説明

ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネートからモノマーの少ない1:1付加物を製造するための方法

本発明は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネートからのモノマーの少ない1:1付加物の製造及び使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネートからのモノマーの少ない1:1付加物の製造及び使用に関する。
【0002】
ヒドロキシ(メタ)アクリレートとジイソシアネートからのモノ付加物(1:1付加物)は、それらに固有のこのヘテロ官能性に基づき、多方面にわたって使用可能な、高価な合成単位である。適用分野は、例えば、イソシアネート基とモノ官能性試薬との反応によるウレタン基含有のアクリル官能化された誘導体の作製又はイソシアネート基と多官能性反応相手との反応による相応するアクリル官能化されたUV硬化性樹脂の製造の領域である。例えば(メタ)アクリル基のラジカル開始単独重合又は共重合によるポリイソシアネートの作製も可能である。かかる重合体のNCO基は反応しやすいため、容易に、かつ温和な条件下で、無類の特性プロフィールを有するカスタムメードポリマーを得ることが可能になる。
【0003】
オレフィン性二重結合を有するイソシアネートの使用は、特許文献中で既に数多く記載されており、例えば、架橋剤(DE3501493)及び自己架橋性の系(US4,861,853)、それに水ベースの該系(EP519513)を製造するために使用される。
【0004】
ジイソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートからの1:1付加物は、古典的にモル比1:1(NCO/OH基=2:1)での出発材料の反応によって得られる。この方法の場合、生成物としてどうしても、約1:2:1の比におけるヘテロ官能性モノ付加物(1:1−付加物)、ビス付加物(1:2−付加物)及び残留モノマー(遊離イソシアネート)からの混合物が生じる。過剰のジイソシアネートの使用によって、該混合物のビス付加物の含有量が抑えられる。その代わりに、残留モノマーの割合が上昇する。過剰のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを使用すると、反対の作用が生じる。ビス付加物は、相応するモノ付加物とは異なりジアクリレートとして、もはやヘテロ官能性の所望の基準を満たさない。それらはモノ付加物の品質を下げ、それはまた追求される最終生成物の品質及び特性プロファイルに影響を及ぼさないまま留まる。同じ考えが、付加物中に残留している過剰の出発ジイソシアネートにも当てはまる。さらにまた、ジイソシアネートは非常に反応性の化合物である。これらの物質クラスの代表物質は、この理由から有毒と評定される。生成物中でのモノマージイソシアネートの高い残留含有量は、それゆえ原則的に回避されるべきである。
【0005】
EP1179555は、非常に特殊な条件下で分子蒸留(Kurzwegdestillation)を用いた該モノマーの分離による、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネートからの、かかるモノマーの少ない付加物の製造を記載している:
分子蒸留の間、重合を阻害するガスが十分な濃度で存在していなければならない。たしかに、これは技術的に可能ではあるが、しかし相当に煩雑であり、それに加えて、不完全に実施されると、生成物が分子蒸留塔内部で重合し、かつ、それによって少なからぬ清浄費用が必要となるリスクを孕んでいる。使用されるジイソシアネートは、ウレトジオン基を有さない。
【0006】
それゆえ課題は、これまでの方法の欠点、すなわち、高いモノマー含有量、ビス付加物の高い含有量、モノマージイソシアネートの蒸留分離に際しての重合傾向、を含まず、かつ殊に特別な技術的な労力を費やさずに、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネートからのモノマーの少ない1:1付加物を得られるようにする方法を見出すことであった。
【0007】
意想外にも、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネートからのモノマーの少ない1:1付加物が、ウレトジオン基含有ジイソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートからの付加物の単純な加熱によって、ここで、不所望な重合が起こらずに、得られることが見出された。
【0008】
それゆえ本発明の対象は、以下の工程によるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネートからのモノマーの少ない1:1付加物の製造法である:
1. 1:1.0〜1.3の遊離NCO基対OH基の比における遊離NCO基の完全な反応下でのジイソシアネートのウレトジオン基含有二量体とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応工程、
2. 1.からのこの生成物を100〜240℃の温度に加熱することでウレトジオン基を開裂させ1:1付加物を形成する工程。
【0009】
本発明の対象はまた、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネートからのモノマーの少ない1:1付加物を、バインダー及びコーティング組成物、殊に塗料−シーラント−又は接着剤組成物としての調製物中で、金属−、プラスチック−、ガラス−、木材−、MDF(中密度繊維)−又は皮革基材又はそれ以外の素地の塗装、貼り合わせ又はシーリングのために使用することである。
【0010】
ウレトジオン基を含有するポリイソシアネートはよく知られており、例えばUS4,476,054,US4,912,210,US4,929,724ならびにEP417603の中で記載されている。ウレトジオンへのイソシアナートの工業的に関連した二量化法に関する包括的な外観が、J.Prakt.Chem.336(1994)185〜200中で説明されている。一般的に、ウレトジオンへのイソシアネートの反応は、可溶性の二量化触媒、例えばジアルキルアミノピリジン、トリアルキルホスフィン、亜リン酸トリアミド又はイミジダゾール(Imididazolen)の存在下で行われる。該反応は−任意に溶剤中で、有利には、しかし溶剤の不在下で実施して−所望の変換率に達したら、触媒毒の添加によって停止される。変換率は、使用されるジイソシアネートに依存して、約20%、有利には15%より高くないことが望ましく、それというのも、さもなければ、ウレトジオンの開裂後のオリゴマー形成に基づき過度に大きい濃度の遊離ジイソシアネートが生じるからである。過剰のモノマージイソシアネートが、引き続き分子蒸発(Kurzwegverdampfung)によって分離される。分子蒸留は80〜220℃/0.1〜20ミリバールにて実施される。温度及び真空度は、そのつどの生成物の粘度挙動に従う。分子蒸発器はガラス−かあるいは金属装置であってよい。触媒が十分に揮発性である場合には、反応混合物から触媒をモノマー分離の過程で取り除いてよい。この場合、触媒毒の添加を省くことができる。原則的に、ウレトジオン基含有ジイソシアネートの製造のために、ありとあらゆるイソシアネートが適している。本発明によれば、有利にはイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート/2,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、2−メチルペンタジイソシアネート(MPDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及び/又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ノルボルナジイソシアネート(NBDI)が、単独で又は混合物として使用される。極めて有利には、IPDI、H12MDI及びHDIが使用される。本発明によれば1つ目の工程中で使用されるウレトジオン基含有ジイソシアネートは、以下の式I
【化1】

[R=使用されるジイソシアネートの残基]
のウレトジオン基を有するジイソシアネートの二量体である。
【0011】
適したヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、少なくとも1個のメタクリレート−又はアクリレート官能基のみならず、ちょうど1個のヒドロキシル基も有する全ての化合物である。さらなる構成成分は、脂肪族、脂環式、芳香族又はヘテロ環式のアルキル基であってよい。オリゴマー又はポリマーも考えられる。有利とされるのは、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、グリセリンジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート及びトリメチロールプロパンジメタクリレートのような入手し易い製品である。特に有利とされるのは、ヒドロキシブチルアクリレートである。当然のことながら、混合物も使用することができる。
【0012】
1つ目の工程
第1の方法工程では、ウレトジオン基含有ジイソシアネート(I)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応が行われ、その際、モル比は、この場合、1:2〜1:2.6である。NCO/OH基の比は、相応して1:1.0〜1:1.3、有利には1:1.0〜1:1.1、特に有利には1:1である。ウレトジオン基含有ジイソシアネート(二量体)のオリゴマーの純度に応じて、化学量論量のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートより若干多い量で添加することが好ましくありえ、それというのも、オリゴマーの開裂によって、過剰のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応が意味を持つ遊離ジイソシアネートが生じるからである。
【0013】
ウレトジオン基を有するこれらのジイソシアネート(I)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応は、遊離NCO基とヒドロキシル基との反応を含み、これは既に数多く記載されていた(EP669353、EP669354、DE3030572、EP639598又はEP803524)。反応は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル又はトルエンのような、不活性(アルコール−、アミノ−、チオール−及び酸基を含まない)溶剤中で行ってよい。有利な溶剤は、酢酸エチル及びアセトンである。それに加えて、反応は、ウレタン化触媒、有利にはジブチルスズジラウレート(DBTL)、ビスマスネオデカノエート、オクタン酸亜鉛、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、第三級アミンのような触媒を用いてや用いずに行ってよい。反応は、ウレトジオン基含有ジイソシアネート(I)の遊離NCO基のみがOH基と反応し、かつ存在するウレトジオン基が遊離NCO基に逆開裂しないように、40℃〜80℃の温度で行われる。
【0014】
反応時間は可変であり、それというのも、反応が遊離NCO基とOH基との完全な反応下で行われることが、本発明にとって重要だからである。完全な反応とは、1つ目の工程で製造された反応生成物が0〜0.5質量%の含有率の遊離NCO基を有することを意味する。場合によっては存在する過剰のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、この箇所で、蒸留により、例えば分子蒸留によって100℃を下回る温度で懸念することなく分離することができる。
【0015】
反応ユニットとして、通常用いられる全ての装置、ボイラー、スタティックミキサー、押出機等、好ましくは、混合機能又は攪拌機能を持っているユニットが適している。場合によっては使用される溶剤は、反応の終了時に、有利には蒸留によって、例えば回転蒸発器、分子蒸発器、薄膜式蒸発器又はそれ以外の無理な力が加えられない蒸留法を用いて分離される。
【0016】
そのようにして得られた反応生成物は、2個の分子ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのOH基と、両末端の、つまり、ウレトジオン基含有ジイソシアネート(I)の遊離NCO基との付加物である。
【0017】
通常用いられる重合禁止剤、いわゆる酸化防止剤が、既に第1の工程(NCO−OH−反応)にて混在していることが好ましい。酸化防止剤として、例えばブレンツカテヒン、4−メトキシフェノール、4−tert−ブチルオキシフェノール、4−ベンジルオキシフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、フェノチアジン、10−10−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン、ビス−[2−ヒドロキシ−5−メチル−3−シクロヘキシルフェニル]−メタン、ビス−[2−ヒドロキシ−5−メチル−3−tert−ブチルフェニル]−メタン、ヒドロキノン、ピロガロール、3,4−ジヒドロキシ−1−tert−ブチルベンゼン、4−メトキシ−2(もしくは3)−tert−ブチルフェノール(BHA)、またビス−[2−カルボキシエチル]−スルフィド(TDPA)との組み合わせにおけるBHA、4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(BHT)、ビス−[4−ヒドロキシ−2−メチル−5−tert−ブチルフェニル]−スルフィド、4−ブチルメルカプトメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニルメタンスルホン酸−ジオクタデシルエステル、2,5−ジヒドロキシ−1−tert−ブチルベンゼン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジ−tert−ブチルベンゼン、3,4−ジヒドロキシ−1−tert−ブチルベンゼン及び2,3−ジメチル−1,4−ビス−[3,4−ジヒドロキシフェニル]−ブタンならびにこれらの禁止剤の混合物が適している。
【0018】
フェノール系酸化防止剤は、式IIに従った亜リン酸エステルとも組み合わせてよく、その際、Xは、酸素又は硫黄であり、かつ、その際、R1、R2及びR3は、そのつどC原子1〜20個を有する、同じ又は異なるアルキル−、アルキレン−(1)−イル−、アリール−又はアラルキル残基を表す。
【化2】

【0019】
フェノール系酸化防止剤は、チオエーテル又はアミン、例えば2−アニリノナフタレン(PBN)、1−アニリノナフタレン(PAN)又は1,4−ジアニリノベンゼンとも組み合わせてよい。当然、その化学構造に基づき、いくつかの重合禁止成分、例えば2,2'−チオビス−(4−tert−オクチルフェノール)を固有に合一する、市場で慣例の物質も使用してよい。有利には、フェノチアジン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノフェノール及び4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール及び4,4'−メチレン−ビス−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールが使用される。かかる酸化防止剤の使用は、有利には、既に1つ目の工程中でなされるが、しかし、原則的には、2つ目の工程中で初めて使用してもよい。
【0020】
1つ目の工程の間に、空気又はそれ以外の酸素含有ガスを反応混合物に通すことが好ましいと判明した。
【0021】
2つ目の工程
次いで、第2の方法工程では、1つの分子ジイソシアネートと1つの分子ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートからの2つの組み合わせたもののモノマーの少ない1:1付加物の形成下で、第1の工程からの付加物のウレトジオン基が遊離NCO基へと開裂される。
【0022】
反応が溶剤中で実施された場合には、この溶剤はウレトジオン基の開裂前に除去される。ウレトジオン基の開裂は、100〜240℃の間の温度で、有利には130〜180℃の間の温度で行われる。反応ユニットとして、通常用いられる全ての装置、ボイラー、スタティックミキサー、押出機等、好ましくは、混合機能又は攪拌機能を持っているユニットが適している。期間は、温度に応じて数分〜数日の間であってよい。開裂の経過は、滴定により遊離NCO基を測定することで追跡される。開裂は、遊離NCO含有量が上昇する限り続けられ、かつ、その後に冷却によって中断される。
【0023】
第2の工程の間に、空気又はそれ以外の酸素含有ガスを反応混合物に通すことが好ましいと判明した。
【0024】
本発明により得られたモノマー1:1付加物は、1質量%未満の、有利には0.5質量%未満の含有率のモノマージイソシアネートを有する。モノマーヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは残っておらず、それというのも、場合によっては存在する過剰量が、第1の工程後に完全に、今や遊離したNCO基と反応するからである。
【0025】
ここで示される発明を、さらに実施例によって説明するが、しかし、これによって制限されない。
【0026】
実施例
1.ウレトジオン(I)の製造
IPDI 2000gに、ジメチルアミノピリジン4gを混ぜ、かつ室温で6日間攪拌した。その後、この混合物を分子蒸発器中で、0.1ミリバール及び145℃にて蒸留した。処理量は150ml/hであった。ウレトジオン基含有の二量体ジイソシアネート(309g/15.6%)の残留物は、18.1質量%の遊離NCO含有率を有していた。
【0027】
2.ウレトジオン(I)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応
(1つ目の方法工程)
1.のウレトジオン基含有の二量体ジイソシアネート(I)のうち232g(NCO 1当量)を、酢酸エチル1リットルに溶解した。その後、4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(BHT)2.4g及びジブチルスズジラウレート0.04gを添加した。その後、60〜70℃に加熱し、かつ滴加によりヒドロキシブチルアクリレート159g(OH 1当量)を混ぜた(NCO/OHの比=1:1)。添加の終了後、遊離NCO基の完全な変換が行われるまでさらに攪拌した。その間ずっと、わずかな空気流を溶液に通す。反応は6時間後に終了した(NCO含有率<0.2質量%)。溶剤を回転蒸発器で完全に分離した。
【0028】
3.ウレトジオン基の開裂(2つ目の方法工程)
2.からの生成物を、乾燥した空気を導通する間に、丸底フラスコ内で攪拌しながら加熱した(3a:140℃、3b:170℃)。NCO含有率を少しあとに測定した:
3a)140℃の加熱温度の場合、NCO含有率は17時間後に7.9質量%(72% 理論値)であった。本発明による方法によって製造されたモノマーの少ない1:1付加物のIPDIのモノマー含有率は0.9質量%であった。
3b)170℃の加熱温度の場合、NCO含有率は1.5時間後に8.8質量%(80% 理論値)であった。本発明による方法によって製造されたモノマーの少ない1:1付加物のIPDIのモノマー含有率は0.8質量%であった。
【0029】
双方の温度の場合にゲル粒子は形成されず、すなわち、これらの条件下で重合は起こらない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネートからのモノマーの少ない1:1付加物を、以下の工程:
1. ジイソシアネートのウレトジオン基含有二量体とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを、遊離NCO基の完全な反応下で1:1.0〜1.3の遊離NCO基対OH基の比において反応させる工程、
2. 1.からのこの生成物を100〜240℃の温度に加熱することでウレトジオン基を開裂させ1:1付加物を形成する工程、
によって製造する方法。
【請求項2】
前記1つ目の工程中での反応を、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル又はトルエンから選択された溶剤中で、有利にはアセトン及び/又は酢酸エチル中で行うことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記1つ目の工程中での反応を、少なくとも1種の触媒、有利にはジブチルスズジラウレート(DBTL)、オクタン酸亜鉛、ジアザビシクロオクタン(DABCO)及び/又は第三級アミン、特に有利にはDBTL及び/又はDABCOの存在下で行うことを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記1つ目の工程及び/又は前記2つ目の工程中での反応を、酸化防止剤の存在下で行うことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記1つ目の工程中での反応後に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの蒸留分離を行うことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記1つ目の工程中で製造された反応生成物が、0〜0.5質量%の含有率の遊離NCO基を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記1つ目の工程中での反応を、40℃〜80℃の温度で行うことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
ジイソシアネートとして、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート/2,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、2−メチルペンタジイソシアネート(MPDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及び/又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)及び/又はノルボルナジイソシアネート(NBDI)、有利にはIPDI、HDI及び/又はH12MDIを使用することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとして、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、グリセリンジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート及び/又はトリメチロールプロパンジメタクリレート、有利にはヒドロキシブチルアクリレートを使用することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記2つ目の工程中でのウレトジオン基の開裂を、100〜240℃の間の温度で、有利には130〜180℃の間の温度で行うことを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記モノマー1:1付加物が、1質量%未満の含有率のモノマージイソシアネートを有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記1つ目及び/又は2つ目の工程の間、空気及び/又は酸素含有ガスを、反応混合物に通すことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
バインダー及びコーティング組成物中、殊に塗料組成物、シーラント組成物又は接着剤組成物としての調製物中での、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネートからのモノマーの少ない1:1付加物の使用。

【公表番号】特表2012−523385(P2012−523385A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503930(P2012−503930)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051466
【国際公開番号】WO2010/115644
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】