説明

ヒータ異常検知回路

【課題】比較的高価な部品であるフォトカプラを使用しないで、市販の安価な部品である通常型のダイオードを使用した低価格のヒータ異常検知回路を提供する。
【解決手段】ヒータ異常検知回路1は、交流電源10からヒータ20に供給される電力をオンオフするヒータスイッチ22と交流電源10との間に接続されて極性が互いに逆になるように並列接続された二つの通常型のダイオード30,40と、ヒータスイッチ22をオンオフ制御するとともにダイオード30,40に印加された直流定電圧Vccがダイオード30,40のヒータスイッチ接続側から出力された順方向電圧を抵抗60,70で分圧した検出電圧Vaに基づいてヒータ20の異常,正常を判断するマイコン50とを備えることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレの便座に内蔵されたヒータや、給湯機に内蔵された凍結予防ヒータ、あるいは暖房器具のヒータなどのように長時間連続的に通電されるヒータの断線等の異常を検知するためのヒータ異常検知回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレの便座に内蔵されたヒータや、給湯機に内蔵された凍結予防ヒータ、あるいは暖房器具のヒータなどの異常を検知するために、図8に示すようなヒータ異常検知回路101が提案(特許文献1参照)されている。この従来のヒータ異常検知回路101によれば、商用電源102にはヒータ103と、当該ヒータ103に対して商用電源102からの電力を供給もしくは停止するヒータスイッチ104とが直列に接続されており、そのヒータスイッチ104に対して並列状にフォトカプラ105の発光部105eと抵抗R1とが接続されている。また、フォトカプラ105の受光部105dは抵抗R3を介してマイコン107の入力ポートに接続されており、マイコン107の入力ポートには電解コンデンサC1が並列に接続されている。尚、フォトカプラ105の受光部105dには、抵抗R2を介して直流定電圧Vccが印加されている。
【0003】
上記従来のヒータ異常検知回路101において、マイコン107は所定の間隔でテスト信号を出力することで、一時的にヒータスイッチ104をオン状態からオフ状態に反転させ、このオフ状態のときにヒータスイッチ104のショート故障やヒータ103の断線の有無を検知する一方、ヒータスイッチ104のオン状態のときに当該ヒータスイッチ104のオープン故障の有無を検知するものである。
しかしながら、上記従来のヒータ異常検知回路101では、比較的高価な部品であるフォトカプラが使用されているため、ヒータ関連の全機種に展開することはコスト上、難しいという問題がある。
【特許文献1】特開2002−359055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明では、比較的高価な部品であるフォトカプラを使用する代わりに、市販の安価な部品である通常型のダイオードを使用した低価格のヒータ異常検知回路を提供することを解決すべき課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、特許請求の範囲の欄に記載したヒータ異常検知回路により解決することができる。
請求項1に記載のヒータ異常検知回路によれば、交流電源からヒータに供給される電力をオン・オフするヒータスイッチと前記交流電源との間に接続されて極性が互いに逆になるように並列接続された二つの通常型のダイオードと、前記ヒータスイッチをオン・オフ制御するとともに前記ダイオードに印加された直流定電圧が当該ダイオードの前記ヒータスイッチ接続側から出力された順方向電圧を分圧した検出電圧に基づいて前記ヒータの異常・正常状態を判断するヒータ異常検知手段とを備えたものであり、比較的高価な部品であるフォトカプラを使用していない。これにより、低価格なヒータ異常検知回路でヒータの異常・正常を判断することができる。
【0006】
また、請求項2に記載のヒータ異常検知回路によれば、請求項1に記載のヒータ異常検知回路において、極性が互いに逆になるように並列接続された二つの通常型のダイオードに印加された直流定電圧をVcc、ヒータスイッチがオンでヒータが駆動状態のときのダイオードの順方向電圧をVf1、ダイオードの順方向電圧Vf1を分圧する抵抗をR60,R70とすれば、ヒータに流れる交流電源からの電流の方向に対応した検出電圧Va1,Va2はそれぞれ、

Va1=R70(Vcc−Vf1)/(R60+R70)
Va2=R70(Vcc+Vf1)/(R60+R70)

で示されるパルス状の波形となるため、ヒータ異常検知手段は、ヒータが駆動状態のときの検出電圧Va1,Va2がパルス状の波形を形成すれば、ヒータが正常である、と判断することができる。
【0007】
請求項3に記載のヒータ異常検知回路によれば、請求項1に記載のヒータ異常検知回路において、極性が互いに逆になるように並列接続された二つの通常型のダイオードに印加された直流定電圧をVcc、ヒータスイッチがオフでヒータが停止状態のときのダイオードの順方向電圧をVf2、ダイオードの順方向電圧Vf2を分圧する抵抗をR60,R70とすれば、検出電圧Va3は

Va3=R70(Vcc−Vf2)/(R60+R70)

で示される直線状の波形となるため、ヒータ異常検知手段は、ヒータが停止状態のときの検出電圧Va3が直線状の波形であれば、ヒータが正常である、と判断することができる。
【0008】
請求項4に記載のヒータ異常検知回路によれば、請求項1に記載のヒータ異常検知回路において、ヒータスイッチがオンの状態でヒータが駆動状態のときの検出電圧Va1,Va2と、ヒータスイッチがオフの状態のときの検出電圧Va3との間で、次の不等式

Va1<Va3<Va2

が成立するように分圧抵抗R60,R70の値を高く設定して当該分圧回路を流れる電流を小さくすることにより、ヒータ異常検知手段は、ヒータの駆動状態と停止状態のときの検出電圧の電位に変化を付けることができる。
【0009】
請求項5に記載のヒータ異常検知回路によれば、請求項1に記載のヒータ異常検知回路において、ヒータ異常検知手段は、ヒータの駆動中に、所定の間隔でヒータスイッチをオフするテスト信号を出力することによって一時的にヒータを駆動から停止に反転した状態で一定間隔で読み取った検出電圧の値を所定のパルス判定条件式に基づいて当該検出電圧の波形がパルスであるか否かを判定したうえ、当該検出電圧の波形がパルスであると判定した場合には、ヒータスイッチがショートなどの異常であると判断することができる。
【0010】
請求項6に記載のヒータ異常検知回路によれば、請求項1に記載のヒータ異常検知回路において、ヒータ異常検知手段は、ヒータの停止中に、所定の間隔でヒータスイッチをオンするテスト信号を出力することによって一時的にヒータを停止から駆動に反転した状態で一定間隔で読み取った検出電圧の値を所定のパルス判定条件式に基づいて当該検出電圧の波形がパルスであるか否かを判定したうえ、当該検出電圧の波形がパルス以外の波形であると判定した場合には、前記ヒータスイッチがオープン状態になっているか、ヒータの断線などの通電経路の異常であると判断することができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、比較的高価な部品であるフォトカプラを使用する代わりに、市販の安価な部品である通常型のダイオードを使用したため、低価格のヒータ異常検知回路を提供することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、ヒータ異常検知手段は、ヒータが駆動状態のときの検出電圧Va1,Va2がパルス状の波形を形成すれば、ヒータが正常である、と判断することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、ヒータ異常検知手段は、ヒータが停止状態のときの検出電圧Va3が直線状の波形であれば、ヒータが正常である、と判断することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、分圧抵抗R60、R70の値を高く設定して当該分圧回路を流れる電流を小さくすることにより、ヒータ異常検知手段は、ヒータの駆動状態と停止状態のときの検出電圧の電位に変化を付けることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、ヒータ異常検知手段は、ヒータの駆動中に、所定の間隔でヒータスイッチをオフするテスト信号を出力することによって一時的にヒータを駆動から停止に反転した状態で一定間隔で読み取った検出電圧の波形がパルスであると判定した場合には、ヒータスイッチがショートなどの異常であると判断することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、ヒータ異常検知手段は、ヒータの停止中に、所定の間隔でヒータスイッチをオンするテスト信号を出力することによって一時的にヒータを停止から駆動に反転した状態で一定間隔で読み取った検出電圧の波形がパルス以外の波形であると判定した場合には、ヒータスイッチがオープン状態になっているか、ヒータの断線などの通電経路の異常であると判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、トイレの便座に内蔵されたヒータや、給湯機に内蔵された凍結予防ヒータ、あるいは暖房器具のヒータなどのように長時間連続的に通電されるヒータの断線等の異常を検知するためのヒータ異常検知回路1の回路図を示している。
図1に示すように、ヒータ異常検知回路1は、交流電源10から電力の供給を受けて発熱するヒータ20と、ヒータ20に対して交流電源10から供給される電力をオン・オフするヒータスイッチ22と、ヒータスイッチ22と交流電源10との間に接続されて極性が互いに逆になるように並列接続された二つの通常型のダイオード30,40と、ヒータスイッチ22をオン・オフ制御するとともにダイオード30,40に印加された直流定電圧Vccが当該ダイオード30,40のヒータスイッチ22の接続側から出力されたダイオードの順方向電圧Vf1(ヒータスイッチ22がオンで交流電源10からヒータ20に電力が供給されている状態での順方向電圧)、もしくはVf2(ヒータスイッチ22がオフで交流電源10からヒータ20に電力が供給されていない状態での順方向電圧)を抵抗60と抵抗70とで分圧した検出電圧Vaに基づいて、ヒータの異常・正常を判断するマイコン50とを備えたものである。
尚、上記ヒータスイッチ22は、トライアック、ソリッドステートリレー、あるいは電磁リレーなどが用いられる。
【0018】
以上のように、ヒータ異常検知回路1は、図8に示した従来のヒータ異常検知回路101と異なり、比較的高価な部品であるフォトカプラを使用することなく、市販の安価な部品である通常型のダイオード30,40、及び抵抗60,70を使用した低価格のヒータ異常検知回路を提供することができる。
【0019】
図1に示したヒータ異常検知回路1において、ヒータスイッチ22がオンで交流電源10からヒータ20に電力が供給されている状態でのダイオード30,40の順方向電圧をVf1とする。この場合、図1中に示した電流ループ1、即ち、図1において交流電源10からヒータ20に流れる電流の方向が時計方向であるときの検出電圧をVa1、電流ループ2、即ち、交流電源10からヒータ20に流れる電流の方向が反時計方向であるときの検出電圧をVa2とすると、
Va1=R70(Vcc−Vf1)/(R60+R70)
Va2=R70(Vcc+Vf1)/(R60+R70)
となり、検出電圧Vaは、図2で示されるパルス状の波形となる。
【0020】
このように、ヒータスイッチ22がオンで交流電源10からヒータ20に電力が供給されている駆動状態で、ヒータ20が正常であれば、ダイオード30,40の順方向電圧により検出電圧Va1,Va2が変化し、図2で示されるパルス波形の電圧がマイコン50の入力ポートに入力されるため、マイコン50は、ヒータが駆動状態のときの検出電圧Va1,Va2がパルス状の波形を形成すれば、ヒータが正常である、と判断することができる。
【0021】
次に、ヒータスイッチ22がオフで交流電源10からヒータ20に電力が供給されていない停止状態でのダイオード30,40の順方向電圧をVf2、検出電圧をVa3とすると、
Va3=R70(Vcc−Vf2)/(R60+R70)

となり、検出電圧Va3は、図3で示される直線状の波形となる。これにより、マイコン50は、ヒータが停止状態のときの検出電圧Va3が直線状の波形であれば、ヒータが正常である、と判断することができる。
【0022】
また、前述の分圧抵抗60,70の値を大きく設定することで、図1のライン1に流れる電流を少なくすることができる。図4は、ダイオード30,40の順方向特性図であり、ヒータスイッチ22がオンのときに流れる電流をIf1とした場合の順方向電圧Vf1に比べ、ヒータスイッチ22がオフのときに流れる電流をIf2とした場合、その順方向電圧はVf2まで低下する。これにより、ヒータスイッチがオンの状態でヒータが駆動状態のときの検出電圧Va1,Va2と、ヒータスイッチがオフの状態のときの検出電圧V3との間で、次の不等式

Va1<Va3<Va2

が成立するように、分圧抵抗R60,R70の値を高く設定して当該分圧回路を流れる電流を小さくすることにより、ヒータ異常検知手段は、ヒータの駆動状態と停止状態のときの検出電圧の電位に変化を付けることができる。
【0023】
次に、ヒータ20の駆動中に、マイコン50が所定の間隔でヒータ20をオフするテスト信号を出力し、一時的にヒータ20を駆動状態から停止状態へと反転させることによって、ヒータ20やヒータスイッチ22などが正常か異常かを判断するための処理について説明する。
上記判断に際して、検出電圧Vaの値を一定間隔でマイコン50に読み取らせ、そのデータを収集させる。以下、このデータサンプリングについて説明する。尚、図5は以下に説明するデータサンプリングの説明図であり、図6はデータサンプリング行程と後述するパルス判定行程を示したフローチャートである。
【0024】
上記データサンプリングにおいて、検出電圧Vaは、時間t0における電圧Va[t0]と、t0からx秒後に測定した電圧Va[t1]とを以下の条件式で比較する。

Va[t1]>Va[t0]+Vs (ただし、t1=t0+x) (1)

ここで、Vsはしきい値電圧を示し、Va[t1]の値がt0時よりもVs以上大きければ、式(1)が成立し、このあと説明するパルス判定のためのカウント(COUNT)が加算される。そのあと、t0にt1を、Va[t0]にVa[t1]を代入し、更新されたt0からx秒後の検出電圧を新しいVa[t1]として式(1)の判定を行い、カウント更新の有無終了後、再びVa[t0]を更新する。この作業をデータサンプリング時間が終了するまで繰り返したあと、後で説明するようにパルス判定用カウントが規定の範囲内であれば、その波形はパルスであると判定し、規定の範囲よりも少ない場合、あるいは多い場合はパルス以外の波形であると判定する。
【0025】
上記データサンプリングにおいて、例えば50Hzの交流電源を前述のヒータ20の電源とする場合、交流電源の電圧、電流の周期は20msであるが、データサンプリング間隔と交流電源の周期20msとが同期しないようにするため、ここではデータサンプリング間隔を例えば4msとし、交流電源の1周期の間に電圧Vaを5回検出する。また、データサンプリング時間を2000msとして、2000msのデータサンプリング時間中に2000ms/4ms=500回のデータをサンプリングするようにマイコン50をプログラムする。
【0026】
また、上記のようにサンプリングされた検出電圧Vaがパルスであるか否かを判定するためのパルス判定用カウントのしきい値を例えばmin=200回、max=250回とした場合、パルス判定カウント数が201〜249回であれば、検出電圧Vaがパルスであると判定し、0〜200回と、250回以上は、検出電圧Vaがパルスでないと判定する。
【0027】
前述したように、ヒータ20が正常な状態で停止されている場合、検出電圧Vaは直線状の波形になるため、上記パルス判定により検出電圧Vaがパルスであると判定された場合は、前述のヒータスイッチ22がショートなどの異常状態になっていると想定することができる。反面、検出電圧Vaがパルスでないと判定された場合は、前述のヒータ20やヒータスイッチ22が正常であると判断される。
【0028】
次に、ヒータ20の停止中に、マイコン50が所定の間隔でヒータ20をオンするテスト信号を出力し、一時的にヒータ20を停止状態から駆動状態へと反転させることによって、ヒータ20やヒータスイッチ22などが正常か異常かを判断するための処理について説明する。この判断に際して、前記同様に検出電圧Vaの値を一定間隔でマイコン50に読み取らせ、サンプリング前後の検出電圧Vaの値を前記式(1)で比較する。尚、図7は、この場合のデータサンプリング行程とパルス判定行程を示したフローチャートであり、基本的には図6のフローチャートと同じである。ただし、図7に示すように、一時的にヒータ20を停止状態から駆動状態へと反転させた状態でデータサンプリング及びパルス判定を行うが、その内容は図6のフローチャートと同じである。
【0029】
前述したように、ヒータ20が正常に状態で駆動されている場合、検出電圧Vaはパルス状の波形になるため、マイコン50が前述のパルスカウント条件によりパルス以外の波形であると判定した場合、ヒータスイッチ22のオープン、ヒータ20の断線、あるいは電源供給線の断線などの異常が想定される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態のヒータ異常検知回路の回路図である。
【図2】ヒータが正常な状態で駆動されている場合の検出電圧の波形図である。
【図3】ヒータが正常な状態で停止されている場合の検出電圧の波形図である。
【図4】ダイオードの順方向特性図である。
【図5】データサンプリング説明図である。
【図6】マイコンによりヒータを一時的に停止させた状態でのデータサンプリング行程とパルス判定行程とを示したフローチャートである。
【図7】マイコンによりヒータを一時的に停止から駆動させた状態でのデータサンプリング行程とパルス判定行程とを示したフローチャートである。
【図8】従来のヒータ異常検知回路の回路図である。
【符号の説明】
【0031】
1 ヒータ異常検知回路
10 交流電源
20 ヒータ
22 ヒータスイッチ
30,40 ダイオード
50 マイコン
60,70 分圧抵抗
Vcc 直流定電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源からヒータに供給される電力をオン・オフするヒータスイッチと前記交流電源との間に接続されて極性が互いに逆になるように並列接続された二つの通常型のダイオードと、前記ヒータスイッチをオン・オフ制御するとともに前記ダイオードに印加された直流定電圧が当該ダイオードの前記ヒータスイッチ接続側から出力されたダイオードの順方向電圧を分圧した検出電圧に基づいて前記ヒータの異常・正常状態を判断するヒータ異常検知手段とを備えたことを特徴とするヒータ異常検知回路。
【請求項2】
請求項1に記載のヒータ異常検知回路において、
前記極性が互いに逆になるように並列接続された二つの通常型のダイオードに印加された直流定電圧をVcc、前記ヒータスイッチがオンで前記ヒータが駆動状態のときの前記ダイオードの順方向電圧をVf1、ダイオードの順方向電圧Vf1を分圧する抵抗をR60、R70とすれば、前記ヒータに流れる交流電源からの電流の方向に対応した前記検出電圧Va1,Va2はそれぞれ、

Va1=R70(Vcc−Vf1)/(R60+R70)
Va2=R70(Vcc+Vf1)/(R60+R70)

で示されるパルス状の波形となることを特徴とするヒータ異常検知回路。
【請求項3】
請求項1に記載のヒータ異常検知回路において、
前記極性が互いに逆になるように並列接続された二つの通常型のダイオードに印加された直流電圧をVcc、前記ヒータスイッチがオフで前記ヒータが停止状態のときの前記ダイオードの順方向電圧をVf2、ダイオードの順方向電圧Vf2を分圧する抵抗をR60、R70とすれば、前記検出電圧Va3は

Va3=R70(Vcc−Vf2)/(R60+R70)

で示される直線状の波形となることを特徴とするヒータ異常検知回路。
【請求項4】
請求項1に記載のヒータ異常検知回路において、
前記ヒータスイッチがオンの状態で前記ヒータが駆動状態のときの前記検出電圧Va1,Va2と、前記ヒータスイッチがオフの状態のときの検出電圧V3との間で、次の不等式

Va1<Va3<Va2

が成立するように前記分圧抵抗R60、R70の値を設定して当該分圧回路を流れる電流を調整することによって、前記ヒータの駆動状態と停止状態それぞれにおける前記検出電圧の電位に変化を付けることを特徴とするヒータ異常検知回路。
【請求項5】
請求項1に記載のヒータ異常検知回路において、
前記ヒータ異常検知手段は、前記ヒータの駆動中に、所定の間隔で前記ヒータスイッチをオフするテスト信号を出力することによって一時的にヒータを駆動から停止に反転した状態で一定間隔で読み取った前記検出電圧の値を所定のパルス判定条件式に基づいて当該検出電圧の波形がパルスであるか否かを判定したうえ、当該検出電圧の波形がパルスであると判定した場合には、前記ヒータスイッチが異常であると判断することを特徴とするヒータ異常検知回路。
【請求項6】
請求項1に記載のヒータ異常検知回路において、
前記ヒータ異常検知手段は、前記ヒータの停止中に、所定の間隔で前記ヒータスイッチをオンするテスト信号を出力することによって一時的にヒータを停止から駆動に反転した状態で一定間隔で読み取った前記検出電圧の値を所定のパルス判定条件式に基づいて当該検出電圧の波形がパルスであるか否かを判定したうえ、当該検出電圧の波形がパルス以外の波形であると判定した場合には、前記スイッチがオープン状態になっているか、ヒータの断線などの通電経路の異常であると判断することを特徴とするヒータ異常検知回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−317409(P2007−317409A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143444(P2006−143444)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】