説明

ヒ素・リン・シリカの高感度吸光検出法

【課題】ガリウムヒ素半導体製造工程などにおける、水中などの低濃度ヒ素、環境保全ならびに工業分野における微量のリン、そして電力を含む工業用水などにおける微量のシリカを、迅速で、低コストで、且つ、高感度に測定する技術並びに常時モニタリングに適した技術の開発。
【解決手段】ヒ素・リン・シリカの高感度吸光検出が、イソポリ酸存在下のトリアリールメタン系色素とハロゲン間化合物の錯体をヘテロポリ酸のプローブとすることで達成できる。本発明の検出法は、ICP-MS(誘導結合プラズマイオン源質量分析装置)法、水素化物発生原子吸光法など数千万円クラスの大型装置に匹敵する高感度性を見込めるといった性能であり、加えて簡便性・迅速性・ランニングコストの観点からも非常に有利で、半導体工業等の製造現場モニタリングならびに環境分析への応用が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソポリ酸存在下のトリアリールメタン系色素とハロゲン間化合物の錯体をヘテロポリ酸プローブとするヒ素・リン・シリカの高感度吸光検出法に関する。特には、本発明は、ガリウムヒ素半導体の製造工程で排出される恐れのあるヒ素のモニタリング、環境水中の微量リン、電力・工業用水用におけるppbレベルのシリカのモニタリング技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒ素、リンおよびシリカは、いずれも水中で酸素酸イオンとして存在してへテロポリ酸を形成するために、分析化学の分野では同一のグループとして取り扱われ、JollesとNeurathによるモリブデン黄の発見(1898年)、およびDenigesによるモリブデン青の発見(1920年)以来、この研究分野において長い歴史が有る。いずれも環境ならびに工業分野において重要な意義を持つ元素であり、低濃度領域におけるモニタリングに関するニーズが大きい。
特にヒ素については、デジタルデバイスの普及とともに、高速かつ高性能な半導体が求められている昨今、ガリウムヒ素化合物を使用する半導体がシリコンとは異なる用途において重要な位置を占めるに至っている。このガリウムヒ素半導体の製造工程におけるガリウムヒ素ウェハーの加工の際、洗浄水中へヒ素が排出されるためそれが問題となっている。この不可避的に排出されるヒ素を検出して浄化対策をする必要があるので、ウェハー洗浄水中のヒ素を簡便に測定する方法が強く求められている。各プラントではヒ素除去システムを導入して排水処理を行ってはいるが、低濃度ヒ素を常時モニタリングすることが不可欠であり、迅速・低コスト且つ高感度な検出法の開発が急務となっている。同様に、微量リンは環境保全ならびに工業分野において、シリカは電力を含む各種工業用水に関して、配管にダメージを与えるなどの問題があるので、各々それを極微量のレベルで計測することが求められている。
【0003】
従来、水中のリン、ヒ素及びシリカの検出のためには下記の方法があるが、いずれも実用上の問題点が大きい。
〔モリブデンブルー法〕
リン及びシリカの分析法として、モリブデンブルー吸光光度法はJIS規格にも採用され、最も繁用されている方法であるが、感度が不十分であるため、低濃度領域へ適用するためにはブランクの低減を図りつつ長光路セルを用いるなどの改良が必要であり、実用上多くの課題が残されている。
〔エチルバイオレット比色法〕
発明者らは、カチオン性色素エチルバイオレットが、強酸性下でモリブドヒ酸イオンと安定な青色の微粒子を形成する現象を見出し、水中微量ヒ素検出を可能とした(特許文献1)。過剰の色素がプロトン付加反応によって徐々に無色のカルビノール構造に変化するためにブランク色を抑制でき、ヒ素の存在によって凝集にあずかっている色素だけが青色を呈する点で、高感度かつ簡便なヒ素検出法を与えている。本法は,WHO基準10ppbを測定できることから、飲料水をはじめとする環境水中ヒ素のテスト法として有用である。但し、この方法はppb以下には適用できない。
【0004】
〔水素化物発生原子吸光法〕
ヒ素の分析法としてJIS法に採用されている高感度法であるが、高価な機器を用いる方法であり、測定に熟練を必要とする。またフィールドへの可搬性に欠ける。
〔消蛍光法〕
消光特性に基づく分析法として、モリブドリン酸イオンとのイオン会合によるローダミンBの消蛍光を微量リンのFIAへ導入する方法が報告されている(非特許文献1)が、大きなドリフトに問題がある。
〔時間消光法〕
発明者らは、蛍光性色素ローダミンBがへテロポリ酸イオンとの凝集に伴い数分の時間スケールで徐々に消光する現象を見出し、特に消光時間が目的元素の濃度に依存する特性に基づいて、水中微量リン、ヒ素及びシリカの迅速、簡便かつ高感度な検出を実現した(特許文献2)。この方法は極めて高い感度を与えるが、蛍光検出を用いるためコストおよび装置規模が大きくなる欠点を有している(非特許文献2及び3)。
殊に、微量ヒ素の測定に関しては水素化物発生原子吸光法が現行唯一の手法とされているが、装置コスト、専門的技術の必要性、ランニングコストの面で現場のニーズを充足したものとは、到底、言い難い。
【0005】
【特許文献1】特願2003−416575
【特許文献2】特願2002−220334
【非特許文献1】S.Motomizu and Zhen-Hai Li, Talanta, 66 (2005), 332
【非特許文献2】磯江準一,金子恵美子,星座,赤塚邦彦,分析化学, 51(8), 657 (2002)
【非特許文献3】J. Isoe, K. Morita, E. Kaneko, The Analyst, 130(2005), 872-877
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ガリウムヒ素半導体製造工程などにおける、水中などの低濃度ヒ素を測定する技術としては、水素化物発生原子吸光法が唯一の現行法であるが、その方法は高価な機器を用いる方法であり、測定に熟練を必要とするとか、また該機器はフィールドへの可搬性に欠けるなどの問題があり、水素化物発生原子吸光法に代わる迅速で、低コストであって、且つ、高感度な検出法の開発が急務となっている。同様に、微量リンは環境保全ならびに工業分野において、シリカは電力を含む工業用水に関して、配管にダメージを与えるなどの問題があるので、各々それを極微量のレベル(例えば、ppbあるいはそれ以下のレベル)で計測することが求められている。
従来、リン及びシリカの分析法としては、モリブデンブルー吸光光度法が最も繁用され、JIS規格にも採用されているが、感度が今日のニーズを充足しないため、ppbレベルの低濃度領域へ適用するためにはブランクの低減を図りつつ長光路セルを用いるなどの改良が必要であり、実用上大きな問題となっている。また、フローインジェクション法(Flow Injection Analysis; FIA)についても多数の研究報告がなされているが、現場への普及には至っていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ヘテロポリ酸の新たな分析化学を目標として研究に従事し、シリカに関しては半導体産業用超純水中のppt〜ppbレベルを対象とする時間消光法、ヒ素に関しては10ppbレベルの環境分析を対象とする擬均一溶液比色法を各々開発してきたところである。
上記問題点に鑑み、鋭意、探索研究をさらに進め、本発明者らは、最近、色素カチオンとしてエチルバイオレット、ハロゲン間化合物として四塩化ヨウ素の組合せにおいて、可視部に大きな吸光度が出現する現象を見出し、高感度検出の基盤となるとの知見を得た。これに基づき、極く微量のヒ素、リンならびにシリカに対して、トリフェニルメタン系色素とハロゲン間化合物との高感度プローブの形成および鮮明な呈色を利用している、新しい概念の高感度検出法を確立することに成功した。
本発明は、トリアリールメタン系色素とハロゲン間化合物がイソポリ酸の存在下で、へテロポリ酸の高感度プローブとなることを見出したことに基づいて、極めて高感度な水中ヒ素、リン、シリカの検出法を与えるものである。
【0008】
本発明は、次なる態様を提供している。
〔1〕微量のヒ素、リン、あるいはシリカ含有試料を、イソポリ酸の存在下でトリアリールメタン系色素とハロゲン間化合物との錯体をヘテロポリ酸の検出プローブとして分析し、水中ヒ素、リン、あるいはシリカの検出及び/又は測定を行うことを特徴とするヒ素・リン・シリカの高感度吸光検出及び/又は測定法。
〔2〕微量のヒ素、リン及びシリカからなる群から選択されたものを検出及び/又は測定するための検体試料を、イソポリ酸と反応させて生成するヘテロポリ酸イオンに対して、ハロゲン間化合物及びトリアリールメタン系色素と接触せしめ、生成する呈色を検出及び/又は測定することで、微量のヒ素、リン又はシリカの検出及び/又は測定をすることを特徴とする請求項1に記載の検出及び/又は測定法。
〔3〕検体試料と、ハロゲン間化合物、トリアリールメタン系色素及びイソポリ酸源との接触が、酸性水溶液中で行われるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の検出及び/又は測定法。
〔4〕生成する呈色を、吸光度で検出及び/又は測定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記載の検出及び/又は測定法。
〔5〕検体試料を、ハロゲン間化合物、トリアリールメタン系色素及びイソポリ酸源と接触せしめて得られた呈色水溶液を、吸光光度計にかけることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一記載の検出及び/又は測定法。
〔6〕ハロゲン間化合物が、四塩化ヨウ素であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載の検出及び/又は測定法。
〔7〕トリアリールメタン系色素が、エチルバイオレット、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレット及びブリリアントグリーンからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一記載の検出及び/又は測定法。
〔8〕トリアリールメタン系色素が、エチルバイオレットであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一記載の検出及び/又は測定法。
〔9〕イソポリ酸源が、モリブデン酸及びモリブデン酸塩化合物からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一記載の検出及び/又は測定法。
〔10〕イソポリ酸源が、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸リチウムからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一記載の検出及び/又は測定法。
〔11〕イソポリ酸源が、モリブデン酸アンモニウムであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一記載の検出及び/又は測定法。
〔12〕トリアリールメタン系色素とハロゲン間化合物がイソポリ酸存在下で形成する微粒子をプローブとして含有していることを特徴とするヒ素・リン・シリカの高感度吸光検出及び/又は測定試薬。
〔13〕ハロゲン間化合物、トリアリールメタン系色素及びイソポリ酸源が試薬としてセットとされていることを特徴とする微量のヒ素、リン又はシリカの検出及び/又は測定試薬。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、極めて微量のヒ素、リン、あるいはシリカの、迅速で、低コストで、且つ、高感度な検出法及びそれを使用した常時モニタリングシステムが構築できる。特に、ガリウムヒ素半導体の製造工程でヒ素が排出されるため、ウェハー洗浄水中のヒ素を簡便に測定する方法が求められている。本発明は、この目的のために連続自動モニタリング装置への導入が可能である。本発明の検出法は、ICP-MS(誘導結合プラズマイオン源質量分析装置)法、水素化物発生原子吸光法など数千万円クラスの大型装置に匹敵する高感度性を見込めるといった性能であり、加えて簡便性・迅速性・ランニングコストの観点からも非常に有利で、半導体工業等の製造現場モニタリングならびに環境分析への応用が可能である。
本発明のその他の目的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されているものであることを理解されたい。本明細書に開示した本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているもので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに含めて解釈されるべきものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明では、好適に、へテロポリ酸のプローブとして、トリアリールメタン系色素とハロゲン間化合物とがイソポリ酸の存在下で形成する微粒子を用いる。ヘテロポリ酸は医療材料や酸化物分子としての触媒機能など様々な利用法が知られているが、分析化学的な視点では、中心ヘテロ原子を計測対象の微量化学成分として捉えることができる。本微粒子は、プローブとして機能し、過剰のプローブは徐々に無色のカルビノール構造へ変化してゆくが、へテロポリ酸との微粒子形成にあずかっているプローブだけは、比較して寿命が長くて、その結果、紫色などのトリアリールメタン系色素の色を呈するあるいは呈色を維持することとなる。
トリアリールメタン系色素は、イオン会合による対イオン色素のスペクトルシフトなどを含めてこれまで様々な分野で分析科学的研究がなされているが、ハロゲン間化合物とのカチオン性錯体を用いた高感度検出法の報告例は皆無である。つまり、イソポリ酸存在下のトリアリールメタン系色素とハロゲン間化合物との微粒子をヘテロポリ酸のプローブとすること及びそれを利用して計測を行うという考えは、全く報告例が無い。このプローブは極めて高感度なヒ素、リン、シリカの検出法を与えるため、環境計測、工業分析のために有用である。
【0011】
本発明は、水中微量ヒ素、リンならびにシリカの高感度計測へ応用可能である。例えば、ガリウムヒ素ウェハー洗浄水中のヒ素の測定(半導体工業用途)、一般工業用水中のシリカのモニタリング装置(電力等の工業用途)、ならびに環境水中微量リンの計測に使用できて、十分に今日の社会的ニーズに応える実用的意義を有しているものである。本発明技術での当該発色反応は、学術的にも新しい領域であると言える。本発明の検出・測定系により、ヒ素、リン、シリカの検出に対して高い感度を与える現象が得られる。
トリアリールメタン系色素−ハロゲン間化合物−イソポリ酸のプローブ粒子中の色素は、単独では酸性下で不安定であるが、モリブドヒ酸イオンが存在すると安定な微粒子を形成し、ヒ素濃度に依存して極めて高い吸光度を与える。この測定は、通常、へテロポリ酸が生成する酸性条件下で行う。
従って、過剰色素との分離操作を必要とせずに高感度かつ簡便なヒ素、リンおよびシリカの検出に有用である。本発明では、水中微量成分の検出のために可視部の吸収スペクトルを用いることができるため比較的安価な装置を導入適用することが可能であり、優れた性能(高感度)が得られ、加えて簡便性・迅速性・ランニングコストにおいても顕著に優れている。
【0012】
ハロゲン間化合物は、強酸性下でプロトン付加したトリアリールメタン系色素から電子を吸引し、かさ高いカチオン性錯体を形成する。このカチオン性錯体が、イソポリ酸イオンと反応しプローブ粒子を形成して、ヘテロポリ酸の高感度プローブとして安定な呈色を与えるものと考えられる。
トリアリールメタン系色素の特色は次の通りである。酸性溶液中でトリアリールメタン系色素(キノイド構造)はプロトン付加してスペクトルシフトする。さらに、プロトン付加体が徐々に安定なカルビノール構造(無色)へと変化していく。このカルビノール化反応を利用して過剰の色素によるブランク値を抑制できることから、ヘテロポリ酸の存在によって発色にあずかっているプローブだけが紫色を呈する。こうして、高感度かつ簡便なヒ素、リンおよびシリカの検出が可能となる。
典型的な態様では、試料溶液に、ヨウ素酸カリウム、塩酸、モリブデン酸アンモニウムの各溶液を加えると、ヒ素、リン、又はシリカが存在すると、へテロポリ酸(へテロポリ酸イオン)が形成される。次にハロゲン間化合物、トリアリールメタン系色素を加えて、例えば、30分程度静置後、吸光度の測定によって目的成分を定量する。へテロポリ酸(へテロポリ酸イオン)とトリアリールメタン−ハロゲン間化合物微粒子が、極めて強い紫色の呈色(より長寿命の呈色)を与えるために、ヒ素、リン、シリカについてサブppbに到達する高感度な検出法を与える。
【0013】
ハロゲン間化合物としては、ICl4-, IBr4-, I5-, I3-, IBr, ICl, ClF, BrF, ClF3, BrF3, BrF5, IF5, IF7などが挙げられるが、所要の作用効果が得られるものである限り特には限定されない。好ましいハロゲン間化合物としては、ICl4-が挙げられる。ハロゲン間化合物として、四塩化ヨウ素イオンは本系において特に顕著な作用を持っている。代表的なハロゲン間化合物の一つである四塩化ヨウ素イオンにつき、図1にその分子形状を模式的に示す。
トリアリールメタン系色素としては、モノアミノ体、ジアミノ体あるいはトリアミノ体のいずれであってもよく、好適には、トリフェニルメタン系色素が挙げられる。トリフェニルメタン系色素としては、当該分野で知られたもののうちから、所要の作用効果が得られるものを、適宜、選択して用いることができ、そうしたものである限り特には限定されない。代表的なトリフェニルメタン系色素としては、エチルバイオレット(ethyl violet; EV)、マラカイトグリーン(malachite green; MG)、クリスタルバイオレット(crystal violet)、ブリリアントグリーン(brilliant green; BG)などが挙げられる。好ましいトリフェニルメタン系色素としては、エチルバイオレットが挙げられる。代表的なトリフェニルメタン系色素の一つであるエチルバイオレットにつき、図1にその分子形状を模式的に示す。
イソポリ酸は、水溶液中ではイオンとして存在していてよく、本発明では当該酸又はその塩を水に溶解するなどして系に提供される。例えば、水溶液中のイソポリ酸イオンは、そこに存在するヒ素、リン、シリカにより、ヘテロポリ酸イオンを形成する。
イソポリ酸源は、本測定系でヘテロポリ酸イオン源として機能すると考えてよい。イソポリ酸源としては、モリブデン酸、タングステン酸、タングストモリブデン酸、バナドモリブデン酸、バナドタングステン酸あるいはそれらのいずれかのイオンを供給できる化合物が挙げられる。該モリブデン酸あるいはそのイオンなどが、例えば、水溶液中で、ヒ素、リン、あるいはシリカと接触すると、対応するヘテロポリ酸イオン(例えば、ヒ素モリブデン酸イオンなど)を形成する。ヘテロポリ酸イオンの構造を、図1に模式的に示す。
本発明ではモリブデン酸イオンは、モリブデン酸またはモリブデン酸塩化合物を含有する溶液を添加することで供給できる。該モリブデン酸塩化合物としてはモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸リチウムなどが挙げられ、モリブデン酸アンモニウムの水溶液を好適に使用できる。
【0014】
さらに、ヒ素を含んでいる検体試料を測定する場合を具体例に挙げて、更に詳しく説明するが、リン及びシリカについても、当業者であればそれに準じて容易に理解されよう。
ヒ素を含有する検体試料は、好適には、それを酸化剤で処理することができる。これにより検体中のヒ素はすべてが5価のヒ素になる。そして該5価のヒ素を含有する溶液を強酸性下にモリブデン酸化合物、例えばモリブデン酸アンモニウムなどを加え、さらにトリフェニルメタン系色素、例えばエチルバイオレットを、ハロゲン間化合物イオン、例えば、四塩化ヨウ素イオン共存下に、反応させると、5価のヒ素とモリブデン酸とエチルバイオレット-四塩化ヨウ素イオンのカチオン性錯体からなる安定な紫色のイオン会合体あるいは着色微粒子(あるいは着色ナノ粒子)が形成される。ヒ素イオンと反応していない過剰の色素及びヒ素イオンを有していない該色素を含有する着色微粒子(あるいは着色ナノ粒子)は、安定性に劣ったり、混合液中にあるプロトンなどにより速やかに無色化し、前記紫色を指標に極く微量のヒ素の検知・測定が可能となる。定量測定も実施できる。
検体を含む試料溶液に、ヨウ素酸塩、例えばヨウ素酸カリウムなどを加え、それに強酸、例えば、塩酸などを添加した後、モリブデン酸化合物、例えばモリブデン酸アンモニウムなどを加え、こうして得られた混合物中に四塩化ヨウ素イオン及びエチルバイオレットを加えると、安定な紫色のイオン会合体あるいは着色微粒子(あるいは着色ナノ粒子)を形成する。ヒ素がないと、色素やイオン会合体あるいは着色微粒子(あるいは着色ナノ粒子)は安定化されず、無色化(微粒子の消失があってもよい)する。
【0015】
本明細書中、「酸化剤」としては水性液中にいろいろな酸化状態で存在しているヒ素を+5の酸化状態(ヒ素(V))にすることにできるものであり、本四塩化ヨウ素イオン・エチルバイオレット・モリブデン酸イオン・ヒ素(V)のイオン会合体あるいは着色微粒子(あるいは着色ナノ粒子)の形成並びに安定性に関してヒ素測定に実質的な悪影響を及ぼさないものであるかぎり限定されない。酸化剤は当該分野で容易に入手できるものから選ばれてよく、さらに安価なものが好ましい。また酸化剤は安全の面の考慮が払われてそれを選択することが好ましい。酸化剤としては、ヨウ素酸塩、例えばヨウ素酸カリウム(KIO3)、ヨウ素酸ナトリウム(NaIO3)、ヨウ素酸カルシウム、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ素酸水溶液など、次亜塩素酸塩、例えば次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムなど、塩素酸塩、例えば塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、塩素酸アンモニウム、塩素酸バリウム、塩素酸カルシウムなど、過ヨウ素酸塩、例えば過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウムなど、過塩素酸塩、例えば過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸アンモニウムなど、臭素酸塩、例えば臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、臭素酸マグネシウムなど、硝酸塩、例えば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウムなど、過酸化水素、例えば過酸化水素水など、ペルオキシ硫酸及びその塩、例えば、ペルオキシ硫酸ナトリウムなどが挙げられるが、ヨウ素酸カリウムを好適に使用できる。酸化剤は水溶液として使用するのが好ましい。
【0016】
本発明では強酸性条件は強酸を溶液に添加することで達成できる。該強酸としては、当該分野で知られたものからそれを選択して使用できるが、好ましくは容易に入手できるものから選ばれてよく、さらに安価なものが好ましい。また強酸は安全の面の考慮が払われてそれを選択することが好ましく, 希釈水溶液の形態で使用することができる。該強酸としては、本四塩化ヨウ素イオン・エチルバイオレット・モリブデン酸イオン・ヒ素(V)のイオン会合体あるいは着色微粒子(あるいは着色ナノ粒子)の形成並びに安定性に関してヒ素測定に実質的な悪影響を及ぼさないものであるかぎり限定されない。該強酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などが挙げられるが、塩酸、特には希塩酸水溶液を好適に使用できる。
検体を含む試料溶液に、ヨウ素酸塩、例えばヨウ素酸カリウムなどを加え、それに強酸、例えば、塩酸などを添加した後、四塩化ヨウ素、モリブデン酸化合物、例えばモリブデン酸アンモニウムなどを加え、こうして得られた混合物中にエチルバイオレット溶液を加えると、安定な紫色のイオン会合体あるいは着色微粒子(あるいは着色ナノ粒子)を形成する。一方、ヒ素がない場合には、色素体(着色微粒子あるいは着色ナノ粒子などを含む)は無色化、あるいは消失し、したがってブランク色を抑制でき、さらに粒子を観察することもなくなることとなる。よって、溶液中で検出・測定できる。
【0017】
上記のようにハロゲン間化合物、トリアリールメタン系色素、及びイソポリ酸源で処理されて得られた試料は、粒子のブラウン運動による散乱光の揺らぎを測定する動的光散乱法で測定解析でき、好適には動的光散乱粒度分布測定装置(あるいは動的光散乱式粒子径分布測定装置又は動的光散乱式粒径分布測定装置)として市販されている測定装置を使用して測定及び結果の解析がなされる。該動的光散乱粒度分布測定装置(あるいは動的光散乱式粒子径分布測定装置又は動的光散乱式粒径分布測定装置)は、(株)堀場製作所、大東化成工業(株)、大塚電子(株)などより入手できる。例えば、動的光散乱式粒径分布測定装置LB-550((株)堀場製作所)を使用して測定を行うことができる。好適には、セル型の装置を用いる。当該測定装置は、マイクロコンピューターなどのICチップを搭載しており、解析プログラムなどをインストールしてあるものが便利である。該プログラムは、Windows (登録商標) (Microsoft社)上で動作するもの、Mac OS (Apple社)上で動作するものなどであってよい。上記したような動的光散乱粒度分布測定装置を使用することにより、ナノ粒子の解析をすることができ、例えば、1〜100nmのナノ粒子分散液の測定・解析ができる。動的光散乱法による粒度分布測定装置を使用すると、高濃度から希薄溶液に至る幅広い超微粒子アプリケーションに対応して、高感度にその測定を実施することができ、その操作はサンプルをセットするだけで1nm〜6000nmのワイドレンジを短時間で高精度に評価できる。こうして本発明の系の有効性が詳細に確認できる。
本発明では、市販の吸光光度計などを使用して好適に測定・検知を行うことができる。本発明系では、可視部の吸収スペクトルを測定できるものであれば、特に制限されることなく使用できる。かくして、本発明では、吸光光度法で高い感度で測定できること、そして極めて一般的に汎用されている装置(例えば、単色光を作り出して、これを溶液試料に照射し、透過した光の量を測定して、試料の、その波長における吸光度を求めるといった可視分光光度計:安価であり、簡単な手技で扱える)を使用して高い感度の測定・検知が可能という特徴を有する。本発明の測定方法を個々の試験試料などに適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて、本発明の当該対象物質あるいはそれと実質的に同等な物質に関連した測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、当該分析分野で知られた、総説、成書などを参照することができる。
【0018】
本発明の技術を利用して、それに適した装置を提供できる。そうした装置としては、吸光光度法を採用することができるが、特に高感度性を追求するためにフロー系統の設計ならびに吸光度のドリフト対策などの技術的な配慮を加えることもできる。当該装置としては、(1)ガリウムヒ素ウェハー洗浄水中ヒ素を測定するための連続自動モニタリング装置(半導体工業用途)、(2)電力・一般工業用水中シリカの連続自動モニタリング装置(工業用途)、(3)環境水中微量リンを対象とするモバイル装置用測定キット(環境分析用途)などが包含される。
以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。本発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解されるべきである。全ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又は実施することのできるものであり、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。
【実施例1】
【0019】
トリアリールメタン系色素とハロゲン間化合物とイソポリ酸とから構成される微粒子が、ヒ素などを含んで形成されるへテロポリ酸の高感度プローブとなることを、以下のようにして確認した。
ヒ素を含有する試料溶液に0.04 mol/Lの濃度のヨウ素酸カリウム液を20μl混和し、その後6 mol/Lの濃度の塩酸を170μl混和し、次に0.13 mol/Lの濃度の四塩化ヨウ素20μl、3.3×10-2 mol/Lの濃度のモリブデン酸アンモニウム220μl及び1.3×10-3 mol/Lの濃度のエチルバイオレット70μlを添加して、全量を3 mlとした。30分間静置後、動的光散乱式粒径分布測定装置LB-550((株)堀場製作所)を使用して測定を行った。粒度分布と散乱光強度を求めた。得られた結果を図2及び3に示す。
ヒ素を含有していない試料溶液をブランク(blank)として比較検討した。その結果を図4及び5に示す。
【0020】
図2及び4において、横軸(x軸)は、粒子のサイズ(μm)を表し、「0.0011, 0.0026, - - -, 3.9045」と目盛りが付されている。縦軸(y軸)は、全粒子の数に対する特定のサイズの粒子の比率(パーセント; %)を示し、「0, 5, - - -, 15」と目盛りが付され、そして奥に向かう軸(z軸)は、経過時間を示し、「S1, S3, S5, - - -, S9」と目盛りが付されている。S1, S3, S4などは、一定の時間経過(5分毎)後の測定時点をそれぞれ示している。すなわち、エチルバイオレットを添加してから5分おきに測定したもので、0分から40分まで測定した結果を示してある。
図2と図4を対比して、ヒ素が存在すると(図2)、S1時点で一つの山が認められ、S9時点でも、山が認められる(粒子がかなり存在する)。一方、ヒ素を含有していない場合(ブランク)では、S4時点で山が観察されなくなっており、S9時点では明らかに消失してしまっている。
図3及び図5において、縦軸は、散乱光強度を示し、横軸は経過時間(分)を示している。図3と図5を対比すると、ヒ素が存在すると(図3)、10分を経過しても散乱光強度が維持されて、残存(特に動的散乱光強度では著しい)しており、20分を経過しても依然残っているが、ヒ素を含有していない場合(ブランク)では、散乱光強度が直線的に低下していく。
【0021】
図6には、10ppbのヒ素を含有する試料溶液(上側のライン)とヒ素を含有していないブランク液について、発色(紫色)についての経時測定値を示す。ブランク液では20分経過時点で十分に吸光度が低下していることが認められるが、一方、ヒ素含有試料では呈色が残留している。
図7は、ヒ素を含有する試料溶液についての吸光光度計による波長スキャンの測定結果(吸収スペクトル)を示す。ヒ素濃度 0, 1, 5, 10, そして20 ppbについて示してあり、濃度に比例して吸光度が低減していることが観察された。ここのスペクトルの極大吸収波長(550nm)を、プロットして、図8が得られた。図8は、本発明のトリアリールメタン系色素とハロゲン間化合物とイソポリ酸によって形成される微粒子をヘテロポリ酸プローブとして使用した検知法に従って作製したヒ素に関する検量線となっている。直線性が得られることが認められた。こうして、一般的な吸光光度計を使用して、高感度のヒ素の検出・測定が可能であることが確認できた。
【0022】
本発明の測定系の分子種を解析するため、元素分析を行った。元素分析のための試料調製は次のようにして行った。ヒ素20ppbを含む試料溶液に、0.04 mol/L ヨウ素酸カリウム(6.6 ml)、6 mol/L 塩酸(56.6 ml)、0.13 mol/L 四塩化ヨウ素(6.6 ml)、3.3 × 10-2 mol/L モリブデン酸アンモニウム(73.3 ml)及び1.3 × 10-3 mol/L エチルバイオレット(23.3 ml)を加えて、全体を1Lにし、1時間後メンブランフィルターに吸引濾過し、Drying Ovenによる乾燥(100度で3時間)を行ってSEM-EDSによる測定にかけた。四塩化ヨウ素を添加しない場合も同様に処理した。SEM-EDSを用いて元素組成の解析を行った結果を、図9に示す。図9は、エネルギー分散型X線分光器(energy dispersive X ray spectrometer; EDX)を使用して、測定したものである。四塩化ヨウ素を加えてない場合は、ヨウ素(I)のピークがなく、また弱いピークとなっていることが認められた。
上記より、微量のヒ素含有試料を、トリアリールメタン系色素とハロゲン間化合物とのカチオン性錯体をイソポリ酸存在下ヘテロポリ酸プローブとして使用して分析し、水中ヒ素の検出及び/又は測定を行うことを、高感度に吸光的に行うことができることが確認できた。生成する呈色を、一般に市販されており、安価で汎用性に富んだ吸光光度計で、極めて微量のものを検出及び/又は測定することができることが確認できた。特に、呈色水溶液の吸光測定をするだけで、また吸光光度計にかけるだけで、有効に高感度検出及び/又は高感度測定することができることが確認できた。
以上より、リンおよびシリカについても、それらは水中で酸素酸イオンとして存在してへテロポリ酸を形成するために、分析化学の分野ではヒ素と同一のグループとして取り扱われることから、同様にして、高感度に、測定・検知できる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明により、極めて微量のヒ素、リン、あるいはシリカの、迅速で、低コストで、且つ、高感度な検出法及びそれを使用した常時モニタリングシステムが構築できる。ガリウムヒ素半導体の製造工程で問題となる排出ヒ素、すなわち、ウェハー洗浄水中のヒ素を簡便に測定することができるようになる。本発明は、この目的のために連続自動モニタリング装置への導入が可能である。環境水中の微量リンを計測対象とする連続自動モニタリング装置ならびに簡易テストキットに適用可能である。電力・工業用水用向けにppbレベルのシリカの連続自動モニタリング装置に適用可能である。本技術は、濃度領域1〜10ppbレベルのシリカの測定法を与える。本発明の技術は半導体用超純水に適用できる。
本発明は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行できることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】四塩化ヨウ素イオン(左端)、エチルバイオレット(中央)、及びヘテロポリ酸イオンの各構造を模式的に示す。
【図2】本発明の高感度吸光検出法による測定(ヒ素含有)の有効性評価のため粒度分布及び散乱光強度を解析した結果を示す。動的光散乱法で測定。
【図3】本発明の高感度吸光検出法による測定(ヒ素含有)の有効性評価のため散乱光強度を解析した結果を示す。動的及び静的光散乱法で測定。
【図4】本発明の高感度吸光検出法による測定(ヒ素含有)の有効性評価のため粒度分布及び散乱光強度を解析した結果を示す。動的光散乱法で測定。
【図5】本発明の高感度吸光検出法による測定(ヒ素含有)の有効性評価のため散乱光強度を解析した結果を示す。動的及び静的光散乱法で測定。
【図6】本発明の高感度吸光検出法により測定(ヒ素含有)した結果(吸光度-時間)をブランクと比較して示す。
【図7】本発明の高感度吸光検出法により測定(ヒ素含有)した結果(吸収スペクトル)を示す。
【図8】本発明の高感度吸光検出法を使用して作製したヒ素についての検量線を示す。
【図9】本発明の高感度吸光検出系をSEM-EDSを用いて元素組成解析した結果を、四塩化ヨウ素不含の場合と比較して示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微量のヒ素、リン、あるいはシリカ含有試料を、イソポリ酸の存在下でトリアリールメタン系色素とハロゲン間化合物との錯体をヘテロポリ酸の検出プローブとして分析し、水中ヒ素、リン、あるいはシリカの検出及び/又は測定を行うことを特徴とするヒ素・リン・シリカの高感度吸光検出及び/又は測定法。
【請求項2】
微量のヒ素、リン及びシリカからなる群から選択されたものを検出及び/又は測定するための検体試料を、イソポリ酸と反応させて生成するヘテロポリ酸イオンに対して、ハロゲン間化合物及びトリアリールメタン系色素と接触せしめ、生成する呈色を検出及び/又は測定することで、微量のヒ素、リン又はシリカの検出及び/又は測定をすることを特徴とする請求項1に記載の検出及び/又は測定法。
【請求項3】
ハロゲン間化合物が四塩化ヨウ素で、トリアリールメタン系色素がエチルバイオレットであることを特徴とする請求項1又は2に記載の検出及び/又は測定法。
【請求項4】
イソポリ酸源が、モリブデン酸アンモニウムであることを特徴とする請求項2又は3に記載の検出及び/又は測定法。
【請求項5】
トリアリールメタン系色素とハロゲン間化合物がイソポリ酸存在下で形成する微粒子をプローブとして含有していることを特徴とするヒ素・リン・シリカの高感度吸光検出及び/又は測定試薬。
【請求項6】
ハロゲン間化合物、トリアリールメタン系色素及びイソポリ酸源が試薬としてセットとされていることを特徴とする微量のヒ素、リン又はシリカの検出及び/又は測定試薬。


【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−24634(P2007−24634A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205800(P2005−205800)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】