説明

ヒンジリッド型パッケージ

【課題】被収容物が取り出し易いヒンジリッド型パッケージを提供する。
【解決手段】ヒンジリッド型パッケージは、リッド4を有するインナケース6と、インナケース6をスライド自在に収容するアウタボディ8とを有するヒンジリッド型パッケージにおいて、アウタボディ8は、一端が開口した直方体状をなしており、この開口端から一部が突出して設けられ、リッド4の開閉を案内するインナフレーム36と、アウタボディ8の内壁に配設され、インナケース6のスライド量を規制する舌片46とを有し、インナケース6は、商品を収容するためのケース本体12と、ケース本体12の固定後壁15に第2ヒンジ22を介して連結された可動後壁24と、可動後壁24に第1ヒンジ26を介して回動可能に連結されており、アウタボディ8の開口端を開閉するリッド4と、舌片46と係合する係合孔20とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒンジリッド型パッケージに関し、より詳しくは、その内部に収容した商品が取り出し易いヒンジリッド型パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタシガレットやシガレット等のたばこ商品は、大気、特に湿気に晒されると、その鮮度が低下し、また、環境下の不快なにおいを吸収することがある。このような不具合を防ぐため、たばこ商品のパッケージとしては、なるべく大気に晒さないようにするため、蓋付きのパッケージが採用されている。つまり、喫煙するためにたばこ商品を取り出すとき以外は、パッケージの蓋を閉めておき、鮮度の低下を極力防ぐようにしている。
【0003】
ここで、蓋付きのパッケージとしては、例えば、特許文献1に示される紙巻き煙草などのためのヒンジ蓋付きボックスのようなヒンジリッド型パッケージが各種提案されている。
従来公知のパッケージは、ボックス形状のアウタボディを含み、アウタボディはその上端に開口端を有する。アウタボディはその内部にインナパックを収容し、このインナパックは煙草の束と、この煙草の束を包み込む内包材とを有する。
【0004】
アウタボディの開口端はその後縁にヒンジを介してボックス形状のリッドを有し、リッドはヒンジを中心に回動し、開口端を開閉可能である。より詳しくは、パッケージはアウタボディとインナパックとの間にインナフレームを含み、このインナフレームはインナパックを囲むようなU字形状の横断面を有し、アウタボディの開口端を補強する。インナフレームは、アウタボディの開口端から突出する上端部分を有し、この上端部分はリッドの開閉を案内する。
【特許文献1】特開平8−58777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来公知のヒンジリッド型パッケージにおいては、そのリッドを開けてたばこ商品を取り出す際、リッドは、アウタボディの上端にヒンジを介して連結されているので、開状態のリッドとアウタボディとは互いの距離が比較的近い。そのため、たばこ商品を取り出すのにリッドが邪魔になる場合がある。
また、アウタボディ内において、内包されるたばこ商品の上端とインナフレームの上端とはほぼ同じ高さに位置しており、インナフレームが邪魔をしてたばこ商品がつまみづらいことがある。このため、インナフレームの前面部分は一部が切り欠かれている。しかしながら、インナフレームはリッドの開閉を案内する機能を果たすため、両側部分は切り欠くことはできない。そのため、特にたばこ商品が全本数入っている場合などは、端のたばこ商品を抜き取るのに依然として手間取る場合がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するために提案されたものであり、被収容物が取り出し易いヒンジリッド型パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の本発明のヒンジリッド型パッケージは、開口端を有するアウタボディと、前記開口端を開閉するヒンジリッドを有し、前記アウタボディ内に収容されたインナケースとを具備したことを特徴とするものである。
請求項2の本発明のヒンジリッド型パッケージは、請求項1に記載のヒンジリッド型パッケージにおいて、前記インナケースは、被収容物を収容するケース本体を含み、このケース本体の前面は開口されており、前記ヒンジリッドは、前記ケース本体の上端に設けられた第1ヒンジを介して回動自在に連結されており、前記アウタボディは、直方体状をなしており、前記開口端から一部が突出して設けられ、前記ヒンジリッドの開閉を案内するインナフレームを含むことを特徴とする。
【0008】
請求項3の本発明のヒンジリッド型パッケージは、請求項2に記載のヒンジリッド型パッケージにおいて、前記ケース本体は、前記第1ヒンジに連なる後壁と、前記第1ヒンジとの間の後壁部位を回動可能な可動後壁に形成する第2ヒンジとを備え、前記アウタボディ内にスライド自在に収容されており、前記可動後壁は、前記インナケースが前記アウタボディからスライドして引き出されたとき、前記アウタボディから外側に露出することを特徴とする。
【0009】
請求項4の本発明のヒンジリッド型パッケージは、請求項1,2又は3に記載のヒンジリッド型パッケージにおいて、前記インナケースのスライド量を規制するストッパ手段を更に具備したことを特徴とする。
請求項5の本発明のヒンジリッド型パッケージは、請求項4に記載のヒンジリッド型パッケージにおいて、前記ストッパ手段は、前記アウタボディの内面に設けられたストッパ部材と、前記インナケースに設けられ、前記ストッパ部材と係合する係合孔とを含むことを特徴とする。
【0010】
請求項6の本発明のヒンジリッド型パッケージは、請求項5に記載のヒンジリッド型パッケージにおいて、前記係合孔は、前記ケース本体の前記後壁に矩形状に形成され、前記ストッパ部材は、前記アウタボックスの前記内面から前記ケース本体の前記後壁側に突き出た舌片であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1乃至請求項6に記載の本発明のヒンジリッド型パッケージは、インナケースにヒンジリッドが連結されており、しかもこのインナケースは、アウタボディと別体である。このため、ヒンジリッドを開けるだけで被収容物を取り出せるとともに、インナケースをスライドさせることによっても被収容物を取り出すことができ、パッケージの開閉形態の自由度が高く斬新である。よって、消費者の購買意欲を促進させるアピール度を向上させることができる。特に、アウタボディの開口からインナケースを所定量突出させた場合、被収容物を取り出す際にインナフレームが邪魔にならず、被収容物を取り出しやすい。
【0012】
請求項2に記載の本発明によれば、インナフレームがアウタボディの開口端を補強するとともに、ヒンジリッドの開閉を案内する。また、ケース本体の前面は開口されているので、商品の取り出しが容易である。
請求項3に記載の本発明によれば、インナケースがスライドしてアウタボディから突出したのち、第2ヒンジを中心に可動後壁が回動して後方に傾斜させられるので、前記可動後壁の上部の第1ヒンジに連結されているヒンジリッドは、アウタボディから離れる。そのため、ヒンジリッドは、商品から離れ、商品の取り出しに際してヒンジリッドは邪魔にならず、商品がより取り出しやすくなる。
【0013】
請求項4に記載の本発明によれば、ストッパ手段により、インナケースがアウタボディから抜け落ちることが有効に防止される。
請求項5に記載の本発明によれば、アウタボディに設けられたストッパ部材と、インナケースに設けられた係合孔との係合によりインナケースのスライド量を規制することができる。
【0014】
請求項6に記載の本発明によれば、簡単な構成でストッパ手段を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係るスライド機能付きヒンジリッド型パッケージの実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至4は、一実施例のヒンジリッド型パッケージを示す。
このパッケージ2は、リッド4を有するインナケース6と、このインナケース6を収容するアウタボディ8とを備えている。インナケース6は2個のインナパック10を並列に収容可能な大きさを有し、各インナパック10は長さが95mmのスーパーキングサイズのたばこ商品10本を内包材により包み込んだものである。
【0016】
インナケース6は、図4に示すように、インナパック10を収容するためのケース本体12と、ケース本体12の上端に設けられた第1ヒンジ26を介して連結されたリッド4とを備えている。
ケース本体12は、後壁14と、後壁14の両側縁に連結された後壁14よりも短尺の側壁16と、後壁14の下端と側壁16の下端とに連結された底壁18とを備えている。
【0017】
後壁14は、矩形状をなしており、固定後壁15とその上部に連なる可動後壁24とを備えている。
固定後壁15は、その上下方向の寸法が両側縁の側壁16が連結されている部分と同じ寸法である。この固定後壁15の下部中央には平面視略矩形状の係合孔20が設けられている。係合孔20の下辺20aの両端部には、下方に延びる切込み20bが僅かに入れられている。これにより、係合孔20の下辺20aと切込み20bで囲まれる領域は、後壁14の背面側に僅かに撓むことができる。
【0018】
可動後壁24は、矩形状の板状の領域であり、固定後壁15の上端に第2ヒンジ22を介して回動可能に連結されている。より詳しくは、この第2ヒンジ22は、固定後壁15において両側壁16,16の上端間に亘って延びている。更に、可動後壁24の上端には第1ヒンジ26が設けられており、この第1ヒンジ26を介してリッド4が連結されている。
【0019】
リッド4は、第1ヒンジ26に連結されている矩形状の天板28と、天板28に対し直交するように連結された矩形状の前壁30と、天板28と前壁30の両側部に連結されている三角形状の側壁32とを備えている。リッド4は第1ヒンジ26を中心に回動可能となっている。また、両側の側壁32の内面においては、前壁30と接する部分に矩形状の凹部32aがそれぞれ設けられている。
【0020】
アウタボディ8は、図1乃至4に示すように、一端が開口した直方体状の箱体であり、アウタボックス34と、インナフレーム36とを備える。
アウタボックス34は、上端部が斜めに切り欠かれた箱体である。より詳しくは、アウタボックス34は矩形状の前壁38と、前壁38よりも高さ寸法が長尺な矩形状をなし、前壁38と対向配置された後壁40と、前壁38と後壁40との両側縁を相互に連結する側壁42と、前壁38、後壁40および側壁42の下端に連結された矩形状の底壁44とを備えている。ここで、側壁42の上端縁42aは前壁38の上端と後壁40の上端とを結ぶように傾斜している。そのため、アウタボックス34は、上端部に斜めの開口を有している。なお、この上端縁42aと前述したリッド4の側壁32の傾斜した下端縁とはリッド4が閉じたとき、互い合致する。
【0021】
また、アウタボックス34の内面、つまり、後壁40の内面には、舌片46が配設されている。より詳しくは、後壁40はその内面に貼付けられた矩形状の板材を有し、この板材には幅広のU字形をなす切り欠きが形成され、この切り欠きの中央部を起立させて舌片46としている。ここで、舌片46は、アウタボックス34の内部に下向きに突出する方向に起き上がるような癖をつけて折り曲げられている。
【0022】
インナフレーム36は、略U字形状をなし、前面フレーム48と前面フレーム48の両側縁に連結された側面フレーム50とを有する。インナフレーム36は、アウタボックス34の上端部の開口から部分的に突出した状態で、アウタボックス34の内面、すなわち、アウタボックスの前壁38および側壁42の内面に接着されている。前面フレーム48は、図3から明らかなように略矩形状の切り欠き凹所52を有している。切り欠き凹所52は、インナフレーム36の前面部分を大きく開き、たばこ商品の取り出しを容易にしている。また、前面フレーム48と側面フレーム50との間のコーナー部分には、側方に僅かに突出した耳片36aが設けられている。耳片36aは、リッド4の側壁32の内面に設けられた凹部32aと係合する位置に配設されており、リッド4が閉じられたとき、耳片36aと凹部32aとが相互係合して、リッド4をロックする。
【0023】
インナケース6およびリッド4は1枚のブランクから形作ることができ、そのブランク54は図5に示されている。
ブランク54は、ケース本体12の固定後壁部分となる固定後壁区域56およびリッド4となるリッド区域58とを有し、これら区域56,58は可動後壁24となる可動後壁パネル60を介して相互に接続されている。
【0024】
固定後壁区域56は、ケース本体12の固定後壁15となる後壁パネル62を有し、後壁パネル62は、第2ヒンジ22となるヒンジライン64を介して可動後壁パネル60と接続されている。後壁パネル62の両側縁には、ケース本体12の側壁16となる側壁フラップ66がそれぞれ接続されている。更に、後壁パネル62には、可動後壁パネル60とは反対側に位置して、ケース本体12の底壁18となる底壁パネル68が連なっている。底壁パネル68の両側縁には、側壁フラップ66に重ね合わされて接着されるインナボトムフラップ70が配置されている。なお、後壁パネル62には、図5からも明らかなように、上述した略矩形状の係合孔20が形成されている。
【0025】
リッド区域58は、リッド4の天板28の一部となる天板パネル72を有し、天板パネル72は、第1ヒンジ26となるヒンジライン73を介して可動後壁パネル60と接続されている。天板パネル72には、可動後壁パネル60とは反対側に位置して、リッドの前壁30の一部となる前壁パネル74が連なっている。前壁パネル74の両側縁には、アウタサイドフラップ76がそれぞれ接続されており、一方、天板パネル72の両側には、インナサイドフラップ78がそれぞれ接続されている。これらアウタ及びインナサイドフラップ76,78は互いに重ね合わされることで、リッド4の側壁32を形成する。ここで、インナサイドフラップ78には、アウタサイドフラップ76と隣接する辺の一部が矩形状に切り欠かれた切欠部80が形成されている。この切欠部80は、上述した側壁32の凹部32aとなる。また、前壁パネル74には、天板パネル72とは反対側に位置して、リッド4の前壁30の残部となるインナフロントフラップ82およびリッド4の天板28の残部となるインナトップフラップ84が順次接続されている。
【0026】
可動後壁パネル60はその両側縁に可動後壁パネル60の補強をなすインナサイドフラップ86を有し、これらインナサイドフラップ86は折り曲げられて可動後壁パネル60の内面と接着される。
アウタボディ8は、アウタボックス用ブランク88とインナフレーム用ブランク90とから形作ることができる。
【0027】
アウタボックス用ブランク88は、図6に示すように、アウタボックスの前壁38となる前面パネル92を有しており、前面パネル92の両側縁には、アウタボックスの側壁42となる側面パネル94がそれぞれ接続されている。前面パネル92の下端には、アウタボックス34の底壁44の一部となる底面パネル96が接続されている。
左右の側面パネル94の下端には、インナボトムフラップ98が接続されており、これらインナボトムフラップ98は底面パネル96に重ね合わされることで、底壁44の補強をなす。
【0028】
一方(例えば、図6中右側)の側面パネル94には、前面パネル92とは反対側に位置して、アウタボックス34の後壁40となる後面パネル100が連なっている。そして、後面パネル100の下端には、インナボトムフラップ102が接続され、このインナボトムフラップ102は底面パネル96およびインナボトムフラップ98と重ね合わされることで、アウタボックス34の底壁44の残部を形成する。
【0029】
また、他方(例えば、図6中左側)の側面パネル94には、前面パネル92とは反対側に位置して、前述した舌片46を備えた板材となる舌片フラップ104が連なっている。
インナフレーム用ブランク90は、図7に示すように、インナフレーム36の前面フレーム48となる前面パネル106を有し、前面パネル106の両側縁には、インナフレーム36の側面フレーム50となる側面フラップ108が連なっている。ここで、インナフレーム用ブランク90は、前面パネル106の切り込み凹所52の両側に切込み110をそれぞれ有しており、これら切込み110は、図7中鎖線で示した前面パネル106と側面フラップ108との間の折り込み線と重ね合わせて形成され、前面パネル106側に向けて開いた縦長の略コの字形状をなしている。切込み110は、インナフレーム用ブランク90を折り込み線に沿って折り込んだ際に、側面フレーム50から外側に僅かに突出し、上述した耳片36aとなる。
【0030】
本実施例の場合、ブランク54,88,90は紙材からなり、それらの秤量は180〜270g/m、それらの厚みは0.2〜0.5mmである。なお、具体的には、ブランク54,88,90はカード紙、マニラボール紙等の何れであってもよい。上述したブランク54,88,90は、図5〜7中鎖線で示した折り込み線からそれぞれ折り込まれて、インナケース6、アウタボディ8がそれぞれ成形され、この折り込み成形により、図1に示すようなリッド4を閉じた状態のパッケージ2が得られる。
【0031】
より詳しくは、パッケージ2の折り込み成形を行う際、まず、ブランク54の折り込み成形が行われる。すなわち、可動後壁パネル60および固定後壁区域56では、インナサイドフラップ86が折り曲げられて可動後壁パネル60に糊付けされ、そして、後壁パネル62および可動後壁パネル60上にインナサイドフラップ86を介して2個のインナパック10が載置され、この状態で、2個のインナパック10に対して、側壁フラップ66、底壁パネル68およびインナボトムフラップ70の折り込みがなされ、これらは相互に糊付けされる。また、リッド区域58では、インナフロントフラップ82およびインナフロントフラップ84がそれぞれ対応する前壁パネル74および天板パネル72の内面に向けて折り込まれて糊付けされる。このようにしてインナパック10を備えたインナケース6の中間体が得られる。
【0032】
この後、アウタボックス用ブランク88において、まず、二点鎖線で示すように前壁パネル92および側壁パネル94にオーバーラップさせてインナフレーム用ブランク90を糊付けする。そして、上述の中間体を舌片フラップ104上に載置し、舌片フラップ104と後壁パネル62と重ね合わせる。この状態で、公知の如く、中間体の回りにブランク88を折り込むとともに、中間体の残りの部分を折り込んでいくことで、リッド4を備えたインナケース6がアウタボックス8に囲繞された図1に示すパッケージ2が成形される。ここで、後壁パネル100の内面に舌片フラップ104は糊付けされた状態にある。
【0033】
このようにしてヒンジリッド型パッケージにたばこ商品が包装されると、この後、個々のパッケージは、例えば、透明フィルムで外包される。
このパッケージ2を購入した消費者は、まず、外包フィルムを開封し、そして図2に示すようにリッド4を第1ヒンジ26を中心とした回動により開く。この状態でたばこ商品の取り出しは可能であるが、本実施例のパッケージ2においては、その後、更に、リッド4をつまみ上げながらリッド4に連結されているインナケース6をアウタボディ8から引き上げる。これにより、インナケース6に収容されているインナパック10がアウタボディ8から突出してくる。ここで、インナケース6がアウタボディ8内を上方へ移動すると、アウタボディ8における内壁の舌片46がインナケース6の係合孔20に挿通されていく。つまり、舌片46はアウタボディ8の内方に向けて起き上がるような癖をつけて折り曲げられているので、ケース6の後壁14に当接している間は、後壁14に沿っているが、係合孔20にさしかかると、舌片46の先端は係合孔20内に入り込んでいく。さらに舌片46が係合孔20内を進むと係合孔の下縁20aが舌片46の付根に当接し、それ以上はインナケース6が進まなくなる。つまり、舌片46と係合孔20との係合により、インナケース6のスライド量は規制される。本実施例においては、アウタボディ8の上端から第2ヒンジ22が露出する位置でケース6のスライドが止められるような位置に、舌片46および係合孔20の位置が設定されている。
【0034】
このようにしてアウタボディ8の上端から第2ヒンジ22が露出すると、可動後壁24は第2ヒンジ22を中心に回動可能となるので、第2ヒンジ22を中心に可動後壁24を回動させることにより可動後壁24の先端に連なるリッド4をインナパック10から大きく離すことができる。消費者はこの状態でインナパック10を開封して中からたばこを取り出す。このように本発明のスライド機能付きヒンジリッド型パッケージは、インナパック10をアウタボディ8から突出させることができるとともに、2つのヒンジの働きによりリッド4をインナパック10から離せるので、たばこ商品の取り出しが容易となる。
【0035】
逆に、インナパック10を収納する場合は、インナケース6をアウタボディ8内へ押し込んでいく。これにより、係合孔20も下がっていき、舌片46は、係合孔20から抜き出され、ケース6の後壁14とアウタボックス34の後壁40との間に挟まれた状態となる。最終的にインナケース6がアウタボディ8の底面板44に当接したところで、リッド4を被せることにより、パッケージ2を閉じることができる。
【0036】
再度たばこを取り出す際は、上記と同じようにリッド4を開け、ケース6をアウタボディ8から引き上げればよい。
このように、本発明に係るパッケージは、リッドを閉じることにより、たばこ商品の鮮度の低下を抑えることができ、しかも消費者がパッケージを購入後、そのパッケージ内にインナパック10をリフィルとして詰め込むためのたばこ用ケースとして使用する場合の利便性にも優れている。
【0037】
本発明は上述した一実施例に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本実施例では、スーパーキングサイズのたばこ商品の10本パックを2個収容するタイプについて説明したが、長さが85mm程度のキングサイズのたばこ商品20本を収容するインナパック1個を収容するタイプに適用しても構わない。また、収容できる被収容物としては、たばこ商品に限定されるものではなく、お菓子などの食品等他の商品であってもよく、本発明のヒンジリッド型パッケージは、これら商品のパッケージとしても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施例に係るヒンジリッド型パッケージのリッドを閉じた状態を示す斜視図である。
【図2】実施例に係るヒンジリッド型パッケージのリッドを開いた状態を一部切り欠いて示す斜視図である。
【図3】実施例に係るヒンジリッド型パッケージのリッドを開き、インナケースをスライドさせて引き出した状態を示す斜視図である。
【図4】実施例に係るヒンジリッド型パッケージの構成の一部を切り欠いて示した分解斜視図である。
【図5】リッドを有するインナケースを構成するブランクの展開図である。
【図6】アウタボックスを構成するブランクの展開図である。
【図7】インナフレームを構成するブランクの展開図である。
【符号の説明】
【0039】
2 パッケージ
4 リッド
6 インナケース
8 アウタボディ
10 インナパック
12 ケース本体
14 後壁
15 固定後壁
20 係合孔
22 第2ヒンジ
24 可動後壁
26 第1ヒンジ
46 舌片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口端を有するアウタボディと、
前記開口端を開閉するヒンジリッドを有し、前記アウタボディ内に収容されたインナケースと
を具備したことを特徴とするヒンジリッド型パッケージ。
【請求項2】
前記インナケースは、被収容物を収容するケース本体を含み、このケース本体の前面は開口されており、
前記ヒンジリッドは、前記ケース本体の上端に設けられた第1ヒンジを介して回動自在に連結されており、
前記アウタボディは、直方体状をなしており、前記開口端から一部が突出して設けられ、前記ヒンジリッドの開閉を案内するインナフレームを含むことを特徴とする請求項1のヒンジリッド型パッケージ。
【請求項3】
前記ケース本体は、前記第1ヒンジに連なる後壁と、前記第1ヒンジとの間の後壁部位を回動可能な可動後壁に形成する第2ヒンジとを備え、前記アウタボディ内にスライド自在に収容されており、
前記可動後壁は、前記インナケースが前記アウタボディからスライドして引き出されたとき、前記アウタボディから外側に露出することを特徴とする請求項2に記載のヒンジリッド型パッケージ。
【請求項4】
前記インナケースのスライド量を規制するストッパ手段を更に具備したことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のヒンジリッド型パッケージ。
【請求項5】
前記ストッパ手段は、
前記アウタボディの内面に設けられたストッパ部材と、
前記インナケースに設けられ、前記ストッパ部材と係合する係合孔と
を含むことを特徴とする請求項4に記載のヒンジリッド型パッケージ。
【請求項6】
前記係合孔は、前記ケース本体の前記後壁に矩形状に形成され、
前記ストッパ部材は、前記アウタボックスの前記内面から前記ケース本体の前記後壁側に突き出た舌片であることを特徴とする請求項5に記載のヒンジリッド型パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−98735(P2011−98735A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42858(P2008−42858)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【出願人】(502394520)日本紙パック株式会社 (33)
【Fターム(参考)】