説明

ヒートシンクユニットおよびヒートシンク着脱判定方法

【課題】ヒートシンクが正しい位置に配されていない状態を検知することで、自己発熱によって集積回路がダメージを受けるのを回避する。
【解決手段】ヒートシンクユニット100は、電力消費により集積回路110に生じる熱を放熱するヒートシンク116と、ヒートシンクが、集積回路に対して放熱可能な位置に配されているか否かを判定する位置判定部122と、ヒートシンクが集積回路に対して放熱可能な位置に配されていないと判定された場合、判定が為される前よりも集積回路の電力消費を低減させる電源制御部128と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路を放熱するヒートシンクを含むヒートシンクユニット、および、ヒートシンクの着脱を判定するヒートシンク着脱判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型、軽量化が進み、そのような電子機器を構成する集積回路も高集積化が望まれる。一方、そのような電子機器には、情報処理の高速化も望まれ、集積回路の発熱は軽視できなくなっている。このような発熱から集積回路を保護すべく、集積回路の周囲には集積回路を放熱するヒートシンクが設けられる。例えば、特許文献1には、中抜き突起形状の周壁に設けられた多孔に作動流体を流動させて放熱性能を向上する技術が示されている。
【0003】
電子機器では、上述したヒートシンクによって放熱されることを前提に集積回路が設計される。したがって、何らかの原因でヒートシンクが脱落し、集積回路を十分に放熱できなくなると、集積回路がダメージを受ける(破壊される)場合がある。このようなヒートシンクの脱落を防止すべく、例えば、特許文献2には、集積回路チップと板状ヒートシンクとを切り欠きパターンで結合し、板状ヒートシンクの剥離や脱落を防止する技術が示され、特許文献3には、ヒートシンクをクリップによってCPUの上面に押し付け、ヒートシンクを安定的に保持する技術が示されている。
【0004】
また、集積回路のメンテナンスを考慮して、特許文献4には、ヒートシンクをコイルバネ付きネジで電子部品側に付勢し、ヒートシンクを電子部品に密着させながら、容易な着脱を可能にした技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−316388号公報
【特許文献2】特開平8−172145号公報
【特許文献3】特開2002−271066号公報
【特許文献4】特開平5−243439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した技術により、集積回路とヒートシンクとは強固に固定され、集積回路の放熱を安定して実行することができる。しかし、強固に固定されていても、集積回路やヒートシンクの配置によっては、電子機器が受ける衝撃によってヒートシンクが脱落する可能性がないとは言えない。また、他の部品との配置から、上述した技術を適用できず、ヒートシンクを十分に固定できない場合も生じ得る。
【0007】
また、電子機器のメンテナンス時において、集積回路とヒートシンクを意図的に取り外す場合もある。メンテナンス終了後、電子機器を再度組み立てる際、作業者がヒートシンクの取り付けを失念した場合、意図せずヒートシンクが装着されていない状態が生じ、集積回路が過熱する事態が起こることとなる。上述した特許文献に記載の技術では、ヒートシンクの脱落そのものは防止できるものの、万が一の脱落や装着忘れに対応できないといった問題があった。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み、ヒートシンクが正しい位置に配されていない状態を検知することで、自己発熱によって集積回路がダメージを受けるのを回避することが可能な、ヒートシンクユニットおよびヒートシンク着脱判定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は下記のヒートシンクユニットおよびヒートシンク着脱判定方法を提供するものである。
(1)電力消費により集積回路に生じる熱を放熱するヒートシンクと、前記ヒートシンクが、前記集積回路に対して放熱可能な位置に配されているか否かを判定する位置判定部と、前記ヒートシンクが、前記集積回路に対して放熱可能な位置に配されていないと判定された場合、前記判定が為される前よりも、前記集積回路の電力消費を低減させる電源制御部と、を備えることを特徴とするヒートシンクユニット。
(2)前記ヒートシンクは導電材料で構成され、前記集積回路を固定する基板と前記ヒートシンクとが複数点で電気的に接触することで、前記ヒートシンクを経由する閉回路が形成され、前記位置判定部は、前記閉回路の導通が切断されることで、前記集積回路に対して放熱可能な位置に配されていないと判定することを特徴とする上記(1)に記載のヒートシンクユニット。
(3)前記集積回路は、主電源から電力の供給を受けて動作し、前記電源制御部は、前記主電源と異なる副電源から電力の供給を受けて動作し、前記ヒートシンクが前記集積回路に対して放熱可能な位置に配されていないと判定された場合、前記主電源と前記集積回路との電源ラインを切断することで前記集積回路の電力消費を低減させることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のヒートシンクユニット。
(4)電力消費により集積回路に生じる熱を放熱するヒートシンクが、前記集積回路に対して放熱可能な位置に配されているか否かを判定し、前記ヒートシンクが前記集積回路に対して放熱可能な位置に配されていないと判定された場合、前記判定が為される前よりも、前記集積回路の電力消費を、低減させることを特徴とするヒートシンク着脱判定方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ヒートシンクが正しい位置に配されていない状態を検知することで、自己発熱によって集積回路がダメージを受けるのを回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ヒートシンクユニットの電気的な構成を示した機能ブロック図である。
【図2】ヒートシンクユニットの外観を示す説明図である。
【図3】通電の有無を判定する手段を説明するための説明図である。
【図4】ヒートシンク着脱判定方法の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0013】
電子機器には自己発熱する半導体が多く利用されているが、その中でも小型、高集積化が望まれる集積回路は特に処理負荷が高く、集積回路自体の発熱も軽視できない。このような集積回路を確実に放熱するため、ヒートシンクは、集積回路に可能な限り近い位置に設けられ、さらに、集積回路からの伝熱効率を向上すべく集積回路の露出面に放熱シート等を介し接触した状態で固定されている。
【0014】
ところで、電子機器の定期検査や修理といったメンテナンスの際、作業者は、電子機器を分解し、内部の基板や集積回路単位で動作確認を行う場合がある。例えば、集積回路における各端子の電気的状態を確認しようとすると、その近傍に設けられたヒートシンクを取り外す必要が生じる。このような状況下で、作業者が、ヒートシンクを再度取り付けるのを失念したり、何らかの原因で、ヒートシンクが本来の位置に配されていない場合、集積回路が自己発熱し、ダメージを受けることとなる。
【0015】
近年では、電子機器の高機能、多機能化に伴い、各集積回路の発熱量も飛躍的に増大しており、ヒートシンクが本来の位置に配されていない状態が生じると、それがたとえ短時間であっても、集積回路に与える影響は大きくなる。そこで、本実施形態のヒートシンクユニットは、たとえヒートシンクが本来の位置に配されていない場合であっても、その状態を検知し、自己発熱によって集積回路がダメージを受けるのを回避することを可能とする。以下、このような目的を達成可能なヒートシンクユニットについて詳述する。
【0016】
(ヒートシンクユニット100)
図1は、ヒートシンクユニット100の電気的な構成を示した機能ブロック図であり、図2は、ヒートシンクユニット100の外観を示す説明図である。特に図2(a)には、アッセンブリした状態の斜視図を、図2(b)には、分解斜視図を示している。ただし、図2では、ヒートシンクユニット100の主要な構造物のみを示し、他は省略している。ヒートシンクユニット100は、集積回路110と、主電源112と、基板114と、ヒートシンク116と、ブラケット118と、放熱シート120と、位置判定部122と、報知部124と、副電源126と、電源制御部128とを含んで構成される。
【0017】
集積回路(LSI: Large Scale Integration)110は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やCPU(Central Processing Unit)等、多数のトランジスタやその他の回路素子を集積し絶縁材料でモールドしたものである。本実施形態では、かかる集積回路110の発熱量が大きいものとして説明する。主電源112は、集積回路110を含む各回路素子に電力を供給する。基板114は、例えば、ガラスエポキシ等で構成されたリジッドな板状に形成されている。基板114においては、その内部に張られた銅箔が、基板114上に配置された集積回路110等の回路素子を接続する役割を果たす。ここでは、集積回路110がハンダ付け等によって基板114に固定されているとする。
【0018】
ヒートシンク116は、アルミニウム合金や銅、セラミックスといった熱伝導性の高い材料で構成され、図2(b)に示すように、図2(b)中、上方向に向かって突出する、棒状の複数のフィン116aが配置されている。ヒートシンク116は、後述する放熱シート120を介して、集積回路110に当接し、上記複数のフィン116aを通じて、電力消費により集積回路110に生じる熱を放熱する。ブラケット118は、ヒートシンク116を固定支持すると共に、基板114に固定されて、ヒートシンク116と集積回路110との接触状態を維持させる。
【0019】
かかるヒートシンクユニット100の組み立て順を簡単に説明すると、まず、ヒートシンク116をブラケット118にビス止めし、集積回路110上に放熱シート120を重畳したら、ブラケット118の貫通孔に放熱シート120を嵌入させつつ、ブラケット118と基板114との孔位置を合わせる。最後に、ヒートシンク116が固定されたブラケット118を基板114にビス止めする。ここでは、低コスト化を図るべく、市販のヒートシンク116(例えば、70mm×80mm×20mm)とブラケット118とを組み合わせているが、一体形成されたヒートシンクを用いることが可能なのは言うまでもない。また、ヒートシンク116およびブラケット118は、いずれもメンテナンス時に取り外すことが可能である。
【0020】
放熱シート120は、熱伝導性の高いシリコン系の材料が用いられ、集積回路110で発生した熱をヒートシンク116に伝達する。放熱シート120は、弾性部材で形成され、ヒートシンク116の集積回路110への付勢力を吸収する。例えば、基板114の上面を基準として、集積回路110の高さが2mm、ブラケット118の上面、即ち、ヒートシンク116の下面の高さが3mmであった場合に、その差分の1mmより少し厚い1.5mmの放熱シートを狭持して、集積回路110とヒートシンク116との伝熱抵抗を維持する。
【0021】
位置判定部122は、図2(a)のように、ヒートシンク116が、集積回路110に対して放熱可能な位置、即ち、放熱シート120を介して集積回路110に当接している状態に配されているか否かを判定する。換言すれば、位置判定部122は、ヒートシンク116が集積回路110の放熱機能を十分に発揮しているか否かを判定している。このような判定手段としては、例えば、(1)通電の有無を判定する手段、(2)スイッチの押圧状態を判定する手段、(3)光の透過または反射状態を判定する手段が考えられる。
【0022】
図3は、(1)通電の有無を判定する手段を説明するための説明図である。図3(a)は、基板114上の概略的な回路を、図3(b)は、ブラケット118と基板114との接続部分の側面図を示している。ただし、図3では、ヒートシンクユニット100のうち、通電の有無を判定する手段に関係する構成のみを示し、他は省略している。ヒートシンク116もしくはブラケット118は、上述したように、熱伝導性の高い部材であると同時に、導電材料で構成されているとする。
【0023】
また、図3(a)に示すように、本実施形態では、ヒートシンク116と一体的に形成されたブラケット118が、ビス118aを通じて、図3(a)中右側に位置している、基板114のグランドを示すグランドパターン114aに接続されている。また、ブラケット118は、ビス118bを通じて基板114の検出パターン114bに接続されている。ただし、ブラケット118(ヒートシンク116)を取り付けていない状態では、グランドパターン114aと検出パターン114bとは導通していない。
【0024】
ブラケット118と基板114とは、図3(b)に示すように、ブラケット118に設けられたねじ孔118cに、基板114に設けられた貫通孔114cを通じてビス118bを螺合することで固定される。このとき、基板114の両面に設けられた検出パターン114bのうち、ブラケット118側の検出パターン114bは、ビス118bに付勢されてブラケット118と直接導通し、ブラケット118と反対側の検出パターン114bは、ビス118bを通じてブラケット118と間接的に導通する。他のビスが位置する部位に関しても同様にブラケット118と基板114のパターンとが導通する。こうして、ブラケット118と基板114のパターンとの接触を確保できる。
【0025】
また、図3(a)に示すように、検出パターン114bは、プルアップ抵抗150を介して副電源126に係る電源電圧パターン114dに接続されると共に、基板114の配線パターン114eを通じて後述する電源制御部128に接続されている。こうして、グランドパターン114a、ヒートシンク116と一体的に形成されたブラケット118、検出パターン114b、配線パターン114e、電源制御部128といった、ヒートシンク116を経由する閉回路が形成される。
【0026】
ここでは、このような閉回路が位置判定部122として機能する。ブラケット118が基板114から離脱すると、即ち、ヒートシンク116が集積回路110から離脱すると、上記閉回路の導通が切断され、配線パターン114eの電圧がプルアップ抵抗150によって電源電圧になることで、位置判定部122は、ヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されていないと判定する。ここでは、基板114にプリントされた各パターンを利用しているので、その信頼性は高く、位置判定部122は、ヒートシンク116の離脱を確実に把握することが可能となる。
【0027】
また、(2)スイッチの押圧状態を判定する手段として、例えば、基板114における、ヒートシンク116が位置する部位に、位置判定部122としての押圧式のスイッチを設け、ヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されている間、常に、押圧式のスイッチが押止されるようにすることもできる。この場合、位置判定部122は押圧式のスイッチの押止状態が解除されたことをもって、ヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されていないと判定する。
【0028】
さらに、(3)光の透過または反射状態を判定する手段として、例えば、ヒートシンク116を跨いで発光素子と受光素子を対向して設け、ヒートシンク116が介在して光が遮蔽されていることでヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されていると判定したり、発光素子から出射された光がヒートシンク116で反射した光を受光素子で受光し、その反射が維持されていることでヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されていると判定することもできる。
【0029】
報知部124は、LED等の光源で構成され、ヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されていない場合、点灯や点滅といった視覚的動作を通じて作業者にその旨報知する。副電源126は、主電源112と電力の供給対象を異にして設けられ、少なくとも電源制御部128に電力を供給する。ただし、主電源112および副電源126のグランドは共通である。かかる副電源126は、常時投入されていることが想定されている。したがって、電源制御部128は常に電力が供給されている状態になる。
【0030】
電源制御部128は、中央処理装置(CPU)等のマイコンで構成され、ROMやRAMと協働して、集積回路110、主電源112等を管理する。電源制御部128は、ヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されていないと判定された場合、ヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されていないとの判定が為される前よりも集積回路110の電力消費を低減させる。
【0031】
具体的に、電源制御部128は、ヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されていないと判定された場合、主電源112と集積回路110との電源ラインを切断することで集積回路110の電力消費を低減させる。このとき、集積回路110は主電源112から電力の供給を受けて動作しており、電源制御部128は、副電源126から電力の供給を受けて動作している。したがって、主電源112と集積回路110との電源ラインを切断したとしても、電源制御部128への電力の供給は維持される。
【0032】
かかる構成により、集積回路110自体は機能しなくなるものの、集積回路110からヒートシンク116が離脱した状態のままで集積回路110を動作し続けることがなくなり、作業者が近辺にいない場合であっても自動的かつ強制的に集積回路110への電力を断つので、自己発熱によるダメージを回避することが可能となる。
【0033】
また、集積回路110が、省電力モード、即ち、集積回路110自体の消費電力を意図的に最小限に抑えるモードを有し、かつ、かかる省電力モードでは、ヒートシンク116が離脱した状態であってもダメージを受けないことが予め把握されている場合、電源制御部128は、ヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されていないと判定されると、主電源112と集積回路110との電源ラインを切断する代わりに、集積回路110を省電力モードに変換することもできる。
【0034】
かかる構成では、集積回路110を停止させなくて済むので、自己発熱によるダメージを回避するのみならず、集積回路110の電力を強制的に切断することによる弊害を回避することも可能となる。
【0035】
以下、上述したヒートシンクユニット100によってヒートシンク116の着脱を判定するヒートシンク着脱判定方法を説明する。
【0036】
(ヒートシンク着脱判定方法)
図4は、ヒートシンク着脱判定方法の流れを説明するためのフローチャートである。ヒートシンクユニット100の位置判定部122は、常時、集積回路110を放熱するヒートシンク116が、集積回路110に対して放熱可能な位置に配されているか否かを判定する(S200)。
【0037】
そして、電源制御部128は、位置判定部122の判定を参照し(S202)、ヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されていると判定されれば(S202におけるYES)、ステップS200からの処理を繰り返し、ヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されていないと判定されれば(S202におけるNO)、集積回路110の電力消費を、判定が為される前より低減させ(S204)、ステップS200に戻る。
【0038】
以上説明したヒートシンクユニット100およびヒートシンク着脱判定方法では、何らかの原因でヒートシンク116が正しい位置に配されていない場合に、その状態を検知し、集積回路110の発熱を抑制することで、自己発熱によって集積回路110がダメージを受けるのを回避することが可能となる。
【0039】
また、コンピュータを、ヒートシンクユニット100の電源制御部128として機能させるプログラムや当該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能なフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD、DVD、BD等の記憶媒体も提供される。ここで、プログラムは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理手段をいう。
【0040】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0041】
例えば、上述した実施形態では、ヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されていない状態を、報知部124で報知する例を挙げて説明したが、当該ヒートシンクユニット100が設けられた電子機器に液晶表示装置等の表示部が設けられている場合、その表示部を通じてOSD(On Screen Display)等により、その旨報知してもよい。このとき、表示部に画像を表示しているのがヒートシンク116の設置対象である集積回路110であったとしても、上述した省電力モードであれば、ヒートシンク116が集積回路110に対して放熱可能な位置に配されていない状態であることを報知できる。かかる構成により、作業者は、視覚的かつ具体的に、不具合の内容を把握することが可能となる。
【0042】
さらに、当該ヒートシンクユニット100が設けられた電子機器にスピーカ等の音声発生部が設けられている場合、その音声発生部を通じて報知してもよい。かかる構成によっても、作業者は、聴覚的かつ具体的に、不具合の内容を把握することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、集積回路を放熱するヒートシンクを含むヒートシンクユニット、および、ヒートシンクの着脱を判定するヒートシンク着脱判定方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
100 …ヒートシンクユニット
110 …集積回路
112 …主電源
114 …基板
116 …ヒートシンク
118 …ブラケット
120 …放熱シート
122 …位置判定部
124 …報知部
126 …副電源
128 …電源制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力消費により集積回路に生じる熱を放熱するヒートシンクと、
前記ヒートシンクが、前記集積回路に対して放熱可能な位置に配されているか否かを判定する位置判定部と、
前記ヒートシンクが、前記集積回路に対して放熱可能な位置に配されていないと判定された場合、前記判定が為される前よりも、前記集積回路の電力消費を低減させる電源制御部と、
を備えることを特徴とするヒートシンクユニット。
【請求項2】
前記ヒートシンクは導電材料で構成され、前記集積回路を固定する基板と前記ヒートシンクとが複数点で電気的に接触することで、前記ヒートシンクを経由する閉回路が形成され、
前記位置判定部は、前記閉回路の導通が切断されることで、前記集積回路に対して放熱可能な位置に配されていないと判定することを特徴とする請求項1に記載のヒートシンクユニット。
【請求項3】
前記集積回路は、主電源から電力の供給を受けて動作し、
前記電源制御部は、前記主電源と異なる副電源から電力の供給を受けて動作し、前記ヒートシンクが前記集積回路に対して放熱可能な位置に配されていないと判定された場合、前記主電源と前記集積回路との電源ラインを切断することで前記集積回路の電力消費を低減させることを特徴とする請求項1または2に記載のヒートシンクユニット。
【請求項4】
電力消費により集積回路に生じる熱を放熱するヒートシンクが、前記集積回路に対して放熱可能な位置に配されているか否かを判定し、
前記ヒートシンクが前記集積回路に対して放熱可能な位置に配されていないと判定された場合、前記判定が為される前よりも、前記集積回路の電力消費を、低減させることを特徴とするヒートシンク着脱判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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