説明

ヒートシール包装装置

【課題】ゴミの減量化に貢献でき、包装サイクルを短くすることが出来るヒートシール包装装置を提供する。
【解決手段】フィルムロール6から引き出したフィルムにて被包装物を包装するヒートシール包装装置Aにおいて、被包装物を載せた下地材を前記装置内のヒートステーションへ搬入するために前記下地材を載置する搬入部と、前記フィルムが被せられた被包装物の周囲のフィルムと前記下地材とを前記熱溶着するためのヒータ部と、前記ヒータ部と対応するヒータ受け部と、前記ヒータ部とヒータ受け部とによりヒートシール包装された包装物を排出する前記搬入部とは異なる位置に設けられた排出部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムロールから引き出したフィルムを、下地材上に載せた被包装物に被せ、そのフィルムの縁を下地材表面に熱溶着して包装するヒートシール包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使用する容器やフィルムの量を減らしてゴミの減量化を図る包装形態が様々とられており、例えば、トレイに被包装物を収容し、そのトレイの上面開口部のみにフィルムを被せ、そのフィルムをトレイ周囲に熱溶着することで使用するフィルム量を減らすことができるヒートシール包装装置(トップシール式包装装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、該文献に開示されている技術はあくまで周囲に高さのある側壁が形成されたトレイを使用するもので、ゴミの減量化にあまり貢献できない。また、前記ヒートシール包装装置は、包装装置への被包装物の搬入と、包装済みの被包装物の排出が同じ箇所で行われるため、前に搬入した被包装物の包装が完了し排出されるまで、次に包装する被包装物の搬入を行うことができず、包装サイクルを短くすることが出来ず、包装作業を効率的に行なうことができない。
【0003】
そして、前記包装サイクルの点については、前記トレイと同じ通常のトレイを使用する包装装置で、被包装物の搬入口と包装済み被包装物の排出口を別々に設けた包装装置は知られている(例えば、特許文献2参照)。
この包装装置は、被包装物を収容したトレイ全体をフィルムで包み込む方式の包装装置で、トレイをフィルムで包み込むために具体的には、該トレイを搬送装置でエレベータまで搬送してエレベータ上に載せ換え、次にエレベータ上方の包装部に展張保持されたフィルムに対して前記エレベータを突き上げて被包装物の上面及び外周面を前記フィルムで覆い、更に、前記フィルムの周縁を折り込み板で被包装物の底面側に折り込む方式の包装装置である。
【0004】
そのため、被包装物をエレベータまで搬送し、エレベータに載せ換える搬送装置は、複数本の平行なベルトで構成され、更にエレベータのヘッド部分は前記搬送装置のベルトが嵌入する入れ子形状に形成されている。即ち、被包装物を載承支持するエレベータは、被包装物の底面を部分的に支持する。そして、いわゆるトレイを使用せずに平板状の下地材の上に被包装物を載せその上にフィルムを被せ周囲を接着して包装することで使用するフィルム等が少なくなり、ゴミの減量化にも貢献できる包装形態も考えられるが、特許文献2に開示された被包装物の搬送及びエレベータによる突き上げの技術を、前記所謂トレイを使用しない平板状の下地材に被包装物を載せた下地材の表面にフィルムを熱溶着するヒートシール包装装置に利用した場合には、下地材を支持する部分、即ちヒータと対応するヒータ受けは部分的に存在することになり、結果、熱溶着部分は不連続の形態で形成されることになる。
よって、特許文献2に記載の技術は前記下地材に被包装物を載せて包装する包装形態には利用できず、ゴミの減量化に貢献でき、包装効率が良い包装はできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−294210号公報
【特許文献2】特開2002−255337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、ゴミの減量化に貢献でき、包装サイクルを短くすることが出来るヒートシール包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成する為に本発明のヒートシール包装装置は、フィルムロールから引き出したフィルムにて被包装物を包装するヒートシール包装装置において、被包装物を載せた前記下地材を前記装置内のヒートステーションへ搬入するために前記下地材を載置する搬入部と、前記フィルムが被せられた被包装物の周囲のフィルムと前記下地材とを前記熱溶着するためのヒータ部と、該ヒータ部と対応するヒータ受け部と、前記ヒータ部とヒータ受け部とによりヒートシール包装された包装物を排出する前記搬入部とは異なる位置に設けられた排出部と、を備えることを特徴とする(請求項1)。
前記ヒートステーションとは、ヒータ部、ヒータ受け部にてヒートシールされる位置を示し、ヒートステーションにヒータ部、それに対応するヒータ受け部が予め位置しても良いし、あるいは、ヒートシートする際に、他の位置からヒータ部、それに対応するヒータ受け部が、それぞれフィルムを熱溶着するための位置へ移動しヒートシールするようにしてもよい。
また、上記課題を達成する為に本発明のヒートシール包装装置の具体例は、例えば、フィルムロールからフィルムフィード手段により引き出したフィルムにて被包装物を包装するヒートシール包装装置において、被包装物が載った下地材を前記装置内のヒートステーションへ搬入する為に前記下地材を載置する搬入部と、被包装物が載った下地材を載承保持し、包装の際に下地材を支える下地材載承手段と、前記搬入部に載せられた下地材を、前記下地材載承手段直上に供給する案内手段と、前記案内手段上の下地材を前記下地材載承手段に載せ換える移載手段と、前記フィルムフィード手段によって引き出したフィルムにて下地材上の被包装物を覆う被覆手段と、前記被包装物を覆うフィルムの周囲と前記下地材とを前記熱溶着するためのヒータ部と、該ヒータ部と対応するヒータ受け部と、前記フィルムと下地材とが熱溶着された包装物を、装置外に排出し、前記搬入部とは異なる箇所に設けられた排出部と、を備え、前記案内手段は、前記搬入部に載せられた初期位置と、載承した下地材を前記下地材載承手段に載せ換えるために下地材載承手段の上方位置との間を移動自在としていることを特徴とする(請求項2)。
前記下地材は、紙製、樹脂製(例えば、樹脂シート、発泡樹脂シート、樹脂板等)、薄い木製板、或いは異種素材を貼り合わせた積層シート等で、フィルムを熱溶着しにくい素材に対しては、熱溶着を可能とする表面処理(樹脂のラミネート、コーティング処理等)が施されている。また、下地材の表面は無地(白色)でもよいが、載せる商品に応じて着色、模様を印刷したものを用い、商品を目立つようにしてもよい。
【0008】
被包装物の表面を覆うフィルムはストレッチフィルムに限らず、伸縮性のないフィルム(例えば、ポリプロピレンフィルム)でもよい。
前記フィルムフィード手段は、フィルムロール配置部に配置したフィルムロールに繋がるフィルムの先端部を掴んで所定長さ引き出し、その引き出したフィルムを下地材載承手段の上方に展張保持するもので、その引き出し方式はフィルムの先端を掴む部材を移動させる方式、或いはフィルムの幅方向両側を無端回動する上下のベルトで挟み、該ベルトの駆動でフィルムを引き出す方式等、何れでもよい。
【0009】
前記フィルムフィード手段が引き出したフィルムによって下地材上の被包装物を覆う被覆手段には、前記フィルムを引き出したフィルムの周縁部をヒータ部によって熱溶着するまでの間、例えば吸引保持する方式にて該フィルム全体を略水平に展張保持(保持手段)し、該展張したフィルムに対して、下地材載承手段に載置した下地材上の被包装物に被せる為に、前記フィルムフィード手段或いは下地材載承手段を移動手段によって移動させることで下地材の被包装物をフィルムで覆い、フィルムの周縁をヒータ部によりシールする。
そして、その移動方式は移動させる部材(フィルムフィード手段か、下地材載承手段か)によって適宜選択し、且つ、駆動も電動或いは手動の何れでもよい。例えば、フィルムフィード手段及び吸引手段を所定高さ位置に固定し、下地材載承手段を前記保持手段で展張保持されるフィルムに対して下方から押し上げて包装する場合、下地材載承手段を略水平状態で鉛直方向に上下させる方式とする。
又、下地材載承手段を所定高さ位置に固定し、その下地材載承手段に対してフィルムを展張保持した保持手段及びヒータ部を下降させてフィルムを下地材に熱溶着してもよい。
【0010】
そして、フィルムを吸着する吸引部の形態は引き出したフィルムの前後部及びフィルムの幅方向左右側部の周囲四辺を吸着する中空枠構造、或いは引き出したフィルムの包装領域全体を吸着する孔開き平板構造等何れでのよい。尚、平板構造とする場合は吸気が作用する平板は、被包装物との当接により伸縮変形する弾性部材で形成する。
そして、吸引して保持する場合の吸引部はフィルムを下地材に熱溶着するヒータ部より例えば内側に配置する。
また、待機しているフィルムの先端をクランプ部材のフィルムフィード手段によって所定位置までフィルムを引き出し、被包装物をフィルムで覆ってから、フィルムロールに繋がるフィルム端部を切断する方式の場合はフィルムフィード手段が前記保持手段に相当する。
【0011】
又、前記ヒータ部は被包装物を覆うフィルムの縁を下地材に熱溶着するもので、熱溶着の形態は下地材の外形(例えば、矩形)に沿って四辺を熱溶着する形態が基本であるが、被包装物によっては対向する二辺のみ、或いは三辺のみを熱溶着してもよい。
また、前記排出手段は、包装物を載承した下地材載承手段を所定の角度に傾け、傾斜を利用して重力で下地材載承手段外に滑動落下させる方式、或いは包装物を排出プッシャ等で押して強制的に排出する方式等、何れでもよい。
【0012】
上記手段によれば、被包装物を載せた下地材を、初期位置の案内手段に載せ、案内手段を下地材載承手段側に移動し、該案内手段を初期位置に戻すことで移載手段と協働して下地材は下地材載承手段に乗り移る。また、フィルムフィード手段の作動によりフィルムロールからフィルムが所定長さ引き出され、その引き出したフィルムを吸引手段で略水平に展張保持し、フィルムフィード手段又は前記下地材載承手段を相対的に移動させることで前記下地材上の被包装物をフィルムで覆い、且つ被包装物を覆うフィルムの縁は、ヒータ部で下地材の表面に熱溶着され、包装済みの包装物は下地材載承手段上から排出手段によって装置外に排出される。そして、前記排出手段は前記案内手段の初期位置と異なる位置に設けられているため、案内手段に載せた下地材を移載手段と協働して下地材載承手段に乗り移した後、前記案内手段は初期位置に復帰位置するため、次に包装する被包装物を載せた下地材を案内手段に載せ準備することが出来る。従って、ヒートシール包装の包装サイクルを短縮することが出来る。また、下地材載承手段がヒートシールをする際のヒータ受け部を兼ねても良いし、あるいは、下地材載承手段とは別の部材で、下地材載承手段の周囲にヒータ受け部を設けて、ヒータ部とヒータ受け部とによりフィルムを熱溶着するようにしても良い。また、下地材載承手段とヒータ受け部とを別にした場合、ヒートシールするときのみ、ヒータ受け部が下地材載承手段の周囲に移動し、下地材載承手段上に載った下地材を下方から支え、ヒータとヒータ受け部とによりフィルムを下地材の表面に熱溶着するようにしてもよい。
【0013】
前記案内手段は、下地材を載承する載せ部を有した引き出し方式が好適で(請求項3)、前記移載手段は、前記案内手段に載承された下地材の装置内への案内方向の後端縁部と当接し前記案内手段の移動経路へ出没する突片部を備え、該案内手段の初期位置復帰動作で前記案内手段の移動路に突出された前記突片部と、前記下地材の後端縁部とが当接し、下地材載承手段上に乗り移るようにする(請求項4)。
前記移載手段の突片部は、案内手段の載せ部に対して上方から突出するタイプ、または載せ部に対して下方から突出するタイプの何れでもよい。
そして、移載手段の突片部が載せ部に対して下方から突出するタイプの具体例としては、櫛歯形状が挙げられ、これと対応する案内手段の載せ部も平面視櫛歯形状とする。即ち、前記案内手段の載せ部と、移載手段の突片部とは互いに噛み合う入れ子形態とする(請求項5)。
【0014】
上記手段によれば、案内手段の載せ部に載せられた下地材の後端周縁に、移載手段の突片部を係合当接させた状態で、前記案内手段を初期位置側に移動させることで、該案内手段の載せ部に載承された下地材を下地材載承手段上に乗り移らせることができる。
そして、前記案内手段の載せ部と、移載手段の突片部とが互いに噛み合う入れ子形態の場合は、移載手段の突片部が櫛歯形状の載せ部を貫通して上方または下方に突出する為、載せ部に載承された下地材が紙板のように薄くても突片部は確実に下地材の端部周縁に係合当接し、下地材を案内手段から下地材載承手段に確実に乗り移らせることができる。
【0015】
また、下地材の大きさを検知してフィルムのフィード量及び熱溶着するヒータ部のサイズ等を制御するようにしてもよい。具体的には、前記下地材載承手段に載承される下地材の大きさを検知する検知手段と、前記検知手段の検知情報に基づき前記フィルムフィード手段のフィード量を制御するフィルムフィード量変更手段と、前記検知手段の検知情報に基づき前記ヒータ部のサイズを変更するヒータ部移動手段と、を備えた構成とする(請求項6)。
前記検知手段の具体例としては、例えば、前記下地材載承手段の支持面に上下貫通してサイズ毎の検出通孔を形成し、そのサイズ毎の通孔を挟んで検出センサを機枠に上下斜めに対向配置する構成が挙げられる(請求項7)。
前記下地材載承手段の支持面に形成するサイズ毎の検出通孔としては、例えば「大」サイズ用と「小」サイズ用の二種類、或いは「大」サイズ用、「中」サイズ用、「小」サイズ用の三種類等が挙げられる。
【0016】
上記手段によれば、下地材が案内手段から下地材載承手段に乗り移ると、該下地材の大きさが検知手段で検知され、その検知情報に基づいて前記下地材に被せるフィルムの長さ、及びそのフィルムを下地材に熱溶着するヒータ部のサイズが夫々変更され、下地材の大きさに合ったフィルムサイズとヒータ部で熱溶着することができる。従って、フィルムの無駄がなく最適な状態でヒートシール包装することができる。
また、下地材の大きさの検知は、下地材載承手段に形成した複数の検出通孔のうちの何れの通孔が下地材で塞がれているかを検出センサで検知する為、確実にサイズ検出を行うことができる。しかも、前記検出センサは斜めに対向するように配置されているため、該検出センサの投光面、受光面も鉛直面に近い傾斜状態にあり、その結果、投光面、受光面に埃などが付着堆積することがなく、長期に亘って安定した検出精度を維持することができる。
【0017】
また、前記下地材載承手段は、下降動作の最終段階で水平状態から傾斜状態に姿勢を変更し、包装物を前記排出手段に重力で排出するようにしてもよい(請求項8)。
この場合、排出手段も下地材載承手段の傾斜に連続するよう傾斜状態に配置する。
【0018】
上記手段によれば、ヒートシール包装を完了した包装物は下地材載承手段の下降に連続した傾斜状態への姿勢変更によって排出口に自動的に排出される。それにより、下地材載承手段は次の被包装物を受入可能な状態になり、包装サイクルの短縮に貢献する。
【発明の効果】
【0019】
本発明のヒートシール包装装置は、請求項1記載の構成により、被包装物を載せた下地材が装置内へ搬入され、下地材に載せた被包装物の周囲を囲むようにヒートシールされて、搬入部とは異なる箇所の排出部から包装された下地材が排出されるようになるので、排出部から排出されるのを待たずに搬入部から次の下地材を供給することができるので、包装サイクルを短くすることができ、また、下地材を用いた包装であるのでトレイを用いた包装とは異なりゴミの減量化に貢献することができる。
又、請求項2記載の構成により、被包装物を載せた下地材を案内手段から周囲がヒータ受け部である下地材載承手段に移載されるので、被包装物はフィルムで覆われて周囲が熱溶着されるようになり、該案内手段は初期位置に戻って次の被包装物を受入可能状態に待機し、下地材載承手段に移載された被包装物はヒートシール包装されて案内手段とは異なる排出口に排出される。従って、包装サイクルの短縮を可能とするヒートシール包装装置を提供できる。また、下地材の上に被包装物が載せられフィルムにて覆われて包装される包装形態なので、トレイを使用せずゴミの減量化に貢献でき、また、下地材の上に被包装物が載置されて包装されるので、単に袋に被包装物が投入される包装形態と比べ見た目もよく、購買意欲を促すことができる。
また、請求項3記載の構成により、引き出し式にて下地材が装置へ案内されるので、駆動機構を有さず簡単な機構にて案内することができる。
また、請求項4記載の構成により、案内手段が下地材載承手段の上から初期位置へ戻る際に、案内手段の移動路に移載手段の突片部が突出して、装置内への案内方向における下地材の後端縁部と接し下地材を下地材載承手段上に移行されるようなる。つまり、案内手段が下地材載承手段直上の位置から初期位置へ戻る移動により、前記下地材の後端縁部に突片部が当接し、被包装物が載った下地材が下地材載承手段上へ切り離し移行されるようになるので、簡単な機構で確実に下地材を移行させることができる。
また、突片部に下地材の後端縁部が押し付けられ、案内手段が移動しながら下地材が下地材載承手段上に移行されるので、下地材は下地材載承手段上で一定の向き、位置に位置するようになるので、常に正しい位置で包装することが可能になる。
また、請求項5記載の構成により、案内手段の載せ部と、移載手段の突片部とは入れ子状になるので確実に下地材を移行させることができる。
また、請求項6記載の構成により、下地材の大きさに合ったフィルムサイズとヒータ部で熱溶着することができる。従って、フィルムの無駄がなく最適な状態でヒートシール包装することができる。
また、請求項7記載の構成により、下地材載承手段の支持面にサイズ毎の上下貫通した孔が形成され、該孔が閉口されたか否かにより、その下地材の大きさを検知することができる。つまり、下地材が停止された状態でその大きさを検知されるので、より確実にその大きさを検知することができ、また、検出センサは斜めに対向するように配置されているため、該検出センサの投光面、受光面も鉛直面に近い傾斜状態にあり、その結果、投光面、受光面に埃などが付着堆積することがなく、長期に亘って安定した検出精度を維持することができる。
また、請求項8記載の構成により、ヒートシール包装を完了した包装物を自動的に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るヒートシール包装装置の実施の形態の一例を示す外観斜視図。
【図2】同側面図。
【図3】下地材載承手段及び案内手段部分を示す部分拡大図で、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図4】案内手段と移載手段の構成を示す断面図で、(a)は移載手段が案内手段の下方に待機する状態、(b)は移載手段が案内手段より上方に突出した状態。
【図5】案内手段と移載手段の位置関係を示す斜視図で、(a)は案内手段の平板が初期位置に位置する状態の斜視図、(b)は平板が載せ台上に移動された状態の斜視図。
【図6】案内手段と移載手段の位置関係を示す斜視図で、(a)は案内手段の平板が載せ台上から初期位置に戻る途中の状態の斜視図、(b)は平板が初期位置に戻った状態の斜視図。
【図7】下地材載承手段に載承される下地材のサイズを検出する検出手段の構成を示す図で、(a)は平面図、(b)は断面図。
【図8】下地材載承手段と排出手段の関係を示す図で、(a)は平面図、(b)は一部を切欠して示す拡大断面図。
【図9】下地材載承手段の移動手段と案内手段及び移載手段の相対関係を示し、(a)は初期位置(下限位置)の状態、(b)は下地材載承手段の載せ台が中間位置に上昇し、その直上位置に案内手段の平板が挿入された状態。
【図10】下地材載承手段の移動手段と案内手段及び移載手段の相対関係を示し、(a)は包装位置(上限位置)の状態、(b)は載せ台が初期位置に下降して包装物を排出手段に排出する状態。
【図11】吸引手段及びヒータ部の構成を示す斜視図。
【図12】同底面図で、(a)は仕切り壁が第1の位置に位置した状態、(b)は仕切り壁が第2の位置に移動した状態を示す。
【図13】吸引手段でフィルムを吸着保持した状態の縦断面図。
【図14】フィルムフィード手段のフィルム先端クランプ部によるフィルム先端の挾着動作を示し、(a)は可動下板が開く状態、(b)はフィルム先端を固定上板と可動下板の閉動で挾着する状態、(c)はフィルムを引き出す状態。
【図15】フィルム先端クランプ部の解放機構を示す説明図。
【図16】電気機構部のブロック図。
【図17】包装ファイルの構成を示す図
【図18】図1に示したヒートシール包装装置の包装動作の流れを示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るヒートシール包装装置の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1乃至図2に示すヒートシール包装装置Aは、平板状の下地材上に被包装物Wを載せ、その被包装物Wにストレッチフィルムを被せ、被包装物Wより外側のフィルム縁を前記下地材表面に熱溶着してシール包装する装置で、被包装物Wに被せるフィルムの引き出し、シール加工の上下動作をモータ駆動によって行う電動駆動タイプのヒートシール包装装置を示す。
そのヒートシール包装装置Aは、基台1上に、被包装物Wが載った下地材12を載承保持し、下地材12の周縁と対応する周囲位置に、ヒータと対応するヒータ受け部を有する下地材載承手段2と、被包装物Wが載った下地材12を、前記下地材載承手段2に供給する案内手段3と、前記案内手段3上の下地材12を前記下地材載承手段2に載せ換える移載手段4と、前記下地材12上の被包装物Wに被せるフィルムを繰り出すフィルムロール配置部5と、前記フィルムロール配置部5に配置したフィルムロール6からフィルム6aを所定長さ引き出すフィルムフィード手段7と、前記フィルムフィード手段7によって引き出したフィルム6aを前記下地材載承手段2の上方に展張保持する保持手段8と、前記保持手段8が吸引保持するフィルム6aで下地材12上の被包装物Wを覆うように、前記保持手段8或いは前記下地材載承手段2を相対的に移動させる移動手段9と、被包装物Wを覆ったフィルム6aの縁を、被包装物Wを載せた下地材12表面に熱溶着するヒータ部10と、フィルム6aの縁が下地材12の周縁に熱溶着された包装物W’を、装置外に排出する排出手段11と、を備えて構成されている。そして、下地材載承手段2に載置された下地材12とフィルム6aとが上方に位置するヒータ部10により熱溶着されるので、下地材載承手段2上、更に、下地材載承手段2の上方の空間が、包装に利用されるヒートステーションとなる。
【0022】
前記下地材載承手段2は、下地材12および被包装物Wを載せて上昇し、上方に位置するヒータ部10に押し付けても変形しない強度を有するよう、金属材を用いて平面視矩形状の載せ台2aに構成されている。そして、前記矩形状の載せ台2aはサイズの異なる大・小二種類の下地材(横寸法は同じ、縦寸法が異なる)に対応するよう、大きいサイズの下地材に合わせて形成され、上面全面が平板で覆われている。その載せ台2aの表面にはヒータ部10と対応する箇所にシリコンゴム等の耐熱性部材からなるヒータ受け部が取り付けられ、下地材12に対するフィルム6aの溶着が安定して行われるようになっている。尚、下地材載承手段2の上面は全面を板部材で覆うことなく、大・小二種類の下地材12の外周縁と対応する枠形状に構成してもよい。
そして、この下地材載承手段2は上方に配置されるヒータ部10と前記基台1上の排出手段11との間を移動手段9で上下するように支持されている。
【0023】
前記移動手段9は、前記下地材載承手段2の載せ台2aを、初期位置(下限位置)での下向き傾斜状態から初期位置より上方位置の下地材12を載せてもらう水平受取位置(中間位置)、更に下地材12を載承した水平状態で上方のヒータ部10に押し当てて下地材にフィルムを熱溶着する溶着位置(上限位置)との間を上昇・下降させるもので、前記載せ台2aの奥行き寸法の略中間位置に支軸13が幅方向を貫通して横架支持され、その支軸13の両側端は、基台1上に前記下地材載承手段2を挟むように起立固定した案内支柱14に沿って上下する摺動体15に取り付けられている。
そして、前記摺動体15には、基台1上に起立固定した機枠16に一端を軸支した左右一対のアーム17の先端部に取り付けた第1リンク杆18の端部が連結され、前記アーム17の上下動により前記下地材載承手段2が案内支柱14に沿って上下される。
【0024】
前記左右一対のアーム17を上下させる駆動機構は、前記アーム17の軸支部と前記第1リンク杆18の軸支位置との略中間位置に第2リンク杆19の一端部が連結され、該第2リンク杆19の他端部に揺動杆20の一端部が連結され、左右の揺動杆20の他端部は機枠16に横架軸支した軸21に連結されている。そして、前記軸21の一側部には歯付プーリ22が固着され、その歯付プーリ22とモータ23の出力軸に固着した駆動プーリ24とに亘ってベルト25が巻装されている。これにより、モータ23の作動により揺動杆20、及び第2リンク杆19を介して前記アーム17が上下揺動され、第1リンク杆18を介して摺動体15は案内支柱14に沿って上下され、下地材載承手段2は初期位置、水平受取位置、溶着位置で停止しながら上下される。
前記下地材載承手段2の載せ台2aの位置検出(初期位置、水平受取位置、溶着位置)は、前記摺動体15に取り付けたフラグ73が、機枠16に取り付けた下位置センサ74a、中位置センサ74b、上位置センサ74cを遮ることで検出されるように構成されている。
【0025】
また、前記下地材載承手段2の載せ台2aは、ヒートシール包装を完了した包装物W’を載承して水平状態で降下するが、その降下の途中に基台1上に配置した機枠16の一部16’に、前記載せ台2aの軸13より後側部分が当接することで、強制的に下向き傾斜状態に姿勢が変更されて降下される。逆に、下地材載承手段2が初期位置より上方に上昇する時は、載せ台2aが機枠16の一部16’との当接が解除されることで姿勢は水平状態に切り替わり、被包装物Wが載せられた下地材12を受け取ることが可能な状態となる。
【0026】
被包装物Wが載った下地材12を前記下地材載承手段2の載せ台2aに供給する案内手段3は、図5、6に示すように、片持ち状の水平載せ部を有した引き出し形態のもので、被包装物Wを載せる搬入部を兼用し、該被包装物が載せられた初期位置(図5(a)を参照)から下地材載承手段2の載せ台2a上(図5(b)参照)位置までの間を移動自在になっている。
その片持ち状の水平載せ部は平面視櫛歯形状の平板3aで構成され、該平板3aを平面視コの字状に囲み平板3aを水平に保持する枠体3cが設けられている。そして、その平板3aは幅方向の両側が機枠16に固着した案内枠3bに摺動可能に支持されて構成されている。
前記平板3aは、大・小二種類の下地材12を載置し得るよう大きいサイズの下地材に合わせて長さ寸法が決定され、その櫛歯状の平板3aにおける長さ方向の手前側上面に、下地材12を載置する場合の位置決め突片25が鉛直上方に向けて固着されている。これにより、下地材12の後端縁を前記位置決め突片25の前面に当接させて置くことで、該下地材12を前記下地材載承手段2の載せ台2a上に後端基準で移載することができる。
前記平板3aを摺動可能に支持する前記案内枠3bは、基台1上に起立した前記機枠16によって基台1上方の所定高さ位置に水平に架設されている。前記案内枠が架設される高さ位置は、前記下地材載承手段2の載せ台2aが初期位置から上昇して最初に略水平となる高さ位置より僅か上方とする。即ち、水平状態の下地材載承手段2の上に、案内枠3bに沿って摺動される平板3aが位置するようにする。また、前記平板3aの手前位置(後端部)上面には該平板3aを摺動するための把手26が取り付けられている。尚、前記平板3aの摺動は手動操作によることなく、モータ或いは直線移動機構等を用いた電動方式としてもよい。
【0027】
また、前記平板3aを保持する枠体3cを摺動可能に支持する左右の案内枠3bには該平板3aの位置を検知する位置検知センサ32,32’がそれぞれ対向するように配置されている。その位置検知センサ32,32’は、図5(b)に示すように、案内枠3bの摺動路に配置され、平板3aが位置する機枠16上の初期位置又は下地材載承手段2の載せ台2a直上である包装位置の何れの位置に位置するかが検知される。具体的には、位置検知センサ32,32’を枠体3cの摺動方向に沿って直列に配置し、平板3aが初期位置に停止する時、該枠体3cの先端部分が手前側の位置検知センサ(インフィード初期位置センサ)32のみの光路を遮って初期位置に存在することが検知される。また、平板3aが下地材載承手段2の載せ台2a直上まで前進され、該枠体3cの後端部分が前記位置検知センサ32より平板の進行方向前側に配置された位置検知センサ(インフィード包装位置センサ)32’のみの光路を遮ることで枠体3cに保持された平板3aが包装位置に移動、即ち被包装物Wを載せた下地材12が載せ台2a上に移動されたことが検知される(図5(b)参照)。そして、平板3aが包装位置に移動されたことを検知する位置検知センサ32’の検知信号は、前記下地材載承手段2の載せ台2aを上下する移動手段9の起動信号として出力される。そして、載せ台2aが平板3aと接することで上昇することで、図5(b)に示すように位置決め突片25が平板3aの面より突き出る。
また、前記平板3aの摺動(挿入、引き出し)を前記位置検知センサ32,32’が検知するのに連動して平板3aの挿入や引き出しが可能かを示す表示ランプ79a,79bが案内手段3より上方の装置前面に配置されている。
表示ランプ79aはインフィード挿入ランプであり、平板3aを初期位置から装置内へ挿入可能な状態であることを示すランプである。つまり、載せ台下位置センサ74aがON(載せ台2aが下位置に居ること)、商品排出センサ72bがOFF(商品を何ら検知していないこと)、位置検知センサ(インフィード初期位置センサ)32がOFF(枠体3cで位置検知センサ(インフィード初期位置センサ)32が遮られており、平板3aが初期位置にいること)であるときに点灯し、例えば、一旦、平板3aが包装のために装置内へ挿入され、位置検知センサ(インフィード包装位置センサ)32’がOFF(枠体3cでインフィード包装位置センサ32’が遮られる)になると消灯される。
また、表示ランプ79bはインフィード引き出しランプであり、平板3aを装置内から初期位置へ戻すことが可能な状態であることを示すランプである。つまり、位置検知センサ(インフィード包装位置センサ)32’がOFF(枠体3cがインフィード包装位置センサ32’を遮っている)、載せ台中位置センサ74bがONにて、平板3aを初期位置へ戻すことが可能なので、インフィード引き出しランプが点灯し、位置検知センサ(インフィード初期位置センサ)32がOFFになることで、枠体3cが位置検知センサ(インフィード初期位置センサ)32を遮るようになり、インフィード引き出しランプが消灯される。
【0028】
前記案内手段3の平板3a上に載置された下地材12を前記下地材載承手段2の載せ台2a上に載せ換える移載手段4は、前記案内手段3の櫛歯状の平板3aが下地材載承手段2の載せ台2aの直上位置に前進摺動された後、初期位置に後退する時、被包装物Wが載った下地材12を前記平板3a上から分離するもので、図4に示すように、前記平板3aの櫛歯形態と噛み合う櫛歯状(入れ子状)のシャッタ27と、そのシャッタ27を前記平板3aより下方の退避位置から平板3aより上方に突出する移載位置に上下移動させる移動機構とで構成されている。
【0029】
前記シャッタ27は、案内手段3の櫛歯状の平板3aと噛み合う櫛歯形状(入れ子状)に形成されるが、その噛み合う突片部27aは図示するように平板3aの溝と対応する位置の全てに配置形成される形態に限らず、部分的に噛み合うように形成されていてもよい。その場合、下地材12のサイズの大・小に関係なく、該下地材12の後端縁が前記突片部27aの前面に当接して、平板3aのみが引き抜かれ後退できればよい。
また、前記シャッタ27の設置位置は、前記案内手段3の平板3aが前進された時の位置決め突片25の位置より後側(平板3aの前進方向に対して)となる位置で、位置決め突片25の前面に当接させて載置した下地材12の後端縁が、該平板3aの後退によって位置決め突片25との当接から解除されて突片部27aとの当接に切り替わるようにしてある(図5(b)及び図9(b)参照)。
【0030】
前記シャッタ27を上下する移動機構は、前記下地材載承手段2における載せ台2aを昇降させる移動手段9と連係して動作するように構成されている。
具体的には、図1、2に示すように、前記シャッタ27の幅方向両側が基台1上に起立した左右一対の機枠16に開設した案内溝28を貫通して外方に突出され、その突出端部は前記機枠16の外側に上下動可能に取り付けた昇降部材29に連結されている。そして、前記昇降部材29には前記移動手段9の摺動体15に固着した押圧片15’と当接する受け部30が突出形成され、更に前記昇降部材29はスプリング31で上方に付勢されている。
【0031】
上記構成により、下地材載承手段2の載せ台2aが下限位置に位置する時、移動手段9の摺動体15に固着された押圧片15’が昇降部材29の受け部30に圧接され、それにより前記昇降部材29はスプリング31を圧縮して下方に押下げられ、該昇降部材29に取り付けられたシャッタ27は案内溝28の最低部側に位置して案内手段3の平板3aより下方の退避位置に保持される。従って、前記平板3aは下地材12を載せて下地材載承手段2の載せ台2aの直上への前進移動が可能となる(図5(a)及び図9(a)参照)。
そして、前記案内手段3の平板3aが初期位置から案内枠3bに沿って前方に摺動されて下地材載承手段2の載せ台2aの直上位置(包装位置)に位置すると、前記位置検知センサ32’の検知信号により前記移動手段9が起動され、摺動体15は案内支柱14に沿って上昇される。それに伴い、スプリング31で摺動体15の押圧片15’と当接する方向に付勢されていた昇降部材29は摺動体15に追随して上方に押し上げられ、該昇降部材29に固着されたシャッタ27は案内溝28内を上方に移動し、該シャッタ27の突片部27aは平板3aの位置決め突片25の位置より後側(下地材の後端縁より後方)で該平板の櫛歯の間から上方に突出されると共に、上昇された下地材載承手段2の載せ台2aの前側縁の近傍位置に位置する(図5(b)及び図9(b)参照)。
【0032】
また、前記案内手段3の平板3aが包装位置へ摺動されたことで移動手段9が起動され、下地材載承手段2の載せ台2aは前記平板3aから下地材12を受け取る略真下位置に移動待機する。それにより、前記平板3aを把手26によって初期位置へ引き戻す(後退させる)と、該平板3aの位置決め突片25の前面に当接されていた下地材12の後端縁は平板3aの後退によりシャッタ27の突片部27aの前面に当接し、下地材12は平板3aから引き離され、下地材載承手段2の載せ台2a上面に移載される(図6(a)、(b)参照)。尚、平板3aが初期位置に戻ることで、前記シャッタ27の突片部27aと平板3aとの入れ子状態が解除され、それに伴い前記シャッタ27はスプリング31の弾発力で上方に押し上げられ、平板3aの前進を遮る状態となるシャッタが当該位置に位置していることを検知するシャッタセンサ80がONになる。即ち、次の被包装物が包装中に誤って供給されるのを防止する(図6(b)参照)。
【0033】
前記下地材載承手段2の載せ台2aに移載された下地材12に被せるフィルムを繰り出すフィルムロール配置部5は、図1、2に示すように、前記基台1上に起立固定した機枠16上に架設した受台75上に配置され、そのフィルムロール配置部5の下方に、前記フィルムロール配置部5にセットしたフィルムロール6からフィルム6aを引き出すフィルムフィード手段7、および前記フィルムフィード手段7が引き出したフィルム6aを水平に展張保持する保持手段8、更に前記下地材載承手段2の上昇で前記下地材12に当接された前記フィルム6aを前記下地材12に熱溶着するヒータ部10が設置されている。
【0034】
前記フィルムロール配置部5は、受台75上に起立固定した一対の側板33間に所定の間隔をおいて架設した2本の支杆34,34’に、回転ローラ35がそれぞれ回転可能に装着され、その2本の回転ローラ35上にフィルムロール6を転動可能に載承するように構成されている。尚、フィルムロール配置部5におけるフィルムロール6の支持構造は、図示の回転ローラ35による支持構造に限らず、フィルムロール6の中心孔に軸を通して支持する一般的な支持構造でもよい。
【0035】
又、前記側板33間には、前記フィルムロール配置部5より下方に位置して軸36が架設され、該軸36にはフィルムロール6に繋がるフィルム6aを引き出し方向に案内する案内ローラ37が電磁ブレーキ(図示省略)を介して取り付けられている。即ち、フィルムフィード手段7のフィルム先端クランプ部45がフィルムを掴みフィルムをフィードする時は案内ローラ37と電磁ブレーキがOFFになり、案内ローラ37が回転し、フィルムがフィードされる。又、フィルム先端クランプ部45が、待機しているフィルムを掴みに進む時は、電磁ブレーキがONになり、案内ローラ37が回転しなくなる。
又、図2に示すように、前記軸36の軸端と前記受台32の反対側の端部に回転可能に横架した軸38の軸端にはそれぞれ歯付プーリ39,40が固着され、その歯付プーリ39,40に亘って歯付ベルト41が巻回され、且つ前記軸38はフィルムフィード手段7のフィルムフィード用モータ(例えば、ステッピングモータ)46cの回転を利用して回転するようになっている。
又、前記歯付ベルト41には後述するフィルムフィード手段7のフィルム先端クランプ部45が連結され、歯付ベルト41の正逆回動でフィルム先端クランプ部45が往復動するようになっている。
【0036】
又、前記案内ローラ37とフィルムロール配置部5との間には前記側板33に亘って中間案内ローラ42が回転可能に支持され、その中間案内ローラ42を支持する軸に、フィルム6aの先端を前記案内ローラ37の周面に巻き付けて該案内ローラ下面から前方に突出させ初期セット状態にする案内板43が回動可能に取り付けられている。
前記案内板43は、側面略L字型に形成され、略直角に折り曲げられた水平片部43aは該案内板43の回動で案内ローラ37の下側に入り、水平片部43aの先部が案内ローラ37より前方に水平に突出するように構成されている。
そして、前記水平片部43aの上面にはフィルム先端を下方から支える弾性部材からなるフィルム支持板44が先端側を水平片部43aより前方に向けて水平に突出されている。それにより、案内板43の水平片部43aより突出するフィルム支持板44の先端側は上下方向に自由に撓み、後述するフィルムフィード手段7のフィルム先端クランプ部45によるフィルム先端の挟持が確実に行われる。即ち、案内板43はフィルムロール6に繋がるフィルムの先端を初期セット状態にすると同時に、セット後はフィルム先端を下方より支持してフィルム先端クランプ部45による挾着が安定して行われるようにする(図14参照)。
【0037】
前記フィルム支持板44上面に水平に支持されたフィルム6aの先端を挟持して該フィルム6aを保持手段8及びヒータ部10の下面に沿って引き出すフィルムフィード手段7は、フィルム6aの先端を挟持するフィルム先端クランプ部45と、該フィルム先端クランプ部45を保持手段8及びヒータ部10に沿って往復移動させる駆動部46とで構成されている。
フィルム先端クランプ部45は、図14に示すように、固定上板45aの下側に可動下板45bが軸45cで上下回動可能に軸支され、且つ軸45cより後方位置に固定上板45aと可動下板45bとに亘ってスプリング45dが弾圧装着されている。それにより、可動下板45bの先端側は固定上板45aの下面に圧接され、フィルム6aを挾着し得るように構成されている。尚、固定上板45aと可動下板45bによるフィルム挾着をより確実に行えるように、可動下板45bの上面に弾性体(例えば発泡ウレタン)を接着固定してもよい。その場合、弾性体はフィルム6aの幅方向全幅を挾着し得るように可動下板45bの幅方向全幅に亘って取り付けるとよい。
【0038】
又、前記可動下板45bの先端側(フィルムの先端を挾着する側)の側面には、スプリング45dの弾発力で閉じられている可動下板45bを強制的に開動させるためのガイドローラ47が取り付けられている。そして、このガイドローラ47を水平線に対して下方に案内する案内傾斜板48が、前記フィルム支持板44の先端近傍が位置する側板33の側面に配置されている。
案内傾斜板48は、前記フィルム先端クランプ部45がフィルム6aの先端を挟持するために保持手段8及びヒータ部10の下面に沿って往動し、その往動の終端手前位置で閉鎖している可動下板45bをスプリング45dの弾発力に抗して強制的に開動させるもので、閉鎖状態の可動下板45bの外側面に取り付けられたガイドローラ47が通る線上の水平線前方位置に、前方下向きに配置され、この案内傾斜板48にガイドローラ47が当接して前進を続行することで、可動下板45bの先端側(フィルムを挾着する側)は軸45cを中心として下方に開動してフィルム支持板44の下側に位置し、案内傾斜板48を通過後はスプリング45dの弾発力で閉動され、フィルム支持板44の上側に位置する固定上板45aとでフィルム6a及びフィルム支持板44の先部を挾着する(図14(a),(b)参照)。
【0039】
前記案内傾斜板48は、図14(c)に示すように、ガイドローラ47が前進当接する方向には傾斜状態が固定され、ガイドローラ47が案内傾斜板48の下面に沿って案内されて通過後(フィルムの先端を挾着後)、フィルム先端クランプ部45が復動(後退)に切り替わって案内傾斜板48の上面側を通過する時、該傾斜板48はガイドローラ47の移動を阻害しないよう下向きに倒伏可能に取り付けられており、且つ、ガイドローラ47の通過後、倒伏した案内傾斜板48が初期状態(ガイドローラ47を進行方向下向きに案内する傾斜状態)に復帰するよう引張りコイルバネのスプリング48aで引っ張られている。
【0040】
前記フィルム先端クランプ部45を往復動させる駆動部46は、図1,2に示すように、受台75の左右側面における先端から後端に向かって配置した案内軸46a,46’aと、その案内軸46a,46’aに摺動可能に取り付けた摺動枠46b,46’bと、前記受台32の外側に回動可能に配置した歯付ベルト41と、前記歯付ベルト41を駆動回転するフィルムフィード用モータ46cとで構成され、前記摺動枠46b,46’bは前記歯付ベルト41の下側(復路側)に連結されている。そして、左右の摺動枠46b,46’bの下面に前記フィルム先端クランプ部45の固定上板45aの両側部が連結固定されている。
それにより、フィルムフィード用モータ46c(例えば、ステッピングモータ)が駆動回転することで、歯付ベルト41が回動され、歯付ベルト41の回動により摺動枠46b,46’bは案内軸46a,46’aに沿って摺動し、その摺動枠46b,46’bに連結したフィルム先端クランプ部45も摺動する。そして、往動(前進)時はフィルム先端クランプ部45の開閉動作でフィルム6aの先端を挟持し、復動(後退)時はフィルム先端クランプ部45がフィルム6aの先端を挟持したまま後退するため、包装に必要な量(長さ)のフィルムを引き出すことができる。フィルムフィード手段7が引き出すフィルムの長さは、被包装物Wを載せる下地材12のサイズによって決定され、その下地材12のサイズは該下地材12が下地材載承手段2の載せ台2aに載承された時に検知手段69で検知され、その検知情報に基づいて制御される。検知手段69については後段で説明する。
【0041】
又、前記フィルムフィード手段7のフィルム先端クランプ部45が駆動部46の作動で引き出したフィルムの先端側は該フィルム先端クランプ部45で挟持されたままの状態にあるが、その引き出した所定長さのフィルム6aを下地材12に熱溶着し、包装済みの商品を取り出すためにはフィルム先端クランプ部45による挾着を解放する必要がある。その解放機構49が前記案内傾斜板48を取り付けた側とは反対側に配置されている。
その解放機構49は、図15に示すように、前記フィルム先端クランプ部45の可動下板45bにおけるガイドローラ47を取り付けた側と反対側の先端側に取り付けたローラ49aと、そのローラ49aを介して可動下板45bを下方に開動させる作動板49bと、その作動板49bを上下動させる動力源の電磁ソレノイド49cと、前記電磁ソレノイド49cをON/OFF制御する初期位置センサ49d,終点位置センサ49eと、摺動枠46’bに設けたフラグ49fとで構成されている。
前記作動板49bは、断面略L字型の帯板で、その長手方向の一端が側板33に軸50で上下回動可能に軸支され、作動板49bの他端が電磁ソレノイド49cのプランジャに連結されている。
【0042】
又、前記電磁ソレノイド49cを作動させる位置は、前記初期位置センサ49d,終点位置センサ49eの設置位置で決定され、フィルム支持板44付近に初期位置センサ49dが、フィルムの引き出し終点寄りに終点位置センサ49eが配置されている。それにより、フィルムフィード終了後(後述の第2の位置に仕切り壁42’が位置する場合)、つまり、フィルム先端クランプ部45がフィルム先端を挟持して復動し、設定された最長のフィルムを引き出した後、摺動枠46’bに設けたフラグ49fが終点位置センサ49eを遮ることで電磁ソレノイド49cが作動し、プランジャが引き込まれて作動板49bを下方に回動させる。作動板49bの回動はローラ49aを介して可動下板45bを開動し、フィルムの挾着が解除される。尚、後述の第1の位置に仕切り壁42’が位置する場合は、フィルムは終点位置センサ49eまでフィードされず、第1の位置の時は初期位置センサ49dからの所定パルス数でフィルムフィードが終了するので、その終了を検知するセンサを、終点位置センサ49eと同様に設け、該センサの検知により、電磁ソレノイド49cを作動させ、フィルムの挾着を解除させることができる。或いは、第1の位置の時は、初期位置センサ49dからの所定パルス数、フィルムフィード用モータが駆動した後に、電磁ソレノイド49cも駆動するようプログラムしておいてもよい。又、第1の位置、第2の位置、何れの場合でも電磁ソレノイド49cを作動させるためのスイッチを設け、該スイッチの押下により、フィルム先端クランプ部45によるフィルム挾着を解除させるようにしてもよい。
【0043】
前記フィルムフィード手段7の作動で引き出された所定長さのフィルム6aは保持手段8で略水平状に展張保持される。
前記保持手段8は、図13に示すように、外箱51と内箱52とで形成される二重箱枠50と、その二重箱枠50で形成される空間に吸引力を発生させる電動ファン53とで構成されている。
前記二重箱枠50を構成する外箱51は、平面視矩形状の箱体で、上面と4つの側壁の内の3面が閉鎖され、下面と側壁の1面が開放されており、その側壁の開放部分に仕切り壁51’が気密状態を維持した状態で移動可能に配置されている。
又、外箱51の上面にはファン取付孔が開設され、そのファン取付孔に電動ファン53が装着され、該電動ファン53の作動により二重箱枠50に負圧が発生するように構成されている。尚、外箱51の上面における前記電動ファン53の取付位置は、前記移動可能な仕切り壁51’を初期位置(第1の熱溶着領域)に位置させた時に区画される領域内に存在するようにする。
【0044】
前記内箱52は、図12に示すように、上面と4つの側壁の内の3面が閉鎖され、下面と側壁の1面が開放された箱枠52a,52bを、開放された側面同士を向かい合わせ嵌合し、伸縮スライド可能に構成されている。そして、その組み合わせた箱枠52a,52bは、前記外箱51内に嵌合し、一方の箱枠52aは前記外箱51の3つの側壁と一定の間隔(隙間)を維持して上下方向に移動可能に支持されている。又、他方の箱枠52bは前記仕切り壁51’との間に前記外箱51と箱枠52aとで形成される間隔(隙間)と同じ間隔(隙間)を維持して上下方向に移動可能に連結支持されている。その支持構造については後段で説明する。
前記外箱51の側壁及び仕切り壁51’と内箱52(箱枠52a,52b)の側壁とで区画される間隔(隙間)が、前記フィルム6aを展張保持する保持手段8の吸引部8aである。
又、前記内箱52を構成する一方の箱枠52bの下端面は外側上方に向け屈曲されて分離片(分離手段)54が形成されている。この分離片(分離手段)54は、後述する弾性部材による下方への付勢力で外箱51の下端面より下方に突出される時、ヒータ部に付着するフィルム(下地材に熱溶着)を下方に押下げ、ヒータ部表面よりフィルムを離すのに貢献する。
前記内箱52の箱枠52bと仕切り壁52’とが一定の間隔(隙間)を設けて結合されており、又、仕切り壁51’の下端部にヒータ部10が取り付けられているので、仕切り壁51’が移動されて箱枠52bがスライドし図12(a)の状態から図12(b)の状態に移動しても、可動するヒータ部10と、仕切り壁51’及び外箱51と内箱52(箱枠52a,52b)で形成される吸引部8aは当初の位置関係を保ちながら、下地材の大きさに応じてヒータ部の位置を移動することができる。
図12(a)は後述の包装ファイル中の下地材種別のうち「小」が選択された場合で、仕切り壁移動に関する情報は「1」が読み出され、フラグ60bがセンサ60aを遮るまで仕切り壁51’が移動された状態である(第1の位置)。
図12(b)は包装ファイル中の下地材種別のうち「大」が選択された場合で、仕切り壁移動に関する情報は「2」が読み出され、フラグ60’bがセンサ60’aを遮るまで仕切り壁51’が移動された状態である(第2の位置)。
【0045】
前記仕切り壁51’をフィルム6aの引き出し方向に沿って移動させる機構は、図11に示すように、外箱51におけるフィルム6aの引き出し方向に沿う側壁と開放側壁側に固着した固定側板55とに亘ってボールネジ機構56が2本架設されて構成されている。具体的には、ネジ軸56aを外箱51の側壁と固定側板55とに亘って回転可能に架設し、そのネジ軸56aに螺合するナット部材56bを前記仕切り壁51’に固定する。そして、2本のボールネジ機構56のネジ軸56aを同期回転させるために前記ネジ軸56aの端部に歯付プーリ57a,57bを固定し、駆動用モータ58(例えば、ステッピングモータ)の回転軸に駆動プーリ58aを固定し、その駆動プーリ58aと前記歯付プーリ57a,57bとに亘って歯付ベルト59を巻装する。それにより、駆動用モータ58が駆動すると歯付ベルト59を介して2本のネジ軸56aが回転され、ナット部材56bが固定された仕切り壁51’はフィルム6aの引き出し方向に移動され、フィルムを吸着する領域(フィルムの引き出し方向の幅)が広狭調節される。
【0046】
上記仕切り壁51’の移動制御は、図11及び図12に示すように、固定側板55と仕切り壁51’とにわたって位置検出手段60が取り付けられて構成されている。具体的には、固定側板55に2組の位置検出センサ60a,60’aを取り付け、移動する仕切り壁51’に長短二種類のフラグ60b,60’bが取り付けられている。それにより、長いフラグ60bが位置検出センサ60aを遮った場合、仕切り壁51’は第1の位置にあり、短いフラグ60’bが位置検出センサ60’aを遮った場合、仕切り壁51’は第2の位置に移動されたことが検知される。
【0047】
又、前記保持手段8を構成する二重箱枠50の内箱52が外箱51に対して鉛直方向に移動可能に支持されるが、その支持構造は、図13に示すように、外箱51の側壁及び仕切り壁51’にそれぞれブラケット61を固定し、他方、内箱52を構成する箱枠52a,52bそれぞれの上面に案内杆62を起立固定し、その案内杆62を対応するブラケット61に上下動可能に挿通し、且つ前記案内杆62にコイルスプリング(弾性部材)63を装着して箱枠52a,52bに下向きの力が作用するように構成されている。そして、前記内箱52は初期状態(フィルム6aを吸引保持する前の状態)において該内箱52の下端が外箱51の下端に取り付けられるヒータ部の下面(フィルムを熱溶着する面)より僅か下方に突出するように設定され、下地材載承手段2の上昇で下地材12がフィルム6aに押し付けられた時、その外力で内箱52はヒータ部の下面と略面一となる位置(フィルムの熱溶着を邪魔しない位置)まで押し上げられ、ヒートシール完了に伴う下地材載承手段2の下降により前記外力が解放されるとコイルスプリング63の弾発力で初期位置に押下げられる。
【0048】
また、図13に示すように、前記吸引手段8を構成する外箱51のフィルム幅方向に沿った左右両側の側壁には該外箱51内と連通する通孔64が開設され、その通孔64を開放状態で覆うカバー65が外箱51の外側に取り付けられて補助吸引部65aが形成されている。この補助吸引部65aは、フィルムロール6から引き出されるフィルム6aがフィルムの幅方向にずれて引き出された場合でも、前記補助吸引部65aの働きで該フィルムを確実に吸引保持することができる。
【0049】
前記保持手段8の吸引部8aの外側には該吸引部8aを囲むようにヒータ部10が形成されている(図11、12参照)。
そのヒータ部10は、ニクロム線などの抵抗線を用い、前記保持手段8の外箱51の下端、及び仕切り壁51’の下端に配置されている。尚、ヒータ部10の上面側(フィルムと接触する面とは反対側)は、断熱材で被覆され、誤って手指が接触しても火傷等しないように安全対策が施されている。
又、前記ヒータ部10は、平面視略矩形状の下地材の四辺に沿って熱溶着し得るよう前記外箱51の下部外側面、仕切り壁51’の下部外側面に配置するが、各辺に対応するヒータ部10が独立分断されている場合、辺同士が交差する角部は熱溶着されないことになる。この角部の非溶着を無くす為に、ヒータ部の端部相互を金属製の導体66で連結し、前記角部も熱溶着されるようにしてもよい。
【0050】
又、前記案内ローラ37と、吸引部8a及びヒータ部10を備えた保持手段8の外箱51との間には、フィルムフィード手段7の作動で引き出したフィルム6aを切断するカッター67が配置されている。
前記カッター67は、被包装物Wに被せ下地材12の周縁に熱溶着したフィルム6aを前記フィルム支持板44より前方位置で切断するもので、該カッター67は電磁ソレノイド68で上下動され、切断されたフィルムロール6に繋がるフィルム6aの先端部はフィルム支持板44で水平に支持され、次の包装のためのフィルム引き出しの待機をする。
【0051】
前記ヒータ部10によってヒートシール包装が完了した包装物W’は下地材載承手段2の載せ台2aから排出手段11に排出される。
前記排出手段11は、被包装物Wを載せた下地材12を下地材載承手段2の載せ台2aに供給する案内手段3の略真下位置に配置され、ヒートシール包装を完了した包装物W’を下地材載承手段2の載せ台2aから受け取って装置外に排出する。具体的には、平面視略矩形状の金属平板11aをスロープ状に湾曲形成し、該金属平板11aが下地材載承手段2の載せ台2aの下限位置より前方(装置手前側)に、前記スロープが載せ台2aの傾斜に略連続するように配置されている。それにより、包装物W’は下地材載承手段2の載せ台2aの傾斜によって重力により排出手段11に排出され、該排出手段11のスロープにより重力で滑り落ち、装置外に自動的に排出される。
【0052】
又、前記金属平板11aには該金属平板11a上を滑動排出される包装物W’を検出する商品排出センサ72が配置されている。
商品排出センサ72は、金属平板11aのスロープの上部に窓孔72aを開設し、その窓孔72aと対向する金属平板11aの裏側に検出センサ72bが配置されて構成されている。
前記検出センサ72bは反射型のセンサで、光が金属平板11aの窓孔72aに投光され、その光が包装物W’で反射されて検出センサ72bで受光されれば、包装物W’が下地材載承手段2の載せ台2aから排出手段11に排出されたことが検出される。
尚、排出手段11を構成する金属平板11aは、その表面に包装物W’の滑動を助長する表面処理(摩擦抵抗を軽減するリブ(突条)加工、或いはテフロン(登録商標)加工等)を施してもよい(図8参照)。
【0053】
ヒートシール包装に使用する下地材12は、平板状の紙製下地材、樹脂製下地材(例えば、フィルム下地材、発泡樹脂下地材等)、薄い木製下地材、或いは異種素材を貼り合わせた積層した下地材など何れでも良く、フィルムを熱溶着しにくい素材に対しては、熱溶着を可能とする表面処理(樹脂のラミネート、コーティング処理等)が施される。この表面処理は、包装に使用するフィルム6aよりも融点が若干低い方が良く、更に中央部は表面処理が施されていなくてもよい。つまり、被包装物Wが置かれる部分は前記表面処理がなくてもよい。また、下地材12の表面は無地(白色)でもよいが、載せる商品に応じて着色、模様を印刷したものを用い、商品を目立つようにしてもよい。
尚、下地材12は上面に多少凸凹があってもよい。例えば、ヒータ部10と対応する下地材の上面の位置に凸部を設け、該凸部とヒータ部10とがフィルム6aを挟んで接することで、フィルム6aのシール性(熱溶着)を高めるようにしてもよい。
【0054】
前記下地材12は載せる被包装物Wの大きさなどに応じてサイズ(フィルムの引き出し方向に沿った長さ寸法)の異なる複数の種類が選択使用されるが、使用する下地材12が何れのサイズのものであるかは検知手段69で検知される。以下に示す実施の形態は、「大」、「小」二種類のサイズの検知について説明する。
下地材12のサイズ(フィルムの引き出し方向に沿った長さ寸法)の「大」、「小」を検知する検知手段69は、図7(a)、(b)に示すように、前記下地材載承手段2の載せ台2aの支持面に上下貫通して形成した「大」サイズ用の検出通孔70a,「小」サイズ用の検出通孔70bと、前記「大」サイズ用の検出通孔70aを挟んで機枠16に上下斜めに対向配置した検出センサ71a,71b,「小」サイズ用の検出通孔70bを挟んで機枠16に上下斜めに対向配置した検出センサ71’a,71’bとで構成されている。
前記検出センサ71a,71b,71’a,71’bは、投光器と受光器からなるセンサで、何れの投光器の光とも受光器に受光されていない場合は検出通孔70a,70bとも下地材で塞がれており、「大」サイズの下地材12が載置されていると判断され、検出センサ71aの光が検出センサ71bで検出され、検出センサ71’aの光が検出センサ71’bで検出されない場合は検出通孔70bのみが下地材で塞がれており、「小」サイズの下地材12が載置されていると判断される。尚、検出センサは機枠16の鉛直面に取り付けたことで、該センサの投光面、受光面も略鉛直面に近い状態となり、その結果、投光面、受光面に埃などは付着し難く、誤検出等を防止できる。
【0055】
上記したヒートシール包装装置は、前記した各部が連係して作動するよう、図16に示すように、各ブロックを制御するCPU75にバス75’を介してRAM76、ROM77、フィルムフィード用モータ46c、フィルム解放ソレノイド(電磁ソレノイド)49c、初期位置センサ49d、終点位置センサ49e、ヒータ部10、ファン53、表示部78、ヒータ位置駆動モータ58、フィルムカットソレノイド(電磁ソレノイド)68、載せ台駆動モータ23、位置検出センサ60a,60’a、商品排出センサ(検出センサ)72b、商品大きさ検出センサ(小)71’a,71’b、商品大きさ検出センサ(大)71a,71b、載せ台下位置センサ74a、載せ台中位置センサ74b、載せ台上位置センサ74c、インフィード初期位置センサ32、インフィード包装位置センサ32’、インフィード挿入ランプ79a、インフィード引き出しランプ79b等が接続されている。
【0056】
前記RAM76は、複数の記憶領域を有し、包装に利用される大きさの異なる下地材毎のフィルムフィード量、仕切り壁移動に関する情報を記憶する包装ファイル(図17参照)が記憶される。そして、下地材の種別「小」には、フィルムフィード量を規定する情報「1」、仕切り壁の移動を規定する情報「1」、下地材の種別「大」には、フィルムフィード量を規定する情報「2」、仕切り壁の移動を規定する情報「2」が記憶されている。
そして、商品大きさ検出センサ71’a,71’b,71a,71bによって下地材12のサイズ「小」又は「大」が検出されると、フィルムフィード量を規定する情報、仕切り壁の移動を規定する情報が特定され、RAMの所定エリアに一時記憶される。
フィルムフィード用モータ(例えば、ステッピングモータ)46cは、フィルムフィード手段7のフィルム先端クランプ部45をフィルムの引き出し方向に移動させるもので、使用する下地材12の大きさによって前記フィルム先端クランプ部45を移動させる距離が可変される。その移動距離の変更は、例えば、包装ファイルの下地材12毎に熱溶着の領域を決定する仕切り壁の位置(第1の位置、又は第2の位置の何れか)が設定されており、下地材12のサイズが商品大きさ検出センサ(小)71’a,71’b又は商品大きさ検出センサ(大)71a,71bによって検出されることにより仕切り壁の位置が決まり、それに応じてフィルムを引き出すフィルムフィード用モータ46cの駆動も制御される。
【0057】
フィルムフィード用モータ46cに関しては、仕切り壁51’が第1の位置の時は、該位置で余分なフィルムが生じなく包装できる位置まで、初期位置センサ49dから所定パルス数だけフィルムフィード用モータ46cが回転し、仕切り壁51’が第2の位置の時は、該位置で余分なフィルムが生じなく包装できる位置である、終点位置センサ49eまでフィルムフィード用モータ46cが回転する。
フィルム開放ソレノイド49cはフィルムの先端を挟持して引き出すフィルム先端クランプ部45の挟持を解放する解放機構49を作動させるソレノイドで、該ソレノイドのON/OFFは初期位置センサ49d、終点位置センサ49eの検知信号で制御される。
ヒータ位置駆動モータ58は、保持手段8の仕切り壁51’を移動させるボールネジ機構を作動させるモータで、その移動の制御は前記したように商品ファイルに設定されるデータ(第1の位置、又は第2の位置の何れか)によって行われる。
【0058】
載せ台駆動モータ23は、下地材載承手段2の載せ台2aを上下昇降させる移動機構を作動させるモータで、載せ台2aの位置を検出する下位置センサ74a、中位置センサ74b、上位置センサ74cの検知信号、及び案内手段3の平板3aの位置を検出するインフィード初期位置センサ32、インフィード包装位置センサ32’の検知信号でON/OFFが制御される。
【0059】
次に、上記したヒートシール包装装置の包装動作の流れを図18のフローチャートに基づいて説明する。
ST1…被包装物Wが載った下地材12を、案内手段3の平板3aに載せる。この時、載
せ台下位置センサ74aはON(初期位置に位置する)、商品排出センサ72b
はOFF(排出手段に包装物W’は存在せず)、インフィード初期位置センサ3
2、インフィード包装位置センサ32’のうち、インフィード初期位置センサ3
2のみが枠体3cによって遮られているので、インフィード初期位置センサ32
のみOFF(平板3aを保持する枠体3cは初期位置に位置する)であることを
確認する(図5(a)、図9(a)参照)。
ST2…ST1の3つのセンサの条件が揃うことで、平板3aのみ装置内へ挿入可能なの
で、これにより、インフィード挿入ランプ79aが点灯される。
ST3…前記平板3aが装置内部の所定位置に挿入され停止する。この時、インフィード
包装位置センサ32’がOFFでインフィード初期位置センサ32はONとなる
。つまり、図5(b)の状態になり、インフィード包装位置センサ32’のみが
枠体3cにより遮られOFFになる。そして、前記インフィード挿入ランプ79
aは消灯される。
ST4…フィルムフィード手段7が作動して1段目(下地材のサイズ「小」に対応する長
さ分)のフィルム長がフィードされる。
ST5…下地材載承手段2の載せ台2aが移動手段で上昇され、その上昇は載せ台中位置
センサ74bの検知(ON)で停止される。この停止する位置は、前記平板3a
が挿入停止する所定位置(包装位置)の略直下位置である。そして、この載せ台
2aの上昇に連係して移載手段4のシャッタ27が上昇し、該シャッタ27の櫛
歯状の突片部27aが前記平板3aの櫛歯状隙間から上方に突出する(図9(b
)参照)。インフィード包装位置センサ32’がOFFと、載せ台中位置センサ
74bがONとの条件により、平板3aを初期位置に戻すことが可能なことを示
すインフィード引き出しランプ79bが点灯される。
【0060】
ST6…前記平板3aを包装位置より初期位置に向けて引き出し、平板3a上に載せた被
包装物Wが載った下地材12を前記載せ台2aに移載する。
下地材12の移載は、平板3aの引き出しにより下地材12の手前側端部(後端
)は前記シャッタ27の突片部27aに当接して平板3aと分離され、平板3a
の引き抜きにより下地材12は直下の載せ台2aに乗り移る(図6(a)参照)

ST7…前記平板3aは初期位置まで引き戻り停止する(図6(b)参照)。それにより
、インフィード初期位置センサ32が枠体3cで遮られOFFになり、インフィ
ード包装位置センサ32’がONとなりインフィード引き出しランプ79bは消
灯される。
ST8…載せ台2a上に移載された下地材12のサイズは「小」であるか検知手段69で
検出される。下地材12のサイズの検出は、該下地材12を載承する載せ台2a
の支持面に形成した検出通孔70a,70bが下地材で塞がれる形態を検出する
ことにより判断される。両方の検出通孔70a,70bが下地材12で塞がれた
場合はサイズ「大」、検出通孔70aのみが塞がれている場合はサイズ「小」と
判断される(図7(a)、(b)参照)。検知手段69の判断結果がYES(サ
イズ「小」)の場合はST9に進み、判断結果がNO(サイズ「大」)の場合は
ST10に進む。
ST9…下地材12のサイズが「小」であるため、包装ファイルに設定されたフィルムフ
ィード量に関するフィルムカット長「1」に従い、ST4で引き出したフィルム
長(1段目)でフィルムをカットし、切断したフィルムを吸引手段8で吸引し、
吸引手段8の下面に略水平状に展張保持する。吸引は、吸引手段8の電動ファン
53を回転して二重箱枠50の内部を負圧にし、外箱51、仕切り壁51’と内
箱52とで区画形成される吸引部8aに吸引力を発生させ、それによって引き出
したフィルム6aの幅方向側縁、及び引き出し方向の前後縁の4辺が吸着される
。この時、吸引手段8の仕切り壁51’は包装ファイルに設定される「第1の位
置」に位置される(図12(a)参照)。尚、実施例では、二種類のフィルムカ
ット長「1」、「2」を示し、フィルムカット長「1」は初期位置センサ49d
から予め設定されたパルス数の位置、フィルムカット長「2」は終点位置センサ
49eの位置を示す。
ST10…下地材12のサイズが「大」であるため、包装ファイルに設定されたフィルム
フィード量に関するフィルムカット長は「2」となり、フィルムフィード手段
7を作動させてフィルムカット長「2」に対応する長さ引き出す。フィルムフ
ィード手段の停止は、フィルムカット長「2」の終点位置センサ49eの位置
である。
【0061】
ST11…前記検知手段69の情報(サイズ「大」)に基づいて、吸引手段8の仕切り壁
51’は包装フィルムに設定された「第2の位置」に移動される。それにより
、吸引部8aで区画形成される領域が拡張され、フィルムの引き出し方向と対
応する辺のヒータ部も移動する(図12(b)参照)。
ST12…シャッタ27がONで有るかシャッタセンサ80によって判断される。シャッ
タONは初期位置に戻った案内手段3の平板3aの前進を遮るように上方に突
出している状態で、次の下地材の供給が阻止される。判断結果がYESの場合
はST13に進み、NOの場合はYESが確認されるまで繰り返し実行される

ST13…下地材を載承した載せ台2aが移動手段の作動で上昇される。上昇の停止は、
摺動体15に取り付けたフラグ73が上位置センサ74cを遮ることで前記移
動手段の載せ台駆動モータ23の作動が停止される(図10(a)参照)。尚
、載せ台2aの上昇停止は、該載せ台2aに載承した下地材12の表面が、吸
引手段8の下面に展張保持されたフィルムの周縁に圧接される位置である。
ST14…前記下地材12が、吸引手段8の下面に展張保持されたフィルム6aに下方よ
り所定時間押し付けられてヒートシール(熱溶着)される。
ST15…ヒートシール包装を完了した包装物W’を載せた載せ台2aが移動手段の作動
で初期位置に向けて降下を開始する。
ST16…載せ台2aの降下にともない、初期位置に位置する平板3aの前進を遮ってい
る移載手段4のシャッタ27をST12の位置から該平板3aの摺動路より下
方に押下げる。即ち、シャッタセンサ80がOFFとなる。
【0062】
ST17…ST16でシャッタセンサ80がOFFになっているので、突片部27aは前
記のように平板3aの摺動路より下方に押下げられているので、平板3aと突
片部27aが干渉することがないので、次の包装が可能になり、又、ST7で
インフィード初期位置センサ32がOFFになっているので、案内手段3の平
板3aの摺動可能を示すインフィード挿入ランプ79aが点灯される。
ST18…包装物W’を載承した載せ台2aが下限位置まで降下し、摺動体のフラグが載
せ台下位置センサ74aを遮りONとなり、載せ台駆動モータ23の作動が停
止される。尚、前記載せ台2aの降下は、案内手段3の平板3aから下地材を
受け取る中間位置を通過後は基台上に設けた傾斜補助部材との接触により水平
状態から排出手段側に前傾した姿勢に変換されて降下される。
ST19…前記載せ台2aの前傾により包装物W’は排出手段11に排出される。そして
、この排出手段11には商品排出センサ72が配置されているため、包装物W
’がセンサで検知されてONし、センサを通過後又は包装物が排出手段11か
ら取り除かれることでOFFとなる。尚、図示の実施の形態では排出手段が前
記載せ台の前傾に連続するスロープに形成されている為、包装物W’は載せ台
2aの下降によって重力で排出手段上に排出される(図10(b)参照)。
ST20…インフィード包装位置センサ32’がONで有るか判断される。YESの場合
、即ち下地材を載せた平板3aが既に装置内部の包装位置に挿入されている場
合はST4に戻り包装作業を繰り返す。前記平板3aの挿入は、ST17以降
であれば可能で、例えば、包装物W’の取り出しと同時、或いは包装物W’の
取り出し前など何れでもよい。NOの場合、即ち平板3aが初期位置に位置す
る場合は、次に包装する被包装物の供給がないため包装作業を終了する。
【0063】
本発明に係るヒートシール包装装置は、上記構成により被包装物(下地材+商品)を載せ台に供給することで、下地材のサイズが、予め設定した複数サイズのうちの何れのサイズであるかが検知され、その検知情報に基づいて包装に必要なフィルム長さの引き出し、及びヒータ部の移動が行われ、下地材のサイズに応じたヒートシール包装を確実に行うことができる。しかも、被包装物を載せ台に供給する初期位置と、ヒートシール包装済みの包装物が排出される排出部を別々の位置としたことで、載せ台がヒートシール包装済みの包装物を載せて中間位置(被包装物を案内手段から載せ台に移載する位置)を通過後は、案内手段の平板に次の被包装物を載せて移載位置まで挿入することが可能となる。これにより、1包装サイクルの完了を待つことなく、前の包装サイクルの途中に次の商品の包装サイクルの一部をオーバーラップした行うことができる。従って、単位時間当たりの包装個数を増加でき、作業効率を高めることができる。
【0064】
本発明のヒートシール包装装置は図示した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
(1)実施の形態では、フィルムロールから引き出したフィルムを保持手段で展張保持し、そのフィルムに対して被包装物を載せた下地材を下方から押し上げてヒートシール(熱溶着)する形態を示したが、逆に下地材載承手段の載せ台を固定し、これにフィルムを展張保持した保持手段の箱枠(ヒータ部を備える)を下降させてヒートシールする装置としてもよい。
(2)実施の形態では、下地材のサイズ種類を「大」、「小」二種類について説明したが、下地材のサイズは二種類に限定されず、三種類、四種類でもよい。それに合わせて、吸引手段の仕切り壁の移動も、複数段階とする。
(3)実施の形態では、下地材のサイズ検知を、載せ台に開設したサイズ毎の検出通孔が下地材で閉鎖されているか否かにより判断する構造について説明したが、これに限定されず、例えばカメラ等の撮像手段でもよい。
(4)実施の形態では、下地材のサイズを検知し、その検知した情報に基づいてフィルムフィード量の変更、ヒータ部(仕切り壁)の移動を制御する例を示したが、これに限らず、例えば、包装ファイル中に設定してある下地材種別のサイズ「大」、又は「小」を選択することで、前記包装ファイルの設定に基づいてフィルムフィード量、ヒータ部(仕切り壁)の移動に関するデータが自動で選択され、制御されるようにしてもよい。
また、下地材の大きさを検知するのではなく、下地材に載る被包装物の大きさを検知することで仕切り壁の移動、フィルムフィード量を制御するようにしてもよい。
つまり、下地材に載る被包装物の大きさを検知する一対のセンサをオペレータが包装のために立つ位置から見て前後方向に複数列設け、どのセンサにより検知されたかにより、仕切り壁の移動、フィルムフィード量を制御するようにしてもよい。通常、大きい被包装物の場合は大きい下地材を用いる、小さい被包装物の場合は小さい下地材を用いる場合が多いと考えられるので、被包装物の大きさにより下地材の大きさを判断することができる。これにより、オペレータは単に下地材を下地材載せ部2に載せるだけで正しい量のフィルムフィードが行われ、正しくヒートシールされるようになる。
(5)実施の形態のフローチャートでは、ST9でフィルムフィード後に保持手段の電動ファンを回転させ、フィルムが吸引されるときだけ電動ファンも回転させる例を示したが、装置の電源投入時に電動ファンも回転するようにしてもよい。それにより、常に一定の吸引力が発生しているので、確実にフィルムを吸引させることができる。
(6)実施の形態では、平板3aを装置内へ挿入可能、或いは、装置内から初期位置へ引き戻し可能な状態を示すためにランプの点灯、消灯を用いて説明したが、これに限らず、文字情報を表示できる表示部を備え、例えば、平板3aを装置内へ挿入可能であれば「包装可能です。」、初期位置へ引き戻し可能な状態であれば「インフィードを戻して下さい。」等の文字情報により、その旨を示すようにしてもよい。
(7)実施の形態では、突片部は案内手段の下方から突出する例で示したが、上方から突出し、装置へ搬入する際の前方側の被包装物と下地材との両方に接するタイプの突片部であっても良い。
(8)実施の形態では、案内手段の移動は手動にて移動する例を示したが、モータにより駆動し移動するようにしても良い。
(9)実施の形態では、突片部が下地材載承手段の上方への移動に合わせて案内手段の移動路に突出する例を示したが、案内手段が下地材載承手段直上に位置したと、インフィード包装位置センサにて検知された際に、突片部が案内手段の移動路上に突出し、案内手段がインフィード初期位置センサにて初期位置に位置していると判断された場合に、突片部が移動路から隠れるようにしても良い。
(10)実施の形態では、包装物の排出方向が装置手前の例を示したが、装置手前に限らず、後方あるいは左右方向であっても良い。
(11)平板状の下地材を用いたヒートシール包装装置において、被包装物の搬入位置と包装物の排出位置が異なる例として実施の形態では被包装物の供給を引き出し式で行う包装形態を示したが、これに限定されず、例えば、被包装物の供給を回転テーブル方式で行う包装形態としてもよい。即ち、回転テーブルの円周上に被包装物を載せる載せ部を複数個配置し、その載せ部が回転移動する移動路上の相対する位置(例えば、直径線上)に搬入部とヒートステーションを設け、搬入部で載せ部に被包装物を供給し、その被包装物を載せた載せ部がヒートステーションに回転移動した時、搬入部には空の載せ部が位置して次の被包装物が供給されるようにする。そして、前記ヒートステーションで包装が完了した包装物は搬入部へ回転移動する途中で載せ部から排出されるようにするする。これにより、包装サイクルを短くすることが可能となる。
【符号の説明】
【0065】
A…ヒートシール包装装置 W…被包装物
W’…ヒートシール包装物 2…下地材載承手段
3…案内手段 3a…平板
4…移載手段 5…フィルムロール配置部
6…フィルムロール 6a…フィルム
7…フィルムフィード手段 8…保持手段
9…移動手段 10…ヒータ部
11…排出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムロールから引き出したフィルムにて被包装物を包装するヒートシール包装装置において、
被包装物を載せた前記下地材を前記装置内のヒートステーションへ搬入するために前記下地材を載置する搬入部と、
前記フィルムが被せられた被包装物の周囲のフィルムと前記下地材とを前記熱溶着するためのヒータ部と、
前記ヒータ部と対応するヒータ受け部と、
前記ヒータ部とヒータ受け部とによりヒートシール包装された包装物を排出する前記搬入部とは異なる位置に設けられた排出部と、
を備えることを特徴とするヒートシール包装装置。
【請求項2】
フィルムロールからフィルムフィード手段により引き出したフィルムにて被包装物を包装するヒートシール包装装置において、
被包装物が載った下地材を前記装置内のヒートステーションへ搬入するために前記下地材を載置する搬入部と、
被包装物が載った下地材を載承保持し、包装の際に下地材を支える下地材載承手段と、
前記搬入部に載せた下地材を、前記下地材載承手段直上に供給する案内手段と、
前記案内手段上の下地材を前記下地材載承手段に載せ換える移載手段と、
前記フィルムフィード手段によって引き出したフィルムにて下地材上の被包装物を覆う被覆手段と、
前記被包装物を覆うフィルムの周囲と前記下地材を前記熱溶着するためのヒータ部と、
該ヒータ部と対応するヒータ受け部と、
前記フィルムと下地材とが熱溶着された包装物を、装置外に排出する前記搬入部とは異なる箇所に設けられた排出部と、を備え、
前記案内手段は、前記搬入部に載せられた初期位置と、載承した下地材を前記下地材載承手段に載せ換えるために下地材載承手段の上方位置との間を移動自在としていることを特徴とするヒートシール包装装置。
【請求項3】
前記案内手段は、下地材を載承する前記搬入部を有した引き出し方式であることを特徴とする請求項2記載のヒートシール包装装置。
【請求項4】
前記移載手段は、前記案内手段に載承された下地材の装置内への案内方向の後端縁部と当接し前記案内手段の移動経路へ出没する突片部を備え、該案内手段の初期位置復帰動作で前記案内手段の移動路に突出された前記突片部と、前記下地材の後端縁部とが当接し、下地材が下地材載承手段上に乗り移ることを特徴とする請求項3記載のヒートシール包装装置。
【請求項5】
前記案内手段の載せ部と、移載手段の突片部とは互いに噛み合う入れ子形態であることを特徴とする請求項4記載のヒートシール包装装置。
【請求項6】
前記下地材載承手段に載承される下地材の大きさを検知する検知手段と、
前記検知手段の検知情報に基づき前記フィルムフィード手段のフィード量を制御するフィルムフィード量変更手段と、
前記検知手段の検知情報に基づき前記ヒータ部のサイズを変更するヒータ部移動手段と、
を備えていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項記載のヒートシール包装装置。
【請求項7】
前記検知手段は、前記下地材載承手段の支持面に上下貫通して形成したサイズ毎の検出通孔と、その通孔を挟んで機枠に上下斜めに対向配置した検出センサとからなることを特徴とする請求項6記載のヒートシール包装装置。
【請求項8】
前記下地材載承手段は、下降動作の最終段階で水平状態から傾斜状態に姿勢を変更し、包装物を前記排出手段に重力で排出することを特徴とする請求項2記載のヒートシール包装装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2012−46230(P2012−46230A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191362(P2010−191362)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】