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ヒドロカルビルスルトン化合物(AHYDROCARBYLSULTONECOMPOUND)による化学修飾ポリアミノ糖
説明

ヒドロカルビルスルトン化合物(AHYDROCARBYLSULTONECOMPOUND)による化学修飾ポリアミノ糖

【課題】その分子構造において、所定の割合のアミノ官能基が、共有結合を介して、ヒドロカルビルスルトン化合物によりスルホン化される化学修飾ポリアミノ糖、特に化学修飾キトサンを提供する。
【解決手段】当該化学修飾ポリアミノ糖は、好適な温度の下で、有機溶媒の存在下でヒドロカルビルスルトン化合物により、アミノ官能基を有する未修飾ポリアミノ糖をスルホン化する方法によって製造できる。本発明の化学修飾キトサンは、創傷治癒を含む様々な用途に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「アルキルスルホン化ポリアミノ糖(Alkylsulfonated polyaminosaccharides)」という名称で、2004年6月18日に出願された米国特許出願第10/871890号の一部継続(CIP)出願であり、その全開示内容を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、化学修飾ポリアミノ糖、当該分子の製造方法、及び特に創傷治癒におけるその使用に関する。本発明の具体的な態様は、ヒドロカルビルスルトン化合物による化学修飾キトサンに関する。
【背景技術】
【0003】
ポリアミノ糖は、医薬及び農業から、水処理及び洗浄製品に及ぶ多くの分野で非常に関心がもたれている。しかし、当該分子の使用は、それらを水に溶解させるのが困難であることによってある程度制限されている。このため、ポリアミノ糖の水溶性を高めるために、様々なアプローチが用いられている。
【0004】
これまでの方法は、有機又は無機酸をポリアミノ糖に付加して、ポリアミノ糖を水溶性にすることを含むことが多かった。しかし、結果として得られる溶液は、非常に高いpHを有することにより、多くの生物学的用途においてその有用性を低下させる。溶液のpHが高くなると、ポリアミノ糖の沈殿を引き起こす傾向がある。
【0005】
他の方法は、スルホン酸基をポリアミノ糖の分子に付加することを含むものであった。しかし、これらの方法は、しばしば、開始物質の重大な分解をもたらした。加えて、そのような方法は、ポリマー長及び置換度のような重要な特性のばらつきが大きい修飾ポリアミド糖のプールを生成する傾向がある。そのような修飾ポリアミノ糖は、高い水溶性を発揮することができるが、ポリアミノ糖特性の精密な知識を活かした用途ではそれらの使用は、極度に削減されるか、又はさらなる処理を必要とする。
【0006】
以下の化学構造で表すことができるキトサンは、いくつかの用途で特に関心がもたれているポリアミノ糖である。多くのポリアミノ糖と同様に、キトサンは、天然物質から容易に採取することができる。キトサンの主たる供給源は、ロブスター及びザリガニ又はエビの廃棄殻であるが、カニ及び他の甲殻類の殻、並びに昆虫殻及び真菌から得ることもできる。キトサンは、通常は無毒性で、人間を含む様々な生体の組織及び皮膚に適合する。しかし、キトサンは、他の多くのポリアミノ糖と同様に、ごく限られた水溶性しか示さない。
【0007】
【化1】

【0008】
通常、キトサンの水溶性は、酸を添加することによって高めることができる。加えて、キトサンがスルホン化され、強力な抗凝固剤であるヘパリンの化学構造と類似した化学構造を有する分子が得られている。
【0009】
キトサンをスルホン化するための従来方法の1つは、ピリミジンのような低極性の有機溶媒中でスルホン化剤としてクロロスルホン酸を使用することを含む。続いて、スルホン化反応のための酸受容体として有機塩基を添加する。しかし、クロロスルホン酸は、使用が容易ではなく、ポリアミノ糖のアミノ基ばかりでなく、水酸基のような他の部位においてもスルホン化する。また、酸受容体を供給する必要性が、反応を複雑にする。全体として、その反応は、実施するのが困難であり、しばしば特徴付けが困難で予測不可能な生成物を低収率で生じる。
【0010】
キトサンをスルホン化するための他の知られている方法は、1,3−プロパンスルトンのようなアルキルスルトンを利用し、これはクロロスルホン酸よりはるかに使用が容易である。この点については、例えばKazuo Kondo他、日本化学工学ジャーナル(Journal of Chemical Engineering of Japan)(1997年)、第30巻、第5号、ページ:846〜851、及び国立台湾大学化学工学研究所のYung−Hsin Linによって書かれた「スルホン化ポリウレタン及びキトサンの準IPNについての研究(Study on the semi−IPN of sulfonated polyurethane and chitosan)」という題名の2001年修士論文を参照することができる。しかし、これらの方法は、酢酸水溶液中でアルキルスルトンをキトサンに添加することを含む。水分子は、水溶液中でアルキルスルトンと容易に反応し、それを加水分解するため、その実質的な損失をもたらす。また、アルキルスルトンの加水分解により、酸性度の高い(a highly acidic)アルキルスルホン酸が形成され、次いでそれがキトサンの分解を引き起こす。その結果、これらの方法は、大量のアルキルスルトンの使用を必要とし、収率は極めて低い。したがって、これらの方法は、工業用途に対しては経済的ではない。加えて、分解のため、均一な開始物質が使用される場合であっても、得られるアルキルスルホン化キトサンの長さが大きく変動する。使用されたアルキルスルトンによるアミノ基のスルホン化の程度も大きく変動し、確実にその結果を予測できない。また、キトサンを前述の方法に基づいてスルホン化したときは、そのアミノ基とアルキルスルトンとの結合の大部分は、実際上イオン結合であり、化学環境の変化によって容易に破壊され得る。はるかに安定した共有結合も起こり得るが、それは、希で、キトサンのアミノ基とアルキルスルトンとの結合の大きな部分を占めるものではない。最後に、出願人は、これらの方法によって生成されたアルキルスルホン化キトサンの特性及び効果なるものに関する報告を認識していない。
【0011】
DE3432227A1には、式(I)のアルカリキチン及びキトサンのスルホプロピル誘導体が開示された。
H−[C11−o−pNO(R(R−OH (I)
[上式において、
は、−CH−CH−CH−SOM(M=H、Na又はK)を表し、
は、−(C=O)−CHを表し、
nは、50から10,000の整数であり、
oは、0.05から4.0の数字であり、
pは、0.01から1.0の数字である]
【0012】
DE3432227A1には、10℃から80℃の温度で、有機溶媒(イソプロパノール(IPA)又はアセトン等)の存在下で、6から60時間の期間にわたって攪拌(渦攪拌)しながら、1,3−プロパンスルトンによってアルカリキチン又はキトサンをスルホン化することにより前述の誘導体が得られることが開示された。しかし、そこに提示された3つの合成例は、それぞれ25℃から45℃の温度で、24時間又は48時間の期間にわたって実施されたものであった。加えて、DE3432227A1の3つの合成例において、IPAは、スルホン化反応に使用された唯一の溶剤であり、アセトンは、実際には、生成物精製処理における沈殿剤として使用された。
【0013】
DE3432227A1の開示によれば、多様な置換パターンを有する不均一のアルカリキチン/キトサン分子の組成物を得ることが可能である(すなわち、1,3プロパンスルトンをアルカリキチン/キトサン分子の各糖単量体の−NH基及び−CHOH基の一方又は双方に結合させることができ、アセチル基は、一部の糖単量体で残留したままにすることができる)。
【0014】
しかし、少なくとも安全上の理由から、不均一分子の組成物は、医薬品及び化粧品等の製造には望ましくない。加えて、DE3432227A1の3つの合成例において得られた生成物の生物学的特性は、たとえあったとしても、実際には試験されていない。
【0015】
DE3432227A1は、イソプロパノール以外の有機溶媒の使用、並びに1,3−プロパンスルトン以外のスルホン化剤の使用には一切触れていない。DE3432227A1が、スルホン化反応に対する唯一の溶媒としてイソプロパノールを選択している考えられる理由としては、1,3−プロパンスルトンは、反応性が強く、水と接触すると、すぐに加水分解されてアルキルスルホン酸になるということを挙げることができる。市販のイソプロパノールは、水分含有量が(1%未満と)極めて低く、水による1,3−プロパンスルトンの加水分解を避けることができる。この仮定は、DE343227A1が、非常に低い反応温度(25℃及び45℃)を選択する根拠の少なくとも一部をも説明することができる。
【0016】
しかし、出願人は、イソプロパノールの存在下で、25℃において、24時間にわたって、1,3プロパンスルトンによってキトサンを化学修飾すると、回収された生成物は、重量があまり増加しておらず、それは、キトサン分子の糖単量体への1,3−プロパンスルトンの結合が生じないか、又は極めて低い結合であることを示すものであることを実験から見いだした。45℃で、48時間にわたってスルホン化反応を実施すると、回収された生成物は重量が増加しているが、アンモニア(水)溶液で処理すると、2%の酢酸溶液を溶媒として使用する下記の比較例で得られたアルキルスルホン化キトサンのように、ゲル状生成物を形成する(以下参照)。したがって、DE3432227A1に従って生成されたキトサンのスルホニル誘導体は、1,3−プロパンスルトンから誘導されたスルホプロピル基が、共有結合ではなく、主にイオン結合を介して、遊離アミノ基に結合している可能性が極めて高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】独国特許出願公開第3432227号明細書
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Kazuo Kondo他、日本化学工学ジャーナル、1997年、第30巻、第5号、ページ:846〜851
【非特許文献2】Yung−Hsin Lin、国立台湾大学2001年修士論文、Study on the semi−IPN of sulfonated polyurethane and chitosan
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
よって、ポリアミノ糖、特にキトサンをスルホン化するための新しい方法を開発するとともに、その方法で得られた生成物の潜在能力を様々な用途、例えば、身体手入れ用製品(a personal care product)、食料品、洗浄製品、農業製品、化粧品、医薬品、医薬用具、繊維製品、水処理用製品及び生化学製品よりなる群から選択される製品の製造に利用する要請が、当該技術分野になおも存在している。
【課題を解決するための手段】
【0020】
したがって、第1の態様によれば、本発明は、化学修飾ポリアミノ糖の分子構造において、所定の割合のアミノ官能基が、共有結合を介して、ヒドロカルビルスルトン化合物によりスルホン化されるように、好適な温度の下で、有機溶媒の存在下でヒドロカルビルスルトン化合物により、アミノ官能基を有する未修飾ポリアミノ糖をスルホン化する方法によって製造された化学修飾ポリアミノ糖を提供する。
【0021】
第2の態様において、本発明は、化学修飾ポリアミノ糖を製造するための方法であって、
有機溶媒と、アミノ官能基を有する未修飾ポリアミノ糖とを混合することによって混合物を形成すること、
化学修飾ポリアミノ糖の分子構造において、所定の割合のアミノ官能基が、共有結合を介して、ヒドロカルビルスルトン化合物によりスルホン化されるように、好適な温度の下で、ヒドロカルビルスルトン化合物を混合物に添加することによって未修飾ポリアミノ糖をスルホン化すること、及び
形成された化学修飾ポリアミノ糖を回収することを含む方法を提供する。
【0022】
第3の態様において、本発明は、化学修飾キトサンの分子構造において、所定の割合のアミノ官能基が、共有結合を介して、ヒドロカルビルスルトン化合物によりスルホン化されるように、好適な温度の下で、有機溶媒の存在下でヒドロカルビルスルトン化合物により、アミノ官能基を有する未修飾キトサンをスルホン化する方法によって製造される化学修飾キトサンを含む組成物を提供する。
【0023】
本発明による化学修飾キトサンは、以下の特性、すなわち創傷治癒を促進させること、微生物の増殖を抑制すること、哺乳類に対する毒性を示さないこと、哺乳類に対する皮膚刺激作用を示さないこと、哺乳類に対する炎症作用を示さないこと、紫外線を吸収すること、皮膚の保湿を維持すること、人間の皮膚に対する組織適合性を有すること、及び揮発性分子の放出を制御する効果を有することの少なくとも1つを有することが確認された。したがって、本発明による化学修飾キトサンは、身体手入れ用製品、食料品、洗浄製品、農業製品、化粧品、医薬品、医薬用具、繊維製品、水処理用製品及び生化学製品よりなる群から選択される製品の製造を含む様々な工業用途に有用であると考えられる。
【0024】
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、添付の図面を参照する好ましい実施形態の以下の詳細な説明において明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による化学修飾キトサンの合成を概略的に示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるアルキルスルホン化キトサン粉末の異なる量のラットの体重に対する効果を示すグラフである(各群について、n=6)。
【図3】実験群では2つの異なる量のアルキルスルホン化キトサン粉末(2.5×2.5cmの面積当たり0.25g及び0.5g)を与え、対照群ではキトサンを与えなかった、本発明の一実施形態によるアルキルスルホン化キトサン粉末のラットの皮膚に対する刺激作用を示すグラフである(各群について、n=6)。
【図4】繊維芽細胞をアルキルスルホン化キトサンで処理した24時間後にPGEの濃度を測定し、平均値±標準偏差によってデータを表した、ヒト繊維芽細胞ATCC60038によるプロスタグランジン−E(PGE)によって測定された本発明の一実施形態によるアルキルスルホン化キトサンの炎症作用を示すグラフである(各群について、n=6)。
【図5】処理後21日目に観察された、外科創傷を負ったラットに対する4つの異なる包帯剤の創傷治癒効果を示す図である(パネルaはアルギン酸塩(KALTOSTAT(登録商標))、パネルbは未修飾キトサンスポンジ、パネルcは未修飾キトサン繊維、パネルdは、スルホン化度が80%である本発明の一実施形態によるアルキルスルホン化キトサンである)。
【図6】ミリポアAP250 1000フィルター(負の対照包帯剤)上で成長したマウス繊維芽細胞L929の細胞形態を示す図である(パネルaは1000倍の倍率、パネルbは100倍の倍率、パネルcは400倍の倍率、パネルdは40倍の倍率である)。
【図7】実験的包帯剤、すなわちKALTOSTAT(登録商標)の周囲で成長したマウス繊維芽細胞L929の細胞形態を示す図である(左のパネルは100倍の倍率、右のパネルは1000倍の倍率である)。
【図8】実験的包帯剤、すなわち未修飾キトサンスポンジの周囲で成長したマウス繊維芽細胞L929の細胞形態を示す図である(左のパネルは100倍の倍率、右のパネルは1000倍の倍率である)。
【図9】実験的包帯剤、すなわちキトサン繊維の周囲で成長したマウス繊維芽細胞L929の細胞形態を示す図である(左のパネルは100倍の倍率、右のパネルは1000倍の倍率である)。
【図10】実験的包帯剤、すなわちスルホン化度が80%である本発明の一実施形態によるアルキルスルホン化キトサンの周囲で成長したマウス繊維芽細胞L929の細胞形態を示す図である(左のパネルは100倍の倍率、右のパネルは1000倍の倍率である)。
【図11】組織分析(2%クリスタルバイオレット染剤)によって検知されたマウス繊維芽細胞L929に対する実験的包帯剤、すなわちKALTOSTAT(登録商標)の細胞毒性を示す図である(左のパネルは対照群、右のパネルは実験群である)。
【図12】組織分析(2%クリスタルバイオレット染剤)によって検知されたマウス繊維芽細胞L929に対する実験的包帯剤、すなわち未修飾キトサンスポンジの細胞毒性を示す図である(左のパネルは対照群、右のパネルは実験群である)。
【図13】組織分析(2%クリスタルバイオレット染剤)によって検知されたマウス繊維芽細胞L929に対する実験的包帯剤、すなわちキトサン繊維の細胞毒性を示す図である(左のパネルは対照群、右のパネルは実験群である)。
【図14】組織分析(2%クリスタルバイオレット染剤)によって検知されたマウス繊維芽細胞L929に対する実験的包帯剤、すなわちスルホン化度が80%である本発明の一実施形態によるアルキルスルホン化キトサンの細胞毒性を示す図である(左のパネルは対照群、右のパネルは実験群である)。
【図15】ヒアルロン酸及びコラーゲンと比べた場合における、本発明の一実施形態によるアルキルスルホン化キトサンの皮膚保湿維持効果を示す図である。
【図16】3つの異なる量で試験された本発明の一実施形態による高分子量アルキルスルホン化キトサンの紫外線吸収能を示す図である。
【図17】3つの異なる量で試験された本発明の一実施形態による低分子量アルキルスルホン化キトサンの紫外線吸収能を示す図である。
【図18】試験香料の香気発散を阻止する上での本発明の一実施形態によるアルキルスルホン化キトサンの効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、化学修飾ポリアミノ糖、及びその製造方法、並びにその工業用途に関する。選定された実施形態において、本発明は、化学修飾キトサンに関する。
【0027】
本発明において、出願人は、アミノ官能基を有する未修飾ポリアミノ糖を、有機溶媒の存在下、好適な温度の下でヒドロカルビルスルトン化合物によりスルホン化して、その分子構造において、所定の割合のアミノ官能基が、共有結合を介して、ヒドロカルビルスルトン化合物によりスルホン化される化学修飾ポリアミノ糖を形成できることを見いだした。
【0028】
したがって、本発明は、化学修飾ポリアミノ糖の分子構造において、所定の割合のアミノ官能基が、共有結合を介して、ヒドロカルビルスルトン化合物によりスルホン化されるように、好適な温度の下で、有機溶媒の存在下でヒドロカルビルスルトン化合物により、アミノ官能基を有する未修飾ポリアミノ糖をスルホン化する方法によって製造される化学修飾ポリアミノ糖を提供する。
【0029】
本発明は、また、化学修飾ポリアミノ糖を製造するための方法であって、
有機溶媒と、アミノ官能基を有する未修飾ポリアミノ糖とを混合することによって混合物を形成すること、
化学修飾ポリアミノ糖の分子構造において、所定の割合のアミノ官能基が、共有結合を介して、ヒドロカルビルスルトン化合物によりスルホン化されるように、ヒドロカルビルスルトン化合物をその混合物に添加することによって未修飾ポリアミノ糖をスルホン化すること、及び
形成された化学修飾ポリアミノ糖を回収することを含む方法を提供する。
【0030】
スルホン化反応の後、形成された化学修飾ポリアミノ糖は、反応混合物への溶解性がより低くなるか、又は不溶になるため、容易に回収することができる。
【0031】
本発明による化学修飾ポリアミノ糖は、ヒドロカルビルスルトン化合物の加水分解による未修飾ポリアミノ糖の分解が生じないため、未修飾ポリアミノ糖と実質的に同じ長さを有することができる。加えて、それらは、ほとんどもっぱらアミノ官能基上でスルホン化され、スルホン化度は、実質的に、反応の始めに予定されたものに一致させることができる。
【0032】
本明細書で用いられる「未修飾ポリアミノ糖」という用語は、その分子構造がアミノ官能基を含む糖重合体を意味する。本発明での使用に好適な「未修飾ポリアミノ糖」としては、天然源又は化学合成分子等から得られる糖重合体、例えばキトサン及びグリコサミノグリカン(GAG)を挙げることができるが、それらに限定されない。
【0033】
スルホン化反応の結果に影響を与えるように未修飾ポリアミノ糖を前処理することができる。例えば、アミノ官能基への接触を可能にするために、脱アセチル化することができる。スルホン化度を制限するために保護基を有することもできるが、これは多くの実施形態では必要とされない。ヒドロカルビルスルトン化合物との他の所望の反応を促すための反応基を備えることができる。
【0034】
未修飾ポリアミノ糖は、任意のサイズを有することができるが、特定の実施形態では、300と1,500,000の間の分子量を有することができる。より具体的には、未修飾ポリアミノ糖は、分子量の異なる4群、すなわち(1)分子量が10,000未満の超低分子量分子、(2)分子量が10,000から35,000の範囲の低分子量分子、(3)分子量が35,000から140,000の範囲の高分子量分子、及び(4)分子量が140,000から1,500,000の超高分子量分子に分類することができる。
【0035】
本発明の選定された実施形態において、未修飾ポリアミノ糖は、キトサンを含むことができる。キトサンは、α−キトサン、β−キトサン、線状キトサン、分枝キトサン、及びその組合せよりなる群から選択することができる。加えて、キトサンは、甲殻類の殻、昆虫の外骨格、真菌の細胞壁等の天然源から精製されたキチンの脱アセチル化から得ることができ、50%から100%の範囲の脱アセチル化度を有することができる。アミノ基に対するスルホン化は、スルホネート基の形成により、キトサンの親水性を高め、分子を安定化することができる。
【0036】
出願人は、驚いたことに、本発明によるスルホン化反応を、好適な温度の下で、選定された有機溶媒の存在下で実施したため、その反応において、ヒドロカルビルスルトン化合物はキトサン分子の各糖単量体の−CHOH基よりも−NH基への結合をはるかに好むことを見い出した。加えて、いくつかの具体的な実施形態において、スルホン化反応は、通常は45℃より高い有機溶媒の還流温度の下で実施された。その結果、市販の有機溶媒に含まれる少量の水の存在により、ヒドロカルビルスルトン化合物、特に1,3−プロパンスルトンの加水分解は生じない。
【0037】
本発明によれば、有機溶媒は、極性の高い溶媒であってもよい。例えば、有機溶媒は、アルコール、エーテル、エーテルアルコール、及びそれらの組合せよりなる群から選択される。特定の実施形態において、有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、メトキシプロパノール、及びそれらの組合せよりなる群から選択される。具体的な実施形態において、有機溶媒に含まれる水分は、10%未満である。
【0038】
メタノールを有機溶媒として使用するときは、その高い極性により、さらなる利点を提供することが可能である。具体的には、低分子量から極めて高分子量の未修飾キトサンは、メタノールと混合されると、膨張することによって、未修飾キトサンの糖単量体と接触するヒドロカルビルスルトン化合物の浸透を増大させることができる。加えて、ヒドロカルビルスルトン化合物によるキトサンのスルホン化は、未修飾キトサンの糖単量体−CHOH基より−NH基(スルホン化反応:−NH>>−CHOH)において支配的に生じることになる。したがって、メタノールを有機溶媒として使用するときは、約25℃から約67℃の範囲の温度で、低分子量から極めて高分子量の未修飾キトサンに対するスルホン化反応を実施することが可能である。
【0039】
極めて低分子量の未修飾キトサンを使用するときは、好ましい有機溶媒は、未修飾キトサンを可溶性にしない有機溶媒、例えば1−メトキシ−2−プロパノールである。
【0040】
本発明のいくつかの具体的な実施形態において、スルホン化反応は、使用される有機溶媒の還流温度の下で実施される。還流温度は、混合物の沸点に対応しうる。例えば、還流温度は、50℃から150℃の間、より好ましくは60℃から140℃の間の温度とすることができる。好ましい実施形態では、メタノールを有機溶媒として使用し、還流温度を65から67℃付近に設定できる。他の好ましい実施形態では、n−ブタノールを有機溶媒として使用し、還流温度を117から120℃付近に設定できる。さらなる好ましい実施形態、イソプロパノールを有機溶媒として使用し、還流温度を82から85℃付近に設定できる。さらなる好ましい実施形態、1−メトキシ−2−プロパノールを有機溶媒として使用し、還流温度を110から115℃付近に設定できる。
【0041】
ヒドロカルビルスルトン化合物は、未修飾ポリアミノ糖と有機溶媒の混合物に徐々に、又は一度に添加される。ヒドロカルビルスルトン化合物は、通常は、ほぼもっぱら未修飾ポリアミノ糖のアミノ官能基と反応し、ヒドロキシ基とはほとんど又はまったく反応しない。また、ヒドロカルビルスルトン化合物は、通常は主に、化学環境の変化に対する抵抗がイオン結合よりはるかに強い共有結合を介して、未修飾ポリアミノ糖のアミノ官能基に対してスルホン化される。イオン結合は、上述した多くのこれまでの方法で形成される最も一般的なタイプの結合である。本発明では、スルトン−アミノ基結合の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%を共有結合とすることができる。
【0042】
本発明によれば、ヒドロカルビルスルトン化合物は、アルキルスルトン及びアルケニルスルトンから選択される。特定の実施形態において、ヒドロカルビルスルトン化合物は、以下の式を有する。
【化2】


[上式において、
は、−(CH−(式中、xは、2から4の整数)及び−CH=CH−から選択され、
は、H及びC〜Cのアルキル基から選択される]。
【0043】
より具体的な実施形態において、ヒドロカルビルスルトン化合物は、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、及びそれらの組合せから選択される。
【0044】
使用されるヒドロカルビルスルトン化合物が1,4−ブタンスルトンであるときは、未修飾ポリアミノ糖のスルホン化は、イソプロパノール以外の有機溶媒の存在下で、110℃から150℃の範囲の還流温度の下で実施されるのが好ましい。
より好ましくは、1,4−ブタンスルトンを使用して、キトサンをスルホン化するときは、スルホン化反応は、n−ブタノール又は1−メトキシ−2−プロパノールの存在下で、110℃から130℃の範囲の還流温度の下で実施される。6から8時間の反応時間後に、55%から92%の収率でアルキルスルホン化キトサンを得ることができる。
【0045】
ヒドロカルビルスルトン化合物、及び2つ以上のヒドロカルビルスルトン化合物の任意の組合せは、製造される化学修飾ポリアミノ糖の所望の特性、及び用途に基づき選択することができる。例えば、ヒドロカルビルスルトン化合物は、特定のアルキル基の存在によって促進され、又は大きいアルキル基の立体効果に影響され得る、ポリアミノ糖に対するさらなる化学作用を実施する必要性に基づき選択することができる。
反応に使用する未修飾ポリアミノ糖及びヒドロカルビルスルトン化合物の相対量は、形成される化学修飾ポリアミノ糖に対して所望のスルホン化度を与えるように選択できる。
【0046】
本発明によれば、スルホン化度は、添加されるヒドロカルビルスルトン化合物の量及び性質によって影響を受けることがあるが、多くの実施形態では、添加された実質的にすべてのヒドロカルビルスルトン化合物が、未修飾ポリアミノ糖と反応する。より長い分子は、より短い分子と比較すると、所定のスルホン化度のためにより大量のヒドロカルビルスルトン化合物を必要とするため、未修飾ポリアミノ糖の長さもスルホン化度に影響する。未修飾ポリアミノ糖の長さは、分子量のような当該技術分野で知られている様々な測定値に基づき容易に求めることができる。さらに、反応温度、ヒドロカルビルスルトン化合物の漸次添加対即時添加、及び反応時間も、得られた化学修飾ポリアミノ糖に対するスルホン化度に影響し得る。したがって、本発明により得られるスルホン化度は、多くの実施形態において安定している傾向にあり、様々な未修飾ポリアミノ糖及びヒドロカルビルスルトン化合物を用いた日常的な実験を通じて予測可能である。
【0047】
本発明によれば、未修飾ポリアミノ糖のアミノ官能基のモル数に対するヒドロカルビルスルトン化合物の使用量は、回収された化学修飾ポリアミノ糖が、5%から少なくとも90%、好ましくは10%から80%の範囲の所定のスルホン化度を有するように制御される。選定された実施形態において、化学修飾ポリアミノ糖のスルホン化度は、5%から60%の間、又は30%から40%の間である。他の選定された実施形態において、化学修飾ポリアミノ糖のスルホン化度は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%であってもよい。
【0048】
選定された実施形態において、ヒドロカルビルスルトン化合物は、未修飾ポリアミノ糖のアミノ官能基のモル数の4分の1から4倍の範囲の量で使用される。より具体的な実施形態において、ヒドロカルビルスルトン化合物は、未修飾ポリアミノ糖のアミノ官能基のモル数の2分の1から2倍の範囲の量で使用される。
【0049】
スルホン化反応の後、形成された化学修飾ポリアミノ糖を、濾過、洗浄、乾燥、沈殿及び/又は結晶化のような従来の精製手法によって回収することができる。例えば、それを濾過によって反応混合物から除去し、次いで水又は他の溶媒に溶解させた後に、沈殿又は結晶化を施す。加えて、一部のケースでは、スルホン化処理の後に得られる混合物が、幾分粘性を有するため、得られる混合物に一定量の有機溶媒を添加して所望の生成物の単離及び精製を容易にすることができる。本発明の多くの実施形態において、形成された化学修飾ポリアミノ糖は、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又はさらには少なくとも99%のような極めて高収率で回収される。
【0050】
本発明による化学修飾ポリアミノ糖は、該当する使用分野に通常受け入れられるサイズを有することができる。具体的な実施形態において、化学修飾ポリアミノ糖のサイズは、一般には、未修飾ポリアミノ糖のサイズに対応する。これは、このスルホン化反応は、未修飾ポリアミノ糖の実質的な分解を引き起こさないためである。
【0051】
加えて、本発明によれば、未修飾ポリアミノ糖、特にキトサンのスルホン化度を予め決定することができるため、それから誘導された化学修飾ポリアミノ糖は、ヒドロカルビルスルトン化合物によってスルホン化されないアミノ官能基の一定部分を有することができる。そのような未反応アミノ官能基に、化学修飾ポリアミノ糖を医薬品等の製造での使用に適するものとする他の処理を施すことが可能である。
【0052】
本発明の化学修飾ポリアミノ糖は、それに金属水酸化物水溶液を使用するアルカリ処理を施すことによって、金属塩に変換することができる。いくつかの具体的な実施形態において、金属水酸化物水溶液は、NaOH、KOH、NHOH、Mg(OH)、Ca(OH)、及びそれらの組合せから選択される金属水酸化物の水溶液である。
【0053】
本発明の化学修飾ポリアミノ糖は、無毒性で、生体適合性を有することができる。それらは、フィルム、不織布構造体、水溶液及び粉末などの様々な形態に形成することができる。それらは、本出願の他の箇所に記載されている目的のような様々な目的に使用することができ、所定の用途に適する任意の様式で供給し、使用することができる。
具体的には、本発明のいくつかの化学修飾ポリアミノ糖は、医薬用具、身体手入れ用製品、化粧品、口腔手入れ用製品、臭気管理製品、農業製品、水処理用製品、洗浄製品、生化学製品、コンタクトレンズ洗浄液、繊維製品及び医薬品などに使用できる。これら化学修飾ポリアミノ糖の使用を容易にするために、それらを水又は水性溶媒に溶解させて、異なる粘度の溶液を形成することができる。それらを使用して、フィルム又は三次元構造体を形成することもできる。本発明の化学修飾ポリアミノ糖は、長期間の保管に向けた様々な形態をとることができるが、分解、及び保管に伴う他の問題を回避するために、粉末化、又は凍結乾燥された形で保管するのが好ましい。
【0054】
任意の好適なポリアミノ糖を本発明に使用できるが、いくつかの具体的な実施形態は、キトサンの使用に関する。より具体的には、図1に概略的に示すように、キトサンをヒドロカルビルスルトン化合物と反応させることができる。この反応スキームに基づいて、約161の分子量を有する100gのキトサンを使用する場合は、表1に示される量の1,3−プロパンスルトンを使用して、表示されているスルホン化度を得ることができる。表1は、1,3−プロパンスルトンによるキトサンのスルホン化度は、1,3−プロパンスルトンの使用量とほぼ直線関係にあることを示している。
【0055】
表1.1,3−プロパンスルトンの使用量と、メタノール溶媒中でのキトサン(分子量:161)のスルホン化度との相関
【表1】

【0056】
得られた結果によれば、化学修飾キトサンのスルホン化度を要望に応じて容易に制御できることが明らかである。
【0057】
本発明の化学修飾キトサンは、構造的にヘパリンと類似することがある。本発明の化学修飾キトサンは、以下の特性、すなわち創傷治癒を促進させること、微生物の増殖を抑制すること、哺乳類に対する毒性を示さないこと、哺乳類に対する皮膚刺激作用を示さないこと、哺乳類に対する炎症作用を示さないこと、紫外線を吸収すること、皮膚の保湿を維持すること、人間の皮膚に対する組織適合性を有すること、及び揮発性分子の放出を制御する効果を有することの少なくとも1つを有することが確認された。
【0058】
加熱、攪拌しながら水に添加すると、完全に溶解して、弱酸性(pH:5〜6)の透明な明黄色の水溶液を形成することができる。化学修飾キトサンの添加量によって、その溶液の粘度を調製することができる。
【0059】
化学修飾キトサンを透明な弾性フィルムに成形することもできる。特定の例示的な実施形態において、本発明の化学修飾キトサンを水のような溶媒に溶解させ、次いで例えばオーブンで溶液を加熱することによって実施できる溶媒の除去を行うことによって、弾性フィルムを製造することができる。特定の実施形態において、溶液は、1日間にわたってオーブンに仕込まれる。例えば溶液の濃度を制御することによって、このフィルムの厚さを変えることができる。
【0060】
創傷治癒を含む医療用途、殺菌剤、水処理、酵素固定、化粧品等の様々な様式で、様々な形態の化学修飾キトサンを使用することができる。フィルムの形態である場合は、とりわけ医薬、医療機器、化粧品及び食品に使用できる。
【0061】
本発明の化学修飾キトサンを繊維製品の製造に使用することができる。繊維製品は、織布、編地、不織布、及びそれらの組合せよりなる群から選択することができる。加えて、繊維製品は、ナノ繊維で作製される。一例として、本発明の化学修飾キトサンを、米国特許第6638918号に開示されているキトサンから形成されたものと類似するナノ繊維の組織に成形することができる。次いで、それを同様に使用できる。加えて、本発明の化学修飾キトサンで作成されたマイクロカプセルを、米国特許第6242099号においてキチンについて記載されているものと類似する様式で形成し、使用することができる。キトサンをカチオン性多糖として使用して、米国特許第5858392号に記載されているようにヒドロゲルを形成することができる。最後に、本発明の化学修飾キトサンを使用して、米国特許第2003/0134120号に記載されているように天然繊維にコーティングすることができる。
【0062】
本発明の化学修飾キトサンは、ストレプトマイシン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)及びカンジダアルビカンス(Candida albicans)、でん風菌(Malassezia furfur)、マラセジアパキデルマチス(Malassezia pachydermatis)並びにプロピオニバクテリウムアクネス(Propionibacterium acnes)の成長を抑制する能力を有することが証明されており、様々な他の有害な微生物を抑制又は撲滅することが可能である。
【0063】
具体的な実施形態において、本発明により製造されるアルキルスルホン化キトサンの最小抑制濃度(MIC)は、ストレプトマイシン耐性黄色ブドウ球菌に対しては0.38mg/mL、大腸菌CCR 10675に対しては0.094mg/mL、緑膿菌CCRC 12450に対しては0.38mg/mL、カンジダアルビカンスCCRC 20511に対しては0.19mg/mLである。これらの最小抑制濃度は、一般的に、対応する未修飾キトサンの最小抑制濃度より低い。したがって、より良好な製品を得るために抗菌効果が望まれる用途において、キトサンの代わりにアルキルスルホン化キトサンを使用することができる。
【0064】
抗菌効果は、化学修飾キトサンのサイズ、スルホン化度、又は使用するヒドロカルビルスルトン化合物にはほとんど無関係である。具体的には、化学修飾キトサンは、その抗菌特性により、皮膚手入れ用製品、髪手入れ用製品、マニキュア、口腔手入れ用製品、臭気管理製品及びコンタクトレンズ洗浄液のような身体手入れ用製品;防腐剤、食品包装フィルム、健康食品、ダイエット食品、食品被覆剤、ゲル状食料品、減量剤及び食品添加物のような食料品;洗浄製品;飼料添加物、家畜飼料添加物、植物手入れ用製品、肥料、除草剤、疾病抑止剤及び抗黴剤のような農業製品;美容パック、老化防止クリーム、座瘡防止クリーム、メイクアップ、洗顔製品及びメンテナンス製品のような化粧品;抗菌剤、抗黴剤、抗炎症剤、抗癌剤、抗コレステロール剤、抗ウィルス剤、薬物担体、ワクチン、マイクロカプセル、ヒドロゲル、フィブリン接着剤及びフィブリンシーラントのような医薬品;並びに放射線治療器具、白血球除去器具、人工血管又は血管パッチのような医療用具の製造に使用できる。本発明の化学修飾キトサンは、酵素精製剤、酵素保持剤、交換樹脂及びTLC材料のような生化学製品;並びに重金属吸収剤、脂質吸収剤及びタンパク質吸収剤のような水処理用製品の製造にも使用できる。
【0065】
例えば、米国特許第6521628号に記載されている抗菌及び抗炎症剤として、オオグルマ(elecampane)と併用されるキトサンの代わりに、本発明の化学修飾キトサンを使用できる。米国特許第6497927号に記載されているような抗菌レーヨン繊維と類似する繊維を、本発明の化学修飾キトサンを使用して作製することができる。本発明のアルキルスルホン化キトサンによって、米国特許第2003/0176306号の除カビ剤(the mold and mildew remover)のような洗浄製品を作製できる。本発明の化学修飾キトサンを使用して、米国特許第6413910号に記載されているように、疾病に対する植物の耐性を高めることもできる。米国特許第6060429号及び米国特許第5374627号に記載されているように植物の疾病を抑制するのに使用することもできる。
【0066】
本発明の化学修飾キトサンは、通常は抗菌剤であるが、米国特許第5208159号に記載されているようないくつかの生体は、実際にその中で十分に成長できる。米国特許第4647536号においてキトサンについて記載されている抗菌効果によって阻害されない細胞を封入するのに使用することもできる。
【0067】
また、本発明の化学修飾キトサンは、哺乳類のようなより大きい生体に対して、ほとんど又はまったく毒性を示さない。本発明により製造されたアルキルスルホン化キトサンのラットにおける急性経口毒性(LD50)量は少なくとも5g/kgで、それを無毒と見なすのに十分である。また、アルキルスルホン化キトサンは、定期的に摂取されても、ラットの体重に大きな効果を及ぼさないようである。したがって、本発明の化学修飾キトサンを食品又は医薬品の添加剤として使用することができる。例えば、本発明の化学修飾キトサンを、米国特許第6497904号では未修飾キトサン、米国特許第6391318号ではカチオン性キトサン、米国特許第5629011号では様々なキトサンについて記載されているような薬物担体又はワクチンに使用することができる。米国特許第5762903号においてキトサンについて記載されているように、放射線核種で標識し、放射線治療に使用することもできる。米国特許第6562802号の抗炎症、抗ウィルス及び抗菌剤における天然キトサンのカチオン誘導体の代わりに使用することも可能である。米国特許第5129887号における受容体媒介伝達に使用される天然キトサンのカチオン誘導体の代わりに、本発明の化学修飾キトサンを使用することもできる。
【0068】
キトサンの水処理用途については、米国特許第5336415号及び米国特許第5543056号に記載されており、そこでも本発明の化学修飾キトサンを使用することができる。
【0069】
さらに他の例において、米国特許第2003/0104020号に記載されているような口腔手入れ及び臭気管理組成物におけるキトサンの代わりに、本発明の化学修飾キトサンを使用することができる。米国特許2003/0203084号、米国特許第6200619号、米国特許第4223023号及び米国特許6238720号に記載されている食品被覆剤、防腐剤又はゲル化エマルジョンにおける天然キトサンの代わりに使用することもでき、或いは米国特許第6495142号、米国特許第5098733号及び米国特許第5976550号に記載されている薬品、減量剤又は食品添加物として使用できる。
【0070】
さらに、本発明の化学修飾キトサンは、ラットの皮膚組織を刺激したり、或いは不規則又は異常な成長を誘発することはない。したがって、身体手入れ用製品、洗浄製品、化粧品及び医療用具での使用に適している。化粧品は、ゲル、クリーム、グリース、スプレー、泡、不織布、液体及び粉末よりなる群から選択される形態をとることができる。例えば、本発明の化学修飾キトサンをコラーゲンとともに使用して、日本国特許第6048917号及び日本国特許第5345712号においてキトサンについて記載されている美容パックを形成することができる。米国特許第2003/0104020号に記載されている老化防止クリーム、又は米国特許第6451773号に記載されている座瘡防止クリームにおけるキトサンの代わりに使用することができる。米国特許第6461635号に記載されている表皮からの接着剤の除去を助ける薬剤におけるキトサンの代わりに使用することも可能である。
【0071】
他の用途では、米国特許第6497927号に記載の白血球低減フィルターにおいて、キトサンのカチオン残基の代わりに、本発明の化学修飾キトサンを使用することができる。他の濾過媒体も、米国特許第5618622号に記載されているように、キトサンから作成することができる。
【0072】
米国特許第4202881号及び4134412号に開示されている髪手入れ用製品及び方法に採用されているキトサンの水溶性塩の代わりに、本発明の化学修飾キトサンを使用することもできる。米国特許第4954619号に記載されている、マニキュアを形成するために異なる修飾キトサンの代わりに使用することもできる。コンタクトレンズ洗浄液におけるキトサンの使用が、米国特許第2002/0177577号に記載されており、このキトサンは、本発明の化学修飾キトサンで代えることができる。
【0073】
キトサンは、既に、可能性のある包帯剤又は抗凝血剤としての研究がなされている。本発明の一実施形態によるアルキルスルホン化キトサン(図5、パネルd)は、市販のアルギン酸包帯剤(KALTOSTAT(登録商標)、ConvaTec社(英国))(図5、パネルa)、キトサンスポンジ(図5、パネルb)及びキトサン繊維(Chinatex社(台湾))(図5、パネルc)より、創傷治癒を促進する効果が大きいことが証明された。図5に明示されているように、スルホン化度が80%の本発明の一実施形態によるアルキルスルホン化キトサンは、ラットにおいて顕著に優れた創傷治癒をもたらした。
【0074】
したがって、多数の創傷治癒用途におけるキトサン又は他の修飾キトサンの代わりに、本発明の化学修飾キトサンを使用することができる。例えば、米国特許第3911116号、米国特許第4532134号及び米国特許第3914413号には、どれも、創傷治癒を促進する上でキチン又は修飾キチンを使用することが述べられている。本発明の化学修飾キトサンが、もしこれら3つの特許のいずれかでキチンと同じ様式で使用されると、より優れた結果をもたらすことが期待される。同様に、米国特許第5166187号に記載されている人工皮膚を本発明の化学修飾キトサンで作成することができ、最終製品の改善が期待される。
【0075】
よって、本発明は、創傷を有する哺乳類に本発明の化学修飾キトサンを塗布することを含む、創傷治癒を必要とする哺乳類の創傷治癒を促進する方法を提供する。特定の例示的な実施形態において、創傷は、開放創傷、出血創傷、開放潰瘍、人工血管又は血管パッチの移植によって生じた創傷、出血縫合部、出血心臓弁部、及びそれらの組合せを含むことができる。本発明の化学修飾キトサンを、フィルム、繊維、スポンジ、ゲル、クリーム、グリース、スプレー、泡、不織布、液体及び粉末よりなる群から選択される形態で塗布することができる。創傷治癒を行うために、本発明の化学修飾キトサンを、少なくとも14から21日以上の期間にわたって、創傷を有する哺乳類に塗布することができる。
【0076】
本発明の化学修飾キトサンを塗布すると、哺乳類の創傷の治療による線維増殖を抑制することが可能である。加えて、哺乳類の創傷が人工血管の損傷であるときは、本発明の化学修飾キトサンを塗布することによって、損傷した人工血管の組織再生を促進することができる。最後に、米国特許第2002/0189022号のキトサンの代わりに、本発明の化学修飾キトサンを使用して、洗浄後に織物を処理することができる。
【0077】
上記例のすべてにおいて、本発明の化学修飾キトサンをキトサンの代わりに使用して、より優れた結果を達成できる。したがって、上記説明のいずれの箇所も、記載の特許が本発明のいずれかの態様を包括、教示又は暗示することを示すものと見なされるべきではない。
【0078】
以下の例を提示して、本発明の具体例をさらに説明する。それらは、例示のみを目的として提示されており、本発明のすべての態様をそのまま表すことを意図するものではない。変形を当業者なら理解するであろう。
【実施例】
【0079】
使用した試薬
以下の実施例では、特に明記しない限り、粘度平均分子量10,000〜200,000のキトサンを使用した。また、以下の実施例では、通常、脱アセチル化度が約75%〜約85%のポリ(D−グルコサミン)を含むキトサンを使用した。ヒドロカルビルスルトン化合物として、1,3−プロパンスルトン又は1,4−ブタンスルトンを使用した。また、反応溶媒として、メタノール、n−ブタノール、又はメトキシプロパノールを使用した。
【0080】
比較例.以前の製法によるアルキルスルホン化キトサンの生産
本実施例では、「スルホン化ポリウレタン及びスルホン化キトサンのセミIPNについての研究(Study on the semi−IPN of sulfonated polyurethance and chitosan)」と題する、国立台湾大学化学工学研究所のYung−Hsin Linによる2001年の修士論文に記載された、以前の製法に従いアルキルスルホン化キトサンを合成した。
【0081】
キトサン粉末(分子量140,000)6gを2wt%酢酸溶液594gで溶解し、濾過した。この濾液を四つ口フラスコに入れ、窒素で覆った。次に、この濾液を摂氏30度(℃)にした後、200回転/分(rpm)で攪拌した。1,3−プロパンスルトン90ミリリットル(mL)をこのフラスコに徐々に加えた後、6時間攪拌した。次に、この反応生成物にアセトン1000mLを加えて沈殿させ、濾過により分離した。大量のメタノール及びアセトンでこの生成物を数回洗浄し、引き続いて真空オーブンで乾燥した。乾燥後、88.15%の収率で水溶性アルキルスルホン化キトサン9.3gを得た。しかし、この以前の製法でキトサンをスルホン化した場合、スルホン化反応が酸性状態で起こり、反応液のpHが十分低いため、キトサンの分解が認められた(データは示さず)。
【0082】
この以前の製法により生産された水溶性アルキルスルホン化キトサンのアミノ官能基に1,3−プロパンスルトンが結合する様式を判定するため、以下の実験を実施した。
【0083】
最初に、アルキルスルホン化キトサンの硫黄含有量が、9.79重量%に相当することを確認した。次に、アルキルスルホン化キトサン2gを純水50mLに加え、さらに、得られた溶液を攪拌して、加えたアルキルスルホン化キトサンを水に確実に溶解させた。室温で一晩静置後、溶液のpHは3.1であった。次に、pHが11〜12に達するまで溶液にアンモニア水(20%)を加えたところ、ゲル状の生成物を形成して溶液から分離した。その後、このゲル状生成物を濾過により採取し、水と50%メタノールで洗浄して、最終的に、純メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を真空オーブン(75℃)で乾燥した後、最終生成物1.05gが得られ、この生成物の硫黄含有量は0.48重量%と測定された。この以前の製法によりキトサンが1,3−プロパンスルトンによりスルホン化され、アルキルスルホン化キトサンが形成したと考えられるが、この硫黄含有量の減少は、1,3−プロパンスルトン由来のアルキルスルホン酸性基がキトサンのアミノ官能基に対して弱く結合しており、アルカリ溶液を加えることにより、アルキルスルホン化キトサンから容易に解離することができることを示している。したがって、以前の製法で生産されたアルキルスルホン化キトサンでは、1,3−プロパンスルトンが主にイオン結合によってアミノ官能基に結合していることは明らかである。
【0084】
合成例1.高分子量キトサンと1,3−プロパンスルトンの反応によるアルキルスルホン化キトサンの生産
高分子量キトサン(分子量約140,000)161gをフラスコに入れ、さらに、メタノール700mLを加えて攪拌した。還流温度65〜67℃で、得られた混合液を攪拌しながら加熱している間、1,3−プロパンスルトン122gを滴下により徐々に加えた。すべての1,3−プロパンスルトンを加えた後、得られた混合液をさらに4時間還流した。次に、フラスコを室温まで冷却して、生成物を濾過により集め、さらに、メタノールにより数回洗浄した。次に、この生成物を真空オーブンで一晩乾燥した。乾燥後、99.7%の収率でアルキルスルホン化キトサン282.1gを得た。本発明に従って生産した本実施例では、アルキルスルホン化キトサンの生産が中性に近い状態(pH5〜6)で行われたため、キトサンの分解は認められなかった。
【0085】
本発明に従って生産されたアルキルスルホン化キトサンのアミノ官能基に1,3−プロパンスルトンが結合する様式を判定するために、比較例で記述した方法と実質的に同一の方法で、本実施例で得られたアルキルスルホン化キトサンを実験に供し、アルカリ処置前後の硫黄含有量の変化を測定した。
【0086】
アルカリ処理後、本実施例で生産されたアルキルスルホン化(原文:alkylfonated)キトサンの硫黄含有量は重量で8%から5%に減少した。この事実はキトサンが本発明に従って化学的に修飾されたとき、1,3−プロパンスルトン由来のアルキルスルホン酸性基がキトサンのアミノ官能基に強く結合し、アルカリ溶液を加えてもアルキルスルホン化キトサンから容易に解離できないことを示している。したがって、本発明に従って生産されたアルキルスルホン化キトサンにおいて、1,3−プロパンスルトンが主に共有結合によりアミノ官能基に結合していると考えるのが妥当である。
【0087】
さらに、比較例から得られたアルキルスルホン化キトサンと比較して、本実施例で生産されたアルキルスルホン化キトサンは中性pHの水で容易に溶解する。
【0088】
合成例2.低分子量キトサンと1,3−プロパンスルトンの反応によるアルキルスルホン化キトサンの生産
低分子量キトサン(分子量約30,000)161gをフラスコに入れ、さらに、メタノール700mLを加えて攪拌した。還流温度65〜67℃で、得られた混合液を攪拌しながら加熱している間、1,3−プロパンスルトン122gを滴下により徐々に加えた。すべての1,3−プロパンスルトンを加えた後、得られた混合液をさらに4時間還流した。次に、フラスコを室温まで冷却して、生成物を濾過により集め、さらに、メタノールにより数回洗浄した。その後、この生成物を真空オーブンで一晩乾燥した。乾燥後、99.0%の収率でアルキルスルホン化キトサン280.2gを得た。
【0089】
合成例3.超低分子量キトサンと1,3−プロパンスルトンの反応によるアルキルスルホン化キトサンの生産
超低分子量キトサン(分子量約10,000)16.1gをフラスコに入れ、さらに、1−メトキシ−2−プロパノール200mLを加えて攪拌した。還流温度110〜115℃で、得られた混合液を攪拌しながら加熱している間、1,3−プロパンスルトン12.3gを滴下により徐々に加えた。すべての1,3−プロパンスルトンを加えた後、得られた混合液をさらに4時間還流した。その後、フラスコを室温まで冷却して、生成物を濾過により集め、さらに、メタノールにより数回洗浄した。次に、この生成物を真空オーブンで一晩乾燥した。乾燥後、92.9%の収率でアルキルスルホン化キトサン26.3gを得た。
【0090】
合成例4.高分子量キトサンと1,4−ブタンスルトンの反応によるアルキルスルホン化キトサンの生産
予備的実験では、メタノールとイソプロパノールをそれぞれ有機溶媒として使用し、その還流温度下で、1,4−ブタンスルトンによるキトサン(高分子量又は低分子量のいずれか)のスルホン化を生じさせた。しかし、6〜8時間の反応時間後、キトサンはスルホン化されなかった。したがって、n−ブタノールを本実施例及び以降の合成例の有機溶媒として選択した。
【0091】
高分子量キトサン(分子量約140,000)161gをフラスコに入れ、さらに、n−ブタノール700mLを加えて攪拌した。還流温度117〜120℃で、得られた混合液を攪拌しながら加熱している間、1,4−ブタンスルトン136gを滴下により徐々に加えた。すべての1,4−ブタンスルトンを加えた後、得られた混合液をさらに8時間還流した。次に、フラスコを室温まで冷却して、生成物を濾過により集め、さらに、メタノールにより数回洗浄した。次に、この生成物を真空オーブンで一晩乾燥した。乾燥後、85%の収率でアルキルスルホン化キトサン252.5gを得た。
【0092】
合成例5.低分子量キトサンと1,4−ブタンスルトンの反応によるアルキルスルホン化キトサンの生産
低分子量キトサン(分子量約30,000)161gをフラスコに入れ、さらに、n−ブタノール700mLを加えて攪拌した。還流温度117〜120℃で得られた混合液を攪拌しながら加熱している間、1,4−ブタンスルトン136gを滴下により徐々に加えた。すべての1,4−ブタンスルトンを加えた後、得られた混合液をさらに8時間還流した。次に、フラスコを室温まで冷却して、生成物を濾過により集め、さらに、メタノールにより数回洗浄した。次に、この生成物を真空オーブンで一晩乾燥した。乾燥後、83%の収率でアルキルスルホン化キトサン246.5gを得た。
【0093】
1,4−ブタンスルトンによりキトサン(高分子量又は低分子量のどちらか)をスルホン化する他の実験で、n−ブタノールに加えて、1−メトキシ−2−プロパノールを試験した。この反応は、8時間をかけ約118℃の還流温度で実施された。この結果、55〜65%の収率でアルキルスルホン化キトサンを得た。
【0094】
合成例6.超高分子量キトサンと1,3−プロパンスルトンの反応によるアルキルスルホン化キトサンの生産
超高分子量キトサン(分子量約500,000〜1,500,000)161gをフラスコに入れ、さらに、メタノール700mLを加えて攪拌した。還流温度65〜67℃で、得られた混合液を攪拌しながら加熱している間、1,3−プロパンスルトン122gを滴下により徐々に加えた。すべての1,3−プロパンスルトンを加えた後、得られた混合液をさらに4時間還流した。次に、フラスコを室温まで冷却して、生成物を濾過により集め、さらに、メタノールにより数回洗浄した。次に、この生成物を真空オーブンで一晩乾燥した。乾燥後、98.9%の収率でアルキルスルホン化キトサン280.4gを得た。
【0095】
合成例7.低分子量キトサンと1,3−プロパンスルトンの反応によるスルホン化度32%の化学修飾キトサンの生産
低分子量キトサン(分子量約35,000)32.2gを500mLフラスコに入れ、さらに、メタノール300mLを加えて攪拌した。還流温度約65℃で、得られた混合液を攪拌しながら加熱している間、1,3−プロパンスルトン8gを滴下により徐々に加えた。すべての1,3−プロパンスルトンを加えた後、得られた混合液をさらに4時間還流した。次に、フラスコを20℃まで冷却し、その中に含まれる反応混合物を濾過して、得られた茶色の固形物をメタノールにより数回洗浄した。次に、この採取された生成物を真空オーブンで一晩乾燥した。乾燥後、88%の収率でスルホン化度30%の化学修飾キトサン35.4gを得た。
【0096】
合成例8.低分子量キトサンと1,3−プロパンスルトンの反応によるスルホン化度40%の化学修飾キトサンの生産
低分子量キトサン(分子量約35,000)32.2gを500mLフラスコに入れ、さらに、メタノール300mLを加えて攪拌した。還流温度約65℃で、得られた混合液を攪拌しながら加熱している間、1,3−プロパンスルトン9.8gを滴下により徐々に加えた。すべての1,3−プロパンスルトンを加えた後、得られた混合液をさらに4時間還流した。次に、フラスコを20℃まで冷却し、その中に含まれる反応混合物を濾過して、得られた茶色の固形物をメタノールにより数回洗浄した。次に、この採取された生成物を真空オーブンで一晩乾燥した。乾燥後、91%の収率でスルホン化度40%の化学修飾キトサン38.22gを得た。
【0097】
合成例9.低分子量キトサンと1,3−プロパンスルトンの反応によるスルホン化度50%の化学修飾キトサンの生産
低分子量キトサン(分子量約35,000)32.2gを500mLフラスコに入れ、さらに、メタノール300mLを加えて攪拌した。還流温度約65℃で、得られた混合液を攪拌しながら加熱している間、1,3−プロパンスルトン12.2gを滴下により徐々に加えた。すべての1,3−プロパンスルトンを加えた後、得られた混合液をさらに4時間還流した。次に、フラスコを20℃まで冷却し、その中に含まれる反応混合物を濾過して、得られた茶色の固形物をメタノールにより数回洗浄した。次に、この採取された生成物を真空オーブンで一晩乾燥した。乾燥後、92%の収率でスルホン化度50%の化学修飾キトサン40.8gを得た。
【0098】
合成例10.低分子量キトサンと1,3−プロパンスルトンの反応によるスルホン化度80%の化学修飾キトサンの生産
低分子量キトサン(分子量約35,000)32.2gを500mLフラスコに入れ、さらに、メタノール300mLを加えて攪拌した。還流温度約65℃で、得られた混合液を攪拌しながら加熱している間、1,3−プロパンスルトン19.5gを滴下により徐々に加えた。すべての1,3−プロパンスルトンを加えた後、得られた混合液をさらに4時間還流した。次に、フラスコを20℃まで冷却し、その中に含まれる反応混合物を濾過して、得られた茶色の固形物をメタノールにより数回洗浄した。次に、この採取された生成物を真空オーブンで一晩乾燥した。乾燥後、93%の収率でスルホン化度80%の化学修飾キトサン48.08gを得た。
【0099】
実験1.本発明の化学修飾キトサンの抗菌作用に関する評価
本実験では、抗菌作用について、本発明の実施例に従って生産されたアルキルスルホン化キトサン(1,3−プロパンスルトンによりスルホン化された高分子量キトサン)と無修飾キトサンを比較した。
【0100】
本実験では48ウェルプレートを使用したが、最初の24ウェルのみ使用した。すべてのウェルは総量は1mLとした。最初のウェルには滅菌水0.5mLとLuria−Bertaniブロス(LB)0.5mLのみを加えた。2番目のウェルには3wt%アルキルスルホン化キトサン溶液(2wt%酢酸溶液で調製)0.5mLと細菌培養液又は酵母培養液0.5mLとを加えた。この培養液は、一晩静置した細菌培養液又は酵母培養液1mLとLB培地100mLを混ぜて調製した。3番目のウェルには、同じアルキルスルホン化キトサン溶液0.5mlと滅菌水0.5mlとを加えた。混合後に、3番目のウェルで得られた溶液0.5mLを4番目のウェルに移し、さらに滅菌水0.5mLを加えた。この方法で、3番目のウェルから24番目のウェルまで2倍連続希釈を実施した。その後に、3番目のウェルから24番目のウェルまでの各ウェルに同じ細菌培養液又は酵母培養液0.5mLを加えた。次に、この48ウェルプレートを37℃で24時間静置して、各ウェルに加えた培養細菌又は培養酵母が増殖できるようにした。ストレプトマイシン耐性黄色ブドウ球菌、大腸菌CCRC 10675、緑膿菌CCRC 12450、カンジダアルビカンスCCRC 20511などの被試験微生物ごとに、別の48ウェルプレートを使用した。さらに、比較のために無修飾キトサンで試験した。
【0101】
各ウェル中で増殖する微生物数が増加することにより、各ウェルの溶液がより不透明になるので、微生物の増殖を分光光度計により検出することができる。したがって、本実験では、選択された微生物に対する被験化合物(本発明のアルキルスルホン化キトサン又は無修飾キトサン)の抗菌作用を、対応するプレートをスキャニングして、当該微生物の更なる増殖を防止する試験化合物の最大希釈率/最低濃度を検出することにより測定される、最小発育阻止濃度(MIC)により示した。得られた結果は表2で示した。
【0102】
表2.選択した微生物に対する本発明のアルキルスルホン化キトサンと無修飾キトサンの最小発育阻止濃度(MIC)
【表2】

【0103】
表2のデータは、本発明のアルキルスルホン化キトサンが無修飾キトサンより高い抗菌作用を持つことを明白に示している。したがって、本発明の化学修飾キトサンは、例えば、上記の微生物に対する抗菌作用を持つ個人向けの衛生用品、上記の1種類以上の微生物に関連する疾患を治療する薬剤などの様々な製品の製造において抗菌薬として作用することができる。
【0104】
実験2.本発明の化学修飾キトサンの毒性と体重減少作用に関する評価
本実験では、本発明の実施例(1,3−プロパンスルトンでスルホン化された高分子量キトサン)に従って生産されたアルキルスルホン化キトサンの粉末を使用し、動物飼料と混合して、ラットに経口投与した。また、無修飾キトサンの粉末を対照剤として使用した。
【0105】
ウィスターラット(7週齡)24匹を4群に割り付けた。また、すべてのラットは実験開始前に一晩絶食させた。次に、4群の各ラットに、例えば、2g/kg、3g/kg、4g/kg、5g/kgという異なる量で、本発明のアルキルスルホン化キトサンの粉末を与え、ラットの生存率と体重を7日間毎日監視した。また、無修飾キトサンの粉末を対照剤として使用した。
【0106】
本試験は、アルキルスルホン化キトサンのLD50値(ラットの50%を死に至らしめる量)を測定するために設計された。通常、哺乳類に対して毒性のない無修飾キトサンのように、本発明のアルキルスルホン化キトサンの経口投与により、本実験期間中に、いかなるラットも死に至ることはなかった。したがって、本発明のアルキルスルホン化キトサンのLD50値は、十分に5g/kgを上回っていた。さらに、表2に示される実験結果を参照すると、本発明のアルキルスルホン化キトサンの経口投与による被験ラットの著明な体重減少は認められず、このことは本発明のアルキルスルホン化キトサンが動物に対して無害であることを示している。
【0107】
実験3.本発明の化学修飾キトサンの皮膚刺激作用に関する評価
本実験では、本発明の実施例によって生産されたアルキルスルホン化キトサン(1,3−プロパンスルトンでスルホン化された高分子量キトサン)の粉末を使用した。
【0108】
ウィスターラット(6〜8週齡、200〜250g)の背面を剪毛し、24時間の回復期間を設けた。本発明のアルキルスルホン化キトサンの粉末0.25g又は0.5gを少量のワセリンに混ぜ、これを2.5×2.5cmの大きさのガーゼに塗布した。このように準備したガーゼパッドを、通気性のあるテープで剪毛したラット背面に固定した。対照ラットには、ワセリンのみ塗布したガーゼパッドを固定した。
【0109】
ラットの背面剪毛部位への試験ガーゼパッド塗布の1日後、2日後、3日後、4日後、5日後に、被験部位とこの外側の皮膚色調について目視による観察及び測定を行った。このとき、クロモメーターにより測定した色収差(Δa)による皮膚の色調変化を記録した。また、炎症のレベルを目視により観察し、0〜3の値に分類した。また、目視による観察及び測定を行ったそれぞれの日に、写真の撮影も行った。
【0110】
表3及び図3は本実験の結果を示している。色層分析により測定した皮膚炎症のレベルは、実験群と対照群とも1日後に最大となり、このことは、剪毛による残留性の炎症作用又はワセリン自体による炎症作用の可能性があることを示している。しかし、この結果についての統計分析では、5日間の試験期間を通して、実験群と対照群の間で皮膚の色調変化に有意差がないことを示していた(ANOVA検定、p>0.05)。さらに、すべての観察日で、すべての被験ラットに皮膚の炎症は認められず、したがって、目視による観察における炎症度の値は常に0であった。
【0111】
表3.本発明のアルキルスルホン化キトサンを塗布されたラットの皮膚の色収差と目視による観察の結果
【表3】

【0112】
得られた結果から、本発明のアルキルスルホン化キトサンには哺乳類の皮膚に対して皮膚炎症作用がないと結論づけられる。
【0113】
実験4.本発明の化学修飾キトサンの炎症作用に関する評価
本実験では、本発明の実施形態に従って生産されたアルキルスルホン化キトサン(1,3−プロパンスルトンでスルホン化された高分子量キトサン)の粉末を使用した。
【0114】
ヒト線維芽細胞ATCC 60038をin vitroで培養し、本発明のアルキルスルホン化キトサンを加えた後、その放出量が炎症の指標として用いられるプロスタグランジン−E(PGE)の濃度を吸光度405nmで測定した。
【0115】
陰性対照として、線維芽細胞に炎症を起こさず、PGEの放出を引き起こさないエタノールを使用した。また、陽性対照として、強力な炎症性物質であるホルボールミリスチン酸アセテート(PMA)を使用した。実験群において、0.001%、0.002%、0.003%、又は0.004%(w/w)の本発明のアルキルスルホン化キトサンを細胞培養に添加した。
【0116】
図4は、本発明のアルキルスルホン化キトサンが、PGE放出の誘発に関し、エタノールと同等で、PMAに比べて有意に低いことを示している。さらに、この結果は本発明のアルキルスルホン化キトサンが炎症物質でないことを確認するものである。また、図4の結果は、本発明のアルキルスルホン化キトサンがヒトの皮膚に対して組織適合性を持つことを示している。
【0117】
実験5.本発明の化学修飾キトサンの創傷治癒作用に関する評価
本実験及び以降の実験では、本発明の実施例に従って生産されたスルホン化度80%のアルキルスルホン化キトサン(1,3−プロパンスルトンでスルホン化された高分子量キトサン)のフィルムを使用した。
【0118】
本実験及び以降の実験で使用したキトサンスポンジは、5%(w/w)キトサンを2wt%酢酸(aq)で溶解し、得られた混合液を20cm×20cm×0.3cmの容器に入れることによりChinatex社によって準備された。この混合液を冷凍乾燥し、5%NaOH(aq)で中和した。次に、このように得られた生成物を、中和するまで脱イオン水で洗浄し、再び凍結乾燥した。
【0119】
本実験及び以降の実験で使用したキトサン繊維は、5%(w/w)キトサンを2wt%酢酸(aq)で溶解し、得られた混合液を金属フィルターで濾過することによりChinatex社によって準備された。脱気した後、混合液に5%NaOH(aq)を加え、湿式紡糸された。得られた繊維は、中和するまで脱イオン水で洗浄し、次に乾燥した。
【0120】
体重約250〜300gのSDラットを麻酔し、背面を剪毛及び消毒した。その後、各ラットの背面に、メスで約3cm×3cmの皮筋層に達する創傷をつけた。この創傷にアルギン酸塩(KALTOSTAT(登録商標))により作られた包帯剤、キトサンスポンジ、キトサン繊維、又は本発明のアルキルスルホン化キトサンフィルムを塗布し、ガーゼで覆った。次に、6cm×7cmのテガダーム(3M、ミネソタ州)をガーゼ上に重ねて、弾力包帯でラットの創傷の上に固定した。ラットは隔離し、自由給餌及び自由給水で飼育した。創傷の治癒過程を、処置の3日後、7日後、14日後、21日後に評価した。包帯は、検査のために一時的に取り外したが、実験期間中、交換しなかった。
【0121】
すべての包帯剤は細胞毒性がないと考えられた。皮筋層の修復率は(処理直後の創傷面積−n日後の創傷面積)/(処理直後の創傷面積)で算出された。すべての包帯剤において、処理の14日後に約70%の修復率を示した。21日後の修復率は、キトサン繊維を使用した場合を除き、ほぼ100%であった。しかし、図5で明らかなように、本発明のアルキルスルホン化キトサンのフィルムで作成した包帯剤により処理された創傷だけが完全に閉鎖し、より良好な治癒を示している。したがって、本発明のアルキルスルホン化キトサンフィルムは、アルギン酸塩又は無修飾キトサンと比べて、優れた創傷治癒作用を示す。
【0122】
実験6.本発明の化学修飾キトサンの生体適合性及び細胞毒性作用に関する評価
マウスの線維芽細胞L929を6cmのプレートに集密になるまで培養した。5つの包帯剤のうちの1つの無菌試料を各プレートに加えた。包帯剤は、対照のミリポアフィルター(図6)と、KALTOSTAT(登録商標)(図7)、キトサンスポンジ(図8)、キトサン繊維(図9)、及び本発明のアルキルスルホン化キトサンから作成した4mgフィルム(図10)の4つの被験包帯剤とであった。各試料をプレートの中央に添加し、1日培養した。そして、細胞の形態を顕微鏡で検査した。4つの被験包帯剤の周囲で増殖する細胞は、陰性対照と同様の形態を呈し、このことは4つの被験包帯剤がすべて生体適合性を持つことを示している。
【0123】
また、細胞毒性を判定するために、2%クリスタルバイオレット染色による組織学的解析を実施した。細胞だけを染色するクリスタルバイオレットにより、4つすべての被験包帯剤の周囲で増殖する細胞を染色した(図11〜14)。4つの被験包帯剤の周囲の細胞増殖は正常であったので、本発明のアルキルスルホン化キトサンを含む、上記の包帯剤を作成した材料は無毒性である。
【0124】
実験7.でん風菌に対する本発明の化学修飾キトサンの抑制作用に関する評価
マラセジアは、ヒト及び動物の皮膚と体表で見られる脂肪親和性酵母菌である。マラセジアの定着は、早ければ新生児期に起きることが認められている。また、マラセジアは成人の90%で見られる皮膚の常在細菌叢の一部で、時折、表層部及び深部の真菌症を引き起こすことがある。
【0125】
マラセジア属には、分子的、形態学的、生化学的プロフィールに基づき、いくつかの種が提唱されている。このうち最も多く、よく知られた種は、でん風菌(Malassezia furfur)とMalassezia pachydermatisである。
【0126】
でん風菌はでん風及びPityriasis folliculitisの原因菌で、最近、脂漏性皮膚炎とふけの原因菌として関与するとされている。また、脂質補充療法を受けた新生児及び成人の患者の血液培養で回収されている。でん風菌は、常在細菌叢の一部として皮膚上に生息する脂肪親和性酵母菌である。
【0127】
Malassezia pachydermatisは、よく知られた動物好性の性質により明瞭に区別される種である。また、犬の外耳炎を引き起こし、肉食動物で一般的に認められる。しかし、最新の知見によれば、Malassezia pachydermatisは、動物の感染又は定着に関連する唯一のマラセジア種ではない。また、マラセジア属の一部の脂質依存種は、犬の外耳炎の偶発的原因として区別することができる。Malassezia pachydermatisはヒトにおいても播種性感染を引き起こす可能性がある。
【0128】
本実験では、本出願人は本発明の実験例(1,3−プロパンスルトンでスルホン化された高分子量キトサン)に従って、でん風菌に対するアルキルスルホン化キトサン(AS−CH)の抑制作用について試験した。
【0129】
でん風菌BCRC 32066を同じポテトデキストロース寒天培地斜面に接種し、培養器に入れて、35℃で一晩培養した。次に、ポテトデキストロース寒天培地斜面の増殖したコロニーを白金耳で少量取り、生理食塩水(pH=7)10mLの入ったガラス管に入れて、酵母細胞が生理食塩水内に均一に分散するようによく混合し、濃度が1.5×10細胞/mLの標準酵母細胞溶液を作成した。この標準液は使用前に100倍に希釈された。
【0130】
重水素減少水(dd water、pH=7)10mLをそれぞれ4つのフラスコに加えた。高圧蒸気滅菌後、本発明のアルキルスルホン化キトサン(AS−CH)1mg/mL、5mg/mL、10mg/mLを3つのフラスコにそれぞれ加え、4つ目のフラスコには何も加えずに対照とした。その後、4つの各フラスコに上記のように作成された酵母細胞溶液100μLを加えた。35℃で1時間又は2時間振盪した後、4つのフラスコの溶液を用いて酵母細胞を麦芽エキス寒天板上に二重に蒔いた。この麦芽エキス寒天板を35℃で一晩培養し、2日後に観察した。また、下記の等式により抑制活性(%)を算出した。
【0131】
【数1】

【0132】
二重反復実験で得られた結果を表4と5に示す。
【0133】
表4.でん風菌BCRC 32066に対するAS−CHのin vitroでの抑制活性(実験1)
【表4】

【0134】
表5.でん風菌BCRC 32066に対するAS−CHのin vitroでの抑制活性(実験2)
【表5】

【0135】
得られた結果により、最も低い濃度(1mg/mL)において、たとえ最短の1時間の接触時間でさえ、本発明のアルキルスルホン化キトサン(AS−CH)は、でん風菌BCRC32066に対して優れた増殖抑制作用を発揮できることが結論づけられる。
【0136】
他の実験ではMalassezia pachydermatisを試験し、本発明のアルキルスルホン化キトサン(AS−CH)は、より高いAS−CH濃度で、より長い接触時間を要することがあるが、当該菌の増殖抑制に有効であることが分かった。
【0137】
したがって、でん風菌及び/又はMalassezia pachydermatisに対して抑制作用を持つ製品の製造に、本発明の化学修飾キトサンを使用することができると考えられる。
【0138】
実験8.ざ瘡プロピオニバクテリウムに対する本発明の化学修飾キトサンの抑制作用に関する評価
プロピオニバクテリウム アクネス(Propionibacterium acnes)は、尋常性ざ瘡(にきび)の原因菌であり、ヒトの皮膚の毛包脂腺に普通に認められる。この細菌はリパーゼを放出して、産生される余剰な皮脂を消化する。また、消化産物(脂肪酸)と細菌性抗原が合わさり、毛包を破裂させる強い局所の炎症を促進する。それから、皮膚の表面に膿疱(白色面皰)の形で病変が形成される。ざ瘡は部分的に感染により引き起こされるので、クリンダマイシン、エリスロマイシン、又はテトラサイクリンのような局所及び経口抗生物質により抑制することができる。別の治療形態として、皮膚の剥離を高める化学薬品(すなわち過酸化ベンゾイル)又は皮脂の産生を遅くする化学薬品(レチンA及びアキュテイン)が見られる。
【0139】
本実験では、本出願人は本発明の望ましい実施例(1,3−プロパンスルトンでスルホン化されたキトサン)に従って生産された3種類のアルキルスルホン化キトサン(超低分子量AS−CH、低分子量AS−CH、高分子量AS−CH)の、プロピオニバクテリウム アクネスに対する抑制作用を試験した。このとき、無修飾キトサン(分子量約140,000)を比較対象として使用した。
【0140】
本実験では24ウェルプレートを使用した。最初のウェルには滅菌水0.5mLとLuria−Bertaniブロス(LB)0.5mLのみ加えた。2番目から12番目のウェルには滅菌水1mLを加えた。次に、1番目と2番目のウェルに5wt%アルキルスルホン化キトサン溶液(aq)1mLを加えた。混合後に、2番目のウェルで得られた溶液1mLを、3番目のウェルに移して混合し、さらに、3番目のウェルの混合した溶液のうち1mLを4番目のウェルに移した。このように、2番目のウェルから12番目のウェルまで2倍連続希釈を実施した。その後、12の各ウェルに細菌培養液(一晩静置した培養液1mLとLB培地100mLの混合液)1mLを加えた。次に、このプレートを37℃で24時間静置し、各ウェルに加えた培養細胞を増殖させた。
【0141】
実験1のように、抗菌作用は吸光度(OD)測定による最小発育阻止濃度(MIC)で示した。得られた結果を表6に要約した。
【0142】
表6.最小発育阻止濃度(MIC)により測定した、in vitroでのざ瘡プロピオニバクテリウムに対する本発明の3種類のAS−CHの抑制活性
【表6】

【0143】
得られた結果より、本発明のアルキルスルホン化キトサン(AS−CH)がざ瘡プロピオニバクテリウム アクネスに対して優れた増殖抑制作用を持つことが結論づけられる。
【0144】
したがって、プロピオニバクテリウム アクネスに対して抑制作用を持つ製品(例えば抗ざ瘡クリーム)の製造に、本発明の化学修飾キトサンを使用することができると考えられる。
【0145】
実験9.本発明の化学修飾キトサンの皮膚の水分保持作用に関する評価
本実験では、本発明に従って生産された化学修飾キトサンの皮膚の水分保持作用を調査した。また、本実験では、ヒアルロン酸及びコラーゲンと比較するために本発明の実施形態によるアルキルスルホン化キトサン(1,3−プロパンスルトンでスルホン化された高分子量キトサン)を使用した。
【0146】
実験前に、ボランティアの前腕内側を無香料で皮膚水分保持作用のない洗浄剤で洗浄した後、4カ所に直径2.5cmの円形の印をつけた。30分後、4つのうちの3つの円形内に試験試料(本発明のアルキルスルホン化キトサン、ヒアルロン酸、コラーゲン)を同じ濃度で30μLずつ塗布し、残りの1つの円形内は無処理対照とした。4つの円形内における皮膚の水分補給状態は、Corneometer CM825PC(Courage and Khazaka、ドイツ、ケルン)により3つの時間間隔(すなわち、試験試料の塗布の5分後、15分後、30分後)で検査した。
【0147】
得られた結果を図15に示す。この結果より、3つの被験試料間の皮膚水分保持作用の関係は、本発明のアルキルスルホン化キトサン>ヒアルロン酸>コラーゲンであることが分かる。したがって、皮膚水分保持作用が望まれる製品の製造に、本発明に従って生産された化学修飾キトサンを使用することができると考えられる。
【0148】
実験10.紫外光吸収作用に関する本発明の化学修飾キトサンの評価
本実験では、本発明に従って生産された化学修飾キトサンの紫外光吸収作用を、望ましい実施例に従って生産された2種類のアルキルスルホン化キトサン(低分子量AS−CH及び高分子量AS−CH)を使用して調査した。
【0149】
低分子量AS−CH及び高分子量AS−CHを脱イオン水で溶解して異なる濃度の溶液(2wt%、5wt%、10wt%)を作成し、このように調製した溶液の一定分量(1mL)を石英管にそれぞれ加えた。次に、250nm〜450nmの波長範囲で、これらの管に対して紫外光スキャンを行った。
【0150】
図16及び17で見られる結果を参照すると、本発明に従って生産された2種類の化学修飾キトサンが優れた中波長紫外線吸収作用を示すことは明らかである。したがって、本発明に従って生産された化学修飾キトサンは、日焼け止めクリームのような紫外光保護作用を持つ製品において紫外光吸収剤として作用する可能性があると考えられる。
【0151】
実験11.本発明の化学修飾キトサンの香り放出遅延作用に関する評価
本実験では、本発明に従って生産された化学修飾キトサンの香り放出遅延作用を、本発明の実施例に従って生産されたアルキルスルホン化キトサン(1,3−プロパンスルトンでスルホン化された高い分子量キトサン)を使用して調査した。
【0152】
異なる濃度(0.5wt%、1wt%、2wt%、5wt%、8wt%)の均一な混合液になるように、市販の香料の一定分量(30μL)を本発明のアルキルスルホン化キトサンにそれぞれ加えた。その後、このように調製された各試料の一定分量(30μL)を、香料スメリングストリップに滴下した。この各ストリップから放出する香りを5人のボランティアが指定した間隔で検出し、得点をつけた。得られた結果は図18に示す。
【0153】
24時間の検出中、0.5〜2wt%の濃度において、本発明のアルキルスルホン化キトサンが優れた香料の徐放性作用を示すことが認められた。しかし、本発明のアルキルスルホン化キトサンの濃度が増すと(5〜8wt%)、膜が形成されて香り分子の放出を妨げる可能性がある。したがって、観察された結果より、本発明によって生産された化学修飾キトサンは、揮発性分子の放出を制御することができ、例えば悪臭防止製品、徐放性作用の必要な製品などの製造に使用できると考えられる。
【0154】
本明細書で引用されたすべての特許及び引用文献は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれている。疑義が生じた場合は、定義を含む本記述を正文とする。
【0155】
本発明は上記の特定の実施形態に関して記述しているが、本発明の範囲と精神から逸脱することなく、種々の変更及び変形をなし得ることは明白である。したがって、本発明は、付記されたクレームで示されることのみに限定することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機溶媒の存在下で、ヒドロカルビルスルトン化合物により、アミノ官能基を有する未修飾ポリアミノ糖をスルホン化する方法によって製造される、化学修飾ポリアミノ糖であって、
前記ヒドロカルビルスルトン化合物が、以下の式:
【化1】


[上式において、
は、−(CH−(式中、xは、2から4の整数)及び−CH=CH−から選択され、
は、H及びC〜Cのアルキル基から選択される]
によって表され、
前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びそれらの組合せよりなる群から選択され、
前記スルホン化が、前記有機溶媒の還流温度の下で実施され、その結果、産生された化学修飾ポリアミノ糖の所定の割合のアミノ官能基が、支配的に共有結合を介してスルホン化されている、化学修飾ポリアミノ糖。
【請求項2】
前記スルホン化する方法において、前記未修飾ポリアミノ糖は所定のサイズを有し、前記未修飾ポリアミノ糖の前記アミノ官能基のモル数に対する前記ヒドロカルビルスルトン化合物の相対的な使用量は、前記化学修飾ポリアミノ糖が、5%から少なくとも90%の範囲の所定のスルホン化度を有するように制御される請求項1に記載の化学修飾ポリアミノ糖。
【請求項3】
前記スルホン化方法において、前記未修飾ポリアミノ糖は所定のサイズを有し、前記未修飾ポリアミノ糖の前記アミノ官能基のモル数に対する前記ヒドロカルビルスルトン化合物の相対的な使用量は、前記化学修飾ポリアミノ糖が、10%から80%の範囲の所定のスルホン化度を有するように制御される請求項2に記載の化学修飾ポリアミノ糖。
【請求項4】
前記スルホン化方法において、前記未修飾ポリアミノ糖は、300から1,500,000の間の分子量を有する請求項1〜3の何れか1項に記載の化学修飾ポリアミノ糖。
【請求項5】
前記スルホン化方法において、前記未修飾ポリアミノ糖は、300以上、10,000未満の分子量を有する請求項4に記載の化学修飾ポリアミノ糖。
【請求項6】
前記スルホン化方法において、前記未修飾ポリアミノ糖は、10,000から35,000の間の分子量を有する請求項4に記載の化学修飾ポリアミノ糖。
【請求項7】
前記スルホン化方法において、前記未修飾ポリアミノ糖は、35,000から140,000の間の分子量を有する請求項4に記載の化学修飾ポリアミノ糖。
【請求項8】
前記スルホン化方法において、前記未修飾ポリアミノ糖は、140,000から1,500,000の間の分子量を有する請求項4に記載の化学修飾ポリアミノ糖。
【請求項9】
前記スルホン化方法において、前記未修飾ポリアミノ糖は、脱アセチル化ポリアミノ糖を含む請求項1〜8の何れか1項に記載の化学修飾ポリアミノ糖。
【請求項10】
前記スルホン化方法において、前記未修飾ポリアミノ糖は、キトサンを含む請求項1〜8の何れか1項に記載の化学修飾ポリアミノ糖。
【請求項11】
前記スルホン化方法において、前記キトサンは、50%から100%の範囲の脱アセチル化度を有する請求項10に記載の化学修飾ポリアミノ糖。
【請求項12】
前記スルホン化方法において、前記ヒドロカルビルスルトン化合物は、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、及びそれらの組合せから選択される請求項1〜11の何れか1項に記載の化学修飾ポリアミノ糖。
【請求項13】
有機溶媒と、アミノ官能基を有する未修飾ポリアミノ糖とを混合することによって混合物を形成すること、
前記混合物にヒドロカルビルスルトン化合物を添加することによって前記未修飾ポリアミノ糖をスルホン化すること、及び
形成された化学修飾ポリアミノ糖を回収すること
を含む、化学修飾ポリアミノ糖を製造する方法であって、
前記ヒドロカルビルスルトン化合物は、以下の式:
【化2】


[上式において、
は、−(CH−(式中、xは、2から4の整数)及び−CH=CH−から選択され、
は、H及びC〜Cのアルキル基から選択される]
によって表され、
前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びそれらの組合せよりなる群から選択され、
前記未修飾ポリアミノ糖をスルホン化が、前記有機溶媒の還流温度の下で実施され、その結果、産生された化学修飾ポリアミノ糖の所定の割合のアミノ官能基を、支配的に共有結合を介してスルホン化する、化学修飾ポリアミノ糖を製造する方法。
【請求項14】
前記未修飾ポリアミノ糖は、300から1,500,000の間の分子量を有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記未修飾ポリアミノ糖は、300以上、10,000未満の分子量を有する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記未修飾ポリアミノ糖は、10,000から35,000の間の分子量を有する請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記未修飾ポリアミノ糖は、35,000から140,000の間の分子量を有する請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記未修飾ポリアミノ糖は、140,000から1,500,000の間の分子量を有する請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記未修飾ポリアミノ糖は、脱アセチル化ポリアミノ糖を含む請求項13〜18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記未修飾ポリアミノ糖は、キトサンを含む請求項13〜18の何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記キトサンは、50%から100%の範囲の脱アセチル化度を有する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ヒドロカルビルスルトン化合物は、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、及びそれらの組合せから選択される請求項13〜21の何れか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記回収された化学修飾ポリアミノ糖に、金属水酸化物水溶液を使用するアルカリ処理を施すことによって、それを更に金属塩に変換する、請求項13〜22の何れか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記未修飾ポリアミノ糖の前記アミノ官能基のモル数に対する前記ヒドロカルビルスルトン化合物の相対的使用量は、前記回収された化学修飾ポリアミノ糖が、5%から少なくとも90%の範囲の所定のスルホン化度を有するように制御される請求項13〜23の何れか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記未修飾ポリアミノ糖の前記アミノ官能基のモル数に対する前記ヒドロカルビルスルトン化合物の使用量は、前記回収された化学修飾ポリアミノ糖が、10%から80%の範囲の所定のスルホン化度を有するように制御される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ヒドロカルビルスルトン化合物は、前記未修飾ポリアミノ糖の前記アミノ官能基のモル数の4分の1から4倍の範囲の量で使用される請求項13〜25の何れか1項に記載の方法。
【請求項27】
形成された前記化学修飾ポリアミノ糖を、沈殿、濾過及び結晶化の少なくとも1つの処理によって回収する請求項13〜26の何れか1項に記載の方法。
【請求項28】
形成された前記化学修飾ポリアミノ糖を、少なくとも50%の収率で回収する請求項13〜27の何れか1項に記載の方法。
【請求項29】
有機溶媒の存在下で、ヒドロカルビルスルトン化合物により、アミノ官能基を有する未修飾キトサンをスルホン化する方法によって製造される化学修飾キトサンを含む、組成物であって、
前記ヒドロカルビルスルトン化合物が、以下の式:
【化3】


[上式において、
は、−(CH−(式中、xは、2から4の整数)及び−CH=CH−から選択され、
は、H及びC〜Cのアルキル基から選択される]
によって表され、
前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びそれらの組合せよりなる群から選択され、
前記スルホン化が、前記有機溶媒の還流温度の下で実施され、その結果、産生された化学修飾キトサンの所定の割合のアミノ官能基が、支配的に共有結合を介してスルホン化されている化学修飾キトサンを含む、組成物。
【請求項30】
前記スルホン化方法において、前記未修飾キトサンは所定のサイズを有し、前記未修飾キトサンの前記アミノ官能基のモル数に対する前記ヒドロカルビルスルトン化合物の相対的な使用量は、前記化学修飾キトサンが、5%から少なくとも90%の範囲の所定のスルホン化度を有するように制御される請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記スルホン化方法において、前記未修飾キトサンは所定のサイズを有し、前記未修飾キトサンの前記アミノ官能基のモル数に対する前記ヒドロカルビルスルトン化合物の相対的な使用量は、前記化学修飾キトサンが、10%から少なくとも80%の範囲の所定のスルホン化度を有するように制御される請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記スルホン化方法において、前記未修飾キトサンは、300から1,500,000の間の分子量を有する請求項29〜31の何れか1項に記載の組成物。
【請求項33】
前記スルホン化方法において、前記未修飾キトサンは、300以上、10,000未満の分子量を有する請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記スルホン化方法において、前記未修飾キトサンは、10,000から35,000の間の分子量を有する請求項32に記載の組成物。
【請求項35】
前記スルホン化方法において、前記未修飾キトサンは、35,000から140,000の間の分子量を有する請求項32に記載の組成物。
【請求項36】
前記スルホン化方法において、前記未修飾キトサンは、140,000から1,500,000の間の分子量を有する請求項32に記載の組成物。
【請求項37】
前記スルホン化方法において、前記未修飾キトサンは、50%から100%の範囲の脱アセチル化度を有する請求項29〜36の何れか1項に記載の組成物。
【請求項38】
前記スルホン化方法において、前記ヒドロカルビルスルトン化合物は、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、及びそれらの組合せから選択される請求項29〜37の何れか1項に記載の組成物。
【請求項39】
前記組成物は、水溶液、フィルム及び粉末よりなる群から選択される形態をとる請求項29〜38の何れか1項に記載の組成物。
【請求項40】
前記組成物は、創傷治癒を促進するため、微生物の増殖を抑制するため、紫外線を吸収するため、皮膚を保湿するため、及び揮発性分子の放出を制御するための少なくとも1つの用途のための請求項29〜39の何れか1項に記載の組成物。
【請求項41】
哺乳類に対する毒性、皮膚刺激作用、及び/又は炎症作用を示さない、請求項40の組成物。
【請求項42】
人間の皮膚に対する組織適合性を有する、請求項40又は41に記載の組成物。
【請求項43】
ストレプトマイシン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌(E.coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、カンジダ アルビカンス(Candida albicans)、でん風菌(Malassezia furfur)、マラセジア パキデルマチス(Malassezia pachydermatis)、プロピオニバクテリウム アクネス(Propionibacterium acnes)、及びそれらの組合せから選択される微生物の増殖を抑制するための、請求項40〜42の何れか1項に記載の組成物。
【請求項44】
請求項29〜39の何れか1項に記載の組成物を含む、身体手入れ用製品、食料品、洗浄製品、農業製品、化粧品、医薬品、医療用具、繊維製品、水処理用製品及び生化学製品よりなる群から選択される製品。
【請求項45】
請求項29〜39の何れか1項に記載の組成物を含む、臭気管理製品。
【請求項46】
請求項29〜39の何れか1項に記載の組成物を含む、抗菌剤、包帯剤及び紫外線吸収剤。
【請求項47】
請求項29〜39の何れか1項に記載の組成物を含む、創傷を有する哺乳類の創傷治癒を促進するための医療品。
【請求項48】
哺乳類の創傷の治癒により線維増殖を抑制するための請求項47に記載の医療品。
【請求項49】
開放創傷、出血創傷、開放潰瘍、人工血管の移植によって生じた創傷、血管パッチの移植によって生じた創傷、出血縫合部、出血心臓弁部、及びそれらの組合せよりなる群から選択される創傷の治癒を促進するための請求項47に記載の医療品。
【請求項50】
前記創傷は、移植された人工血管によって生じる創傷であり、前記医療品を施用することによって、移植された人工血管の組織再生を促進できる請求項49に記載の医療品。
【請求項51】
フィルム、繊維、スポンジ、ゲル、クリーム、グリース、スプレー、泡、不織布、液体、粉末及び包帯剤よりなる群から選択される形態の請求項47〜50の何れか1項に記載の医療品。
【請求項52】
創傷を有する哺乳類の創傷治癒を促進することが可能な医療品の製造における請求項29〜39の何れか1項に記載の組成物の使用。
【請求項53】
前記医薬品は包帯剤である請求項53に記載の使用。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−100523(P2013−100523A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−194(P2013−194)
【出願日】平成25年1月4日(2013.1.4)
【分割の表示】特願2005−176255(P2005−176255)の分割
【原出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(505227825)
【氏名又は名称原語表記】TAIWAN HOPAX CHEMS MFG. CO., INC.
【Fターム(参考)】