ビデオカメラおよびビデオカメラにおけるフリッカ低減方法
【課題】被写体の照明状態に応じてより適切にフリッカを低減する技術を提供する技術を提供する。
【解決手段】ビデオカメラ100は、被写体画像を生成する撮像部110と、重畳画像を生成する重畳画像生成部230と、被写体画像と重畳画像とを合成して合成画像を生成する画像合成部150と、映像信号を合成画像から生成する映像信号生成部160と、を備えている。このビデオカメラ100は、照明光源の輝度変化によって生じるフリッカを低減するフリッカ低減部240を備えている。フリッカ低減部240は、複数のフリッカ低減モードを有しており、フリッカ低減部240が実行するフリッカ低減モードは、モード設定部250がユーザの指示に基づいて設定する。このモード設定部250は、ユーザにフリッカ低減モードの設定を案内するための設定画面を重畳画像として重畳画像生成部230に生成させる。
【解決手段】ビデオカメラ100は、被写体画像を生成する撮像部110と、重畳画像を生成する重畳画像生成部230と、被写体画像と重畳画像とを合成して合成画像を生成する画像合成部150と、映像信号を合成画像から生成する映像信号生成部160と、を備えている。このビデオカメラ100は、照明光源の輝度変化によって生じるフリッカを低減するフリッカ低減部240を備えている。フリッカ低減部240は、複数のフリッカ低減モードを有しており、フリッカ低減部240が実行するフリッカ低減モードは、モード設定部250がユーザの指示に基づいて設定する。このモード設定部250は、ユーザにフリッカ低減モードの設定を案内するための設定画面を重畳画像として重畳画像生成部230に生成させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明光源の輝度変化によりビデオカメラで撮影された映像に発生するフリッカを低減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
商用電源の周波数は、地域によって50Hzと60Hzとのいずれかに定められている。商用電源を使用する照明器具の輝度は、その照明器具の種類によっては、商用電源の周波数(電源周波数)と同一または倍の周波数で変動する。例えば、電源周波数が50Hzの地域では、白熱灯の輝度は100Hzで変動し、インバータを有していない蛍光灯の輝度は、100Hzまたは50Hzで変動する。
【0003】
一方、ビデオカメラやモニタ装置における1秒あたりのフレーム数(フレームレート)は、テレビション方式により定められており、例えば、テレビジョン方式がNTSC方式の場合、フレームレートは60FPSとなっている。
【0004】
例えば、電源周波数が50Hzの地域で、蛍光灯で照明された被写体をフレームレートが60FPSのビデオカメラを用いて映像を撮影すると、照明器具の輝度の変動による被写体の照度の変動のため、フレーム毎の明るさが変動するいわゆるフリッカが発生する。このようなフリッカの発生を抑制するため、ビデオカメラにはフリッカ低減手段が設けられる。フリッカ低減手段としては、たとえば、シャッタ速度を1/100秒に設定することにより、ビデオカメラの撮像素子に入射する光量の変動を抑制する手段が使用される。
【0005】
【特許文献1】特開2003−244555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、フリッカ低減手段は、ビデオカメラ毎に固定的に設けられている。そのため、特定のビデオカメラを用いることにより、照明光源の状態によってフリッカが十分低減されない場合や、また、別のビデオカメラを用いることにより、必要以上のフリッカ低減処理が行われビデオカメラから出力される映像の画質が低下する場合がある。
【0007】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、被写体の照明状態に応じてより適切にフリッカを低減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]
ビデオカメラであって、被写体を撮影して被写体画像を生成する撮像部と、前記被写体画像に重畳される重畳画像を生成する重畳画像生成部と、前記被写体画像と前記重畳画像とを合成して合成画像を生成する画像合成部と、前記ビデオカメラが出力する映像信号を前記合成画像から生成する映像信号生成部と、前記被写体を照明する光源の輝度変化によって生じるフリッカを低減するための互いに異なる複数のフリッカ低減モードを有するフリッカ低減部と、ユーザの指示に基づいて、前記フリッカ低減部において実行されるフリッカ低減モードを設定するモード設定部と、を備え、前記モード設定部は、前記ユーザにフリッカ低減モードの設定を案内するための設定画面を前記重畳画像として前記重畳画像生成部に生成させる、ビデオカメラ。
【0010】
この適用例によれば、フリッカ低減部は複数のフリッカ低減モードを有している。そのため、フリッカ低減モードをより好ましいものに設定することにより、被写体の照明状態に応じたより適切な方法によりフリッカ低減を行うことができる。また、ビデオカメラからは、フリッカ低減モードの設定を案内する設定画面が被写体画像に重畳された映像信号が出力される。そのため、ユーザは、設定画面を見ながらフリッカ低減モードを設定することができるので、より適切なフリッカ低減モードを設定することが容易となる。
【0011】
[適用例2]
適用例1記載のビデオカメラであって、さらに、前記ビデオカメラに供給される電源の周波数を判別する電源周波数判別部を備えており、前記モード設定部は、前記電源周波数判別部により判別された電源周波数がフリッカを発生させる可能性がある電源周波数であった場合に、前記設定画面を前記重畳画像生成部に生成させる、ビデオカメラ。
【0012】
この適用例によれば、電源周波数がフリッカを発生させる可能性がある電源周波数である場合には、フリッカ低減モードの設定を案内するための設定画面が重畳された映像信号が出力される。そのため、フリッカが発生する可能性があり、フリッカ低減モードの設定が好ましい場合には、フリッカ低減モードの設定が促されるので、より好ましいフリッカ低減モードを設定することがより容易となる。
【0013】
[適用例3]
適用例1または2記載のビデオカメラであって、前記複数のフリッカ低減モードのそれぞれには、各フリッカ低減モードが実行されている際の前記映像信号の特性に基づいて優先順位が設定されており、前記モード設定部は、前記ユーザの指示に応じて、前記優先順位の順にフリッカ低減モードを順次切り換える、ビデオカメラ。
【0014】
この適用例によれば、フリッカ低減モードのそれぞれには映像信号の特性に基づいて優先順位が設定されている。そして、この優先順位の順にフリッカ低減モードは準じきり換えられる。そのため、より好ましいフリッカ低減モードを設定することがより容易となる。
【0015】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、ビデオカメラ、ビデオカメラの制御装置および制御方法、それらのビデオカメラ、制御装置および制御方法、を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.変形例:
【0017】
A.第1実施例:
図1は、第1実施例を適用する監視システムの概略構成を示す概略構成図である。監視システム10は、リモートコントローラ102が付属しているビデオカメラ100と、モニタ装置300と、を備えている。監視システム10のユーザは、リモートコントローラ102に設けられたボタンを操作することにより、ビデオカメラ100の設定を行うことが可能となっている。
【0018】
監視システム10のビデオカメラ100は、蛍光灯20により照明された領域(照明領域)を撮影する。ビデオカメラ100により撮影された映像は、ケーブル104を介してモニタ装置300に供給される。モニタ装置300は、供給された映像を画面310上に表示する。図1の例では、蛍光灯20の照明領域中の被写体として人物がビデオカメラ100により撮影されている。そのため、人物を含む映像がモニタ装置300の画面310に表示されている。
【0019】
図2は、ビデオカメラ100の機能的な構成を示す機能ブロック図である。ビデオカメラ100は、イメージセンサ110と、前処理部120と、フレームレート変換部130と、補間・色調整処理部140と、画像合成部150と、出力信号生成部160と、リモートコントローラ受信部170と、これら各部を制御するカメラ制御部200と、を備えている。
【0020】
カメラ制御部200は、撮像制御部210と、フレーム読出制御部220と、オンスクリーンディスプレイ(OSD)画像を生成するOSD画像生成部230と、フリッカ低減部240と、ビデオカメラ100の種々の動作条件を設定するカメラ動作設定部250と、を有している。カメラ動作設定部250は、設定された動作条件を格納するための不揮発性メモリ252を有している。
【0021】
イメージセンサ110は、レンズ(図示しない)によりイメージセンサ110の受光部(図示しない)に形成された画像を電気信号(画像信号)に変換する。そして、変換された画像信号を増幅し、増幅された画像信号をアナログ−デジタル変換(A−D変換)することにより、受光部に形成された画像を表す画像データGD1を生成する。イメージセンサ110としては、例えば、増幅器とA−D変換器とが組み込まれたCMOSイメージセンサや、増幅器とA−D変換器(併せて、「アナログフロントエンド」とも呼ばれる)が取り付けられたCCDイメージセンサを使用することができる。このイメージセンサ110は、電子シャッタを備えている。電子シャッタとは、受光部への入射光量に従って生成される電荷の蓄積時間(「シャッタ速度」と呼ばれる)を制御する機能である。画像信号と画像データは、蓄積時間の間に受光部に入射した光量の積分値に応じて生成される。なお、電荷の蓄積が行われる状態を電子シャッタが開いている状態(開状態)、電荷の蓄積が行われない状態を電子シャッタが閉じている状態(閉状態)とも呼ぶ。
【0022】
イメージセンサ110は、1秒間あたりの撮影フレーム数(「フレームレート」と呼ばれる)と、電子シャッタのシャッタ速度と、イメージセンサ110における画像信号の増幅率(ゲイン)と、が変更可能に構成されている。これらの、撮影フレームレート、シャッタ速度、およびゲインは、撮像制御部210から供給される撮像制御信号により指定される。なお、イメージセンサ110の実効的な感度は、撮影フレームレートとシャッタ速度との設定状態によって変化する。そこで、後述するように、ゲインを標準的なゲインの値に所定の倍率(ゲイン倍率)を乗じた値とすることにより、実効的な感度の変動が補償される。なお、標準的なゲインは、例えば、図示しない自動ゲイン制御部(AGC)により決定される。
【0023】
イメージセンサ110により生成された画像データGD1は、前処理部120において、所定の前処理が行われる。前処理としては、例えば、クランプ処理やホワイトバランス調整処理が行われる。なお、これらの前処理の内容は、本発明に影響しないので、ここではその説明を省略する。前処理部120により前処理が行われた画像データGD2は、フレームレート変換部130に供給される。
【0024】
フレームレート変換部130は、フレームレートが撮影フレームレートに設定された画像データGD2にフレームレートの変換処理を施して、フレームレートが出力フレームレートに設定された画像データGD3を生成する。フレームレートの変換は、フレームレート変換部130に設けられた図示しないフレームメモリに画像データGD2を書き込んだ後、フレーム読出制御部220から供給されるフレーム読出信号に応じて、フレームメモリから画像データGD3を読み出すことにより行われる。フレームレートの変換に使用されるフレームメモリは、通常、1フレーム分の画像(フレーム画像)をそれぞれ格納する2つのエリアを有している。ここで、出力フレームレートとは、モニタ装置に供給する映像信号VSGのフレームレートのことをいう。なお、フレームレートの変換を行わない場合には、フレームレート変換部130をバイパスするものとしてもよい。
【0025】
図3は、フレームメモリに対するフレーム画像の読み書きによりフレームレート変換が行われる様子を示す説明図である。図3の例は、毎秒30フレーム(30FPS)の画像データが、60FPSの画像データに変換される様子を示している。図3の横軸は時間を表している。図3(a)は、フレームメモリの第1のエリアへのフレーム画像の格納状態を示しており、図3(b)は、第2のエリアへのフレーム画像の格納状態を示している。図3(c)は、画像データGD2に基づいてフレームメモリにフレーム画像が書き込まれる様子を示している。図3(d)は、画像データGD3の生成に利用されるフレーム画像が、フレームメモリから読み出される様子を示している。図3(c)および図3(d)において、右上から左下へのハッチングは、フレームメモリの第1のエリアに対して読み書きが行われている状態を示している。また、左上から右下へのハッチングは、フレームメモリの第2のエリアに対して読み書きが行われている状態を示している。
【0026】
図3(c)に示すように、時刻t1から時刻t3までの期間(以下、「期間t1〜t3」と呼び、他の期間についても同様に呼ぶ)、第1のエリアには、画像データGD2のN番目のフレームの画像(以下、単に「フレームN」と呼び、他のフレームついても同様に呼ぶ)が書き込まれている。このとき、第1のエリアのうちフレーム画像の書き込みが行われた領域には書き込み途中のフレームNが格納され、フレーム画像の書き込みが未だ行われていない領域には、先に格納されたフレームNー2が格納されたままとなっている。そのため、図3(a)に示すように、期間t1〜t3において、第1エリアには、フレームN−2とフレームNとの、2つのフレーム画像が格納されている。
【0027】
一方、期間t1〜t3においては、第2エリアに対してはフレーム画像の書き込みが行われていない。そのため、図3(b)に示すように、第2エリアには、書き込み中のフレームNの前のフレームN−1のみが格納されている。そして、図3(d)に示すように、フレーム画像の読み取りを、フレーム画像の書き込みが行われていない第2エリアから行うことにより、期間t1〜t2,t2〜t3のそれぞれにおいてフレームN−1が読み出される。
【0028】
次に、期間t3〜t5においては、図3(c)に示すように、第2エリアに対してフレームN+1の書き込みが行われる。そのため、図3(a)に示すように、期間t3〜t5において、第2エリアには、フレームN−1とフレームN+1との、2つのフレーム画像が格納されている。一方、第1エリアに対してはフレーム画像の書き込みが行われないので、第1エリアには、期間t1〜t3において書き込まれたフレームNのみが格納されている。そして、図3(d)に示すように、フレーム画像の読み取りを第1エリアから行うことにより、期間t3〜t4,t4〜t5のそれぞれにおいてフレームNが読み出される。
【0029】
このように、フレームメモリに2つのエリアを設け、読み出しと書き込みとを互いに異なるエリアに対して交互に行うことにより、フレーム変換後のフレーム画像に2つのフレーム画像が混在することが抑制される。なお、図3の例では、フレームレートが30FPSから、その倍の60FPSに変換されるので、画像データの書き込みと読み出しとを互いに異なるエリアに対して交互に行っているが、変換後のフレームレートが変換前のフレームレートの整数倍となっていない場合には、フレームの読み出しの開始時点t1〜t5)において、書き込みが完了している(すなわち、フレーム画像の書き込みが行われていない)エリアからフレーム画像の読み出しが行われる。
【0030】
補間・色調整処理部140(図2)は、フレームレート変換部130から供給される画像データGD3に対して、補間処理や色調整処理(コントラスト調整処理、色補正処理)等の処理を施して画像データGD4を生成する。なお、補間・色調整処理140において画像データGD3に施される種々の処理の内容は、本発明に影響しないので、ここではその説明を省略する。
【0031】
画像合成部150は、補間・色調整処理部140から供給される画像データGD4に、OSD画像生成部230により生成されたOSD画像を合成して、イメージセンサ110により撮影された画像にOSD画像が重畳された画像データGD5を生成する。画像データGD4へのOSD画像の合成は、周知のスーパーインポーズ方法によって行うことができる。なお、OSD画像の合成を行わない場合には、画像合成部150をバイパスするものとしてもよい。
【0032】
出力信号生成部160は、画像合成部150から供給される画像データGD5から、モニタ装置300が受け取り可能な所定の形式の映像信号VSGを生成する。生成された映像信号VSGは、図1に示すようにケーブル104を介してモニタ装置300に供給される。
【0033】
フリッカ低減部240は、撮像制御部210とフレーム読出制御部220とを制御することにより、蛍光灯20(図1)等の周期的に明滅する光源で照明された被写体を撮影した際に生じるフリッカを低減する。具体的には、フリッカ低減部240は、撮像制御部210に撮影フレームレートと電子シャッタのシャッタ速度とゲイン倍率とを設定する指示を供給し、フレーム読み出し制御部220に出力フレームレートを設定する指示を供給する。これらの設定指示は、フリッカ低減部240が備える複数の動作モード(フリッカ低減モード)にしたがって生成される。複数のフリッカ低減モードのうちのいずれのフリッカ低減モードが実行されるかは、カメラ動作設定部250に設けられた不揮発性メモリ252に格納された設定値に基づいて決定される。なお、個々のフリッカ低減モードにおける撮像制御部210とフレーム読出制御部220との具体的な制御態様については、後述する。
【0034】
リモートコントローラ受信部170は、リモートコントローラ102から送信される信号を受信する。そして、リモートコントローラ102に設けられたボタンの操作状態を表す情報(ボタン操作情報)を、カメラ動作設定部250に供給する。カメラ動作設定部250は、リモートコントローラ受信部170から供給されるボタン操作情報に基づいて、OSD画像生成部230にユーザによる操作を案内するためのOSD画像(設定画面)を生成させる。これにより、ビデオカメラ100から映像信号VSGが供給されるモニタ装置300には、ビデオカメラ100で撮影された映像に設定画面が重畳されて表示される。カメラ動作設定部250は、また、ボタン操作情報に基づいて、不揮発性メモリ252に格納されたビデオカメラ100の種々の動作条件の設定値を変更する。このようにカメラ動作設定部250がフリッカ低減モードを指定する設定値を変更することにより、フリッカ低減部240の動作モードが変更される。なお、このようにカメラ動作設定部は、ボタン操作情報に基づいてフリッカ低減モードを変更するので、フリッカ低減モードを設定する「モード設定部」ともいうことができる。
【0035】
図4(a)は、ユーザによるリモートコントローラ102の操作に応じてモニタ装置300の画面310上に表示される設定画面SMの一例を示している。図4(a)の例では、設定画面SMとして、リモートコントローラ102の操作が行われた際に最初に表示されるメインメニュー(MAIN MENU)が、ビデオカメラ100で撮影された映像に重畳して表示されている。
【0036】
設定画面SMでは、ビデオカメラ100の種々の動作条件を設定するためのサブメニューのリストが表示される。そして、リスト表示された複数のサブメニュー項目のうちの1つのサブメニュー項目が選択され、選択されたサブメニュー項目が反転表示される。ユーザがリモートコントローラ102の上ボタンBUPあるいは下ボタンBDNを操作すると、選択されるサブメニュー項目が変更される。ユーザは、必要に応じて選択されるサブメニュー項目を変更し、リモートコントローラ102の右ボタンBRTを操作する。右ボタンBRTの操作により、選択されたサブメニュー項目に対応するサブメニューが表示される。
【0037】
図4(b)は、図4(a)に示すようにサブメニュー項目「CAMERA SETUP」が選択された状態で、リモートコントローラ102の右ボタンBRT(ハッチング部分)が操作されることにより表示される設定画面SS1を示している。図4(b)の例では、設定画面SS1として、サブメニュー項目「CAMERA SETUP」に対応するサブメニューが、ビデオカメラ100で撮影された映像に重畳されて表示されている。
【0038】
設定画面SS1では、ビデオカメラ100の基本的な動作を規定する種々の設定項目とその設定値が表示される。そして、これらの設定項目のうちの1つの設定項目が選択され、選択された設定項目が反転表示される。ユーザがリモートコントローラ102の上ボタンBUPあるいは下ボタンBDNを操作すると、選択される設定項目が変更される。ユーザがリモートコントローラ102の右ボタンBRTあるいは左ボタンBLTを操作すると、選択された設定項目の設定値が変更される。変更された設定値は、カメラ動作設定部250(図2)の不揮発性メモリ252に格納される。
【0039】
なお、設定画面SS1に表示された最下端の設定項目(FLICKER)が選択されている際にリモートコントローラ102の下ボタンBDNが操作されると、設定画面SS1における設定値の変更は終了する。同様に、設定画面SS1に表示された最上端の設定項目(BLC)が選択されている際にリモートコントローラ102の上ボタンBUPが操作されると、設定画面SS1における設定値の変更は終了する。設定値の変更が終了すると、図4(a)に示すように、メインメニューを表す設定画面SMが表示される。
【0040】
図4(b)の例では、設定画面SS1に表示された複数の設定項目のうち設定項目「FLICKER」が選択されている。そのため、設定項目「FLICKER」とその設定値「OFF」が反転表示されている。この設定項目「FLICKER」の設定値は、フリッカ低減部240(図2)の動作モード(フリッカ低減モード)を表している。そして、ユーザがリモートコントローラ102の右ボタンBRTあるいは左ボタンBLTを操作すると、フリッカ低減モードが変更されるとともに、設定項目「FLICKER」の設定値表示が変更される。なお、フリッカ低減モードには、ビデオカメラ100から出力される映像信号VSGの特性に基づいて、優先順位が付けられている。ユーザによるリモートコントローラ102の右ボタンBRTの操作に応じて、フリッカ低減モードは、優先順位の高いモードから次に優先順位の高いモードに順次切り換えられる。
【0041】
図4(b)に示すように、フリッカ低減モードが「OFF」に設定されている場合、フリッカ低減部240(図2)は、フリッカ低減処理を行わない通常の設定でビデオカメラ100(図2)各部を制御する。具体的には、フリッカ低減部240は、撮影フレームレートを60FPSとする指示と、電子シャッタをオフ状態とする指示と、ゲイン倍率を1にする指示と、を撮像制御部210に供給する。フリッカ低減部240は、また、フレーム読出制御部220に出力フレームレートを60FPSとする指示を供給する。撮像制御部210とフレーム読出制御部220とは、それぞれ、フリッカ低減部240から供給された指示に基づいて、イメージセンサ110とフレームレート変換部130とを制御する。これにより、撮影フレームレートと出力フレームレートとはいずれも60FPSに設定され、電子シャッタはオフ状態(すなわち、電子シャッタが常時開いている状態)に設定される。
【0042】
図5は、フリッカ低減モードが「OFF」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図である。図5の例は、図1に示す監視システム10が電源周波数が50Hzの地域で使用されている状態を示している。図5(a)ないし図5(d)のグラフの横軸は、時間を表している。図5(a)は、ビデオカメラ100により撮影されるフレームを示している。図5(b)は、電子シャッタの開閉状態を示している。図5(c)および図5(d)は、蛍光灯20の輝度の時間変化を示している。
【0043】
一般に、蛍光灯20の輝度は、電源周波数と同一の周波数の周波数、もしくは、電源周波数の倍の周波数で変動する。図5の例では、電源周波数が50Hzとなっているため、蛍光灯20の輝度は、図5(c)に示すように50Hzで変動するか、もしくは、図5(d)に示すように100Hzで変動する。そのため、蛍光灯20により照明されている被写体の照度の変動は、50Hzの変動成分と100Hzの変動成分とを重ね合わせたものとなる。蛍光灯20の輝度の変動が、電源周波数と同一の周波数となるか、電源周波数の倍の周波数となるかは、蛍光灯20の使用時間、蛍光灯20の形状、蛍光灯20における位置等の種々の条件により変化する。したがって、被写体の照度の変動は、蛍光灯20の状態によって、50Hzの変動成分が主となる場合と、100Hzの変動成分が主となる場合とがある。
【0044】
フリッカ低減モードが「OFF」の場合には、上述のように、撮影フレームレートは60FPSに設定されているので、イメージセンサ110は、1/60秒(s)のフレーム期間に1フレーム分の画像データを生成する。また、電子シャッタはオフ状態となっているので、イメージセンサ110により生成される1フレーム分の画像データは、1/60秒のフレーム期間にイメージセンサ110に入射した光量に応じて生成される。そのため、図5に示すように蛍光灯20の輝度の変動周期がフレーム期間に一致しない場合、フレーム期間の輝度の積分値、すなわち、図5(c)あるいは図5(d)において同一方向のハッチングを付した領域の面積は、フレーム毎に変化する。したがって、被写体の照度の積分値はフレーム毎に変化し、ビデオカメラ100により撮影される映像には、フレーム毎に明るさが変動するフリッカが発生する。
【0045】
図6は、フリッカ低減モードが「OFF」から「DECREASE」に変更される様子を示す説明図である。図6(a)は、図4(b)と同じ図面であり、フリッカ低減モードが「OFF」となっている状態での設定画面SS1を示している。設定画面SS1が表示されている状態で、ユーザがリモートコントローラ102の右ボタンBRT(ハッチング部分)を操作すると、フリッカ低減モードが「OFF」から「DECREASE」に変更されるとともに、図6(b)に示すように設定項目「FLICKER」の設定値表示が「DECREASE」に変更された設定画面SS2が表示される。
【0046】
図6(b)に示すように、フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定されている場合、フリッカ低減部240(図2)は、フリッカが低減されるように、ビデオカメラ100(図2)各部を制御する。具体的には、フリッカ低減部240は、撮影フレームレートを60FPSとする指示と、電子シャッタのシャッタ速度を1/100秒とする指示と、ゲイン倍率を約1.6(1/0.6)にする指示と、を撮像制御部210に供給する。フリッカ低減部240は、また、フレーム読出制御部220に出力フレームレートを60FPSとする指示を供給する。撮像制御部210とフレーム読出制御部220とは、それぞれ、フリッカ低減部240から供給された指示に基づいて、イメージセンサ110とフレームレート変換部130とを制御する。これにより、撮影フレームレートと出力フレームレートとはいずれも60FPSに設定され、電子シャッタのシャッタ速度は1/100秒(すなわち、1フレーム期間毎に電子シャッタが1/100秒間開く状態)に設定される。
【0047】
図7は、フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図である。図7の例は、図5と同様に、監視システム10(図1)が電源周波数が50Hzの地域で使用されている状態を示している。図7(a)ないし図7(d)のグラフの横軸は、時間を表している。図7(a)は、ビデオカメラ100により撮影されるフレームを示している。図7(b)は、電子シャッタの開閉状態を示している。図7(c)および図7(d)は、蛍光灯20の輝度の時間変化を示している。
【0048】
上述のように、フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定されている場合には、ビデオカメラ100の撮影フレームレートは60FPSに設定され、シャッタ速度は1/100秒に設定される。そのため、1フレーム分の画像は、1/100秒の間にイメージセンサ110に入射した光量に応じて生成される。
【0049】
図7(c)に示すように蛍光灯20の輝度が50Hzで変動する場合、電子シャッタが開いている期間の輝度の積分値(ハッチング部分の面積)は、フレーム毎に変化する。したがって、被写体の照度変動の主な成分が50Hzである場合には、ビデオカメラ100により撮影される映像のフリッカはあまり低減されない。
【0050】
一方、図7(d)に示すように蛍光灯20の輝度が100Hzで変動する場合、電子シャッタが開いている期間の輝度の積分値(ハッチング部分の面積)は変化しない。したがって、被写体の照度変動の主な成分が100Hzである場合には、ビデオカメラ100により撮影された映像は、フレーム毎の明るさの変動が抑制されてフリッカが低減される。
【0051】
このように、フリッカ低減モード「DECREASE」においては、ビデオカメラ100の撮影フレームレートは60FPSに設定され、シャッタ速度は1/100秒に設定される。これにより、被写体の照度変動の主な成分が100Hzである場合には、フリッカが低減される。通常、蛍光灯20により照明される被写体では、蛍光灯20の中央部からの光量が多く、蛍光灯20の端部からの光量は少なくなる。一般に、蛍光灯20の端部では、図7(c)に示すように輝度の変動は電源周波数と同一になり、蛍光灯20の中央部では、図7(d)に示すように輝度の変動は電源周波数の倍となる傾向がある。そのため、通常は、被写体の照度変動の主な成分が100Hzとなるので、フリッカ低減モードが「DECREASE」であってもフリッカは十分低減される。しかしながら、照明の方法や蛍光灯の使用時間等の種々の条件により、照度変動の主な成分が50Hzとなった場合には、フリッカがあまり低減されなくなる。
【0052】
なお、フリッカ低減モードが「DECREASE」の場合、上述のように、画像信号のゲインが通常のゲインよりも高く設定されるので、画像データのS/N比が低下する。一方、撮影フレームレートは、標準的なフレームレート(60FPS)に設定される。そのため、ビデオカメラ100により撮影された映像の動解像度の低下は抑制される。
【0053】
図8は、フリッカ低減モードが「DECREASE」から「LESS1」に変更される様子を示す説明図である。図8(a)は、図6(b)と同じ図面であり、フリッカ低減モードが「DECREASE」となっている状態での設定画面SS2を示している。この設定画面SS2が表示されている状態で、ユーザがリモートコントローラ102の右ボタンBRT(ハッチング部分)を操作すると、フリッカ低減モードが「DECREASE」から「LESS1」に変更されるとともに、図8(b)に示すように設定項目「FLICKER」の設定値表示が「LESS1」に変更された設定画面SS3が表示される。
【0054】
図8(b)に示すように、フリッカ低減モードが「LESS1」に設定されている場合、フリッカ低減部240(図2)は、フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定された場合よりもフリッカが低減されるように、ビデオカメラ100(図2)各部を制御する。具体的には、フリッカ低減部240は、撮影フレームレートを30FPSとする指示と、電子シャッタのシャッタ速度を1/50秒とする指示と、ゲイン倍率を約0.8(1/1.2)にする指示と、を撮像制御部210に供給する。フリッカ低減部240は、また、フレーム読出制御部220に出力フレームレートを60FPSとする指示を供給する。撮像制御部210とフレーム読出制御部220とは、それぞれ、フリッカ低減部240から供給された指示に基づいて、イメージセンサ110とフレームレート変換部130とを制御する。これにより、撮影フレームレートは30FPSに設定され、電子シャッタのシャッタ速度は1/50秒(すなわち、1フレーム期間毎に電子シャッタが1/50秒間開く状態)に設定される。そして、出力フレームレートは、60FPSに設定される。
【0055】
図9は、フリッカ低減モードが「LESS1」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図である。図9の例は、図5と同様に、監視システム10(図1)が電源周波数が50Hzの地域で使用されている状態を示している。図9(a)ないし図9(d)のグラフの横軸は、時間を表している。図9(a)は、ビデオカメラ100により撮影されるフレームを示している。図9(b)は、電子シャッタの開閉状態を示している。図9(c)および図9(d)は、蛍光灯20の輝度の時間変化を示している。
【0056】
図9(c)に示すように、シャッタ速度を1/50秒に設定することにより、蛍光灯20の輝度が50Hzで変動する場合においても、電子シャッタが開いている期間の輝度の積分値(ハッチング部分の面積)は変化しなくなる。また、図9(d)に示すように、蛍光灯20の輝度が100Hzで変動する場合においても、電子シャッタが開いている期間の輝度の積分値(ハッチング部分の面積)は変化しない。そのため、被写体の照度変動の主な成分が50Hzか100Hzかにかかわらず、ビデオカメラ100により撮影される映像は、フレーム毎の明るさの変動が抑制され、フリッカが良好に低減される。
【0057】
このように、ビデオカメラ100の撮影フレームレートを30FPSに設定し、シャッタ速度を1/50秒に設定することにより、被写体の照度変動によるフリッカは蛍光灯20の状態によらず低減される。そして、撮影フレームレート30FPSで撮影された映像は、フレームレート変換部において60FPSの映像に変換され、ビデオカメラ100からは60FPSの映像が出力される。
【0058】
なお、フリッカ低減モードが「LESS1」の場合、上述のように、画像信号のゲインが通常のゲインよりも低く設定されるので、画像データのS/N比が向上する。一方、撮影フレームレートは、標準的なフレームレート(60FPS)の半分の30FPSに設定される。そのため、ビデオカメラ100により撮影された映像の動解像度は低下する。
【0059】
図10は、フリッカ低減モードが「LESS1」から「LESS2」に変更される様子を示す説明図である。図10(a)は、図8(b)と同じ図面であり、フリッカ低減モードが「LESS1」となっている状態の設定画面SS3を示している。この設定画面SS3が表示されている状態で、ユーザがリモートコントローラ102の右ボタンBRT(ハッチング部分)を操作すると、フリッカ低減モードが「LESS1」から「LESS2」に変更される。そして、モニタ装置300の表示画面310には、設定項目「FLICKER」の設定値表示が「LESS2」に変更された設定画面SS4が表示される。
【0060】
図10(b)に示すように、フリッカ低減モードが「LESS2」に設定されている場合においても、フリッカ低減部240(図2)は、フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定された場合よりもフリッカが低減されるように、ビデオカメラ100(図2)各部を制御する。具体的には、フリッカ低減部240は、撮影フレームレートを50FPSとする指示と、電子シャッタをオフにする指示と、ゲイン倍率を約0.8(1/1.2)にする指示と、を撮像制御部210に供給する。フリッカ低減部240は、また、フレーム読出制御部220に出力フレームレートを50FPSとする指示を供給する。撮像制御部210とフレーム読出制御部220とは、それぞれ、フリッカ低減部240から供給された指示に基づいて、イメージセンサ110とフレームレート変換部130とを制御する。これにより、撮影フレームレートと出力フレームレートとはいずれも50FPSに設定され、電子シャッタはオフ状態に設定される。
【0061】
図11は、フリッカ低減モードが「LESS2」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図である。図11の例は、図5と同様に、監視システム10(図1)が電源周波数が50Hzの地域で使用されている状態を示している。図11(a)ないし図11(d)のグラフの横軸は、時間を表している。図11(a)は、ビデオカメラ100により撮影されるフレームを示している。図11(b)は、電子シャッタの開閉状態を示している。図11(c)および図11(d)は、蛍光灯20の輝度の時間変化を示している。
【0062】
図11に示すように、撮影フレームレートが50FPSに設定され、電子シャッタがオフ状態に設定されている場合、1フレーム分の画像データは、1/50秒のフレーム期間にイメージセンサ110に入射した光量に応じて生成される。このときフレーム期間の蛍光灯20の輝度積分値(ハッチング部分の面積)は、蛍光灯20の輝度が50Hzで変動する場合と100Hzで変動する場合とのいずれの場合においても変化しない。そのため、被写体の照度変動の主な成分が50Hzか100Hzかにかかわらず、ビデオカメラ100により撮影される映像のフレーム毎の明るさの変動が抑制され、フリッカは良好に低減される。
【0063】
なお、第1実施例では、フリッカ低減モードが「LESS2」の場合、電子シャッタはオフ状態に設定されているが、電子シャッタをオフ状態以外の任意の状態に設定することも可能である。このようにしても、フレームの開始タイミングは、50Hzおよび100Hzの輝度変動のいずれとも同期する。そのため、シャッタ速度の設定状態によらず、フレーム毎の明るさの変動が抑制される。
【0064】
このように、ビデオカメラ100の撮影フレームレートを50FPSに設定することにより、被写体の照度変動によるフリッカは蛍光灯20の状態によらず低減される。また、画像信号のゲインは通常のゲインよりも低く設定されるので画像データのS/N比が向上し、撮影フレームレート(50FPS)は十分高いので動解像度の低下はほとんど問題とならない。ただし、モニタ装置300(図1)は、通常、NTSC方式に準じた60FPSの映像信号を受け付けるように構成されている。そのため、モニタ装置300によっては、撮影フレームレートと同じ50FPSの映像信号での表示ができない場合がある。
【0065】
図12は、フリッカ低減モードが「LESS2」から「LESS3」に変更される様子を示す説明図である。図12(a)は、図10(b)と同じ図面であり、フリッカ低減モードが「LESS2」となっている状態の設定画面SS4を示している。この設定画面SS4が表示されている状態で、ユーザがリモートコントローラ102の右ボタンBRTを操作すると、フリッカ低減モードが「LESS2」から「LESS3」に変更される。そして、モニタ装置300の表示画面310には、設定項目「FLICKER」の設定値表示が「LESS3」に変更された設定画面SS5が表示される。
【0066】
図12(b)に示すように、フリッカ低減モードが「LESS3」に設定されている場合、フリッカ低減部240(図2)は、フリッカ低減モードが「LESS2」の場合と同様に、フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定された場合よりもフリッカが低減されるように、ビデオカメラ100(図2)各部を制御する。具体的には、フリッカ低減部240は、撮影フレームレートを50FPSとする指示と、電子シャッタをオフにする指示と、ゲイン倍率を約0.8(1/1.2)にする指示と、を撮像制御部210に供給する。フリッカ低減部240は、また、フレーム読出制御部220に出力フレームレートを60FPSとする指示を供給する。撮像制御部210とフレーム読出制御部220とは、それぞれ、フリッカ低減部240から供給された指示に基づいて、イメージセンサ110とフレームレート変換部130とを制御する。これにより、撮影フレームレートは50FPSに設定され、電子シャッタはオフ状態に設定される。そして、出力フレームレートは、60FPSに設定される。
【0067】
上述のように、撮影フレームレートを50FPSとすることにより、電源周波数が50Hzの地域で生じるフリッカは低減される。そして、出力フレームレートを60FPSとすることにより、出力信号生成部160では60FPSの映像信号VSGが生成され、ビデオカメラ100から出力される。このように、映像信号VSGのフレームレートが60FPSに変換されることにより、モニタ装置300において映像が表示されないおそれは低減する。ただし、フレームレートの変換を行うことにより、フレームレート変換後の映像が不自然なものとなるおそれがある。
【0068】
このように、第1実施例のビデオカメラ100のフリッカ低減部240は、4つの異なるフリッカ低減モード(「DECREASE」、「LESS1」、「LESS2」、「LESS3」)を備えている。そして、これらのフリッカ低減モードは、ビデオカメラ100が撮影した映像に重畳されたオンスクリーンディスプレイ上での操作により設定される。そのため、ユーザは、モニタ装置300に表示された映像を見ながらフリッカの低減方法を設定することができ、フリッカの低減方法の設定が容易となる。
【0069】
また、第1実施例では、複数のフリッカ低減モードに、映像信号VSGの特性に基づいて優先順位が付けられている。そして、フリッカ低減モードは、その優先順位にしたがって、「DECREASE」、「LESS1」、「LESS2」、「LESS3」の順に、順次切り換えられる。そのため、より好ましいフリッカ低減モードを設定することがより容易となる。ただし、フリッカ低減モードの切換順は、必ずしもこの順番でなくとも良い。
【0070】
B.第2実施例:
図13は、第2実施例におけるビデオカメラ100aの機能的な構成を示すブロック図である。第2実施例のビデオカメラ100aは、電源周波数判別部180を備えている点と、カメラ動作設定部250aが電源周波数判別部180に接続されている点とで、第1実施例のビデオカメラ100と異なっている。他の点は、第1実施例のビデオカメラ100と同様である。
【0071】
電源周波数判別部180は、ビデオカメラ100aが設置されている地域の電源周波数を判別する。具体的には、ビデオカメラ100aに供給される電源の周波数が、50Hzと60Hzとのいずれであるかを判別する。なお、電源周波数の判別は、周波数カウンタや、バンドパスフィルタを用いた検出器等を用いて行うことができる。電源周波数判別部180による電源周波数の判別結果は、カメラ動作設定部250aに供給される。
【0072】
図14は、第2実施例のカメラ動作設定部250aにより実行されるフリッカ低減設定処理ルーチンを示すフローチャートである。このフリッカ低減設定処理ルーチンは、ビデオカメラ100aの電源が投入された際に実行される。
【0073】
ステップS110において、カメラ動作設定部250aは、電源周波数が60Hzであるか否かを判断する。電源周波数が60Hzである場合、制御はステップS160に移される。一方、電源周波数が60Hzでない場合、すなわち、電源周波数が50Hzである場合、制御はステップS120に移される。
【0074】
ステップS120において、カメラ動作設定部250aは、フリッカ低減モードが設定済か否かを判断する。具体的には、カメラ動作設定部250aが備える不揮発性メモリ252を参照する。そして、フリッカ低減モードが設定された際に設定される設定済フラグのセット・リセット状態に基づいて、フリッカ低減モードが設定済か否かを判断する。設定済フラグがセットされている場合、フリッカ低減モードは設定済であると判断され、フリッカ低減設定処理ルーチンは終了する。一方、設定済フラグがリセットされている場合、フリッカ低減モードは設定済でないと判断され、制御はステップS130に移される。
【0075】
ステップS130において、カメラ動作設定部250aは、フリッカ低減モードの設定を実行する。具体的には、図4(b)に示す設定画面SS1を表示し、ユーザにフリッカ低減モードの設定を促す。そして、ユーザの指示に基づいてフリッカ低減モードを設定する。フリッカ低減モードの設定の後、図14のフリッカ低減設定処理ルーチンは終了する。
【0076】
ステップS160において、カメラ動作設定部250aは、フリッカ低減モードを「OFF」に設定する。そして、フリッカ低減モードが「OFF」に設定された後、図14のフリッカ低減設定処理ルーチンは終了する。
【0077】
このように、第2実施例では、電源周波数の判別を行い、フリッカの低減が必要となる可能性がある50Hzであり、かつ、フリッカ低減モードが設定済でない場合には、フリッカ低減モードの設定をユーザに促す。一方、電源周波数がフリッカの低減が不要な60Hzである場合には、フリッカ低減モードは「OFF」に設定される。そのため、フリッカ低減モードの設定が好ましい場合にはフリッカ低減モードの設定が促されるので、より好ましいフリッカ低減モードを設定することがより容易となる。
【0078】
なお、第2実施例では、電源周波数が60Hzの場合には、ステップS160においてフリッカ低減モードが「OFF」に設定されているが、電源周波数が60Hzの場合に設定済フラグをリセットするものとしてもよい。このようにすれば、電源周波数が異なる地域間で移動した場合においても、フリッカ低減モードの設定がより容易となる。
【0079】
C.変形例:
なお、この発明は上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0080】
C1.変形例1:
上記各実施例では、フリッカの低減を行うため、イメージセンサ110(図2)が備える電子シャッタの開閉状態を制御しているが、電子シャッタに換えて光学的なシャッタの開閉状態を制御してフリッカを低減することも可能である。光学的なシャッタとしては、イメージセンサ110への光の入射時間が制御可能であればよく、機械的なシャッタや、液晶の透過率を変化させる液晶シャッタ等、種々のシャッタを使用することができる。
【0081】
C2.変形例2:
上記各実施例では、フリッカ低減部240(図2)は、4つの異なるフリッカ低減モード(「DECREASE」、「LESS1」、「LESS2」、「LESS3」)を備えているが、フリッカ低減部240が備えるフリッカ低減モードは必ずしもこれらの4つのフリッカ低減モードでなくてもよい。フリッカ低減部240は、一般に、これらの4つのフリッカ低減モードのうち少なくとも2以上のフリッカ低減モードを備えていればよい。また、フリッカ低減部240が、これらの4つのフリッカ低減モードとは異なる低減モードを備えるものとしてもよい。
【0082】
C3.変形例3:
上記各実施例は、映像信号の標準的なフレームレートがNTSC方式に準じた60FPSとなっているが、本発明は、標準的なフレームレートが60FPSとは異なる場合にも適用可能である。本発明は、例えば、映像信号の標準的なフレームレートがPAL規格に準じた50FPSである場合にも適用可能である。この場合、フリッカ低減モードと、個々のモードにおける撮像制御部210およびフレーム読出制御部220の制御態様は、標準的なフレームレートに応じて適宜変更される。
【0083】
C4.変形例4:
上記各実施例では、ビデオカメラ100(図1)の設定は、ユーザによるリモートコントローラ102の操作に応じて行われているが、リモートコントローラ102を用いずにビデオカメラ100の設定を行うことも可能である。例えば、ビデオカメラ100にユーザによる操作を受け付けるボタンを設け、ユーザによるボタン操作状態を取得することによりビデオカメラ100の設定を行うものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1実施例を適用する監視システムの概略構成を示す概略構成図。
【図2】ビデオカメラ100の機能的な構成を示す機能ブロック図。
【図3】フレームメモリに対するフレーム画像の読み書きによりフレームレート変換が行われる様子を示す説明図。
【図4】ビデオカメラ100の設定を変更するためのメニューが表示される様子を示す説明図。
【図5】フリッカ低減モードが「OFF」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図。
【図6】フリッカ低減モードが「OFF」から「DECREASE」に変更される様子を示す説明図。
【図7】フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図。
【図8】フリッカ低減モードが「DECREASE」から「LESS1」に変更される様子を示す説明図。
【図9】フリッカ低減モードが「LESS1」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図。
【図10】フリッカ低減モードが「LESS1」から「LESS2」に変更される様子を示す説明図。
【図11】フリッカ低減モードが「LESS2」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図。
【図12】フリッカ低減モードが「LESS2」から「LESS3」に変更される様子を示す説明図。
【図13】第2実施例におけるビデオカメラ100aの機能的な構成を示すブロック図。
【図14】第2実施例のカメラ動作設定部250aにより実行されるフリッカ低減設定処理ルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0085】
10…監視システム
20…蛍光灯
100,100a…ビデオカメラ
102…リモートコントローラ
104…ケーブル
110…イメージセンサ
120…前処理部
130…フレームレート変換部
140…補間・色調整処理部
150…画像合成部
160…出力信号生成部
170…リモートコントローラ受信部
180…電源周波数判別部
200…カメラ制御部
210…撮像制御部
220…フレーム読出制御部
230…OSD画像生成部
240…フリッカ低減部
250,250a…カメラ動作設定部
252…不揮発性メモリ
300…モニタ装置
310…表示画面
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明光源の輝度変化によりビデオカメラで撮影された映像に発生するフリッカを低減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
商用電源の周波数は、地域によって50Hzと60Hzとのいずれかに定められている。商用電源を使用する照明器具の輝度は、その照明器具の種類によっては、商用電源の周波数(電源周波数)と同一または倍の周波数で変動する。例えば、電源周波数が50Hzの地域では、白熱灯の輝度は100Hzで変動し、インバータを有していない蛍光灯の輝度は、100Hzまたは50Hzで変動する。
【0003】
一方、ビデオカメラやモニタ装置における1秒あたりのフレーム数(フレームレート)は、テレビション方式により定められており、例えば、テレビジョン方式がNTSC方式の場合、フレームレートは60FPSとなっている。
【0004】
例えば、電源周波数が50Hzの地域で、蛍光灯で照明された被写体をフレームレートが60FPSのビデオカメラを用いて映像を撮影すると、照明器具の輝度の変動による被写体の照度の変動のため、フレーム毎の明るさが変動するいわゆるフリッカが発生する。このようなフリッカの発生を抑制するため、ビデオカメラにはフリッカ低減手段が設けられる。フリッカ低減手段としては、たとえば、シャッタ速度を1/100秒に設定することにより、ビデオカメラの撮像素子に入射する光量の変動を抑制する手段が使用される。
【0005】
【特許文献1】特開2003−244555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、フリッカ低減手段は、ビデオカメラ毎に固定的に設けられている。そのため、特定のビデオカメラを用いることにより、照明光源の状態によってフリッカが十分低減されない場合や、また、別のビデオカメラを用いることにより、必要以上のフリッカ低減処理が行われビデオカメラから出力される映像の画質が低下する場合がある。
【0007】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、被写体の照明状態に応じてより適切にフリッカを低減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]
ビデオカメラであって、被写体を撮影して被写体画像を生成する撮像部と、前記被写体画像に重畳される重畳画像を生成する重畳画像生成部と、前記被写体画像と前記重畳画像とを合成して合成画像を生成する画像合成部と、前記ビデオカメラが出力する映像信号を前記合成画像から生成する映像信号生成部と、前記被写体を照明する光源の輝度変化によって生じるフリッカを低減するための互いに異なる複数のフリッカ低減モードを有するフリッカ低減部と、ユーザの指示に基づいて、前記フリッカ低減部において実行されるフリッカ低減モードを設定するモード設定部と、を備え、前記モード設定部は、前記ユーザにフリッカ低減モードの設定を案内するための設定画面を前記重畳画像として前記重畳画像生成部に生成させる、ビデオカメラ。
【0010】
この適用例によれば、フリッカ低減部は複数のフリッカ低減モードを有している。そのため、フリッカ低減モードをより好ましいものに設定することにより、被写体の照明状態に応じたより適切な方法によりフリッカ低減を行うことができる。また、ビデオカメラからは、フリッカ低減モードの設定を案内する設定画面が被写体画像に重畳された映像信号が出力される。そのため、ユーザは、設定画面を見ながらフリッカ低減モードを設定することができるので、より適切なフリッカ低減モードを設定することが容易となる。
【0011】
[適用例2]
適用例1記載のビデオカメラであって、さらに、前記ビデオカメラに供給される電源の周波数を判別する電源周波数判別部を備えており、前記モード設定部は、前記電源周波数判別部により判別された電源周波数がフリッカを発生させる可能性がある電源周波数であった場合に、前記設定画面を前記重畳画像生成部に生成させる、ビデオカメラ。
【0012】
この適用例によれば、電源周波数がフリッカを発生させる可能性がある電源周波数である場合には、フリッカ低減モードの設定を案内するための設定画面が重畳された映像信号が出力される。そのため、フリッカが発生する可能性があり、フリッカ低減モードの設定が好ましい場合には、フリッカ低減モードの設定が促されるので、より好ましいフリッカ低減モードを設定することがより容易となる。
【0013】
[適用例3]
適用例1または2記載のビデオカメラであって、前記複数のフリッカ低減モードのそれぞれには、各フリッカ低減モードが実行されている際の前記映像信号の特性に基づいて優先順位が設定されており、前記モード設定部は、前記ユーザの指示に応じて、前記優先順位の順にフリッカ低減モードを順次切り換える、ビデオカメラ。
【0014】
この適用例によれば、フリッカ低減モードのそれぞれには映像信号の特性に基づいて優先順位が設定されている。そして、この優先順位の順にフリッカ低減モードは準じきり換えられる。そのため、より好ましいフリッカ低減モードを設定することがより容易となる。
【0015】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、ビデオカメラ、ビデオカメラの制御装置および制御方法、それらのビデオカメラ、制御装置および制御方法、を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.変形例:
【0017】
A.第1実施例:
図1は、第1実施例を適用する監視システムの概略構成を示す概略構成図である。監視システム10は、リモートコントローラ102が付属しているビデオカメラ100と、モニタ装置300と、を備えている。監視システム10のユーザは、リモートコントローラ102に設けられたボタンを操作することにより、ビデオカメラ100の設定を行うことが可能となっている。
【0018】
監視システム10のビデオカメラ100は、蛍光灯20により照明された領域(照明領域)を撮影する。ビデオカメラ100により撮影された映像は、ケーブル104を介してモニタ装置300に供給される。モニタ装置300は、供給された映像を画面310上に表示する。図1の例では、蛍光灯20の照明領域中の被写体として人物がビデオカメラ100により撮影されている。そのため、人物を含む映像がモニタ装置300の画面310に表示されている。
【0019】
図2は、ビデオカメラ100の機能的な構成を示す機能ブロック図である。ビデオカメラ100は、イメージセンサ110と、前処理部120と、フレームレート変換部130と、補間・色調整処理部140と、画像合成部150と、出力信号生成部160と、リモートコントローラ受信部170と、これら各部を制御するカメラ制御部200と、を備えている。
【0020】
カメラ制御部200は、撮像制御部210と、フレーム読出制御部220と、オンスクリーンディスプレイ(OSD)画像を生成するOSD画像生成部230と、フリッカ低減部240と、ビデオカメラ100の種々の動作条件を設定するカメラ動作設定部250と、を有している。カメラ動作設定部250は、設定された動作条件を格納するための不揮発性メモリ252を有している。
【0021】
イメージセンサ110は、レンズ(図示しない)によりイメージセンサ110の受光部(図示しない)に形成された画像を電気信号(画像信号)に変換する。そして、変換された画像信号を増幅し、増幅された画像信号をアナログ−デジタル変換(A−D変換)することにより、受光部に形成された画像を表す画像データGD1を生成する。イメージセンサ110としては、例えば、増幅器とA−D変換器とが組み込まれたCMOSイメージセンサや、増幅器とA−D変換器(併せて、「アナログフロントエンド」とも呼ばれる)が取り付けられたCCDイメージセンサを使用することができる。このイメージセンサ110は、電子シャッタを備えている。電子シャッタとは、受光部への入射光量に従って生成される電荷の蓄積時間(「シャッタ速度」と呼ばれる)を制御する機能である。画像信号と画像データは、蓄積時間の間に受光部に入射した光量の積分値に応じて生成される。なお、電荷の蓄積が行われる状態を電子シャッタが開いている状態(開状態)、電荷の蓄積が行われない状態を電子シャッタが閉じている状態(閉状態)とも呼ぶ。
【0022】
イメージセンサ110は、1秒間あたりの撮影フレーム数(「フレームレート」と呼ばれる)と、電子シャッタのシャッタ速度と、イメージセンサ110における画像信号の増幅率(ゲイン)と、が変更可能に構成されている。これらの、撮影フレームレート、シャッタ速度、およびゲインは、撮像制御部210から供給される撮像制御信号により指定される。なお、イメージセンサ110の実効的な感度は、撮影フレームレートとシャッタ速度との設定状態によって変化する。そこで、後述するように、ゲインを標準的なゲインの値に所定の倍率(ゲイン倍率)を乗じた値とすることにより、実効的な感度の変動が補償される。なお、標準的なゲインは、例えば、図示しない自動ゲイン制御部(AGC)により決定される。
【0023】
イメージセンサ110により生成された画像データGD1は、前処理部120において、所定の前処理が行われる。前処理としては、例えば、クランプ処理やホワイトバランス調整処理が行われる。なお、これらの前処理の内容は、本発明に影響しないので、ここではその説明を省略する。前処理部120により前処理が行われた画像データGD2は、フレームレート変換部130に供給される。
【0024】
フレームレート変換部130は、フレームレートが撮影フレームレートに設定された画像データGD2にフレームレートの変換処理を施して、フレームレートが出力フレームレートに設定された画像データGD3を生成する。フレームレートの変換は、フレームレート変換部130に設けられた図示しないフレームメモリに画像データGD2を書き込んだ後、フレーム読出制御部220から供給されるフレーム読出信号に応じて、フレームメモリから画像データGD3を読み出すことにより行われる。フレームレートの変換に使用されるフレームメモリは、通常、1フレーム分の画像(フレーム画像)をそれぞれ格納する2つのエリアを有している。ここで、出力フレームレートとは、モニタ装置に供給する映像信号VSGのフレームレートのことをいう。なお、フレームレートの変換を行わない場合には、フレームレート変換部130をバイパスするものとしてもよい。
【0025】
図3は、フレームメモリに対するフレーム画像の読み書きによりフレームレート変換が行われる様子を示す説明図である。図3の例は、毎秒30フレーム(30FPS)の画像データが、60FPSの画像データに変換される様子を示している。図3の横軸は時間を表している。図3(a)は、フレームメモリの第1のエリアへのフレーム画像の格納状態を示しており、図3(b)は、第2のエリアへのフレーム画像の格納状態を示している。図3(c)は、画像データGD2に基づいてフレームメモリにフレーム画像が書き込まれる様子を示している。図3(d)は、画像データGD3の生成に利用されるフレーム画像が、フレームメモリから読み出される様子を示している。図3(c)および図3(d)において、右上から左下へのハッチングは、フレームメモリの第1のエリアに対して読み書きが行われている状態を示している。また、左上から右下へのハッチングは、フレームメモリの第2のエリアに対して読み書きが行われている状態を示している。
【0026】
図3(c)に示すように、時刻t1から時刻t3までの期間(以下、「期間t1〜t3」と呼び、他の期間についても同様に呼ぶ)、第1のエリアには、画像データGD2のN番目のフレームの画像(以下、単に「フレームN」と呼び、他のフレームついても同様に呼ぶ)が書き込まれている。このとき、第1のエリアのうちフレーム画像の書き込みが行われた領域には書き込み途中のフレームNが格納され、フレーム画像の書き込みが未だ行われていない領域には、先に格納されたフレームNー2が格納されたままとなっている。そのため、図3(a)に示すように、期間t1〜t3において、第1エリアには、フレームN−2とフレームNとの、2つのフレーム画像が格納されている。
【0027】
一方、期間t1〜t3においては、第2エリアに対してはフレーム画像の書き込みが行われていない。そのため、図3(b)に示すように、第2エリアには、書き込み中のフレームNの前のフレームN−1のみが格納されている。そして、図3(d)に示すように、フレーム画像の読み取りを、フレーム画像の書き込みが行われていない第2エリアから行うことにより、期間t1〜t2,t2〜t3のそれぞれにおいてフレームN−1が読み出される。
【0028】
次に、期間t3〜t5においては、図3(c)に示すように、第2エリアに対してフレームN+1の書き込みが行われる。そのため、図3(a)に示すように、期間t3〜t5において、第2エリアには、フレームN−1とフレームN+1との、2つのフレーム画像が格納されている。一方、第1エリアに対してはフレーム画像の書き込みが行われないので、第1エリアには、期間t1〜t3において書き込まれたフレームNのみが格納されている。そして、図3(d)に示すように、フレーム画像の読み取りを第1エリアから行うことにより、期間t3〜t4,t4〜t5のそれぞれにおいてフレームNが読み出される。
【0029】
このように、フレームメモリに2つのエリアを設け、読み出しと書き込みとを互いに異なるエリアに対して交互に行うことにより、フレーム変換後のフレーム画像に2つのフレーム画像が混在することが抑制される。なお、図3の例では、フレームレートが30FPSから、その倍の60FPSに変換されるので、画像データの書き込みと読み出しとを互いに異なるエリアに対して交互に行っているが、変換後のフレームレートが変換前のフレームレートの整数倍となっていない場合には、フレームの読み出しの開始時点t1〜t5)において、書き込みが完了している(すなわち、フレーム画像の書き込みが行われていない)エリアからフレーム画像の読み出しが行われる。
【0030】
補間・色調整処理部140(図2)は、フレームレート変換部130から供給される画像データGD3に対して、補間処理や色調整処理(コントラスト調整処理、色補正処理)等の処理を施して画像データGD4を生成する。なお、補間・色調整処理140において画像データGD3に施される種々の処理の内容は、本発明に影響しないので、ここではその説明を省略する。
【0031】
画像合成部150は、補間・色調整処理部140から供給される画像データGD4に、OSD画像生成部230により生成されたOSD画像を合成して、イメージセンサ110により撮影された画像にOSD画像が重畳された画像データGD5を生成する。画像データGD4へのOSD画像の合成は、周知のスーパーインポーズ方法によって行うことができる。なお、OSD画像の合成を行わない場合には、画像合成部150をバイパスするものとしてもよい。
【0032】
出力信号生成部160は、画像合成部150から供給される画像データGD5から、モニタ装置300が受け取り可能な所定の形式の映像信号VSGを生成する。生成された映像信号VSGは、図1に示すようにケーブル104を介してモニタ装置300に供給される。
【0033】
フリッカ低減部240は、撮像制御部210とフレーム読出制御部220とを制御することにより、蛍光灯20(図1)等の周期的に明滅する光源で照明された被写体を撮影した際に生じるフリッカを低減する。具体的には、フリッカ低減部240は、撮像制御部210に撮影フレームレートと電子シャッタのシャッタ速度とゲイン倍率とを設定する指示を供給し、フレーム読み出し制御部220に出力フレームレートを設定する指示を供給する。これらの設定指示は、フリッカ低減部240が備える複数の動作モード(フリッカ低減モード)にしたがって生成される。複数のフリッカ低減モードのうちのいずれのフリッカ低減モードが実行されるかは、カメラ動作設定部250に設けられた不揮発性メモリ252に格納された設定値に基づいて決定される。なお、個々のフリッカ低減モードにおける撮像制御部210とフレーム読出制御部220との具体的な制御態様については、後述する。
【0034】
リモートコントローラ受信部170は、リモートコントローラ102から送信される信号を受信する。そして、リモートコントローラ102に設けられたボタンの操作状態を表す情報(ボタン操作情報)を、カメラ動作設定部250に供給する。カメラ動作設定部250は、リモートコントローラ受信部170から供給されるボタン操作情報に基づいて、OSD画像生成部230にユーザによる操作を案内するためのOSD画像(設定画面)を生成させる。これにより、ビデオカメラ100から映像信号VSGが供給されるモニタ装置300には、ビデオカメラ100で撮影された映像に設定画面が重畳されて表示される。カメラ動作設定部250は、また、ボタン操作情報に基づいて、不揮発性メモリ252に格納されたビデオカメラ100の種々の動作条件の設定値を変更する。このようにカメラ動作設定部250がフリッカ低減モードを指定する設定値を変更することにより、フリッカ低減部240の動作モードが変更される。なお、このようにカメラ動作設定部は、ボタン操作情報に基づいてフリッカ低減モードを変更するので、フリッカ低減モードを設定する「モード設定部」ともいうことができる。
【0035】
図4(a)は、ユーザによるリモートコントローラ102の操作に応じてモニタ装置300の画面310上に表示される設定画面SMの一例を示している。図4(a)の例では、設定画面SMとして、リモートコントローラ102の操作が行われた際に最初に表示されるメインメニュー(MAIN MENU)が、ビデオカメラ100で撮影された映像に重畳して表示されている。
【0036】
設定画面SMでは、ビデオカメラ100の種々の動作条件を設定するためのサブメニューのリストが表示される。そして、リスト表示された複数のサブメニュー項目のうちの1つのサブメニュー項目が選択され、選択されたサブメニュー項目が反転表示される。ユーザがリモートコントローラ102の上ボタンBUPあるいは下ボタンBDNを操作すると、選択されるサブメニュー項目が変更される。ユーザは、必要に応じて選択されるサブメニュー項目を変更し、リモートコントローラ102の右ボタンBRTを操作する。右ボタンBRTの操作により、選択されたサブメニュー項目に対応するサブメニューが表示される。
【0037】
図4(b)は、図4(a)に示すようにサブメニュー項目「CAMERA SETUP」が選択された状態で、リモートコントローラ102の右ボタンBRT(ハッチング部分)が操作されることにより表示される設定画面SS1を示している。図4(b)の例では、設定画面SS1として、サブメニュー項目「CAMERA SETUP」に対応するサブメニューが、ビデオカメラ100で撮影された映像に重畳されて表示されている。
【0038】
設定画面SS1では、ビデオカメラ100の基本的な動作を規定する種々の設定項目とその設定値が表示される。そして、これらの設定項目のうちの1つの設定項目が選択され、選択された設定項目が反転表示される。ユーザがリモートコントローラ102の上ボタンBUPあるいは下ボタンBDNを操作すると、選択される設定項目が変更される。ユーザがリモートコントローラ102の右ボタンBRTあるいは左ボタンBLTを操作すると、選択された設定項目の設定値が変更される。変更された設定値は、カメラ動作設定部250(図2)の不揮発性メモリ252に格納される。
【0039】
なお、設定画面SS1に表示された最下端の設定項目(FLICKER)が選択されている際にリモートコントローラ102の下ボタンBDNが操作されると、設定画面SS1における設定値の変更は終了する。同様に、設定画面SS1に表示された最上端の設定項目(BLC)が選択されている際にリモートコントローラ102の上ボタンBUPが操作されると、設定画面SS1における設定値の変更は終了する。設定値の変更が終了すると、図4(a)に示すように、メインメニューを表す設定画面SMが表示される。
【0040】
図4(b)の例では、設定画面SS1に表示された複数の設定項目のうち設定項目「FLICKER」が選択されている。そのため、設定項目「FLICKER」とその設定値「OFF」が反転表示されている。この設定項目「FLICKER」の設定値は、フリッカ低減部240(図2)の動作モード(フリッカ低減モード)を表している。そして、ユーザがリモートコントローラ102の右ボタンBRTあるいは左ボタンBLTを操作すると、フリッカ低減モードが変更されるとともに、設定項目「FLICKER」の設定値表示が変更される。なお、フリッカ低減モードには、ビデオカメラ100から出力される映像信号VSGの特性に基づいて、優先順位が付けられている。ユーザによるリモートコントローラ102の右ボタンBRTの操作に応じて、フリッカ低減モードは、優先順位の高いモードから次に優先順位の高いモードに順次切り換えられる。
【0041】
図4(b)に示すように、フリッカ低減モードが「OFF」に設定されている場合、フリッカ低減部240(図2)は、フリッカ低減処理を行わない通常の設定でビデオカメラ100(図2)各部を制御する。具体的には、フリッカ低減部240は、撮影フレームレートを60FPSとする指示と、電子シャッタをオフ状態とする指示と、ゲイン倍率を1にする指示と、を撮像制御部210に供給する。フリッカ低減部240は、また、フレーム読出制御部220に出力フレームレートを60FPSとする指示を供給する。撮像制御部210とフレーム読出制御部220とは、それぞれ、フリッカ低減部240から供給された指示に基づいて、イメージセンサ110とフレームレート変換部130とを制御する。これにより、撮影フレームレートと出力フレームレートとはいずれも60FPSに設定され、電子シャッタはオフ状態(すなわち、電子シャッタが常時開いている状態)に設定される。
【0042】
図5は、フリッカ低減モードが「OFF」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図である。図5の例は、図1に示す監視システム10が電源周波数が50Hzの地域で使用されている状態を示している。図5(a)ないし図5(d)のグラフの横軸は、時間を表している。図5(a)は、ビデオカメラ100により撮影されるフレームを示している。図5(b)は、電子シャッタの開閉状態を示している。図5(c)および図5(d)は、蛍光灯20の輝度の時間変化を示している。
【0043】
一般に、蛍光灯20の輝度は、電源周波数と同一の周波数の周波数、もしくは、電源周波数の倍の周波数で変動する。図5の例では、電源周波数が50Hzとなっているため、蛍光灯20の輝度は、図5(c)に示すように50Hzで変動するか、もしくは、図5(d)に示すように100Hzで変動する。そのため、蛍光灯20により照明されている被写体の照度の変動は、50Hzの変動成分と100Hzの変動成分とを重ね合わせたものとなる。蛍光灯20の輝度の変動が、電源周波数と同一の周波数となるか、電源周波数の倍の周波数となるかは、蛍光灯20の使用時間、蛍光灯20の形状、蛍光灯20における位置等の種々の条件により変化する。したがって、被写体の照度の変動は、蛍光灯20の状態によって、50Hzの変動成分が主となる場合と、100Hzの変動成分が主となる場合とがある。
【0044】
フリッカ低減モードが「OFF」の場合には、上述のように、撮影フレームレートは60FPSに設定されているので、イメージセンサ110は、1/60秒(s)のフレーム期間に1フレーム分の画像データを生成する。また、電子シャッタはオフ状態となっているので、イメージセンサ110により生成される1フレーム分の画像データは、1/60秒のフレーム期間にイメージセンサ110に入射した光量に応じて生成される。そのため、図5に示すように蛍光灯20の輝度の変動周期がフレーム期間に一致しない場合、フレーム期間の輝度の積分値、すなわち、図5(c)あるいは図5(d)において同一方向のハッチングを付した領域の面積は、フレーム毎に変化する。したがって、被写体の照度の積分値はフレーム毎に変化し、ビデオカメラ100により撮影される映像には、フレーム毎に明るさが変動するフリッカが発生する。
【0045】
図6は、フリッカ低減モードが「OFF」から「DECREASE」に変更される様子を示す説明図である。図6(a)は、図4(b)と同じ図面であり、フリッカ低減モードが「OFF」となっている状態での設定画面SS1を示している。設定画面SS1が表示されている状態で、ユーザがリモートコントローラ102の右ボタンBRT(ハッチング部分)を操作すると、フリッカ低減モードが「OFF」から「DECREASE」に変更されるとともに、図6(b)に示すように設定項目「FLICKER」の設定値表示が「DECREASE」に変更された設定画面SS2が表示される。
【0046】
図6(b)に示すように、フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定されている場合、フリッカ低減部240(図2)は、フリッカが低減されるように、ビデオカメラ100(図2)各部を制御する。具体的には、フリッカ低減部240は、撮影フレームレートを60FPSとする指示と、電子シャッタのシャッタ速度を1/100秒とする指示と、ゲイン倍率を約1.6(1/0.6)にする指示と、を撮像制御部210に供給する。フリッカ低減部240は、また、フレーム読出制御部220に出力フレームレートを60FPSとする指示を供給する。撮像制御部210とフレーム読出制御部220とは、それぞれ、フリッカ低減部240から供給された指示に基づいて、イメージセンサ110とフレームレート変換部130とを制御する。これにより、撮影フレームレートと出力フレームレートとはいずれも60FPSに設定され、電子シャッタのシャッタ速度は1/100秒(すなわち、1フレーム期間毎に電子シャッタが1/100秒間開く状態)に設定される。
【0047】
図7は、フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図である。図7の例は、図5と同様に、監視システム10(図1)が電源周波数が50Hzの地域で使用されている状態を示している。図7(a)ないし図7(d)のグラフの横軸は、時間を表している。図7(a)は、ビデオカメラ100により撮影されるフレームを示している。図7(b)は、電子シャッタの開閉状態を示している。図7(c)および図7(d)は、蛍光灯20の輝度の時間変化を示している。
【0048】
上述のように、フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定されている場合には、ビデオカメラ100の撮影フレームレートは60FPSに設定され、シャッタ速度は1/100秒に設定される。そのため、1フレーム分の画像は、1/100秒の間にイメージセンサ110に入射した光量に応じて生成される。
【0049】
図7(c)に示すように蛍光灯20の輝度が50Hzで変動する場合、電子シャッタが開いている期間の輝度の積分値(ハッチング部分の面積)は、フレーム毎に変化する。したがって、被写体の照度変動の主な成分が50Hzである場合には、ビデオカメラ100により撮影される映像のフリッカはあまり低減されない。
【0050】
一方、図7(d)に示すように蛍光灯20の輝度が100Hzで変動する場合、電子シャッタが開いている期間の輝度の積分値(ハッチング部分の面積)は変化しない。したがって、被写体の照度変動の主な成分が100Hzである場合には、ビデオカメラ100により撮影された映像は、フレーム毎の明るさの変動が抑制されてフリッカが低減される。
【0051】
このように、フリッカ低減モード「DECREASE」においては、ビデオカメラ100の撮影フレームレートは60FPSに設定され、シャッタ速度は1/100秒に設定される。これにより、被写体の照度変動の主な成分が100Hzである場合には、フリッカが低減される。通常、蛍光灯20により照明される被写体では、蛍光灯20の中央部からの光量が多く、蛍光灯20の端部からの光量は少なくなる。一般に、蛍光灯20の端部では、図7(c)に示すように輝度の変動は電源周波数と同一になり、蛍光灯20の中央部では、図7(d)に示すように輝度の変動は電源周波数の倍となる傾向がある。そのため、通常は、被写体の照度変動の主な成分が100Hzとなるので、フリッカ低減モードが「DECREASE」であってもフリッカは十分低減される。しかしながら、照明の方法や蛍光灯の使用時間等の種々の条件により、照度変動の主な成分が50Hzとなった場合には、フリッカがあまり低減されなくなる。
【0052】
なお、フリッカ低減モードが「DECREASE」の場合、上述のように、画像信号のゲインが通常のゲインよりも高く設定されるので、画像データのS/N比が低下する。一方、撮影フレームレートは、標準的なフレームレート(60FPS)に設定される。そのため、ビデオカメラ100により撮影された映像の動解像度の低下は抑制される。
【0053】
図8は、フリッカ低減モードが「DECREASE」から「LESS1」に変更される様子を示す説明図である。図8(a)は、図6(b)と同じ図面であり、フリッカ低減モードが「DECREASE」となっている状態での設定画面SS2を示している。この設定画面SS2が表示されている状態で、ユーザがリモートコントローラ102の右ボタンBRT(ハッチング部分)を操作すると、フリッカ低減モードが「DECREASE」から「LESS1」に変更されるとともに、図8(b)に示すように設定項目「FLICKER」の設定値表示が「LESS1」に変更された設定画面SS3が表示される。
【0054】
図8(b)に示すように、フリッカ低減モードが「LESS1」に設定されている場合、フリッカ低減部240(図2)は、フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定された場合よりもフリッカが低減されるように、ビデオカメラ100(図2)各部を制御する。具体的には、フリッカ低減部240は、撮影フレームレートを30FPSとする指示と、電子シャッタのシャッタ速度を1/50秒とする指示と、ゲイン倍率を約0.8(1/1.2)にする指示と、を撮像制御部210に供給する。フリッカ低減部240は、また、フレーム読出制御部220に出力フレームレートを60FPSとする指示を供給する。撮像制御部210とフレーム読出制御部220とは、それぞれ、フリッカ低減部240から供給された指示に基づいて、イメージセンサ110とフレームレート変換部130とを制御する。これにより、撮影フレームレートは30FPSに設定され、電子シャッタのシャッタ速度は1/50秒(すなわち、1フレーム期間毎に電子シャッタが1/50秒間開く状態)に設定される。そして、出力フレームレートは、60FPSに設定される。
【0055】
図9は、フリッカ低減モードが「LESS1」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図である。図9の例は、図5と同様に、監視システム10(図1)が電源周波数が50Hzの地域で使用されている状態を示している。図9(a)ないし図9(d)のグラフの横軸は、時間を表している。図9(a)は、ビデオカメラ100により撮影されるフレームを示している。図9(b)は、電子シャッタの開閉状態を示している。図9(c)および図9(d)は、蛍光灯20の輝度の時間変化を示している。
【0056】
図9(c)に示すように、シャッタ速度を1/50秒に設定することにより、蛍光灯20の輝度が50Hzで変動する場合においても、電子シャッタが開いている期間の輝度の積分値(ハッチング部分の面積)は変化しなくなる。また、図9(d)に示すように、蛍光灯20の輝度が100Hzで変動する場合においても、電子シャッタが開いている期間の輝度の積分値(ハッチング部分の面積)は変化しない。そのため、被写体の照度変動の主な成分が50Hzか100Hzかにかかわらず、ビデオカメラ100により撮影される映像は、フレーム毎の明るさの変動が抑制され、フリッカが良好に低減される。
【0057】
このように、ビデオカメラ100の撮影フレームレートを30FPSに設定し、シャッタ速度を1/50秒に設定することにより、被写体の照度変動によるフリッカは蛍光灯20の状態によらず低減される。そして、撮影フレームレート30FPSで撮影された映像は、フレームレート変換部において60FPSの映像に変換され、ビデオカメラ100からは60FPSの映像が出力される。
【0058】
なお、フリッカ低減モードが「LESS1」の場合、上述のように、画像信号のゲインが通常のゲインよりも低く設定されるので、画像データのS/N比が向上する。一方、撮影フレームレートは、標準的なフレームレート(60FPS)の半分の30FPSに設定される。そのため、ビデオカメラ100により撮影された映像の動解像度は低下する。
【0059】
図10は、フリッカ低減モードが「LESS1」から「LESS2」に変更される様子を示す説明図である。図10(a)は、図8(b)と同じ図面であり、フリッカ低減モードが「LESS1」となっている状態の設定画面SS3を示している。この設定画面SS3が表示されている状態で、ユーザがリモートコントローラ102の右ボタンBRT(ハッチング部分)を操作すると、フリッカ低減モードが「LESS1」から「LESS2」に変更される。そして、モニタ装置300の表示画面310には、設定項目「FLICKER」の設定値表示が「LESS2」に変更された設定画面SS4が表示される。
【0060】
図10(b)に示すように、フリッカ低減モードが「LESS2」に設定されている場合においても、フリッカ低減部240(図2)は、フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定された場合よりもフリッカが低減されるように、ビデオカメラ100(図2)各部を制御する。具体的には、フリッカ低減部240は、撮影フレームレートを50FPSとする指示と、電子シャッタをオフにする指示と、ゲイン倍率を約0.8(1/1.2)にする指示と、を撮像制御部210に供給する。フリッカ低減部240は、また、フレーム読出制御部220に出力フレームレートを50FPSとする指示を供給する。撮像制御部210とフレーム読出制御部220とは、それぞれ、フリッカ低減部240から供給された指示に基づいて、イメージセンサ110とフレームレート変換部130とを制御する。これにより、撮影フレームレートと出力フレームレートとはいずれも50FPSに設定され、電子シャッタはオフ状態に設定される。
【0061】
図11は、フリッカ低減モードが「LESS2」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図である。図11の例は、図5と同様に、監視システム10(図1)が電源周波数が50Hzの地域で使用されている状態を示している。図11(a)ないし図11(d)のグラフの横軸は、時間を表している。図11(a)は、ビデオカメラ100により撮影されるフレームを示している。図11(b)は、電子シャッタの開閉状態を示している。図11(c)および図11(d)は、蛍光灯20の輝度の時間変化を示している。
【0062】
図11に示すように、撮影フレームレートが50FPSに設定され、電子シャッタがオフ状態に設定されている場合、1フレーム分の画像データは、1/50秒のフレーム期間にイメージセンサ110に入射した光量に応じて生成される。このときフレーム期間の蛍光灯20の輝度積分値(ハッチング部分の面積)は、蛍光灯20の輝度が50Hzで変動する場合と100Hzで変動する場合とのいずれの場合においても変化しない。そのため、被写体の照度変動の主な成分が50Hzか100Hzかにかかわらず、ビデオカメラ100により撮影される映像のフレーム毎の明るさの変動が抑制され、フリッカは良好に低減される。
【0063】
なお、第1実施例では、フリッカ低減モードが「LESS2」の場合、電子シャッタはオフ状態に設定されているが、電子シャッタをオフ状態以外の任意の状態に設定することも可能である。このようにしても、フレームの開始タイミングは、50Hzおよび100Hzの輝度変動のいずれとも同期する。そのため、シャッタ速度の設定状態によらず、フレーム毎の明るさの変動が抑制される。
【0064】
このように、ビデオカメラ100の撮影フレームレートを50FPSに設定することにより、被写体の照度変動によるフリッカは蛍光灯20の状態によらず低減される。また、画像信号のゲインは通常のゲインよりも低く設定されるので画像データのS/N比が向上し、撮影フレームレート(50FPS)は十分高いので動解像度の低下はほとんど問題とならない。ただし、モニタ装置300(図1)は、通常、NTSC方式に準じた60FPSの映像信号を受け付けるように構成されている。そのため、モニタ装置300によっては、撮影フレームレートと同じ50FPSの映像信号での表示ができない場合がある。
【0065】
図12は、フリッカ低減モードが「LESS2」から「LESS3」に変更される様子を示す説明図である。図12(a)は、図10(b)と同じ図面であり、フリッカ低減モードが「LESS2」となっている状態の設定画面SS4を示している。この設定画面SS4が表示されている状態で、ユーザがリモートコントローラ102の右ボタンBRTを操作すると、フリッカ低減モードが「LESS2」から「LESS3」に変更される。そして、モニタ装置300の表示画面310には、設定項目「FLICKER」の設定値表示が「LESS3」に変更された設定画面SS5が表示される。
【0066】
図12(b)に示すように、フリッカ低減モードが「LESS3」に設定されている場合、フリッカ低減部240(図2)は、フリッカ低減モードが「LESS2」の場合と同様に、フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定された場合よりもフリッカが低減されるように、ビデオカメラ100(図2)各部を制御する。具体的には、フリッカ低減部240は、撮影フレームレートを50FPSとする指示と、電子シャッタをオフにする指示と、ゲイン倍率を約0.8(1/1.2)にする指示と、を撮像制御部210に供給する。フリッカ低減部240は、また、フレーム読出制御部220に出力フレームレートを60FPSとする指示を供給する。撮像制御部210とフレーム読出制御部220とは、それぞれ、フリッカ低減部240から供給された指示に基づいて、イメージセンサ110とフレームレート変換部130とを制御する。これにより、撮影フレームレートは50FPSに設定され、電子シャッタはオフ状態に設定される。そして、出力フレームレートは、60FPSに設定される。
【0067】
上述のように、撮影フレームレートを50FPSとすることにより、電源周波数が50Hzの地域で生じるフリッカは低減される。そして、出力フレームレートを60FPSとすることにより、出力信号生成部160では60FPSの映像信号VSGが生成され、ビデオカメラ100から出力される。このように、映像信号VSGのフレームレートが60FPSに変換されることにより、モニタ装置300において映像が表示されないおそれは低減する。ただし、フレームレートの変換を行うことにより、フレームレート変換後の映像が不自然なものとなるおそれがある。
【0068】
このように、第1実施例のビデオカメラ100のフリッカ低減部240は、4つの異なるフリッカ低減モード(「DECREASE」、「LESS1」、「LESS2」、「LESS3」)を備えている。そして、これらのフリッカ低減モードは、ビデオカメラ100が撮影した映像に重畳されたオンスクリーンディスプレイ上での操作により設定される。そのため、ユーザは、モニタ装置300に表示された映像を見ながらフリッカの低減方法を設定することができ、フリッカの低減方法の設定が容易となる。
【0069】
また、第1実施例では、複数のフリッカ低減モードに、映像信号VSGの特性に基づいて優先順位が付けられている。そして、フリッカ低減モードは、その優先順位にしたがって、「DECREASE」、「LESS1」、「LESS2」、「LESS3」の順に、順次切り換えられる。そのため、より好ましいフリッカ低減モードを設定することがより容易となる。ただし、フリッカ低減モードの切換順は、必ずしもこの順番でなくとも良い。
【0070】
B.第2実施例:
図13は、第2実施例におけるビデオカメラ100aの機能的な構成を示すブロック図である。第2実施例のビデオカメラ100aは、電源周波数判別部180を備えている点と、カメラ動作設定部250aが電源周波数判別部180に接続されている点とで、第1実施例のビデオカメラ100と異なっている。他の点は、第1実施例のビデオカメラ100と同様である。
【0071】
電源周波数判別部180は、ビデオカメラ100aが設置されている地域の電源周波数を判別する。具体的には、ビデオカメラ100aに供給される電源の周波数が、50Hzと60Hzとのいずれであるかを判別する。なお、電源周波数の判別は、周波数カウンタや、バンドパスフィルタを用いた検出器等を用いて行うことができる。電源周波数判別部180による電源周波数の判別結果は、カメラ動作設定部250aに供給される。
【0072】
図14は、第2実施例のカメラ動作設定部250aにより実行されるフリッカ低減設定処理ルーチンを示すフローチャートである。このフリッカ低減設定処理ルーチンは、ビデオカメラ100aの電源が投入された際に実行される。
【0073】
ステップS110において、カメラ動作設定部250aは、電源周波数が60Hzであるか否かを判断する。電源周波数が60Hzである場合、制御はステップS160に移される。一方、電源周波数が60Hzでない場合、すなわち、電源周波数が50Hzである場合、制御はステップS120に移される。
【0074】
ステップS120において、カメラ動作設定部250aは、フリッカ低減モードが設定済か否かを判断する。具体的には、カメラ動作設定部250aが備える不揮発性メモリ252を参照する。そして、フリッカ低減モードが設定された際に設定される設定済フラグのセット・リセット状態に基づいて、フリッカ低減モードが設定済か否かを判断する。設定済フラグがセットされている場合、フリッカ低減モードは設定済であると判断され、フリッカ低減設定処理ルーチンは終了する。一方、設定済フラグがリセットされている場合、フリッカ低減モードは設定済でないと判断され、制御はステップS130に移される。
【0075】
ステップS130において、カメラ動作設定部250aは、フリッカ低減モードの設定を実行する。具体的には、図4(b)に示す設定画面SS1を表示し、ユーザにフリッカ低減モードの設定を促す。そして、ユーザの指示に基づいてフリッカ低減モードを設定する。フリッカ低減モードの設定の後、図14のフリッカ低減設定処理ルーチンは終了する。
【0076】
ステップS160において、カメラ動作設定部250aは、フリッカ低減モードを「OFF」に設定する。そして、フリッカ低減モードが「OFF」に設定された後、図14のフリッカ低減設定処理ルーチンは終了する。
【0077】
このように、第2実施例では、電源周波数の判別を行い、フリッカの低減が必要となる可能性がある50Hzであり、かつ、フリッカ低減モードが設定済でない場合には、フリッカ低減モードの設定をユーザに促す。一方、電源周波数がフリッカの低減が不要な60Hzである場合には、フリッカ低減モードは「OFF」に設定される。そのため、フリッカ低減モードの設定が好ましい場合にはフリッカ低減モードの設定が促されるので、より好ましいフリッカ低減モードを設定することがより容易となる。
【0078】
なお、第2実施例では、電源周波数が60Hzの場合には、ステップS160においてフリッカ低減モードが「OFF」に設定されているが、電源周波数が60Hzの場合に設定済フラグをリセットするものとしてもよい。このようにすれば、電源周波数が異なる地域間で移動した場合においても、フリッカ低減モードの設定がより容易となる。
【0079】
C.変形例:
なお、この発明は上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0080】
C1.変形例1:
上記各実施例では、フリッカの低減を行うため、イメージセンサ110(図2)が備える電子シャッタの開閉状態を制御しているが、電子シャッタに換えて光学的なシャッタの開閉状態を制御してフリッカを低減することも可能である。光学的なシャッタとしては、イメージセンサ110への光の入射時間が制御可能であればよく、機械的なシャッタや、液晶の透過率を変化させる液晶シャッタ等、種々のシャッタを使用することができる。
【0081】
C2.変形例2:
上記各実施例では、フリッカ低減部240(図2)は、4つの異なるフリッカ低減モード(「DECREASE」、「LESS1」、「LESS2」、「LESS3」)を備えているが、フリッカ低減部240が備えるフリッカ低減モードは必ずしもこれらの4つのフリッカ低減モードでなくてもよい。フリッカ低減部240は、一般に、これらの4つのフリッカ低減モードのうち少なくとも2以上のフリッカ低減モードを備えていればよい。また、フリッカ低減部240が、これらの4つのフリッカ低減モードとは異なる低減モードを備えるものとしてもよい。
【0082】
C3.変形例3:
上記各実施例は、映像信号の標準的なフレームレートがNTSC方式に準じた60FPSとなっているが、本発明は、標準的なフレームレートが60FPSとは異なる場合にも適用可能である。本発明は、例えば、映像信号の標準的なフレームレートがPAL規格に準じた50FPSである場合にも適用可能である。この場合、フリッカ低減モードと、個々のモードにおける撮像制御部210およびフレーム読出制御部220の制御態様は、標準的なフレームレートに応じて適宜変更される。
【0083】
C4.変形例4:
上記各実施例では、ビデオカメラ100(図1)の設定は、ユーザによるリモートコントローラ102の操作に応じて行われているが、リモートコントローラ102を用いずにビデオカメラ100の設定を行うことも可能である。例えば、ビデオカメラ100にユーザによる操作を受け付けるボタンを設け、ユーザによるボタン操作状態を取得することによりビデオカメラ100の設定を行うものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1実施例を適用する監視システムの概略構成を示す概略構成図。
【図2】ビデオカメラ100の機能的な構成を示す機能ブロック図。
【図3】フレームメモリに対するフレーム画像の読み書きによりフレームレート変換が行われる様子を示す説明図。
【図4】ビデオカメラ100の設定を変更するためのメニューが表示される様子を示す説明図。
【図5】フリッカ低減モードが「OFF」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図。
【図6】フリッカ低減モードが「OFF」から「DECREASE」に変更される様子を示す説明図。
【図7】フリッカ低減モードが「DECREASE」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図。
【図8】フリッカ低減モードが「DECREASE」から「LESS1」に変更される様子を示す説明図。
【図9】フリッカ低減モードが「LESS1」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図。
【図10】フリッカ低減モードが「LESS1」から「LESS2」に変更される様子を示す説明図。
【図11】フリッカ低減モードが「LESS2」に設定されている状態において、ビデオカメラ100による撮影が行われる様子を示す説明図。
【図12】フリッカ低減モードが「LESS2」から「LESS3」に変更される様子を示す説明図。
【図13】第2実施例におけるビデオカメラ100aの機能的な構成を示すブロック図。
【図14】第2実施例のカメラ動作設定部250aにより実行されるフリッカ低減設定処理ルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0085】
10…監視システム
20…蛍光灯
100,100a…ビデオカメラ
102…リモートコントローラ
104…ケーブル
110…イメージセンサ
120…前処理部
130…フレームレート変換部
140…補間・色調整処理部
150…画像合成部
160…出力信号生成部
170…リモートコントローラ受信部
180…電源周波数判別部
200…カメラ制御部
210…撮像制御部
220…フレーム読出制御部
230…OSD画像生成部
240…フリッカ低減部
250,250a…カメラ動作設定部
252…不揮発性メモリ
300…モニタ装置
310…表示画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオカメラであって、
被写体を撮影して被写体画像を生成する撮像部と、
前記被写体画像に重畳される重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
前記被写体画像と前記重畳画像とを合成して合成画像を生成する画像合成部と、
前記ビデオカメラが出力する映像信号を前記合成画像から生成する映像信号生成部と、
前記被写体を照明する光源の輝度変化によって生じるフリッカを低減するための互いに異なる複数のフリッカ低減モードを有するフリッカ低減部と、
ユーザの指示に基づいて、前記フリッカ低減部において実行されるフリッカ低減モードを設定するモード設定部と、
を備え、
前記モード設定部は、前記ユーザにフリッカ低減モードの設定を案内するための設定画面を前記重畳画像として前記重畳画像生成部に生成させる、
ビデオカメラ。
【請求項2】
請求項1記載のビデオカメラであって、さらに、
前記ビデオカメラに供給される電源の周波数を判別する電源周波数判別部を備えており、
前記モード設定部は、前記電源周波数判別部により判別された電源周波数がフリッカを発生させる可能性がある電源周波数であった場合に、前記設定画面を前記重畳画像生成部に生成させる、
ビデオカメラ。
【請求項3】
請求項1または2記載のビデオカメラであって、
前記複数のフリッカ低減モードのそれぞれには、各フリッカ低減モードが実行されている際の前記映像信号の特性に基づいて優先順位が設定されており、
前記モード設定部は、前記ユーザの指示に応じて、前記優先順位の順にフリッカ低減モードを順次切り換える、
ビデオカメラ。
【請求項4】
ビデオカメラにより撮影される被写体を照明する光源の輝度変化によって生じるフリッカを低減するフリッカ低減方法であって、
(a)前記被写体を撮影して被写体画像を生成する工程と、
(b)前記ビデオカメラが出力する映像信号を前記被写体画像から生成する生成する工程と、
(c)互いに異なる複数のフリッカ低減モードのうちから選択されたフリッカ低減モードを実行することによりフリッカを低減する工程と、
(d)ユーザの指示に基づいて、前記工程(c)において実行されるフリッカ低減モードを設定する工程と、
を備え、
前記工程(d)は、ユーザにフリッカ低減モードの設定を案内するための設定画面を生成する工程を含み、
前記工程(b)は、
前記被写体画像に前記設定画面を重畳した合成画像を生成する工程と、
前記合成画像から前記映像信号を生成する工程と、
を含む、
フリッカ低減方法。
【請求項1】
ビデオカメラであって、
被写体を撮影して被写体画像を生成する撮像部と、
前記被写体画像に重畳される重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
前記被写体画像と前記重畳画像とを合成して合成画像を生成する画像合成部と、
前記ビデオカメラが出力する映像信号を前記合成画像から生成する映像信号生成部と、
前記被写体を照明する光源の輝度変化によって生じるフリッカを低減するための互いに異なる複数のフリッカ低減モードを有するフリッカ低減部と、
ユーザの指示に基づいて、前記フリッカ低減部において実行されるフリッカ低減モードを設定するモード設定部と、
を備え、
前記モード設定部は、前記ユーザにフリッカ低減モードの設定を案内するための設定画面を前記重畳画像として前記重畳画像生成部に生成させる、
ビデオカメラ。
【請求項2】
請求項1記載のビデオカメラであって、さらに、
前記ビデオカメラに供給される電源の周波数を判別する電源周波数判別部を備えており、
前記モード設定部は、前記電源周波数判別部により判別された電源周波数がフリッカを発生させる可能性がある電源周波数であった場合に、前記設定画面を前記重畳画像生成部に生成させる、
ビデオカメラ。
【請求項3】
請求項1または2記載のビデオカメラであって、
前記複数のフリッカ低減モードのそれぞれには、各フリッカ低減モードが実行されている際の前記映像信号の特性に基づいて優先順位が設定されており、
前記モード設定部は、前記ユーザの指示に応じて、前記優先順位の順にフリッカ低減モードを順次切り換える、
ビデオカメラ。
【請求項4】
ビデオカメラにより撮影される被写体を照明する光源の輝度変化によって生じるフリッカを低減するフリッカ低減方法であって、
(a)前記被写体を撮影して被写体画像を生成する工程と、
(b)前記ビデオカメラが出力する映像信号を前記被写体画像から生成する生成する工程と、
(c)互いに異なる複数のフリッカ低減モードのうちから選択されたフリッカ低減モードを実行することによりフリッカを低減する工程と、
(d)ユーザの指示に基づいて、前記工程(c)において実行されるフリッカ低減モードを設定する工程と、
を備え、
前記工程(d)は、ユーザにフリッカ低減モードの設定を案内するための設定画面を生成する工程を含み、
前記工程(b)は、
前記被写体画像に前記設定画面を重畳した合成画像を生成する工程と、
前記合成画像から前記映像信号を生成する工程と、
を含む、
フリッカ低減方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−311854(P2008−311854A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156488(P2007−156488)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000000424)株式会社エルモ社 (104)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000000424)株式会社エルモ社 (104)
【Fターム(参考)】
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