説明

ヒューマン・マシン・インターフェース装置

【課題】仮想キーボードを含む複数のキーボードを併用する。
【解決手段】制御対象となるシステム用の表示画面を表示するモニタ11と、システム用に様式を特化した専用キーボード2が接続可能なシリアルポート接続部14と、専用キーボード2の様式と同一の様式で機能する仮想キーボード33を表示するPC端末3がネットワーク4を介して接続可能なネットワーク接続部15と、シリアルポート接続部14を介して入力される専用キーボード2の操作信号およびネットワーク接続部15を介して入力される仮想キーボード33の操作信号をそれぞれ受信する操作信号受信部131と、操作信号受信部131により受信される専用キーボード2の操作信号および仮想キーボード33の操作信号に対応するイベントに基づいて表示画面を制御する表示画面制御部12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒューマン・マシン・インターフェース装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラントを監視して制御するプラント監視システムでは、オペレータの操作性や操作の安全性を向上させるために、汎用的なキーボードの代わりに、プラントの制御に特化した一または複数の専用キーボードを利用している(例えば下記特許文献1および2参照)。
【0003】
このような専用キーボードでは、プラント制御の機能に合わせて、キーの種類や配置、コネクタの形状、付加機能等が設計される。したがって、同一メーカーであっても、製品のラインナップやサポート言語、バージョン、PC端末との接続方式等が異なれば、それぞれに応じて異なる様式の専用キーボードが必要となる。しかしながら、全ての種類の専用キーボードを取り揃えることは難しいうえ、効率的ではない。
【0004】
そのため、専用キーボードと同一の機能を実現する仮想キーボードをソフトウェアで作成し、ディスプレイに仮想キーボードを表示して操作する技術も開発されている。下記特許文献2には、監視制御機能ごとに異なる仮想キーボードを予め作成しておき、監視制御機能に応じて、タッチパネル付きディスプレイに表示する仮想キーボードを切り替える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−211928号公報
【特許文献2】特開2005−234913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した特許文献2の技術では、専用キーボードの代わりに仮想キーボードを用いているが、仮想キーボードを含む複数のキーボードを併用する技術については開示されていない。したがって、仮想キーボードを含む複数のキーボードを併用する場合には、例えば、オペレータがどのキーボードを操作しても問題が生ずることのないように制御する必要があるが、そのような問題を回避する技術も開示されていない。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、仮想キーボードを含む複数のキーボードを併用することができるヒューマン・マシン・インターフェース装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るヒューマン・マシン・インターフェース装置は、制御対象となるシステム用の表示画面を表示する表示部と、前記システム用に様式を特化した専用キーボードが接続可能な第一接続部と、前記専用キーボードの様式と同一の様式で機能する仮想キーボードを表示する端末がネットワークを介して接続可能な第二接続部と、前記第一接続部を介して入力される前記専用キーボードの操作信号および前記第二接続部を介して入力される前記仮想キーボードの操作信号をそれぞれ受信する操作信号受信部と、前記操作信号受信部により受信される前記専用キーボードの操作信号および前記仮想キーボードの操作信号に対応するイベントに基づいて前記表示画面を制御する表示画面制御部と、を備える。
【0009】
かかる構成を採用することで、専用キーボードと仮想キーボードとの双方から入力された操作信号を、一つのキーボードから入力された操作信号とみなしてシステム用の表示画面を制御することができるため、専用キーボードと仮想キーボードとを併用することが可能となる。
【0010】
また、上記システムにより監視されるデバイスの状態に関するデバイス状態情報を前記システムから受信するデバイス状態受信部と、前記デバイス状態受信部により受信される前記デバイス状態情報に基づいて、前記専用キーボードおよび前記仮想キーボードにおいて前記デバイスに対応して設けられる発光部を識別するための識別番号と前記発光部の発光状態とを含む発光状態情報を生成する発光状態情報生成部と、前記発光状態情報を、前記第一接続部を介して前記専用キーボードに送信し、かつ前記第二接続部を介して前記仮想キーボードに送信する発光状態送信部と、をさらに備えることとしてもよい。
【0011】
これにより、発光状態情報を専用キーボードと仮想キーボードとの双方に送信することができるため、専用キーボードと仮想キーボードとが、それぞれの間で対応する発光部の発光状態を一致させることができる。
【0012】
また、上記発光状態情報生成部により生成された前記発光状態情報を記憶する発光状態記憶部を、さらに備え、前記発光状態送信部は、前記第二接続部に前記仮想キーボードが接続したことを検知した場合、または前記第一接続部に前記専用キーボードが接続したことを検知した場合、当該検知した前記仮想キーボードまたは前記専用キーボードに対して、前記発光状態記憶部に記憶されている前記発光状態情報を送信することとしてもよい。
【0013】
これにより、システムの稼働中に仮想キーボードや専用キーボードが接続された場合であっても、仮想キーボードと専用キーボードとの間でそれぞれ対応する発光部の発光状態を一致させることができる。
【0014】
本発明に係るヒューマン・マシン・インターフェース装置は、制御対象となる複数のシステム用の表示画面を表示する表示部と、前記各システム用に様式を特化した専用キーボードの様式とそれぞれ同一の様式で機能する、複数の仮想キーボードを表示する端末が接続可能な接続部と、前記各表示画面のうち、ユーザにより操作されている前記表示画面を特定するとともに、当該特定した前記表示画面を識別するための信号を、前記接続部に接続している前記端末に送信する表示画面監視部と、前記接続部を介して入力される前記仮想キーボードの操作信号を受信する操作信号受信部と、前記操作信号受信部により受信される前記仮想キーボードの操作信号に対応するイベントに基づいて、前記各表示画面のうち、前記表示画面監視部により特定されている前記表示画面を制御する表示画面制御部と、を備える。
【0015】
かかる構成を採用することで、専用キーボードを接続することなく、複数の仮想キーボードを切り替えながら操作することで複数のシステム用の画面をそれぞれ制御することができるため、複数の仮想キーボードが存在することによって生ずるオペレータの操作ミスを回避することができる。また、端末に表示される複数の仮想キーボードを、ユーザにより操作されている画面に合わせて自動的に切り替えさせることができるため、オペレータの操作性を向上させることができる。
【0016】
また、上記システムにより監視されるデバイスの状態に関するデバイス状態情報を前記システムからそれぞれ受信するデバイス状態受信部と、前記デバイス状態受信部により受信される前記デバイス状態情報に基づいて、前記専用キーボードおよび前記仮想キーボードにおいて前記デバイスに対応して設けられる発光部を識別するための識別番号と前記発光部の発光状態とを含む発光状態情報を生成する発光状態情報生成部と、前記発光状態情報を、前記接続部を介して前記仮想キーボードに送信する発光状態送信部と、をさらに備えることとしてもよい。
【0017】
これにより、発光状態情報を仮想キーボードに逐次送信することができるため、発光部の発光状態を通して最新のデバイス状態をオペレータに知らせることができる。
【0018】
また、上記発光状態情報生成部により生成された前記発光状態情報を記憶する発光状態記憶部を、さらに備え、前記発光状態送信部は、前記接続部に前記仮想キーボードが接続したことを検知した場合に、当該検知した前記仮想キーボードに対して、前記発光状態記憶部に記憶されている前記発光状態情報を送信することとしてもよい。
【0019】
これにより、システム稼働中に仮想キーボードが接続された場合であっても、仮想キーボードの発光部を、その時点のデバイス状態に合わせて的確に発光させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、仮想キーボードを含む複数のキーボードを併用することができるヒューマン・マシン・インターフェース装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態におけるヒューマン・マシン・インターフェース装置の構成を例示する図である。
【図2】専用キーボードの構成を例示する図である。
【図3】発光状態情報のデータ構成を例示する図である。
【図4】第2実施形態における複数のヒューマン・マシン・インターフェース装置を含むシステム構成を例示する図である。
【図5】第2実施形態におけるヒューマン・マシン・インターフェース装置の構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0023】
[第1実施形態]
図1を参照して、第1実施形態におけるヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)装置(以下、「HMI装置」という。)の構成について説明する。HMIとは、一般に、人間と機械との間で情報のやり取りを実現するための仕組みをいい、人間と機械とをつなぐ部分として構成される。本実施形態におけるHMI装置は、プラントを監視して制御するためのプラント監視システムと、プラントの運転を操作するオペレータとの間をつなぐ部分を担う装置である。
【0024】
図1に示すように、HMI装置1は、モニタ11と、表示画面制御部12と、キーボード制御部13と、シリアルポート接続部14と、ネットワーク接続部15と、デバイス状態受信部16と、発光状態情報生成部17と、発光状態記憶部18と、を有する。モニタ11には、例えばプラントの運転状態を表示する画面等を含むプラント監視システム用の各種画面111が表示される。
【0025】
シリアルポート接続部14には、プラント監視システム用に様式を特化した専用キーボード2が接続される。専用キーボード2は、シリアルケーブル4を介してシリアルポート接続部14に接続される。
【0026】
図2を参照して、専用キーボード2について説明する。専用キーボード2には、プラント監視システムのプラント制御に特化したキーの種類や配置、コネクタの形状、付加機能等が設けられる。専用キーボード2のキーには、複数のLED(発光部)付キー21が含まれる。各LED付キー21は、プラント内のいずれかのユニットに対応付けられている。ユニットとは、複数のデバイスをグループ化したときのグループ単位の総称である。各LED付キー21は、各ユニットに含まれるデバイスの状態に合わせて、そのユニットに対応するLEDを発光させる。LED付キー21は、LEDの発光状態を変化させることで、ユニットに含まれるデバイスの状態を表現する。LEDの発光状態は、色と点灯状態(点灯/点滅)との組み合わせで表す。デバイスとしては、例えば、流量センサ、圧力センサおよび温度センサ等の各種センサや、流量制御弁および圧力制御弁等の各種バルブ、ポンプおよびファン等の各種アクチュエータ等が該当する。
【0027】
なお、本実施形態では各LED付キー21をプラント内のいずれかのユニットに対応付けるが、これに限定されず、各LED付キー21をプラント内のいずれかのデバイスに対応付けることとしてもよい。
【0028】
図1に示すネットワーク接続部15には、PC端末3がネットワーク5を介して接続される。ネットワーク5は、イーサネット(登録商標)等の有線LANで構成してもよいし、無線LANで構成することとしてもよい。PC端末3は、図2に示す専用キーボード2の様式と同一の様式で機能する仮想キーボード33をモニタ32に表示する。仮想キーボード33の各キーをマウス等でクリックすると、そのキーと専用キーボード2上で同位置に配置されたキーを押下したときに出力されるキーコードと同一のキーコードが出力される。なお、仮想キーボード33を表示する端末は、PC端末であることに限定されず、例えばタブレットPC等の携帯型端末であってもよい。
【0029】
デバイス状態受信部16は、プラント内の各ユニットに含まれるデバイスの状態に関するデバイス状態情報をプラント監視システムから受信する。デバイス状態情報には、例えば、ユニットを一意に特定するためのユニットIDと、デバイスを一意に特定するためのデバイスIDと、アラーム等を含むデバイスの状態を示す状態コードとが含まれる。
【0030】
発光状態情報生成部17は、デバイス状態受信部16により受信されるデバイス状態情報に基づいて、発光状態情報を生成する。発光状態情報には、例えば、専用キーボード2および仮想キーボード33が備える各LEDを識別するためのLED識別番号と各LEDの発光状態とが含まれる。
【0031】
具体的に、発光状態情報生成部17は、デバイス状態情報のユニットIDに基づいて、このユニットIDに対応するLED識別番号を特定し、デバイス状態情報の状態コードに基づいて、この状態コードに対応する発光状態を特定することで、発光状態情報を生成する。
【0032】
発光状態記憶部18は、発光状態情報生成部17により生成された発光状態情報を記憶する。図3に、発光状態記憶部18に格納される発光状態情報の一例を示す。図3に示すように、発光状態情報は、データ項目として、例えば、LED識別番号項目および発光状態項目を有する。LED識別番号項目は、LEDを識別するための識別コードを格納する。発光状態項目は、LEDの発光状態を格納する。LEDの発光状態としては、例えば、“赤点灯”や、“黄点灯”、“赤点滅”、“無灯”等が該当する。
【0033】
図1に示すキーボード制御部13は、操作信号受信部131と、発光状態送信部132と、を有する。
【0034】
操作信号受信部131は、専用キーボード2から出力されるキーコードを含む操作信号を、シリアルポート接続部14を介して受信するとともに、仮想キーボード33から出力されるキーコードを含む操作信号を、ネットワーク接続部31を介して受信する。
【0035】
発光状態送信部132は、発光状態情報生成部17により生成された発光状態情報を、シリアルポート接続部14を介して専用キーボード2に送信するとともに、ネットワーク接続部31を介して仮想キーボード33に送信する。これにより、発光状態情報を専用キーボード2および仮想キーボード33に逐次送信することができるため、LEDの発光状態を通して最新のデバイス状態をオペレータに知らせることができる。
【0036】
発光状態送信部132は、ネットワーク接続部15に仮想キーボード33が接続したことを検知した場合に、接続してきた仮想キーボード33に対して、発光状態記憶部18に記憶されている発光状態情報を送信する。また、発光状態送信部132は、シリアルポート接続部14に専用キーボード2が接続したことを検知した場合に、接続してきた専用キーボード2に対して、発光状態記憶部18に記憶されている発光状態情報を送信する。これは、仮想キーボード33や専用キーボード2が、システム稼働中にHMI装置1に接続されることも想定されるため、そのような場合に、その時点における発光状態情報に応じて仮想キーボード33や専用キーボード2上の各LEDを発光させることとしたものである。
【0037】
これにより、システム稼働中に仮想キーボード33や専用キーボード2が接続された場合であっても、仮想キーボード33と専用キーボード2との間でそれぞれ対応するLEDの発光状態を一致させることができる。
【0038】
表示画面制御部12は、操作信号受信部131により受信される専用キーボード2の操作信号および仮想キーボード33の操作信号に対応するイベントに基づいてプラント監視システム用の各種画面111を制御する。
【0039】
上述したように、第1実施形態におけるHMI装置1によれば、専用キーボード2と仮想キーボード33との双方から入力された操作信号を、表示画面制御部12に送信することができるため、表示画面制御部12は一つのキーボードから入力された操作信号とみなしてシステム用の各種画面111を制御することができる。
【0040】
また、第1実施形態におけるHMI装置1によれば、発光状態情報を専用キーボード2と仮想キーボード33との双方に送信することができるため、専用キーボード2と仮想キーボード33とが、それぞれの間で対応するLEDの発光状態を一致させることができる。
【0041】
また、第1実施形態におけるHMI装置1によれば、仮想キーボード33を、HMI装置1のモニタ11上ではなく、PC端末3のモニタ32上に表示させることができる。したがって、HMI装置1のモニタ11上に表示されている各種画面111を仮想キーボード33で覆い隠してしまう事態や、HMI装置1のモニタ11上に表示されている各種画面111に対する入力フォーカスが仮想キーボード33上に切り替わってしまう事態を回避することができる。
【0042】
また、第1実施形態におけるHMI装置1によれば、専用キーボード2による操作結果と仮想キーボード33による操作結果とを合致させることができる。したがって、例えば、システムの動作検証を仮想キーボード33で行った場合には、専用キーボード2によるシステムの動作検証を省略することが可能となる。
【0043】
以上より、第1実施形態におけるHMI装置1によれば、専用キーボード2と仮想キーボード33とを併用することが可能となる。
【0044】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、プラント監視システムの監視対象が一つのシステムであったのに対し、第2実施形態では、監視対象が二つのシステムになる点で異なる。具体的には、図4に示すように、第2実施形態のHMI装置は、第1実施形態のHMI装置1に相当するシステムA用HMI装置1AとシステムB用HMI装置1Bとを統合した統合HMI装置1Cとして機能する。なお、第2実施形態では、説明の便宜のために、監視対象が二つのシステムである場合について説明するが、三つ以上のシステムを統合する場合であっても同様に適用することができる。
【0045】
図5を参照して、第2実施形態におけるHMI装置の構成について説明する。第2実施形態における統合HMI装置1Cが、上述した第1実施形態におけるHMI装置1と相違する点は、モニタ11にシステムA用の各種画面111AとシステムB用の各種画面111Bとがそれぞれ表示される点、表示画面監視部19が追加される点、および表示画面制御部12の機能の一部が異なる点である。それ以外の構成については、第1実施形態におけるHMI装置1の各構成と同様であるため、各構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略するとともに、以下においては、主に第1実施形態との相違点について説明する。
【0046】
なお、第2実施形態における統合HMI装置1Cは、第1実施形態におけるHMI装置1と同様に専用キーボードと仮想キーボードとを併用することもできるが、第2実施形態における統合HMI装置1Cでは、専用キーボードを接続しなくても、仮想キーボード33A、33Bを利用することで、各種画面111A、111Bを制御できることに特徴がある。
【0047】
図5に示す表示画面監視部19は、モニタ11に表示されている画面111A、111Bのうち、ユーザにより操作されている画面を特定するとともに、この特定した画面を識別するための画面識別信号を、ネットワーク接続部15に接続しているPC端末3と、表示画面制御部12とにそれぞれ送信する。どの画面が操作されているかは、例えば各画面上の入力フォーカスやカーソルの位置を監視することで判別できる。
【0048】
表示画面制御部12は、操作信号受信部131により受信される仮想キーボード33A、33Bの操作信号に対応するイベントに基づいて、モニタ11に表示されている画面111A、111Bのうち、表示画面監視部19により特定されている画面を制御する。
【0049】
PC端末3は、統合HMI装置1Cから受信した画面識別信号にしたがって、モニタ32に表示する仮想キーボードを、システムA用仮想キーボード33AまたはシステムB用仮想キーボード33Bのいずれか一方に切り替える。
【0050】
上述したように、第2実施形態における統合HMI装置1Cによれば、専用キーボード2を接続することなく、二つの仮想キーボード33A、33Bを切り替えながら操作することで、二つのシステム用の画面111A、111Bをそれぞれ制御することができるため、二つの仮想キーボードが存在することによって生ずるオペレータの操作ミスを回避することができる。
【0051】
また、第2実施形態における統合HMI装置1Cによれば、PC端末3のモニタ32上に表示されるシステムA用仮想キーボード33AとシステムB用仮想キーボード33Bとを、統合HMI装置1Cのモニタ11上で操作されている画面に合わせて自動的に切り替えさせることができるため、オペレータの操作性を向上させることができる。
【0052】
また、第2実施形態における統合HMI装置1Cによれば、発光状態情報を仮想キーボード33A、33Bに逐次送信することができるため、LEDの発光状態を通して最新のデバイス状態をオペレータに知らせることができる。
【0053】
また、第2実施形態における統合HMI装置1Cによれば、仮想キーボード33A、33Bが接続したことを検知した場合に、接続してきた仮想キーボード33A、33Bに対して、発光状態記憶部18に記憶されている発光状態情報を送信することができる。したがって、システム稼働中に仮想キーボード33A、33Bが接続された場合であっても、仮想キーボード33A、33BのLEDを、その時点のデバイス状態に合わせて的確に発光させることができる。
【0054】
また、第2実施形態における統合HMI装置1Cによれば、二つの仮想キーボード33A、33Bを、統合HMI装置1Cのモニタ11上ではなく、PC端末3のモニタ32上に表示させることができる。したがって、統合HMI装置1Cのモニタ11上に表示されている各種画面111A、111Bを仮想キーボード33A、33Bで覆い隠してしまう事態や、統合HMI装置1Cのモニタ11上に表示されている各種画面111A、111Bに対する入力フォーカスが仮想キーボード33A、33B上に切り替わってしまう事態等を回避することができる。
【0055】
以上より、第2実施形態におけるHMI装置1によれば、複数の仮想キーボード33A、33Bを併用することが可能となる。
【符号の説明】
【0056】
1…ヒューマン・マシン・インターフェース装置
2…専用キーボード
3…PC端末
4…シリアルケーブル
5…ネットワーク
11…モニタ
12…表示画面制御部
13…キーボード制御部
14…シリアルポート接続部
15…ネットワーク接続部
16…デバイス状態受信部
17…発光状態情報生成部
18…発光状態記憶部
19…表示画面監視部
21…LED付キー
31…ネットワーク接続部
32…モニタ
33…仮想キーボード
131…操作信号受信部
132…発光状態送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象となるシステム用の表示画面を表示する表示部と、
前記システム用に様式を特化した専用キーボードが接続可能な第一接続部と、
前記専用キーボードの様式と同一の様式で機能する仮想キーボードを表示する端末がネットワークを介して接続可能な第二接続部と、
前記第一接続部を介して入力される前記専用キーボードの操作信号および前記第二接続部を介して入力される前記仮想キーボードの操作信号をそれぞれ受信する操作信号受信部と、
前記操作信号受信部により受信される前記専用キーボードの操作信号および前記仮想キーボードの操作信号に対応するイベントに基づいて前記表示画面を制御する表示画面制御部と、
を備えることを特徴とするヒューマン・マシン・インターフェース装置。
【請求項2】
前記システムにより監視されるデバイスの状態に関するデバイス状態情報を前記システムから受信するデバイス状態受信部と、
前記デバイス状態受信部により受信される前記デバイス状態情報に基づいて、前記専用キーボードおよび前記仮想キーボードにおいて前記デバイスに対応して設けられる発光部を識別するための識別番号と前記発光部の発光状態とを含む発光状態情報を生成する発光状態情報生成部と、
前記発光状態情報を、前記第一接続部を介して前記専用キーボードに送信し、かつ前記第二接続部を介して前記仮想キーボードに送信する発光状態送信部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のヒューマン・マシン・インターフェース装置。
【請求項3】
前記発光状態情報生成部により生成された前記発光状態情報を記憶する発光状態記憶部を、さらに備え、
前記発光状態送信部は、前記第二接続部に前記仮想キーボードが接続したことを検知した場合、または前記第一接続部に前記専用キーボードが接続したことを検知した場合、当該検知した前記仮想キーボードまたは前記専用キーボードに対して、前記発光状態記憶部に記憶されている前記発光状態情報を送信する、
ことを特徴とする請求項2記載のヒューマン・マシン・インターフェース装置。
【請求項4】
制御対象となる複数のシステム用の表示画面を表示する表示部と、
前記各システム用に様式を特化した専用キーボードの様式とそれぞれ同一の様式で機能する、複数の仮想キーボードを表示する端末が接続可能な接続部と、
前記各表示画面のうち、ユーザにより操作されている前記表示画面を特定するとともに、当該特定した前記表示画面を識別するための信号を、前記接続部に接続している前記端末に送信する表示画面監視部と、
前記接続部を介して入力される前記仮想キーボードの操作信号を受信する操作信号受信部と、
前記操作信号受信部により受信される前記仮想キーボードの操作信号に対応するイベントに基づいて、前記各表示画面のうち、前記表示画面監視部により特定されている前記表示画面を制御する表示画面制御部と、
を備えることを特徴とするヒューマン・マシン・インターフェース装置。
【請求項5】
前記システムにより監視されるデバイスの状態に関するデバイス状態情報を前記システムからそれぞれ受信するデバイス状態受信部と、
前記デバイス状態受信部により受信される前記デバイス状態情報に基づいて、前記専用キーボードおよび前記仮想キーボードにおいて前記デバイスに対応して設けられる発光部を識別するための識別番号と前記発光部の発光状態とを含む発光状態情報を生成する発光状態情報生成部と、
前記発光状態情報を、前記接続部を介して前記仮想キーボードに送信する発光状態送信部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項4記載のヒューマン・マシン・インターフェース装置。
【請求項6】
前記発光状態情報生成部により生成された前記発光状態情報を記憶する発光状態記憶部を、さらに備え、
前記発光状態送信部は、前記接続部に前記仮想キーボードが接続したことを検知した場合に、当該検知した前記仮想キーボードに対して、前記発光状態記憶部に記憶されている前記発光状態情報を送信する、
ことを特徴とする請求項5記載のヒューマン・マシン・インターフェース装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−115555(P2013−115555A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258989(P2011−258989)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006666)アズビル株式会社 (1,808)
【Fターム(参考)】