説明

ビデの便座温度制御装置及びその方法

【課題】待機状態における消費電力使用による無駄なエネルギーの消耗を低減させるとともに、特に、便座使用のための人体検知状態の場合には便座温度を短時間で上げることができ、便座着座時に感じる冷たさによる不快感をなくすことができる便座の温度制御を提供する。
【解決手段】本体110と、本体110に結合されてヒータを内蔵する便座120と、便座120内に備え、人体の着座可否を検知する人体検知センサ200と、周辺温度によって便座120の加熱温度領域を差等に設定し、人体検知センサ200から人体の着座検知信号が出力される際に、差等設定された便座120の加熱温度領域に基づいてヒータの加熱動作効率を差等制御する制御部と、を含む便座温度制御。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデに関し、より詳しくは、待機状態では低い温度を維持し、人体を検知した状態になると瞬間的に便座を加熱し、待機状態での消費電力使用による無駄なエネルギー消耗を低減し、特に便座使用のための人体検知状態では便座温度を短時間で上げて便座着座時に感じる冷たさによる不快感を無くすビデの便座温度制御装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ビデ(Bidet)は洗浄便座を称するもので、ホテルや旅館などの宿泊業者は勿論、一般家庭内の排便設備である座便器に設けられ、このようなビデは用便後に適正水圧の洗浄水により肛門やその周辺を洗浄することでティッシュを使用せず後始末することができる一種の衛生設備である。
【0003】
このようなビデは、洗浄水を所定温度に加熱及び保存する温水タンクと、前記温水タンクから洗浄水を供給して使用者の肛門や局部を洗浄する洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルを前後に動作させるための駆動装置と、などを含んで構成されている。
【0004】
しかしながら、従来におけるビデの場合、便座の暖房機能のためのヒータを提供しているものの、前記ヒータは使用者が便座に着座した際の温度と、待機状態での温度と、が同一であるため、待機状態での消費電力使用によって無駄なエネルギーが消耗されるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国特許出願公開第2012/0031823号明細書
【特許文献2】大韓民国特許出願公開第2012/0033794号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記のような従来の問題点を解決するためのものであり、待機状態では低い温度を維持し、人体検知状態では瞬間的に便座を加熱するように構成されることで、待機状態での消費電力使用による無駄なエネルギー消耗を低減し、特に便座使用のための人体検知状態では便座の温度を短時間で上げて便座着座時に感じる冷たさによる不快感を無くすビデの便座温度制御装置及びその方法を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための便座の温度制御装置は、本体と、前記本体に結合されてヒータを内蔵する便座と、前記便座内に備えて人体の着座可否を検知する人体検知センサと、周辺温度によって便座の加熱温度領域を差等設定し、前記人体検知センサから人体の着座検知信号が出力される際に、前記差等設定された便座の加熱温度領域を基準として前記ヒータの加熱動作効率を差等制御する制御部と、を含む。
【0008】
ここで、前記制御部は、前記本体に設けられて前記人体検知センサの着座検知信号を受信する受信部をさらに含んで構成することが好ましい。
【0009】
一方、前記目的を達成するための便座の温度制御方法は、人体検知または便座着座可否を検知する第1段階と、前記第1段階で人体検知または着座が検知時の目標温度、便座温度及び時間設定を行い、現在の便座温度と目標温度との差値に基づいてヒータの勾配絶対値を演算してヒータの駆動時間を決定する第2段階と、前記第2段階で決定された駆動時間によって前記ヒータを駆動させて前記便座を瞬間的に加熱する第3段階と、前記第3段階で便座の瞬間的な加熱動作が行われた以後に、トイレ周辺温度に基づいて目標温度テーブルによって目標温度が再設定され、前記目標温度に到逹するまでにヒータを駆動させる第4段階と、前記第4段階で便座温度が前記目標温度に到達する際に前記ヒータの駆動効率を制御しながら前記目標温度を一定に維持させる第5段階と、を含んで行われる。
【0010】
ここで、前記第3段階は前記演算された駆動時間分ヒータを100%の効率に駆動制御し、前記第4段階は前記目標温度に到逹するまでにヒータを50%の効率に駆動制御し、前記第5段階は前記ヒータを30%の効率に駆動制御する。
【0011】
そして、前記第2段階は、人体検知センサを利用して使用者のトイレ入室可否を検知して判断する段階と、前記人体検知センサが使用者の入室を検知した際、前記人体検知センサが制御部の受信部にIR命令を発信する段階と、前記IR命令が伝送された際に制御部が予め設定された時間の間に前記IR命令の伝送時間をカウントして係数化する段階と、を含むことができる。
【0012】
また、前記予め設定された時間は、30秒〜60秒の範囲内であることが好ましい。
【0013】
また、前記第5段階は、使用者の着座が検知されない場合、前記制御部が予め設定された時間の間に着座が検知されない時間をカウントする段階と、前記カウント情報が予め設定された時間を超え、ヒータ駆動が中止された後に待機状態に転換する段階と、をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上で説明したように本発明によれば、待機状態では便座の温度を低く維持し、人体検知状態では瞬間的に便座を加熱することで、待機状態での消費電力使用による無駄なエネルギーの低減が期待できる。
【0015】
また、便座使用時の人体検知状態では使用してない状態から瞬間的に便座の温度が上昇できるようにヒータを加熱することで、使用者が便座に着座時に感じる冷たさによる不快感を無くす効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のビデの便座温度制御装置を示す図である。
【図2】本発明のビデの便座温度制御方法の各段階を順に示す図である。
【図3】図2による人体検知センサの動作手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
本発明の説明において定義される用語は本発明の機能を考慮して定義したものであって、本発明の技術的構成要素を限定する意味として理解してはならない。
【0019】
図1に示すように、本発明の実施の形態によるビデの便座温度制御装置は、ビデ100の本体110と、前記本体110に備えられ、ヒータ(図示せず)の駆動により瞬間的に暖房となる便座120と、前記便座120に備えられて人体の着座可否を検知する人体検知センサ200、そして前記人体検知センサ200から着座検知信号が印加され、周辺温度に応じて温度領域を差等設定してトイレの周辺温度に応じてヒータ駆動効率を差等制御する制御部(図示せず)と、を含むことを特徴とする。
【0020】
前記制御部には、前記本体110に設けられて前記人体検知センサ200の着座検知信号を受信する受信部300が備えられることが好ましい。
【0021】
前記受信部300は、本体110の前面に設けられているように示したが、その位置に限定されず、その設置位置を多様に変更することができる。
【0022】
前記人体検知センサ200は、便座120に設けられた圧力センサ及び磁気ホールセンサを使用するか、便座120または本体110に設けられて光を利用して使用者が便座120への着座可否によって発生する光の通過可否をチェックし、前記便座120への着座可否を検知する光センサなどを使用することができる。
【0023】
一方、前記目的を達成するための便座の温度制御方法を次に説明するが、上記と同一構成については重複説明を省略する。
【0024】
まず、第1段階(S100)は、圧力センサ及び磁気ホールセンサ、または光センサなどからなる人体検知センサ200を利用して使用者の検知可否または便座120に使用者が着座したか否かを検知する。
【0025】
次に、第2段階(S200)は、人体検知または着座検知した場合、目標温度、便座120の温度及び時間設定を行い、現在便座120の温度と目標温度との差値に基づいてヒータの勾配絶対値を演算し、前記ヒータの駆動時間を決定する。
【0026】
また、前記第2段階(S200)では、人体検知センサ200を利用して使用者のトイレ入室可否を検知して判断する段階(S210)、そして前記人体検知センサ200によりトイレに使用者入室が検知された場合、前記人体検知センサ200が制御部の受信部300にIR(Instruction Register)命令を発信する段階(S220)と、前記IR命令が前記制御部の受信部300に伝送された場合、前記制御部が予め設定された時間の間に前記IR命令の伝送時間をカウントして係数化する段階(S230)と、をさらに含むことができる。
【0027】
ここで、前記予め設定する時間は、30秒〜60秒の範囲内であり、好ましくは60秒に一定にした方がよいが、前記予め設定する時間は必要に応じて30〜60秒の範囲外とするなど多様に変更設定することができる。
【0028】
次に、第3段階(S300)は、第2段階(S200)で決定された駆動時間によって前記ヒータを駆動させて前記便座120を瞬間的に加熱してその表面温度が高くなるようにする。
【0029】
このとき、前記第3段階(S300)では、前記演算された駆動時間分にヒータの駆動効率を100%に制御して前記便座120に対する瞬間的な加熱が短い時間内で迅速に行われるようにしたものであり、前記第4段階(S400で)は、前記目標温度に到逹するまでにヒータの駆動効率を50%に制御して前記便座120に対する加熱が徐々に行われるようにしたものであり、前記第5段階(S500)では前記ヒータ駆動効率を30%に制御して前記便座120の表面温度が目標温度に到達した状態でその目標温度を一定に維持できるようにする。
【0030】
次に、第4段階(S400)は、第3段階(S300)で便座120の瞬間的な加熱動作が行われた後に、トイレ周辺温度に基づいて目標温度テーブルにより目標温度が再設定され、前記目標温度に到逹するまでヒータを駆動させるようにする。
【0031】
最終的に、第5段階(S500)は、第4段階S400で便座120の温度が前記目標温度に到逹した場合、前記ヒータの駆動効率(例;30%)を制御して前記目標温度を一定に維持できるようにする。
【0032】
ここで、前記第5段階(S500)は、便座120に使用者が着座しないためその着座状態が検知されない場合、前記予め設定された時間の間に着座が検知されない時間をカウントする段階(S510)、そして前記着座が検知されないカウント情報が予め設定された時間を超えたとき、前記制御部がヒータの駆動を中止させた後にヒータの駆動を待機状態に転換させる段階(S520)をさらに含むことができる。
【0033】
その他に、前記便座120の温度が15℃以下に下がらないように周辺温度が15℃以下の使用空間では、前記便座120の使用前に前記ヒータの予備加熱を開始させて適正温度及び時間に比例する勾配の制御条件に、前記温度及び時間のうちのいずれか1つの制御条件を満足するか、または前記温度及び時間を含む2つの制御条件をすべて満足したとき、前記ヒータの駆動及びその駆動による効率を制御することができる。
【0034】
以上から本発明によるビデの便座温度制御装置及びその方法についての技術思想を添付図面とともに記載したが、これは本発明の最も好適な実施例を例示的に説明したものであって本発明を限定するものではない。
【0035】
したがって、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、このような変形及び模倣は本発明の技術思想の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
100 ビデ
110 本体
120 便座
130 操作部
200 人体検知センサ
300 受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に結合されてヒータを内蔵する便座と、
前記便座内に備えられ、人体の着座可否を検知する人体検知センサと、
周辺温度に応じて便座の加熱温度領域を差等設定し、前記人体検知センサから人体の着座検知信号が出力される際に、前記差等設定された便座の加熱温度領域を基準として前記ヒータの加熱動作効率を差等制御する制御部と、
を含んで構成されることを特徴とする便座の温度制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記本体に設けられて前記人体検知センサの着座検知信号を受信する受信部をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の便座の温度制御装置。
【請求項3】
人体検知または便座着座可否を検知する第1段階と、
前記第1段階で人体検知または着座が検知された際の目標温度、便座温度及び時間設定を行い、現在の便座温度と目標温度との差値に基づいてヒータの勾配絶対値を演算してヒータの駆動時間を決定する第2段階と、
前記第2段階で決定された駆動時間により前記ヒータを駆動させて前記便座を瞬間的に加熱する第3段階と、
前記第3段階で便座の瞬間的な加熱動作が行われた以後に、トイレ周辺温度に基づいて目標温度テーブルにより目標温度が再設定され、前記目標温度に到逹するまでにヒータを駆動させる第4段階と、
前記第4段階で便座温度が前記目標温度に到達した際に前記ヒータの駆動効率を制御しながら前記目標温度を一定に維持させる第5段階と、
を含んで行われることを特徴とする便座の温度制御方法。
【請求項4】
前記第3段階は前記演算された駆動時間分ヒータを100%の効率に駆動制御し、前記第4段階は前記目標温度に到逹するまでにヒータを50%の効率に駆動制御し、前記第5段階は前記ヒータを30%の効率に駆動制御することを特徴とする請求項3に記載の便座の温度制御方法。
【請求項5】
前記第2段階は、
人体検知センサを利用して使用者のトイレ入室可否を検知して判断する段階と、
前記人体検知センサが使用者の入室を検知した際、前記人体検知センサが制御部の受信部にIR命令を発信する段階と、
前記IR命令が伝送された際、制御部が予め設定された時間の間に前記IR命令の伝送時間をカウントして係数化する段階と、
をさらに含んで行われることを特徴とする請求項3に記載の便座の温度制御方法。
【請求項6】
前記予め設定された時間は30秒〜60秒の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の便座の温度制御方法。
【請求項7】
前記第5段階は、
使用者の着座が検知されない場合、制御部が予め設定された時間の間に着座が検知されない時間をカウントする段階と、
カウント情報が予め設定された時間を越えた際にヒータ駆動を中止させた後に待機状態に転換させる段階と、
をさらに含んで行われることを特徴とする請求項3に記載の便座の温度制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−250037(P2012−250037A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−122845(P2012−122845)
【出願日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【出願人】(505026848)科勒▲諾▼▲維▼▲達▼株式會▲社▼ (13)
【Fターム(参考)】