説明

ビタミンCを産生する方法

本発明は、Gluconobacter oxydans DSM 4025(FERM BP−3812)から単離したアルデヒドデヒドロゲナーゼを使用するL−ソルボソンからビタミンCを産生する方法であり、該酵素が以下の物理化学的特性:
a)分子量:150,000±6,000Daまたは230,000±9,000Da(2または3つの相同的サブユニットからなり、その各々のサブユニットの分子量は75,000±3,000Daである);
b)基質特異性:アルデヒド化合物に対して活性;
c)補因子:ピロロキノリンキノンおよびヘムc;
d)最適pH:L−ソルボソンからビタミンCの産生において6.4〜8.2;
e)阻害剤:Co2+、Cu2+、Fe2+、Ni2+、Zn2+、モノヨードアセテートおよびエチレンジアミンテトラ酢酸を有する方法に関する。その方法を適切な電子受容体の存在下で行ない、ビタミンCをその反応混合物から単離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Gluconobacter oxydansDSM4025(FERM BP−3812)の細胞非含有抽出物から精製したアルデヒドデヒドロゲナーゼ、すなわちL−ソルボソンデヒドロゲナーゼを利用して、L−ソルボソンからL−アスコルビン酸(ビタミンC)を産生する方法に関する。
【0002】
前記の酵素はEP0922759A2に開示され、L−ソルボソンから2−ケト−L−グロン酸(2−KGA)への酸化反応を触媒する。
【0003】
ビタミンCは非常に重要であり、ヒトにとって不可欠な栄養分である。それは「ライヒシュタイン法」により工業的に合成される。D−グルコソンおよびL−ソルボソンは、豆およびホウレンソウにおけるビタミンC生合成の推定的中間体であり、L−ソルボソンからビタミンCへの酸化反応を触媒しているニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)依存的酵素は部分的に精製されている。しかし、細菌源を起源とする酵素を使用することによるL−ソルボソンからビタミンCへの変換に関する報告は全くない。驚くべきことに、この酵素は、L−ソルボソンを2−KGAに変換できるだけでなく、特定の反応下でビタミンCにも変換できることが見い出された。
【0004】
本発明は、以下の物理化学的特性:
a)分子量:150,000±6,000Daまたは230,000±9,000Da(2または3つの相同的サブユニットからなり、その各々のサブユニットの分子量は75,000±3,000Daである);
b)基質特異性:アルデヒド化合物に対して活性;
c)補因子:ピロロキノリンキノンおよびヘムc;
d)最適pH:L−ソルボソンからビタミンCの産生において6.4〜8.2;
e)阻害剤:Co2+、Cu2+、Fe2+、Ni2+、Zn2+、モノヨードアセテートおよびエチレンジアミンテトラ酢酸;
を有する精製L−ソルボソンデヒドロゲナーゼに、L−ソルボソンを、電子受容体の存在下で接触させること、および得られるビタミンCをその反応混合物から単離することを含む、L−ソルボソンからビタミンCを産生する方法を提供する。
【0005】
本発明の目的では、「精製」なる用語はまた、その天然環境からの単離も含む。
【0006】
電子受容体の存在下でのL−ソルボソンからビタミンCへの酸化は、以下の反応式に従って起こる:
L−ソルボソン+電子受容体→ビタミンC+還元された電子受容体
【0007】
この酵素は、電子受容体としての酸素と連携しない。さらに、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)は適切な電子受容体ではない。しかし、他の慣用的な電子受容体を、本発明の方法に結合させて使用できる。2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCIP)、フェナジンメトスルフェート(PMS)、フェリシアニド、およびチトクロムcが好ましい電子受容体である。
【0008】
酵素アッセイは以下のように実施してもよい:
a)L−ソルボソンデヒドロゲナーゼ活性の産物(ビタミンC)のアッセイ
水を含む最終容量100μl中において1.0mM PMS、25mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)、1.0μMピロロキノリンキノン(PQQ)、1.0mM CaCl、50mMのL−ソルボソンおよび酵素溶液からなる反応混合物を、アッセイの直前に調製する。反応は、特記しない限り、30℃で60分間行なう。産生するビタミンCの量を264nmの波長で、UV検出器(TOSOH UB8000;TOSOH 株式会社 日本東京中央区京橋3−2−4)、デュアルポンプ(TOSOH CCPE;TOSOH 株式会社)、積分器(Shimazu C−R6A;島津製作所、日本京都中京区西京桑原町1)およびカラム(YMC−Packポリアミン−II、YMC,Inc.3233 Burnt Mill Drive Wilimington、NC28403、米国)に結合させた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定する。生じる2−KGAの量をHPLCにより測定する。1単位の酵素活性は、反応混合物中に60分以内に1mgのビタミンCまたは2−KGAを生じる酵素の量として定義する。
【0009】
b)L−ソルボソンデヒドロゲナーゼ活性の光学的アッセイ
水を含む最終容量100μl中において0.1mMのDCIP、1.0mM PMS、50mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)、1.0μMのPQQ、2.0mMのL−ソルボソンおよび酵素溶液からなる反応混合物を、アッセイ直前に調製する。反応をL−ソルボソンを用いて25℃で開始し、酵素活性を、600nmでのDCIPの初期減少速度として測定する。1単位の酵素活性は、1分間に1μモルのDCIPの減少を触媒する酵素の量として定義される。pH7.0におけるDCIPの吸光係数は、14.2mM−1と捉える。対照キュベットには、L−ソルボソンを除く前記の全ての構成成分を含む。
【0010】
本発明のL−ソルボソンデヒドロゲナーゼは、EP0922759A2に記載の方法に従って、G.oxydansDSM4025(FERM BP−3812)の細胞非含有抽出液から単離することができる。
【0011】
従って、本発明は、前記したようなL−ソルボソンからビタミンCを産生する方法であって、ここで、L−ソルボソンデヒドロゲナーゼが、Gluconobacter oxydansDSM4025(FERM BP−3812)株、G.oxydansDSM4025(FERM BP−3812)の同定特徴を有するGluconobacter属に属する微生物、またはそれらの変異体から得られる、方法を提供する。
【0012】
G.oxydansDSM4025は、1987年3月17日にDSM No.4025で、ブダペスト条約の規約に基づいて、ゲッティンゲン(ドイツ)のドイツ微生物及び培養細胞収集局〔Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen(DSMZ)〕に寄託された。寄託者は、中国科学院(Academia Sinica)微生物研究所東方科学器機進出口公司(中華人民共和国北京市三里河52号)であった。有効な寄託者は前記の研究所であり、その全アドレスは、中華人民共和国、100080、北京市、海淀区中関村、中国科学アカデミー微生物研究所である。
【0013】
菌株の継代培養はまた、1992年3月30日の寄託番号FERM BP−3812の下で、ブダペスト条約の規約にここでも基づいて、産業技術総合研究所(AIST)(日本国305−8566、茨城県、つくば市東1−1−1、つくば中央第6)にも寄託された。寄託者は日本ロシュK.K.(日本国105−8532東京都港区芝2丁目6−1)である。この継代培養もまた最も好ましくは本発明に使用する。
【0014】
この酵素を、以下のように、微生物G.oxydansDSM4025(FERM BP−3812)の培養後に単離し精製してもよい:
(1)細胞を遠心分離またはろ過により液体培養ブロスから収集する。
(2)収集した細胞を、水、生理的食塩水、または適切なpHを有する緩衝溶液で洗浄する。
(3)洗浄した細胞をその緩衝溶液中に懸濁し、ホモジナイザー、ソニケーター、もしくはフレンチプレスにより、またはリゾチームなどでの処理により破壊して、破壊細胞溶液を得る。
(4)前記酵素を、破壊細胞の細胞非含有抽出液から、好ましくは微生物のサイトゾル画分から単離し精製する。
【0015】
本発明により提供される方法に適用した酵素は、L−ソルボソンからビタミンCを産生するための触媒として有用である。反応を、pHで、60℃で、約0.5〜48時間、電子受容体、例えばDCIPおよびPMSなどの存在下で、リン酸緩衝液およびトリス緩衝液などの溶媒中で行ってもよい。約7.0〜8.2のpHおよび約20℃〜50℃の範囲の温度で約0.5〜24時間が、L−ソルボソンを効率的にビタミンCに変換する条件である。
【0016】
従って、本発明の方法において、反応を、約6.4〜約9.0のpHにて、約20℃〜約60℃の温度で、約0.5〜約48時間で行なう。好ましくは反応を約7.0〜約8.2のpHにて、約20℃〜約50℃の温度で、約0.5〜約24時間行なう。
【0017】
反応混合物中のL−ソルボソンの濃度は、他の反応条件に応じて変更できるが、一般に、約0.5〜約50g/L、好ましくは約1〜約30g/Lである。
【0018】
本発明によれば、触媒反応を、水中、またはメタノール、エタノール、アセトンなどの水性溶媒もしくはこれらの溶媒のいずれか1つと水との混合物中で行うが、経済的にも取り扱いの容易さの観点からも水が好ましい。
【0019】
本発明の方法において、この酵素をまた、適切な担体を用いて固定した状態で使用してもよい。当分野で一般的に知られている酵素を固定化する任意の手段を使用してもよい。例えば、この酵素を、1つ以上の官能基を有するレジンの膜もしくは顆粒などに直接結合させてもよいし、または1つ以上の官能基を有する架橋化合物、例えばグルタルアルデヒドを介してレジンに結合させてもよい。
【0020】
反応混合物中に生じたビタミンCを、当分野で知られている慣用的な方法により単離してもよく、塩として、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、またはアンモニウム塩などとして分離してもよい。この塩を、当分野で知られている慣用的な方法により遊離酸に変換してもよい。特に、分離を、以下の工程の任意の適切な組合せまたは反復により実施してもよい:生成物と周囲の不純物の間の特性の差異、例えば溶解度、吸収性、および溶媒間の分配係数、および例えばイオン交換樹脂などに対する吸着の差異を使用することによる塩の形成。これらの手順のいずれかの1つまたは組合せが、生成物を単離するための慣用的な手段を構成する。このようにして得られた生成物を、慣用的な方法で、例えば、再結晶またはクロマトグラフィーによりさらに精製してもよい。
【0021】
以下の実施例は本発明をさらに説明する。
【0022】
L−ソルボソンデヒドロゲナーゼの調製
全ての操作は8℃で実施し、緩衝液は、特記しない限り、0.05Mリン酸カリウム(pH7.0)であった。
(1)G.oxydansDSM4025(FERM BP−3812)の培養:
G.oxydansDSM4025(FERM BP−3812)を、5.0%D−マンニトール、0.25%MgSO・7HO、1.75%コーンスティープリカー(Corn steep liquor)、5.0%パン酵母、0.5%尿素、0.5%CaCO、および2.0%寒天を含む寒天プレート上で27℃で4日間増殖させた。1白金耳の細胞を、500mlエーレンマイヤーフラスコ中に2%L−ソルボース、0.2%酵母抽出液、0.05%グリセロール、0.25%MgSO・7HO、1.75%コーンスティープリカー、0.5%尿素、および1.5%CaCOを含む50mlの種培養培地に接種し、30℃で回転振とう器で180rpmで1日培養した。
【0023】
培養ブロス(10ml)を、100mlの同じ種培養培地を含む500mlエーレンマイヤーフラスコに移し、前記したのと同じように培養した。このようにして調製した種培養液を、30Lのジャーファーメンター中での、8.0%L−ソルボース、0.05%グリセロール、0.25%MgSO・7HO、3.0%コーンスティープリカー、0.4%酵母抽出液、および0.15%消泡剤を含む、15リットルの培地への接種に使用した。発酵パラメータは、攪拌速度については800rpmであり、30℃の温度での通気については0.5vvm(空気の容量/培地の容量/分)であった。pHを、発酵中は水酸化ナトリウムを用いて7.0に維持した。48時間の培養後、2セットの発酵槽を使用することによる、G.oxydansDSM4025(FERM BP−3812)の細胞を含む30リットルの培養ブロスを、連続的遠心分離により収集した。細胞を含むペレットを回収し、適切な容量の生理的食塩水に懸濁した。
【0024】
懸濁液を2,500rpm(1,000×g)で遠心分離した後、細胞を含む上清を回収して、培地中の成分であるコーンスティープリカーおよび酵母抽出物に由来する不溶性物質を除去した。その後、上清を8,000rpm(10,000×g)で遠心分離し細胞ペレットを得た。結果として、123gのG.oxydansDSM4025(FERM BP−3812)細胞(湿重量)を、30リットルのブロスから得た。
【0025】
(2)サイトゾル画分の調製:
細胞ペレット(64.2g)を280mlの緩衝液に懸濁し、フレンチ圧力細胞プレスに通した。遠心分離して無傷細胞を除去した後、上清を細胞非含有抽出液と称し、細胞非含有抽出液を100,000×gで60分間遠心分離した。得られた上清(227ml)をG.oxydansDSM4025(FERM BP−3812)の可溶性画分と称した。この画分を緩衝液に対して透析した後、0.107単位/mgタンパク質の比活性を有する150mlの透析画分を次の精製ステップに使用した。
【0026】
(3)ジエチルアミノエチル(DEAE)セルロースカラムクロマトグラフィー:
透析液(150ml)を、緩衝液で平衡化し洗浄し微量のタンパク質を溶出したDEAE−セルロース(ホワットマンDE−52、3×50cm)のカラムにのせた。その後、レジンに結合したタンパク質を、緩衝液中0.28、0.32、0.36MのNaClで段階的に溶出した。主な酵素活性は、0.36MのNaCl時に溶出された。活性画分(143ml)を回収した。
【0027】
(4)カルボキシメチルセルロースカラムクロマトグラフィー:
前のステップからの活性画分の一部(127ml)を、限外ろ過器(Centriprep-10、アミコン)によりろ過し濃縮した。濃縮した試料(28ml)を緩衝液に対して透析した後、28mlの透析画分(31ml)を、緩衝液で平衡化したカルボキシメチル−セルロース(ホワットマンCM−52、3×23cm)のカラムにのせた。レジンに結合することなくカラムを通過したタンパク質を回収した。
【0028】
(5)Q−セファロースカラムクロマトグラフィー(#1):
プールした活性画分(43ml)を限外ろ過器(Centriprep-10)により濃縮した。前のステップからの濃縮画分(10ml)の一部(9.5ml)を、緩衝液で平衡化したQ−セファロース(ファルマシア、1.5×50cm)にのせた。カラムを、0.3MのNaClを含む緩衝液で洗浄した後、0.3〜0.6Mの線形勾配のNaClを緩衝液に加えた。活性画分を、0.55〜0.57Mの範囲のNaCl濃度で溶出した。
【0029】
(6)Q−セファロースカラムクロマトグラフィー(#2):
前のステップからのプールした活性画分(22ml)を、限外ろ過器(Centriprep-10)により濃縮した。濃縮液(3.0ml)を緩衝液に対して透析した。透析した試料(3.5ml)を、緩衝液で平衡化したQ−セファロース(ファルマシア、1.5×50cm)カラムにのせた。カラムを0.35MのNaClを含む緩衝液で洗浄した後、0.35〜0.7Mの線形勾配のNaClを緩衝液に加えた。活性画分を、0.51〜0.53Mの範囲のNaCl濃度で溶出した。
【0030】
(7)ゲルろ過(セファクリルS−300高分解能)カラムクロマトグラフィー:
前のステップからのプールした活性画分(20ml)を、限外ろ過器(Centriprep-10)により濃縮した。1.5ml部の濃縮し脱塩(0.1MのNaClより低く)した試料(2.0ml)を、0.1M NaClを含む緩衝液で平衡化したセファクリルS−300高分解能カラム(ファルマシア、1.5×120cm)にのせた。活性画分(12ml)を回収し、緩衝液に対して透析した。
【0031】
(8)疎水性カラム(RESOURCE ISO)クロマトグラフィー:
前のステップからの透析した活性画分を、限外ろ過器(Centriprep-10)により濃縮した。濃縮した試料(1.75ml)の一部(1.5ml)を、3M硫酸アンモニウム(最終濃度1.5M)を含む等容量(1.5ml)の緩衝液に加えた。試料を遠心分離(15,000×g)した後、上清を、1.5M硫酸アンモニウムを含む緩衝液で平衡化したカラムRESOURCE ISO(ファルマシア、1.0ml)にのせた。カラムを、1.5M硫酸アンモニウムを含む緩衝液で洗浄した後、1.5〜0.75Mの線形勾配の硫酸アンモニウムを含む緩衝液でタンパク質を溶出した。L−ソルボソンデヒドロゲナーゼに対応する活性画分を、1.12〜1.10Mの範囲の硫酸アンモニウム濃度で溶出した。活性画分を、透析カップ(Dialysis-cup透析カップMWCO8000、Daiichi pure chemicals)を使用して緩衝液に対して透析した。その後、画分を回収し、−20℃で保存した。酵素の精製工程の要約を表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
実施例2:L−ソルボソンからの反応生成物に対するpHの影響
100μlの100mMの種々の緩衝液中において精製酵素(0.42μg)、L−ソルボソン(50mM)、PMS(1mM)、CaCl(1mM)、およびPQQ(1μM)からなる反応混合物を、1時間、30℃でインキュベートした。反応生成物を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60F254、メルク)およびHPLCにより分析した。ビタミンC生成は、6.4から約8.0のpH範囲で検出した。一方、2−KGA生成は、表2に示したように、5.4から約9.0のpH範囲で検出した。
【0034】
【表2】

【0035】
活性に対する温度の効果
25mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中に0.42μgの精製L−ソルボソンデヒドロゲナーゼ、50mMのL−ソルボソン、1μMのPQQ、1mMのCaCl、1mMのPMSを含む反応混合物を、60分間、種々の温度でインキュベートした。L−ソルボソンを、表3に示したように、ビタミンCおよび2−KGAに変換した。
【0036】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の物理化学的特性:
a)分子量:150,000±6,000Daまたは230,000±9,000Da(2または3つの相同的サブユニットからなり、その各々のサブユニットの分子量は75,000±3,000Daである);
b)基質特異性:アルデヒド化合物に対して活性;
c)補因子:ピロロキノリンキノンおよびヘムc;
d)最適pH:L−ソルボソンからビタミンCの産生において6.4〜8.2;
e)阻害剤:Co2+、Cu2+、Fe2+、Ni2+、Zn2+、モノヨードアセテートおよびエチレンジアミンテトラ酢酸;
を有する精製L−ソルボソンデヒドロゲナーゼに、L−ソルボソンを、電子受容体の存在下で接触させること、および得られるビタミンCを反応混合物から単離することを含む、L−ソルボソンからビタミンCを産生する方法。
【請求項2】
L−ソルボソンデヒドロゲナーゼが、グルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)DSM No.4025(FERM BP−3812)株、グルコノバクター オキシダンス(G.oxydans)DSM4025(FERM BP−3812)の同定特徴を有するグルコノバクター(Gluconobacter)属に属する微生物、またはその変異体から得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
反応を、約6.4〜約9.0のpHにて、約20℃〜約60℃の温度範囲で、約0.5〜約48時間行なう、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
反応を、約7.0〜約8.2のpHにて、約20℃〜約50℃の温度範囲で、約0.5〜約24時間行なう、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の物理化学的特性:
a)分子量:150,000±6,000Daまたは230,000±9,000Da(2または3つの相同的サブユニットからなり、その各々のサブユニットの分子量は75,000±3,000Daである);
b)基質特異性:アルデヒド化合物に対して活性;
c)補因子:ピロロキノリンキノンおよびヘムc;
d)最適pH:L−ソルボソンからビタミンCの産生において6.4〜8.2;
e)阻害剤:Co2+、Cu2+、Fe2+、Ni2+、Zn2+、モノヨードアセテートおよびエチレンジアミンテトラ酢酸;
を有する精製L−ソルボソンデヒドロゲナーゼに、L−ソルボソンを接触させるが、ここで、L−ソルボソンからビタミンCへの転換が、電子受容体の存在下で、精製L−ソルボソンデヒドロゲナーゼによって触媒されること、および得られるビタミンCを反応混合物から単離することを含む、L−ソルボソンからビタミンCを産生する方法。
【請求項2】
L−ソルボソンデヒドロゲナーゼが、グルコノバクター オキシダンス(Gluconobacter oxydans)DSM No.4025(FERM BP−3812)株、グルコノバクター オキシダンス(G.oxydans)DSM4025(FERM BP−3812)の同定特徴を有するグルコノバクター(Gluconobacter)属に属する微生物、またはその変異体から得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
反応を、約6.4〜約9.0のpHにて、約20℃〜60℃の温度範囲で、約0.5〜48時間行なう、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
反応を、約7.0〜8.2のpHにて、約20℃〜50℃の温度範囲で、約0.5〜24時間行なう、請求項1または2に記載の方法。

【公表番号】特表2006−500051(P2006−500051A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−538968(P2004−538968)
【出願日】平成15年9月22日(2003.9.22)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010495
【国際公開番号】WO2004/029269
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】