説明

ヒドロカルビル置換コハク酸イミドを含有する燃料組成物

【課題】 エンジン摩擦の低減によって燃料経済性を改善することが可能な燃料組成物。
【解決手段】 マレイン酸無水物、ポリイソブチレンおよびアンモニアから誘導される、摩擦を変成するのに有効な量のヒドロカルビル置換コハク酸イミドと、中間留分燃料を含んでなる中間留分燃料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示は、摩擦を変成するのに有効な量のヒドロカルビル置換コハク酸イミドと、低イオウ燃料を含む低イオウ燃料組成物に関する。エンジンにおいて摩擦を改変するための方法も開示されている。
【背景技術】
【0002】
省エネルギーのために、自動車は、近年の燃費と比較して改善された燃費をもたらすような設計を現在ほどこされている。自動車メーカーによる所定の燃費の達成を強制する規制に鑑みると、この努力は米国において極めて緊急性を要するものである。必要とされる燃費および燃料経済性を達成する努力のなかで、新しい車のダウンサイジングと軽量化が進められている。
【0003】
(特許文献1)は、クランクケースにおける使用など潤滑油の中に組み込まれる場合、油溶性C12−36脂肪族ヒドロカルビルコハク酸イミドまたはコハク酸イミドの使用が摩擦低減効果をもたらすということを開示している。このヒドロカルビルコハク酸無水物はアンモニアと反応されて、コハク酸イミドを形成する。この特許は、コハク酸イミドがジーゼル燃料およびガソリンの両方でも使用可能であるということを開示している。しかしながら、この特許は、コハク酸イミドが低イオウ燃料組成物で使用可能であるということを教示していない。事実、この特許は、低イオウ燃料に関しては沈黙している。
【0004】
【特許文献1】EP 0 020 037
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
燃料経済性を改善するもう一つの方法は、エンジン摩擦を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの局面においては、摩擦を変成するのに有効な量のヒドロカルビル置換コハク酸イミドと、低イオウ中間留分燃料を含んでなる低イオウ中間留分燃料組成物が開示されている。
【0007】
摩擦を変成するのに有効な量のヒドロカルビル置換コハク酸イミドを含む中間留分燃料をエンジンに提供することを含んでなる、圧縮エンジンにおける摩擦を改変する方法も開示されている。
【0008】
更には、もう一つの局面においては、摩擦を変成するのに有効な量のヒドロカルビル置換コハク酸イミドを含む中間留分燃料を車両に提供することを含んでなる、車両における燃料燃費を改善する方法が開示されている。
【0009】
この開示の更なる目的および利点は、次の説明で一部説明され、および/または開示の実施により習得可能である。この開示の目的および利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘されている要素および組み合わせによって認識および達成されるであろう。
【0010】
前出の一般的な説明および次の詳細な説明は両方とも単に例示的かつ、説明的なものであり、特許請求される開示に限定されるものでない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この明細書で使用される場合、用語「コハク酸イミド」は、アンモニアとヒドロカルビル置換コハク酸もしくは酸無水物(またはコハク酸アシル化剤のような)の間の反応からの完結した反応生成物を網羅するという意味であり、生成物がアンモニアと酸無水物部分の反応または接触から生じるタイプのイミド結合に加えて、アミドおよび/または塩結合を有する、化合物を網羅するように意図されている。この明細書中では「反応する」とは、アルキル化に関して、共有結合、イオン結合、塩または他の会合が生成されるがされまいが、挙げられている成分または薬品のいずれかを接触、暴露または合体させる生成物または結果の意味である。
【0012】
この開示の燃料のヒドロカルビル置換コハク酸イミドはよく知られている。これらは、初めに所望の分子量のオレフィン系不飽和炭化水素とマレイン酸無水物とを反応させて、ヒドロカルビル置換コハク酸無水物を形成することにより容易に製造される。約100℃から約250℃の反応温度を使用することができる。高沸点のオレフィン系不飽和炭化水素によれば、約200℃から約250℃で良好な結果が得られる。この反応は塩素を添加することにより促進可能である。コハク酸基が少なくとも40個の炭素原子を含むヒドロカルビル置換基を含有するアルケニルコハク酸イミドは、例えばすべての開示が引用によりこの明細書により組み込まれている、米国特許第3,172,892号;第3,202,678号;第3,216,936号;第3,219,666号;第3,254,025号;第3,272,746号;第4,234,435号;第4,613,341号;および第5,575,823号で述べられている。
【0013】
通常のオレフィンは、限定ではないが、分解ワックスオレフィン、直鎖アルファオレフィン、分岐鎖アルファオレフィン、低級オレフィンのポリマーおよびコポリマーを含む。このオレフィンは、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのブチレン、1−オクタン、1−ヘキセン、1−デセンなどから選択可能である。有用なポリマーおよび/またはコポリマーは、限定ではないが、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−イソブチレンコポリマー、プロピレン−イソブチレンコポリマー、エチレン−1−デセンコポリマーなどを含む。
【0014】
ヒドロカルビル置換基は、オレフィンターポリマーからも製造されてきた。極めて有用な生成物は、エチレン−プロピレン−1,4−ヘキサジエンターポリマーなどのエチレン−C3−12アルファオレフィン−C5−12非共役ジエンターポリマー;エチレンプロピレン−1,5−シクロオクタジエンターポリマー;エチレン−プロピレンノルボルネンターポリマーなどから製造可能である。
【0015】
一つの態様においては、このヒドロカルビル置換基は、ブテンポリマー、例えばイソブチレンのポリマーから誘導される。本発明の開示のコハク酸イミド−酸の製造における使用に好適なポリイソブテンは、一つの態様においては、更に反応性メチルビニリデン異性体の少なくとも約20%、例えば少なくとも50%および更なる例として少なくとも70%を占めるポリイソブテンを含む。好適なポリイソブテンは、BF触媒を使用して製造されるものを含む。メチルビニリデン異性体が全組成の大きなパーセントを占めるこのようなポリイソブテンの製造は、開示が引用によりこの明細書により組み込まれている、米国特許第4,152,499号および第4,605,808号で述べられている。
【0016】
このヒドロカルビル置換基の分子量は、広範囲にわたって変化することができる。このヒドロカルビル基は600未満の分子量を有することができる。例示の範囲は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求めて約100から約300の、例えば約150から約275の数平均分子量である。このように、主にC−C36のヒドロカルビル基がこの明細書中で有用であり、低イオウの中間留分燃料に改善された潤滑性を付与することにおいて、C14−C18ヒドロカルビル基がコハク酸イミドにおいて特に有
効である。
【0017】
対応する酸ハロゲン化物および低級脂肪族エステルを含む、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、イタコン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸、シトラコン酸無水物、メサコン酸、エチルマレイン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物、エチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、ヘキシルマレイン酸などのマレイン酸無水物以外のカルボン酸反応物が使用可能である。
【0018】
例えば開示が引用によりこの明細書により組み込まれている、米国特許第3,361,673号および第3,676,089号で述べられているように、ポリオレフィンとマレイン酸無水物を高温反応させることにより、ヒドロカルビル置換コハク酸無水物が製造され得る。別法としては、例えば、開示が引用によりこの明細書により組み込まれている、米国特許第3,172,892号で述べられているように、塩素化ポリオレフィンとマレイン酸無水物とを反応させることにより、置換コハク酸無水物を製造することができる。例えば、開示が引用によりこの明細書により組み込まれている、米国特許第4,234,435号;第5,620,486号および第5,393,309号にヒドロカルビル置換コハク酸無水物の更なる議論を見出すことができる。
【0019】
オレフィン不飽和炭化水素に対するマレイン酸無水物のモル比は広く変化することができる。このモル比は、約5:1から約1:5まで、例えば約3:1から約1:3まで変化することができ、更なる例として反応を強制的に完結されるために、マレイン酸無水物を化学量論的過剰で使用することができる。未反応のマレイン酸無水物は真空蒸留により除去可能である。
【0020】
一つの態様においては、成分を混合し、反応が起こるのに充分高いが、反応物または生成物の分解が起こるほど高くない温度まで混合物を加熱することにより、このヒドロカルビル置換コハク酸無水物とアンモニアの間の反応を行うことができ、もしくは酸無水物を反応温度まで加熱し、アンモニアを時間をかけて添加してもよい。有用な温度は約100℃から約250℃である。反応において形成される水を留去するのに充分な高い温度で反応を行うことにより、例示の結果を得ることができる。
【0021】
このヒドロカルビル置換コハク酸イミドは、任意の所望の量または有効な量、例えば摩擦を変成するのに有効な量で中間留分燃料組成物中に存在することができる。ある局面においては、このヒドロカルビル置換コハク酸イミドは、燃料組成物の全重量に対して重量で約10ppmから約500ppmの、例えば約20ppmから約300ppmの、および更なる例として約50から約150ppmの範囲の量で存在することができる。
【0022】
開示されている組成物で使用する中間留分燃料は、限定ではないがジェット燃料、ジーゼル燃料およびケロシンを含む。ある局面においては、この燃料は約50ppm未満のイオウの低イオウ燃料であり、もう一つの局面においては、この燃料は極低イオウジーゼル燃料または極低イオウケロシンである。この明細書中の一つの態様においては、「極低イオウ」は約15ppmまでのイオウ量を意味し、もう一つの態様においては、イオウ量は約10ppm未満である。ジェット燃料はイオウレベルが比較的かなり高いので慣用的には「低イオウ」または「極低イオウ」燃料とみなされないが、本発明の開示はジェット燃料を網羅する。それにも拘わらず、ジェット燃料もこの明細書中の開示および方法からメリットを得ることが見出されており、したがって本発明の開示の目的には、「低イオウ燃料」および「極低イオウ燃料」はこの明細書中ではイオウ含量に無関係にジェット燃料を含むものとする。
【0023】
本発明の開示の中間留分低イオウ燃料組成物は、他の添加物を含有することができる。
添加物の非限定的な例は、分散剤/洗浄剤、酸化防止剤、高温安定剤、キャリア流体、金属不活性剤、染料、マーカー、腐食防止剤、生物致死剤、帯電防止添加物、抵抗低減剤、乳化破壊剤、乳化剤、ヘーズ防止剤、防氷添加物、ノッキング防止添加物、バルブシートリセッション防止添加物、界面活性剤、他の潤滑性添加物、燃焼改善剤、セタン価改善剤およびこれらの混合物を含む。
【0024】
ある局面においては、摩擦を変成するのに有効な量の開示されているヒドロカルビル置換コハク酸イミドをエンジンに提供することを含んでなる、圧縮エンジンにおける摩擦を改変する方法が開示されている。更には、摩擦を変成するのに有効な量のマレイン酸無水物とアンモニアから誘導されるヒドロカルビル置換コハク酸イミドを含む低イオウ中間留分燃料を車両のエンジンに提供することを含んでなる、車両における燃料燃費を改善する方法がこの明細書中に開示されている。当業者ならば、摩擦を変成するのに有効な量のマレイン酸無水物とアンモニアから誘導されるヒドロカルビル置換コハク酸イミドを含まない中間留分燃料を燃焼するエンジンを使用する車両と比較されるものとして理解されるということを了解するであろう。当業者ならば、車両における摩擦がこのように低減されるにしたがって、燃料燃費および/または燃料経済性は増加することも了解するであろう。このことは、燃料からエンジンの潤滑剤への本発明のコハク酸イミドの導入、ならびにピストンおよびシリンダー表面上でのコハク酸イミドの直接の摩擦低減効果の両方からのものである可能性がある。
【実施例】
【0025】
アルケニルコハク酸無水物の製造
オレフィンとマレイン酸無水物をステンレススチール圧力反応器中に入れた。マレイン酸無水物は3−5%モル過剰(1.03−1.05マレイン酸無水物:1オレフィン)で存在した。反応時のタール化を低減するために少量(〜200ppm)の塩化アルミニウムも添加した。この反応器を約60℃まで加熱して、マレイン酸無水物を融解し、窒素でパージし、密封した。この反応物を攪拌し、225℃まで加熱し、4時間保持した。この生成物をフラスコに移し、真空下200℃で1時間加熱して、いかなる未反応マレイン酸無水物も除去した。
【0026】
コハク酸イミドの製造
製造されたアルケニルコハク酸無水物を攪拌し、窒素パージとディーン・スタルクトラップを備えたフラスコ中で150℃まで加熱した。次に、アンモニアをゆっくりとした速度で注入し、温度を172℃まで上げた。反応物が水の生成を停止するまで、アンモニア注入を続けた。赤外分光法によって、すべての例において、主生成物はアルケニルコハク酸イミドであるということが示された。
【0027】
表1は、開示されているアルケニルコハク酸イミドの製造に上述した方法において使用されている種々の反応物の説明を提供する。
【0028】
【表1】

【0029】
添加物1「16ASA」はAlbemarle Corporationの商品名であり、異性化オレフィン(主としてC16)とマレイン酸無水物から製造される。
添加物2はInnovene LLCから入手されるオレフィンを使用した。
添加物3はChevron Phillipsから入手されるアルファオレフィンブレンドを使用した。
添加物4はTexas Petrochemicals Incから入手されるオリゴマーブレンドを使用した。
添加物5はTexas Petrochemicals Incから入手されるオリゴマーブレンドを使用した。
添加物6はInnovene LLCから入手されるポリイソブチレンを使用した。
添加物7はInnovene LLCから入手されるポリイソブチレンを使用した。
【0030】
上記で製造されたアルケニルコハク酸イミドを使用して、表2中の種々の中間留分燃料組成物を製造した。次に、この中間留分燃料組成物を高周波往復リグ試験(ASTM D6079)にかけ、平均のHFRR磨耗傷跡直径を記録した。磨耗傷跡直径が小さいほど、燃料組成物は潤滑性の改善を呈するということが示された。HFRR試験の結果を表2に示す。
【0031】
【表2】

【0032】
表2から判るが、本発明の開示は、HFRRリグ試験における低減された磨耗傷跡結果により証拠付けされるように、低イオウ燃料の改善された潤滑性を提供する。ヒドロカルビル基の分子量が増加するにしたがって、潤滑性のメリットは減少する。100ppmで435から505のHFRR磨耗傷跡値において示されるように、オレフィン含量がほぼC16である場合に、最良の潤滑性の結果が得られた。このように、添加物例1、2および4は、C16のピークヒドロカルビル基を有し、試験される種々の燃料において優れたHFRR磨耗傷跡潤滑性結果を与えた。
【0033】
この明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、一つの指示対象に明示的かつ疑いもなく限定される場合を除いて、単数形は複数の指示対象を含むということが特記される。このように、例えば「酸化防止剤」への参照は、2つ以上の異なる酸化防止剤を含む。この明細書で使用される場合、用語「含む」およびこの文法的な変形は、非限定的であって、リスト中の項目を挙げることがリスト化された項目と置換もしくは追加可能である他の類似の項目を排除することにならないように意図されている。
【0034】
この明細書および添付の特許請求の範囲の目的には、特記しない限り、この明細書および添付の特許請求の範囲中で使用される量、パーセントまたは比率および他の数値は、すべての場合用語「約」により改変されると理解されるべきである。したがって、反対の表示がない限り、次の明細書および添付の特許請求の範囲で示される数字パラメーターは、本発明の開示により入手しようとする所望の性質に依って変化することができる近似値である。少なくとも、そして同等物の原則の適用をクレームの範囲に限定する試みとしてではなく、各数値パラメーターは、示された有意な桁の数により、そして通常の丸めの手法を適用することにより少なくとも解釈されるべきである。
【0035】
特別な態様を説明してきたが、現時点では予知されない、あるいは予知不能な代替物、改変物、変形物、改善物および実質的な同等物が当分野の熟練の出願者または他の当業者には想起可能である。したがって、出願時および補正可能時の添付の特許請求の範囲は、すべてのこのような代替物、改変物変形物、改善物および実質的な同等物を包含するように意図されている。
【0036】
本発明の主な特徴は、次のとおりである。
【0037】
1.摩擦を変成するのに有効な量のヒドロカルビル置換コハク酸イミド;および低イオウ燃料を含んでなる、低イオウ中間留分燃料組成物。
【0038】
2.燃料がジーゼル燃料、ケロシンおよびジェット燃料からなる群から選択される、1に記載の燃料組成物。
【0039】
3.ジーゼル燃料が極低イオウジーゼル燃料である、2に記載の燃料組成物。
【0040】
4.燃料が極低イオウケロシン燃料である、1に記載の燃料組成物。
【0041】
5.ヒドロカルビル置換コハク酸イミドがヒドロカルビル置換コハク酸無水物とアンモニアの接触生成物である、1に記載の燃料組成物。
【0042】
6.ヒドロカルビル置換コハク酸無水物が約10から約30個の炭素原子を含むオレフィン系不飽和炭化水素とマレイン酸無水物の接触生成物である、5に記載の燃料組成物。
【0043】
7.オレフィン系不飽和炭化水素が直鎖もしくは分岐鎖である、6に記載の燃料組成物。
【0044】
8.オレフィン系不飽和炭化水素が約100から約600の範囲の数平均分子量を有する、6に記載の燃料組成物。
【0045】
9.オレフィン系不飽和炭化水素がポリイソブチレンである、6に記載の燃料組成物。
【0046】
10.オレフィン系不飽和炭化水素がC16−18アルファオレフィンのブレンドを含んでなる、6に記載の燃料組成物。
【0047】
11.オレフィン系不飽和炭化水素がC20−24異性化アルファオレフィンのブレンドを含んでなる、6に記載の燃料組成物。
【0048】
12.オレフィン系不飽和炭化水素が約C4−36の範囲のイソブチレンオリゴマーのブレンドを含んでなる、6に記載の燃料組成物。
【0049】
13.摩擦を変成するのに有効な量のヒドロカルビル置換コハク酸イミドを含む中間留分燃料をエンジンに提供することを含んでなる、圧縮エンジンにおける摩擦を改変する方法。
【0050】
14.ヒドロカルビル置換コハク酸イミドがヒドロカルビル置換コハク酸無水物とアンモニアの接触生成物である、13に記載の方法。
【0051】
15.ヒドロカルビル置換コハク酸無水物が約10から約30個の炭素原子を含むオレフィン系不飽和炭化水素とマレイン酸無水物の接触生成物である、14に記載の方法。
【0052】
16.オレフィン系不飽和炭化水素が直鎖もしくは分岐鎖である、15に記載の方法。
【0053】
17.オレフィン系不飽和炭化水素が約100から約600の範囲の数平均分子量を有する、15に記載の方法。
【0054】
18.オレフィン系不飽和炭化水素がポリイソブチレンである、15に記載の方法。
【0055】
19.オレフィン系不飽和炭化水素がC16−18アルファオレフィンのブレンドを含んでなる、15に記載の方法。
【0056】
20.オレフィン系不飽和炭化水素がC20−24異性化アルファオレフィンのブレンドを含んでなる、15に記載の方法。
【0057】
21.摩擦を変成するのに有効な量のヒドロカルビル置換コハク酸イミドを含み、ヒドロカルビル置換コハク酸イミドがヒドロカルビル置換コハク酸無水物とアンモニアの接触生成物を含み、ヒドロカルビル置換コハク酸無水物が約10から約30個の炭素原子を含むポリイソブチレンとマレイン酸無水物の接触生成物である低イオウ中間留分燃料を車両のエンジンに提供することを含んでなる、車両における燃料燃費を改善するための方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロカルビル置換コハク酸無水物とアンモニアの接触生成物を含むヒドロカルビル置換コハク酸イミドを10ppmから500ppm:および低イオウ燃料を含んでなり、ヒドロカルビル置換コハク酸無水物がオレフィン系不飽和炭化水素とマレイン酸無水物の接触生成物であり、オレフィン系不飽和炭化水素がC16およびC20−24異性化アルファオレフィンを含んでなる、低イオウ中間留分燃料組成物。
【請求項2】
ヒドロカルビル置換コハク酸無水物とアンモニアの接触生成物を含むヒドロカルビル置換コハク酸イミドを10ppmから500ppm含む中間留分燃料をエンジンに供給する事を含んでなり、ヒドロカルビル置換コハク酸無水物がオレフィン系不飽和炭化水素とマレイン酸無水物の接触生成物であり、そしてオレフィン系不飽和炭化水素がC16およびC20−24異性化アルファオレフィンを含んでなる、圧縮エンジンにおける摩擦を改変する方法。
【請求項3】
ヒドロカルビル置換コハク酸無水物とアンモニアの接触生成物を含むヒドロカルビル置換コハク酸イミドを10ppmから500ppm含む低硫黄中間留分燃料を車両のエンジンに供給することを含んでなり、ヒドロカルビル置換コハク酸無水物がオレフィン系不飽和炭化水素とマレイン酸無水物の接触生成物であり、そしてオレフィン系不飽和炭化水素がC16およびC20−24異性化アルファオレフィンを含んでなる、車両における燃料燃費を改善するための方法。

【公開番号】特開2012−193382(P2012−193382A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156678(P2012−156678)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2008−15341(P2008−15341)の分割
【原出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(391007091)アフトン・ケミカル・コーポレーション (123)
【氏名又は名称原語表記】Afton Chemical Corporation