説明

ビタミンCが保護される反芻動物給与用飼料添加剤、これの製造方法及び用途

【課題】反芻胃バイパス率が優秀でビタミンCが保護される反芻動物給与用飼料添加剤及びこれの製造方法に関する。
【解決手段】ビタミンC又はこれの原料と、前記ビタミンC又はこれの原料を結合コーティング剤で1次カプセル化した1次カプセル層と、及び前記1次カプセル層表面を極度硬化された油脂(ヨードが1.0以下、融点が57℃以上)で2次カプセル化した2次カプセル層を含むビタミンCが保護されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は反芻胃ビタミンCを反芻動物に安全に供給可能になるによって反芻動物の生産性増加効果及び肉類品質を高めて農家及び加工事業に利益を増大させるビタミンCが保護される反芻動物給与用飼料添加剤、これの製造方法及び用途に関する。
【背景技術】
【0002】
肥肉牛に対するビタミンC要求量はまだ明かされていないし、一部家畜に対する研究で必須成分と知られている。しかし、反芻動物の反芻胃内で大部分のビタミンCが分解されるので反芻胃を通過して小腸で吸収されて利用されることができるように反芻胃で分解されないように保護する技術開発が必要である。
【0003】
特に、ビタミンCの欠乏の時代表症状で疾病に対する抵抗力減少と外部環境からのストレスに敏感に反応する。このようなビタミンCの補充が筋内脂肪細胞の分化促進、抗酸化作用で免疫力強化、高温及び分娩ストレス克服に影響を与えるが飼料に補充されたビタミンCが反芻胃内で多くの部分が分解されると報告された。
【0004】
また、肥肉牛の肉色はミオグロビンの存在形態によって決まって、この3種類形態のミオグロビンは代謝作用、pH、空気との接触時間などによって含量が決まる。特に、空気中の酸化作用によって肉色低下現象が促進されるが屠畜の前に肥肉牛の栄養状態によってストレスが減少されて抗酸化作用をする生理活性物質であるビタミンCを供給することでこのような現象を減らすことができる。
【0005】
このような理由で本発明者は反芻動物にも供給することができる反芻胃分解に安定したコーティングされたビタミンCを発明するようになった。ビタミンCは家畜では必須栄養成分であるが反芻動物の場合反芻胃で分解されてその効能を得られない理由でずいぶん前からビタミンCが反芻胃で分解されないようにする技術が考案されて来た。
【0006】
例えば特許W002/056704A1には肥肉牛のマーブリング効果を高めるためにビタミンCを供給することを明示している。特に反芻胃で安定するように硬化大豆油を使ってコーティングしたビタミンCを給与する場合ビタミンC非給与対照群に比べて肉色と肉質面で優秀な効果があることを明示している。しかし、使ったコーティング脂質である硬化大豆油の使用量が少なくて反芻胃バイパス率が低下した状態で常用化した場合に流通過程でコーティング物質の安全性が低下する短所がある。
【0007】
また、米国特許第4,808,412号には反芻胃保護のために高分子物質を利用して生理活性物質を保護する技術が明示されているが、このとき使った高分子物質の種類があんまり多いので実際商用化時に単価が高くなる短所がある。
【0008】
大韓民国登録特許第10−491164号には肥肉牛の肉色低下防止目的でビタミンCとB群を鉱物質と混合して給与する方法に対して明示されているが、前記ビタミンCとB群が反芻胃で分解されないで安定するようにパスできるようにするための反芻胃保護技術の不足な点が短所である。
【0009】
前記の特許外に生理活性物質を反芻胃で分解されないようにするための特許があるが、ほとんど大部分が実際商用化するには多少問題があるとか効能が低下される短所がある。
【0010】
しかし、実際常用化された製品ではロシュ社の反芻動物用ビタミンCがある。この製品はビタミンCにリン酸塩を付けてさらにセルロースにコーティングした製品だがビタミンC自体ではなく誘導体なので吸収率が落ちて反芻胃バイパス率も落ちて実際給与の時優秀な効果を得るためには過量使わなければならないと言う短所がある。なおかつ前記製品は価格が高価である点も農家には負担で作用して広く使うことができない問題点がある。
【特許文献1】米国特許第4,808,412号
【特許文献2】大韓民国登録特許第10−491164号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで本発明者は反芻動物の反芻胃内で易しく分解されることでビタミンCの供給効果を見られなかったビタミンCを反芻胃で微生物及びpHと水分によって分解されないで安定するように下部消化器官に移動して吸収されるように反芻胃保護ビタミンCの製造に対して多角的に研究した結果、特定造成を利用して2段階にわたったカプセル化工程を遂行する場合反芻胃内でビタミンCが保護されて反芻動物の生産性増加効果があることを確認して見発明を完成した。
【0012】
本発明の目的は反芻胃バイパス率が優秀でビタミンCが保護される反芻動物給与用飼料添加剤及びこれの製造方法を提供するのである。また、本発明の他の目的は前記ビタミンCが保護される反芻動物給与用飼料添加剤を反芻動物に給与して肉質を向上させる方法を提供するのである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を果たすため、本発明はビタミンC又はこれの原料と、前記ビタミンC又はこれの原料を結合コーティング剤1次カプセル化した1次カプセル層及び前記1次カプセル層表面を極度硬化された油脂(ヨードが1.0以下、融点が57℃以上)で2次カプセル化した2次カプセル層を含むビタミンCが保護される反芻動物給与用飼料添加剤に特徴がある。
【0014】
また本発明は、
a)前記ビタミンC又はこれの原料を結合コーティング剤でコーティングして1次カプセル層を形成する1次カプセル化を行う段階、及び
b)前記1次カプセル化された物質を極度硬化された油脂(ヨードが1.0以下、融点が57℃以上)でコーティングして2次カプセル層を形成する2次カプセル化を行う段階を含むビタミンCが保護される反芻動物給与用飼料添加剤の製造方法に特徴がある。
【0015】
また、本発明は前記ビタミンCが保護される反芻動物給与用飼料添加剤を反芻動物の飼料に添加して反芻動物に供給することで反芻動物の肉量及び肉質を向上させることに特徴がある。
【発明の効果】
【0016】
本発明品を反芻動物に給与すれば反芻胃内でビタミンCが保護されて効率的にビタミンCを飼料に添加して利用することができるし、生産性増加に寄与して、ビタミンCの効果によって高品質の畜産物を生産できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明をより詳しく説明する。本発明によるビタミンCが保護される反芻動物給与用飼料添加剤はビタミンC又はこれの原料を結合コーティング剤で1次カプセル化した1次カプセル層と、前記1次カプセル層の表面を極度硬化された油脂(ヨードが1.0以下、融点が57℃以上)で2次カプセル化した2次カプセル層にコーティングした構造を持つ。
【0018】
前記飼料添加剤はビタミンCの表面を2層にカプセル化することで従来反芻動物にビタミンCを供給する場合反芻動物の反芻胃で微生物及びpHと水分によって分解される問題を解消して、ビタミンCが安全に下部消化器官に移動して吸収が可能である。
【0019】
前記ビタミンCではビタミンCやこれの原料であるアスコルビン酸及びこれの誘導体が可能であり、これらを単独又は混合して使う。前記1次カプセル層は結合剤とコーティング剤を混合して射出コーティングされて、このようにコーティングされた製品はビタミンCを熱と圧力から安定するようにするカプセル層を形成するようになる。
【0020】
このような結合コーティング剤ではビスワックスと、PG、PEG、及びこれらの組み合わせより成り立った群から選択されたポリマーと、界面活性剤と、カルシウムステアレイト、亜鉛ステアレイト、マグネシウムステアレイト、及びこれらの組み合わせより成り立った群から選択された2価せっけんと、硬化油と、極度硬化油と、液状果糖と、セルロースと、シリカ及びこれらの組み合わせより成り立った群から選択された1種が可能である。
【0021】
前記2次カプセル層は1次カプセル化製品を反芻胃で安全性を高めてくれる役割をして安定するように下部消化器官でバイパスされ吸収及び消化が可能にさせてくれる。前記2次カプセル層は極度硬化された油脂でヨードが1.0以下で融点が57℃以上のことが可能である。代表的に、前記極度硬化された油脂では硬化植物油、硬化とうもろこし油、硬化綿実油、硬化ピーナッツ油、硬化パムコネル油、硬化パム油、硬化パムステアリン油、硬化ひまわり油、硬化菜種油、及びこれらの組み合わせより成り立った群から選択された1種が可能である。
【0022】
このようなビタミンCが保護される反芻動物給与用飼料添加剤は、
a)前記ビタミンC又はこれの原料を結合コーティング剤でコーティングして1次カプセル層を形成する1次カプセル化を行う段階、及び
b)前記1次カプセル化された物質を極度硬化された油脂(ヨードが1.0以下、融点が57℃以上)でコーティングして2次カプセル層を形成する2次カプセル化を行う段階を経て製造される。
【0023】
まず、a)段階ではビタミンC又はこれの原料を結合コーティング剤と混合後1次カプセル化する工程を遂行する。前記1次カプセル化は、具体的に混合機にビタミンC又はこれの原料1重量部当たり結合コーティング剤を日程含量で添加して均一に混合して、前記混合して得た混合物を圧出した後、カプセル製造のための多孔板で射出成形する工程で成り立つ。
【0024】
前記混合機は通常の混合機、一例でリボンミキサー、一般撹拌機、ホモミキサー、又はV形混合機を使う。このときビタミンC又はこれの原料1重量単位当り結合コーティング剤が0.1〜2重量単位で混合するのが望ましい。もし、0.1重量単位以下では結合力が落ちて圧出機で成形が難しいし、2単位以上では最終ビタミンCの含量が低下する短所がある。このとき前記'重量単位'の意味は重量(weight)の概念で、一例でビタミンC1重量単位と結合コーティング剤の0.1重量単位はビタミンC1gを使う場合に結合コーティング剤を0.1g使うことを意味する。
【0025】
このとき必要によって前記混合機に適量の水を添加する。前記混合機を通して得られた混合物は圧出機を利用して10〜60℃で圧出した後、射出成形機を経て顆粒又は浸状形態の1次カプセル物質を製造する。
【0026】
このとき前記圧出機としては通常的に使われる圧出機(Extruder)やプルローダ(Plodder)が可能である。また前記射出成形機はカプセル化するために多孔板の大きさが0.5mm〜2.5mmである装置を使う。
【0027】
次に、b)段階では前記1次カプセル化された物質を極度硬化された油脂(ヨードが1.0以下、融点が57℃以上)でコーティングして2次カプセル層を形成する2次カプセル化を遂行する。
【0028】
2次カプセル層を形成するため、1次カプセル物質20〜95重量%と2次カプセル物質である極度硬化された油脂(ヨードが1.0以下、融点が57℃以上)を5〜80重量%で混合する。前記2次カプセル物質の含量が前記範囲未満であれば2次カプセル層の厚さがとても薄くて飼料添加剤が反芻胃で溶解されてビタミンCが分解される問題が発生する。これと反対にその含量が前記範囲を超過すれば、2次カプセル層の厚さがとても厚くて下部消化器官でビタミンCの吸収が難しくなる。
【0029】
前記混合された混合物はカプセル化装置であるハイスピードミキサー、リボンミキサー、流動層工程機などを使って2次カプセル化を遂行する。このとき具体的な方法は本発明で限定しないし、公知されたようなカプセル工程に従う。
【0030】
このような段階を経て製造された本発明による飼料添加剤はビタミンC又はこれの原料を2重でコーティングされた構造を持って、適用しようとする反芻動物によってその大きさを適切に変更して製作が可能であり、望ましくは0.5mm以下、より望ましくは0.05〜0.3mmで製作する。
【0031】
前記製造された反芻胃保護ビタミンCは形態は均等で均一な姿を現わす長所があり、ビタミンCを含んだ1次コーティング製品に追加で2次コーティング過程を経るのでビタミンCが表面に分布する可能性がなくて投入されたビタミンCの大部分が安全性を維持することができる長所がある。このような飼料添加剤を反芻動物に供給することで反芻動物の肉量及び肉質を向上させる。
【0032】
従来反芻動物にビタミンCを供給する場合反芻胃内で易しく分解されることでビタミンCの供給効果を見られなかったが、本発明によって製造された反芻胃保護ビタミンCを含む飼料添加剤を供給する場合ビタミンCが反芻胃で微生物及びpHと水分によって分解されないで安定するように下部消化器官に移動して吸収される。
【0033】
これによって反芻動物の栄養素利用効率を高めて生産性を増加させて、畜産物内移行を増加させて機能性畜産物の生産が可能になる。前記反芻動物は本発明で特別に限定されるのではなく、公知されたすべての反芻動物に可能であり、望ましくは畜産業に有用な乳牛、韓牛、鹿、羊などを含む。
【0034】
本発明の望ましい実験例3によれば、韓牛に反芻胃保護ビタミンCを含む飼料添加剤を供給する場合肉量と肉質で対照群と比べて大分向上された効果を確認した。以下、本発明の理解を助けるために望ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は本発明をより易しく理解するために提供されることであり、実施例によって本発明の内容が限定されるのではない。
【実施例】
【0035】
[実施例1]
ビタミンC650gとシリカ250g、液状果糖200g、硬化油700gをよく混ぜた後1.0mm多孔板を通して射出して1次カプセル物質を製造した。製造された1次カプセル物質1.8kgをハイスピードミキサーに入れて液状の硬化パムステアリン油1.2kgを添加して2重コーティングをした。
【0036】
[実施例2]
ビタミンC650gとシリカ350g、液状果糖100g、硬化油700gをよく混ぜた後1.0mm多孔板を通して射出して1次カプセル物質を製造した。製造された1次カプセル物質1.8kgをハイスピードミキサーに入れて液状の硬化パムステアリン油1.2kgを添加して2重コーティングをした。
【0037】
[実施例3]
ビタミンC650gとシリカ150g、液状果糖300g、硬化油700gをよく混ぜた後1.0mm多孔板を通して射出して1次カプセル物質を製造した。製造された1次カプセル物質1.8kgをハイスピードミキサーに入れて液状の硬化パムステアリン油1.2kgを添加して2重コーティングをした。
【0038】
[実施例4]
ビタミンC650gとシリカ350g、液状果糖300g、硬化油500gをよく混ぜた後1.0mm多孔板を通して射出して1次カプセル物質を製造した。製造された1次カプセル物質1.8kgをハイスピードミキサーに入れて液状の硬化パムステアリン油1.2kgを添加して2重コーティングをした。
【0039】
[実施例5]
ビタミンC650gとシリカ150g、液状果糖100g、硬化油900gをよく混ぜた後1.0mm多孔板を通して射出して1次カプセル物質を製造した。製造された1次カプセル物質1.8kgをハイスピードミキサーに入れて液状の硬化パムステアリン油1.2kgを添加して2重コーティングをした。
【0040】
[実施例6]
ビタミンC650g、カルシウムステアレイト250g、液状果糖200g、硬化油700gをよく混ぜた後1.0mm多孔板を通して射出して1次カプセル物質を製造した。製造された1次カプセル物質1.8kgをハイスピードミキサーに入れて液状の硬化パムステアリン油1.2kgを添加して2重コーティングをした。
【0041】
[実施例7]
ビタミンC650gとナトリウムせっけん250g、液状果糖200g、硬化油700gをよく混ぜた後1.0mm多孔板を通して射出して1次カプセル物質を製造した。製造された1次カプセル物質1.8kgをハイスピードミキサーに入れて液状の硬化パムステアリン油1.2kgを添加して2重コーティングをした。
【0042】
[実施例8]
ビタミンC650gとシリカ250g、精製数200g、硬化油700gをよく混ぜた後1.0mm多孔板を通して射出して1次カプセル物質を製造した。製造された1次カプセル物質1.8kgをハイスピードミキサーに入れて液状の硬化パムステアリン油1.2kgを添加して2重コーティングをした。
【0043】
[実施例9]
ビタミンC650gとシリカ250g、PG200g、硬化油700gをよく混ぜた後1.0mm多孔板を通して射出して1次カプセル物質を製造した。製造された1次カプセル物質1.8kgをハイスピードミキサーに入れて液状の硬化パムステアリン油1.2kgを添加して2重コーティングをした。
【0044】
[実施例10]
ビタミンC650gとシリカ250g、ツイン80200g、硬化油700gをよく混ぜた後1.0mm多孔板を通して射出して1次カプセル物質を製造した。製造された1次カプセル物質1.8kgをハイスピードミキサーに入れて液状の硬化パムステアリン油1.2kgを添加して2重コーティングをした。
【0045】
[実施例11]
ビタミンC650gとナトリウムせっけん300g、ゼオライト250g、液状果糖100g、硬化油500gをよく混ぜた後1.0mm多孔板を通して射出して1次カプセル物質を製造した。製造された1次カプセル物質1.8kgをハイスピードミキサーに入れて液状の硬化パムステアリン油1.2kgを添加して2重コーティングをした。
【0046】
[実験例1]
製造された反芻胃保護ビタミンCの水分に対する安全性を測定するために試験管実験と生体内試験を実施した。先に試験管内で安全性を測定するために製造された反芻胃保護ビタミンCを試験管に入れて蒸溜水を添加して5重量%水溶液で製造した。このように製造した水溶液をJEIO TECH MC−11マルチストロ水浴組を使って40℃±0.1℃から2時間の間撹拌した。引き継いで、Whatman paper No.3を使ってフィルタリングして固形分だけを取った後45℃±0.1℃から12時間以上乾燥して残余水分を完全に除去した。
【0047】
前記乾燥した試料をSanpladry keeperで常温で冷却した後この中500mgを溶媒で使われるメタリン酸溶液に完全に溶かした後澱粉指示薬を適量添加した後0.1Nヨード溶液を適正試薬にしてビタミンCの含量を測定したし,全ての分析実験で3回繰り返し測定した。また試験管試験で安全性が優秀で製品の大きさが適当でビタミンCの含量が高い製品を選定して生体内で安全性試験を実施したし、得られた結果を下記表1に示した。
【0048】
【表1】

【0049】
前記表1を参照すれば、反芻胃保護処理方法別に反芻胃内損失率は7.5%から28.5%で反芻胃内で多くの部分が分解されなく下部消化器官に移行されることを分かった。
【0050】
[実験例2]
前記実験例1の試験管実験で安全性が優秀で製品の大きさが適当でビタミンCの含量が高い製品を選定して生体内で安全性試験を行った。
【0051】
乳牛での試験のために対照群1(無給与群)、対照群2(市販A社)、試験群(実施例1)で分けて、各処理別で非乳時期と生産能力が似ている個体を4匹ずつ総12匹を公示して利用した。このとき対照群2及び試験群にそれぞれ市販A社の製品と本発明による実施例1の反芻胃保護ビタミンCを一匹当たり毎日20gずつ給与飼料に追加して摂取させたし、全ての公示畜から血液を採取して血液内ビタミンC含量を測定してビタミンCの血液内移行程度を測定したし、得られた結果を下記表2に示した。
【0052】
【表2】

【0053】
表2を参照すれば、対照群1と2に比べて開発された反芻胃保護ビタミンCの給与時血液内移行が42.06〜44.38%が増加して反芻胃で分解されないで多量が吸収されて反芻動物が効率的に利用できることを確認した。
[実験例3]
【0054】
肉量特性変化
本発明によるビタミンC給与後韓牛の肉量及び肉質にどのような変化があったかを確認するために下記の試験を実施した。
【0055】
韓牛試験のために13ヶ月齢の韓牛を20匹公示して、無給与である対照群10匹及び本発明による実施例1の反芻胃保護ビタミンC給与群である試験群にして26ヶ月齢まで肥肉試験を実施した。このとき試験群は反芻胃保護ビタミンCを体重kg当り40mgを毎日飼料と共に給与した。試験が終わった後屠畜して肉量特性の変化を下記表3及び図1に示した。このとき対照群は飼料添加剤を添加しない韓牛である。
【0056】
【表3】

【0057】
前記表3及び図1を参照すれば、本発明によって製造された飼料添加剤を韓牛に投与する場合肉量等級が大きく向上されることを分かる。
【0058】
肉質特性変化
同一な試験で試験屠畜後肉質特性の変化を調査した結果を下記表4及び図2に示した。このとき対照群は飼料添加剤を添加しない韓牛である。
【0059】
【表4】

【0060】
前記表4及び図2を参照すれば、本発明によって製造された飼料添加剤を使って韓牛肥肉牛に適用する場合、反芻胃内の保護ビタミンCの給与効果を検証する試験で肉生産及び肉質等級が改善されることを確認した。このような結果は本発明による飼料添加剤を使って反芻動物に反芻胃保護ビタミンCの供給が容易くなって、これによって高品質の牛肉生産が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明によって反芻胃保護ビタミンCを反芻動物に安全に供給が可能になるによって反芻動物の生産性増加効果及び肉類品質を高めて農家及び加工事業に利益を増大可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実験例3で本発明による飼料添加剤を投与した試験群と対照群の肉量等級の変化を示したグラフ。
【図2】実験例3で本発明による飼料添加剤を投与した試験群と対照群の肉質等級の変化を示したグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンC又はこれの原料と、前記ビタミンC又はこれの原料を結合コーティング剤で1次カプセル化した1次カプセル層と、及び前記1次カプセル層表面を極度硬化された油脂(ヨードが1.0以下、融点が57℃以上)で2次カプセル化した2次カプセル層を含むビタミンCが保護される反芻動物給与用飼料添加剤。
【請求項2】
前記ビタミンCはビタミンC又はこれの原料であるアスコルビン酸及びこれの誘導体単独又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の反芻動物給与用飼料添加剤。
【請求項3】
前記結合コーティング剤は、ビスワックスと、PG、PEG、及びこれらの組み合わせより成り立った群から選択されたポリマーと、界面活性剤と、カルシウムステアレイト、亜鉛ステアレイト、マグネシウムステアレイト及びこれらの組み合わせより成り立った群から選択された2価せっけんと、硬化油と、極度硬化油と、液状果糖と、セルロースと、シリカと、ゼオライト及びこれらの組み合わせより成り立った群から選択された1種であることを特徴とする請求項1に記載の反芻動物給与用飼料添加剤。
【請求項4】
前記極度硬化された油脂は、硬化植物油、硬化とうもろこし油、硬化綿油、硬化ピーナッツ油、硬化パムコネル油、硬化パム油、硬化パムステアリン油、硬化ひまわり油、硬化菜種油及びこれらの組み合わせより成り立った群から選択された1種であることを特徴とする請求項1に記載の反芻動物給与用飼料添加剤。
【請求項5】
a)前記ビタミンC又はこれの原料を結合コーティング剤でコーティングして1次カプセル層を形成する1次カプセル化を行う段階、及び
b)前記1次カプセル化された物質を極度硬化された油脂(ヨードが1.0以下、融点が57℃以上)でコーティングして2次カプセル層を形成する2次カプセル化を行う段階を含むビタミンCが保護される請求項1の反芻動物給与用飼料添加剤の製造方法。
【請求項6】
前記1次カプセル化はビタミンC又はこれの原料10〜90重量%と結合コーティング剤10〜90重量%を混合して、得られた混合物を圧出機を利用して10〜60℃で圧出した後、射出成形機を経て顆粒又は浸状形態の1次カプセル物質を製造することを特徴とする請求項6に記載の反芻動物給与用飼料添加剤の製造方法。
【請求項7】
前記2次カプセル化は1次カプセル物質20〜95重量%と2次カプセル物質である極度硬化された油脂より成り立った群から選択された1種を5〜80重量%混合して、得られた混合物をハイスピードミキサー、リボンミキサー、レディーケミキサー又は流動層工程機を使って2次カプセル化を行うことを特徴とする請求項6に記載の反芻動物給与用飼料添加剤の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−159934(P2009−159934A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24859(P2008−24859)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(599151282)大韓民国農村振興庁 (16)
【氏名又は名称原語表記】RURAL DEVELOPMENT ADMINISTRATION
【住所又は居所原語表記】250 Seodundong,Kwonseongu,Suwon,Gyeongido 441−707,Republic of Korea
【出願人】(508037256)ヌボ ビィーアンドティー コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】