説明

ヒータ線ユニットとそれを用いた床暖房構造

【課題】電気式床暖房構造の施工をきわめて容易化することのできるヒータ線ユニットおよび暖房床構造を開示する。
【解決手段】並列に配置した複数本のヒータ線21が一方端側で並列接続されているヒータ線ユニット20を床下地面に配置する。次に、前記ヒータ線21を収容するための収容溝16を短手方向に並行に加工してなる長尺状床材Bと収容溝16内にヒータ線21を収容するようにして床下地面に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は床暖房に用いられるヒータ線ユニットとそれを用いた床暖房構造に関する。
【背景技術】
【0002】
合板等を基材に持つ床材の裏面側にヒータ線を組み込んだヒータパネルを用いて、電気式の床暖房構造を構築することは知られている(特許文献1等参照)。通常、合板等を基材に持つ床材は、300〜330mm(幅)×800〜1900mm(長さ)のものであり、広い横幅が得られることから、その裏面全面にわたるようにして一定パターンにヒータ線収容のための凹溝を形成することができ、そこに長さの長いヒータ線を埋め込んで一体型ヒータパネルとされる。床暖房構造を施工するときは、床構造である大引きや根太の間に発泡樹脂のような断熱材を入れ、その上に下地合板を不陸のないように貼り付けた後、下地合板を床下地面として、前記したヒータ線を一体に組み込んだ一体型ヒータパネルの必要枚数を電気的に接続しながら敷設する。また、周辺部にはヒータを備えないボーダーパネルが敷設される。ヒータパネルから延出する電源線は例えば下地合板の裏を通して壁面等まで引き出され、壁面に取り付けたコントローラ等へ接続される。
【0003】
【特許文献1】特開2000−179876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、高級感や無垢材独特の深み・味わい・木の温かさを求めて、オーク、バーチ、ビーチ等の樹種の無垢材からなる床材が用いられるようになってきている。しかし、無垢材から床材を切り出す場合、均質性を確保するために大幅のものを切り出すことができず、70〜80mm(幅)×800〜1900mm(長さ)という、合板等を基材に持つ床材と比較して、幅の狭いものとならざるを得ない。幅の狭い一枚の無垢床材の裏面内に長さの長いヒータ線を埋め込むために必要な凹溝を形成することができないこと、また、電源接続コンセント等の電気接続部のための空間を裏面に形成することも困難であることから、現在、無垢材からなる床材にヒータ線を一体に組み込んだ、一体型ヒータパネルを製造することは行われていない。
【0005】
そのために、無垢材からなる床材を用いて電気式の床暖房構造を施工するには、床下地面に所定のパターンに長さの長いヒータ線を配置した電気式床下地パネルを敷設する施工と、施工後の電気式床下地パネルの上から多数枚の無垢材からなる床材を配置していく工程の2工程が必要となっている。この施工では、床暖房をする範囲以外の周辺領域を床下地パネルと同じ高さに調整する作業が必要となる。例えば、周辺領域を電気式床下地パネルと同じ厚みの合板で嵩上げする、あるいは、電気式床下地パネルの箇所だけ床高さを下げる、等の作業を必要としている。また、施工する無垢材からなる床材は幅が狭いことから、床材の固定時に誤って固定用釘でヒータに傷を付けることも起こりかねなかった。
【0006】
そのために、無垢材からなる床材を用いて電気式の床暖房構造を施工する作業は、時間もかかり費用も高くなっているのが現状である。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、電気式の床暖房構造を施工するに当たって、各工程の作業内容をきわめて容易化することのできるヒータ線ユニットを開示することを第1の課題とする。また、そのヒータ線ユニットを用いることにより短時間でかつ低コストで構築することのできる暖房床構造を開示することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるヒータ線ユニットは、並列に配置した複数本のヒータ線が一方端側で並列接続されている構成を少なくとも備えることを特徴とする。本発明によるヒータ線ユニットの他の態様では、並列に配置した複数本のヒータ線が一方端側で並列接続されており、前記ヒータ線の並列接続部を収容するようにして長尺状床材が一体に組み込まれていることを特徴とする。
【0009】
上記のヒータ線ユニットは、並列に配置した複数本のヒータ線によって必要な発熱量を確保することができる。同じ発熱量を一本のヒータ線で得るのではなく、並列接続した複数本のヒータ線で得るようにしたことにより、各ヒータ線の長さを短いものとすることができる。それにより、ヒータ線ユニットを床下地面上に配置する作業はきわめて容易となる。
【0010】
本発明による暖房床構造は、上記したヒータ線ユニットと、前記ヒータ線を収容するための収容溝を短手方向に並行に加工してなる長尺状床材とを少なくとも用い、前記ヒータ線ユニットが床下地面に配置されており、配置されたヒータ線ユニットの上には、ヒータ線の配列方向に直交する方向に、前記長尺状床材の多数枚が前記ヒータ線を前記収容溝内に収容するようにして配置されている構成を少なくとも備えることを特徴とする。
【0011】
上記の暖房床構造では、前記したように本発明によるヒータ線ユニットを床下地面上に配置する作業は容易であること、また、使用する複数枚の長尺状床材も、ヒータ線が並列接続されている一方端側に配置するものを除き、ヒータ線を収容するための収容溝を短手方向に並行に加工してなる同一形状の長尺状床材を用いることができることから、暖房床構造の施工全体が容易となりかつ施工コストも低減する。また、ヒータ線ユニットを配置しない周辺領域にも同じ長尺状床材を用いることで、高さ調整処理を行うことなく暖房床構造とすることができる。この点からも、施工の容易さと低コスト化がもたらされる。
【0012】
本発明による暖房床構造の他の態様では、前記ヒータ線ユニットとして、前記一方端側に形成されている前記ヒータ線の並列接続部を収容するようにして長尺状床材が一体に組み込まれているヒータ線ユニットを用いる。この態様では、施工現場でのヒータ線ユニットの取り扱いが容易となり、暖房床構造の施工はさらに容易化する。
【0013】
本発明による暖房床構造において、用いる長尺状床材は任意の材料で作ることができる。合板等を基材として用いる長尺状床材であってもよい。しかし、無垢材からなる床材は、切り出し上の制限から、前記したように横幅が70〜80mmのものとならざるを得ないので、長尺状床材として無垢材からなる床材を用いることは、本発明による暖房床構造において、特に好ましい態様である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電気式床暖房構造、制限されるものではないが特に無垢材からなる床材を用いる電気式床暖房構造を、容易にかつ低コストで施工することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施の形態に基づき説明する。
図1は本発明によるヒータ線ユニットの一例を分解して示しており、図1(a)はヒータ線ユニットを構成する発熱回路体の一方端側に取り付けられる端部用長尺状床材10の背面図であり、図1(b)は発熱回路体20の平面図である。この例において、発熱回路体20は、並列に配置した複数本(図示の例では24本)のヒータ線21と、各ヒータ線21の一方端側で各ヒータ線21を並列に接続する電源線22とで構成される。各ヒータ線21の本数や長さには制限はなく、施工しようとする床暖房構造に応じて適宜設定する。一例として、ヒータ線21の本数は12本あるいは24本のものを1ユニットとすることができる。各ヒータ線の長さ、すなわち電源線22からの突出長さは300〜4500mmの範囲が施工性の点から好ましい。また、各ヒータ線21間の間隔は床暖房能力の設計値に応じて接されるが、100〜60mm程度が好ましい。
【0016】
ヒータ線21は、従来の電気式床暖房で用いられている通常のヒータ線でもよく、一例を図8に示すPTCヒータ線40でもよく、図9に示す3線式ヒータ線50でもよい。なお、PTCヒータ線および3線式ヒータ線については、後述する。いずれのヒータ線を用いる場合も、各ヒータ線21は可撓性を持つものであってもよく、直線状の姿勢を維持できるだけの剛性を持つものであってもよい。
【0017】
図7は、発熱回路体20の部分的な回路図であり、電源線22は図示しない絶縁層を介在して+側および−側の2本の線が一本化されており、各ヒータ線21の一方端は+側の電源線に、他方端は−側の電源線にそれぞれ接続している。それにより、並列に配置した複数本のヒータ線21は、各ヒータ線21が電気的に並列接続するように一方端側を電源線22に接続し、他方端側は自由端となっている。好ましくは、各ヒータ線21と電源線22との接続部には、防水性を確保する目的で、樹脂によるコーティングもしくはポッティングが施される。
【0018】
端部用長尺状床材10は、この例では、オーク、バーチ、ビーチ等の樹種の無垢材からなる床材であり、厚さは12mm程度、幅は75mm程度である。長さは、発熱回路体20の横幅よりわずかに長い長さとされる。図1(a)に示すように、端部用長尺状床材10の裏面には、前記電源線22が入り込むための長手方向に平行な第1の凹溝11と、ヒータ線21の電源線22に接続した部分が入り込むための短手方向に平行な複数本の第2の凹溝12が形成されている。
【0019】
前記長尺状床材10は、図2に示すように、その凹溝11及び12内に電源線22および各ヒータ線21の並列接続部を収容するようにして、ヒータ線の一方端側に適宜の手段で取り付けられる。それにより、本発明によるヒータ線ユニットAとされる。
【0020】
図3は、前記ヒータ線ユニットAと共に用いられる長尺状床材Bの背面図である。この例で、長尺状床材Bは、前記した端部用長尺状床材10と同様にオーク、バーチ、ビーチ等の樹種の無垢材から作られており、厚さは12mm程度、幅は75mm程度、長さは1800mm程度である。長尺状床材Bの裏面には、図示のように、発熱回路体20における前記ヒータ線21が入り込むことのできる複数本の凹溝16が短手方向に平行に形成されている。必須ではないが、長尺状床材Bの周囲および前記した端部用長尺状床材10の周囲に、接合用のさね加工を施すこともできる。
【0021】
次に、上記のヒータ線ユニットAおよび長尺状床材Bを用いて暖房床構造を施工する手順の一例を説明する。図4は、施工する床下地構造の一例を示す。ここでは、この床下地構造は大引き30および根太31を備え、根太31、31間に発泡樹脂のような断熱材34を入れ、その上に下地合板35を不陸のないように貼り付けている。この下地合板35の上に、直接、または、発泡シートのような断熱機能を備えたシートやフィルムや防湿性を備えたシートやフィルムのいずれかあるいは双方を敷き詰めた後、上記したヒータ線ユニットAの所要枚数を配置する。望ましくは、下地合板35の周縁部には、裏面に凹溝を有しない床材(不図示)、より好ましく長尺状床材Bと同じ材質からなる裏面に凹溝を有しない(または有する)床材が周辺パネルとして配置され、その内側にヒータ線ユニットAを配置する。
【0022】
図5は1枚のヒータ線ユニットAを下地合板35の上に配置した状態を示しており、図示の例では、各ヒータ線21は直線状をなしている。配置後、必要な場合には、ヒータ線21同士が互いに平行になるように、ヒータ線21の位置の微調整を行う。なお、各ヒータ線21が可撓性を有し、施工直前に直線状をなしていない場合には、各ヒータ線21が直線状となるように姿勢を整える作業を行う。そして、電源線22のヒータ線ユニットAから延出している部分22aを床下地の下方に落とし込む作業を行い、その後で、適宜の手段でヒータ線ユニットAを下地合板35に固定する。なお、ヒータ線ユニットAを下地合板35に固定した後、電源線22の延出部分22aを、床下地の下方に落とし込む作業を行ってもよいが、作業効率的には、延出部分22aを落とし込む作業を先に行うことが望ましい。
【0023】
必要枚数のヒータ線ユニットAを同じようにして下地合板35上に配置し、電源線22の延出部分22aを床下地の下方に落とし込んだ後、電源線同士の接続を行い、図示しない壁面まで引き出して商用電源への結線工事や壁面に取り付けたコントローラへの接続などを行う。
【0024】
それと並行して、図6に示すように、下地合板35上に平行に並んだ姿勢で配置している多数本の直線状をなすヒータ線21の上に、長尺状床材Bの必要枚数をヒータ線21の配列方向に直交するようにして、ヒータ線ユニットAの端部用長尺状床材10側から順次配置する。配置したし長尺状床材Bは、接着剤や釘打ち等の適宜の手段で下地合板35に固定する。その際に、ヒータ線21の位置を目視で確認しながら作業を行うことができるので、長尺状床材Bを釘打ちで固定する場合に、打ち込んだ釘でヒータ線に傷を付けることを確実に回避することができる。また、前記したように、長尺状床材Bの裏面には短手方向に平行に凹溝16が形成されており、長尺状床材Bの配置作業は容易である。なお、前記のように、長尺状床材Bは1800mm程度の長さであり、ヒータ線ユニットAの配置領域の端部では、適宜の長さに切断して配置する。
【0025】
そのようにして、配置したヒータ線ユニットAの全面を長尺状床材Bで覆うことにより、本発明による暖房床構造の施工は終了する。なお、各ヒータ線21が可撓性を有し、施工直前に直線状をなしていない場合に、各ヒータ線21を予め直線状の姿勢に整えることなく、長尺状床材Bを配置するときに、その裏面に形成した凹溝61をいわば治具として用いて、その都度直線状の姿勢に整えて行くように作業をすることも可能である。
【0026】
また、上記では、ヒータ線ユニットAとして、発熱回路体20と端部用長尺状床材10があらかじめ一体となったものを説明したが、発熱回路体20のみをヒータ線ユニットAとして用いることができる。その場合には、ヒータ線ユニットAである発熱回路体20を下地合板35の上に配置した後、別途用意した端部用長尺状床材10と長尺状床材Bの双方をヒータ線ユニットAである発熱回路体20の上に配置する。
【0027】
次に、ヒータ線ユニットAで用いるヒータ線の一例であるPTCヒータ線40の一例を説明する。PTCヒータは、正の抵抗温度係数を有する発熱体層を有しており、そこに電流が流れ温度が上昇すると、発熱体層の抵抗値が増加して発熱体層に流れる電流を減少させ、発熱体層の発熱を抑制し、逆に、発熱体層の温度が低下すると、発熱体層の抵抗値が減少して発熱体層に流れる電流を増加させ、発熱体層の発熱を高める機能を有している。そのために、サーモスタット等の過昇温防止装置を用いなくても、長い時間にわたり所要の温度条件範囲を維持することができる利点があり、本発明によるヒータ線ユニットAで用いるヒータ線として極めて好適である。
【0028】
図8に示すPTCヒータ線40は、線状電極41aと41bを長手方向に一定の間隔を隔てて平行に配置し、この線状電極41aと41bの軸方向外周全体を覆うように正の抵抗温度係数を有する発熱体層42を断面円形または楕円形状に押出成形し、さらに、この発熱体層42の外周に絶縁シース層43を押出被覆して短手方向の断面を円形または楕円形状に形成した構造を持つ。発熱体層42と絶縁シース層43の間には、バリア層45が介在しており、さらに、発熱体層42の熱による経時的な劣化を防止し、長期間安定した発熱が具現されるように、一対の線状電極41aと41b間にポリエチレン樹脂等で形成される絶縁体障壁44が配置されている。
【0029】
図9は、ヒータ線ユニットAで用いるヒータ線の一例である3線式ヒータ線50を示している。この3線式ヒータ線50は、第1の発熱線51と、第2の発熱線52と、検知線53とからなる3線式ヒータであり、各線は、発熱線の異常発熱等で溶融する非導電性材料からなる被覆樹脂54,55,56でそれぞれ被覆されている。図9(b)に示すように3本の線は寄り合わされて一本の線となり、その全体が図9(a)に示すように耐熱PVCのような断熱性のある非導電性材料からなる被覆材57により覆われている。
【0030】
被覆樹脂54,55,56は、ナイロン系樹脂、フッ素樹脂あるいはポリエステル系樹脂のような熱可塑性樹脂である。ただし、第1の発熱線51を被覆する第1の被覆樹脂54と第2の発熱線52を被覆する第2の被覆樹脂55には、溶融温度の異なる樹脂が用いられており、この例で、第1の被覆樹脂54の溶融温度は175℃、第2の被覆樹脂55の溶融温度は270℃である。すなわち、第2の発熱線52は第1の被覆樹脂54の溶融温度よりも高い溶融温度を持つ第2の被覆樹脂55で被覆されている。また、検知線53を覆う被覆樹脂56には、前記した比較して溶融温度の低い第1の被覆樹脂54と同じ樹脂が用いられており、その溶融温度は175℃である。
【0031】
これらの被覆樹脂54,55,56は、通常の運転時ではそのままで存在しており、絶縁材として機能している。しかし、第1の発熱線51または第2の発熱線52に断線あるいは部分断線等が生じてスパーク等が発生して、溶融温度を超える異常加熱状態が部分的に発生したときには、溶融して絶縁機能を喪失する。
【0032】
この3線式ヒータ線50を前記電源線22に接続するには、第1と第2の2本の発熱線51、52の一方端を+側と−側の電源線22に接続し、他方端は互いに接続して自由端としておけばよい。この形態の3線式ヒータ線50を用いることにより、ヒータ線ユニットAの発熱回路体20の組みつけをきわめて容易化することができる。
【0033】
3線式ヒータ線50をヒータ線21として用いて図10に示す抵抗器付き温度ヒューズ60を備えた発熱回路とすることにより、床暖房構造の高い安全性を確保することができる。この例では、電源線22は、+側と−側の2本の電源線22a,22bに加えて、前記した3線式ヒータ線50の検知線53に接続するリード線24を有し、かつ、一方の電源線22aには抵抗器付き温度ヒューズ60が接続されている。すなわち、各ヒータ線21である各3線式ヒータ線50の第1の発熱線51は一方の電源線22bに接続し、第2の発熱線52は他方の電源線22aに接続し、検知線53は前記リード線24にそれぞれ接続している。
【0034】
抵抗器付き温度ヒューズ60は、温度ヒューズ61と抵抗器62をとからなり、温度ヒューズ61は一方側を電源線22aを介して3線式ヒータ線50の第2の発熱線52側接続し、抵抗器62の一方側は、リード線24を介して3線式ヒータ線50の検知線53に接続し、他方側は温度ヒューズ60が第2の発熱線52と接続する側に接続している。3線式ヒータ線50の前記第1の発熱線51は他方の電源線22bに接続している。
【0035】
この発熱回路において、正常に運転している環境では、電力は各ヒータ線21である各3線式ヒータ線50の第1の発熱線51と第2の発熱線52とを循環するように流れ、その発熱により床暖房が行われる。いずれかの3線式ヒータ線50において、第1の発熱線51と検知線53との間に短絡が発生したときには、短絡電流が抵抗器付き温度ヒューズ60の抵抗器62に流れ、その熱により温度ヒューズ61が溶断する。それにより、暖房床構造は、確実に安全サイドに導かれる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明によるヒータ線ユニットの一例を分解して示し、図1(a)はヒータ線ユニットを構成する発熱回路体の一方端側に取り付けられる端部用長尺状床材の背面図であり、図1(b)は発熱回路体の平面図である。
【図2】本発明によるヒータ線ユニットの一例を示す図。
【図3】ヒータ線ユニットと共に用いられる長尺状床材の背面図。
【図4】本発明による暖房床構造を施工するときの床下地構造の一例を示す図。
【図5】ヒータ線ユニットを床下地面に配置した状態を示す図。
【図6】床下地面に配置したヒータ線ユニットの上に長尺状床材を配置していく状態を説明する図。
【図7】発熱回路体20の部分的な回路図。
【図8】ヒータ線の一例であるPTCヒータ線を説明するための図。
【図9】ヒータ線の一例である3線式ヒータ線を説明するための図。
【図10】3線式ヒータ線を用いる場合の発熱回路の一例を説明するための図。
【符号の説明】
【0037】
A…ヒータ線ユニット、
B…長尺状床材、
10…端部用長尺状床材、
11…電源線が入り込むための長手方向に平行な第1の凹溝、
12…ヒータ線の電源線に接続した部分が入り込むための短手方向に平行な第2の凹溝、
16…ヒータ線が入り込むことのできる凹溝、
20…発熱回路体、
21…コータ線ユニットを構成するヒータ線、
22…コータ線ユニットを構成する電源線
22a…電源線の延出部分、
23…樹脂によるコーティングまたはポッティング部
30…大引き、
31…根太、
34…断熱材、
35…床下地面である下地合板、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に配置した複数本のヒータ線が一方端側で並列接続されている構成を少なくとも備えることを特徴とするヒータ線ユニット。
【請求項2】
並列に配置した複数本のヒータ線が一方端側で並列接続されており、前記ヒータ線の並列接続部を収容するようにして長尺状床材が一体に組み込まれていることを特徴とするヒータ線ユニット。
【請求項3】
前記長尺状床材は無垢材からなる床材であることを特徴とする請求項2に記載のヒータ線ユニット。
【請求項4】
並列に配置した複数本のヒータ線が一方端側で並列接続されているヒータ線ユニットと、前記ヒータ線を収容するための収容溝を短手方向に並行に加工してなる長尺状床材とを少なくとも用い、前記ヒータ線ユニットが床下地面に配置されており、配置されたヒータ線ユニットの上には、ヒータ線の配列方向に直交する方向に、前記長尺状床材の多数枚が前記ヒータ線を前記収容溝内に収容するようにして配置されている構成を少なくとも備えることを特徴とする暖房床構造。
【請求項5】
前記ヒータ線ユニットとして、前記一方端側に形成されている前記ヒータ線の並列接続部を収容するようにして長尺状床材が一体に組み込まれているヒータ線ユニットを用いることを特徴とする請求項4に記載の暖房床構造。
【請求項6】
前記長尺状床材は無垢材からなる床材であることを特徴とする請求項4または5に記載の暖房床構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−107090(P2010−107090A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278655(P2008−278655)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000000413)永大産業株式会社 (243)
【Fターム(参考)】