説明

ヒト腫瘍発現CCXCKR2の阻害剤

SDF−1またはI−TACケモカインのためのモジュレーターとして役立つ有機化合物またはその塩を含有する医薬組成物が開示されている。本化合物および組成物は、癌を治療する際に、特に、癌の増殖、増殖および転移を阻害する際に有用である。本発明の化合物および医薬組成物を使用して、CCXCKR2受容体へのSDF−Iおよび/またはI−TAC結合を妨害し、癌を治療する方法も、開示されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願
本出願は、2002年12月20日に出願された米国特許仮出願第60/434912号および2003年10月30日に米国特許仮出願60/516151号による優先権を主張する。それら優先出願の開示は、そのまま参照により本願明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ケモカイン受容体CCXCKR2へのSDF−1ケモカイン(CXCL12ケモカインとしても知られている)またはI−TAC(CXCL11としても知られている)の結合を阻害する新規の化合物および医薬組成物を対象としている。これらの化合物は、腫瘍細胞増殖、腫瘍形成および転移を予防する際に有用である。
【背景技術】
【0003】
ケモカインは、細胞骨格の再配列、内皮細胞への強固な接着および指向性の(directive)遊走を誘発し、さらに、細胞の活性化および増殖ももたらしうる小さなサイトカイン様タンパク質のスーパーファミリーである。ケモカインは、細胞表面タンパク質と協調して作用して、特定の解剖的部位への様々な細胞サブセットの特定のホーミングを導く。
【0004】
多くのグループによる初期の研究努力によって、転移および腫瘍増殖におけるケモカイン受容体CXCR4の役割が示されている。Muller,et al.,「Involvement of Chemokine Receptors in Breast Cancer Metastasis」、Nature,410:50−56(2001年)は、乳腫瘍細胞は転移経過の間に、白血球輸送を調節するメカニズムなどのケモカイン仲介メカニズムを利用することを証明した。腫瘍細胞は、機能的に活性なケモカイン受容体の明瞭であり、ランダムでないパターンを発現する。CXCR4を介してのシグナリングが、乳癌細胞でのアクチン重合および偽足(pseudopodia)形成を仲介し、走化性および侵襲性応答を誘発する。さらに、乳癌転移の主な部位である臓器(リンパ節、骨髄および肺など)は、CXCR4受容体のリガンドの最も豊富な供給源である。
【0005】
免疫不全マウスを使用して、Mullerとその同僚たちは、CXCR4に結合することが知られている抗体でマウスを処置することにより、注射されたヒト乳癌細胞の転移を低減することに成功した。この発見は、CXCR4アンタゴニストで患者を治療することにより、乳癌転移を減らすことができるであろうことを示唆している。
【0006】
Bertolini,et al.,「CXCR4 Neutralization,a Novel Therapeutic Approach for Non−Hodgkin's Lymphoma」,Cancer Research,62:3106−3112(2002)は、抗CXCR4抗体で処理すると、ヒトリンパ腫細胞を注射された免疫不全マウスの腫瘍容量が低減すること、並びに、生存が延びることを証明した。彼らはこの発見を、CXCR4アンタゴニストで患者を治療することにより、腫瘍容量を減らすことができることを意味していると解釈した。
【0007】
最近の研究により、他のケモカイン受容体、CCXCKR2も、癌を治療する際の有望な候補でありうることが示唆されている。CCXCKR2は、正常な細胞よりも形質転換細胞で優先的に発現され、多くのヒト癌で検出可能に発現される。in vitro研究により、CCXCKR2発現細胞の増殖はCCXCKR2のアンタゴニストにより阻害されうることが示されている。マウスでのin vivo研究により、CCXCKR2アンタゴニストは、腫瘍形成および腫瘍増殖を阻害しうることが示されている。
【0008】
CCXCKR2の潜在的な重要性は、Bertoliniとその同僚たちにより示された腫瘍容量の低減の別の解釈により説明される。この低減は明らかに、抗体に仲介されるクリアランスの結果であって、当初考えられた抗CXCR4抗体の結果ではない。抗体に仲介されるクリアランスでは、リンパ腫細胞の細胞表面上に位置するタンパク質を認識した抗体は、抗CXCR4抗体に帰されるような効果と同様の効果を有するであろう。残念ながら、Bertoliniとその同僚たちの研究は、観察された腫瘍応答が抗体に仲介されるクリアランスによるのか、CXCR4との相互作用によるのかに対して、決定的ではない。
【0009】
しかしながら現在は、Bertoliniとその同僚たちによって使用されたリンパ腫細胞は、CXCR4およびCCXCKR2の両方を発現することが知られている。SDF−1は、CXCR4に対する唯一のリガンドである。SDF−1およびI−TACは両方とも、CCXCKR2に結合する。抗SDF−1抗体を使用して、CCXCKR2のアンタゴニストが、腫瘍負荷の低減および生存率の上昇の原因であることが判明している。SDF−1は、CXCR4のための唯一のリガンドであるので、抗SDF−1抗体でのSDF−1の中和は、抗CXCR4抗体でのCXCR4の中和と同等の意義があるであろうと、期待される。しかしながら、抗SDF−1抗体を使用する実験により、部分的な腫瘍負荷の低減および生存率の上昇しか証明されなかった。このことによって、継続的な活性は、第2のリガンド、I−TACとCCXCKR2との相互作用によるものであるようなので、CCXCKR2が実際のターゲットであると考えられる。
【0010】
最近まで、腫瘍細胞増殖、腫瘍増殖および転移におけるCCXCKR2の潜在的な重要性は、知られていなかった。ここで、一定のCCXCKR2アンタゴニストは癌の増殖および伝播を防ぐことができることを指し示す最近の証拠ならびにCCXCKR2受容体の限られた組織分布を示す発現パターンにより、可能な限り副作用を伴わずに、腫瘍細胞の上に位置するCCXCKR2受容体に対して特異的に結合しうる化合物を提供することが有益であろう。
【発明の開示】
【0011】
要旨
本発明は、CCXCKR2受容体に結合する新規の化合と小分子モジュレーターを含有する組成物とを対象とする。一般には、新規化合物は、構造(I)を有する:
【0012】
【化1】

【0013】
(式中、R、R、RおよびR、Y、Z、mおよびnは、下記に定義される通りである)。
一態様では、新規の化合物は、構造(II)を有する:
【0014】
【化2】

【0015】
(式中、R、R、R、およびRおよびYは、下記に定義される通りである)。
別の態様では、組成物は、本発明のモジュレーターおよび薬学的に許容できる担体を含む。
【0016】
別の態様では、CCXCKR2受容体へのSDF−1、I−TACまたは両方の結合を阻害する方法を開示する。
別の態様では、癌を治療する方法を開示する。
【0017】
これらの態様および他の態様を、下記にさらに十分に記載する。
【詳しい説明】
【0018】
本発明は、薬学的に許容できる担体および癌細胞により発現されるCCXCKR2受容体へのSDF−1および/またはI−TACケモカインの結合をモジュレートする活性化合物を含む組成物を提供する。好ましくは、これらの活性化合物は、腫瘍細胞の上のCCXCKR2受容体に結合するが、リンパ球由来細胞または骨髄性細胞とは測定可能なほどには結合しない。本発明のための化合物および組成物は、癌を治療するために、特に、乳癌転移の発生率を低減するために有用である。
【0019】
定義
本発明の化合物、組成物、方法(method)および方法(process)を記載する場合、他に記載のない限り、次の用語は、以下のように定義される。
【0020】
「アルコキシ」とは、−OR’基のことをいう。代表的なアルコキシ基には例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、トリフルオロメトキシおよびジフルオロメトキシが含まれる。
【0021】
それ自体または別の置換基の一部としての「アルキル」とは、所定の数の炭素原子を有する(即ち、C〜Cは、1から8個の炭素原子を意味する)直鎖、環式もしくは分枝鎖またはそれらの組合せであってよい炭化水素基のことをいう。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、s−ブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチルなどが含まれる。置換アルキルの例には、ハロアルキル、チオアルキル、アミノアルキルなどが含まれる。
【0022】
それ自体または他の置換基の一部としての「アルキレン」は、−CHCHCHCH−により例示されるようなアルカンに由来する二価基を意味する。通常、8個以下の炭素原子を有するアルキル(またはアルキレン)基が本発明では好ましい。代表的なアルキレン基には例えば、メチレン、エタン−1,2−ジイル(「エチレン」)、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイルなどが含まれる。
【0023】
「アルケニル」とは、直鎖、環式もしくは分枝鎖またはこれらの組み合わせであってよい不飽和炭化水素基のことをいう。2〜10個の炭素原子を有するアルケニル基が好ましい。アルケニル基は、1、2または3個の炭素−炭素二重結合を含有してもよい。アルケニル基の例には、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテ−2−エニル、n−ヘキス−3−エニルなどが含まれる。
【0024】
「アルキニル」とは、直鎖、環式または分枝鎖であってよい、少なくとも1個、典型的には1、2または3個の炭素−炭素三重結合を有する一価不飽和炭化水素基のことをいう。他に定義がなければ、このようなアルキニル基は典型的には、2から10個の炭素原子を含有する。代表的なアルキニル基には、例えば、エチニル、n−プロピニル、n−ブテ−2−イニル、n−ヘキス−3−イニルなどが含まれる。
【0025】
「アリール」とは、単一の環(即ち、フェニル)を有するか、または相互に縮合しているか(即ち、ナフタレン)もしくは共有結合している複数の環を有するポリ不飽和芳香族炭化水素基のことをいう。他に定義がなければ、このようなアリール基は通常、6から10個の炭素環原子を含有する。代表的なアリール基には例えば、フェニルおよびナフタレン−1−イル、ナフタレン−2−イル、ビフェニルなどが含まれる。
【0026】
「アリーレン」とは、単一の環(即ち、フェニレン)または縮合環(即ち、ナフタレンジイル)を有する二価の芳香族炭化水素のことをいう。他に定義が無ければ、このようなアリーレン基は典型的には、6から10個の炭素環原子を含有する。代表的なアリーレン基には例えば、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイルなどが含まれる。
【0027】
「アラルキル」は、アリール置換アルキル基のことをいう。代表的なアラルキル基には、ベンジルが含まれる。
「化合物」とは、特定の分子のことをいい、それにはその鏡像異性体、ジアステレオマー、多形およびその塩を含む。
【0028】
「縮合」とは、2個以上の分子が共有結合する反応のことをいう。同様に、縮合生成物は、縮合反応により生じる生成物である。
「シクロアルキル」とは、単一の環または縮合環を有する一価の飽和炭素環炭化水素基のことをいう。他に定義が無ければ、このようなシクロアルキル基は典型的には、3から10個の炭素原子を含有する。代表的なシクロアルキル基には例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。
【0029】
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ−(−F)、クロロ−(−Cl)、ブロモ−(−Br)およびヨード−(−I)のことをいう。
「ヘテロ原子」とは、窒素、酸素、ケイ素または硫黄のことをいう。
【0030】
「ヘテロシクリル」とは、少なくとも1個のへテロ原子を含有する飽和または不飽和の非芳香族基のことをいう。「ヘテロアリール」とは、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する芳香族基のことをいう。ヘテロシクリルおよびへテロアリールはそれぞれ、利用可能な環炭素またはヘテロ原子において結合していてもよい。ヘテロシクリルおよびへテロアリールはそれぞれ、1個または複数の環を有してもよい。複数の環が存在する場合、これらは、相互に縮合しているか、共有結合していてもよい。ヘテロシクリルおよびへテロアリールはそれぞれ、窒素、酸素または硫黄から選択される少なくとも1個のへテロ原子(典型的には、1から5個のヘテロ原子)を含有すべきである。好ましくは、これらの基は、0から3個の窒素原子、0〜1個の硫黄原子および0〜1個の酸素原子を含有する。飽和および不飽和へテロシクリル基の例には、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、1,4−ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、3−ピロリンなどが含まれる。不飽和および芳香族ヘテロシクリル基の例には、ピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、フラン、チオフェン、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンゾピラゾール、ベンズチアゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリンなどが含まれる。ヘテロシクリルおよびへテロアリール基は、未置換であっても、置換されていてもよい。置換されている基では、置換は、炭素またはヘテロ原子上であってよい。例えば、置換が=Oである場合には、生じる基は、カルボニル(−C(O)−)を有していてもよいし、N−オキシド(−N(O)−)を有していてもよい。
【0031】
置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキニルおよび置換シクロアルキルに適した置換基には、0から(2m’+1)の範囲の数の(m’は、その基の中の炭素原子の総数である)、ハロゲン、−OR’、−NR’R”、−SR’、−SiR’R”R’”、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R”、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、−NR’−C(O)NR”R’”、−NR”C(O)R’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R”、−NR’S(O)R”、−CN、オキソ(=Oまたは−O−)および−NOが含まれる。
【0032】
置換アリールおよび置換へテロアリールに適した置換基には、0から芳香族環系上の空いている価電子帯の総数までの範囲の数の、−ハロゲン、未置換または置換アルキル、未置換または置換アルケニル、未置換または置換アルキニル、未置換または置換シクロアルキル、−OR’、オキソ(=Oまたは−O)、−OC(O)R’、−NR’R”、−SR’、−R’、−CN、−NO、−COR’、−CONR’R”、−C(O)R’、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、−NR”C(O)R’、−NR’−C(O)NR”R’”、−NH−C(NH)=NH、−NR’C(NH)=NH、−NH−C(NH)=NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R”、−NR’S(O)R”および−Nが含まれる。
【0033】
置換へテロシクリルに適した適切な置換基には、0から芳香族環系上の空いている価の総数までの範囲の数で、ハロゲン、未置換または置換アルキル、未置換または置換アルケニル、未置換または置換アルキニル、未置換または置換シクロアルキル、−OR’、オキソ(=Oまたは−O)、−OC(O)R’、−NR’R”、−SR’、−R’、−CN、−NO、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、−NR”C(O)R’、−NR’−C(O)NR”R’”、−NH−C(NH)=NH、−NR’C(NH)=NH、−NH−C(NH)=NR’、−S(O)R’、−S(O)NR’R”、−NR’S(O)R”および−Nが含まれる。
【0034】
上記で使用されているR’、R”およびR’”は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、未置換または置換C〜Cアルキル、未置換または置換C〜Cシクロアルキル、未置換または置換C〜Cアルケニル、未置換または置換C〜Cアルキニル、未置換または置換アリール、未置換または置換へテロアリール、未置換または置換ヘテロシクリル包含するむ様々な基のことをいう。好ましくは、R’、R”およびR’”はそれぞれ独立に、水素、未置換C〜Cアルキル、未置換ヘテロアルキル、未置換アリール、1から3個のハロゲンで置換されているアリール、未置換C〜Cアルキル、未置換C〜Cアルコキシ、未置換C〜Cチオアルコキシ基または未置換アリールC〜Cアルキル基からなる群から選択される様々のことをいう。R’およびR”が同じ窒素原子に結合している場合、これらは、窒素原子と組み合わさって、3、4、5、6または7員環の環を形成してもよい(例えば、−NR’R”には、1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルが含まれる)。
【0035】
あるいは、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環の隣接する原子上の2個の置換基は、式−T−C(O)−(CH−U−(式中、TおよびUは独立に、−NR’−、−O−、−CH−または単結合であり、qは、0から2の整数である)の置換基で場合によって置換されていてもよい。あるいは、アリールまたはへテロアリール環の隣接する原子上の2個の置換基は、式−A−(CH−B−(式中、AおよびBは独立に、−CH−、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’または単結合であり、rは、1から3の整数である)の置換基で場合によって置換されていてもよい。こうして生じた新規の環の単結合の1つは、二重結合に場合によって置き換えられていてもよい。もしくは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子に位置する2個の置換基は、式−(CH−X−(CH−(式中、sおよびtは独立に、0から3の整数であり、Xは、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−または−S(O)NR’−である)の置換基で場合によって置換されていてもよい。−NR’−および−S(O)NR’−中の置換基R’は、水素または未置換C〜Cアルキルから選択される。
【0036】
「薬学的に許容できる」担体、希釈剤または賦形剤は、処方物の他の成分と相容性で、その受容者に有害ではない担体、希釈剤または賦形剤である。
「薬学的に許容できる塩」とは、哺乳動物などの患者に投与するために許容される塩のことをいう(例えば、所定の投薬計画で許容できる哺乳類安全性を有する塩)。このような塩は、本願明細書に記載の化合物に存在する特定の置換基に応じて、薬学的に許容できる無機または有機塩基ならびに薬学的に許容できる無機または有機酸に由来してよい。本発明の化合物が、相対的に酸性の官能基を有する場合には、そのまま、または適切な不活性溶剤中で、このような化合物の中性の形態と十分な量の所望の塩基とを接触させることにより、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容できる無機塩基に由来する塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛塩などが含まれる。薬学的に許容できる有機塩基に由来する塩には、置換アミン、環式アミン、天然に生じるアミンなど、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどを含む、1級、2級、3級および4級アミンの塩が含まれる。本発明の化合物が相対的に塩基性の官能基を含有する場合には、そのまま、または適切な不活性溶剤中で、このような化合物の中性の形態と十分な量の所望の酸とを接触させることにより、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容できる酸に由来する塩には、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルコロン(glucoronic)酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトバイオ酸(lactobionic)、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸塩などが含まれる。
【0037】
「その塩」とは、酸の水素が、金属カチオンまたは有機カチオンなどのカチオンで置換されると生じる化合物のことをいう。好ましくは、塩は、薬学的に許容できる塩であるが、このことは、患者に投与することが意図されていない中間化合物の塩では、必要ない。
【0038】
「置換〜」とは、親分子または基に結合している基のことをいう。従って、メチル置換基を有するベンゼン環は、メチル置換ベンゼンである。同様に、5個の水素置換基を有するベンゼン環は、親分子に結合している場合には、未置換のフェニル基であろう。
【0039】
「治療的に有効な量」とは、治療を必要とする患者に投与した場合に、癌を治療することにより所望の治療効果をもたらすために有効な、化合物、材料または本発明の化合物を含む組成物の量のことをいう。
【0040】
「治療する」または「治療」とは、疾患または医学的状態(癌など)を有する哺乳動物(特に、ヒトまたはコンパニオン動物)などの患者への組成物の投与に関し、それには:(a)疾患または医学的状態を改善する、即ち、前癌性癌細胞がその侵襲性対応物に変換されることを予防することにより、患者の疾患または医学的状態を除去するか、または後退をもたらすこと;(b)疾患または医学的状態を抑制する、即ち、患者の癌の拡大を遅くするか、止めること;または(c)患者の疾患または医学的状態の症状を軽減することが含まれる。
【0041】
「構造活性相関」(SAR)とは、化合物の分子構造を変化させることにより受容体とのその相互作用を変化させる方法のことをいう。
【0042】
モジュレーター
本発明は、癌を治療する際に使用するためのモジュレーターを提供する。これらの化合物は、CCXCKR2受容体と結合することにより、SDF−1およびI−TACのモジュレーターとして役立てることができる。モジュレーター(I)はさらに、他のケモカイン受容体に対するモジュレーターとして役立てることができる。ペプチドのケモカインファミリーは、配列相同性をベースにして、保存システインモチーフ上での多様性の存在により定義される。Schall(1996年)Cytokine 3:165−183;およびOppenheim et al.(1991年)Annu.Rev.Immunol.9:617−648。ケモカインは、幅広い細胞型において炎症促進性活性から増殖調節活性にわたる幅広いin vitroおよびin vivo機能を示す。今日までに、いくつかのケモカイン受容体が記載されている。例えば、Neote et al.(1993年)Cell 72:415−425;Ponath et al.(1996年)J.Exp.Med.183:2437−2448;およびPower et al.(1995年)J.Biol.Chem.270:19495−19500を参照のこと。
【0043】
一つの態様では、本発明のモジュレーターは、一般構造(I)を有する:
【0044】
【化3】

【0045】
[式中、
mは、1から5の整数であり;
Yはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−OR’、−C(O)R’、−COR’、−O(CO)R’、−C(O)NR’R”、−OC(O)NR’R”、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SONR’R”、−NR’R”、−NR’C(O)R”、−NR’C(O)R”、−NR’SOR”、−NR’(CO)NR”R’”、未置換または置換C〜Cアルキル、未置換または置換C〜Cアルケニル、未置換または置換C〜Cアルキニル、未置換または置換C〜Cシクロアルキル、未置換または置換C〜C10アリール、5から10員環の未置換または置換ヘテロアリールおよび3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルからなる群から選択され;
R’、R”およびR’”はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、未置換または置換C〜Cアルキル、未置換または置換C〜C10アリール、5から10員環の未置換または置換ヘテロアリールおよび3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルであり;
nは、0、1、2または3であり;
Zは、−CHR−、−ORまたは−NRであり;
およびRはそれぞれ独立に、アルキルまたは水素であるか、またはZはRおよびRと組み合わさって、少なくとも1個の窒素および0から3個の追加のヘテロ原子を含む未置換または置換の5から8員環の環を形成し;
は、アルキル、水素またはハロゲンであり;
、RおよびRはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−OR’、−C(O)R’、−COR’、−O(CO)R’、−C(O)NR’R”、−OC(O)NR’R”、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SONR’R”、−NR’R”、−NR’C(O)R”、−NR’C(O)R”、−NR’SOR”、−NR’(CO)NR”R’”、未置換または置換C〜Cアルキル、未置換または置換C〜Cアルケニル、未置換または置換C〜Cアルキニル、未置換または置換C〜Cシクロアルキルおよび3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルからなる群から選択されるか;または
、RおよびRのうちのいずれか2個は、それらが置換している原子と共に、3から10員環の置換または未置換ヘテロシクリルを形成している]。
【0046】
本発明のモジュレーターは、1.1マイクロモル(μM)以下の濃度で、さらに好ましくは300ナノモル(nM)以下の濃度で、ケモカインSDF−1またはI−TACの少なくとも50%をCCXCKR2受容体から追い出すことができる。現在、特に好ましい化合物は、200nM以下の濃度で、SDF−1またはI−TACの少なくとも50%をCCXCKR2受容体から追い出すことができる。
【0047】
オレフィンを置換フェニル環につなぐ波状結合は、環が、Rに対してシスであってもトランスであってもよいことを示している。好ましい態様では、nは、1、2または3である。別の好ましい態様では、nは、2または3である。さらに好ましい態様では、nは、3である。
【0048】
既知の化合物
次の化合物は知られているが、CCXCKR2モジュレーターとしては知られていない:
【0049】
【化4−A】

【0050】
【化4−B】

【0051】
これらの化合物は、本発明のモジュレーター(I)からは除外される。
あるいは、本発明のモジュレーター(I)は次の但書の1つ以上を有してもよい:
Zが−NRであり、RおよびRがZと共にモルホリニルを形成する場合、nは、3であり、R、RおよびRの少なくとも1個は、ヒドロキシ基、アルコキシまたはアリールオキシである;または
nが1であり、Zが−CHRである場合、組み合わさったRおよびRは、−CHCHNCHCH−ではない;または
nが3であり、Zが−NRである場合、組み合わさったRおよびRは−CHNCHCH−ではない;または
がRと共に−CH(CH)(CH−である場合、Zは、−CH−である;または
がt−ブチルである場合、Rは水素である;または
およびRが一緒になって5員環の環を形成する場合、フェニル環に結合している原子の少なくとも1個は、炭素である;
n=1であり、Zがアルキル−CHRであり、ここで、RおよびRがそれぞれメチルである場合、RとRのいずれもアルキルであってはならず;あるいはR、RまたはRはそれぞれ、同時に水素であってはならない;
もしくは、Rはメチルであってはならない。
【0052】
好ましい置換基
は好ましくは、水素、ハロゲンまたはC〜Cアルキルであり、さらに好ましくはメチルである。
【0053】
、RおよびRは好ましくは、それぞれ独立に、水素、−OR’および置換または未置換C〜Cアルキルからなる群から選択される。さらに好ましくは、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素および−OR’からなる群から選択され、ここで、R’は、置換C〜Cアルキルである。
【0054】
別の好ましい態様では、RおよびRはそれらが置換している原子と共に、3から10員環の置換または未置換ヘテロシクリルからなる群から選択される環を形成してもよい。さらに好ましくは、RおよびRはそれらが置換している原子と共に、1から2個の酸素原子を含有する5から6員環の置換または未置換ヘテロシクリルを形成する。
【0055】
Zは好ましくは、−CHRまたは−NRである。
好ましい一態様では、Zは、−CHRであり、ここで、RおよびRはZと一緒になって、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−OR’、−C(O)R’、−COR’、−O(CO)R’、−C(O)NR’R”、−OC(O)NR’R”、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SONR’R”、−NR’R”、−NR’C(O)R”、−NR’C(O)R”、−NR’SOR”、−NR’(CO)NR”R”、未置換または置換C〜Cアルキル、未置換または置換C〜Cアルケニル、未置換または置換C〜Cアルキニル、未置換または置換C〜Cシクロアルキル、未置換または置換C〜C10アリール、未置換または置換5から10員環のヘテロアリールおよび3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルからなる群から選択される0から3個の置換基を有するC〜C10シクロアルキルを形成する。
【0056】
別の好ましい態様では、RおよびRはZと一緒になって、ハロゲン、−OR、置換または未置換C〜Cアルキル、置換または未置換C〜Cアルケニル、置換または未置換C〜Cアルキニル、置換または未置換C〜C10アリール、置換または未置換の3から10員環のヘテロシクリルからなる群から選択される0から3個の置換基を有する3から10員環のヘテロシクリルを形成する。さらに好ましくは、ZはRおよびRと組み合わさって、置換または未置換モルホリニル、置換または未置換ピロリジニル、置換または未置換ピペリジニルおよび置換または未置換ピペラジニルからなる群から選択される。
【0057】
他の好ましい態様では、Zは、下式の置換または未置換の基である:
【0058】
【化5】

【0059】
特に好ましくは、Zは、下式の置換または未置換の基である:
【0060】
【化6】

【0061】
[式中、
は、水素、−C(O)R’、−COR’、−C(O)NR’R”、−SOR’、未置換または置換C〜C10アルキル、未置換または置換C〜Cアルコキシル(例えば、−CH2−CHOCH2−CH−OCHのようなC〜C10アルコキシルアルコキシルを含む)、未置換または置換C〜C10アルケニル、未置換または置換C〜C10アルキニル、未置換または置換C〜C10シクロアルキル、未置換または置換C〜C10アリール、5から10員環の未置換または置換ヘテロアリールおよび3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルからなる群から選択される]。
【0062】
は、最も好ましくは、置換もしくは未置換C〜C10アルキル、置換もしくは未置換C〜C10アルコキシ、または置換もしくは未置換C〜C10シクロアルキルである。
【0063】
nは好ましくは、1、2または3である。
mは好ましくは、0、1または2である。
存在する場合、Yは好ましくは、ハロゲンである。
【0064】
構造(II)を有するモジュレーター、またはそのジアステレオマー、鏡像異性体もしくはその薬学的に許容できる塩:
ここで、
Yはそれぞれ独立に、水素またはハロゲンであり;
、RおよびRはそれぞれ独立に、水素、ハロゲンおよび−OR’からなる群から選択されるか;またはR、RおよびRのうちのいずれか2個は、それらが置換している原子と共に、3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルを形成し;Rは、水素、−C(O)R’、−COR’、−C(O)NR’R”、−SOR’、未置換または置換C〜C10アルキル、未置換または置換C〜Cアルコキシルアルコキシル(例えば、−CH−OCHOCHなどのC〜C10アルコキシルアルコキシルを含む)、未置換または置換C〜C10アルケニル、未置換または置換C〜C10アルキニル、未置換または置換C〜C10シクロアルキル、未置換または置換C〜C10アリール、5から10員環の未置換または置換ヘテロアリールおよび3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルからなる群から選択される。
【0065】
合成方法
本発明の活性化合物を合成するために、当業者に知られている多くの合成方法を使用することができるが、一般的な合成方法を、下記のスキームIに示す。
【0066】
【化7】

【0067】
スキーム1では、アルデヒド(2)を、還元的アミノ化を介して1級アミン(3)と縮合反応させる。適切な1級アミンは、例えばAldrich(Milwaukee、WI)から購入することができるか、当業者に知られている化学的経路により合成することができる。
【0068】
アミノ化反応を、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタンまたはメタノールを包含する(これらに限られないが)適切な溶剤中で、還元剤を使用して実施し、中間体(4)を生じさせることができる。縮合反応に適した還元剤には、これらに限られないが、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(Mattson,et al.,J.Org.Chem.1990,55,2552およびBarney,et al.,Tetrahedron Lett.1990,31,5447に記載されているような);ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(Abdel−Magid,et al.,Tetrahedron Lett.1990,31,5595に記載されているような);水素化ホウ素ナトリウム(Gribble;Nutaitis Synthesis.1987,709に記載されているような);鉄ペンタカルボニルおよびアルコール性KOH(Watabane,et al.,Tetrahedron Lett.1974,1879に記載されているような);およびBH−ピリジン(Pelter,et al.,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1984,717に記載されているような)が含まれる。
【0069】
中間体(4)から化合物(5)への変換は、テトラヒドロフランまたはジクロロメタンなどの適切な溶剤中で、適切に置換されたアシル塩化物を用いて、塩基の存在下に実施することができる。3級アミン塩基が好ましい。特に好ましい塩基には、トリエチルアミンおよびHunnings塩基が含まれる。
【0070】
あるいは、プロパンホスホン酸環式無水物、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−(3−ジメチルブチルプロピル)カルボジイミドまたはジシクロヘキシル−カルボジイミド(B.Neises and W.Steglich,Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.,17,522,1978に記載されているような)などの適切なカップリング試薬を用いて、4−N,N−ジメチルアミノピリジンなどの触媒の存在下に、またはヒドロキシベンゾトリアゾール(K.Horiki,Synth.Commun.,7,251に記載されているような)の存在下に、中間体(4)から化合物(5)への変換を得ることもできる。
【0071】
医薬組成物
特許請求の範囲に記載の活性化合物(またはその塩)を投与するための医薬組成物は、投与単位形態で提供してよく、そして薬剤分野で知られているいずれかの方法で調製してもよい。好ましい方法は、1種または複数の活性化合物またはその塩と、1種または複数の副成分を含む1種または複数の担体とを組み合わせるステップを含む。
【0072】
一態様では、活性化合物またはその塩を液体担体、微細な固体担体またはその両方と合わせることにより、医薬組成物を調製する。望ましい場合には、次いで組成物を、所望の処方物の製品に成形することができる。医薬組成物には、活性化合物は治療的に有効な量で含有される。
【0073】
活性化合物を含有する、薬学的に許容できる塩(それらに限られないが)を包含する医薬組成物は、経口使用に適した形態、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、分散粉末または顆粒、エマルション、硬質または軟質カプセル、シロップまたはエリキシルなどであってよい。経口使用を意図している組成物は、医薬組成物を製造するための分野で知られているいずれかの方法に従い調製することができ、このような組成物は、甘味剤、着香剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種または複数の薬剤を含有して、薬学的に優れていておいしい製剤を提供してもよい。
【0074】
錠剤は、錠剤を製造するために適している非毒性の薬学的に許容できる賦形剤と混合された形態の活性成分を含有する。これらの賦形剤には、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;顆粒化剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム;および滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクが含まれ得る。錠剤は、コーティングされていないか、胃腸管での崩壊および吸収を遅くして、長期にわたる持続作用をもたらすために知られている技術によりコーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を使用することができる。さらに錠剤は、米国特許第4256108号明細書;同4166452号明細書および同4265874号明細書に記載されている技術によりコーティングされて、制御放出のための浸透治療用錠剤を形成してもよい。
【0075】
経口使用するための処方物はさらに、硬質ゼラチンカプセルであってもよく、この際、活性成分は、不活性な固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリンと混合されており、もしくは軟質ゼラチンカプセルとしては、活性成分は、水またはオイル媒体、例えば、落花生油、流動パラフィンまたはオリーブオイルと混合されている。
【0076】
水性懸濁液はさらに、水性懸濁液を製造するために適している賦形剤と混合されている活性組成物を含有してもよい。このような賦形剤は往々にして、懸濁化剤、分散剤または湿潤剤に関する。好ましい懸濁化剤には、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアラビアゴムが含まれる。
【0077】
好ましい分散剤または湿潤剤は、天然に生じるホスファチド、例えば、レシチン;アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン;エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール;エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール;またはエチレンオキシドと脂肪酸とヘキシトール無水物に由来する部分エステルの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタンであってよい。さらに水性懸濁液は、1種または複数の保存剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル;1種または複数の着色剤;1種または複数の着香剤;および1種または複数の甘味剤、例えば、スクロースまたはサッカリンを含有してもよい。
【0078】
落花生油、オリーブ油、ゴマ油またはヤシ油などの植物油;または流動パラフィンなどの鉱油に活性成分を懸濁させることにより、油性懸濁液を処方することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜ろう、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有してもよい。前記もののような甘味剤および着香剤を加えて、味のよい経口製剤を提供することもできる。アスコルビン酸などの抗酸化剤を加えることにより、これらの組成物を保存することができる。
【0079】
水を加えて水性懸濁液を調製するために適している分散性粉末および顆粒は、分散剤、湿潤剤、懸濁化剤および1種または複数の保存剤と混合された形態で活性成分を提供する。適切な分散剤、湿潤剤および懸濁化剤は、既に前記したものにより例示される。付加的な賦形剤、例えば、甘味剤、着香剤および着色剤が存在してもよい。
【0080】
本発明の医薬組成物はさらに、水中油型エマルションの形態であってもよい。油相は、植物油、例えば、オリーブ油または落花生油もしくは鉱油、例えば、流動パラフィンまたはこれらの混合物であってよい。適切な乳化剤は、アカシアゴムまたはトラガカントゴムなどの天然に生じるゴム;大豆、レシチン、エステルおよび脂肪酸に由来する部分エステルなどの天然に生じるホスファチド;モノオレイン酸ソルビタンなどの無水ヘキシトール;およびモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどの前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物であってよい。さらにエマルションは、甘味剤および着香剤を含有してもよい。
【0081】
シロップおよびエリキシルは、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースなどの甘味剤を用いて処方することができる。このような処方物はさらに、緩和薬、保存剤、着香剤および着色剤を含有してもよい。
【0082】
本発明の医薬組成物は、ケモカイン受容体活性をモジュレートして、喘息およびアレルギー疾患、並びに慢性関節リウマチなどの自己免疫病理、AIDSおよびアテローム硬化症などを含む炎症および免疫調節性障害および疾患を予防および治療するために併用療法で使用することもできる。例えば、炎症の治療または予防では、本発明の化合物を、オピエートアゴニストなどの抗炎症薬または鎮痛薬、5−リポキシゲナーゼ阻害剤などのリポキシゲナーゼ阻害剤、シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤などのシクロオキシゲナーゼ阻害剤、インターロイキン−1阻害剤などのインターロイキン阻害剤、NMDAアンタゴニスト、酸化窒素の阻害剤または酸化窒素合成の阻害剤、非ステロイド性抗炎症薬またはサイトカイン抑制性抗炎症薬と組み合わせて、例えば、アセトアミノフェン、アスピリン、コデン(codene)、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラック、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド鎮痛薬、スフェンタニル(sufentanyl)、スンリンダク(sunlindac)、テニダプ(tenidap)などの化合物と組み合わせて、使用することもできる。同様に、本化合物を、鎮痛薬;カフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウムまたはマグネシウムなどの強化剤(potentiator);フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、シュードフェドリン(pseudophedrine)、オキシメタゾリン、エフィネフリン(ephinephrine)、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボ−デスオキシ−エフェドリンなどのうっ血除去薬;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストラメトルファンなどの鎮咳薬;利尿剤;および鎮静性または非鎮静性抗ヒスタミン剤と共に投与することもできる。
【0083】
本発明の化合物は、本発明の化合物が有用な疾患または状態を治療/予防/抑制または緩和する際に使用される他の薬物と組み合わせて使用することもできる。このような他の薬物は、通常使用される経路および量で、本発明の化合物と同時に、または連続して投与することができる。本発明の化合物を1種または複数の他の薬剤と同時に使用する場合、本発明の化合物に加えて、このような他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。したがって、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加えて、1種または複数の他の活性成分も含有するものが含まれる。
【0084】
医薬組成物は、注射可能な水性または疎水性懸濁液の形態であってもよい。知られている技術に従い、前記ものを含む適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、この懸濁液を処方することができる。注射可能な製剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶剤中の無菌の注射可能な溶液または懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液としてであってよい。許容可能なビヒクルおよび溶剤には、水、リンガー液および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。加えて、溶剤または懸濁媒体として、無菌の不揮発性油を通常は使用する。このため、合成モノ−またはジグリセリドを含む何らかの無菌性不揮発精油を使用することができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸を、注射可能剤を調製する際に使用することができる。本発明の組成物は、充実性腫瘍、充実性腫瘍を取り囲む組織または充実性腫瘍を血管が新生した血管に直接注射することができる。
【0085】
本発明の化合物は、薬物を直腸投与するための座薬の形態で投与することもできる。薬物と、通常の温度では固体であるが、直腸温度では液体である適切な非刺激性賦形剤とを混合することにより、これらの組成物を調製することができ、従って、これは直腸で溶けて薬物を放出する。そのような材料には、ココアバターおよびポリエチレングリコールが含まれる。
【0086】
局所使用のためには、1種または複数の本発明の化合物を含有するパッチ、クリーム、軟膏、ジェリー、溶液、懸濁剤および分散剤を利用することができる。局所塗布には、口内洗剤およびうがい薬も含まれる。本発明の医薬組成物および方法はさらに、癌の治療で使用される治療的に活性な他の化合物を含んでもよい。
【0087】
本発明のモジュレーターを用いる癌の治療では、アンタゴニストの適切な用量レベルは通常、1日当り体重1kg当り約0.01から500mgであり、これを、1回または複数回用量で投与することができる。好ましくは、用量レベルは、1日当り約0.1から約250mg/kg;さらに好ましくは1日当り約0.5から約100mg/kgである。適切な用量レベルは、1日当り約0.01から250mg/kg、1日当り約0.05から100mg/kgまたは1日当り約0.1から50mg/kgであってよい。この範囲内で、用量は、1日当り0.05から0.5、0.5から5または5から50mg/kgであってよい。
【0088】
経口投与では、組成物は好ましくは、治療される患者への用量を症状に応じて調節するために、活性成分1.0から1000ミリグラム、特に、活性成分1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0および1000.0ミリグラムを含有する錠剤の形態で提供される。1日当り1から4回の投与、好ましくは1日当り1回または2回の投与を含む方式で、化合物を投与することができる。
【0089】
しかしながら、いずれの患者に対する特定の用量レベルおよび用量頻度も変動し、それらは様々なファクターに依存することが理解されるであろう。これらのファクターには、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用時間、年齢、体重、全身健康、性別、食事、投与方法および時間、排泄速度、薬物の組合せ、特定の状態の重度、および治療を受ける患者が含まれる。
【0090】
CCXCKR2受容体を遮断する方法
特定の理論に結びつけられることは望まないが、本発明の組成物は、CCXCKR2受容体へのSDF−1および/またはI−TACの結合を阻害する方法を提供すると考えられる。SDF−1は、ヒトなどの哺乳動物での癌細胞の発生または伝播を妨害するためのターゲットもたらすことが知られている。下記の実施例24から26に示されているように、CCXCKR2受容体へのI−TACの結合の阻害により、血管が新生した腫瘍の形成が妨げられる。前記組成物と、CCXCKR2受容体を発現する癌細胞とを接触させることにより、さもないと癌細胞のきっかけとなる侵襲性応答を低減することができる。したがって、さらに本発明は、癌、特に充実性腫瘍癌、さらに特には、乳癌を予防および/または治療する際に有用である方法を対象としている。
【0091】
放射性標識されたSDF−1結合およびI−TAC追い出しにより測定されるように、CCXCKR2は、ヒト形質転換細胞で優先的に発現された。表2に含まれているのは、CCXCKR2が発現された組織型(CCXCKR2)、並びにCCXCKR2が発現されなかった組織型(CCXCKR2)である。
【0092】
【表1】

【0093】
一態様では、CCXCKR2受容体へのケモカインSDF−1および/またはI−TACの結合を阻害する好ましい方法は、CCXCKR2受容体へのこれらのケモカインの結合を阻害するのに十分な時間、1種または複数の前記化合物と、CCXCKR2受容体を発現する細胞とを接触させることを含む。
【0094】
癌を治療する方法
さらに本発明は、癌を治療する方法を提供する。癌を治療する好ましい方法は、癌を治療するのに十分な時間、治療的に有効な量の1種または複数の前記化合物(またはその塩)を癌患者に投与することを含む。
【0095】
治療のために、本発明の組成物を、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射もしくは注入、皮下注射またはインプラント)により、吸入スプレー、投与の鼻、膣、直腸、舌下または局所経路により投与することができ、それは、単独で、または一緒に、投与の各経路に適している慣用で非毒性の薬学的に許容できる担体、ビヒクル、および賦形剤を含有する適切な投与単位処方物にすることができる。
【0096】
ヒトなどの霊長類に加えて、本発明の方法により、様々な他の哺乳動物を治療することができる。例えば、これらに限られないが、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラットまたは他のウシ科、ヒツジ科、ウマ科、イヌ科、ネコ科、げっ歯類またはネズミ科の種を含む哺乳動物を治療することができる。しかしながら、本発明の方法を、鳥類の種(例えば、ニワトリ)などの他の種で実施することもできる。
【0097】
本発明の組成物が癌を治療するために有用であることを証明する標準的なin vivoアッセイには、Bertolini,F.,et al.,Endostatin,an antiangiogenic drug,induces tumor stabilization after chemotherapy or anti−CD20 therapy in a NOD/SCID mouse model of human high−grade non−Hodgkin lymphoma.Blood,No.1,Vol.96,pp.282−87(2000年7月1日);Pengnian,L.,Antiangiogenic gene therapy targeting the endothelium−specific receptor tyrosine kinase Tie2.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.95,pp.8829−34(1998年7月);およびPulaski,B.Cooperativity of Staphylococcal aureus Enterotoxin B Superantigen,Major Histocompatibility Complex Class II and CD80 for Immunotherapy of Advanced Spontaneous Metastases in a Clinically Rrelevant Postoperative Mouse Breast Cancer Model.Cancer Research,Vol.60,pp.2710−15(2000年5月15日)に記載されているものが含まれる。
【0098】
先行する記載は、本発明の範囲を記載された態様に限定するものではなく、むしろ、有機化学および薬理学の分野の当業者が本発明を製造および使用することができるようにするものである。同様に、下記の実施例は、請求項またはその均等物の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、単に詳述のために提供されている。様々な変更を下記の組成物および方法にすることができ、それらは、請求項およびその均等物の範囲内であることが理解される。
【0099】
実施例
【実施例1】
【0100】
(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミンの合成:
【0101】
【化8】

【0102】
2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチルアミン0.5g(3.89mmol)および2−メチル−3−フェニル−プロペナール0.56gを乾燥ジクロロメタン20ml中で合わせた。この混合物を窒素下に、硫酸マグネシウム5g上で攪拌した。2日後に、9:1:0.1のジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウム溶離剤を使用する薄層クロマトグラフィー(TLC)により、出発材料が存在しないことが示された。反応混合物を濾過し、集めた固体をジクロロメタンで洗浄した。次いで、生じた有機層を真空下に濃縮した。乾燥メタノール10mlを、窒素下に残留混合物に加え、溶液を0℃に冷却した。この混合物に、水素化ホウ素ナトリウム0.14gを加えた。約15分後に、TLCにより、出発材料が存在しないことが示された。次いで、反応をアセトン(1ml)でクエンチし、蒸留により、溶剤を除去した。クロロホルム中の水5mlの間に、混合物を分配し、層を分離した。次いで、水性層を、クロロホルム30mlで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。真空下に濃縮すると、淡黄色の固体0.78gが得られた。収率:77%。
【0103】
LC−MSD、C1726についてのm/z[M+H]:259、[M+2H]:260
【0104】
【数1】

【実施例2】
【0105】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−ベンズアミド
塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド0.48g(2.4mmol)を乾燥テトラヒドロフラン20mlに加えた。この攪拌溶液に、乾燥トリエチルアミン0.23ml(2.4mmol)を加えた。約15分後に、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.52g(2.4mmol)を加えた。窒素下に室温で、反応混合物を1時間攪拌した。次いで、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.24g(1.76mmol)を加え、さらに30分後に、(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミン0.42g(1.6mmol)を加えた。室温で一晩攪拌した後に、水5mlで反応をクエンチし、酢酸エチル20mlで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空下に濃縮した。9:1のジクロロメタン/メタノールを用いてシリカゲルから溶離することにより、混合物を精製すると、無色のオイル0.38gが得られた。収率:53%。
【0106】
LC−MSD、C2736についてのm/z[M+H]:453.2、[M+2H]:454.2
【0107】
【数2】

【実施例3】
【0108】
3,4−ビス−ジフルオロメトキシ−3−メトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−ベンズアミド
【0109】
【化9】

【0110】
(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミン0.1g(0.4mmol)および3,4−ビス−ジフルオロメトキシ−安息香酸0.11g(0.44mmol)の混合物を酢酸エチル20mlに溶かした。トリエチルアミン0.16mlをこの混合物に加え、室温で20分間攪拌した。次いで、1−プロパンホスホン酸環式無水物の溶液(酢酸エチル中50%)0.25ml(0.44mmol)を混合物に加え、室温で一晩攪拌した。重炭酸ナトリウムの飽和溶液5mlをこの混合物に加え、5分間攪拌した。層を分離した。水性層を酢酸エチルで抽出し、有機層と合わせた。次いで、有機層を乾燥させ、濃縮し、ジクロロメタン9.5:メタノール0.5を用いるシリカゲル溶離でカラムクロマトグラフィーに掛けると、遊離のアミンが得られた。
【0111】
この化合物をジクロロメタンに溶かし、窒素雰囲気下に0℃に冷却し、HCl−エーテル溶液でHCl塩に変換すると、白色の吸湿性(hydroscopic)の化合物34mgが得られた。収率:7%。
【0112】
LC−MSD、C2630についてのm/z[M+H]:495.1
【0113】
【数3】

【実施例4】
【0114】
3,4,5−トリエトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル−ベンズアミド]
【0115】
【化10】

【0116】
3,4,5−トリエトキシカルボン酸0.22g(0.8mmol)および(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミン0.1g(0.38mmol)、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド0.11g(0.57mmol)、1−ヒドロベンゾトリアゾール0.05g(0.418mmol)およびトリエチルアミン0.08mlについて、実施例2で記載した手順と同様の手順を使用した。生じた生成物を、水中に20%から80%のアセトニトリルおよび0.1%のトリフルオロ酢酸を含有する移動相勾配を用いる分取高圧液体クロマトグラフィーにより精製した。白色の粉末84.3mg(0.13mmol)がTFA塩として得られた。収率:30%。
【0117】
LC−MSD、C3042についてのm/z[M+H]:495.3、[M+2H]:496.3。
【実施例5】
【0118】
4−ジフルオロメトキシ−3−メトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−ベンズアミド
【0119】
【化11】

【0120】
(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミン0.1g(0.4mmol)、4−ジフルオロメトキシ−3−メトキシ−安息香酸0.93g(0.44mmol)、1−プロパンホスホン酸環式無水物(酢酸エチル50%)0.25ml(0.4mmol)およびトリエチルアミン0.16mlについて、実施例3と同様の実験条件を使用した。生じた遊離アミンを、HCl塩としての白色の吸湿性固体38mgに変換した。収率:8%。
【0121】
20分で20から95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は、14.504分に溶離する。
LC−MSD、C2632についてのm/z[M+H]:459.1、[M+2H]:460.1、[M+3H]:461.2。
【実施例6】
【0122】
3,4−ジメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)エチル]−ベンズアミド
【0123】
【化12】

【0124】
3,4−ジメトキシカルボン酸0.1g(0.38mmol)および(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミン0.1g(0.38mmol)、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド0.11g(0.57mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.05g(0.41mmol)およびトリエチルアミン0.08mlについて、実施例2で記載した手順と同様の手順を使用して、淡黄色のオイル179mgを得た。収率:41%。
【0125】
LC−MSD、C2832Oについてのm/z[M+H]:423.2.2、[M+2H]:424.2。
【実施例7】
【0126】
3,5−ジメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)エチル]−ベンズアミド
【0127】
【化13】

【0128】
3,5−ジメトキシカルボン酸0.1g(0.38mmol)および(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミン0.1g(0.38mmol)、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド0.11g(0.57mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.05g(0.41mmol)およびトリエチルアミン0.08mlについて、実施例2で記載した手順と同様の手順を使用して、淡黄色のオイル140mgを得た。収率:33%。
【0129】
LC−MSD、C2634についてのm/z[M+H]:423.2.2、[M+2H]:424.2。
【0130】
【数4】

【実施例8】
【0131】
7−メトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミド
【0132】
【化14】

【0133】
7−メトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸0.07g(0.3mmol)および(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミン0.05g(0.2mmol)、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド0.56g(0.28mmol)、1−ヒドロベンゾトリアゾール0.05g(0.2mmol)およびトリエチルアミン0.04mlについて、実施例2で記載した手順と同様の手順を使用した。生じた生成物を、水中に20から70%のアセトニトリルおよび0.1%のトリフルオロ酢酸を含む移動相勾配を用いる分取高圧液体クロマトグラフィーにより精製した。白色の粉末16.3mg(0.13mmol)をHCl塩として得た。収率:4%。
【0134】
20分で20から95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は、15.196分に溶離する。
LC−MSD、C2836についてのm/z[M+H]:465.2、[M+2H]:466.2。
【実施例9】
【0135】
3,5−ジブロモ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−ベンズアミド
【0136】
【化15】

【0137】
3,5−ジブロモ−安息香酸0.16g(0.38mmol)および(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミン0.1g(0.38mmol)、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド0.11g(0.57mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.05g(0.41mmol)およびトリエチルアミン0.08mlについて、実施例2と同様の手順を使用した。アセトニトリル相の20〜80%の勾配を伴う逆相分取HPLCにより、153mgがTFA塩として得られた。収率:63%。
【0138】
LC−MSD、C2428OBrについてのm/z[M+H]:519.3、[M+2H]:520.3、[M+3H]:521.3、[M+4H]:522.3、[M+5H]:523.3、[M+6H]:524.3。
【実施例10】
【0139】
3,5−ジメチル−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−ベンズアミド
【0140】
【化16】

【0141】
3,5−ジメチル−安息香酸0.16g(0.38mmol)および(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミン0.1g(0.38mmol)、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド0.11g(0.57mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.05g(0.41mmol)およびトリエチルアミン0.08mlについて実施例2と同様の手順を使用した。トリフルオロ酢酸相0.1%と共にアセトニトリル勾配20〜80%を伴う逆相分取HPLCにより、TFA塩として60mgが得られた。収率:32%。
【0142】
LC−MSD、C2634Oについてのm/z[M+H]:391.5、[M+2H]:392.4.
【実施例11】
【0143】
4−メトキシ−3,5−ジメチル−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−ベンズアミド
【0144】
【化17】

【0145】
4−メトキシ−3,5−ジメチル−安息香酸0.108g(0.58mmol)および(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミン0.1g(0.38mmol)、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド0.11g(0.57mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.05g(0.41mmol)およびトリエチルアミン0.08mlについて、実施例2と同様の手順を使用した。トリフルオロ酢酸相0.1%と共にアセトニトリル勾配20〜80%を伴う逆相分取HPLCにより、TFA塩として45.4mgが得られた。収率:22%。
【0146】
LC−MSD、C2736についてのm/z[M+H]:421.2、[M+2H]:422.2。
【実施例12】
【0147】
3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−カルボン酸(2−メチル−3−フェニル−アリル)−2[−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミド
【0148】
【化18】

【0149】
(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−アミン0.1g(0.38mmol)およびトリエチルアミン0.08ml(0.58mmol)の混合物を窒素下に0℃で乾燥ジクロロメタン5ml中で攪拌した。この混合物に、塩化3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−カルボニル0.098g(0.456mmol)を加えた。この反応混合物に、酢酸エチル25mlおよび水5mlを加えた。有機層を水性層から分離し、次いで、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた。有機層を濾過し、真空下に蒸発させた。酢酸エチル9.5、メタノール0.5および水酸化アンモニウム0.05を用いる溶離でフラッシュクロマトグラフィーを使用する精製により、茶色のオイルが得られた。
【0150】
LC−MSD、C2734についてのm/z[M+H]:435.2、[M+2H]:436.2。
【実施例13】
【0151】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(2−ピロリジン−2−イル−エチル)−ベンズアミド
【0152】
【化19】

【0153】
化合物2−[2−(2−メチル−3−フェニル−アリルアミノ)−エチル−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(スキーム1に従いラセミプロリンから調製)0.6g(2mmol)および3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.513g(2.4mmol)の乾燥ジクロロメタン10ml中の溶液に、トリエチルアミン0.2mlを加え、室温で20分間攪拌した。次いで、テトラフルオロホウ酸O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウラニウム1.3g(4mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をDCMで希釈し、10%のNaHCO溶液、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮し、溶離剤としてCHCl/MeOHを使用するカラムクロマトグラフィーシリカゲルに掛けると、2−{2−[(2−メチル−3−フェニル−アリル)−3,4,5−トリメトキシ−ベンゾイル)−アミノ]−エチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル1gが得られた。
【0154】
この化合物を、ジオキサン10mlに溶かし、6NのHCl10mlをこれに加えた。反応混合物を室温で14時間攪拌し、10%のNaOH溶液で塩基性にし、酢酸エチル(15ml)で2回抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製すると、遊離アミン0.35gが得られた。この遊離アミン100mgを、乾燥HClエーテル液を使用してその塩酸塩に変えると、白色の固体88mgが得られた。収率39%。
【0155】
LC−MSD、C2634についてのm/z[M+H]:439.3。
【0156】
【数5】

【実施例14】
【0157】
N−[2−(1−ベンジル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0158】
【化20】

【0159】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(2−ピロリジン−2−イル−エチル)−ベンズアミド0.11g(2.5mmol)および新たに蒸留したベンズアルデヒド0.026g(2.5mmol)を乾燥メタノール10mlに入れた。酢酸0.022ml(3.7mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム0.023g(3.7mmol)を0℃で加えた。反応混合物を徐々に室温まで加温し、14時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を水で希釈し、クロロホルム(3×20ml)で抽出した。有機層を10%のNaHCO溶液、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製すると、純粋な所望の化合物が得られた。これを、乾燥HClエーテル液を使用してその塩酸塩に変えると、生成物90mgが得られた。収率:63%。
【0160】
LC−MSD、C3340についてのm/z[M+H]:529.3。
【0161】
【数6】

【実施例15】
【0162】
N−[2−(1−エチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0163】
【化21】

【0164】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(2−ピロリジン−2−イル−エチル)−ベンズアミド0.1g(2.28mmol)の乾燥ジクロロメタン5ml溶液に、重炭酸ナトリウム0.01g(2.7mmol)を、続いて臭化エチル0.037g(3.4mmol)を0℃で加えた。この反応混合物を室温で14時間攪拌した。無機物を濾別し、濾液を濃縮した。粗製原料をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーに掛けたが、その際、クロロホルム−メタノールで溶離して、所望の化合物を遊離アミンとして得た。これを、黄色の半固体としてのその塩酸塩42mgに変換した。
【0165】
LC−MSD、C2838についてのm/z[M+H]:467.4。
【0166】
【数7】

【実施例16】
【0167】
3,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(2−(S)−ピロリジン−2−イル−エチル)−ベンズアミド
【0168】
【化22】

【0169】
乾燥ジクロロメタン10ml中の化合物2−[2−(2−メチル−3−フェニル−アリルアミノ)−エチル−(S)−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(スキーム2に従い(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−t−ブチルエステルから調製)0.47g(1.3mmol)および3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.3g(1.6mmol)にトリエチルアミン0.1mlを加え、室温で20分間攪拌した。次いで、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.3g(2mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.018g(0.13mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、10%の重炭酸ナトリウム溶液、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離剤としてn−ヘキサン:酢酸エチル)に掛けると、2−{2−[(2−メチル−3−フェニル−アリル)−3,4,5−トリメトキシ−ベンゾイル]−アミノ]−エチル}−(S)−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル0.57g(収率:76%)が得られた。この化合物0.22g(0.4mmol)を乾燥エーテル5mlに溶かし、HClで飽和されている乾燥エーテル5mlを0℃で加えた。反応混合物を室温で10時間攪拌した。エーテルを濃縮し、残留物を乾燥エーテルで3から4回洗浄すると、白色の固体として0.12gが得られた。収率30%。
【0170】
LC−MSD、C2634についてのm/z[M+H]:439.3。
【0171】
【数8】

【実施例17】
【0172】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(2−(R)−ピロリジン−2−イル−エチル)−ベンズアミド
【0173】
【化23】

【0174】
2−[2−(2−メチル−3−フェニル−アリルアミノ)−エチル−(R)−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(スキーム3に従い(R)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸−1−t−ブチルエステルから調製)0.6g(2mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.51g(2.4mmol)、テトラフルオロホウ酸O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム1.3g(4mmol)およびトリエチルアミン0.2mlについて、実施例13と同様の実験条件を使用した。中間体2−{2−[(2−メチル−3−フェニル−アリル)−(3,4,5−トリメトキシ−ベンゾイル)−アミノ−]−エチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルをジオキサン10mlおよび6NのHCl5mlに溶かすと、塩基による後処理および精製の後に化合物0.35gが得られた。収率;39%。
【0175】
LC−MSD、C2634についてのm/z[M+H]:439.3。
【0176】
【数9】

【実施例18】
【0177】
3,4,5−トリメトキシ−N[2−(S)−メトキシメチル−ピロリジン−1−イル)−プロピル]−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0178】
【化24】

【0179】
3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.335g(1.58mmol)および塩化チオニル0.35ml(2.64mmol)を80℃で3時間還流させた。反応混合物を濃縮して、対応する酸塩化物を得た。[2−(2−(S)−メトキシメチル−ピロリジン−1−イル)−プロピル]−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン(スキーム4に従い3−(S)−2−メトキシ−エチルピロリジンから調製)0.4g(1.32mmol)を乾燥ジクロロメタン20mlに入れた。これに、トリエチルアミン0.1mlを室温で、続いて乾燥ジクロロメタン15ml中の塩化3,4,5−トリメトキシベンゾイルの溶液を0℃で加えた。反応混合物を徐々に室温まで加温し、2時間攪拌し、ジクロロメタンで後処理した。シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー精製により、純粋な生成物が得られ、これを、エーテル中のHClを使用して対応する塩酸塩に変えると、所望の化合物90mgが白色の固体として得られた。収率:13%。
【0180】
LC−MSD、C2940についてのm/z[M+H]:497.3。
【0181】
【数10】

【実施例19】
【0182】
N−[3−(R)−(2−エトキシ−ピロリジン−1−イル)−プロピル]−3,4,5−トリメトキシ−N(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0183】
【化25】

【0184】
[3−(R)−(エトキシ−ピロリジン−1−イル)−プロピル]−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン(スキーム5に記載の(R)−2−(メトキシメチル)ピロリジンから調製)0.7g(2.3mmol)および3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.611g(2.89mmol)、トリエチルアミン0.5mlおよびテトラフルオロホウ酸塩O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム0.893g(2.78mmol)について、実施例13と同様の実験条件を使用した。反応により、遊離アミンを得て、これを、乾燥HClエーテル液を使用してその塩酸塩に変えると、固体化合物50mgが得られた。収率:4%。
【0185】
LC−MSD、C2940についてのm/z[M+H]:497.3。
【0186】
【数11】

【実施例20】
【0187】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N[3−(3−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−ベンズアミド
【0188】
【化26】

【0189】
(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[3−(3−メチル−ピペリジン−1−イル−プロピル−アミン(スキーム6に記載の3−メチル−ピペリジンから調製)1g(3.5mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.89g(4.2mmol)、トリエチルアミン0.5mlおよびテトラフルオロホウ酸O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム1.68g(5.7mmol)について、実施例13と同様の実験条件を使用した。反応により、遊離アミンを得て、これを、その塩酸塩に変えると(乾燥HClエーテル液を使用して)、白色の固体0.9gが得られた。収率:49%。
【0190】
LC−MSD、C29H40N2O4についてのm/z[M+H]:481.2、[M+2H]:482.2。
【0191】
【数12】

【実施例21】
【0192】
1−{3−[(2−メチル−3−フェニル−アリル)−(3,4,5−トリメトキシ−ベンゾイル)−アミノ]−プロピル}−ピロリジン−2(S)−カルボン酸ジメチルアミド
【0193】
【化27】

【0194】
1−[3−(S)−(2−メチル−3−フェニル−アリルアミノ)−プロピル]−ピロリジン−2−カルボン酸ジメチルアミド(スキーム7に記載の(S)−ピロリジン−2−カルボン酸ジメチルアミドから調製)0.15g(0.455mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.125g(0.58mmol)、トリエチルアミン0.3mlおよび1−プロパンホスホン酸環式無水物溶液(酢酸エチル中50%)について、実施例3と同様の実験条件を使用した。反応により、遊離アミン55mgが得られた。
【0195】
この化合物を、乾燥エーテルに溶かし、窒素雰囲気下に0℃に冷却すると、白色の沈殿物としてHCl塩が得られた。エーテル層をデカンテーション分離し、真空下に乾燥させると、HCl塩の白色のフォーム55mgが得られた。
【0196】
LC−MSD、C3041についてのm/z[M+H]:524.3。
【0197】
【数13】

【実施例22】
【0198】
N−[3−(R)−(3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−プロピル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0199】
【化28】

【0200】
酢酸エチル20ml中の1−(R)−[3−(2−メチル−3−フェニル−アリルアミノ)−プロピル]−ピロリジン−3−オール(スキーム8に記載の(R)−ピロリジン−3−オールから調製)0.5g(1.845mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.46g(2.1mmol)、トリエチルアミン0.3ml、および1−プロパンホスホン酸環式無水物溶液(酢酸エチル中50%)0.34gについて、実施例3と同様の実験条件を使用した。反応により、遊離アミン28mgが得られた。化合物を乾燥エーテル中に溶かし、HCl塩に変換すると、白色の固体30mgが得られた。収率:3%。
【0201】
LC−MSD、C2736についてのm/z[M+H]:469.4。
【実施例23】
【0202】
N−[3−(2−ベンジル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0203】
【化29】

【0204】
酢酸エチル20ml中の[3−(2−ベンジル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン(スキーム9に記載の2−ベンジルピペリジンから調製)0.2g(0.5mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.139g(0.65mmol)、トリエチルアミン0.6ml、および1−プロパンホスホン酸環式無水物溶液(酢酸エチル中50%)0.5gについて、実施例3と同様の実験条件を使用した。遊離アミンをエーテル中でHCl塩に変換すると、オフホワイト色の固体90mgが得られた。収率:30%。
【0205】
LC−MSD、C3544についてのm/z[M+H]:557.5。
【0206】
【数14】

【実施例24】
【0207】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−[3−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロピル]−ベンズアミド
【0208】
【化30】

【0209】
酢酸エチル10ml中の(2−メチル−3−フェニル−アリル)−[3−(2−メチル−ピロリジン−1−イル)−プロピル]−アミン(スキーム10に記載の2−メチル−ピロリジンから調製)0.14g(0.5mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.130g(0.65mmol)、トリエチルアミン0.1ml、およびプロパンホスホン酸環式無水物溶液(酢酸エチル中50%)0.7gについて、実施例3と同様の実験条件を使用した。遊離アミンをエーテル中でHCl塩に変換すると、茶色の半固体40mgが得られた。収率:15%。
【0210】
LC−MSD、C2838についてのm/z[M+H]:467.2。
【0211】
【数15】

【実施例25】
【0212】
N−(3−ヒドロキシ−プロピル)−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0213】
【化31】

【0214】
3,4,5−トリメトキシ安息香酸6.1g(28mmol)および塩化チオニル5.22gを一緒に、窒素下に4.5時間還流させた。次いで、過剰の塩化チオニルを真空下に蒸発させ、高真空ポンプ下に乾燥させた。次いで、この乾燥酸塩化物を乾燥THF5mlに溶かし、攪拌されている3−(2−メチル−3−フェニル−アリルアミノ)−プロパン−1−オールの氷冷10%NaOH溶液に加えた。次いで、反応混合物を放置して徐々に室温にした。2時間後に、反応を完了させた。次いで、混合物をジクロロメタンで抽出し、溶剤を蒸発させ、続いて、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた。次いで、粗製のアルコールをシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製すると(9/1のCHCl3/MeOH)、純粋なアルコールが白色の固体8gとして得られた。収率:71%。
【0215】
【数16】

【実施例26】
【0216】
N−[3−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3,4,5−トリメトキシ−N(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0217】
【化32】

【0218】
N−(3−ヒドロキシ−プロピル)−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド1g(2.5mmol)を窒素下に乾燥のエーテル20mlに溶かした。次いで、溶液を0℃に冷却し、三臭化リン0.34gを攪拌しながら滴加した。混合物を放置して室温まで徐々に加温し、室温で1時間攪拌した。次いで、粉砕した氷を反応混合物に加えた。有機層を10%重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮すると、中間体N−(3−ヒドロキシ−プロピル)−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミドが得られた。ジメチルホルムアミド5ml中のこのブロモ中間体0.6g(1.3mmol)を、1−ベンジルピペラジン0.26g(1.4mmol)および炭酸カリウム0.3g(1.5mmol)のDMF5ml中の混合物に加えた。反応混合物を室温に加温し、17時間攪拌した。水30mlをこの混合物に加え、クロロホルム(3×30ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させると、化合物の混合物が得られた。クロロホルム中5%のメタノールを用いるシリカゲルカラム溶離を使用する精製により、遊離アミン80mgが得られた。収率:11%。次いで、この遊離アミンをHCl塩に変えると、白色の粉末40mgが得られた。
【0219】
LC−MSD、C3443についてのm/z[M+H]:558.3。
【0220】
【数17】

【実施例27】
【0221】
N−[3−(4−ベンジル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0222】
【化33】

【0223】
N−(3−ヒドロキシ−プロピル)−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド中間体(N−(3−ヒドロキシ−プロピル)−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミドから調製)0.4g(0.8mmol)、4−ベンジルピペリジン0.13g(0.74mmol)および炭酸カリウム0.4gについて、実施例26と同様の実験条件を使用して、遊離のアミンとして80mgが得られた。この化合物を、HCl塩に変換すると、茶色の固体87mgが得られた。収率:19%。
【0224】
LC−MSD、C3544についてのm/z[M+H]:557.3。
【実施例28】
【0225】
N−[3−(S)−(3−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0226】
【化34】

【0227】
[3−(S)−(3−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン(スキーム11に記載の(S)−2−ベンジルピペラジンから調製)0.08g(0.24mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.05g(0.24mmol)、塩化チオニル0.02ml(0.46mmol)およびトリエチルアミンについて実施例18と同様の実験条件を使用した。精製の後に遊離アミンをHCl塩に変換すると、茶色の半固体の塩45mgが得られた。収率:7%。
【0228】
LC−MSD、C3443についてのm/z[M+H]:558.3。
【0229】
【数18】

【実施例29】
【0230】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(S)−ピロリジン−2−イル−メチル−ベンズアミド
【0231】
【化35】

【0232】
酢酸エチル20ml中の2−[(2−メチル−3−フェニル−アリルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(スキーム12に従い2−(S)−アミノメチル−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルから調製)0.6g(1.8mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.46g(2.1mmol)、トリエチルアミン0.1mlおよびプロパンホスホン酸環式無水物溶液(酢酸エチル中50%)1.15g(3.63mmol)について、実施例3と同様の実験条件を使用した。反応により、化合物0.13gが得られた。
【0233】
2−(S)−[2−メチル−3−フェニル−アリル)−(3,4,5−トリメトキシ−ベンゾイル)−アミノ]−メチル−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル0.1g(0.24mmol)をジオキサン5mlに溶かした。この混合物に、6NのHCl4mlを加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。この混合物に、水酸化ナトリウムの10%溶液を加えた。混合物をクロロホルムで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、その後、濃縮した。遊離アミンを塩酸塩に変えると、白色の粉末80mg(0.18mmol)が得られた。
【0234】
LC−MSD、C2532についてのm/z[M+H]:425.3。
【0235】
【数19】

【実施例30】
【0236】
(S)−N−(1−ベンジル−ピロリジン−2−イルメチル)−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0237】
【化36】

【0238】
実施例14と同様の実験条件で、3,4,5−トリメトキシ−(S)−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.2g(0.4mmol)、ベンズアルデヒド0.14ml(1.4mmol)および酢酸0.04ml(0.7mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.04g(0.7mmol)から、白色の粉末120mgが得られた。収率:50%。
【0239】
LC−MSD、C3238についてのm/z[M+H]:515.5。
【0240】
【数20】

【実施例31】
【0241】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(S)−(1−メチル−ピロリジン−2−イル−メチル)−ベンズアミド
【0242】
【化37】

【0243】
3,4,5−トリメトキシ−(S)−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.1g(0.23mmol)、パラホルムアルデヒド0.035g(0.11mmol)、酢酸0.021ml(0.35mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.02g(0.35mmol)で、実施例14と同様の実験条件を使用した。遊離塩基をHCl塩に変換した後に、白色の固体65mgが得られた。収率:54%。
【0244】
LC−MSD、C2634についてのm/z[M+H]:439.4。
【0245】
【数21】

【実施例32】
【0246】
N−(S)−(1−エチル−ピロリジン−2−イルメチル)−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0247】
【化38】

【0248】
3,4,5−トリメトキシ−(S)−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.2g(0.23mmol)、アセトアルデヒド0.1g(2.3mmol)、酢酸0.04ml(0.7mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.043g(0.7mmol)について、実施例14と同様の実験条件を使用した。遊離塩基をHCl塩に変換した後に、白色の固体40mgが得られた。収率:35%。
【0249】
LC−MSD、C2736についてのm/z[M+H]:453.4。
【0250】
【数22】

【実施例33】
【0251】
N−(S)−[1−(4−フルオロ−ベンジル)−ピロリジン−2−イルメチル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0252】
【化39】

【0253】
3,4,5−トリメトキシ−(S)−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.2g(0.47mmol)、4−フルオロベンズアルデヒド0.17g(1.41mmol)、酢酸0.04ml(0.7mmol)およびおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.044g(0.7mmol)について、実施例30と同様の実験条件を使用した。遊離塩基をHCl塩に変換した後に、白色の固体80mgが得られた。収率:35%。
【0254】
LC−MSD、C3237Fについてのm/z[M+H]:533.3。
【0255】
【数23】

【実施例34】
【0256】
N−(S)−(1−イソプロピル−ピロリジン−2−イルメチル)−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0257】
【化40】

【0258】
3,4,5−トリメトキシ−(S)−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.15g(0.3mmol)、乾燥アセトン0.07g(1mmol)、酢酸0.03ml(0.5mmol)およびおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.033g(0.5mmol)について、実施例14と同様の実験条件を使用した。遊離塩基をHCl塩に変換した後に、オフホワイト色の固体90mgが得られた。収率:58%。
【0259】
LC−MSD、C2838についてのm/z[M+H]:467.4。
【0260】
【数24】

[実施例34]
【0261】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン2−イル−メチル)−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0262】
【化41】

【0263】
3,4,5−トリメトキシ−(S)−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.1g(0.23mmol)、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド0.037g(0.28mmol)、酢酸0.02ml(0.35mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.022g(0.35mmol)について、実施例30と同様の実験条件を使用した。遊離塩基をHCl塩に変換した後に、淡黄色の固体60mgが得られた。収率:46%。
【0264】
LC−MSD、C3244についてのm/z[M+H]:521.5。
【0265】
【数25】

【実施例35】
【0266】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(R)−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド
【0267】
【化42】

【0268】
実施例22と同様の実験条件を使用した。DCM10ml中で、2−(R)−[(2−メチル−3−フェニル−アリルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(スキーム13に従い調製)を、2−(R)−カルボキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル0.5g(1.51mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.38g(1.8mmol)、トリエチルアミン0.1ml、1−(ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド0.43g(2.2mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.2g(1.5mmol)と共に用いた。反応により、2−(R){[2−メチル−3−フェニル−アリル)−3,4,5−トリメトキシ−ベンゾイル)−アミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル0.46gが得られた。実施例13と同様にBOC脱保護した後に、化合物をHCl塩に変え、白色の固体0.35gを得た。収率:50%。
【0269】
LC−MSD、C2532についてのm/z[M+H]:425.4。
【0270】
【数26】

【実施例36】
【0271】
N−[3−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド
【0272】
【化43】

【0273】
実施例2と同様の実験条件を使用した。DCM10ml中で、2−(S)−{[3−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−アリルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを、2−(S)−カルボキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルおよびスキーム14に記載の3−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−プロペナール0.36g(1.03mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.26g(1.2mmol)、トリエチルアミン0.2ml、1−(ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド0.29g(1.55mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.014g(0.1mmol)と共に用いた。反応により、2−(S)−{[3−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−アリルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル0.32gが得られた。実施例13と同様にBOC脱保護し、化合物をHCl塩に変えると、白色の固体69mgが得られた。収率:14%。
【0274】
LC−MSD、C2531FNについてのm/z[M+H]:443.4。
【0275】
【数27】

[実施例38]
【0276】
N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド
【0277】
【化44】

【0278】
実施例2と同様の実験条件を使用した。DCM10ml中で、2−(S)−{[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを、2−(S)−カルボキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルおよびスキーム15に記載の3−(2、4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−プロペナール0.4g(1mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.27g(1.3mmol)、トリエチルアミン0.1ml、1−(ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド0.31g(1.63mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.014g(0.1mmol)と共に用いた。反応により、2−(S)−{[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル0.49gが得られた。化合物をHCl塩に変えると、白色の固体45mgが得られた。収率:14%。
【0279】
LC−MSD、C2530についてのm/z[M+H]:443.4。
【0280】
【数28】

[実施例39]
【0281】
N−(S)−(1−シクロブチル−ピロリジン−2−イルメチル)−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド
【0282】
【化45】

【0283】
N−(S)−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.15g(0.32mmol)、シクロブタノン0.027g(0.39mmol)、酢酸0.027ml(0.48mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.024g(0.48mmol)について、実施例14と同様の実験条件を使用した。遊離塩基をHCl塩に変えると、白色の固体90mgが得られた。収率:46%。
【0284】
LC−MSD、C2936についてのm/z[M+H]:515.5。
[実施例40]
【0285】
N−(S)−(1−シクロペンチル−ピロリジン−2−イルメチル)−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド
【0286】
【化46】

【0287】
N−(S)−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.12g(0.26mmol)、シクロペンタノン0.026g(0.313mmol)、酢酸0.023ml(0.39mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.025g(0.391mmol)について、実施例14と同様の実験条件を使用した。遊離塩基をHCl塩に変えると、無色の半固体90mgが得られた。収率:61%。
【0288】
LC−MSD、C3038についてのm/z[M+H]:529.5。
【0289】
【数29】

[実施例41]
【0290】
N−[3−2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(S)−[1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル]−ベンズアミド
【0291】
【化47】

【0292】
N−(S)−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.1g(0.2mmol)、ピラン−4−カルボキシアルデヒド0.029g(0.26mmol)、酢酸0.018ml(0.32mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.029g(0.32mmol)について、実施例14と同様の実験条件を使用した。遊離塩基をHCl塩に変えると、淡黄色の固体40mgが得られた。収率:33%。
【0293】
LC−MSD、C3140についてのm/z[M+H]:559.5。
【0294】
【数30】

[実施例42]
【0295】
N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(S)−[1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピロリジン−2−イルメチル]−ベンズアミド
【0296】
【化48】

【0297】
N−(S)−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.13g(0.28mmol)、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン0.034g(0.33mmol)、酢酸0.026ml(0.42mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.027g(0.43mmol)について、実施例14と同様の実験条件を使用した。遊離塩基をHCl塩に変えると、無色の半固体70mgが得られた。収率:43%。
【0298】
LC−MSD、C3038についてのm/z[M+H]:545.6。
【0299】
【数31】

[実施例43]
【0300】
N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(S)−1−ピリジン−4−イルメチル−ピロリジン−2−イルメチル]−ベンズアミド
【0301】
【化49】

【0302】
N−(S)−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.15g(0.32mmol)、ピリジン−4−カルボキシアルデヒド0.041g(0.39mmol)、酢酸0.029ml(0.48mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.03g(0.48mmol)について、実施例14と同様の実験条件を使用した。遊離塩基をHCl塩に変えると、白色の固体90mgが得られた。収率:47%。
【0303】
LC−MSD、C3135についてのm/z[M+H]:552.4。
[実施例44]
【0304】
N−(S)−(1−シクロペンチルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド
【0305】
【化50】

【0306】
N−(S)−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.09g(0.19mmol)の乾燥アセトニトリル10ml溶液に、無水炭酸カリウム0.07g(0.5mmol)、ヨウ化カリウム0.0032g(0.019mmol)およびメタンスルホン酸シクロペンチルメチルエステル0.1g(0.56mmol)を室温で窒素雰囲気下に加えた。この反応混合物を70℃で40時間加熱し、次いで、冷水20mlに注ぎ、クロロホルム(2×15ml)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。粗製材料を、シリカゲル、60〜120、クロロホルム:メタノールでカラム精製すると、遊離アミンが得られた。これをその塩酸塩に変換すると、黄色の固体15mgが得られた。
【0307】
LC−MSD、C3140についてのm/z[M+H]:543.60。
【0308】
【数32】

[実施例45]
【0309】
N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(R)−(1−ピペリジン−4−イルメチル)−ベンズアミド
【0310】
【化51】

【0311】
N−(R)−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.1g(0.21mmol)、4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル0.051g(0.26mmol)、酢酸0.018ml(0.32mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.016g(0.32mmol)について、実施例14と同様の実験条件を使用した。反応により、4−(2−(R)−{[[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−(3,4,5−トリメトキシ−ベンゾイル)−アミノ]−メチル}−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル120mgが得られた。化合物を乾燥エーテル5mlに溶かし、HClで飽和された乾燥エーテル5mlを0℃で加えた。反応混合物を室温で10時間攪拌した。エーテルを濃縮し、残留物を乾燥エーテルで3〜4回洗浄すると、黄色の固体80mgが得られた。
【0312】
LC−MSD、C3039についてのm/z[M+H]:544.6。
【0313】
【数33】

[実施例46]
【0314】
N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(R)−1−ピリジン−4−イルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−ベンズアミド
【0315】
【化52】

【0316】
N−(R)−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.1g(0.21mmol)、ピリジン−4−カルボキシアルデヒド0.027g(0.26mmol)、酢酸0.018ml(0.32mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.016g(0.32mmol)について、実施例14と同様の実験条件を使用した。遊離塩基をHCl塩に変えると、白色の固体80mgが得られた。収率:47%。
【0317】
LC−MSD、C3135についてのm/z[M+H]:552.4。
【0318】
【数34】

[実施例47]
【0319】
N−(R)−(1−シクロヘキシル−ピロリジン−2−イルメチル)−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド
【0320】
【化53】

【0321】
N−(R)−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.1g(0.21mmol)、シクロヘキサノン0.026g(0.26mmol)、酢酸0.018ml(0.32mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.016g(0.32mmol)について、実施例14と同様の実験条件を使用した。遊離塩基をHCl塩に変えると、白色の固体100mgが得られた。収率:47%。
【0322】
LC−MSD、C3140についてのm/z[M+H]:543.5。
【0323】
【数35】

[実施例48]
【0324】
N−(1−シクロブチル−ピロリジン−2−イルメチル)−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド
【0325】
【化54】

【0326】
N−(R)−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.1g(0.21mmol)、シクロブタノン0.019g(0.26mmol)、酢酸0.018ml(0.32mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.016g(0.32mmol)について、実施例14と同様の実験条件を使用した。遊離塩基をHCl塩に変えると、白色の固体110mgが得られた。収率:47%。
【0327】
LC−MSD、C2936についてのm/z[M+H]:515.5。
【0328】
【数36】

[実施例49]
【0329】
3,5−ジメトキシ−N−(S)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド
【0330】
【化55】

【0331】
テトラヒドロフラン3ml中の2−[(2−メチル−3−フェニル−アリルアミノ)−メチル]−(S)−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル0.09g(0.27mmol)、3,5ジメトキシ安息香酸0.075g(0.4mmol)、塩酸1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド0.078g(0.4mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.04g(0.4mmol)およびトリエチルアミン0.05mlについて、実施例2と同様の実験条件を使用した。反応により、黄色のオイル88mgが得られた。このオイルを、ジクロロメタン1mlおよびトリフルオロ酢酸0.14mlに溶かした。40分でアセトニトリル20〜80%の勾配を伴う逆相HPLCを使用して、混合物を精製した。化合物をHCl塩に変換すると、淡黄色のオイル48mgが得られた。
【0332】
LC−MSD、C2430についてのm/z[M+H]:395.2。
【0333】
【数37】

[実施例50]
【0334】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−3,5−ジメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0335】
【化56】

【0336】
3,5−ジメトキシ−N−(S)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.04g(0.1mmol)、シクロヘキサンカルボアルデヒド0.012g(0.11mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド0.04mg(0.2mmol)のジクロロメタン1ml中の混合物を室温で窒素下に攪拌した。実施例14と同様の後処理条件を使用した。
【0337】
40分で20〜80%のアセトニトリル勾配を伴う逆相HPLCを使用して、混合物を精製した。化合物をHCl塩に変えると、白色の粉末22mgが得られた。
LC−MSD、C3142についてのm/z[M+H]:491.3:[M+2H]:492.3、[M+3H]:493.3。
[実施例51]
【0338】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル)−N−[3−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,5−ジメトキシ−ベンズアミド
【0339】
【化57】

【0340】
N−[3−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,5−ジメトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.032g(0.07mmol)、シクロヘキサンカルボアルデヒド0.008g(0.077mmol)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド0.033mg(0.14mmol)について、実施例51と同様の実験条件を使用した。この反応により、TFA塩として吸湿性の白色の化合物25.5mgが得られた。収率:58%。
【0341】
LC−MSD、C3141Fについてのm/z[M+H]:509.2:[M+2H]:510.2、[M+3H]:511.2。
【0342】
【数38】

[実施例52]
【0343】
N−(R)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,5−ジメトキシ−ベンズアミド
【0344】
【化58】

【0345】
N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,5−ジメトキシ−N−(R)−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド(スキーム15に従い調製)0.13g(0.32mmol)、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド0.039g(0.35mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド0.1g(0.48mmol)について、実施例51と同様の実験条件を使用した。アセトニトリル20から80%の勾配を伴う逆相HPLCで、化合物を精製した。精製した化合物をHCl塩に変換すると、白色の粉末80mgが得られた。収率:44%。
【0346】
LC−MSD、C3140についてのm/z[M+H]:527.2:[M+2H]:528.2、[M+3H]:529.2。
[実施例53]
【0347】
N−(R)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,5−ジエトキシベンズアミド
【0348】
【化59】

【0349】
N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,5−ジエトキシ−N−(R)−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.13g(0.29mmol)、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド0.037g(0.31mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド0.09g(0.43mmol)について、実施例51と同様の実験条件を使用した。アセトニトリル20から80%の勾配を伴う逆相HPLCで、化合物を精製した。精製した化合物をHCl塩に変換すると、白色の粉末30mgが得られた。収率:16%。
【0350】
LC−MSD、C3344についてのm/z[M+H]:555.2:[M+2H]:556.3.2、[M+3H]:557.2。
[実施例54]
【0351】
N−(R)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシベンズアミド
【0352】
【化60】

【0353】
N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(R)−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.16g(0.35mmol)、シクロヘキサンカルボアルデヒド0.041g(0.38mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド0.11g(0.52mmol)について、実施例51と同様の実験条件を使用した。アセトニトリル20から80%の勾配を伴う逆相HPLCで、化合物を精製した。精製した化合物をHCl塩に変換すると、白色の粉末100mgが得られた。収率:48%。
【0354】
LC−MSD、C3242についてのm/z[M+H]:557.2:[M+2H]:558.2、[M+3H]:559.2。
【0355】
【数39】

[実施例55]
【0356】
N−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,5−ジエトキシベンズアミド
【0357】
【化61】

【0358】
N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,5−ジエトキシ−N−ピロリジン−2−イルメチル−ベンズアミド0.15g(0.35mmol)、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド0.043g(0.38mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド0.11g(0.52mmol)について、実施例51と同様の実験条件を使用した。アセトニトリル20から80%の勾配を伴う逆相HPLCで、化合物を精製した。精製した化合物をHCl塩に変換すると、白色の粉末50mgが得られた。収率:24%。
【0359】
LC−MSD、C3344についてのm/z[M+H]:555.2:[M+2H]:556.2、[M+3H]:557.2。
[実施例57]
【0360】
N−[1−(S)−(1−シクロヘキシル−エチル)−ピロリジン−2−イルメチル]−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド
【0361】
【化62】

【0362】
[1−(S)−(1−シクロヘキシル−エチル)−ピロリジン−2−イルメチル]−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−アミン(スキーム16に従い調製)0.25g(0.66mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.16g(0.79mmol)、塩化チオニル0.1ml(1.3mmol)およびトリエチルアミン0.1mlについて、実施例18と同様の実験条件を使用した。精製の後に、反応により、遊離のアミンが得られ、次いでこれを、白色の半固体としてのHCl塩22mgに変換した。
【0363】
LC−MSD、C3344についてのm/z[M+H]:571.5。
【0364】
【数40】

[実施例57]
【0365】
N−[1−(S)−(1−シクロヘキシル−エチル)−ピロリジン−2−イルメチル]−4−ジフルオロメトキシ−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3−メトキシ−ベンズアミド
【0366】
【化63】

【0367】
[1−(S)−(1−シクロヘキシル−エチル)−ピロリジン−2−イルメチル]−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−アミン0.13g(0.37mmol)、4−ジフルオロメトキシ−3−メトキシ−安息香酸0.10g(0.40mmol)、トリエチルアミン0.07mlおよび1−プロパンホスホン酸環式無水物(酢酸エチル中50%)0.49mlについて、実施例3と同様の実験条件を使用した。精製の後に、反応により、遊離のアミンが得られ、次いでこれを、白色の固体としてのHCl塩21mgに変換した。収率:10%
20分で20から95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、18.00分で溶離しする。
【0368】
LC−MSD、C3240についてのm/z[M+H]:577.2、[M+2H]:578.2、[M+3H]:579.2。
【0369】
【数41】

[実施例58]
【0370】
7−メトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[1−(1−シクロヘキシル−エチル)−ピロリジン−2−イルメチル]−[3−2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−アミド
【0371】
【化64】

【0372】
[1−(S)−(1−シクロヘキシル−エチル)−ピロリジン−2−イルメチル]−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−アミン0.13g(0.37mmol)、7−メトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸0.10g(0.40mmol)、トリエチルアミン0.07mlおよび1−プロパンホスホン酸環式無水物(酢酸エチル中50%)0.49mlについて、実施例3と同様の実験条件を使用した。精製の後に、反応により、遊離のアミンが得られ、次いでこれを、白色の固体としてのHCl塩92mgに変換した。収率:40%。
【0373】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、18.92分に溶離する。
LC−MSD、C3444についてのm/z[M+H]:583.2、[M+2H]:584.2、[M+3H]:585.2。
【0374】
【数42】

[実施例59]
【0375】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド
【0376】
【化65】

【0377】
[1−(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル]−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−アミン(スキーム17に従い調製)0.18g(0.52mmol)、塩化3,4,5−トリメトキシベンゾイル0.14g(0.8mmol)、トリエチルアミン0.13mlについて、実施例12と同様の実験条件を使用した。精製の後に、反応により、遊離のアミンが得られ、次いでこれを、白色の半固体としてのHCl塩110mgに変換した。収率:36%。
【0378】
LC−MSD、C3242についてのm/z[M+H]:557.2、[M+2H]:558.2、[M+3H]:559.2。
[実施例60]
【0379】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4−ジメトキシ−ベンズアミド
【0380】
【化66】

【0381】
[1−(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル]−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−アミン0.05g(0.14mmol)および3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.037g(0.21mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.039g(0.21mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)について、実施例2と同様の実験条件を使用した。反応により、無色のオイル40mgが得られ、次いでこれを、HCl塩に変換すると、白色の粉末22.8mgが得られた。収率:27%。
【0382】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は17.535分に溶離する。
LC−MSD、C3242についてのm/z[M+H]:527.2、[M+2H]:528.2、[M+3H]:529.2。
【0383】
【数43】

[実施例61]
【0384】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−3,4−ビス−ジフルオロメトキシ−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−ベンズアミド
【0385】
【化67】

【0386】
[1−(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル]−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−アミン0.05g(0.14mmol)および3,4−ビス−ジフルオロメトキシ安息香酸0.053g(0.21mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.039g(0.21mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)について、実施例2と同様の実験条件を使用した。反応により、無色のオイル8.3mgが得られ、次いでこれを、HCl塩に変換すると、白色の粉末4.8mgが得られた。収率:5%。
【0387】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は16.969分に溶離する。
LC−MSD、C3136についてのm/z[M+H]:599.2、[M+2H]:600.2、[M+3H]:601.2。
[実施例62]
【0388】
7−メトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−アミド
【0389】
【化68】

【0390】
[1−(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル]−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−アミン0.05g(0.14mmol)および7−メトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸0.049g(0.21mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.039g(0.21mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)について、実施例2と同様の実験条件を使用した。生成物を、HCl塩に変換すると、白色の粉末27.4mgが得られた。収率:32%。
【0391】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は18.69分に溶離する。
LC−MSD、C3342についてのm/z[M+H]:569.2、[M+2H]:570.2、[M+3H]:571.2。
[実施例63]
【0392】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−3−ジフルオロメトキシ−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−4−メトキシ−ベンズアミド
【0393】
【化69】

【0394】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、[1−(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル]−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−アミン0.055g(0.15mmol)、3−ジフルオロメトキシ−4−メトキシ−安息香酸0.05g(0.22mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.044g(0.22mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)を使用した。生じた遊離アミンを、HCl塩に変換すると、非常に吸湿性な白色の粉末21mgが得られた。収率:41%。
【0395】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物を17.99分に溶離する。
LC−MSD、C3138についてのm/z[M+H]:563.2、[M+2H]:564.2、[M+3H]:565.2。
[実施例64]
【0396】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−4−ジフルオロメトキシ−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−4−メトキシ−ベンズアミド
【0397】
【化70】

【0398】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、[1−(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル]−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−アミン0.055g(0.15mmol)4−ジフルオロメトキシ−3−メトキシ安息香酸0.05g(0.22mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.044g(0.22mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)を使用した。遊離アミンを、HCl塩に変換すると、非常に吸湿性な白色の粉末21mgが得られた。収率:41%。
【0399】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物を17.81分に溶離する。
LC−MSD、C3138についてのm/z[M+H]:563.2、[M+2H]:564.2、[M+3H]:565.2。
[実施例65]
【0400】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−3,4−ビス−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ベンズアミド
【0401】
【化71】

【0402】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン(スキーム18に従い調製)0.050g(0.15mmol)、3,4−ビス−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−安息香酸0.073g(0.22mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.044g(0.22mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)を使用した。反応により、無色の遊離アミン50mgが得られ、次いでこれを、白色の粉末としてのHCl塩に変換した。収率:50%。
【0403】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は18.06分に溶離する。
LC−MSD、C3340についてのm/z[M+H]:627.2、[M+2H]:628.2、[M+3H]:629.2。
【0404】
【数44】

[実施例67]
【0405】
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキサン−6−カルボン酸(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミド
【0406】
【化72】

【0407】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.050g(0.15mmol)、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキサン−6−カルボン酸0.073g(0.22mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.044g(0.22mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)を使用した。反応により、無色の遊離アミン45mgが得られ、次いでこれを、白色の粉末としてのHCl塩に変換した。収率:60%。
【0408】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は16.71分に溶離する。
LC−MSD、C3140についてのm/z[M+H]:489.2、[M+2H]:490.2、[M+3H]:491.2。
【0409】
【数45】

[実施例68]
【0410】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−3,4−ジメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0411】
【化73】

【0412】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.050g(0.15mmol)、3,4−ジメトキシ安息香酸0.042g(0.22mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.044g(0.22mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)を使用した。反応により、無色のオイル34.7mgが遊離アミンとして得られ、これを、白色の粉末としてのHCl塩に変換した。収率:47%。
【0413】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は16.33分に溶離する。
LC−MSD、C3142についてのm/z[M+H]:491.2、[M+2H]:492.2、[M+3H]:493.2。
【0414】
【数46】

[実施例69]
【0415】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−3,4−ジエトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0416】
【化74】

【0417】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.050g(0.15mmol)、3,4−ジメトキシ安息香酸0.048g(0.22mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.044g(0.22mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)を使用した。反応により、無色のオイル40mgが遊離アミンとして得られ、これを、白色の粉末としてのHCl塩に変換した。収率:51%。
【0418】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は17.91分に溶離する。
LC−MSD、C3346についてのm/z[M+H]:519.3、[M+2H]:520.3、[M+3H]:521.3。
【0419】
【数47】

[実施例70]
【0420】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−3,4−ジイソプロポキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0421】
【化75】

【0422】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.050g(0.15mmol)、3,4−ジイソプロポキシ安息香酸0.055g(0.22mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.044g(0.22mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)を使用した。反応により、無色のオイルが遊離アミンとして得られ、これを、白色の粉末としてのHCl塩22.3mgに変換した。収率:25%。
【0423】
LC−MSD、C3550についてのm/z[M+H]:547.3、[M+2H]:548.3、[M+3H]:549.3。
【0424】
【数48】

[実施例71]
【0425】
7−メトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミド
【0426】
【化76】

【0427】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.050g(0.15mmol)、7−メトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸0.055g(0.22mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.044g(0.22mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)を使用した。反応により、無色のオイル50mgが遊離アミンとして得られ、これを、白色の粉末としてのHCl塩に変換した。収率:62%。
【0428】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物を20.89分に溶離する。
LC−MSD、C3344についてのm/z[M+H]:533.3、[M+2H]:534.3、[M+3H]:535.3。
【0429】
【数49】

[実施例72]
【0430】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−3−ジフルオロメトキシ−4−メトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0431】
【化77】

【0432】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.05g(0.15mmol)、3−ジフルオロメトキシ−4−メトキシ安息香酸0.05g(0.22mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.044g(0.22mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)を使用した。反応により、遊離アミンが得られ、これを、黄色の粉末としてのHCl塩20.7mgに変換した。収率:25%。
【0433】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は17.62分に溶離する。
LC−MSD、C3340についてのm/z[M+H]:527.2、[M+2H]:528.2、[M+3H]:529.2。
【0434】
【数50】

[実施例73]
【0435】
N−(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−4−ジフルオロメトキシ−メトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0436】
【化78】

【0437】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.05g(0.15mmol)、3−メトキシ−4−ジフルオロメトキシ安息香酸0.05g(0.22mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.044g(0.22mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)を使用した。反応により、遊離アミンが得られ、これを、白色の固体としてのHCl塩20.7mgに変換した。収率:25%。
【0438】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は17.42分に溶離する。
LC−MSD、C3340についてのm/z[M+H]:527.2、[M+2H]:528.2、[M+3H]:529.2。
[実施例74]
【0439】
7−ジフルオロメトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミド
【0440】
【化79】

【0441】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、(S)−(1−シクロヘキシルメチル)−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.05g(0.15mmol)、7−ジフルオロメトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸0.06g(0.22mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.044g(0.22mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.16mmol)を使用した。反応により、遊離アミンが得られ、これを、白色の粉末としてのHCl塩25mgに変換した。収率:27%。
【0442】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は18.62分に溶離する。
LC−MSD、C3342についてのm/z[M+H]:569.2、[M+2H]:570.2、[M+3H]:571.2。
【0443】
【数51】

[実施例75]
【0444】
2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸(S)−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミド
【0445】
【化80】

【0446】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、(S)−(1−シクロヘキシル−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン(スキーム19に従い調製)0.050g(0.16mmol)、2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸0.042g(0.20mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.037g(0.24mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.19mmol)およびTHF1mlを使用した。反応により、遊離アミンとして無色のオイルが得られ、これを、黄色の粉末としてのHCl塩32mgに変換した。収率:37%。
【0447】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は20.25分に溶離する。
LC−MSD、C2934についてのm/z[M+H]:497.2、[M+2H]:498.2、[M+3H]:499.2。
【0448】
【数52】

[実施例76]
【0449】
N−(S)−(1−シクロヘキシル−ピロリジン−2−イルメチル)−3,4−ジメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0450】
【化81】

【0451】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、(S)−(1−シクロヘキシル−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.050g(0.16mmol)、3,4−ジクロロ安息香酸0.037g(0.20mmol)、トリエチルアミン0.03ml、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド0.037g(0.24mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.02g(0.19mmol)を使用した。反応により、遊離アミンとして無色のオイルが得られ、これを、白色の粉末としてのHCl塩20mgに変換した。収率:38%。
【0452】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、化合物は17.76分に溶離した。
LC−MSD、C3040についてのm/z[M+H]:477.2、[M+2H]:478.2、[M+3H]:479.2。
[実施例77]
【0453】
7−メトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸(S)−(1−シクロブチル−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミド
【0454】
【化82】

【0455】
実施例3と同様の実験条件を使用したが、ただし、1−(S)−(1−シクロブチル−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン(スキーム20に従い調製)0.1g(0.37mmol)、7−メトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸0.08g(0.40mmol)、トリエチルアミン0.07mlおよび1−プロパンホスホン酸環式無水物(酢酸エチル中50%)0.49mlを用いた。精製の後に、遊離アミンが得られ、次いでこれを、白色の粉末としてのHCl塩28.2mgに変換した。収率:15%。
【0456】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、18.69分に溶離する。
LC−MSD、C3038についてのm/z[M+H]:491.2、[M+2H]:492.2、[M+3H]:493.2。
【0457】
【数53】

[実施例77]
【0458】
N−(S)−(1−シクロブチル−ピロリジン−2−イルメチル)−4−ジフルオロメトキシ−3−メトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0459】
【化83】

【0460】
実施例3と同様の実験条件を使用したが、ただし、1−(S)−(1−シクロブチル−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.1g(0.37mmol)、4−ジフルオロメトキシ−3−メトキシ−安息香酸0.08g(0.40mmol)、トリエチルアミン0.07mlおよび1−プロパンホスホン酸環式無水物(酢酸エチル中50%)0.49mlを用いた。精製の後に、遊離アミンが得られ、次いでこれを、白色の固体としてのHCl塩26.2mgに変換した。収率:13%。
【0461】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、17.90分に溶離する。
LC−MSD、C2834についてのm/z[M+H]:485.2、[M+2H]:486.2、[M+3H]:487.2。
【0462】
【数54】

[実施例78]
【0463】
N−(S)−(1−シクロブチル−ピロリジン−2−イルメチル)−3,4−ジメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0464】
【化84】

【0465】
実施例12と同様の実験条件を使用したが、ただし、1−(S)−(1−シクロブチル−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.1g(0.37mmol)、塩化3,4−ジメトキシベンゾイル0.089g(0.44mmol)およびトリエチルアミン0.07mlを用いると、精製の後に、遊離アミンが得られた。次いでこれを、白色の固体としてのHCl塩51mgに変換した。収率:28%。
【0466】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、16.55分に溶離する。
LC−MSD、C2836についてのm/z[M+H]:449.2、[M+2H]:450.2、[M+3H]:451.2。
【0467】
【数55】

[実施例79]
【0468】
N−(S)−(1−シクロブチル−ピロリジン−2−イルメチル)−4−ジフルオロメトキシ−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3−メトキシ−ベンズアミド
【0469】
【化85】

【0470】
実施例3と同様の実験条件を使用したが、ただし、1−(S)−(1−シクロブチル−ピロリジン−2−イルメチル)−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−アミノメチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.11g(0.37mmol)、4−ジフルオロメトキシ−3−メトキシ−安息香酸0.08g(0.40mmol)、トリエチルアミン0.07mlおよび1−プロパンホスホン酸環式無水物(酢酸エチル中50%)0.49mlをジクロロメタン5ml中で用いると、精製の後に、遊離アミンが得られた。次いでこれを、白色の固体としてのHCl塩44mgに変換した。収率:13%。
【0471】
20分で20〜95%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、16.79分に溶離する。
LC−MSD、C2832についてのm/z[M+H]:527.2、[M+2H]:528.2、[M+3H]:529.2。
【0472】
【数56】

[実施例80]
【0473】
N−(1−エチル−ピペリジン−3−イル)−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0474】
【化86】

【0475】
実施例18と同様の実験条件を使用したが、ただし、(1−エチル−ピペリジン−3−イル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.35g(1.3mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.18g(0.86mmol)、塩化チオニル0.39gおよびトリエチルアミン0.19mlをジクロロメタン10ml中で用いた。この反応により、遊離アミン35mgが得られ、次いでこれを、オフホワイト色の固体としてのHCl塩に変換した。収率:9%。
【0476】
LC−MSD、C2736についてのm/z[M+H]:453.3。
【0477】
【数57】

[実施例81]
【0478】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−[3−(3−フェノキシ−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−ベンズアミド
【0479】
【化87】

【0480】
N−[3−(3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド0.2g(0.41mmol)およびフェノール0.058g(0.62mmol)の乾燥ジクロロメタン10ml中の溶液に0℃で、トリフェニルホスフィン0.16g(0.6mmol)を加え、続いて、アゾジカルボン酸ジエチル0.16g(0.6mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間攪拌し、濃縮し、クロロホルムおよびメタノールを用いるシリカゲル溶離でのカラムクロマトグラフィーにより精製すると、遊離のアミンが得られ、次いでこれを、HCl塩に変換すると、茶色の半固体39mgが得られた。収率:17%。
【0481】
LC−MSD、C3442についてのm/z[M+H]:559.3。
【0482】
【数58】

[実施例82]
【0483】
N−[3−(3−ベンジルアミノ−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0484】
【化88】

【0485】
無水ジクロロメタントリエチルアミン20ml(0.2ml)を、N−[3−(3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド0.5g(1.0mmol)の溶液に加えた。この後、塩化メタンスルホニル0.14g(1.2mmol)を0℃で加えた。反応混合物を6時間攪拌し、ジクロロメタンで希釈し、水およびブラインで洗浄すると、中間体塩素0.4g(0.8ミリモル)が茶色の固体として得られた。
【0486】
アセトニトリル中のこの中間体塩素0.15g(0.29mmol)に、炭酸カリウム0.12g(0.8mmol)を加え、室温で40分間攪拌した。この混合物に、ベンジルアミン0.03g(0.29mmol)を加え、混合物を80℃で14時間還流した。炭酸カリウムを濾別し、濾液を濃縮した。残留物をクロロホルムで希釈し、1.5NのHClで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下に濃縮した。クロロホルム9およびメタノール1で溶離してシリカゲルで精製すると、遊離のアミンが得られ、これを、黄色の固体としてのHCl塩36mgに変換した。収率:5.9%。
【0487】
LC−MSD、C3545についてのm/z[M+H]:572.4。
【0488】
【数59】

[実施例83]
【0489】
N−[3−(3−イソプロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0490】
【化89】

【0491】
実施例82と同様の実施条件を使用して、塩素中間体0.1g(0.19mmol)、炭酸カリウム0.1g(0.79mmol)およびイソプロピルアミン0.23g(3.9mmol)を無水アセトニトリル中で使用した。反応により、HCl塩として茶色の固体45mgが得られた。
【0492】
LC−MSD、C3145についてのm/z[M+H]:524.5。
【0493】
【数60】

[実施例84]
【0494】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド
【0495】
【化90】

【0496】
実施例13と同様の実験条件を使用したが、ただし、(2−メチル−3−フェニル−アリル)−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−アミン0.5g(1.9mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.49g(2.3mmol)、トリエチルアミン0.2ml、テトラフルオロホウ酸O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム1.2g(3.8mmol)を用いた。反応により、HCl塩としてオフホワイト色の固体102mgが得られた。収率:12%
LC−MSD、C2736についてのm/z[M+H]:453.3。
【0497】
【数61】

[実施例85]
【0498】
N−[3−(3−ベンジル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0499】
【化91】

【0500】
実施例18と同様の実験条件を使用したが、ただし、[3−(3−ベンジル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミン0.4g(1mmol)、トリエチルアミン1ml、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.25g(1.2mmol)(塩化チオニル0.24g(2.2mmol)を用いて塩化アシルに変換)をジクロロメタン中で用いた。反応により、遊離アミンが得られ、これを、HCl塩に変えると、白色の粉末0.3gが得られた。収率:50%
LC−MSD、C3544についてのm/z[M+H]:557.7。
【0501】
【数62】

[実施例86]
【0502】
N−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0503】
【化92】

【0504】
実施例13と同様の実験条件を使用したが、ただし、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.65g(3mmol)およびN,N−ジメチル−N’−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−プロパン−1,3−ジアミン0.6g(2.5mmol)およびテトラフルオロホウ酸O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム1.5g(5mmol)を用いて、HCl塩として白色の固体130mgを得た。収率:13%。
【0505】
LC−MSD、C2534についてのm/z[M+H]:427.2。
【0506】
【数63】

[実施例87]
【0507】
3,4−5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(3−ピロリジン−1−イル−プロピル)−ベンズアミド
【0508】
【化93】

【0509】
実施例2と同様の実験条件を使用したが、ただし、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.4g(1.9mmol)、(2−メチル−3−フェニル−アリル)−(3−ピロリジン−1−イル−プロピル)−アミン0.25g(1.9mmol)、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド0.44g(2.3mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.26g(0.19mmol)およびトリエチルアミン0.3mlを用いた。反応により、HCl塩として白色の固体187mgが得られた。収率:20%。
【0510】
LC−MSD、C2736についてのm/z[M+H]:452.27。
【0511】
【数64】

[実施例88]
【0512】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−[3−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−ベンズアミド
【0513】
【化94】

【0514】
実施例18と同様の実験条件を使用したが、ただし、(2−メチル−3−フェニル−アリル−[3−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロピル−アミン0.47g(1.5mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.31g(1.48mmol)、塩化チオニル0.32g(2.7mmol)およびトリエチルアミンを用いた。反応により、遊離のアミンが得られ、これを、HCl塩に変換すると、オフホワイト色の固体106mgが得られた。収率:12%。
【0515】
LC−MSD、C3442についてのm/z[M+H]:542.31。
【0516】
【数65】

[実施例89]
【0517】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−ベンズアミド
【0518】
【化95】

【0519】
実施例18と同様の実験条件を使用したが、ただし、(2−メチル−3−フェニル−アリル−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−アミン0.65g(2.3mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.6g(2.87mmol)、塩化チオニル0.5g(4.7mmol)およびトリエチルアミン0.93mlを用いた。反応により、遊離のアミンが得られ、これを、HCl塩に変換すると、淡黄色の吸湿性の固体110mgが得られた。収率:12%。
【0520】
【数66】

[実施例90]
【0521】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−ベンズアミド
【0522】
【化96】

【0523】
実施例18と同様の実験条件を使用したが、ただし、(2−メチル−3−フェニル−アリル−(3−モルホリノ−4−イル−プロピル)−アミン0.72g(2.6mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.6g(2.87mmol)、塩化チオニル0.6g(5.2mmol)およびトリエチルアミン0.93mlを用いた。反応により、遊離のアミンが得られ、これを、HCl塩に変換すると、淡褐色の吸湿性の固体80mgが得られた。収率:6.5%。
【0524】
LC−MSD、C2736についてのm/z[M+H]:469。
【0525】
【数67】

[実施例91]
【0526】
N−(1−ブチル−ピペリジン−4−イルメチル)−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0527】
【化97】

【0528】
臭化ブチル0.15g(1.1mmol)を、3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−ピペリジン−4−イルメチル−ベンズアミド(スキーム22に従い調製)0.25g(0.5mmol)および炭酸カリウム0.19g(1.4mmol)のジメチルホルムアミド5ml中の混合物に0℃で加えた。反応を室温まで加温し、3時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール、9:1)により精製すると、遊離のアミンが得られた。このアミンを、HCl塩に変換すると、オフホワイト色の固体72mgが得られた。収率13%。
【0529】
LC−MSD、C3042についてのm/z[M+H]:495.4。
[実施例92]
【0530】
3,4−5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(2−チオモルホリン−4−イル−エチル)−ベンズアミド
【0531】
【化98】

【0532】
実施例13と同様の実験条件を使用したが、ただし、(2−メチル−3−フェニル−アリル−(2−チオモルホリン−4−イル−エチル)−アミン0.5g(1.8mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.42g(1.7mmol)、テトラフルオロホウ酸O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム1.16g(3.6mmol)およびトリエチルアミン0.2mlを用いた。反応により、遊離アミンが得られ、これを、HCl塩に変換すると、ピンク色の固体157mgが得られた。収率:19%。
【0533】
LC−MSD、C2634Sについてのm/z[M+H]:471.2。
【0534】
【数68】

[実施例93]
【0535】
N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピペリジン−3−イル−ベンズアミド
【0536】
【化99】

【0537】
実施例18と同様の実験条件を使用したが、3−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリルアミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル0.35g(0.94mmol)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.24g(1.13mmol)、塩化チオニル0.15g(0.94mmol)およびトリエチルアミン0.1mlを用いた。反応により、BOC保護されている中間体380mgが得られた。この中間体0.36g(0.64mmol)をジオキサン5mlに溶かし、6NのHClを加え、混合物を室温で14時間攪拌した。塩基による後処理により、遊離のアミン319mgが得られた。これを、HCl塩に変換すると、黄色の固体100mgが得られた。収率:33%。
【0538】
LC−MSD、C2530についてのm/z[M+H]:461.4。
【0539】
【数69】

[実施例94]
【0540】
N−(1−シクロヘキシルメチル−ピペリジン−3−イル)−N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド
【0541】
【化100】

【0542】
実施例14と同様の実験条件を使用したが、N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4,5−トリメトキシ−N−ピペリジン−3−イル−ベンズアミド0.15g(0.22mmol)、シクロヘキシルカルボキシアルデヒド0.029g(0.26mmol)、酢酸0.021ml(0.35mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.02g(0.35mmol)を用いた。遊離の塩基をHCl塩に変換すると、白色の固体180mgが得られた。収率:99%。
【0543】
LC−MSD、C3242についてのm/z[M+H]:557.4。
【0544】
【数70】

[実施例95]
【0545】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−ピロリジン−3−イルメチル−ベンズアミド
【0546】
【化101】

【0547】
3−{[(2−メチル−3−フェニル−アリル)−(3,4,5−トリメトキシ−ベンゾイル)−アミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステル(スキーム23に従い調製)0.12g(0.24mmol)、マロン酸ジメチル0.09g(0.73mmol)、水素化ナトリウム5mgおよびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム5mgの混合物を乾燥THF3ml中、室温で、窒素下に1時間攪拌した。
【0548】
反応混合物を濃縮し、溶離剤としてクロロホルム9:メタノール1を用いるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーに掛けると、遊離のアミンが得られた。この遊離のアミンをそのHCl塩に変えると、淡黄色の固体34mgが得られた。収率:30%。
【0549】
LC−MSD、C2532についてのm/z[M+H]:425.4。
【0550】
【数71】

[実施例96]
【0551】
7−メトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[4−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピロリジン−2−イルメチル]−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミド
【0552】
【化102】

【0553】
実施例14と同様の実験条件を使用したが、7−メトキシ−2,2−ジメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸(4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−イルメチル)−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−アミド0.16g(0.35mmol)、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン0.042g(0.42mmol)、酢酸0.03ml(0.53mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.026g(0.42mmol)を用いた。遊離の塩基をHCl塩に変換すると、白色の固体130mgが得られた。収率:65%。
【0554】
LC−MSD、C3140についてのm/z[M+H]:537.2、[M+2H]:538.2。
【0555】
【数72】

[実施例97]
【0556】
N−(1−シクロヘキス−3−エニルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−ベンズアミド
【0557】
【化103】

【0558】
ジクロロメタン70mlおよびトリフルオロ酢酸30mlの溶液混合物に室温で、2−{[(2−メチル−3−フェニル−アリル)−(3,4,5−トリメトキシ−ベンゾイル)−アミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル1.2g(2.45mmol)を加え、この混合物を1時間攪拌した。この混合物に、塩基性のpHになるまで、重炭酸ナトリウム飽和溶液を加え、ジクロロメタンで3回抽出した。次いで、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空下に濃縮した。分子ふるいのスパチュラを用いて、中間体の遊離アミンをジクロロメタン20mlに溶かした。この混合物に、1,2,3,6テトラヒドロベンズアルデヒド0.29g(2.7mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド0.77g(3.67mmol)を加えた。分子ふるいを濾過し、重炭酸ナトリウム飽和溶液を加え、水性層をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空下に濃縮すると、遊離のアミンが得られ、これを、HCl塩に変換した。ピンク色がかった粉末500mgが得られた。収率:36%。
【0559】
20分で20〜80%のアセトニトリル勾配を使用する分析C18HPLCで、18.11分に溶離する。
LC−MSD、C3242についてのm/z[M+H]:519.2、[M+2H]:520.2、[M+3H]:521.2。
[実施例98]
【0560】
N−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリル]−3,4−ジメトキシ−N−ピロリジン−3−イル−ベンズアミド
【0561】
【化104】

【0562】
実施例18と同様の実験条件を使用したが、3,4−ジメトキシ安息香酸0.12g(0.68mmol)、塩化チオニル2ml(1.68mmol)を用いた。得られた塩化アシルを、3−[3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−アリルアミノ]−ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル0.2g(0.56mmol)、トリエチルアミン0.2mlと反応させた。反応により、遊離アミンが得られ、これを、オフホワイト色の固体としてのHCl塩90mgに変換した。収率:35%。
【0563】
LC−MSD、C2326についてのm/z[M+H]:417.6。
【0564】
【数73】

[実施例99]
【0565】
N−[2−ブロモ−3−(4−フルオロ−フェニル)−アリル]−N−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−3,4,5−トリメトキシベンズアミド
【0566】
【化105】

【0567】
実施例12と同様の実験条件を使用したが、ただし、[2−ブロモ−3−(4−フルオロ−フェニル)−アリル]−(1−シクロヘキシルメチル−ピロリジン−2−イルメチル)−アミン0.15g(0.36mmol)、塩化3,4,5−トリメトキシ−ベンゾイル0.1g(0.47mmol)およびトリエチルアミン0.08mlを用いた。20〜80%のアセトニトリル相の勾配を伴う逆相高圧液体クロマトグラフィーにより、TFA塩として白色の粉末120mgが得られた。
【0568】
LC−MSD、C3140FBrについてのm/z[M+2H]:605.1。
【0569】
【数74】

[実施例102]
【0570】
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−メチル−3−フェニル−アリル)−N−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド
【0571】
【化106】

【0572】
(2−メチル−3−フェニル−アリル)−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−アミン0.5g(1.9mmol)を窒素下に乾燥メタノール10mlに溶かした。溶液を0℃に冷却した。この混合物に、3,4,5−トリメトキシ安息香酸0.49g(2.3mmol)、トリエチルアミン0.2mlおよびTBTU1.2g(3.8mmol)を加えた。反応を室温で18時間攪拌した。次いで、反応混合物をクロロホルムで希釈し、水2×10ml、重炭酸ナトリウム2×10mlで抽出し、ブライン2×10mlで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。次いで、化合物をクロロホルム中1.2%のメタノールを使用するシリカゲルで精製すると、生成物102mgがオフホワイト色のHCl塩として得られた。収率:12%。
【0573】
LC−MSD、C2736についてのm/z[M+H]:453.3。
試験
前記化合物がSDF−1およびI−TACケモカインのための有用なモジュレーターであることを証明するために、化合物をin vitroでスクリーニングして、CCXCKR2受容体からSDF−1および/またはI−TACを追い出す能力を複数の濃度で決定した。「IC50値、試薬および細胞の決定」(下記参照)に詳述されているように、125I標識化ケモカインの存在下に、化合物を、CCXCKR2受容体を発現する乳腺細胞と組み合わせた。複数の濃度において化合物が標識化ケモカインをCCXCKR2受容体サイトから追い出す能力を、スクリーニングプロセスで決定した。
【0574】
有効なモジュレーターと判断された化合物は、1.1マイクロモル(μM)以下の濃度、さらに好ましくは300ナノモル(nM)以下の濃度でCCXCKR2受容体からケモカインSDF−1またはI−TACのいずれかを少なくとも50%追い出すことができた。現在、特に好ましい化合物は、200nM以下の濃度でCCXCKR2受容体からSDF−1またはI−TACの少なくとも50%を追い出すことができる。これらの基準に適う化合物の例を、下記の表1に再現する。
【0575】
【表2−A】

【0576】
【表2−B】

【0577】
【表2−C】

【0578】
【表2−D】

【0579】
【表2−E】

【0580】
【表2−F】

【0581】
【表2−G】

【0582】
IC50値の決定
<試薬および細胞>
125I標識されているSDF−1は、Perkin−Elmer Life Sciences,Inc.(Boston,MA)から購入した。MCF−7(腺癌:乳腺)細胞系は、American Type Culture Collection(Manassas,VA)から得て、10%の胎児ウシ血清(FBS)(HyClone Logan,UT)およびウシインスリン(0.01mg/mL)(Sigma,St.Louis,MO)を補足されたDMEM(Mediatech,Herndon,VA)中、37℃で、加湿インキュベーター中、5%CO/空気混合物下に培養した。
【0583】
<結合分析>
ターゲット化合物を試験して、MCF−7細胞上のCCXCKR2サイトに結合するその能力を測定した。Dairaghi DJ,et al.,HHV8−encoded vMIP−I selectively engages chemokine receptor CCR5.Agonist and antagonist profiles of viral chemokines.,J.Biol.Chem.1999年7月30日;274(31):21569−74およびGosling J.et al.,Cutting edge:identification of a novel chemokine receptor that binds dendritic cell−and T cell−active chemokines including ELC,SLC,and TECK.,J.Immunol.2000年3月15日;164(6):2851−6に記載されているような濾過プロトコルを使用する効率最大化放射リガンド結合を使用した。
【0584】
これらのアッセイでは、DairaghiおよびGoslingに記載のプロトコルを使用して、MCF−7細胞を、ターゲット化合物で試し、これらの化合物が125I−放射線標識SDF−1に置き換わる能力をアッセイした。ターゲット化合物をプレートに、指定の濃度まで加え、次いで、細胞と共に結合培地(25mMのHEPES、140mMのNaCl、1mMのCaCl、5mMのMgClおよび0.2%のウシ血清アルブミン、pH7.1に調節)中でインキュベートした後、放射線標識ケモカイン(125I−SDF−1)を加えて3時間4℃インキュベートした。次いで、全てのアッセイを、穏やかに攪拌しながら4℃で3時間インキュベーションした。インキュベートした後に、全ての結合アッセイにおいて、細胞ハーベスター(Packard)を使用して、反応をPEI処理されたGF/Bガラスフィルター(Packard)上に吸引し、2回洗浄した(25mMのHEPES、500mMのNaCl、1mMのCaCl、5mMのMgCl、pH7.1に調節)。シンチラント(MicroScint 10,Packard)をウェルに加え、フィルターを、Packard Topcountシンチレーションカウンターでカウントした。データを分析し、Prism(GraphPad Prism version 3.0a for Macintosh,GraphPad Software,WWW.graphpad.com)を使用して、プロッティングした。
【0585】
in vitroでの細胞増殖の阻害
小分子量の化合物による、乳癌で発現されるCCXCKR2のアンタゴニズムは、in vitroでの細胞増殖を阻害した。in vitroで処置された細胞は、未処置の対照に比較して長期にわたって低い細胞増殖を示した。
【0586】
in vitroでの細胞接着の阻害
in vitro静的接着アッセイを使用して、細胞の接着およびその後の所定の組織への移出を含む白血球遊走の事象をモデリングする。血管内皮細胞の単分子膜を、表面上で増殖させ、CCXCKR2を発現する細胞を蛍光染料で標識して、目に見えるようにした。実験により、内皮層に接着しているCCXCKR2発現細胞が存在すると、CCXCKR2が発現されなかった対照群と比較して、付加的なCCXCKR2発現細胞の接着が促進されることが判明した。加えて、CCXCKR2モジュレーターを加えると、ビヒクル処置された対照群に比較して、接着が阻害された。
【0587】
in vivoでの腫瘍形成の阻害
免疫不全症マウスに、CCXCKR2を発現するヒトB細胞リンパ腫細胞を注射した。CCXCKR2モジュレーターでこれらのマウスを処置すると、血管新生腫瘍を生じさせる能力が阻害された。研究の1つでは、CCXCKR2アンタゴニストで処置された17匹のマウスのうち1匹だけが、被包化された血管新生腫瘍を生じ、他方で、ビヒクル対照群の17匹のマウスのうち11匹が、被包化された血管新生腫瘍を生じた。
【0588】
in vivoでの腫瘍容量の低減
免疫不全症マウスに、ヒト乳癌を注射した。腫瘍の測定を週に3回行い、腫瘍容量を決定した。CCXCKR2モジュレーターで処理されたマウスは、ビヒクル対照群のマウスと比較して低い腫瘍容量を示した。
【0589】
有機化学分野の当業者であれば、提示した記載、図および実施例から、特許請求の範囲およびその均等物により定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の好ましい態様に修飾および変更を加えることができるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造(I)のモジュレーターまたはその塩:
【化1】

[式中、
mは、1から5の整数であり;
Yはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−OR’、−C(O)R’、−COR’、−O(CO)R’、−C(O)NR’R”、−OC(O)NR’R”、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SONR’R”、−NR’R”、−NR’C(O)R”、−NR’C(O)R”、−NR’SOR”、−NR’(CO)NR”R’”、未置換または置換C〜Cアルキル、未置換または置換C〜Cアルケニル、未置換または置換C〜Cアルキニル、未置換または置換C〜Cシクロアルキル、未置換または置換C〜C10アリール、5から10員環の未置換または置換ヘテロアリールおよび3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルからなる群から選択され;
R’、R”およびR’”はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、未置換または置換C〜Cアルキル、未置換または置換C〜C10アリール、5から10員環の未置換または置換ヘテロアリールおよび3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルであり;
nは、0、1、2または3であり;
Zは、−CHR−、−ORまたは−NRであり;
およびRはそれぞれ独立に、置換もしくは未置換アルキルまたは水素であるか、あるいは、ZはRおよびRと組み合わさって少なくとも1個の窒素および0から3個の追加のヘテロ原子を含む置換または未置換の5から8員環を形成し;
は、アルキル、水素またはハロゲンであり;そして
、RおよびRはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−OR’、−C(O)R’、−COR’、−O(CO)R’、−C(O)NR’R”、−OC(O)NR’R”、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SONR’R”、−NR’R”、−NR’C(O)R”、−NR’C(O)R”、−NR’SOR”、−NR’(CO)NR”R’”、未置換または置換C〜Cアルキル、未置換または置換C〜Cアルケニル、未置換または置換C〜Cアルキニル、未置換または置換C〜Cシクロアルキル、未置換または置換C〜C10アリール、5から10員環の未置換または置換ヘテロアリールおよび3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルからなる群から選択されるか、あるいは、そこにおいてR、RおよびRのうちのいずれか2個は、それらが置換している原子と共に、3から10員環の置換または未置換ヘテロシクリルを形成している]。
【請求項2】
が水素である、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項3】
が置換または未置換C〜Cアルキルである、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項4】
がハロゲンである、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項5】
、RおよびRがそれぞれ独立に、水素、−OR’および置換または未置換C〜Cアルキルからなる群から選択される、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項6】
、RおよびRがそれぞれ独立に、−OR’および水素からなる群から選択される、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項7】
、RおよびRがそれぞれ−OR’であり、ここで、R’は、置換C〜Cアルキルである、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項8】
およびRが、それらが置換している原子と共に、1から2個の酸素原子を含有する5から6員環の置換または未置換ヘテロシクリルを形成している、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項9】
ZがCHRであり、ここで、RおよびRはZと一緒になって、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、−OR’、−C(O)R’、−COR’、−O(CO)R’、−C(O)NR’R”、−OC(O)NR’R”、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SONR’R”、−NR’R”、−NR’C(O)R”、−NR’C(O)R”、−NR’SOR”、−NR’(CO)NR”R’”、未置換または置換C〜Cアルキル、未置換または置換C〜Cアルケニル、未置換または置換C〜Cアルキニル、未置換または置換C〜Cシクロアルキル、未置換または置換C〜C10アリール、5から10員環の未置換または置換ヘテロアリールおよび3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルからなる群から選択される0から3個の置換基を有するC〜C10シクロアルキルを形成する、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項10】
およびRがZと一緒になって、ハロゲン、−OR、置換または未置換C〜Cアルキル、置換または未置換C〜Cアルケニル、置換または未置換C〜Cアルキニル、置換または未置換C〜C10アリール、5から10員環の置換または未置換ヘテロアリールからなる群から選択される0から3個の置換基を有する3から10員環のヘテロシクリルを形成する、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項11】
Zが−CHR−である、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項12】
Zが−NR−である、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項13】
およびRと組み合わされたZが、置換または未置換モルホリニル、置換または未置換ピロリジニル、置換または未置換ピペリジニルおよび置換または未置換ピペラジニルからなる群から選択される、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項14】
Zが下式の置換または未置換の基である、請求項1に記載のモジュレーター。
【化2】

【請求項15】
Zが下式の置換または未置換の基である、請求項1に記載のモジュレーター。
【化3】

【請求項16】
Zが下式の置換または未置換の基である、請求項1に記載のモジュレーター。
【化4】

【請求項17】
Zが下式の置換または未置換の基である、請求項1に記載のモジュレーター。
【化5】

【請求項18】
Zが下式の置換または未置換の基である、請求項1に記載のモジュレーター。
【化6】

【請求項19】
Zが下式の置換または未置換の基である、請求項16に記載のモジュレーター:
【化7】

[式中、
は、水素、−C(O)R’、−COR’、−C(O)NR’R”、−SOR’、未置換または置換C〜C10アルキル、未置換または置換C〜Cアルコキシル、未置換または置換C〜C10アルケニル、未置換または置換C〜C10アルキニル、未置換または置換C〜C10シクロアルキル、未置換または置換C〜C10アリール、C〜C10アリールオキシ、5から10員環の未置換または置換ヘテロアリールおよび3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルからなる群から選択される]。
【請求項20】
が、置換または未置換C〜C10アルキル、置換または未置換C〜C10アルコキシ、置換または未置換アリールオキシあるいは置換または未置換C〜C10シクロアルキルである、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項21】
nが1、2または3である、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項22】
mが1または2であり、Yがそれぞれハロゲンである、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項23】
mが0である、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項24】
置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキニルおよび置換シクロアルキルが、それぞれ独立に、ハロゲン、−OR’、−NR’R”、−SR’、−SiR’R”R’”、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R”、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、−NR’−C(O)NR”R’”、−NR”C(O)R’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R”、−NR’S(O)R”、−CN、オキソ(=Oまたは−O−)または−NOで1から3回置換されていてもよく、ここで、R’、R”およびR’”はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、未置換C〜Cアルキル、未置換C〜Cシクロアルキル、未置換C〜Cアルケニル、未置換またはC〜Cアルキニル、未置換アリール、未置換へテロアリール、未置換または置換へテロシクリルである、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項25】
置換アリールおよび置換ヘテロアリールがそれぞれ独立に、ハロゲン、未置換または置換アルキル、未置換または置換アルケニル、未置換または置換アルキニル、未置換または置換シクロアルキル、−OR’、オキソ(=Oまたは−O)、−OC(O)R’、−NR’R”、−SR’、−R’、−CN、−NO、−COR’、−CONR’R”、−C(O)R’、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、−NR”C(O)R’、−NR’−C(O)NR”R’”、−NH−C(NH)=NH、−NR’C(NH)=NH、−NH−C(NH)=NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R”、−NR’S(O)R”および−Nで1から3回置換されていてもよく、ここで、R’、R”およびR’”はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、未置換C〜Cアルキル、未置換C〜Cシクロアルキル、未置換C〜Cアルケニル、未置換C〜Cアルキニル、未置換または置換アリール、未置換へテロアリール、未置換へテロシクリルである、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項26】
置換へテロシクリルが、ハロゲン、未置換または置換アルキル、未置換または置換アルケニル、未置換または置換アルキニル、未置換または置換シクロアルキル、−OR’、オキソ(=Oまたは−O)、−OC(O)R’、−NR’R”、−SR’、−R’、−CN、−NO、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、−NR”C(O)R’、−NR’−C(O)NR”R’”、−NH−C(NH)=NH、−NR’C(NH)=NH、−NH−C(NH)=NR’、−S(O)R’、−S(O)NR’R”、−NR’S(O)R”および−Nで1から3回置換されていてもよく、ここで、R’、R”およびR’”はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、未置換C〜Cアルキル、未置換またはC〜Cシクロアルキル、未置換C〜Cアルケニル、未置換C〜Cアルキニル、未置換アリール、未置換へテロアリール、未置換へテロシクリルである、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項27】
構造(II)を有するモジュレーター:
【化8】

[式中、
n=0〜4;
Yはそれぞれ独立に、水素またはハロゲンであり;
、RおよびRはそれぞれ独立に、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素、ハロゲンおよび−OR’からなる群から選択されるか;または
、RおよびRのうちのいずれか2個は、それらが置換している原子と共に、3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルを形成し;および
は、水素、−C(O)R’、−COR’、−C(O)NR’R”、−SOR’、未置換または置換C〜Cアルキル(場合によって、C1〜C8アルコキシアルキルオキシ、CH2CH2OCH2CH2OMe)アルキル、未置換または置換C〜Cアルケニル、未置換または置換C〜Cアルキニル、未置換または置換C〜Cシクロアルキル、未置換または置換C〜C10アリール、5から10員環の未置換または置換ヘテロアリールおよび3から10員環の未置換または置換ヘテロシクリルからなる群から選択される]。
【請求項28】
がC〜Cアルコキシアルキルオキシである、請求項27に記載のモジュレーター。
【請求項29】
nが1である、請求項27に記載のモジュレーター。
【請求項30】
次の式のうち1つを有する、モジュレーター。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【請求項31】
請求項1に記載のモジュレーターおよび薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項32】
請求項27に記載のモジュレーターおよび薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項33】
請求項2830に記載のモジュレーターおよび薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項34】
式:
【化9】

【化10】

の化合物および薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項35】
CCXCKR2受容体へのケモカインI−TACおよび/またはSDF−1の結合を阻害する方法であって、CCXCKR2受容体へのそれらケモカインの結合を阻害するのに十分な時間、請求項3234に記載の組成物とCCXCKR2受容体を発現する細胞とを接触させることを含む方法。
【請求項36】
CCXCKR2受容体へのケモカインI−TACおよび/またはSDF−1の結合を阻害する方法であって、CCXCKR2受容体へのそれらケモカインの結合を阻害するのに十分な時間、請求項1に記載のモジュレーターとCCXCKR2受容体を発現する細胞とを接触させることを含む方法。
【請求項37】
癌を治療するのに十分な時間、治療的に有効な量の請求項3234に記載の組成物を癌患者に投与することを含む、癌を治療する方法。
【請求項38】
癌を治療するのに十分な時間、治療的に有効な量の請求項1に記載のモジュレーターを癌患者に投与することを含む、癌を治療する方法。

【公表番号】特表2006−515854(P2006−515854A)
【公表日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563974(P2004−563974)
【出願日】平成15年12月22日(2003.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/041024
【国際公開番号】WO2004/058705
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(502129656)ケモセントリックス, インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】