説明

ビスホスホネート類の組成物および薬物送達

本発明は、被験体におけるビスホスホネート化合物に応答性である医学的状態を治療または予防する方法を提供する。本方法は、前記被験体に前記ビスホスホネートの治療有効量を含む医薬組成物を隔週1回以上の頻度の投与スケジュールで投与するステップを含む。一部の実施形態では、前記ビスホスホネート化合物はゾレドロン酸である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、その開示が全体として引用により本明細書に取り込まれる2009年2月25日に出願された米国特許仮出願第61/155,269号明細書の米国特許法第119条e項の下での恩典を主張するものである。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、概してビスホスホネート類の組成物、およびビスホスホネート化合物を含む医薬組成物を使用することにより医学的状態を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ビスホスホネート類は、異常に加速された骨吸収に関連する疾患、例えば骨粗鬆症、ページェット(Paget)病、腫瘍誘発性高カルシウム血症、およびより近年には骨転移を治療する際に有望な効果を証明してきた重要なクラスの薬物である。
【0004】
腫瘍誘発性疾患を治療するために必要とされる用量は、他の治療のために必要とされる用量より通常は高い。例えば、ビスホスホネート化合物であるゾレドロン酸は、骨粗鬆症、ページェット病、高カルシウム血症、骨転移、または多発性骨髄腫を治療するために使用できる。しかし、オンコロジー関連疾患、例えば腫瘍誘発性低カルシウム血症を治療するための用量は、骨粗鬆症または関連疾患を治療するために使用される用量より約10倍高い。さらに、患者におけるビスホスホネート類の吸収は、極めて限定される。通常は、錠剤のビスホスホネート有効成分含量の1%未満しか吸収され得ない。さらに、ほとんどのビスホスホネート類が胃腸(GI)管にとって毒性であることは、周知である。
【0005】
このため、オンコロジー治療のために必要とされるビスホスホネートの高用量に達するために、ほとんどの治療は静脈内注入によって実施されるが、これは患者にとって不便で高額な費用がかかる。骨粗鬆症のための静脈内ビスホスホネート(例えば、ゾレドロン酸)療法は、必要とされる治療効果を達成するために使用されなければならない静脈注入療法に関連する不便さと費用のために、通常は3カ月または1年に1回しか投与されない。ビスホスホネート(例えば、ゾレドロン酸)を使用するオンコロジー治療は、通常は4週間毎、または一部の極めて重度の症例では3週間毎に1回投与される。同様に、療法の不便さおよび費用がこれらの投与スケジュールに駆り立ててきた。このため、静脈内注入療法によって持続性治療作用を提供することは困難である。さらに、患者は、静脈内注入からの注入関連性副作用に悩まされることがある。公知の経口投与法の一部は、オンコロジー治療のために必要とされる高用量を備えるビスホスホネート化合物の投与を許容し得るが、GI管の損傷はおそらく高用量治療からの未吸収薬物の残留物のために発生する。さらに、GI管への潜在的損傷に加えて、ビスホスホネート化合物の高用量はさらにまた、特にビスホスホネートが静脈内注入によって投与された場合は、起こり得る腎障害、発熱、および全身倦怠を誘発することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、骨粗鬆症関連状態に対するビスホスホネート(例えば、静脈内注入のためのゾレドロン酸濃縮物)療法のための用量は、オンコロジー治療のための用量の約10%である。骨粗鬆症関連状態を治療するためには、ビスホスホネートは、年1回5mgが投与されてよい。骨粗鬆症関連状態を予防するためには、ビスホスホネートは、隔年に5mgとして投与されてよい。オンコロジー関連状態を治療するためには、ビスホスホネートは、4週間毎に4mgが投与されてよい。ビスホスホネートは、静脈内注入として投与される場合は、腎毒性、ならびに発熱および骨痛を包含する急性期症候群を包含する重大な毒性を有する。これは、特にオンコロジー治療について当てはまる。全ビスホスホネート類は経口投与と関連する認識可能なGI毒性を有するので、ゾレドロン酸はこれまでより頻回な投与スキームでは投与されてこなかった。一部の重篤なオンコロジー症例では、ビスホスホネートは、3週間毎に4mgとして投与されるが、これは毒性の可能性を増加させる。
【0007】
本発明の1つの態様は、ビスホスホネート化合物に応答性である医学的状態を有する被験体に治療または予防の方法を提供する。本方法は、被験体にビスホスホネートの治療有効量を含む医薬組成物を隔週1回以上の頻度の投与スケジュール(no less frequently than a bi-weekly dosage schedule)、または一部の実施形態では週1回もしくは1日1回の投与スケジュールで投与するステップを含んでいる。一部の実施形態では、ビスホスホネート化合物は、ゾレドロネートである。1つの実施形態では、ビスホスホネートは、被験体に経口投与される。1つの実施形態では、本明細書に記載した方法は、ビスホスホネートの持続性治療作用を提供する。また別の実施形態では、本明細書に記載した方法は、被験体にビスホスホネート化合物を投与することから生じる有害作用の減少を提供する。
【0008】
1つの実施形態では、医学的状態は、骨粗鬆症、関節リウマチ、骨折、過剰骨吸収およびそれらの組み合わせから選択される。また別の実施形態では、医学的状態は、全身性エリテマトーデス(SLE)、癌、腫瘍誘発性低カルシウム血症、骨転移およびそれらの組み合わせから選択される。1つの実施形態では、癌は、前立腺癌、転移性骨癌、肺癌、多発性骨髄腫、乳癌、および転移性疾患を誘発する任意の固形腫瘍からなる群から選択される。
【0009】
また別の実施形態では、医薬組成物は、固体経口剤形である。一部の実施形態では、医薬組成物は、エンハンサーをさらに含んでいる。1つの実施形態では、エンハンサーは、中鎖脂肪酸塩、エステル、エーテル、または中鎖脂肪酸の誘導体であり、約4〜約20個の炭素原子の炭素鎖長を有する。1つの実施形態では、エンハンサーの炭素鎖長は、6〜20個または8〜14個の炭素原子である。1つの実施形態では、エンハンサーは、カプリル酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウムおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。1つの実施形態では、エンハンサーは、カプリン酸ナトリウムである。
【0010】
本発明の目的は、当業者であれば、以下の図面および実施形態についての詳細な説明を読むことで明らかになり、そのような説明は本発明の単なる例示である。
【0011】
以下の図面は本明細書の一部を形成するものであり、本発明の所定の態様を詳細に実証するために含まれている。本発明は、本明細書に提示した特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせて、これらの図面の1つ以上を参照することによってより明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】コホートA、BおよびCの血清中C−テロペプチド(CTX)の相関を経時的に示すグラフである。
【図2】コホートA、BおよびCの尿中N−テロペプチド架橋(NTx)の相関を経時的に示すグラフである。
【図3】コホートA、BおよびCのカルシウム濃度の比較を経時的に示すグラフである。
【図4】コホートA、BおよびCの骨特異的アルカリホスファターゼの相関を経時的に示すグラフである。
【図5】5(a)および5(b)は3種の投与スケジュールについての平均重症度および最悪重症度を含む疼痛一覧を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の上記およびその他の態様について、本明細書に提供した説明および方法に関連してより詳細に説明する。本発明は、様々な形態で具現できること、および本明細書に記載した実施形態に限定されると見なすべきではないことを理解されたい。むしろ、これらの実施形態は、本開示が充分かつ完全であるように、および当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように提供される。
【0014】
本明細書の本発明の説明において使用される用語は、特定の実施形態だけを説明することを目的とし、本発明を限定することは意図されていない。本発明の実施形態の説明および添付の特許請求の範囲において使用される単数形「1つの」および「その」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形を同様に包含することが意図されている。さらに本明細書で使用する「および/または」は、関連する列挙された項目の1つ以上のいずれかおよび全ての考えられる組み合わせを意味し、それらを含んでいる。
【0015】
用語「含む」および/または「含んでいる」は、本明細書で使用される場合は、規定された特徴、整数、ステップ、作業、要素、および/または成分の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、作業、要素、成分、および/またはそれらの群の存在または追加を排除しないとさらに理解されたい。他に規定されない限り、本説明において使用される技術用語および科学用語を含む全ての用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解される意味と同一の意味を意味する。
【0016】
本発明の組成物に適用される用語「〜から実質的になる」(および文法上の変形)は、追加の成分が本組成物を物質的に変化させない限り、本組成物が追加の成分を含有できることを意味している。本組成物に適用される用語「物質的に変化した」は、列挙された成分からなる組成物の有効性と比較して本組成物の治療有効性の少なくとも約20%以上の増加または減少を意味する。
【0017】
文脈が他のことを指示しない限り、本明細書に記載した本発明の様々な特徴を任意の組み合わせで使用できることが特別に意図されている。
【0018】
さらに、本発明は、本発明の一部の実施形態では、本明細書に規定した任意の特徴または特徴の組み合わせを排除または除外できることもまた想定している。
【0019】
本明細書で引用した全特許、特許出願および刊行物は、全体として引用により組み入れられる。用語の不一致が生じた場合は、本明細書が優先される。
【0020】
本発明の研究者らは、実質的に改良された治療作用を提供するために代替投与スケジュールを使用できることを同定した。これらの改良は、ビスホスホネート化合物を投与することおよび/または持続性治療作用を提供することから生じる有害作用の減少を含むことができる。
【0021】
本発明の1つの態様は、被験体においてビスホスホネート化合物に応答性である医学的状態を治療または予防する方法を提供する。本方法は、ビスホスホネートの治療有効量を含む医薬組成物を隔週1回以上の頻度の投与スケジュールで被験体に投与するステップを含んでいる。
【0022】
本明細書で使用する「ビスホスホネート化合物に応答性である医学的状態」は、ビスホスホネート化合物を投与することによって治療または予防できる医学的状態を意味する。典型的な医学的状態には、骨粗鬆症、関節リウマチ、骨折、過剰骨吸収およびそれらの組み合わせが含まれるがそれらに限定されない。さらに典型的な医学的状態には、SLE、癌(例えば、前立腺癌、転移性骨癌、肺癌、多発性骨髄腫、乳癌、および転移性疾患を誘発する任意の固形腫瘍)、腫瘍誘発性低カルシウム血症、骨転移およびそれらの組み合わせが含まれるがそれらに限定されない。
【0023】
本明細書で使用する「治療する」、「治療」、「治療すること」は、本明細書に記載した医学的状態、障害もしくは疾患の進行を逆転させる、軽減する、または阻害することを意味する。
【0024】
本明細書で使用する「予防」、「予防する」、および「予防すること」は、講じられた措置の非存在下で発生する可能性がある医学的状態、障害もしくは疾患に比較して、本明細書に記載した医学的状態、障害もしくは疾患の出現もしくは発生を排除する、減少させる、または遅延させることを意味する。
【0025】
一部の実施形態では、ビスホスホネートは、静脈内投与を介して被験体に投与される。また別の実施形態では、ビスホスホネートは、被験体に経口投与される。
【0026】
1つの実施形態では、本明細書に記載した治療または予防は、ビスホスホネートの持続性治療効果を提供することができる。本明細書で使用する「持続性治療効果」は、投与された被験体におけるビスホスホネート化合物の相対的に一定の有効性濃度を意味する。一部の実施形態では、持続性治療効果は、適用可能なバイオマーカーの相対的持続性レベルに反映され、例えば、該バイオマーカーの変動は、治療中の該バイオマーカーの平均濃度の約5%、10%、20%または30%以下(no more than about 5%, 10%, 20% or 30%)である。本明細書で使用する「治療中」は、ビスホスホネートが被験体に定期的に投与される期間である。本発明においては、例えば骨代謝と関連付けられるバイオマーカーなどの任意の適用可能なバイオマーカーを使用できる。典型的なバイオマーカーには、骨アルカリホスファターゼ、尿中N−テロペプチド架橋(N-Telopeptide Cross-Links (NTX))、血清C−テロペプチド(CTX)、または血清カルシウム濃度が含まれるがそれらに限定されない。
【0027】
1つの実施形態では、本明細書に記載した医薬組成物が被験体に投与された後には、被験体の尿中のNTXの濃度は減少し、治療中は約5〜約60BCE/mMol、約1〜約41BCE/mMol、約11〜約31BCE/mMol、または約15〜約35BCE/mMolの範囲内に維持される。本明細書で使用する「BCE/mmol」は、1ミリモル当たりの骨コラーゲン当量である。また別の実施形態では、被験体の尿中NTXの濃度は減少し、治療中は約20〜約30BCE/mMolの範囲内に維持される。一部の実施形態では、NTXの減少した変動は、NTXの平均の減少した濃度の約5%、10%、20%または30%以下である。
【0028】
一部の実施形態では、被験体のCTXの濃度は減少し、治療中は約35〜約600pg/ml、約100〜約300pg/ml、または約5〜約350pg/mlの範囲に維持される。本明細書で使用する「pg/ml」は、1ミリリットル当たりのピクトグラムである。また別の実施形態では、被験体のCTXの濃度は減少し、治療中は約150〜約260pg/mLの範囲に維持される。一部の実施形態では、CTXの減少した変動は、CTXの減少した平均濃度の5%、10%、20%または30%以下である。
【0029】
また別の実施形態では、本明細書に記載した方法は、被験体にビスホスホネート化合物を投与することから生じる有害作用の減少を提供することができる。本明細書で使用する「有害作用の減少」は、月1回または年1回の投与スケジュールで市場で一般に使用される方法(例えば、IV注入)によって投与されるビスホスホネート化合物に比較した有害作用の発生頻度および/または重症度の減少を意味する。有害作用は、ビスホスホネート化合物を投与することから生じる任意の毒性または有害作用であってよい。1つの実施形態では、有害作用は、腎損傷、全身倦怠、急性期反応、胃痛、疲労、悪心、またはそれらの組み合わせから選択される。また別の実施形態では、急性期反応は、発熱、筋肉痛、骨痛、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0030】
1つの実施形態では、ビスホスホネートは、被験体に週1回の投与スケジュールまたは1日1回の投与スケジュールで投与される。また別の実施形態では、医薬組成物が経口投与される場合、ビスホスホネート化合物の経口用量は、静脈注入を通して投与されるビスホスホネート化合物の全身用量より約8〜400倍または8〜約200倍多い。本明細書で使用する「全身用量」は、静脈注入または経口投与のいずれかによって被験体の循環系に送達されるビスホスホネート化合物の量を意味する。本明細書で使用する「経口用量」は、ビスホスホネート化合物の経口剤形にあるビスホスホネート化合物の量、例えば1つ以上の錠剤またはカプセル剤中のビスホスホネート化合物の量を意味している。
【0031】
一部の実施形態では、本明細書に記載した方法は、骨粗鬆症関連状態、例えば骨粗鬆症、関節リウマチ、骨折、過剰骨吸収またはそれらの組み合わせを治療または予防するために使用される。本明細書に記載した方法が骨粗鬆症関連性医学的状態を治療するために使用される場合は、医薬組成物の全身用量は、ビスホスホネート化合物が1日当たり約0.000018mmol(例えば、0.005mgのゾレドロン酸)〜約0.00015mmol(例えば、0.04mgのゾレドロン酸)の範囲内にある。また別の実施形態では、医薬組成物の全身用量は、1週間当たりビスホスホネート化合物が約0.00013mmol(例えば、0.035mgのゾレドロン酸)〜約0.001mmol(例えば、0.28mgのゾレドロン酸)の範囲内にある。1つの実施形態では、ビスホスホネート(例えば、ゾレドロン酸)が週1回の投与スケジュールで錠剤の剤形で投与され、該錠剤のバイオアベイラビリティは約5%であるとき、ビスホスホネート化合物の経口用量は約0.0026mmol(例えば、0.7mgのゾレドロン酸)〜約0.02(例えば、5.6mgのゾレドロン酸)の範囲内にある。1つの実施形態では、ビスホスホネート(例えば、ゾレドロン酸)が隔週1回の投与スケジュールで錠剤の剤形で投与され、該錠剤のバイオアベイラビリティは約5%であるとき、ビスホスホネート化合物の経口用量は約0.005mmol(例えば、1.4mgのゾレドロン酸)〜約0.04(例えば、11.2mgのゾレドロン酸)の範囲内にある。また別の実施形態では、ビスホスホネート(例えば、ゾレドロン酸)が1日1回の投与スケジュールで錠剤の剤形で投与され、該錠剤のバイオアベイラビリティは約5%であるとき、ビスホスホネート化合物の経口用量は約0.00037mmol(例えば、0.1mgのゾレドロン酸)〜約0.0028(例えば、0.8mgのゾレドロン酸)の範囲内にある。本明細書に提供した範囲は、錠剤剤形にあるビスホスホネートについての経口用量の典型的な範囲を提供することを意図している。しかし経口用量は、錠剤のバイオアベイラビリティが変化すると変動する可能性がある。
【0032】
また別の実施形態では、本明細書に記載した方法は、例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)、癌、腫瘍誘発性低カルシウム血症、骨転移またはそれらの組み合わせを含むがそれらに限定されないオンコロジー関連状態を治療するために使用される。一部の実施形態では、癌は、骨転移性疾患を誘発する可能性がある任意の固形腫瘍である。1つの実施形態では、癌は、前立腺癌、転移性骨癌、肺癌、多発性骨髄腫、乳癌、および転移性疾患を誘発する任意の固形腫瘍から選択される。本明細書に記載した方法がオンコロジー関連性医学的状態を治療するために使用される場合は、医薬組成物の全身用量は、ビスホスホネート化合物が1日当たり約0.00018mmol(例えば、0.05mgのゾレドロン酸)〜約0.0015mmol(例えば、0.4mgのゾレドロン酸)の範囲内にある。また別の実施形態では、医薬組成物の全身用量は、1週当たりビスホスホネート化合物が約0.0013mmol(例えば、0.35mgのゾレドロン酸)〜約0.01mmol(例えば、2.8mgのゾレドロン酸)の範囲内にある。1つの実施形態では、ビスホスホネート(例えば、ゾレドロン酸)が週1回の投与スケジュールで錠剤の剤形で投与され、該錠剤のバイオアベイラビリティは約5%であるとき、ビスホスホネート化合物の経口用量は約0.026mmol(例えば、7mgのゾレドロン酸)〜約0.2(例えば、56mgのゾレドロン酸)の範囲内にある。1つの実施形態では、ビスホスホネート(例えば、ゾレドロン酸)が隔週1回の投与スケジュールで錠剤の剤形で投与され、該錠剤のバイオアベイラビリティは約5%であるとき、ビスホスホネート化合物の経口用量は約0.05mmol(例えば、14mgのゾレドロン酸)〜約0.4(例えば、112mgのゾレドロン酸)の範囲内にある。また別の実施形態では、ビスホスホネート(例えば、ゾレドロン酸)が1日1回の投与スケジュールで錠剤の剤形で投与され、該錠剤のバイオアベイラビリティは約5%であるとき、ビスホスホネート化合物の経口用量は約0.0037mmol(例えば、1mgのゾレドロン酸)〜約0.028(例えば、8mgのゾレドロン酸)の範囲内にある。本明細書に提供した範囲は、錠剤の剤形にあるビスホスホネートについての経口用量の典型的な範囲を提供することを意図している。しかし、経口用量は、錠剤のバイオアベイラビリティが変化するとき変動する可能性がある。
【0033】
本発明の一部の実施形態によると、ビスホスホネート化合物の医薬組成物が本明細書に記載した投与スケジュールで投与されるとき、持続性治療作用および減少した有害作用は、本明細書に記載したエンハンサーを用いて、または用いずに提供することができ、医薬組成物は任意の適用可能な投与方法によって投与することができる。
【0034】
任意の特定被験体のための特定用量レベルは、使用される特定のビスホスホネート化合物、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食生活、投与時間、排出速度、複合薬、ならびに治療される特定疾患の重症度および投与の形態を含む様々な要素に依存する可能性があると理解されている。さらに、当業者であれば、治療が行われる状態の予防的または治療的処置のためのビスホスホネート化合物の有効量を容易に決定および規定できると理解されている。
【0035】
本明細書で使用する用語「ビスホスホネート」には、ビスホスホネート化合物の酸、塩、エステル、水和物、多形体、半水和物(hemihydrate)、溶媒和物、および誘導体が含まれる。本発明において有用なビスホスホネートの非限定的例には以下が含まれる。
(a)アレンドロン酸としても公知であるアレンドロネート、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−、1−ビスホスホン酸、アレンドロン酸ナトリウム、アレンドロン酸一ナトリウム三水和物(alendronate monosodium trihydrate)もしくは4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸一ナトリウム三水和物;
(b)[(シクロヘプチルアミノ)−メチレン]−ビス−ホスホネート(インカドロネート);
(c)(ジクロロメチレン)−ビス−ホスホン酸(クロドロン酸)および二ナトリウム塩(クロドロネート);
(d)[1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニル)−プロピリデン]−ビス−ホスホネート(EB−1053);
(e)(1−ヒドロキシエチリデン)−ビス−ホスホネート(エチドロネート);
(f)[1−ヒドロキシ−3−(メチルペンチルアミノ)ピロリデン]−ビス−ホスホネート(イバンドロネート);
(g)(6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシリデン)−ビス−ホスホネート(ネリドロネート);
(h)[3−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシプロピリデン]−ビス−ホスホネート(オルパドロネート);
(i)(3−アミノ−1−ヒドロキシプロピリデン)−ビス−ホスホネート(パミドロネート);
(j)[2−(2−ピリジニル)エチリデン]−ビス−ホスホネート(ピリドロネート);
(k)[1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジニル)−エチリデン]−ビス−ホスホネート(リセドロネート);
(l){[(4−クロロフェニル)チオ]メチレン}−ビス−ホスホネート(チルドロネート);
(m)ゾレドロン酸としても公知であるゾレドロネート、1−ヒドロキシ−2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチリデン]−ビス−ホスホネート(ゾレドロネート);および
(n)[1−ヒドロキシ−2−イミダゾピリジン−(1,2−a)−3−イルエチリデン]−ビス−ホスホネート(ミノドロネート)。
【0036】
本発明の1つの実施形態では、ビスホスホネートは、リセドロネート、アレンドロネート、パミドロネート、チルドロネート、シマドロネート、イバンドロネート、クロドロネート、またはゾレドロネートから選択される。1つの実施形態では、ビスホスホネートは、ゾレドロン酸である。
【0037】
本明細書および特許請求の範囲を通して使用される用語「ゾレドロネートまたはゾレドロン酸」には、関連ビスホスホン酸形、医薬上許容される塩形、およびこれらの平衡混合物が包含される。用語「ゾレドロネート」には、ゾレドロネートの結晶、水和した結晶、および非晶質形ならびに医薬上許容される塩が含まれる。
【0038】
用語「ビスホスホネート」には、立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ混合物およびそれらの誘導体、例えば塩、酸、エステルなどを包含する全ての形態が含まれる。ビスホスホネートは、固体、液体、溶液、懸濁液などを包含する任意の適合する相状態で適用することができる。固体粒子形で提供される場合、粒子は任意の適合するサイズもしくは形態の粒子であってよく、そして1つ以上の結晶、半結晶および/または非晶質形を想定できる。
【0039】
本明細書において有用なビスホスホネート塩の非限定的な例には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ性金属、アンモニウムおよびモノ−、ジ−、トリ−、またはテトラC−C30アルキル置換アンモニウムから選択されるものが含まれる。
【0040】
本発明において使用できるビスホスホネート類は、それらが全体として引用により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0139378号明細書および第2004/0157799号明細書においてさらに考察されている。
【0041】
本発明の経口剤形中に含有されるビスホスホネート有効成分の量は、選択される特定のビスホスホネートおよび該ビスホスホネートが患者に投与される投与スケジュールに依存する。1日1回、週1回、および隔週1回の投与スケジュールは、本発明の経口剤形または静脈内注入とともに使用するために適合する投与レジメンの非限定的例である。用語「隔週1回」は、剤形が14日毎に1回投与されることを意味する。用語「週1回」は、剤形が7日毎に投与されることを意味する。用語「1日1回」は、剤形が毎日1回投与されることを意味する。
【0042】
本明細書で使用する「治療有効量」は、存在する医学的状態を治療する、および/または被験体における医学的状態の発生を予防もしくは遅延させる際に治療的に有用な反応を引き出すビスホスホネートの量を意味する。一部の実施形態では、被験体は哺乳動物である。一部の実施形態では、被験体はヒトである。
【0043】
一部の実施形態では、本明細書に記載した方法においては、ビスホスホネートは、経口剤形で投与することができる。また別の実施形態では、医薬組成物が経口投与されるとき、医薬組成物はエンハンサーをさらに含むことができる。本明細書で使用する用語「エンハンサー」は、例えばヒトなどの被験体におけるGI管中、例えばビスホスホネート化合物などの薬物の輸送を強化できる化合物(または化合物の混合物)を意味する。一部の実施形態では、エンハンサーは、4〜20個の炭素原子、または6〜20個の炭素原子の炭素鎖長を有する中鎖脂肪酸または中鎖脂肪酸誘導体である。一部の実施形態では、エンハンサーは、6〜20個の炭素原子の炭素鎖長を有する中鎖脂肪酸または中鎖脂肪酸誘導体であるが、このとき(i)該エンハンサーが中鎖脂肪酸のエステルである場合は、6〜20個の炭素原子の前記鎖長がカルボキシレート部分の鎖長に関している、および(ii)該エンハンサーが中鎖脂肪酸のエーテルである場合は、少なくとも1つのアルコキシ基は6〜20個の炭素原子の炭素鎖長を有することを条件とする。一部の実施形態では、エンハンサーは、室温では固体であり、そして8〜14個の炭素原子の炭素鎖長を有する。また別の実施形態では、エンハンサーは、中鎖脂肪酸のナトリウム塩である。さらに別の実施形態では、エンハンサーは、カプリル酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウムまたはそれらの組み合わせである。一部の実施形態では、エンハンサーは、カプリン酸ナトリウムである。また別の実施形態では、薬物(ビスホスホネート)およびエンハンサーは、1:100,000から10:1(薬物(ビスホスホネート):エンハンサー)または1:1,000から10:1の比率で存在することができる。エンハンサーは、それらが全体として引用により組み込まれる米国特許第7,658,938号明細書および第7,670,626号明細書、ならびに米国特許出願公開第2003/0091623号明細書および第2007/0238707号明細書にさらに記載されている。
【0044】
本明細書で使用する用語「中鎖脂肪酸誘導体」には、脂肪酸塩類、エステル類、エーテル類、酸ハロゲン化物類、アミド類、無水物類、カルボキシレートエステル類、亜硝酸塩類または亜硝酸エステル類(nitrites)、ならびに例えばモノ−、ジ−、またはトリ−グリセリド類などのグリセリド類が含まれる。炭素鎖は、様々な飽和度によって特徴付けることができる。1つの実施形態では、炭素鎖は、完全飽和または部分不飽和(すなわち、1つ以上の炭素−炭素多重結合を含有)であってよい。用語「中鎖脂肪酸誘導体」は、さらに中鎖脂肪酸も含むと言われるが、このとき酸性基(もしくは誘導体)の反対側の炭素鎖の末端はさらにまた上記の部分の1つ(すなわち、エステル、エーテル、酸ハロゲン化物、アミド、無水物、カルボキシレートエステル、ニトリル、またはグリセリド成分)を用いて官能化されている。したがってそのような二官能脂肪酸誘導体は、例えば二酸類およびジエステル類(官能部分は同一種類である)を包含し、アミノ酸およびアミノ酸誘導体等の異なる官能部分を含む二官能化合物もまた包含し、例えば中鎖脂肪酸またはそれらのエステルまたは塩であって、それらの酸またはエステルまたは塩とは反対側の脂肪酸炭素鎖の末端でアミド成分を含む中鎖脂肪酸またはそれらのエステルまたは塩が挙げられる。
【0045】
本明細書で使用する「エンハンサーの治療有効量」は、ビスホスホネート化合物等の薬物の基礎循環への腸内送達を高め、ビスホスホネート化合物等の薬物の経口投与による治療有効量の取込みを許容するエンハンサーの量を意味する。難透過性薬物の胃腸送達を高める際にエンハンサーの有効性が投与部位に依存することは証明されており、最適送達の部位は薬物およびエンハンサーに依存する。
【0046】
ビスホスホネート類とエンハンサー類との組み合わせは、全体として引用により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2007/0238707号明細書にさらに記載されている。
【0047】
1つの実施形態では、医薬組成物は、経口剤形、例えば固体経口剤形にある。本発明に記載したビスホスホネート類の経口剤形は、ビスホスホネート類の有効量を患者に迅速に、そして静脈内注入と結び付いた有害な副作用のいずれも伴わずに送達することができる。
【0048】
1つの実施形態では、経口剤形は、錠剤、多微粒子(multiparticulate)、またはカプセル剤であってよい。一部の実施形態では、経口剤形は胃内での薬物およびエンハンサーの放出を最小源に抑えて局所エンハンサー濃度の希釈を最小限に抑え、腸内に薬物およびエンハンサーを放出する遅延放出型剤形である。一部の実施形態では、経口剤形は、遅延放出迅速発現型剤形である。そのような剤形は胃内での薬物およびエンハンサーの放出を最小限に抑えて局所エンハンサー濃度の希釈を最小限に抑えるが、腸内で適切な部位に達すると薬物およびエンハンサーを迅速に放出し、吸収部位での薬物およびエンハンサーの局所濃度を最大化することによって難透過性薬物の送達を最大化する。
【0049】
本明細書で使用する用語「錠剤」には、即時放出型(IR)錠剤、持続放出型(SR)(sustained release)錠剤、マトリックス錠剤、多層錠剤、多層マトリックス錠剤、徐放性(extended release)錠剤、遅効性錠剤およびパルス放出錠剤が含まれるがそれらに限定されず、それらのいずれかまたは全部は任意で1つ以上のコーティング材料でコーティングされてよい。コーティング材料としては、ポリマーコーティング材料、例えば腸溶コーティング、放出速度制御コーティング、半透性コーティングなどが挙げられる。用語「錠剤」は、さらにまたビスホスホネート等の薬物化合物がオスマジェント(osmagent)(および任意で他の賦形剤)と結合されて半透膜でコーティングされる浸透性送達系を包含する。該半透膜は、薬物化合物を放出できる開口部を規定する。本発明で使用する医薬組成物の錠剤の固体経口剤形には、IR錠剤、SR錠剤、コーティングIR錠剤、マトリックス錠剤、コーティングマトリックス錠剤、多層錠剤、コーティング多層錠剤、多層マトリックス錠剤およびコーティング多層マトリックス錠剤からなる群から選択される固体経口剤形が含まれるがそれらに限定されない。一部の実施形態では、錠剤剤形は、腸溶コーティング錠剤剤形である。また別の実施形態では、錠剤剤形は、腸溶コーティング迅速発現型錠剤剤形である。
【0050】
本明細書で使用する用語「カプセル剤」には、即時放出型カプセル剤、持続放出型カプセル剤、コーティング即時放出型カプセル剤、コーティング持続放出型カプセル剤、遅延放出型カプセル剤およびコーティング遅延放出型カプセル剤が含まれる。1つの実施形態では、カプセル剤形は、腸溶コーティングカプセル剤形である。また別の実施形態では、カプセル剤形は、腸溶コーティング迅速発現型カプセル剤形である。
【0051】
本明細書で使用する用語「多微粒子(multiparticulate)」は、複数の別個の粒子、ペレット剤、ミニ錠剤およびそれらの混合物または組み合わせを意味する。経口形が多微粒子カプセル剤、硬質もしくは軟質カプセル剤、例えばゼラチンカプセル剤である場合は、多微粒子を含有するために適切に使用できる。1つの実施形態では、多微粒子を含有するためにサシェ剤を適切に使用できる。多微粒子は、放出速度制御ポリマー材料を含有する層でコーティングすることができる。多微粒子経口剤形は、相違するインビトロ(生体外)および/またはインビボ(生体内)放出特性を有する、粒子、ペレット剤、またはミニ錠剤の2つ以上の集団のブレンドを含むことができる。例えば、多微粒子経口剤形は、適切なカプセル内に含有された即時放出成分および遅延放出型成分のブレンドを含むことができる。1つの実施形態では、多微粒子剤形は、遅延放出迅速発現型ミニ錠剤を含有するカプセル剤を含んでいる。また別の実施形態では、多微粒子剤形は、即時放出ミニ錠剤を含む遅延放出型カプセル剤を含んでいる。さらに別の実施形態では、多微粒子剤形は、遅延放出型顆粒を含むカプセル剤を含んでいる。さらに別の実施形態では、多微粒子剤形は、即時放出型顆粒を含む遅延放出型カプセル剤を含んでいる。
【0052】
別の実施形態では、多微粒子は、1つ以上の補助賦形剤材料と一緒に単層錠剤または多層錠剤等の錠剤形に打錠することができる。一部の実施形態では、多層錠剤は、同一または相違する放出特性を有する同一または相違する濃度の同一有効成分を含有する2層を含むことができる。また別の実施形態では、多層錠剤は、各層に相違する有効成分を含有することができる。単層または多層のいずれかの錠剤は、任意で、追加の制御放出特性を提供するために制御放出ポリマーでコーティングすることができる。
【0053】
1つの実施形態では、本明細書に記載した本発明で使用される医薬組成物の多層錠剤が提供される。一部の実施形態では、そのような多層錠剤は、即時放出形にあるビスホスホネートおよびエンハンサーを含有する第1層と、修正(modified)放出形にあるビスホスホネートおよびエンハンサーを含有する第2層とを含むことができる。本明細書で使用する用語「修正放出」には、患者に投与された場合のビスホスホネートの持続性、遅延性、またはさもなければ制御された放出が含まれる。また別の実施形態では、多層錠剤は、ビスホスホネートを含有する第1層およびエンハンサーを含有する第2層を含むことができる。各層は独立して、ビスホスホネートおよび/またはエンハンサーの放出を修正するために選択される賦形剤をさらに含むことができる。したがってビスホスホネートおよびエンハンサーは、同一または相違する速度で各第1および第2層から放出することができる。または、多層錠剤の各層は、同一または相違する量でビスホスホネートおよびエンハンサーの両方を含むことができる。
【0054】
さらに別の実施形態では、本発明で使用される医薬組成物の多微粒子が提供される。多微粒子は、粒子、ペレット剤、ミニ錠剤またはそれらの組み合わせを含むことができ、ビスホスホネートおよびエンハンサーは多微粒子を作り上げている粒子、ペレット剤またはミニ錠剤の同一または相違する集団内に含有されてよい。また別の実施形態では、多微粒子、サシェ剤、および硬質もしくは軟質ゼラチンカプセル剤等のカプセル剤は、多微粒子を含有するために適切に使用できる。多微粒子剤形は、相違するインビトロおよび/またはインビボ放出特性を有する粒子、ペレット剤またはミニ錠剤の2つ以上の集団のブレンドを含むことができる。例えば、多微粒子剤形は、適切なカプセル内に含有された即時放出型成分および遅延放出型成分のブレンドを含むことができる。
【0055】
本明細書に記載した実施形態のいずれの場合においても、最終剤形(カプセル剤、錠剤、多層錠剤など)には制御放出コーティングを適用することができる。1つの実施形態では、制御放出コーティングは、以下に規定する放出速度制御ポリマー材料を含むことができる。そのようなコーティング材料の溶解特性は、pH依存性またはpH非依存性であってよい。
【0056】
本明細書で使用する用語「放出速度制御ポリマー材料」として、本発明の固体経口剤形からの薬物化合物の放出を制御する、または遅延させることができる親水性ポリマー、疎水性ポリマー、および親水性および/または疎水性ポリマーの混合物が挙げられる。適切な放出速度制御ポリマー材料には、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;ポリ(エチレン)オキシド;エチルセルロースおよびメチルセルロース等のアルキルセルロース;カルボキシメチルセルロース、親水性セルロース誘導体;ポリエチレングリコール;ポリビニルピロリドン;セルロースアセテート;セルロースアセテートブチレート;セルロースアセテートフタレート;セルロースアセテートトリメリテート;ポリビニルアセテートフタレート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート;ポリビニルアセトアルジエチルアミノアセテート;ポリ(メタクリル酸アルキル)およびポリ(酢酸ビニル)が含まれる。その他の適合する疎水性ポリマーには、アクリル酸またはメタクリル酸およびそれらの各エステル類、ゼイン、ロウ類、シェラックおよび硬化植物油類由来のポリマーおよび/またはコポリマーが含まれる。
【0057】
本発明の実践において特に有用であるのは、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリメタクリル酸およびポリメタクリレートポリマー、例えば商標名Eudragit(登録商標)(Rohm社、独国ダルムシュタット)の下で販売されているポリマー、具体的にはEudragit(登録商標)L、Eudragit(登録商標)S、Eudragit(登録商標)RL、Eudragit(登録商標)RSコーティング材料およびそれらの混合物である。これらのポリマーの一部は、薬物が放出される部位を制御するための遅延放出ポリマーとして使用できる。それらには、ポリメタクリレートポリマー、例えば商標名Eudragit(商標)(Rohm社、独国ダルムシュタット)の下で販売されているポリマー、具体的にはEudragit(登録商標)L、Eudragit(登録商標)S、Eudragit(登録商標)RL、Eudragit(登録商標)RSコーティング材料およびそれらの混合物が含まれる。
【0058】
本発明において使用される医薬組成物の経口剤形の様々な実施形態は、補助賦形剤材料、例えば、希釈剤、潤滑剤、崩壊剤、可塑剤、粘着防止剤、不透過剤、顔料、フレーバー剤などをさらに含むことができる。当業者であれば理解できるように、賦形剤およびそれらの相対量の正確な選択は、ある程度は最終剤形に依存する。
【0059】
適切な希釈剤には、例えば医薬的に適合する不活性充填剤、例えば微結晶セルロース、ラクトース、第二リン酸カルシウム、サッカリド類、および/または上記のいずれかの混合物が含まれる。希釈剤の例には、微結晶セルロース、例えば商標名Avicel(FMC Corp.社、ペンシルベニア州フィラデルフィア)の下で販売されている微結晶セルロース、例えばAvicel(商標)pH101、Avicel(商標)pH102およびAvicel(商標)pH112;ラクトース、例えばラクトース一水和物、ラクトース無水物およびPharmatose DCL21;第二リン酸カルシウム、例えばEmcompress(登録商標)(JRS Pharma社、ニューヨーク州パターソン);マンニトール;デンプン;ソルビトール;スクロース;およびグルコースが含まれる。
【0060】
圧縮される粉末の流動性に作用する物質を含む適切な潤滑剤は、例えばAerosil(商標)200等のコロイド状二酸化ケイ素、;タルク;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸カルシウムである。
【0061】
適切な崩壊剤には、例えば、軽度に架橋したポリビニルピロリドン、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプンおよび加工デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウムならびにそれらの組み合わせおよび混合物が含まれる。
【0062】
経口剤形の重量およびサイズは、経口剤形内のビスホスホネート化合物のバイオアベイラビリティ(%)に基づく必要な全身用量を満たすように調整することができる。これらの用量調整を行う技術は、当業者には公知である。
【0063】
本発明のまた別の態様は、ゾレドロン酸、デカン酸ナトリウム、ソルビトール、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、opadry1イエロー)、腸溶コーティング(例えば、Acryl−EZEII)およびタルクを含む医薬製剤を提供する。1つの実施形態では、本製剤は、錠剤剤形にある。
【実施例】
【0064】
ここで、本発明を以下の実施例を参照しながらより詳細に説明する。しかし、これらの実施例は例示することを目的に提供されるものであり、本発明の範囲を限定すると見なされてはならない。
【0065】
実施例1 ゾレドロン酸の経口剤形(Orazol(商標))の調製および該錠剤の試験
ゾレドロン酸を含有する即時放出型錠剤は、約20mgの有効成分(ゾレドロン酸)、エンハンサー(カプリン酸ナトリウム)およびその他の賦形剤を含有する顆粒を調製することによって作製される。顆粒は、錠剤に打錠される。錠剤はコーティングパン内に配置され、該錠剤には標準腸溶コーティングが適用される。表1は、ゾレドロン酸の錠剤についての内容物、および溶解試験データを提供していて、該錠剤が臨床試験で使用するために適切であることを証明している。これらのデータは、該錠剤が20mgの有効成分を含有していたことを示している。錠剤が酸中に置かれた場合は、有効成分の放出は発生せず、これは腸溶コーティングの完全性を示している。錠剤は、pH6.8の緩衝液中に置かれると、迅速に有効成分を完全に放出する。表2は、Orazol(商標)のフォーミュレーションを提供する。表3は、ゾレドロン酸およびエンハンサー、カプリン酸ナトリウム(C10)の溶解速度ならびに安定性試験データを示している。表3に示したように、ゾレドロン酸およびカプリン酸ナトリウムは、類似の速度で溶解する。
【0066】
【表1】

【0067】
【表2】

【0068】
【表3】

【0069】
実施例2 Zometa(登録商標)およびOrazol(商標)の有効性の比較
(1)バイオマーカー
骨転移の証拠を備えるホルモン抵抗性前立腺患者において、実施例1において調製した錠剤、および静脈内注入によってのみ投与できるゾレドロン酸の市販で入手可能な形態である静脈内注入用のZometa(登録商標)濃縮液を用いて臨床試験を実施する。20mg錠剤は、全身循環におよそ1mgのゾレドロン酸を送達することが証明されている。このため、4錠の投与は、オンコロジーにおいて使用される通常用量である静脈内注入によって投与される4mgと等価である。治療への応答は、Zometa(登録商標)静脈内注入と比較して、Orazol(商標)の2種の用量レジメンについての骨代謝活性のバイオマーカーを使用して監視される。本試験には患者30例が登録され、3群に分けられる。コホートAと表示された群は、計8週間にわたって、Zometa(登録商標)の製品ラベルに指示されたように、4週間毎の静脈内注入によって投与されるZometa(登録商標)の4mgの用量を摂取する。コホートBは、計8週間にわたって週1回、患者に経口投与されるOrazol(商標)20mg錠剤を摂取し、コホートCは、療法の初期4週間にわたってOrazol(商標)20mg錠剤の負荷量を摂取する。負荷量は、4日間にわたり毎日20mg錠剤として投与される。次にコホートCは、第2の4週間にわたり各週20mg錠剤の週1回療法を摂取する。このため、本試験の8週間にわたり、全3群は、全身性で同等量のゾレドロン酸を摂取する。明瞭にするために、コホートA(cohort A)は、第0日(D0)および第28日(D28)に15分間をかける静脈内注入によって患者に投与されるZometa(登録商標)4mgに相当する。コホートB(cohort B)は、第0日(D0)、第7日(D7)、第14日(D14)、第21日(D21)、第28日(D28)、第35日(D35)、第42日(D42)および第49日(D49)に患者へ経口投与されたOrazol(商標)20mgに相当する。コホートC(cohort C)は、第0日(D0)、第1日(D1)、第2日(D2)、第3日(D3)、第28日(D28)、第35日(D35)、第42日(D42)および第49日(D49)に患者に経口投与されるOrazol(商標)20mgに相当する。4つのバイオマーカー、例えば骨アルカリホスファターゼ、CTX、カルシウム濃度および尿中NTXは、様々な用量を用いる3種の治療の効果を決定するために週1回の間隔で試験する。バイオマーカーデータは、下記の表4(a)〜(d)に示した。図1〜4は、コホートA、BおよびCのバイオマーカーデータをグラフによって比較した。表5(a)〜(d)は、それら4種のバイオマーカーについてのベースラインからの変化を示している。
【0070】
図1〜4は、骨代謝マーカーがOrazol(商標)に対してZometa(登録商標)と同様に迅速かつ効果的に応答することを証明している。バイオマーカーへの応答は、コホートBおよびCの両方について迅速に発生する。さらに、尿中NTXおよび血清CTX濃度における実質的平均減少は、3つのコホートにおいて第7日に始まることが観察された。さらに、データの審査は、コホートBが8つの時点中5つの時点で尿中NTXおよび血清CTXのより大きな平均減少率を提供し、全体的により一貫性があったことを示している。このため、コホートBはこれらの骨格関連事象(SRE)予測バイオマーカーの減少においてコホートAおよびCよりはるかに優れた性能を示す傾向があり、これは改良された治療作用を示している。
【0071】
【表4a】

【0072】
【表4b】

【0073】
【表4c】

【0074】
【表4d】

【0075】
【表5a】

【0076】
【表5b】

【0077】
【表5c】

【0078】
【表5d】

【0079】
(2)二次有効性:コホートA、BおよびCについての簡易疼痛インベントリ
簡易疼痛インベントリ(BPI)短縮形式データは、図6(a)および6(b)に示す。図6(a)および6(b)に示したように、コホートAおよびCに比較して、コホートBは、最悪および最小疼痛におけるベースライン反応からの変化における優位性、および疼痛スコアを示した。
【0080】
実施例3 コホートA、BおよびC下でビスホスホネートが投与された患者の有害作用(AE)についての試験。
有害作用(AE)に投与スケジュールが及ぼす影響についての試験は、実施例2に記載した臨床試験で実施した。Orazol(商標)(コホートBおよびC)および標準IV Zometa(登録商標)(コホートA)の2種の投与レジメンを比較する試験を2カ月間にわたり実施した。以下では、3種の用量レジメンについての有害作用の試験について考察する。
【0081】
(1)有害作用の表示
本試験に参加した患者30例中18例によって計42の有害事象が報告された。少なくとも1つの事象を経験した患者中、コホートAでは8例中6例(75%)が発生し、コホートBでは11例中5例(46%)が発生し、コホートCでは11例中7例(64%)が発生した。
【0082】
表6には、コホートA、BおよびCの器官別大分類(system organ class)による有害作用の概要を提示した。全患者について、30例中18例(60%)が本試験中に≧1例のAEを経験した。30例中9例(30%)の患者は筋骨格および結合組織障害に関連する≧1例のAEを経験し、骨痛は最も一般的に報告される事象であった(9例中7例、73%)。30例中8例(27%)は全身障害および投与部位状態クラスにおいて≧1例のAEを経験し、発熱が最も一般的に報告される事象であった(8例中5例の患者、17%)。
【0083】
最も一般的に報告された有害事象は、筋骨格および結合組織障害として分類され、30例9例(30%)の患者{コホートA内の3例(38%)、コホートB内の2例(18%)、およびコホートC内の4例(36%)}によって報告された。骨痛は、各コホート内の患者{コホートA内の3例(38%)、コホートB内の2例(18%)、およびコホートC内の2例(18%)}によって報告された。このため、コホートBの患者は、筋骨格、結合組織障害、および骨痛について報告されたAEの最低パーセンテージを有している。
【0084】
【表6】

【0085】
(2)体組織、好ましい投与スケジュール、および最大重症度毎の有害事象の表示
安全性試験集団において治療期間中に発生した重症度毎の全AEの発生率は表7に提示する。
【0086】
【表7A】

【表7B】

【0087】
表7に示すように、≧1例のAEを経験した患者18例中、患者6例(20%)は軽度と記載された事象の最大重症度を報告し、患者10例(33%)は中等度と記載された事象の最大重症度を報告し、患者2例(6.7%)は重度と記載された事象の最大重症度を報告した。
【0088】
コホート毎の最大重症度に関して:
コホートAでは、患者2例(25%)は軽度である≧1例のAEを経験し、3例(38%)は中等度である≧1例のAEを経験し、そして1例(13%)は重度である≧1例のAEを経験した。
コホートBでは、患者3例(27%)が軽度である≧1例のAEを経験し、患者2例(18%)が中等度である≧1例のAEを経験した。重度の事象は1例もなかった。
コホートCでは、患者1例(9%)は軽度である≧1例のAEを経験し、患者5例(46%)は中等度である≧1例の事象を経験し、1例(9%)は強度が重度である≧1例のAEを経験した。
コホートAおよびCに比較して、コホートBの患者は、最小重症度の有害作用を報告した。
【0089】
(3)試験薬との関連による有害事象用
AEおよび試験薬とのAEの関係についての概要は、表8に提供した。全患者について、10例(33%)は試験薬と非関連性であると思われる≧1例のAEを経験し、患者8例(27%)は関連性であることが疑われる≧1例のAEを経験した。表8に示すように、試験薬と関連性であることが疑われるAEを備える患者の最大集団は、コホートAにおいて見いだされた(50%)。コホートAまたはCと比較して、コホートBは、薬物と関連性であると疑われるAEの最小数を有している。
【0090】
【表8】

【0091】
試験薬と関連することが疑われたAEの概要は、表9にコホートおよび優先用語(preferred term)毎に要約した。表9に示すように、コホートBの患者は、発熱、筋肉痛、または骨痛等の急性期反応を全く報告しなかった。
【0092】
【表9】

【0093】
上記は本発明の例示であり、本発明を限定すると見なしてはならない。本発明のいくつかの典型的な実施形態について記載してきたが、当業者であれば、本発明の新規な教示および利点から実質的に逸脱せずに典型的な実施形態において多数の修正が可能であることを容易に理解できる。したがって、全てのそのような修正は、特許請求の範囲に定義した本発明の範囲内に包含されることが意図されている。このため、上記は本発明の例示であり、本明細書に開示した特定の実施形態に限定されると見なすべきではないこと、そして本明細書に開示した実施形態ならびに他の実施形態への修正は、添付の特許請求の範囲内に包含されることが意図されていることを理解されたい。本発明は、特許請求の範囲に包含されるべき特許請求の範囲の均等物とともに、特許請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体におけるビスホスホネート化合物に応答性である医学的状態を治療または予防する方法であって、
前記被験体に前記ビスホスホネートの治療有効量を含む医薬組成物を隔週1回以上の頻度の投与スケジュールで投与するステップを含み、前記ビスホスホネート化合物がゾレドロン酸である方法。
【請求項2】
前記ビスホスホネートが、静脈内投与によって前記被験体に投与される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビスホスホネートが、前記被験体に経口投与される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記治療または予防が、前記ビスホスホネートの持続性治療作用を提供する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記被験体の尿中N−テロペプチド架橋(NTX)の濃度が減少し、治療中は約5〜約60BCE/mMolの範囲内で維持される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記被験体の血清中C−テロペプチド(CTX)の濃度が減少し、治療中は約35〜約600pg/mLの範囲に維持される請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記治療または予防が、月1回または年1回の投与スケジュールでIV(静脈内)注入または経口投与によってビスホスホネート化合物を投与する治療と比較して、ビスホスホネート化合物を前記被験体に投与することから生じる有害作用の減少を提供する請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記有害作用が、腎損傷、全身倦怠、急性期反応、胃痛、疲労、悪心、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記急性期反応が、発熱、筋肉痛、骨痛およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ビスホスホネートが、週1回投与スケジュールで前記被験体に投与される請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ビスホスホネートが、1日1回スケジュールで前記被験体に投与される請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記医薬組成物が、経口投与され、前記ビスホスホネート化合物の経口用量が、静脈注入によって投与される前記ビスホスホネート化合物の全身用量の約8〜400倍である請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記医学的状態が、骨粗鬆症、関節リウマチ、骨折、過剰骨吸収およびそれらの組み合わせからなる群より選択される請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記医薬組成物の全身用量が、1日当たり前記ビスホスホネート化合物の約0.000018mmol〜約0.00015mmolの範囲内にある請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記医薬組成物の全身用量が、1週当たり前記ビスホスホネート化合物の約0.00013mmol〜約0.001mmolの範囲内にある請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記医学的状態が、全身性エリテマトーデス(SLE)、癌、腫瘍誘発性低カルシウム血症、骨転移およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記癌が、前立腺癌、転移性骨癌、肺癌、多発性骨髄腫、乳癌、および転移性疾患を誘発する任意の固形腫瘍からなる群から選択される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記医薬組成物の全身用量が、1日当たり前記ビスホスホネート化合物の約0.00018mmol〜約0.0015mmolの範囲内にある請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記医薬組成物の全身用量は、前記ビスホスホネート化合物が1週当たり約0.0013mmol〜約0.01mmolの範囲内にある請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記医薬組成物が、固体経口剤形にある請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記医薬組成物が、エンハンサーをさらに含み、該エンハンサーが、中鎖脂肪酸塩、エステル、エーテル、または中鎖脂肪酸の誘導体であり、約4〜約20個の炭素原子の炭素鎖長を有する請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記エンハンサーの炭素鎖長が、6〜20個の炭素原子である請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記炭素鎖長が、8〜14個の炭素原子である請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記エンハンサーが、中鎖脂肪酸のナトリウム塩である請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記エンハンサーが、カプリル酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、ラウリン酸アトリウムおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記エンハンサーが、カプリン酸ナトリウムである請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記ビスホスホネートおよび前記エンハンサーが、1:100,000から10:1(ビスホスホネート:エンハンサー)の比率で存在する請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記組成物が、遅延放出型腸溶コーティング錠の形態にある請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−518686(P2012−518686A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552140(P2011−552140)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/025305
【国際公開番号】WO2010/099255
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(510295918)メリオン・リサーチ・III・リミテッド (4)
【Fターム(参考)】