説明

ビアリールオキサゾリジノンの合成方法

【課題】抗感染症剤、抗増殖剤、抗炎症剤および運動促進剤として有用な、ビアリールオキサゾリジノン化合物の合成方法の提供。
【解決手段】塩基およびパラジウム触媒の存在下で下記に例示される反応式などによりビアリールオキサゾリジノン化合物を合成する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、米国特許出願番号10/859,476(2004年6月2日出願)の一部継続出願であり、米国特許出願番号60/490,855(2003年7月29日出願)、60/529,731(2003年12月15日出願)、60/530,371(2003年12月17日出願)、60/531,584(2003年12月19日出願)および60/576,163(2004年6月2日出願)の優先権を主張する(これら出願は参照により本明細書中に組み込む)。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、一般に、抗感染症剤、抗増殖剤、抗炎症剤および運動促進剤の合成方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、治療剤として有用な、ビアリールオキサゾリジノン化合物を合成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[背景技術]
1920年代のペニシリンの発見および1940年代のストレプトマイシンの発見以来、抗生物質薬剤として用いる多くの新規な化合物が発見、あるいは特に設計されている。かつて、このような治療薬の使用によって、感染性疾患を完全に制御または撲滅できると信じられていた。しかし、このような信仰は、現在有効な治療薬に対する耐性細胞株または耐性微生物が進化し続けているという事実により揺らいでいる。事実、臨床用途に開発されたほとんどすべての抗生物質製剤が、最終的には耐性菌の発生という問題に直面する。たとえば、メチシリン耐性ブドウ球菌、ペニシリン耐性連鎖球菌およびバンコマイシン耐性腸球菌などのグラム陽性菌の耐性株が進化しており、このような耐性菌に感染した患者に重篤であり、命にすら関わる結果を引き起こす可能性がある。マクロライド(系)抗生物質、すなわち14〜16員ラクトン環ベースの抗生物質に耐性のある細菌が出現している。また、インフルエンザ菌およびカタラリス菌などのグラム陰性菌の耐性菌もまた同定されている。たとえば、F.D. Lowry、「Antimicrobial resistance: The Example of Staphylococcus aureus」、J. Clin. Invest.、111巻、9号、1265-1273頁(2003);ならびにGold、H.S. およびMoellering、R.C.、Jr.、「Antimicrobial-Drug Resistance」、N. Engl. J. Med.、335巻、1445-53頁(1996)を参照のこと。
【0004】
ガン化学療法に用いられる抗増殖薬も耐性に直面しているので、耐性という問題は抗感染症薬の領域に限定されるものではない。したがって、耐性菌およびガン細胞の耐性株の両方に対して有効である新規な抗感染症薬および抗増殖薬を開発する必要がある。
【0005】
抗生物質の分野では、抗生物質耐性の増加に関する問題にもかかわらず、リネゾリドとして公知である商品名Zyvox(登録商標)(化合物Aを参照)として市販されているオキサゾリジノン環含有抗生物質、N-[[(5S)-3-[3-フルオロ-4-(4-モルホリニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチルアセトアミドの2000年の米国における認可以来、新たな主要なクラスの抗生物質は臨床用途に対して開発されていない。R.C. Moellering、Jr.、「Linezolid: The First Oxazolidinone Antimicrobial」、Annals of Internal Medicine、Vol. 138, No. 2、pp. 135-142(2003)を参照。
【化1】

【0006】
リネゾリドは、グラム陽性菌に対して活性な抗菌剤として用いるために認可された。しかし、微生物のリネゾリド耐性株はすでに報告されている。Tsiodrasら、Lancet、2001、358、207;Gonzalesら、Lancet、2001、357、1179;Zurenkoら、Proceedings Of The 39th Annual Interscience Conference On Antibacterial Agents And Chemotherapy(ICAAC);San Francisco、CA、USA、(September 26-29、1999)を参照。リネゾリドは臨床上有効であり、商業的にも重要な抗菌剤であるので、研究者らは、他の有効なリネゾリド誘導体を開発するために研究している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それにもかかわらず、新規な抗感染症薬および抗増殖薬に対する必要性が継続して存在する。さらに、多くの抗感染症薬および抗増殖薬は、抗炎症薬として、および運動促進薬としても有用性があるので、抗炎症薬および運動促進薬として有用な新規な化合物並びにそのような化合物の製造方法に対する必要性も継続して存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[発明の要旨]
本発明は式:
【化2】

で示されるビアリールオキサゾリジノン化合物の製造方法を提供し、この方法は式(I):
【化3】

の化合物を式(II):
【化4】

の化合物と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合することを含み、式中、Het-CH2-R3は以下:
【化5】

からなる群から選択され、AおよびBは、独立して、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルからなる群から選択され、Qは式−BYまたはBFアルカリ金属塩を有するボランであり、Zは電気陰性置換基(例えば、ハロゲンまたはスルホネート)であり、L、M、R、R、R、Y、mおよびnは以下の定義に従う。
【0009】
別のアプローチにおいて、本発明の方法は式(III):
【化6】

の化合物を式(IV):
【化7】

の化合物と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合する工程を含み、ここで、A、B、Het、L、M、R、R、R、Q、Z、mおよびnは上記定義に従う。
【0010】
本発明の方法は広範な官能基に対して寛容であるので、多様な置換アリール部分を使用することができる。さらに、別法により、ボラン(すなわち、Q)および電気陰性置換基(すなわち、Z)をいずれかのアリール基に存在させることができ、これにより合成における柔軟性が提供される。本発明の方法は、一般に、所望のビアリールオキサゾリジノン化合物を全体プロセスの最後または最終工程付近で提供すので、ビアリール系またはその置換基のさらなる合成操作は通常は必要とされない。
【0011】
以下および他の局面、ならびに本発明の態様は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲により、より充分に理解することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[発明の詳細な説明]
本発明は、抗増殖剤および/または抗感染症剤として用いることができるビアリールオキサゾリジノン化合物の製造方法に関する。この化合物は、たとえば、抗ガン剤、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤および/または抗ウィルス剤として、限定されることなく用いることができる。さらに、本発明の方法により製造される化合物は、慢性炎症性気道疾患の治療用等の抗炎症剤として、および/または逆流性食道炎、胃不全麻痺(糖尿病および外科手術後)、過敏性腸症候群および便秘のような胃腸運動性障害の治療用等の運動促進剤として、限定されることなく使用され得る。
【0013】
本発明の方法により合成される化合物は、本発明の化合物1種以上を有効量で哺乳動物に投与して特定の障害の症状を改善することにより、哺乳動物の障害を治療するために使用することができる。このような障害は、皮膚感染、院内肺炎、ウィルス感染後肺炎(post-viral pneumonia)、腹部感染、尿路感染症、菌血症、敗血症、心内膜炎、房室短絡感染、血管アクセス感染、髄膜炎、外科的予防、腹膜感染、骨感染症、関節感染、メチシリン耐性ブドウ球菌感染、バンコマイシン耐性腸球菌感染、リネゾリド耐性生物感染および結核からなる群から選択することができる。
【0014】
1.定義
本明細書で用いる用語「置換(された)」は、指定された原子上の水素のいずれか1つ以上が、指定された原子の通常の原子価を超えず、かつ置換が安定な化合物をもたらすという条件で、所定の基から選択された基で置換されることを意味する。置換基がケト(すなわち、=O)である場合、原子上の2つの水素が置換される。芳香族部分上には、ケト置換基は存在しない。本明細書で用いる環二重結合は、2つの隣接する環原子間に形成される二重結合である(たとえば、C=C、C=NまたはN=N)。
【0015】
本発明は、本発明化合物中に存在する原子のすべての同位体を含むことを意図する。同位体には、同じ原子番号であるが質量数の異なる原子が含まれる。一般例として、水素の同位体としてトリチウムおよびジュウテリウム、ならびに炭素の同位体としてC-13およびC-14を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
本明細書中に記載する化合物は不斉中心を有してもよい。非対称に置換されている元素を含む本発明の化合物は、光学活性な形態、またはラセミ形態で単離することができる。光学活性な形態を製造する方法は当該分野において周知であり、例えば、ラセミ体の分割または光学活性な出発物質での合成による。多数の幾何異性体のオレフィン(C=N二重結合)等も本明細書中に記載の化合物中に存在するかもしれず、このような安定な異性体の全てが本発明の範囲に含まれる。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体を記載するが、これらは異性体の混合物として単離するか、または分離した異性体として単離することができる。具体的な立体化学または異性体形を特記しない限り、全てのキラル異性体、ジアステレオマー異性体、ラセミ異性体、および幾何異性体の形態の構造が意図されるものである。示した化合物または記載の化合物の全互変体もまた、本発明の化合物の一部であるとみなす。
【0017】
化合物のいずれかの構成部分または式に、1個より多い可変基(たとえば、R1)が存在する場合、各存在の定義は他の存在すべてについての定義から独立している。したがって、たとえば、1つの基が0〜2個のR部分で置換されていると示される場合、その基は最大2個のR部分で置換されていてもよく、Rはそれぞれ独立してRの定義から選択される。また、置換基および/または可変基の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合のみ許容される。
【0018】
置換基への結合が環中の2個の原子をつなぐ結合を横切って示されている場合、そのような置換基は環中の原子のいずれに結合していてもよい。置換基がどのような元素を介して所定の式の化合物の残りの部分に結合しているかを示さずに記載されている場合、この置換基はその置換基中のいずれの原子を介して結合していてもよい。置換基および/または可変基の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合のみ許容される。
【0019】
本発明の化合物が窒素を含んでいる場合、酸化剤(たとえば、3−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)および/または過酸化水素)で処理することによって、これらをN-オキシドに変換し、他の本発明化合物を得ることができる。したがって、本明細書中に記載する、および特許請求の範囲の窒素含有化合物は全て、価数および構造上許容される場合には、記載の化合物およびそのN-オキシド誘導体(N→OまたはN+-O-と示してもよい)を含むとみなされる。さらに、他の場合、本発明の化合物中の窒素をN-ヒドロキシルまたはN-アルコキシル化合物に変換することができる。例えば、N-ヒドロキシル化合物は親化合物アミンをm-CPBAのような酸化剤により酸化させることにより製造することができる。また、記載の窒素含有化合物および特許請求の範囲に記載の化合物は全て、その価数および構造上許容される場合には、記載の化合物およびそのN-ヒドロキシ(すなわち、N-OH)およびN-アルコキシ(すなわち、N-OR、式中、Rは置換または非置換のC1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C3−14炭素環または3-14員ヘテロ環)誘導体の両方を含むとみなす。
【0020】
原子または化学的部分の後に下付文字で範囲が付されている場合(例えば、C1−6)、本発明はその範囲内の各数字およびその中間の範囲全てを含むことを意味する。例えば、「C1−6アルキル」は1、2、3、4、5、6、1-6、1-5、1-4、1-3、1-2、2-6、2-5、2-4、2-3、3-6、3-5、3-4、4-6、4-5および5-6個の炭素原子を有するアルキル基を含むことを意味する。
【0021】
本明細書中で用いる「アルキル」は、指定の炭素原子数を有する分枝鎖および直鎖の飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むことを意図する。例えば、C1−6アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5およびC6アルキル基を含むことを意図する。アルキルの例として、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、s-ペンチルおよびn-ヘキシルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
本明細書中で用いる「アルケニル」は、鎖に沿ったいずれかの安定な点に生じる炭素−炭素二重結合を1個以上有する直鎖または分枝鎖の配置のいずれかの炭化水素鎖を含むことを意図する。例えば、C2−6アルケニルは、C2、C3、C4、C5およびC6アルケニル基を含むことを意図する。アルケニルの例には、エテニルおよびプロペニルを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
本明細書中で用いる「アルキニル」は、鎖に沿ったいずれかの安定な点に生じる炭素−炭素三重結合を1個以上有する直鎖または分枝鎖の配置のいずれかの炭化水素鎖を含むことを意図する。例えば、C2−6アルキニルは、C2、C3、C4、C5およびC6アルキニル基を含むことを意図する。アルキニルの例としては、エチニルおよびプロピニルを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本明細書で用いる「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。「対イオン」は、クロリド、ブロミド、ヒドロキシド、アセテートおよびスルフェートなどのわずかに負に荷電した化学種を表すために用いる。
【0025】
本明細書中で用いる「炭素環」または「炭素環式環」は、特定の炭素数の任意の安定な単環式、二環式または三環式の環を意味することを示し、これらはいずれも飽和、不飽和または芳香族であり得る。例えば、C3−14炭素環は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の炭素原子を有する単環式、二環式または三環式の環を意味することを意図する。炭素環の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチルおよびテトラヒドロナフチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。架橋環もまた、炭素環の定義に含まれる(たとえば、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカンおよび[2.2.2]ビシクロオクタンが挙げられる)。1つ以上の炭素原子が2つの非隣接炭素原子を連結するときに、架橋環が生じる。好ましい架橋は、1つまたは2つの炭素原子である。架橋は常に単環式環を三環式環に変換することが知られている。環が架橋する場合、環について列挙した置換基が架橋上に存在してもよい。縮合(たとえば、ナフチルおよびテトラヒドロナフチル)環およびスピロ環も含まれる。
【0026】
本明細書中で用いる用語「複素環」または「複素環式」は、飽和、不飽和または芳香族の、炭素原子ならびに1個以上の環構成ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素および硫黄からなる群から独立して選ばれる、1または1-2または1-3または1-4または1-5または1-6個のヘテロ原子)を含む任意の安定な単環式、二環式または三環式の環を意味することを意図する。二環式または三環式の複素環は、1つの環に1個以上のヘテロ原子があってもよいし、ヘテロ原子が1個より多くの環に存在していてもよい。窒素および硫黄ヘテロ原子は場合により酸化されているかもしれない(すなわち、N→OおよびS(O)p。ここで、pは1または2)。窒素原子が環に含まれる場合、環内の二重結合に結合しているか否かに応じて、NまたはNHのいずれかである(すなわち、窒素原子の三価の結合価を維持するために必要な場合には水素が存在する)。窒素原子は置換または非置換であり得る(すなわち、NまたはNRである。式中、Rは、上記の通り、Hまたは別の置換基である)。複素環式環は、安定な構造を生じる任意のヘテロ原子または炭素原子でペンダント基に結合し得る。本明細書中に記載の複素環式環は、得られる化合物が安定であるならば、炭素原子または窒素原子上で置換されうる。複素環中の窒素は、場合により四級化されていてもよい。複素環中のSおよびO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接しないことが好ましい。架橋環も複素環の定義に含まれる。1つ以上の原子(すなわち、C、O、NまたはS)が2つの隣接しない炭素または窒素原子を連結する場合に架橋環が生じる。好ましい架橋としては、1つの炭素原子、2つの炭素原子、1つの窒素原子、2つの窒素原子および炭素−窒素基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。架橋は常に単環式環を三環式環に変換することが知られている。環が架橋される場合、環のために列挙した置換基が架橋上に存在してもよい。スピロおよび縮合環もまた含まれる。
【0027】
本明細書中で用いる用語「芳香族複素環」または「ヘテロアリール」は、炭素原子ならびに、窒素、酸素および硫黄からなる群から独立して選択される1個以上のヘテロ原子、たとえば、1または1-2または1-3または1-4または1-5または1-6個のヘテロ原子からなる安定な5、6もしくは7員の単環式または二環式の芳香族複素環式環、または7、8、9、10、11もしくは12員の二環式芳香族複素環を意味することを意図する。二環式複素環式芳香族環の場合、両方が芳香族であってもよいが(たとえば、キノリン)、2つの環の1つのみが芳香族であることが必要である(たとえば、2,3-ジヒドロインドール)。複素環について上述したように、第二の環もまた、縮合または架橋していてもよい。窒素原子は、置換または非置換であってよい(すなわち、NまたはNR。ここで、RはHであるか、または前述の他の置換基である)。窒素および硫黄ヘテロ原子は、必要に応じて、酸化されてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)p。ここで、p=1または2)。芳香族複素環中のSおよびO原子の総数は1を超えないことも注意すべきである。
【0028】
複素環の例として、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH-カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H-インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシンドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H-ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリルおよびキサンテニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
本明細書中で用いる用語「アミン保護基」は、アミン、アミドまたは他の窒素含有部分を、特定の化学反応条件に対して不活性である異なる化学基に変換する官能基を意味することを意図する。アミン保護基は、分子中の他の官能基に影響を与えない条件下で良好な収率で容易かつ選択的に除去されることが好ましい。アミン保護基の例としては、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチジルジフェニルシリル(butdyldiphenylsilyl)、t−ブチルオキシカルボニル、p−メトキシベンジル、メトキシメチル、トシル、トリフルオロアセチル、トリメチルシリル、フルオレニル−メチルオキシカルボニル、2−トリメチルシリル−エトキシカルボニル(ethyoxycarbonyl)、1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルが挙げられるが、これらに限定されない。他の適切なアミン保護基は、例えば、Green&Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版(1999,John Wiley&Sons,Inc.)を参照することにより、当業者により直接同定される。
【0030】
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な程度の純度まで単離し、有効な治療薬に製剤化することに充分耐える程度に強固な化合物を示すことを意味する。
【0031】
本明細書で用いるすべてのパーセンテージおよび比率は、他に特記しない限り重量によるものである。
【0032】
本明細書中を通じ、組成物が特定の成分を有する、包含する、または含むと記載される場合、組成物が基本的には記載の成分から構成される、または記載の成分からなることも意図される。同様に、プロセスが特定のプロセス工程を有する、包含する、または含むと記載される場合、そのプロセスは基本的には記載の処理工程から構成される、または記載の処理工程からなることも意図される。さらに、本発明が実施可能性を維持する限り、工程の順序または特定の行為を実行する順序は重要ではない。さらにそのうえ、2つ以上の工程または行為を同時に行ってもよい。
【0033】
2.本発明の方法
本発明の方法は、溶媒中塩基およびパラジウム触媒の存在下での、アリールボラン化合物(例えば、アリールボロン酸、アリールボロン酸エステル、アリールボロン酸ハロゲン化物または有機ボラン)と電気陰性置換基を有するアリール化合物(例えば、アリールハロゲン化物またはアリールスルホネート)との鈴木カップリング反応に関する。例えば、Miyauraら、Tetrahedron Letters,3437(1979)およびMiyaura&Suzuki,Chem.Comm.,866(1979)を参照。
【0034】
1局面において、本発明は式:
【化8】

で示される化合物の合成方法を提供する。
【0035】
1つのアプローチにおいて、この方法は、式(I):
【化9】

で示される化合物を式(II):
【化10】

で示される化合物と溶媒中塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合する工程を含み、
式中、Aはフェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルからなる群から選択され、
Bはフェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルからなる群から選択され、
Het-CH2-R3は以下:
【化11】

からなる群から選択され、
M−Lは、
a)M−X、b)M−L、c)M−L−X、d)M−X−L、e)M−L−X−L、f)M−X−L−X−L、g)M−L−X−L−X、h)M−X−X−、i)M−L−X−X−、j)M−X−X−Lおよびk)M−L−X−X−Lからなる群から選択され、ここで、
各Xは独立して、a)−O−、b)−NR−、c)−N(O)−、d)−N(OR)−、e)−S(O)−、f)−SONR−、g)−NRSO−、h)−NRN=、i)=NNR−、j)−O−N=、k)=N−O−、l)−N=、m)=N−、n)−NR−NR−、o)−NRC(O)O−、p)−OC(O)NR−、q)−NRC(O)NR−、r)−NRC(NR)NR−、およびs)式:
【化12】

からなる群から選択され、
はa)C1−6アルキル、b)C2−6アルケニルおよびc)C2−6アルキニルからなる群から選択され(ここで、a)〜c)はいずれも1以上のR基で置換されていてもよい)、
はa)C1−6アルキル、b)C2−6アルケニルおよびc)C2−6アルキニルからなる群から選択され(ここで、a)〜c)はいずれも1以上のR基で置換されていてもよい)、
あるいは、M−L中のLは結合であり、
Mは、a)C3−14の飽和、不飽和または芳香族の炭素環、b)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環、c)C1−6アルキル、d)C2−6アルケニル、e)C2−6アルキニル、およびf)−CNからなる群から選択され(ここで、a)〜e)はいずれも1以上のR基で置換されていてもよい)、
Qは式−BYを有するボランであって、ここで各Yは独立して、a)−OH、b)−OC1−6アルキル、c)−OC2−6アルケニル、d)−OC2−6アルキニル、e)−OC1−14の飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)C1−6アルキル、g)C2−6アルケニル、h)C2−6アルキニルおよびi)C1−14の飽和、不飽和または芳香族の炭素環からなる群から選択され(ここで、b)〜i)はいずれも1以上のハロゲンで置換されていてもよい)、
あるいは2個のY基が一緒になって、a)−OC(R)(R)C(R)(R)O−およびb)−OC(R)(R)CHC(R)(R)O−からなる群から選択される化学的部分を形成しているか、
あるいは、QはBFアルカリ金属塩または9−ボラビシクロ(borabicyclo[3.3.1]ノナンであり、
Zはa)I、b)Br、c)Clおよびd)ROSO−からなる群から選択され、
各Rは独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)−NR、j)−C(O)R、k)−C(O)OR、l)−OC(O)R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O)R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S)R、s)−C(S)OR、t)−OC(S)R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S)R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR)R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR)R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR)R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONRおよびjj)Rからなる群から選択され、
各Rは独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)−NR、j)−C(O) R、k)−C(O)OR、l)−OC(O) R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O) R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S) R、s)−C(S)OR、t)−OC(S) R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S) R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR) R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR) R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR) R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONR、およびjj)Rからなる群から選択され;
は、a)−OR、b)−NR、c)−C(O)R、d)−C(O)OR、e)−OC(O)R、f)−C(O)NR、g)−NRC(O)R、h)−OC(O)NR、i)−NRC(O)OR、j)−NRC(O)NR、k)−C(S)R、l)−C(S)OR、m)−OC(S)R、n)−C(S)NR、o)−NRC(S)R、p)−OC(S)NR、q)−NRC(S)OR、r)−NRC(S)NR、s)−C(NR)R、t)−C(NR)OR、u)−OC(NR)R、v)−C(NR)NR、w)−NRC(NR)R、x)−OC(NR)NR、y)−NRC(NR)OR、z)−NRC(NR)NR、aa)−S(O)、bb)−SONR、およびcc)Rからなる群から選択され;
各Rは独立して、a)H、b)−OR、c)アミン保護基、d)C1−6アルキル、e)C2−6アルケニル、f)C2−6アルキニル、g)C3−14の飽和、不飽和または芳香族炭素環、h)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する、3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環、i)−C(O)−C1−6アルキル、j)−C(O)C2−6アルケニル、k)−C(O)−C2−6アルキニル、l)−C(O)C3−14の飽和、不飽和または芳香族の炭素環、m)−C(O)−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)、n)−C(O)O−C1−6アルキル、o)−C(O)OC2−6アルケニル、p)−C(O)O−C2−6アルキニル、q)−C(O)OC3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、ならびにr)−C(O)O−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)からなる群から選択され、ここでd)〜r)はいずれも1以上のR基で置換されていてもよい;
各Rは独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR、h)=NOR、i)=N−NR、j)CF、k)−OR、l)−CN、m)−NO、n)−NR、o)−C(O)R、p)−C(O)OR、q)−OC(O)R、r)−C(O)NR、s)−NRC(O)R、t)−OC(O)NR、u)−NRC(O)OR、v)−NRC(O)NR、w)−C(S)R、x)−C(S)OR、y)−OC(S)R、z)−C(S)NR、aa)−NRC(S)R、bb)−OC(S)NR、cc)−NRC(S)OR、dd)−NRC(S)NR、ee)−C(NR)R、ff)−C(NR)OR、gg)−OC(NR)R、hh)−C(NR)NR、ii)−NRC(NR)R、jj)−OC(NR)NR、kk)−NRC(NR)OR、ll)−NRC(NR)NR、mm)−S(O)、nn)−SONRおよびoo)Rから選択され、
各Rは独立して、a)H、b)−OR、c)アミン保護基、d)C1−6アルキル、e)C2−6アルケニル、f)C2−6アルキニル、g)C3−14の飽和、不飽和または芳香族の炭素環、h)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する、3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環、i)−C(O)−C1−6アルキル、j)−C(O)C2−6アルケニル、k)−C(O)−C2−6アルキニル、l)−C(O)C3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、m)−C(O)3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)、n)−C(O)O−C1−6アルキル、o)−C(O)OC2−6アルケニル、p)−C(O)O−C2−6アルキニル、q)−C(O)OC3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、およびr)−C(O)O−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)から選択され(ここで、d)〜r)はいずれも1以上のR基で置換されていてもよい)、
各Rは独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR、h)=NOR、i)=N−NR、j)CF、k)−OR、l)−CN、m)−NO、n)−NR、o)−C(O)R、p)−C(O)OR、q)−OC(O)R、r)−C(O)NR、s)−NRC(O)R、t)−OC(O)NR、u)−NRC(O)OR、v)−NRC(O)NR、w)−C(S)R、x)−C(S)OR、y)−OC(S)R、z)−C(S)NR、aa)−NRC(S)R、bb)−OC(S)NR、cc)−NRC(S)OR、dd)−NRC(S)NR、ee)−C(NR)R、ff)−C(NR)OR、gg)−OC(NR)R、hh)−C(NR)NR、ii)−NRC(NR)R、jj)−OC(NR)NR、kk)−NRC(NR)OR、ll)−NRC(NR)NR、mm)−S(O)、nn)−SONR、oo)C1−6アルキル、pp)C2−6アルケニル、qq)C2−6アルキニル、rr)C3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環およびss)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する、3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環からなる群から選択され(ここで、oo)〜ss)はいずれも、R、F、Cl、Br、I、−CF、−OR、−SR、−CN、−NO、−NR、−C(O)R、C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−NRC(O)R、−OC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−C(S)R、−C(S)OR、−OC(S)R、−C(S)NR、−NRC(S)R、−OC(S)NR、−NRC(S)OR、−NRC(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−OC(NR)R、−C(NR)NR、−NRC(NR)R、−OC(NR)NR、−NRC(NR)OR、−NRC(NR)NR、−SONRおよび−S(O)からなる群から選択される1以上の部分で置換されている)、
各Rは独立して、a)H、b)アミン保護基、c)C1−6アルキル、d)C2−6アルケニル、e)C2−6アルキニル、f)C3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、g)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1以上含む、3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環、h)−C(O)C1−6アルキル、i)−C(O)C2−6アルケニル、j)−C(O)−C2−6アルキニル、k)−C(O)C3−14飽和、不飽和または芳香族炭素環、l)−C(O)−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)、m)−C(O)O−C1−6アルキル、n)−C(O)O−C2−6アルケニル、o)−C(O)O−C2−6アルキニル、p)−C(O)O−C3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、およびq)−C(O)O−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)から選択され(ここで、c)〜q)はいずれも、F、Cl、Br、I、−CF、OH、−OC1−6アルキル、−SH、−SC1−6アルキル、−CN、−NO、−NH、−NHC1−6アルキル、−N(C1−6アルキル)、−C(O)C1−6アルキル、−C(O)OC1−6アルキル、−C(O)NH、−C(O)NHC1−6アルキル、−C(O)N(C1−6アルキル)、−NHC(O)C1−6アルキル、−SONH−、−SONHC1−6アルキル、−SON(C1−6アルキル)および−S(O)1−6アルキルから選択される1以上の部分で置換されていてもよい)、
はa)C1−6アルキル、b)フェニルおよびc)トルイルから選択され(ここで、a)〜c)はいずれも、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択される基で置換されていてもよい)、
mは0、1、2、3または4であり、
nは0、1、2、3または4であり、
各pは独立して、0、1または2である。
【0036】
別のアプローチにおいて、本発明の方法は、式(III):
【化13】

で示される化合物を式(IV):
【化14】

で示される化合物と溶媒中で塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合することを含み、ここで、A、B、Het、L、M、R、R、R、R、Q、Z、mおよびnは上記定義に従う。
【0037】
別の局面において、本発明は、式:
【化15】

で示される化合物を製造する方法を提供する。
【0038】
ある局面において、この方法は式(V):
【化16】

で示される化合物を式(VI):
【化17】

で示される化合物と溶媒中塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合する工程を含む。別のアプローチにおいて、本発明の方法は式(VII):
【化18】

で示される化合物を式(VIII):
【化19】

で示される化合物と溶媒中で塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合する工程を含む。いずれかのアプローチにおいて、A、B、L、M、R、R、R、Q、Z、mおよびnは上記定義に従う。
【0039】
さらに別の局面において、本発明は式:
【化20】

で示される化合物の製造方法を提供する。
【0040】
1つのアプローチにおいて、本発明の方法は式(IX):
【化21】

で示される化合物を式(X):
【化22】

で示される化合物と溶媒中で塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合する工程を含む。あるいは、化合物は式(XI):
【化23】

で示される化合物を式(XII):
【化24】

で示される化合物と溶媒中で塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合することにより製造することができる。いずれかのアプローチにおいて、A、B、L、M、R、R、R、Q、Z、mおよびnは、上記定義に従う。
【0041】
上記方法のいずれかの態様において、以下の工程を含みうる。
【0042】
好ましい化合物において、AおよびBは独立して、フェニルおよびピリジルからなる群から選択され、mおよびnは独立して、0、1または2である。Rはトリアゾール、テトラゾール、オキサゾールまたはイソキサゾールであり、特に、[1,2,3]トリアゾール−1−イルである。あるいは、Rは−NHC(O)R、特に−NHC(O)CHであり得る。
【0043】
種々の態様において、化合物(II)、(VI)または(X)は、以下:
【化25】

[式中、R、R、Zおよびnは上記定義に従う]
から選択される式を有しうる。
【0044】
さらに、化合物(I)、(V)または(IX)は、以下:
【化26】

[式中、L、M、Q、Rおよびmは上記定義に従う]
から選択される式を有し得る。
【0045】
他の態様において、化合物(IV)、(VIII)または(XII)は、以下:
【化27】

[式中、R、R、Qおよびnは上記定義に従う]
から選択される式を有し得る。
【0046】
さらに、化合物(III)、(VII)または(XI)は、以下:
【化28】

[式中、L、M、R、Zおよびmは上記定義に従う]
で示される式の1つである。
【0047】
これら態様のいずれかにおいて、M−LはM−CH−X−CH−であり得る。ある態様において、Xは−NR−[式中、Rは、例えば、Hまたはアミン保護基であり得る]。適当なアミン保護基の例としては、ベンジル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチジルジフェニルシリル、t−ブチルオキシカルボニル、p−メトキシベンジル、メトキシメチル、トシル、トリフルオロアセチル、トリメチルシリル、フルオレニル−メチルオキシカルボニル、2−トリメチルシリル−エトキシカルボニル(ethyoxycarbonyl)、1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルが挙げられる。Rがアミン保護基である態様において、本発明の方法はアミン保護基を除去する工程を含む。
【0048】
別の態様において、M−LはM−S−L−NR−Lであり、LおよびLはC1−6アルキルである。具体的には、M−LはM−S−CHCH−NH−CH−であり得る。さらに他の態様において、、LはC1−6アルキル、特に−CH−である。
【0049】
上記態様において、Mは5−6員の飽和、不飽和または芳香族の、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む複素環であり得る。適当なヘテロ環の例としては、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾールおよびイソキサゾールが挙げられ、特にイソキサゾール−4−イル、[1,2,3]トリアゾール−1−イル、および[1,2,3]トリアゾール−4−イルが挙げられる。
【0050】
あるいは、M−Lは、M−X−CH−であり得る。幾つかの態様において、Xは−NR−であり、ここでRは、例えば、Hまたは上記アミン保護基であり得る。Rがアミン保護基である態様において、本発明の方法はアミン保護基を除去する工程を含みうる。他の態様において、M−Lは式:
【化29】

で示されるか、またはより具体的には、式:
【化30】

で示される。
【0051】
上記態様において、Mはハロゲン化されたC1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニル基であり得、これらは場合により、上記のように1以上のR基で置換されている。あるいは、Mは−CN基であり得る。特定の態様において、MはF、Cl、BrおよびIからなる群から選択される1以上の原子で置換されているC1−6アルキルであり、例えば、−CHCHCHFである。また、Mは1以上の−CN基で置換されているC1−6アルキル、例えば、−CHCHCNであり得る。適当なM基の他の例としては、−CHCH(OH)CHFおよび−CHC(O)NHが挙げられるが、これらに限定しない。
【0052】
別の態様において、MはC1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり、ここで1以上の炭素がS(O)で置換されており、残りの炭素の1以上は場合により1以上のR基で置換されている。
【0053】
他の態様としては、Mが式:
【化31】

[式中、VはH、−NR、−ORまたは1以上のR基で置換されていてもよいC1−6アルキルであり、WはOまたはSであり、LおよびLは上記定義に従う]
で示される化合物が挙げられる。
【0054】
Z基は、ハロゲンまたはスルホネートであり得る。適当なスルホネートの例としては、メタンスルホネート(「メシラート」)、トリフルオロメタンスルホネート(「トリフラート」)およびp−トルエンスルホネート(「トシラート」)が挙げられるが、これらに限定しない。好ましい態様において、Z基はIである。好ましいQ基としては、−B(OH)2、−BF・KFおよび式:
【化32】

が挙げられる。
【0055】
上記方法のいずれにおいても、塩基はアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属フッ化物、トリアルキルアミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。適当な塩基の例としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムフッ化物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびそれらの混合物が挙げられる。特定の態様において、塩基当量対化合物(I)、(IV)、(V)、(VIII)、(IX)または(XII)の当量の比は、約3:1である。
【0056】
触媒は、パラジウム触媒、例えば、リガンド配位パラジウム(0)触媒(例えば、テトラキス(トリアルキルホスフィン)パラジウム(0)またはテトラキス(トリアリールホスフィン)パラジウム(0)触媒)またはリガンド配位パラジウム(II)触媒であり得る。適当な触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、パラジウム(II)アセテートおよびパラジウム(II)クロリドが挙げられる。特定の態様において、触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)であり、触媒当量対化合物(I)、(IV)、(V)、(VIII)、(IX)または(XII)の当量の比は約1:20である。
【0057】
溶媒は、水性溶媒、または水および有機溶媒の混合物であり、有機溶媒はメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタノール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、1,2−ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、メチル第3級ブチルエーテル、メトキシメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランおよびそれらの混合物からなる群から選択される。特定の態様において、溶媒は、水、トルエン、およびエタノールの混合物であり、例えば、約1:3:1の容量比の混合物である。
【0058】
本発明の方法は、約20℃〜約100℃の温度で行うことができる。いくつかの態様において、本発明の方法は溶媒の還流温度で行われる。
【0059】
本発明のスズキ型カップリング反応についての他の反応条件は、例えば、Suzuki&Brown、Organic Synthesis Via Boranes第3巻:Suzuki Coupling,(Aldrich、2003)を参照して当業者により直接的に特定することができる。
【0060】
表1に、本発明の方法に従って合成することができる例示化合物を挙げる。
【0061】
表1
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【表1−11】

【表1−12】

【表1−13】

【表1−14】

【表1−15】

【表1−16】

【表1−17】

【表1−18】

【表1−19】

【0062】
表1の例示化合物は、例えば、以下の表2に列挙するアリールボロン酸およびアリールヨウ化物を用いて反応式Aに記載の方法により合成することができる。
【化33】

【0063】
表2
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【表2−6】

【0064】
あるいは、遊離アミンを有するL基を含有する化合物(例えば、表2中の*印をつけたL基を有する試薬に由来する化合物)は、対応する保護アミン(例えば、−CHN(BOC)CH−または−N(BOC)CH−)からの合成、続いてアミン脱保護により合成することができる。
【0065】
あるいは、表1の例示化合物は反応式Bに記載の方法により、例えば、以下の表3に記載のアリールボロン酸およびヨウ化アリールを用いて合成することができる。
【0066】
【化34】

【0067】
表3
【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【表3−4】

【表3−5】

【表3−6】

【0068】
上記のように、遊離アミンを有するL基を含む化合物(例えば、表3中の*印を付したL基を有する試薬に由来する化合物)は、あるいは、対応する保護アミン(例えば、−CHN(BOC)CH−または−N(BOC)CH−)の合成、続いてアミン脱保護から合成することができる。
【0069】
表2および3に記載の試薬に加えて、他のQ基を含む試薬(例えば、ボロン酸エステル、ボロン酸ハロゲン化物または有機ホウ素)および/または他のZ基を含む試薬(例えば、他のハロゲンまたはスルホネート)を用いて、本発明の方法により表1に記載の例示化合物を合成することができる。
【実施例】
【0070】
3.実施例
本発明の態様を以下の実施例に記載するが、これは本発明の範囲および性質の単なる例示であり、限定を意図しない。
【0071】
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Bruker Avance 300またはAvance 500分光計、あるいは、場合によってはGE−Nicolet 300分光計を用いて得た。通例の反応溶媒は、他に特記しない限り、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)グレードまたはアメリカン・ケミカル・ソサエティー(ACS)グレードのいずれかであり、製造業者から得た無水物である。「クロマトグラフィー」または「シリカゲルにより精製」は、他に特記しない限り、シリカゲル(EM Merck、シリカゲル60、230−400メッシュ)を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーを意味する。
【0072】
実施例1
反応式1は、アリールヨウ化物108およびアリールボロン酸120からの化合物11の合成を記載する。
【化35】

【0073】
a.アリールヨウ化物108の合成−方法A
反応式2は、3−フルオロアニリン(fluoroanaline)101からのアリールヨウ化物108の合成を記載する。
【化36】

【0074】
3−フルオロアニリン101(18.7g,168.3mmol)のテトラヒドロフラン(THF、150mL)溶液を炭酸カリウム(KCO、46.45g,336.6mmol、2.0当量)およびHO(150mL)で処理した後、クロロギ酸ベンジル(CBZCl、31.58g,185.1mmol、26.1mL,1.1当量)のTHF(50mL)溶液を反応混合物に室温でN下で滴下した。得られた反応混合物を室温で2時間攪拌した。TLCにより反応の完了を確認した後、反応混合物をHO(100mL)および酢酸エチル(EtOAc、100mL)で処理した。2層を分離し、水層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をHO(2×100mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(NaCl、100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を減圧下でさらに乾燥させて所望の(3−フルオロ−フェニル)カルバミン酸ベンジルエステル102(39.2g,収率95%)を淡黄色油状物として得た。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。
【数1】

【0075】
アミン102(39.2g,160.0mmol)の無水THF(300mL)溶液をドライアイス/アセトン浴中で−78℃に冷却した後、n−ブチルリチウム溶液(n−BuLi、2.5Mヘキサン溶液、70.4mL、176mmol、1.1当量)をN下で滴下した。続いて、得られた反応混合物を−78℃で1時間攪拌した後、(R)−(−)−グリシジルブチレート(25.37g,24.6mL,176mmol、1.1当量)の無水THF(100mL)溶液を−78℃でN下で反応混合物に滴下した。得られた反応混合物を−78℃で30分間攪拌した後、徐々に12時間かけてN下で室温まで昇温させた。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した後、反応混合物をHO(200mL)でクエンチし、得られた混合物を室温で1時間攪拌した後、EtOAc(200mL)を加えた。2層を分離し、水層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をHO(2×100mL)および飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。溶媒のほとんどを留去すると、濃縮液から白色結晶が析出した。次いで、残渣を20%EtOAc/ヘキサン(100mL)で処理し、得られたスラリーを室温で30分間攪拌した。固体をろ過により回収し、20%EtOAc/ヘキサン(2×50mL)で洗浄して所望の(5R)−(3−(3−フルオロ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン103を白色結晶として得た(24.4g,収率72.3%)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。
【数2】

【0076】
アルコール103(10.74g,50.9mmol)のトリフルオロ酢酸(TFA,50mL)溶液をN−ヨードスクシンイミド(12.03g,53.45mmol,1.05当量)を用いて25℃で処理し、2時間攪拌した。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。次いで、残渣をHO(100mL)および20%EtOAc/ヘキサン(100mL)を用いて25℃で処理し、得られた混合物を25℃で30分間攪拌した後、0〜5℃に2時間冷却した。ろ過により白色固体を回収し、HO(2×25mL)および20% EtOAc/ヘキサン(2×25mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて所望の(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−オキサゾリジン−2−オン104をオフホワイト粉末として得た(15.1g,収率88%)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。
【数3】

【0077】
ヨードアルコール104(25.2g,74.8mmol)の塩化メチレン(CHCl,150mL)溶液をトリエチルアミン(TEA,15.15g,20.9mL,150mmol,2.0当量)で25℃で処理し、得られた混合物を0−5℃まで冷却した後、メタンスルホニルクロリド(MsCl,10.28g,6.95mL,89.7mmol,1.2当量)を滴下して、0〜5℃でN下で反応混合物に導入した。続いて、得られた反応混合物を0〜5℃で1時間、N下で攪拌した。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した後、反応混合物をHO(100mL)およびCHCl(100mL)でクエンチした。2層を分離し、水層をCHCl(100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をHO(2×100mL)および飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を減圧下でさらに乾燥させて、所望の(5R)−メタンスルホン酸3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル105をオフホワイト粉末として得た(30.71g,収率98.9%)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。C1111FINOS,LCMS(EI)m/e416(M+H)。
【0078】
メシラート105(26.38g,63.57mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF,120mL)溶液を固体のフタルイミドカリウム(12.95g,70.0mmol,1.1当量)で25℃で処理し、得られた反応混合物を70℃まで2時間昇温した。TLCおよびHPLCにより反応の完了を確認した後、反応混合物を室温まで冷却した後、HO(400mL)でクエンチした。得られた混合物を室温で10分間攪拌した後、0〜5℃まで1時間冷却した。白色析出物をろ過により回収し、水(3×100mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて所望の(5R)−2−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−イソインドール−1,3−ジオン106をオフホワイトの粉末として得た(27.85g,94%)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。C1812FIN,LCMS(EI)m/e467(M+H)。
【0079】
フタルイミド106(23.3g,50.0mmol)のエタノール(EtOH,150mL)溶液をヒドラジン一水和物(12.52g,12.1mL,250mmol,5.0当量)で25℃で処理し、得られた反応混合物を還流温度まで2時間昇温させた。反応混合物を再還流すると、白色析出物が形成した。TLCおよびHPLCにより反応の完了を確認した後、反応混合物を室温まで冷却し、次いでHO(100mL)でクエンチした。次いで、水溶液をCHCl(3×200mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(2×100mL)および飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を減圧下でさらに乾燥させて所望の(5S)−5−アミノメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−オキサゾリジン−2−オン107を白色粉末として得た(16.0g,収率95.2%)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。C1010FIN,LCMS(EI)m/e337(M+H)。
【0080】
アミン107(16.0g,47.6mmol)のCHCl(150mL)中懸濁液をTEA(9.62g,13.2mL,95.2mmol,2.0当量)を用いて25℃で処理し、得られた反応混合物を0〜5℃まで冷却した後、酢酸無水物(AcO,7.29g,6.75mL,71.4mmol,1.5当量)および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP,58mg,0.5mmol,0.01当量)を用いて0〜5℃でN下で処理した。続いて、得られた反応混合物を0〜5℃で2時間攪拌した。TLCおよびHPLCにより反応の完了を確認した後、反応混合物をHO(100mL)でクエンチした。2層を分離し、水層をCHCl(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をHO(2×100mL)および飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を減圧下でさらに乾燥させて所望の(5S)−N−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセトアミド108を白色粉末として得た(17.36g,収率96.5%)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。
【数4】

【0081】
b.アリールヨウ化物108の合成−方法B
反応式3は、アルコール103からのアリールヨウ化物108の別の合成を記載する。
【化37】

【0082】
アルコール103(6.33g,30.0mmol)のCHCl(60mL)溶液をTEA(6.07g,8.36mL,60mmol,2.0当量)で25℃で処理し、得られた混合物を0〜5℃ に冷却した後、MsCl(3.78g,2.55mL,33.0mmol,1.1当量)を滴下して、0〜5℃でN下で反応混合物に導入した。続いて、得られた反応混合物を0〜5℃で1時間、N下で攪拌した。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した後、反応混合物をHO(40mL)およびCHCl(40mL)でクエンチした。2層を分離し、水層をCHCl(40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をHO(2×40mL)および飽和NaCl水溶液(40mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を減圧下でさらに乾燥させて所望の(5R)−メタンスルホン酸3−(3−フルオロ−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル109をオフホワイトの粉末として得た(7.69g,収率88.7%)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。C1112FNOS,LCMS(EI)m/e290(M+H)。
【0083】
メシラート109(2.89g,10.0mmol)の無水DMF(20mL)溶液を固体フタルイミドカリウム(2.22g,70.0mmol,1.2当量)で25℃で処理し、得られた反応混合物を70℃まで4時間昇温させた。TLCおよびHPLCにより反応の完了を確認した後、反応混合物を室温まで冷却し、次いでHO(60mL)でクエンチした。得られた混合物を室温で10分間攪拌した後、0−5℃まで1時間冷却した。白色析出物をろ過により回収し、水(2×40mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて所望の(5R)−2−[3−(3−フルオロ−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−イソインドール−1,3−ジオン110をオフホワイトの粉末として得た(3.12g,収率91.8%)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。C1813FN,LCMS(EI)m/e341(M+H)。
【0084】
フタルイミド110(3.0g,8.82mmol)のエタノール(EtOH,30mL)溶液をヒドラジン一水和物(2.20g,2.2mL,44.12mmol,5.0当量)で25℃で処理し、得られた反応混合物を還流温度まで2時間昇温させた。反応混合物を再還流すると、白色析出物が形成された。TLCおよびHPLCにより反応の完了を確認した後、反応混合物を室温まで冷却し、次いでHO(20mL)でクエンチした。次いで、水溶液をCHCl(3×40mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(2×20mL)および飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を減圧下でさらに乾燥させて所望の(5S)−5−アミノメチル−3−(3−フルオロ−フェニル)−オキサゾリジン−2−オン111を白色粉末として得た(1.79g,収率96.6%)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。C1011FN,LCMS(EI)m/e211(M+H)。
【0085】
アミン111(2.60g,12.38mmol)のCHCl(40mL)中懸濁液をTEA(2.50g,3.4mL,24.76mmol,2.0当量)で25℃で処理し、得られた反応混合物を0〜5℃まで冷却した後、酢酸無水物(AcO,1.90g,1.75mL,18.75mmol,1.5当量)およびDMAP(15mg,0.12mmol,0.01当量)を用いて0〜5℃でN下で処理した。続いて、得られた反応混合物を0〜5℃で2時間攪拌した。TLCおよびHPLCにより反応の完了を確認した後、反応混合物をHO(20mL)でクエンチした。2層を分離し、次いで水層をCHCl(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をHO(2×20mL)および飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。さらに、残渣を減圧下で乾燥させて所望の(5S)−N−[3−(3−フルオロ−4−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセトアミド112を白色粉末として得た(2.93g,収率94%)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。C1213FN,LCMS(EI)m/e253(M+H)。
【0086】
アセトアミド112(2.3g,9.1mmol)のTFA(20mL)溶液をN−ヨードスクシンイミド(2.3g,10.0mmol,1.1当量)を用いて25℃で処理し、得られた反応混合物を25℃で2時間攪拌した。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をHO(20mL)および20%EtOAc/ヘキサン(20mL)を用いて25℃で処理し、得られた混合物を25℃で30分間攪拌した後、0〜5℃まで2時間冷却した。白色固体をろ過により回収し、HO(2×20mL)および20%EtOAc/ヘキサン(2×20mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて所望の(5S)−N−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセトアミド108をオフホワイトの粉末として得た(3.34g,収率96.8%)。この生成物は方法Aから得た物質と同一であることがわかり、さらなる精製は行わずに続いての反応に直接用いた。
【0087】
c.アリールボロン酸120の合成
反応式4は、アリールボロン酸115への3種類の合成経路を記載する。
【化38】

【0088】
i.アミン113の合成
3−フルオロ−プロパン−1−オール(31.2g,400mmol)のCHCl(300mL)溶液をメタンスルホニルクロリド(55g,38mL,480mmol,1.2当量)で0℃で処理した。得られた反応混合物を徐々に室温まで昇温させ、1〜2時間攪拌した。H NMRにより反応が完了したことを確認した時点で、反応混合物をHO(100mL)で処理し、2層を分離した。水層をCHCl(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をHO(3×100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して所望のメタンスルホン酸3−フルオロ−プロピルエステルを黄色油状物として得た(57.2g,収率91%)。
【0089】
メタンスルホン酸3−フルオロ−プロピルエステル(34.5g,221mmol)の無水DMF(250mL)溶液を固体のカリウムフタルイミド(49g,265mmol,1.2当量)で25℃で処理した。得られた懸濁液を70〜80℃まで2時間昇温させた。H NMRにより反応が完了したことを確認した時点で、反応混合物をHO(200mL)で処理した。水溶液をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をHO(3×100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して所望の2−(3−フルオロ−プロピル)−イソインドール−1,3−ジオンを白色粉末として得た(45.4g,45.5g(理論値),収率99.7%)。
【0090】
2−(3−フルオロ−プロピル)−イソインドール−1,3−ジオン(45.4g,221mmol)の95%エタノール水溶液(400mL)中の懸濁溶液をヒドラジン一水和物(11.3g,11.1mL,223mmol,1.0当量)で処理した。溶液を3時間再還流した。H NMRにより反応が完了したことを確認した時点で、反応混合物を室温まで冷却し、次いで、濃HCl水溶液(250mL)でpH1〜2まで処理した。白色のフタルヒドラジド析出物をろ過により回収し、95%エタノール水溶液(4×100mL)で洗浄した。次いで、合わせたろ液を約100mLまで濃縮した後、HO(250mL)を加えた。不溶性物質をろ過により除去し、ろ液を減圧下で濃縮乾固させた。ろ液をエタノール/ジエチルエーテルから再結晶させ、減圧下で乾燥させて所望の3−フルオロ−プロピルアミン一塩酸塩113を白色結晶として得た(20.83g,収率83.8%)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。
【数5】

【0091】
ii.臭化物115の合成
方法A
アミン113(6.0g,52.8mmol,1.16当量)のDMF(200mL)溶液に、4−ブロモベンズアルデヒド(bromobenzalaldehyde)114(8.50g,45.5mmol)を室温で加えた。次いで、得られた反応混合物をトリアセトキシボロヒドリドナトリウム(NaB(OAc)H,16.10g,72.0mmol,1.6当量)を用いて室温で処理し、2時間攪拌した。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を水(100mL)でクエンチした。得られた水性混合物を固体の炭酸ナトリウム(NaCO,99.64g,91.0mmol,2.0当量)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(BOCO,12.9g,59.1mmol,1.3当量)を用いて室温で処理した。次いで、混合物を室温で1.5時間攪拌した後、水(100mL)でクエンチした。次いで、反応混合物をEtOAc(3×60mL)を用いて抽出した。合わせた有機抽出物を0.5M HCl水溶液(100mL)および水(3×100mL)を用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。次いで、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(3−4%EtOAc/ヘキサン)により精製して所望の(4−ブロモ−ベンジル)−(3−フルオロ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル115を無色油状物として得た(11.38g,収率72%)。C1521BrFNO,HPLC/MS(ESI)m/e347(M+H)。
【0092】
方法B
4−ブロモベンジルアミン塩酸塩116(2.225g,10.0mmol)および炭酸カリウム(2.07g,15.0mmol,1.5当量)のTHF(20mL)および水(5mL)中の溶液をBOCO(2.40g,11.0mmol,1.1当量)を用いて室温で処理し、12時間攪拌した。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を水(10mL)およびEtOAc(40mL)で処理した。2層を分離し、水層をEtOAc(20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×20mL)および飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。さらに、残渣を減圧下で乾燥させて所望の(4−ブロモ−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル117を無色油状物として得た(2.60g,収率90.9%)。
【0093】
117(286mg,1.0mmol)の無水DMF(3.0mL)溶液に、水素化ナトリウム(NaH,60%油性分散物,48.0mg,1.2mmol,1.2当量)を0℃で加えた。得られた混合物を0℃で30分間攪拌した後、1−ブロモ−3−フルオロプロパン118(170mg,1.2mmol,1.2当量)を加えた。続いて、反応混合物を50〜60℃まで昇温させ、24時間攪拌した。次いで、反応混合物を水(10mL)でクエンチし、得られた水溶液をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(10mL)および飽和NaCl水溶液(10mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(10−15%EtOAc/ヘキサンの勾配溶離)により精製して所望の(4−ブロモ−ベンジル)−(3−フルオロ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル115を無色油状物として得た(158mg,収率46%)。
【0094】
方法C
4−ブロモベンジルブロミド119(0.30g,1.20mmol)およびアミン113(0.272g,2.40mmol,2.0当量)の無水DMF(8.0mL)溶液をジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基,2.0mL)で室温で処理した。得られた反応混合物を60℃まで24時間昇温させた。TLCおよびHPLCにより反応の完了を確認した後、反応混合物を25℃まで冷却し、次いで水(8.0mL)で処理した。次いで、得られた水溶液を固体の重炭酸ナトリウム(NaHCO,0.30g,3.60mmol,3.0当量)およびBOCO(0.524g,2.40mmol,2.0当量)を用いて25℃で処理し、24時間攪拌した。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を水(20mL)およびEtOAc(20mL)で処理した。2層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をHO(4×10mL)および飽和NaCl(10mL)水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(3% EtOAc/ヘキサン)により精製して所望の(4−ブロモ−ベンジル)−(3−フルオロ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル115を無色油状物として得た(0.24g,収率57.8%)。
【0095】
iii.ボロン酸120の合成
臭化物115(3.0g,8.7mmol)の無水THF(30mL)中溶液に、78℃で2.5M n−BuLiのヘキサン溶液(3.64mL,9.1mmol,1.05当量)を加えた。得られた反応混合物を−78℃で1時間攪拌した後、ホウ酸トリメチル(B(OMe),1.2mL,10.4mmol,1.2当量)を滴下した。得られた反応混合物を−78℃で0.5時間攪拌した後、一晩、徐々に室温まで昇温させた。反応混合物を水(60mL)に注ぎ、水溶液を1.0N HCl水溶液でpH4.0まで処理した。水性混合物をEtOAc(4×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaCl水溶液(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して所望の4−(N−tert−ブチルカルボニル−3−フルオロプロピルアミノメチル)フェニルボロン酸120を得た(2.5g)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。C1523BFNO,HPLC/MS(ESI)m/e312(M+H)。
【0096】
d.化合物11の合成
反応式5は、アリールヨウ化物108およびアリールボロン酸120からの化合物11の合成を示す。
【化39】

【0097】
アリールボロン酸120(2.50g,8.03mmol)のトルエン(24mL)、EtOH(8mL)および水(8mL)の混合物中懸濁液をアリールヨウ化物108(2.53g,6.7mmol,0.83当量)および固体KCO(2.80g,20.1mmol,3.0当量)を用いて室温で処理した。得られた反応混合物を、アルゴン気流下で3回脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh,387mg,0.335mmol,0.05当量)を添加した。得られた反応混合物をアルゴン気流下で3回脱気した後、還流温度まで8時間昇温した。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を室温まで冷却した後、水(60mL)およびEtOAc(60mL)に注いだ。2層を分離し、有機相を水(30mL)および飽和NaCl水溶液(2×30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。次いで、生成物をEtOAc/ヘキサンから再結晶させ、減圧下で乾燥させて所望の(5S)−{4’−[5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル}−(3−フルオロ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル121をオフホワイトの粉末として得た(1.3g,30%)。
【0098】
BOC−アミン121(15.65g,30.3mmol)のCHCl(30mL)溶液を4N塩化水素の1,4−ジオキサン(37.5mL,150.0mmol,5.0当量)溶液を用いて室温で処理し、12時間攪拌した。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した時点で、溶媒を減圧下で除去した。残渣をアセトニトリル(CHCN,200mL)およびメタノール(MeOH,50mL)の混合物中に懸濁し、得られたスラリーを室温で1時間攪拌した。固体をろ過により回収し、20%MeOH/CHCN(2×50mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて所望の(5S)−N−(3−{2−フルオロ−4’−[(3−フルオロ−プロピルアミノ)−メチル]−ビフェニル−4−イル}−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル)−アセトアミド一塩酸塩11を白色結晶として得た(13.0g,収率95.3%)。
【数6】

【0099】
実施例2
反応式6は、アリールボロン酸120の別の合成方法を示し、この化合物をアリールヨウ化物108にカップリングさせて化合物11を得る。
【化40】

【0100】
4−ホルミルフェニルボロン酸122(10.0g,66.69mmol)の無水DMF(150mL)溶液を3−フルオロプロピルアミン塩酸塩113(8.70g,76.70mmol,1.15当量(上記実施例1に記載するように製造))を用いて室温で処理した。得られた混合物をNaB(OAc)H(28.30g,133.39mmol,2.0当量)を用いて室温で処理し、3時間攪拌した。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を水(150mL)、固体NaCO(14.14g,133.39mmol,2.0当量)およびBOCO(22.05g,100.04mmol,1.5当量)で処理した。得られた反応混合物を室温で3時間攪拌した。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を水(500mL)およびEtOAc(500mL)に注いだ。2層を分離し、水層を2N HCl水溶液(130mL)でpH4に処理した。次いで、水層をEtOAc(160mL)で抽出し、合わせた有機層を水(2×100mL)および飽和NaCl水溶液(2×100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。さらに、残渣を減圧下で乾燥させ、所望の4−(N−tert−ブチルカルボニル−3−フルオロプロピルアミノメチル)フェニルボロン酸120(25.0g)を淡黄色油状物として得た。この生成物は上記実施例1から得た物質と同一でありことがわかり、さらに精製することなく次の反応に直接用いた。
【0101】
アリールボロン酸120(25.0g,64.30mmol,1.45当量)のトルエン(120mL)、EtOH(40mL)および水(40mL)の混合物中の懸濁液を(5S)−N−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセトアミド108(16.80g,44.44mmol(上記実施例1に記載するように製造した))および固体のKCO(18.40g,133.4mmol,3.0当量)を用いて室温で処理した。得られた反応混合物をアルゴン気流下で3回脱気した後、Pd(PPh(2.57g,2.23mmol,0.05当量)を用いて処理した。得られた反応混合物をアルゴン気流下で3回脱気した後、還流温度まで8時間昇温させた。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を室温まで冷却した後、水(300mL)および酢酸エチル(EtOAc,300mL)に注いだ。2層を分離し、有機相を水(60mL)および飽和NaCl水溶液(2×50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。生成物をEtOAc/ヘキサンから再結晶させ、減圧下で乾燥させて所望の(5S)−{4’−[5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル}−(3−フルオロ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル121をオフホワイトの粉末として得た(21.2g,3工程での収率61.5%)。
【0102】
続いて、BOC−保護アミン121を、実施例1に記載するように1,4−ジオキサン中4N塩化水素で処理して化合物11を得た。この方法から得た生成物は、NMRおよびLCMSによると、実施例1で得た物質と同一であった。
【0103】
実施例3
反応式7は、アリール臭化物115およびアリールボロン酸エステル123からの化合物11の合成を記載する。
【化41】

【0104】
ボロン酸エステル123の合成
(5S)−N−[3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル]−アセトアミド108(20.0g,52.8mmol(上記実施例1に記載の通りに製造した))の無水1,4−ジオキサン(130mL)中懸濁液を4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(10.2g,11.6mL,80.0mmol,1.5当量)およびトリエチルアミン(16.0g,22.4mL,158.4mmol,3.0当量)を用いて室温で処理した。得られた反応混合物をアルゴン気流下で3回脱気した後、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン]パラジウム(II)(Pd(dppf)Cl,1.32g,1.6mmol,0.03当量)で室温で処理した。得られた反応混合物をアルゴン気流下で3回脱気した後、7時間、還流するまで昇温させた。HPLC/MSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を室温まで冷却し、次いで水(100mL)および酢酸エチル(100mL)で処理した。2層を分離し、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×50mL)および飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留した茶色の油状物を減圧下でさらに乾燥させて所望の(5S)−N−{3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル}アセトアミド123を茶色の固体として得た(18.8g,94%)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。C1824BFN,HPLC/MS(ESI)m/e379(M+H)。
【0105】
化合物11の合成
ボロン酸エステル123(1.40g,3.7mmol,1.3当量)および(4−ブロモ−ベンジル)−(3−フルオロ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル115(1.0g,2.89mmol(上記実施例1に記載の通りに製造した))の1,4−ジオキサン(21mL)、EtOH(7.0mL)およびHO(7.0mL)の混合物中溶液を固体の炭酸カリウム(1.2g,8.7mmol,3.0当量)を用いて室温で処理した。得られた反応混合物をアルゴン気流下で3回脱気した後、Pd(dppf)Cl(118mg,0.144mmol,0.05当量)を用いて室温で処理した。反応混合物をアルゴン気流下で3回脱気した後、還流温度まで2時間昇温させた。TLCおよびHPLC/MSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を室温まで冷却し、次いで水(60mL)で処理した。次いで、水溶液をCHCl(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を水(2×20mL)および飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜5%MeOH−CHCl勾配溶離液)により精製して所望の(5S)−{4’−[5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル}−(3−フルオロ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル121を無色油状物として得た(1.36g,収率91%)。これは減圧下、室温で静置すると固化した。
【0106】
次いで、BOC−保護アミン121を1,4−ジオキサン中4N水素化塩素中で実施例1に記載の通りに処理し、化合物11を得た。本方法から得た生成物は、NMRおよびLCMSによると実施例1で得た物質と同一であった。
【0107】
実施例4−化合物63の合成
反応式8はアミド63の合成を例示する。2,5−ジブロモピリジン124を活性型ピリジルエステル125に変換し、次いでヒスタミン126を用いて処理してアミド127を得た。127およびボロン酸エステル123のスズキカップリングにより、最終目標アミド63を得た。
【化42】

アルゴン雰囲気下、トリエチルアミン(0.31mL,2.25mmol)を、2,5−ジブロモピリジン124(355mg,1.5mmol)、パラジウムアセテート(16.8mg,0.075mmol)、キサンフォス(Xantphos)(4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン,43.4mg,0.075mmol)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(241.5mg,2.1mmol)のDMSO(2mL)中混合物に加えた。溶液を一酸化炭素で15分間パージし、一酸化炭素バルーン下で80℃で16時間攪拌した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液および水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、留去して粗生成物を得た。ヘキサン:アセトン(3:1)を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、エステル125を得た(75mg;17%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.85(m,1H),8.06(m,2H),2.90(s,4H)。
【0108】
活性エステル125(350mg,1.17mmol)、ヒスタミン二塩酸塩126(216mg,1.17mmol)およびトリエチルアミン(EtN,0.33mL,2.34mmol)のCHCl(5mL)中混合物を室温で1時間攪拌した。反応系をブラインで洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィー(15:1:0.05/CHCl:MeOH:NH・HO)により精製して127を得た(280mg,81%)。LCMS(ESI)m/z295(M+H)
【0109】
アルゴン雰囲気下で、アミド127(230mg,0.78mmol)、ボロン酸エステル123(295mg,0.78mmol)、PdCl(dppf)(19mg,0.023mmol)およびKCO(323mg,2.34mmol)の混合物を、ジオキサン:EtOH:HO(3:1:1)の混合物(5mL)中で100℃で12時間加熱した。反応系を濃縮し、残渣をMeOH(2mL)およびCHCl(10mL)に溶解した。ろ過により無機塩を除去した。ろ液を濃縮し、クロマトグラフィー(15:1:0.05/CHCl:MeOH:NH・HO)により精製してアミド63を得た(106mg,29%)。LCMS(ESI)m/z467(M+H)
【0110】
実施例5−化合物64および65の合成
反応式9はアミド64および65の合成を例示する。アリールブロミド128および129をボロン酸エステル123にカップリングして、それぞれ、64および65を得る。
【化43】

【0111】
化合物64の合成
4−ブロモベンゾイルクロリド(110mg,0.5mmol)、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル−メチルアミン塩酸塩(68mg,0.5mmol)、DMF(1滴)およびEtN(0.33mL,2.34mmol)のCHCl(5mL)中混合物を室温で4時間攪拌した。反応系をブラインで洗浄し、減圧下で乾燥させて粗アミド128を得た。得られたアミド128をボロン酸エステル123(189mg,0.5mmol)、Pd(dppf)Cl(20mg,0.025mmol)およびKCO(207mg,1.5mmol)の混合物にジオキサン:EtOH:HO(3:1:1)の混合物(5mL)中でアルゴン気流下で加えた。100℃で12時間加熱した後、反応系を水およびMeOHで希釈し、次いでセライトを通してろ過した。ろ液を濃縮して有機溶媒を除去した。粗生成物をろ過により回収し、さらに、クロマトグラフィー(25:1:0.05/CHCl:MeOH:NH・HO)により精製して化合物246を得た(45mg;32%(2工程))。LCMS(ESI)m/z452(M−H)
【0112】
化合物65の合成
4−ブロモベンゾイルクロリド(29mg,0.132mmol)、1,2,4−チアジアゾール−3−イル−メチルアミン塩酸塩(20mg,0.132mmol)、DMF(1滴)およびEtN(27mg,0.264mmol)のTHF(4mL)中混合物を室温で2時間攪拌した。反応系を濃縮し、CHClに溶解し、ブラインで洗浄し、減圧下で乾燥させて粗アミド129を得た。得られたアミド129をボロン酸エステル123(50mg,0.132mmol)、PdCl(dppf)(6mg,0.0066mmol)およびKCO(55mg,0.396mmol)の混合物にジオキサン:EtOH:HO(3:1:1,2mL)中でアルゴン雰囲気下で添加した。100℃で12時間加熱した後、反応系を濃縮し、EtOAcに溶解し、ブラインで洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(25:1:0.05/CHCl:MeOH:NH・HO)で精製して化合物65を得た(30mg,48%(2工程))。LCMS(ESI)m/z470(M+H)
【0113】
実施例6−化合物66の合成
【化44】

Boc−グリシン130(1.04g,5.88mmol)および4−ブロモベンジルエチルアミン131(1.00g,4.90mmol)のCHCl(25mL)溶液に室温でヒューニッヒ塩基(1.30mL,7.35mmol)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌した。混合物を水(40mL)および飽和NaHCO(3mL)に注いだ後、CHCl(60mL)で抽出し、水(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(50/50/0.1 EtOAc/ヘキサン/NHOH)で単離してアミド132を白色結晶固体として得た(1.30g,収率69%)。
【数7】

【0114】
アミド132(143mg,0.40mmol)およびボロン酸エステル123(168mg,0.4mmol)、Pd(dppf)Cl(16mg,0.02mmol)およびKCO(221mg,1.60mmol)のジオキサン(3mL)、EtOH(1mL)およびHO(1mL)中混合物をアルゴンで脱気した。混合物を90〜95℃で3時間攪拌した後、水(10mL)を加えた。混合物をCHCl(4×30mL)で抽出し、NaSOで乾燥させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(5:100:0.1 MeOH/CHCl/NHOH)により精製してBoc−保護生成物を得た(200mg,収率100%)。Boc−保護生成物(200mg)をCHCl(2mL)およびTFA(2mL)中に採取し、混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(15:85:0.1 MeOH/CHCl/NHOH)で精製して化合物66を得た(168mg,収率99%)。
【数8】

【0115】
実施例7−化合物67の合成
反応式11は化合物67の合成を例示する。
【化45】

2−ブロモアセトアミド133(827mg,5.88mmol)および4−ブロモベンジルエチルアミン131(1.00g,4.90mmol)のMeOH(5mL)およびCHCl(5mL)中溶液に、室温でヒューニッヒ塩基(5mL)を加えた。混合物を50〜60℃で16時間攪拌した後、水(30mL)を加えた。混合物をCHCl(4×30mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去してアミド134を白色結晶固体として得た(1.27g,収率100%)。
【数9】

【0116】
アミド34(103mg,0.40mmol)およびボロン酸エステル123(168mg,0.4mmol)、Pd(dppf)Cl(16mg,0.02mmol)およびKCO(221mg,1.60mmol)の、ジオキサン(3mL)、EtOH(1mL)およびHO(1mL)中混合物をアルゴン中で脱気した。混合物を90〜95℃で3時間攪拌した後、水(10mL)を加えた。混合物をCHCl(4×30mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(7:100:0.1 MeOH/CHCl/NHOH)により精製して化合物67を得た(85mg,収率50%)。
【数10】

【0117】
実施例8−化合物68の合成
反応式12は化合物68の合成を例示する。
【化46】

【0118】
臭化物135の合成
4−ブロモメチルピリジン塩酸塩(1.59g,6.3mmol)のTHF(10mL)中懸濁液に炭酸カリウム(3.33g,24.0mmol)のHO(6mL)中溶液を0〜5℃で滴下して処理し、得られた混合物を0〜5℃で10分間攪拌した後、4−ブロモ−ベンゼンチオール(1.14g,6.0mmol)のTHF(5.0mL)中溶液を0〜5℃でN下で滴下して処理した。続いて、得られた反応混合物を0〜5℃でさらに20分攪拌した。TLCおよびLCMSにより反応の完了が確認された時点で、反応混合物を水(15mL)および酢酸エチル(25mL)で処理した。2層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×15mL)および飽和NaCl水溶液(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(5〜25%EtOAc−ヘキサン勾配溶離液)で精製して所望の4−(4−ブロモ−フェニルスルファニルメチル)ピリジンを淡黄色固体として得た(1.374g,82%)。これを次の反応に直接用いた。
【0119】
化合物68の合成
ボロン酸エステル123(200mg,0.53mmol)および臭化物135(150mg,0.53mmol)のトルエン(9mL)中溶液を固体の炭酸カリウム(220mg,1.6mmol)、エタノール(3.0mL)およびHO(3.0mL)で室温で処理し、得られた反応混合物をアルゴン気流下で3回脱気した後、Pd(dppf)Cl(16mg,0.013mmol)を用いて室温で処理した。次いで、反応混合物を再度アルゴン気流下で3回脱気した後、還流温度まで2時間昇温させた。LCMSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を室温まで冷却し、次いで水(10mL)および酢酸エチル(20mL)で処理した。2層を分離し、水層を酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×10mL)および飽和NaCl水溶液(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。次いで、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0〜5% MeOH−CHCl勾配溶離液)で精製して化合物68を黄色油状物として得た(177mg,74%)。これは減圧下室温で静置すると固化した。LCMS(ESI)m/z452(M+H)
【0120】
実施例9−化合物69の合成
反応式13は化合物69の合成を例示する。
【化47】

4−ブロモベンゼンスルホニルクロリド136(2.56g,10mmol)を4−アミノメチルピリジン137(1.08g,10mmol)およびトリエチルアミン(2mL,14.3mmol)のTHF(20mL)中溶液に0℃で添加した。0℃で1時間攪拌した後、水(50mL)を加えた。ろ過により白色固体を回収し、EtOAcで洗浄し、減圧下で乾燥させて臭化物138を得た(3.10g,収率95%)。
【0121】
臭化物138(327mg,1mmol)、ボロン酸エステル123(378mg,1mmol)、Pd(dppf)Cl(40mg,0.05mmol)およびKCO(414mg,3mmol)を、アルゴン気流下でジオキサン:EtOH:HO(3:1:1)の混合物(8mL)に溶解した。100℃で12時間加熱した後、反応混合物を冷水(20mL)に添加した。有機溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をろ過により回収した。粗生成物を活性炭で処理し、混合溶媒系中(1:2:2 MeOH/CHCl/アセトン)で再結晶させて化合物69を得た(155mg,収率31%)。MS(ESI):499.1(100%,(M+H)))。
【0122】
実施例10−化合物70の合成
反応式14は化合物70の合成を記載する。
【化48】

【0123】
エポキシド139の合成
4−ブロモスチレン(5.00g,26.8mmol)のCHCl(130mL)溶液に無水4−メチルモルホリンN−オキシド(NMO,12.90g,107.1mmol)および(1S,2S)−(+)−[1,2−(シクロヘキサノジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−サリチリデン)]マンガン(III)塩化物(ヤコブセン触媒、850mg,1.34mmol)を加えた。溶液を−78℃まで冷却した後、3−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA,7.40g,42.8mmol)を、4回に分けて、各々10分かけて添加した。混合物を−78℃で2時間攪拌した。Na水溶液(水(30mL)中10.0g)を添加して反応系をクエンチし、次いで冷却浴を取り外し、水(70mL)および1N NaOH(60mL)を添加した。水相をCHCl(3×30mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、留去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(4:100 EtO/ヘキサン)により精製してエポキシド139を得た(5.20g,収率98%)。
【0124】
化合物70の合成
エポキシド139(1mmol)のアセトニトリル(3.0mL)中懸濁液に、室温で過塩化リチウム(LiClO,1.05mmol)を加えた。清澄な溶液が形成された後、ベンジルアミン140(1.5mmol)を加えた。混合物を80℃で4.5時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(3.5:100 MeOH/CHCl)により精製して141を得た(460mg,収率50%)。LCMS(ESI)m/z307(M+H)
【0125】
141(1当量)、ボロン酸エステル123(1当量)、Pd(dppf)Cl(0.05当量)およびKCO(4当量)のジオキサン/EtOH/HO混合物(3:1:1)中懸濁液に、アルゴン気流をこの混合物に通して脱気した。混合物を80℃で3時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(3:100 MeOH/CHCl)により精製してアミン142を得た(690mg,収率96%)。LCMS(ESI)m/z439(M+H)
【0126】
アミン142(80mg,0.168mmol)、3−フルオロ−1−ブロモプロパン(47mg,0.335mmol)およびヒューニッヒ塩基(117μL,0.670mmol)のDMF(1.5mL)中混合物を55〜60℃で15時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2:100 MeOH/CHCl)で精製してアルキル化産物を得た(87mg,収率96%)。LCMS(ESI)m/z538(M+H)
【0127】
アルキル化産物(80mg,0.149mmol)のEtOH(1.5mL)中溶液に、室温で3N HCl水溶液(120μL,0.360mmol)を加え、続けて10%Pd−C(15mg)を加えた。混合物をH(1atm.)雰囲気中で18時間攪拌した。混合物をセライトのパッドに通し、ケークをMeOH(3×10mL)で洗浄した。ろ液を留去して化合物70のHCl塩を得た(57mg,収率79%)。LCMS(ESI)m/z448(M+H)
【0128】
実施例11−化合物71および72の合成
反応式15は化合物71および72の合成を例示する。ヒドロキシアミジン143を臭化物144に変換し、続いてこれをボロン酸エステル123にカップリングして化合物71を得た。ヒドロキシアミジン143をオキサジアゾール145に変換し、これをボロン酸エステル123にカップリングして化合物72を得た。
【化49】

【0129】
ヒドロキシアミジン143の合成
4−ブロモフェニルアセトニトリル(10g,54mmol)のメタノール(100mL)中溶液を重炭酸ナトリウム(2.2g,57mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(4.0g,57mmol)で処理し、1.5時間還流した。追加の重炭酸ナトリウム(0.21g,5.4mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(0.38g,5.4mmol)を添加し、反応混合物を12時間還流した。反応混合物を23℃まで冷却し、溶媒を減圧下で除去してヒドロキシアミジン143を青色粉末として得た(4.0g,34%)。
【0130】
化合物71の合成
ヒドロキシアミジン143(0.20g,0.91mmol)の1,4−ジオキサン(1mL)中溶液を1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.18g,1.1mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU,0.15mL,0.97mmol)で処理し、105℃で1時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。水層をpHが2になるまで1.0M HCl(水溶液)で処理し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ(NaSO)、溶媒を減圧下で除去して臭化物144を黄色粉末として得た(0.11g,49%)。
【0131】
ボロン酸エステル123(0.085g,0.220mmol)、臭化物144(0.055g,0.220mmol)および炭酸カリウム(0.12g,0.90mmol)のジオキサン(1.4mL)、エタノール(0.46mL)および水(0.46mL)中溶液を脱気し、Pd(dppf)Cl(6.0mg,6.7μmol)で処理し、再度脱気し、80℃で1.5時間加熱した。反応混合物をCHClおよび水で希釈し、水層中の析出物を減圧ろ過で回収して化合物71を灰色粉末として得た(0.034g,36%)。LCMS(ESI)m/z427(M+H)
【0132】
化合物71の合成
ヒドロキシアミジン143(0.25g,1.1mmol)のピリジン(5mL)溶液を0℃まで冷却し、酢酸無水物(0.11mL,1.1mmol)のピリジン(5mL)溶液で処理した後、120℃で1.5時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1M HCl水溶液および飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で留去した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、臭化物145を透明フィルムとして得た(0.10g,36%)。
【0133】
ボロン酸エステル123(0.15g,0.40mmol)、臭化物145(0.10g,0.40mmol)および炭酸カリウム(0.22g,1.6mmol)のジオキサン(2.5mL)、エタノール(0.83mL)および水(0.83mL)中溶液を脱気し、Pd(dppf)Cl(10.0mg,0.012mmol)で処理し、再度脱気し、80℃で2時間攪拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄した。水層を2×CHClで抽出し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を減圧下で留去した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーおよび分取TLCにより精製して化合物72を白色粉末として得た(0.054g,32%)。LCMS (ESI) m/z 425(M+H)
【0134】
実施例12−化合物73および74の合成
反応式16は化合物73および74の合成を例示する。ブロモケトン146をチオウレア147および148を用いてのアルキル化に供して、それぞれ、チアゾール149および150を得た。149および150をボロン酸エステル123とカップリングすることにより、チアゾール73および74を得た。
【化50】

【0135】
化合物73の合成
ブロモケトン146(0.29g,1.0mmol)をジオキサン(10mL)に溶解した。チオウレア147(0.19g,1.2mmol)および炭酸カリウム(0.28g,2mmol)を順次添加し、得られたスラリーを50℃で4時間攪拌した。混合物を室温まで冷却し、CHCl(100mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液およびブラインで洗浄した。水性洗浄物をCHCl(2×50mL)で逆抽出した。合わせた有機抽出物をKCOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して臭化物149を黄色固体として得た(0.32g)。さらなる精製は行わずにこの生成物を次の反応に直接用いた。LCMS(ESI)m/z353(M+H)
【0136】
粗臭化物149(0.20g,0.56mmol)、ボロン酸エステル123(0.25g,0.66mmol)およびKCO(0.14g,1.0mmol)をトルエン、エタノールおよび水(1:1:1、各2mL)の混合物と合わせた。反応混合物を高減圧に付すこと、および乾燥アルゴンを流すことを交互に行って、スラリーを脱気した。次いで、反応容器をシールし、80℃の油浴中で14時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、CHCl/MeOH(9:1)で希釈し、水およびブライン(各50mL)で洗浄した。水性洗浄物をCHCl/MeOH(9:1、50mL)で1回逆抽出した。合わせた有機抽出物をKCOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して茶色の固体を得た(0.48g)。固体をフラッシュクロマトグラフィー(アセトン/ヘキサン、7:3)により精製して化合物73をオフホワイトの固体として得た(0.17g,0.32mmol)。LCMS(ESI)m/z525(M+H)
【0137】
化合物74の合成
化合物74を、チオウレア148を147の代わりに用いて、化合物73に関して上に記載した方法に従って合成した。臭化物150およびボロン酸エステル123のカップリング反応により化合物74を白色固体として得た(0.12g,0.21mmol)。LCMS(ESI)m/z561(M+H)
【0138】
実施例13−化合物75の合成
反応式17は化合物75の合成を記載する。D−p−ヒドロキシフェニル−グリシン151をトリフラート154に変換し、続いて、これをボロン酸エステル123にカップリングしてアルコール155を得た。155のメシル化、続いてイミダゾールのアニオンでの置換、およびBOC基の脱保護により、化合物75を得た。
【化51】

【0139】
D−p−ヒドロキシフェニルグリシン151(23.8g,142.3mmol)および炭酸カリウム(39.3g,284.6mmol)のTHF(200mL)およびHO(200mL)中溶液をBOCO(34.14g,156.6mmol)を用いて25℃で処理し、得られた反応混合物を25℃で2時間攪拌した。TLCおよびLCMSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を酢酸エチル(200mL)およびHO(200mL)で処理した。2層を分離し、水溶液を酢酸エチル(200mL)で抽出した。次いで、水層を2N HCl水溶液でpH4まで酸性にした後、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。次いで、合わせた有機抽出物を水(2×100mL)および飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留白色固体をさらに減圧下で乾燥させて所望の粗酸を得た(36.5g,96%)。これは続いての反応に適した純度であった。
【0140】
酸152(4.005g,15mmol)の無水THF(20mL)中溶液をTHF中1M BH−THF(30mL,30mmol)を0〜5℃で滴下して処理し、得られた反応混合物を0〜5℃でさらに2時間攪拌した。TLCおよびLCMSにより還元反応の完了を確認した後、反応混合物を水(50mL)および酢酸エチル(50mL)で処理した。次いで、混合物を25℃で30分間攪拌した後、分離し、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。次いで、合わせた有機抽出物を水(2×20mL)および飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。次いで、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜5% MeOH−CHCl勾配溶離液)により直接精製して所望のアルコール153を白色粉末として得た(2.50g,66%)。これは続いての反応での使用に適した純度であった。
【0141】
アルコール153(670mg,2.65mmol)のCHCl(10mL)中懸濁液をN−フェニルトリフルオロメタンスルホンアミド(947mg,2.65mmol)およびトリエチルアミン(535.3mg,0.74mL,5.3mmol)を用いて25℃で処理し、得られた反応混合物を25℃でさらに2時間攪拌した。TLCおよびLCMSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を水(10mL)およびCHCl(20mL)でクエンチした。次いで、2層を分離し、水層をCHCl(2×20mL)で抽出した。次いで、合わせた有機抽出物を水(2×10mL)および飽和NaCl水溶液(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。次いで、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0〜5% MeOH−CHCl勾配溶離液)により直接精製してトリフラート154を白色粉末として得た(945mg,93%)。これは続いての反応での使用に適した純度であった。
【0142】
ボロン酸エステル123(2.162g,5.72mmol)およびトリフラート154(1.70g,4.4mmol)のトルエン(24mL)溶液を固体の炭酸カリウム(1.82g,13.2mmol)、エタノール(8.0mL)およびHO(8.0mL)を用いて室温で処理し、得られた反応混合物をアルゴン気流下で3回脱気した後、Pd(dppf)Cl(184mg,0.22mmol)を用いて室温で処理した。次いで、反応混合物をアルゴン気流下で3回脱気した後、還流温度まで2時間昇温させた。TLCおよびLCMSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を室温まで冷却し、次いで水(20mL)および酢酸エチル(20mL)を用いて処理した。2層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×20mL)および飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。次いで、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜5% MeOH−CHCl勾配溶離液)により精製して(1−{4’−[5−(アセチルアミノ−メチル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル]−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イル}−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル155を黄色油状物として得た(1.543g,72%)。これは減圧下室温で静置すると固化した。
【0143】
アルコール155(694mg,1.43mmol)の無水CHCl(10mL)中懸濁液をジイソプロピルエチルアミン(388mg,0.522mL,2.85mmol)およびメタンスルホニルクロリド(196mg,0.132mL,1.71mmol)を用いて0〜5℃で処理し、得られた反応混合物を0〜5℃でさらに2時間攪拌した。TLCおよびLCMSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を水(10mL)でクエンチした。2層を分離し、水層をCHCl(2×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×10mL)および飽和NaCl水溶液(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。次いで、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜5% MeOH−CHCl勾配溶離液)により精製してメシラート156を淡黄色固体として得た(647mg,80%)。これは続いての反応での使用に適した純度であった。
【0144】
イミダゾール(41mg,0.6mmol)の無水THF(3mL)中溶液を水素化ナトリウム(NaH,60%油中分散液,29mg,0.72mmol)を用いて0℃で処理し、得られた混合物を0〜5℃で30分間攪拌した後、メシラート156(170mg,0.3mmol)の無水DMF(3.0mL)溶液を加えた。次いで、得られた反応混合物を0〜5℃で30分間攪拌後、12時間の間、室温まで徐々に昇温させた。TLCおよびLCMSにより反応の完了を確認した時点で、溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜5% MeOH−CHCl勾配溶離液)により直接精製してイミダゾール157を黄色固体として得た(46mg,29%)。
【0145】
イミダゾール157(23mg,0.043mmol)のMeOH(1.0mL)溶液を1,4−ジオキサン(3.0mL)中4N HClで処理し、得られた反応混合物を室温で30分間攪拌した。TLCおよびLCMSにより反応の完了を確認した時点で、溶媒を減圧下で除去し、所望のN−{3−[4’−(1−アミノ−2−イミダゾール−1−イル−エチル)−2−フルオロ−ビフェニル−4−イル]−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチル}アセトアミド塩酸塩75を黄色固体として得た(18.8mg,100%)。LCMS(ESI)m/z438(M+H)
【0146】
実施例14−化合物76の合成
反応式18は化合物76の合成を記載する。ヨウ化物158をボロン酸エステル159に変換し、これを臭化物160にカップリングしてテトラゾール161を得た。161の脱保護により、化合物76を得た。
【化52】

【0147】
ボロン酸エステル160の合成
公知の5−アミノメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−オキサゾリジン−2−オン(2.02g,6.0mmol;米国特許第5,523,403号および同第5,565,571号)および炭酸カリウム(1.66g,12.0mmol)のTHF(20mL)およびHO(20mL)中溶液をBOCO(1.334g,6.12mmol)で25℃で処理し、得られた反応混合物を25℃で2時間攪拌した。TLCおよびLCMSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を酢酸エチル(20mL)およびHO(20mL)で処理した。2層を分離し、水溶液を酢酸エチル(20mL)で抽出し、次いで、合わせた有機抽出物を水(2×10mL)および飽和NaCl水溶液(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留した白色固体をさらに減圧下で乾燥させて所望の粗ヨウ化物158を得た(2.40g,92%)。これは続いての反応での使用に適した純度であった。
【0148】
ヨウ化物158(1.11g,2.55mmol)の1,4−ジオキサン(25mL)中溶液を4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン159(489mg,0.56mL,3.82mmol)およびトリエチルアミン(772mg,1.07mL,7.65mmol)を用いて室温で処理し、得られた反応混合物をアルゴン気流下で3回脱気した後、Pd(dppf)Cl(107mg,0.13mmol)を用いて室温で処理した。次いで、反応混合物をアルゴン気流下で再度3回脱気した後、還流温度まで6時間昇温させた。TLCおよびLCMSにより反応の完了を確認した時点で、反応混合物を室温まで冷却した後、水(20mL)および酢酸エチル(20mL)で処理した。2層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×20mL)および飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。次いで、残留した茶色の油状物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜30% EtOAc−ヘキサン勾配溶離液)により精製してボロン酸エステル160を茶色油状物として得た(646mg,58%)。これは、減圧下、室温で静置すると固化した。生成物は続いての反応に適した純度のものであった。
【0149】
臭化物161の合成
4−ブロモベンジルアミン塩酸塩(2.22g,10.0mmol)の酢酸(30mL)溶液をトリエチルオルトホルメート(2.964g,3.29mL,20.0mmol)およびナトリウムアジド(NaN,2.30g,20.0mmol)を用いて室温で処理し、次いで得られた反応混合物を12時間加熱還流した。TLCおよびLCMSにより反応の完了を確認した後、反応混合物を室温まで冷却し、冷却した反応混合物を氷水に注いだ(100mL)。次いで、析出物をろ過により回収し、水(2×20mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて臭化物161を白色固体として得た(460mg,19%)。これは次の反応で用いるのに適した純度であった。
【0150】
化合物76の合成
ボロン酸エステル160(658mg,1.5mmol)および臭化物161(300mg,1.25mmol)のトルエン(9.0mL)中溶液を固体の炭酸カリウム(621mg,4.5mmol)、エタノール(3.0mL)およびHO(3.0mL)を用いて室温で処理し、得られた反応混合物をアルゴン気流下で3回脱気した後、Pd(dppf)Cl(52.3mg,0.063mmol)で室温で処理した。次いで、反応混合物を再度、アルゴン気流下で3回脱気し、還流温度まで3時間昇温させた。TLCおよびLCMSにより反応の完了を確認した後、反応混合物を室温まで冷却し、次いで水(10mL)および酢酸エチル(20mL)で処理した。2層を分離し、水層を酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×5mL)および飽和NaCl水溶液(5mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。次いで、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜5% MeOH−CHCl勾配溶離液)で精製してテトラゾール162を黄色油状物として得た(357mg,61%)。これは減圧下、室温で静置すると固化した。
【0151】
テトラゾール162(350mg,0.748mmol)のEtOAc(5.0mL)溶液を1,4−ジオキサン中4N HCl(5.0mL)で処理し、得られた反応混合物を室温で30分間攪拌した。TLCおよびLCMSにより反応の完了を確認した時点で、溶媒を減圧下で除去し、残渣を重炭酸ナトリウム(10mL)およびEtOAc(15mL)で処理した。混合物を室温で30分間攪拌した後、2層を分離した。水層をEtOAc(10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をHO(10mL)および飽和NaCl水溶液(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して化合物76を淡黄色固体として得た(266mg,97%)。LCMS(ESI)m/z369(M+H)
【0152】
実施例15−化合物77〜79の合成
反応式19は、化合物77〜79の合成に必要とされるアリール臭化物163〜165の合成を記載する。エポキシド139を1−ホルミルピペラジンで処理して臭化物163および164の混合物を得た。イミダゾールを用いる139のエポキシド開環により、臭化物165を得た。これら臭化物をボロン酸エステル123とカップリングさせて標的化合物77〜79を得た。
【化53】

【0153】
臭化物163および164の合成
エポキシド139(1mmol,1当量)のアセトニトリル(3.0mL)中懸濁液に、LiClO(1.05mmol,1.05当量)を室温で加えた。清澄な溶液を形成した後、1−ホルミルピペラジン(1.5mmol,1.5当量)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(3:100 MeOH/CHCl)で精製して臭化物163(132mg)および臭化物164(42mg)を得た。
【0154】
化合物77の合成
臭化物163(1当量)、ボロン酸エステル123(1当量)、PdCl(dppf)(0.05当量)およびKCO(4当量)のジオキサン/EtOH/HO混合物(3:1:1)中懸濁液をアルゴン気流下で脱気した。混合物を80℃で3.5時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(4:100 MeOH/CHCl)により精製して化合物77を得た(150mg)。LCMS(ESI)m/z485(M+H)
【0155】
化合物78の合成
臭化物164(1当量)、ボロン酸エステル123(1当量)、PdCl(dppf)(0.05当量)およびKCO(4当量)のジオキサン/EtOH/HO混合物(3:1:1)中懸濁液をアルゴン気流で脱気した。混合物を80℃で3.5時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(5:100 MeOH/CHCl)で精製して化合物78を得た(52mg)。LCMS(ESI)m/z485(M+H)
【0156】
臭化物165の合成
エポキシド139(1mmol,1当量)のアセトニトリル(3.0mL)中懸濁液に室温でLiClO(1.05mmol,1.05当量)を添加した。清澄な溶液を形成した後、イミダゾール(1.5mmol,1.5当量)を加えた。混合物を60℃で4時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(3:100 MeOH/CHCl)により精製して臭化物(romide)165を得た(103mg)。
【0157】
化合物79の合成
臭化物165(1当量)、ボロン酸エステル123(1当量)、PdCl(dppf)(0.05当量)およびKCO(4当量)のジオキサン/EtOH/HO混合物(3:1:1)中懸濁物をアルゴン気流により脱気した。混合物を80℃で2.5時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10:100 MeOH/CHCl)により精製して化合物79を得た(155mg)。LCMS(ESI)m/z439(M+H)
【0158】
本明細書中で言及した各特許文献および科学論文の全開示を、全ての目的に関して参照して組み込む。
【0159】
本発明は、本発明の精神または本質的特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で体現することができる。従って、上記実施例は、本明細書中に記載の発明の限定というよりも、全ての点に関する例示と見なすべきである。それゆえ、本発明の範囲は上記説明よりも添付の特許請求の範囲により示されるものであり、請求の範囲の意義内での変更および等価物は全てその中に包含されると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

で示される化合物の製造方法であって、この方法は式(I):
【化2】

の化合物を式(II):
【化3】

の化合物と、塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合することを含み、
式中、Aはフェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルからなる群から選択され、
Bはフェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルからなる群から選択され、
Het−CH−Rは以下:
【化4】

からなる群から選択され、
M−Lは、
a)M−X、b)M−L、c)M−L−X、d)M−X−L、e)M−L−X−L、f)M−X−L−X−L、g)M−L−X−L−X、h)M−X−X−、i)M−L−X−X−、j)M−X−X−Lおよびk)M−L−X−X−Lからなる群から選択され、ここで、
各Xは独立して、a)−O−、b)−NR−、c)−N(O)−、d)−N(OR)−、e)−S(O)−、f)−SONR−、g)−NRSO−、h)−NRN=、i)=N−NR−、j)−O−N=、k)=N−O−、l)−N=、m)=N−、n)−NR−NR−、o)−NRC(O)O−、p)−OC(O)NR−、q)−NRC(O)NR−、r)−NRC(NR)NR−、およびs)式:
【化5】

からなる群から選択され、
はa)C1−6アルキル、b)C2−6アルケニルおよびc)C2−6アルキニルからなる群から選択され(ここで、a)〜c)はいずれも1以上のR基で置換されていてもよい)、
はa)C1−6アルキル、b)C2−6アルケニルおよびc)C2−6アルキニルからなる群から選択され(ここで、a)〜c)はいずれも1以上のR基で置換されていてもよい)、
あるいは、M−L中のLは結合であり、
Mは、a)C3−14の飽和、不飽和または芳香族の炭素環、b)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環、c)C1−6アルキル、d)C2−6アルケニル、e)C2−6アルキニル、およびf)−CNからなる群から選択され(ここで、a)〜e)はいずれも1以上のR基で置換されていてもよい)、
Qは式−BYを有するボランであって、ここで各Yは独立して、a)−OH、b)−OC1−6アルキル、c)−OC2−6アルケニル、d)−OC2−6アルキニル、e)−OC1−14の飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)C1−6アルキル、g)C2−6アルケニル、h)C2−6アルキニルおよびi)C1−14の飽和、不飽和または芳香族の炭素環からなる群から選択され(ここで、b)〜i)はいずれも1以上のハロゲンで置換されていてもよい)ているか、あるいは2個のY基が一緒になって、a)−OC(R)(R)C(R)(R)O−およびb)−OC(R)(R)CHC(R)(R)O−からなる群から選択される化学的部分を形成しているか、
あるいは、QはBFアルカリ金属塩または9−ボラビシクロ(borabicyclo[3.3.1]ノナンであり、
Zはa)I、b)Br、c)Clおよびd)ROSO−からなる群から選択され、
各Rは独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)−NR、j)−C(O)R、k)−C(O)OR、l)−OC(O)R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O)R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S)R、s)−C(S)OR、t)−OC(S)R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S)R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR)R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR)R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR)R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONRおよびjj)Rからなる群から選択され、
各Rは独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)−NR、j)−C(O) R、k)−C(O)OR、l)−OC(O) R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O) R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S) R、s)−C(S)OR、t)−OC(S) R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S) R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR) R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR) R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR) R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONR、およびjj)Rからなる群から選択され;
は、a)−OR、b)−NR、c)−C(O)R、d)−C(O)OR、e)−OC(O)R、f)−C(O)NR、g)−NRC(O)R、h)−OC(O)NR、i)−NRC(O)OR、j)−NRC(O)NR、k)−C(S)R、l)−C(S)OR、m)−OC(S)R、n)−C(S)NR、o)−NRC(S)R、p)−OC(S)NR、q)−NRC(S)OR、r)−NRC(S)NR、s)−C(NR)R、t)−C(NR)OR、u)−OC(NR)R、v)−C(NR)NR、w)−NRC(NR)R、x)−OC(NR)NR、y)−NRC(NR)OR、z)−NRC(NR)NR、aa)−S(O)、bb)−SONR、およびcc)Rからなる群から選択され;
各Rは独立して、a)H、b)−OR、c)アミン保護基、d)C1−6アルキル、e)C2−6アルケニル、f)C2−6アルキニル、g)C3−14の飽和、不飽和または芳香族炭素環、h)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する、3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環、i)−C(O)−C1−6アルキル、j)−C(O)C2−6アルケニル、k)−C(O)−C2−6アルキニル、l)−C(O)C3−14の飽和、不飽和または芳香族の炭素環、m)−C(O)−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)、n)−C(O)O−C1−6アルキル、o)−C(O)OC2−6アルケニル、p)−C(O)O−C2−6アルキニル、q)−C(O)OC3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、ならびにr)−C(O)O−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)からなる群から選択され、ここでd)〜r)はいずれも1以上のRきで置換されていてもよい;
各Rは独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR、h)=NOR、i)=N−NR、j)−CF、k)−OR、l)−CN、m)−NO、n)−NR、o)−C(O)R、p)−C(O)OR、q)−OC(O)R、r)−C(O)NR、s)−NRC(O)R、t)−OC(O)NR、u)−NRC(O)OR、v)−NRC(O)NR、w)−C(S)R、x)−C(S)OR、y)−OC(S)R、z)−C(S)NR、aa)−NRC(S)R、bb)−OC(S)NR、cc)−NRC(S)OR、dd)−NRC(S)NR、ee)−C(NR)R、ff)−C(NR)OR、gg)−OC(NR)R、hh)−C(NR)NR、ii)−NRC(NR)R、jj)−OC(NR)NR、kk)−NRC(NR)OR、ll)−NRC(NR)NR、mm)−S(O)、nn)−SONRおよびoo)Rから選択され、
各Rは独立して、a)H、b)−OR、c)アミン保護基、d)C1−6アルキル、e)C2−6アルケニル、f)C2−6アルキニル、g)C3−14の飽和、不飽和または芳香族の炭素環、h)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する、3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環、i)−C(O)−C1−6アルキル、j)−C(O)C2−6アルケニル、k)−C(O)−C2−6アルキニル、l)−C(O)C3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、m)−C(O)3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)、n)−C(O)O−C1−6アルキル、o)−C(O)OC2−6アルケニル、p)−C(O)O−C2−6アルキニル、q)−C(O)OC3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、およびr)−C(O)O−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)から選択され(ここで、d)〜r)はいずれも1以上のR基で置換されていてもよい)、
各Rは独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR、h)=NOR、i)=N−NR、j)−CF、k)−OR、l)−CN、m)−NO、n)−NR、o)−C(O)R、p)−C(O)OR、q)−OC(O)R、r)−C(O)NR、s)−NRC(O)R、t)−OC(O)NR、u)−NRC(O)OR、v)−NRC(O)NR、w)−C(S)R、x)−C(S)OR、y)−OC(S)R、z)−C(S)NR、aa)−NRC(S)R、bb)−OC(S)NR、cc)−NRC(S)OR、dd)−NRC(S)NR、ee)−C(NR)R、ff)−C(NR)OR、gg)−OC(NR)R、hh)−C(NR)NR、ii)−NRC(NR)R、jj)−OC(NR)NR、kk)−NRC(NR)OR、ll)−NRC(NR)NR、mm)−S(O)、nn)−SONR、oo)C1−6アルキル、pp)C2−6アルケニル、qq)C2−6アルキニル、rr)C3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環およびss)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する、3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環からなる群から選択され(ここで、oo)〜ss)はいずれも、R、F、Cl、Br、I、−CF、−OR、−SR、CN、−NO、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−NRC(O)R、−OC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−C(S)R、−C(S)OR、−OC(S)R、−C(S)NR、−NRC(S)R、−OC(S)NR、−NRC(S)OR、−NRC(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−OC(NR)R、−C(NR)NR、−NRC(NR)R、−OC(NR)NR、−NRC(NR)OR、−NRC(NR)NR、−SONRおよび−S(O)からなる群から選択される部分で1回以上置換されている)、
各Rは独立して、a)H、b)アミン保護基、c)C1−6アルキル、d)C2−6アルケニル、e)C2−6アルキニル、f)C3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、g)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1以上含む、3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環、h)−C(O)C1−6アルキル、i)−C(O)C2−6アルケニル、j)−C(O)−C2−6アルキニル、k)−C(O)C3−14飽和、不飽和または芳香族炭素環、l)−C(O)−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)、m)−C(O)O−C1−6アルキル、n)−C(O)O−C2−6アルケニル、o)−C(O)O−C2−6アルキニル、p)−C(O)O−C3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、およびq)C(O)O−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)から選択され(ここで、c)〜q)はいずれも、F、Cl、Br、I、−CF、OH、−OC1−6アルキル、−SH、−SC1−6アルキル、CN、−NO、−NH、−NHC1−6アルキル、−N(C1−6アルキル)、C(O)C1−6アルキル、−C(O)OC1−6アルキル、−C(O)NH、−C(O)NHC1−6アルキル、−C(O)N(C1−6アルキル)、−NHC(O)C1−6アルキル、−SONH−、SONHC1−6アルキル、−SON(C1−6アルキル)およびS(O)1−6アルキルから選択される1以上の部分で置換されていてもよい)、
はa)C1−6アルキル、b)フェニルおよびc)トルイルからなる群から選択され(ここで、a)〜c)はいずれも、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択される基で置換されていてもよい)、
mは0、1、2、3または4であり、
nは0、1、2、3または4であり、
各pは独立して、0、1または2である。
【請求項2】
式:
【化6】

で示される化合物の製造方法であって、この方法は式(I):
【化7】

の化合物を式(II):
【化8】

の化合物と溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合する工程を含む方法
[式中、A、B、L、M、R、R、R、Q、Z、mおよびnは請求項1に記載の定義に従う]。
【請求項3】
式:
【化9】

で示される化合物の製造方法であって、この方法は式(I):
【化10】

の化合物を式(II):
【化11】

の化合物と溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合する工程を含む方法
[式中、A、B、L、M、R、R、R、Q、Z、mおよびnは請求項1に記載の定義に従う]。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、
Aがフェニルおよびピリジルからなる群から選択され、
Bがフェニルおよびピリジルからなる群から選択され、
mは0、1または2であり、
nは0、1または2である、方法。
【請求項5】
が−NHC(O)Rである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
が−CHである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
がトリアゾール、テトラゾール、オキサゾールおよびイソキサゾールからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
がトリアゾールである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
が[1,2,3]トリアゾール−1−イルである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
化合物(II)が式:
【化12】

[式中、R、R、Zおよびnは請求項1に記載の定義に従う]
で示される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
化合物(II)が式:
【化13】

[式中、ZおよびRは請求項1に記載の定義に従う]
で示される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
化合物(II)が式:
【化14】

[式中、Zは請求項1に記載の定義に従う]
で示される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
化合物(II)が式:
【化15】

[式中、Zは請求項1に記載の定義に従う]
で示される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
化合物(II)が式:
【化16】

[式中、ZおよびRは請求項1に記載の定義に従う]
で示される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
化合物(II)が式:
【化17】

[式中、Zは請求項1に記載の定義に従う]
で示される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
化合物(II)が式:
【化18】

[式中、Zは請求項1に記載の定義に従う]
で示される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
化合物(I)が式:
【化19】

[式中、L、M、Q、Rおよびmは請求項1に記載の定義に従う]
で示される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
化合物(I)が式:
【化20】

[式中、L、MおよびQは請求項1に記載の定義に従う]
で示される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
化合物(I)が式:
【化21】

[式中、L、M、Q、Rおよびmは請求項1に記載の定義に従う]
で示される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
化合物(I)が式:
【化22】

[式中、L、MおよびQは請求項1に記載の定義に従う]
で示される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
化合物M−LがM−CH−X−CH−である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
Xが−NR−である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
がHである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
がアミン保護基である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
アミン保護基が、a)ベンジル、b)t−ブチルジメチルシリル、c)t−ブチジルジフェニルシリル、d)t−ブチルオキシカルボニル、e)p−メトキシベンジル、f)メトキシメチル、g)トシル、h)トリフルオロアセチル、i)トリメチルシリル、j)フルオレニル−メチルオキシカルボニル、k)2−トリメチルシリル−エトキシカルボニル、l)1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、m)アリルオキシカルボニルおよびn)ベンジルオキシカルボニルからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
アミン保護基の除去工程をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
M−LがM−S−L−NR−Lであり、
がC1−6アルキルであり、
がC1−6アルキルである、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
M−LがM−S−CHCH−NH−CH−である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
LがC1−6アルキルである、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
Lが−CH−である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
Mが5〜6員の飽和、不飽和または芳香族の、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む複素環である、請求項21〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
Mがトリアゾール、テトラゾール、オキサゾールまたはイソキサゾールから選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
Mがイソキサゾール−4−イルである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
Mが[1,2,3]トリアゾール−1−イルである、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
Mが[1,2,3]トリアゾール−4−イルである、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
M−LがM−X−CH−である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
Xが−NR−である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
がHである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
がアミン保護基である、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
アミン保護基がa)ベンジル、b)t−ブチルジメチルシリル、c)t−ブチジルジフェニルシリル、d)t−ブチルオキシカルボニル、e)p−メトキシベンジル、f)メトキシメチル、g)トシル、h)トリフルオロアセチル、i)トリメチルシリル、j)フルオレニル−メチルオキシカルボニル、k)2−トリメチルシリル−エトキシカルボニル、l)1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、m)アリルオキシカルボニルおよびn)ベンジルオキシカルボニルからなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
アミン保護基を除去する工程をさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
M−Xが式:
【化23】

で示される、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
M−Xが式:
【化24】

で示される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
Mが、a)C1−6アルキル、b)C2−6アルケニル、c)C2−6アルキニルおよびd)−CNからなる群から選択され、ここで、
i)a)〜c)はいずれも、F、Cl、Br、Iおよび−CNからなる群から選択される1種以上の部分で置換されていてもよく、
ii)a)〜c)は場合により、1個以上のR基でさらに置換されていてもよい、請求項36〜43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
MがF、Cl、BrおよびIからなる群から選択される1個以上の原子で置換されているC1−6アルキルである、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
Mが−CHCHCHFである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
Mが−CHCH(OH)CHFである、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
Mが1個以上の−CN基で置換されていてもよいC1−6アルキルである、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
Mが−CHCHCNである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
Mが−CHC(O)NHである、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
ZがI、トリフルオロメタンスルホネートおよびp−トルエンスルホネートからなる群から選択される、請求項1〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
ZがIである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
Qが−B(OH)である、請求項1〜52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
Qが、以下:
【化25】

で示される、請求項1〜52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
Qが−BF・KFである、請求項1〜52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
塩基がアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属フッ化物、トリアルキルアミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムフッ化物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
塩基が炭酸カリウムである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
塩基の当量に対しての化合物(I)の当量の比が約3:1である、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
パラジウム触媒がリガンド配位パラジウム(0)触媒である、請求項1〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
パラジウム触媒が、テトラキス(トリアルキルホスフィン)パラジウム(0)またはテトラキス(トリアリールホスフィン)パラジウム(0)触媒である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
パラジウム触媒がテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の当量に対する化合物(I)の当量の比が約1:20である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
溶媒が水性溶媒を含む、請求項1〜63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
溶媒が水および有機溶媒の混合物を含み、この有機溶媒はa)メタノール、b)エタノール、c)プロパノール、d)イソプロパノール、e)ブタノール、f)イソブタノール、g)第2級ブタノール、h)第3級ブタノール、i)ベンゼン、j)トルエン、k)テトラヒドロフラン、l)ジメチルホルムアミド、m)1,2−ジエチルエーテル、n)ジメトキシエタン、o)ジイソプロピルエーテル、p)メチル 第3級ブチルエーテル、q)メトキシメチルエーテル、r)2−メトキシエチルエーテル、s)1,4−ジオキサンおよびt)1,3−ジオキソランおよびそれらの混合物から選択される、請求項1〜63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
溶媒が水、トルエンおよびエタノールの混合物を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
溶媒が水、トルエンおよびエタノールの混合物を約1:3:1の体積比で含有する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
約20℃〜約100℃の温度で行う、請求項1〜67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
溶媒の還流温度で行う、請求項1〜67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
式:
【化26】

で示される化合物の製造方法であって、この方法は式(I):
【化27】

の化合物を式(II):
【化28】

の化合物と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合することを含み、
式中、Aはフェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルからなる群から選択され、
Bはフェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニルおよびピリダジニルからなる群から選択され、
Het−CH−Rは以下:
【化29】

からなる群から選択され、
M−Lは、a)M−X、b)M−L、c)M−L−X、d)M−X−L、e)M−L−X−L、f)M−X−L−X−L、g)M−L−X−L−X、h)M−X−X−、i)M−L−X−X−、j)M−X−X−Lおよびk)M−L−X−X−Lからなる群から選択され、ここで、
各Xは独立して、a)−O−、b)−NR−、c)−N(O)−、d)−N(OR)−、e)−S(O)−、f)SONR−、g)NRSO−、h)NRN=、i)=NNR−、j)−O−N=、k)=N−O−、l)−N=、m)=N−、n)−NR−NR−、o)−NRC(O)O−、p)−OC(O)NR−、q)−NRC(O)NR−、r)−NRC(NR)NR−、およびs)式:
【化30】

からなる群から選択され、
はa)C1−6アルキル、b)C2−6アルケニルおよびc)C2−6アルキニルからなる群から選択され(ここで、a)〜c)はいずれも1以上のR基で置換されていてもよい)、
はa)C1−6アルキル、b)C2−6アルケニルおよびc)C2−6アルキニルからなる群から選択され(ここで、a)〜c)はいずれも1以上のR基で置換されていてもよい)、
あるいは、M−L中のLは結合であり、
Mは、a)C3−14の飽和、不飽和または芳香族の炭素環、b)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環、c)C1−6アルキル、d)C2−6アルケニル、e)C2−6アルキニル、およびf)−CNからなる群から選択され(ここで、a)〜e)はいずれも1以上のR基で置換されていてもよい)、
Qは式−BYを有するボランであって、ここで各Yは独立して、a)−OH、b)−OC1−6アルキル、c)−OC2−6アルケニル、d)−OC2−6アルキニル、e)−OC1−14の飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)C1−6アルキル、g)C2−6アルケニル、h)C2−6アルキニルおよびi)C1−14の飽和、不飽和または芳香族の炭素環からなる群から選択されているか(ここで、b)〜i)はいずれも1以上のハロゲンで置換されていてもよい)、あるいは2個のY基が一緒になって、a)−OC(R)(R)C(R)(R)O−およびb)−OC(R)(R)CHC(R)(R)O−からなる群から選択される化学的部分を形成しているか、
あるいは、QはBFアルカリ金属塩または9−ボラビシクロ(borabicyclo[3.3.1]ノナンであり、
Zはa)I、b)Br、c)Clおよびd)ROSO−からなる群から選択され、
各Rは独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)NR、j)C(O)R、k)C(O)OR、l)−OC(O)R、m)C(O)NR、n)NRC(O)R、o)OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S)R、s)−C(S)OR、t)−OC(S)R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S)R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)NRC(S)NR、z)−C(NR)R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR)R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR)R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONRおよびjj)Rからなる群から選択され、
各Rは独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)−CF、f)−OR、g)−CN、h)−NO、i)−NR、j)−C(O) R、k)−C(O)OR、l)−OC(O) R、m)−C(O)NR、n)−NRC(O) R、o)−OC(O)NR、p)−NRC(O)OR、q)−NRC(O)NR、r)−C(S) R、s)−C(S)OR、t)−OC(S) R、u)−C(S)NR、v)−NRC(S) R、w)−OC(S)NR、x)−NRC(S)OR、y)−NRC(S)NR、z)−C(NR) R、aa)−C(NR)OR、bb)−OC(NR) R、cc)−C(NR)NR、dd)−NRC(NR) R、ee)−OC(NR)NR、ff)−NRC(NR)OR、gg)−NRC(NR)NR、hh)−S(O)、ii)−SONR、およびjj)Rからなる群から選択され;
は、a)−OR、b)−NR、c)−C(O)R、d)−C(O)OR、e)−OC(O)R、f)−C(O)NR、g)−NRC(O)R、h)−OC(O)NR、i)−NRC(O)OR、j)−NRC(O)NR、k)−C(S)R、l)−C(S)OR、m)−OC(S)R、n)−C(S)NR、o)−NRC(S)R、p)−OC(S)NR、q)−NRC(S)OR、r)−NRC(S)NR、s)−C(NR)R、t)−C(NR)OR、u)−OC(NR)R、v)−C(NR)NR、w)−NRC(NR)R、x)−OC(NR)NR、y)−NRC(NR)OR、z)−NRC(NR)NR、aa)−S(O)、bb)−SONR、およびcc)Rからなる群から選択され;
各Rは独立して、a)H、b)−OR、c)アミン保護基、d)C1−6アルキル、e)C2−6アルケニル、f)C2−6アルキニル、g)C3−14の飽和、不飽和または芳香族炭素環、h)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する、3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環、i)−C(O)−C1−6アルキル、j)C(O)C2−6アルケニル、k)−C(O)−C2−6アルキニル、l)−C(O)C3−14の飽和、不飽和または芳香族の炭素環、m)−C(O)−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)、n)−C(O)O−C1−6アルキル、o)−C(O)OC2−6アルケニル、p)−C(O)O−C2−6アルキニル、q)−C(O)OC3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、ならびにr)−C(O)O−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)からなる群から選択され、ここでd)〜r)はいずれも1以上のRきで置換されていてもよい;
各Rは独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR、h)=NOR、i)=N−NR、j)CF、k)−OR、l)−CN、m)−NO、n)−NR、o)−C(O)R、p)−C(O)OR、q)−OC(O)R、r)C(O)NR、s)−NRC(O)R、t)−OC(O)NR、u)−NRC(O)OR、v)−NRC(O)NR、w)−C(S)R、x)−C(S)OR、y)−OC(S)R、z)−C(S)NR、aa)−NRC(S)R、bb)−OC(S)NR、cc)−NRC(S)OR、dd)−NRC(S)NR、ee)−C(NR)R、ff)−C(NR)OR、gg)−OC(NR)R、hh)−C(NR)NR、ii)−NRC(NR)R、jj)OC(NR)NR、kk)−NRC(NR)OR、ll)−NRC(NR)NR、mm)−S(O)、nn)−SONRおよびoo)Rからなる群から選択され、
各Rは独立して、a)H、b)−OR、c)アミン保護基、d)C1−6アルキル、e)C2−6アルケニル、f)C2−6アルキニル、g)C3−14の飽和、不飽和または芳香族の炭素環、h)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する、3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環、i)−C(O)−C1−6アルキル、j)−C(O)C2−6アルケニル、k)−C(O)−C2−6アルキニル、l)−C(O)C3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、m)C(O)3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)、n)−C(O)O−C1−6アルキル、o)−C(O)OC2−6アルケニル、p)−C(O)O−C2−6アルキニル、q)−C(O)OC3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、およびr)−C(O)O−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)から選択され(ここで、d)〜r)はいずれも1以上のR基で置換されていてもよい)、
各Rは独立して、a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR、h)=NOR、i)=N−NR、j)CF、k)−OR、l)−CN、m)−NO、n)−NR、o)−C(O)R、p)−C(O)OR、q)−OC(O)R、r)−C(O)NR、s)−NRC(O)R、t)−OC(O)NR、u)−NRC(O)OR、v)−NRC(O)NR、w)−C(S)R、x)−C(S)OR、y)−OC(S)R、z)−C(S)NR、aa)−NRC(S)R、bb)−OC(S)NR、cc)−NRC(S)OR、dd)−NRC(S)NR、ee)−C(NR)R、ff)−C(NR)OR、gg)−OC(NR)R、hh)−C(NR)NR、ii)−NRC(NR)R、jj)−OC(NR)NR、kk)−NRC(NR)OR、ll)−NRC(NR)NR、mm)−S(O)、nn)−SONR、oo)C1−6アルキル、pp)C2−6アルケニル、qq)C2−6アルキニル、rr)C3〜14飽和、不飽和または芳香族の炭素環およびss)3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環からなる群から選択され(ここで、oo)〜ss)はいずれも、R、F、Cl、Br、I、−CF、−OR、−SR、−CN、−NO、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)NR、−NRC(O)R、−OC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−C(S)R、−C(S)OR、−OC(S)R、−C(S)NR、−NRC(S)R、−OC(S)NR、−NRC(S)OR、−NRC(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−OC(NR)R、−C(NR)NR、−NRC(NR)R、−OC(NR)NR、−NRC(NR)OR、−NRC(NR)NR、−SONRおよび−S(O)からなる群から選択される1以上の部分で置換されている)、
各Rは独立して、a)H、b)アミン保護基、c)C1−6アルキル、d)C2−6アルケニル、e)C2−6アルキニル、f)C3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、g)窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1以上含む、3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環、h)−C(O)C1−6アルキル、i)−C(O)C2−6アルケニル、j)−C(O)−C2−6アルキニル、k)−C(O)C3−14飽和、不飽和または芳香族炭素環、l)−C(O)−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)、m)−C(O)O−C1−6アルキル、n)−C(O)O−C2−6アルケニル、o)−C(O)O−C2−6アルキニル、p)−C(O)O−C3−14飽和、不飽和または芳香族の炭素環、およびq)C(O)O−3〜14員の飽和、不飽和または芳香族の複素環(窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1以上を含有する)から選択され(ここで、c)〜q)はいずれも、F、Cl、Br、I、−CF、−OH、−OC1−6アルキル、−SH、−SC1−6アルキル、−CN、−NO、−NH、−NHC1−6アルキル、−N(C1−6アルキル)、−C(O)C1−6アルキル、−C(O)OC1−6アルキル、−C(O)NH、−C(O)NHC1−6アルキル、C(O)N(C1−6アルキル)、−NHC(O)C1−6アルキル、−SONH−、SONHC1−6アルキル、SON(C1−6アルキル)およびS(O)1−6アルキルから選択される基で置換されていてもよい)、
はa)C1−6アルキル、b)フェニルおよびc)トルイルからなる群から選択され(ここで、a)〜c)はいずれも、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択される基で置換されていてもよい)、
mは0、1、2、3または4であり、
nは0、1、2、3または4であり、
各pは独立して、0、1または2である]。
【請求項71】
式:
【化31】

で示される化合物の製造方法であって、この方法は式(I):
【化32】

の化合物を式(II):
【化33】

の化合物と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合する工程を含む、方法
[式中、A、B、L、M、R、R、R、Q、Z、mおよびnは請求項70に記載の定義に従う]。
【請求項72】
式:
【化34】

で示される化合物の製造方法であって、この方法は式(I):
【化35】

の化合物を式(II):
【化36】

の化合物と、溶媒中、塩基およびパラジウム触媒の存在下で混合する工程を含む、方法
[式中、A、B、L、M、R、R、R、Q、Z、mおよびnは請求項70に記載の定義に従う]。
【請求項73】
Aがフェニルおよびピリジルからなる群から選択され、
Bがフェニルおよびピリジルからなる群から選択され、
mが0、1または2であり、
nが0、1または2である、請求項70〜72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
が−NHC(O)Rである、請求項70〜73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
が−CHである、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
トリアゾール、テトラゾール、オキサゾールおよびイソキサゾールからなる群から選択される、請求項70〜73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
がトリアゾールである、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
が[1,2,3]トリアゾール−1−イルである、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
化合物(II)が式:
【化37】

[式中、R、R、Qおよびnは請求項70に記載の定義に従う]
で示される、請求項70〜73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
化合物(II)が式:
【化38】

[式中、QおよびRは請求項70に記載の定義に従う]
で示される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
化合物(II)が式:
【化39】

[式中、Qは請求項70に記載の定義に従う]
で示される、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
化合物(II)が式:
【化40】

[式中、Qは請求項70に記載の定義に従う]
で示される、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
化合物(II)が式:
【化41】

[式中、QおよびRは請求項70に記載の定義に従う]
で示される、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
化合物(II)が式:
【化42】

[式中、Qは請求項70に記載の定義に従う]
で示される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
化合物(II)が式:
【化43】

[式中、Qは請求項70に記載の定義に従う]
で示される、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
化合物(I)が式:
【化44】

[式中、L、M、R、Zおよびmは請求項70に記載の定義に従う]
で示される、請求項70〜85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
化合物(I)が式:
【化45】

[式中、L、MおよびZは請求項70に記載の定義に従う]
で示される、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
化合物(I)が式:
【化46】

[式中、L、M、RおよびZは請求項70に記載の定義に従う]
で示される、請求項70〜85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
化合物(I)が式:
【化47】

[式中、L、MおよびZは請求項70に記載の定義に従う]
で示される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
M−LがM−CH−X−CH−である、請求項70〜89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
Xが−NR−である、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
がHである、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
がアミン保護基である、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
アミン保護基がa)ベンジル、b)t−ブチルジメチルシリル、c)t−ブチジルジフェニルシリル、d)t−ブチルオキシカルボニル、e)p−メトキシベンジル、f)メトキシメチル、g)トシル、h)トリフルオロアセチル、i)トリメチルシリル、j)フルオレニル−メチルオキシカルボニル、k)2−トリメチルシリル−エトキシカルボニル、l)1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、m)アリルオキシカルボニルおよびn)ベンジルオキシカルボニルからなる群から選択される、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
アミン保護基の除去工程をさらに含む、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
M−LがM−S−L−NR−Lであり、
がC1−6アルキルであり、
がC1−6アルキルである、請求項70〜89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項97】
M−LがM−S−CHCH−NH−CH−である、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
LがC1−6アルキルである、請求項70〜89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
Lが−CH−である、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
Mが5−6員の飽和、不飽和または芳香族の、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む複素環である、請求項90〜99のいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
Mがトリアゾール、テトラゾール、オキサゾールまたはイソキサゾールからなる群から選択される、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
Mがイソキサゾール−4−イルである、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
Mが[1,2,3]トリアゾール−1−イルである、請求項101に記載の方法。
【請求項104】
Mが[1,2,3]トリアゾール−4−イルである、請求項101に記載の方法。
【請求項105】
M−LがM−X−CH−である、請求項70〜89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項106】
Xが−NR−である、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
がHである、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
がアミン保護基である、請求項106に記載の方法。
【請求項109】
アミン保護基がa)ベンジル、b)t−ブチルジメチルシリル、c)t−ブチジルジフェニルシリル、d)t−ブチルオキシカルボニル、e)p−メトキシベンジル、f)メトキシメチル、g)トシル、h)トリフルオロアセチル、i)トリメチルシリル、j)フルオレニル−メチルオキシカルボニル、k)2−トリメチルシリル−エトキシカルボニル、l)1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、m)アリルオキシカルボニルおよびn)ベンジルオキシカルボニルからなる群から選択される、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
アミン保護基の除去工程をさらに含む、請求項108に記載の方法。
【請求項111】
M−Xが以下:
【化48】

で示される、請求項70〜89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項112】
M−Xが以下:
【化49】

で示される、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
Mが、a)C1−6アルキル、b)C2−6アルケニル、c)C2−6アルキニルおよびd)−CNからなる群から選択され、ここで、
i)a)〜c)はいずれも、F、Cl、Br、Iおよび−CNからなる群から選択される1以上の部分で置換されており、
ii)a)〜c)はいずれも、場合により、1個以上のR基でさらに置換されていてもよい、請求項105〜112のいずれか1項に記載の方法。
【請求項114】
MがF、Cl、BrおよびIからなる群から選択される1個以上の原子で置換されているC1−6アルキルである、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
Mが−CHCHCHFである、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
Mが−CHCH(OH)CHFである、請求項113に記載の方法。
【請求項117】
Mが1個以上の−CN基で置換されていてもよいC1−6アルキルである、請求項113に記載の方法。
【請求項118】
Mが−CHCHCNである、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
Mが−CHC(O)NHである、請求項113に記載の方法。
【請求項120】
ZがI、トリフルオロメタンスルホネートおよびp−トルエンスルホネートからなる群から選択される、請求項70〜119のいずれか1項に記載の方法。
【請求項121】
ZがIである、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
Qが−B(OH)である、請求項70〜121のいずれか1項に記載の方法。
【請求項123】
Qが以下:
【化50】

で示される、請求項70〜121のいずれか1項に記載の方法。
【請求項124】
Qが−BF・KFである、請求項70〜121のいずれか1項に記載の方法。
【請求項125】
塩基がアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属フッ化物、トリアルキルアミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項70〜124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項126】
塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムフッ化物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
塩基が炭酸カリウムである、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
塩基の当量に対しての化合物(I)の当量の比が約3:1である、請求項125に記載の方法。
【請求項129】
パラジウム触媒がリガンド配位パラジウム(0)触媒である、請求項70〜128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
パラジウム触媒が、テトラキス(トリアルキルホスフィン)パラジウム(0)またはテトラキス(トリアリールホスフィン)パラジウム(0)触媒である、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
パラジウム触媒がテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の当量に対する化合物(I)の当量の比が約1:20である、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
溶媒が水性溶媒を含む、請求項70〜132のいずれか1項に記載の方法。
【請求項134】
溶媒が水と有機溶媒の混合物を含み、この有機溶媒がa)メタノール、b)エタノール、c)プロパノール、d)イソプロパノール、e)ブタノール、f)イソブタノール、g)第2級ブタノール、h)第3級ブタノール、i)ベンゼン、j)トルエン、k)テトラヒドロフラン、l)ジメチルホルムアミド、m)1,2−ジエチルエーテル、n)ジメトキシエタン、o)ジイソプロピルエーテル、p)メチル第3級ブチルエーテル、q)メトキシメチルエーテル、r)2−メトキシエチルエーテル、s)1,4−ジオキサンおよびt)1,3−ジオキソランおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項70〜132のいずれか1項に記載の方法。
【請求項135】
溶媒が水、トルエンおよびエタノールの混合物を含有する、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
溶媒が水、トルエンおよびエタノールの混合物を約1:3:1の体積比で含有する、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
約20℃〜約100℃の温度で行う、請求項70〜136のいずれか1項に記載の方法。
【請求項138】
溶媒の還流温度で行われる、請求項70〜136のいずれか1項に記載の方法。

【公開番号】特開2011−137007(P2011−137007A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−21739(P2011−21739)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【分割の表示】特願2006−522029(P2006−522029)の分割
【原出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(502427253)リブ−エックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (22)
【氏名又は名称原語表記】Rib−X Pharmaceuticals, Inc.
【住所又は居所原語表記】New Haven, Connecticut,U.S.A.
【Fターム(参考)】