ビタミンおよびミネラル補助食品における改善された安定性

【課題】ビタミンおよびミネラル補助食品における改善された安定性の提供。
【解決手段】本発明は、少なくとも1種の多価金属および少なくとも1種の酸化可能ビタミンを含む、褐色化および/もしくはシミ形成をもたらす反応、ならびに酸化可能ビタミンの有効性を低下させ得る反応に対して改善された抵抗性を実質的に有する、マルチビタミンおよびミネラル栄養補助食品組成物を提供する。上記組成物は、少なくとも1種の多価金属および少なくとも1種の酸化可能ビタミンを含むマルチビタミンおよびミネラル組成物であり、ここで上記組成物は、移動性の結合水を実質的に含まない。本発明はまた、このような組成物を作製するための方法、および酸化を防止もしくは低下させ、酸化可能ビタミンの安定性を改善し、そしてマルチビタミンおよびミネラル栄養補助食品組成物の崩壊時間を安定化するための方法を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、栄養補助食品組成物に関する。より詳細には、本発明は、多成分栄養補助食品錠剤の時間を経ての黒ずみ(darkening)および/もしくは斑点形成(spotting)と関連する、組成物およびビタミンおよびミネラル補助食品における分解を低下させるための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ビタミンおよびミネラルと代表的にいわれる多くの化合物は、比較的少量で供給される場合ですら、個体を健康状態に維持することおよび/もしくは特定の医学的状態を処置することに顕著な価値を提供することが長きにわたって確立されてきた。ヒトの身体は、上記ヒトの身体の健康を維持するに必須のビタミンおよびミネラルの大部分を合成することができない。従って、ビタミンおよびミネラルは、外部供給源から獲得されなければならない。2つの最も一般的な外部供給源は、食物および栄養補助食品である。大部分の人々は、ビタミンおよびミネラルの必要な1日要求量を一貫して提供する食物を食べないので、ビタミンおよびミネラル栄養補給は、許容される医学的および健康標準を満たすための認識された方法になった。
【0003】
ビタミンおよびミネラル調製物は、特定の医学的状態を処置するために、または一般的な栄養補助食品として投与され得る。必要とされるビタミンおよびミネラルは多く、そして必要とされるその1日量は比較的少ないので、一般的な補助食品として錠剤もしくはカプセル剤形態において、ビタミンおよびミネラルの混合物を投与することは都合がよい。市販のマルチビタミンおよびミネラル補助食品の代表的な一日投与量は、1日につき、1または2個の錠剤もしくはカプセル剤である。このような組成物が、上記投与形態を作製するのに必要とされる賦形剤に加えて、24種類以上の栄養素を含むことは珍しくはない。
【0004】
従って、望ましくない化学的相互作用がこれら複雑な混合物中で起こり得ることは、驚くべきことではない。これら反応のうちの最も一般的なものは、詰め込まれた栄養素の効力の低下をもたらし、かつ上記組成物を黒ずませ得るかまたは見苦しい黒ずんだ斑点を発生させ得る分解反応である。酸化反応は、分解反応の一般的形態の例示である。水の存在はまた、直接的に、もしくは例えば、酸化反応のような反応を促進することによってかのいずれかで分解に寄与し得る。
【0005】
水溶性ビタミン成分および油溶性ビタミン成分の両方(例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)およびαトコフェリルアセテート(ビタミンE))は、多成分補助食品組成物中では水分誘導性化学的分解を受けやすいことが分かった。食事の補助食品組成物におけるアスコルビン酸と多価金属イオンとの相互作用によって促進され、水の存在下で促進されるアスコルビン酸酸化は、錠剤の黒ずみおよび/もしくは斑点形成、ならびに身体において利用するための成分の利用可能性に影響を及ぼし得る長期化した崩壊時間を引き起こし得る。
【0006】
従来から、分解に寄与する水は、上記組成物付近の環境にある水(例えば、環境水)および/または上記組成物の表面もしくは界面領域とゆるく結合している水であると考えられてきた。例えば、市販の栄養補給製品(One−A−Day(登録商標)Active)は、「過剰な水分がボトル中に入ると、その鉄は、錠剤上で斑点形成を引き起こし得る」と書かれた貯蔵についての陳述を含む。
【0007】
従って、乾燥剤が、安定性を改善するために使用されてきた。しかし、乾燥剤にはいくつかの問題がある:第1に、乾燥剤は、消費者によってパッケージから物理的に取り出され得、このことによって、有益な効果が無効になってしまう。第2に、乾燥剤は、時間を経ると効力を失い得、そして/または結合水を除去するその能力に限界を有し得る。第3に、乾燥剤は、最終製品に費用を追加する。
【0008】
錠剤コーティングを使用することによって、錠剤の中身が環境水へ曝露されることを制限することもまた、使用されてきた。この方法は、消費者の目から問題を隠し得る一方で、今日まで使用されるそのポリマー性フィルムコーティングは、斑点形成および/もしくは黒ずみの問題を目に見えるほど軽減しない。時間を経た(aged)コーティング錠剤を試験すると、しばしば、上記コーティングの下での斑点形成もしくはコア黒ずみが明らかになる。
【0009】
Shahら「A Study of the Chemical and Physical Stability of Ascorbic Acid,Folic Acid,and Thiamine Hydrochloride Tablets Formulated With Emcompress Standard(登録商標)」は、Emcompress Standard(登録商標)(直接打錠可能なリン酸二カルシウム二水和物顆粒)が、アスコルビン酸および塩酸チアミンの錠剤においてアスコルビン酸の化学的分解および物理的分解(崩壊時間に関して)を誘導することを報告した(非特許文献1)。上記文献は、これらの不安定性を、環境水または上記組成物の表面もしくは界面領域とゆるく結合する水と関連する水分にあるとした。
【0010】
従って、水分促進性分解反応は、ミネラルイオンおよび酸化可能ビタミンを含む多成分栄養補助食品の効力の喪失および/もしくは魅力のない変色をもたらすので、多成分栄養補助食品における水分促進性分解を減少させる組成物および/もしくは方法が必要とされる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Shah,D.H.&Aramblo,A.,1975,Drug Devel.&Ind.Pharm.,1,459−505
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要旨)
本発明は、少なくとも1種の多価金属および少なくとも1種の酸化可能ビタミンを含むマルチビタミンおよびミネラル組成物を含む薬学的組成物を提供し、ここで上記組成物は、移動性の結合水を実質的に含まない。例示的実施形態において、上記少なくとも1種の多価金属は、鉄、マグネシウム、亜鉛、セレン、銅、コバルト、マンガン、モリブデン、バナジウム、ニッケル、スズおよびクロムならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される。例示的実施形態において、上記酸化可能ビタミンは、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンA前駆物質、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンK、葉酸およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0013】
好ましい実施形態において、上記組成物は、リン酸二カルシウム無水物をさらに含む。別の好ましい実施形態において、上記組成物は、錠剤投与形態にある。
【0014】
本発明のマルチビタミンおよびミネラル組成物を調製するための方法が提供される。上記方法は、少なくとも1種の酸化可能ビタミン、少なくとも1種の多価金属イオンおよびリン酸二カルシウム無水物を提供する工程;ならびに上記少なくとも1種の多価ミネラルイオン、上記少なくとも1種の酸化可能ビタミンおよびリン酸二カルシウム無水物を合わせて、組成物を形成する工程を包含し、ここで上記組成物は、移動性の結合水を実質的に含まない。
【0015】
マルチビタミンおよびミネラル組成物補助食品錠剤における酸化誘導性の斑点形成を低下させるための方法が、提供される。上記方法は、鉄、マグネシウム、亜鉛、セレン、銅、コバルト、マンガン、モリブデン、バナジウム、ニッケル、スズおよびクロムならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の多価金属と、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンA前駆物質、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンK、葉酸およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の酸化可能ビタミンとを合わせて、組成物を形成する工程を包含し、ここで上記組成物は、移動性の結合水を実質的に含まない。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
少なくとも1種の多価金属および少なくとも1種の酸化可能ビタミンを含む、マルチビタミンおよびミネラル組成物であって、ここで該組成物は、移動性の結合水を実質的に含まない、組成物。
(項目2)
前記多価金属は、鉄、マグネシウム、亜鉛、セレン、銅、コバルト、マンガン、モリブデン、バナジウム、ニッケル、スズ、クロムおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目1に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目3)
前記酸化可能ビタミンは、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンA前駆物質、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンK、葉酸およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目1または2に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目4)
カルシウム塩をさらに含む、項目1〜3のいずれか1項に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目5)
リン酸二カルシウム無水物を含む、項目1〜4のいずれか1項に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目6)
カロチノイドをさらに含む、項目1〜5のいずれか1項に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目7)
ビタミンCおよびビタミンEのうちの少なくとも1種を含む、項目1〜6のいずれか1項に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目8)
ビタミンCを含む、項目7に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目9)
鉄および銅から選択される多価金属を含む、項目1〜8のいずれか1項に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目10)
前記組成物は、固体投与形態にある、項目1〜9のいずれか1項に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目11)
前記固体投与形態は、錠剤、カプレット剤、カプセル剤、チュアブル投与形態、散剤、サシェおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目10に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目12)
前記固体投与形態は、錠剤である、項目11に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目13)
マルチビタミンおよびミネラル組成物を調製するための方法であって、該方法は、少なくとも1種の酸化可能ビタミン、少なくとも1種の多価金属イオンおよびリン酸二カルシウム無水物を提供する工程;ならびに該少なくとも1種の多価ミネラルイオン、該少なくとも1種の酸化可能ビタミンおよびリン酸二カルシウム無水物を合わせて、組成物を形成する工程を包含し、ここで該組成物は、移動性の結合水を実質的に含まない、方法。
(項目14)
前記多価金属は、鉄、マグネシウム、亜鉛、セレン、銅、コバルト、マンガン、モリブデン、バナジウム、ニッケル、スズ、クロムおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記酸化可能ビタミンは、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンA前駆物質、ビタミンB、ビタミンD3、ビタミンK、葉酸およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目13または14に記載の方法。
(項目16)
前記マルチビタミンおよびミネラル組成物を錠剤に形成する工程をさらに包含する、項目13〜15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
前記錠剤は、直接打錠法によって形成される、項目16に記載の方法。
(項目18)
マルチビタミンおよびミネラル錠剤において酸化誘導性の斑点形成を低下させるための方法であって、該方法は、鉄、マグネシウム、亜鉛、セレン、銅、コバルト、マンガン、モリブデン、バナジウム、ニッケル、スズ、クロムおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の多価金属と、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンA前駆物質、ビタミンB、ビタミンD、葉酸およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の酸化可能ビタミンとを合わせて、組成物を形成する工程であって、ここで上記組成物は、移動性の結合水を実質的に含まない、工程;および上記組成物を錠剤に形成する工程を包含する、方法。
(項目19)
リン酸二カルシウム無水物と、前記少なくとも1種の多価金属および少なくとも1種の酸化可能ビタミンを合わせる工程をさらに包含する、項目18に記載の方法。
(項目20)
ヒトの栄養補給のための方法であって、該方法は、有効量の、少なくとも1種の多価金属および少なくとも1種の酸化可能ビタミンを含むマルチビタミンおよびミネラル組成物をヒトに提供する工程を包含し、ここで該少なくとも1種の多価金属イオンおよび該少なくとも1種の酸化可能ビタミンを合わせて、組成物を形成し、そして該組成物は、移動性の結合水を実質的に含まない、方法。
(項目21)
一日投与量において、約15〜約600mgのビタミンCおよび少なくとも1種の約20IU〜約200IUのビタミンEからなる群より選択される少なくとも1種のビタミン;約0〜約400mgのマグネシウム、約0〜約50mgの亜鉛、約0〜約12mgのマンガン、約0〜約4mgの銅、約0〜約300mcgのクロムおよび約0〜約18mgの鉄;および約100〜約1500mgのカルシウムからなる群より選択される少なくとも1種の多価金属イオンを含む、マルチビタミンおよびミネラル補助食品であって、ここで該カルシウムの少なくとも一部分は、リン酸二カルシウム無水物の形態で提供され、ここで該補助食品は、移動性の結合水を実質的に含まない、補助食品。
(項目22)
錠剤投与形態である、項目21に記載のマルチビタミンおよびミネラル補助食品。
(項目23)
前記錠剤は、直接打錠によって形成される、項目22に記載のマルチビタミンおよびミネラル補助食品。
(項目24)
少なくとも150mgの元素カルシウム/投与単位、少なくとも1種の多価金属、および少なくとも1種の酸化可能ビタミンを含む、マルチビタミンおよびミネラル組成物であって、ここで該組成物は、移動性の結合水を実質的に含まない、組成物。
(項目25)
前記多価金属は、鉄、マグネシウム、亜鉛、セレン、銅、コバルト、マンガン、モリブデン、バナジウム、ニッケル、スズ、クロムおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目24に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目26)
前記酸化可能ビタミンは、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンA前駆物質、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンK、葉酸およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目24または25に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目27)
前記酸化可能ビタミンはビタミンCである、項目24〜26のいずれか1項に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目28)
前記組成物は、固体投与形態にある、項目24〜27のいずれか1項に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目29)
前記固体投与形態は、錠剤、カプレット剤、カプセル剤、チュアブル投与形態、散剤、サシェおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目28に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目30)
前記固体投与形態は錠剤である、項目29に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目31)
前記元素カルシウムは、リン酸二カルシウム無水物の形態で提供される、項目24〜30のいずれか1項に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目32)
前記元素カルシウムの第1の部分は、リン酸二カルシウム無水物の形態で提供される、項目24〜30のいずれか1項に記載のマルチビタミンおよびミネラル組成物。
(項目33)
時間を経てもマルチビタミンおよびミネラル錠剤の崩壊挙動を安定化させるための方法であって、該方法は、鉄、マグネシウム、亜鉛、セレン、銅、コバルト、マンガン、モリブデン、バナジウム、ニッケル、スズ、クロムおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の多価金属と、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンA前駆物質、ビタミンB、ビタミンD、葉酸およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の酸化可能ビタミンとを合わせて、組成物を形成する工程であって、ここで該組成物は、移動性の結合水を実質的に含まない、工程;および該組成物を錠剤に形成する工程を包含する、方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
本発明は、少なくとも1種の多価金属および少なくとも1種の酸化可能ビタミンを含み、黒ずみおよび/もしくは斑点形成をもたらす反応ならびに酸化可能ビタミンの効力を低下させ得る反応に対して実質的に改善された抵抗性を有する栄養補助食品組成物を提供する。本発明はまた、このような組成物を作製するための方法、および酸化を防止もしくは低下させ、酸化可能ビタミンの安定性を改善し、そしてマルチビタミンおよびミネラル栄養補助食品組成物の崩壊時間を安定化するための方法を包含する。
【0017】
本発明者らは、理論に拘束されることを望まないが、結合水(伝統的には、周囲条件もしくは周囲に近い条件で、化学反応に関与できないと考えられていた)の最小化が、多価金属イオンおよび酸化可能ビタミンを含むマルチビタミンおよびミネラル組成物の斑点形成および/もしくは黒ずみの最小化にとって重要であると考えている。
【0018】
好ましい実施形態において、上記組成物は、ビタミンCおよび多価金属イオン、ならびにリン酸二カルシウム無水物を含み、ここで上記組成物は、移動性の結合水を実質的に含まない。本発明は、観察者にとって乾燥しているように見え、十分に特徴づけられたビタミン、ミネラルおよび関連物質から調製される、従来の市販のマルチビタミンおよびミネラル錠剤における問題を解決することに関する。
【0019】
改善された化学的安定性に加えて、本発明の組成物は、代表的には、時間を経ても錠剤崩壊時間の改善された一貫性を有し、市販製品の貯蔵寿命と一致した時間枠にわたって、上記錠剤の黒ずみおよび/もしくは斑点形成に抵抗性である。
【0020】
多価金属カチオンは、ビタミンの酸化のための触媒として働くと考えられ、上記プロセスは、水の存在によって促進されるようである。伝統的には、環境水もしくは緩く結合した表面もしくは界面の水は、多価金属イオンの存在下でビタミンの酸化を促進する水の源であると考えられてきた。観察は、ビタミン酸化が水分を増大することによって、より少ない程度には、温度を増大させることによって加速されるという事実によって裏付けられた。しかし、この水の源は要因であり得るが、斑点形成は、これらの源が無視できる量の水を提供する場合にもなお、起こり得る。
【0021】
確かに、複数のビタミンおよびミネラルを有するマルチビタミンおよびミネラル補助食品錠剤が水分に曝されないようにすることは、化学的安定性および物理的安定性の両方を維持することの助けになるが、マルチビタミンおよびミネラル補助食品の商業上の貯蔵寿命にわたって斑点形成を防止し、そして/または時間を経ても崩壊時間の長期化に顕著な影響を与えることは、しばしば不十分である。本発明者らは、結晶性構造の水和水(伝統的には、周囲条件もしくは周囲に近い条件での反応に利用できないと考えられた)は、マルチビタミンおよびミネラル補助食品錠剤の斑点形成をもたらす多価金属カチオンの存在下で、ビタミン酸化反応において役割を果たし得ることを発見した。本発明は、固体投与形態における反応に利用可能な内部結合水(例えば、移動性の結合水)の最小化を提供する。1つの例示的実施形態において、アスコルビン酸(例えば、ビタミンC)が多価金属カチオンと相互作用する傾向は、ミネラル/賦形剤として(例えば、カルシウムおよびリンの供給源として、ならびに希釈剤および/もしくは結合剤として)リン酸二カルシウム無水物を使用し、水和水を有するカルシウム塩の使用を避けることによって、最小化される。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「分解」とは、所定の化学種の、異なる化学種への変化(例えば、化学的変化)を意味する。斑点形成を生じ、そして/または成分もしくは化合物またはその両方の効力を低下させる化学的変化は、本発明に関連して特に目的のものである。
【0023】
本明細書で使用される場合、語句「崩壊時間」とは、栄養補助食品の錠剤投与単位が、制御された実験条件下で崩壊するのにかかる時間の量を意味する。当業者は、崩壊時間の決定のための方法および手順に精通している。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「安定性」とは、化学的安定性および/もしくは物理的安定性に言及し得る。本明細書で使用される場合、語句「化学的安定性」とは、ある化合物がその化学的同一性を時間を経て維持する能力を意味する。従って、安定性は、ある化学種が例えば、酸化もしくは他の分解に抵抗する能力を意味する。本明細書で使用される場合、語句「物理的安定性」とは、ある組成物が一貫した物理的特性を、時間を経ても維持する能力を意味する。ある組成物が時間を経ても一貫した崩壊時間を維持する能力は、物理的安定性の例示である。
【0025】
本明細書で使用される場合、語句「移動性の結合水」とは、結合のいくつかの形態を介して化学的実体に結合し、周囲条件もしくは周囲に近い条件下で、化学反応を促進することが利用になり得る結合水を意味する。水和水(特に、リン酸二カルシウム二水和物の結晶構造中の水和水)は、例示である。周囲条件もしくは周囲に近い条件(例えば、輸送、貯蔵および使用の代表的条件)下で結合されかつ安定であると一般には考えられるが、酸化可能ビタミンおよび多価金属イオンの存在下で、水和水として結合される水は、上記酸化反応を促進し得る。本明細書で使用される場合、用語「移動性の結合水を実質的に含まない」とは、上記組成物の0.3重量%未満が、水和水または周囲条件もしくは周囲に近い条件下で反応に利用可能になり得る他の形式的に結合した水に帰属し得ることを意味する(0.3%以下の量は、例えば、0.25%未満、もしくは0.2%未満、もしくは0.15%未満、もしくは0.1%未満、もしくは0.5%未満を含む)。従って、移動性の結合水を有する成分の使用は、好ましくは避けられるが、移動性の結合水を実質的に含まないは、栄養素と結合した非常に少量の水和水が使用され得ること、そして/または微量の水和形態が、無水と称される組成物に存在し得ることを認識する。移動性の結合水の最大値は、水和水を有する各成分についての水和水の量を合計し、それを、上記組成物の総量と比較して、パーセンテージを得ることによって計算され得る。
【0026】
用語「マルチビタミンおよびミネラル」補助食品もしくは「マルチビタミンおよびマルチミネラル」補助食品とは、特定のビタミンおよびミネラル物質から調製される従来の市販のタイプのビタミンおよびミネラル補助食品を意味するように解釈されるべきである。マルチビタミンおよびミネラル補助食品は、少なくとも1種のビタミンおよび少なくとも1種のミネラル、ならびに必要に応じて、関連する栄養因子(例えば、カロチノイド)を含む組成物を含む。しかし、本明細書で使用される場合、用語マルチビタミンおよびミネラル補助食品は、上記補助食品組成物にさらなる複雑性を付加する、複雑な植物抽出物(例えば、複雑な多成分のハーブ抽出物)を有する補助食品および/もしくは大量の疎水性物質(例えば、30%より多い非常に疎水性の物質(例えば、フィトステロール))を有する組成物を含まない。言い換えると、本発明は、複数のビタミンおよび複数のミネラルを含むマルチビタミンおよびミネラル補助食品と一般にいわれる、従来の大量生産された栄養補助食品と関連する問題を解決することに関する。用語「マルチビタミンおよびミネラル」もしくは「マルチビタミンおよびマルチミネラル」は、それらが用語「栄養補助食品」、「錠剤」、もしくは「組成物」の前につく場合に、同じ様式で解釈されるべきである。
【0027】
用語「効力」とは、有効成分の量に関する。代表的には、本明細書で使用される場合、これは、所定の時間での所定の成分の有効量と比較した、第2の時間での同じ成分の有効量を言及する。代表的には、効力は、パーセンテージとして表される。例えば、3ヶ月後の成分Aの効力における20%減少は、3ヶ月後に存在する成分Aの有効量が成分Aのもとの有効量の80%であることを意味する。
【0028】
本明細書で使用される場合、用語「多価金属」とは、2以上の原子価を有する金属イオンを意味する。
【0029】
本明細書で使用される場合、用語「酸化可能ビタミン」とは、酸化的分解を受け、そしてその酸化が水および多価金属の存在によって促進され得る、脂溶性もしくは水溶性のビタミンのいずれかに適用され得る。酸化可能ビタミンとしては、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンA前駆物質、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンK、および葉酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
上記で議論されるように、本発明は、移動性の結合水の存在下での、酸化可能ビタミンと多価金属イオンとの望ましくない相互作用に対処する。従って、本発明は、上記酸化可能ビタミンおよび上記多価ミネラルイオンが、唯一の活性薬剤であろうと、ビタミンおよびミネラルの混合物の一部であろうと、1つの酸化可能ビタミンおよび1つの多価金属イオンを含む固体形態組成物に適用可能である。上記のように、本発明は特に、市販のマルチビタミンおよびミネラル補助食品に見いだされるタイプのビタミンおよびミネラルの複雑な混合物に関する。栄養補助食品および投与量中に含まれ得るビタミンおよびミネラルおよび関連因子の列挙は、United States Pharmacopeia National Formulary Official Compendium of
Standards(すなわち、U.S.P.−N.F. Official Compendium of Standards)もしくは修正を含むEuropean Directive 90/496/EC(これらは、本明細書に参考として援用される)のような確立された文献のガイドに示されている。ビタミンおよびミネラルの量は、特定の実施形態において変動し得るが、代表的には、U.S.P.−N.F.Official Compendium of StandardsまたはEuropean Union Directiveに示される投与量内に入るべきである。
【0031】
マルチビタミンおよびミネラル調製物中に含まれ得るビタミンおよび関連実体としては、ビタミンC、ビタミンE、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB)、ナイアシン(ビタミンB)、ピリドキシン(ビタミンB)、葉酸、コバラミン(ビタミンB12)、パントテン酸(ビタミンB)、ビオチン、ビタミンA(およびビタミンA前駆物質)、ビタミンD、ビタミンK、他のB複合ビタミン(B complex vitamin)、B複合関連化合物(例えば、コリンおよびイノシトール)(例えば、カロチノイド(例えば、ルテイン、リコピン、ゼアキサンチン、およびアスタキサンチン))が挙げられるが、これらに限定されない。これらビタミンのうち、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンKおよび葉酸は、マルチビタミンおよびミネラル調製物において酸化を受けやすいことが公知である。上記に列挙されたビタミンのうち、ビタミンCおよびビタミンEは、多価金属イオンの存在下で特に酸化を受けやすい。
【0032】
ビタミンCは、マルチビタミン−マルチミネラル錠剤においてアスコルビン酸として一般に提供される。アスコルビン酸は、特に酸化されやすいので、これは一般に、斑点形成および黒ずみの顕著な一因である。あるいは、水に対する親和性が減少したビタミンCの疎水性エステルであるアスコルビルパルミテートが使用され得る。低下した斑点形成は、アスコルビルパルミテート(acorbyl palmitate)を使用して観察されるが、アスコルビルパルミテートの使用は、注意深く考慮する必要がある欠点を有する。アスコルビルパルミテートは、アスコルビン酸と比較して、比較的高価であり、アスコルビン酸より効力が低く(ビタミンCの42.5%の効力)、使用レベルをより高くし、そして消費者が嚥下する錠剤をより大きくする必要がある。アスコルビルパルミテートはまた、粉末流動特性が乏しく、これは、特に打錠の間に加工の問題をもたらし、そして代表的には、製品貯蔵時間枠にわたる崩壊時間の実質的増加を受けやすい錠剤を生じる。
【0033】
アスコルビン酸を種々のバリアコーティングでコーティングするもしくは囲むことは、酸化を防止もしくは遅らせることに対する考えられる選択肢である。本発明者らは、このストラテジーを調査したが、行った実験に関して、ポリマーフィルムコーティングが、錠剤崩壊に対して望ましくない負の影響を有することを見いだした。従って、本発明者らの発見は、水和水がビタミンCの酸化を促進し得ること、およびビタミンCを含む組成物において移動性の結合水を有する成分を含めることを避けることが、黒ずみもしくは斑点形成をもたらす分解反応を低下させるための実際的で費用効率的な手段を提供することである。
【0034】
ビタミンEは、代表的には、マルチビタミンおよびミネラル錠剤中でDl−αトコフェリルアセテートとして提供される。ビタミンCのように、ビタミンEは、多価金属イオンの存在下で、水分誘導性化学的分解を特に受けやすいことが分かった。代表的には、ビタミンE酸化は、斑点形成に対して顕著には寄与しないが、ビタミンEの酸化は、時間を経るとその効力において顕著な低下をもたらす。従って、ビタミンEの酸化は、時間を経ると栄養補助食品の品質に影響を及ぼし得る。同様に、ビタミンEを含む組成物において移動性の結合水を有する成分を含めることを回避すると、ビタミンEの酸化が減少する。
【0035】
マルチビタミンおよびミネラル補助食品中に含まれ得るミネラルとしては、鉄、ヨウ素、マグネシウム、亜鉛、セレン、銅、カルシウム、マンガン、ケイ素、モリブデン、バナジウム、ホウ素、ニッケル、スズ、リン、クロム、コバルト、塩化物、およびカリウムが挙げられるが、これらに限定されない。マルチビタミン−マルチミネラル錠剤のミネラル成分は、代表的には、塩形態で提供される。使用される上記塩形態は、薬学的に受容可能な塩形態であるべきである。
【0036】
いくつかの場合において、上記塩は、結晶化の結合水を有する水和形態であり得る。いくつかの水和塩(例えば、リン酸二カルシウム二水和物)に関して、上記結晶化の結合水は、周囲条件もしくは周囲に近い条件において酸化反応を促進するために利用可能になり得る移動性の結合水である。従って、移動性の結合水を含む塩形態の使用を回避すると、重大な水の供給源が除かれ、水分促進性酸化反応が起こる傾向が低下する。一般に使用されるリン酸二カルシウム二水和物の代わりに、リン酸二カルシウム無水物をカルシウム源/賦形剤として使用することは、例示である。水和水を有する塩は、一般に避けられ得るか、または結晶構造中の水和水は、周囲条件下で利用可能でないと伝統的に考えられてきたので、水和した塩が酸化プロセスに寄与し得るか否かを決定するための試験が、行われ得る。このような試験は、いくつかの方法のうちのいずれかにおいて達成され得る。例えば、上記水和した塩、酸化可能ビタミンおよび多価金属イオンを含む試験組成物が調製され得、安定性試験に供され得る。
【0037】
多くのミネラル塩は、多価金属イオンを含む。例えば、代表的には、鉄、マグネシウム、亜鉛、セレン、銅、コバルト、マンガン、モリブデン、バナジウム、ニッケル、スズおよびクロムは、上記金属が多価形態にある塩形態で提供される。任意の多価金属イオンは、酸化反応を触媒し得る;しかし、鉄イオンおよび銅イオンは、マルチビタミンおよびミネラル組成物において特に問題となることが公知である。
【0038】
マルチビタミンおよびミネラル組成物において使用される任意の塩と結合する水和水は、潜在的に、移動性の結合水の源であり得ると同時に、本発明者らは、一般に使用される水和したカルシウム塩が特に問題となることを同定した。リン酸二カルシウム二水和物は、いくつかの利点を提供する低コスト成分であるので、市販のマルチビタミンおよびミネラル調製物において一般に使用されている。カルシウムおよびリンの栄養素を提供することに加えて、リン酸二カルシウム二水和物は、錠剤を調製するために有用な賦形剤であり、結合剤および/もしくは希釈剤として働く。その賦形剤/栄養素の役割に起因して、リン酸二カルシウムは、しばしば、市販のマルチビタミンおよびミネラル錠剤の顕著な量を構成する。
【0039】
従って、少なくとも使用される量の理由から、リン酸二カルシウムの一般の水和形態の使用を排除すると、望ましくない酸化反応を促進することに利用可能な移動性の結合水の顕著な量を減少し得る。一実施形態において、リン酸二カルシウムと結合する移動性の結合水の排除は、リン酸二カルシウム無水物を使用することによって達成される。リン酸二カルシウム無水物は、カルシウム栄養素およびリン栄養素の利点、ならびに望ましくない酸化反応に寄与するいかなる移動性の結合水をも含まない賦形剤の利点を提供する。リン酸二カルシウム無水物の使用は、一般に有益であるが、それは、多量のカルシウムを含む組成物(例えば、1錠あたり150mgより多い元素カルシウムを含む組成物)において特に有益である。さらに、リン酸二カルシウム無水物は、上記マルチビタミンおよびミネラル組成物において元素カルシウムの唯一の源として使用され得るか、または代わりに他のカルシウム源(例えば、炭酸カルシウム)と組み合わせて使用され得る。
【0040】
本発明に従うマルチビタミンおよびミネラル栄養組成物は、固体形態の経口投与が意図される。従って、固体投与形態を形成するために、上記組成物は、ビタミンおよびミネラルに加えて、賦形剤および/もしくは加工補助物質をさらに含み得る。例示的な賦形剤および加工補助物質としては、吸収剤、希釈剤、矯味矯臭剤、着色剤、安定化剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、湿潤剤、滑り剤(glidant)、接着防止剤(antiadherent)、糖もしくはフィルムコーティング剤、保存剤、緩衝化剤、人工甘味料、天然甘味料、分散剤、濃調剤、可溶化剤など、またはこれらのいくつかの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
一般に、当業者に公知の賦形剤および加工補助物質は、これらが酸化反応を促進し得る水を含まない限りにおいて、本発明のマルチビタミンおよびミネラル組成物において使用するのに適している。例えば、アスコルビン酸を含むいくつかの実施形態において、デンプンは吸湿性であるので、アスコルビン酸を顆粒化するために賦形剤としてデンプンを使用することを避けることが所望され得る。アスコルビン酸に適した例示的顆粒化剤は、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)である。
【0042】
本発明の組成物の投与形態は、固体である。しかし、固体投与形態は、非水性液体もしくは半固体成分を含み得る。例示的な固体投与形態としては、錠剤、カプレット剤、カプセル剤、チュアブル投与形態、散剤、サシェなどが挙げられるが、これらに限定されない。
その一日投与量は、単一の送達単位中に含まれ得るか、または複数の送達単位を含み得る。複数の送達単位から上記1日投与量を分割することは、例えば、嚥下するのに都合の良い錠剤サイズを提供するために錠剤が使用される場合に所望され得る。複数の送達単位が使用される場合、それらは一度に投与されてもよいし、望ましい場合、投与期間中に間隔をあけて(例えば、代表的には、1日)投与されてもよい。従って、上記ビタミン、ミネラルもしくは本明細書に開示される他の関連栄養因子の任意の量が、1日投与量についてであり、そして投与量が、単一の送達単位もしくは複数送達単位において送達され得ることが理解されるべきである。さらに、投与量は、特定種の栄養素の量についてであり、特定種と結合する任意の対イオンおよび/もしくはリガンドの量は、特定の量に含められない。
【0043】
好ましい実施形態において、上記マルチビタミンおよびミネラル補助食品は、製造プロセスの間に上記組成物を液体の水に曝すことを避ける直接打錠法によって調製される錠剤である。上記組成物の成分は、予めブレンドされ得るか、順番に合わせられ得るか、または他の乾燥顆粒化法を介して合わせられ得る。あるいは、湿式顆粒化が使用され得る。しかし、湿式顆粒化および/もしくは水性ベースのコーティングが使用される場合、加工工程は、加工の間の水への曝露を制限するように設計されるべきであり、顆粒化および/もしくはコーティングの完了の際に効果的な乾燥工程を提供するべきである。
【実施例】
【0044】
(実施例1)
本発明の例示的実施形態の組成物の3つの例が、表1、表2、および表3に提供される。これら組成物は代表であり、本発明の範囲内である多くの組成物のうちの例であり、かつ例示目的で提供される。表1〜3に例示されるマルチビタミンおよびミネラル栄養補助食品は、1日投与量であることが意図され、代表的には、1つ以上の投与単位(例えば、1つ以上の錠剤)において投与される。複数投与単位が使用される場合、これらは、一度に摂取されてもよいし、その日の間に間隔を空けて摂取されてもよい。示される量は、特定された栄養素成分のものであり、いかなる対イオンの量をも含まない。従って、特定の成分は、任意の薬学的に受容可能な化合物もしくは塩から得られ得る。さらに、この実施例は、栄養素(例えば、ビタミンもしくはミネラル)の量を与え、そして特定の栄養素が1種以上の賦形剤と合わされて、最終投与形態が調製され得ることが理解されるべきである。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

【0047】
【表3】

(実施例2) 表4は、リン酸二カルシウム二水和物をリン酸二カルシウム無水物の代わりに使用したことを除いて、同じ様式で調製した成分の同じ組み合わせと比較して、リン酸二カルシウム無水物で調製した本発明の例示的実施形態の錠剤についての安定性データを示す。両方のセットの錠剤は、60mg/錠剤のアスコルビン酸(ビタミンC)および30IU/錠剤のビタミンEおよび上記多価金属カチオン 18mg/錠剤の鉄(フマル酸鉄(II)として)、100mg/錠剤のマグネシウム(酸化マグネシウムとして)、2mg/錠剤の銅(酸化銅(II)として)、15mg/錠剤の亜鉛(酸化亜鉛として)、2.5mg/錠剤のマンガン(硫酸マンガンとして)、5mcg/錠剤のニッケル(硫酸ニッケルとして)および25mcg/錠剤のクロム(塩化クロムとして)を含んでいた。上記に示されるように、上記2セットの錠剤の間の唯一の区別は、一方のバッチはリン酸二カルシウム二水和物を使用して調製したことと、他方のバッチは、リン酸二カルシウム無水物を使用して調製したことであった。両方のバッチにおいて、1錠あたりのカルシウムの量は162mgであり、1錠あたりのリンの量は、125mgであった。上記錠剤は、55C/95% 相対湿度(「RH」)で1週間と40C/75% RHで3ヶ月のストレス条件下で貯蔵した。上記錠剤を試験し、試験期間の最初と最後で試験した。
【0048】
【表4】

表4が示すように、特定されたストレス条件下で、リン酸二カルシウム無水物を使用して調製された錠剤は、その期間の最後に、リン酸二カルシウム二水和物を使用して調製したものよりも実質的に高いビタミンCおよびビタミンEの効力を示した(例えば、ビタミンCについては、57.4%と比較して90.8%、およびビタミンEについては、62.5%と比較して94.2%)。上記リン酸二カルシウム無水物を使用して調製した錠剤についての崩壊時間もまた、上記リン酸二カルシウム二水和物を使用して調製した錠剤についての崩壊時間より実質的に短い経時的変化を示した。
【0049】
3ヶ月の期間の最後の視覚試験の際に、上記リン酸二カルシウム無水物を使用して調製した錠剤は、斑点形成の証拠を全く示さず、上記リン酸二カルシウム二水和物を使用して調製した錠剤は、実質的な内側および外側の斑点形成を有した。
【0050】
前述の発明は、理解を明瞭にする目的で、例示および実施例によっていくらか詳細に記載されてきたが、特定の変化および改変が、添付の特許請求の範囲内で実施され得ることは明らかである。当業者にとって明らかである本発明を実施するための上記の態様の改変は、以下の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【公開番号】特開2013−106619(P2013−106619A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−47661(P2013−47661)
【出願日】平成25年3月11日(2013.3.11)
【分割の表示】特願2009−549719(P2009−549719)の分割
【原出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】