説明

ヒマワリ抽出物を含む医薬組成物、その調製方法及び使用

ヒマワリ抽出物を含有する医薬組成物が、ヒマワリ(ヘリアンサスアナスL.(Helianthus annuus L.))の葉、頭花又は茎由来の総フラボノイドの抽出物を含み、前記医薬組成物中の総フラボノイドの含量が、50〜90%である。好ましくは、前記医薬組成物が、総テルペンの抽出物及び/又は総有機酸の抽出物を含む。前記医薬組成物が、高血圧症を予防又は治療するための食品、機能性食品又は医薬品の製造における活性成分として使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物抽出物を含む医薬組成物、その調製方法及び使用に関する。特に、本発明は、ヒマワリ抽出物を含む医薬組成物、その調製方法及び使用に関する。より具体的には、本発明は、ヒマワリの葉、頭花又は茎の抽出物を含む医薬組成物、その調製方法及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本態性高血圧は、臨床診療において、高頻度でよく起こる疾患であり、その病因は、まだそれほど明確になっておらず、高い血圧が、この疾患の主な臨床症状である。高血圧は、疾患の分類において比較的独立性を有しているが、高血圧は、卒中、冠動脈性心疾患、腎不全及び網膜症の重要な危険因子であり、ヒトの健康を重大な危険にさらし、生活の質に影響を及ぼす疾患である。統計によると、高血圧の有病率は、18歳を超える中国在住者のうちの18.8%を占め、これは1991年に比べて31%増加しており、現在、中国における高血圧患者の数は、1億6千万人まで達している。したがって、高血圧をいかにして予防し治療するかは、重要な意味を持つ。危険因子としての高血圧に対する介入は、心血管疾患及び脳血管疾患、糖尿病、がん並びに幾つかの他の慢性疾患の危険性を同時に低減することができるという事実が判明している。高血圧患者の拡張期血圧を平均でそれぞれ3mmHg下げると、卒中の危険性は32%減少し、冠動脈性心疾患の危険性は19%減少する。したがって、高血圧を管理することは、医療費及び社会的負担を効果的に削減させ得る、有効な一次予防策である。拡張期血圧を平均で3mmHg下げることによって計算すれば、中国は、毎年487000例の卒中及び144000例の冠動脈性心疾患を減らすことができ、数十億の資金を国のために蓄えることができる。
【0003】
現在では、高血圧の治療は、主に、漢方薬及び西洋医薬の経口投与に依存している。抗高血圧薬の西洋医薬は100種類まで達し、抗高血圧薬の市場を独占しており、この抗高血圧薬は、主に、血液量を減らし、血管を拡張することによって、血圧を下げるものであり、その利点は、血圧を迅速に下げることを特徴とする。しかし、低カリウム血症、高コレステロール血症、性的機能障害、刺激性咳嗽、血管神経性浮腫等の明白な副作用も存在し、これらの副作用によって、一部の患者に対する長期使用が完全に制限される。西洋医薬に比べて、漢方医学は、高血圧の治療に対して弁証的な診断を行い、これは高血圧の異質性及び個々の治療を重視するのみならず、全身症状を改善するために、身体の陰及び陽、気を調整するものでもあり、さらに、漢方薬は、比較的副作用が少なく、長期間使用することができ、このことは、西洋医薬にはない特有の利点である。
【0004】
ヒマワリの葉は、キク科(Compositae)ヒマワリ、ヘリアンサスアナスL.(Helianthus annuus L.)の乾燥葉であり、これは、"Chinese Materia Medica Standards of Shandong Province", 2002の96頁に、以下のように記録されている:ヒマワリの葉は、性質については無味であり、苦味があり、滑らかであり、非毒性であり、肝臓及び胃に入ることができる。その上、ヒマワリの葉は、肝臓を鎮静化し、昂進性の陽を抑制し、食物の消化を助け、胃を健康にすることができる。ヒマワリの葉は、高血圧、頭痛及び目まいを治療するのに使用することができる。古代中国の民間において、高血圧の治療にヒマワリの葉を使用するという記録が存在した:例えば、30gのヒマワリの葉(60gの新鮮な葉)を煮て濃い汁にし、各患者が、毎晩及び毎朝1回、7日間継続して1回ずつ服用するというものであり、服用することで、良好な抗高血圧効果が得られると強調している。臨床適用のための漢方薬としてのヒマワリの葉についての報告はほとんどなく、血圧を下げるためのその適用は、"Heilongjiang Medicine Journal" (Vol. 8, Issue 1, 1995, page 57)に報告されており、ヒマワリの頭花から作られる「Kui pan jiang ya pian」は、抗高血圧効果を示したが、この参考文献における製剤は、原料としてヒマワリの頭花の粗抽出物又は化合物を使用する錠剤のみであり、この製剤の臨床での使用及び販売はこれまでに知られていない。
【0005】
ヒマワリの葉は、中国の全土で広く分布しており、ヒマワリの葉の化学組成並びに化学活性及び生物活性についての外国の研究が、多数報告されている。特に、生物活性を有する、ヒマワリの葉由来の幾つかの新規化合物が、近年になって報告されているが、ヒマワリの葉、頭花及び茎の他の活性、特に、民間に広く使用されてきた抗高血圧活性については、研究はほとんど皆無である。
【0006】
"Hypertension treating traditional Chinese medicine preparation and its preparing process"の表題を有する中国特許出願第200310105398.7号では、ヒマワリの葉が、伝統的な漢方薬の抗高血圧性化合物に適用され、血圧を下げることが開示された。しかし、これまでのところ、ヒマワリの葉、頭花及び茎の抽出物の活性成分又は有効成分を使用する、高血圧を治療するための適用についての報告は存在せず、ヒマワリの葉、頭花及び茎の抽出物の活性成分又は有効部分を、市場を開拓し、食品又は機能性食品、特に、高血圧患者のための食品又は機能性食品を大規模に調製するための、医薬及び食用の新規供給源として使用することについての報告も存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許出願第200310105398.7号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】"Chinese Materia Medica Standards of Shandong Province", 2002
【非特許文献2】"Heilongjiang Medicine Journal" (Vol. 8, Issue 1, 1995, page 57)
【発明の概要】
【0009】
本発明をより良く理解するために、幾つかの用語を以下に定義する。本発明において定義されている用語は、関連分野の当業者には一般的な意味を有する。
【0010】
他に特に規定がなければ、用語「総フラボノイドの抽出物」は、ヒマワリの葉、頭花又は茎の抽出、分離及び精製によって得られる、総フラボノイドの含量が50%を超える抽出物である。
【0011】
他に特に規定がなければ、用語「総テルペンの抽出物」は、ヒマワリの葉、頭花又は茎の抽出、分離及び精製によって得られる、総テルペンの含量が50%を超える抽出物である。
【0012】
他に特に規定がなければ、用語「総有機酸の抽出物」は、ヒマワリの葉、頭花又は茎の抽出、分離及び精製によって得られる、総有機酸の含量が50%を超える抽出物である。
【0013】
本発明の一態様によると、本発明は、ヒマワリの葉、頭花又は茎由来の総フラボノイドの抽出物を含む、ヒマワリの抽出物を含有する医薬組成物を提供する。医薬組成物中、総フラボノイドの含量は、30〜70重量%である。
【0014】
本発明において、総フラボノイドの抽出物が、ネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、スダキチン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8,3’−トリメトキシフラボン)、スダキチンデメトキシ(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8−ジメトキシフラボン)、ヒメノキシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,3’,4’−テトラメトキシフラボン)、ヒスピズリン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6−メトキシフラボン)、アセロシン(5,7,3’−トリヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、7,4’−ジヒドロキシフラボン等を主に含有し;好ましくは、総フラボノイドの抽出物中のネバデンシンの含量が、0.5〜60重量%であり;より好ましくは、総フラボノイドの抽出物中のネバデンシンの含量が、20〜60重量%である。
【0015】
本発明において、医薬組成物が、ヒマワリの葉、頭花又は茎由来の、総テルペンの抽出物及び総有機酸の抽出物の1種類又は2種類をさらに含み;総テルペンの抽出物が、セスキテルペノイド及びセスキテルペンラクトン、例えば、グアイアノリド、ゲルマクラノリド(Garmacranolide)、ヘリアンゴリド及びオイデスマン(Edudesmane);テルペンチンアルキル及びカウラン等のジテルペン及びジテルペン酸;並びにオレアノール酸サポニン及び転位テルペンチン(転位3,4−セコ−チルカラン(tirueallane)型トリテルペノイド)等のトリテルペンを主に含有し;総有機酸の抽出物は、クロロゲン酸、クエン酸、リンゴ酸及びフマル酸を主に含有し、好ましくは、総有機酸の抽出物中のクロロゲン酸の含量が、10〜60重量%である。前記医薬組成物中、総テルペンの抽出物の含量が、10〜40重量%であり、総有機酸の抽出物の含量が、10〜30重量%である。
【0016】
本発明において、総フラボノイドの抽出物が、以下のステップ、
(1)ヒマワリの葉、頭花又は茎を、溶媒として水又はエタノール溶液(10〜95%、v/v)を用いて抽出し、抽出物溶液を0.5〜2g/mlの医薬液に濃縮するステップ;
(2)ステップ(1)における医薬液を、ADS−17型、ADS−F8型又はLS−300型等のマクロポーラス吸着樹脂カラムに通し、水を用いて溶出し、次いで、5〜95%(v/v)エタノール溶液を用いて、好ましくは10%〜70%(v/v)エタノール溶液を用いて勾配溶出を行い、エタノール溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総フラボノイドの抽出物を得るステップ
により調製される。
【0017】
総テルペンの抽出物が、以下のステップ、
(1)ヒマワリの葉、頭花又は茎を、溶媒として水又はエタノール溶液(10〜95%、v/v)を用いて抽出し、抽出物溶液を0.5〜2g/mlの医薬液に濃縮するステップ;
(2)ステップ(1)における医薬液を、クロロホルム等の有機溶媒によって抽出し、抽出液を合わせ、濃縮し、水に溶解させ、ポリアミドカラムに通し、5〜95%(v/v)エタノール溶液を用いて、好ましくは10%〜70%(v/v)エタノール溶液を用いて勾配溶出処理を行い、溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総テルペンの抽出物を得るステップ
により調製される。
【0018】
本発明において、総有機酸の抽出物が、以下のステップ、
(1)ヒマワリの葉、頭花又は茎を、溶媒として水又は10〜95%(v/v)エタノール溶液を用いて抽出し、抽出物溶液を0.5〜2g/mlの医薬液に濃縮するステップ;
(2)ステップ(1)における医薬液を、ADS−17型、ADS−F8型、AB−8型又はLS−300型等のマクロポーラス吸着樹脂カラムに通し、水を用いて溶出し、マクロポーラス吸着樹脂の流出液及び水溶離液を合わせ、201X7強塩基性スチレン型陰イオン交換樹脂等の陰イオン交換樹脂に通し、アンモニア性エタノールを用いて溶出し、溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総有機酸の抽出物を得るステップ
により調製される。
【0019】
本発明の別の態様によると、本発明は、ヒマワリから総フラボノイドの抽出物を抽出するステップを含み、ヒマワリから総フラボノイドの抽出物を抽出するステップが、以下の通り:
ヒマワリの葉、頭花又は茎を、溶媒として水又はエタノール溶液を用いて抽出し、抽出物溶液を濃縮し、次いで、マクロポーラス吸着樹脂カラムに通し、水を用いて溶出し、次いで、エタノール溶液を用いて勾配溶出を行い、エタノール溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総フラボノイドの抽出物を得るステップ
である、上記医薬組成物を製造するための方法を提供する。
【0020】
好ましくは、前記方法が、ヒマワリから総テルペン及び/又は総有機酸の抽出物を抽出するステップをさらに含み、総テルペンの抽出物を抽出するステップが、以下の通り:
ヒマワリの葉、頭花又は茎を、溶媒として水又はエタノール溶液を用いて抽出し、抽出物溶液を濃縮し、次いで、有機溶媒によって抽出し、抽出液を合わせ、濃縮し、水に溶解させ、ポリアミドカラムに通し、エタノール溶液を用いて勾配溶出処理を行い、溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総テルペンの抽出物を得るステップ
である。
【0021】
ヒマワリから総有機酸の抽出物を抽出するステップが、以下の通り:
ヒマワリの葉、頭花又は茎を、溶媒として水又はエタノール溶液を用いて抽出し、抽出物溶液を濃縮し、次いで、マクロポーラス吸着樹脂カラムに通し、水を用いて溶出し、マクロポーラス吸着樹脂の流出液及び水溶離液を合わせ、陰イオン交換樹脂に通し、アンモニア性エタノールを用いて溶出し、溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総有機酸の抽出物を得るステップ
である。
【0022】
本発明の別の態様によると、本発明は、上記医薬組成物並びに薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む医薬調製物であって、好ましくは、医薬調製物の製剤が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、経口液剤、シロップ剤、注射剤、徐放性製剤、制御放出性製剤、標的化送達製剤及び他の薬学的に許容される製剤を含有し;錠剤が、経口錠剤、トローチ剤、分散錠、発泡錠、ゲル錠、徐放性錠剤及び制御放出性錠剤を含み;注射剤が、小容量注射剤、大容量注射剤、粉末注射剤及び乳剤を含む、医薬調製物を提供する。
【0023】
本発明の別の態様によると、本発明は、高血圧疾患の予防及び治療における医薬品を調製するための並びに血圧の低下を補助する食品及び機能性食品を調製するための、上記医薬組成物又は医薬調製物の使用を提供する。
【0024】
本発明の別の態様によると、本発明は、上記医薬組成物又は医薬調製物を、個体に投与するステップを含む、高血圧疾患を予防及び治療するための方法を提供する。
【0025】
本発明の別の態様によると、本発明は、医薬組成物又は医薬調製物を含有する上記機能性食品を、個体に与えるステップを含む、高血圧疾患に適したヘルスケア食品療法を提供する。
【0026】
本発明を、以下に詳しく記載する。
【0027】
本発明は、ヒマワリの葉由来の抽出物を含有する医薬組成物を提供し、医薬組成物が、ヒマワリの葉由来の総フラボノイドの抽出物を含有し、総フラボノイドの含量が、50〜99%である。本医薬組成物はまた、ヒマワリの葉由来の、総テルペンの抽出物及び総有機酸の抽出物の1種類又は2種類を含み得る。
【0028】
本発明における、ヒマワリの葉由来の抽出物を含有する医薬組成物の場合、抽出物を調製する際の原料は、ヒマワリの頭花又は茎からも選択され得る。
【0029】
種々の薬学的に許容される製剤は、種々の薬学的に許容されるアジュバントを、本発明におけるヒマワリの葉由来の抽出物を含有する医薬組成物に加えることによって製造される。製剤は、通常の錠剤(一般的な錠剤、腸溶性コーティング錠、フィルムコーティング錠、糖衣錠、エキス錠、分散錠、スクラッチ錠、チュアブル錠、トローチ剤、舌下錠及び経口発泡錠)、通常のカプセル剤(硬カプセル剤、軟カプセル剤、丸薬カプセル剤及び腸溶性コーティングカプセル剤);徐放性錠剤、徐放性コーティング錠、制御放出性錠剤(速放性錠剤等)、徐放性カプセル剤、制御放出性カプセル剤を含む徐放性及び/又は制御放出性製剤;経口液剤、経口懸濁剤、経口乳剤、経口糊製剤、経口液剤、乳化液、乳剤製剤、コロイド溶液、合剤、チンキ剤、ドロップ剤、懸濁液ドロップ剤、煎剤を含む経口液体製剤;ペレット剤及びドロップ丸剤を含む丸剤;糖衣顆粒剤、非糖衣顆粒剤、腸溶性コーティング顆粒剤、経口懸濁剤用の顆粒剤及び経口散剤を含む顆粒剤;液体注射剤及び粉末注射剤を含む注射剤を含む。
【0030】
本発明における医薬組成物は、以下の技術的解決法:
(1)ヒマワリの葉を、溶媒として水又はエタノール溶液(10〜95%、v/v)を用いて抽出し、抽出物溶液を0.5〜2g/mlの医薬液に濃縮するステップ;
(2)医薬液を、マクロポーラス吸着樹脂カラムに通し、水を用いて溶出し、次いで、5%〜95%(v/v)エタノール溶液を用いて勾配溶出を行い、エタノール溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総フラボノイドの抽出物を得るステップ
に従って調製される、ヒマワリの葉由来の総フラボノイドの抽出物を含む。
【0031】
ヒマワリの葉からの総フラボノイドの抽出において、10%〜70%(v/v)エタノール溶液が、マクロポーラス樹脂上で勾配溶出を行う際に使用される。
【0032】
医薬組成物におけるヒマワリの葉由来の総フラボノイドの抽出物の調製において、ヒマワリの葉中の総フラボノイドの含量が、0.5〜25%である。
【0033】
医薬組成物におけるヒマワリの葉由来の総フラボノイドの抽出物が、ネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、スダキチン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8,3’−トリメトキシフラボン)、スダキチンデメトキシ(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8−ジメトキシフラボン)、ヒメノキシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,3’,4’−テトラメトキシフラボン)、ヒスピズリン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6−メトキシフラボン)、アセロシン(5,7,3’−トリヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、7,4’−ジヒドロキシフラボン及び他の10種類を超えるフラボノイドを主に含み、総フラボノイドの抽出物中のネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)の含量が、20〜60重量%である。
【0034】
上記フラボノイドは、以下の構造式(I)
【0035】
【化1】


(I)
【0036】
[式中、R1は、OMe、OHを表し;
R2は、H、OMe、OHを表し;
R3は、OMe、Hを表し;
R4は、OHを表し;
R5は、OMe、Hを表し;
R6は、OH、Hを表す]
を有し;
R1=OMe、R2=H、R3=OMe、R4=OH、R5=OMe、R6=OHの場合、式(I)は、ネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)を表し;
R1=OH、R2=OMe、R3=OMe、R4=OH、R5=OMe、R6=OHの場合、式(I)は、スダキチン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8,3’−トリメトキシフラボン)を表し;
R1=OH、R2=H、R3=OMe、R4=OH、R5=OMe、R6=OHの場合、式(I)は、スダキチンデメトキシ(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8−ジメトキシフラボン)を表し;
R1=OMe、R2=OMe、R3=OMe、R4=OH、R5=OMe、R6=OHの場合、式(I)は、ヒメノキシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,3’,4’−テトラメトキシフラボン)を表し;
R1=OH、R2=H、R3=H、R4=OH、R5=OMe、R6=OHの場合、式(I)は、ヒスピズリン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6−メトキシフラボン)を表し;
R1=OMe、R2=OH、R3=OMe、R4=OH、R5=OMe、R6=OHの場合、式(I)は、アセロシン(5,7,3’−トリヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)を表し;
R1=OH、R2=H、R3=H、R4=OH、R5=H、R6=Hの場合、式(I)は、7,4’−ジヒドロキシフラボンを表す。
【0037】
総フラボノイドの抽出物中のネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)の含量が、0.5〜60重量%である。
【0038】
本発明における医薬組成物はまた、ヒマワリの葉由来の、総テルペンの抽出物及び総有機酸の抽出物の1種類又は2種類を含有してもよく、ヒマワリの葉由来の総テルペンの抽出物が、以下の通りに調製される:ヒマワリの葉を、溶媒として水又はエタノール溶液(10〜95%、v/v)を用いて抽出し、抽出物溶液を0.5〜2g/mlの医薬液に濃縮し、医薬液を有機溶媒によって抽出し、抽出液を合わせ、濃縮し、水に溶解させ、ポリアミドカラムに通し、5〜95%(v/v)エタノール溶液を用いて勾配溶出処理を行い、溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総テルペンの抽出物を得る。ヒマワリの葉由来の総有機酸の抽出物が、以下のステップ:総フラボノイドの抽出物を調製するステップ(2)におけるマクロポーラス吸着樹脂の流出液及び水溶離液を合わせ、陰イオン交換樹脂に通し、アンモニア性エタノールを用いて溶出し、溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総有機酸の抽出物を得るステップにより調製される。
【0039】
ヒマワリの葉からの総テルペンの抽出において、抽出液を濃縮し、ポリアミドカラムに通し、10%〜70%(v/v)エタノール溶液が、勾配溶出を行う際に使用される。
【0040】
ヒマワリの葉由来の総テルペンの抽出物の調製において、ヒマワリの葉中の総テルペンの含量が、3〜20重量%である。
【0041】
医薬組成物におけるヒマワリの葉の総テルペンの抽出物が、セスキテルペノイド及びセスキテルペンラクトン、例えば、グアイアノリド、ゲルマクラノリド(Garmacranolide)、ヘリアンゴリド及びオイデスマン(Edudesmane);テルペンチンアルキル及びカウラン等のジテルペン及びジテルペン酸;並びにオレアノール酸サポニン及び転位テルペンチン(転位3,4−セコ−チルカラン型トリテルペノイド)等のトリテルペンを主に含む。
【0042】
本発明における医薬組成物はまた、ヒマワリの葉由来の総有機酸の抽出物を含み得る。ヒマワリの葉由来の総有機酸の抽出物の調製において、ヒマワリの葉中の総有機酸の含量が、2%〜25重量%である。
【0043】
医薬組成物におけるヒマワリの葉由来の総有機酸の抽出物が、クロロゲン酸、クエン酸、リンゴ酸及びフマル酸を主に含み、総有機酸の抽出物中のクロロゲン酸の含量が、10〜60重量%である。
【0044】
高血圧疾患の予防及び治療における医薬品を調製するための、ヒマワリの抽出物を含有する医薬組成物の使用も、本発明において提供される。
【0045】
血圧の低下を補助する食品及び機能性食品を調製するための、ヒマワリの抽出物を含有する医薬組成物の使用も、本発明において提供される。
【0046】
臨床では、本発明におけるヒマワリの抽出物を含有する医薬組成物の投与量は、1回当たり0.3〜0.8gを、1日3回であり得る。
【0047】
総フラボノイドの含量が50%を超える有効な総フラボノイド成分を有する、抗高血圧活性を有するヒマワリの葉の抽出物が、生物活性の指針の下で、探索、調査及び分離されており、その調製は容易であり、低コストであり、工業的な大規模プロセスに適している。さらに、有効な総テルペン成分の含量が50%を超えるヒマワリの葉由来の総テルペンの抽出物及び有効な総有機酸成分の含量が50%を超える総有機酸の抽出物が本発明において分離され、上記2種の抽出物の1種類又は2種類を総フラボノイド抽出物に加えると、得られる医薬組成物によって、有効な抗高血圧効果もまた示される。実験によると、ヒマワリの頭花及び茎も、ヒマワリの葉のものと同様のフラボノイド、テルペン及び有機酸を含有し、抽出、分離及び決定後の抽出物中のそれらの成分は、ヒマワリの葉の抽出物中の成分と基本的に同一である。したがって、本発明における、ヒマワリの葉の抽出物を含有する組成物について、抽出物を調製する際の原料は、ヒマワリの頭花又は茎からも選択され得る。本発明における、ヒマワリの葉由来の抽出物を含有する医薬組成物は、高血圧疾患を予防及び治療するための漢方薬を調製するため並びに血圧の低下を補助する食品又は機能性食品を調製するために使用することができ、しかも、品質管理され、有効な効果及び良好な安全性を有する。
【0048】
腎血管性高血圧ラットに及ぼす血圧効果の試験によって判明したことだが、本発明における、ヒマワリの葉の抽出物を含有する医薬組成物を投与した後、収縮期血圧及び拡張期血圧は、有意に減少する(P<0.05)。この結果は、ヒマワリの葉由来の抽出物を含有する医薬組成物が、高血圧疾患を予防及び治療するための医薬品を調製する際の並びに血圧の低下を補助する食品又は機能性食品を調製する際の、活性成分として使用される可能性を喚起するものであり、したがってその薬学的使用及び食用での使用が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態に従って、ヒマワリの葉から総フラボノイド及び総有機酸を抽出する調製方法を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に従って、ヒマワリの葉から総テルペンを抽出する調製方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
さらなる説明が、以下の実施形態と組み合わせて詳述されるが、これらの実施形態は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明の範囲が、これらの実施形態によって限定されるものでないことを理解されたい。
【0051】
本発明において、言及されているが詳述されていない方法、プロセス、デバイス、装置、材料等について、当業者は、当技術分野においてよく知られている方法、プロセス、デバイス、装置、材料等又は当技術分野における従来の知識及び技術を使用して利用可能であることを理解されたい。
【0052】
以下において、ヒマワリの葉の抽出物を含有する医薬組成物の調製方法及び医薬組成物の生物活性についての実施形態を詳しく説明する。
【実施例1】
【0053】
ヒマワリの葉由来の総フラボノイドの抽出物の調製
図1に表されているフローチャートに従って、ヒマワリの葉20kg及び12倍の80%エタノール溶液を抽出槽に加え、ヒマワリの葉を2回、毎回1時間抽出し、抽出物溶液を合わせ、ろ過し、1g/mlの医薬液に濃縮した。医薬液を、ADS−17型マクロポーラス吸着樹脂カラム(Anhui Sanxing Resin Technology Company Limited社製)に通し、3bvの水を用いて溶出し、次いで、3bvの10%エタノール溶液及び3bvの30%エタノール溶液を用いて溶出し、エタノール溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、0.32kgの総フラボノイドの抽出物を得た。
【0054】
UV分光光度法によって決定したところ、総フラボノイドのこの抽出物中の総フラボノイドの含量は、52.2%であり、総フラボノイドは、ネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、スダキチン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8,3’−トリメトキシフラボン)、スダキチンデメトキシ(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8−ジメトキシフラボン)、ヒメノキシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,3’,4’−テトラメトキシフラボン)、ヒスピズリン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6−メトキシフラボン)、アセロシン(5,7,3’−トリヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、7,4’−ジヒドロキシフラボン及び他の10種類を超えるフラボノイドを含み、総フラボノイドの抽出物中のネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)の含量は、1.8重量%である。
【実施例2】
【0055】
ヒマワリの葉由来の総フラボノイドの抽出物の調製
図1に表されているフローチャートに従って、ヒマワリの葉20kg及び12倍の50%エタノール溶液を抽出槽に加え、ヒマワリの葉を2時間抽出し、残渣にさらに10倍の50%エタノール溶液を加えた後、残渣を1時間抽出し、抽出物溶液を合わせ、ろ過し、0.8g/mlの医薬液に濃縮した。医薬液を、ADS−F8型マクロポーラス吸着樹脂カラム(Chemical Factory of Nankai University製)に通し、3bvの水を用いて溶出し、次いで、3bvの10%エタノール溶液及び3bvの70%エタノール溶液を用いて溶出し、エタノール溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、0.29kgの総フラボノイドの抽出物を得た。
【0056】
UV分光光度法によって決定したところ、総フラボノイドのこの抽出物中の総フラボノイドの含量は、63.2%であり、総フラボノイドは、ネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、スダキチン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8,3’−トリメトキシフラボン)、スダキチンデメトキシ(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8−ジメトキシフラボン)、ヒメノキシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,3’,4’−テトラメトキシフラボン)、ヒスピズリン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6−メトキシフラボン)、アセロシン(5,7,3’−トリヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、7,4’−ジヒドロキシフラボン及び他の10種類を超えるフラボノイドを含み、総フラボノイドの抽出物中のネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)の含量は、28.6重量%である。
【実施例3】
【0057】
ヒマワリの頭花由来の総フラボノイドの抽出物の調製
図1に表されているフローチャートに従って、ヒマワリの頭花20kg及び10倍の50%エタノール溶液を抽出槽に加え、ヒマワリの頭花を2時間抽出し、残渣にさらに10倍の50%エタノール溶液を加えた後、残渣を1時間抽出し、抽出物溶液を合わせ、ろ過し、0.8g/mlの医薬液に濃縮した。医薬液を、LS−300型マクロポーラス吸着樹脂カラム(Xi'an Lanshen Resin Limited Company社製)に通し、3bvの水を用いて溶出し、次いで、3bvの10%エタノール溶液及び3bvの70%エタノール溶液を用いて溶出し、70%エタノール溶液の溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、0.21kgの総フラボノイドの抽出物を得た。
【0058】
UV分光光度法によって決定したところ、総フラボノイドのこの抽出物中の総フラボノイドの含量は、58.4%であり、総フラボノイドは、ネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、スダキチン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8,3’−トリメトキシフラボン)、スダキチンデメトキシ(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8−ジメトキシフラボン)、ヒメノキシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,3’,4’−テトラメトキシフラボン)、ヒスピズリン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6−メトキシフラボン)、アセロシン(5,7,3’−トリヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、7,4’−ジヒドロキシフラボン及び他の10種類を超えるフラボノイドを含み、総フラボノイドの抽出物中のネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)の含量は、19.6重量%である。
【実施例4】
【0059】
ヒマワリの茎由来の総フラボノイドの抽出物の調製
図1に表されているフローチャートに従って、ヒマワリの茎20kg及び10倍の90%エタノール溶液を抽出槽に加え、ヒマワリの茎を2時間抽出し、残渣にさらに10倍の50%エタノール溶液を加えた後、残渣を1時間抽出し、抽出物溶液を合わせ、ろ過し、0.8g/mlの医薬液に濃縮した。医薬液を、LS−300型マクロポーラス吸着樹脂カラム(Xi'an Lanshen Resin Limited Company社製)に通し、3bvの水を用いて溶出し、次いで、3bvの10%エタノール溶液及び3bvの50%エタノール溶液を用いて溶出し、50%エタノール溶液の溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、0.16kgの総フラボノイドの抽出物を得た。
【0060】
UV分光光度法によって決定したところ、総フラボノイドのこの抽出物中の総フラボノイドの含量は、51.4%であり、総フラボノイドは、ネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、スダキチン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8,3’−トリメトキシフラボン)、スダキチンデメトキシ(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8−ジメトキシフラボン)、ヒメノキシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,3’,4’−テトラメトキシフラボン)、ヒスピズリン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6−メトキシフラボン)、アセロシン(5,7,3’−トリヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、7,4’−ジヒドロキシフラボン及び他の10種類を超えるフラボノイドを含み、総フラボノイドの抽出物中のネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)の含量は、10.6重量%である。
【実施例5】
【0061】
ヒマワリの葉由来の総テルペンの抽出物の調製
図2に表されているフローチャートに従って、ヒマワリの葉40kgを抽出槽に加え、70%エタノール溶液を用いて、ヒマワリの葉を2回抽出し、70%エタノール溶液の量は、1回当たり12倍であり、毎回の抽出時間は2時間であった。抽出物溶液を合わせ、ろ過し、1g/mlの医薬液に濃縮した。医薬液を、同量のクロロホルムによって5回抽出し、抽出液を合わせ、濃縮し、ポリアミドカラムに通し、1bvの水を用いて溶出し、次いで、3bvの30%エタノール溶液及び2bvの70%エタノール溶液を用いて溶出し、溶離液を合わせ、濃縮し、乾燥させて、0.51kgの総テルペンの抽出物を得た。
【0062】
UV分光光度法によって決定したところ、総テルペンのこの抽出物中の総テルペンの含量は、51.4%である。
【実施例6】
【0063】
ヒマワリの茎由来の総テルペンの抽出物の調製
図2に表されているフローチャートに従って、ヒマワリの茎25kgを抽出槽に加え、30%エタノール溶液を用いて、ヒマワリの茎を2回抽出し、30%エタノール溶液の量は、1回当たり12倍であり、毎回の抽出時間は2時間であった。抽出物溶液を合わせ、ろ過し、1g/mlの医薬液に濃縮した。医薬液を、同量のクロロホルムによって5回抽出し、抽出液を合わせ、濃縮し、ポリアミドカラムに通し、1bvの水を用いて溶出し、次いで、3bvの30%エタノール溶液及び2bvの70%エタノール溶液を用いて溶出し、溶離液を合わせ、濃縮し、乾燥させて、0.21kgの総テルペンの抽出物を得た。
【0064】
UV分光光度法によって決定したところ、総テルペンのこの抽出物中の総テルペンの含量は、51.4%である。
【実施例7】
【0065】
ヒマワリの葉由来の総有機酸の抽出物の調製
ヒマワリの葉50kgを抽出槽に加え、30%エタノール溶液を用いて、ヒマワリの葉を2回抽出し、30%エタノール溶液の量は、1回当たり10倍であり、毎回の抽出時間は2時間であった。抽出物溶液を合わせ、ろ過し、1g/mlの医薬液に濃縮した。医薬液を、AB−8型マクロポーラス吸着樹脂カラム(Anhui Sanxing Resin Technology Company Limited社製)に通し、3bvの水を用いて溶出し、マクロポーラス吸着樹脂の流出液及び水溶離液を合わせ、201X7強塩基性スチレン型陰イオン交換樹脂(Beijing Research Institute of Chemical Engineering and Metallurgy社製)に通し、4bvの20%アンモニア性エタノールを用いて溶出し、溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、0.62kgの総有機酸の抽出物を得た。
【0066】
UV分光光度法によって決定したところ、総有機酸のこの抽出物中の総有機酸の含量は、61.7%である。
【実施例8】
【0067】
ヒマワリの頭花の総有機酸の抽出物の調製
ヒマワリの頭花30kgを抽出槽に加え、80%エタノール溶液を用いて、ヒマワリの頭花を2回抽出し、80%エタノール溶液の量は、1回当たり10倍であり、毎回の抽出時間は2時間であった。抽出物溶液を合わせ、ろ過し、1g/mlの医薬液に濃縮した。医薬液を、AB−8型マクロポーラス吸着樹脂カラム(Anhui Sanxing Resin Technology Company Limited社製)に通し、3bvの水を用いて溶出し、マクロポーラス吸着樹脂の流出液及び水溶離液を合わせ、201X7強塩基性スチレン型陰イオン交換樹脂(Beijing Research Institute of Chemical Engineering and Metallurgy社製)に通し、4bvの20%アンモニア性エタノールを用いて溶出し、溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、0.42kgの総有機酸の抽出物を得た。
【0068】
UV分光光度法によって決定したところ、総有機酸のこの抽出物中の総有機酸の含量は、61.7%である。
【実施例9】
【0069】
ヒマワリの葉由来の総フラボノイドの抽出物中の総フラボノイドの含量の決定
UV分光光度法を使用して、本発明における、総フラボノイドの抽出物中の総フラボノイドの含量を決定するステップは、以下の通りである。
【0070】
1.対照溶液の調製
対照サンプルとして、ネバデンシン2mgを正確に採り、10ml容量フラスコ中に入れ、サンプルを溶解させるためのメタノールを印まで加えて振盪した。
【0071】
2.標準曲線の作成
対照サンプルの0.1ml、0.2ml、0.3ml、0.4ml、0.5ml及び0.6ml溶液を正確に採り、それぞれ25ml容量フラスコ中に入れ、それぞれに1%塩化アルミニウム水溶液5mlを正確に加えて振盪し、次いで、1mol/L酢酸カリウム水溶液8mlを正確に加えて振盪し、水を印まで加えて振盪した。UV−可視分光光度法(Chinese Pharmacopoeia, one appendix V A , 2005)に準拠して、ブランクとして関連試薬を使用し、上記サンプルについて、228nmの波長での吸光度を測定し、次いで、縦軸に吸光度及び横軸に濃度を使用して、標準曲線を作成した。
【0072】
3.決定
本発明における試験粉(power)3mgを正確に採り、10ml容量フラスコ中に入れ、70%エタノール溶液8mlを加え、超音波で30分間処理し(100W、40kHz)、冷却後、70%エタノール溶液を印まで加え、振盪し、ろ過した。ろ過した溶液1.0mlを正確に採り、25ml容量フラスコ中に入れ、それぞれに1%塩化アルミニウム水溶液5mlを正確に加えて振盪し、次いで、1mol/L酢酸ナトリウム水溶液8mlを正確に加えて振盪し、水を印まで加えて振盪した。UV−可視分光光度法(Chinese Pharmacopoeia, one appendix V A , 2005)に準拠して、ブランクとして関連試薬を使用し、上記サンプルについて、228nmの波長での吸光度を測定し、次いで、試験サンプル中のネバデンシンの量を標準曲線から読み取り、計算して、サンプル1gは、ネバデンシンを基準として総フラボノイド620mgを含有することが分かった。
【実施例10】
【0073】
ヒマワリの葉由来の総フラボノイドの抽出物中のネバデンシンの含量の決定
高速液体クロマトグラフィーを使用して、本発明における、総フラボノイドの抽出物中のネバデンシンの含量を決定するステップは、以下の通りである。
【0074】
1.クロマトグラフ条件及びシステムの適合性の実験
オクタデシル結合シリカを充填剤とし、アセトニトリル−0.4%クエン酸アンモニウム(40:60)が移動相であり、検出波長は284nmである。
【0075】
2.対照サンプルの溶液の調製
対照サンプルとして、適正な量のネバデンシンを正確に採り、メタノールを加えて、50μg/mlの濃度を有する溶液を得た。
【0076】
3.試験サンプルの溶液の調製
本発明における試験粉15mgを正確に採り、10ml容量フラスコ中に入れ、70%エタノール溶液8mlを加え、超音波で30分間処理し(100W、40kHz)、冷却後、70%エタノール溶液を印まで加え、振盪し、ろ過した。
【0077】
4.決定
対照サンプルの溶液10μl及び試験サンプルの溶液10μlを、それぞれ正確に採り、溶液を液体クロマトグラフに注入して決定した。ネバデンシン20mgが、本発明の試験粉1g中に含有されていた。
【実施例11】
【0078】
ヒマワリの葉由来の総テルペンの抽出物中の総テルペンの含量の決定
UV分光光度法を使用して、本発明における、総テルペンの抽出物中の総テルペンの含量を決定するステップは、以下の通りである。
【0079】
1.対照サンプル溶液の調製
対照サンプルとして、パナキサジオール2mgを正確に採り、5ml容量フラスコ中に入れ、サンプルを溶解させるためのメタノールを印まで加えて振盪した。
【0080】
2.標準曲線の作成
対照サンプルの0.1ml、0.2ml、0.3ml、0.4ml、0.5ml及び0.6ml溶液を正確に採り、それぞれ25ml容量フラスコ中に入れ、それぞれにバニリンの新鮮な5%酢酸溶液0.2ml及び過塩素酸0.8mlを正確に加えて振盪し、70℃で15分間加熱し、振盪し、次いで、酢酸を印まで加えて振盪した。UV−可視分光光度法(Chinese Pharmacopoeia, one appendix V A , 2005)に準拠して、ブランクとして関連試薬を使用し、上記サンプルについて、550nmの波長での吸光度を測定し、次いで、縦軸に吸光度及び横軸に濃度を使用して、標準曲線を作成した。
【0081】
3.決定
本発明における試験粉3mgを正確に採り、10ml容量フラスコ中に入れ、70%エタノール溶液8mlを加え、超音波で30分間処理し(100W、40kHz)、冷却後、70%エタノール溶液を印まで加え、振盪し、ろ過した。ろ過した溶液1.0mlを正確に採り、25ml容量フラスコ中に入れ、それぞれにバニリンの新鮮な5%酢酸溶液0.2ml及び過塩素酸0.8mlを正確に加えて振盪し、70℃で15分間加熱し、振盪し、次いで、酢酸を印まで加えて振盪した。UV−可視分光光度法(Chinese Pharmacopoeia, one appendix V A , 2005)に準拠して、ブランクとして関連試薬を使用し、上記サンプルについて、550nmの波長での吸光度を測定し、次いで、試験サンプル中のパナキサジオールの量を標準曲線から読み取り、計算して、サンプル1gは、パナキサジオールを基準として総テルペン560mgを含有することが分かった。
【実施例12】
【0082】
ヒマワリの葉由来の総有機酸の抽出物中の総有機酸の含量の決定
UV分光光度法を使用して、本発明における、総有機酸の抽出物中の総有機酸の含量を決定するステップは、以下の通りである。
【0083】
1.対照サンプルの溶液の調製
対照サンプルとして、クロロゲン酸2mgを正確に採り、5ml容量フラスコ中に入れ、サンプルを溶解させるためのメタノールを印まで加えて振盪した。
【0084】
2.標準曲線の作成
対照サンプルの0.1ml、0.2ml、0.3ml、0.4ml、0.5ml及び0.6ml溶液を正確に採り、それぞれ25ml容量フラスコ中に入れ、それぞれに新鮮なフロログルシノール溶液0.8mlを正確に加えて振盪し、沸騰浴で40分間加熱し、振盪し、次いで、冷却後、酢酸を印まで加えて振盪した。UV−可視分光光度法(Chinese Pharmacopoeia, one appendix V A , 2005)に準拠して、ブランクとして関連試薬を使用し、上記サンプルについて、443nmの波長での吸光度を測定し、次いで、縦軸に吸光度及び横軸に濃度を使用して、標準曲線を作成した。
【0085】
3.決定
本発明における試験粉3mgを正確に採り、10ml容量フラスコ中に入れ、70%エタノール溶液8mlを加え、超音波で30分間処理し(100W、40kHz)、冷却後、70%エタノール溶液を印まで加え、振盪し、ろ過した。ろ過した溶液1.0mlを正確に採り、25ml容量フラスコ中に入れ、それぞれに新鮮なフロログルシノール溶液0.8mlを正確に加えて振盪し、沸騰浴で40分間加熱し、振盪し、次いで、冷却後、酢酸を印まで加えて振盪した。UV−可視分光光度法(Chinese Pharmacopoeia, one appendix V A , 2005)に準拠して、ブランクとして関連試薬を使用し、上記サンプルについて、443nmの波長での吸光度を測定し、次いで、試験サンプル中のクロロゲン酸の量を標準曲線から読み取り、計算して、サンプル1gは、クロロゲン酸を基準として総有機酸560mgを含有することが分かった。
【実施例13】
【0086】
腎血管性高血圧ラットに対するヒマワリの葉由来の抽出物を含有する医薬組成物の抗高血圧効果
腎血管性高血圧ラットに及ぼす抗高血圧効果の試験によって判明したことだが、ヒマワリの葉の抽出物を含有する医薬組成物は、抗高血圧活性を示す。
【0087】
1.試験材料
抗高血圧性サンプル1(ヒマワリの葉由来の総フラボノイドの抽出物、ヒマワリの葉の総フラボノイドの含量は63.2%であり、人への投与量は、0.25g/人/日である)、褐色粉末。
抗高血圧性サンプル2(ヒマワリの葉由来の総フラボノイドの抽出物及び総有機酸の抽出物の混合物(1:0.8)、人への投与量は、0.35g/人/日である)、暗褐色粉末。
抗高血圧性サンプル3(ヒマワリの葉由来の総フラボノイドの抽出物及び総テルペンの抽出物の混合物(1:0.6)、人への投与量は、0.40g/人/日である)、暗褐色粉末。
抗高血圧性サンプル4(ヒマワリの葉由来の総フラボノイドの抽出物、総テルペンの抽出物及び総有機酸の抽出物の混合物(1:0.8:0.6)、人への投与量は、0.5g/人/日である)、暗褐色粉末。
陽性対照サンプル:Compound Kendir Leaves I(人には丸剤6個/日)、丸剤100個/瓶。
【0088】
2.実験動物及び機器
腎血管性高血圧ラット25匹、クリーングレード、体重357±42g、Shandong Lukang Pharmaceutical Co., Ltd.社製、認可番号:SCXK Lu 20080002。
主要機器:非観血的尾動脈血圧測定及び分析システム、ALC−NIBP型、Shanghai Alcott Biotech. Co., Ltd.社製。
【0089】
3.試験方法
腎血管性高血圧ラット25匹を、無作為に5群、すなわち、抗高血圧性サンプル1、100mg/kgの群、抗高血圧性サンプル2、150mg/kgの群、抗高血圧性サンプル3、50mg/kgの群、抗高血圧性サンプル4、200mg/kgの群、陽性対照Compound Kendir Leaves I、丸剤3個/kgの群に分け、すべての群はラット5匹を有した。薬物評価前としてのラットの血圧を、医薬投与前に、非観血的尾動脈血圧測定及び分析システムによって決定した。次いで、1回胃内投与を行い、各処置群に、異なる濃度を有する薬液を、ラット200g当たり2mlとして投与した。ラットの尾動脈血圧の変化を、医薬投与から2.0時間後に、非観血的尾動脈血圧測定及び分析システムによって決定した。
【0090】
4.統計及び結果
実験データを、平均値±標準偏差(X±s)として表した。それら自体の前後は、統計解析のt−検定を使用して比較した。
【0091】
5.結果を表1にまとめた。
【0092】
【表1】

【0093】
結果は、抗高血圧性サンプル1及び3が、腎血管性高血圧ラットの拡張期血圧及び平均動脈圧に対する抗高血圧活性を明らかに示し、統計上、収縮期血圧に対する有意な効果は存在しなかったが、血圧は減少傾向を示した。抗高血圧性サンプル2及び4は両方とも、腎血管性高血圧ラットの血圧に対する抗高血圧活性を明らかに示した。
【実施例14】
【0094】
ヒマワリの葉由来の抽出物を含有する医薬組成物の錠剤の調製
本発明の錠剤は、以下の通りに調製される。実施例1におけるヒマワリの葉の総フラボノイドの抽出物205gを採り、デンプン95gを加え、混合し、造粒し、ふるい分けし、微結晶性セルロース2g、ステアリン酸マグネシウム0.5gを加え、混合し、加圧して1000個の丸剤にする。
【実施例15】
【0095】
ヒマワリの葉由来の抽出物を含有する医薬組成物の顆粒剤の調製
本発明の顆粒剤は、以下の通りに調製される。実施例1及び2における、ヒマワリの葉の総フラボノイド及び総有機酸の抽出物405gを採り、ラクトース200g、デキストリン400gを加え、ペレット成形し、造粒し、ふるい分けして1000gの顆粒剤にする。
【実施例16】
【0096】
ヒマワリの葉の総フラボノイドの抽出物を含有する錠剤を使用した、肝臓陽活動亢進及び本態性高血圧を有する患者に対する臨床的観察の試験
1.一般情報
患者46例はすべて循環器科の患者であり、患者を無作為に実験群及び対照群に分けた。実験群は、患者26例を有し、このうち男性12例及び女性14例、平均年齢は55.14±11.45歳であり、平均疾病期間は10.87±7.13年であり;対照群は、患者20例を有し、男性11例及び女性9例、平均年齢は55.97±10.85歳であり、平均疾病期間は11.46±6.98年であった。性別、年齢、疾病期間、治療前血圧値及び個々の症状に対する漢方薬の比較等において、2群間の有意差はなかった。(P>0.05)
【0097】
2.治療方法
実験群に、ヒマワリの葉由来の総フラボノイドの抽出物の錠剤を、毎回丸剤2個ずつ、1日3回投与し;対照群に、Compound Kendir Leavesの錠剤を、毎回丸剤4個ずつ、1日3回投与した。2群両方の治療コースが4週であり、1コースの治療後に、血圧及び治療効果を収集して統計データとした。
【0098】
3.評価基準
抗高血圧効果の評価基準:Chinese cardiovascular epidemiology and crowd prevention, 1979のフォーラムにおいて策定された基準を参照した;TCM症状の評価基準:2002年に中国衛生部によって公布された<<New Drugs of Traditional Chinese Drug Guidelines for Clinical Research>>の中の規定を参照した。
【0099】
4.統計
リジットt検定の解析。
【0100】
5.治療結果
(1)2群の抗高血圧効果及び程度を、表2〜4にまとめた。
【0101】
【表2】

【0102】
リジットの解析、P<0.05によって、実験群の結果は、対照群のものに比べてより良好であった。
【0103】
【表3】

【0104】
【表4】

【0105】
表2によると、実験群の26例において、10例が著効であり、12例が有効であり、総有効率は84.6%であり、これは、対照群のものに比べてより良好であり、リジットの解析によって、2群の効果間に有意差が存在した(P<0.05)。表3及び4によると、2群の治療前後の収縮期血圧及び拡張期血圧は、それぞれ自己比較して、有意差を示し(P<0.01)、治療後の実験群及び対照群の値の間でも、有意差(P<0.01)が存在した。
【0106】
(2)TCM症状の有効性:
目まい、頭痛、目まい及び筋伸張、首筋の痙攣、顔面紅潮及び眼の充血、動悸、胸部圧迫感、胸部痛、不眠並びに耳鳴り等の個々の症状に対する伝統的な漢方薬を改良することにおいて、実験群の結果は、対照群のものに比べて良好であった(神経過敏性及びかすみ目は除く)。有意差が、2群の値の間で存在した(P<0.05又はP<0.01)。結果は、本発明における、ヒマワリの葉の総フラボノイドの抽出物を含有する錠剤が、有効な抗高血圧活性を示すのみならず、症状を有意に改善し、治療中に副作用が見られないことを示した。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒマワリの葉、頭花又は茎由来の総フラボノイドの抽出物を含み、該抽出物中の総フラボノイドの含量が50%を超える、ヒマワリ抽出物を含有する医薬組成物。
【請求項2】
総フラボノイドの抽出物が、ネバデンシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、スダキチン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8,3’−トリメトキシフラボン)、スダキチンデメトキシ(5,7,4’−トリヒドロキシ−6,8−ジメトキシフラボン)、ヒメノキシン(5,7−ジヒドロキシ−6,8,3’,4’−テトラメトキシフラボン)、ヒスピズリン(5,7,4’−トリヒドロキシ−6−メトキシフラボン)、アセロシン(5,7,3’−トリヒドロキシ−6,8,4’−トリメトキシフラボン)、7,4’−ジヒドロキシフラボン等を主に含有し;好ましくは、総フラボノイドの前記抽出物中のネバデンシンの含量が、0.5〜60重量%であり;より好ましくは、総フラボノイドの前記抽出物中のネバデンシンの含量が、20〜60重量%である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
ヒマワリの葉、頭花又は茎由来の、総テルペンの含量が50%を超える総テルペンの抽出物及び総有機酸の含量が50%を超える総有機酸の抽出物の1種類又は2種類をさらに含む医薬組成物であって;総テルペンの前記抽出物が、セスキテルペノイド及びセスキテルペンラクトン、例えば、グアイアノリド、ゲルマクラノリド(Garmacranolide)、ヘリアンゴリド及びオイデスマン(Edudesmane);テルペンチンアルキル及びカウラン等のジテルペン及びジテルペン酸;並びにオレアノール酸サポニン及び転位テルペンチン(転位3,4−セコ−チルカラン型トリテルペノイド)等のトリテルペンを主に含有し;総有機酸の前記抽出物が、クロロゲン酸、クエン酸、リンゴ酸及びフマル酸を主に含有し;好ましくは、総有機酸の前記抽出物中のクロロゲン酸の含量が、10〜60重量%である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
総フラボノイドの抽出物が、以下のステップ、
(1)ヒマワリの葉、頭花又は茎を、溶媒として水又はエタノール溶液(10〜95%、v/v)を用いて抽出し、抽出物溶液を0.5〜2g/mlの医薬液に濃縮するステップ;
(2)ステップ(1)における前記医薬液を、ADS−17型、ADS−F8型又はLS−300型等のマクロポーラス吸着樹脂カラムに通し、水を用いて溶出し、次いで、5〜95%(v/v)エタノール溶液を用いて、好ましくは10%〜70%(v/v)エタノール溶液を用いて勾配溶出を行い、エタノール溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総フラボノイドの前記抽出物を得るステップ
により調製される、請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項5】
総テルペンの抽出物が、以下のステップ、
(1)ヒマワリの葉、頭花又は茎を、溶媒として水又はエタノール溶液(10〜95%、v/v)を用いて抽出し、抽出物溶液を0.5〜2g/mlの医薬液に濃縮するステップ;
(2)ステップ(1)における前記医薬液を、クロロホルム等の有機溶媒によって抽出し、抽出液を合わせ、濃縮し、水に溶解させ、ポリアミドカラムに通し、5〜95%(v/v)エタノール溶液を用いて、好ましくは10%〜70%(v/v)エタノール溶液を用いて勾配溶出処理を行い、溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総テルペンの前記抽出物を得るステップ
により調製される、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項6】
総有機酸の抽出物が、以下のステップ、
(1)ヒマワリの葉、頭花又は茎を、溶媒として水又は10〜95%(v/v)エタノール溶液を用いて抽出し、抽出物溶液を0.5〜2g/mlの医薬液に濃縮するステップ;
(2)ステップ(1)における前記医薬液を、ADS−17型、ADS−F8型、AB−8型又はLS−300型等のマクロポーラス吸着樹脂カラムに通し、水を用いて溶出し、マクロポーラス吸着樹脂の流出液及び水溶離液を合わせ、陰イオン交換樹脂(201X7強塩基性スチレン型陰イオン交換樹脂等)に通し、アンモニア性エタノールを用いて溶出し、溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総有機酸の前記抽出物を得るステップ
により調製される、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項7】
ヒマワリから総フラボノイドの抽出物を抽出するステップを含み、ヒマワリから総フラボノイドの前記抽出物を抽出する前記ステップが、
ヒマワリの葉、頭花又は茎を、溶媒として水又はエタノール溶液を用いて抽出し、抽出物溶液を濃縮し、次いで、マクロポーラス吸着樹脂カラムに通し、水を用いて溶出し、次いで、エタノール溶液を用いて勾配溶出を行い、エタノール溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総フラボノイドの前記抽出物を得るステップであり、
好ましくはヒマワリから総テルペン及び/又は総有機酸の抽出物を抽出するステップをさらに含み、総テルペンの前記抽出物を抽出する前記ステップが、
ヒマワリの葉、頭花又は茎を、溶媒として水又はエタノール溶液を用いて抽出し、抽出物溶液を濃縮し、次いで、有機溶媒によって抽出し、抽出液を合わせ、濃縮し、水に溶解させ、ポリアミドカラムに通し、エタノール溶液を用いて勾配溶出処理を行い、溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総テルペンの前記抽出物を得るステップであり、
ヒマワリから総有機酸の前記抽出物を抽出する前記ステップが、
ヒマワリの葉、頭花又は茎を、溶媒として水又はエタノール溶液を用いて抽出し、抽出物溶液を濃縮し、次いで、マクロポーラス吸着樹脂カラムに通し、水を用いて溶出し、マクロポーラス吸着樹脂の流出液及び水溶離液を合わせ、陰イオン交換樹脂に通し、アンモニア性エタノールを用いて溶出し、溶離液を回収し、濃縮し、乾燥させて、総有機酸の前記抽出物を得るステップである、
請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物の調製方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物並びに薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含有する医薬調製物であって、好ましくは、医薬調製物の製剤が、通常の錠剤(一般的な錠剤、腸溶性コーティング錠、フィルムコーティング錠、糖衣錠、エキス錠、分散錠、スクラッチ錠、チュアブル錠、トローチ剤、舌下錠及び経口発泡錠)、通常のカプセル剤(硬カプセル剤、軟カプセル剤、丸薬カプセル剤及び腸溶性コーティングカプセル剤);徐放性錠剤、徐放性コーティング錠剤、制御放出性錠剤(速放性錠剤を含む)、徐放性カプセル剤及び制御放出性カプセル剤を含む徐放性及び/又は制御放出性製剤;経口液剤、経口懸濁剤、経口乳剤、経口糊製剤、経口液剤、乳化液、乳剤製剤、コロイド溶液、合剤、チンキ剤、ドロップ剤、懸濁液ドロップ剤及び煎剤を含む経口液体製剤;ペレット剤及びドロップ丸剤を含む丸剤;糖衣顆粒剤、非糖衣顆粒剤、腸溶性コーティング顆粒剤、経口懸濁剤用の顆粒剤及び経口散剤を含む顆粒剤;液体注射剤及び粉末注射剤を含む注射剤を含む、医薬調製物。
【請求項9】
高血圧疾患の予防及び治療における医薬品を調製するための並びに血圧の低下を補助する食品及び機能性食品を調製するための、請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物又は請求項8に記載の医薬調製物の使用。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物又は請求項8に記載の医薬調製物を、個体に投与するステップを含む、高血圧疾患を予防及び治療する方法。
【請求項11】
請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物又は請求項8に記載の医薬調製物を含有する機能性食品を、個体に与えるステップを含む、高血圧疾患に適したヘルスケア食品療法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−515680(P2013−515680A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545045(P2012−545045)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【国際出願番号】PCT/CN2009/001573
【国際公開番号】WO2011/079410
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(512164573)
【氏名又は名称原語表記】LING,Peixue
【Fターム(参考)】