssDNA(single strand DNA)ライブラリーの製造
両末端にPCR増幅およびクローニングのためのプライマーの結合配列を有し、中央に40個のランダムDNA塩基配列を含む90個の配列を有する合成されたライブラリー(5'−CACCTAATACGACTCACTATAGCGGATCCGA−N40−CTGGCTCGAACAAGCTTGC−3')を設計した。
【0041】
また、PCR増幅およびssDNA生成のために、5'プライマー(5'−CACCTAATACGACTCACTATAGCGGA−3')、3'プライマー(5'−GCAAGCTTGTTCGAGCCAG−3')、およびビオチンが結合した3'プライマー(5'−Biotin−GCAAGCTTGTTCGAGCCAG−3')を使用した。本発明で使用された全てのオリゴヌクレオチドはバイオニック社(韓国)で合成およびPAGE精製した。
【0042】
<6−2>human cardiac Troponin IのNi−NTA磁性ビーズ(magnetic bead)への固定化
精製されたヒト心筋トロポニンIは、表面にコバルトでコートされており、タンパク質のHis−tagと結合する磁性ビーズとしてのDynalbead(invitrogen、ノルウェー)を用いてビーズに固定した。
【0043】
具体的に、タンパク質結合バッファ(20mM Tris、300mM NaCl、3%グリセロール、0.01% tween20、5mM MgCl、pH8.0)150μLに溶けているタンパク質150pmoleと20μLのビーズを外部磁石を用いて結合バッファで洗浄した後、1時間室温で反応してビーズに固定化させた。
【0044】
<6−3>human cardiac troponin Iに特異的なアプタマーの選別
ヒト心筋トロポニンIに特異的なアプタマーを選別するために、磁性を用いた特異的分離方法を行った。
【0045】
まず、ssDNAの最も安定な構造形成のために、100μLの結合バッファに溶けているssDNAライブラリー(1nmole)を90℃で3分間培養した後、4℃で1時間全培養した。その後、先立って磁性ビーズ(magnetic bead)に固定化されたTroponin Iタンパク質と混合して共に弱く振盪しながら1時間反応させた。次いで、ビーズに結合したTroponin Iタンパク質と結合しないssDNAを除去するために、結合バッファでビーズを2回洗浄した。
【0046】
その後、磁性ビーズによってタンパク質と結合したssDNAを分離するために、溶出バッファ(20mM Tris、300mM NaCl、3%グリセロール、0.01% tween20、5mM MgCl2、300mM イミダゾール、pH8.0)を用いてタンパク質およびタンパク質に結合したssDNAを溶出させた。溶出したssDNAはエタノールを用いて沈澱させた後、100μLの蒸留水に溶解した後、5'プライマー、ビオチンが結合した3'プライマー、およびi−pfu重合酵素(イントロンバイオテクノロジー、韓国)を用いてPCRによって増幅させた。その後、選別過程のためのssDNAを生成するために、ビオチンが結合したPCR産物をビオチンと結合するストレプトアビジンがコートされた磁性ビーズと共にカップリングバッファ(5mM Tris−HCl、5mM EDTA、1M NaCl、0.01%)条件で1時間培養した。培養の後、ssDNAのみを分離するために、100μLの100mM NaOHと5分間培養し、外部磁石を用いて選別されたssDNAを得ることができた。
【0047】
一番目に選別されたssDNAを用いて反復的に選別した。この際、厳しい選別のためにssDNAの量およびTroponin Iの濃度を漸次減少させながら行った。反復選別で溶出したssDNAに対してUV分光光度計(UVスペクトロメーター、Biochrom Libra S22 spectrometer)で濃度を測定し、残っているssDNAのTroponin Iとの結合程度を確認しながら、選別過程を行った。その結果(%)を図5に示した。
【0048】
具体的に、図5はアプタマーの選別過程で磁性ビーズに固定化されたタンパク質と結合するアプタマーの結合程度を示す。すなわち、入れたアプタマーの濃度による結合したアプタマーの濃度を計算し、これをパーセント(%)化した。図5から分かるように、各選別過程で順次結合するアプタマーDNAが増加することを確認した。
【0049】
<6−4>アプタマーの配列および構造分析
12番目の反復選別されたssDNAは、変形していない5'プライマーと3'プライマーを用いてPCR過程によって増幅させ、pENTR/TOPOベクター(TOPO TA Cloning kit、Invitrogen、米国)にクローニングした後、E.coli TOP10細胞(Invitrogen、米国)に形質転換させた。ssDNAの挿入されたクローンをminiprepキット(GeneAll、韓国)を用いて精製した後、塩基配列を分析(COSMO Genetech、韓国)した。その結果、下記表1に示すように、配列番号1〜配列番号6で示されるssNA配列を分析することができた。
【0050】
また、選別されたssDNAの構造的類似性を分析するために、Mfoldプログラム(http://mfold.bioinfo.rpi.edu/cgi-bin/dna-form1.cgi)を用いて2次構造を分析することができ、図6〜図8に示すように、連続的なT、C配列の反復によるstem−loop構造を共通的に含んでいることが分かった。
【0051】
【表1】
【0052】
実施例7:SPR(Surface Plasmon Resonance)を用いたタンパク質とアプタマーとの結合力の測定
SPR(Surface Plasmon Resonance)は、金などの金属で現れる光−電子効果として、特定波長の光が金属に照射されると、大部分の光エネルギーが自由電子に転移される共鳴現象が起こる。その結果として、表面波が生ずるときに現れる現象をSPRといい、金属と接合された試料の表面における物質組成の変化によって共鳴波長の移動を観察することにより、その結合力を測定することができる。Troponin I、Troponin複合体と結合するアプタマーとの結合力を測定するために、Ni−NTA(Ni−Nitrilotriacetic acid)がコートされている表面チップ(Biacore AB、スウェーデン)を用いてSPRを測定することにより、その結合力を確認した。
【0053】
Ni−NTAチップにTroponin Iタンパク質(200nM)を流し、結合したタンパク質にそれぞれのアプタマーDNAを結合させた。ここで、アプタマーDNAは25nM、50nM、100nM、200nM濃度で実験した。アプタマーの効率性を立証するために、市販の抗体(abcam、英国)とcardiac Troponin Iとの結合力を前記と同様の方法で測定した結果、Kd値が20.1nMであって、本発明のアプタマーKd値がさらに低いことを確認した。
【0054】
前記SPR結果およびKd値を下記の図9〜図15および下記表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】
前記と同様の方法でトロポニン複合体とアプタマーが結合するか否かとその結合力を測定した。ここで、アプタマーDNAは25nM、50nM、100nM、200nM濃度で実験した。その結果、トロポニン複合体の場合も、トロポニンIアプタマーと効果的に結合することを確認したと共に、Kd値がトロポニンIのみ結合するのと同様又はそれよりやや高く示されることを確認した。
【0057】
前記SPR結果およびKd値を下記の図16〜図21および下記表3に示した。
【0058】
【表3】
【0059】
前述した本発明の説明は例示のためのもので、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想または必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変更し得ることを理解することができるであろう。よって、上述した実施例はすべての面で例示的なもので、限定的なものではないと理解すべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト心筋トロポニンI(human cardiac troponin I)に特異的に結合するDNAアプタマーであって、前記DNAアプタマーは配列番号1〜配列番号6のいずれか一つの塩基配列を有することを特徴とする、DNAアプタマー。
【請求項2】
請求項1に記載のDNAアプタマーを含む急性心血管疾患診断用組成物。
【請求項3】
請求項1に記載のDNAアプタマーを用いることを特徴とする、急性心血管疾患診断キット。
【請求項1】
ヒト心筋トロポニンI(human cardiac troponin I)に特異的に結合するDNAアプタマーであって、前記DNAアプタマーは配列番号1〜配列番号6のいずれか一つの塩基配列を有することを特徴とする、DNAアプタマー。
【請求項2】
請求項1に記載のDNAアプタマーを含む急性心血管疾患診断用組成物。
【請求項3】
請求項1に記載のDNAアプタマーを用いることを特徴とする、急性心血管疾患診断キット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−254075(P2012−254075A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−9785(P2012−9785)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【出願人】(511276415)ポハン工科大学校 産学協力団 (3)
【氏名又は名称原語表記】POSTECH ACADEMY−INDUSTRY FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】San 31benji, Hyoja−dong, Nam−gu, Pohang−si, Gyeongsangbuk−do 790−784 Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【出願人】(511276415)ポハン工科大学校 産学協力団 (3)
【氏名又は名称原語表記】POSTECH ACADEMY−INDUSTRY FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】San 31benji, Hyoja−dong, Nam−gu, Pohang−si, Gyeongsangbuk−do 790−784 Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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