Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
ヒンジキャップ
説明

ヒンジキャップ

【課題】キャップの開閉操作を阻害することなく、注出筒外周側の環状溝に滞留した内容液の流出を低減し得るヒンジキャップを提供する。
【解決手段】中栓5にヒンジ3を介して開閉自在に連結されたキャップ7から成り、前記中栓5の嵌合突部54と注出筒53の間に形成される環状溝56の溝底に液回り防止リブとしての複数の径方向リブ6を設けると共に、径方向リブ6の高さhを嵌合突部54の高さHよりも低くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器口部に固定される中栓にキャップを、ヒンジを介して開閉自在に連結したワンタッチ式のヒンジキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のヒンジキャップとしては、例えば特許文献1に記載のように、中栓の注出筒の付け根部を取り囲むように環状の嵌合突部が設けられ、キャップを閉じた際に、キャップのスカート部の下端部内周が、嵌合突部外周に嵌合するものが知られている。
スカート部下端部内周には、キャップを開閉する際に、嵌合突部外周に設けられた外向き突起を乗り越えるような内向き突起が設けられ、外向き突起と内向き突起の係合によって開閉時に節度感を持たせると共に、閉じた状態を保持するようになっていた。
【0003】
しかし、中栓の注出筒と嵌合突部の間には環状溝があり、内容液を注出した後のキャップや注出筒から垂れた内容液が環状溝に滞留し、この滞留した内容液が、次の注出時に嵌合突部を乗り越えて流出するという問題があった。
そこで、この問題の対応として環状溝自体を塞ぐことが考えられるが、従来、環状溝で受けるはずの垂れた内容液が、そのまま中栓表面に付着することになり、環状溝による一定量の垂れた内容液を堰き止める効果が得られなくなる。
また、キャップは、ヒンジを中心に旋回するので、キャップを閉じる際には、スカート部の下端開口部は嵌合突部に対して斜めに傾いた状態で嵌合し始め、完全に閉じた状態で、スカート部と嵌合突部の中心軸が一致するようになっている。この閉蓋時のスカート部の中心軸と嵌合突部の中心軸の傾きによる形状のずれは、嵌合突部及びスカート部の弾性変形によって吸収されるが、環状溝を閉じてしまうと嵌合突部の弾性変形が見込めなくなり、キャップの開閉操作に支障をきたすことになる。
特に、キャップのスカート部下端部の内向き突起と、嵌合突部の外向き突起の乗り越えがスムースにいかなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−51553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、キャップが嵌合する中栓の嵌合突部の弾性変形を阻害することなく、注出筒外周側の環状溝に滞留した液体の流出を低減し得るヒンジキャップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のヒンジキャップは、容器口部に固定される固定部、上方に突出する嵌合突部、及び注出筒を有する中栓と、該中栓にヒンジを介して開閉自在に連結されたキャップから成るヒンジキャップにおいて、前記嵌合突部と注出筒の間に形成される環状溝に、液回り防止リブとしての複数の径方向リブを設けると共に、該径方向リブの高さを前記嵌合突部の高さよりも低くしたことを特徴とする。
【0007】
本発明のヒンジキャップは、次のように構成することもできる。
1.前記径方向リブの高さを、前記嵌合突部外周の外向き突起の位置よりも低く設定する。
2.前記キャップのスカート部の下端に、下方に延びて中栓の固定部の上端に形成した段差部を覆う液飛散防止ガードを設ける。
3.前記キャップのスカート部の天板部近傍に指掛け部を設ける。
4.前記中栓の注出筒内の開口予定領域部を有する隔壁がすり鉢状の傾斜面とする。
5.前記中栓の注出筒の上端部が外側に湾曲するカール部とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のヒンジキャップによれば、内容液を注出する際に容器を傾けると、環状溝内に滞留した内容液は環状溝に沿って低い方向へ流動しようとするが、液回り防止リブとしての径方向リブによって内容液の流動が順次規制されるので、最も低い領域に集まる液量が低減され、嵌合突部から外側への流出を防止、あるいは流出したとしても流出量を低減させることができる。
また、液回り防止リブの高さは、嵌合突部の高さよりも低いので、嵌合突部の液回り防止リブよりも上方部分は内側へ自由に弾性変形可能であり、ヒンジを中心とするキャップの回転に起因するスカート部と嵌合突部の中心軸の傾きによる形状のずれを効果的に吸収でき、キャップの開閉操作が容易にできる。
【0009】
特に、液回り防止リブの高さを、嵌合突部外周の外向き突起の位置よりも低く設定しておけば、嵌合突部の弾性変形が見込めるため嵌合突部外周の外向き突起とスカート部内周の内向き突起の乗り越えがスムースに行われる。
また、キャップのスカート部下端に、中栓の固定部の上端に形成した段差部の当接面を覆う液飛散防止ガードを設ければ、キャップを閉める際に段差部に付着している内容液の飛沫が液飛散防止ガードに当たり、周囲への飛散が防止される。
【0010】
また、キャップの指掛け部を、天板部近傍に設けておけば、指掛け部に液が付着しにくくなり、操作時の指の汚れを防止できる。
更に、中栓の注出筒の上端部を外側に湾曲させたカール部とすることで、液切れが良くなり、外に垂れる液滴をより少なくすることができ、注出筒内に戻った液は、注出筒内の隔壁を開口部に向かって低くなるように傾斜させておくことで容器内に回収でき、余分な液が残存することが無くなり、汚れをより少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係るヒンジキャップを示すもので、(A)は閉じた状態の縦断面図、(B)は中栓の共回り防止リブ近傍の断面図、(C)はC部近傍の拡大図である。
【図2】図2(A)は図1のヒンジキャップの開状態の縦断面図、(B)は平面図である。
【図3】図3(A)及び(B)は液回り防止リブの変形例を示す図1(B)に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施の形態に係るヒンジキャップを示すもので、図において、1はヒンジキャップ全体を示しており、このヒンジキャップ1は、ヒンジ3を介して中栓5にキャップ7が開閉自在に取り付けられる構成となっている。
中栓5は、容器口部100に嵌合される二重円筒状の固定部51と、固定部51の上端から内向きに縮径形成された環状の段差部52を介して、上方に突出する嵌合突部54及び注出筒53と、を備えている。
中栓5の固定部51は、容器口部100外周に嵌合する外筒部51Aと、容器口部100内周に嵌合する内筒部51Bとを備え、外筒部51Aと内筒部51Bの上端が環状の段
差部52によって連結されている。この固定部51の外筒部51A内周には、内向きに突出する環状の固定用突起8が設けられ、容器口部100外周に設けた環状凹部101の上縁に係合して中栓5の抜け止めを図っている。また、固定用突起8と段差部52の間の谷部には、回り止め用リブ81が周方向に複数設けられ(図2(A)参照)、この回り止め用リブ81によって、容器口部100との締め代及び摩擦力を増大させて回りにくくしている。
【0013】
中栓5の注出筒53は円筒形状で、上端部には外側に湾曲するカール部53aが設けられている。この注出筒53の中途部には隔壁57が設けられ、開封前は隔壁57によって容器内部と外部が遮蔽されており、開封時に隔壁57に設けられたスコア57aを破断して使用に供される。すなわち、開封前の隔壁57には、開口予定領域57bを取り囲むようにスコア57aが形成されており、開口予定領域57bに、連結部58aを介してプルリング58が連結され、プルリング58を引張ることによってスコア57aが破断される。隔壁57は、不図示の開口部(図中、開口予定領域57bに対応する)に向かってすり鉢状、すなわち逆円錐形状に下方に向かって傾斜する傾斜面となっている。開封後は、キャップ7によってリシールされる。
【0014】
前記注出筒53外周と嵌合突部54内周との間には、所定幅の環状溝56が形成されており、この環状溝56には、環状溝56を周方向に区切る液回り防止リブとしての径方向リブ(液回り防止リブ)6が周方向に複数設けられている。この例では、12箇所に等配されている。この径方向リブ6の高さhは、図1(C)に示すように、嵌合突部54の高さHも低く(h<H)、さらに、この実施の形態では、嵌合突部54の外周に設けられた外向き突起55との位置よりも低く設定されている。
【0015】
前記径方向リブ6は、環状溝56に径方向、放射状に延びると共に環状溝56の底面から垂直に突出し、径方向の外側の端部が嵌合突部54の内周に接続され、径方向の内側の端部が注出筒53の外周に接続されている。また、本実施形態では、径方向リブの内方は中心に向かって放射状に設けられている。この環状溝56の底面は、嵌合突部54の外側に延びる段差部52の上面高さとほぼ等しく、円環状の平坦面である。そして、前述したように、径方向リブ6の高さhは嵌合突部54の高さHよりも低く、嵌合突部54は内側に撓み変形可能となっている。
【0016】
一方、キャップ7は、円形の天板部71と、天板部71の外径端から垂下する円筒状のスカート部72とを備え、天板部71の裏面には、注出筒53の上端部内周に嵌合するインナーリング73が突出形成されている。
キャップ7のスカート部72の下端部内周には、内向き突起74が設けられ、キャップ7を閉じる際に、このスカート部72下端の内向き突起74が中栓5の嵌合突部54外周に設けられた外向き突起55を乗り越えて、スカート部72の下端部内周が嵌合突部54外周に嵌合するようになっている。嵌合完了位置では、スカート部72の下端は中栓5の段差部52に当接し、嵌合突部54の外向き突起55の下縁にスカート部72の内向き突起74の上縁が係合するような位置関係に設定され、キャップ7の係合離脱の防止が図られている。
また、スカート部72の下端よりも天板部71近傍の外周には、キャップ7を開閉する際に指を掛けるための指掛け部75が設けられており、この指掛け部75は、スカート72のヒンジ3とは反対側の面に突出しており、全体として円弧状となっている。
さらに、スカート部72の下端側には、下方に延びてスカート部72の下端と、固定部51の上端に形成した段差部52の合せ面を覆う液飛散防止ガード76が設けられている。
この液飛散防止ガード76は、スカート72を所定長さだけ下方に延長した構成で、スカート部72の肉厚よりも薄肉にして、外表面がスカート部72の外表面と連続した面と
なるように構成されている。一方、中栓5の固定部51の外周面上端部には段凹部59が設けられ、この段凹部59を液飛散防止ガード76が覆うようになっている。
段凹部59と液飛散防止ガード76との対向面間には、僅かな隙間77が設けられており、内容液の飛散防止と共に内容液を毛細管現象によって隙間77に保持することができるようになっている。液飛散防止ガード76は、ヒンジ3の付近を除く範囲、図示例では、固定部51のほぼ4分3程度の周長分だけ設けられている。
【0017】
中栓5とキャップ7を連結するヒンジ3は、キャップ7と中栓5とを連結するもので、中栓5とキャップ7を射出成形によって一体的に成形する構成となっている。
【0018】
次に本実施の形態のヒンジキャップの作用について説明する。
内容液を注出する際には、ヒンジ3を支点としてキャップ7を開き、プルリング58を引張って隔壁57のスコア57aを破断して開口予定領域部57bを開口し、容器をヒンジ3と反対側(注出側)に傾けて、容器内の内容液を注出筒53から注出する。その際、環状溝56内に滞留した内容液は環状溝56に沿って低い方向に流動するが、径方向リブ6によって低い方向への流動が段階的に順次規制される。その結果、各径方向リブ6において堰き止められた分だけ周方向に分散して保持されることになり、最も低い領域に集まる内容液量が低減され、嵌合突部54を越えて外側へ流出することが防止され、あるいは流出したとしても流出量を低減することができる。
【0019】
前述したように径方向リブ6の高さhは、嵌合突部54の高さHよりも低いので、嵌合突部54の径方向リブ6よりも上方の部分は内側へ自由に弾性変形可能であり、ヒンジ3を中心としたキャップ7の回転に起因して生じるスカート部72と嵌合突部54の中心軸間の傾きによる形状のずれを効果的に吸収でき、キャップ7の開閉操作が容易にできる。
特に径方向リブ6の高さが、嵌合突部54外周の外向き突起55の位置よりも低く設定されているので嵌合突部54の弾性変形が見込めるため、開閉操作において、スカート部72内周の内向き突起74が嵌合突部54の外向き突起55をスムースに乗り越えることができる。
【0020】
そして、スカート部72のヒンジ3と反対側の面に、スカート部72下端と段差部52との当接部を覆う液飛散防止ガード76が設けられているので、キャップ7を閉じた際に、段差部52に付着している内容液の飛沫が液飛散防止ガード76に当たるため、周囲への飛散を防止することができる。
【0021】
また、この液飛散防止ガード76と固定部51の段凹部59との対向面間には僅かな隙間77が形成されているため、段差部52に内容液が付着しても液滴が隙間77に保持されて液だれを防止することができる。
【0022】
さらに、中栓5の注出筒53の先端形状をカール部53aとすることにより内容液の注出後の液切れが向上し、また、注出筒53内の開口予定領域部57bを有する隔壁57をすり鉢状の傾斜面とすることにより、注出後の中栓5に残存する内容液が容器内に戻りやすく、注出筒53の外周に付着する内容液による汚れが防止される。
なお、環状溝56に設ける径方向リブ6のパターンとしては、図1(B)に示すような放射状のパターンだけでなく、液回りを防止する種々のリブパターンとすることができる。
【0023】
図3には、液回り防止リブの変形パターンを示している。
図3(A)は、環状溝56の底面からこの環状溝56を径方向に区分する周方向リブ61を設けた例である。この例では周方向リブ61を環状溝56に沿って一周する円形のリブとして設けて環状溝56を径方向に2つに区分し、径方向リブ6の数を減らして6箇所
としている。周方向リブ61については、径方向リブ6のように直接、内容液の周方向の流動を規制するものではないが、細長い領域を形成することで流動抵抗を増大させる点で液回りを防止する効果がある。
また、環状溝56の全体の領域については、12分割であり、一つの区分領域の面積についてみれば、図1(B)に示す例とほぼ同じになっている。内容液の残留液は、環状溝56が傾斜しても、ぬれ性、粘性等によって、溝底面と周方向リブ及び径方向リブの隅角部を中心に付着しており、保持できる量は、区画された面積と相関関係があり、同じ面積としておけば同等の効果が得られる。
【0024】
図3(B)は、周方向リブを環状溝56に沿って一周する円形のリブとしてではなく、一周しない円弧状リブ62としたものである。この円弧状リブ62は、注出側の領域を、径方向に区分した構成である。内容液が集まる最下部側に円弧状リブ62を設けることにより、流動抵抗を増大させ嵌合突部54に向かう液体を制限する。この場合も、環状溝56全体の領域については、12分割であり、一つの区分領域の面積については、ほぼ同じである。
また、径方向リブについても、前記実施の形態では、径方向両端が嵌合突部と注出筒に隙間なく接続されているが、隙間があっても、内容液の流動を規制することは可能であり、両端或いは一方に隙間があってもよい。さらに、径方向リブは、径方向に対して放射状でなくてもよく、内容液の流動を規制可能な種々のリブ形状とすることができる。
【0025】
なお、前記実施の形態では、中栓が容器口部に嵌合固定される場合について説明したが、嵌合タイプではなく、ねじ固定でもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 ヒンジキャップ
3 ヒンジ
5 中栓
51 固定部、51A 外筒部、51B 内筒部
52 段差部
53 注出筒、53a カール部
54 嵌合突部
55 外向き突起
56 環状溝
57 隔壁、57a スコア、57b 開口予定領域
58 プルリング、58a 連結部
6 径方向リブ(液回り防止リブ)
61 周方向リブ
62 円弧状リブ
7 キャップ
71 天板部、72 スカート部、73 インナーリング、74 内向き突起
75 指掛け部、76 液飛散防止ガード、77 隙間
8 固定用突起
81 回り止め用リブ
100 容器口部、101 環状凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器口部に固定される固定部、上方に突出する嵌合突部、及び注出筒を有する中栓と、該中栓にヒンジを介して開閉自在に連結されたキャップから成るヒンジキャップにおいて、前記嵌合突部と注出筒の間に形成される環状溝に、液回り防止リブとしての複数の径方向リブを設けると共に、該径方向リブの高さを前記嵌合突部の高さよりも低くしたことを特徴とするヒンジキャップ。
【請求項2】
前記径方向リブの高さを、前記嵌合突部外周の外向き突起の位置よりも低く設定したことを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
【請求項3】
前記キャップのスカート部の下端に、下方に延びて中栓の固定部の上端の形成された段差部を覆う液飛散防止ガードが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒンジキャップ。
【請求項4】
前記キャップのスカート部の天板部近傍に指掛け部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のヒンジキャップ。
【請求項5】
前記中栓の注出筒内の開口予定領域部を有する隔壁がすり鉢状の傾斜面であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載のヒンジキャップ。
【請求項6】
前記中栓の注出筒の上端部が外側に湾曲するカール部であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載のヒンジキャップ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−95427(P2013−95427A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236727(P2011−236727)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】