ビタミンE含有ソフトカプセル

【課題】誤って咀嚼した場合、カプセルが食道に引っかかって崩壊した場合、服用後のげっぷ時等に不快臭が発生するのを防ぎ、服用感が向上したビタミンE含有ソフトカプセルを提供する。咀嚼して服用することのできるビタミンE含有ソフトカプセルを提供する。
【解決手段】ビタミンE、ローズオイル及び中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する組成物をカプセル皮膜に充填してなるビタミンE含有ソフトカプセル、並びに上記成分に加えてβ―カロチンを含有するビタミンE含有ソフトカプセル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、服用性の改善されたビタミンE含有ソフトカプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビタミンE含有ソフトカプセルは、主剤としてのビタミンE、賦形剤、及び界面活性剤等の添加剤を含有する組成物を、ゼラチンまたは非ゼラチン成分を用いた剤皮に充填してなるソフトカプセル剤として製剤化されている。例えば、特開2001−335481号には、コハク化ゼラチンを皮膜成分として含有する高濃度ビタミンE含有ソフトカプセルが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−335481号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のソフトカプセルは、誤って咀嚼した場合、カプセルが食道に引っかかって崩壊した場合、服用後のげっぷ時等に不快臭を発するという問題があり、服用感の向上が望まれていた。また、ソフトカプセルをそのまま服用するのが困難な場合等、ソフトカプセルを咀嚼してから服用することが望まれることがあるため、咀嚼して服用することも可能なビタミンE含有ソフトカプセルが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、ビタミンE含有ソフトカプセルにおいて、ローズオイルを添加することにより、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。さらに、賦形剤として中鎖脂肪酸トリグリセリドを用いることにより、ローズオイルの香り立ちを高めることができることを見出した。また、本発明者らは、本発明のビタミンE含有ソフトカプセルにより、冷え症、肩こり、月経時痛の改善効果が向上することを見出した。
【0006】
従って、本発明は下記のビタミンE含有ソフトカプセルに関する。
(1)ビタミンE、ローズオイル及び中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する組成物をカプセル皮膜に充填してなるビタミンE含有ソフトカプセル。
(2)上記ローズオイルが、上記組成物の全重量に対して0.01〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%の量で添加されることを特徴とする(1)のビタミンE含有ソフトカプセル。
(3)ビタミンEを、上記組成物の全重量に対して、例えば10〜90重量%、好ましくは30〜70重量%で含有する(1)または(2)のビタミンE含有ソフトカプセル。
(4)さらに、上記組成物の全重量に対して0.001〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.05重量%のβ―カロチンを含有する(1)〜(3)のビタミンE含有ソフトカプセル。
【0007】
例えば、上記(1)〜(4)のビタミンE含有ソフトカプセルは、ビタミンE、ローズオイル、中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる組成物、またはこれらの成分に慣用の添加剤を添加してなる組成物をソフトカプセル剤皮に充填してなるものであり得る。
【発明の効果】
【0008】
本発明のビタミンE含有ソフトカプセルにおいて、賦形剤として中鎖脂肪酸トリグリセリドを用い、ローズオイルを添加することにより、服用時及び服用後の不快臭が改善され、また咀嚼して服用することが可能となった。また、本発明のビタミンE含有ソフトカプセルにおいては、冷え症、肩こり、月経痛の改善効果がさらに向上した。また、本発明のビタミンE含有ソフトカプセルにおいては、中鎖脂肪酸トリグリセリドを使用することによりβ―カロチンの結晶化を防止することができる。さらに、β−カロチンを添加した場合、外観的な美しさが増し、商品価値をさらに高めることができると共に、冷え症、肩こり、月経痛などの改善効果も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のビタミンE含有ソフトカプセルにおいて、ビタミンEの例としては、dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、コハク酸d−α−トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール及び酢酸d−α−トコフェロールが挙げられる。
【0010】
本発明において、中鎖脂肪酸トリグリセリドは、炭素原子数6〜12、好ましくは8〜12、特に8〜10の脂肪酸のトリグリセリドであり、より好ましくはヨウ素価が1.0以下のものである。中鎖脂肪酸トリグリセリドを構成する中鎖脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸が挙げられる。
【0011】
中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、ヤシ油、パーム油、乳脂などに含有されているトリグリセリドの精製物を使用することができる。好ましくはこれらの油脂、特にヤシ油を加水分解し、精密蒸留により高純度の中鎖脂肪酸を取り出し、グリセリンと再エステル化して得られるものを使用する。
【0012】
中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量は、カプセル充填用組成物の全重量に対して例えば10〜90重量%、好ましくは30〜70重量%である。
ビタミンEと中鎖脂肪酸トリグリセリドの重量比は1:10〜10:1、好ましくは1:2〜2:1である。
【0013】
ローズオイルは、ビタミンE含有ソフトカプセル服用時または服用後の不快臭を改善するため、また冷え症、月経痛及び肩こりの改善効果を向上させるために、上記カプセル充填用組成物の全重量に対して0.01〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%の量で添加されるのが好ましく、カプセル皮膜を含むカプセル全重量に対しては、0.05〜0.50重量%、好ましくは0.05〜0.10重量%とするのが好ましい。
【0014】
本発明において、ローズオイルは、バラの花弁から水蒸気蒸留等の手段により抽出される精油成分、即ち天然ローズオイルであっても、該成分を合成により製造した合成ローズオイルであってもよいが、好ましくは天然ローズオイルを用いる。ローズオイルの原料となるバラとしては、ロサ・ダマスケナ種、ロサ・ケンティフォリア種、ロサ・アルバ種、ロサ・ガリカ種、ロサ・カニナ種のバラ等が挙げられる。
【0015】
ローズオイルは、ローズオイル以外の天然または合成香料や、乳化剤等の添加剤等、他の成分をも含有するローズオイル含有香料組成物として添加されていてもよい。他の香料の例としては、レモンオイル、オレンジオイル、グレープフルーツオイル、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、ハッカ油、パセリオイル等が挙げられる。
本発明のビタミンE含有ソフトカプセルにおいて、カプセル充填用組成物は、矯味剤、着色料等、その他の慣用の添加剤を含有していてもよい。
【0016】
本発明のビタミンE含有ソフトカプセルにおいて、カプセル皮膜は、ゼラチンを主原料とするものであっても、ゼラチン以外の材料を主原料とするものであってもよい。ゼラチン以外の材料を原料とするソフトカプセルの場合、皮膜材料の例としては、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、デンプン、デンプン誘導体、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、ガラクトマンナンガム、寒天、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0017】
本発明のビタミンE含有ソフトカプセルは、常法により、上記カプセル充填用組成物をソフトカプセル用の皮膜に充填することにより製造することができる。たとえば、本発明のビタミンE含有ソフトカプセルは、平板法、ロータリーダイ法等の方法により製造することができる。
【実施例】
【0018】
実施例1
下記の表1に示す成分を混合し、カプセル充填用組成物を調製した。なお、中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、日清オイリオグループ株式会社のサンクリスタルODO(登録商標)を使用した。ローズオイルとしては天然ローズオイルを使用した。非ゼラチン素材(デンプン誘導体)を主原料とする皮膜材料(138重量部)を用い、常法により上記カプセル充填用組成物を充填して、1カプセル中、d−α―トコフェロール100mg、ローズオイル0.27 mg、中鎖脂肪酸トリグリセリド50mg、β−カロチン0.03mgを含有するソフトカプセルを製造した。
【0019】
表1

【0020】
実施例2
下記の表2に示す成分を混合し、カプセル充填用組成物を調製した。なお、中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、日油株式会社のパナセート810S(登録商標)を使用した。ローズオイルとしては天然ローズオイルを使用した。ゼラチンを主原料とする皮膜材料(138重量部)を用い、常法により上記カプセル充填用組成物を充填して、1カプセル中、d−α―トコフェロール 50 mg、ローズオイル 0.27 mg、中鎖脂肪酸トリグリセリド 100 mg、β−カロチン 0.03 mgを含有するソフトカプセルを製造した。
【0021】
表2

【0022】
比較例1
ローズオイルを添加しない以外は、実施例1と同じ方法によりカプセル充填用組成物を調製し、これを実施例1と同じ方法により充填してソフトカプセルを製造した。
【0023】
比較例2
ローズオイル及びβ−カロチンを添加しない以外は、実施例1と同じ方法によりカプセル充填用組成物を調製し、これを実施例1と同じ方法により充填してソフトカプセルを製造した。
【0024】
試験例1
200mlのビーカー内で、以下の油脂100gにローズオイル0.1重量%を添加し、香り立ちを10人のパネラーにより確認した。香り立ちの強度は「1:明らかに香る、2:香る、3:香り立ちがない」の基準により評価した。結果を表3に示す。
【0025】
表3

1)MCT−A:中鎖脂肪酸トリグリセリドA(日清オイリオグループ株式会社のサンクリスタルODO(登録商標))
2)MCT−B:中鎖脂肪酸トリグリセリドB(日油株式会社のパナセート810S(登録商標))
【0026】
表より明らかなように、中鎖脂肪酸トリグリセリドであるMCT−A及びMCT−Bを使用した場合、ローズオイルの香り立ちが非常に良いが、長鎖脂肪酸トリグリセリドであるオリーブ油、コーン油の場合は、香り立ちが少なかった。
【0027】
試験例2
実施例1で製造した充填用組成物と、比較例1で製造した充填用組成物各々100gを、60秒間口に含んだ後に嚥下した場合の服用感を、10人のパネラーにより確認した。服用感は、「1:抵抗無く嚥下可能、2:なんとか嚥下可能、3:嚥下困難」の基準により評価した。結果を表4に示す。
【0028】
表4

【0029】
試験例3
実施例1で製造したカプセル及び比較例2で製造したカプセルについて10人(20代〜40代の女性)のパネラーに服用させた。30日間服用した後に、「冷え」と「月経」に関する効果を評価した。服用に際しては、カプセルを噛み砕き内容液を口中で60秒間保持し、その後に水100〜200mlの水で嚥下した。
評価は「1:顕著な改善、2:やや改善、3:わからない」で行った。結果を表5に示す。
【0030】
表5

【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明により、服用感が向上し、冷え、月経痛、肩こりの改善効果が向上したビタミンE含有ソフトカプセルが提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンE、ローズオイル及び中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する組成物をカプセル皮膜に充填してなるビタミンE含有ソフトカプセル。
【請求項2】
上記ローズオイルが、上記組成物の全重量に対して0.01〜1.0重量%の量で添加されることを特徴とする請求項1記載のビタミンE含有ソフトカプセル。
【請求項3】
ビタミンEを、上記組成物の全重量に対して10〜90重量%の量で含有する請求項1または2記載のビタミンE含有ソフトカプセル。
【請求項4】
さらに、上記組成物の全重量に対して0.001〜1.0重量%のβ―カロチンを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のビタミンE含有ソフトカプセル。

【公開番号】特開2010−77095(P2010−77095A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249862(P2008−249862)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000222200)東洋カプセル株式会社 (14)
【Fターム(参考)】