説明

ヒンジ装置

【課題】電子機器の表示部と本体部とを回転可能に連結するヒンジ装置であって、本体部に対して表示部を回転させた際にケーブル挿通孔を通り本体部と表示部を電気的に接続するケーブルの捩れがより少ないヒンジ装置を提供すること。
【解決手段】電子機器の本体部と連結されるベースプレート11と、ベースプレート11に対して回転可能に配設され、電子機器の表示部と連結される回転体12とを有し、回転体12には、表示部と本体部とを電気的に接続するケーブルが挿通される貫通孔が形成され、貫通孔周りに回転体12が回転するヒンジ装置10であって、貫通孔は、一方側が長方形状に開口し、他方側が長方形状の短手方向の長さよりも大きな径の円形状に開口している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の表示部と本体部とを回転可能に連結するヒンジ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上述のようなヒンジ装置として、所謂コンバーチブル型タブレットPCと呼ばれるノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、ノート型PCと記す)に使用されているヒンジ装置(例えば、特許文献1参照)がある。
【0003】
以下、この種のノート型PCに使用されるヒンジ装置について、図13〜図15に基づいて説明する。このヒンジ装置101は、ノート型PCの表示部と本体部とを2軸周りに回転可能に連結するものである。ヒンジ装置101は、ベースプレート102と、ベースプレート102に対して回転可能に配設されている回転体103と、を有している。
【0004】
ベースプレート102は、ノート型PCの本体部に固定される部分であり、略板状に形成されている。ベースプレート102の中央部分には、表裏を貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔に、回転体103が挿通されている。回転体103は、表示部が連結される部分であり、上下に伸びる胴体部104と、胴体部104の上部から左右に延在する腕部105と、から構成されている。
【0005】
腕部105の左右両端部には、表示部に固定される回転部材106が配設されている。回転部材106は、腕部105の延在方向に伸びる回転軸周りに回転するように配設されている。従って、回転部材106に表示部が固定された際には、表示部が腕部105に対して、腕部105の延在方向に伸びる回転軸周りに回転するようになっている。
【0006】
また、胴体部104の上部は、直方体状に形成された表示部側胴体部104aとなっている。表示部側胴体部104aは、表示部の厚みと同程度の厚みに形成されている。また、この表示部側胴体部104aの長手方向両側面から腕部105が延在している。胴体部104の下部は、略円柱状に形成された本体部側胴体部となっている。本体部側胴体部と表示部側胴体部104aの間は、本体部側胴体部よりも大きな径の円盤状に形成された円盤状部107となっている。
【0007】
また、胴体部104には、上下に貫通するケーブル挿通孔108が形成されている。ケーブル挿通孔108は、表示部側胴体部104aと円盤状部107と本体部側胴体部とを上下に貫通するように形成されている。また、ケーブル挿通孔108は、断面が略長方形状に形成され、本体部側胴体部の中心軸と同軸配置となっている。ケーブル挿通孔108には、本体部と表示部とを電気的に接続するケーブルが挿通される。回転体103は、ケーブル挿通孔108の中心軸を回転軸として回転するようにベースプレート102に配設されている。
【0008】
回転体103は、本体部側胴体部を複数のリング状の回転位置決め部材109a,109bに挿通するとともに、ベースプレート102の貫通孔に挿通させ、円盤状部107とベースプレート102の上面によって回転位置決め部材109a,109bを挟持するようにしている。本体部側胴体部の先端部は、ベースプレート102の貫通孔から突出し、リング状の回転位置決め部材109cとスプリング部材110とに挿通されている。本体部側胴体部の先端側端部には、リング板状のボトムプレート111が2本のネジ112によって固定されている。ボトムプレート111は、本体側胴体部104の径よりも大きな径に形成され、ボトムプレート111とベースプレート102によって回転位置決め部材109cとスプリング部材110を挟持するようになっている。
【0009】
このヒンジ装置101は、ボトムプレート111によりスプリング部材110と回転位置決め部材109cをベースプレート102に押圧して、回転位置決め部材109c及び回転位置決め部材とベースプレート102との間に働く摩擦力によって、表示部を回転した際の操作の重みを出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−340383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上述のようなヒンジ装置101を備えたノート型PCにおいて、表示部を本体部に対して、上下方向に延在する回転軸周りに回転させた際に、即ち、回転体103をベースプレート102に対してケーブル挿通孔108の中心軸周りに回転させた際に、ケーブルが大きく捩れるという問題があった。特に、ケーブル挿通孔108内に挿通させているケーブルの中でも、ケーブル挿通孔108の矩形断面の長手方向端部付近に位置するケーブルが、ケーブル挿通孔108の回転に伴って大きく捩れ易いという問題があった。また、このような問題は、ケーブル挿通孔108の短手方向の幅を大きくすれば解決可能であるが、表示部側本体部は、表示部の厚さと同程度の厚さに形成する必要があるため、ケーブル挿通孔108の短手方向の幅を大きくすることには限界がある。
【0012】
そこで、本発明はこのような従来の問題に鑑み、電子機器の表示部と本体部とを回転可能に連結するヒンジ装置であって、本体部に対して表示部を回転させた際にケーブル挿通孔を通り本体部と表示部を電気的に接続するケーブルの捩れがより少ないヒンジ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、所期の目的を達成するための本発明にかかるヒンジ装置は、電子機器の本体部と連結されるベースプレートと、該ベースプレートに対して回転可能に配設され、前記電子機器の表示部と連結される回転体とを有し、該回転体には、前記表示部と前記本体部とを電気的に接続するケーブルが挿通される貫通孔が形成され、該貫通孔周りに前記回転体が回転するヒンジ装置であって、前記貫通孔は、一方側が長方形状に開口し、他方側が前記長方形状の短手方向の長さよりも大きな径の円形状に開口していることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のヒンジ装置は、上記構成に加えて、前記回転体は、内孔が前記貫通孔となっている円筒状の胴体部と、該胴体部の外周から突出したリング状の張り出し部と、を有し、前記胴体部を前記ベースプレートに形成された貫通孔に挿通させるとともに、外周面にネジ溝が形成された円筒状のネジ部材を前記胴体部の貫通孔に嵌入させ、前記ネジ部材の頭部と前記張り出し部によって、ベースプレートを挟持していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のヒンジ装置は、電子機器の本体部と連結されるベースプレートと、ベースプレートに対して回転可能に配設され、電子機器の表示部と連結される回転体とを有し、回転体には、表示部と本体部とを電気的に接続するケーブルが挿通される貫通孔が形成され、貫通孔周りに回転体が回転するヒンジ装置において、貫通孔が、一方側が長方形状に開口し、他方側が長方形状の短手方向の長さよりも大きな径の円形状に開口するようにしているので、特に、他方側の開口部において、回転体を回転させた際の表示部と本体部とを接続するケーブルの捩れを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかるヒンジ装置を適用した電子機器を示す斜視図である。
【図2】図2は、同上のヒンジ装置を示す斜視図である。
【図3】図3は、同上のヒンジ装置を示す分解斜視図である。
【図4】図4は、同上のヒンジ装置を示す正面図である。
【図5】図5は、同上のヒンジ装置を示す平面図である。
【図6】図6は、同上のヒンジ装置の回転した状態を示す平面図である。
【図7】図7は、同上のヒンジ装置を示す底面図である。
【図8】図8は、同上のヒンジ装置を示す断面図である。
【図9】図9は、同上のヒンジ装置にケーブルを挿通した状態を示す断面図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態にかかるヒンジ装置を適用した電子機器を示す斜視図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態にかかるヒンジ装置を適用した電子機器を示す斜視図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態にかかるヒンジ装置を適用した電子機器を示す斜視図である。
【図13】図13は、従来のヒンジ装置を示す斜視図である。
【図14】図14は、従来のヒンジ装置を示す正面図である。
【図15】図15は、従来のヒンジ装置を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明にかかるヒンジ装置の実施の形態を図1〜図12に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明であるヒンジ装置を適用した電子機器の実施形態の1つであるノート型PC1を示している。このノート型PC1は、所謂コンバーチブル型のタブレットPCである。ノート型PC1は、本体部2と、表示部3と、これらを回転可能に連結するヒンジ装置10とを有している。
【0018】
本体部2は、平面視矩形状の平板状に形成されている。本体部2内には、CPU等の制御手段や、メモリ、ハードディスク等の記憶手段や、電源装置等のコンピュータを構成する部品を備えている。本体部2の上面には、入力装置としてキーボード4が配設されている。キーボード4は、文字や記号が印字された複数のキートップ4aを備えている。操作者が、キートップ4aを押下するとそのキートップ4aに対応した信号が本体部2内の制御手段に入力されるようになっている。表示部3は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの表示装置を備えている。表示部3は、平板状に形成され、一面に表示装置の表示面3aが配設されている。
【0019】
このヒンジ装置10は、ノート型PC1の本体部2と表示部3とを2軸周りに回転可能に連結するものである。ヒンジ装置10は、図2に示すように、ベースプレート11と、ベースプレート11に対して回転可能に配設されている回転体12と、を有している。
【0020】
ベースプレート11は、ノート型PC1の本体部2に固定される部分であり、略板状に形成されている。ベースプレート11の中央部分には、図3に示すように、表裏を貫通する貫通孔11aが形成されている。貫通孔11aは、平面視円形状に形成されている。また、ベースプレート11には、クリック用孔11bが形成されている。クリック用孔11bは、ベースプレート11の下面に開口しており、貫通孔11aを挟んで左右の2箇所に形成されている。このベースプレート11の貫通孔11aには、回転体12が挿通される。
【0021】
回転体12は、表示部3が連結される部分であり、上下に伸びる胴体部13と、胴体部13の上部から左右に延在する腕部14と、から構成されている。腕部14は、基端部が断面略U字形の樋状に形成され、その延在方向先端側は、略円柱状に形成されている。この円柱状部分の基端部14aは、先端側の円柱状部分よりも径の大きな円柱状に形成されている。この円柱状の部分には、回転部材15が配設されている。回転部材15は、腕部14の延在方向に伸びる回転軸周りに回転するように配設されている。従って、回転部材15に表示部3が固定された際には、表示部3が腕部14に対して、腕部14の延在方向に伸びる回転軸周りに回転するようになっている。
【0022】
回転部材15は、腕部挿入部15aと表示部固定部15bとを備えている。腕部挿入部15aは、板状に形成され、表裏を貫通する貫通孔を備えている。この貫通孔に腕部14の先端部が挿通される。表示部固定部15bは、略板状に形成され、腕部挿入部15aの端部から略垂直に腕部14の先端方向に延在するように配設されている。また表示部固定部15bの延在方向先端部は、側方に折り返されて固定部15cが形成されている。この固定部15cに表示部3が固定される。
【0023】
回転部材15の腕部挿入部15aの前後には、複数の回転位置決め部材17a,17b,17c,17dが腕部14に挿通されて配設されている。また、腕部14の先端には、ボルト16が配設されており、このボルト16の頭部と腕部14の基端部14aとによって、腕部挿入部15a及び回転位置決め部材17a,17b,17c,17dが挟持されている。この回転位置決め部材17a,17b,17c,17dによって、表示部3を回転させた際に任意の位置で表示部3の姿勢が保たれるようになっている。
【0024】
一方、胴体部13は、表示部側胴体部13aと張り出し部13bと本体部側胴体部13cとを備えている。表示部側胴体部13aは、胴体部13の上部の直方体状に形成された部分である。表示部側胴体部13aは、表示部3の厚みと同程度の厚みに形成されている。また、この表示部側胴体部13aの長手方向両側面から腕部14が延在している。本体部側胴体部13cは、胴体部13の下部の略円柱状に形成された部分である。本体部側胴体部13cの外周面には、後述する位置決め部材21,23及びスプリング部材24の内周面側に形成された突部21a,23a,24aが嵌る溝部18が複数形成されている。張り出し部13bは、本体部側胴体部13cと表示部側胴体部13aの本体部側胴体部13cよりも大きな径のリング状に形成された部分である。
【0025】
胴体部13には、図5〜図9に示すように、上下に貫通する貫通孔であるケーブル挿通孔19が形成されている。ケーブル挿通孔19には、本体部2と表示部3とを電気的に接続する複数のケーブル群Aが挿通される。ケーブル挿通孔19は、表示部側胴体部13aと張り出し部13bと本体部側胴体部13cとを上下に貫通するように形成されている。ケーブル挿通孔19は、表示部側胴体部13aにおいては断面略矩形状に形成され、本体部側胴体部13cにおいては断面略円形状に形成されている。また、ケーブル挿通孔19は、ケーブル挿通孔19が表示部側胴体部13aから本体部側胴体部13cにかけて滑らかに連続するように、表示部側胴体部13aにおけるケーブル挿通孔19の長手方向端面がテーパー状に形成されている。ケーブル挿通孔19は、回転体12の回転軸Lと同軸配置となるように形成されている。本体部側胴体部13cの先端部側におけるケーブル挿通孔19の内周面には、ネジ溝19aが切られている。
【0026】
本体部側胴体部13cの外周には、順に、第一位置決め部材21、第二位置決め部材22、ベースプレート11、第三位置決め部材23、スプリング部材24が挿通されている。第一位置決め部材21と第二位置決め部材22はリング状に形成されている。第一位置決め部材21の内周には、前述した本体部側胴体部13cの外周に形成された溝部18に嵌合される突部21aが複数形成されている。第二位置決め部材22は、その外周から突出する係止部22aを備えている。第三位置決め部材23とスプリング部材24もリング状に形成され、その内周に前述した本体部側胴体部13cの外周に形成された溝部18に嵌合される突部23a,24aが複数形成されている。また、第三位置決め部材23の上面には、図示せぬ突起が形成されている。この突起がベースプレート11のクリック用孔11bに嵌まった際にクリック感が生じるようになっている。スプリング部材24は、外周側より内周側が下側に突出するように形成されている。
【0027】
更に、本体部側胴体部13cの先端部には、略円筒状に形成されたネジ部材25が嵌合されている。ネジ部材25は、外周にネジ溝26aが切ってある円筒状のネジ部26と、ネジ部26の端部から外側に張り出すようにリング状に形成されたフランジ部27とを有している。フランジ部27のリング状の部分の一部であって対称な部分は、切り欠いてあってネジ部材25をねじ込む際の把持部となっている。ネジ部材25は、ネジ部26の外周に形成されたネジ溝26aを本体部側胴体部13cの内周に形成されたネジ溝19aに嵌合させるようにして本体部側胴体部13cに配設されている。従って、ネジ部材25の内孔がケーブル挿通孔19の一部を構成する。ネジ部材25を締め付けると、ネジ部材25のフランジ部27がスプリング部材24を押圧するようになっている。そして、ネジ部材25のフランジ部27と本体部側胴体部13cとによって、第一位置決め部材21、第二位置決め部材22、ベースプレート11、第三位置決め部材23、スプリング部材24を挟持している。
【0028】
回転体12は、円筒状に形成された本体部側胴体部13cの中心軸L周りに、ベースプレート11に対して回転する。換言すると、回転体12は、ケーブル挿通孔19周りに回転する。回転体12は、図5に示す状態から回転軸Lの周りに約180度回転するようになっている。また、回転体12の時計回りと反時計回りと両方に回転することができるようになっている。この際に、第一位置決め部材21、第三位置決め部材23、スプリング部材24は、それぞれ突部21a,23a,24が溝部18に嵌合されているため、本体部側胴体部13cと一体に、ベースプレート11に対して回転する。
【0029】
また、第二位置決め部材22の上面には、図示せぬ突起が形成されており、第一位置決め部材21の下面に形成された図示せぬ凹部に嵌るようになっている。第二位置決め部材22は、前述の突起が第一位置決め部材21の凹部嵌った状態では、第一位置決め部材21とともに回転するようになっている。また、回転体12を回転させた際には、第二位置決め部材22の係止部22aがベースプレート11の上面に形成された図示せぬ当接部に当接し、第二位置決め部材22の回転がとまるようになっている。そして、第二位置決め部材22の回転が止まった際に、更に回転体12を回転させると、第二位置決め部材22の突起が第一位置決め部材21の凹部から外れるようになっている。
【0030】
このヒンジ装置10は、ベースプレート11と、第二位置決め部材22及び第三位置決め部材23との間の摩擦及び、第一位置決め部材21と第二位置決め部材22との間の摩擦によって表示部3を回転した際の操作の重みを出している。従って、この操作の重みは、ネジ部材25の締め付け具合によって調整することができる。
【0031】
また、ヒンジ装置10においては、本体部側胴体部13cを円筒状に形成するとともに内周面にネジ溝19aを形成し、外周面にネジ溝26aを形成したネジ部材25を嵌めることにより、各位置決め部材を挟持している。従って、従来の2つのネジによって、ネジ止めするスペースが必要なく、ケーブル挿通するためのスペースを大きくとることができる。即ち、従来のヒンジ装置よりもケーブル挿通孔を大きくすることができる。従って、表示部3を本体部2に対して回転軸Lの周りに回転させた際のケーブルAの捩れを低減させることができる。特に、ケーブル挿通孔19のネジ部材25によって構成されている部分を通る部分のケーブルAの捩れを低減することができる。
【0032】
上述のように構成されたヒンジ装置10は、ノート型PC1において、図10に示すように、表示部3が、本体部2の上面を覆う閉塞位置と、同上面を開放する位置である開放位置との間を開閉するように表示部3と本体部2とを連結している。より詳細には、回転部材15が腕部14の中心軸周りに回転することによって表示部3が本体部2に対して開放位置と閉塞位置との間を移動する。また、回転位置決め部材17a,17b,17c,17dによって、表示部3が任意の角度で姿勢を保持した状態とすることができるようになっている。
【0033】
更に、表示部3は、回転体12をベースプレート11に対して回転軸Lの周りに回転させることにより、図11に示すように、本体部2に対して水平方向に約180度回転させることができる。この表示部3が開放位置であって表示面3aが背面側を向いた状態から、腕部14に対して回転部材15を回転させることにより、表示部3を腕部14の延在方向に延在する回転軸周りに閉じ方向に回転させると、図12に示す、表示部3が本体部2に覆いかぶさった状態であって、表示面3aが本体部2とは反対側向き(図において上向き)の状態であるタブレット使用状態となる。
【0034】
尚、本実施の形態においては、本発明のヒンジ装置を電子機器であるノート型PCに適用した場合について説明したが、本発明を他の電子機器、例えば携帯型電話機等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
A ケーブル群
L 回転軸
10 ヒンジ装置
11 ベースプレート
12 回転体
13 胴体部
13a 表示部側胴体部
13b 張り出し部
13c 本体部側胴体部
14 腕部
15 回転部材
19 ケーブル挿通孔(貫通孔)
19a ネジ溝
21 第一位置決め部材
22 第二位置決め部材
23 第三位置決め部材
24 スプリング部材
25 ネジ部材
26a ネジ溝
26 ネジ部
27 フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の本体部と連結されるベースプレートと、
該ベースプレートに対して回転可能に配設され、前記電子機器の表示部と連結される回転体とを有し、
該回転体には、前記表示部と前記本体部とを電気的に接続するケーブルが挿通される貫通孔が形成され、該貫通孔周りに前記回転体が回転するヒンジ装置であって、
前記貫通孔は、一方側が長方形状に開口し、他方側が前記長方形状の短手方向の長さよりも大きな径の円形状に開口していることを特徴とするヒンジ装置。
【請求項2】
前記回転体は、内孔が前記貫通孔となっている円筒状の胴体部と、該胴体部の外周から突出したリング状の張り出し部と、を有し、
前記胴体部を前記ベースプレートに形成された貫通孔に挿通させるとともに、外周面にネジ溝が形成された円筒状のネジ部材を前記胴体部の貫通孔に嵌入させ、前記ネジ部材の頭部と前記張り出し部によって、ベースプレートを挟持していることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−169407(P2011−169407A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33950(P2010−33950)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(505205731)レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド (292)
【復代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
【Fターム(参考)】