説明

ビアリールアミン誘導体

【課題】Diacylglycerol O−acyltransferase type 1(DGAT1)阻害作用を有する新規化合物の提供。
【解決手段】式(I)


[式中、環Aはベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基などであり、環Bは、ベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基などであり、R,R,Rは水素原子ハロゲン原子又は低級アルキル基などであり、環Cは、ベンゼン環から水素原子を2個除いてなる基であり、Yは酸素原子、硫黄原子などであり、Dは、カルボキシル基置換の環状炭化水素基である。]で示されるビアリールアミン誘導体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の分野において有用なビアリールアミン誘導体に関する。この化合物は、Diacylglycerol O−acyltransferase type 1(以下、「DGAT1」という)阻害作用を有し、高脂血症、糖尿病、肥満症の治療剤及び/又は予防剤として有用である。
【背景技術】
【0002】
肥満は、運動不足や過剰なエネルギー摂取、加齢などの背景により、エネルギーバランスがくずれ、余剰となったエネルギーが主に中性脂肪(トリアシルグリセロール、TG)として脂肪組織に蓄積され、その結果、体重、体脂肪量が増加した状態である。近年、内臓性脂肪の蓄積を伴う肥満を上流として、糖尿病、脂質代謝異常、高血圧など複数の危険因子が集積する、メタボリックシンドロームの概念が確立し、その診断基準、治療のガイドラインが策定された(非特許文献1)。メタボリックシンドロームは動脈硬化、心血管障害、脳血管障害のリスクを上昇させることから、これらの疾患を予防する上で、肥満症治療の重要性が認識されている。
しかしながら、肥満症治療の必要性が重要視される一方で、現在の肥満症の薬剤治療は非常に限られており、作用がより明確で、副作用の少ない、新たな抗肥満薬の出現が望まれている。
生体内には、ほとんど全ての臓器に存在し、de novoのGT合成を行う、グリセロールリン酸経路と、主として小腸からの脂肪酸吸収に関与しているモノアシルグリセロール経路の2種類のTG合成経路が存在する。ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT, EC2.3.1.20)は小胞体に存在する膜結合型の酵素であり、TG合成の2つの経路に共通するTG合成の最終ステップ、すなわちアシルコエンザイムAのアシル基を1,2−ジアシルグリセロールの3位に転移しTGを生成する反応を触媒する(非特許文献2, 非特許文献3)。DGATにはDGAT1, 2の2種類のサブタイプが存在することが明らかになっている。DGAT1、2は異なる遺伝子によりコードされ、両者の間には有意な、遺伝子レベル、アミノ酸レベルでの相同性はない(非特許文献4, 非特許文献5)。DGAT1は小腸、脂肪組織、肝臓などに存在し、小腸においては、脂質の吸収に、脂肪細胞においては、脂肪細胞への脂質の蓄積に、また肝臓においてはVLDLの分泌や肝臓中への脂質の蓄積に関与していると考えられている(非特許文献3, 非特許文献6)。DGAT1のこれらの機能から、DGAT1阻害剤は、小腸での脂肪吸収抑制、脂肪組織、肝臓への脂肪の蓄積抑制、肝臓からの脂質の分泌の抑制により、メタボリックシンドロームを改善することが期待される。
DGAT1の生理作用及びDGAT1阻害の効果をin vivoで検討するために、DGAT1を遺伝子レベルで欠損させたDGAT1ノックアウトマウスが作製され、その解析が行われている。その結果、DGAT1ノックアウトマウスは、体脂肪量が野生型マウスより低く、高脂肪食負荷による、肥満、耐糖能異常、インスリン抵抗性、脂肪肝に対し耐性を示すことが明らかとなっている(非特許文献7,非特許文献8)。またDGAT1ノックアウトマウスはエネルギー消費が亢進すること、DGAT1ノックアウトマウスの脂肪組織を野生型マウスに移植することにより、高脂肪食負荷誘導の肥満、耐糖能異常に耐性になることなども報告されている(非特許文献9, 非特許文献10)。これらに対し、逆に、DGAT1を脂肪組織に過剰発現させたマウスでは、高脂肪食負荷による肥満、糖尿病が増悪することが報告されている(非特許文献11, 非特許文献12)。
これらの結果から、DGAT1阻害剤は肥満や肥満に伴う2型糖尿病、脂質代謝異常、高血圧症、脂肪肝、動脈硬化症、脳血管障害、冠動脈疾患などの治療薬として、有効であると考えられる。
これまでに、DGAT1阻害作用を有する化合物としては、いくつかの化合物が知られているが、いずれも本発明の化合物とは構造が異なる(例えば、特許文献1乃至3参照)。
本発明の化合物は、特許文献1及び特許文献2に記載されている化合物のビフェニル部分に窒素原子を導入することにより、適度に脂溶性を低下させ、かつ、良好な膜透過性をもたらすものである。
【0003】
【非特許文献1】日本肥満学会誌、12、臨時増刊号、2006
【非特許文献2】Prog.Lipid Res.,43,134−176.2004
【非特許文献3】Ann.Med.,36,252−261,2004
【非特許文献4】Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,95,13018−13023,1998
【非特許文献5】JBC,276,38870−38876,2001
【非特許文献6】JBC,280,21506−21514,2005
【非特許文献7】Nature Genetics,25,87−90,2000
【非特許文献8】JCI,109,1049−1055,2002
【非特許文献9】JCI,111,1715−1722,2003
【非特許文献10】Diabetes,53,1445−1451,2004
【非特許文献11】Diabetes,51,3189−3195,2002
【非特許文献12】Diabetes,54,3379−3386
【特許文献1】WO2004/100881号公報
【特許文献2】WO2006/044775号公報
【特許文献3】WO2006/113919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、DGAT1阻害作用を有する新規ビアリールアミン誘導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、DGAT1阻害作用を有する化合物を開発すべく鋭意検討を行い、本発明に係る化合物がDGAT1阻害作用を有する化合物として有効であることを見いだし、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
式(I)
【0006】
【化1】

【0007】
[式中、
環Aは、ベンゼン環又は環構成原子として窒素原子を環内に1若しくは2有する6員のヘテロアリール環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、
式(T−1)
【0008】
【化2】

【0009】
式(T−2)
【0010】
【化3】

【0011】
及び式(T−3)

【0012】
からなる群より選択される2価の基であり、
環Bは、ベンゼン環又は環構成原子として窒素原子を環内に1若しくは2有する6員のヘテロアリール環から水素原子を2個除いてなる2価の基であり、
は水素原子、ハロゲン原子、場合によりハロゲン原子若しくは低級アルコキシ基で置換されていてもよい低級アルキル基、又は低級アルコキシ基であり、
は水素原子、ハロゲン原子、場合によりハロゲン原子若しくは低級アルコキシ基で置換されていてもよい低級アルキル基、又は低級アルコキシ基であり、
環Cは、ベンゼン環又は環構成原子として窒素原子を環内に1若しくは2有する6員のヘテロアリール環から水素原子を2個除いてなる基であり、
は、水素原子、場合によりハロゲン原子若しくは低級アルコキシ基で置換されていてもよい低級アルキル基、又は低級アルコキシ基であり、
Yは酸素原子、硫黄原子又はNRであり、
Rは、水素原子又は低級アルキル基であり、
Dは、式(II−1)
【0013】
【化4】

式(II−2)
【0014】
【化5】

【0015】
式(II−3)
【0016】
【化6】

及び式(II−4)

から選択される基であり、
ここで、Aは、式(III−1)
【0017】
【化7】

(式中、Rは、水素原子又は、場合によりハロゲン原子、低級アルコキシ基若しくはジ低級アルキルアミノ基で置換された低級アルキル基であり、
は、水素原子又は、場合によりハロゲン原子、低級アルコキシ基若しくはジ低級アル
キルアミノ基で置換された低級アルキル基であり、
は、水素原子又は、場合によりハロゲン原子、低級アルコキシ基若しくはジ低級アル
キルアミノ基で置換された低級アルキル基であるか、或いは
とRが互いに結合する炭素原子と一緒になって形成する3乃至5員の脂肪族環であるか、或いは、RとR一緒になって形成する式(IV)
【0018】
【化8】

【0019】
(式中、Gは、CH、C(CH、O、NR、S又はSOであり、Rは、水素原子又は低級アルキル基)で表される基であり、
pは、0乃至2であり、qは、0又は1であり(ただし、p及びqが同時に0となることはない)であるか、或いは、
式(III−2)
【0020】
【化9】

【0021】
(式中、
Xは、窒素原子又はCHであり、
CHは、低級アルキル基(該低級アルキル基は、ハロゲン原子、低級アルコキシ基又はジ低級アルキルアミノ基で置換されていてもよい)で置換されていてもよく、
m及びnは、mが0であり、かつ、nが1、2、3又は4であるか、或いは、mが1であり、かつnが1、2又は3である)で表される基であるか、ただし、
が式(III−1)で表される基であり、かつ、qが1である場合には、R及びRが一緒になって、式(I)中の式(V)
【0022】
【化10】

【0023】
が、式(V−1)
【0024】
【化11】

【0025】
(式中、rは、1又は2であり、他の記号は前記に同じ)で表される基を形成していてもよく、
Eは、OH又はNHであり、
は、式(III−3)
【0026】
【化12】

【0027】
(ここで、pは、1又は2であり、R及びRは、前記と同様である)、
又は式(III−4)
【0028】
【化13】

【0029】
(式中、各記号は前記に同じ)で表される基であり、
は、Aと同義であり、
gは1又は2の整数を示す]で表される化合物(ただし、環A及び環Bが共にベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であり、かつ、Dが(II−1)、(II−2)又は(II−3)である場合は除く)又はその薬学的に許容される塩に関する。
また、本発明は、前記式(I)で表される化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。
また、本発明は、前記式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とするDGAT1阻害剤に関する。
【0030】
また、本発明は、前記式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする高脂血症、糖尿病、肥満症の治療剤及び/又は予防剤に関する。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る化合物(I)又はその薬学的に許容される塩は、強力なDGAT1阻害作用を有しており、高脂血症、糖尿病、肥満症の治療及び/又は予防に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に本明細書において用いられる用語の意味について説明し、本発明に係る化合物について更に詳細に説明する。
「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
「低級アルキル基」とは、炭素数1乃至6の直鎖又は分岐を有するアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基等が挙げられる。
「低級アルコキシ基」とは、ヒドロキシ基の水素原子が前記低級アルキル基で置換された基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基等が挙げられる。
「ジ低級アルキルアミノ基」とは、アミノ基中の水素原子の2つが、同一又は異なる前記定義の低級アルキル基で置換された基を意味するか、或いは、同一又は異なるこれらの低級アルキル基どうしが互いに結合して形成する5乃至7員環を意味し、具体的には、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基又はホモピペリジニル基等が挙げられる。
本発明に係る式(I)
【0033】
【化14】

【0034】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される化合物について、更に開示するために、式(I)において用いられる各種記号について、具体例を挙げて説明する。
【0035】
環Aは、ベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基を意味するか、又は、環構成原子として窒素原子を環内に1又は2有する6員のヘテロアリール環から水素原子を2個除いてなる2価の基を意味するか、或いは、式(T−1)
【0036】
【化15】

【0037】
式(T−2)
【0038】
【化16】

【0039】
及び式(T−3)
【0040】
【化17】

【0041】
からなる群より選択される2価の基を意味する。
【0042】
環Aが示す「環構成原子として、窒素原子を1又は2有する6員のヘテロアリール環から水素原子2個を除いてなる基」のうちの、「環構成原子として、窒素原子を1又は2有する6員のヘテロアリール環」としては、具体的には、例えば、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環又はピラジン環が挙げられ、こられのうち、ピリジン環又はピリミジン環が好ましく、ピリジン環がより好ましい。
また、前記式(T−1)、(T−2)又は(T−3)で表される基のうちで、(T−1)で表される基が好ましい。
【0043】
は、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を意味する。
【0044】
また、Rが示す「低級アルキル基」は、ハロゲン原子、低級アルコキシ基で1乃至3置換されていてもよい。
ハロゲン原子で置換された低級アルキル基としては、具体的には、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
低級アルコキシ基で置換された低級アルキル基としては、具体的には、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等が挙げられる。
【0045】
環Bは、ベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基を意味するか、或いは、環構成原子として、窒素原子を環内に1又は2有するヘテロアリール環から水素原子を2個除いてなる2価の基を意味する。
【0046】
環Bが示す「環構成原子として、窒素原子を1又は2有する6員のヘテロアリール環から水素原子2個を除いてなる基」のうちの、「環構成原子として、窒素原子を1又は2有する6員のヘテロアリール環」としては、環Aと同様の基を挙げることができ、こられのうち、ピリジン環又はピリミジン環が好ましい。
【0047】
は、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を意味する。
【0048】
また、Rが示す「低級アルキル基」は、ハロゲン原子、低級アルコキシ基で1乃至3置換されていてもよい。
【0049】
ハロゲン原子で置換された低級アルキル基及び低級アルコキシ基で置換された低級アルキル基としては、Rの場合と同様の基を挙げることができる。
【0050】
環Cは、フェニル基又は環内に窒素原子を1若しくは2有する6員のヘテロアリール基を意味する。
【0051】
環Cが示す「環内に窒素原子を1若しくは2有する6員のヘテロアリール基」としては、例えば、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基又はピラジニル基が挙げられ、これらのうち、ピリジニル基が好ましい。
【0052】
は、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を意味する。
【0053】
また、Rが示す「低級アルキル基」は、ハロゲン原子、低級アルコキシ基で1乃至3置換されていてもよい。
【0054】
ハロゲン原子で置換された低級アルキル基及び低級アルコキシ基で置換された低級アルキル基としては、Rの場合と同様の基を挙げることができる。
【0055】
Yは、酸素原子、硫黄原子又はNRを意味し、ここでRは、水素原子又は低級アルキル基を示す。
【0056】
Yが示す「NR」としては、具体的には、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−プロピルアミノ基等が挙げられる。
【0057】
Yとしては、これらのうち、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。
【0058】
Dは、式(II−1)
【0059】
【化18】

【0060】
式(II−2)
【0061】
【化19】

【0062】
及び式(III−3)
【0063】
【化20】

【0064】
から選択される基を示す。
式(II−1)中のAは、式(III−1)
【0065】
【化21】

【0066】
で表される基を示すか、或いは、式(III−2)
【0067】
【化22】

【0068】
で表される基を示す。
【0069】
は、水素原子又は低級アルキル基を示す。
【0070】
該低級アルキル基は、前記定義の低級アルキル基と同様の基を意味する。
【0071】
また、該低級アルキル基は、ハロゲン原子、低級アルコキシ基又はジ低級アルキルアミノ基で1乃至3置換されていてもよい。
【0072】
ハロゲン原子で置換された低級アルキル基及び低級アルコキシ基で置換された低級アルキル基としては、Rの場合と同様の基を挙げることができる。
【0073】
また、ジ低級アルキルアミノ基で置換された低級アルキル基としては、具体的には、例えば、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノイソプロピル基等が挙げられる。
【0074】
該低級アルキル基が、ハロゲン原子、低級アルコキシ基又はジ低級アルキルアミノ基で2以上置換されている場合には、これらは同一又は異なっていてもよい。
【0075】
は、水素原子又は低級アルキル基を示す。
【0076】
該低級アルキル基は、前記定義の低級アルキル基と同様の基を意味する。
【0077】
また、該低級アルキル基は、ハロゲン原子、低級アルコキシ基又はジ低級アルキルアミノ基で1乃至3置換されていてもよい。
【0078】
ハロゲン原子で置換された低級アルキル基及び低級アルコキシ基で置換された低級アルキル基としては、Rの場合と同様の基を挙げることができる。
【0079】
また、ジ低級アルキルアミノ基で置換された低級アルキル基としては、Rの場合と同様の基を挙げることができる。
【0080】
は、水素原子又は低級アルキル基を示す。
【0081】
該低級アルキル基は、前記定義の低級アルキル基と同様の基を意味する。
【0082】
また、該低級アルキル基は、ハロゲン原子、低級アルコキシ基又はジ低級アルキルアミノ基で1乃至3置換されていてもよい。
【0083】
ハロゲン原子で置換された低級アルキル基及び低級アルコキシ基で置換された低級アルキル基としては、Rの場合と同様の基を挙げることができる。
【0084】
また、ジ低級アルキルアミノ基で置換された低級アルキル基としては、Rの場合と同様の基を挙げることができる。
【0085】
また、R及びRは、それらが互いに結合する炭素原子と一緒になって、3乃至5員の脂肪族環を形成していてもよい。
【0086】
該脂肪族環としては、具体的には、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等が挙げられる。
【0087】
また、R及びRは、それらが互いに結合する炭素原子と一緒になって、式(IV)
【0088】
【化23】

【0089】
で表される基を形成していてもよい。
Gは、CH、C(CH、O、NR、S又はSOを意味する。
【0090】
は、水素原子又は低級アルキル基を意味する。
【0091】
pは、0乃至2を示す。
【0092】
qは、0又は1を示す。
【0093】
ただし、p及びqが同時に0となることはない。
【0094】
また、Aは、式(III−2)
【0095】
【化24】

【0096】
で表される基であってもよい。
【0097】
式(III−2)中のXは、窒素原子又はCHを意味する。
【0098】
式(III−2)中のCHは、低級アルキル基(該低級アルキル基は、ハロゲン原子、低級アルコキシ基又はジ低級アルキルアミノ基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい。
【0099】
m及びnは、mが0であり、かつ、nが1、2、3又は4であるか、或いは、mが1であり、かつ、nが1、2又は3である。
【0100】
式(III−2)で表される基としては、具体的には、例えば、式(III−20)
【0101】
【化25】

【0102】
(式中、q1は1乃至4の整数を示す)で表される基が挙げられ、さらに具体的には、例えば、式(III−21)
【0103】
【化26】

【0104】
で表される基等が挙げられる。
【0105】
また、Aが前記式(III−1)で表される基であり、かつ、qが1である場合には、式(I)中のRとRとが一緒になって、式(I)中の式(V)
【0106】
【化27】

【0107】
が、式(V−1)
【0108】
【化28】

【0109】
で表される基を形成していてもよい。
【0110】
式(V−1)中、各記号は前記と同じ意味を有する。
【0111】
式(V−1)で表される基としては、具体的には、例えば、下記式(V−2)
【0112】
【化29】

【0113】
で表される基が挙げられる。
Eは、OH又はNHを示し、OHが好ましい。
及びAは、それぞれ独立して、式(III−3)
【0114】
【化30】

【0115】
又は式(III−4)
【0116】
【化31】

【0117】
で表される基を示す。
式(III−3)中のpは、1又は2を示す。
式(III−3)中のR及びRは、前記と同じ意味を有する。
m及びnは、前記と同じ基を意味する。
式(I)で表される化合物のうち、環A及び環Bが共にベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であり、かつ、Dが(II−1)、(II−2)又は(II−3)である場合は、本発明から除かれる。
本発明に係る化合物の好ましい態様としては、式(I)で表される化合物のうち、環Aが環構成原子として、窒素原子を環内に1又は2有する6員のヘテロアリール環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、式(T−1)
【0118】
【化32】

【0119】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、環Bがベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基である場合が挙げられる。
【0120】
また、本発明に係る化合物の好ましい別の態様としては、式(I)で表される化合物のうち、環Aがピリジン環又はピリミジン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、式(T−1)

【0121】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、環Bがベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基である場合が挙げられる。
【0122】
また、本発明に係る化合物の別の好ましい態様としては、式(I)で表される化合物のうち、環Aがピリジン環又はピリミジン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、式(T−1)
【0123】
【化33】

【0124】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、環Bがベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であり、Dが式(II−11)
【0125】
【化34】

【0126】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基である化合物が挙げられる。
【0127】
また、本発明に係る化合物の別の好ましい態様としては、式(I)で表される化合物のうち、環Aがピリジン環又はピリミジン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、式(T−1)
【0128】
【化35】

【0129】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、
環Bがベンゼンから水素原子を2個除いてなる2価の基であり、
Dが式(II−11)
【0130】
【化36】

【0131】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、
が式(III−1)
【0132】
【化37】

【0133】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であるか、或いは、式(III−2)
【0134】
【化38】

【0135】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基である場合が挙げられる。
【0136】
また、本発明に係る化合物の別の好ましい態様としては、式(I)で表される化合物のうち、環Aがピリジン環又はピリミジン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、式(T−1)
【0137】
【化39】

【0138】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、
式(I)中の式(V)
【0139】
【化40】

【0140】
が、式(V−1)
【0141】
【化41】

【0142】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基である場合が挙げられる。
【0143】
また、本発明に係る化合物の別の好ましい態様としては、式(I)で表される化合物のうち、環Aがピリジン環又はピリミジン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、式(T−1)
【0144】
【化42】

【0145】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、
環Bがベンゼンから水素原子を2個除いてなる2価の基であり、
Dが式(II−11)
【0146】
【化43】

【0147】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、

【0148】
【化44】

【0149】
【化45】

【0150】
【化46】

【0151】
及び
【0152】
【化47】

【0153】
からなる群より選択される基(式中、各記号は前記に同じ)である場合が挙げられる。
【0154】
また、本発明に係る化合物の別の好ましい態様としては、式(I)で表される化合物のうち、環Aがピリジン環又はピリミジン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であり、
環Bがベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であり、
Dが式(II−11)
【0155】
【化48】

【0156】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、

【0157】
【化49】

【0158】
【化50】

【0159】
及び
【0160】
【化51】

【0161】
からなる群より選択される基(式中、各記号は前記に同じ)である請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0162】
また、本発明に係る化合物の別の好ましい態様としては、式(I)で表される化合物のうち、環Aが式(T−1)
【0163】
【化52】

【0164】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、
環Bがベンゼンから水素原子を2個除いてなる2価の基であり、
Dが式(II−11)
【0165】
【化53】

【0166】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、

【0167】
【化54】

【0168】
【化55】

【0169】
及び
【0170】
【化56】

【0171】
からなる群より選択される基(式中、各記号は前記に同じ)である場合が挙げられる。
【0172】
式(I)で表される化合物としては、具体的には、例えば、4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリジン−5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピラジン−5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
2−{5−[4−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)フェニル]−1−オキソ−イソインドリン−2−イル}−2,2−ジメチル酢酸、
4−{4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリミジン−2−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−{4−[6−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリダジン−3−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−{4−[4−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリジン−4−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−{4−[5−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
2−[(4−{[5−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}フェニル)カルボニル]シクロペンタンカルボン酸、
2−[4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]フェニル]カルボニル)シクロペンタンカルボン酸、
2−[(4−{[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}フェニル)カルボニル]シクロペンタンカルボン酸、
2−({4´−[(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)アミノ]−1,1´−ビフェニル−4−イル}カルボニル)シクロペンタンカルボン酸、
4−(4−{5−[(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
2−({4−[5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]フェニル}カルボニル)シクロペンタンカルボン酸、
4−(4−[5−(1−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−(4−[5−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−(4−[5−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
N−[(4−{5−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−カルボニル]−L−プロリン、
4−(4−{5−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−(5−{4−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−フェニル}−2−ピリジニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−(6−{4−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−フェニル}−3−ピリジニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、又は
4−[4−[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]フェニル]−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸等が挙げられる。
【0173】
以上で説明した環A、環B、環C、A、A、A、D、E、G、R、R、R、R、R、R、R、R80、R81、R、R10、X、Y、p、p、q、q、r、m、nの好ましい態様は、いずれを組み合わせてもよい。
【0174】
次に本発明に係る化合物の製造方法について説明する。
【0175】
【化57】

【0176】
[式中、Rは、低級アルキル基、ベンジル基等を示し、Rは、水素原子、低級アルキル基、又は、2つのRが一緒になって、環を形成していてもよく、Xは、ハロゲン原子を示し、他の記号は前記に同じ]
(工程1)
本工程は、塩基及びパラジウム化合物の存在下、化合物(1)と化合物(2)とを反応させることにより、化合物(3)を製造する方法である。
【0177】
本工程において用いられる塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。
本工程において用いられる塩基の量は、化合物(1)1当量に対して、通常1乃至10当量、好ましくは、2乃至5当量である。
本工程において用いられるパラジウム化合物としては、例えば、PdCl(dppf)・CHCl等が挙げられる。
本工程において用いられるパラジウム化合物の量は、化合物(1)1当量に対して、通常0.05乃至0.5当量、好ましくは、0.2乃至0.4当量である。
本工程において用いられる化合物(2)の量は、化合物(1)1当量に対して、通常1乃至3当量、好ましくは、1乃至1.5当量である。
【0178】
本工程における反応時間は、通常5乃至48時間、好ましくは、10乃至24時間である。
【0179】
本工程における反応温度は、通常60乃至100度、好ましくは、80乃至90度である。
本工程において用いられる反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、ジメチルアセトアミド、水、又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0180】
このようにして得られる化合物(3)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか、又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(工程1−2)
本工程は、カルボキシル基の保護基を除去することにより、本発明に係る化合物(I−1)を製造する方法である。
【0181】
本工程におけるカルボキシル基の保護基の除去は、文献記載の方法(例えば、プロテクティブ グループス イン オーガニックシンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、T.W.Green 著、第2版、John Wiley&Sons社、1991年等)、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。
【0182】
このようにして得られる化合物(I−1)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
また、本工程において用いられる化合物(2)は、US2004/0224997号公報に記載の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができ、例えば、以下の工程2−1又は工程2−2によって製造することができる。
【0183】
【化58】

【0184】
[式中、X1及びX2は、ハロゲン原子を示し、他の記号は、前記に同じ]
(工程2−1)
本工程は、塩基の存在下、化合物(3−1)と化合物(4−1)とを反応させることにより、化合物(2)を製造する方法である。
【0185】
本工程において用いられる塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等が挙げられる。
【0186】
本工程において用いられる塩基の量は、化合物(3−1)1当量に対して、通常1乃至10当量、好ましくは、2乃至5当量である。
【0187】
本工程における反応時間は、通常5乃至48時間、好ましくは、10乃至24時間である。
【0188】
本工程における反応温度は、通常50乃至120度、好ましくは、80乃至100度である。
本工程において用いられる反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、テトロヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジオキサン等が挙げられる。
【0189】
本工程において用いられる(4−1)の量は、化合物(3−1)1当量に対して、通常1乃至 10当量、好ましくは、1乃至2当量である。
(工程2−2)
【0190】
【化59】

【0191】
[式中、各記号は前記に同じ]
本工程は、塩基の存在下、化合物(3−2)と化合物(4−2)とを反応させることにより、化合物(2)を製造する方法である。
【0192】
本工程において用いられる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等が挙げられる。
【0193】
本工程において用いられる塩基の量は、化合物(3−2)1当量に対して、通常1乃至5当量、好ましくは、2乃至3当量である。
【0194】
本工程において用いられる化合物(4−2)の量は、化合物(3−2)1当量に対して、通常0.5乃至2当量、好ましくは、0.5乃至1当量である。
【0195】
本工程における反応時間は、通常1乃至24時間、好ましくは、2乃至5時間である。
【0196】
本工程における反応温度は、通常室温乃至80度、好ましくは、50乃至90度である。
【0197】
本工程において用いられる反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0198】
このようにして得られる化合物(2)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか、又は単離精製することなく他の工程に付すことができる。
また、化合物(3)は、例えば、以下の方法によっても製造することが出来る。
【0199】
【化60】

【0200】
[式中、X11は、ハロゲン原子を示し、他の記号は前記に同じ]
(工程1−3)
本工程は、塩基及びパラジウム化合物の存在下、化合物(2−1)と化合物(1−1)とを反応させることにより、化合物(3)を製造する方法である。
【0201】
本工程において用いられる塩基として、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。
本工程において用いられる塩基の量は、化合物(2−1)1当量に対して、通常0.5乃至10当量、好ましくは、0.75乃至3当量である。
本工程において用いられるパラジウム化合物としては、例えば、PdCl(dppf)・CHCl等が挙げられる。
本工程において用いられるパラジウム化合物の量は、化合物(2−1)1当量に対して、通常 0.01乃至1当量、好ましくは、0.1乃至0.5当量である。
本工程において用いられる化合物(1−1)の量は、化合物(2−1)1当量に対して、通常 0.5乃至5当量、好ましくは、0.75乃至2当量である。
【0202】
本工程における反応時間は、通常1乃至48時間、好ましくは、6乃至24時間である。
【0203】
本工程における反応温度は、通常60乃至150度、好ましくは、80乃至100度である。
本工程において用いられる反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
本工程において用いられる化合物(2−1)は、例えば、WO2001/019829号公報に記載の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。
また、本工程において用いられる化合物(1−1)は、WO97/17317号公報、Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters(バイオオーガニック アンド メディシナル ケミストリー レターズ)、1998年、第8巻、第20号、2907−2912頁に記載の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。
【0204】
また、前記化合物(1)が式(1−A)
【0205】
【化61】

【0206】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される場合には、化合物(1−A)に含まれる化合物(1−A1)は、例えば、以下の方法により製造することができる。
【0207】
【化62】

【0208】
[式中、p1は、1又は2の整数を示し、R71は、低級アルキル基又はベンジル基等を示し、他の記号は前記に同じ]
(工程3)
本工程は、酸及び塩化アルミニウムの存在下、化合物(5)及び化合物(6)とを反応させることにより、化合物(7)を製造する方法である。
【0209】
本工程において用いられる酸としては、例えば、塩酸等が挙げられる。
【0210】
本工程において用いられる塩化アルミニウムの量は、化合物(5)1当量に対して、通常1乃至5当量、好ましくは、1.5乃至3当量である。
塩化アルミニウムの他に、例えば、塩化すず、四塩化チタン、塩化亜鉛等を用いることもできる。
【0211】
本工程において用いられる(6)の量は、化合物(5)1当量に対して、通常0.5乃至2当量、好ましくは、0.8乃至1.5当量である。
【0212】
本工程における反応時間は、通常5乃至48時間、好ましくは、10乃至24時間である。
【0213】
本工程における反応温度は、通常0乃至70度、好ましくは、室温乃至50度である。
【0214】
本工程において用いられる反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、ジクロロエタン等が挙げられる。
【0215】
また、化合物(7)は、塩基の存在下、化合物(5)と化合物(6)とを反応させることによっても製造することができる。
【0216】
本工程において用いられる塩基としては、例えば、イソプロピルマグネシウムクロライド、n−ブチルリチウム、メチルリチウム、メチルマグネシウムブロマイド等が挙げられる。
【0217】
本工程において用いられる塩基の量は、化合物(5)1当量に対して、通常0.5乃至1.5当量、好ましくは、0.8乃至1.2当量である。
本工程における反応温度は、通常−78度乃至35度、好ましくは、−78度乃至10度である。
【0218】
本工程における反応時間は、通常0.5乃至48時間、好ましくは、0.5乃至6時間である。
【0219】
本工程において用いられる反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0220】
このようにして得られる化合物(7)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか、又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(工程4)
本工程は、化合物(7)をアルキルエステル又はベンジルエステルに変換する方法である。
【0221】
本工程における反応は、前記記載のプロテクティブグループス イン オーガニックシンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。
【0222】
このようにして得られる化合物(7−1)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか、又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
なお、化合物(7−1)は、前記(1−1)に含まれる化合物である。
(工程4−1)
本工程は、酢酸カリウム、PdCl(dppf)・CHCl及びdppfの存在下、化合物(7−1)と化合物(RO)B−B(OR)とを反応させることにより、化合物(1−A1)を製造する方法である。
【0223】
本工程において用いられる酢酸カリウムの量は、化合物(7−1)1当量に対して、通常1乃至10当量、好ましくは、2乃至5当量である。
【0224】
本工程において用いられるPdCl(dppf)・CHClの量は、化合物(7−1)1当量に対して、通常0.05乃至0.2当量、好ましくは、0.1乃至0.15当量である。
【0225】
本工程において用いられるdppfの量は、化合物(7−1)1当量に対して、通常0.05乃至0.2当量、好ましくは、0.1乃至0.15当量である。
【0226】
本工程において用いられる化合物(RO)B−B(OR)の量は、化合物(7−1)1当量に対して、通常1乃至5当量、好ましくは、1乃至2当量である。
【0227】
本工程において用いられる化合物(RO)B−B(OR)としては、例えば、ビス(ピナコレート)ジボロン等が挙げられる。
【0228】
このようにして得られる化合物(1−A1)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか、又は単離精製することなく前記工程1及び工程1−2における反応を行うことにより、前記式(I)に包含される本発明に係る化合物(I−11)
【0229】
【化63】

【0230】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される化合物を製造することができる。
【0231】
また、前記式(I)に包含される式(I−2)
【0232】
【化64】

【0233】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される本発明に係る化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる。
【0234】
【化65】

【0235】
[式中、各記号は前記に同じ]
(工程5)
本工程は、塩基及びパラジウム化合物の存在下、化合物(2)と化合物(8)を反応させることにより、化合物(9)を製造する方法である。
【0236】
本工程における反応は、前記工程1に記載の方法又はこれに準じたにより行うことができる。
【0237】
このようにして得られる化合物(9)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか、又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(工程6)
本工程は、化合物(9)の有するカルボキシル基の保護基を除去することにより、化合物(10)を製造する方法である。
【0238】
本工程における反応は、前記工程1−2と同様の方法又はこれに準じた方法により行うことができる。
【0239】
このようにして得られる化合物(10)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか、又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(工程7)
本工程は、化合物(10)と化合物(11)とを反応させることにより、化合物(12)を製造する方法である。
【0240】
本反応は、文献記載の方法(例えば、ペプチド合成の基礎と実験、泉屋信夫他、丸善、1983年、コンプリヘンシブ オーガニック シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis)、第6巻、Pergamon Press社、1991年、等)、それに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより、通常のアミド形成反応を行えばよく、即ち、当業者に周知の縮合剤を用いて行うか、或いは、当業者に利用可能なエステル活性化方法、混合酸無水物法、酸クロリド法、カルボジイミド法等により行うことができる。このようなアミド形成試薬としては、例えば塩化チオニル、塩化オキザリル、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−メチル−2−ブロモピリジニウムアイオダイド、N,N’−カルボニルジイミダゾ−ル、ジフェニルフォスフォリルクロリド、ジフェニルフォスフォリルアジド、N,N’−ジスクシニミジルカルボネ−ト、N,N’−ジスクシニミジルオキザレ−ト、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル又はベンゾトリアゾ−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)フォスフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト等が挙げられ、中でも例えば塩化チオニル、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド又はベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)フォスフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト等が好適である。またアミド形成反応においては、上記アミド形成試薬と共に塩基、縮合補助剤を用いてもよい。
用いられる塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−アザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)等の第3級脂肪族アミン;例えばピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン又はイソキノリン等の芳香族アミン等が挙げられ、中でも例えば第3級脂肪族アミン等が好ましく、特に例えばトリエチルアミン又はN,N−ジイソプロピルエチルアミン等が好適である。
用いられる縮合補助剤としては、例えばN−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル水和物、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド又は3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアゾ−ル等が挙げられ、中でも例えばN−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル等が好適である。
用いられる化合物(11)の量は、用いられる化合物及び溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(10)又はその反応性誘導体1当量に対して、通常、1乃至10当量、好ましくは、1乃至3当量である。
用いられる塩基の量は、用いられる化合物及び溶媒の種類その他の反応条件により異なるが、通常1乃至10当量、好ましくは1乃至5当量である。
本工程において用いられる反応溶媒としては、例えば不活性溶媒が挙げられ、反応に支障のない限り、特に限定されないが、具体的には、例えば塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルエステル、酢酸メチルエステル、アセトニトリル、ベンゼン、キシレン、トルエン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、好適な反応温度確保の点から、例えば塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル又はN,N−ジメチルホルムアミド等が好ましい。
反応時間は、通常0.5乃至96時間、好ましくは3乃至24時間である。
反応温度は、通常0度乃至溶媒の沸点温度、好ましくは室温乃至80度である。
本工程において用いられる塩基、アミド形成試薬、縮合補助剤は、1種又はそれ以上組み合わせて、使用することができる。
このようにして得られる化合物(12)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(工程8)
本工程は、化合物(12)の有するカルボキシル基の保護基を除去することにより、本発明に係る化合物(I−2)を製造する方法である。
【0241】
本工程における反応は、前記工程1−2と同様の方法又はこれに準じた方法により製造することができる。
【0242】
このようにして得られる化合物(I−2)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
【0243】
また、本発明に係る化合物(I−3)
【0244】
【化66】

【0245】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる。
【0246】
【化67】

【0247】
[式中、各記号は前記に同じ]
(工程9)
本工程は、塩基の存在下、化合物(13)と化合物(14)とを反応させることにより、化合物(15)を製造する方法である。
【0248】
本工程において用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。
【0249】
本工程において用いられる塩基の量は、化合物(13)1当量に対して、通常1乃至10当量、好ましくは、1.5乃至5当量である。
【0250】
本工程において用いられる化合物(14)の量は、化合物(13)1当量に対して、通常1乃至10当量、好ましくは、1.5乃至5当量である。
【0251】
本工程における反応時間は、通常1乃至64時間、好ましくは、6乃至48時間である。
【0252】
本工程における反応温度は、通常0乃至120度、好ましくは、25乃至100度である。
【0253】
本工程において用いられる反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、メタノール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0254】
このようにして得られる化合物(15)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか、又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(工程10)
本工程は、化合物(15)の有するカルボキシル基の保護基を除去することにより、化合物(16)を製造する方法である。
【0255】
本工程における反応は、前記工程1−2と同様の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる
このようにして得られる化合物(16)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか、又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(工程11)
本工程は、塩基及びパラジウム化合物の存在下、化合物(16)と化合物(17)とを反応させることにより、本発明に係る化合物(I−3)を製造する方法である。
【0256】
本工程における反応は、前記工程1と同様の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。
【0257】
化合物(13)は、EP26749等に記載の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより製造することができる。
【0258】
化合物(17)は、WO2001/019829号公報等に記載の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることに製造することができる。
【0259】
また、本発明に係る化合物(I−4)
【0260】
【化68】

【0261】
[式中、各記号は前記に同じ]で表される化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる。
【0262】
【化69】

【0263】
[式中、各記号は前記に同じ]
(工程12)
本工程は、塩基の存在下、化合物(18)と前記記載の化合物(7−1)とを反応させることにより、化合物(19)を製造する方法である。
【0264】
本工程において用いられる塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等が挙げられる。
【0265】
本工程において用いられる塩基の量は、化合物(18)1当量に対して、通常1乃至50当量、好ましくは、1乃至5当量である。
【0266】
本工程において用いられる化合物(7−1)の量は、化合物(18)1当量に対して、通常1乃至10当量、好ましくは、1乃至5当量である。
【0267】
このようにして得られる化合物(19)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか、又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(工程13)
本工程は、ヒドロキシ基の保護基を除去することにより、化合物(20)を製造する方法である。本工程における反応は、前記プロテクティブ グループス イン オーガニックシンセシスに記載の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。
【0268】
このようにして得られる化合物(20)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか、又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(工程14)
本工程は、化合物(20)の有するヒドロキシ基を脱離基(OR10)に変換することにより、化合物(21)を製造する方法である。
【0269】
本工程における反応は、例えば、化合物(20)と酸無水物(R10O)Oとを反応させることにより行うことができる。
【0270】
本工程において用いられる酸無水物としては、例えば、(ビス)トリフルオロメタンスルホン酸無水物等が挙げられる。
【0271】
用いられる酸無水物の量は、化合物(20)1当量に対して、通常1乃至10当量、好ましくは、1乃至5当量である。
【0272】
本工程における反応温度は、通常−20乃至50度、好ましくは、−10乃至20度である。
【0273】
本工程における反応時間は、通常0.5乃至48時間、好ましくは、0.5乃至12時間である。
【0274】
本工程において用いられる反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、メタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0275】
また、本工程においては、反応系中に塩基を加えてもよく、該塩基としては、例えば、トリエチルアミン等が挙げられる。
【0276】
このようにして得られる化合物(21)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか、又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(工程15)
本工程は、Xantphos及びパラジウム触媒の存在下、化合物(21)と化合物(4−1)とを反応させることにより、化合物(22)を製造する方法である。
【0277】
本工程において用いられる化合物(4−1)の量は、化合物(21)1当量に対して、通常0.5乃至10当量、好ましくは1乃至5当量である。
【0278】
本工程において用いられるXAntphosの量は、化合物(21)1当量に対して、通常0.01乃至5当量、好ましくは、0.1乃至0.5当量である。
【0279】
本工程において用いられるパラジウム触媒としては、例えば、Pd(dba)CHCl等が挙げられる。
【0280】
本工程において用いられるパラジウム触媒の量は、化合物(21)1当量に対して、通常0.01乃至5当量、好ましくは、0.1乃至0.5当量である。
【0281】
本工程における反応温度は、通常20乃至200度、好ましくは、80乃至150度である。
【0282】
本工程における反応時間は、通常0.5乃至48時間、好ましくは、1乃至12時間である。
【0283】
本工程において用いられる反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
【0284】
このようにして得られる化合物(22)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか、又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(工程16)
本工程は、化合物(22)の有するカルボキシル基の保護基を除去することにより、本発明に係る化合物(I−4)を製造する方法である。
【0285】
本工程における反応は、前記プロテクティブ グループス イン オーガニックシンセシスに記載の方法、これに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。
【0286】
このようにして得られる化合物(I−4)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。

本発明に係るビアリールアミン誘導体は、薬学的に許容される塩として存在することができ、当該塩は、前記(I)で表される化合物を用いて、常法に従って製造することができる。
当該酸付加塩としては、例えば塩酸塩、フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩等のハロゲン化水素酸塩;硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩、炭酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩等の低級アルキルスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のアリ−ルスルホン酸塩;フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及びグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等のアミノ酸等の有機酸である酸付加塩を挙げることができる。
また、本発明の化合物が酸性基を当該基内に有している場合、例えばカルボキシル基等を有している場合には、当該化合物を塩基で処理することによっても、相当する薬学的に許容される塩に変換することができる。当該塩基付加塩としては、例えば例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、グアニジン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の有機塩基による塩が挙げられる。
さらに本発明の化合物は、遊離化合物又はその塩の任意の水和物又は溶媒和物として存在してもよい。
また逆に塩又はエステルから遊離化合物への変換も常法に従って行うことができる。
【0287】
また、本発明に係る化合物は、その置換基の態様によって、光学異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体等の立体異性体又は互変異性体が存在する場合がある。これらの異性体は、すべて本発明に係る化合物に包含されることは言うまでもない。更にこれらの異性体の任意の混合物も本発明に係る化合物に包含されることは言うまでもない。
なお、本発明に係る化合物は、該化合物中の芳香族水素をトリチウムに、メチル基をC、14CH11CHに、フッ素を18Fに、カルボニル基の炭素を11C等のアイソトープに変換することによりラジオラベル体として用いることもできる。
一般式(I)で表される化合物は、経口又は非経口的に投与することができ、そしてそのような投与に適する形態に製剤化することにより、これを用いた高脂血症、糖尿病、肥満症の治療および/又は予防剤を提供する。
本発明の化合物を臨床的に用いるにあたり、その投与形態に合わせ、薬剤学的に許容される添加剤を加えて各種製剤化の後投与することも可能である。その際の添加剤としては、製剤分野において通常用いられる各種の添加剤が使用可能であり、例えばゼラチン、乳糖、白糖、酸化チタン、デンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、トウモロコシデンプン、マイクロクリスタリンワックス、白色ワセリン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水りん酸カルシウム、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、硬化ヒマシ油、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、植物油、ベンジルアルコール、アラビアゴム、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール、シクロデキストリン又はヒドロキシプロピルシクロデキストリン等が挙げられる。
【0288】
これらの添加剤との混合物として製剤化される剤形としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくは坐剤等の固形製剤;又は例えばシロップ剤、エリキシル剤若しくは注射剤等の液体製剤等が挙げられ、これらは、製剤分野における通常の方法に従って調製することができる。なお、液体製剤にあっては、用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させる形であってもよい。また、特に注射剤の場合、必要に応じて生理食塩水又はブドウ糖液に溶解又は懸濁させてもよく、更に緩衝剤や保存剤を添加してもよい。
【0289】
これらの製剤は、本発明の化合物を全薬剤1.0〜100重量%、好ましくは1.0〜60重量%の割合で含有することができる。これらの製剤は、また、治療上有効な他の化合物を含んでいてもよい。
本発明の化合物は、高脂血症、糖尿病、肥満症等に有効な薬剤(以下、「併用用薬剤」という。)と組み合わせて使用することができる。かかる薬剤は、前記疾病の予防又は治療において、同時に、別々に、又は順次に投与することが可能である。本発明の化合物を1又は2以上の併用用薬剤と同時に使用する場合、単一の投与形態である医薬組成物とすることができる。しかしながら、コンビネーション療法においては、本発明の化合物を含む組成物と併用用薬剤とを、投与対象に対し、異なった包装として、同時に、別々に、または順次に投与してもよい。それらは、時間差をおいて投与してもよい。
【0290】
併用用薬剤の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。併用用薬剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用用薬剤とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、1)本発明の化合物と併用用薬剤とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、2)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、3)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、4)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、5)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物;併用用薬剤の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。本発明の化合物と併用用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
【0291】
本発明の化合物を例えば臨床の場で使用する場合、その投与量及び投与回数は患者の性別、年齢、体重、症状の程度及び目的とする処置効果の種類と範囲等により異なるが、一般に経口投与の場合、成人1日あたり、0.01〜100mg/kg、好ましくは0.03〜1mg/kgを1〜数回に分けて、また非経口投与の場合は、0.001〜10mg/kg、好ましくは0.001〜0.1mg/kgを1〜数回に分けて投与するのが好ましい。
本発明に係る化合物の効果的な量を哺乳類、とりわけヒトに投与するためには、いかなる適切な投与経路でも用いることができる。例えば、経口、直腸、局所、静脈、眼、肺、鼻などを用いることができる。投与形態の例としては、錠剤、トローチ、散剤、懸濁液、溶液、カプセル剤、クリーム、エアロゾールなどがあり、経口用の錠剤が好ましい。
【0292】
経口用の組成物を調製するに際しては、通常の医薬用媒体であれば、いかなるものも用いることができ、そのような例としては、例えば、水、グリコール、オイル、アルコール、香料添加剤、保存料、着色料などであり、経口用の液体組成物を調製する場合には、例えば、懸濁液、エリキシル剤及び溶液が挙げられ、担体としては、例えば、澱粉、砂糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられ、経口用の固体組成物を調製する場合には、例えば、パウダー、カプセル剤、錠剤などが挙げられ、中でも経口用の固体組成物が好ましい。
【0293】
投与のしやすさから、錠剤やカプセル剤が最も有利な経口投与形態である。必要ならば、錠剤は、標準の水性又は非水性の技術でコーティングすることができる。
【0294】
上記の通常の投与形態に加えて、式(I)に係る化合物は、例えば、U.S.特許番号3,845,770、3,916,899、3,536,809、3,598,123、3,630,200及び4,008,719に記載の放出制御手段及び/又はデリバリー装置によっても、投与することができる。
【0295】
経口投与に適した本発明に係る医薬組成物は、パウダー又は顆粒として、或いは水溶性の液体、非水溶性の液体、水中油型のエマルジョン又は油中水型のエマルジョンとして、それぞれがあらかじめ決められた量の活性成分を含むカプセル剤、カシュー剤又は錠剤を挙げることができる。そのような組成物は、薬剤学上いかなる方法を用いて調製することができるが、すべての方法は、活性成分と1又は2以上の必要な成分からなる担体とを一緒にする方法も含まれる。
【0296】
一般に、活性成分と液体の担体又はよく分離された固体の担体或いは両方とを均一かつ充分に混合し、次いで、必要ならば、生産物を適当な形にすることにより、組成物は調製される。例えば、錠剤は、圧縮と成形により、必要に応じて、1又は2以上の副成分と共に調製される。圧縮錠剤は、適当な機械で、必要に応じて、結合剤、潤滑剤、不活性な賦形剤、界面活性剤又は分散剤と混合して、活性成分をパウダーや顆粒などの形に自由自在に圧縮することにより調製される。
成形された錠剤は、パウダー状の湿った化合物と不活性な液体の希釈剤との混合物を適当な機械で成形することにより調製される。
好ましくは、各錠剤は、活性成分を約1mg乃至1g含み、各カシュー剤又はカプセル剤は、活性成分を約1mg乃至500mg含む。
式(I)の化合物についての医薬上の投与形態の例は、次の通りである。
【0297】
【表1】

【0298】
【表2】

【0299】
【表3】

【0300】
【表4】

【0301】
式(I)の化合物は、高脂血症、糖尿病又は肥満症に関連する疾患又は症状だけでなく、高脂血症、糖尿病又は肥満症の発症の治療/予防/遅延に用いられる他の薬剤と組み合わせて用いることができる。該他の薬剤は、通常用いられる投与経路又は投与量で、式(I)の化合物と同時に又は別々に投与することができる。
【0302】
式(I)の化合物は、1又は2以上の薬剤と同時に使用する場合には、式(I)の化合物とこれらの他の薬剤とを含んだ医薬組成物が好ましい。
従って、本発明に係る医薬組成物は、式(I)の化合物に加えて、1又は2以上の他の活性成分も含む。式(I)の化合物と組み合わせて用いられる活性成分の例としては、以下の(a)乃至(i)が例示でき、これらを別々に投与するか、又は同じ医薬組成物で投与してもよいが、以下のものに限定されることはない。
(a)他のDGAT1阻害剤
(b)グルコキナーゼ活性化剤
(c)ビグアニド(例、ブホルミン、メトホルミン、フェンホルミン)
(d)PPARアゴニスト(例、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ノシグリタゾン)
(e)インスリン
(f)ソマトスタチン
(g)α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、ミグリトール、アカルボース)、
(h)インスリン分泌促進剤(例、アセトヘキサミド、カルブタミド、クロルプロパミド、グリボムリド、グリクラジド、グリメルピリド、グリピジド、グリキジン、グリソキセピド、グリブリド、グリへキサミド、グリピナミド、フェンブタミド、トラザミド、トルブタミド、トルシクラミド、ナテグリニド、レパグリニド)、及び
(i)DPP−IV(ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤)
2番目の活性成分に対する式(I)の化合物の重量比は、幅広い制限の範囲内で変動し、さらに、各活性成分の有効量に依存する。従って、例えば、式(I)の化合物をPPARアゴニストと組み合わせて用いる場合には、式(I)の化合物のPPARアゴニストに対する重量比は、一般的に、約1000:1乃至1:1000であり、好ましくは、約200:1乃至1:200である。式(I)の化合物と他の活性成分との組み合わせは、前述の範囲内であるが、いずれの場合にも、各活性成分の有効量が用いられるべきである。
【実施例】
【0303】
以下に製剤例、実施例及び参考例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
製剤例1
実施例1の化合物10部、重質酸化マグネシウム15部及び乳糖75部を均一に混合して、350μm以下の粉末状又は細粒状の散剤とする。この散剤をカプセル容器に入れてカプセル剤とする。
製剤例2
実施例1の化合物45部、澱粉15部、乳糖16部、結晶性セルロース21部、ポリビニルアルコール3部及び蒸留水30部を均一に混合した後、破砕造粒して乾燥し、次いで篩別して直径1410乃至177μmの大きさの顆粒剤とする。
製剤例3
製剤例2と同様の方法で顆粒剤を作製した後、この顆粒剤96部に対してステアリン酸カルシウム3部を加えて圧縮成形し直径10mmの錠剤を作製する。
製剤例4
製剤例2の方法で得られた顆粒剤90部に対して結晶性セルロース10部及びステアリン酸カルシウム3部を加えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、これにシロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁液を加えて糖衣錠を作製する。
実施例のシリカゲルカラムクロマトグラフィーには、和光純薬社Wakogel(登録商標)C−300またはバイオタージ社製KP−Sil(登録商標)Silicaプレパックドカラムを用いた。分取用薄層クロマトグラフィーはメルク社製KieselgelTM60F254,Art.5744を用いた。塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーは富士シリシア化学社製Chromatorex(登録商標)NH(100−250meshまたは200−350mesh)を用いた。
H−NMRはVarian社製Gemini(200MHz、300MHz)、Mercury(400MHz)、Inova(400MHz)を使用し、テトラメチルシランを標準物質として用いて測定した。またマススペクトルはWaters社製micromassZQを使用しエレクトロスプレイイオン化法(ESI)又は大気圧化学イオン化法(APCI)で測定した。
【0304】
下記の実施例における略号の意味を以下に示す。
i−Bu:イソブチル基
n−Bu:n−ブチル基
t−Bu:tert−ブチル基
Boc:tert−ブトキシカルボニル基
Me:メチル基
Et:エチル基
Ph:フェニル基
i−Pr:イソプロピル基
n−Pr:n−プロピル基
CDCl:重クロロホルム
CDOD:重メタノール
DMSO−d:重ジメチルスルホキシド
下記に核磁気共鳴スペクトルにおける略号の意味を示す。
s :シングレット
d :ダブレット
dd:ダブルダブレット
dt:ダブルトリプレット
ddd:ダブルダブルダブレット
Sept:セプテット
t :トリプレット
m :マルチプレット
br:ブロード
brs:ブロードシングレット
q :カルテット
J :カップリング定数
Hz:ヘルツ
実施例1
4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0305】
【化70】

【0306】
1)4―(4−ブロモフェニル)−2,2―ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
【0307】
【化71】

【0308】
3,3−ジメチルジヒドロフラン−2,5−ジノン(5.00g、39.0mmol)およびブロモベンゼン(4.31g、40.9mmol)のジクロロエタン溶液(125ml)に窒素雰囲気下氷冷にてアルミニウムクロリド(10.9g、81.9mmol)を加えたのち室温に昇温後、1終夜撹拌した。再び氷冷に冷却し、1規定塩酸(82.0ml、82.0mmol)ついで水(62.0ml)をゆっくり加えた。分液後、水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、得られる溶液を減圧下濃縮し、生じる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜50/50)により粗精製して4―(4−ブロモフェニル)−2,2―ジメチル−4−オキソブタン酸を含む混合物(10.0g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.35(6H,s),3.26(2H,s),7.59(2H,d,J=8.53Hz),7.80(2H,d,J=8.53Hz)
2)4―(4−ブロモフェニル)−2,2―ジメチル−4−オキソブタン酸メチルの合成
【0309】
【化72】

【0310】
上記で得られた4―(4−ブロモフェニル)−2,2―ジメチル−4−オキソブタン酸を含む混合物(10.0g)のメタノール溶液(125ml)にアセトンジメチルアセタール(5.61ml、56.7mmol)ついで4規定塩酸―ジオキサン溶液(0.878ml、3.51mmol)を加え、50℃に昇温後、同温度で1終夜撹拌した。溶媒を減圧留去したのちに得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜85/15)により精製して4―(4−ブロモフェニル)−2,2―ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(5.60g、over 2steps)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.32(6H,s),3.25(2H,s),3.68(3H,s),7.59(2H,d,J=8.29Hz)
7.80(2H,d,J=8.29Hz)
3)2,2−ジメチル−4−オキソ−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ブタン酸メチルの合成
【0311】
【化73】

【0312】
上記で得た4―(4−ブロモフェニル)−2,2―ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(2.19g、7.32mmol)のジオキサン溶液(40.0ml)にビス(ピナコレート)ジボロン(1.95g、7.69mmol)、酢酸カリウム(2.16g、22.0mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(598mg、0.732mmol)、dppf(406mg、0.732mmol)を加え、90℃に昇温し1終夜撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、不溶物をセライトろ過で除去した後、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜70/30)により精製して2,2−ジメチル−4−オキソ−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ブタン酸メチル(2.15g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.32(6H,s),1.36(12H,s),3.30(2H,s),3.68(3H,s),7.87(2H,d,J=8.54hz),7.90(2H,d,J=8.54Hz)
4)N−(5−ブロモピリミジン―2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミンの合成
【0313】
【化74】

【0314】
5−ブロモ−2−クロロピリミジン(200mg、1.03mmol)のDMF溶液(4.00ml)に2−アミノベンゾチアゾール(171mg、1.13mmol)および炭酸カリウム(427mg、3.09mmol)を加え、100℃に昇温し1終夜撹拌した。この反応混合物に水および酢酸エチルを加え、生じる固体をろ取し、水およびメタノールで洗浄後、減圧乾燥することによってN−(5−ブロモピリミジン―2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン(272mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:7.23(1H,t,J=7.32Hz), 7.39(1H,t,J=7.32Hz),7.66(1H,d,J=7.32Hz),7.92(1H, d,J=7.32Hz),8.81(2H,s)
5)4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)ピリミジン―5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルの合成
【0315】
【化75】

【0316】
上記で得たN−(5−ブロモピリミジン―2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン(27.9mg、0.0909mmol)に工程3で合成した2,2−ジメチル−4−オキソ−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ブタン酸メチル(30.0mg、0.0866mmol)、炭酸カリウム(35.9mg、0.260mmol)およびPdCl(dppf)・CHCl(21.2mg、0.0260mmol)を加え、この混合物にDMA(0.800ml)および精製水(0.200ml)を注ぎ、85℃に昇温後、1終夜撹拌した。この反応混合液をクロロホルムで希釈して不溶物をセライトろ過で除去し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=39/1)により精製することによって4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)ピリミジン―5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(7.8mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.37(6H,s),3.35(2H,s),3.72(3H,s),7.32(1H,t,J=8.05Hz),7.44(1H,t,J=8.05Hz),7.66(2H,d,J=7.81Hz),7.79(1H,d,J=8.05Hz),7.97(1H,d,J=8.05Hz),8.06(2H,d,J=7.81Hz),8.98(2H,s)
6)4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)ピリミジン―5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
上記で得た4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)ピリミジン―5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(7.8mg、0.0175mmol)をジオキサン(0.500ml)、THF(0.500ml)および精製水(0.500ml)に溶解し、この反応溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.0873ml、0.0873mmol)を加え、60℃に昇温後、1終夜撹拌した。1規定塩酸(0.0873ml、0.0873mmol)を加えた後、生じる固体をろ取し、水およびアセトンで洗浄後、減圧乾燥することによって表題化合物(4.8mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.22(6H,s),3.34(2H,s),7.25(1H,t,J=8.05Hz),7.40(1H,t,J=8.05Hz),7.68(1H,d,J=8.05Hz),7.94(1H,d,J=8.05Hz),7.95(2H,d,J=8.54Hz),8.06(2H,d,J=8.54Hz),9.12(2H,s)
ESI−MS(m/e):433.1[M+H]+
実施例2
4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリジン−5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0317】
【化76】

【0318】
1)2−ブロモベンゾチアゾールの合成
【0319】
【化77】

【0320】
臭化銅(II)(2.98g、13.3mmol)にアセトニトリル(20.0ml)を注ぎ、これに氷冷下亜硝酸t−ブチルを加え30分間撹拌した。この反応液に2−アミノベンゾチアゾール(1.00g、6.66mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。28%アンモニア水溶液/飽和塩化アンモニウム水溶液(9/1)の混合溶液(20.0ml)を加えて1終夜撹拌し、分液後、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄したのち無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、溶媒を減圧溜去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(nヘキサン/酢酸エチル=95/5〜90/10)により精製することによって2−ブロモベンゾチアゾール(1.12g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:7.41(1H,t,J=7.81Hz),7.47(1H,t,J=7.81Hz),7.80(1H,d,J=7.81Hz),7.98(1H,d,J=7.81Hz)
2)N−(5−ブロモピリジン−2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミンの合成
【0321】
【化78】

【0322】
上記で得た2−ブロモベンゾチアゾール(200mg、0.934mmol)のTHF溶液(4.00ml)に2−アミノ−5−ブロモピリジン(323mg、1.87mmol)ついで水素化ナトリウム(60% in oil,149mg,3.74mmol)を加えた。この反応混合液を60℃で3時間撹拌した後、氷冷下5規定塩酸(0.747ml、3.74mmol)を加え、生じる固体をろ取し、水およびアセトンで洗浄した。得られた固体を減圧乾燥することによってN−(5−ブロモピリジン−2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン(135mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:7.17(1H,d,J=8.78Hz),7.19(1H,t,J=7.81Hz),7.36(1H,t,J=7.81Hz),7.62(1H,d,J=7.81Hz),7.89(1H,d,J=7.81Hz),7.96(1H,d,J=8.78Hz),8.44(1H,s)
3)4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリジン−5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルの合成
【0323】
【化79】

【0324】
上記で得たN−(5−ブロモピリジン―2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン(27.8mg、0.0909mmol)に実施例1の3)で合成した2,2−ジメチル−4−オキソ−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ブタン酸メチル(30.0mg、0.0866mmol)、炭酸カリウム(35.9mg、0.260mmol)およびPdCl(dppf)・CHCl(21.2mg、0.0260mmol)を加え、この混合物にDMA(0.800ml)および精製水(0.200ml)を注ぎ、85℃に昇温後、1終夜撹拌した。この反応混合液をクロロホルムで希釈して不溶物をセライトろ過で除去し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=39/1)により精製することによって4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)ピリジン―5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(15.5mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.35(6H,s),3.34(2H,s),3.70(3H,s),6.99(1H,brs),7.22(1H,t,J=7.81Hz),7.39(1H,t,J=7.81Hz),7.62(1H,d,J=7.81Hz),7.63(2H,d,J=8.29Hz),7.68(1H,d,J=7.81Hz),7.74(1H,brs),8.03(2H,d,J=8.29Hz),8.69(1H,s)
4)4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリジン−5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
上記で得た4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)ピリジン―5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(15.5mg、0.0348mmol)をジオキサン(0.500ml)、THF(0.500ml)および精製水(0.500ml)に溶解し、この反応溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.174ml、0.174mmol)を加え、50℃に昇温後、1終夜撹拌した。1規定塩酸(0.174ml、0.174mmol)を加えた後、生じる固体をろ取し、水およびアセトンで洗浄後、減圧乾燥することによって表題化合物(11.1mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.22(6H,s),3.35(2H,s),7.21(1H,t,J=8.05Hz),7.29(1H,d,J=8.54Hz),7.38(1H,t,J=8.05Hz),7.63(1H,d,J=8.05Hz),7.87(2H,d,J=8.29Hz),7.91(1H,d,J=8.05Hz),8.03(2H,d,J=8.29Hz),8.19(1H,d,J=8.54Hz),8.78(1H,s)
ESI−MS(m/e):432.1[M+H]+
実施例3
4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピラジン−5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0325】
【化80】

【0326】
1)2−アミノ−5−ブロモピラジンの合成
【0327】
【化81】

【0328】
2−アミノピラジン(5.00g、52.6mmol)のクロロホルム溶液(400ml)にピリジン(5.11ml、63.1mmol)を加えた後、臭素(3.23ml、63.1mmol)のクロロホルム溶液(100ml)を2.5時間かけて滴下した。滴下終了後さらに1時間撹拌し、この反応溶液に水(100ml)を加え、激しく30分間撹拌した。分液後、水相をクロロホルムで抽出し、合わせた有機相を水で洗浄したのち無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧溜去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(nヘキサン/酢酸エチル=95/5〜50/50)により精製することによって2−アミノ−5−ブロモピラジン(2.78g)を得た。また副生成物として2−アミノ−3,5−ジブロモピラジン(1.61g)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:6.65(2H,brs),7.66(1H,s),8.01(1H,s)
2)N−(5−ブロモピラジン−2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミンの合成
【0329】
【化82】

【0330】
実施例2の1)で合成した2−ブロモベンゾチアゾール(200mg、0.934mmol)のTHF溶液(4.00ml)に2−アミノ−5−ブロモピラジン(325mg、1.87mmol)ついで水素化ナトリウム(60% in oil,149mg,3.74mmol)を加えた。この反応混合液を60℃で3時間撹拌した後、氷冷下5規定塩酸(0.747ml、3.74mmol)を加え、生じる固体をろ取し、水およびアセトンで洗浄した。得られた固体を減圧乾燥することによってN−(5−ブロモピラジン−2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン(255mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:7.23(1H,t,J=7.80Hz),7.39(1H,t,J=7.80Hz),7.65(1H,d,J=7.80Hz),7.91(1H,d,J=7.80Hz),8.49(1H,s),8.55(1H,s)
3)4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピラジン−5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルの合成
【0331】
【化83】

【0332】
上記で得たN−(5−ブロモピラジン―2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン(27.9mg、0.0909mmol)に実施例1の3)で合成した2,2−ジメチル−4−オキソ−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ブタン酸メチル(30.0mg、0.0866mmol)、炭酸カリウム(35.9mg、0.260mmol)およびPdCl(dppf)・CHCl(21.2mg、0.0260mmol)を加え、この混合物にDMA(0.800ml)および精製水(0.200ml)を注ぎ、85℃に昇温後、1終夜撹拌した。この反応混合液をクロロホルムで希釈して不溶物をセライトろ過で除去し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=39/1)により精製することによって4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)ピラジン―5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(9.5mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.35(6H,s),3.34(2H,s),3.70(3H,s),7.32(1H,t,J=7.32Hz),7.47(1H,t,J=7.32Hz),7.74(1H,d,J=7.32Hz),7.83(1H,d,J=7.32Hz),8.06(1H,d,J=8.78Hz),8.08(1H,d,J=8.78Hz),8.58(1H,s),8.85(1H,s)
4)4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピラジン−5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
【0333】
【化84】

【0334】
上記で得た4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)ピラジン―5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(9.5mg、0.0213mmol)をジオキサン(0.500ml)、THF(0.500ml)および精製水(0.500ml)に溶解し、この反応溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.106ml、0.106mmol)を加え、50℃に昇温後、1終夜撹拌した。1規定塩酸(0.106ml、0.106mmol)を加えた後、さらに水および酢酸エチルを加え、生じる不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)により精製することによって表題化合物(8.6mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.23(6H,s),3.35(2H,s),7.24(1H,t,J=8.05Hz),7.40(1H,t,J=8.05Hz),7.67(1H,d,J=8.05Hz),7.94(1H,d,J=8.05Hz),8.06(2H,d,J=8.54Hz),8.23(2H,d,J=8.54Hz),8.69(1H,s),9.08(1H,s)
ESI−MS(m/e):433.1[M+H]+
実施例4
2−{5−[4−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)フェニル]−1−オキソ−イソインドリン−2−イル}−2,2−ジメチル酢酸
【0335】
【化85】

【0336】
1)2−(5−ブロモ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−2−メチルプロパノイックアシッドの合成
【0337】
【化86】

【0338】
2−アミノイソブチリックアシッド1.03g、メチル 4−ブロモ−2−(ブロモメチル)ベンゾエート1.54gにメタノール30mlとトリエチルアミン2.78mlを加え加熱還流下24時間攪拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧留去し得られた残渣を酢酸エチルで希釈、2M塩酸水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、不溶物をろ過した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチルで洗浄し表題化合物を124mg得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.53(6H,s),4.61(2H,s),7.56(1H,d=8.3Hz),7.66(1H,J=8.3Hz),7.85(1H,s)
2)2−{5−[4−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)フェニル]−1−オキソ−イソインドリン−2−イル}−2,2−ジメチル酢酸の合成
1)で得られた2−(5−ブロモ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−2−メチルプロパノイックアシッド29.8mg、WO2001019829に記載の方法、又はこれに準じて製造したN−[4−(4,4,5,5、−テトラメチル−1,3,2−ジオキソボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン39mg、PdCl2(dppf)塩化メチレン錯体16.3mg、炭酸カリウム45.6mgをジメチルアセトアミド1.6mlと水400μlに懸濁させ、窒素雰囲気下85℃にて終夜攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、混合物を酢酸エチルで希釈、2M塩酸水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、不溶物をろ過した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を逆相分取HPLC(YMC HPLC COLUMN CombiPrep Pro C18;0.1%トリフルオロ酢酸、水/アセトニトリル=90/10〜5/95)で精製し表題化合物を12.4mg得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.57(6H,s),4.66(2H,s),7.17(1H,t,J=7.6Hz),7.34(1H,t,J=7.1Hz),7.60−7.75(2H,m),7.77−7.85(5H,m),7.92(2H,d,J=8.8Hz)
ESI−MS(m/e):444.1[M+H]+
実施例5
4−{4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリミジン−2−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0339】
【化87】

【0340】
1)4−[4−(5−ブロモピリミジン−2−イル)フェニル]−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルの合成
【0341】
【化88】

【0342】
5−ブロモ−2−ヨードピリミジン(29.6mg、0.104mmol)に実施例1の3)で合成した2,2−ジメチル−4−オキソ−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ブタン酸メチル(30.0mg、0.0866mmol)、炭酸セシウム(84.6mg、0.260mmol)およびPd(PPh(10.0mg、0.00866mmol)を加え、この混合物にDMF(1.00ml)を注ぎ、85℃に昇温後、1終夜撹拌した。この反応混合液をクロロホルムで希釈して不溶物をセライトろ過で除去し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=39/1)により精製することによって4−[4−(5−ブロモピリミジン−2−イル)フェニル]−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(22.6mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.33(6H,s),3.35(2H,s),3.69(3H,s),8.04(2H,d,J=8.78Hz),8.49(2H,d,J=8.78Hz),8.88(2H,s)
2)4−{4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリミジン−2−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルの合成
【0343】
【化89】

【0344】
上記で得た4−[4−(5−ブロモピリミジン−2−イル)フェニル]−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(22.6mg、0.0599mmol)に2−アミノベンゾチアゾール(13.5mg、0.0899mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(23.0mg、0.240mmol)、Xantphos(10.4mg,0.0180mmol)およびPd(dba)・CHCl(6.2mg、0.00599mmol)を加え、この混合物にトルエン(1.00ml)を注ぎ、100℃で1終夜撹拌した。この反応混合液をクロロホルムで希釈して不溶物をセライトろ過で除去し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=39/1)により精製することによって4−{4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリミジン−2−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(6.0mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.36(6H,s),3.36(2H,s),3.71(3H,s),7.25(1H,t,J=8.05Hz),7.41(1H,t,J=8.05Hz),7.68(1H,d,J=8.05Hz),7.72(1H,d,J=8.05Hz),8.03(2H,d,J=8.54Hz),8.48(2H,d,J=8.54Hz),9.28(2H,s)
3)4−{4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリミジン−2−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
上記で得た4−{4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリミジン−2−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(6.0mg、0.0134mmol)をジオキサン(0.500ml)、THF(0.500ml)および精製水(0.500ml)に溶解し、この反応溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.0672ml、0.0672mmol)を加え、50℃に昇温後、1終夜撹拌した。1規定塩酸(0.0672ml、0.0672mmol)を加えた後、過剰のアセトンで希釈して生じる不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)により精製することによって表題化合物(6.0mg、quant.)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.23(6H,s),3.34(2H,s),7.22(1H,t,J=7.81Hz),7.39(1H,t,J=7.81Hz),7.70(1H,d,J=7.81Hz),7.86(1H,d,J=7.81Hz),8.08(2H,d,J=8.54Hz),8.45(2H,d,J=8.54Hz),9.39(2H,s)
ESI−MS(m/e):433.1[M+H]+
実施例6
4−{4−[6−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリダジン−3−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0345】
【化90】

【0346】
1)N−(6−クロロピリダジン―3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミンの合成
【0347】
【化91】

【0348】
実施例2の1)で合成した2−ブロモベンゾチアゾール(268mg、1.25mmol)のTHF溶液(5.00ml)に3−アミノ−6−クロロピリダジン(130mg、1.00mmol)ついで水素化ナトリウム(60% in oil,80.0mg,2.00mmol)を加えた。この反応混合液を60℃で3時間撹拌した後、氷冷下4M−塩酸−ジオキサン溶液(0.500ml、2.00mmol)を加え、生じる固体をろ取し、水およびメタノールで洗浄した。得られた固体を減圧乾燥することによってN−(6−クロロピリダジン―3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン(178mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:7.24(1H,t,J=7.32Hz),7.40(1H,t,J=7.32Hz),7.59(1H,d,J=9.27Hz),7.67(1H,d,J=7.32),7.81(1H,d,J=9.27Hz),7.95(1H,d,7.32Hz)
2)4−{4−[6−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリダジン−3−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルの合成

【0349】
上記で得たN−(6−クロロピリダジン―3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン(23.9mg、0.0909mmol)に実施例1の3)で合成した2,2−ジメチル−4−オキソ−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ブタン酸メチル(30.0mg、0.0866mmol)、炭酸カリウム(35.9mg、0.260mmol)およびPdCl(dppf)・CHCl(21.2mg、0.0260mmol)を加え、この混合物にDMA(0.800ml)および精製水(0.200ml)を注ぎ、85℃に昇温後、1終夜撹拌した。この反応混合液をクロロホルムで希釈して不溶物をセライトろ過で除去し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=39/1)により精製することによって4−{4−[6−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリダジン−3−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(8.2mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.36(6H,s),3.36(2H,s),3.71(3H,s),7.27(1H,t,J=7.56Hz),7.42(1H,t,J=7.56Hz),7.67−7.86(3H,m),7.99−8.25(5H,m)
3)4−{4−[6−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリダジン−3−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
上記で得た4−{4−[6−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリダジン−3−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(8.2mg、0.0184mmol)をジオキサン(0.500ml)、THF(0.500ml)および精製水(0.500ml)に溶解し、この反応溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.0918ml、0.0918mmol)を加え、50℃に昇温後、1終夜撹拌した。1規定塩酸(0.0918ml、0.0918mmol)を加えた後、生じる固体をろ取し、水およびメタノールで洗浄後、減圧乾燥することによって表題化合物(3.5mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.24(6H,s),3.36(2H,s),7.25(1H,t,J=7.81Hz),7.41(1H,t,J=7.81Hz),7.62(1H,d,J=9.02Hz),7.68(1H,d,J=7.81Hz),7.95(1H,d,J=7.81Hz),8.10(2H,d,J=8.29Hz),8.26(2H,d,J=8.28Hz),8.32(1H,d,J=9.02Hz)
ESI−MS(m/e):433.1[M+H]+
実施例7
4−{4−[4−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリジン−4−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0350】
【化92】

【0351】
1)4−{4−[4−(ベンジルオキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルエステルの合成
【0352】
【化93】

【0353】
4−(ベンジルオキシ)ピリジン−2(1H)−オン 503mg、4−(4−ブロモフェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルエステル 375mg、CuI 238mg、炭酸カリウム 259mgをジメチルホルムアミド 10mlに懸濁させ、窒素気流下150℃にて終夜攪拌した。反応液を室温まで冷却、セライトでろ過した後、酢酸エチルで希釈した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、0.5N−HCl水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ過後、減圧下溶媒を除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、表題化合物を118mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCL3) δ:1.33(6H,s),3.30(2H,s),3.68(3H,s),5.05(2H,s),6.08−6.13(2H,m),7.22−7.30(1H),7.35−7.52(7H,m),8.05(2H,d,J=8.8Hz)
2)2,2−ジメチル−4−オキソ−4−{4−[2−オキソ−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}ピリジン−1(2H)−イル]フェニル}ブタン酸メチルエステルの合成
【0354】
【化94】

【0355】
1)で得られた4−{4−[4−(ベンジルオキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルエステル 115mgをメタノール5ml−テトラヒドロフラン5mlの混合溶媒に溶解し、10%Pd−C 20mgを加え水素雰囲気下常圧にて2時間攪拌した。触媒をセライトにて除去し、減圧下溶媒を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解した後、0℃にてビス(トリフルオロメタンスルホン酸)無水物57μl、トリエチルアミン47μlを加え、室温にて終夜攪拌した。さらに追加のトリフルオロ酢酸無水物57μl、トリエチルアミン47μlを加え、室温にて1時間攪拌した。水を加え反応を停止させた後、生成物を酢酸エチルで抽出、不溶物をろ過後、溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、表題化合物を45.6mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.26(6H,s),3.31(2H,s),3.69(3H,s),6.32(1H,dd,J=2.4,7.8Hz),6.60(1H,d,J=2.4Hz),7.44−7.52(3H,m),8.09(2H,d,J=8.8Hz)
3)4−{4−[4−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
2)で得られた2,2−ジメチル−4−オキソ−4−{4−[2−オキソ−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}ピリジン−1(2H)−イル]フェニル}ブタン酸メチルエステル43.3mg、2−アミノベンズチアゾール 21mg、tert−BuONa 35.7mg、Xantphos 17.4mg,Pd2(dba)3 CHCl3 20.7mgをトルエン3mlに懸濁させ、100℃にて3時間攪拌した。反応液を室温に冷却した後、クロロホルムで希釈、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、不溶物をろ過し溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し対応するメチルエステル体の粗精製物を29.5mg得た。得られた粗精製物を1,4−ジオキサン2mlに溶解し、2N−水酸化ナトリウム水溶液を0.5ml加え、50℃にて4時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水を加え希釈し、酢酸エチルで洗浄した。2N−塩酸水0.75ml加えたのち不溶生成物をろ過にて回収した。得られた生成物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)、続いて逆相分取HPLC(YMC HPLC COLUMN CombiPrep Pro C18;0.1%トリフルオロ酢酸、水/アセトニトリル=90/10〜5/95)で精製し表題化合物を2.03mg得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.23(6H,s),6.44(1H,dd,J=2.4,7.8Hz),7.20−7.31(2H,m),7.40(1H,t,J=8.3Hz),7.57(2H,d,J=8.3Hz),7.66(1H,d,J=7.8Hz),7.75(1H,d,J=7.3Hz),7.91(1H,d,J=7.8Hz),8.06(2H,d,J=8.8Hz),10.89(1H,brs),12.01(1H,brs)
ESI−MS(m/e):448.2[M+H]+
実施例8
4−{4−[5−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0356】
【化95】

【0357】
1)4−[4−(5−ニトロピリジン−2−イル)フェニル]−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルの合成
【0358】
【化96】

【0359】
実施例1の3)で得られた2,2−ジメチル−4−オキソ−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ブタン酸メチル50mgのジメチルホルムアミド2ml溶液に2−ブロモ−5−ニトロピリジン35mg、炭酸セシウム91mg及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム16mgを順次加え、85℃にて24時間攪拌した。反応液を室温まで戻した後、水を加えジエチルエーテルで抽出し、ジエチルエーテル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム/メタノール=1/0〜100/1)で分離精製し、表題化合物53mgを淡黄色固体として得た。
ESI−MS(m/e):343.1[M+H]+
2)4−[4−(5−アミノピリジン−2−イル)フェニル]−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルの合成
【0360】
【化97】

【0361】
上記1)化合物53mgの(テトラヒドロフラン/メタノール/水=3/1/1)5ml溶液に鉄粉84mg及び塩化アンモニウム40mgを加え、90℃にて3時間攪拌した。反応液を室温まで戻した後、不溶物をろ過し溶媒を減圧留去した。残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物36mgを淡黄色固体として得た。
HNMR(400MHz、CDCl) δ:1.34(6H,s),3.32(2H,s),3.69(3H,s),7.06(1H,dd,J=3.0,8.3Hz),7.60(1H,d,J=8.3Hz),7.99(4H,s),8.20(1H,d,J=2.4Hz)
ESI−MS Found:m/z 312.3[M+H]+
3)4−{4−[5−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イルアミノ)−ピリジン−2−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
上記2)化合物18mgの1,2−ジクロロエタン1ml溶液に合成法既知の2−クロロ[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジン27mgを加え、85℃にて1時間攪拌した。反応液を室温まで戻した後、溶媒を減圧留去した。残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、対応するメチルエステル26mgを粗精製物として得た。
得られたメチルエステルを1,4−ジオキサン2mlに溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液1mlを加え50℃にて2時間攪拌した。反応液を室温まで戻した後、2N塩酸水0.5mlで中和し溶媒を減圧留去した。得られた残渣を(クロロホルム/メタノール=3/1)で溶解し、不溶物をろ過して溶媒を減圧留去した。残渣をメタノールに溶解し、ジエチルエーテルを加え沈殿させ、ろ取、乾燥を行い表題化合物15mgを淡黄色固体として得た。
HNMR(400MHz、DMSO) δ:1.23(6H,s),3.35(2H,s),7.14(1H,dd,J=8.0,5.1Hz),7.88(1H,d,J=7.8Hz),8.05(2H,d,J=8.3Hz),8.16(1H,d,J=8.8Hz),8.27−8.19(3H,m),8.43(1H,dd,J=8.8,2.4Hz),8.94(1H,d,J=2.9Hz
ESI−MS(m/e):417.3[M+H]+
実施例9
2−[(4−{[5−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}フェニル)カルボニル]シクロペンタンカルボン酸
【0362】
【化98】

【0363】
1)(1,2−trans)−2−[4−(5−アミノピリジン−2−イル)ベンゾイル]シクロペンタンカルボン酸メチルの合成
【0364】
【化99】

【0365】
2,2−ジメチル−4−オキソ−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ブタン酸メチルの代わりに実施例10の3)で得られた(1,2−trans)−2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾイル]シクロペンタンカルボン酸メチルを用い、実施例8の1)と同様の操作を行い対応するニトロピリジンを粗精製物として得た。
得られたニトロピリジンを用いて、実施例8の2)と同様の操作を行い表題化合物を黄色油状物として得た。
ESI−MS Found:m/z 324.2[M+H]+
2)(1,2−trans)−2−[(4−{[5−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}フェニル)カルボニル]シクロペンタンカルボン酸の合成
4−{4−[5−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イルアミノ)−ピリジン−2−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の代わりに上記1)の化合物を用いて、実施例8の3)と同様の操作を行い表題化合物を淡褐色固体として得た。
HNMR(400MHz、DMSO) δ:1.53−2.08(6H,m),2.94−3.04(1H,m),4.02−4.13(1H,m),6.76(1H,brs),7.39(1H,brs),7.92(2H,d,J=9.8Hz),8.03(2H,d,J=8.8Hz),8.12(2H,d,J=8.5Hz),8.31(1H,dd,J=8.9,2.3Hz),8.62(1H,brs)
ESI−MS(m/e):429.2[M+H]+
実施例10
(1,2−trans)−2−[4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]フェニル]カルボニル)シクロペンタンカルボン酸
【0366】
【化100】

【0367】
1)(1,2−trans)−2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾイル]シクロペンタンカルボン酸メチルの合成
【0368】
【化101】

【0369】
合成法既知である(1,2−trans)−2−(4−ブロモベンゾイル)シクロペンタンカルボン酸メチル(2.00g、6.43mmol)のジオキサン溶液(30.0ml)にビス(ピナコレート)ジボロン(1.71g、6.75mmol)、酢酸カリウム(1・89g、19.3mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(525mg、0.643mmol)、dppf(356mg、0.643mmol)を加え、90℃に昇温し1終夜撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、不溶物をセライトろ過で除去した後、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜60/40)により精製して(1,2−trans)−2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾイル]シクロペンタンカルボン酸メチル(2.17g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.36(12H,s),1.71−1.96(4H,m),2.05−2.22(2H,m),3.45(1H,dt,J=8.05,7.56Hz),3.65(3H,s),4.11(1H,dt,J=8.05,6.83Hz),7.89(2H,d,J=8.53Hz),7.95(2H,d,J=8.53Hz)
2)N−(6−ブロモピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミンの合成
【0370】
【化102】

【0371】
実施例2の1)で合成した2−ブロモベンゾチアゾール(1.00g、4.67mmol)のTHF溶液(20.0ml)に3−アミノ−6−ブロモピリジン(1.62g、9.34mmol)ついで水素化ナトリウム(60% in oil,747mg,18.7mmol)を加えた。この反応混合液を60℃で1時間撹拌した後、氷冷下1規定塩酸(50.0ml、50.0mmol)を加え30分間撹拌した。生じる固体をろ取し、水、メタノールおよびクロロホルムで洗浄した後、得られた固体を減圧乾燥することによってN−(6−ブロモピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン(727mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:7.20(1H,t,J=7.32Hz),7.35(1H,t,J=7.32Hz),7.63(1H,d,J=8.78Hz),7.64(1H,d,J=7.32Hz),7.84(1H,d,J=7.32Hz),8.29(1H,dd,J=8.78,2.93Hz),8.72(1H,d,J=2.93Hz),10.87(1H,s)
3)(1,2−trans)−2−[4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]フェニル]カルボニル)シクロペンタンカルボン酸メチルの合成
【0372】
【化103】

【0373】
上記で得たN−(6−ブロモピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン(46.5mg、0.152mmol)に実施例10の1)で合成した(1,2−trans)−2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾイル]シクロペンタンカルボン酸メチル(51.8mg、0.145mmol)、炭酸カリウム(60.1mg、0.435mmol)およびPdCl(dppf)・CHCl(35.5mg、0.0435mmol)を加え、この混合物にDMA(1.20ml)および精製水(0.300ml)を注ぎ、85℃に昇温後、1終夜撹拌した。この反応混合液をクロロホルムで希釈して不溶物をセライトろ過で除去し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=39/1)により精製することによって(1,2−trans)−2−[4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]フェニル]カルボニル)シクロペンタンカルボン酸メチル(27.1mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.73−1.98(4H,m),2.12−2.23(2H,m),3.49(1H,dt,J=8.29,7.32Hz),3.68(3H,s),4.10−4.17(1H,m),7.21(1H,t,J=8.05Hz),7.38(1H,t,J=8.05Hz),7.66(1H,d,J=8.05Hz),7.70(1H,d,J=8.05Hz),7.80(1H,d,J=8.78Hz),8.06(2H,s),8.45(1H,dd,J=8.78,2.68Hz),8.82(1H,d,J=2.68Hz)
4)(1,2−trans)−2−[4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]フェニル]カルボニル)シクロペンタンカルボン酸の合成
上記で得た(1,2−trans)−2−[4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]フェニル]カルボニル)シクロペンタンカルボン酸メチル(27.1mg、0.0592mmol)をジオキサン(0.500ml)、THF(0.500ml)および精製水(0.500ml)に溶解し、この反応溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.296ml、0.296mmol)を加え、50℃に昇温後、1終夜撹拌した。1規定塩酸(0.296ml、0.296mmol)を加えた後、クロロホルム/メタノール(4/1)の混合溶媒で抽出し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧溜去し、得られる残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)により精製することによって表題化合物(26.0mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.56−1.86(4H,m),1.95−2.18(2H,m),3.17(1H,dt,J=8.29,7.80Hz),4.10(1H,dt,J=8.05,7.80Hz),7.20(1H,t,J=7.81Hz),7.37(1H,t,J=7.81Hz),7.67(1H,d,J=7.81Hz),7.85(1H,d,J=7.81Hz),8.10(2H,d,J=8.29Hz),8.12(1H,d,J=8.78Hz),8.21(2H,d,J=8.29Hz),8.51(1H,dd,J=8.78,2.20Hz),8.99(1H,d,J=2.20Hz),11.01(1H,brs)
ESI−MS(m/e):444.1[M+H]+
実施例11
(1,2−trans)−2−[(4−{[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}フェニル)カルボニル]シクロペンタンカルボン酸
【0374】
【化104】

【0375】
1)N−(3−ブロモピリジン−2−イル)−N‘−(6−ブロモピリジン−3−イル)チオウレアの合成
【0376】
【化105】

【0377】
チオホスゲン(1.33ml、17.4mmol)のクロロホルム溶液(20.0ml)に氷冷下3−アミノ−6−ブロモピリジン(3.00g、17.4mmol)のクロロホルム溶液(20.0ml)を加えた後、室温に昇温して1時間撹拌した。この反応溶液に2−アミノ−3−ブロモピリジン(2.00g、11.6mmol)ついでトリエチルアミン(7.30ml、52.2mmol)を加え、還流条件下(75℃)3時間撹拌した。水を加えて反応を停止し、水相をクロロホルムで抽出後、合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧溜去し、生じる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜97/3)により粗精製したのち、得られた固体をイソプロピルエーテルで洗浄することによってN−(3−ブロモピリジン−2−イル)−N‘−(6−ブロモピリジン−3−イル)チオウレア(2.13g)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:7.18(1H,dd,J=7.81,3.90Hz),7.66(1H,d,J=8.29Hz),8.12(1H,dd,J=8.29, 2.68Hz),8.22(1H,d,J=7.81Hz),8.38(1H,d,J=3.90Hz),8.58(1H,d,J=2.68Hz),9.23(1H,brs)
2)N−(6−ブロモピリジン−3−イル)チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−アミンの合成
【0378】
【化106】

【0379】
上記で得たN−(3−ブロモピリジン−2−イル)−N‘−(6−ブロモピリジン−3−イル)チオウレア(2.13g、5.49mmol)に炭酸セシウム(5.81g、16.5mmol)、o−フェナントロリン一水和物(218mg、1.10mmol)およびヨウ化銅(209mg、1.10mmol)を加え、この混合物にジメトキシエタン(100ml)を注ぎ、85℃で4時間撹拌した。28%アンモニア水溶液/飽和塩化アンモニウム水溶液(9/1)の混合溶液(200ml)を加えて1終夜撹拌したのち、生じる固体をろ取し、水および少量のメタノールで洗浄した。得られた固体状の混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜97/3)により精製することによってN−(6−ブロモピリジン−3−イル)チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−アミン(420mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:7.18(1H,dd,J=7.80,4.63Hz),7.67(1H,d,J=8.53Hz),8.27(1H,d,J=7.80Hz),8.32(1H,dd,J=8.53,2.44Hz),8.39(1H,d,J=4.63Hz),8.71(1H,d,2.44Hz),11.15(1H,brs)
3)(1,2−trans)−2−[(4−{[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}フェニル)カルボニル]シクロペンタンカルボン酸メチルの合成

【0380】
上記で得たN−(6−ブロモピリジン−3−イル)チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−アミン(47.8mg、0.155mmol)に実施例10の1)で合成した(1,2−trans)−2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾイル]シクロペンタンカルボン酸メチル(53.1mg、0.148mmol)、炭酸カリウム(61.4mg、0.444mmol)およびPdCl(dppf)・CHCl(36.3mg、0.0444mmol)を加え、この混合物にDMA(1.20ml)および精製水(0.300ml)を注ぎ、85℃に昇温後、1終夜撹拌した。この反応混合液をクロロホルムで希釈して不溶物をセライトろ過で除去し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=19/1)により精製することによって(1,2−trans)−2−[(4−{[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}フェニル)カルボニル]シクロペンタンカルボン酸メチル(21.8mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.70−1.96(4H,m),2.10−2.20(2H,m),3.46(1H,dt,J=8.29,7.81Hz),3.65(3H,s),4.11(1H,dt,J=7.81,6.34Hz),7.08(1H,dd,J=6.34,4.39Hz),7.66(1H,d,J=8.78Hz),7.87(1H,d,J=6.34Hz),7.94(2H,d,J=8.29Hz),8.00(2H,d,J=8.29Hz),8.51(1H,d,J=4.39Hz),8.67(1H,dd,J=8.78,2.44Hz),8.86(1H,d,J=2.44Hz)
4)(1,2−trans)−2−[(4−{[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}フェニル)カルボニル]シクロペンタンカルボン酸の合成
上記で得た(1,2−trans)−2−[(4−{[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}フェニル)カルボニル]シクロペンタンカルボン酸メチル(21.8mg、0.476mmol)をジオキサン(0.500ml)、THF(0.500ml)および精製水(0.500ml)に溶解し、この反応溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.238ml、0.238mmol)を加え、50℃に昇温後、2時間撹拌した。1規定塩酸(0.238ml、0.238mmol)を加えた後、クロロホルム/メタノール(4/1)の混合溶媒で抽出し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧溜去し、得られる残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)により精製することによって表題化合物(18.1mg)を得た。
H−NMR(400MHz, DMSO−d) δ:1.57−1.86(4H,m),1.95−2.20(2H,m),3.18(1H,dt,J=8.05,7.81Hz),4.11(1H,dt,J=8.78,7.81Hz),7.18(1H,dd,J=7.81,4.88Hz),8.10(2H,d,J=8.29Hz),8.16(1H,d,J=8.78Hz),8.23(2H,d,J=8.29Hz),8.28(1H,dd,J=7.81,1.71Hz),8.41(1H,dd,J=4.88,1.71Hz),8.55(1H,dd, J=8.78,2.68Hz),8.96(1H,d,J=2.68Hz)
ESI−MS(m/e):445.0[M+H]+
実施例12
4−(4−{5−[(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0381】
【化107】

【0382】
1)N−(6−ブロモピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−2−アミンの合成
【0383】
【化108】

【0384】
2−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール335mgの1,4−ジオキサン2ml溶液に6−ブロモピリジン−3−アミン0.69ml及び4N塩酸ジオキサン溶液0.1mlを順次加え、100℃にて2時間攪拌した。反応液を室温まで戻した後、水を加えジエチルエーテルで抽出し、ジエチルエーテル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム/メタノール=1/0〜25/1)で分離精製し、表題化合物300mgを白色固体として得た。
HNMR(400MHz、CDCl) δ:7.16(1H,q,J=8.0Hz),7.24(1H,t,J=7.3Hz),7.53−7.46(2H,m),7.65(1H,d,J=8.5Hz),8.25(1H,dd,J=8.8,2.9Hz),8.66(1H,d,J=2.2Hz)
ESI−MS(m/e):291.0[M+H]+
2)4−(4−{5−[(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の製造
上記1)化合物50mgのジメチルホルムアミド2ml溶液に実施例1の3)で得られた2,2−ジメチル−4−オキソ−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ブタン酸メチル59mg、ジクロロ[1,1´−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム塩化メチレン錯体41mg、炭酸カリウム47mg及び精製水0.2mlを順次加え、85℃にて終夜攪拌した。反応液を室温まで戻した後、不溶物をろ過で除去し溶媒を減圧留去した。残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製し、対応するメチルエステル30mgを粗精製物として得た。
得られたメチルエステルを1,4−ジオキサン2mlに溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液1mlを加え50℃にて2時間攪拌した。反応液を室温まで戻した後、2N塩酸水0.5mlで中和し溶媒を減圧留去した。得られた残渣を(クロロホルム/メタノール=10/1)で溶解し、不溶物をろ過して溶媒を減圧留去した。残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=5/1)で精製し表題化合物18mgを淡黄色固体として得た。
HNMR(400MHz、DMSO) δ:1.23(6H,s),3.34(2H,s),7.17(1H,td,J=7.7,1.3Hz),7.25(1H,td,J=7.7,1.1Hz),7.56−7.49(2H,m),8.05(2H,d,J=8.3Hz),8.14(1H,d,J=8.8Hz),8.20(2H,d,J=8.8Hz),8.43(1H,dd,J=8.8,2.7Hz),8.95(1H,d,J=2.7Hz)
ESI−MS(m/e):416.3[M+H]+
実施例13
2−({4−[5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]フェニル}カルボニル)シクロペンタンカルボン酸
【0385】
【化109】

2,2−ジメチル−4−オキソ−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ブタン酸メチルの代わりに実施例10の1)で得られた(1,2−trans)−2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾイル]シクロペンタンカルボン酸メチルを用い、実施例12の2)と同様の操作を行い表題化合物を淡黄色固体として得た。
HNMR(400MHz、DMSO) δ:1.55−1.86(4H,m),1.94−2.03(1H,m),2.11−2.19(1H,m),3.19(1H,q,J=8.0Hz),4.11(1H,dd,J=16.7,7.7Hz),7.17(1H,td,J=7.7,1.2Hz),7.26(1H,td,J=7.6,1.1Hz),7.50−7.56(2H,m),8.16−8.08(3H,m),8.21(2H,d,J=8.5Hz),8.43(1H,dd,J=8.7,2.8Hz),8.96(1H,d,J=2.4Hz)
ESI−MS(m/e):m/z 428.3[M+H]+
実施例14
4−(4−[5−(1−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0386】
【化110】

1)2−クロロ−1−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾールの合成
【0387】
【化111】

【0388】
2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール500mgのジメチルホルムアミド10ml溶液に2−ヨウ化プロパン0.66ml及び水素化ナトリウム、油状(60%)264mgを順次加え、50℃にて1.5時間攪拌した。反応液を室温まで冷ました後、水を加えジエチルエーテルで抽出し、ジエチルエーテル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン/酢酸エチル=98/2〜3/1)で分離精製し、表題化合物527mgを白色固体として得た。
HNMR(400MHz、CDCl) δ:1.66(6H,d,J=6.8Hz),4.89−4.97(1H,m),7.23−7.28(2H,m),7.47−7.52(1H,m),7.72−7.67(1H,m)
ESI−MS(m/e):195.1[M+H]+
2)N−(6−ブロモピリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミンの合成
【0389】
【化112】

【0390】
2−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾールの代わりに上記1)の化合物を用いて、実施例12の1)と同様の操作を行い表題化合物を淡褐色固体として得た。
HNMR(400MHz、DMSO) δ:1.57(6H,d,J=6.8Hz),4.86−4.95(1H,m),7.01−7.09(2H,m),7.41(1H,dd,J=7.6,1.2Hz),7.52−7.59(2H,m),8.34(1H,dd,J=8.8,2.9Hz),8.74(1H,d,J=2.9Hz),9.21(1H,s)
ESI−MS(m/e):333.0[M+H]+
3)4−(4−[5−(1−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
N−(6−ブロモピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−2−アミンの代わりに上記2)の化合物を用いて、実施例12の2)と同様の操作を行い表題化合物を淡褐色固体として得た。
HNMR(400MHz、DMSO) δ:1.22(6H,s),1.59(6H,d,J=6.8Hz),3.34(2H,s),4.93−4.99(1H,m),7.02−7.10(2H,m),7.43(1H,d,J=6.8Hz),7.56(1H,d,J=7.3Hz),8.9−8.01(3H,m),8.19(2H,d,J=8.3Hz),8.50(1H,dd,J=9.0,2.7Hz),9.02(1H,d,J=2.4Hz),9.30(1H,s),11.99(1H,s)
ESI−MS(m/e):457.3[M+H]+
実施例15
4−(4−[5−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0391】
【化113】

【0392】
1)2−クロロ−1−エチル−1H−ベンゾイミダゾールの合成
【0393】
【化114】

【0394】
2−ヨウ化プロパンの代わりにヨウ化エタンを用いて、実施例14の1)と同様の操作を行い表題化合物を白色固体として得た。
HNMR(400MHz、CDCl)δ:1.44(3H,t,J=7.3Hz),4.26(2H,q,J=7.2Hz),7.25−7.34(3H,m),7.68−7.72(1H,m)
ESI−MS(m/e):181.1[M+H]+
2)N−(6−ブロモピリジン−3−イル)−1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミンの合成
【0395】
【化115】

【0396】
2−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾールの代わりに上記1)の化合物を用いて、実施例12の1)と同様の操作を行い表題化合物を粗精製物として得た。
3)4−(4−[5−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
N−(6−ブロモピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−2−アミンの代わりに上記2)の化合物を用いて、実施例12の2)と同様の操作を行い表題化合物を淡褐色固体として得た。
HNMR(400MHz、DMSO) δ:1.23(6H,s),1.31(3H,t,J=7.1Hz),3.35(2H,s),4.31(2H,d,J=7.1Hz),7.09(2H,dd,J=5.6,3.4Hz),7.35−7.46(2H,m),8.11−8.02(3H,m),8.20(2H,d,J=8.5Hz),8.61(1H,d,J=6.3Hz),9.09(1H,d,J=2.2Hz),9.36(1H,s),11.93(1H,s)
ESI−MS(m/e):443.0[M+H]+
実施例16
4−(4−[5−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0397】
【化116】

【0398】
1)2−クロロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾールの合成
【0399】
【化117】

【0400】
2−ヨウ化プロパンの代わりにヨウ化メタンを用いて、実施例14の1)と同様の操作を行い表題化合物を白色固体として得た。
HNMR(400MHz、CDCl) δ:3.79(3H,s),7.26−7.33(3H,m),7.67−7.71(1H,m)
ESI−MS(m/e):167.0[M+H]+
2)N−(6−ブロモピリジン−3−イル)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミンの合成
【0401】
【化118】

【0402】
2−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾールの代わりに上記1)の化合物を用いて、実施例12の1)と同様の操作を行い表題化合物を淡褐色固体として得た。
HNMR(400MHz、DMSO) δ:3.72(3H,s),7.11−7.06(2H,m),7.43−7.31(2H,m),7.59(1H,d,J=8.8Hz),8.43(1H,d,J=7.8Hz),8.80(1H,s),9.36(1H,s)
ESI−MS(m/e):305.0[M+H]+
3)4−(4−[5−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
N−(6−ブロモピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−2−アミンの代わりに上記2)の化合物を用いて、実施例12の2)と同様の操作を行い表題化合物を淡褐色固体として得た。
HNMR(400MHz、DMSO) δ:1.23(6H,s),3.34(2H,s),3.76(3H,s),7.06−7.12(2H,m),7.35(1H,dd,J=5.9,2.9Hz),7.43(1H,dd,J=5.9,2.9Hz),8.11−8.02(3H,m),8.19(2H,d,J=8.8Hz),8.60(1H,dd,J=9.0,2.7Hz),9.08(1H,d,J=2.4Hz),9.44(1H,s)
ESI−MS(m/e):429.3[M+H]+
実施例17
N−[(4−{5−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−カルボニル]−L−プロリン
【0403】
【化119】

【0404】
1){4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−安息香酸エチルの合成
【0405】
【化120】

【0406】
実施例10で得られたN−(6−ブロモピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン(30mg、0.10mmol)、4−エトキシカルボニルフェニルホウ酸(25mg、0.13mmol)に窒素雰囲気下、DMA(2ml)と水(0.5ml)を加えた。これに炭酸カリウム(41mg、0.3mmol)、PdCl(dppf)・CHCl(8mg、0.01mmol)を加え、脱気操作を行った。反応液を100度で終夜攪拌した後、反応液を室温に冷却し、これに水を加え、セライトでろ過をした。ろ液をクロロホルムで抽出し、抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧下濃縮した。残渣を分取薄層シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(13mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.43(3H,t,J=6.0Hz),4.39(2H,d,J=6.0Hz),7.19−7.29(1H,m),7.36−7.44(1H,m),7.66−7.75(2H,m),7.85(1H,d,J=8.0Hz),8.07(2H,d,J=8.0Hz),8.15(2H,d,J=8.0Hz),8.39−8.40(1H,m),8.80(1H,s)
2)(S)−1−{4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−ベンゾイル}−ピロリジン−2−カルボン酸メチルの合成
【0407】
【化121】

【0408】
上で得られた{4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−安息香酸エチル13mg、0.034mmol)をMeOH−水(2mL,1:1)混合溶媒に溶かし、これに1M NaOH 水溶液(204μL)を加え、60度で8時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、これに1M 塩酸(300μL)を加え、減圧下溶媒を除去した。得られた残渣に、DMF(2mL)を加え、これにL−プロリン メチルエステル(8.4mg、0.05mmol)、トリエチルアミン(14μL、0.1mmol)、HOBt(8mg、0.050mmol)、WSC(10mg、0,05mmol)を加え、室温にて2日間攪拌した。反応液を重曹水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を分取薄層シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(16mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl),δ1.87−2.40(4H,m),3.54−3.88(2H,m),3.81(3H,s),4.70−4.73(1H,m),7.19−7.29(1H,m),7.36−7.44(1H,m),7.70−7.78(5H,m),7.95−8.01(2H,m),8.30−8.40(1H,m),8.80(1H,s).
3)N−[(4−{5−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−カルボニル]−L−プロリンの合成
上で得られた(S)−1−{4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−ベンゾイル}−ピロリジン−2−カルボン酸メチル(16mg、0.034mmol)をTHF(1mL)、水(1mL)に溶かし、これに1M NaOH水溶液(111μL)を加え、60度で終夜攪拌した。反応液を室温に冷却し、これに1M 塩酸(170μL)を加えた後、減圧下溶媒を濃縮した。得られた残渣を水で薄め、クロロホルム−メタノール(10:1)混合溶媒で抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、ろ液を減圧下留去して表題化合物(15mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d6),δ1.78−2.34(4H,m),3.50−3.65(2H,m),4.40−4.45(1H,m),7.19−7.29(1H,m),7.36−7.38(1H,m),7.47−7.66(3H,m),7.85(1H,d,J=4.0Hz),8.06−8.15(3H,m),8.48−8.51(1H,m),8.98(1H,s),10.91(1H,s).
ESI−MS Found m/z: 445.1[M+H]+
実施例18
4−(4−{5−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0409】
【化122】

【0410】
1)4−(4−{5−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルの合成
【0411】
【化123】

【0412】
実施例10工程2で合成したN−(6−ブロモピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン(46.3mg、0.151mmol)に実施例1工程3で合成した2,2−ジメチル−4−オキソ−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ブタン酸メチル(50.0mg、0.144mmol)、炭酸カリウム(59.7mg、0.432mmol)およびPdCl2(dppf)・CH2Cl2(35.3mg、0.0432mmol)を加え、この混合物にDMA(1.20ml)および精製水(0.300ml)を注ぎ、85℃に昇温後、1終夜撹拌した。この反応混合液をクロロホルムで希釈して不溶物をセライトろ過で除去し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=39/1)により精製することによって4−(4−{5−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(41.8mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.35(6H,s),3.32(2H,s),3.71(3H,s),7.21(1H,t,J=7.80Hz),7.38(1H,t,J=7.80Hz),7.65(1H,d,J=7.80Hz),7.69(1H,d,J=7.80Hz),7.77(1H,d,J=8.78Hz),7.98(2H,d,J=8.54Hz), 8.03(2H,d,J=8.54Hz),8.36(1H,dd,J=8.78,2.45Hz),8.79(1H,d,J=2.45Hz)
2)4−(4−{5−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
上記で得た4−(4−{5−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(41.8mg、0.0938mmol)をジオキサン(0.800ml)、THF(0.800ml)および精製水(0.800ml)に溶解し、この反応溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.469ml、0.469mmol)を加え、50℃に昇温後、1終夜撹拌した。1規定塩酸(0.469ml、0.469mmol)を加えた後、生じる固体をろ取し、水およびメタノールで洗浄後、減圧乾燥することによって表題化合物(28.9mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.23(6H,s),3.33(2H,s),7.20(1H,t,J=7.81Hz),7.37(1H,t,J=7.81Hz),7.67(1H,d,J=7.81Hz),7.85(1H,d,J=7.81Hz),8.04(2H,d,J=8.54Hz),8.12(1H,d,J=8.78Hz),8.20(2H,d,J=8.54Hz),8.51(1H,dd,J=8.78,2.44Hz),8.99(1H,d,J=2.44Hz),10.98(1H,brs)
ESI−MS(m/e):432.0[M+H]+
実施例19
4−(5−{4−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−フェニル}−2−ピリジニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0413】
【化124】

【0414】
1)4−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルエステルの合成
【0415】
【化125】

【0416】
窒素雰囲気下、5−ブロモ−2−ヨードピリジン 284mgをテトラヒドロフラン2mlに溶解し、−5℃にてイソプロピルマグネシウムクロライド2.0Mテトラヒドロフラン溶液1.1mlを滴下した。30分攪拌後、2,2−ジメチルスクシニックアンハイドライド128mgのテトラヒドロフラン1ml溶液を滴下した。0℃にて20分攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止させた後、生成物をクロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、不溶物をろ過、溶媒を減圧下除去した。得られた残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、対応するカルボン酸を粗精製物として40.1mg得た。得られたカルボン酸をジエチルエーテル4.0mlに溶解した後、2.0M TMSジアソメタンのヘキサン溶液を0.5ml加え、20分攪拌した。溶媒を減圧下除去し、酢酸エチルで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、不溶物をろ過、減圧下溶媒を除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し表題化合物を10.2mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCL3) δ:1.44(6H,s),3.26(2H,s),3.54(3H,s),7.90−7.95(2H,m),8.62(1H,s)
ESI−MS(m/e):300.0,302.0[M+H]+
2)4−(6−{4−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−フェニル}−3−ピリジニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
1)で得られた4−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルエステルの合成10.0mg、N−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン 14.1mg、炭酸カリウム11.0mg、PdCl2(dppf)塩化メチレン錯体 5.0mgのジメチルホルムアミド 1.0ml懸濁溶液を90℃にて終夜攪拌した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチルで希釈し、セライトを用いてろ過した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、不溶物をろ過、減圧下溶媒を除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し対応するメチルエステルを8.2mg、粗精製物として得た。得られたメチルエステルを1,4−ジオキサン0.5mlに溶解し、0.5N−水酸化ナトリウム水溶液を加え、50℃にて終夜攪拌した。2N−塩酸水で酸性にした後、クロロホルムで抽出、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を除去した。得られた残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し表題化合物を2.39mg得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.24(6H,s),3.48(2H,brs),7.12−7.15(2H,m),7.32−7.69(6H,m),7.94(1H,d,J=8.0Hz),8.14(1H,brs),8.76(1H,s)
ESI−MS(m/e):432.2[M+H]+
実施例20
4−(6−{4−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−フェニル}−3−ピリジニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0417】
【化126】

【0418】
1)4−(6−クロロピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルエステルの合成
【0419】
【化127】

【0420】
窒素素雰囲気下、2−クロロ−5−ヨードピリジン 431mgをテトラヒドロフラン3mlに溶解し、−78℃にてn−ブチルリチウム2.71Mヘキサン溶液0.66mlを滴下した。5分攪拌後、2,2−ジメチルスクシニックアンハイドライド256mgのテトラヒドロフラン2ml溶液を滴下した。反応液を0℃まで昇温、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止させた後、生成物をクロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、不溶物をろ過、溶媒を減圧下除去した。得られた残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、対応するカルボン酸を粗精製物として71.0mg得た。得られたカルボン酸をジエチルエーテル4.0mlに溶解した後、2.0M TMSジアソメタンのヘキサン溶液を0.5ml加え、10分攪拌した。溶媒を減圧下除去し、酢酸エチルで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、不溶物をろ過、減圧下溶媒を除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し表題化合物を33.4mg得た。
H−NMR(400MHz,CDCL3) δ:1.21(6H,s),2.80(2H,s),3.63(3H,s),7.38(1H,dd,J=1.0,8.3Hz),7.94(1H,dd,J=2.9,8.3Hz),8.66(1H,d,J=1.0Hz)
2)4−(6−{4−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−フェニル}−3−ピリジニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
1)で得られた4−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルエステルを用い、実施例19と同様の操作を行い表題化合物を2.91mg得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.23(6H,s),2.80(2H,brs),7.16−7.20(1H,m),7.33−7.37(1H,m),7.65(1H,d,J=8.0Hz),7.84(1H,d,J=8.0Hz),7.90−8.15(4H,m),8.16(2H,d,J=8.0Hz),8.95(1H,brs),10.73(1H,brs)
ESI−MS(m/e):432.1[M+H]+
実施例21
4−[4−[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]フェニル]−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸
【0421】
【化128】

【0422】
1)[4−[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]フェニル]−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルの合成
【0423】
【化129】

【0424】
実施例11の2)で合成したN−(6−ブロモピリジン−3−イル)チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−アミン(100mg、0.325mmol)に実施例1の3)で合成した2,2−ジメチル−4−オキソ−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ブタン酸メチル(124mg、0.358mmol)、炭酸カリウム(135mg、0.975mmol)およびPdCl(dppf)・CHCl(79.6mg、0.0975mmol)を加え、この混合物にDMA(2.40ml)および精製水(0.600ml)を注ぎ、85℃に昇温後、1終夜撹拌した。この反応混合液をクロロホルムで希釈して不溶物をセライトろ過で除去し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)により精製することによって4−[4−[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]フェニル]−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(38.7mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ:1.32(6H,s),3.27(2H,s),3.68(3H,s),7.05(1H,dd,J=8.29,4.15Hz),7.54(1H,d,J=8.54Hz),7.83(1H,d,J=8.29Hz),7.84(2H,d,J=8.54Hz),7.88(2H,d,J=8.54Hz),8.49(1H,d,J=4.15Hz),8.64(1H,dd,J=8.54,2.20Hz),8.87(1H,d,J=2.20Hz)
2)4−[4−[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]フェニル]−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸の合成
上記で得た4−[4−[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]フェニル]−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル(38.7mg、0.0867mmol)をジオキサン(0.600ml)、THF(0.600ml)および精製水(0.600ml)に溶解し、この反応溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.433ml、0.433mmol)を加え、50℃に昇温後、2時間撹拌した。1規定塩酸(0.433ml、0.433mmol)を加えた後、クロロホルム/メタノール(4/1)の混合溶媒で抽出し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧溜去し、得られる残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)により精製することによって表題化合物(34.8mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d) δ:1.23(6H,s),3.34(2H,s),7.18(1H,dd,J=7.80,4.63Hz),8.05(2H,d,J=8.54Hz),8.16(1H,d,J=8.78Hz),8.21(2H,d,J=8.54Hz),8.28(1H,dd,J=7.80,1.46Hz),8.41(1H,dd,J=4.63,1.46Hz),8.56(1H,dd,J=8.78,2.44Hz),8.95(1H,d,J=2.44Hz)
ESI−MS(m/e):433.2.0[M+H]+
実施例22
{トランス−4−[4’−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)ビフェニル−4−イル]シクロヘキシル}酢酸
【0425】
【化130】

【0426】
1)[4−(メトキシメチレン)シクロヘキシル]ベンゼンの合成
【0427】
【化131】

【0428】
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド12.2gのテトラヒドロフラン60ml溶液に、氷冷下、0.99規定ヘキサメチルジシラザンナトリウムのテトラヒドロフラン溶液40ml及び4−フェニルシクロヘキサノン3.11gのテトラヒドロフラン20ml溶液を順次加え、室温にて一終夜攪拌した。この反応混合物に水10mlおよび過酸化水素水1mlを加え30分間攪拌した後、水を加え有機層を減圧蒸留後、クロロホルムで抽出し、クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム/メタノール=1/0〜99/1)及び(ヘキサン/酢酸エチル=98/2〜80/20)で分離精製し、表題化合物3.24gを無色液体として得た。
H−NMR(400MHz、CDCl) δ:1.39−1.52(2H,m),1.74−1.84(1H,m),1.89−1.98(2H,m),2.01−2.11(1H,m),2.14−2.21(1H,m),2.58−2.67(1H,m),2.86−2.95(1H,m),3.57(3H,s),5.82(1H,t,J=1.7Hz),7.15−7.23(3H,m),7.26−7.32(2H,m)
2)トランス−4−フェニルシクロヘキサンカルボアルデヒドの合成
【0429】
【化132】

【0430】
上記1)化合物1.74gのテトラヒドロフラン40ml溶液に2規定塩酸を加え、室温にて5時間攪拌した。この反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和塩化アンモニウム及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン/酢酸エチル=99/1〜90/10)で分離精製し、表題化合物1.03gおよび立体異性体であるシス体0.39gを得た。
H−NMR(400MHz、CDCl) δ:1.38−1.58(4H,m),2.00−2.08(2H,m),2.09−2.17(2H,m),2.27−2.35(1H,m),2.45−2.55(1H,m),7.23−7.17(3H,m),7.33−7.28(2H,m),9.68(1H,d,J=1.5Hz)
3)[トランス−4−(2−メトキシビニル)シクロヘキシル]ベンゼンの合成
【0431】
【化133】

【0432】
4−フェニルシクロヘキサノンの代わりに上記2)で得られた化合物を用いて、実施例22の1)と同様の操作を行い表題化合物を無色液体として得た。
H−NMR(CDCl) δ:1.18−1.33(2H,m),1.43−1.55(2H,m),1.79−2.01(5H,m),2.41−2.52(1H,m),3.51(2.25H,s),3.60(0.75H,s),4.25(0.25H,dd,J=8.8,6.3Hz),4.72(0.75H,dd,J=12.7,7.8Hz),5.83(0.25H,d,J=6.3Hz),6.33(0.75H,d,J=12.7Hz),7.15−7.23(3H,m),7.26−7.32(2H,m)
4)(トランス−4−フェニルシクロヘキシル)酢酸の合成
【0433】
【化134】

【0434】
[4−(メトキシメチレン)シクロヘキシル]ベンゼンの代わりに上記3)で得られた化合物758mgを用いて、実施例22の2)と同様の操作を行い対応するアルデヒドを粗精製物として得た。
得られたアルデヒドをt−ブチルアルコール30mlに溶解し、水10ml、2−メチル−2−ブテン1.32ml、リン酸二水素ナトリウム420mgおよび亜塩素酸ナトリウム1.11gを順次加え室温にて1時間攪拌した。この反応混合物に水を加え、クロロホルムで抽出し、クロロホルム層を2規定塩酸および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン/クロロホルム/酢酸エチル=45/45/10〜0/0/100)で分離精製し、表題化合物712mgを白色固体として得た。
H−NMR(CDCl) δ:1.13−1.25(2H,m),1.47−1.59(2H,m),1.82−1.98(5H,m),2.31(2H,d,J=6.8Hz),2.48(1H,tt,J=12.2,3.3Hz),7.16−7.22(3H,m),7.32−7.27(2H,m)
5)[トランス−4−(4−ヨウ化フェニル)シクロヘキシル]酢酸メチルの合成
【0435】
【化135】

【0436】
上記4)化合物1.25gの酢酸10ml溶液に過ヨウ素酸二水和物262mg、ヨウ素582mg、水2.5mlおよび9規定硫酸0.3mlを順次加え、75℃にて一終夜攪拌した。この反応液を室温まで戻した後、水を加え、生じた沈殿物をろ収し、クロロホルムで溶解した後、水および飽和食塩水で洗浄した。この溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、対応するヨウ素体を粗精製物として得た。
得られたヨウ素体を10%塩酸−メタノール溶液に溶解し、60℃にて3時間攪拌した。反応液を室温まで戻した後、溶媒を減圧留去し、酢酸エチルに溶解した後、重曹水および飽和食塩水で洗浄した。この溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を(ヘキサン/酢酸エチル=98/2〜80/20)で精製し表題化合物1.93gを白色固体として得た。
H−NMR(CDCl) δ:1.07−1.22(2H,m),1.39−1.51(2H,m),1.79−1.94(5H,m),2.25(2H,d,J=6.8Hz),2.37−2.46(1H,m),3.68(3H,s),6.95(2H,d,J=8.3Hz),7.60(2H,d,J=8.3Hz)
6)[トランス−4−(4’−アミノビフェニル−4−イル)シクロヘキシル]酢酸メチルの合成
【0437】
【化136】

【0438】
上記5)化合物1.93gの1,4−ジオキサン25ml溶液に4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン1.54g、PdCl(dppf)・CHCl1.76gおよび2規定炭酸ナトリウム水溶液6.5mlを順次加え、80℃にて10時間攪拌した。この反応液を室温まで戻した後、直接シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム/メタノール=99.8/0.2〜98/2)及び(ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜50/50)で分離精製し、表題化合物0.44gを白色固体として得た。
H−NMR(CDCl) δ:1.09−1.25(2H,m),1.45−1.61(2H,m),1.79−1.99(5H,m),2.26(2H,d,J=6.8Hz),2.43−2.54(1H,m),3.69(3H,s),6.75(2H,d,J=8.8Hz),7.23(2H,d,J=8.3Hz),7.39(2H,d,J=8.8Hz),7.46(2H,d,J=8.3Hz)
ESI−MS(m/e):323.2[M+H]+
7){トランス−4−[4’−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)ビフェニル−4−イル]シクロヘキシル}酢酸の合成
4−[4−(5−アミノピリジン−2−イル)フェニル]−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸メチルおよび2−クロロ[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジンの代わりに上記6)で得られた化合物および2−クロロ−1,3−ベンゾチアゾールを用いて、実施例8の3)と同様の操作を行い表題化合物を淡黄色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d) δ:1.09−1.18(2H,m),1.43−1.56(2H,m),1.69−1.89(5H,m),2.13(2H,d,J=6.1Hz),2.51−2.53(1H,m),7.14−7.19(1H,m),7.28−7.36(3H,m),7.57(2H,d,J=8.5Hz),7.61−7.67(3H,m),7.88−7.80(3H,m),10.58(1H,s)
ESI−MS(m/e):442.2[M+H]+

式(I)で表される化合物が示す医薬としての有用性は、例えば下記の試験例において証明される。
<ヒトDGAT1遺伝子のクローニングと酵母での発現>
ヒトDGAT1遺伝子はヒトcDNA library (Clontech)より、以下のプライマーを用いて、PCR法にて増幅した。
DGAT1F : 5’−ATGGGCGACCGCGGCAGCTC−3’
DGAT1R : 5’−CAGGCCTCTGCCGCTGGGGCCTC−3’
増幅したヒトDGAT1遺伝子を、酵母発現ベクター、pPICZA (Invitrogen)に導入した。得られた発現プラスミドを、酵母(Pichia pastris)に電気穿孔法にて導入し、組み換え酵母を作製した。組み換え酵母を0.5% methanol存在下で72時間培養し、細胞を10mM Tris pH 7.5、250mM sucrose、1mM EDTA中でガラスビーズを用いて破砕した後、遠心分離にて、膜画分を調整し、酵素源として用いた。
<DGAT1阻害活性試験>
以下の組成の反応液(100mM Tris pH7.5、100mM MgCl、100mM Sucrose、40μM Dioelin、15μM [14C]−oleoyl−CoA)に試験物質、DGAT1を発現した酵母膜画分0.25μgを加え、100μlの容量で、室温30分間インキュベートした。反応液に2−propanol/heptan/HO (80/20/2) 100μlを加えよく攪拌した後、200μlのheptanを加えさらに攪拌した。遠心分離後、heptan層をとり、ethanol/0.1N NaOH/HO (50:5:45)を加えて攪拌した後、再度遠心し、heptan層を回収した。得られたheptan層を乾固した後、Microscint 0 (PerkinElmer) 100μlを加え、液体シンチレーションカウンターで、放射活性を測定した。阻害活性は以下の式により算出した。なお、膜画分非添加の放射活性をバックグラウンドとした。
阻害率=100−(試験化合物添加時の放射活性―バックグラウンド)/(試験化合物非添加時の放射活性―バックグラウンド)X100
上記記載の方法により、本発明に係る化合物のDGAT1阻害活性を以下に示す。
【0439】
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0440】
本発明に係る化合物又はその薬学的に許容される塩は、強力なDGAT1阻害作用を有しており、高脂血症、糖尿病、肥満症の治療及び/又は予防に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
環Aは、ベンゼン環又は環構成原子として窒素原子を環内に1若しくは2有する6員のヘテロアリール環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、
式(T−1)
【化2】

式(T−2)
【化3】

及び式(T−3)

からなる群より選択される2価の基であり、
環Bは、ベンゼン環又は環構成原子として窒素原子を環内に1若しくは2有する6員のヘテロアリール環から水素原子を2個除いてなる2価の基であり、
は水素原子、ハロゲン原子、場合によりハロゲン原子若しくは低級アルコキシ基で置換されていてもよい低級アルキル基、又は低級アルコキシ基であり、
は水素原子、ハロゲン原子、場合によりハロゲン原子若しくは低級アルコキシ基で
置換されていてもよい低級アルキル基、又は低級アルコキシ基であり、
環Cは、ベンゼン環又は環構成原子として窒素原子を環内に1若しくは2有する6員の
ヘテロアリール環から水素原子を2個除いてなる基であり、
は、水素原子、場合によりハロゲン原子若しくは低級アルコキシ基で置換されてい
てもよい低級アルキル基、又は低級アルコキシ基であり、
Yは酸素原子、硫黄原子又はNRであり、
Rは、水素原子又は低級アルキル基であり、
Dは、式(II−1)
【化4】

式(II−2)
【化5】

式(II−3)
【化6】

及び式(II−4)
【化7】

から選択される基であり、
ここで、Aは、式(III−1)
【化8】

(式中、Rは、水素原子又は、場合によりハロゲン原子、低級アルコキシ基若しくは
ジ低級アルキルアミノ基で置換された低級アルキル基であり、
は、水素原子又は、場合によりハロゲン原子、低級アルコキシ基若しくはジ低級ア
ルキルアミノ基で置換された低級アルキル基であり、
は、水素原子又は、場合によりハロゲン原子、低級アルコキシ基若しくはジ低級ア
ルキルアミノ基で置換された低級アルキル基であるか、或いは
とRが互いに結合する炭素原子と一緒になって形成する3乃至5員の脂肪族環であるか、
或いは、RとRが一緒になって形成する式(IV)
【化9】

(式中、Gは、CH、C(CH、O、NR、S又はSOであり、Rは、水素原子又は低級アルキル基である)で表される基であり、
pは、0乃至2であり、qは、0又は1であり(ただし、p及びqが同時に0となることはない)であるか、或いは、
式(III−2)
【化10】

(式中、
Xは、窒素原子又はCHであり、
CHは、低級アルキル基(該低級アルキル基は、ハロゲン原子、低級アルコキシ基又はジ低級アルキルアミノ基で置換されていてもよい)で置換されていてもよく、
m及びnは、mが0であり、かつ、nが1、2、3又は4であるか、或いは、mが1であり、かつnが1、2又は3である)で表される基であるか、ただし、
が式(III−1)で表される基であり、かつ、qが1である場合には、R及びRが一緒になって、式(I)中の式(V)
【化11】

が、式(V−1)
【化12】

(式中、rは、1又は2であり、他の記号は前記に同じ)で表される基を形成していてもよく、
Eは、OH又はNHであり、
は、式(III−3)
【化13】

(ここで、pは、1又は2であり、R及びRは、前記と同様である)、
又は式(III−4)
【化14】

(式中、各記号は前記に同じ)で表される基であり、
は、Aと同義であり、
gは1乃至3の整数を示す]で表される化合物(ただし、環A及び環Bが共にベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であり、かつ、Dが(II−1)、(II−2)、又は(II−3)である場合は除く)又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
環Aが、環構成原子として、窒素原子を環内に1又は2有する6員のヘテロアリール環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、式(T−1)
【化15】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、
環Bがベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基である請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
環Aがピリジン環又はピリミジン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、式(T−1)
【化16】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、
環Bがベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基である請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
環Aがピリジン環又はピリミジン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、式(T−1)
【化17】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、
環Bがベンゼンから水素原子を2個除いてなる2価の基であり、
Dが式(II−11)
【化18】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基である請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
環Aがピリジン環又はピリミジン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、式(T−1)
【化19】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、
環Bがベンゼンから水素原子を2個除いてなる2価の基であり、
Dが式(II−11)
【化20】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、
が式(III−1)
【化21】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であるか、或いは、式(III−2)
【化22】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基である請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
環Aがピリジン環又はピリミジン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、式(T−1)
【化23】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、
式(I)中の式(V)
【化24】

が、式(V−1)
【化25】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基である請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
環Aがピリジン環又はピリミジン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であるか、或いは、式(T−1)
【化26】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、
環Bがベンゼンから水素原子を2個除いてなる2価の基であり、
Dが式(II−11)
【化27】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、

【化28】

【化29】

【化30】

及び
【化31】

からなる群より選択される基(式中、各記号は前記に同じ)である請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
環Aがピリジン環又はピリミジン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であり、
環Bがベンゼン環から水素原子を2個除いてなる2価の基であり、

【化32】

【化33】

及び
【化34】

からなる群より選択される基(式中、各記号は前記に同じ)である請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
環Aが、式(T−1)
【化35】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、
環Bがベンゼンから水素原子を2個除いてなる2価の基であり、
Dが式(II−11)
【化36】

[式中、各記号は前記に同じ]で表される基であり、

【化37】

【化38】

及び
【化39】

からなる群より選択される基(式中、各記号は前記に同じ)である請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
Yが酸素原子である請求項1乃至9のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
Yが硫黄原子である請求項1乃至9のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
式(I)で表される化合物が、
4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリミジン−5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリジン−5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−{4−[2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピラジン−5−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
2−{5−[4−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)フェニル]−1−オキソ−イソインドリン−2−イル}−2,2−ジメチル酢酸、
4−{4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリミジン−2−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−{4−[6−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリダジン−3−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−{4−[4−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−ピリジン−4−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−{4−[5−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]フェニル}−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
2−[(4−{[5−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}フェニル)カルボニル]シクロペンタンカルボン酸、
2−[4−[5−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]フェニル]カルボニル)シクロペンタンカルボン酸、
2−[(4−{[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}フェニル)カルボニル]シクロペンタンカルボン酸、
4−(4−{5−[(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
2−({4−[5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]フェニル}カルボニル)シクロペンタンカルボン酸、
4−(4−[5−(1−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−(4−[5−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−(4−[5−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ)−2−ピリジニル]−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
N−[(4−{5−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−カルボニル]−L−プロリン、
4−(4−{5−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−2−ピリジニル}−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−(5−{4−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−フェニル}−2−ピリジニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、
4−(6−{4−[(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)アミノ]−フェニル}−3−ピリジニル)−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸、又は
4−[4−[5−(チアゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]フェニル]−2,2−ジメチル−4−オキソブタン酸である請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項14】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とするDGAT1阻害剤。
【請求項15】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする、高脂血症、糖尿病、肥満症の治療剤及び/又は予防剤。

【公開番号】特開2008−255024(P2008−255024A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−96444(P2007−96444)
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【出願人】(000005072)萬有製薬株式会社 (51)
【Fターム(参考)】