説明

ビグアニド誘導体、その製造方法及びこれを有効成分として含有する薬学組成物

本発明は、N1−N5−置換された化学式1で表されるビグアニド誘導体またはその薬学的に許容可能な塩、その製造方法及びこれを有効成分として含む薬学組成物を提供する。本発明のビグアニド誘導体は、既存の薬物に比べて少ない量でも優れたAMPKα活性化効果及び癌細胞の増殖抑制効果を示し、糖尿、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、脂肪肝、冠状動脈疾患、骨粗しょう症、多嚢胞性卵巣症候群、代謝性症侯群、癌などの治療のために有用に利用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の薬物に比べて少ない量でも優れたAMPK活性化効果及び癌細胞の増殖抑制効果を示すビグアニド誘導体、その製造方法及びこれを有効成分として含有する薬学組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、持続的な高血糖症状を特徴とする疾患であって、炭水化物代謝異常と脂質代謝異常が主要病態であり、高血糖による血流障害と糖利用の低下による全身的余病が悪化する疾患である。このような糖尿病の病態は、インスリンの欠乏またはインスリンの耐性に起因して誘発され、インスリン耐性に起因して発生する糖尿病を第2型糖尿病と言う。
【0003】
第2型糖尿病は、インスリン受容体が減少するか、または受容体を介した信号伝達体系の欠陥に起因してインスリンが細胞内に糖を運搬する機能を発揮しない状態、すなわちインスリンが耐性を起こした状態に起因して誘発され、高インスリン血症(hyperinsulinemia)による直接的な血管破壊及び代謝症侯群(metabolic syndrome)を悪化させる。
【0004】
このような第2型糖尿病を治療するために様々な種類の糖尿病薬物が使用されてきた。しかし、ビグアニド系メトホルミン(metformin)を除いた他の薬物は、血糖降下作用には一部の効果があるが、視力喪失、心臓まひ、脳卒中、腎不全、末梢神経障害、足部潰ようなどの重大な余病を予防するにあたって効能が十分ではなかった。例えば、スルホニル尿素(sulfonylurea)系薬物は、膵腸でインスリンを強制に分泌させて血糖を降下させる薬物であって、早く薬物効果がなくなり、脂質代謝を非正常化させて、動脈硬化、体重増加、低血糖による脳損傷を誘発するという短所がある。また、グリタゾン(glitazone)系薬物は、主に脂肪組職に対するインスリン耐性問題のみを解決し、メトホルミンと併用療法を実施しなければならないし、網膜血管破壊などの副作用を誘発するので、使用上、非常に注意を要するという短所がある。
【0005】
なお、メトホルミンは、低血糖を誘発せず、脂肪組職、肝組織及び筋肉組職のすべてにおいてインスリン耐性問題を解決し、優れた血糖降下及び糖化ヘモグロビン数値低下作用を示す。
【0006】
また、メトホルミン(Metformin)は、炭水化物代謝と脂質代謝を生理的に調節するAMPK(AMP−activated protein kinase)を活性化させることが知られているが、これにより、高血糖を正常化させ、脂質状態を改善させ、月経不順、排卵及び妊娠を正常化させることが報告されている。さらに、p53遺伝子が欠けた癌細胞にメトホルミンを処理すれば、メトホルミンが癌細胞のAMPK酵素を活性化させて、エネルギー代謝経路を変更させることによって、変更された代謝経路に適応せずに、癌細胞が死滅することが実験で立証されている[Monica Buzzai、et al. Systemic Treatment with the Antidiabetic Drug Metformin Selectively Impairs p53-Deficient Tumor Cell Growth、Cancer Res 2007;67:(14)]。
【0007】
また、Josie M M Evansは、2型糖尿患者がメトホルミン治療を受けるとき、そうではない患者に比べて癌発病率が低いという研究結果を発表した[Josie MM、Evans et al.BMJ.2005、330、1304−1305]。また、Samantha L. Bowkerは、メトホルミンを服用する2型糖尿患者がスルホニル尿素を服用するかまたはインスリンを投薬する患者より癌と関連した死亡率が低いと報告した[Samantha L et al.Diabetes Care.2006、29、254-258]。
【0008】
癌の再発及び転移と関連して癌の幹細胞が関与するという臨床的証拠が増加している。癌組職内で癌の幹細胞は0.2%以下であるが、既存の抗癌化学療法は癌の幹細胞を除去しない問題点がある。メトホルミンは、このような癌の幹細胞に抗癌効果を示し、耐薬性に非常に優れている。これと関連した最近の研究において抗癌剤であるドキソルビシン単独投与時には、癌の幹細胞の変化がほとんどないのに対し、メトホルミンは、癌の幹細胞を除去すると報告されたことがある[Heather A. Hirsch et al., Metformin Selectively Targets Cancer Stem Cells、and Acts Together with Chemotherapy to Block Tumor Growth and Prolong Remission, Cancer Res 2009;69:(19).October 1, 2009]。
【0009】
しかし、メトホルミンは、1日3回投薬することが一般的であり、1回用量が約500mg以上なので、これを1日1回用に徐放化するためには、メトホルミンを約1,500mg以上含有する錠剤が要求され、この場合、錠剤のサイズが非常に大きいため、服用が困難である。また、現在市販される持続性製剤の場合、1錠に約750mgのメトホルミンを含有するので、投薬時に2錠以上を服用しなければならない問題がある。これにより、既存のメトホルミンより優れた薬理作用を示し、物理化学的性質が改善したメトホルミン系物質が必要な実情である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Monica Buzzai、et al. Systemic Treatment with the Antidiabetic Drug Metformin Selectively Impairs p53-Deficient Tumor Cell Growth、Cancer Res 2007;67:(14)
【非特許文献2】Samantha L et al. Diabetes Care. 2006, 29, 254-258
【非特許文献3】Heather A. Hirsch et al., Metformin Selectively Targets Cancer Stem Cells、and Acts Together with Chemotherapy to Block Tumor Growth and Prolong Remission, Cancer Res 2009;69:(19).October 1, 2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、既存の薬物に比べて少ない量でも優れたAMPK活性化効果及び癌細胞の増殖抑制効果を示す新規なビグアニド誘導体またはその薬学的に許容可能な塩及びその製造方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、上記化合物を有効成分とする糖尿、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、脂肪肝、観相動脈疾患、骨粗しょう症、多嚢胞性卵巣症候群、代謝性症侯群、癌などの治療用薬学組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、N1−N5−置換された下記化学式1のビグアニド誘導体化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:
【0014】
【化1】

【0015】
上記式中、
、R、R、及びRは、それぞれ独立に、
3−10シクロアルキル、C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、ヒドロキシ、ハロゲン及びC1−4アルコキシカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換のC1−12アルキル;C3−10シクロアルキル;C1−12アルコキシ;C5−12アリール;C5−12ヘテロアリール;ヒドロキシ及びハロゲンよりなる群から選択される非水素置換基または水素を示し、
上記アリール及びヘテロアリールは、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換のものである。
【0016】
ここで、「置換された」基は、1つ以上の水素原子が1つ以上の非水素原子基に代替されたものであるが、但し、原子価(valence)要求条件を満たさなければならないし、化学的に安定した化合物が置換によって生じなければならない。本明細書内で、明示的に「非置換」と記載しない限り、すべての置換基は、置換されているかまたは非置換であることができるものと解釈しなければならない。本発明によるビグアニドにおいてR〜Rの置換基は、それぞれ上記定義された置換基のうち1つ以上でさらに置換されることができる。
【0017】
「アルキル」は、一般的に明示された数の炭素原子(例えば、1〜12個の炭素原子)を有する線状及び分岐状飽和炭化水素基を意味する。アルキル基の例は、制限がなく、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル及びn−ヘプチルなどを含む。アルキルは、結合することが原子価必要条件に違反しなければ、任意の環原子で親グループ(parent group)または基材(substrate)に結合することができる。同様に、アルキル基またはアルケニル基は、結合することが原子価要求条件に違反しなければ、1つ以上の非水素置換基を含むことができる。
【0018】
「シクロアルキル」は、環を含む明示された数の炭素原子を一般的に有する飽和単環及び多環炭化水素環を言う(すなわち、C3−7シクロアルキルは、環員として3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有するシクロアルキルを言う)。シクロアルキルは、結合することが原子価必要条件に違反しなければ、任意の環原子で親グループまたは基材に結合することができる。同様に、シクロアルキル基は、結合することが原子価要求条件に違反しなければ、1つ以上の非水素置換基を含むことができる。
【0019】
「アリール」は、5及び6員の単環芳香族基を含むそれぞれ一価及び二価の芳香族基を言い、「ヘテロアリール」は、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択された1〜4個のヘテロ原子を含有する5及び6員の単環芳香族基を含むそれぞれ一価及び二価の芳香族基を言う。単環アリール基及びヘテロアリール基の例は、制限がなく、フェニル、ピリジニル、フラニル、ピロリル、チオフェニル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニルなどを含む。また、アリール基及びヘテロアリール基は、上記定義された縮合された5及び6員環を含む二環基、三環基などを含む。多環アリール基及びヘテロアリール基の例は、制限がなく、イソキノリニル、ナフチル、ビフェニル、アントラセニル、ピレニル、カバゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、インドリル、ベンゾフラニル、フリニル、インドリジニルなどを含む。上記アリール基及びヘテロアリール基は、結合することが原子価要求条件に違反しなければ、任意の環原子で親グループまたは基材に結合することができる。同様に、アリール基及びヘテロアリール基は、置換が原子価要求条件に違反しなければ、1つ以上の非水素置換基を含むことができる。また、アリール基及びヘテロアリール基の非水素置換基は、追加的な非水素置換基で置換されることができる。
【0020】
「カルボニル」は、−C(O)R’を示す。本明細書において、(O)は、炭素や硫黄のような原子に酸素が二重結合を通じて結合されていることを意味する。ここで、R’は、低級アルキル、低級アルコキシなどのような非水素置換基を示す。カルボニル基の例は、制限がなく、2−メトキシオキソエチル、3−メトキシオキソプロピルなどを含む。カルボニルは、結合することが原子価必要条件に違反しなければ、任意の環原子で親グループまたは基材に結合することができる。同様に、カルボニル基は、結合することが原子価要求条件に違反しなければ、1つ以上の非水素置換基を含むことができる。
【0021】
「アルコキシ」は、アルキル−O−を言い、ここで、アルキルは、上記で定義されている通りである。アルコキシ基の例は、制限がなく、メトキシ、エトキシなどを含む。アルコキシは、結合することが原子価必要条件に違反しなければ、任意の環原子で親グループまたは基材に結合することができる。同様に、アルコキシ基は、結合することが原子価要求条件を違反しなければ、1つ以上の非水素置換基を含むことができる。
【0022】
「ヒドロキシ」は、−OHを示し、「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを言い、ヨウ素は、=O基を意味する。
【0023】
本発明の化学式1の化合物において、上記R、R、R、Rは、それぞれ独立に、C1−12アルキル;C3−10シクロアルキル;C1−12アルコキシ;C5−12アリール;C5−12ヘテロアリール;ヒドロキシ;及びハロゲンよりなる群から選択される非水素置換基であるかまたは水素であることができる。
【0024】
ここで、上記C1−12アルキルは、1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換の炭素数1〜12の線状または分岐状アルキルであることができる。非水素置換基で置換される場合、これに制限されるものではないが、上記アルキルは、炭素数1〜12の線状または分岐状アルキルであることができる。ここで、アルキルの非水素置換基としては、これらに制限されるものではないが、C3−10シクロアルキル、C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、ヒドロキシ、ハロゲン及びC1−4アルコキシカルボニルよりなる群から選択されることができる。また、上記非水素置換基は、さらに置換されているかまたは非置換であることができる。例えば、上記アリール及びヘテロアリールは、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換のものであることができる。
【0025】
1つの具体例において、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、
非置換のC1−7アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル、C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、ヒドロキシ、ハロゲン及びC1−4アルコキシカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されたC1−6アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル;C1−6アルコキシ;C5−12アリール;C5−12ヘテロアリール;ヒドロキシ;及びハロゲンよりなる群から選択される非水素置換基または水素を示し、
上記アリール及びヘテロアリールは、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換のものであることができる。
【0026】
1つの具体例において、R及びRは、それぞれ独立に非置換のC1−7アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル、C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール及びC1−4アルコキシカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されたC1−6アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル;C5−12アリール;及びC5−12ヘテロアリールよりなる群から選択される非水素置換基を示し、
及びRは、水素;非置換のC1−7アルキル;C5−12アリール;またはC5−12ヘテロアリールで置換されたC1−6アルキルであり、
上記アリール及びヘテロアリールは、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換のものであることができる。
【0027】
1つの具体例において、R及びRは、それぞれ独立に非置換のC1−7アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル、C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール及びC1−4アルコキシカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されたC1−4アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル;C5−12アリール;及びC5−12ヘテロアリールよりなる群から選択される非水素置換基を示し、
及びRは、水素;非置換のC1−7アルキル;C5−12アリール;またはC5−12ヘテロアリールで置換されたC1−4アルキルであり、
上記アリール及びヘテロアリールは、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換であることができ、そのアリール及びヘテロアリールは、フェニル、ピリジニル、フラニル及びイソキノリニルよりなる群から選択されるものであることができる。
【0028】
1つの具体例において、Rは、非置換のC1−7アルキル;C5−12アリールまたはC5−12ヘテロアリールで置換されたC1−4アルキル;C5−12アリールまたはC5−12ヘテロアリールであり、
は、水素;または非置換のC1−7アルキルであり、
は、水素;非置換のC1−7アルキル、C5−12アリール、またはC5−12ヘテロアリールであり、
は、非置換のC1−7アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル、C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール及びC1−4アルコキシカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されたC1−4アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル;C5−12アリール;及びC5−12ヘテロアリールよりなる群から選択される非水素置換基を示し、
上記アリール及びヘテロアリールは、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換であることができ、そのアリール及びヘテロアリールは、フェニル、ピリジニル、フラニル及びイソキノリニルよりなる群から選択されるものであることができる。
【0029】
1つの具体例において、上記化学式1の化合物は、N1−ヘキシル−N5−プロピルビグアニド;N1−プロピル−N5−シクロプロピルメチルビグアニド;N1−ヘキシル−N5−シクロヘキシルメチルビグアニド;N1−ヘキシル−N5−ベンジルビグアニド;N1,N5−ビス(4−クロロフェニル)ビグアニド;N1,N5−ビス(3−クロロフェニル)ビグアニド;N1−(4−クロロ)フェニル−N5−(4−メトキシ)フェニルビグアニド;N1,N5−ビス(3−クロロ−4−メトキシフェニル)ビグアニド;N1,N5−ビス(3、4−ジクロロフェニル)ビグアニド;N1,N5−ビス(3,5−ジクロロフェニル)ビグアニド;N1,N5−ビス(4−ブロモフェニル)ビグアニド;N1−ベンジル−N5−(ピリジン−3−イル)メチルビグアニド;N1−(フェネチル)−N5−プロピルビグアニド;N1−(フェネチル)−N5−シクロプロピルメチルビグアニド;N1−(フェネチル)−N5−シクロヘプチルビグアニド;N1,N5−ビス(フェネチル)ビグアニド;N1,N1,N5−トリメチルビグアニド;N1,N1−ジメチル−N5−ブチルビグアニド;N1,N1−ジメチル−N5−(ブタン−2−イル)ビグアニド;N1,N1−ジメチル−N5−t−ブチルビグアニド;N1,N1−ジメチル−N5−ペンチルビグアニド;N1,N1−ジメチル−N5−メトキシカルボニルエチルビグアニド;N1,N1−ジメチル−N5−シクロヘプチルビグアニド;N1,N1−ジメチル−N5−シクロプロピルメチルビグアニド;N1,N1−ジメチル−N5−(4−ブロモ)フェニルビグアニド;N1,N1−ジメチル−N5−(フラン)−2−イル)メチルビグアニド;N1,N1−ジメチル−N5−(ピリジン−3−イル)メチルビグアニド;N1,N1−ジメチル−N5−ベンジルビグアニド;N1,N1−ジメチル−N5−(フェネチル)ビグアニド;N1,N1−ジエチル−N5−(3−クロロ)フェニルビグアニド;N1,N1−ジプロピル−N5−(3−クロロ)フェニルビグアニド;N1,N1−(エチル)(プロピル)−N5−(4−クロロ)フェニルビグアニド;N1,N1−ジプロピル−N5−(イソキノリン−5−イル)ビグアニド;N1,N1−ジヘキシル−N5−(3−クロロ)フェニルビグアニド;N1,N1,N5,N5−テトラエチルビグアニド;N1,N1−ジエチル−N5,N5−(シクロヘキシル)(メチル)ビグアニド;N1,N1−ジプロピル−N5,N5−ジエチルビグアニド;N1,N1−ジプロピル−N5,N5−(メチル)(フェネチル)ビグアニド;N1,N1−ジプロピル−N5,N5−(4−ヒドロキシフェニル)(フェニル)ビグアニド;またはN1,N1,N5,N5−ビス((ベンジル)(メチル))ビグアニドであることができる。
【0030】
なお、本発明による上記化学式1の化合物の薬学的に許容可能な塩は、有機酸または無機酸を利用して形成された酸付加塩であることができる。上記有機酸は、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、イソ酪酸、トリフルオロ酢酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、コハク酸モノアミド、グルタミン酸、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、アントラニル酸、ジクロロ酢酸、アミノオキシ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸を含み;無機酸は、例えば、塩酸、ブロム酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸及びホウ酸を含む。上記言及された酸付加塩は、例えば、a)上記化学式1の化合物及び酸を直接混合するか、b)これらのうち1つを溶媒または含水溶媒中に溶解させて混合させるか、またはc)化学式1の化合物及び酸を溶媒または水和溶媒中の酸に入れ、これらを混合する一般的な塩の製造方法に適用して製造することができる。
【0031】
上記化学式1の化合物がカルボキシル基及びスルホン酸基のような酸性基を有する場合、化合物は、両イオン性塩になり、このような塩は、アルカリ金属塩(例:ナトリウム塩及びカリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例:カルシウム塩及びマグネシウム塩など)、無機酸系塩(例:アルミニウム塩及びアンモニウム塩など)、及び塩基性付加塩(例:トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン及びN,N’−ジベンジルエチレンジアミン系塩)であることができる。また、上記化学式1の化合物の塩は、塩基性アミノ酸系塩(例:アルギニン、リシン及びオルニチン系塩)及び酸性アミノ酸系塩(例:アスパラギン酸系塩)であることができる。
【0032】
1つの具体例において、上記化学式1の化合物の薬学的に許容可能な塩は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、イソ酪酸、トリフルオロ酢酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、コハク酸モノアミド、グルタミン酸、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ジクロロ酢酸、アミノオキシ酢酸、塩酸、ブロム酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸及びホウ酸よりなる群から選択された酸との塩であることができる。
【0033】
本発明による上記化学式1の化合物は、いくつかの方法を通じて製造されることができる。
【0034】
1つの具体例において、
下記化学式2の化合物をジシアノアミドと有機溶媒の中で反応させて、下記化学式3の化合物を得る段階と;
下記化学式3の化合物を化学式4の化合物と有機溶媒の中で反応させて、下記化学式1の化合物を得る段階と;を含む下記化学式1の化合物の製造方法が提供される:
【0035】
【化2】

【0036】
【化3】

【0037】
【化4】

【0038】
【化5】

【0039】
上記式中、 R、R、R、及びRは、化学式1で定義した通りである。
【0040】
上記製造方法は、例えば、下記反応式1で示されることができ、これを段階別に説明すれば次の通りである:
【0041】
【化6】

【0042】
化学式1の化合物の製造方法において中間体として使用される化学式3のシアノグアニジン化合物は、化学式2の置換されたアミンを有機溶媒の中でナトリウムまたはカリウムジシアノアミドのようなジシアノアミドと反応させて、化学式3のシアノグアニジン化合物に変換させた後、化学式3の化合物を有機溶媒の中で化学式4と還流反応して得ることができる。
【0043】
上記化学式3のシアノグアニジン化合物の製造時に使用されるナトリウムシアノアミドの量は、化合物2に対して約1〜2モル当量であり、有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールなどを使用することができる。反応温度は、60℃から150℃までの範囲である。
【0044】
上記で得られた化学式3のシアノグアニジン化合物を有機溶媒(例えばエタノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたは1、4−ジオキサン)に溶解した後、化学式4の化合物を添加した後、還流撹拌する。この際、化学式4の化合物の量は、化合物3に対して約1〜2モル当量であり、反応温度は、使用した溶媒の還流温度までの範囲(例えば、ブタノールの場合、室温から140℃まで)である。反応が終了すれば、濾過した後、例えば、塩酸などの酸を利用して反応溶液のpHを好ましくは約4〜5程度に調節して生成された溶液を濃縮及び精製することによって、本発明の化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を得ることができる。
【0045】
このように得られた上記化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、下記実施例から明らかなように、既存の薬物に比べて少ない量でもAMPK活性化効果及び癌細胞の増殖抑制効果を示す。AMPK活性化は、前述したように、癌の抑制、血糖降下及び脂質低下を誘導するものと知られているところ、上記化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、癌を含めて糖尿、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、脂肪肝、冠状動脈疾患、骨粗しょう症、多嚢胞性卵巣症候群、代謝性症侯群などの治療に有用に利用されることができる。
【0046】
したがって、本発明は、上記化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含有する医薬を提供する。
【0047】
また、本発明は、上記化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分とする、糖尿、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、脂肪肝、冠状動脈疾患、骨粗しょう症、多嚢胞性卵巣症候群、代謝性症侯群、癌、筋肉痛、筋肉細胞損傷及び横紋筋融解よりなる群から選択される疾患の治療用薬学組成物、上記疾患の治療のための上記化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の用途及び治療上有効量の上記化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を対象体に投与することを含む上記疾患の治療方法を提供する。
【0048】
1つの具体例において、上記糖尿病は、インスリン非依存性糖尿病であることができる。
【0049】
1つの具体例において、上記癌は、乳房癌、大腸癌、胃癌、肝臓癌、肺癌、血液癌、前立腺癌、脳癌、膵臓癌、卵巣癌、または子宮内膜癌であることができる。
【0050】
本発明の薬学組成物は、有効成分以外に薬剤学的に許容可能な担体を1種以上含む。本発明において使用される「薬剤学的に許容可能な担体」は、投与用薬剤学的活性化合物を剤形化する場合に有用であり、使用条件下に事実上非毒性及び非敏感性の公知の薬剤学的賦形剤を意味する。このような賦形剤の正確な比率は、活性化合物の溶解度と化学的特性、選択された投与経路だけでなく、標準薬剤学的慣行によって決定される。
【0051】
本発明の薬学組成物は、適合し、且つ生理学的に許容される賦形剤、崩壊剤、甘味剤、結合剤、被覆剤、膨張剤、潤滑剤、滑沢剤、香味剤などのような補助剤を使用して所望の投与方法に適した形態に製剤化されることができる。
【0052】
上記薬学組成物は、これに制限されるものではないが、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、注射剤または液剤の形態に製剤化されることができる。
【0053】
なお、本発明において、「対象体」は、特定疾病、障害または疾患にかかった哺乳動物のような温血動物を意味し、例えば、人間、オランウータン、チンパンジー、マウス、ラット、犬、牛、ニワトリ、豚、ヤギ、羊などを含むが、これらの例に限定されるものではない。
【0054】
また、「治療」は、症状を軽減させるか、症状の原因を一時的または永久的に除去するか、または症状の出現及び上記疾病、障害または疾患の進行を予防または鈍化させることを含むが、これに制限されない。
【0055】
本発明の薬学組成物の有効成分の有効量は、疾患を治療するのに要求される量を意味する。したがって、疾患の種類、疾患の重症度、組成物に含有された有効成分及び他の成分の種類及び含量、剤形の種類及び患者の年齢、体重、一般健康状態、性別及び食事、投与時間、投与経路及び組成物の代謝速度、治療期間、同時使用される薬物を含めた多様な因子によって調節されることができる。例えば、成人の場合、化学式1の化合物は、1日1回〜数回投与時に、60kgの成人男性を基準にしてkg当たり0.5〜100mg範囲の用量で投与することができる。しかし、投与用量は、前述した多様な因子によって変化することができ、場合によって上記投与量範囲より少ない量または多い量で投与することができる。
【発明の効果】
【0056】
本発明による化学式1のビグアニド誘導体は、既存の薬物に比べて少ない量でも優れたAMPK活性化効果及び癌細胞の増殖抑制効果を示し、糖尿、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、脂肪肝、冠状動脈疾患、骨粗しょう症、多嚢胞性卵巣症候群、代謝性症侯群、癌などの治療のために有用に利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現されることができ、ただ本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範囲によって定義される。
【実施例】
【0058】
[実施例]
実施例1:N1−ヘキシル−N5−プロピルビグアニドの塩酸塩の製造
【化7】

【0059】
(1−1)1−ヘキシル−3−シアノグアニジンの合成
室温で1−ヘキシルアミン(3.6g、35.9mmol)のn−ブタノール(30mL)溶液を撹拌しながらナトリウムジシアノアミド(3.5g、39.5mmol)と濃塩酸(3.4mL、39.5mmol)を加えた。上記混合溶液を24時間還流撹拌した。反応終了を確認し、反応混合物を濾過して生成された塩化ナトリウムを除去した後、濾過液を減圧濃縮した。濃縮物を濾過した後、濾過物を蒸留水(30mL)で洗浄した。濾過物を真空乾燥し、白色固体の目的化合物(3.4g、58%)を得た。上記化合物は、他の精製過程を行うことなく、次の反応に使用した。
【0060】
(1−2)N1−ヘキシル−N5−プロピルビグアニド塩酸塩の製造
室温で1−プロピルアミン(0.58g、5.84mmol)のn−ブタノール(10mL)溶液に濃塩酸(0.47mL、5.31mmol)を加えて30分間撹拌した。反応混合物に上記段階(1−1)で得た化合物(0.89g、5.31mmol)を加えて24時間還流撹拌した。上記混合物を減圧濃縮した後、濃縮液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=9:1)で精製した。上記化合物に6N塩酸メタノール溶液(1mL)を加えて溶かした後、減圧濃縮し、白色固体の目的化合物(0.92g、65%)を得た。
H NMR(600MHz、DMSO−d)δ7.46(brs、2H)、6.81(brs、2H)、3.05(m、4H)、1.44(m、4H)1.25(m、6H)、0.85(t、3H、J=7.2Hz);mp148−149℃
【0061】
上記実施例1の段階(1−1)及び(1−2)でそれぞれ1−ヘキシルアミン及び1−プロピルアミンの代わりに目的化合物に相当するアミン化合物を使用したことを除いて、実施例1と同一の方法によって下記実施例2〜40の目的化合物を製造した。
【0062】
実施例2:N1−プロピル−N5−シクロプロピルメチルビグアニド塩酸塩
【化8】

H NMR(600MHz、DMSO−d)δ7.50(brs、2H)、6.83(brs、3H)、3.07(m、2H)、2.97(m、2H)、1.42(m、2H)、1.26(m、6H)、0.95(m、1H)、0.85(t、3H、J=6.6Hz)、0.42(m、2H)、0.17(d、2H、J=4.8Hz);mp162−163℃
【0063】
実施例3:N1−ヘキシル−N5−シクロヘキシルメチルビグアニド塩酸塩
【化9】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ8.22(brs、2H)、3.12(m、2H)、2.73(dd、2H、J=7.5、7.2Hz)、1.96(m、2H)、1.68(m、2H)、1.50−1.59(m、7H)、1.46(m、2H)、1.38(m、2H)、1.23−1.36(m、4H)、0.87(t、3H、J=7.2Hz)
【0064】
実施例4:N1−ヘキシル−N5−ベンジルビグアニド塩酸塩
【化10】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ8.45(brs、1H)、7.24−7.36(m、5H)、6.92(brs、2H)、4.33(d、2H、J=6.0Hz)、3.08(m、2H)、1.21−1.44(m、8H)、0.86(m、3H):mp121−123℃
【0065】
実施例5:N1,N5−ビス(4−クロロフェニル)ビグアニド塩酸塩
【化11】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ10.02(brs、2H)、7.54(brs、2H)、7.38(d、4H、J=9.0Hz)、7.32(d、4H、J=9.0Hz);mp263−264℃
【0066】
実施例6:N1,N5−ビス(3−クロロフェニル)ビグアニド塩酸塩
【化12】

H NMR (400MHz、DMSO−d)δ9.23(brs、2H)、7.54(dd、2H、J=2.0、2.0Hz)、7.32(dd、2H、J=8.2、8.2Hz)、7.23(ddd、2H、J=8.2、2.0、0.8Hz)、7.15(brs、2H)、7.11(ddd、2H、J=8.2、2.0、0.8Hz);mp129−131℃
【0067】
実施例7:N1−(4−クロロ)フェニル−N5−(4−メトキシ)フェニルビグアニド塩酸塩
【化13】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ9.87(brs、1H)、9.75(brs、1H)、7.49(brs、1H)、7.35(d、2H、J=9.0Hz)、7.33(d、2H、J=9.0Hz)、7.30(brs、1H)、7.20(d、2H、9.0Hz)、6.91(d、2H、9.0Hz)、3.72(s、3H);mp247−249℃
【0068】
実施例8:N1,N5−ビス(3−クロロ−4−メトキシフェニル)ビグアニド塩酸塩
【化14】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ9.11(brs、1H)、7.46(d、2H、J=2.4Hz)、7.20(dd、2H、J=9.0、2.4Hz)、7.09(d、2H、J=9.0Hz)、7.05(brs、1H)、3.83(s、6H);mp203−204℃
【0069】
実施例9:N1,N5−ビス(3、4−ジクロロフェニル)ビグアニド塩酸塩
【化15】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ10.3(brs、1H)、7.73(brs、1H)、7.63(s、2H)、7.59(d、2H、J=9.0Hz)、7.28(d、2H、J=9.0Hz);mp255−257℃
【0070】
実施例10:N1,N5−ビス(3、5−ジクロロフェニル)ビグアニド塩酸塩
【化16】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ10.48(brs、1H)、7.85(brs、1H)、7.40(d、4H、J=1.8Hz)、7.35(d、2H、J=1.8Hz);mp250−251℃
【0071】
実施例11:N1,N5−ビス(4−ブロモフェニル)ビグアニド塩酸塩
【化17】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ10.17(brs、1H)、7.59(brs、1H)、7.49(d、4H、J=7.2Hz)、7.27(d、4H、J=7.2Hz);mp242−243℃
【0072】
実施例12:N1−ベンジル−N5−(ピリジン−3−イル)メチルビグアニド塩酸塩
【化18】

H NMR (400MHz、DMSO−d)δ8.67(s、1H)、8.57(dd、1H、J=4.8、1.6Hz)、8.45(brs、2H)、7.93(dd、1H、J=7.6、1.6Hz)、7.90(bra、1H)、7.45(dd、1H、J=7.6、4.8Hz)、7.18−7.34(m、5H)、7.21(brs、1H)、4.32(m、2H)、4.06(s、2H);mp138−140℃
【0073】
実施例13:N1−(フェネチル)−N5−プロピルビグアニド塩酸塩
【化19】

H NMR (400MHz、DMSO−d)δ7.33(brs、2H)、7.21−7.37(m、5H)、6.87(brs、2H)、3.33(m、2H)、2.79(m、2H)、1.46(m、2H)、0.87(t、3H、J=7.2Hz);mp126−128℃
【0074】
実施例14:N1−(フェネチル)−N5−シクロプロピルメチルビグアニド塩酸塩
【化20】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ7.20−7.32(m、5H)、3.32(m、2H)、2.98(t、2H、J=6.0Hz)、2.76(m、2H)、0.96(m、1H)、0.41(dd、2H、J=7.8、1.8Hz)、0.19(dd、2H、J=4.8、1.8Hz);mp143−146℃
【0075】
実施例15:N1−(フェネチル)−N5−シクロヘプチルビグアニド塩酸塩
【化21】

H NMR (400MHz、DMSO−d)δ8.08(brs、2H)、7.10−7.38(m、5H)、6.86(brs、2H)、3.66(m、1H)、3.33(m、4H)、3.15(m、2H)、2.77(m、2H)、1.81(m、2H)、1.36−1.57(m、6H);mp135−137℃
【0076】
実施例16:N1,N5−ビス(フェネチル)ビグアニド塩酸塩
【化22】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ8.29(brs、2H)、7.34(m、2H)、7.26(m、3H)、3.00(t、2H、J=9.0Hz)、2.92(t、2H、J=9.0Hz);mp204−205℃
【0077】
実施例17:N1,N1,N5−トリメチルビグアニド塩酸塩
【化23】

H NMR(400MHz、DMSO−d)δ7.98(brs、2H)、6.91(brs、1H)、2.82(s、9H);mp175−177℃
【0078】
実施例18:N1,N1−ジメチル−N5−ブチルビグアニド塩酸塩
【化24】

H NMR(600MHz、DMSO−d)δ7.95(brs、2H)、6.93(brs、1H)、2.85(s、6H)、2.72(t、2H、J=7.2Hz)、1.49(m、2H)、1.31(m、2H)、0.86(t、3H、J=7.8Hz);mp131−133℃
【0079】
実施例19:N1,N1−ジメチル−N5−(ブタン−2−イル)ビグアニド塩酸塩
【化25】

H NMR(600MHz、DMSO−d)δ7.92(brs、2H)、6.94(brs、1H)、3.05(m、1H)、2.87(s、6H)、1.60(m、1H)、1.43(m、1H)、1.15(d、3H、J=5.4Hz)、0.88(t、3H)、J=7.2Hz);mp110−112℃
【0080】
実施例20:N1,N1−ジメチル−N5−t−ブチルビグアニド塩酸塩
【化26】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ8.05(brs、2H)、6.93(brs、1H)、2.85(s、6H)、1.23(s、9H);mp186−187℃
【0081】
実施例21:N1,N1−ジメチル−N5−ペンチルビグアニド塩酸塩
【化27】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ7.94(brs、2H)、6.95(brs、1H)、2.86(s、6H)、2.73(t、2H、J=7.2Hz)、1.54(m、2H)、1.27(m、4H)、0.86(t、3H、J=7.2Hz);mp131−133℃
【0082】
実施例22:N1,N1−ジメチル−N5−(メトキシカルボニルエチル)ビグアニド塩酸塩
【化28】

H NMR (400MHz、DMSO−d)δ8.12(brs、2H)、6.93(brs、1H)、3.61(s、3H)、2.97(t、2H、J=4.8Hz)、2.69(t、2H、J=4.8Hz);mp100−102℃
【0083】
実施例23:N1,N1−ジメチル−N5−シクロヘプチルビグアニド塩酸塩
【化29】

H NMR (400MHz、DMSO−d)δ8.01(brs、2H)、6.93(brs、1H)、3.10(m、1H)、2.86(s、6H)、1.91(m、2H)、1.63(m、2H)、1.38−1.53(m、6H)、1.34(m、2H);mp132−133℃
【0084】
実施例24:N1,N1−ジメチル−N5−シクロプロピルメチルビグアニド塩酸塩
【化30】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ8.08(brs、2H)、6.94(brs、1H)、2.86(s、6H)、2.63(d、2H、J=4.8Hz)、1.01(m、1H)、0.51(m、2H)、0.31(m、2H);mp117−118℃
【0085】
実施例25:N1,N1−ジメチル−N5−(4−ブロモ)フェニルビグアニド塩酸塩
【化31】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ10.07(brs、1H)、7.68(brs、2H)、7.40(d、2H、J=9.0Hz)、7.35(d、2H、J=9.0Hz)、2.92(s、6H);mp272−273℃
【0086】
実施例26:N1,N1−ジメチル−N5−(フラン)−2−イル)メチルビグアニド塩酸塩
【化32】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ7.59(m、1H)、7.38(brs、2H)、6.77(brs、1H)、6.40(dd、1H、J=2.7、1.5Hz)、6.31(s、1H)、4.31(d、2H、J=6.0Hz)、2.92(s、6H);mp176−177℃
【0087】
実施例27:N1,N1−ジメチル−N5−(ピリジン−3−イル)メチルビグアニド塩酸塩
【化33】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ8.65(d、1H、J=1.8Hz)、8.62(brs、2H)、8.52(dd、1H、J=4.8、1.8Hz)、7.93(ddd、1H、J=7.8、1.8、1.8Hz)、7.40(dd、1H、J=7.8、4.8Hz)、4.01(s、2H)、3.34(s、6H);mp112−114℃
【0088】
実施例28:N1,N1−ジメチル−N5−ベンジルビグアニド塩酸塩
【化34】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ8.51(brs、2H)、7.46(m、2H)、7.36(m、3H)、6.91(brs、1H)、3.95(s、2H)、2.83(s、6H);mp151−152℃
【0089】
実施例29:N1,N1−ジメチル−N5−(フェネチル)ビグアニド塩酸塩
【化35】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ8.24(brs、2H)、7.20−7.34(m、6H)、3.00(t、2H、J=7.8Hz)、2.92(s、6H)、2.91(t、2H、J=7.8Hz);mp155−157℃
【0090】
実施例30:N1,N1−ジエチル−N5−(3−クロロ)フェニルビグアニド塩酸塩
【化36】

H NMR (400MHz、DMSO−d)δ9.91(brs、1H)、7.64(brs、2H)、7.60(dd、1H、J=2.0、2.0Hz)、7.29(d、1H、J=8.0Hz)、7.26(ddd、1H、J=8.0、1.6、1.6Hz)、7.05(ddd、1H、J=8.0、1.6、1.6Hz)、6.92(brs、1H)、3.31(m、4H)、1.08(m、6H);mp219−220℃
【0091】
実施例31:N1,N1−ジプロピル−N5−(3−クロロ)フェニルビグアニド塩酸塩
【化37】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ10.20(brs、1H)、7.70(brs、2H)、7.63(d、1H、J=1.8Hz)、7.30(m、2H)、7.05(d、1H、J=7.8Hz)、3.27(m、4H)、1.56(m、4H)、0.85(m、6H);mp201−202℃
【0092】
実施例32:N1,N1−(エチル)(プロピル)−N5−(4−クロロ)フェニルビグアニド塩酸塩
【化38】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ9.71(brs、1H)、8.69(brs、1H)、7.42(d、2H、J=6.6Hz)、7.35(d、2H、J=6.6Hz)、7.23(brs、2H)、2.90(q、2H、J=7.2Hz)、2.80(t、2H、J=7.2Hz)、1.61(m、2H)、1.18(t、3H、J=7.2Hz)、0.91(t、3H、J=7.2Hz);mp110−112℃
【0093】
実施例33:N1,N1−ジプロピル−N5−(イソキノリン−5−イル)ビグアニド塩酸塩
【化39】

H NMR (400MHz、DMSO−d)δ9.27(brs、2H)、8.64(d、1H、J=8.4Hz)、7.97(m、2H)、7.78(ddd、1H、J=8.4、6.0、2.4Hz)、7.71(d、1H、J=7.2Hz)、7.38(brs、1H)、7.23(d、1H、J=7.2Hz)、3.21(t、2H、J=7.6Hz)、0.85(t、3H、J=7.2Hz);mp191−192℃
【0094】
実施例34:N1,N1−ジヘキシル−N5−(3−クロロ)フェニルビグアニド塩酸塩
【化40】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ10.07(brs、1H)、7.67(brs、1H)、7.62(dd、1H、J=2.4、1.8Hz)、7.29(dd、1H、J=7.8、7.8Hz)、7.25(ddd、1H、J=7.8、1.8、1.2Hz)、7.05(ddd、1H、J=7.8、2.4、1.2Hz)、3.27(t、4H、J=7.8Hz)、1.52(m、4H)、1.18−1.34(m、12H)、0.82(m、6H);mp187−188℃
【0095】
実施例35:N1,N1,N5,N5−テトラエチルビグアニド塩酸塩
【化41】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ8.76(brs、2H)、6.90(brs、1H)、2.87(q、8H、J=7.2Hz)、1.17(t、12H、J=7.2Hz);mp140−141℃
【0096】
実施例36:N1,N1−ジエチル−N5,N5−(シクロヘキシル)(メチル)ビグアニド塩酸塩
【化42】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ8.73(brs、2H)、6.90(brs、1H)、3.26(q、4H、J=7.2Hz)、2.86(m、1H)、2.49(s、3H)、1.99(m、2H)、1.74(m、2H)、1.20−1.30(m、6H)、1.02(t、6H、J=7.2Hz);mp115−117℃
【0097】
実施例37:N1,N1−ジプロピル−N5,N5−ジエチルビグアニド塩酸塩
【化43】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ6.92(brs、1H)、6.89(brs、1H)、3.30(m、4H)、3.21(m、4H)、1.51(m、4H)、1.08(t、6H、J=6.0Hz)、0.84(t、6H、J=6.6Hz);mp151−152℃
【0098】
実施例38:N1,N1−ジプロピル−N5,N5−(メチル)(フェネチル)ビグアニド塩酸塩
【化44】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ7.16−7.30(m、5H)、6.90(brs、2H)、3.47(t、2H、J=7.8Hz)、3.18(t、4H、J=7.2Hz)、2.84(s、3H)、2.76(t、2H、J=7.8Hz)、1.49(m、4H)、0.83(m、6H);mp110−111℃
【0099】
実施例39:N1,N1−ジプロピル−N5,N5−(4−ヒドロキシフェニル)(フェニル)ビグアニド塩酸塩
【化45】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ9.86(brs、1H)、7.20−7.38(m、5H)、7.16(d、2H、J=8.4Hz)、6.84(brs、2H)、6.81(d、2H、J=8.4Hz)、3.10(t、4H、J=5.4Hz)、1.54(m、4H)、0.89(t、6H、J=7.2Hz);mp189−190℃
【0100】
実施例40:N1,N1,N5,N5−ビス((ベンジル)(メチル))ビグアニド塩酸塩
【化46】

H NMR (600MHz、DMSO−d)δ7.59(m、4H)、7.41(m、6H)、7.00(brs、2H)、4.07(s、4H)、2.47(s、6H);mp141−142℃
【0101】
[試験例]
本発明の実施例で記述された方式で合成された化合物を下記試験例に記載された方法によって癌細胞を処理し、癌細胞の増殖抑制効能を測定した。簡略な実験方法は、次の通りである。
【0102】
試験例1:癌細胞の増殖抑制効果測定
人間の大腸癌に由来したHCT116細胞を使用し、MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾル−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド )試薬を利用して細胞増殖が50%に抑制される濃度(細胞増殖抑制濃度、GIC50)値を測定し、ビグアニド誘導体の癌細胞の増殖抑制効果を確認した。
【0103】
まず、HCT116細胞を10%子牛血清が含まれたDMEM培地でそれぞれの細胞数が約5000個となるように96ウェルプレートに入れ、24時間培養した。次に、各化合物のGIC50値を求めるために、100uM(または200uM)、25uM、6.25uM、1.56uM及び0.39uMで上記培養液にそれぞれ処理し、48時間培養した。化合物の処理後、生きている細胞を確認するために、MTTを培養液に添加し、3時間さらに培養した。生成されたホルマザン結晶(formazan crystal)は、ジメチルスルホキシド(DMSO)を利用して溶解させた後、560nmで溶液の吸光度を測定した。48時間培養した後、化合物処理をしないウェルプレートで培養された細胞個数に対して実施例で合成された化合物を処理したウェルプレートで生存する細胞の個数を各処理濃度による細胞生存率(%)で示す。これを利用して細胞生存率曲線グラフを作成し、増殖が50%に抑制される化合物の濃度(GIC50)値を計算し、癌細胞の増殖抑制効果を確認した。
【0104】
癌細胞の増殖抑制効果の結果は、下記表1に示した。
【0105】
【表1】

【0106】
試験例2:AMPK活性化効果測定
人間の乳房癌細胞に由来したMCF7細胞を使用し、AMPKα immunoassaykit(Invitrogen、catalog No.KHO0651)を利用してビグアニド誘導体によるAMPKα(5’−AMP−activated protein kinase alpha)活性化効果を確認した。
【0107】
MCF7細胞を10%子牛血清が含まれたDMEM培地で培養し、細胞数が約5X10個になるように6ウェルプレートに入れた後、5%COが供給される培養器で細胞を培養した。上記培養液を上記実施例で合成した誘導体50uMで処理した後、24時間培養した。次に、AMPKα immunoassay kit使用マニュアルに提示されている方法によって細胞を溶解した後、タンパク質定量を通じて20ugの細胞溶解物を得た後、AMPKα immunoassay kit使用マニュアルに提示されている方法によって上記細胞溶解物からAMPKαスレオニン172残基(Thr172)のリン酸化された程度を確認し、その結果を得た。ビグアニド誘導体によるAMPKα活性化程度は、ビグアニド誘導体を処理しない状態で培養された細胞でのリン酸化されたAMPKαに対して、上記実施例で合成された化合物の存在下で培養された細胞でのリン酸化されたAMPKαの程度で示した。
【0108】
また、対照群としてメトホルミンを使用して試験例2と同一の方法で実験を行い、AMPKα活性化効果の結果を、1mMメトホルミン処理時に活性化されるAMPKαの効果と比較した。
【0109】
その結果を下記表2に示した。
【0110】
【表2】

【0111】
結論的に、癌細胞の増殖抑制効果において上記実施例で合成された誘導体が癌細胞、特に大腸癌細胞の生存を効果的に抑制することが分かった。また、AMPK活性化において対照群であるメトホルミンより20倍低い濃度においてさらに良好なAMPKα活性化効果を示す化合物は、対照群より少なくとも20倍以上効果が良好なものと判断することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩:
【化1】

上記式中、
、R、R、及びRは、それぞれ独立に、
3−10シクロアルキル、C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、ヒドロキシ、ハロゲン及びC1−4アルコキシカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換のC1−12アルキル;C3−10シクロアルキル;C1−12アルコキシ;C5−12アリール;C5−12ヘテロアリール;ヒドロキシ;及びハロゲンよりなる群から選択される非水素置換基または水素を示し、
上記アリール及びヘテロアリールは、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換のものである。
【請求項2】
、R、R及びRは、それぞれ独立に、
非置換のC1−7アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル、C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、ヒドロキシ、ハロゲン及びC1−4アルコキシカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されたC1−6アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル;C1−6アルコキシ;C5−12アリール;C5−12ヘテロアリール;ヒドロキシ;及びハロゲンよりなる群から選択される非水素置換基または水素を示し、
上記アリール及びヘテロアリールは、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換のものである、請求項1に記載の化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
及びRは、それぞれ独立に非置換のC1−7アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル、C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール及びC1−4アルコキシカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されたC1−6アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル;C5−12アリール及びC5−12ヘテロアリールよりなる群から選択される非水素置換基を示し、
及びRは、水素;非置換のC1−7アルキル;C5−12アリール;またはC5−12ヘテロアリールで置換されたC1−6アルキルであり、
上記アリール及びC5−12ヘテロアリールは、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換のものである、 請求項2に記載の化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
及びRは、それぞれ独立に非置換のC1−7アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル、C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール及びC1−4アルコキシカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されたC1−4アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル;C5−12アリール;及びC5−12ヘテロアリールよりなる群から選択される非水素置換基を示し、
及びRは、水素;非置換のC1−7アルキル;C5−12アリール;またはC5−12ヘテロアリールで置換されたC1−4アルキルであり、
上記アリール及びヘテロアリールは、フェニル、ピリジニル、フラニル及びイソキノリニルよりなる群から選択され、且つ、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換のものである、 請求項3に記載の化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
は、非置換のC1−7アルキル;C5−12アリールまたはC5−12ヘテロアリールで置換されたC1−4アルキル;C5−12アリールまたはC5−12ヘテロアリールであり、
は、水素;または非置換のC1−7アルキルであり、
は、水素;非置換のC1−7アルキル; C5−12アリール; またはC5−12ヘテロアリールであり、
は、非置換のC1−7アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル、C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール及びC1−4アルコキシカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されたC1−4アルキル;非置換のC3−7シクロアルキル;C5−12アリール;及びC5−12ヘテロアリールよりなる群から選択される非水素置換基を示し、
上記アリール及びヘテロアリールは、フェニル、ピリジニル、フラニル及びイソキノリニルよりなる群から選択され、且つ、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されているかまたは非置換のものである、 請求項4に記載の化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
上記化学式1の化合物が、
N1−ヘキシル−N5−プロピルビグアニド;
N1−プロピル−N5−シクロプロピルメチルビグアニド;
N1−ヘキシル−N5−シクロヘキシルメチルビグアニド;
N1−ヘキシル−N5−ベンジルビグアニド;
N1,N5−ビス(4−クロロフェニル)ビグアニド;
N1,N5−ビス(3−クロロフェニル)ビグアニド;
N1−(4−クロロ)フェニル−N5−(4−メトキシ)フェニルビグアニド;
N1,N5−ビス(3−クロロ−4−メトキシフェニル)ビグアニド;
N1,N5−ビス(3,4−ジクロロフェニル)ビグアニド;
N1,N5−ビス(3,5−ジクロロフェニル)ビグアニド;
N1,N5−ビス(4−ブロモフェニル)ビグアニド;
N1−ベンジル−N5−(ピリジン−3−イル)メチルビグアニド;
N1−(フェネチル)−N5−プロピルビグアニド;
N1−(フェネチル)−N5−シクロプロピルメチルビグアニド;
N1−(フェネチル)−N5−シクロヘプチルビグアニド;
N1,N5−ビス(フェネチル)ビグアニド;
N1,N1、N5−トリメチルビグアニド;
N1,N1−ジメチル−N5−ブチルビグアニド;
N1,N1−ジメチル−N5−(ブタン−2−イル)ビグアニド;
N1,N1−ジメチル−N5−t−ブチルビグアニド;
N1,N1−ジメチル−N5−ペンチルビグアニド;
N1,N1−ジメチル−N5−メトキシカルボニルエチルビグアニド;
N1,N1−ジメチル−N5−シクロヘプチルビグアニド;
N1,N1−ジメチル−N5−シクロプロピルメチルビグアニド;
N1,N1−ジメチル−N5−(4−ブロモ)フェニルビグアニド;
N1,N1−ジメチル−N5−(フラン)−2−イル)メチルビグアニド;
N1,N1−ジメチル−N5−(ピリジン−3−イル)メチルビグアニド;
N1,N1−ジメチル−N5−ベンジルビグアニド;
N1,N1−ジメチル−N5−(フェネチル)ビグアニド;
N1,N1−ジエチル−N5−(3−クロロ)フェニルビグアニド;
N1,N1−ジプロピル−N5−(3−クロロ)フェニルビグアニド;
N1,N1−(エチル)(プロピル)−N5−(4−クロロ)フェニルビグアニド;
N1,N1−ジプロピル−N5−(イソキノリン−5−イル)ビグアニド;
N1,N1−ジヘキシル−N5−(3−クロロ)フェニルビグアニド;
N1,N1,N5,N5−テトラエチルビグアニド;
N1,N1−ジエチル−N5,N5−(シクロヘキシル)(メチル)ビグアニド;
N1,N1−ジプロピル−N5,N5−ジエチルビグアニド;
N1,N1−ジプロピル−N5,N5−(メチル)(フェネチル)ビグアニド;
N1,N1−ジプロピル−N5,N5−(4−ヒドロキシフェニル)(フェニル)ビグアニド;または
N1,N1,N5,N5−ビス((ベンジル)(メチル))ビグアニドである、 請求項1に記載の化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
上記薬学的に許容可能な塩が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、イソ酪酸、トリフルオロ酢酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、コハク酸モノアミド、グルタミン酸、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ジクロロ酢酸、アミノオキシ酢酸、塩酸、ブロム酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸及びホウ酸よりなる群から選択された酸との塩である、 請求項1に記載の上記化学式1の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
下記化学式2の化合物をジシアノアミドと有機溶媒の中で反応させて下記化学式3の化合物を得る段階と;
下記化学式3の化合物を化学式4の化合物と有機溶媒の中で反応させて下記化学式1の化合物を得る段階と;
を含む下記化学式1の化合物の製造方法:
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

、R、R、及びRは、それぞれ独立に、
3−10シクロアルキル、C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、ヒドロキシ、ハロゲン及びC1−4アルコキシカルボニルよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換のC1−12アルキル;C3−10シクロアルキル;C1−12アルコキシ;C5−12アリール;C5−12ヘテロアリール;ヒドロキシ;及びハロゲンよりなる群から選択される非水素置換基または水素を示し、
上記アリール及びヘテロアリールは、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ及びハロゲンよりなる群から選択される1つ以上の非水素置換基で置換されるかまたは非置換のものである。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む医薬。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、糖尿、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、脂肪肝、冠状動脈疾患、骨粗しょう症、多嚢胞性卵巣症候群、代謝性症侯群、癌、筋肉痛、筋肉細胞損傷及び横紋筋融解よりなる群から選択される疾患の治療用薬学組成物。
【請求項11】
上記糖尿病がインスリン非依存性糖尿病である、請求項10に記載の薬学組成物。
【請求項12】
上記癌は、乳房癌、大腸癌、胃癌、肝臓癌、肺癌、血液癌、前立腺癌、脳癌、膵臓癌、卵巣癌、または子宮内膜癌である、請求項10に記載の薬学組成物。
【請求項13】
上記薬学組成物は、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、注射剤または液剤の形態に製剤化されたものである、請求項10に記載の薬学組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の、糖尿、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、脂肪肝、冠状動脈疾患、骨粗しょう症、多嚢胞性卵巣症候群、代謝性症侯群、癌、筋肉痛、筋肉細胞損傷及び横紋筋融解よりなる群から選択される疾患の治療用医薬の製造のための使用。
【請求項15】
上記糖尿病がインスリン非依存性糖尿病である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
上記癌は、乳房癌、大腸癌、胃癌、肝臓癌、肺癌、血液癌、前立腺癌、脳癌、膵臓癌、卵巣癌、または子宮内膜癌である、請求項14に記載の使用。
【請求項17】
治療上有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を対象体に投与することを含む糖尿、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、脂肪肝、冠状動脈疾患、骨粗しょう症、多嚢胞性卵巣症候群、代謝性症侯群、癌、筋肉痛、筋肉細胞損傷及び横紋筋融解よりなる群から選択される疾患の治療方法。
【請求項18】
上記糖尿病がインスリン非依存性糖尿病である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
上記癌は、乳房癌、大腸癌、胃癌、肝臓癌、肺癌、血液癌、前立腺癌、脳癌、膵臓癌、卵巣癌、または子宮内膜癌である、請求項17に記載の方法。

【公表番号】特表2013−516461(P2013−516461A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547967(P2012−547967)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際出願番号】PCT/KR2011/000097
【国際公開番号】WO2011/083998
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(509121835)ハナル バイオファーマ カンパニー リミテッド (6)
【Fターム(参考)】